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特開2022-168788車両制御装置、車両制御システム、車両制御方法、及び車両制御プログラム
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  • 特開-車両制御装置、車両制御システム、車両制御方法、及び車両制御プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168788
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】車両制御装置、車両制御システム、車両制御方法、及び車両制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/76 20150101AFI20221031BHJP
   E05F 15/77 20150101ALI20221031BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20221031BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
E05F15/76
E05F15/77
E05B49/00 J
B60J5/00 H
B60J5/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074501
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉田 善哉
(72)【発明者】
【氏名】徳永 秀太郎
(72)【発明者】
【氏名】石川 竜介
【テーマコード(参考)】
2E052
2E250
【Fターム(参考)】
2E052AA09
2E052BA07
2E052CA06
2E052EA09
2E052EB01
2E052EC01
2E052GB01
2E052GD09
2E052LA02
2E250AA21
2E250BB08
2E250BB12
2E250DD06
2E250FF23
2E250FF27
2E250FF36
2E250HH01
2E250JJ03
(57)【要約】
【課題】ドアの閉動作を開始するまでの時間差によるユーザの違和感を軽減可能な車両制御装置、車両制御システム、車両制御方法、及び車両制御プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】ドア閉指示が行われると、CPUが、照合ECUによる車室外照合の判定結果を取得して車室外照合の判定結果が正常である場合にドア閉動作を開始し(102~110)、照合ECUによる車室内照合の判定結果を取得して車室内照合の判定結果が正常の場合に閉動作を停止する(112~116)。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定めた通信端末が車室内エリアにあるかの判定結果、及び前記通信端末が車室外エリアにあるかの判定結果の各々を取得する取得部と、
前記取得部の取得結果に基づいて、前記通信端末が車室外エリアにあると判定された場合に、車両用ドアの閉動作を開始し、前記閉動作開始後に前記通信端末が車室内エリアにあると判定された場合に、前記閉動作を停止する制御を行う制御部と、
を含む車両制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記閉動作を開始した後に、前記通信端末が前記車室内エリアにないと判定された場合に、前記閉動作を継続する制御を行う請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記車室内エリアにあるかを判定する前であっても、前記閉動作を開始する請求項1又は請求項2に記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記車両用ドアの閉指示を受付けた場合に、前記制御を行う請求項1~3の何れか1項に記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記通信端末が車室外エリアにあると判定された場合として、前記通信端末が前記車室外エリアにあると判定された後に、前記車室外エリアにないと判定された場合に、前記閉動作を開始する請求項1~4の何れか1項に記載の車両制御装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の車両制御装置と、
前記通信端末と、
前記制御部によって制御され、前記車両用ドアの開閉駆動を行う駆動部と、
を含む車両制御システム。
【請求項7】
コンピュータが実行する車両制御方法であって、
予め定めた通信端末の車室内エリアにあるかの判定結果、及び前記通信端末が車室外エリアにあるかの判定結果の各々を取得し、
