IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社コロナの特許一覧

<>
  • 特開-家電機器 図1
  • 特開-家電機器 図2
  • 特開-家電機器 図3
  • 特開-家電機器 図4
  • 特開-家電機器 図5
  • 特開-家電機器 図6
  • 特開-家電機器 図7
  • 特開-家電機器 図8
  • 特開-家電機器 図9
  • 特開-家電機器 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168916
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】家電機器
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/105 20200101AFI20221101BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20221101BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20221101BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20221101BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20221101BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20221101BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221101BHJP
【FI】
H05B47/105
F21V23/00 140
F21V33/00 300
F21S2/00 390
F24C15/00 Z
F24C15/00 U
G02F1/13357
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074600
(22)【出願日】2021-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】笠輪 裕士
(72)【発明者】
【氏名】栗林 清人
【テーマコード(参考)】
2H391
3K014
3K273
【Fターム(参考)】
2H391AA01
2H391CB01
2H391FA01
3K014AA01
3K273PA09
3K273QA29
3K273SA22
3K273SA32
3K273SA50
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA17
3K273TA28
3K273TA39
3K273TA41
3K273UA27
3K273VA10
(57)【要約】
【課題】効果的な床面照明が実現可能な家電機器を提供する。
【解決手段】主制御基板70は、表示部37のバックライト37aが点灯した状態でフロアLED121の点灯指示があったと判断したら、バックライト37aの輝度を低下させるので、表示部37の輝度が低下し筐体30の床面の明るさが際立つため、特に寝室における就寝時等で室内の照明を暗くしたとき、表示部37のバックライト37aによりフロアLED121による床面照明が阻害されず、床面照明の効果を高めることができる。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に配設されバックライトを有した表示部と、
前記筐体に配設され床面を照らす発光手段と、
前記バックライト、及び前記発光手段の点灯と消灯とを切り替え可能で、少なくとも前記バックライトの輝度を調節可能な制御部と、を備え、
前記制御部は、前記バックライトが点灯した状態で前記発光手段の点灯指示があったと判断したら、前記バックライトの輝度を低下させることを特徴とした家電機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記バックライトが点灯した状態で前記発光手段の点灯指示があったと判断したら、前記バックライトを最低輝度で点灯させることを特徴とした請求項1記載の家電機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記発光手段の消灯指示があったと判断したら、前記バックライトの輝度を上昇させることを特徴とした請求項1または2記載の家電機器。
