(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168941
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20221101BHJP
【FI】
A63F5/04 601B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074647
(22)【出願日】2021-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】720010855
【氏名又は名称】山佐ネクスト株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐野 詳一
(72)【発明者】
【氏名】大橋 智貴
(72)【発明者】
【氏名】児玉 朋洋
【テーマコード(参考)】
2C182
【Fターム(参考)】
2C182DA02
2C182DA12
2C182DA22
(57)【要約】
【課題】電気検査効率を向上させるとともに、基板面積を低下できる遊技機用基板ユニットを提供する。
【解決手段】表面実装部品であるバッファIC301の接続ポイント502Aと挿入実装部品であるメインCPU61の部品接続用スルーホール500Aとが接続されている場合、検査ポイントを設置せず、バッファIC301の接続ポイント502Bと表面実装部品であるバッファIC302の接続ポイント502Cとが接続され、他の挿入実装部品やコネクタへ接続されていない場合、検査ポイント600Bが電気配線503Bの経路上に1箇所設けられ、接続ポイント502Bから検査ポイント600Bまでの電気配線504Bは正面側に敷設される。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前扉と筐体を備えた遊技機であって、
前記遊技機内部には、制御装置が実装された制御基板が設置され、
前記制御基板は、その一面側に前記制御装置を含む複数の電子部品が配置され、前記遊技機内部に設置された状態で前記前扉を開放状態とすると当該一面側が視認可能となるものであり、
前記複数の電子部品は、
前記制御基板の前記一面側と前記一面側と反対側の他面側とを貫通する開口に端子が挿入されることで実装される挿入実装部品と、
前記開口に端子が挿入されず、当該端子が前記一面側にはんだ付けされることで実装される表面実装部品と、
を含み、
前記制御基板は、
前記一面側に敷設される第1の配線パターンと、
前記他面側に敷設される第2の配線パターンと、
前記第1の配線パターンと前記第2の配線パターンとを接続する第1のスルーホールと、
前記第1のスルーホールよりも面積が大きく、前記第1の配線パターンに接続される第2のスルーホールと、
を備え、
前記表面実装部品の端子と前記挿入実装部品の端子とが接続される経路には、前記第2のスルーホールが設けられず、
前記表面実装部品の端子同士が接続され、前記表面実装部品の端子と前記挿入実装部品の端子とが接続されない特定経路には、前記第2のスルーホールが一か所のみ設けられており、
前記特定経路において、接続される前記表面実装部品の端子のうちの少なくとも1つと前記第2のスルーホールとが接続される特別経路は、前記第1の配線パターンで構成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記制御基板の前記一面側には、前記第2のスルーホールの近傍に当該第2のスルーホールに対応する識別番号が印刷されており、前記他面側には、前記識別番号が印刷されていないことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記表面実装部品は、信号入力端子と信号出力端子を備えるバッファを含み、
1本の信号出力端子から複数のバッファの信号入力端子へ接続するバス接続において、前記特別経路は、当該信号出力端子から前記第2のスルーホールまでの経路で形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記バス接続における前記特定経路は、前記信号出力端子から前記第2のスルーホールまでの前記特別経路以降、前記複数のバッファの前記信号入力端子に対応するために配線パターンが分岐する分岐ポイントまでは、前記第1の配線パターンで構成され、当該分岐ポイントは前記第1のスルーホールにより構成され、以降の前記信号入力端子までの経路は、前記第1の配線パターンと、前記第2の配線パターンと、前記第1のスルーホールのいずれかにより構成されていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記バス接続における前記第2のスルーホールは、それぞれの前記出力端子に接続される前記第2のスルーホールが隣接して特定領域に配置され、前記他面側においては、前記特定領域が、一定電位が供給される電源配線で囲まれていることを特徴とする請求項3または4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記第2のスルーホールは、前記一面側を正面視したときに前記複数の電子部品のいずれとも重複しない位置に配置されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御基板を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機用の制御装置を備えた制御基板は、透明な基板ケースに収容されて遊技機に設置される。こうした制御基板は、ビアに端子を挿入することで実装される挿入実装部品と、実装面にはんだ付けすることで実装される表面実装部品を併用することで、基板面積を縮小しようとするものがある。