取得した判定結果に基づいて、前記通信端末が車室外エリアにあると判定された場合に、車両用ドアの閉動作を開始し、前記閉動作開始後に前記通信端末が車室内エリアにあると判定された場合に、前記閉動作を停止する制御を行う車両制御方法。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1~5の何れか1項に記載の車両制御装置の各部として機能させるための車両制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドアの開閉を制御する車両制御装置、車両制御システム、車両制御方法、及び車両制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両用ドア周辺の検知対象を検知するキックセンサと、キックセンサにより検知対象が検知されると共に、電子キーの車室外照合が正常と判定され、かつ電子キーの車室内照合が異常と判定された場合に、車両用ドアを閉駆動する制御を行うドア制御ECUと、を備えた車両用ドア開閉装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-122367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子キー等の通信端末が車室内エリアにあるかの判定と、車室外エリアにあるかの判定との双方の判定結果を待ってからドアを閉動作しているため、ユーザが車両から離れてからドアの閉動作を開始するまでに時間差があり、ユーザが違和感を持つ虞があった。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、ドアの閉動作を開始するまでの時間差によるユーザの違和感を軽減可能な車両制御装置、車両制御システム、車両制御方法、及び車両制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1に記載の車両制御装置は、予め定めた通信端末が車室内エリアにあるかの判定結果、及び前記通信端末が車室外エリアにあるかの判定結果の各々を取得する取得部と、前記取得部の取得結果に基づいて、前記通信端末が車室外エリアにあると判定された場合に、車両用ドアの閉動作を開始し、前記閉動作開始後に前記通信端末が車室内エリアにあると判定された場合に、前記閉動作を停止する制御を行う制御部と、を含む。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、取得部では、予め定めた通信端末が車室内エリアにあるかの判定結果、及び通信端末が車室外エリアにあるかの判定結果の各々が取得される。
【0008】
そして、制御部では、取得部の取得結果に基づいて、通信端末が車室外エリアにあると判定された場合に、車両用ドアの閉動作を開始し、閉動作開始後に通信端末が車室内エリアにあると判定された場合に、閉動作を停止する制御が行われる。これにより、通信端末が車室外エリアにあると判定された場合に、車両用ドアの閉動作を開始するので、車両用ドアの閉動作を開始するまでの時間差によるユーザの違和感を軽減することが可能となる。
【0009】
また、車両用ドアの閉動作を開始してから車室内エリアに通信端末があると判定された場合に、車両用ドアの閉動作を停止することで、通信端末の車両への閉じ込みを防止できる。
【0010】
なお、前記制御部は、前記閉動作を開始した後に、前記通信端末が前記車室内エリアにないと判定された場合に、前記閉動作を継続する制御を行ってもよい。
【0011】
また、前記制御部は、前記車室内エリアにあるかを判定する前であっても、前記閉動作を開始するようにしてもよい。
【0012】
また、前記制御部は、前記車両用ドアの閉指示を受付けた場合に、前記制御を行ってもよい。
【0013】
また、前記制御部は、前記通信端末が車室外エリアにあると判定された場合として、前記通信端末が前記車室外エリアにあると判定された後に、前記車室外エリアにないと判定された場合に、前記閉動作を開始するようにしてもよい。
【0014】
なお、前記車両制御装置と、前記通信端末と、前記制御部によって制御され、前記車両用ドアの開閉駆動を行う駆動部と、を含む車両制御システムとしてもよい。
【0015】
また、コンピュータが実行する車両制御方法であって、 予め定めた通信端末の車室内エリアにあるかの判定結果、及び前記通信端末が車室外エリアにあるかの判定結果の各々を取得し、取得した判定結果に基づいて、前記通信端末が車室外エリアにあると判定された場合に、車両用ドアの閉動作を開始し、前記閉動作開始後に前記通信端末が車室内エリアにあると判定された場合に、前記閉動作を停止する制御を行う車両制御方法としてもよい。
【0016】
さらには、コンピュータを、上記車両制御装置の各部として機能させるための車両制御プログラムとしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、ドアの閉動作を開始するまでの時間差によるユーザの違和感を軽減可能な車両制御装置、車両制御システム、車両制御方法、及び車両制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る車両用ドア開閉装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係るドア開閉装置における照合ECU及びドア制御ECUの概略構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る車両の概略構成の一例を示す破断側面図である。
図4】本実施形態に係る車両用ドア開閉装置のドア制御ECUで実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】本実施形態に係る車両用ドア開閉装置のドア制御ECUで実行される処理の流れの変形例の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。本実施形態では、車両用ドアの開閉を制御する車両用ドア開閉装置を車両制御システムの一例として説明する。図1は、本実施形態に係る車両用ドア開閉装置の概略構成の一例を示すブロック図であり、図2は、本実施形態に係るドア開閉装置における照合ECU及びドア制御ECUの概略構成を示すブロック図である。また、図3は、本実施形態に係る車両の概略構成の一例を示す破断側面図である。
