(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168701
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】クランプ装置
(51)【国際特許分類】
B66C 1/28 20060101AFI20221031BHJP
B66C 19/00 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
B66C1/28 B
B66C19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074351
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】592089799
【氏名又は名称】メタルエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(74)【代理人】
【識別番号】100100424
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 知公
(74)【代理人】
【識別番号】100130096
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一総
(72)【発明者】
【氏名】金平 諭三
【テーマコード(参考)】
3F004
【Fターム(参考)】
3F004AA01
3F004AB14
3F004AF06
3F004EA40
(57)【要約】
【課題】簡素な構造で、吊り下げた状態の搬送物の落下を防止する装置を備えたクランプ装置を提供する。
【解決手段】上下方向に延在するとともに、対となって搬送物を両側から把持するクランプアームと、クランプアームを開閉するように駆動させる開閉駆動装置と、クランプアームの上方に設けられ、クランプアームを昇降させる昇降装置を介して支持すると、を備えたクランプ装置であって、クランプアームは、クランプアームの下部に設けられ搬送物を両側から把持する把持部と、クランプアームの上部にクランプアーム支持部に対向するように設けられた係止部とを有し、クランプアーム支持部には、把持部が搬送物を把持して閉じた状態においてクランプアームが上昇した際に、係止部と係止して把持部が開く方向の動きを規制する被係止部を備えた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延在するとともに、対となって搬送物を両側から把持するクランプアームと、
前記クランプアームを開閉するように駆動させる開閉駆動装置と、
前記クランプアームの上方に設けられ、前記クランプアームを昇降させる昇降装置を介して支持すると、
を備えたクランプ装置であって、
前記クランプアームは、前記クランプアームの下部に設けられ前記搬送物を両側から把持する把持部と、前記クランプアームの上部に前記クランプアーム支持部に対向するように設けられた係止部とを有し、
前記クランプアーム支持部には、前記把持部が前記搬送物を把持して閉じた状態において前記クランプアームが上昇した際に、前記係止部と係止して前記把持部が開く方向の動きを規制する被係止部を、備えたクランプ装置。
【請求項2】
前記クランプアームは、下部に設けられた前記把持部が開閉するように回転させる回転軸を備えた請求項1に記載のクランプ装置。
【請求項3】
前記クランプアームは、一方の前記クランプアームの前記回転軸の上方と、他方の前記クランプアームの前記回転軸の下方とを連結することで、対となった前記把持部の開閉動作を同期させるリンク部材を備えた請求項2に記載のクランプ装置。
【請求項4】
前記開閉駆動装置は、前記一方および他方のいずれか一つの前記クランプアームに連結された前記開閉駆動装置である請求項3に記載のクランプ装置。
【請求項5】
各前記クランプアームには、前記搬送物を把持して閉じた状態の前記クランプアームの開く方向の動作を抑制する抑制装置が設けられた請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のクランプ装置。
【請求項6】
前記クランプアームは、対となった前記クランプアームが水平方向に直線移動することで前記把持部を開閉させる直進ガイド機構を備えた請求項1に記載のクランプ装置。
【請求項7】
前記被係止部は、前記クランプアーム支持部より下方に向かって突出するように設けられ、垂直方向に延在する被当接面と、下端の頂部において前記被当接面に連続して前記頂部から離れるにしたがって下方への突出量が漸減する被係止部傾斜面とを備え、
前記係止部は、前記クランプアームの上端部に設けられ、垂直方向に延在し前記被当接面と当接する当接面と、上端部の頂部において前記当接面に連続して前記上端部の頂部から離れるにしたがって上方へ突出量が漸減する係止部傾斜面とを備え、
前記把持部が前記搬送物を把持して閉じた状態において前記クランプアームが上昇した際に、前記当接面と前記被当接面とが当接可能となり、
前記把持部が開いた状態において前記クランプアームが上昇した際に、前記係止部傾斜面と前記被係止部傾斜面とが相互に力を伝達することなく対向する請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のクランプ装置。
