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特開2022-168759本人認証システム、本人認証装置及び本人認証方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168759
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】本人認証システム、本人認証装置及び本人認証方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/32 20130101AFI20221031BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20221031BHJP
【FI】
G06F21/32
G06T7/00 510F
G06T7/00 510B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074466
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】岡田 知之
【テーマコード(参考)】
5B043
【Fターム(参考)】
5B043AA09
5B043AA10
5B043BA01
5B043BA04
5B043DA05
5B043DA09
5B043EA05
5B043FA07
5B043GA02
5B043GA13
5B043HA01
5B043HA06
(57)【要約】
【課題】本人認証を行う場合のなりすましを効率良く防止することを課題とする。
【解決手段】本人認証システムは、一連の本人認証処理を行う途中のユーザが意識していない状態(バックグラウンド)で、ユーザの顔と背景を含む画像(第2顔画像)を撮像する。そして、ユーザの第1顔画像、ユーザの第2顔画像及びユーザと本人確認書類が同時に映った複合画像から、所定の特徴を抽出し、本人認証の手順の開始から終了までの期間において、所定の特徴の変化の有無でなりすましが行われているか否かを判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも本人認証の認証対象者を撮像する撮像部を有する端末装置と、前記端末装置から受信した前記認証対象者の画像に基づいて本人認証を行う本人認証装置とを通信可能に接続した本人認証システムであって、
前記本人認証装置は、
前記認証対象者に係る登録情報を記憶する記憶手段と、
前記端末装置からの登録依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、前記登録依頼に含まれる前記認証対象者が所持する本人確認書類の本人確認画像とに基づいて、前記認証対象者の本人認証処理を行う認証処理手段と、
前記端末装置からの登録依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、登録処理途中に前記端末装置から通知される前記認証対象者の第2の画像との間に所定の特徴の変化が存在するか否かを検知する検知手段と、
前記検知手段により前記所定の特徴の変化が検知されず、かつ、前記認証処理手段により前記認証対象者が本人であると認証された場合に、前記認証対象者の本人確認書類画像を前記登録情報として前記記憶手段に格納する格納手段と
を備えたことを特徴とする本人認証システム。
【請求項2】
前記端末装置は、
前記撮像部により撮像された前記認証対象者の第1の画像及び前記撮像部により撮像された前記認証対象者の本人確認画像を含む登録依頼を行う登録依頼手段と、
前記本人認証装置による認証処理中に、前記撮像部により撮像された前記認証対象者の第2の画像を通知する通知手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の本人認証システム。
【請求項3】
少なくとも本人認証の認証対象者を撮像する撮像部を有する端末装置と、前記端末装置から受信した前記認証対象者の画像に基づいて本人認証を行う本人認証装置とを通信可能に接続した本人認証システムであって、
前記本人認証装置は、
前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、前記認証対象者の所定の登録情報とに基づいて、前記認証対象者の本人認証処理を行う認証処理手段と、
前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、認証処理途中に前記端末装置から通知される前記認証対象者の第2の画像との間に所定の特徴の変化が存在するか否かを検知する検知手段と、
前記検知手段により前記所定の特徴の変化が検知されず、かつ、前記認証処理手段により前記認証対象者が本人であると認証された場合に、前記端末装置に対して前記認証対象者が本人である旨を通知する通知手段と
を備えたことを特徴とする本人認証システム。
【請求項4】
前記端末装置は、
前記撮像部により撮像された前記認証対象者の第1の画像を含む認証依頼を行う認証依頼手段と、
前記本人認証装置による認証処理中に、前記撮像部により撮像された前記認証対象者の第2の画像を通知する通知手段と、
前記本人認証装置から通知された認証結果を報知する報知手段と
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の本人認証システム。
【請求項5】
前記本人認証装置は、
前記認証対象者の所持する本人確認書類の本人確認画像を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記認証処理手段は、
前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、前記記憶手段に記憶された前記認証対象者の本人確認画像とに基づいて、前記認証対象者の本人認証処理を行う
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の本人認証システム。
【請求項6】
前記端末装置は、
前記撮像部により前記認証対象者の第2の画像を撮像するときに、撮像を行う旨の報知を行わないことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の本人認証システム。