【請求項4】
前記バックライトと前記発光手段とは、共通した基板から電力が供給されることを特徴とした請求項1から3のいずれか1項に記載の家電機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、家電機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものでは、家電機器の一種である暖房機において、現在時刻や操作部における設定内容等をバックライトが点灯することで表示する表示部を筐体の側面に配設したものがあった。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-51957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この従来のものでは、筐体が載置された床面を照らす発光手段による間接照明機能について、何ら開示されていない。仮に発光手段による間接照明機能を追加した場合、就寝時等で室内の照度が低い環境下において発光手段での間接照明を実施することが考えられるが、発光手段と共に表示部のバックライトが点灯していると、発光手段による間接照明の照度が相対的に低く感じられ、間接照明としての効果を損ねる虞があることから、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、筐体に配設されバックライトを有した表示部と、
前記筐体に配設され床面を照らす発光手段と、
前記バックライト、及び前記発光手段の点灯と消灯とを切り替え可能で、少なくとも前記バックライトの輝度を調節可能な制御部と、を備え、
前記制御部は、前記バックライトが点灯した状態で前記発光手段の点灯指示があったと判断したら、前記バックライトの輝度を低下させることを特徴とした。
【0006】
また、請求項2では、前記制御部は、前記バックライトが点灯した状態で前記発光手段の点灯指示があったと判断したら、前記バックライトを最低輝度で点灯させることを特徴とした。
【0007】
また、請求項3では、前記制御部は、前記発光手段の消灯指示があったと判断したら、前記バックライトの輝度を上昇させることを特徴とした。
【0008】
また、請求項4では、前記バックライトと前記発光手段とは、共通した基板から電力が供給されることを特徴とした。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、発光手段による間接照明の効果が損なわれることがないため、製品の使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る暖房機の一実施形態を示す暖房機の右前方から見た斜視図。
図2】暖房機の前板および左右パネルを取り外し、右前方から見た斜視図。
図3図1のIII-III線に沿う断面図
図4】暖房機の機能ブロック図。
図5】暖房機の下板、基板、カバーを説明する斜視図
図6】暖房機の下板を説明する斜視図
図7】暖房機の下板を説明する底面視図
図8図7のVIII-VIII線に沿う断面図
図9】本実施形態における表示部のバックライトの輝度調節について説明するフローチャート
図10】本実施形態におけるフロアLEDの点灯と表示部のバックライトの輝度調節について説明するタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る家電機器の一種である暖房機の実施形態を図1から図4を参照して説明する。
【0012】
以下の説明において、「前(前面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「右」、および「左」は、図1から図3における定義に従う。また、上下方向は、暖房機1の設置時における鉛直方向に対応する。前後方向および左右方向は、暖房機1の設置時における水平方向に対応する。
【0013】
暖房機1は、放熱部10と、ヒータ20と、筐体30と、主制御基板70と、電源基板80と、を主に有する。
【0014】