【請求項8】
前記クランプアーム支持部は、前記搬送物を搬送する複数の搬送路に跨って設けられた移送路上を移動する移動体である請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のクランプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挟持した搬送物の落下を防止する落下防止装置を備えたクランプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば鋳造ラインで、鋳枠等の搬送物を搬送路上でクランプ装置により挟持し、垂直方向に吊り上げた後に横移動し、他の搬送路上に鋳枠を垂直方向に降ろす作業を行う。
その作業において、搬送物を吊り上げた状態での横移動中の非常停止時や搬送物を吊り上げた状態での待機中にクランプ装置のクランプが緩んで搬送物が落下する虞があった。
そのため、特許文献1の枠合わせ装置では、吊り上げた上鋳枠の落下を防止するため、落下防止手段(特許文献1における符号23)を設けている。この落下防止手段は、受けローラに載置された上鋳枠の対角線上の下端を、水平面内で回動させた支持部材で支持することで、枠合わせにおける上鋳枠の落下を防止するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の落下防止手段は、回動する支持手段を余分に付帯するものであり、回動動作を行わせる制御など装置の複雑化と設備費用の増加を生じるという問題があった。
【0005】
本発明は、簡素な構造で、吊り下げた状態で搬送物の落下を防止するクランプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様によれば、クランプ装置は、上下方向に延在するとともに、対となって搬送物を両側から把持するクランプアームと、前記クランプアームを開閉するように駆動させる開閉駆動装置と、前記クランプアームの上方に設けられ、前記クランプアームを昇降させる昇降装置を介して支持するクランプアーム支持部と、を備えたクランプ装置である。
【0007】
そして、前記クランプアームは、前記クランプアームの下部に設けられ前記搬送物を両側から把持する把持部と、前記クランプアームの上部に前記クランプアーム支持部に対向するように設けられた係止部とを有している。
【0008】
前記クランプアーム支持部には、前記把持部が前記搬送物を把持して閉じた状態において前記クランプアームが上昇した際に、前記係止部と係止して前記把持部が開く方向の動きを規制する被係止部を、備えている。
【0009】
これによれば、係止部および被係止部は、把持部が搬送物を把持して閉じた状態においてクランプアームが上昇した際に、把持部が開く方向の動きを規制する。そして、クランプアームに把持された搬送物の落下を防止することができる。
【0010】
本発明の第二の態様によれば、前記クランプアームは、下部に設けられた前記把持部が開閉するように回転させる回転軸を備えている。
【0011】
これによれば、対となったクランプアームは、回転軸を中心に回転して、対向する把持部を開閉させて搬送物を把持することができる。
【0012】
本発明の第三の態様によれば、前記クランプアームは、一方の前記クランプアームの前記回転軸の上方と、他方の前記クランプアームの前記回転軸の下方とを連結することで、対となった前記把持部の開閉動作を同期させるリンク部材を備える。
【0013】
これによれば、リンク部材は、対となった前記把持部の開閉動作を同期させることができる。
本発明の第四の態様によれば、前記開閉駆動装置は、前記一方および他方のいずれか一つの前記クランプアームに連結された前記開閉駆動装置である。
【0014】
これによれば、開閉駆動装置は、一つの開閉駆動装置で、一方および他方のいずれのクランプアームをも駆動させることができる。
【0015】
本発明の第五の態様によれば、各前記クランプアームには、前記搬送物を把持して閉じた状態の前記クランプアームの開く方向の動作を抑制する抑制装置が設けられている。
【0016】
これによれば、開閉駆動装置の駆動力が消滅した場合にも抑制装置によりクランプアームが開く動作が抑制され、搬送物の落下を防止することができる。
【0017】
前記被係止部は、前記クランプアーム支持部より下方に向かって突出するように設けられ、垂直方向に延在する被当接面と、下端の頂部において前記被当接面に連続して前記頂部から離れるにしたがって上下方向の突出高さが漸減する被係止部傾斜面とを備え、前記係止部は、前記クランプアームの上端部に設けられ、垂直方向に延在し前記被当接面と当接する当接面と、上端部の頂部において前記当接面に連続して前記上端部の頂部から離れるにしたがって上下方向の突出高さが漸減する係止部傾斜面とを備えた。
【0018】
これによれば、クランプアームの開閉幅が小さい場合でも、閉状態と開状態とを区別して確実にクランプアームの開き防止をすることができる。さらに、被係止部傾斜面を形成する漸減する突出部分が被係止部当接面を背後から支えるので、被係止部の強度を確保することができる。
