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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168868
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】ドア
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/36 20060101AFI20221101BHJP
   E05B 1/00 20060101ALI20221101BHJP
   E06B 3/88 20060101ALI20221101BHJP
   E05C 1/14 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
E06B3/36
E05B1/00 311F
E06B3/88
E05C1/14 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074525
(22)【出願日】2021-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】泉原 由季
(72)【発明者】
【氏名】近藤 祐汰
【テーマコード(参考)】
2E014
2E016
【Fターム(参考)】
2E014AA02
2E014DB03
2E016JA11
2E016JC01
2E016LB03
2E016MA01
2E016NA00
2E016RA01
2E016RA02
(57)【要約】
【課題】 開けやすいドアの提供。
【解決手段】 扉1とハンドル2とを備え、ハンドル2を引くことで扉1が開くものであり、扉1は、戸先1aに縦枠3と係脱自在なラッチ4と、縦枠3との隙間16と対向する煙返し5を有し、ハンドル2は、見込方向から見て扉1の煙返し5と対向する位置又は煙返し5と隣接する位置と対向する位置に設けてあり、扉1の見付面に取付けた台座6にアーム7で連結されており、ハンドル2を引いたときにハンドル2が扉1の開く方向Aと同じ方向Bに回動してラッチ4と縦枠3との係合が外れる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉とハンドルとを備え、ハンドルを引くことで扉が開くものであり、扉は、戸先に縦枠と係脱自在なラッチと、縦枠との隙間と対向する煙返しを有し、ハンドルは、見込方向から見て扉の煙返しと対向する位置又は煙返しと隣接する位置と対向する位置に設けてあり、扉の見付面に取付けた台座にアームで連結されており、ハンドルを引いたときにハンドルが扉の開く方向と同じ方向に回動してラッチと縦枠との係合が外れることを特徴とするドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玄関等に設置されるドアに関する。
【背景技術】
【0002】
玄関には外開き式のドアがよく用いられる(例えば、非特許文献1参照。)。近年、ドアの大型化・重量化等に伴い、ドアを開けるときに重く感じられることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献1】三協立山株式会社 三協アルミ社発行のカタログ「玄関ドア ファノーバ スタイルセレクト」(カタログNo.STJ1607A KY.20.05-150)、2020年5月、p.88-89
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、開けやすいドアの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明によるドアは、扉とハンドルとを備え、ハンドルを引くことで扉が開くものであり、扉は、戸先に縦枠と係脱自在なラッチと、縦枠との隙間と対向する煙返しを有し、ハンドルは、見込方向から見て扉の煙返しと対向する位置又は煙返しと隣接する位置と対向する位置に設けてあり、扉の見付面に取付けた台座にアームで連結されており、ハンドルを引いたときにハンドルが扉の開く方向と同じ方向に回動してラッチと縦枠との係合が外れることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によるドアは、ハンドルが見込方向から見て扉の煙返しと対向する位置又は煙返しと隣接する位置と対向する位置に設けてあり、扉の見付面に取付けた台座にアームで連結されていることで、吊元からハンドルまでの距離が長くなるため、扉を開く際のハンドルを引く力を軽減することができ、尚且つハンドルを引いたときにハンドルが扉の開く方向と同じ方向に回動してラッチと縦枠との係合が外れるため、ハンドルを手前に引くだけでラッチの解除と扉の開操作をスムーズに連続して行えるので、開けやすいドアになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明のドアの第1実施形態を示す横断面図である。