【請求項7】
前記端末装置は、前記撮像部を有する面に表示部を有し、
前記表示部は、前記撮像部により撮像された第2の画像を表示しない
ことを特徴とする請求項2又は4に記載の本人認証システム。
【請求項8】
前記所定の特徴は、
前記認証対象者の髪の色、前記認証対象者の髪型、前記認証対象者の被服の色、前記認証対象者の髭の状態、前記認証対象者の化粧の状態、又は、前記認証対象者の背景の色であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の本人認証システム。
【請求項9】
少なくとも本人認証の認証対象者を撮像する撮像部を有する端末装置と通信可能に接続され、前記端末装置から受信した前記認証対象者の画像に基づいて本人認証を行う本人認証装置であって、
前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、前記認証対象者の所定の登録情報とに基づいて、前記認証対象者の本人認証処理を行う認証処理手段と、
前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、認証処理途中に前記端末装置から通知される前記認証対象者の第2の画像との間に所定の特徴の変化が存在するか否かを検知する検知手段と、
前記検知手段により前記所定の特徴の変化が検知されず、かつ、前記認証処理手段により前記認証対象者が本人であると認証された場合に、前記端末装置に対して前記認証対象者が本人である旨を通知する通知手段と
を備えたことを特徴とする本人認証装置。
【請求項10】
少なくとも本人認証の認証対象者を撮像する撮像部を有する端末装置と通信可能に接続され、前記端末装置から受信した前記認証対象者の画像に基づいて本人認証を行う本人認証装置であって、
前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、前記認証対象者の所定の登録情報とに基づいて、前記認証対象者の本人認証処理を行う認証処理手段と、
前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、認証処理途中に前記端末装置から通知される前記認証対象者の第2の画像との間に所定の特徴の変化が存在するか否かを検知する検知手段と、
前記検知手段により前記所定の特徴の変化が検知されず、かつ、前記認証処理手段により前記認証対象者が本人であると認証された場合に、前記端末装置に対して前記認証対象者が本人である旨を通知する通知手段と
を備えたことを特徴とする本人認証装置。
【請求項11】
少なくとも本人認証の認証対象者を撮像する撮像部を有する端末装置と、前記端末装置から受信した前記認証対象者の画像に基づいて本人認証を行う本人認証装置とを通信可能に接続した本人認証システムにおける本人認証方法であって、
前記本人認証装置が、前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、前記認証対象者の所定の登録情報とに基づいて、前記認証対象者の本人認証処理を行う認証処理工程と、
前記本人認証装置が、前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、認証処理途中に前記端末装置から通知される前記認証対象者の第2の画像との間に所定の特徴の変化が存在するか否かを検知する検知工程と、
前記本人認証装置が、前記検知工程により前記所定の特徴の変化が検知されず、かつ、前記認証処理工程により前記認証対象者が本人であると認証された場合に、前記端末装置に対して前記認証対象者が本人である旨を通知する通知工程と
を含むことを特徴とする本人認証方法。
【請求項12】
少なくとも本人認証の認証対象者を撮像する撮像部を有する端末装置と、前記端末装置から受信した前記認証対象者の画像に基づいて本人認証を行う本人認証装置とを通信可能に接続した本人認証システムにおける本人認証方法であって、
前記本人認証装置が、前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、前記認証対象者の所定の登録情報とに基づいて、前記認証対象者の本人認証処理を行う認証処理工程と、
前記本人認証装置が、前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、認証処理途中に前記端末装置から通知される前記認証対象者の第2の画像との間に所定の特徴の変化が存在するか否かを検知する検知工程と、
前記本人認証装置が、前記検知工程により前記所定の特徴の変化が検知されず、かつ、前記認証処理工程により前記認証対象者が本人であると認証された場合に、前記端末装置に対して前記認証対象者が本人である旨を通知する通知工程と
を含むことを特徴とする本人認証方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本人認証を行う場合のなりすましを効率良く防止することができる本人認証システム、本人認証装置及び本人認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの顔画像を用いてユーザの本人認証を行う技術が知られている。例えば、特許文献1には、ユーザが所持する撮像部を備えた認証器と、認証器に対して通信可能に接続された本人認証サーバとを備えた本人認証システムであって、認証器は、ユーザの本人確認の際に撮像部を介して取得した本人確認書類の画像である本人確認画像に含まれる顔写真画像と、本人確認書類を所持した所持者の顔の画像である顔画像とのうち少なくとも一方である照合画像を照合画像記憶部に記憶させ、サービス利用時に、撮像部を介してサービス利用者の顔画像を取得し、照合画像記憶部に記憶された照合画像と照合し、照合結果を本人認証サーバに送信し、本人認証サーバは、照合結果に基づいてサービスの利用を許可する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-087461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1によれば、ユーザによる行為のみで本人登録がなされるために、不正行為が行われやすいという問題がある。