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  • 特開-パネル体への把持部材の取り付け構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016891
(43)【公開日】2022-01-25
(54)【発明の名称】パネル体への把持部材の取り付け構造
(51)【国際特許分類】
   E04F 11/18 20060101AFI20220118BHJP
   E04B 2/74 20060101ALI20220118BHJP
   E04F 13/08 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
E04F11/18
E04B2/74 511A
E04F13/08 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020119867
(22)【出願日】2020-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 祐貴
【テーマコード(参考)】
2E110
2E301
【Fターム(参考)】
2E110AA42
2E110AB04
2E110AB13
2E110AB23
2E110BA12
2E110DC12
2E110GB16W
2E110GB16X
2E301HH03
2E301HH04
2E301HH15
2E301JJ21
(57)【要約】
【課題】間仕切りパネル1を構成するパネル体2に手摺り7を後付けでも確実に取り付けることができるようにする。
【解決手段】手摺り7を取り付けるための取り付け金具8を、手摺りが取り付けられる取り付け部8aと、該取り付け部8aから突出していて凹溝状の目地部Mに嵌入する嵌入部8bとを備えて構成し、該嵌入部8bが目地部Mに嵌入する状態でネジ材11を介して取り付け金具8を下地材5に取り付け固定するようにして、手摺り7を、後付けであっても下地材5を格別に補強することなく強固な状態で簡単に取り付けることができるようにする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹溝状の目地部を介して面一状に隣接するパネル体に取り付け金具を介して把持部材を取り付けるにあたり、該取り付け金具は、隣接するパネル体の表面板間に亘る状態で該表面板に当接すると共に把持部材の基端部が取り付けられる取り付け部と、該取り付け部から突出していて目地部に嵌入する嵌入部とを備え、取り付け部から嵌入部を貫通したネジ材をパネル体の裏面側を支持する下地材に螺入せしめることで把持部材を取り付け固定する構成にしたことを特徴とするパネル体への把持部材の取り付け構造。
【請求項2】
嵌入部は、ネジ材が遊嵌し、先端が下地材に当接することを特徴とする請求項1記載のパネル体への把持部材の取り付け構造。
【請求項3】
嵌入部は、目地部の長さ方向に対応するよう長尺状に構成され、取り付け金具は、嵌入部の長尺方向の少なくとも二点で下地材にネジ固定されることを特徴とする請求項1または2記載のパネル体への把持部材の取り付け構造。
【請求項4】
把持部材は、長尺状をしたものであって、両端縁部が取り付け金具を介して取り付けられることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載のパネル体への把持部材の取り付け構造。
【請求項5】
パネル体は、間仕切りパネルを構成するパネル体であり、下地材は、室内空間に立設されていてパネル体の裏面側を支持していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載のパネル体への把持部材の取り付け構造。
【請求項6】
パネル体は、裏面側が躯体側に設けた下地材に支持されることで壁パネルを構成するパネル体であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載のパネル体への把持部材の取り付け構造。
【請求項7】
長尺状の把持部材は、両端縁部が左右に離間した目地部に取り付け金具を介して取り付けられることを特徴とする請求項4乃至6の何れか1記載のパネル体への把持部材の取り付け構造。
【請求項8】
