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特開2022-168698金属ケーシング、電気加熱式触媒コンバータ及び金属ケーシングの製造方法
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  • 特開-金属ケーシング、電気加熱式触媒コンバータ及び金属ケーシングの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168698
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】金属ケーシング、電気加熱式触媒コンバータ及び金属ケーシングの製造方法
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/28 20060101AFI20221031BHJP
   F01N 3/20 20060101ALI20221031BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20221031BHJP
   B01J 35/02 20060101ALI20221031BHJP
   B01J 35/04 20060101ALI20221031BHJP
   B01J 37/08 20060101ALI20221031BHJP
   B01J 37/04 20060101ALI20221031BHJP
   B01J 33/00 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
F01N3/28 301W
F01N3/20 K ZAB
B01D53/94 300
B01J35/02 G
B01J35/04 301F
B01J37/08
B01J37/04 101
B01J33/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074344
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】川島 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】沖 俊典
(72)【発明者】
【氏名】飯田 達雄
(72)【発明者】
【氏名】貞光 貴裕
【テーマコード(参考)】
3G091
4D148
4G169
【Fターム(参考)】
3G091BA07
3G091CA03
3G091GA06
3G091GB01Z
3G091GB10Z
3G091GB13X
3G091GB17X
3G091HA00
3G091HA27
3G091HA29
4D148BA10X
4D148BB02
4D148CC53
4G169AA01
4G169AA03
4G169AA08
4G169BA01A
4G169BA01B
4G169BA02A
4G169BA02B
4G169BA14A
4G169BA14B
4G169BA17
4G169BB04A
4G169BC13A
4G169BC13B
4G169CA03
4G169DA06
4G169EA08
4G169EA18
4G169EA26
4G169EB15Y
4G169EB18X
4G169EB18Y
4G169EC22X
4G169EE01
4G169EE03
4G169FB07
4G169FB23
4G169FB29
4G169FC07
4G169FC08
(57)【要約】
【課題】 耐熱性の高い無機膜を備えている金属ケーシングを提供する。
【解決手段】 内面と外面とを有する金属部材と、上記金属部材の上記内面に形成された内面無機膜とを備え、上記内面無機膜が、Alを20~35重量%、SiOを25~40重量%、BaOを30~50重量%含むガラス質からなることを特徴とする金属ケーシング。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面と外面とを有する金属部材と、
前記金属部材の前記内面に形成された内面無機膜とを備え、
前記内面無機膜が、Alを20~35重量%、SiOを25~40重量%、BaOを30~50重量%含むガラス質からなることを特徴とする金属ケーシング。
【請求項2】
前記内面無機膜に含まれる成分の結晶化度が20%以下である請求項1に記載の金属ケーシング。
【請求項3】
前記内面無機膜の厚みが5~500μmである請求項1又は2に記載の金属ケーシング。
【請求項4】
前記金属部材の前記外面に形成された外面無機膜をさらに備え、
前記外面無機膜が、Alを20~35重量%、SiOを25~40重量%、BaOを30~50重量%含むガラス質からなる請求項1~3のいずれか1項に記載の金属ケーシング。
【請求項5】
前記内面無機膜と、前記外面無機膜の組成が同一である請求項4に記載の金属ケーシング。
【請求項6】
触媒が担持され、通電により発熱する触媒担体と、
前記触媒担体を収容する金属ケーシングと、
