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特開2022-168797仕入支援システム及び仕入支援方法。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168797
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】仕入支援システム及び仕入支援方法。
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20221031BHJP
   G06Q 50/00 20120101ALI20221031BHJP
   G16Y 10/45 20200101ALI20221031BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20221031BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20221031BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20221031BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20221031BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20221031BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q50/00
G16Y10/45
G16Y20/10
G16Y20/20
G16Y40/10
G16Y40/20
G16Y40/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074517
(22)【出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】521052148
【氏名又は名称】関口 典史
(74)【代理人】
【識別番号】100209886
【弁理士】
【氏名又は名称】金森 寛
(72)【発明者】
【氏名】関口 典史
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB72
5L049CC24
(57)【要約】
【課題】
商品の仕入に際し、管理者の負担を軽減することが可能な仕入支援システムを提供することを目的とする。
【解決手段】
一以上の端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備える仕入支援システムであって、端末装置が、第一商品の販売状況を表す販売状況データの入力を受け付ける販売状況入力受付手段を備え、仕入支援システムが、少なくとも、前記販売状況データの入力を受け付けた第一端末装置が設置された位置に関する情報及び該販売状況データに基づいて、該第一端末装置の設置された位置において提供する一以上の第一商品を決定する第一商品決定手段と、前記第一商品の販売状況データに基づいて請求金額を算出する請求金額算出手段とを備える仕入支援システム
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一以上の端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備える仕入支援システムであって、
端末装置が、
第一商品の販売状況を表す販売状況データの入力を受け付ける販売状況入力受付手段
を備え、
仕入支援システムが、
少なくとも、前記販売状況データの入力を受け付けた第一端末装置が設置された位置に関する情報及び該販売状況データに基づいて、該第一端末装置の設置された位置において提供する一以上の第一商品を決定する第一商品決定手段と、
前記第一商品の販売状況データに基づいて請求金額を算出する請求金額算出手段と
を備える、仕入支援システム。
【請求項2】
仕入支援システムがさらに、
端末装置が設置された位置において第一商品を管理する管理者の第一商品に関する趣向を記憶する趣向記憶手段
を備え、
前記第一商品決定手段が、前記第一端末装置が設置された位置に関する情報、記憶された趣向及び該販売状況データに基づいて第一商品を決定する、請求項1に記載の仕入支援システム。
【請求項3】
端末装置がさらに、
端末装置の設置された位置において、第一商品の提供可否に関する提供可否情報の入力を受け付ける提供可否情報受付手段
を備える、請求項1又は2に記載の仕入支援システム。
【請求項4】
前記第一商品決定手段が、前記第一端末装置の設置された位置に関する情報及び該第一端末装置が受け付けた販売状況データを入力として、第一商品を決定するための第一商品決定AIにより第一商品を決定する、請求項1~3のいずれか記載の仕入支援システム。