長尺状の把持部材は、両端縁部が同一の目地部の上下に取り付け金具を介して取り付けられることを特徴とする請求項4乃至6の何れか1記載のパネル体への把持部材の取り付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁パネルや間仕切りパネルを構成するパネル体に把手、手摺り等の把持部材を取り付けるパネル体への把持部材の取り付け構造の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、躯体壁面や室内空間を仕切る間仕切りを、左右(若しくは上下)に隣接するパネル体を用いて構成した壁パネルや間仕切りパネルとすることがあり、このようなパネル体に、把手や手摺り等の把持部材を取り付けることが要求された場合、該パネル体自体に、把持部材の基部をネジ材(ビス)を介して直接取り付けるようにしたものが提唱されている(特許文献1、2参照。)。ところでこのような把持部材のなかには、人間の体重を支える必要があるものもあってそれなりの取り付け強度が要求されるが、パネル体のなかには、把持部材を支持するだけの強度を備えていないものも多く、このようなパネル体に把持部材を直接取り付けることは事実上できないだけでなく、パネル体に取り付け孔が形成されたものとなってしまうという問題がある。
そこで隣接するパネル体のあいだに設けられる凹溝状の目地部の溝底部を支柱(下地材)で構成し、該支柱に、パネル体の表面板に支持される状態で設けた把持部材の基端部からネジ材を螺入することで把持部材の取り付けをするように構成したものが知られている(例えば特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-3281号公報
【特許文献2】特開2015-94092号公報
【特許文献3】特開平10-273957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが前記従来の把持部材をネジ材を介して支柱に取り付けた構成のなかには、把持部材の基端部と目地部溝底部になる支柱とのあいだを単純に通す状態でネジ材を螺入させる構成(特許文献3の図2参照)にしたものがあるが、このものでは、目地材と支柱とのあいだを直接補強する部材がないため、把持部材を強固に取り付けることが依然として難しいという問題がある。
このためこのもののなかには、目地部溝底部となる支柱に、目地部の開口端部にまで至るよう補強部材を設け、該補強部材にネジ材を螺入することで、把持部材の取り付け強度を確保できるように構成したものが提唱されている(特許文献3の図8、10参照)。
しかしながらこのものでは、補強部材が設けられていない支柱に後付け的に把持部材を取り付けようとした場合、支柱自体を補強部材が設けられたものに交換するか、支柱に補強部材を取り付ける等の作業(工事)がさらに必要になって作業性が劣る等の問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、凹溝状の目地部を介して面一状に隣接するパネル体に取り付け金具を介して把持部材を取り付けるにあたり、該取り付け金具は、隣接するパネル体の表面板間に亘る状態で該表面板に当接すると共に把持部材の基端部が取り付けられる取り付け部と、該取り付け部から突出していて目地部に嵌入する嵌入部とを備え、取り付け部から嵌入部を貫通したネジ材をパネル体の裏面側を支持する下地材に螺入せしめることで把持部材を取り付け固定する構成にしたことを特徴とするパネル体への把持部材の取り付け構造である。
請求項2の発明は、嵌入部は、ネジ材が遊嵌し、先端が下地材に当接することを特徴とする請求項1記載のパネル体への把持部材の取り付け構造である。
請求項3の発明は、嵌入部は、目地部の長さ方向に対応するよう長尺状に構成され、取り付け金具は、嵌入部の長尺方向の少なくとも二点で下地材にネジ固定されることを特徴とする請求項1または2記載のパネル体への把持部材の取り付け構造である。
請求項4の発明は、把持部材は、長尺状をしたものであって、両端縁部が取り付け金具を介して取り付けられることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載のパネル体への把持部材の取り付け構造である。
請求項5の発明は、パネル体は、間仕切りパネルを構成するパネル体であり、下地材は、室内空間に立設されていてパネル体の裏面側を支持していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載のパネル体への把持部材の取り付け構造である。
請求項6の発明は、パネル体は、裏面側が躯体側に設けた下地材に支持されることで壁パネルを構成するパネル体であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載のパネル体への把持部材の取り付け構造である。
