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特開2022-168815建築硬化材料及びその製造方法と応用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168815
(43)【公開日】2022-11-08
(54)【発明の名称】建築硬化材料及びその製造方法と応用
(51)【国際特許分類】
   C04B 28/24 20060101AFI20221031BHJP
   C04B 24/26 20060101ALI20221031BHJP
   C04B 24/22 20060101ALI20221031BHJP
   C04B 14/06 20060101ALI20221031BHJP
   C04B 40/02 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
C04B28/24
C04B24/26 E
C04B24/22 A
C04B14/06 Z
C04B40/02
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021153322
(22)【出願日】2021-09-21
(31)【優先権主張番号】202110452559.8
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519295166
【氏名又は名称】▲広▼州大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬 玉▲ウェー▼
(72)【発明者】
【氏名】李 成業
(72)【発明者】
【氏名】傅 継陽
【テーマコード(参考)】
4G112
【Fターム(参考)】
4G112MD01
4G112PA04
4G112PB25
4G112PB31
4G112PC03
4G112PE07
4G112RA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】比較的強い強度を有し、資源利用の最大化を実現できる建築硬化材料を提供する。
【解決手段】建築硬化材料は、石洗い残渣と石英砂、活性化剤、減水剤及び水を適切な割合で調製することにより、活性化反応後、そのうちの活性二酸化ケイ素、活性酸化アルミ等の活性成分が反応してゲル物性を有するケイ酸カルシウム、水和アルミニウム酸カルシウム等の反応生成物を生成し、製造された硬化材料の強度が130MPaより大きい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
石洗い残渣:45部~60部、
石英砂:15部~30部、
活性化剤:3部~11部、
減水剤:0.1部~2部、
水:7部~15部、
以上の重量部によって計算する製造原料を含む、ことを特徴とする建築硬化材料。
【請求項2】
前記石洗い残渣におけるケイ素及びアルミニウム酸化物の和は、85wt.%より大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の建築硬化材料。
【請求項3】
前記石洗い残渣の粒径は、75μm未満である、ことを特徴とする請求項1に記載の建築硬化材料。
【請求項4】
前記活性化剤は、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸カリウム及び炭酸カリウムのうちの少なくとも一つである、ことを特徴とする請求項1に記載の建築硬化材料。
【請求項5】
前記減水剤は、ポリカルボン酸系減水剤又はナフタリン系減水剤のうちの一つである、ことを特徴とする請求項1に記載の建築硬化材料。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の建築硬化材料を製造する方法であって、前記方法は、
前記石洗い残渣と石英砂とを混合した後、活性化剤、減水剤と水を加え、混合料を得、前記混合料を分配してから活性化反応させることである、ことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記活性化反応の温度は80℃~300℃である、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記活性化反応の圧力は40kg/cm~400kg/cmである、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記活性化反応の時間は10分間~30分間である、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
請求項1~5のいずれか1項に記載の建築硬化材料を含む、ことを特徴とするプレキャストコンクリート部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築材料技術分野に属し、具体的には、建築硬化材料及びその製造方法と応用に関する。
【背景技術】
【0002】