前記触媒担体と前記金属ケーシングとの間に介在するマットと、
を備えた、排ガスを浄化するための電気加熱式触媒コンバータであって、
前記金属ケーシングが請求項1~5のいずれか1項に記載の金属ケーシングであり、前記内面無機膜が前記マットに接するように配置されることを特徴とする、電気加熱式触媒コンバータ。
【請求項7】
アルミナ粒子とガラス成分とを混合して混合組成物を得る混合工程と、
前記混合組成物を金属部材の内面に付与する組成物付与工程と、
前記混合組成物が付与された金属部材を前記金属部材の耐熱温度未満に加熱する加熱工程と、を含み、
前記アルミナ粒子の平均粒子径が1.5μm以下であり、
前記混合組成物中に含まれる前記アルミナ粒子と前記ガラス成分の合計重量を100重量%とした際に、前記アルミナ粒子と前記ガラス成分中のアルミナとの合計の割合が20~35重量%であることを特徴とする、金属ケーシングの製造方法。
【請求項8】
前記金属部材の耐熱温度が1000℃以下である、請求項7に記載の金属ケーシングの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ケーシング、電気加熱式触媒コンバータ及び金属ケーシングの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンから排出された排ガス中に含まれる有害物質を浄化するため、排気管の経路には、排ガス浄化が可能な触媒を担持した触媒コンバータが設けられている。
上記触媒コンバータによる有害物質の浄化効率を高めるためには、触媒コンバータの内部の温度を触媒活性化に適した温度(以下、触媒活性化温度ともいう)に維持する必要がある。
【0003】
しかし、触媒コンバータを構成する触媒担体を直接加熱する手段を備えていない車両では、車両が運転を開始した直後には、触媒担体の温度が触媒活性化温度まで達しておらず、有害物質の排出を、有効に防止することが難しかった。
また、ハイブリット車両で、上記触媒担体を直接加熱する手段を備えていないものでは、モータが稼働し、エンジンが停止している際には、触媒担体の温度が低下し、触媒活性化温度より低い温度になってしまうことがあり、エンジンの再始動時に暖機運転をする必要があった。
【0004】
このような問題を解消するために、触媒担体自体を通電により発熱する発熱体とし、必要な場合に、触媒コンバータ内部の温度を触媒活性化温度以上の温度とする発明が、特許文献1等に開示されている。
【0005】
特許文献1には、通電により加熱する触媒担体の絶縁のために、金属ケースにガラス質を含むコート層を設けた技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016-75289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1において、ガラスとしては、アルミノケイ酸ガラス、ボロンガラス等が示されており、その融点は400~1000℃であることが推奨されている。
【0008】
しかしながら、使用環境において、金属ケースに設けたコート層が想定温度よりも高温にさらされることが分かってきたため、コート層を構成するガラス質としてより耐熱性の高いガラス組成が求められている。
【0009】
また、金属ケースを構成する金属部材の表面に耐熱性の高いガラス質を含むコート層を形成しようとする場合、ガラス質を軟化点以上に加熱する必要がある。この場合、ガラス質の加熱時に金属部材の耐熱温度を上回る温度での加熱が要求されるため、金属部材の劣化が生じるという問題があった。
【0010】
本発明は、このような観点からなされたものであり、耐熱性の高い無機膜を備えている金属ケーシングを提供すること、及び金属部材の耐熱温度未満での加熱により当該金属ケーシングを製造する方法を提供することを目的とする。
また、当該金属ケーシングを備える電気加熱式触媒コンバータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明の金属ケーシングは、内面と外面とを有する金属部材と、上記金属部材の上記内面に形成された内面無機膜とを備え、上記内面無機膜が、Alを20~35重量%、SiOを25~40重量%、BaOを30~50重量%含むガラス質からなることを特徴とする。
【0012】
金属ケーシングはその内面に通電により発熱する触媒担体等を包んで使用することができる部材である。
金属部材の内面に内面無機膜を設けることで絶縁を図ることができる。
内面無機膜が上記の組成からなるガラス質であると、ガラスの軟化点を高くすることができ、無機膜の耐熱性を高くすることができる。
【0013】
本明細書中では、金属部材の内面に形成された無機膜を内面無機膜、金属部材の外面に形成された無機膜を外面無機膜とする。本明細書中で、内面無機膜及び外面無機膜を区別せずに両方を含む事項について説明するときは、単に無機膜と記載する。
【0014】
本発明の金属ケーシングにおいては、上記内面無機膜に含まれる成分の結晶化度が20%以下であることが好ましい。