放熱部10は、上段放熱部10a、中段放熱部10b、および下段放熱部10cを有する。上段放熱部10a、中段放熱部10b、および下段放熱部10c(以下これらを区別しない場合、単に「放熱部10」という。)は、それぞれ上段ヒータ20a、中段ヒータ20b、および下段ヒータ20c(以下これらを区別しない場合、単に「ヒータ20」という。)を内部に収容し、ヒータ20の熱を外表面から放熱する。放熱部10は、例えばアルミニウム合金のダイカスト成形品である。放熱部10は、ヒータ収容部11と、複数のフィン12と、を有する。ヒータ収容部11は、前後方向に沿う面方向を有する2枚の板状部材13の間に形成され、ヒータ20を収容する。フィン12は、板状部材13から略垂直に左右方向に突出し、上下方向に延びる(上下方向に沿う面方向を有する)。フィン12は、前後方向に沿って、例えば略等間隔で配列される。放熱部10は、左右側面においてボルト14により固定具15と連結される。放熱部10は、この固定具15を介して一対の遮熱板50に固定(架設)される。
【0015】
ヒータ20は、両端に端子21を有する、例えばシーズヒータである。ヒータ20は、主に前後方向に延びたU字形状を有する。ヒータ20は、端子21を放熱部10から露出してヒータ収容部11に収容されている。ヒータ20は、放熱部10の内部に鋳込まれることにより、放熱部10と一体成形される。
【0016】
筐体30は、放熱部10を収容し、暖房機1の外郭をなす。筐体30は、前板31と、後板32と、下板33と、上カバー34と、左右パネル35と、遮熱板50と、仕切板60と、を有する。前板31、後板32、下板33、上カバー34、および左右パネル35は、例えば冷間圧延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板などの薄鋼板からなる。遮熱板50および仕切板60は、例えば薄鋼板からなる。
【0017】
前板31は、暖房機1の前面に沿って配置される。前板31は、表示部37と、操作部38と、前側取っ手39と、を有する。表示部37は、暖房機1の運転状態や操作内容を表示する、例えば液晶表示パネルとして前板31に配設される。操作部38は、暖房機1の電源のオン、オフや、運転内容の指示を受け付ける。前側取っ手39は、表示部37の上方に配置され、ユーザによる暖房機1の移動に用いられる。後板32は、暖房機1の後面に沿って配置される。後板32は、前側取っ手39と前後方向において対になる位置に、後側取っ手(図示せず)を有する。
【0018】
下板33は、暖房機1の下面に沿って配置される。下板33は、前板31、後板32、および遮熱板50のベースで、筐体30を載置する。下板33は、暖房機1を移動するために用いられる脚部としての一対のキャスター付脚41を下方の前後方向において対になる位置に有する。キャスター付脚41は、下板33の水平方向両端となる前後方向の端部と接続する。
【0019】
また、下板33は、前後方向においてヒータ室30aおよび基板室30bに亘って配置される。ヒータ室30a側に位置する下板33は、ヒータ室30aに空気を取り入れる格子状のヒータ室側吸込口40aを有する。基板室30b側に位置する下板33は、基板室30bに空気を取り入れる基板室側吸込口40bを有する。すなわち、基板室側吸込口40bは、基板室30bにおける鉛直方向下方に設けられる吸込口である。
【0020】
上カバー34は、暖房機1の上面に沿って配置される。上カバー34は、グリル42と、金網43と、パネル取付具45と、を有する。グリル42は、ヒータ室側吸込口40aまたは基板室側吸込口40bから取り入れられ、暖房機1内を下から上に向かって流れる空気を吹き出すヒータ室側吹出口46aを有する。金網43は、ヒータ室側吹出口46aを塞ぐように、グリル42の下方に配置される。パネル取付具45は、金網43の下方に配置され、一対の遮熱板50間に前後に架設された枠部材である。パネル取付具45は、左右パネル35を固定するための構造である爪部45aを左右の枠面に有する。
【0021】
左右パネル35は、暖房機1の左右側面に沿ってそれぞれ配置される。左右パネル35は、放熱部10からの高温の熱に対するユーザの安全性を確保するため、放熱部10を覆って遮蔽する。これにより、暖房機1の内部はユーザにより視認されない。
【0022】
左右パネル35は、上端に内面方向の折返し(図示せず)を有する。左右パネル35の上端は、この折り返しをパネル取付具45の爪部45aに引っ掛けることにより固定されている。左右パネル35の下端は、下板33にネジ止めされることにより固定されている。また、左右パネル35の前後端は、前板31および後板32にそれぞれ係止されている。左右パネル35の中央部36aは、外縁部36bに対して放熱部10から離れるように膨出した形状を有している。これにより左右パネル35は、遮熱板50とは非接触に固定されているとともに、放熱部10との間に一定の隙間が設けられている。このため、左右パネル35は、過剰な温度上昇が抑制されている。