建築業界の迅速発展に伴い、建築エネルギー消費が急激に増加し、建築工業廃棄物の産生量が巨大で、且つ処置が困難であるため、建築廃棄物を回収利用することで、新規省エネ環境保護材料を製造し、建築エネルギー消費を低減することが急務になっている。
【0003】
砂岩は、主にケイ素、カルシウム、粘土などを含み、無放射、人体に放射性傷害がなく、良質な石材であり、最も広く使用されている石材であるため、砂岩採掘が非常に頻繁である。採石場で砂岩を用いて製砂する時に、砂岩石に対して水洗いを行う必要があり、しかしながら、洗いプロセスでは、大量の土砂が発生し、且つ処置が困難である。泥水の排出堆積が環境の負荷を悪化させ、不適切な処理が土地資源を占有するだけでなく、空気を汚染する可能性もあるため、これらの廃棄泥水を有効に合理的に利用することは、一刻の猶予もならない。
【0004】
関連技術では、処理方法の一つは、泥水を乾燥させて残渣を得、その後、セメントコンクリートに直接加えて資源化処置を行うことである。残渣の活性が低く且つ形状が不規則であるため、コンクリートの水需要量が増加し、且つ強度が急激に低下する。方法の二つは、高温か焼であり、即ち、まず土砂を乾燥させて残渣を得、乾式篩分けを行い、700℃~900℃高温か焼を経て残渣を活性化させ、セメントの一部の代わりに、セメントコンクリートを製造することである。活性化後の残渣で製造されたセメントコンクリートの耐圧強度が比較的高く、石洗い残渣の処置が困難であるという問題を解決した。しかし、この方法の活性化プロセスは、高温か焼が必要であり、エネルギー消費が高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術に存在する上記技術的課題の一つを少なくとも解決することを目的とする。このため、本発明は、比較的強い強度を有し、資源利用の最大化を実現できる建築硬化材料を提供する。
【0006】
本発明は、上記建築硬化材料の製造方法をさらに提供する。
【0007】
本発明は、上記建築硬化材料の応用をさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一の方面によれば、本発明は、建築硬化材料を提供する。この建築硬化材料は、
石洗い残渣:45部~60部、
石英砂:15部~30部、
活性化剤:3部~11部、
減水剤:0.1部~2部、
水:7部~15部、
以上の重量部によって計算する製造原料を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の建築硬化材料は、少なくとも以下の有益な効果を有する。
本発明の建築硬化材料は、石洗い残渣と石英砂、活性化剤、減水剤及び水を適切な割合で調製することにより、活性化反応後、そのうちの活性二酸化ケイ素、活性酸化アルミ等の活性成分が反応してゲル物性を有するケイ酸カルシウム、水和アルミニウム酸カルシウム等の反応生成物を生成し、製造された硬化材料の強度が130MPaより大きく、対照材料よりも著しく優れている。
【0010】
本発明の建築硬化材料は、石洗い残渣と石英砂、活性化剤、減水剤及び水を適切な割合で調製することにより、活性化反応後、石洗い残渣の火山灰活性を向上させた。
【0011】
本発明の建築硬化材料は、石洗い残渣を有効に利用し、資源の合理的な利用を実現し、省エネ環境保護である。
【0012】
本発明の建築硬化材料を建築に用いることで、高強度、性能に優れたプレキャストコンクリート部材を製造することができ、比較的良い経済的見通しがある。
【0013】
上記製造原料において、
石洗い残渣は主な製造原料である。石洗い残渣において、主にケイ素、アルミニウム酸化物である。
【0014】
石英砂は、ゲル材料の骨材としての役割を果たし、常規の石英砂でよい。
【0015】
活性化剤の役割は、塩基性条件を提供することであり、触媒化役割を果たし、アルカリ活性化の触媒化原理を利用して、残渣の水和化に対する触媒化役割を果たし、残渣の水和化反応を加速させる。
【0016】
減水剤は、市販のポリカルボン酸系減水剤又はナフタリン系減水剤を選択すればよい。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記石洗い残渣におけるケイ素及びアルミニウム酸化物の和は、85wt.%より大きい。
【0018】
ケイ素とアルミニウム酸化物の和は85wt.%より大きい場合、石洗い残渣を十分に活性化されることを保証できる。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記石洗い残渣の粒径は、75μm未満である。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記活性化剤は、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸カリウム及び炭酸カリウムのうちの少なくとも一つである。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記減水剤は、ポリカルボン酸系減水剤又はナフタリン系減水剤のうちの一つである。