【請求項5】
前記第一商品決定手段がさらに、第一端末装置が設置された位置とは異なる位置に設置された第二端末装置が受け付けた販売状況データに基づいて第一商品を決定する、請求項1~4のいずれかに記載の仕入支援システム。
【請求項6】
前記第一商品決定手段がさらに、前記第一端末装置の設置された位置において提供される第二商品に関する情報に基づいて第一商品を決定する、請求項1~5のいずれかに記載の仕入支援システム。
【請求項7】
前記第二商品に関する情報が画像であり、
仕入支援システムがさらに、
前記画像を解析する画像解析手段
を備え、
前記第一商品決定手段が、前記第一端末装置の設置された位置において提供される第二商品の画像を解析した情報に基づいて第一商品を決定する、請求項6に記載の仕入支援システム。
【請求項8】
一以上の端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備える仕入支援システムにおける仕入支援方法であって、
端末装置により第一商品の販売状況を表す販売状況データの入力を受け付ける工程と、
少なくとも、前記販売状況データの入力を受け付けた第一端末装置が設置された位置に関する情報及び該販売状況データに基づいて、該第一端末装置の設置された位置において提供する一以上の第一商品を決定する工程と、
前記第一商品の販売状況データに基づいて請求金額を決定する工程と
を有する仕入支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕入支援システム及び仕入支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
販売する商品の発注を行う発注管理システムがある。商品の在庫が少なくなってきた場合に自動で発注するシステムもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来店舗等で商品を提供する管理者は、提供する商品を仕入れて(購入して)から店舗等で提供していた。これまで仕入れたことのない商品は売れるか否かが不明であり、特に個人の好みが影響するようなこだわりの強い商品(いわゆる嗜好品と呼ばれる商品)については、扱ったことのない新しい商品を仕入れることを躊躇する管理者が多かった。
【0004】
また、新しい商品について管理者が勉強しなければならないこともあり、仕入れることへの心理的な負担が大きかった。
【0005】
本発明の実施の形態における少なくとも1つの目的は、商品の仕入に際し、管理者の負担を軽減することが可能な仕入支援システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
非限定的な観点によると、本発明に係る仕入支援システムは、一以上の端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備える仕入支援システムであって、端末装置が、第一商品の販売状況を表す販売状況データの入力を受け付ける販売状況入力受付手段を備え、仕入支援システムが、少なくとも、前記販売状況データの入力を受け付けた第一端末装置が設置された位置に関する情報及び該販売状況データに基づいて、該第一端末装置の設置された位置において提供する一以上の第一商品を決定する第一商品決定手段と、前記第一商品の販売状況データに基づいて請求金額を算出する請求金額算出手段とを備える、仕入支援システムである。
【0007】
非限定的な観点によると、本発明に係る仕入支援方法は、一以上の端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備える仕入支援システムにおける仕入支援方法であって、端末装置により第一商品の販売状況を表す販売状況データの入力を受け付ける工程と、少なくとも、前記販売状況データの入力を受け付けた第一端末装置が設置された位置に関する情報及び該販売状況データに基づいて、該第一端末装置の設置された位置において提供する一以上の第一商品を決定する工程と、前記第一商品の販売状況データに基づいて請求金額を決定する工程とを有する仕入支援方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態に対応する、仕入支援システムの構成を表す図である。
図2】本発明の実施の形態に対応する、仕入支援システムの機能を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態に対応する、実行処理に関するフローチャートである。
図4】本発明の実施の形態に対応する、設置場所マスタテーブルを説明する図である。
図5】本発明の実施の形態に対応する、販売状況データテーブルを説明する図である。