無機膜中に結晶質であるシリカ(石英)やセルシアン(BaAlSi)といった成分が多く含まれると、ガラス質との熱膨張係数の差があるため、無機膜の内部にクラックが生じやすいという問題がある。
無機膜に含まれる成分の結晶化度が20%以下であると、結晶質とガラス質との熱膨張係数の差により無機膜の内部にクラックが生じることを防ぐことができ、絶縁性をより維持することができる。
【0015】
本発明の金属ケーシングにおいては、上記内面無機膜の厚みが5~500μmであることが好ましい。
無機膜の厚みが5μm以上であると絶縁性をより確保することができる。また、無機膜の厚みが厚すぎると無機膜にクラックが生じることがあるので、無機膜の厚みが500μm以下であることが好ましい。
【0016】
本発明の金属ケーシングは、上記金属部材の上記外面に形成された外面無機膜をさらに備え、上記外面無機膜が、Alを20~35重量%、SiOを25~40重量%、BaOを30~50重量%含むガラス質からなることが好ましい。
また、上記内面無機膜と、上記外面無機膜の組成が同一であることが好ましい。
多重管の金属ケーシングの内側の管の外面にはエンジンから排出されたススが堆積することがあり、堆積したススが導電パスを形成することにより通電が生じることがあり得る。そのため、金属ケーシングの外面にも外面無機膜を設けて絶縁することが好ましい。
当該外面無機膜についても上記の組成からなるガラス質であると、ガラスの軟化点を高くすることができ、無機膜の耐熱性を高くすることができる。
内面無機膜と外面無機膜の組成が同一であると、無機膜の形成時に同一の組成物を使用して無機膜の形成を行うことができるので好ましい。
【0017】
本発明の電気加熱式触媒コンバータは、触媒が担持され、通電により発熱する触媒担体と、上記触媒担体を収容する金属ケーシングと、上記触媒担体と上記金属ケーシングとの間に介在するマットと、を備えた、排ガスを浄化するための電気加熱式触媒コンバータであって、上記金属ケーシングが本発明の金属ケーシングであり、上記内面無機膜が上記マットに接するように配置されることを特徴とする。
【0018】
本発明の電気加熱式触媒コンバータが備える金属ケーシングは耐熱性の高い内面無機膜を備えている。そのため、電気加熱式触媒コンバータを高温で使用したとしても、無機膜の耐熱性が高く、高温環境下での使用でも絶縁性を維持することができる。そのため、高温環境下での使用が可能な電気加熱式触媒コンバータとすることができる。
【0019】
本発明の金属ケーシングの製造方法は、アルミナ粒子とガラス成分とを混合して混合組成物を得る混合工程と、上記混合組成物を金属部材の内面に付与する組成物付与工程と、上記混合組成物が付与された金属部材を上記金属部材の耐熱温度未満に加熱する加熱工程と、を含み、上記アルミナ粒子の平均粒子径が1.5μm以下であり、上記混合組成物中に含まれる上記アルミナ粒子と上記ガラス成分の合計重量を100重量%とした際に、上記アルミナ粒子と上記ガラス成分中のアルミナとの合計の割合が20~35重量%であることを特徴とする。
【0020】
本発明の金属ケーシングの製造方法では、ガラス質中に含有させるAl成分の原料として平均粒子径が1.5μm以下のアルミナ粒子を使用する。
平均粒子径が1.5μm以下で粒子径が小さいアルミナ粒子を使用することによって、加熱工程の温度が金属部材の耐熱温度未満の低温条件であっても、アルミナ粒子がガラスに溶融して、Al成分を所定量含むガラス質からなる無機膜を形成することができる。
すなわち、当該製造方法では、金属部材の耐熱温度未満での加熱により、耐熱性の高い無機膜を形成して金属ケーシングを製造することができる。
【0021】
本発明の金属ケーシングの製造方法では、上記金属部材の耐熱温度を1000℃以下とすることができる。
本発明の金属ケーシングの製造方法では金属部材を1000℃より高い温度で加熱することなく耐熱性の高い無機膜を金属部材に形成することができるので、金属部材の耐熱性が1000℃以下であっても金属部材の劣化を生じさせないようにすることができる。すなわち、耐熱温度が1000℃を超える特別な金属部材を使用せずに、耐熱性の高い無機膜を備える金属ケーシングを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、金属ケーシングの一例を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、クラムシェル型の金属ケーシングの一例を模式的に示す斜視図である。
図3図3は、電気加熱式触媒コンバータの一例を模式的に示す断面図である。
図4図4は、触媒担体の一例を模式的に示す斜視図である。
図5図5は、多重管の金属ケーシングを含む電気加熱式触媒コンバータの一例を模式的に示す断面図である。
図6図6は、加熱工程においてアルミナ粒子を溶融させる様子を模式的に示す工程図である。
図7図7は、実施例1及び比較例1で作製した焼成後のテストピースの外観を示す写真である。