【0022】
第二の方面によれば、本発明は、上記建築硬化材料の製造方法を提供する。
前記方法は、
前記石洗い残渣と石英砂とを混合した後、活性化剤、減水剤と水を加え、混合料を得、前記混合料を分配してから活性化反応させることである。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記方法は、
採石場で得られた石洗い残渣を乾燥させた後、乾式篩分け分級を行い、篩上物と篩下物を得、篩下物を貯蔵保留し、篩上物をさらに破砕し、粉末に対して篩分けを行う。その後、石洗い残渣と石英砂とを均一に混合する。乾式篩分け分級の目的は、石洗い残渣の粒径を制御し、篩分けの灰体粒子の粒径を75μm未満にすることである。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記活性化反応の温度は80℃~300℃である。上記反応温度は、反応速度を速くし、反応をより十分に行われることができる。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記活性化反応の圧力は40kg/cm~400kg/cmである。
【0026】
活性化反応過程では、加熱は加圧と同期して行われる。
【0027】
活性化反応過程では、機械的加圧方式とアルカリ活性化及び加温加熱技術を利用して、残渣に対して機械的及び化学的活性化を行い、原材料を迅速に溶解させ、比較的短い時間以内で活性化反応を完了させ、ゲル物性を有する生成物を生成するとともに、反応に参加しない水分の少量が水蒸気となり、同期加圧過程でより排出されやすく、基体を緊密にすることによって、高強度が生じ、このため、本発明も原材料の化学反応過程を強化することで、石洗い残渣を活性化及び利用する。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記活性化反応の時間は10分間~30分間である。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記方法は、活性反応後、材料を金型で成形することをさらに含む。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記方法は、成形後、材料に対して養生及び離型を行うことをさらに含む。
【0031】
第三の方面によれば、本発明は、プレキャストコンクリート部材を提供する。このプレキャストコンクリート部材は、上記建築硬化材料を含む。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記プレキャストコンクリート部材は、プレキャスト床板、プレキャスト梁、プレキャスト壁、プレキャスト柱、プレキャスト階段及び他の複雑な異形部材を含む。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の具体的な実施例であり、実施例を結び付けながら、本発明の技術案についてさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例0034】
本実施例は、建築硬化材料を製造した。重量部によって計算する製造原料は、石洗い残渣45部、石英砂15部、活性化剤5部、水7部、減水剤1部とする。
【0035】
そのうち、活性化剤は、水酸化ナトリウムと液状ケイ酸ナトリウムとを混合して作られたものであり、そのうち、水酸化ナトリウムは1.8部とし、液状ケイ酸ナトリウムは3.2部とする。減水剤はポリカルボン酸系減水剤であり、減水剤の固形分含有量は33%であり、減水剤としては市販のポリカルボン酸系減水剤のいずれも適用可能である。
【0036】
具体的な製造プロセスは、以下のステップを含む。
【0037】
篩分け:石洗い残渣を100℃オーブンで乾燥した後、32μmの篩網で乾式篩分けを行い、篩下物を貯蔵保留し、篩上物をさらに破砕し、粉末に対して篩分けを行い、すべての篩分け残渣篩下物を収集する。
【0038】
溶液調製:各原材料成分を電子計量装置で重量部比に従って秤量し、活性化剤、水を混合して均一に攪拌し、活性化剤溶液を調製し、12時間冷却する。
【0039】
材料混合:篩分け後の石洗い残渣と石英砂を撹拌タンクに入れて攪拌し、乾燥粉末を均一に混合するまで攪拌し、活性化剤溶液、減水剤を順次加え、撹拌タンクにて均一に攪拌し、半乾湿混合料を得る。
【0040】
材料分配:半乾湿混合料を金型に入れて材料分配処理を行う。
【0041】
活性化成形:材料分配済みの材料を熱圧成形装置により同期加熱と機械加圧を行い、同期加熱温度は100℃であり、同期機械加圧の強度は60kg/cmであり、同期加熱加圧時間は30分間である。
【0042】
養生:成形された試験ブロック付きの金型を養生室にて1日間養生する。
【0043】
離型:養生済みの試験ブロックを離型処理する。
【実施例0044】
本実施例は、建築硬化材料を製造した。重量部によって計算する製造原料は、石洗い残渣50部、石英砂25部、活性化剤6部、水11部、減水剤1部とする。