請求項7の発明は、長尺状の把持部材は、両端縁部が左右に離間した目地部に取り付け金具を介して取り付けられることを特徴とする請求項4乃至6の何れか1記載のパネル体への把持部材の取り付け構造である。
請求項8の発明は、長尺状の把持部材は、両端縁部が同一の目地部の上下に取り付け金具を介して取り付けられることを特徴とする請求項4乃至6の何れか1記載のパネル体への把持部材の取り付け構造である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、把持部材を取り付け金具を用いてパネル体に取り付けるにあたり、把持部材の基端部が取り付けられる取り付け部から突出した嵌入部を凹溝状の目地部に嵌入した状態で、該嵌入部を嵌入したネジ材を介して取り付け金具が下地材に取付け固定されることになり、この結果、嵌入部が補強部材となって、パネル体の裏面側を支持する下地材に強固に支持できることになり、後付けとして把持部材を取り付ける場合であっても、下地材を交換したりするような作業をすることなく、既存の下地材をそのまま利用して把持部材を強固に取り付けすることができることになる。
請求項2の発明とすることにより、嵌入部の先端が下地材に当接した状態での把持部材の取り付けができるため、より強度的に優れた状態での把持部材の取り付けが簡単にできることになる。
請求項3の発明とすることにより、嵌入部が目地部の長さ方向に対応して長尺状になっており、しかも長尺方向の少なくとも二点でネジ固定されるため、嵌入部が位置ずれしたりすることなく強固な取り付けが確実にできることになる。
請求項4の発明とすることにより、把持部材が長尺状のものであっても、下地材を有効に利用した強固な取り付けが確実にできることになる。
請求項5の発明とすることにより、パネル体が、室内空間を仕切る間仕切りパネルであっても確実に把持部材を取り付けることができる。
請求項6の発明とすることにより、パネル体が、壁パネルであっても確実に把持部材を取り付けることができる。
請求項7、8の発明とすることにより、把持部材が長尺状であった場合に、左右に離間した目地部への取り付け、同一目地部の上下への取り付けができることになり、把持部材の多様な取り付けに対応できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】間仕切りパネルの正面図である。
図2】間仕切りパネルの側面図である。
図3】(A)(B)(C)はパネル体の平面断面図、背面図、要部拡大背面図である。
図4】(A)(B)はパネル体を下地材に組付けた状態を示す断面正面図、断面側面図である。
図5】手摺り取り付け部位の一部断面正面図である。
図6】(A)(B)は手摺り取り付け部位の平面断面図、側面断面図である。
図7】手摺り取り付け部位の分解平面図である。
図8】(A)(B)(C)(D)は取り付け金具の正面図、側面図、平面図、分解側面断面図である。
図9】(A)(B)は縦向きの手摺りを取り付けた状態を示す間仕切りパネルの正面図、側面拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は室内空間を仕切るため設けられる間仕切りパネルであって、該間仕切りパネル1は、間仕切りパネル1の表裏面(前後面)パネルとなる表裏のパネル体2を用いて構成されるが、該パネル体2は、表裏面において隣接するものが、後述するよう凹溝状の目地部Mを存する状態で左右方向に面一状(一連状)に連結するよう配されている。
そして前記パネル体2は、表面板3と、該表面板3の内面(裏面)に固着(接着)された石膏やケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム等の物質を素材とするボード板4とを用いて構成されるが、表裏一対のパネル体2は、表裏(前後)方向に空隙を存する状態で対向配設され、該空隙に設けた縦支柱となる下地材5に裏面が取り付け支持されている。
【0009】
具体的には、前記パネル体2の表面板3は、パネル体2の左右端縁部において表裏方向内側に向けてコ字形に折り返された端縁部3aが設けられたものであり、該端縁部3aの内側片部3bに係止孔3cが形成されているが、該係止孔3cには、係止金具6の一端部6cを抜き差し自在に嵌入する状態で係止する構成になっている。
【0010】