【0023】
遮熱板50は、放熱部10からの熱を、前板31および後板32と放熱部10との間で遮熱する。遮熱板50は、下板33に下部が固定され、遮熱板50の上方に位置するパネル取付具45に上部が固定される。これにより、遮熱板50、パネル取付具45および下板33は、暖房機1(ヒータ室30a)の内部骨格を構成している。
【0024】
前方に配置され、前板31と対向する前遮熱板51は、主制御基板70、電源基板80、リード線87などの電子部品と、放熱部10との間を前後方向(鉛直方向に直交する水平方向)に仕切り、放熱部10と電子部品とを隔離する。すなわち、前遮熱板51は、筐体30がヒータ20を収容するヒータ室30aと、電源基板80、サーモスタット85、リード線87および主制御基板70を収容する基板室30bと、を有するように、筐体30内部を区画する。前遮熱板51は、鉛直方向上方に、基板室側吹出口46b(吹出口)を有する。基板室側吹出口46bは、基板室30bを自然対流で上昇する空気をヒータ室30a側に放出する。
【0025】
仕切板60は、基板室30b内に配置され、基板室30bを電源基板80およびリード線87を含む第一空間90と、主制御基板70を含む第二空間91と、に仕切る。第二空間91は、仕切板60が位置する上下方向の範囲において、仕切板60より前方に位置する空間である。第一空間90は、基板室30bにおける第二空間91以外の空間である。なお、図2および図3から明らかなとおり、第一空間90と第二空間91とは、仕切板60により全ての境界が明確に隔離されているわけではない。
【0026】
仕切板60は、基面61と、傾斜面62と、固定片63と、を有する。基面61は、上下方向に沿う面方向を有する平板である。基面61は、図3に示すように、主制御基板70よりも後方であって、電源基板80およびリード線87よりも前方に配置される。基面61の上端61a(仕切板60の上端)は、電源基板80からの放熱、およびリード線87からのノイズを考慮して、主制御基板70の上方に位置する。基面61の左右の辺61bと遮熱板50との間には、遮熱性およびノイズに対する遮蔽性から、隙間が設けられないのが好ましい。
【0027】
傾斜面62は、基面61の下端(基面下端61c)と連続的に形成された平板であり、基面下端61c位置から下方に向けて前板31に近づくように傾斜する。傾斜面62の下端(傾斜面下端62c)は、前板31に対して隙間92を有する。傾斜面下端62cは、主制御基板70よりも下方に位置する。固定片63は、基面61の左右の辺61bに断続的に設けられ、仕切板60を前遮熱板51の左右側面51aに固定する。
【0028】
仕切板60は、傾斜面下端62c(仕切板60の下端)において、基板室側吸込口40bから吸い込まれ基板室側吹出口46bに向う空気の流路を、第一流路と、第二流路と、に分岐する。第一流路は、第一空間90を経由する、すなわち仕切板60の後方を経由する流路である。第二流路は、第二空間91を経由する、すなわち仕切板60の前方を経由する流路である。
【0029】
主制御基板70は、暖房機1を統括的に制御するマイクロコンピュータを有する回路基板である。主制御基板70は、操作部38を介してユーザの指示を受け付け、この指示に基づいて電源基板80からヒータ20への電源の供給を制御する。また、主制御基板70は、必要な情報を表示するため表示部37を制御する。主制御基板70は、表示部37および操作部38とともに、前板31の表示部37および操作部38の背面側に固定されている。
【0030】
また、表示部37の背面側には、複数の発光素子で構成されたバックライト37aが設置されている。バックライト37aは、点灯時の輝度を複数段階で調節可能である。主制御基板70は、操作部38での操作を受けて電源基板80からバックライト37aへ電力を供給し、ユーザが所望する輝度に調節することができる。
【0031】
操作部38は、運転スイッチ38a、フロアLEDスイッチ38b、及びセレクトキー38cで構成されている。主制御基板70は、運転スイッチ38aがON操作を受けたと判断したら、ヒータ20を駆動させて暖房運転を開始させると共に、表示部37のバックライト37aを予め設定した輝度で点灯させ、運転スイッチ130がOFF操作されたと判断したら、ヒータ20を停止させて暖房運転を終了させると共に、表示部37のバックライト37aを所定時間経過後に消灯する。