【0045】
そのうち、活性化剤は、水酸化ナトリウムと液状ケイ酸ナトリウムとを混合して作られたものであり、そのうち、水酸化ナトリウムは2.2部とし、液状ケイ酸ナトリウムは3.8部とする。減水剤はポリカルボン酸系減水剤であり、減水剤としては市販のポリカルボン酸系減水剤のいずれも適用可能である。
【0046】
具体的な製造プロセスは、以下のステップを含む。
【0047】
篩分け:石洗い残渣を90℃オーブンで乾燥した後、45μmの篩網で乾式篩分けを行い、篩下物を貯蔵保留し、篩上物をさらに破砕し、粉末に対して篩分けを行い、すべての篩分け残渣篩下物を収集する。
【0048】
溶液調製:各原材料成分を電子計量装置で重量部比に従って秤量し、活性化剤、水を混合して均一に攪拌し、活性化剤溶液を調製し、12時間冷却する。
【0049】
材料混合:篩分け後の石洗い残渣と石英砂を撹拌タンクに入れて攪拌し、乾燥粉末を均一に混合するまで攪拌し、活性化剤溶液、減水剤を順次加え、撹拌タンクにて均一に攪拌し、半乾湿混合料を得る。
【0050】
材料分配:半乾湿混合料を金型に入れて材料分配処理を行う。
【0051】
活性化成形:材料分配済みの材料を熱圧成形装置により同期加熱と機械加圧を行い、同期加熱温度は160℃であり、同期機械加圧の強度は200kg/cmであり、同期加熱加圧時間は15分間である。
【0052】
養生:成形された試験ブロック付きの金型を養生室にて1日間養生する。
【0053】
離型:養生済みの試験ブロックを離型処理する。
【実施例0054】
本実施例は、建築硬化材料を製造した。重量部によって計算する製造原料は、石洗い残渣55部、石英砂30部、活性化剤7.8部、水12部、減水剤2部とする。
【0055】
そのうち、活性化剤は、水酸化ナトリウムと液状ケイ酸ナトリウムとを混合して作られたものであり、そのうち、水酸化ナトリウムは3部とし、液状ケイ酸ナトリウムは4.8部とする。減水剤はポリカルボン酸系減水剤であり、減水剤としては市販のポリカルボン酸系減水剤のいずれも適用可能である。
【0056】
篩分け:石洗い残渣を110℃オーブンで乾燥した後、58μmの篩網で乾式篩分けを行い、篩下物を貯蔵保留し、篩上物をさらに破砕し、粉末に対して篩分けを行い、すべての篩分け残渣篩下物を収集する。
【0057】
溶液調製:各原材料成分を電子計量装置で重量部比に従って秤量し、活性化剤、水を混合して均一に攪拌し、活性化剤溶液を調製し、12時間冷却する。
【0058】
材料混合:篩分け後の石洗い残渣と石英砂を撹拌タンクに入れて攪拌し、乾燥粉末を均一に混合するまで攪拌し、活性化剤溶液、減水剤を順次加え、撹拌タンクにて均一に攪拌し、半乾湿混合料を得る。
【0059】
材料分配:半乾湿混合料を金型に入れて材料分配処理を行う。
【0060】
活性化成形:材料分配済みの材料を熱圧成形装置により同期加熱と機械加圧を行い、同期加熱温度は240℃であり、同期機械加圧の強度は300kg/cmであり、同期加熱加圧時間は10分間である。
【0061】
養生:成形された試験ブロック付きの金型を養生室にて1日間養生する。
【0062】
離型:養生済みの試験ブロックを離型処理する。
【実施例0063】
本実施例は、建築硬化材料を製造した。重量部によって計算する製造原料は、石洗い残渣60部、石英砂30部、活性化剤11部、水15部、減水剤2部とする。
【0064】
そのうち、活性化剤は、水酸化ナトリウムと液状ケイ酸ナトリウムとを混合して作られたものであり、そのうち、水酸化ナトリウムは4.6部とし、液状ケイ酸ナトリウムは6.4部とする。減水剤はポリカルボン酸系減水剤であり、減水剤としては市販のポリカルボン酸系減水剤のいずれも適用可能である。
【0065】
篩分け:石洗い残渣を100℃オーブンで乾燥した後、75μmの篩網で乾式篩分けを行い、篩下物を貯蔵保留し、篩上物をさらに破砕し、粉末に対して篩分けを行い、すべての篩分け残渣篩下物を収集する。
【0066】
溶液調製:各原材料成分を電子計量装置で重量部比に従って秤量し、活性化剤、水を混合して均一に攪拌し、活性化剤溶液を調製し、12時間冷却する。
【0067】
材料混合:篩分け後の石洗い残渣と石英砂を撹拌タンクに入れて攪拌し、乾燥粉末を均一に混合するまで攪拌し、活性化剤溶液、減水剤を順次加え、撹拌タンクにて均一に攪拌し、半乾湿混合料を得る。
【0068】
材料分配:半乾湿混合料を金型に入れて材料分配処理を行う。
【0069】
活性化成形:材料分配済みの材料を熱圧成形装置により同期加熱と機械加圧を行い、同期加熱温度は100℃であり、同期機械加圧の強度は400kg/cmであり、同期加熱加圧時間は10分間である。
【0070】
養生:成形された試験ブロック付きの金型を養生室にて1日間養生する。
【0071】
離型:養生済みの試験ブロックを離型処理する。
【0072】
対比例1:
本対比例は、建築硬化材料を製造した。製造プロセスでは、活性化成形加熱加圧しないという点で、実施例2とは異なる。
【0073】