図8図8は、実施例1及び比較例1における結晶構造解析の結果を示すグラフである。
【0023】
(発明の詳細な説明)
[金属ケーシング]
本発明の金属ケーシングは、内面と外面とを有する金属部材と、上記金属部材の上記内面に形成された内面無機膜とを備え、上記内面無機膜が、Alを20~35重量%、SiOを25~40重量%、BaOを30~50重量%含むガラス質からなることを特徴とする。
【0024】
図1は、金属ケーシングの一例を模式的に示す斜視図である。
図1に示す金属ケーシング1は、内面11と外面12を有する金属部材10を備える。金属部材10の形状は円管状である。金属部材10の内面11には内面無機膜21が形成されている。
【0025】
金属部材としてはステンレス鋼(例えばSUS304、SUS430等)、ニッケル基合金等を使用することができる。また、金属部材として耐熱温度1000℃以下の材質のものを使用することができる。
金属部材の耐熱温度は、所定温度の環境下において引張り強度の低下が見られるかによって定めることができ、引張り強度の低下が見られない上限温度を耐熱温度とすることができる。
【0026】
内面無機膜は、Alを20~35重量%、SiOを25~40重量%、BaOを30~50重量%含むガラス質からなる。
上記組成のガラス質からなる内面無機膜を設けることにより、金属ケーシングと他の部位との絶縁を図ることができる。
そして、内面無機膜が上記の組成からなるガラス質であると、ガラスの軟化点を高くすることができ、無機膜の耐熱性を高くすることができる。
【0027】
内面無機膜は耐熱性が高い無機膜である。無機膜の耐熱性は、所定の厚みを有する膜を形成して、所定温度で加熱した際にその膜形状が変化するかにより判定することができる。後述する実施例で検証するように、無機膜の耐熱性が低い場合には無機膜がその周囲から軟化して丸みをおびるようになる。無機膜に軟化が見られた場合には、無機膜はその加熱温度での耐熱性を有さないものと判定する。
無機膜は、上記方法により確認する耐熱性につき、800℃、180時間の加熱での耐熱性を有することが好ましく、850℃、180時間の加熱での耐熱性を有することがより好ましい。
【0028】
内面無機膜に含まれる成分の結晶化度が20%以下であることが好ましい。
無機膜中に結晶質であるシリカ(石英)やセルシアン(BaAlSi)といった成分が多く含まれると、ガラス質および金属部材との熱膨張係数の差があるため、無機膜の内部にクラックが生じやすいという問題がある。
無機膜に含まれる成分の結晶化度が20%以下であると、結晶質とガラス質および金属部材との熱膨張係数の差により無機膜の内部にクラックが生じることを防ぐことができ、絶縁性をより維持することができる。
また、内面無機膜に含まれる成分の結晶化度が10%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。
内面無機膜に含まれる成分の結晶化度が0%であってもよい。この場合、内面無機膜には結晶質が含まれていないことになる。
また、内面無機膜に含まれる成分の結晶化度が0.1%以上であってもよい。
【0029】
内面無機膜に含まれる成分の結晶化度は、XRD(X線回折装置)で測定することができる。XRDによる測定において、結晶質のピーク面積と非晶質のピーク面積を求め、以下の式により結晶化度を求めることができる。
結晶化度(%)=[結晶質のピーク面積/(結晶質のピーク面積+非晶質のピーク面積)]×100
【0030】
内面無機膜の厚みは、5~500μmであることが好ましい。
無機膜の厚みが5μm以上であると絶縁性をより確保することができる。また、無機膜の厚みが厚すぎると無機膜にクラックが生じることがあるので、無機膜の厚みが500μm以下であることが好ましい。
また、内面無機膜の厚みが50~450μmであることがより好ましい。
【0031】
金属ケーシングの形状は全体としては管状であることが好ましい。図1には円管状の金属ケーシングを示しているが、金属ケーシングの形状は円管状に限定されるわけではなく、角管状であってもよい。また、途中で折れ曲がった管状であってもよく、曲管と直管が連結された形状であってもよい。
【0032】
金属ケーシングは、複数の金属ケーシングが組み合わされて管状となる形状であってもよく、例えば、クラムシェル型と呼ばれる形状であってもよい。
図2は、クラムシェル型の金属ケーシングの一例を模式的に示す斜視図である。
図2に示す金属ケーシング2は、半円管状である上側金属部材10aと、半円管状である下側金属部材10bが組み合わされてなり、全体として円管状の金属ケーシングとなっている。
上側金属部材10aは内面11aと外面12aを有しており、内面11aに内面無機膜21aが形成されている。上側金属部材10aに内面無機膜21aが形成されている、組み合わされる前の部材を上側金属ケーシング2Aとする。