【0003】
このとき、表面実装部品は一般的に端子間の距離が狭いため、テスタによる電気検査を行うことが難しくなる。こうした問題に対処するため、表面実装部品の端子に接続する配線に検査用のランドパターンを設けるような技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された構成は、表面実装部品の端子に対応するランドパターンを設けたことによって基板の設計自由度が低下し、基板面積がかえって増大してしまう可能性があるという問題があった。また、どのランドパターンがどの端子に対応するか分かりづらいという問題があった。
【0006】
本発明は、テスタによる電気検査を簡便に行えるようにしつつ、基板面積の縮小化に寄与できる遊技機を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前扉と筐体を備えた遊技機であって、前記遊技機内部には、制御装置が実装された制御基板が設置され、前記制御基板は、その一面側に前記制御装置を含む複数の電子部品が配置され、前記遊技機内部に設置された状態で前記前扉を開放状態とすると当該一面側が視認可能となるものであり、前記複数の電子部品は、前記制御基板の前記一面側と前記一面側と反対側の他面側とを貫通する開口に端子が挿入されることで実装される挿入実装部品と、前記開口に端子が挿入されず、当該端子が前記一面側にはんだ付けされることで実装される表面実装部品と、を含み、前記制御基板は、前記一面側に敷設される第1の配線パターンと、前記他面側に敷設される第2の配線パターンと、前記第1の配線パターンと前記第2の配線パターンとを接続する第1のスルーホールと、前記第1のスルーホールよりも面積が大きく、前記第1の配線パターンに接続される第2のスルーホールと、を備え、前記表面実装部品の端子と前記挿入実装部品の端子とが接続される経路には、前記第2のスルーホールが設けられず、前記表面実装部品の端子同士が接続され、前記表面実装部品の端子と前記挿入実装部品の端子とが接続されない特定経路には、前記第2のスルーホールが一か所のみ設けられており、前記特定経路において、接続される前記表面実装部品の端子のうちの少なくとも1つと前記第2のスルーホールとが接続される特別経路は、前記第1の配線パターンで構成されていることを特徴とする遊技機である。
【0008】
かかる構成にあっては、表面実装部品の端子と挿入実装部品の端子とが接続される経路には、面積が大きく設計されており、電気検査に好適な検査用スルーホールを設けないようにし、検査用スルーホールが必要な経路でも設置する検査用スルーホールを1つに限定することで、設置が必要な検査用スルーホールの数を減らすことができるとともに、この経路については挿入実装部品の端子を電気検査することで対応できるため、検査難度が増大することもない。
【0009】
さらに、表面実装部品の端子から検査用スルーホールまでの経路のうち、少なくとも一つの経路を電子部品が実装される部品実装面であり、店員が日常的に確認を行う一面側に限定することで、一面側を見ると対応する端子から検査用スルーホールまでの経路を確認することができ、例えば、不正のための電極が作られるような不審な形跡が無いかを、制御基板が設置された状態で確認することができる。
【0010】
また、前記制御基板の前記一面側には、前記第2のスルーホールの近傍に当該第2のスルーホールに対応する識別番号が印刷されており、前記他面側には、前記識別番号が印刷されていないことを特徴とする遊技機が提案される。
【0011】
かかる構成にあっては、部品実装面で端子と検査用スルーホールの対応を確認することができるため、他面側に識別番号を印刷するための余計な処理を施す必要が無くなり、コスト削減をすることができる。
【0012】
また、前記表面実装部品は、信号入力端子と信号出力端子を備えるバッファを含み、1本の信号出力端子から複数のバッファの信号入力端子へ接続するバス接続において、前記特別経路は、当該信号出力端子から前記第2のスルーホールまでの経路で形成されていることを特徴とする遊技機が提案される。
【0013】
かかる構成にあっては、検査用スルーホールと接続される配線を実装面で確認することによって信号の流れを把握することができ、例えば、故障原因を調べるため、部品実装面で回路図と対応を取りながら電気検査を行う場合に、検査を簡便に行えるようになる。
【0014】
また、前記バス接続における前記特定経路は、前記信号出力端子から前記第2のスルーホールまでの前記特別経路以降、前記複数のバッファの前記信号入力端子に対応するために配線パターンが分岐する分岐ポイントまでは、前記第1の配線パターンで構成され、当該分岐ポイントは前記第1のスルーホールにより構成され、以降の前記信号入力端子までの経路は、前記第1の配線パターンと、前記第2の配線パターンと、前記第1のスルーホールのいずれかにより構成されていることを特徴とする遊技機が提案される。
【0015】
かかる構成にあっては、バス接続を検査用スルーホールではなく、通常のスルーホールで行うため、バス配線の配線間ピッチを増大させることなく、基板面積の縮小化に寄与することができる。また、バス配線の分岐ポイントまでの経路を部品実装面に限定することで、接続関係がより明確になり、部品実装面で回路図と対応を取りながら電気検査を行う場合に、より検査を簡便に行えるようになる。
【0016】
また、前記バス接続における前記第2のスルーホールは、それぞれの前記出力端子に接続される前記第2のスルーホールが隣接して特定領域に配置され、前記他面側においては、前記特定領域が、一定電位が供給される電源配線で囲まれていることを特徴とする遊技機が提案される。
【0017】