【0032】
主制御基板70は、フロアLEDスイッチ38bがON操作されたと判断したら、後述するフロアLED121を予め設定した輝度で点灯して筐体30が設置された床面を照らし、フロアLEDスイッチ131がOFF操作されると、フロアLED121を消灯する。
【0033】
セレクトキー38cは、表示部37のバックライト37aの輝度、及び発光手段120のフロアLED121の輝度をキー操作により調節可能である。バックライト37aの輝度は、明るい、標準、及び暗いの3段階で設定可能であり、明るいが最も輝度が高く、暗いが最低輝度となる。フロアLED121の輝度は、最も明るく輝度が高いレベル5から最も暗く輝度が低いレベル1の5段階で設定可能である。
【0034】
図4を参照する。電源基板80には、100Vの交流電源を定格電圧(例えば12V)の直流電源に変換するトランス、整流回路、平滑回路で構成された電源回路84が配置されている。主制御基板70と電源回路84とが接続され、表示部37のバックライト37aと発光基板122に配置されたフロアLED121とは、電源回路84から送電される定格電圧値内の直流電源による電力で駆動する。83はヒューズであり、電源回路84に異常な大電流が流れるのを阻止し、電源回路84を保護する。
【0035】
主制御基板70は、室温サーミスタ71およびプラグサーミスタ72と接続されている。室温サーミスタ71は、キャスター付脚41に固定され、暖房機1の外部の温度を室温として検出する。主制御基板70は、室温サーミスタ71から得られた室温に基づいて、ヒータ20の出力を制御する。プラグサーミスタ72は、電源プラグ86内に収容されたサーミスタであり、電源プラグ86の温度を検出する。主制御基板70は、プラグサーミスタ72から、トラッキング現象などが発生したとみなされる異常な高温を検出した場合、暖房機1の電源をオフする(ヒータ20への電力供給を停止する)。
【0036】
電源基板80は、主制御基板70の制御に基づいて、各ヒータ20へ電源を供給する。電源基板80は、ヒータ制御部81と、電源回路84と、を主に有する。ヒータ制御部81は上段ヒータ20a、中段ヒータ20b、及び下段ヒータ20cのそれぞれに対し、上段ヒータ制御部81a、中段ヒータ20制御部81b、及び下段ヒータ制御部81cとして配置されている。ヒータ制御部81は、主制御基板70から図示しないフォトカプラを介して送信された各ヒータ20の駆動有無を、図示しないトライアックにより交流電力の供給を制御することで切り替える。ヒータ制御部81内にあるヒートシンク82は、ヒータ制御部81を構成するトライアックの熱を放熱する。
【0037】
また、電源基板80は、サーモスタット85および電源プラグ86と接続されている。サーモスタット85は、リード線87および電源基板80を介して電源プラグ86と直列に接続されている。サーモスタット85は、電源基板80の鉛直方向上方であって、かつ主制御基板70および仕切板60よりも上方に配置される。サーモスタット85は、前遮熱板51に固定され、基板室30bの雰囲気温度が異常な高温となった場合、暖房機1の電源をオフする(ヒータ20への電力供給を遮断する)。
【0038】
主制御基板70は、電源基板80とサーモスタット85の間であって、第二空間91に配置されている。電源基板80は、主制御基板70の下方であって、第一空間90に配置されている。また、リード線87は、第一空間90を上下方向に延びている。
【0039】
次に、図5から図8を参照して下板33の略中央部付近の構造について詳述する。
【0040】
100は下板33の略中央に形成され内部が中空で下面100aが開放された収納部である。収納部100は、暖房機1を床面に設置したとき、下面100aが床面と所定距離だけ離れた状態で対向する。収納部100は、前後方向の側面に上穴101が形成され、上穴101の左右それぞれに下穴102が形成されている。上穴101と下穴102は、上穴101が下穴102の上方となるよう、上下方向に分離するように形成されている。収納部100は、上面に3箇所の係止孔103とネジ止め孔104とが形成されている。収納部100は、左側面に後述する結線123が通過する結線穴105が形成されている。収納部100は、上端面に後述する発光基板122を係止する基板係止ツメ106が形成されている。