図6】本発明の実施の形態に対応する、趣向マスタテーブルを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。以下、効果に関する記載は、本発明の実施の形態の効果の一側面であり、ここに記載するものに限定されない。また、以下で説明するフローチャートを構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同である。
【0011】
以下、本発明の実施の形態の一例として、酒類を提供する飲食店に適用した仕入支援システムを挙げて説明する。本発明はこれに限定されるものではなく、他の商品、他の業種にも矛盾の無い範囲で適用可能である。
【0012】
[システム構成]
図1は、本発明の実施の形態に対応する、仕入支援システムの構成を表す図である。図示するように、仕入支援システム1は、複数の設置位置7内に設置され得る端末装置3(端末装置3a、3b、・・・、3n)(nは1以上の整数)、通信ネットワーク2、サーバ装置4、及び保管庫5から構成され得る。端末装置3は、通信ネットワーク2を介してサーバ装置4と接続され得る。なお、端末装置3とサーバ装置4とは常時接続していなくてもよく、必要に応じて、接続が可能であればよい。
【0013】
端末装置3は、一例として、制御部、RAM、ストレージ部、サウンド処理部、グラフィックス処理部、通信インタフェース、インタフェース部を備え、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0014】
制御部は内部タイマーを備え得る。グラフィックス処理部は表示部に接続されている。表示部は、表示画面と、表示部に対する、プレイヤによる接触により入力を受け付けるタッチ入力部とを有し得る。
【0015】
タッチ入力部は、例えば、タッチパネルに用いられる抵抗膜方式、静電容量方式、超音波表面弾性波方式、光学方式、又は、電磁誘導方式等、いずれの方式を用いて、接触した位置を検知できるものであってもよく、ユーザのタッチ操作により操作を認識できれば方式は問わない。タッチ入力部の上面を指やスタイラス等により押圧や移動等の操作をした場合に、指等の位置を検知可能なデバイスである。
【0016】
インタフェース部には外部メモリ(例えば、SDカード等)が接続され得る。外部メモリから読み込まれたデータはRAMにロードされ、制御部により演算処理が実行される。
通信インタフェースは無線又は有線により通信ネットワークに接続が可能であり、通信ネットワークを介してデータを受信することが可能である。通信インタフェースを介して受信したデータは、外部メモリから読み込まれたデータと同様に、RAMにロードされ、制御部により演算処理が行われる。
【0017】
端末装置3は、近接センサ、赤外線センサ、ジャイロセンサ、又は、加速度センサ等のセンサを備えるものであってもよい。また、端末装置3は、レンズを有し、レンズを介して撮像する撮像部を備えるものであってもよい。さらに、端末装置3は、身体に装着可能(ウェアラブル)な端末装置であってもよい。
【0018】
サーバ装置4は、制御部、RAM、ストレージ部及び通信インタフェースを少なくとも備え、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0019】
サーバ装置4は、アプリケーションサーバ装置やWEBサーバ装置など、役割ごとに分かれている一群のサーバ装置であってもよい。それぞれのサーバ装置は、通信ネットワークを介して接続可能に設置され得る。
【0020】
保管庫5は、商品6(以下、第一商品ともいう)を保管する容器又は空間である。保管庫5は、例えば、冷蔵庫や冷凍庫であって、商品6の品質を保つ機能を有し得る。
【0021】
保管庫5は、端末装置3と対応付けて設置され得る。一例として、保管庫5には商品6を保管できる上限数が定められていてもよい。例えば、図示するように、保管庫5aの上限数が8であって商品6が8個保管されている場合に、「8/8」と表示されるようにしてもよい。
【0022】
商品6は、同一の商品でなく、異なることが好ましい。商品6として、例えば、人間が好んで飲食する嗜好品が挙げられる。
【0023】
端末装置3と保管庫5とは、図示するように、分離可能であってもよいし、一体に形成されていてもよい。
【0024】
設置位置7は、例えば、店舗、住宅、その他位置が識別可能な場所であればよく、限定されるものではない。
【0025】
[機能説明]
仕入支援システム1が備える機能について説明する。図2は、本発明の実施の形態に対応する、仕入支援システムの機能を示すブロック図である。
【0026】
仕入支援システム1は、期間経過判定部101、販売状況入力受付部102、販売状況送信部103、販売状況受信部104、第一商品決定部105、趣向記憶部106、地域傾向記憶部107、第一商品情報送信部108、第一商品情報受信部109、第一商品情報更新部110、商品提供情報出力部111、商品出荷処理部112、請求金額算出部113、請求・回収処理部114、及び提供可否情報受付部115を備え得る。