特に、撮像部によって撮像された顔画像を用いて照合することとすると、顔の写真又は顔画像の印刷物を用いて他人になりすます不正が行われた場合に、かかる不正行為を見つけるのが難しい。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点(課題)を解決するためになされたものであって、本人認証を行う場合のなりすましを効率良く防止することができる本人認証システム、本人認証装置及び本人認証方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、少なくとも本人認証の認証対象者を撮像する撮像部を有する端末装置と、前記端末装置から受信した前記認証対象者の画像に基づいて本人認証を行う本人認証装置とを通信可能に接続した本人認証システムであって、前記本人認証装置は、前記認証対象者に係る登録情報を記憶する記憶手段と、前記端末装置からの登録依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、前記登録依頼に含まれる前記認証対象者が所持する本人確認書類の本人確認画像とに基づいて、前記認証対象者の本人認証処理を行う認証処理手段と、前記端末装置からの登録依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、登録処理途中に前記端末装置から通知される前記認証対象者の第2の画像との間に所定の特徴の変化が存在するか否かを検知する検知手段と、前記検知手段により前記所定の特徴の変化が検知されず、かつ、前記認証処理手段により前記認証対象者が本人であると認証された場合に、前記認証対象者の身分証明書画像を前記登録情報として前記記憶手段に格納する格納手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記の発明において、前記端末装置は、前記撮像部により撮像された前記認証対象者の第1の画像及び前記撮像部により撮像された前記認証対象者の本人確認画像を含む登録依頼を行う登録依頼手段と、前記本人認証装置による認証処理中に、前記撮像部により撮像された前記認証対象者の第2の画像を通知する通知手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、少なくとも本人認証の認証対象者を撮像する撮像部を有する端末装置と、前記端末装置から受信した前記認証対象者の画像に基づいて本人認証を行う本人認証装置とを通信可能に接続した本人認証システムであって、前記本人認証装置は、前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、前記認証対象者の所定の登録情報とに基づいて、前記認証対象者の本人認証処理を行う認証処理手段と、前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、認証処理途中に前記端末装置から通知される前記認証対象者の第2の画像との間に所定の特徴の変化が存在するか否かを検知する検知手段と、前記検知手段により前記所定の特徴の変化が検知されず、かつ、前記認証処理手段により前記認証対象者が本人であると認証された場合に、前記端末装置に対して前記認証対象者が本人である旨を通知する通知手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記の発明において、前記端末装置は、前記撮像部により撮像された前記認証対象者の第1の画像を含む認証依頼を行う認証依頼手段と、前記本人認証装置による認証処理中に、前記撮像部により撮像された前記認証対象者の第2の画像を通知する通知手段と、前記本人認証装置から通知された認証結果を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記の発明において、前記本人認証装置は、前記認証対象者の所持する本人確認書類の本人確認画像を記憶する記憶手段をさらに備え、前記認証処理手段は、前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、前記記憶手段に記憶された前記認証対象者の本人確認画像とに基づいて、前記認証対象者の本人認証処理を行うことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記の発明において、前記端末装置は、前記撮像部により前記認証対象者の第2の画像を撮像するときに、撮像を行う旨の報知を行わないことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記の発明において、前記端末装置は、前記撮像部を有する面に表示部を有し、前記表示部は、前記撮像部により撮像された第2の画像を表示しないことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記の発明において、前記所定の特徴は、前記認証対象者の髪の色、前記認証対象者の髪型、前記認証対象者の被服の色、前記認証対象者の髭の状態、前記認証対象者の化粧の状態、又は、前記認証対象者の背景の色であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、少なくとも本人認証の認証対象者を撮像する撮像部を有する端末装置と通信可能に接続され、前記端末装置から受信した前記認証対象者の画像に基づいて本人認証を行う本人認証装置であって、前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、前記認証対象者の所定の登録情報とに基づいて、前記認証対象者の本人認証処理を行う認証処理手段と、前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、認証処理途中に前記端末装置から通知される前記認証対象者の第2の画像との間に所定の特徴の変化が存在するか否かを検知する検知手段と、前記検知手段により前記所定の特徴の変化が検知されず、かつ、前記認証処理手段により前記認証対象者が本人であると認証された場合に、前記端末装置に対して前記認証対象者が本人である旨を通知する通知手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、少なくとも本人認証の認証対象者を撮像する撮像部を有する端末装置