図2】第1実施形態のドアの室外側正面図である。
図3】ドアを開ける際のハンドルとラッチの動きを示す横断面図である。
図4】第1実施形態のドアの変形例を示す室外側正面図である。
図5】本発明のドアの第2実施形態を示す横断面図である。
図6】第2実施形態のドアの室外側正面図である。
図7】本発明のドアの第3実施形態を示す横断面図である。
図8】第3実施形態のドアの室外側正面図である。
図9】第1実施形態のドアについて、従来のもの(比較例1,2)と比較して扉を開けるのに必要なハンドルを引く力がどのように変化するか計算した結果を示す図である。
図10】第1実施形態のドアを開ける際のハンドルの動きと、比較例2のドアを開ける際のハンドルの動きを対比して示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1~3は、本発明のドアの第1実施形態を示している。本ドアは、玄関用のドアであって、躯体開口部に取付けられる枠8と、枠8に蝶番9により室外側に開くように取付けた扉1とを備える。扉1は、図2に示すように、戸先側にハンドル2と、ハンドル2と連動したラッチ錠10と、上下二箇所に設けた本締り錠11a,11bを備えている。
【0009】
扉1は、図1に示すように、周囲に配置した枠12の内側に発泡スチロール板等よりなる芯材13を配置し、室外側と室内側に鋼板よりなるパネル14a,14bを貼り付けて構成してある。扉1の戸先側端部には、アルミ形材よりなるエッジ材15が上下方向の全長に亘って取付けてある。エッジ材15は、扉1の戸先1aと縦枠3間の隙間16を室外側から隠す煙返し5を有している。
【0010】
ハンドル2は、上下方向にのびる棒状に形成され、図1に示すように、見込方向から見て扉1の煙返し5と対向する位置に設けてある。ハンドル2は、上部と下部が扉1の見付面に取付けた台座6とアーム7で連結されている。各アーム7は、図1に示すように、台座6から戸先側に斜めにのびており、基端部が上下方向の軸17で台座6に軸支されている。上側の台座6には、アーム7と連動して動くてこ18が設けてあり、てこ18はラッチ錠10のケース19に挿入されている。てこ18は、後述するように、扉1を開ける際にラッチ錠10のラッチ4のロックを解除するためのものである。
【0011】
ラッチ錠10は、図1に示すように、縦枠3に設けた受け20に係脱自在なラッチ4を有している。ラッチ4は、扉1が閉じた状態では扉1の戸先1aより突出し、室外側面21が直角で、室内側面22が傾斜面となる向きで図示しないロック部材によりロックされており、当該ラッチ4が縦枠3の受け20と係合することで扉1が施錠される。
【0012】
図3(a)に示す扉1が閉じた状態から、扉1を開くためにハンドル2に手を掛けて手前に引くと、図3(b)に示すように、ハンドル2とアーム7が軸17を支点として扉1の開く方向Aと同じ方向Bに回動し、アーム7の動きに連動しててこ18が動いてロック部材によるラッチ4のロックが解除され、ラッチ4は扉1が室外側に引っ張られるにつれて回転しながらケース19に引っ込み、縦枠3の受け20とのラッチ4の係合が外れる。その後、図3(c)に示すように、ハンドル2をさらに引くことで扉1がさらに開き、ラッチ4はケース19に内蔵したバネ(図示省略)により元の姿勢に復帰する。扉1を開いてからハンドル2より手を離すと、ハンドル2は台座6に内蔵されたバネ(図示省略)により元の位置に復帰する。
【0013】
図4は、第1実施形態のドアの変形例を示している。このドアは、ハンドル2が扉1の高さ方向略全長にわたるロングバーハンドルとなっている。ハンドル2は、上部と下部と中間部の三箇所が扉1の見付面に取付けた台座6にアーム7を介して連結されている。なお、後述する第2・第3実施形態についても、これと同様のロングバーハンドルとすることができる。
【0014】
以上に説明した第1実施形態のドアは、ハンドル2を扉1の煙返し5の室外側に対向する位置に設けたこと、ハンドル2が扉1の開く方向Aと同じ方向Bに回動してラッチ4と縦枠3との係合が外れるようにしたことにより、従来のドアよりも開けやすくなっている。