一方、前記下地材5は、跨部5a、脚部5b、そして該脚部5bから対向間側に折曲した先端部5cとを備えたC型形状をし、床面と天井面とのあいだに、脚部5bが表裏方向に向くよう立設されるが、該脚部5bに形成された係止孔5dに、前記係止金具6の他端部6bが抜き差し自在に嵌入する状態で係止溝6aが係止する構成になっている。
【0011】
そして前記パネル体2を下地材5に取り付ける手順としては、例えば、下地材5に設けた係止孔5dに係止金具6を係止した状態で、該係止した係止金具6に、パネル体2の表面材3に設けた係止孔3cを嵌入係止することでよく、このようにして下地材5に、表裏パネル体2の裏面側が支持された状態の間仕切りパネル1を組み立てることができるようになっている。尚、下地材5に対するパネル体2の取付け構造については、本実施の形態のものに限定されないことは勿論であって、通常知られた取り付け構造を必要において適宜採用した構成にできることは言うまでもない。
そしてこのように表裏面側において、パネル体2が左右に隣接する状態で取り付けられた場合に、左右に隣接するパネル体2の端縁部間には、下地材5の脚部5bが溝底面となり、表面板端縁部3aの先端片部3dが溝側面となって外部から目視(視認)される上下方向に長い凹溝状の目地部Mが形成されたものとなっている。
【0012】
このように構成された間仕切りパネル1の表面側(表裏一方の面側)のパネル体2に、左右方向に長い手摺り7を取り付け金具(取り付け具)8を用いて取り付ける事例について説明するが、このものでは手摺り7の左右両端部には、円弧(円板)形状をしたフランジ(鍔)状の基端部7aが形成されるが、該基端部7aは、目地部Mを介して隣接するパネル体2の表面板3間に亘る(至る)よう幅広となっている。
一方、取り付け金具8は、前記手摺り7の基端部7aの形状に対応した取り付け部8aを備えて構成されるが、該取り付け部8aは、手摺り基端部7aを当てがうようにして当接し、ネジ材(ビス)9を介して取り付け固定できるように構成されている。尚、手摺り7の取り付け金具8への取り付け作業は、本実施の形態においては後述するように取り付け金具8を間仕切りパネル1に取り付けた後に行われることになる。
【0013】
前記取り付け金具8には、取り付け部8aの裏面から嵌入部8bが突出するように設けられるが、該嵌入部8bは、取り付け部8aに収まる(取り付け部8aからはみ出ない)寸法で形成されたものであって、目地部Mの長溝方向(上下方向)に沿うよう長尺状で目地部Mに嵌入する幅を有した長四角柱形状をしている。そして嵌入部8bは、長尺方向両端側部位を取り付け部8aから螺入したネジ材10を介して該取り付け部8aに着脱自在に取り付け固定できるように構成されており、このようにすることで、嵌入部8bを、後述するように先端8cが目地部Mの溝底となる下地材脚部5bに当接するよう、目地部Mの溝深さ、溝幅に対応したものに交換可能となっている。
【0014】
そして取り付け金具8を、嵌入部8bを目地部Mに嵌入し、取り付け部8aをパネル体2の表面板3に当接する状態で下地材5に取り付けることになるが、この場合に、取り付け部8aの裏面は、隣接するパネル体2の両表面板3に、あいだに目地部Mを介する状態で当接(面接触)することになるが、このようにしたときには、嵌入部8bの先端8cが、下地材5の脚部5b、つまり目地部Mの溝底部に当接することになって取り付け金具8は嵌入部8bが下地材5に受止め支持されれた状態になり、この状態で、前記ネジ材10間に配した上下二か所のビス孔(取り付け部8aと嵌入部8bとに一連状に形成されている。)8dから挿入したネジ材(ビス)11を遊嵌し、下地材5に螺入することで取り付け金具8の下地材5への取り付け固定ができるようになっている。尚、これらビス10、11の数や位置については、必要において適宜変更できるものであることは言うまでもない。
そしてこのようにして取り付けられた取り付け金具8に、前述したように手摺り7の基端部7aをネジ材9を介して取り付けることで、該手摺り7は下地材5に取り付け支持された状態でパネル体2に取り付けられるようになっている。
尚、図中、12は天井面Hに取り付けられる上レール、13は床面Fに設けられる下レールであって、下地材5は、これら上下レール12、13に支持される状態で取り付けられている。また14は左右の下地材5間に設けられる横支柱である。
【0015】