と通信可能に接続され、前記端末装置から受信した前記認証対象者の画像に基づいて本人認証を行う本人認証装置であって、前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、前記認証対象者の所定の登録情報とに基づいて、前記認証対象者の本人認証処理を行う認証処理手段と、前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、認証処理途中に前記端末装置から通知される前記認証対象者の第2の画像との間に所定の特徴の変化が存在するか否かを検知する検知手段と、前記検知手段により前記所定の特徴の変化が検知されず、かつ、前記認証処理手段により前記認証対象者が本人であると認証された場合に、前記端末装置に対して前記認証対象者が本人である旨を通知する通知手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、少なくとも本人認証の認証対象者を撮像する撮像部を有する端末装置と、前記端末装置から受信した前記認証対象者の画像に基づいて本人認証を行う本人認証装置とを通信可能に接続した本人認証システムにおける本人認証方法であって、前記本人認証装置が、前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、前記認証対象者の所定の登録情報とに基づいて、前記認証対象者の本人認証処理を行う認証処理工程と、前記本人認証装置が、前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、認証処理途中に前記端末装置から通知される前記認証対象者の第2の画像との間に所定の特徴の変化が存在するか否かを検知する検知工程と、前記本人認証装置が、前記検知工程により前記所定の特徴の変化が検知されず、かつ、前記認証処理工程により前記認証対象者が本人であると認証された場合に、前記端末装置に対して前記認証対象者が本人である旨を通知する通知工程とを含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、少なくとも本人認証の認証対象者を撮像する撮像部を有する端末装置と、前記端末装置から受信した前記認証対象者の画像に基づいて本人認証を行う本人認証装置とを通信可能に接続した本人認証システムにおける本人認証方法であって、前記本人認証装置が、前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、前記認証対象者の所定の登録情報とに基づいて、前記認証対象者の本人認証処理を行う認証処理工程と、前記本人認証装置が、前記端末装置からの認証依頼に含まれる前記認証対象者の第1の画像と、認証処理途中に前記端末装置から通知される前記認証対象者の第2の画像との間に所定の特徴の変化が存在するか否かを検知する検知工程と、前記本人認証装置が、前記検知工程により前記所定の特徴の変化が検知されず、かつ、前記認証処理工程により前記認証対象者が本人であると認証された場合に、前記端末装置に対して前記認証対象者が本人である旨を通知する通知工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、本人認証を行う場合のなりすましを効率良く防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本実施形態に係る本人認証システムの概要を示す図である。
図2図2は、本実施形態に係る本人認証システムのシステム構成を示す図である。
図3図3は、図2に示した本人認証装置の構成を示す機能ブロック図である。
図4図4は、図2に示した端末装置の構成を示す機能ブロック図である。
図5図5は、図2に示した本人認証システムの処理手順を示すシーケンス図(その1)である。
図6図6は、図2に示した本人認証システムの処理手順を示すシーケンス図(その2)である。
図7図7は、図2に示した本人認証システムの処理手順を示すシーケンス図(その3)である。
図8図8は、図2に示した端末装置の本人確認書類撮像時の画面イメージの一例を示す図である。
図9図9は、図2に示した端末装置の第1顔画像の撮像時の画面イメージの一例を示す図である。
図10図10は、図2に示した端末装置のユーザの顔及び本人確認書類が同時に映った画像撮像時の画面イメージの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明に係る本人認証システム、本人認証装置及び本人認証方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
<本人認証システムの概要>
まず、本実施形態に係る本人認証システムの概要について説明する。図1は、本実施形態に係る本人認証システムの概要を説明するための説明図である。図1に示す本人認証システムは、認証対象者(以下、単に「ユーザ」と言う)の本人認証を行うシステムである。ここでは、本人認証装置に対してユーザの顔画像を登録する場合を示している。
【0022】
従来、本人認証装置に対してユーザの顔画像を登録する場合には、ユーザの顔部分を撮像した顔画像と、ユーザが所持する免許証などの本人確認書類に貼付された顔写真の画像とを比較する。その結果、ユーザが本人であると判定されたならば、本人確認書類の顔写真の画像(又はユーザの顔部分を撮像した顔画像)が本人認証装置に登録される。この際、ユーザには該ユーザを一意に識別する識別情報が対応付けられる。
【0023】
しかしながら、本人確認書類に貼付された顔写真を他人の顔写真に付け替え、撮像装置の前面に他人の顔写真の印刷物がおかれると、他人の顔写真の画像が本人認証装置に登録されてしまい、他人のなりすましを防ぐことができなくなる。
【0024】
このため、本実施形態に係る本人認証システムでは、一連の本人認証処理を行っている途中のユーザが意識していないバックグラウンドの状態で、ユーザの顔部分を撮像した顔画像(以下、「第2顔画像」と言う)を撮像する。
【0025】
そして、ユーザの顔画像(以下、「第1顔画像」と言う)と、上記第2顔画像からそれぞれ所定の特徴を抽出し、本人認証の登録を開始してから認証結果を出力する前までの期間内に特徴の変化が生じているか否かを判定する。ここで言う「所定の特徴」とは、髪型、髭の有無、被服の色又は背景の色等を指す。第1顔画像及び第2顔画像に含まれる顔の特徴量を特徴とすることもできる。