【0020】
まず、図1~3を参照して、本実施形態に係る車両用ドア開閉装置10の構成について説明する。図1に示すように、車両用ドア開閉装置10は、照合ECU(Electronic Control Unit)12、及びドア制御ECU14を備えている。
【0021】
照合ECU12は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)12A、ROM(Read Only Memory)12B、及びRAM(Random Access Memory)12C等を含むマイクロコンピュータで構成されている。また、照合ECU12には、室外アンテナ18、室内アンテナ20A~20C、及びチューナ22が接続されている。
【0022】
一方、ドア制御ECU14も、図2に示すように、CPU14A、ROM14B、及びRAM14C等を含むマイクロコンピュータで構成されている。また、ドア制御ECU14には、駆動部としてのアクチュエータ24及びキックセンサ26が接続されている。そして、照合ECU12及びドア制御ECU14は、各々CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワーク16に接続されている。
【0023】
図3に示すように、室外アンテナ18は、車室外エリアの予め定められた受信範囲18a内に存在する通信端末としての電子キー32が発している信号を受信する。室内アンテナ20A~20Cは、各々車室内エリアの予め定められた受信範囲20a~20c内に存在する電子キー32が発している信号を受信する。なお、本実施形態では、図3に示すように、受信範囲18aと受信範囲20cとは一部が重なっているものとするが、重ならないようにしてもよい。また、室外アンテナ18及び室内アンテナ20A~20Cの各アンテナの数は、図1に示す例に限定されず、各アンテナの受信範囲や求められる受信精度等に応じて適宜定めればよい。
【0024】
そして、照合ECU12は、室外アンテナ18が受信した電子キー32からの信号に基づいて車室外での電子キー32の照合(以下、「車室外照合」という。)を行う。また、照合ECU12は、室内アンテナ20A~20Cの各々が受信した電子キー32からの信号に基づいて車室内での電子キー32の照合(以下、「車室内照合」という。)を行う。
【0025】
具体的には、照合ECU12は、受信範囲18a内に電子キー32が存在していない場合、車室外照合が異常であると判定する。また、照合ECU12は、受信範囲18a内に存在する電子キー32のキーIDが自車両に対応するキーIDとして予め定められたキーIDに一致しない場合も、車室外照合が異常であると判定する。さらに、照合ECU12は、受信範囲18a内に存在する電子キー32のキーIDが自車両に対応するキーIDとして予め定められたキーIDに一致する場合は、車室外照合が正常であると判定する。
【0026】
また、照合ECU12は、受信範囲20a~20c内に電子キー32が存在していない場合、車室内照合が異常であると判定する。また、照合ECU12は、受信範囲20a~20c内に存在する電子キー32のキーIDが自車両に対応するキーIDとして予め定められたキーIDに一致しない場合も、車室内照合が異常であると判定する。さらに、照合ECU12は、受信範囲20a~20c内に存在する電子キー32のキーIDが自車両に対応するキーIDとして予め定められたキーIDに一致する場合は、車室内照合が正常であると判定する。
【0027】
チューナ22は、照合ECU12による制御によって、室外アンテナ18の受信範囲18a、及び室内アンテナ20A~20Cの受信範囲20a~20cの調整を各々行う。
【0028】
一方、アクチュエータ24は、ドア制御ECU14による制御によって、車両後部の車両用ドア30(図3参照。)の開閉を行う。
【0029】
また、キックセンサ26は、例えば、図3に示すように、リアバンパ内部に設けられ、車両用ドア30の周辺の検知対象を検知する。具体的には、キックセンサ26は、センサ電極を含み、該センサ電極と、検知対象(本実施形態ではユーザの足部)との間の静電容量の変化を検出することにより、予め定められた検知範囲26a内の検知対象を検知する静電センサとされている。
【0030】
なお、キックセンサ26は、静電センサに限定されず、赤外線センサや物理的なスイッチ等の検知対象を検知可能な他の部材でもよい。また、キックセンサ26の設置位置は、リアバンパ内部に限定されず、アンダーカバーやリアガーニッシュ等の検知対象を検知可能な他の位置でもよい。また、キックセンサ26は省略した形態としてもよい。
【0031】
また、電子キー32には、車両用ドア30の開閉を指示するスイッチが設けられ、スイッチ操作により車両用ドア30の開閉指示が可能とされている。
【0032】
そして、ドア制御ECU14は、照合ECU12による車室内照合の判定結果及び車室外照合の判定結果と、電子キー32のスイッチ操作又はキックセンサ26による検知結果とに基づいて、アクチュエータ24を制御して車両用ドア30の閉駆動を行う。
【0033】
なお、本実施の形態では、ドア制御ECU14が、車両制御装置に対応し、取得部及び制御部の一例として機能する。
【0034】
次に、図4を参照して、本実施形態に係る車両用ドア開閉装置10のドア制御ECU14で行われる具体的な処理について説明する。図4は、本実施形態に係る車両用ドア開閉装置10のドア制御ECU14で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、本実施形態では、図4に示す処理は、ROMに予め記憶されたプログラムをドア制御ECU14が実行する。また、図4に示す処理は、例えば、車両用ドア30が閉状態から開状態とされた場合に実行が開始される。