【0027】
期間経過判定部101は、所定の期間が経過したか否か判定する機能を有する。販売状況入力受付部102は、第一商品の販売状況を表す販売状況データの入力を受け付ける機能を有する。販売状況送信部103は、販売状況データを端末装置3へ送信する機能を有する。販売状況受信部104、販売状況送信部103により送信された販売状況データを受信する機能を有する。
【0028】
第一商品決定部105は、少なくとも、前記販売状況データの入力を受け付けた第一端末装置が設置された位置に関する情報及び該販売状況データに基づいて、該第一端末装置の設置された位置において提供する一以上の第一商品を決定する機能を有する。
【0029】
趣向記憶部106は、端末装置が設置された位置において第一商品を管理する管理者の第一商品に関する趣向を記憶する機能を有する。地域傾向記憶部107は、端末装置が設置された位置を含む地域における第一商品に関する趣向を記憶する機能を有する。
【0030】
第一商品情報送信部108は、第一商品決定部105により決定した第一商品に関する情報を端末装置3へ送信する機能を有する。第一商品情報受信部109は、第一商品情報送信部108により送信された第一商品に関する情報を受信する機能を有する。第一商品情報更新部110は、端末装置3に設定された商品に関する情報を、第一商品情報受信部109により受信した情報により更新する機能を有する。
【0031】
商品提供情報出力部111は、第一商品決定部105により決定した第一商品を提供可能にするための商品提供情報を出力する機能を有する。商品出荷処理部112は、第一商品決定部105により決定した第一商品を出荷処理するための機能を有する。
【0032】
請求金額算出部113は、第一商品の販売状況データに基づいて請求金額を算出する機能を有する。請求・回収処理部114は、請求金額算出部113により算出した請求金額を請求及び改修する機能を有する。提供可否情報受付部115は、端末装置の設置された位置において、第一商品の提供可否に関する提供可否情報の入力を受け付ける機能を有する。
【0033】
[実行処理]
次に、仕入支援システム1において実行される処理の一例を、フローチャートを用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態に対応する、実行処理に関するフローチャートである。フローチャートでは、端末装置3とサーバ装置4とに分けて処理を実行しているが、矛盾を生じない範囲で、サーバ装置4の処理を端末装置3に実行させる、あるいは端末装置3の処理をサーバ装置4に実行させるように設計変更してもよい。
【0034】
前提として、端末装置3の設置された位置にある保管庫5には、十分な量の商品6が保管されている。また、後述する管理者の第一商品に関する趣向、及び、端末装置が設置された位置を含む地域における第一商品に関する趣向を予め記憶しているものとする。端末装置3が設置された位置は飲食店内であり、商品6は酒類とする。
【0035】
まず、客からの酒類の注文があった場合に、保管庫5を管理する管理者の操作により、端末装置3は、保管庫5内の第一商品の販売状況を表す販売状況データの入力を受け付ける(ステップS1)。次に、端末装置3は、所定の期間が経過するまで販売状況データの入力を受け付けると、受け付けた販売状況データ群をサーバ装置4へ送信する(ステップS2)。
【0036】
次に、サーバ装置4は、ステップS2において送信された販売状況データ群を受信する(ステップS3)。次に、サーバ装置4は、少なくとも、前記端末装置3が設置された位置に関する情報及び該販売状況データに基づいて、該端末装置3の設置された位置において提供する一以上の商品(第一商品)を決定する(ステップS4)。
【0037】
[設置場所マスタテーブル]
商品の決定処理の前提として、決定処理に使用するデータについて説明する。まず、端末装置3の設置された位置に関する情報について説明する。図5は、本発明の実施の形態に対応する、設置場所マスタテーブルを説明する図である。設置場所マスタテーブル200には、設置番号201に関連付けて、名称202、設置場所203、地域204、業種205、及び契約開始月206が記憶されている。
【0038】
設置番号201は、設置された保管庫5を識別するための番号である。名称202は、設置場所を表す名称であり、店舗名や契約した個人名が含まれる。設置場所203は、保管庫5が設置された住所である。地域204は、設置場所203を含むエリアであって、趣向の傾向を取りまとめる単位である。
【0039】
業種205は、名称202の属性の一つであって、名称202が店舗に関するものである場合には店舗の業種を示し、名称202が店舗以外(例えば個人名等)である場合には、個人であることを示すものである。契約開始月206は、保管庫5の契約開始月を表す。