【0019】
本発明の第六の態様によれば、前記クランプアームは、対となった前記クランプアームが水平方向に直線移動することで前記把持部を開閉させる直進ガイド機構を備える。
【0020】
これによれば、対となったクランプアームは、水平方向に直線移動して、対向する把持部を開閉させて搬送物を把持することができる。
【0021】
本発明の第七の態様によれば、前記クランプアーム支持部は、前記搬送物を搬送する複数の搬送路に跨って設けられた移送路上を移動する移動体である。
【0022】
これによれば、クランプアーム支持部は、複数の搬送路の間で移動して、或る搬送路から他の搬送路へクランプアームで把持した搬送物を確実に移し替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明を第一搬送路および第二搬送路に実施した第一実施形態のクランプ装置の概要を示す正面図である。
【
図3】クランプアームを降下させて、搬送物を把持した状態を示す図である。
【
図4】クランプアームで搬送物を把持して上昇させた状態を示す図である。
【
図5】把持した搬送物を第二搬送路の上方に移動させた状態を示す図である。
【
図6】把持した搬送物を第二搬送路上の台車に移し替えた状態を示す図である。
【
図7】クランプアームを開いた状態で上昇端に上昇させた状態を示す拡大図である。
【
図8】クランプアームを閉じた状態で上昇端に上昇させた状態を示す拡大図である。
【
図9】第二実施形態におけるクランプ装置において、クランプアームが開いた状態で上昇端に上昇させた状態を示す図である。
【
図10】第二実施形態におけるクランプ装置において、クランプアームが閉じた状態で上昇端に上昇させた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第一実施形態)
本発明に係るクランプ装置を、鋳造ラインの搬送路に実施した第一実施形態について、
図1~
図7を参照して以下に説明する。
【0025】
図1は、鋳造ラインの一部を示すものであり、本発明に係るクランプ装置1、第一搬送路TP1、第二搬送路TP2および移送路4を備えている。
本明細書において、搬送物Tである鋳枠や鋳型が第一・第二搬送路TP2,TP2に沿って搬送される方向を「搬送方向」という。鋳枠や鋳型の搬送を水の流れに例えて、鋳造ラインにおいて搬送の始点となる側を「上流側」、搬送の終点となる側を「下流側」という。搬送方向において上流方向を「後方」といい、下流方向を「前方」というものとする。搬送方向に延在する中心線を想定した場合に、その中心線より遠い側を「外側」、近い側を「内側」というものとする。
【0026】
(クランプ装置)
クランプ装置1は、第一搬送路TP1上の台車に載置された搬送物Tを把持し、把持した状態で吊り上げて、第二搬送路TP2上まで移動し、第二搬送路TP2上の台車FCに把持した搬送物Tを降ろす作業を行う。
本実施形態における搬送物Tは、例えば、上鋳枠付上鋳型と下鋳枠付下鋳型とを型合わせした状態で注湯する有枠式鋳型であり、注湯前の鋳型および注湯後の鋳型が対象となっている。上鋳枠はUF、下鋳枠はLFの符号で夫々示される。
なお、搬送物Tは、有枠式鋳型に限定するものではなく、例えば、鋳枠、パレットに載置された鋳物品などでもよい。
【0027】
クランプ装置1は、昇降フレーム11と、クランプアーム12と、開閉駆動装置13と、昇降装置14と、クランプアーム支持部15と、リンク部材16とを備えている。
【0028】
昇降フレーム11は、例えば鉄製で矩形状に形成された外枠11aと、搬送方向(上流側と下流側と)に対向する二つの外枠11a,11bの間に搬送方向に沿って横架された横支持部材(図略)とを備えている。昇降フレーム11には、クランプアーム12、開閉駆動装置13および昇降装置14が取り付けられる。
【0029】
クランプアーム12は、上下方向に延在する例えば鉄製の板材で形成され、短冊状の第一クランプアーム121と、第一クランプアーム121よりも長さが短い第二クランプアーム122とを備えている。
【0030】
(第一クランプアーム)
第一クランプアーム121は、昇降フレーム11の搬送方向に対向する外枠11aのうちの上流側の外枠11aの一端部(
図1において右端部)と、下流側の外枠11bの他端部(
図1において左端部・図略)と、に回転軸12a,12bを介して回動可能に組付けられている。二つの第一クランプアーム121は、上方から見て矩形状の昇降フレーム11の対角線上に対向して設けられている。
【0031】
回転軸12aは、昇降フレーム11に設けられた図略の軸受けに回転自在に軸支されている。上流側の外枠11aの一端部に設けられた第一クランプアーム121の回転軸12aは、下流側の外枠11bの一端部に設けられた第二クランプアーム122の回転軸12aと同じ回転軸12aを共有している。回転軸12aには、第一クランプアーム121および第二クランプアーム122が相対回転不能に組付けられている。
【0032】