重量部によって計算する製造原料は、石洗い残渣50部、石英砂25部、活性化剤6部、水11部、減水剤1部とする。
【0074】
そのうち、活性化剤は、水酸化ナトリウムと液状ケイ酸ナトリウムとを混合して作られたものであり、そのうち、水酸化ナトリウムは2.2部とし、液状ケイ酸ナトリウムは3.8部とする。減水剤はポリカルボン酸系減水剤であり、減水剤としては市販のポリカルボン酸系減水剤のいずれも適用可能である。
【0075】
篩分け:石洗い残渣を90℃オーブンで乾燥した後、45μmの篩網で乾式篩分けを行い、篩下物を貯蔵保留し、篩上物をさらに破砕し、粉末に対して篩分けを行い、すべての篩分け残渣篩下物を収集する。
【0076】
溶液調製:各原材料成分を電子計量装置で重量部比に従って秤量し、活性化剤、水を混合して均一に攪拌し、活性化剤溶液を調製し、12時間冷却する。
【0077】
材料混合:篩分け後の石洗い残渣と石英砂を撹拌タンクに入れて攪拌し、乾燥粉末を均一に混合するまで攪拌し、活性化剤溶液、減水剤を順次加え、撹拌タンクにて均一に攪拌し、半乾湿混合料を得る。
【0078】
材料分配:半乾湿混合料を金型に入れて材料分配処理を行う。
【0079】
養生:成形された試験ブロック付きの金型を養生室にて1日間養生する。
【0080】
離型:養生済みの試験ブロックを離型処理する。
【0081】
試験例:
上記実施例と対比例で製造された試験試料に対して耐圧強度試験(GB/T 14684-2011)を行った。試験結果は、次表に示すとおりである。
【0082】
【表1】
【0083】
活性化残渣硬化材料の実施例1、実施例2、実施例3、実施例4及び非活性化残渣硬化材料の対比例の耐圧強度は、表1に示すとおりである。
【0084】
表1から分かるように、本発明の方法で活性化した石洗い残渣製硬化材料の耐圧強度は、非活性化残渣硬化材料よりも著しく高く、且つ高温か焼により廃棄残渣を活性化する必要がない。
【0085】
また、表1における実施例1、実施例2及び実施例3から分かるように、加熱温度が高いほど加圧強度が大きくなり、製造された活性化残渣硬化材料の耐圧強度が高くなり、且つ所要の加温加圧時間も短く、温度と圧力強度が原材料の溶解速度を速くし、より短い時間で活性化反応を完了させ、且つ活性化後の性能がより優れていることが示唆された。このことから分かるように、本発明の方法で活性化された残渣の性能は、非活性化残渣の性能よりも有意に優れている。
【0086】
上述の通り、本発明は、機械的加圧方式とアルカリ活性化及び加温加熱技術を利用して、残渣に対して機械的及び化学的活性化を行い、加熱加圧とアルカリ活性化の作用下で、残渣の物理化学的性能を変化させ、より活性高いケイ素とアルミニウムを含有する酸化物が得られ、火山灰活性を備えた。同時に、反応に参加しない水分の少量が水蒸気となり、同期加圧過程でより排出されやすく、基体を緊密にすることによって、高強度が生じ、残渣の活性を最大限に向上させ、原材料を迅速に溶解させ、比較的短い時間以内で活性化反応を完成させ、ゲル物性を有する生成物を生成し、廃棄残渣堆積による環境汚染問題を解決するだけでなく、廃棄資源の回収利用を最大化し、省エネ環境保護、しかもコストを効率的に低減させ、幅広い市場の将来性がある。
【0087】
以上、実施例を結び付けながら、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の技術的思想内で様々な変形を行うことができる。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
石洗い残渣:45部~60部、
石英砂:15部~30部、
活性化剤:3部~11部、
減水剤:0.1部~2部、
水:7部~15部、
以上の重量部によって計算する製造原料を含み、
前記石洗い残渣の粒径は、75μm未満である、ことを特徴とする建築硬化材料。
【請求項2】
前記石洗い残渣におけるケイ素及びアルミニウム酸化物の和は、85wt.%より大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の建築硬化材料。
【請求項3】
前記活性化剤は、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸カリウム及び炭酸カリウムのうちの少なくとも一つである、ことを特徴とする請求項1に記載の建築硬化材料。
【請求項4】
前記減水剤は、ポリカルボン酸系減水剤又はナフタリン系減水剤のうちの一つである、 ことを特徴とする請求項1に記載の建築硬化材料。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1項に記載の建築硬化材料を製造する方法であって、前記方法は、