【0035】
ステップ100では、CPU14Aが、図示しないカーテシスイッチの状態から車両用ドア30が開状態とされているか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ100に戻り、肯定された場合にはステップ102へ移行する。
【0036】
ステップ102では、CPU14Aが、ドア閉指示が行われたか否かを判定する。該判定は、例えば、電子キー32のスイッチの操作によってドア閉指示が行われたか否か、或いは、キックセンサ26により検知対象が検知されたか否かを判定する。或いは、キックセンサ26以外に車両用ドアの閉指示を行うスイッチ等を有する場合には当該スイッチによりドア閉指示が行われたか否かを判定してもよい。該判定が否定された場合にはステップ100に戻り、肯定された場合にはステップ104へ移行する。
【0037】
ステップ104では、CPU14Aが、照合ECU12に車室外照合を実行させ、照合ECU12による車室外照合の判定結果を取得してステップ106へ移行する。
【0038】
ステップ106では、CPU14Aが、ステップ104で取得された車室外照合の判定結果が正常であるか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ108へ移行し、肯定された場合にはステップ110へ移行する。
【0039】
ステップ108では、CPU14Aが、車室外照合の判定結果が異常であることを報知した後、ステップ100に戻って上述の処理が繰り返される。具体的には、例えば、CPU14Aは、車室外照合の判定結果が異常であることを示す警告音を発生させる。なお、CPU14Aは、警告音ではなく、ランプの点滅によって車室外照合の判定結果が異常であることを報知してもよい。或いは、CPU14Aは、警告音及びランプの双方によって離車するよう報知してもよい。
【0040】
一方、ステップ110では、CPU14Aが、アクチュエータ24を制御して車両用ドア30の閉動作を開始してステップ112へ移行する。
【0041】
ステップ112では、CPU14Aが、照合ECU12に車室内照合を実行させ、照合ECU12による車室内照合の判定結果を取得してステップ114へ移行する。
【0042】
ステップ114では、CPU14Aが、ステップ112で取得された車室内照合の判定結果が正常であるか否かを判定する。すなわち、電子キー32の閉じ込みがあるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ116に移行し、否定された場合にはステップ120へ移行する。
【0043】
ステップ116では、CPU14Aが、アクチュエータ24を制御して車両用ドア30の閉動作を停止してステップ118へ移行する。なお、車両用ドア30の閉動作を停止した後に、車両用ドア30を開放位置に戻すようにしてもよい。
【0044】
ステップ118では、CPU14Aが、車室内照合の判定結果が正常であることを報知した後、ステップ100に戻って上述の処理を繰り返す。具体的には、例えば、CPU14Aは、車室内照合の判定結果が正常であり、電子キー32の閉じ込みがあることを示す警告音を発生させる。なお、CPU14Aは、警告音ではなく、ランプの点滅によって車室内照合の判定結果が正常であることを報知してもよい。或いは、CPU14Aは、警告音及びランプの双方によって車室内照合の判定結果が異常であることを報知してもよい。また、本ステップ116での報知は、上記ステップ108での報知と同じ処理としてもよい。
【0045】
一方、ステップ120では、CPU14Aが、車両用ドア30の閉動作が完了したか否かを判定する。すなわち、車両用ドア30の閉動作が継続して閉動作が完了したか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ112に戻って上述の処理を繰り返し、判定が肯定された場合には一連の処理を終了する。
【0046】
このように処理を行うことにより、電子キー32が車室外エリアにあると判定された場合、すなわち、乗員が車両から離れた場合に、車両用ドア30の閉動作を開始するので、車両用ドア30の閉動作を開始するまでの時間差によるユーザの違和感を軽減することが可能となる。
【0047】
また、車両用ドア30の閉動作を開始してから車室内エリアに電子キー32があると判定された場合に、車両用ドア30の閉動作を停止することで、電子キー32の車両への閉じ込みを防止できる。
【0048】
なお、図4の処理において、ステップ104、112の処理が取得部の一例に対応し、ステップ106、110、114、116の処理が制御部の一例に対応する。
【0049】
続いて、本実施形態に係る車両用ドア開閉装置10のドア制御ECU14で行われる処理の変形例について説明する。図5は、本実施形態に係る車両用ドア開閉装置10のドア制御ECU14で実行される処理の流れの変形例の一例を示すフローチャートである。なお、図4と同一処理については同一符号を付して説明する。
【0050】
ステップ100では、CPU14Aが、図示しないカーテシスイッチの状態から車両用ドア30が開状態とされているか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ100に戻り、肯定された場合にはステップ102へ移行する。
【0051】