図9は、第1実施形態のドアと、ハンドル2を台座6の室外側に対向する位置に設けた比較例1と、ハンドル2を台座6よりも戸尻側の位置に設けた比較例2(従来のロングバーハンドルはこの形態である)とで、扉1を開けるのに必要なハンドル2を引く力がどのように変化するか計算した結果を示している。
扉1を開けるのに必要なハンドル2を引く力は、吊元からハンドル2の中心までの距離Lが遠いほど軽くなる。第1実施形態は、吊元からハンドル2の中心までの距離Lが比較例1の1.1倍であり、扉1を開けるのに必要なハンドル2を引く力はその逆数の0.9倍、すなわち10%軽減される。反対に比較例2は、扉1を開けるのに必要なハンドル2を引く力が比較例1の1.11倍、すなわち11%の増加になる。なお、第1実施形態の扉1を開けるのに必要なハンドル2を引く力は、比較例2との比較では19%軽減される。
【0015】
また、比較例2のハンドル2の場合、図10(b)に示すように、扉1を開ける際にはハンドル2をまず扉1の開く方向と逆方向に動かしてから手前に引く2段階の動きとなるのに対し、第1実施形態のものでは、図10(a)に示すように、ハンドル2を扉1の開く方向と同じ方向に動かしてラッチ4の解除と扉1の開操作をスムーズに連続して行えるため、上述したように扉1を開けるのに必要なハンドル2を引く力が軽減されることとあいまって、扉1が開けやすくなる。
【0016】
図5,6は、本発明のドア(玄関ドア)の第2実施形態を示している。このドアは、ハンドル2が扉1の煙返し5の戸尻側に隣接する扉1と対向する位置に設けてある。
この場合、第1実施形態と比べると吊元からハンドル2の中心までの距離が近くなるが、従来のもの(比較例1及び比較例2)よりは吊元からハンドル2の中心までの距離が遠いため、扉1を開けるのに必要なハンドル2を引く力を軽減できる。また、扉1の戸先1aよりハンドル2が外周側に出っ張らないため、ハンドル2が邪魔になりにくく、戸先側の縦枠3のすぐ近くに壁がある場合でも、ハンドル2に手を掛けるのが容易である。
【0017】
図7,8は、本発明のドア(玄関ドア)の第3実施形態を示している。このドアは、ハンドル2が扉1の煙返し5の戸先側に隣接する縦枠3と対向する位置に設けてある。
この場合、第1実施形態よりもさらに吊元からハンドル2の中心までの距離が遠くなるから、扉1を開けるのに必要なハンドル2を引く力をより一層軽減できる。
【0018】
以上に述べたように本ドア(第1,2,3実施形態)は、ハンドル2が見込方向から見て扉1の煙返し5と対向する位置又は煙返し5と隣接する位置と対向する位置に設けてあり、扉1の見付面に取付けた台座6にアーム7で連結されていることで、吊元からハンドル2までの距離が長くなるため、扉1を開く際のハンドル2を引く力を軽減することができ、尚且つハンドル2を引いたときにハンドル2が扉1の開く方向Aと同じ方向Bに回動してラッチ4と縦枠3との係合が外れるため、ハンドル2を手前に引くだけでラッチ4の解除と扉1の開操作をスムーズに連続して行えるので、開けやすいドアになる。
第1実施形態のドアは、ハンドル2が扉1の煙返し5と対向する位置に設けてあることで、扉1を開けるのに必要なハンドル2を引く力の軽減率を比較的大きくできると共に、ハンドル2が扉1の戸先1aから大きく飛び出さないので、操作性や意匠性も良好である。
第2実施形態のドアは、ハンドル2が扉1の煙返し5の戸尻側に隣接する扉1と対向する位置に設けてあることで、扉1を開けるのに必要なハンドル2を引く力を軽減することができ、扉1の戸先1aよりハンドル2が外周側に出っ張らないため、ハンドル2が邪魔になりにくく、戸先側の縦枠3のすぐ近くに壁がある場合でも、ハンドル2に手を掛けるのが容易である。
第3実施形態のドアは、ハンドル2が扉1の煙返し5の戸先側に隣接する縦枠3と対向する位置に設けてあることで、吊元からハンドル2までの距離が第1実施形態よりもさらに長くなるため、扉1を開けるのに必要なハンドル2を引く力をより一層軽減できる。
図4に記載のドアは、ハンドル2が扉1の高さ方向略全長にわたるロングバーハンドルであるため、ロングバーハンドル2のどの位置を持ってもラッチ4の解除と扉1の開操作が行えるため、身長の高い低いによらず誰にでも開けやすいものとなる。
【0019】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。ハンドルの形状や材質は、適宜変更することができる。ラッチ錠の構造や、ラッチの形状、ハンドルとラッチを連動させる機構の部分の構造は問わない。扉の材質や構造は、任意である。
【符号の説明】
【0020】
1 扉
2 ハンドル
3 縦枠
4 ラッチ
5 煙返し
6 台座
7 アーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10