前記石洗い残渣と石英砂とを混合した後、活性化剤、減水剤と水を加え、混合料を得、 前記混合料を分配してから活性化反応させることである、ことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記活性化反応の温度は80℃~300℃である、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記活性化反応の圧力は40kg/cm~400kg/cmである、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記活性化反応の時間は10分間~30分間である、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1~のいずれか1項に記載の建築硬化材料を含む、ことを特徴とするプレキャストコンクリート部材。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
石洗い残渣:45部~60部、
石英砂:15部~30部、
活性化剤:3部~11部、
減水剤:0.1部~2部、
水:7部~15部、
以上の重量部によって計算する製造原料を含み、
前記石洗い残渣の粒径は、45μm以上75μm未満の篩により選別されたものであることを特徴とする建築硬化材料。
【請求項2】
前記石洗い残渣におけるケイ素及びアルミニウム酸化物の和は、85wt.%より大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の建築硬化材料。
【請求項3】
前記活性化剤は、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸カリウム及び炭酸カリウムのうちの少なくとも一つである、ことを特徴とする請求項1に記載の建築硬化材料。
【請求項4】
前記減水剤は、ポリカルボン酸系減水剤又はナフタリン系減水剤のうちの一つである、 ことを特徴とする請求項1に記載の建築硬化材料。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の建築硬化材料を製造する方法であって、前記方法は、
前記石洗い残渣と石英砂とを混合した後、活性化剤、減水剤と水を加え、混合料を得、 前記混合料を分配してから活性化反応させることである、ことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記活性化反応の温度は80℃~300℃である、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記活性化反応の圧力は40kg/cm~400kg/cmである、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記活性化反応の時間は10分間~30分間である、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか1項に記載の建築硬化材料を含む、ことを特徴とするプレキャストコンクリート部材。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
石洗い残渣:45部~60部、
石英砂:15部~30部、
活性化剤:3部~11部、
減水剤:0.1部~2部、
水:7部~15部、
以上の重量部によって計算する製造原料を含み、
前記石洗い残渣の粒径は、45μm以上75μm未満の篩により選別されたものであることにより、同期機械加圧の強度は200kg/cm 以上であることを特徴とする建築硬化材料。
【請求項2】
前記石洗い残渣におけるケイ素及びアルミニウム酸化物の和は、85wt.%より大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の建築硬化材料。
【請求項3】
前記活性化剤は、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸カリウム及び炭酸カリウムのうちの少なくとも一つである、ことを特徴とする請求項1に記載の建築硬化材料。
【請求項4】
前記減水剤は、ポリカルボン酸系減水剤又はナフタリン系減水剤のうちの一つである、 ことを特徴とする請求項1に記載の建築硬化材料。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の建築硬化材料を製造する方法であって、前記方法は、
前記石洗い残渣と石英砂とを混合した後、活性化剤、減水剤と水を加え、混合料を得、 前記混合料を分配してから活性化反応させることである、ことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記活性化反応の温度は80℃~300℃である、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記活性化反応の圧力は40kg/cm~400kg/cmである、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記活性化反応の時間は10分間~30分間である、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか1項に記載の建築硬化材料を含む、ことを特徴とするプレキャストコンクリート部材。