【0026】
かかる特徴の変化が生じているならば、第1顔画像を撮像した時点のユーザと、第2顔画像を撮像した時点のユーザとが入れ替わっている可能性が考えられるため、第三者によるなりすましが発生している可能性があると判定する。また、第2の画像を撮像した後、さらに第2の画像を撮像し、2つの第2の画像間の特徴の変化が生じている場合にも、なりすましが発生している可能性があると判定する。
【0027】
また、本実施形態では、ユーザの顔及び本人確認書類を含む画像(以下、「複合画像」と言う)を撮像することとしているため、上記の第2の画像と複合画像との間の特徴の変化が生じている場合にも、なりすましが発生している可能性があると判定する。
【0028】
具体的には、図1(a)に示すように、本人認証システムに対する本人確認書類の登録操作を受け付けたならば、端末装置は、本人確認書類を撮像する(S1)。かかる本人確認書類は、公的機関により発行された運転免許証、パスポート又はマイナンバーカード等の書類であり、ユーザの顔写真が貼付されている。その後、端末装置は、ユーザの第1顔画像を撮像し、第1顔画像に含まれる特徴を抽出する(S2)。
【0029】
端末装置は、第1顔画像を撮像したならば、その後所定時間後(ユーザが服の着替え又は部屋の移動を行えない時間、例えば10秒後)に第2顔画像を撮像し、第2顔画像から特徴を抽出する(S3)。この第2顔画像は、すでに説明した通り、ユーザが意識していないバックグラウンドの状態で撮像される画像である。このため、端末装置は、ユーザに対して第2顔画像を撮像することを報知しない。事前に、状況により撮像する場合があると通知しておけばよい。その後、端末装置は、ユーザの顔及び本人確認書類を含む複合画像を撮像する旨のガイダンスを行い、ユーザが準備を終えたならば複合画像を撮像し、複合画像から特徴を抽出する(S4)。
【0030】
図1(b)は、第1顔画像の特徴の一例を示す図表である。ここでは、髪型は「短髪」、髭は「なし」、被服の色は「緑」、画像の背景色は「青」である特徴を示している。図1(c)は、第2顔画像の特徴の一例を示す図表である。ここでは、髪型は「短髪」、髭は「なし」、被服の色は「緑」、画像の背景色は「青」である特徴を示している。
【0031】
このように、図1(b)に示す第1顔画像の特徴と、図1(c)に示す第2顔画像の特徴には変化がない。このため、第1顔画像の人物と第2顔画像の人物は同一人物であり、なりすましが生じていないと判定する。
【0032】
一方、図1(d)は、複合画像の特徴の一例を示す図表である。ここでは、髪型は「短髪」、髭は「なし」、被服の色は「ピンク」、画像の背景色は「青」である特徴を示している。この場合には、図1(c)に示す第2顔画像の特徴と、図1(d)に示す複合画像の特徴に変化(被服の色の変化)がある。このため、第2顔画像の人物と複合画像の人物は同一人物ではなく、なりすましが生じている可能性があると判定する。
【0033】
<本人認証システムのシステム構成>
次に、本実施形態に係る本人認証システムのシステム構成について説明する。図2は、図1に示した本人認証システムのシステム構成を示す図である。図2に示すように、この本人認証システムは、本人認証装置10、端末装置20及び基地局Rを備え、本人認証装置10は、ネットワークNに接続され、端末装置20は、例えば、無線通信の基地局Rを介してネットワークNに接続される。
【0034】
本人認証装置10は、ユーザの本人認証処理と、本人確認書類の登録時におけるなりすましの判定処理等を行う装置である。具体的には、第1顔画像、第2顔画像及び複合画像を用いたなりすましの判定処理、なりすましが発生していないことを条件とする本人確認書類の画像の登録処理等を行う。
【0035】
端末装置20は、端末装置20のカメラ22を用いて、本人確認書類の画像を取得する処理と、第1顔画像を撮像する処理と、第2顔画像を撮像する処理と、複合画像を撮像する処理と、本人認証装置10で判定された認証結果を表示部に表示制御する処理等を行う。
【0036】
<本人認証装置10の構成>
次に、図2に示した本人認証装置10の構成について説明する。図3は、図2に示した本人認証装置10の構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、本人認証装置10は、表示部11と、操作部12と、通信I/F部13と、記憶部14と、制御部15とを有する。
【0037】
表示部11は、液晶パネル又はディスプレイ装置などの表示デバイスであり、操作部12は、キーボードやマウスなどの入力デバイスである。通信I/F部13は、端末装置20などの他の装置と通信を行うためのインターフェース部である。
【0038】
記憶部14は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、本人確認書類画像データ14a、第1顔画像データ14b、第2顔画像データ14c、複合画像データ14d、特徴抽出データ14e及び認証済画像データ14fを記憶する。
【0039】
制御部15は、本人認証装置10の全体を制御する制御部であり、本人確認書類画像処理部15a、第1顔画像処理部15b、第2顔画像処理部15c、複合画像処理部15d、認証処理部15e及びなりすまし判定部15fを有する。実際には、これらプログラムをCPUにロードして実行することにより、本人確認書類画像処理部15a、第1顔画像処理部15b、第2顔画像処理部15c、複合画像処理部15d、認証処理部15e及びなりすまし判定部15fにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0040】
本人確認書類画像処理部15aは、端末装置20で取得され、登録依頼された本人確認書類の画像を受信し、本人確認書類画像データ14aとして記憶部14に記憶する。ここで、本人確認書類とは、運転免許証、パスポート及びマイナンバーカード等の公的機関が発行した証明証のいずれかである。
【0041】
第1顔画像処理部15bは、端末装置20で撮像され、登録依頼された第1顔画像を受信し、第1顔画像データ14bとして記憶部14に記憶する。また、取得された第1顔画像データ14bから所定の特徴を抽出し、特徴抽出データ14eとして記憶部14に記憶する。なお、画像から特徴を抽出する場合には、例えば、深層学習により得られる学習済モデルに画像を入力し、画像の特徴を抽出することができる。