かかる構成にあっては、製造工程において、制御基板を取り外した状態で裏面の検査用スルーホールにテスタを当てて電気検査を行う際、バス配線のように多数の配線に対してまとめて検査用スルーホールを配置することで検査をまとめて行えるようにすることができるとともに、電源配線で囲むことで、見た目上でも検査ポイントを判別しやすくすることができる。
【0018】
また、前記第2のスルーホールは、前記一面側を正面視したときに前記複数の電子部品のいずれとも重複しない位置に配置されていることを特徴とする遊技機が提案される。
【0019】
かかる構成にあっては、部品実装面で端子と検査用スルーホールの対応を確認しながら電気検査を確認することができるため、電気検査を簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態にかかるスロットマシン1の正面図である
【
図2】
図1のスロットマシン1の前扉5が開いた状態での斜視図である
【
図3】スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である
【
図5】基板ケース107及びメイン制御基板63の分解斜視図である
【
図6】メイン制御基板63における電子部品の実装位置を示す正面図である
【
図7】メイン制御基板63における正面側の電気配線を示す図である
【
図8】メイン制御基板63における裏面側の電気配線を示す図である
【
図10】
図9における主要な電子部品の信号接続関係を示す回路図である
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態に係る遊技機の一例であるスロットマシン1について、
図1~
図10を参照して説明する。
【0022】
(構成)
スロットマシン1の構成の概略について
図1、
図2を参照して説明する。
【0023】
この実施形態におけるスロットマシン1は、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態において、メダルなどの遊技媒体が規定数投入されることを条件とする遊技者の操作に基づいて一回の遊技が実行されるものであって、例えば
図1に示すように構成されている。すなわち、このスロットマシン1では、筐体3の前面が前扉5により開閉自在に閉塞され、この前扉5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設されると共に、この操作板7の上方に正面板9が配設されている。
【0024】
そして、この正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられている。また、表示窓11の内側には、
図1、
図2に示すように、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右リール13L,13M,13Rが配置されている。これら左・中・右リール13L,13M,13Rには、複数種類の図柄が合計20個、所定の配列でそれぞれ設けられている。また、各図柄には、0番から19番までの図柄番号が順に付されている。そして、例えば、図柄番号0番から20番までの図柄が印刷されたリールテープがリールの周面に貼り付けられて各リール13L,13M,13Rがそれぞれ形成される。また、各リール13L,13M,13Rが回転すると、図柄番号19番、18番、…、0番、19番、…の予め定められた順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に変動表示される。表示窓11からは、各リール13L,13M,13Rの回転が停止すると、図柄が上段、中段および下段にそれぞれ1個の合計3個ずつ覗くように設定されている。すなわち、3個すべてのリール13L,13M,13Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示されるようになっている。なお、例えば、予め定められたライン(例えば中段ライン)が入賞ラインとして設定されている。
【0025】
また、各リール13L,13M,13Rをそれぞれ独立して回転駆動できるように、各リール13L,13M,13Rには、それぞれステッピングモータにより構成される
図3に示すリールモータ14L,14M,14Rが連結されている。
【0026】
更に、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、演出に関与するために操作する演出ボタン42、各リール13L,13M,13Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させる左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。また、各リール13L,13M,13Rにより複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ21L,21M,21Rは、各リール13L,13M,13Rそれぞれに対応して設けられている。
【0027】
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様を報知したりする演出を行うための液晶表示器27が設けられている。また、液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられ、液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽や音声などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。なお、
