(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168950
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】小型脱臭器、手振り脱臭方法、及び卓上据置脱臭方法
(51)【国際特許分類】
A61L 9/014 20060101AFI20221101BHJP
B01D 46/10 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
A61L9/014
B01D46/10 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074666
(22)【出願日】2021-04-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】515351301
【氏名又は名称】株式会社シオガイ精機
(74)【代理人】
【識別番号】100195752
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 一正
(72)【発明者】
【氏名】塩貝 寿俊
【テーマコード(参考)】
4C180
4D058
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180BB13
4C180BB15
4C180CC04
4C180EA13X
4C180HH05
4D058JA12
4D058JB04
4D058KC32
4D058TA02
(57)【要約】
【課題】電源を必要とせず手軽に持ち運んで手で持って振ることで、また卓上に置きその上に小型扇風機を重ねて置くことで脱臭できる小型脱臭器を実現することを課題とする。
【解決手段】手振り及び卓上据置兼用の小型脱臭器であって、第1主面11及び第2主面12を有する板状の脱臭部10と、前記脱臭部の前記第1主面の一部と前記第2主面の一部とを挟み込む本体部20と、前記本体部から延伸する棒状の持ち手30と、を備え、前記本体部は、前記第1主面側の第1本体部21、及び前記第2主面側の第2本体部22を有し、前記本体部における前記第1本体部側又は前記第2本体部側の少なくともいずれかは、前記脱臭部を挟み込む側とは反対側の面において、前記脱臭部の位置から前記本体部の端部まで繋がる凹部を有していることを特徴とする小型脱臭器100とした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手振り及び卓上据置兼用の小型脱臭器であって、
第1主面及び第2主面を有する平板状の脱臭部と、
前記脱臭部の前記第1主面の一部及び前記第2主面の一部を挟み込む本体部と、
前記本体部から延伸する棒状の持ち手と、を備え、
前記本体部は、前記第1主面の前記一部に当接する第1本体部、及び前記第2主面の前記一部に当接する第2本体部を有し、
前記本体部における前記第1本体部側又は前記第2本体部側の少なくともいずれかは、前記脱臭部に当接する側とは反対側の面において、前記脱臭部の位置から前記本体部の端部まで繋がる凹部を有していることを特徴とする小型脱臭器。
【請求項2】
前記凹部は、側面視で円弧状を有していることを特徴とする請求項1に記載の小型脱臭器。
【請求項3】
手で持って振ることで空気を脱臭する手振り脱臭方法であって、
第1主面及び第2主面を有する板状の脱臭部と、前記脱臭部の前記第1主面の一部及び前記第2主面の一部を挟み込む本体部と、前記本体部から延伸する棒状の持ち手と、を備え、前記本体部は、前記第1主面の前記一部に当接する第1本体部、及び前記第2主面の前記一部に当接する第2本体部を有し、前記第1本体部及び前記第2本体部の少なくともいずれかは、前記脱臭部に当接する側とは反対側の面において、前記脱臭部の位置から前記本体部の端部まで繋がる凹部を有していることを特徴とする小型脱臭器を準備し、
前記持ち手を手で持って振ることで前記脱臭部が臭気を吸着して脱臭する手振り脱臭方法。
【請求項4】
卓上に置いて空気を脱臭する卓上脱臭方法であって、
第1主面及び第2主面を有する板状の脱臭部と、前記脱臭部の前記第1主面の一部及び前記第2主面の一部を挟み込む本体部と、前記本体部から延伸する棒状の持ち手と、を備え、前記本体部は、前記第1主面の前記一部に当接する第1本体部、及び前記第2主面の前記一部に当接する第2本体部を有し、前記第1本体部及び前記第2本体部の少なくともいずれかは、前記脱臭部に当接する側とは反対側の面において、前記脱臭部の位置から前記本体部の端部まで繋がる凹部を有していることを特徴とする小型脱臭器を準備し、