下側金属部材10bは内面11bと外面12bを有しており、内面11bに内面無機膜21bが形成されている。下側金属部材10bに内面無機膜21bが形成されている、組み合わされる前の部材を下側金属ケーシング2Bとする。
【0033】
組み合わされる前の上側金属ケーシング2A、及び、組み合わされる前の下側金属ケーシング2Bはそれぞれ単独で本発明の金属ケーシングである。
また、上側金属ケーシング2Aと下側金属ケーシング2Bが組み合わされた後の円管状の金属ケーシング2も本発明の金属ケーシングである。
【0034】
上側金属部材及び下側金属部材のような、単独では管状ではない部材については、内面と外面が単独では判断しにくい場合がある。このような場合、その金属部材を金属ケーシングとして使用する形態において内面と外面が明確になる形状とした際に内面となるほうの面を金属部材の内面とする。
通常、金属ケーシングを使用する際には金属ケーシングの中に物体を挿入するので、金属ケーシングを使用する形態において物体が挿入される側の面は自明であり、物体が挿入される側の面が内面となる。
【0035】
[電気加熱式触媒コンバータ]
本発明の金属ケーシングは、電気加熱式触媒コンバータに使用することができる。
本発明の電気加熱式触媒コンバータは、触媒が担持され、通電により発熱する触媒担体と、上記触媒担体を収容する金属ケーシングと、上記触媒担体と上記金属ケーシングとの間に介在するマットと、を備えた、排ガスを浄化するための電気加熱式触媒コンバータであって、上記金属ケーシングが本発明の金属ケーシングであり、上記内面無機膜が上記マットに接するように配置されることを特徴とする。
【0036】
図3は、電気加熱式触媒コンバータの一例を模式的に示す断面図である。
図3に示す電気加熱式触媒コンバータ100は、通電により発熱する触媒担体60と、触媒担体60を収容する金属ケーシング1と、触媒担体60と金属ケーシング1との間に介在するマット80とを備える。
また、電気加熱式触媒コンバータ100には電極端子71及び電極端子72が設けられており、電極端子71と電極端子72の間に電圧を印加することによって、触媒担体60に対して通電することができるようになっている。電極端子71及び電極端子72はマット80を貫通して触媒担体60に設けられた電極61及び電極62とそれぞれ接続される。
また、電極端子71と電極端子72はそれぞれの周囲を絶縁部材73で覆われている。
【0037】
電気加熱式触媒コンバータ100には、排ガスGが排ガス流入管91から流入する。排ガスGは、触媒担体60を通過し、排ガス流出管92から流出する。
触媒担体60は、多孔質セラミック等のセラミック質のハニカム構造体からなり、排ガス流入側の端面及び排ガス流出側の端面がともに開口した貫通孔に排ガスが流入し、貫通孔を隔てる隔壁に担持させた触媒の作用により排ガスが浄化される。
触媒担体60は、通電により発熱するように構成されており、炭化ケイ素質等の所定の抵抗値を有するセラミックが使用されている。
これら多孔質セラミック等のセラミック質からなるハニカム構造体は、脆性材料であるので、機械的な衝撃等により破壊されやすい。電気加熱式触媒コンバータ100では、触媒担体60の側面の周囲にはマット80が介在し、衝撃を吸収するので、機械的な衝撃や熱衝撃により触媒担体60にクラック等が発生することを防止できる。
【0038】
マット80は、無機繊維を含むマットからなるものであることが好ましい。マットを構成する無機繊維としては、特に限定されず、アルミナ-シリカ繊維であってもよく、アルミナ繊維、シリカ繊維等であってもよい。また、ガラス繊維や生体溶解性繊維であってもよい。無機繊維の種類は、耐熱性や耐風蝕性等、マットに要求される特性等に応じて変更すればよく、各国の環境規制に適合できるような直径や長さを有する繊維を使用するのが好ましい。
【0039】
図4は、触媒担体の一例を模式的に示す斜視図である。
図4に示す触媒担体60は、円柱形状のハニカム構造体である。
ハニカム構造体の形状は円柱形状に限定されず、いかなる形状であっても良い。例えば、ハニカム構造体の形状は、楕円柱、四角柱、多角柱等であっても良い。
触媒担体60の外周面65には、通電に使用するための電極61及び電極62が設けられている。
触媒担体60は貫通孔63と貫通孔63を隔てる隔壁64を備える。隔壁64には触媒が担持されており、隔壁64に担持させた触媒の採用により貫通孔63を流れる排ガス中の成分を浄化することができる。
【0040】
本発明の電気加熱式触媒コンバータが備える金属ケーシングは、耐熱性の高い内面無機膜を備えている。そのため、電気加熱式触媒コンバータを高温で使用したとしても、無機膜の耐熱性が高く、高温環境下での使用でも絶縁性を維持することができる。そのため、高温環境下での使用が可能な電気加熱式触媒コンバータとすることができる。
内面無機膜は、マットに接するように配置されている。内面無機膜がマットに接するように配置されていることによって、内面無機膜により金属部材とマット等の他の部材との間での絶縁をすることができる。