図2に示すように、後述するメダル払出口39の左右にもスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。また、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
【0028】
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダル払出口39や、このメダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9の右下隅には、3つのリールに対する入賞ラインの位置を示す図形(図示省略)が描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45、メダルの払出枚数を表示する払出表示器46が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。また、払出表示器46は、例えば2個の7セグメントディスプレイで構成され、2桁の払出枚数が表示可能になっている。なお、7セグメントディスプレイは、棒状に形成されるとともに、「8」の字状に配列された7つのセグメントと、小数点となる小さな丸い1つのセグメント(DP)とが組み合わされた計8つのセグメントを有するものであり、各セグメントは発光ダイオードにより構成されている。なお、払出表示器46は発生したエラーに対応するエラーコードの表示や役抽選の結果など、メイン制御基板63の制御に関する情報を報知(表示)するための報知用表示器としても用いられることがある。また、払出表示器46の上方には、有利区間ランプ47が配設されている。有利区間は、遊技者の操作態様により有利な結果が得られる役が当選したときに操作態様を報知することが許容された区間であり、有利区間ランプ47の点灯により、有利区間であることが確定する。この実施形態では、有利区間中に必ず有利区間ランプ47が点灯する訳ではなく、有利区間に移行してから、所定の点灯条件が成立したときに点灯する。ただし、一旦有利区間ランプ47が点灯した後は、当該有利区間が終了して非有利区間に移行するまでは点灯が維持される。なお、有利区間ランプ47については、払出表示器46の小数点となるセグメントDPで代用してもよい。遊技者に有利な操作態様を報知しない遊技機については他の用途で用いる場合がある。
【0029】
また、
図2に示すように、各リール13L,13M,13Rを支持する支持枠体13が、筐体3内の後壁に固定されている。筐体3内の支持枠体13の下方には、
図2に示すように、メダルをメダル払出口39に排出するためのホッパーユニット43が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、
図2に示すように、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクタ48が配設されている。なお、筐体3内部には、メダル通路が設けられており、メダルセレクタ48において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット43から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過してメダル払出口39から払い出される。また、ホッパーユニット43の左側には、
図2に示すように、操作ボックス49が筐体3内の左側壁に固定されている。この操作ボックス49には、電源のオンオフを切り替える電源スイッチ50(
図3参照)が設けられるとともに、オンとオフとが切り替えられる設定変更開始処理用のキーシリンダからなる変更処理開始スイッチ56(
図3参照)、設定変更時の設定値の切り替えを行うのに用いられるリセットスイッチ52(
図3参照)が設けられている。ただし、変更処理開始スイッチ56がオンの状態で電源スイッチ50がオンにされると、リセットスイッチ52を用いた設定変更処理が開始される。なお、リセットスイッチ52は、エラーが発生した際のエラーを解除するためのスイッチとしても用いられる。
【0030】
続いて、スロットマシン1の電気的な構成について
図3を参照して説明する。
図3はスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
【0031】
図3において、投入センサ53は、筐体3内部のメダル投入口25近傍であってメダルセレクタ48部分に設けられ、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出するものである。払出センサ54は、ホッパーユニット43の出口に設けられ、メダル払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出するものである。
【0032】
左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するためのものであり、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。この実施形態では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、それぞれ図柄番号19番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
【0033】
ホッパーモータ57はホッパーユニット43に配設され、その駆動によりメダルをメダル払出口39に向けて払い出すものである。
【0034】