回転軸12aには、第一クランプアーム121が開くのを抑制する抑制装置19が設けられている。抑制装置19は、例えば、両端部をコイルの中心に対して所定角度で維持するように突出させたコイルばねを回転軸12a周りに配置するものである。そして、コイルばねの一端部をクランプアーム12に他端部を昇降フレーム11に夫々固定し、第一クランプアーム121が閉じる方向に回転するように付勢させている。
【0033】
第一クランプアーム121の下端部には内側横方向に突出する第一把持爪121a(把持部)が設けられている。第一把持爪121aは、搬送物Tである下鋳枠LFの一方(
図1において右方)の側方下端に掛止するようになっている。後述する第二クランプアーム122の第二把持爪122aと協働して下鋳枠LFを両側から把持するようになっている。
【0034】
(係止部)
第一クランプアーム121の上端部には係止部17が形成されている。係止部17は、上下方向に延在し後述する被係止部18の被当接面18aと当接する当接面17aと、当接面17aの上端部の頂部において当接面17aに連続する係止部傾斜面17bとを有している。
【0035】
係止部傾斜面17bは、上端部の頂部から離れるにしたがって上下方向の突出高さ(突出量)が漸減するように形成されている。このようにして、係止部17は、上下方向に延在する当接面17aと係止部傾斜面17bとにより頂部を先端とした鋭角に形成されている。係止部傾斜面17bは、後述する被係止部傾斜面18bに対向して相互に平行となるように構成されている。
【0036】
第一クランプアーム121は、上端部と下端部との間の中央部が、回転軸12aによって昇降フレーム11に回動可能に軸支されている。第一クランプアーム121の上端部と回転軸12aと間の上部3分の1の位置には、後述する開閉駆動装置13のピストンロッド132の先端部が連結軸132aを介して連結されている。
【0037】
(開閉駆動装置)
開閉駆動装置13は、シリンダ部131と、ピストンロッド132とを備えている。シリンダ部131は、昇降フレーム11の搬送方向に対向する二つの外枠11aのうちの上流側の外枠11aにブラケット133を介して組付けられている。シリンダ部131は、搬送方向に直角となる水平方向に延在するように設けられている。シリンダ部131のキャップ側は、搬送方向に沿って延在する連結軸131aを介してブラケット133に連結されている。シリンダ部131は、図略の油送パイプを介して図略の油圧ポンプに連通している。
【0038】
シリンダ部131と油圧ポンプとの間には図略の電磁切替弁が設けられている。電磁切替弁の切替動作は、図略の制御装置によって制御されている。
ピストンロッド132は、基端部にシリンダ部131の内壁を摺動するピストンが設けられ、先端部側がシリンダ部131の開口部側より搬送方向に直角な水平方向に進出後退するようになっている。ピストンロッド132の先端部は、第一クランプアーム121の回転軸12aより上部の上端部側の位置に連結されている。そのため、第一クランプアーム121は、ピストンロッド132の進出によって閉じ、ピストンロッド132の後退によって開くようになっている。
【0039】
第一クランプアーム121の回転軸12aとピストンロッド132の連結軸132aとの間には、リンク部材16の一端部が連結軸16aを介して連結されている。リンク部材16の他端部は、後述する第二クランプアーム122に連結されている。
【0040】
(第二クランプアーム)
第二クランプアーム122は、上端部が回転軸12bに回動可能に軸支され、下端には第二把持爪122a(把持部)が形成されている。第二クランプアーム122の回転軸12bにも第一クランプアーム121と同様の抑制装置19が設けられている。第二把持爪122aは、第一クランプアーム121の第一把持爪121aに対向して内側に向かって突出して形成されている。回転軸12bの下方であって第二クランプアーム122の上端部と下端部との間の上部4分の1の位置には、リンク部材16の他端部が連結軸16bを介して連結されている。
【0041】
(リンク部材)
リンク部材は、例えば鉄製で棒状に形成されている。リンク部材16により、第一クランプアーム121の回転軸12aより上方の部分と、第二クランプアーム122の回転軸12bより下方の部分とを連結することで、例えば、第一クランプアーム121が閉じる動作を行うと、第二クランプアーム122は回転軸12bの下方部分が内側に引っ張られて閉じる動作を行う。第一クランプアーム121が開く動作を行うと、第二クランプアーム122は回転軸12bの下方部分が外側に押されて開く動作を行う。このように第一クランプアーム121と第二クランプアーム122とは、リンク部材16によって開閉動作が同期する。
【0042】
図2に示すように、上流側の外枠11aに取り付けられた第一クランプアーム121の回転軸12aと、下流側の外枠11bに取り付けられた第二クランプアーム122の回転軸12aとは、同じ回転軸12aを共有するものである。そのため、上流側の第一クランプアーム121から下流側の第二クランプアーム122へ回転トルクが伝達される。また、上流側の外枠11aの第二クランプアーム122と下流側の外枠11bの第一クランプアーム121の間も回転軸12bを介して同様に回転トルクが伝達されるようになっている。
【0043】