また、金属部材の内面側と外面側の温度を比較すると内面側が高温となる。内面無機膜は耐熱性の高い膜であるので、高温となる内面側に配置されていても耐熱性の観点で問題はない。
【0041】
[他の形態の金属ケーシング及び電気加熱式触媒コンバータ]
金属ケーシングは、金属部材の外面に、さらに外面無機膜を備えていてもよい。
外面無機膜は、Alを20~35重量%、SiOを25~40重量%、BaOを30~50重量%含むガラス質からなることが好ましい。
また、内面無機膜と、外面無機膜の組成が同一であることが好ましい。
外面無機膜の好ましい構成は上述した内面無機膜の好ましい構成と同様とすることができる。
【0042】
多重管の金属ケーシングの内側の管の外面にはエンジンから排出されたススが堆積することがあり、堆積したススが導電パスを形成することにより通電が生じることがあり得る。そのため、金属ケーシングの外面にも外面無機膜を設けて絶縁することが好ましい。
当該外面無機膜についても上記の組成からなるガラス質であると、ガラスの軟化点を高くすることができ、無機膜の耐熱性を高くすることができる。
内面無機膜と外面無機膜の組成が同一であると、無機膜の形成時に同一の組成物を使用して無機膜の形成を行うことができるので好ましい。
【0043】
外面無機膜を備える金属ケーシングとしては、図1又は図2に示す金属ケーシングにおいて金属部材の外面に無機膜を形成したものであってもよい。
また、多重管の金属ケーシングの一部を構成する金属ケーシングであってもよい。
【0044】
図5は、多重管の金属ケーシングを含む電気加熱式触媒コンバータの一例を模式的に示す断面図である。
図5に示す電気加熱式触媒コンバータ200は、図3に示す電気加熱式触媒コンバータ100と同様の触媒担体60及びマット80を備える。
図5では電極端子の図示は省略しているが、電気加熱式触媒コンバータ200は触媒担体60に通電可能なように構成されている。
【0045】
電気加熱式触媒コンバータ200は金属ケーシング3を備える。
金属ケーシング3は内管3Cと外管3Dを備えている。マット80が巻かれた触媒担体60を内管3Cが収容している。外管3Dは内管3Cの外面から延びている。
内管3Cを構成する金属部材10cは内面11cと外面12cを有している。内面11cに内面無機膜21cが形成されており、外面12cに外面無機膜22cが形成されている。
外管3Dを構成する金属部材10dは内面11dと外面12dを有している。内面11dに内面無機膜21dが形成されている。金属部材10dの外面12cには無機膜は形成されていない。さらに、内管3Cの内面11cと外面12cの境界である内管3Cの端面13cにも無機膜を形成してもよい。
【0046】
多重管の金属ケーシングの内管の外面にはエンジンから排出されたススが堆積することがあり、堆積したススが導電パスを形成することにより通電が生じることがあり得る。そのため、金属ケーシングの内管の外面に外面無機膜を設けて絶縁することが好ましい。
また、多重管の金属ケーシングの外管の内面にもエンジンから排出されたススが堆積することがあるので、同様に金属ケーシングの外管の内面に内面無機膜を設けて絶縁することが好ましい。
【0047】
[金属ケーシングの製造方法]
本発明の金属ケーシングは、例えば本発明の金属ケーシングの製造方法により製造することができる。
本発明の金属ケーシングの製造方法は、アルミナ粒子とガラス成分とを混合して混合組成物を得る混合工程と、上記混合組成物を金属部材の内面に付与する組成物付与工程と、上記混合組成物が付与された金属部材を金属部材の耐熱温度未満に加熱する加熱工程と、を含み、上記アルミナ粒子の平均粒子径が1.5μm以下であり、上記混合組成物中に含まれる上記アルミナ粒子と上記ガラス成分の合計重量を100重量%とした際に、上記アルミナ粒子と上記ガラス成分中のアルミナとの合計の割合が20~35重量%であることを特徴とする。
【0048】
混合工程では、アルミナ粒子とガラス成分とを混合して混合組成物を得る。
アルミナ粒子としては平均粒子径が1.5μm以下であるアルミナ粒子を用いる。アルミナ粒子の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法により求めることができる。
容易に入手が可能なアルミナ粒子の粒子径を考慮すると、混合組成物を得るために使用するアルミナ粒子の平均粒子径は0.1μm以上であることが好ましい。
【0049】
混合組成物中に含まれるアルミナ粒子とガラス成分の合計重量を100重量%とした際に、アルミナ粒子とガラス成分中のアルミナとの合計の割合が20~35重量%となるようにアルミナ粒子とガラス成分の配合割合を調整する。
ガラス成分の組成が分かっていれば、ガラス成分中のアルミナの割合も分かっているので、アルミナ粒子とガラス成分の配合割合から、アルミナ粒子とガラス成分中のアルミナとの合計量を求めることができる。
【0050】
アルミナ粒子とガラス成分中のアルミナとの合計の配合割合が20~35重量%となるようにすると、金属部材に形成する無機膜を耐熱性が高い組成にすることができる。