また、このスロットマシン1では、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63に実装されたメインCPU61から送信された情報に基づき所定の演出(例えば、遊技の進行に合わせた演出)に関する制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられており、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して各種の遊技情報が一方向で送信される。なお、メイン制御基板63は、外部から不正にアクセスすることができないように、基板ケース内に厳重に封印されている。また、基板ケースには、不正に解放されたことを確実に視認することができるように、種々の対策が講じられている。
【0035】
(メイン制御基板)
次に、メイン制御基板63について説明する。
【0036】
メイン制御基板63に実装されたメインCPU61は、ROM67に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
【0037】
メインCPU61は、当選した当選役グループ(1または複数の役を構成役として有する。)の種類や役の入賞・非入賞等により、スロットマシン1が備える複数の遊技状態のうちいずれか一つの遊技状態にスロットマシン1の遊技を制御する。
【0038】
また、メインCPU61は、電源スイッチ50、変更処理開始スイッチ56、リセットスイッチ52に対する所定の設定変更操作に基づいて、出玉率(獲得メダル数÷投入メダル数×100[%])の調整をするための設定(設定1~設定6)を変更する。
【0039】
また、メインCPU61は、制御した遊技状態の種類、および、設定した設定値(設定1から設定6)に基づき、複数の役抽選テーブルから1つの役抽選テーブルを選択する。この役抽選テーブルには、予め設定された複数の当選役グループそれぞれについて、当選役グループと当該当選役グループが役抽選において当選となる抽選値の範囲とが対応づけて記憶されている。
【0040】
また、メインCPU61は、スタートスイッチ19が遊技者により操作されると、役抽選用の乱数を所定の範囲内で発生させ、発生させた乱数値を抽選値としてスタートスイッチ19が操作されたタイミングで抽出する。そして、メインCPU61は、選択した役抽選値テーブルと抽出した抽選値とを用いて当選役グループの当選かどうかの決定を行う。
【0041】
また、メインCPU61は、スタートスイッチ19が遊技者により操作されると、各リール13L,13M,13Rの回転を開始させ、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rの検出信号と、左・中・右リール13L,13M,13Rを駆動する各リールモータ14L,14M,14Rへの供給パルス数とに基づき、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出する。メインCPU61は、全てのリール13L,13M,13Rが定速回転となったときに、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作を有効操作として受付ける状態となる。この状態で各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が遊技者により行われると、メインCPU61は、検出した各左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置と、遊技者による各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様(例えば押し順や操作タイミング)と、役抽選結果とに基づき、予め設定されているすべりコマ数(引き込み可能範囲:通常、最大4コマ)の範囲内で各リール13L,13M,13Rが停止するように停止制御を行う。
【0042】
全てのリール13L,13M,13Rの回転が停止した後、メインCPU61は、リール13L,13M,13Rの入賞ラインの図柄組合せが、役抽選により当選した当選役グループを構成する役に対応する図柄組合せであるかどうかの判定を行い、入賞ラインの図柄組合せが当該役に対応する図柄組合せである場合は、当該役に入賞したと判定し、そうでない場合はハズレと判定する。メインCPU61は、役抽選により当選した当選役グループを構成する役に入賞したと判定したときに、それがメダル払い出しのある役の入賞であれば、ホッパーユニット43を動作させて、入賞した役に対応した払出数だけメダルを払い出すものである。ただし、メインCPU61はクレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達していない場合は、払出数分だけクレジットメダルの枚数を増加させる。
【0043】
また、メインCPU61は、メダルセレクタ48の動作を制御することにより、メダル受入可と受入不可とを切り替える。
【0044】
また、メインCPU61は、設定値、遊技状態、役抽選結果に関する情報、図柄判定結果に関する情報、各リール13L,13M,13Rの回転・停止状態、メダルの払出状態、前扉5の開放または閉塞の状態、スロットマシン1のエラー状態などスロットマシン1の状態を表すデータ、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報などの種々の情報をサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドを生成し、生成したコマンドをサブ制御基板73のサブCPU71に送信する。なお、コマンドはメイン制御基板63からサブ制御基板73に一方通行で送信される。
【0045】