【0041】
110は収納部100の下面100aを覆うように設置する透光性を有し上方視略円形状のカバー面110aを有したカバーである。カバー110は、側面端部の2箇所にツメ111が形成され、ツメ111の左右に凸部112が形成されている。ツメ111、及び凸部112は弾性を有している。
【0042】
ユーザがカバー110を収納部100の下面100aに合わせて上方に持ち上げると、ツメ111が上穴101に嵌まり込み、凸部112が下穴102に嵌まり込むことで、カバー110が下面100aに装着される。ツメ111が上穴101の嵌まり込むことで、カバー110の脱落を防止できる。凸部112が下穴102に嵌まり込むことで、カバー110が水平方向へ回転することでの位置ずれを阻止できる。
また、ユーザがツメ111を収納部100の中心方向へ撓ませ、上穴101からツメ111を抜き出して下方へ引っ張ることで、カバー110を下面100aから取り外すことができる。
【0043】
120は収納部100内に収納されるように配設した発光手段である。発光手段120は、LEDで構成されたフロアLED121と、フロアLED121が略中央に設置されマイコンで構成された発光基板122と、一端が発光基板122と接続し他端が主制御基板70と接続する結線123と、で構成されている。
【0044】
フロアLED121は、ユーザによる操作部38のフロアLEDスイッチ38bの操作を受け、フロアLED121の点灯、及び消灯を切り替える。フロアLED121の点灯状態は、操作部38のセレクトキー38cにより複数段階で輝度が設定可能であり、主制御基板70は、セレクトキー38cの操作を受けてフロアLED121が所定の輝度となるよう調節する。
【0045】
発光基板122は、図示しない3箇所に形成された引っ掛け部が係止孔103に引っ掛かり、端部が基板係止ツメ106により係止され、ネジ124が発光基板122に形成されたネジ孔122aを貫通してネジ止め孔104に螺着されることで、収納部100の上端略中央に配設される。収納部100に発光基板122が配設されると、フロアLED121と床面との間の距離が確保され、フロアLED121の点灯時に筐体30の床面をムラなく照らすことができる。暖房機1が設置された部屋が消灯しフロアLED121が点灯した状態のとき、暖房機1の位置をユーザが容易に把握することができる。
【0046】
結線123は、収納部100の結線穴105を介して主制御基板70に接続されている。操作部38の指示、及び電源基板80の電流を発光基板122へ送電し、フロアLED121を所定の輝度で発光、あるいは消灯させる。
【0047】
通常運転時、ヒータ20に通電されることで放熱部10付近が加熱され、筐体30の下部から上部へ向かう空気の流れが発生する。このとき、下板33のヒータ室側吸込口40aを通過した空気の一部が、下穴102にある凸部112との隙間を通過して収納部100内に入る。収納部100内に入った空気は、上穴101にあるツメ111との隙間、あるいは結線穴105を通過して収納部100外へ抜ける。収納部100内に空気の流れが発生し、室内空気が発光基板122付近を通過して発光基板122が冷却される。
【0048】
収納部100内に設置された発光基板122は、下段ヒータ20cがその上部に位置する。ヒータ20の駆動時、発光基板122はヒータ20の熱影響により温度が上昇しやすい。上穴101、下穴102、結線穴105により収納部100内に空気の流れが発生することで、発光基板122が冷却され温度上昇を未然に阻止できる。発光基板122が温度上昇し、発光基板122に配置された機能部品が熱損傷することが阻止できる。
【0049】
また、上穴101、下穴102、及び結線穴105は収納部100の側面に形成されている。収納部100の上方には下段ヒータ20cが位置し熱の影響を受けやすい。収納部100の側面に各穴が形成されたことで、下段ヒータ20cの影響を受けず空気が流れる。発光基板122を効率よく冷却することができる。
【0050】
また、下板33のヒータ室側吸込口40aの略中央に発光手段120を内部に収納した収納部100が位置するので、ヒータ20が駆動することで格子状のヒータ室側吸込口40aを通過し、筐体30を上昇する自然対流によるドラフトの偏りが抑制でき、均一なドラフトが実現できる。ヒータ室側吹出口46aから均一に空気が上昇し、暖房感を損なうことがない。
【0051】