そして、下流側の外枠11bに取り付けられた第二クランプアーム122と下流側の外枠11bに取り付けられた第一クランプアーム121とは、上流側の外枠11aの第一クランプアーム121および第二クランプアーム122と同様にリンク部材16により連結されている。
そのため、上流側に設けられた一つの開閉駆動装置13により4つのクランプアーム12の開閉動作が同期して実行される。
【0044】
(昇降装置)
昇降装置14は、クランプアーム支持部15と昇降フレーム11との間に設けられ、昇降フレーム11およびクランプアーム12を上下方向に移動させる。
昇降装置14は、
図2に示すように、昇降シリンダ装置141と、上下方向ガイド装置142とを備えている。昇降シリンダ装置141は、昇降シリンダ部141aと昇降ピストンロッド141bとを備えている。
【0045】
昇降シリンダ部141aは、上下方向に延在するように設けられ、昇降シリンダ部141aの下部はクランプアーム支持部15に貫通するようにして組付けられている。昇降シリンダ部141aの下端側には、昇降ピストンロッド141bが下方に向かって進出後退するように設けられている。昇降ピストンロッド141bの下端部は、昇降フレーム11の中央部に例えば、ねじによる締結により組付けられている。
昇降シリンダ部141aは、油送パイプ(図略)を介して図略の油圧ポンプに連通している。昇降シリンダ部141aと油圧ポンプとの間には、図略の電磁切替弁が設けられている。電磁切替弁の作動は、図略の制御装置によって制御されている。
【0046】
上下方向ガイド装置142は、昇降フレーム11の上下動を垂直方向にガイドする。上下方向ガイド装置142は、昇降シリンダ装置141の搬送方向に沿った両側に設けられ、夫々ガイド筒142aとガイドロッド142bとを備えている。各ガイド筒142aは、円筒形状に形成されている。各ガイド筒142aは、クランプアーム支持部15に上部が貫通するようにして組付けられている。ガイドロッド142bは、夫々ガイド筒142aに摺動可能に挿入され、下端部が昇降フレーム11に例えば、ねじによる締結により組付けられている。
【0047】
(クランプアーム支持部)
クランプアーム支持部15(移動体)は、クランプアーム12を支持するとともに、後述する移送路4の移送レール41上を移動する。
クランプアーム支持部15は、
図1に示すように、移送台車151と、移送台車駆動装置152と、被係止部18とを備えている。クランプアーム支持部15は、前述の昇降装置14を介して下方に設けられた昇降フレーム11およびクランプアーム12を吊り下げるようにして支持している。
【0048】
移送台車151は、例えば鉄製で矩形板状に形成されている。移送台車151の四つの隅には搬送方向に延在する回転軸を備えた転動輪151aが夫々設けられている。転動輪151aは、後述する移送路4の移送レール41上を転動する。移送台車151の上面の上流側の第二搬送路TP2側の位置には、移送台車駆動装置152の電動モータ152aが組付けられている。
【0049】
(移送台車駆動装置)
移送台車駆動装置152は、電動モータ152aと、駆動スプロケット152bと、従動スプロケット152cと、ローラチェーン152dと、を備えている。電動モータ152aは、第一搬送路TP1の搬送方向に沿った方向に延在する出力軸を有しており、出力軸には駆動スプロケット152bが相対回転不能に組付けられている。駆動スプロケット152bは、転動輪151aのうちの移送台車の上流側の第二搬送路TP2側の位置にある転動輪151aに対向して設けられている。
【0050】
この転動輪151aの回転軸には、従動スプロケット152cが相対回転不能に設けられている。駆動スプロケット152bと従動スプロケット152cとの間には、ローラチェーン152dが掛装されている。電動モータ152aの出力軸が回転すると回転トルクが、駆動スプロケット152b、ローラチェーン152d、従動スプロケット152cと伝わって転動輪151aを回転駆動させる。これによって、電動モータ152aを正転・逆転することで、移送台車151を移送レール41に沿って移動させる。電動モータ152aの回転の作動は、図略の制御装置により制御される。
【0051】
(被係止部)
被係止部18は、移送台車151の底面であって、第一クランプアーム121の係止部17に対向する位置に設けられている。被係止部18は、垂直方向に延在し係止部17の当接面17aと当接する被当接面18aと、被当接面18aの下端部の頂部において被当接面18aに連続する被係止部傾斜面18bとを有している。被係止部傾斜面18bは、下端部の頂部から離れるにしたがって上下方向の突出高さ(突出量)が漸減するように形成されている。
【0052】
係止部傾斜面17bと被係止部傾斜面18bとは、平行となるように形成されている。これにより、第一クランプアーム121が小さな角度で開いた状態で上昇端位置に上昇した際に、
図1に示すように、係止部17と被係止部18との接触が防止されている。このように係止部17と被係止部18との接触が防止されることで、第一クランプアーム121が小さな角度で開いた状態で上昇端に位置しても、相互間で力が伝達されないよう、即ち言い換えると接触によって、クランプアーム12の円滑な開閉および昇降動作に支障を生じないようになっている。