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73について説明する。サブ制御基板73は、メイン制御基板63から送信されたコマンドを受信し、メイン制御基板63の動作や状態に応じた演出を行うものである。サブ制御基板73に実装されたサブCPU71は、メモリ75に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアにより実現される種々の機能を備えている。
【0046】
サブCPU71は、メイン制御基板63(メインCPU61)により送信された種々のデータを含むコマンドを受信する。そして、サブCPU71は、受信したコマンドに応じて、演出の内容を決定し、決定した演出の内容に応じて、例えば、液晶表示器27に動画等の画像を表示する表示制御を行ったり、スピーカ31L,31Rからの音声の出力制御を行ったり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅させる制御を行ったり、演出ボタン42の操作に基づいた演出の制御を行ったりする。
【0047】
(基板ユニット)
次に、基板ユニット6について説明する。本実施形態の制御装置と制御基板はそれぞれメインCPU61とメイン制御基板63であるが、これに限るものではなく、何らかの機器に対して制御を行うものであればよい。例えば、制御装置と制御基板がそれぞれサブCPU71とサブ制御基板73であっても良いし、図示しない映像の制御を行う映像制御装置と映像基板であっても良いし、図示しない遊技媒体数の制御を行う遊技媒体制御装置と遊技媒体制御基板であっても良い。
【0048】
本実施形態の基板ユニット6は、メイン制御基板63を透明な基板ケース107に収容してなるものである。
図4に示すように、基板ユニット6は、メイン制御基板63を収容した基板ケース107が取付金具により筐体3の背面側を覆う背板に取り付けられる。なお、以下では、
図4中の手前側を基板ユニット6、基板ケース107、及びメイン制御基板63の正面側(本実施形態の一面側)とし、奥側を基板ユニット6、基板ケース107、及びメイン制御基板63の裏面側(本実施形態の他面側)とする。また、
図4中の上下、左右を、基板ユニット6、基板ケース107、及びメイン制御基板63の上下、左右として説明する。
【0049】
基板ケース107は、
図5に示すように、背面側が開放された矩形箱状のカバー部材110と、正面側が開放された矩形箱状のベース部材111とを固定構造(図示省略)によって組み付けてなるものであり、カバー部材110とベース部材111との組み付けによって形成される内部空間に、メイン制御基板63が収容される。具体的には、カバー部材110及びベース部材111は、正面視において、メイン制御基板63よりも一回り大きい横長矩形状をなしており、基板ケース107の内部空間は、メイン制御基板63を全て収容可能な直方体形状をなしている。
【0050】
カバー部材110及びベース部材111は、透明樹脂からなる成形品であり、カバー部材110とベース部材111を透して基板ケース107の内部を視認できるよう構成されている。
図5に示すように、カバー部材110にはコネクタ開口部123が形成されており、基板ケース107にメイン制御基板63を収容した状態では、メイン制御基板63に実装されたコネクタ16a,16b,16cがコネクタ開口部123から外部に露出し、メイン制御基板63の、コネクタ16a,16b,16cを除く部分は、カバー部材110及びベース部材111によって密閉される。また、メイン制御基板63にはコネクタ16a,16b,16c以外のコネクタが実装されており、対応したコネクタ開口部から外部に露出している。
【0051】
メイン制御基板63に対する不正行為を防止するために、基板ケース107にメイン制御基板63を収容した状態で、図示省略する封印構造によって、カバー部材110とベース部材111は分離困難に係合されているとともに、スロットマシン1から取り外し困難に設置されている。
【0052】
図6はメイン制御基板63の正面側に設置された電子部品の位置を示すものであり、
図7はメイン制御基板63の正面側の電気配線とスルーホールの様子を示すものであり、
図8はメイン制御基板63の裏面側の電気配線とスルーホールの様子を示すものであり、
図9は
図6~
図8中の領域Aをそれぞれ拡大したものである。但し、
図9(C)については、
図9(A)、
図9(B)との対応を分かりやすくするため、左右反転してある。また、
図10は
図9における主要な電子部品の信号接続関係を示すものである。メイン制御基板63は、
図6に示すように、複数の電子部品がメイン制御基板63の正面側に実装されており、裏面側には電子部品が実装されず、電子部品間を接続する配線のみ敷設されている。ここで、電子部品とは、ダイオードやトランジスタに代表される、入力信号を入れて電力、電圧または電流を変化させた出力信号を出力する能動部品と、容量や抵抗に代表される、供給された電力を消費・蓄積・放出する受動部品と、コネクタやスイッチに代表される、素子(間)を接続/切断したり、固定したりするための部品補助部品とに分類される。
【0053】
図6および
図7に示すように、メイン制御基板63に実装される能動部品の一例として、メインCPU61とバッファIC301が実装されている。メインCPU61は、部品接続用スルーホール500に端子を挿入し、部品接続用スルーホール500内にはんだを充填することで固定されており、本実施形態では、こうした実装方法により実装されている電子部品を挿入実装部品と呼ぶ。部品接続用スルーホール500は概ね円形で設置され、正面側の電気配線と裏面側の電気配線とを接続するために設置される配線接続用スルーホール501よりも大きな面積となるように設計されている。
【0054】