ステップ102では、CPU14Aが、ドア閉指示が行われたか否かを判定する。該判定は、例えば、電子キー32のスイッチの操作によってドア閉指示が行われたか否か、或いは、キックセンサ26により検知対象が検知されたか否かを判定する。或いは、キックセンサ26以外に車両用ドアの閉指示を行うスイッチ等を有する場合には当該スイッチによりドア閉指示が行われたか否かを判定してもよい。該判定が否定された場合にはステップ100に戻り、肯定された場合にはステップ104へ移行する。
【0052】
ステップ104では、CPU14Aが、照合ECU12に車室外照合を実行させ、照合ECU12による車室外照合の判定結果を取得してステップ105へ移行する。
【0053】
ステップ105では、CPU14Aが、ステップ104で取得された車室外照合の判定結果が車室外照合正常から異常になったか否かを判定する。すなわち、ユーザが離車したか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ107へ移行し、肯定された場合にはステップ110へ移行する。
【0054】
ステップ107では、CPU14Aが、離車するよう報知した後、ステップ100に戻って上述の処理が繰り返される。具体的には、例えば、CPU14Aは、離車するよう報知するための警告音を発生させる。なお、CPU14Aは、警告音ではなく、ランプの点滅によって離車するよう報知してもよい。或いは、CPU14Aは、警告音及びランプの双方によって離車するよう報知してもよい。
【0055】
一方、ステップ110では、CPU14Aが、アクチュエータ24を制御して車両用ドア30の閉動作を開始してステップ112へ移行する。
【0056】
ステップ112では、CPU14Aが、照合ECU12に車室内照合を実行させ、照合ECU12による車室内照合の判定結果を取得してステップ114へ移行する。
【0057】
ステップ114では、CPU14Aが、ステップ112で取得された車室内照合の判定結果が正常であるか否かを判定する。すなわち、電子キー32の閉じ込みがあるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ116に移行し、否定された場合にはステップ120へ移行する。
【0058】
ステップ116では、CPU14Aが、アクチュエータ24を制御して車両用ドア30の閉動作を停止してステップ118へ移行する。なお、車両用ドア30の閉動作を停止した後に、車両用ドア30を開放位置に戻すようにしてもよい。
【0059】
ステップ118では、CPU14Aが、車室内照合の判定結果が正常であることを報知した後、ステップ100に戻って上述の処理を繰り返す。具体的には、例えば、CPU14Aは、車室内照合の判定結果が正常であり、電子キー32の閉じ込みがあることを示す警告音を発生させる。なお、CPU14Aは、警告音ではなく、ランプの点滅によって車室内照合の判定結果が正常であることを報知してもよい。或いは、CPU14Aは、警告音及びランプの双方によって車室内照合の判定結果が異常であることを報知してもよい。また、本ステップ118での報知は、上記ステップ107での報知と同じ処理としてもよい。
【0060】
一方、ステップ120では、CPU14Aが、車両用ドア30の閉動作が完了したか否かを判定する。すなわち、車両用ドア30の閉動作が継続して閉動作が完了したか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ112に戻って上述の処理を繰り返し、判定が肯定された場合には一連の処理を終了する。
【0061】
このように変形例では、電子キー32が車室外エリアにあると判定された後に車室外エリアにないと判定された場合、すなわち、乗員が車両から離れた場合に、車両用ドア30の閉動作を開始するので、車両用ドア30の閉動作を開始するまでの時間差によるユーザの違和感を軽減することが可能となる。
【0062】
また、変形例においても、車両用ドア30の閉動作を開始してから車室内エリアに電子キー32があると判定された場合に、車両用ドア30の閉動作を停止することで、電子キー32の車両への閉じ込みを防止できる。
【0063】
なお、図5の処理において、ステップ104、112の処理が取得部の一例に対応し、ステップ105、110、114、116の処理が制御部の一例に対応する。
【0064】
また、図5の処理では、電子キー32又はキックセンサ26により車両用ドア30の閉指示を受付けるようにしたが、これに限るものではない。例えば、図5のステップ102の処理を省略した形態、すなわち、乗員が車両から離れた場合に車両用ドア30を閉動作の制御を行う形態としてもよい。
【0065】
また、上記の実施形態では、車両後部の車両用ドア30として一例として適用した例を説明したが、車両後部に限るものではなく、他の位置の車両用ドアを適用してもよい。
【0066】
また、上記の各実施形態におけるドア制御ECU14で行われる処理は、プログラムを実行することにより行われるソフトウエア処理として説明したが、これに限るものではない。例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウエアで行う処理としてもよい。或いは、ソフトウエア及びハードウエアの双方を組み合わせた処理としてもよい。また、ソフトウエアの処理とした場合には、プログラムを各種記憶媒体に記憶して流通させるようにしてもよい。
【0067】
さらに、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0068】
10 車両用ドア開閉装置(車両制御システム)
14 ドア制御ECU(車両制御装置、取得部、及び制御部)
24 アクチュエータ(駆動部)
30 車両用ドア
32 電子キー(通信端末)
図1
図2
図3
図4
図5