前記凹部を有する前記第1本体部側又は前記第2本体部側を下にして平坦な場所に置き、
当該小型脱臭器の上に小型扇風機を置いて稼働させて、空気を吸引して脱臭することを特徴とする卓上脱臭方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手軽に持ち運んで手で持って振ることで、また卓上に据え置くことで脱臭できる小型脱臭器、手振り脱臭方法、及び卓上据置脱臭方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日常生活において、食べ物の匂い、犬や猫など動物の匂い、又は汗の匂い等の嫌な臭気に遭遇する場合がある。
【0003】
特許文献1には、板状のフィルタに吸引ファンから空気を送って脱臭する空気清浄機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許文献1:特開2014-233459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、吸引ファンを駆動するための電源が必要になるとともに、大きくて持ち運びに適さないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決して、電源を必要とせず手軽に持ち運んで手で持って振ることで、また卓上に置きその上に小型扇風機を重ねて置くことで脱臭できる小型脱臭器を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、手振り及び卓上据置兼用の小型脱臭器であって、
第1主面及び第2主面を有する板状の脱臭部と、
前記脱臭部の前記第1主面の一部及び前記第2主面の一部を挟み込む本体部と、
前記本体部から延伸する棒状の持ち手と、を備え、
前記本体部は、前記第1主面の前記一部に当接する第1本体部、及び前記第2主面の前記一部に当接する第2本体部を有し、
前記本体部における前記第1本体部側又は前記第2本体部側の少なくともいずれかは、前記脱臭部に当接する側とは反対側の面において、前記脱臭部の位置から前記本体部の端部まで繋がる凹部を有していることを特徴とする小型脱臭器を提供するものである。
【0008】
この構成により、電源を必要とせず手軽に持ち運んで手で持って振ることで、また卓上に置いた当該小型脱臭器の上に小型扇風機を重ねて置くことで空気を上から下へ、又は、下から上へ吸引して脱臭することができる小型脱臭器を実現することができる。
【0009】
小型脱臭器であって、前記凹部は、側面視で円弧状を有している構成としてもよい。
【0010】
この構成により、優れたデザインを有するとともに、円弧状の凹部から空気を吸引又は排気して脱臭することができる。
【0011】
また、上記課題を解決するために本発明は、手で持って振ることで空気を脱臭する手振り脱臭方法であって、
第1主面及び第2主面を有する板状の脱臭部と、前記脱臭部の前記第1主面の一部及び前記第2主面の一部を挟み込む本体部と、前記本体部から延伸する棒状の持ち手と、を備え、前記本体部は、前記第1主面の前記一部に当接する第1本体部、及び前記第2主面の前記一部に当接する第2本体部を有し、前記本体部における前記第1本体部側又は前記第2本体部側の少なくともいずれかは、前記脱臭部に当接する側とは反対側の面において、前記脱臭部の位置から前記本体部の端部まで繋がる凹部を有していることを特徴とする小型脱臭器を準備し、
前記持ち手を手で持って振ることで前記脱臭部が臭気を吸着して脱臭する手振り脱臭方法を提供するものである。
【0012】
この構成により、電源を必要とせず手軽に持ち運んで手で持って振ることで、空気中の臭気を吸着して脱臭することができる。
【0013】
さらに、上記課題を解決するために本発明は、卓上に置いて空気を脱臭する卓上脱臭方法であって、
第1主面及び第2主面を有する板状の脱臭部と、前記脱臭部の前記第1主面の一部及び前記第2主面の一部を挟み込む本体部と、前記本体部から延伸する棒状の持ち手と、を備え、前記本体部は、前記第1主面の前記一部に当接する第1本体部、及び前記第2主面の前記一部に当接する第2本体部を有し、前記本体部における前記第1本体部側又は前記第2本体部側の少なくともいずれかは、前記脱臭部に当接する側とは反対側の面において、前記脱臭部の位置から前記本体部の端部まで繋がる凹部を有していることを特徴とする小型脱臭器を準備し、