上記割合が20重量%未満であると金属部材に形成する無機膜の耐熱性が不足する。
また、上記割合が35重量%を超えると、1000℃以下の低温での加熱による無機膜の形成が困難となる。
【0051】
ガラス成分としては、バリウムガラス、ボロンガラス、ストロンチウムガラス、アルミナ珪酸ガラス、ソーダ亜鉛ガラス、及び、ソーダバリウムガラスからなる群から選択された少なくとも1種のガラスを使用することができる。
また、ガラスの軟化点が500~1000℃であることが好ましい。
ガラスの軟化点はDSC(示差走査熱量測定)により測定することができる。
ガラス成分の粒子の平均粒子径は特に限定されないが、0.1~100μmであることが好ましい。
【0052】
また、混合組成物は、アルミナ粒子とガラス成分以外に、他の無機成分を含有してもよい。アルミナ粒子、ガラス成分及び他の無機成分を予め乾式混合して無機粉末を調製してもよい。
【0053】
混合組成物は、金属部材に塗布等により付与しやすくするために分散媒、有機結合材等を含んでいてもよい。
分散媒としては、例えば、水や、メタノール、エタノール、アセトン等の有機溶媒等が挙げられる。混合組成物に含まれるアルミナ粒子及びガラス成分等の無機粉末と分散媒との配合比は、特に限定されるものでないが、例えば、無機粉末100重量部に対して、分散媒が50~150重量部であることが望ましい。金属部材に塗布するのに適した粘度となるからである。
混合組成物に配合することのできる有機結合材としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、分散媒と有機結合材とを併用してもよい。
【0054】
上記の成分をボールミル等を用いて湿式混合することにより無機膜形成用の混合組成物を調製する。
【0055】
続いて、混合組成物を金属部材の内面に付与する組成物付与工程を行う。
混合組成物を金属部材の内面に付与する方法としては、例えば、スプレーコート、静電塗装、インクジェット、スタンプやローラ等を用いた転写、ハケ塗り、又は、電着塗装等の方法を用いることができる。
なお、外面無機膜を備える金属ケーシングを製造する場合は、金属部材の外面に混合組成物を付与する。外面無機膜の付与と内面無機膜の付与は同じ工程として行ってよい。
【0056】
続いて、混合組成物が付与された金属部材を金属部材の耐熱温度未満に加熱する加熱工程を行う。加熱温度は800~1000℃であることが好ましく、加熱時間は5~60分であることが好ましい。また、加熱工程の雰囲気は空気雰囲気であることが好ましい。
【0057】
図6は、加熱工程においてアルミナ粒子を溶融させる様子を模式的に示す工程図である。
図6の左側には加熱工程前の様子、右側には加熱工程後の様子を示している。
加熱工程前には、金属部材10の内面11に混合組成物120が付与されている。混合組成物120にはガラス成分121とアルミナ粒子122が含まれている。
加熱工程において、ガラス成分121が軟化する。そして、軟化したガラス成分121にアルミナ粒子122が溶融する。図6の右側には溶融したアルミナ粒子を点線で示している。加熱工程を経て金属部材10の内面11に内面無機膜21が形成される。
【0058】
本発明の金属ケーシングの製造方法では、平均粒子径が1.5μm以下であるアルミナ粒子を用いている。
粒子径が小さいアルミナ粒子を使用することによって、加熱工程の温度が金属部材の耐熱温度未満の低温条件であっても、アルミナ粒子がガラスに溶融して、Al成分を所定量含むガラス質からなる無機膜を形成することができる。
すなわち、当該製造方法では、金属部材の耐熱温度未満での加熱により、耐熱性の高い無機膜を形成して金属ケーシングを製造することができる。
【0059】
本発明の金属ケーシングの製造方法では、金属部材の耐熱温度を1000℃以下とすることができる。
本発明の金属ケーシングの製造方法では金属部材を1000℃より高い温度で加熱することなく耐熱性の高い無機膜を金属部材に形成することができるので、金属部材の耐熱性が1000℃以下であっても金属部材の劣化を生じさせないようにすることができる。すなわち、耐熱温度が1000℃を超える特別な金属部材を使用せずに、耐熱性の高い無機膜を備える金属ケーシングを製造することができる。
【0060】
(実施例)
以下に示す実施例では、無機膜を形成してその耐熱性及び結晶化度を確認した。なお、本発明の金属ケーシングが備える無機膜は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0061】
(実施例1)
ガラス成分の粉末として、バリウムシリケートガラス(軟化点770℃)を準備した。
アルミナ粒子として平均粒子径1.0μmのアルミナ粒子を準備した。
アルミナ粒子の平均粒子径は、株式会社島津製作所製レーザー回折式粒子径分布測定装置(SALD-300V)を用いて測定した。
上記ガラス成分の粉末及びアルミナ粒子に、さらに有機結合材(メチルセルロース)と水を加え、これらを乳鉢で30分間湿式混合して混合組成物を作製した。