また、下板33のヒータ室側吸込口40aの略中央に発光手段120を内部に収納した収納部100が位置するので、フロアLED121とキャスター付脚41との間が前後方向において等間隔となる。フロアLED121が点灯したとき、キャスター付脚41により不自然な影が床面に発生することがないため、自然な間接照明が実現できる。
【0052】
ここで、本実施形態においては、主制御基板70は、操作部38のフロアLEDスイッチ38bのON/OFF操作により表示部37のバックライト37aの輝度を調節する制御部として機能する。以下、主制御基板70による、バックライト37aの輝度制御の詳細について、図9のフローチャートに基づいて説明する。
【0053】
主制御基板70は、操作部38のフロアLEDスイッチ38bがON操作されフロアLED121の点灯指示が出されたか判断し(ステップS101)、点灯指示が出されたと判断したら、フロアLED121を予め設定された輝度で点灯させると共に、表示部37のバックライト37aの輝度を最低輝度である暗いに変更する(ステップS102)。また、主制御基板70は、フロアLEDスイッチ38bによりフロアLED121の点灯指示が出されていないと判断したら、ステップS101の判断を繰り返す。
【0054】
前記ステップS102の処理が完了したら、主制御基板70は、フロアLEDスイッチ38bがOFF操作されフロアLED121の消灯指示が出されたか判断し(ステップS103)、フロアLED121の消灯指示が出されたと判断したら、フロアLED121を消灯すると共に、表示部37のバックライト37aの輝度を暗いに変更する前の設定値に戻す(ステップS104)。また、主制御基板70は、フロアLEDスイッチ38bによりフロアLED121の消灯指示が出されていないと判断したら、ステップS103の判断を繰り返す。
【0055】
暖房機1の運転実施有無に関わらず、フロアLEDスイッチ38bは操作可能である。暖房運転を実施していない状態でフロアLEDスイッチ38bがON操作されフロアLED121の点灯指示が出された場合、表示部37のバックライト37aは輝度設定を暗いに変更して点灯した後、表示部37により運転状態を確認する必要がないため、所定時間(例えば1分)後、バックライト37aは消灯する。
【0056】
次に、暖房運転の開始から停止における各時点でのフロアLED121の点灯状態による表示部37のバックライト37aの輝度の変化について、図10に基づいて詳述する。
【0057】
主制御基板70は、操作部38の運転スイッチ38aがON操作され暖房運転の実施指示があったと判断したら、各ヒータ20を所定の電力で駆動させ室内を加熱する暖房運転を開始し、表示部37のバックライト37aをセレクトキー38cで予め設定した輝度(ここでは標準)で点灯する。
【0058】
暖房運転開始後、主制御基板70は、フロアLEDスイッチ38bがON操作されたらと判断したら、フロアLED121をセレクトキー38cで予め設定した輝度(ここではレベル3)で点灯すると共に、表示部37のバックライト37aの輝度を暗いに変更する(T1)。
【0059】
フロアLED121が点灯したとき、表示部37のバックライト37aを最低輝度である暗いに変更することで、特に就寝時の寝室等で室内を暗くしているとき、表示部37の明るさが抑えられ、フロアLED121による床面照明の効果が高まる。
【0060】
また、表示部37のバックライト37aと発光基板122のフロアLED121とは、電源基板80内にある共通した電源回路84から受ける定格電圧の直流電源による電力で駆動するため、フロアLED121点灯時にバックライト37aの輝度が低下すると、バックライト37aで消費する電流値が減少するため、フロアLED121の点灯により消費する電流値分を定格電圧値内で確保することができる。これにより、定格電圧値が大きな別の電源回路に変更せずともフロアLED121を所定の輝度で点灯させることができるため、電源回路変更による電源基板80の再設計に伴う手間の増加と、電源回路変更によるコストアップとを未然に阻止できる。
【0061】
フロアLED121を点灯させた後、主制御基板70は、フロアLEDスイッチ38bがOFF操作されたと判断したら、フロアLED121を消灯すると共に、表示部37のバックライト37aを変更前の輝度である標準に戻す(T2)。
【0062】
フロアLED121が消灯したら表示部37のバックライト37aの輝度をフロアLED121点灯前の状態に戻すことで、暖房機1の運転状態等を表示部37でユーザが容易に確認することができる。