【0053】
(第一搬送路・第二搬送路)
第一搬送路TP1は、搬送物T(有枠式鋳型)を載置した台車FCを搬送する。第一搬送路TP1は、床面BGに設置された架台STと、架台ST上に搬送方向に沿って延在するように設けられた一対の搬送レールTRとを備えている。
第一搬送路TP1は、公知技術であるため、説明を省略する。
第二搬送路TP2は、第一搬送路TP1と構成が同様であるが、搬送物Tを載置した台車FCの搬送方向が第一搬送路TP1の搬送方向と逆方向である点で相違する。同様に公知技術であるため説明を省略する。
【0054】
搬送レールTRには、夫々搬送物Tが載置される複数の台車FCが一列に並べられる。台車FCには、転動輪が設けられ、転動輪の転動によって搬送レールTR上を移動可能とする。そして、複数の台車FCは、図略のプッシャー装置およびクッション装置によって移動する。
第一プッシャー装置(図略)は、第一搬送路TP1の上流側の端部に設けられ、第一搬送路TP1上に並べられた一番後方に位置する台車FCを、搬送方向に1ストローク(1つの台車FCの搬送方向の長さ)押圧する。
【0055】
第一クッション装置(図略)は、第一搬送路TP1の下流側の端部に設けられ、第一搬送路TP1上に並べられた台車FCのうち一番前方に位置する台車FCを受けるように働く。第一鋳型搬送装置MT1では、複数の台車FCが自由に動くことないように第一クッション装置と第一プッシャー装置とで挟持した状態で、1ストロークずつ搬送方向に搬送する。第一プッシャー装置および第一クッション装置は、公知技術であるため、詳細な説明を省略する。
【0056】
(移送路)
移送路4は、第一搬送路TP1および第二搬送路TP2を跨いで設けられている。第一搬送路TP1および第二搬送路TP2の上方にかつ直交するように設けられた移送レール41と、移送レール41を支えるレール支持部材42と、レール支持部材42の端部を支える支柱43とを備えている。
移送レール41は、水平方向に延在するように平行に対向して設けられている。移送レール41は、移送レール41の上を、移動体としてのクランプアーム支持部15の転動輪151aが転動する。
【0057】
各移送レール41は、移送レール41に沿って延在するレール支持部材42により夫々支持されている。レール支持部材42は、例えば鉄製で断面矩形状の部材で形成されている。各レール支持部材42は両方の端部が夫々支柱43によって支持されている。各支柱43は、床面BGに下端部が設置され上端部がレール支持部材42に連結されている。レール支持部材42の端部にはストッパボルトSBが取り付けられ、クランプアーム支持部15の移送レール41の端部での停止および移送レール41からの脱落を防止している。移送レール41の両端部には、位置センサPSが配置され、クランプアーム支持部15の端部への移動を検知して制御装置に検知信号を送信する。
【0058】
クランプアーム支持部15は、このように形成された移送路4によって、第一搬送路TP1の上方および第二搬送路TP2の上方に移動することができ、クランプ装置1が把持した搬送物T(有枠式鋳型)を第一搬送路TP1から第二搬送路TP2に移し替えることができる。
【0059】
(制御装置)
制御装置は、開閉駆動装置13のシリンダ部131、昇降装置14の昇降シリンダ装置141、移送台車駆動装置152の電動モータ152a、第一プッシャー装置、第二プッシャー装置、第一クッション装置および第二クッション装置の作動を制御する。
【0060】
(作動)
次に、上記のように構成されたクランプ装置1の作動について
図1~
図8に基づいて以下に説明する。
図1および
図2に示すように、クランプアーム支持部15は、第一搬送路TP1の上方に位置決めされている。クランプアーム12は、開かれた状態であり、昇降フレーム11は上昇端に位置決めされている。この場合、係止部17の係止部傾斜面17bと被係止部18の被係止部傾斜面18bとは、隙間を介して対向し、係止部17と被係止部18は非接触となっている(
図7参照)。
【0061】
クランプ装置1の下方には、第一搬送路TP1を搬送されて来た搬送物T(上鋳枠UFおよび下鋳枠LFが重ね合わされた有枠式鋳型)が位置決めされている。
【0062】
制御装置は、
図3に示すように、昇降シリンダ装置141を駆動させて昇降フレーム11を下降させ、続いて開閉駆動装置13を駆動させてクランプアーム12を閉じる。その際にクランプアームの把持爪121a,122aは、下鋳枠LFの外側下端を掛止する。
【0063】
次に、制御装置は、
図4に示すように、昇降シリンダ装置141を駆動させて昇降フレーム11を上昇端まで上昇させる。この際、係止部17の当接面17aと被係止部18の被当接面18aとが当接し、クランプアーム12の閉じた状態が確実に確保される(
図8参照)。
【0064】
次に、制御装置は、
図5に示すように、移送台車駆動装置152の電動モータ152aを駆動させ、転動輪151aを回転させて、クランプアーム支持部15(移送台車151)を第二搬送路TP2の上方に移動させる。停止位置は、位置センサPSによって検知され、検知信号が制御装置に送信される。制御装置は、検知信号に基づいて電動モータ152aの駆動を停止させて移送台車151の移動速度を徐々に減少させ、ストッパボルトSBにより移送台車151を確実に停止させる。