前記凹部を有する前記第1本体部側又は前記第2本体部側を下にして平坦な場所に置き、
当該小型脱臭器の上に小型扇風機を置いて稼働させ、空気を吸引して脱臭することを特徴とする卓上脱臭方法を提供するものである。
【0014】
この構成により、卓上に置いた当該小型脱臭器の上に小型扇風機を重ねて置くことで空気を上から下へ、又は、下から上へ吸引して脱臭することができる
【発明の効果】
【0015】
本発明の小型脱臭器、手振り脱臭方法、及び卓上据置脱臭方法により、電源を必要とせず手軽に持ち運んで手で持って振ることで、また卓上に置きその上に小型扇風機を重ねて置くことで脱臭することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施例1における小型脱臭器の斜視図である。
【
図2】本発明の実施例1における小型脱臭器の(a)正面部、(b)右側面図、(c)背面図である。
【
図3】本発明の実施例1における小型脱臭器の(a)上面図、(b)底面図である。
【
図4】本発明の実施例1における小型脱臭器の
図2に示すA-A断面図である。
【
図5】本発明の実施例1における小型脱臭器の分解図である。
【
図6】本発明の実施例1における小型脱臭器における凹部を説明する図である。
【
図7】本発明の実施例2における小型脱臭器の上に小型扇風機を配置した図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0017】
本発明の実施例1について、
図1~
図6を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例1における小型脱臭器の斜視図である。
図2は、本発明の実施例1における小型脱臭器の(a)正面部、(b)右側面図、(c)背面図である。
図3は、本発明の実施例1における小型脱臭器の(a)上面図、(b)底面図である。
図4は、本発明の実施例1における小型脱臭器の
図2に示すA-A断面図である。
図5は、本発明の実施例1における小型脱臭器の分解図である。
図6は、本発明の実施例1における小型脱臭器における凹部を説明する図である。
【0018】
(小型脱臭器)
実施例1における小型脱臭器100は、略正方形の平板状からなる脱臭部10の第1主面11の周縁部と第2主面12の周縁部とを本体部20が挟み込んでいる。脱臭部10は、約80mm×80mmの略正方形の平板状を有し、カーボンを主成分とし、ハニカム構造を有している。この脱臭部10の第1主面11又は第2主面から臭気を含んだ空気を通過させることにより、臭気をカーボンに吸着させて、脱臭することができる。そして、吸着した臭気は太陽光に当てることで、吸着を解除され、再利用することが可能である。また、後述のように、脱臭部10は着脱自在に本体部20に保持されているので、劣化等した場合に交換が容易である。
【0019】
本体部20は、脱臭部10の第1主面11の周縁部に当接する第1本体部21、脱臭部10の第2主面12の周縁部に当接する第2本体部22、外周をカバーしている外周カバー23を組み立てることで構成している。そして、第1本体部21と第2本体部22とで脱臭部10の周縁部を挟み込むことができる。第1本体部21、第2本体部22、及び外周カバー23は、いずれも合成樹脂で構成され、本体部20の大きさは約155mm×155mmの丸みを帯びた略四角形状を有している。また、本体部20における側面形状は、脱臭部10とは反対側端面において略円弧形状を有して両端部の厚さが大きく、中央部の厚さは小さい。側面における最大厚さは、先端部(後述の持ち手30の反対側端部)において約80mmである。
【0020】
本体部20の側面における第1本体部21側及び第2本体部22側がそれぞれ略円弧形状を有して両端部の厚さが大きく、中央部の厚さは小さいことで、第1本体部21側又は第2本体部22側のいずれかを下にして机等の平坦面に置くと平坦面と略円弧状との間に隙間ができる。この略円弧状の隙間は脱臭部10の主面(第1主面11又は第2主面12)までつながっており、空気が通過することができる。これにより、後述のように、平坦面に置かれた小型脱臭器100の上から下、又は下から上に空気が通過することで臭気を吸着して脱臭することができる。
【0021】
ここで、「主面」とは、物の主たる面をいう。本願においては、平板状の脱臭部10の主面であるから、表面又は裏面である(特許技術用語集(日刊工業新聞社)参照)。
【0022】