【0042】
かかる深層学習を用いる場合には、所定の特徴が含まれる画像とその結果を教師データとした教師有り学習を行って学習済モデルを生成しておく必要がある。また、深層学習以外の機械学習を用いることもできる。また、所定の特徴は、ユーザの髪の色、ユーザの髪型、ユーザの被服の色、ユーザの髭の状態、ユーザの化粧の状態、又は、ユーザの背景の色等である。
【0043】
第2顔画像処理部15cは、端末装置20でユーザが意識しないところで撮像された第2顔画像を受信し、第2顔画像データ14cとして記憶部14に記憶する。また、取得された第2顔画像データ14cから所定の特徴を抽出し、特徴抽出データ14eとして記憶部14に記憶する。なお、画像から特徴を抽出する方法は、第1顔画像処理部15bと同様である。
【0044】
複合画像処理部15dは、端末装置20で撮像された複合画像データ24dを受信し、複合画像データ14dとして記憶部14に記憶する。また、取得された複合画像データ14dから所定の特徴を抽出し、特徴抽出データ14eとして記憶部14に記憶する。なお、画像から特徴を抽出する方法は、第1顔画像処理部15bと同様である。
【0045】
認証処理部15e(特許請求の範囲の認証処理手段に相当)は、本人確認書類画像データ14aに記憶された本人確認書類の顔部分画像と、端末装置20から受信した第1顔画像データ14bに基づいて、ユーザの本人認証処理を行う。かかる認証処理には、例えば、深層学習により得られる学習済モデルに2つの画像を入力し、画像の類似度を検出することができる。
【0046】
かかる深層学習を用いる場合には、顔の特徴が含まれる画像とその結果を教師データとした教師有り学習を行って学習済モデルを生成しておく必要がある。また、深層学習以外の機械学習を用いることもできる。
【0047】
なりすまし判定部15f(特許請求の範囲の検知手段に相当)は、認証を行っている人物が一連の認証手順でなりすましが行われているか否かを判定する。具体的には、第1顔画像、第2顔画像及び複合画像から抽出された特徴抽出データ14eにおいて、所定の特徴、例えば、ユーザの髪の色、ユーザの髪型、ユーザの被服の色、ユーザの髭の状態、ユーザの化粧の状態、又は、ユーザの背景の色に変化がない場合は、なりすましは行われていないと判定し、変化がある場合は、なりすましが行われていると判定する。また、なりすまし判定部15fは、なりすましが行われていないと判定した場合は、本人確認書類画像、第1顔画像を認証済画像データ14fとして記憶部14に記憶する。
【0048】
<端末装置20の構成>
次に、図2に示した端末装置20の構成について説明する。図4は、図2に示した端末装置20の構成を示す機能ブロック図である。この端末装置20は、ウェブブラウザを搭載したスマートフォンなどの端末である。
【0049】
図4に示すように、端末装置20は、操作表示部21、カメラ22、通信I/F部23、記憶部24及び制御部25を有する。ここでは、本実施形態の特徴に関する機能を図示することとし、一般的なスマートフォンが有する他の各種機能についての説明を省略する。
【0050】
操作表示部21は、タッチパネル式液晶ディスプレイ等の入出力デバイスである。カメラ22は、スマートフォンに搭載の撮像デバイスである。通信I/F部23は、移動通信規格である第3世代移動通信方式、第4世代移動通信方式又は第5世代移動通信方式等による無線通信、無線LAN(Local Area Network)等による近距離無線通信などを行うインターフェース部である。
【0051】
記憶部24は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、本人確認書類画像データ24a、第1顔画像データ24b、第2顔画像データ24c、複合画像データ24d及び認証結果データ24eを記憶する。
【0052】
制御部25は、端末装置20の全体を制御する制御部であり、本人確認書類画像取得部25a、第1顔画像取得部25b、第2顔画像取得部25c、複合画像取得部25d及び認証結果処理部25eを有する。実際には、これらプログラムをCPUにロードして実行することにより、本人確認書類画像取得部25a、第1顔画像取得部25b、第2顔画像取得部25c、複合画像取得部25d及び認証結果処理部25eにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0053】
本人確認書類画像取得部25aは、本人確認書類の画像を取得する。具体的には、本人確認書類画像取得部25aは、操作表示部21に撮像のためのガイド線を生成する。そして、ユーザがガイド線に沿って本人確認書類を置き、撮像ボタンを押したならば、カメラ22からの画像を取得し、本人確認書類画像データ24aとして記憶部24に記憶する。また、本人確認書類画像取得部25aは、該本人確認書類画像データ24a及び画像の登録依頼を本人認証装置10に送信する。なお、本人確認書類画像取得部25aは、例えば、運転免許証、パスポート及びマイナンバーカード等のどの本人確認書類を選択するのかを、選択画面を操作表示部21に表示させ、ユーザに選択させてもよい。
【0054】
第1顔画像取得部25bは、本人の第1顔画像を取得する。具体的には、第1顔画像取得部25bは、本人の第1顔画像の撮像のため、操作表示部21に撮像のためのガイド線を生成し、顔を該ガイド線に合わせるように促す。ユーザが本人の顔をガイド線に合わせ、撮像ボタンを押したならば、カメラ22からの画像を取得し、第1顔画像データ24bとして記憶部24に記憶する。そして、第1顔画像取得部25bは、該第1顔画像データ24b及び画像の登録依頼を本人認証装置10に送信する。
【0055】
第2顔画像取得部25cは、ユーザが意識しない状態(バックグラウンド)で第2顔画像を取得する。具体的には、第2顔画像取得部25cは、ユーザが第1顔画像の撮像をするために、本人の顔をガイド線に合わせている状態で、ユーザが撮像ボタンを押さなくとも、例えば、顔がガイド線に入ったら自動的に顔及び背景の撮像を行い、カメラ22からの画像を取得し、第2顔画像データ24cとして記憶部24に記憶し、該第2顔画像データ24cを本人認証装置10に送信する。また、第2顔画像取得部25cは、カメラ22から画像を取得した場合に、取得した画像を操作表示部21に表示しないように制御する。