【0065】
次に、制御装置は、昇降シリンダ装置141を駆動させ、昇降フレーム11を下降させる。制御装置は、搬送物Tの下端が第二搬送路TP2に載置された台車FCの上面に接触した時点で下降を停止する。台車FCと搬送物Tとの接触は、図略の位置センサによって検知される。
【0066】
次に、制御装置は、開閉駆動装置13を駆動させて、クランプアーム12開いて、搬送物Tを台車FCに移し替える。
次に、制御装置は、何も把持していないクランプアーム12を、第一搬送路TP1の上方に戻し、以下同様の動作を行う。
【0067】
上記の記載で明らかなように、本実施形態のクランプ装置1は、上下方向に延在するとともに、対となって搬送物Tを両側から把持するクランプアーム12と、クランプアーム12を開閉するように駆動させる開閉駆動装置13と、クランプアーム12の上方に設けられ、クランプアーム12を昇降させる昇降装置14を介して支持するクランプアーム支持部15と、を備えたクランプ装置1である。
【0068】
そして、クランプアーム12は、クランプアーム12の下部に設けられ搬送物Tを両側から把持する第一把持爪121aおよび第二把持爪122aと、クランプアーム12の上部にクランプアーム支持部15に対向するように設けられた係止部17とを有している。
【0069】
クランプアーム支持部15には、第一把持爪121aおよび第二把持爪122aが搬送物Tを把持して閉じた状態においてクランプアーム12が上昇した際に、係止部17と係止して第一把持爪121aおよび第二把持爪122aが開く方向の動きを規制する被係止部18を、備えている。
【0070】
これによれば、係止部17および被係止部18は、第一把持爪121aおよび第二把持爪122aが搬送物Tを把持して閉じた状態においてクランプアーム12が上昇した際に、第一把持爪121aおよび第二把持爪122aが開く方向の動きを規制する。そして、クランプアーム12に把持された搬送物Tの落下を防止することができる。
【0071】
また、第一クランプアーム121および第二クランプアーム122は、下部に設けられた第一把持爪121aおよび第二把持爪122aが開閉するように回転させる回転軸12a,12bを備えている。
【0072】
これによれば、対となった第一クランプアーム121および第二クランプアーム122クランプアームは、回転軸12a,12bを中心に回転して、対向する第一把持爪121aおよび第二把持爪122aを開閉させて搬送物Tを把持することができる。
【0073】
また、第一クランプアーム121および第二クランプアーム122は、一方の第一クランプアーム121の回転軸12aの上方と、他方の第二クランプアーム122の回転軸12bの下方とを連結することで、対となった第一把持爪121aおよび第二把持爪122aの開閉動作を同期させるリンク部材16を備える。
【0074】
これによれば、リンク部材16は、対となった第一把持爪121aおよび第二把持爪122aの開閉動作を同期させることができる。
【0075】
また、開閉駆動装置13は、第一クランプアーム121および第二クランプアーム122のいずれか一つのクランプアーム12に連結された開閉駆動装置13である。
【0076】
これによれば、開閉駆動装置13は、一つの開閉駆動装置13で、第一クランプアーム121および第二クランプアーム122のいずれのクランプアーム12をも駆動させることができる。
【0077】
また、各クランプアーム12には、搬送物Tを把持して閉じた状態のクランプアーム12の開く方向の動作を抑制する抑制装置19が設けられている。抑制装置19は、例えば、両端部をコイルの中心に対して所定角度となるように突出させたコイルばねを回転軸12a,12b周りに配置するものである。そして、一端部をクランプアーム12に他端部を昇降フレーム11に固定し、クランプアーム12が閉じる方向に回転するように付勢する。
【0078】
これによれば、開閉駆動装置13の駆動力が消滅した場合にも抑制装置19によりクランプアーム12の第一把持爪121aおよび第二把持爪122aが開く動作が抑制され、搬送物Tの落下を防止することができる。
【0079】
また、被係止部18は、クランプアーム支持部15より下方に向かって突出するように設けられ、垂直方向に延在する被当接面18aと、下端の頂部において被当接面18aに連続して頂部から離れるにしたがって上下方向の突出高さが漸減する被係止部傾斜面18bとを備えている。
【0080】
そして、係止部17は、クランプアーム12の上端部に設けられ、上下方向に延在し被当接面18aと当接する当接面17aと、上端部の頂部において当接面17aに連続して上端部の頂部から離れるにしたがって上下方向の突出高さが漸減する係止部傾斜面17bとを備えている。
【0081】
第一把持爪121aおよび第二把持爪122aが搬送物Tを把持して閉じた状態においてクランプアーム12が上昇した際に、当接面17aと被当接面18aとが当接可能となり、第一把持爪121aおよび第二把持爪122aが開いた状態においてクランプアーム12が上昇した際に、係止部傾斜面17bと被係止部傾斜面18bとが相互に力を伝達することなく対向する。