ガラス成分及びアルミナ粒子の合計重量を100重量%とした際のアルミナ粒子の配合比率を26.5重量%とした。この場合、ガラス成分及びアルミナ粒子の合計重量を100重量%とした際のアルミナ粒子とガラス成分中のアルミナとの合計の割合が32重量%となる。
【0062】
(比較例1)
アルミナ粒子として平均粒子径8.0μmのアルミナ粒子を準備した。
ガラス成分及びアルミナ粒子の合計重量を100重量%とした際のアルミナ粒子の配合比率を8.5重量%とした。この場合、ガラス成分及びアルミナ粒子の合計重量を100重量%とした際のアルミナ粒子とガラス成分中のアルミナとの合計の割合が13重量%となる。
その他の条件は実施例1と同様にして混合組成物を作製した。
【0063】
(焼成後の評価)
実施例1及び比較例1でそれぞれ作製した混合組成物を加圧成形して、厚さ0.5mmの円盤形状のテストピースを作製した。
テストピースを空気中で910℃、15分焼成し、焼成後のテストピースの外観を観察した。
【0064】
図7は、実施例1及び比較例1で作製した焼成後のテストピースの外観を示す写真である。
比較例1のテストピースは、無機膜の周囲で無機膜が軟化して丸みを帯びていることから耐熱性が低いことが分かる。
一方、実施例1のテストピースでは無機膜の軟化が生じておらず、耐熱性が高いことが分かる。
【0065】
続いて、実施例1及び比較例1で作製した混合組成物を焼成したテストピースにつき、XRDによる結晶構造解析を行った。
結晶構造解析を行うための焼成温度は実施例1と比較例1で異なり、実施例1の混合組成物は930℃、比較例1の混合組成物は850℃で焼成した。実施例1と比較例1のいずれも焼成時間は15分、雰囲気は大気雰囲気である。
【0066】
図8は、実施例1及び比較例1における結晶構造解析の結果を示すグラフである。
この結果から、結晶質のピーク面積と非晶質のピーク面積を求めるとそれぞれ以下の通りであった。
実施例1:結晶質0.8%、非晶質99.2%(結晶化度0.8%)
比較例1:結晶質10.8%、非晶質89.2%(結晶化度10.8%)
すなわち、実施例1で製造した無機膜では、無機膜に含まれる成分の結晶化度が低くなっていた。
【0067】
(実施例2、3、4)
実施例1と同様に、平均粒子径1.0μmのアルミナ粒子を用いて、ガラス成分及びアルミナ粒子の合計重量を100重量%とした際のアルミナ粒子とガラス成分中のアルミナとの合計の割合がそれぞれ22重量%、26重量%、35重量%となる混合組成物を調製した。
【0068】
実施例1~4で調製したこれらの混合組成物について、焼成温度を910℃、930℃、950℃と変化させて無機膜の耐熱性を評価した。
いずれの場合においても、図7に実施例1の無機膜として示した無機膜と同様に耐熱性の高い無機膜が得られた。
【0069】
以上の結果から、アルミナ粒子の平均粒子径を1.5μm以下として、アルミナ粒子とガラス成分中のアルミナとの合計の割合が20~35重量%である混合組成物を使用すると、1000℃以下の低温での焼成により、耐熱性の高い無機膜を形成することができることが分かった。
【0070】
(比較例2)
実施例1と同様に、平均粒子径1.0μmのアルミナ粒子を用いて、ガラス成分及びアルミナ粒子の合計重量を100重量%とした際のアルミナ粒子とガラス成分中のアルミナとの合計の割合が40重量%となる混合組成物を調製した。
続いて、比較例2で作製した混合組成物を焼成したテストピースにつき、実施例1と同様にXRDによる結晶構造解析を行った。
この結果から、結晶質のピーク面積と非晶質のピーク面積を求めると以下の通りであった。
比較例2:結晶質21.2%、非晶質78.8%(結晶化度21.2%)
次に、金属部材(SUS430)に、比較例2と同じ成分の200μmの無機膜を形成し、930℃、15分の加熱試験を行ったところ、無機膜内にクラックが生じていることが確認された。
なお、金属部材(SUS430)に、実施例1と同じ成分の200μmの無機膜を形成し、930℃、15分の加熱試験を行ったところ、無機膜内にクラックは生じていなかった。
【符号の説明】
【0071】
1、2、3 金属ケーシング
2A 上側金属ケーシング
2B 下側金属ケーシング
3C 内管
3D 外管
10、10c、10d 金属部材
10a 上側金属部材
10b 下側金属部材
11、11a、11b、11c、11d 内面
12、12a、12b、12c 外面
13c 端面
21、21a、21b、21c、21d 内面無機膜
22c 外面無機膜
60 触媒担体
61、62 電極
63 貫通孔
64 隔壁
65 触媒担体の外周面
71、72 電極端子
73 絶縁部材
80 マット
91 排ガス流入管
92 排ガス流出管
100、200 電気加熱式触媒コンバータ
120 混合組成物
121 ガラス成分
122 アルミナ粒子
G 排ガス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8