【0040】
図4に示すように、保管庫5が設置されている位置に関する情報は、保管庫5を設置する際に予め登録することが好ましい。
【0041】
[販売状況データテーブル]
次に、販売状況データについて説明する。図5は、本発明の実施の形態に対応する、販売状況データテーブルを説明する図である。販売状況データテーブル210には、設置番号211に関連付けて、名称212、販売日時213、商品名214、種別215、産地国216、産地名217、及び本数218が記憶されている。
【0042】
設置番号211は、設置場所マスタテーブル200の設置番号201に対応する番号であって、設置場所を一意に特定するための番号である。名称212は、名称202に対応する設置場所の名称である。販売日時213は、名称212の保管庫5から商品6を取り出した際に販売データの入力を受け付けた日時を表す。
【0043】
商品名214は、名称212において販売された商品6の名称を表す。種別215は、販売された商品6の種類を表す。産地国216は、販売された商品6の産地国を表す。産地名217は、販売された商品6の産地名を表す。本数218は、販売された商品6の数量を表す。
【0044】
商品名214、種別215、産地国216、及び産地名217は、データの正規化を目的として、別途ワインマスタテーブルを設けて分類してもよい。ここでは説明の簡略化のため、販売状況データテーブル210にデータを格納するものとする。
【0045】
[商品決定処理:設置位置及び販売状況]
続いて、商品の決定処理について説明する。端末装置3が設置された位置に関する情報とは、設置場所マスタテーブル200に含まれる一以上のデータを表し、例えば、設置場所203や地域204の情報である。販売状況データとは、販売状況データテーブル210に含まれる一以上のデータを表し、例えば、商品の属性に関する情報である、商品名214、種別215、産地国216、産地名217等の情報である。
【0046】
ここでは一例として、地域204及び商品名214、産地国216を使用して、設置番号211が「0001」の「イタリアンK」に提案する商品を決定する。「イタリアンK」の地域は「六本木」であり、販売した商品は「イタリア」産ワインが多いものとする。
【0047】
最初に、仕入支援システム1は、「六本木」地域において販売された商品のうち、販売実績の多かった「イタリア」産ワインの商品を抽出する。その中から、「イタリアンK」の管理者がこれまで販売したことのない商品を候補として抽出してもよい。すなわち、「六本木」界隈で流行している商品、かつ、自店舗で販売している商品の傾向から商品を抽出する。このように商品の候補を絞り込むことで、「イタリアンK」の管理者の仕入れに対する負担を軽減することができる。すなわち、仕入支援システム1は、商品を自動で選定し、推薦してくれるものである。
【0048】
[趣向マスタテーブル]
さらに、商品の決定処理は、より多くの要素を使用してもよい。例えば、事前に管理者に趣向をヒアリングしてもよい。図6は、本発明の実施の形態に対応する、趣向マスタテーブルを説明する図である。趣向マスタテーブル220には、設置番号221に関連付けて、名称222、希望種別223、希望産地国224、希望産地名225、味226、特徴227、及び価格帯228を記憶する。
【0049】
設置番号221は、設置番号211と同様に、設置場所マスタテーブル200の設置番号201に対応する番号であって、設置場所を一意に特定するための番号である。名称222は、名称212と同様に、名称202に対応する設置場所の名称である。
【0050】
希望種別223は、名称222の管理者が希望する商品の種別である。希望産地国224は、名称222の管理者が希望する商品の産地国である。希望産地名225は、名称222の管理者が希望する商品の産地名である。味226は、名称222の管理者が希望する商品の味を表す。特徴227は、名称222の管理者が希望する商品の特徴を表す。価格帯228は、名称222の管理者が希望する商品の卸値の価格帯を表す。
【0051】
[商品決定処理:管理者の趣向]
商品の決定処理は、管理者の趣向に関するデータにも基づいて行われてもよい。前述の「イタリアンK」の条件を用いて説明する。仕入支援システム1は、管理者である「イタリアンK」の趣向である「ワイン(白)」、「辛口」、「1000円以下」という条件の商品であり、かつ「六本木」地域において販売された商品のうち、販売実績の多かった「イタリア」産ワインの商品を抽出する。このように、仕入支援システム1が事前に登録した管理者の趣向に関する情報に沿った商品を決定することで、「イタリアンK」の管理者の仕入れに対する負担を軽減することができる。
【0052】
[商品決定処理:他店舗の販売状況]