【0063】
その後、主制御基板70は、フロアLEDスイッチ38bがON操作されたと判断したら、フロアLED121を点灯すると共に、表示部37のバックライト37aを最低輝度である暗いに再度設定する(T3)。
【0064】
フロアLED121を点灯させた後、主制御基板70は、運転スイッチ38aがOFF操作されたと判断したら、ヒータ20を停止し暖房運転を終了させる(T4)。そして、主制御基板70は、暖房運転の停止指示が出されてから所定時間(ここでは1分)経過したと判断したら、バックライト37aを消灯し表示部37の表示を消す(T5)。
【0065】
その後、主制御基板70は、フロアLEDスイッチ38bがOFF操作されフロアLED121の消灯指示が出されたと判断したら、フロアLED121を消灯する(T6)。
【0066】
次に、本発明の効果を説明する。
【0067】
主制御基板70は、表示部37のバックライト37aが点灯した状態でフロアLED121の点灯指示があったと判断したら、バックライト37aの輝度を低下させるので、表示部37の輝度が低下し筐体30の床面の明るさが際立つため、特に寝室における就寝時等で室内の照明を暗くしたとき、表示部37のバックライト37aによりフロアLED121による床面照明が阻害されず、フロアLED121による間接照明の効果を高めることができる。
【0068】
また、主制御基板70は、バックライト37aが点灯した状態でフロアLED121の点灯指示があったと判断したら、バックライト37aを最低輝度で点灯させるので、表示部37の明るさが最大限低下するので、フロアLED121による間接照明効果を高めることができる。
【0069】
また、主制御基板70は、フロアLED121の消灯指示があったと判断したら、表示部37のバックライト37aの輝度を上昇させるので、床面照明の必要がなくなったときは表示部37の表示内容をユーザが容易に確認可能な状態となるため、暖房機1の使い勝手が向上する。
【0070】
また、表示部37のバックライト37aと発光基板122のフロアLED121とは、電源基板80内にある共通した電源回路84から受ける定格電圧の直流電源による電力で駆動するため、フロアLED121点灯時にバックライト37aの輝度が低下すると、バックライト37aで消費する電流値が減少するため、フロアLED121の点灯により消費する電流値分を定格電圧値内で確保することができる。これにより、定格電圧値が大きな別の電源回路に変更せずともフロアLED121を所定の輝度で点灯させることができるため、電源回路変更による電源基板80の再設計に伴う手間の増加と、電源回路変更によるコストアップとを未然に阻止できる。
【0071】
なお、本実施形態ではヒータ20を駆動させ室内を加熱する暖房運転時において、フロアLEDスイッチ38bをON/OFF操作したときにおけるバックライト37aの輝度について主に説明したが、暖房運転の実施有無に関わらずフロアLED121は点灯可能であり、バックライト37aの輝度変更も実施する。主制御基板70は、暖房運転停止時にフロアLEDスイッチ38bがON操作されたと判断したら、表示部37のバックライト37aの輝度を最低輝度である暗いに変更して点灯させると共に、フロアLED121を設定されたレベルの輝度で点灯させる。
【0072】
これにより、筐体30を暖房機として使用せずとも床面照明が実施できるので、夜間に室内の照明を点灯させずともフロアLED121による床面照明のみで床面の状態を確認して室外へ退出できるため、使い勝手が向上する。
【0073】
また、本実施形態では家電機器の一種である暖房機の下面にフロアLEDを搭載し、床面の間接照明を実施したときにおける表示部のバックライトの輝度変更について説明したが、本発明の適用範囲は暖房機に限られるものではない。例えば、筐体内に低温の冷媒や水等の熱媒が循環する熱交換器を備え、当該熱交換器へファンにより送風することで送風口から冷風を吹き出す冷風機等において本発明を適用したものであってもよく、家電機器の種類は特に限定されないものである。
【符号の説明】
【0074】
30 筐体
37 表示部
37a バックライト
38 操作部
38b フロアLEDスイッチ
70 主制御基板(制御部)
80 電源基板
120 発光手段
121 フロアLED
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10