【0056】
複合画像取得部25dは、ユーザの複合画像を取得する。具体的には、複合画像取得部25dは、ユーザの複合画像を撮像するための、撮像ガイド線を操作表示部21に生成し、ユーザの顔及び本人確認書類をガイド線に合わせるように促す。ユーザが顔と本人確認書類をガイド線に合わせ、撮像ボタンを押したならば、カメラ22からの画像を取得し、複合画像データ24dとして記憶部24に記憶し、該複合画像データ24dを本人認証装置10に送信する。
【0057】
認証結果処理部25eは、本人認証装置10で判定した認証結果を受信し、認証結果データ24eとして記憶部24に記憶する。そして、認証結果処理部25eは、該データを操作表示部21に表示する。なお、認証結果の表示は、認証結果が本人であるとの判定の場合は、例えば「認証成功」を表示し、認証結果が本人ではないとの判定の場合は、「認証失敗」を表示する。なお、認証結果が本人ではないとの判定の場合は、何も表示しなくともよい。
【0058】
<本人認証システムの処理手順>
次に、図2に示した本人認証システムの処理手順について説明する。図5図6及び図7は、本人認証システムの処理手順を示すシーケンス図である。
【0059】
図5図6及び図7に示すように、端末装置20は、本人確認書類の画像取得のため、操作表示部21に撮像のためのガイド線を生成し、表示する(ステップS101)。そして、端末装置20は、ユーザが本人確認書類をガイド線に合わせて置き、撮像ボタンを押したならば、本人確認書類の画像を、カメラ22から取得し、該画像を本人確認書類画像データ24aとして記憶部24に記憶する(ステップS102)。
【0060】
次に、端末装置20は、取得した本人確認書類画像データ24aと登録依頼を本人認証装置10に送信する(ステップS103)。本人認証装置10は、端末装置20から送信された本人確認書類画像データ24aを受信し、本人確認書類画像データ14aとして記憶部14に記憶する(ステップS104)。
【0061】
端末装置20は、ユーザの第1顔画像の取得のため、操作表示部21に撮像のためのガイド線を生成し、表示する(ステップS105)。そして、端末装置20は、ユーザがガイド線にユーザの顔を合わせ、撮像ボタンを押したならば、第1顔画像をカメラ22から取得し、該第1顔画像を第1顔画像データ24bとして記憶部24に記憶する(ステップS106)。端末装置20は、取得した第1顔画像データ24bと登録依頼を本人認証装置10に送信する(ステップS107)。
【0062】
本人認証装置10は、端末装置20から第1顔画像データ24bを受信したならば、該第1顔画像を第1顔画像データ14bとして記憶部14に記憶する(ステップS108)。そして、本人認証装置10は、該第1顔画像データ14bから所定の特徴を抽出し、特徴抽出データ14eとして記憶部14に記憶する(ステップS109)。かかる特徴は、第1顔画像データ14bを深層学習により得られる学習済モデルに入力し、抽出する。また、所定の特徴は、ユーザの髪の色、ユーザの髪型、ユーザの被服の色、ユーザの髭の状態、ユーザの化粧の状態、又は、ユーザの背景の色である。
【0063】
次に、端末装置20は、ユーザの顔をガイド線に合わせている状態で、ユーザが撮像ボタンを押さなくとも、ユーザの意思に関係なく第2顔画像をカメラ22から取得し、該第2顔画像を第2顔画像データ24cとして記憶部24に記憶する(ステップS110)。その後、端末装置20は、第2顔画像データ24cを本人認証装置10に送信する(ステップS111)。
【0064】
第1顔画像の撮像回数が、例えば3回に満たない場合(ステップS112;No)、ステップS105に戻る。また、第1顔画像の撮像回数が3回になった場合(ステップS112;Yes)、次のステップS116に移行する。
【0065】
本人認証装置10は、端末装置20から第2顔画像データ24cを受信したならば、該第2顔画像データ24cを第2顔画像データ14cとして記憶部14に記憶する(ステップS113)。そして、本人認証装置10は、取得された第2顔画像データ14cから所定の特徴を抽出し、特徴抽出データ14eとして記憶部14に記憶する(ステップS114)。なお、所定の特徴は、深層学習により得られる学習済モデルに第2顔画像データ14c入力し、抽出する。
【0066】
端末装置20での第1顔画像の受信回数が例えば3回に満たない場合(ステップS115;No)、ステップS108に戻る。また、第1顔画像の受信回数が3回になった場合(ステップS115;Yes)、次のステップS119に移行する。
【0067】
次に、端末装置20は、複合画像の取得のため、操作表示部21に撮像のためのガイド線を生成し、表示する(ステップS116)。そして、端末装置20は、ユーザがガイド線にユーザ本人と本人確認書類を合わせ、撮像ボタンを押したならば、カメラ22から画像を取得し、複合画像データ24dとして記憶部24に記憶する(ステップS117)。端末装置20は、取得した複合画像データ24dを本人認証装置10に送信する(ステップS118)。
【0068】
本人認証装置10は、端末装置20から複合画像データ24dを受信したならば、複合画像データ14dとして記憶部14に記憶する(ステップS119)。そして、本人認証装置10は、複合画像データ14dから所定の特徴を抽出し、特徴抽出データ14eとして記憶部14に記憶する(ステップS120)。
【0069】
次に、本人認証装置10は、本人確認書類画像データ14aに記憶した本人確認書類の画像に含まれる顔部分画像と端末装置20から取得した第1顔画像の比較をすることにより認証処理する(ステップS121)。本人認証装置10は、認証処理の結果、本人と認証されなかったならば(ステップS122:No)、認証結果として「本人ではない」と判定する(ステップS128)。
【0070】
また、本人認証装置10は、根拠処理の結果、本人と認識されたならば(ステップS122:Yes)、第1顔画像データ14b、第2顔画像データ14c及び複合画像データ14dから所定の特徴を抽出し記憶された特徴抽出データ14eの比較を行う(ステップS123)。具体的には、第1顔画像データ14b、第2顔画像データ14c及び複合画像データ14dから抽出された、ユーザの髪の色、ユーザの髪型、ユーザの被服の色、ユーザの髭の状態、ユーザの化粧の状態、又は、ユーザの背景の色の特徴に変化があるか否かを比較する。