商品の決定処理は、端末装置3の設置された位置とは異なる、他の店舗等の販売状況データに基づいてもよい。図示しないが、例えば、六本木にある「イタリアンK」の周辺の同業他店、すなわちイタリアンの店舗の販売状況データに基づいて商品を抽出してもよい。あるいは、地域とは異なる軸であって、例えば、電車の沿線等、利用者が共通する商圏における販売状況データに基づいて商品を抽出してもよい。この場合には、他店に他の端末装置3(第二端末装置)があり、本発明の実施の形態に挙げた仕入支援システムを使用していることが前提となる。
【0053】
[商品決定処理:第二商品情報]
商品の決定処理は、端末装置3の設置された位置において提供される、第一商品とは異なる第二商品に関する情報に基づいて決定するものであってもよい。例えば、第二商品は、店舗において提供される食事メニューであってもよい。図示しないが、前述の「イタリアンK」において、「ナポリタン」、「チーズピザ」、「マルゲリータ」を提供していたとする。このとき、それぞれのメニューに合う商品を関連付けて記憶するマスタテーブルを用意してもよい。
【0054】
さらに、仕入支援システム1は、画像データを解析する機能を有していてもよい。例えば、前述の第二商品情報が、テキスト情報だけでなく、端末装置3の設置された位置における管理者により撮影された画像データであってもよい。すなわち、食べ物の写真データであってもよい。画像データには、食べ物の種類だけでなく、色味も含まれることから、解析することで色情報も取得することができる。このように画像データを解析した情報に基づいて商品を決定してもよい。例えば、ホワイトソースのかかった食べ物には、ワイン(白)を合わせる等、色に合った商品を決定することができる。
【0055】
[商品決定処理:地域の趣向]
商品の決定処理は、地域の趣向に基づいて決定する者であってもよい。例えば、九州地方のある土地では、日本酒は好まれず、焼酎が好まれる等、地域性を考慮するようにしてもよい。
【0056】
[第一商品決定AI]
仕入支援システム1は、第一商品の決定において、端末装置3の設置された位置に関する情報及び該端末装置3が受け付けた販売状況データを入力として、第一商品を決定するための第一商品決定AIを用いて決定してもよい。例えば、販売状況データ、管理者の趣向、第二商品に関する情報、及び地域の趣向に関する情報を入力データとして、第一商品決定AIを用いて第一商品を出力するようにしてもよい。第一商品決定AIは、所定の教師データを用いて重みづけの係数を設定しておき、統計的手法により第一商品を出力し得る。AIの構築方法については、本発明の本質とは異なるため詳細な説明は割愛する。
【0057】
第一商品の決定は、例えば、在庫の欠品数量分だけ決定するようにしてもよいし、在庫全体を更新するものであってもよい。いずれの方式であっても本発明の効果を生じる。
【0058】
図3のフローチャートに戻る。ステップS5において第一商品を決定すると、サーバ装置4は、決定した第一商品に関する情報(商品提供情報)を端末装置3へ送信する(ステップS5)。端末装置3は、送信された第一商品情報を受信し(ステップS6)、端末装置3に記憶された商品情報を更新する(ステップS7)。
【0059】
一方、サーバ装置4は、ステップS5において第一商品情報を送信後、商品出荷情報を出力する(ステップS8)。商品出荷情報とは、ステップS4において決定した商品を配送する情報であり、具体的には配送伝票等が挙げられる。
【0060】
次に、サーバ装置4は、商品出荷処理を行う(ステップS9)。商品出荷処理には、商品の集荷処理、在庫が無ければ仕入れ処理、配送手配、出荷処理等を含む。
【0061】
次に、サーバ装置4は、ステップS3において受信した、商品の販売状況データに基づいて請求金額を算出する(ステップS10)。すなわち、端末装置3の設置場所で販売されたと入力された商品について請求処理を行うものであり、商品6を保管庫5に格納した時点では商品6に関する費用は発生しない。このように後請求にすることで、保管庫5の管理者は商品6の販売状況を気にする必要がなくなり、金銭的負担が軽減される。
【0062】
次に、サーバ装置4は、請求・回収処理を実行する(ステップS11)。請求・回収処理には、請求書の発行、請求金額の回収確認等を含む。
【0063】
続いて、ステップS9において商品が出荷され、端末装置3の設置場所に配送されたときに、端末装置3は、ステップS4において決定した商品の提供可否に関する提供可否情報の入力を受け付け(ステップS12)、終了する。提供可否情報の入力は、配送担当者が行うことが好ましい。提供可否情報とは、例えば、保管庫5に商品6を入庫したことを示す情報である。
【0064】
提供可否情報の入力を行うことで、保管庫5に存在する商品6の情報と、端末装置3において認識する商品6の情報とを合わせ、商品の棚卸しを行うことができる。また、ステップS4において保管庫内の商品をすべて更新するように商品を決定した場合には、保管庫から引き上げる商品が発生するため、棚卸作業は重要である。