また、第1本体部21には、後述する小型扇風機Fを紐Bで括り付けるときに紐Bを係止する第1本体部側紐係止部25(25a、25b、25c、25d)を4つの角部に有している。また、第2本体部22には、小型扇風機Fを紐Bで括り付けるときに紐Bを係止する第2本体部側紐係止部26(26a、26b、26c、26d)を4つの角部に有している。
【0023】
なお、実施例1においては、本体部20における第1本体部21側及び第2本体部22側のそれぞれが略円弧形状を有して両端部の厚さが大きく、中央部の厚さは小さい構成としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、少なくとも第1本体部21側又は第2本体部22側のいずれかの端面が円弧状を有していればよく、また、円弧状ではなく四角状や楕円状であってもよく、本体部20における第1本体部21側又は第2本体部22側の少なくともいずれかが脱臭部10を挟み込む側とは反対側の面において、脱臭部10の位置から端部まで繋がる凹部24(
図6参照)を有していればよく、小型脱臭器100を平坦な卓上に置いたときに、空気が脱臭部10を通過可能に凹部24が形成されていればよい。
【0024】
さらに、実施例1においては、脱臭部10の第1主面11の周縁部と第2主面12の周縁部とを本体部20が挟み込む構成としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、脱臭部10の第1主面11の角部と第2主面12の角部とを本体部20が挟み込む構成としてもよく、少なくとも脱臭部10の第1主面11の一部と第2主面12の一部とを本体部20が挟み込む構成とすればよい。
【0025】
すなわち、小型脱臭器100においては、脱臭部10の第1主面11の一部に第1本体部11が位置し、第2主面12の一部に第2本体部12が位置して、第1本体部11と第2本体部12が脱臭部10の一部を挟み込んで、ねじ止めして固定されている。
【0026】
また、本体部20から棒状の持ち手30が延伸している。詳しくは、持ち手30の一方の端部を外周カバー23の挿入孔に挿入し、第1本体部21と第2本体部22で挟み込んでねじ止めして固定している。これにより、本体部20から延伸した持ち手30を手で掴むことができ、手で小型脱臭部100を振ることで空気が脱臭部10を通過して臭気を吸着し脱臭することができる。
【0027】
(手振り脱臭方法)
実施例1における小型脱臭器100による手振り脱臭方法について説明する。まず、上述の小型脱臭器100を準備する。そして、持ち手30を手で持って振る。そうすると、空気が脱臭部10を通過することで臭気が吸着される。これにより、周辺の臭気が脱臭される。振る方向はどの方向でもよく、臭気がある空気が脱臭部10を通過するように振ればよい。
【0028】
また、第1本体部21側又は第2本体部22側に小型扇風機を取付けることで、より効率よく空気が脱臭部10を通過させることができる。
【0029】
このように、実施例1においては、手振り及び卓上据置兼用の小型脱臭器であって、
第1主面及び第2主面を有する平板状の脱臭部と、
前記脱臭部の前記第1主面の一部及び前記第2主面の一部を挟み込む本体部と、
前記本体部から延伸する棒状の持ち手と、を備え、
前記本体部は、前記第1主面の前記一部に当接する第1本体部、及び前記第2主面の前記一部に当接する第2本体部を有し、
前記本体部における前記第1本体部側又は前記第2本体部側の少なくともいずれかは、前記脱臭部に当接する側とは反対側の面において、前記脱臭部の位置から前記本体部の端部まで繋がる凹部を有していることを特徴とする小型脱臭器により、電源を必要とせず手軽に持ち運んで手で持って振ることで、脱臭することができる。
【0030】
また、実施例1においては、手で持って振ることで空気を脱臭する手振り脱臭方法であって、
第1主面及び第2主面を有する平板状の脱臭部と、前記脱臭部の前記第1主面の一部及び前記第2主面の一部を挟み込む本体部と、前記本体部から延伸する棒状の持ち手と、を備え、前記本体部は、前記第1主面の前記一部に当接する第1本体部、及び前記第2主面の前記一部に当接する第2本体部を有し、前記本体部における前記第1本体部側又は前記第2本体部側の少なくともいずれかは、前記脱臭部に当接する側とは反対側の面において、前記脱臭部の位置から前記本体部の端部まで繋がる凹部を有していることを特徴とする小型脱臭器を準備し、
前記持ち手を手で持って振ることで前記脱臭部が臭気を吸着して脱臭する手振り脱臭方法により、電源を必要とせず手軽に持ち運んで手で持って振ることで、脱臭することができる。