対して、バッファIC301は部品接続用スルーホール500に端子を挿入せず、メイン制御基板63側における基板配線の露出している接続ポイント502とバッファIC301の端子をはんだ付けすることにより固定されている。本実施形態では、こうした実装方法により実装されている電子部品を表面実装部品と呼ぶ。接続ポイント502は概ね矩形で設置され、部品接続用スルーホール500よりも小さな面積となるように設計されている。
【0055】
また、部品接続用スルーホール500や配線接続用スルーホール501や後述する検査ポイント600はメイン制御基板63に開口を空け、開口に導電性金属を充填することで電子部品の固定をしたり、正面側の電気配線と裏面側の電気配線を接続したりするものであり、開口があるため、一般的に正面側や裏面側に敷設される電気配線の最小幅よりも直径が大きくなる。
【0056】
一般的に挿入実装部品に比べ、表面実装部品は端子間の距離が狭くなっている。これは、挿入実装部品は部品接続用スルーホール500内に端子を挿入するため、基板強度が低下しない程度にスルーホール間の距離を取る必要があるのに加え、部品接続用スルーホール500自体も端子が通る空間を確保するために配線接続用スルーホール501よりも大きな面積となるためである。それに対し、表面実装部品は機械的にはんだ付けができる端子間の距離が端子間の最低距離となるため、挿入実装部品に比べ、表面実装部品は端子間の距離が狭くなる。そのため、表面実装部品は挿入実装部品よりも小型であることが多く、搭載することによって基板の小型化に寄与することができる。
【0057】
ここで、端子間の距離が狭い表面実装部品であるバッファIC301を搭載したことによりメイン制御基板63を小型化することができるが、製造時や故障発生時にバッファIC301の各端子にテスタの針を接触させて信号値を測定するような電気検査を行うことが難しくなる。
【0058】
そのため、
図7に示すように、バッファIC301の各端子に対応するように、バッファIC301の各端子に接続される配線に本実施形態における第2のスルーホールである検査ポイント600を設置することで容易に電気検査を行うことができる。
【0059】
検査ポイント600は本実施形態における第1のスルーホールである配線接続用スルーホール501よりも径が大きくなっており、部品接続用スルーホール500と概ね同じ面積となっている。そのため、簡単に電気検査を行うことができるが、設置する位置や数、条件が決められていないとかえってメイン制御基板63のサイズが大きくなる可能性も考えられる。
【0060】
そこで、
図9に示すように、表面実装部品であるバッファIC301の接続ポイント502Aと挿入実装部品であるメインCPU61の部品接続用スルーホール500Aとが電気配線503Aで接続されている場合、電気検査は部品接続用スルーホール500AやメインCPU61の端子に直接テスタの針を接触させることで実施できるため、検査ポイント600を設置しないようにする。
【0061】
同様に、図示省略するが、表面実装部品の接続ポイントとコネクタの部品接続用スルーホールとが電気配線で接続されている場合、部品接続用スルーホールやコネクタ端子に直接テスタを当てることで実施できるため、検査ポイントを設置しないようにする。このとき、コネクタが表面実装部品であっても同様の対応としてもよい。これは、一般的にコネクタ端子はテスタで測定できる程度には端子間の距離があるためである。
【0062】
一方、バッファIC301の接続ポイント502Bと表面実装部品であるバッファIC302の接続ポイント502Cとが電気配線503Bで接続され、挿入実装部品やコネクタへ接続されていない場合、接続ポイント502B、502CやバッファIC301、302にテスタを当てることが困難であるため、検査ポイント600Bを電気配線503Bの経路上に1箇所設けられている。このとき、接続ポイント502Bから検査ポイント600Bまでの経路である電気配線504Bは正面側に敷設され、検査ポイント600Bから裏面側の配線は敷設されておらず、検査ポイント600Bの裏面側は周囲を電源ベタ配線BLに囲われている。また、検査ポイント600Bから配線接続用スルーホール501Bまでの経路である電気配線505Bは正面側に敷設され、配線接続用スルーホール501Bにより裏面側で電気配線506Bに接続されている。
【0063】
裏面側に敷設された電気配線506Bは複数の配線接続用スルーホール507B、508B、509Bにより、それぞれ正面側に敷設された電気配線510B、511B、512Bに接続され、電気配線510B、511B、512BによりバッファIC303、304、305の接続ポイント502D、502E、502Fに接続されている。
【0064】
ここで、
図6および
図9(A)に示すように、メインCPU61、バッファIC301~305と検査ポイント600Bは識別番号として、メイン制御基板63の正面側にそれぞれの近傍に「IC6」、「IC10」、「IC13」、「IC12」、「IC9」、「IC17」、「TP4」と印刷されている。この番号はシルク印刷により表示されているが、レーザー刻印等によりなされていてもよいものである。なお、図示省略するが、裏面側にはメインCPU61、バッファIC301~305に対応する位置に識別番号を印刷してもよいが、検査ポイント600に対応する位置には識別番号の印刷は行わない。理由については後述する。
【0065】
また、
図9(B)、
図10に示すように、接続ポイント502Bから検査ポイント600Bまでの経路である電気配線504Bは正面側に敷設されるようになっている。電気配線504BはバッファIC301の出力端子と検査ポイント600Bを接続する配線であり、この電気配線を正面側に敷設し、それ以降の経路に配線接続用スルーホール501Bや裏面側の電気配線506Bを敷設することで、電気配線504Bが出力側の電気配線であり、この電気配線に接続されているバッファIC301が出力側であることを、メイン制御基板63の正面側を確認するだけで明確にすることができる。