【0065】
本発明の実施の形態に示した保管庫5は、所定の期間仕入支援システム1を利用することを条件に、無料で貸与するようにしてもよい。
【0066】
本発明の実施の形態に示した端末装置3及び保管庫5は、個人宅に設置されてもよい。すなわち、保管庫5の管理者が個人であってもよい(図4における設置番号201が「0101」のデータ例参照)。すなわち、店舗だけでなく、一般家庭においても、同じスキームで対応可能である。
【0067】
本発明の実施の形態に示した端末装置3及び保管庫5は、それぞれ対応付けて管理するようにしてもよい。このようにすることで、それぞれを分離して異なる場所で利用するような不正利用を防止することができる。
【0068】
本発明の実施の形態に示した趣向マスタテーブルに記憶された情報は、端末装置3の管理者が端末装置3を操作して情報を更新できるようにしてもよい。
【0069】
上述の例では、所定の期間が経過するまで販売状況データの入力を受け付けた後にサーバ装置4へ送信するように説明したが、これに限定されない。端末装置3が販売状況データの入力を受け付ける都度、サーバ装置4へ送信するようにしてもよい。
【0070】
上述の例では、仕入支援システム1が自動で商品を決定するフローを説明したが、これに限定されない。例えば、端末装置3の管理者が端末装置3を操作して、商品を選択してもよい。このとき、選択する商品の候補は、仕入支援システム1が抽出したものであり、商品決定処理において抽出する候補と同じものであることが好ましい。
【0071】
上述の例では、保管庫5に存在する商品6を取り出した場合に何ら処理を実施しなかったが、これに限定されない。例えば、端末装置3が電子的決済手段を備えていてもよい。商品6を取り出す際に、商品6の消費者が端末装置3に対して、電子的決済手段により料金を支払うことで、商品6を取り出し可能な状態にするようにしてもよい。
【0072】
上述の例に加えて、例えば、所定の期間、仕入支援システム1を利用した際に生じる利用料の累計額に応じて、商品6やその他の物品等をプレゼントするようにしてもよい。また、該利用料を割り引くようにしてもよい。
【0073】
実施の形態の一側面として、商品の仕入に際し、管理者の負担を軽減することができる。
【0074】
実施の形態の一側面として、仕入支援システム1が端末装置3の設置場所における商品を管理する管理者の趣向に関する情報に沿った商品を決定することで、該管理者の仕入れに対する負担を軽減することができる。
【0075】
実施の形態の一側面として、仕入支援システム1が提供可否情報受付手段を備えることで、システム上の情報と現実の商品の情報を合わせ、棚卸しを実施することができる。
【0076】
実施の形態の一側面として、第一商品決定AIを用いて商品を決定することにより、決定する商品に不確実性を付与して常時同じ商品が決定されることを防止し、商品の消費者の興趣性を高めることができる。
【0077】
実施の形態の一側面として、第一端末装置が設置された位置とは異なる位置に設置された第二端末装置が受け付けた販売状況データに基づいて商品を決定するようにすることで、異なる基準で商品決定を行うことができ、商品の消費者の興趣性を高めることができる。
【0078】
実施の形態の一側面として、第二商品の画像を解析した情報に基づいて第一商品を決定することで、第二商品に合った商品を提案することができ、商品の消費者の満足度をより高めることができる。
【0079】
実施の形態の一側面として、決定した商品に関する情報を端末装置3に送信する第一商品情報送信手段を備えることで、端末装置3の商品情報を自動で更新することができ、端末装置3の管理者の負担を軽減することができる。
【0080】
実施の形態の一側面として、決定した商品を提供可能にするための商品提供情報を出力することで、端末装置3の商品情報を自動で更新することができ、端末装置3の管理者の負担を軽減することができる。
【0081】
実施の形態の一側面として、保管庫5と端末装置3とを対応付けて管理することで、それぞれを分離して異なる場所で利用するような不正利用を防止することができる。
【0082】
実施の形態において、「端末装置」とは、例えば、ウェアラブル型端末、デスクトップ型又はノート型パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、又は、PDA等をいい、表示画面にタッチパネルセンサを備えるスマートフォン等の携帯型端末であってもよい。「サーバ装置」とは、例えば、端末装置からの要求に応じて処理を実行する装置をいう。
【0083】
「販売状況」とは、例えば、販売された、又は、販売される状況にあることをいい、在庫として計上されない状態に至ったことをいう。「端末装置が設置された位置に関する情報」とは、例えば、設置された位置を特定可能な情報をいい、より具体的には、住所や地域、地方等が挙げられる。