【0082】
これによれば、クランプアーム12の開閉幅が小さい場合でも、クランプアーム12が開いた状態では、係止部17と被係止部18と間で干渉がないので、第一把持爪121aおよび第二把持爪122aの閉状態と開状態とを区別して、確実にかつ円滑にクランプアームの開き防止をすることができる。さらに、被係止部傾斜面18bを形成する漸減する突出部分が被係止部当接面18aを背後から支えることとなるので、被係止部18の強度を確保することができる。
【0083】
また、クランプアーム支持部15は、搬送物Tを搬送する複数の搬送路TP1,TP2に跨って設けられた移送路4上を移動する移動体である。
【0084】
これによれば、クランプアーム支持部15は、複数の搬送路TP1,TP2の間で移動して、或る搬送路TP1から他の搬送路TP2へクランプアーム12で把持した搬送物Tを確実に移し替えることができる。
【0085】
(第二実施形態)
次に、本発明に係るクランプ装置の第二実施形態について、
図9および
図10を参照して以下に説明する。
第二実施形態のクランプ装置21は、回転軸を中心に回転してクランプアームを開閉するものではなく、対向する二つのクランプアーム22を水平方向に直線的に移動させてクランプアーム22の把持部(把持爪22a)を開閉する点において、第一実施形態のクランプ装置1と相違する。
以下、主に相違点について詳述する。
【0086】
昇降フレーム211は、例えば鉄製で、矩形の板状に形成されている。昇降フレーム211は、水平方向に延在するように突出した四本の水平ガイドロッド292を備え、図略の昇降装置によって昇降する。水平ガイドロッド292は、例えば鉄製で断面円形の棒状に形成され、基端部において昇降フレーム211の側部に、例えば、ねじにより締結されている。
【0087】
クランプアーム22は、上部に一体に設けられた水平ガイド筒291を備え、水平ガイド筒291は水平ガイドロッド292に摺動可能に外嵌される。水平ガイドロッドの先端部にはストッパ293がボルトによって設けられ、水平ガイドロッド292から水平ガイド筒291の抜け出しが防止されている。水平ガイド筒291および水平ガイドロッド292は、直進ガイド機構29を構成する。
【0088】
クランプアーム22の上部には、開閉駆動装置23が対となったクランプアーム22の間に設けられている。開閉駆動装置23は、油性シリンダ装置231とピストンロッド232とを備え、水平ガイドロッド292および水平ガイド筒291と平行となる水平方向に沿って延在するように設けられている。
クランプアーム22の上端部には、係止部27が設けられている。クランプアーム22の下端部には把持爪22aが設けられている。
【0089】
クランプアーム支持部25の下面には、被係止部28がクランプアーム22の係止部27に対向するように設けられている。係止部27の当接面27aが外側にあり、係止部傾斜面27bが内側となっており、第一実施形態とは、逆になっている。被係止部28についても、被当接面28aが内側に被係止部傾斜面28bが外側に設けられている。
【0090】
上記の記述で明らかなように、第二実施形態のクランプ装置21において、クランプアーム22は、対となったクランプアーム22が水平方向に直線移動することで把持爪22aを開閉させる直進ガイド機構29を備える。
【0091】
これによれば、対となったクランプアーム22は、水平方向に直線移動して、対向する把持爪22aを開閉させて搬送物Tを把持することができる。
【0092】
なお、クランプアーム12の把持部は、把持爪(第一把持爪121a,第二把持爪122a)に限定されない。搬送物を把持できるものであればよく、搬送物の形状や種類によって適宜変更できる。
【0093】
また、抑制装置19は、両端部を所定角度となるように突出させたコイルばねを回転軸周りに配置するものに限定されない。例えば、対向するクランプアーム間にコイルスプリングを設け、クランプアームが閉じる方向に付勢してもよい。
【0094】
なお、係止部17、被係止部18は突出させたもの同士を係止するものに限定されない。例えば、クランプアーム支持部の下面に形成した穴(被係止部)に突起物(係止部)を係止させてもよい。
【0095】
本発明は、上記しかつ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
【符号の説明】
【0096】
1:クランプ装置、11:昇降フレーム、12:クランプアーム、121:第一クランプアーム、122:第二クランプアーム、12a:回転軸、12b:回転軸、121a:第一把持爪(把持部)、122a:第二把持爪(把持部)、13:開閉駆動装置、14:昇降装置、15:クランプアーム支持部、151:移送台車(移動体)、16:リンク部材、17:係止部、17a:当接面、17b:係止部傾斜面、18:被係止部、18a:被係止部当接面、18b:被係止部傾斜面、21:クランプ装置、22:クランプアーム、23:開閉駆動装置、25:クランプアーム支持部(移動体)、27:係止部、28:被係止部、29:直進ガイド機構、291:水平ガイド筒、292:水平ガイドロッド、4:移送路、T:搬送物、TP1:第一搬送路(搬送路)、TP2:第二搬送路(搬送路)。