【0066】
また、
図9に示すように、バッファIC301の出力端子に接続される検査ポイント600は検査ポイントエリアTPAに密集して配置され、裏面側では検査ポイントエリアTPAを囲うように電源ベタ配線BLが敷設されている。これにより、電気検査を行う際に検査ポイント600が目視でも機械的にも確認しやすくすることができる。
【0067】
ところで、前述の電気検査を行う場合、製造工程で電気配線が切れていないかを確かめるような目的で行われる導通試験と、故障発生時にその原因を探る目的で行われる解析試験の2種類が考えられる。導通試験の場合は、電気的に導通されているかを検査するのみであるため、制御基板を取り外した状態で、裏面側から部品接続用スルーホール500や検査ポイント600に機械的にテスタを当てて測定する。そのため、検査ポイント600がスルーホール構造である方が便利であるが、識別番号の照会は必要ない。一方、解析試験の場合は実装回路との比較をしながら理想値と実測値の比較を行いながら故障原因等を推測する。そのため、メイン制御基板63上の識別番号や検査ポイント600までの電気配線の敷設により電気信号の流れが分かるようになると、解析試験を効率よく行えるようになる。以上のことから、メイン制御基板63では正面側に検査ポイント600に対応する識別番号が印刷されており、裏面側には検査ポイント600に対応する識別番号を印刷されていない。
【0068】
なお、検査ポイント600が設けられる電気配線について、電気配線504Bのように、出力端子が接続される接続ポイント502から検査ポイント600までの電気配線を正面側に敷設するのが望ましいが、レイアウト上、このようにすると設計自由度が低下してしまい、かえって基板面積が増大してしまう可能性がある。そのため、1本の出力端子が複数のバッファICの入力端子が接続される、所謂バス接続に対して、このような形態にすることが望ましい。これは、解析試験の際、複数の接続先があることで混乱しやすくなるのを防ぐことができるためである。
【0069】
また、
図6、
図7に示すように、メイン制御基板63の正面側に設置される検査ポイント600が設けられるのは、メイン制御基板63正面視したときに電子部品と重畳しない位置となっている。換言すると、検査ポイント600は電子部品で隠れる位置に設置されていない。解析試験を行う場合、裏面側でしかテスタにより測定できない箇所が発生すると、検査効率が低下するためである。
【0070】
以上に、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、上記実施形態は、スロットマシン1のメイン制御基板63であるが、本発明は、スロットマシンの他の制御基板(サブ制御基板や画像制御基板等)であってもよいし、他の遊技機(パチンコ機等)に係る制御基板であってもよい。
【0071】
また、本実施形態の基板ユニット6は、筐体3の背面側に取り付けられていたが、これに限定するものではない。例えば前扉5の裏側に取り付けられたり、筐体3の側面側に取り付けられたりするものとしてもよい。但し、基板ユニット6が前扉5の裏側に取り付けられた場合は、前扉5の裏側方向が基板ユニット6、基板ケース107、及びメイン制御基板63の正面側となり、前扉5の表側方向が基板ユニット6、基板ケース107、及びメイン制御基板63の裏面側となる。いずれの例であっても、基板ユニット6はスロットマシン1の内部に、前扉を開放するとメイン制御基板63の電子部品実装面が視認可能となるように設置されるものである。
【0072】
また、前述で検査ポイント600は電子部品で隠れる位置に設置されていないとしたが、反対に検査ポイント600を電子部品で隠れる位置に配置されるようにしてもよい。検査ポイント600はテスタで電気検査が行えるため、電気配線が露出している状態であり、仮に不正を行おうとするものが針金等でアクセスできるとすると、メインCPU61に任意の信号を注入する等の不正行為が容易に行えるようになってしまう。これに対し、検査ポイント600を電子部品で隠れる位置に配置するようにすれば、裏面側からしか電気配線にアクセスできないようになるため、セキュリティ性が向上する。
【0073】
また、
図10に示すように、バッファIC301~305に代表される電子部品にはリセット機能を有するものがある。リセット機能は電断や温度変化を検知し、各電子部品のリセット端子に入力される信号を変化させることで、スロットマシン1やメインCPU61の機能に支障が出ないようにするものであるが、内部機能のため電気検査によるモニタが難しかった。しかし、バッファIC301~305に加えてリセットIC306を表面実装部品とすれば検査ポイント600を設けることになるので、電気検査によるモニタが容易になる。このように、特定信号をモニタするために接続される電子部品を表面実装部品とすることで特定信号をモニタするための検査ポイント600を設けるようにしてもよい。特定信号には前述したリセット信号に加え、スロットマシン1の出玉比率を7セグメント表示器に表示する比率表示器用信号であったり、遊技媒体数を表示する遊技媒体数表示機用信号であったりしてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1…スロットマシン
61…メインCPU
63…メイン制御基板
301~305…バッファIC
501、501B、507B、508B、509B…配線接続用スルーホール
600、600B…検査ポイント