【0084】
「第一商品」とは、例えば、端末装置の設置された位置において提供する一以上の商品をいい、保管庫に格納される商品である。「第二商品」とは、例えば、第一商品とは異なる、端末装置の設置された位置において提供する商品をいい、第一商品が提供されるのと同じ場で提供される商品であることが好ましい。「保管庫」とは、例えば、商品を保管する容器又は空間をいい、商品の品質を保つ機能を有していてもよい。
【0085】
[付記]
上で述べた実施の形態の説明は、下記の発明を、発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
【0086】
[1] 一以上の端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備える仕入支援システムであって、
端末装置が、
第一商品の販売状況を表す販売状況データの入力を受け付ける販売状況入力受付手段
を備え、
仕入支援システムが、
少なくとも、前記販売状況データの入力を受け付けた第一端末装置が設置された位置に関する情報及び該販売状況データに基づいて、該第一端末装置の設置された位置において提供する一以上の第一商品を決定する第一商品決定手段と、
前記第一商品の販売状況データに基づいて請求金額を算出する請求金額算出手段と
を備える、仕入支援システム。
【0087】
[2] 仕入支援システムがさらに、
端末装置が設置された位置において第一商品を管理する管理者の第一商品に関する趣向を記憶する趣向記憶手段
を備え、
前記第一商品決定手段が、前記第一端末装置が設置された位置に関する情報、記憶された趣向及び該販売状況データに基づいて第一商品を決定する、[1]に記載の仕入支援システム。
【0088】
[3] 端末装置がさらに、
端末装置の設置された位置において、第一商品の提供可否に関する提供可否情報の入力を受け付ける提供可否情報受付手段
を備える、[1]又は[2]に記載の仕入支援システム。
【0089】
[4] 前記第一商品決定手段が、少なくとも前記第一端末装置の設置された位置に関する情報及び該第一端末装置が受け付けた販売状況データを入力として、第一商品を決定するための第一商品決定AIにより第一商品を決定する、[1]~[3]のいずれか記載の仕入支援システム。
【0090】
[5] 前記第一商品決定手段がさらに、第一端末装置が設置された位置とは異なる位置に設置された第二端末装置が受け付けた販売状況データに基づいて第一商品を決定する、[1]~[4]のいずれかに記載の仕入支援システム。
【0091】
[6] 前記第一商品決定手段がさらに、前記第一端末装置の設置された位置において提供される第二商品に関する情報に基づいて第一商品を決定する、[1]~[5]のいずれかに記載の仕入支援システム。
【0092】
[7] 前記第二商品に関する情報が画像であり、
仕入支援システムがさらに、
前記画像を解析する画像解析手段
を備え、
前記第一商品決定手段が、前記第一端末装置の設置された位置において提供される第二商品の画像を解析した情報に基づいて第一商品を決定する、[6]に記載の仕入支援システム。
【0093】
[8] 仕入支援システムがさらに、
前記第一商品決定手段により決定した第一商品に関する情報を、前記第一端末装置に送信する第一商品情報送信手段
を備える、[1]~[7]のいずれかに記載の仕入支援システム。
【0094】
[9] 仕入支援システムがさらに、
前記第一商品決定手段により決定した第一商品を提供可能にするための商品提供情報を出力する商品提供情報出力手段
を備える、[1]~[8]のいずれかに記載の仕入支援システム。
【0095】
[10] 仕入支援システムがさらに、第一商品を保管する保管庫を備え、
保管庫と前記端末装置とを対応付けて管理する、[1]~[9]のいずれかに記載の仕入支援システム。
【0096】
[11] 一以上の端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備える仕入支援システムにおける仕入支援方法であって、
端末装置により第一商品の販売状況を表す販売状況データの入力を受け付ける工程と、
少なくとも、前記販売状況データの入力を受け付けた第一端末装置が設置された位置に関する情報及び該販売状況データに基づいて、該第一端末装置の設置された位置において提供する一以上の第一商品を決定する工程と、
前記第一商品の販売状況データに基づいて請求金額を決定する工程と
を有する仕入支援方法。
【符号の説明】
【0097】
1 :仕入支援システム
2 :通信ネットワーク
3 :端末装置
4 :サーバ装置
5 :保管庫
6 :商品
7 :設置位置
200 :設置場所マスタテーブル
210 :販売状況データテーブル
220 :趣向マスタテーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6