叙述の如く構成された本実施の形態において、間仕切りパネル1を構成するパネル体2に左右方向に長い手摺り7を、取り付け金具8を用いて取り付ける場合に、該取り付け金具8の構成部材である嵌入部8bを凹溝状の目地部Mに嵌入して取り付け部8aを左右に隣接するパネル体2の表面板3に当接した状態にセットすると、嵌入部8bの先端8cが目地部Mの溝底面となる下地材5の脚部5bに当接した状態になる。そしてこの状態で、ネジ材11をネジ孔8dに遊嵌させて下地材5に螺入することで、取り付け金具8の目地部Mへの取り付け固定ができ、該取り付けられた取り付け金具8の取り付け部8aに、把手7の基端部7aをネジ材9を介して取り付け固定することで手摺り7の取り付けができることになる。
【0016】
そしてこのように手摺り7が取り付け金具8を用いて取り付けられたものにおいては、該取り付け金具8に設けた嵌入部8bが目地部Mに嵌入する状態で手摺り7を下地材5に取付け固定することができる結果、嵌入部8bが補強部材となって、パネル体2の裏面側を支持する下地材5に強固に支持できることになり、後付けとして手摺り7を取り付ける場合であっても、下地材5を交換したりして補強するような必要がなく、既存の下地材5をそのまま利用して手摺り7を強固に取り付けすることができることになる。
【0017】
しかもこの場合に、嵌入部8bは先端8cが下地材5の脚部5bに当接しているため、より強度的に優れた状態での把持部材の取り付けが簡単にできることになる。
そのうえ嵌入部8bは、目地部Mの長さ方向に対応するよう長尺状に構成され、そして取り付け金具8としては、嵌入部8bの長尺方向の二点で下地材5にネジ材11を介して固定されるため、嵌入部8bが位置ずれしたりすることなく強固な取り付けが確実にできることになる。
この場合の手摺り7は、長尺状をしたものであっても、両端縁部が取り付け金具8を介して取り付けられることになって、下地材を有効に利用した強固な取り付けが確実にできることになる。
【0018】
さらにまた前記実施の形態のものでは、手摺り7は長尺状となっていて、両端部が左右に離間した目地部Mに取り付け金具8を介して取り付けられる構成にしたが、これに限定されるものでなく、図9に示す第二の実施の形態のように、両端部が同一の目地部Mの上下に取り付け金具8を介して取り付けられる縦姿勢のものとしての取り付けもできることは言うまでもない。
【0019】
またさらに前記実施の形態においては、長尺状の手摺り7を横向き(水平状)または縦向きの姿勢でパネル体2に取り付ける実施の形態のものについて説明をしたが、長尺状の把持部材としては、二か所での取り付けをするものに限定されず、中間部位を含めた三か所以上の取り付けをするものであってもよく、さらに把持部材としては手摺り7に限定されるものでなく、手掛けや把手、肘掛けのような長さがある長尺状のもの、さらにはこのような長尺物に限定されず、例えば握り(摘み)のように点在的(一点状)に設けられる把持部材であっても本発明を実施することができる。
【0020】
また前記実施の形態のものは、パネル体2を、間仕切りパネル1を構成するためのパネル体2として説明し、下地材5としては、室内空間に立設されていてパネル体2の裏面側を支持している構成の縦支柱について説明したが、これに限定されるものでなく、パネル体としては、裏面側が躯体側壁面に設けた下地材(縦支柱または横支柱)に支持されることで壁パネルを構成するためのパネル体であっても本発明を同様にして実施できることは言うまでもない。
さらに本発明は、このようなパネル体が、廊下や室内のように床面が平面状の部所に設けられたものであって、把持部材を横向きまたは縦向きに取り付けられるものである場合には、前記実施の形態のようにして実施することができるが、例えば階段や玄関の出入り口のように把持部材を傾斜した状態で取り付ける必要がある場合には、該傾斜に沿って本発明を実施して取り付けることができることは言うまでもない。
しかもこのように間仕切りパネルや壁パネルを構成するため設けられるパネル体としては、縦向きの目地部のものに限定されず、横向きの目地部のものであっても勿論本発明を実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、壁パネルや間仕切りパネルを構成するパネル体に把手、手摺り等の把持部材を取り付けるパネル体への把持部材の取り付け構造として利用することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 間仕切りパネル
2 パネル体
5 下地材
5b 脚部
7 手摺り
7a 基端部
8 取り付け金具
8a 取り付け部
8b 嵌入部
8c 先端
11 ネジ材
M 目地部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9