【0071】
本人認証装置10は、特徴抽出データ14eの特徴に変化がない場合は(ステップS124;Yes)、認証結果としてなりすましはなく「本人である」と判定する(ステップS125)。そして、本人認証装置10は、各画像を認証済画像データ14fとして記憶部14に記憶し(ステップS126)、認証結果を端末装置20に送信し(ステップS127)、処理を終了する。
【0072】
また、本人認証装置10は、特徴抽出データ14eの特徴に変化がある場合は(ステップS124;No)、認証結果としてなりすましがあり、「本人ではない」と判定する(ステップS128)。そして、本人認証装置10は、認証結果を端末装置20に送信し(ステップS129)、処理を終了する。
【0073】
端末装置20は、本人認証装置10から認証結果を受信したならば、認証結果データ24eとして記憶部24に記憶する(ステップS130)。そして、端末装置20は、認証結果データ24eを操作表示部21に表示し(ステップS131)、処理を終了する。なお、認証結果の表示は、認証結果が、なりすましはなく「本人である」との判定の場合は、例えば認証成功を表示し、認証結果が、なりすましがあり「本人ではない」との判定の場合は、認証失敗を表示する。なお、認証結果が、なりすましがあり「本人ではない」との判定の場合は、何も表示しなくともよい。
【0074】
次に、端末装置20の本人確認書類撮像時の画面イメージの一例について説明する。図8は、図2に示した端末装置20の本人確認書類撮像時の画面イメージの一例を示す図である。図8に示すように、本人確認書類の撮像時は、操作表示部21に撮像のためのガイド線を表示した状態を示している。
【0075】
次に、端末装置20の第1顔画像の撮像時の画面イメージの一例について説明する。図9は、図2に示した端末装置20の第1顔画像の撮像時の画面イメージの一例を示す図である。図9に示すように、第1顔画像の撮像時は、顔をどのような状態で撮像するかのガイド線を操作表示部21に示している。図9では、顔を少し右に傾けた状態での撮像を要求している状態を示している。
【0076】
次に、端末装置20のユーザの顔及び本人確認書類が同時に映った画像撮像時の画面イメージの一例を説明する。図10は、図2に示した端末装置20のユーザの顔及び本人確認書類が同時に映った画像撮像時の画面イメージの一例を示す図である。図10に示すように、ユーザ本人の顔の位置と、本人確認書類の位置をガイド線で操作表示部21に表示している状態を示している。
【0077】
上述してきたように、本実施形態では、少なくとも本人認証のユーザを撮像するカメラ22を有する端末装置20と、該端末装置20から受信したユーザの画像に基づいて本人認証を行う本人認証装置10とを通信可能に接続した本人認証システムであって、本人認証装置10は、ユーザに関わる各画像(本人確認書類画像データ14a、第1顔画像データ14b、第2顔画像データ14c及び複合画像データ14d)を記憶する記憶部14と、端末装置20からの登録依頼に含まれるユーザの第1顔画像データ24bと、登録依頼に含まれるユーザが所持する本人確認書類の顔部分画像とに基づいて、ユーザの本人認証処理を行う認証処理部15eと、端末装置20からの登録依頼に含まれる第1顔画像データ24bと、登録処理途中に端末装置20から送信されるユーザの第2顔画像データ24cとの間に所定の特徴の変化が存在するか否か検知するなりすまし判定部15fと、なりすまし判定部15fで所定の特徴の変化が検出されず、かつ、認証処理部15eによりユーザが本人であると認証された場合に、ユーザの本人確認書類画像を認証済画像データ14fとして記憶するように構成したので、本人認証を行う場合のなりすましを効率良く防止することができる。
【0078】
なお、上記実施形態では、ユーザの本人確認書類画像は、本人認証の過程で、端末装置20で撮像し、本人認証装置10に送信するように構成されているが、少なくとも本人認証のユーザを撮像するカメラ22を有する端末装置20と、端末装置20から受信したユーザの画像に基づいて本人認証を行う本人認証装置10とを通信可能に接続した本人認証システムであって、本人認証装置10は、端末装置20からの送信されるユーザの第1顔画像と、ユーザの本人確認書類画像データ14aの顔部分画像とに基づいて、ユーザの本人認証処理を行う認証処理部15eと、端末装置20からの受信したユーザの第1顔画像と、認証処理途中に端末装置20から送信されるユーザの第2顔画像との間に所定の特徴の変化が存在するか否かを検知するなりすまし判定部15fと、なりすまし判定部15fにより所定の特徴の変化が検知されず、かつ、認証処理手段により本人であると認証された場合に、端末装置20にユーザが本人である旨を通知するように構成してもよい。
【0079】
上記の各実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明に係る本人認証システム、本人認証装置及び本人認証方法は、本人認証を行う場合のなりすましを効率良く防止する場合に適している。
【符号の説明】
【0081】
N ネットワーク
R 基地局
10 本人認証装置
11 表示部
12 操作部
13 通信I/F部
14 記憶部
14a 本人確認書類画像データ
14b 第1顔画像データ
14c 第2顔画像データ
14d 複合画像データ
14e 特徴抽出データ
14f 認証済画像データ
15 制御部
15a 本人確認書類画像処理部
15b 第1顔画像処理部
15c 第2顔画像処理部
15d 複合画像処理部
15e 認証処理部
15f なりすまし判定部
20 端末装置
21 操作表示部
22 カメラ
23 通信I/F部
24 記憶部
24a 本人確認書類画像データ
24b 第1顔画像データ
24c 第2顔画像データ
24d 複合画像データ
24e 認証結果データ
25 制御部
25a 本人確認書類画像取得部
25b 第1顔画像取得部
25c 第2顔画像取得部
25d 複合画像取得部
25e 認証結果処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10