(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168961
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】積層体、積層体セット、包装袋形成用シート、および包装袋
(51)【国際特許分類】
B32B 27/00 20060101AFI20221101BHJP
B41M 1/30 20060101ALI20221101BHJP
B65D 30/02 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
B32B27/00 H
B41M1/30 Z
B65D30/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074687
(22)【出願日】2021-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101203
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100104499
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 達人
(72)【発明者】
【氏名】小松 卓史
(72)【発明者】
【氏名】田所 利雄
(72)【発明者】
【氏名】飯尾 靖也
(72)【発明者】
【氏名】安冨 麻美
【テーマコード(参考)】
2H113
3E064
4F100
【Fターム(参考)】
2H113AA01
2H113AA06
2H113BA00
2H113BA01
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2H113FA03
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2H113FA35
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4F100AK04A
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4F100JN01A
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4F100JN01D
4F100JN01E
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高い意匠性を有する積層体を提供する。
【解決手段】透明である透明シーラント層3と、透明である第1透明基材1、および上記第1透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第1印刷層11を有する第1印刷フィルムF1と、透明である第2透明基材2、および上記第2透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第2印刷層12を有する第2印刷フィルムF2と、をこの順に有し、上記第1印刷層および上記第2印刷層が平面視上重なるように配置され、上記第1印刷層および上記第2印刷層のうち少なくとも1つが無版印刷層である、積層体とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明である透明シーラント層と、
透明である第1透明基材、および前記第1透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第1印刷層を有する第1印刷フィルムと、
透明である第2透明基材、および前記第2透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第2印刷層を有する第2印刷フィルムと、をこの順に有し、
前記第1印刷層および前記第2印刷層が平面視上重なるように配置され、
前記第1印刷層および前記第2印刷層のうち少なくとも1つが、無版印刷層である、積層体。
【請求項2】
前記第1印刷層と前記第2印刷層との間に隠蔽層を有する、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
透明である透明シーラント層と、第1印刷層と、第2印刷層と、透明である透明基材と、をこの順に有し、
前記第1印刷層および前記第2印刷層が平面視上重なるように配置され、
前記第1印刷層および前記第2印刷層のうち少なくとも1つが、無版印刷層である、積層体。
【請求項4】
前記第1印刷層と前記第2印刷層との間に隠蔽層を有する、請求項3に記載の積層体。
【請求項5】
透明である第1透明シーラント層と、
透明である第1透明基材、および前記第1透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第1印刷層を有する第1印刷フィルムと、
透明である第2透明基材、および前記第2透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第2印刷層を有する第2印刷フィルムと、をこの順に有し、
前記第1印刷層および前記第2印刷層が平面視上重なるように配置され、
前記第1印刷層および前記第2印刷層のうち少なくとも1つが、無版印刷層である、第1積層体と、
透明である第2透明シーラント層と、
透明である第3透明基材、および前記第3透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第3印刷層を有する第3印刷フィルムと、
透明である第4透明基材、および前記第4透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第4印刷層を有する第4印刷フィルムと、をこの順に有し、
前記第3印刷層および前記第4印刷層が平面視上重なるように配置され、
前記第3印刷層および前記第4印刷層のうち少なくとも1つが、無版印刷層である、第2積層体と、
を有し、
前記第1積層体および前記第2積層体が、前記第1透明シーラント層および前記第2透明シーラント層が対向するように積層されて用いられる、積層体セット。
【請求項6】
前記第3印刷層と前記第4印刷層との間に隠蔽層を有する、請求項5に記載の積層体セット。
【請求項7】
透明である第1透明シーラント層と、第1印刷層と、第2印刷層と、透明である第1透明基材と、をこの順に有し、
前記第1印刷層および前記第2印刷層が平面視上重なるように配置され、
前記第1印刷層および前記第2印刷層のうち少なくとも1つが、無版印刷層である、第3積層体と、
透明である第2透明シーラント層と、第3印刷層と、第4印刷層と、透明である第2透明基材と、をこの順に有し、
前記第3印刷層および前記第4印刷層が平面視上重なるように配置され、
前記第3印刷層および前記第4印刷層のうち少なくとも1つが、無版印刷層である、第4積層体と、
を有し、
前記第3積層体および前記第4積層体が、前記第1透明シーラント層および前記第2透明シーラント層が対向するように積層されて用いられる、積層体セット。
【請求項8】
前記第3印刷層と前記第4印刷層との間に隠蔽層を有する、請求項7に記載の積層体セット。
【請求項9】
請求項5に記載の積層体セットを用いた、包装袋形成用シートであって、
前記第1透明シーラント層および前記第2透明シーラント層が同一の共通シーラント層であり、
前記第1透明基材および前記第3透明基材が同一の透明基材である、第1共通透明基材であり、
前記第2透明基材および前記第4透明基材が同一の透明基材である、第2共通透明基材であり、
前記第1印刷層および前記第3印刷層が、前記第1共通透明基材上に隣接して配置され、
前記第2印刷層および前記第4印刷層が、前記第2共通透明基材上に隣接して配置され、
前記第1印刷層および前記第2印刷層、並びに前記第3印刷層および前記第4印刷層が平面視上重複するように、前記共通シーラント層、前記第1共通透明基材、および前記第2共通透明基材が、この順に積層されている、包装袋形成用シート。
【請求項10】
前記第3印刷層と前記第4印刷層との間に隠蔽層を有する、請求項9に記載の包装袋形成用シート。
【請求項11】
請求項7に記載の積層体セットを用いた、包装袋形成用シートであって、
前記第1透明シーラント層および前記第2透明シーラント層が同一の共通シーラント層であり、
前記第1透明基材および前記第2透明基材が同一の透明基材である、共通透明基材であり、
前記第1印刷層および前記第3印刷層、並びに前記第2印刷層および前記第4印刷層が、前記共通透明基材上に隣接して配置され、
前記第1印刷層および前記第2印刷層、並びに前記第3印刷層および前記第4印刷層が平面視上重複するように、前記共通シーラント層、および前記共通透明基材が積層されている、包装袋形成用シート。
【請求項12】
前記第3印刷層と前記第4印刷層との間に隠蔽層を有する、請求項11に記載の包装袋形成用シート。
【請求項13】
請求項5に記載の積層体セットを用いた、包装袋であって、
前記第1積層体および前記第2積層体を、前記第1透明シーラント層および前記第2透明シーラント層が対向し、かつ、前記第1印刷層、前記第2印刷層、前記第3印刷層、前記第4印刷層が平面視上重なるように配置し、
前記第1積層体および前記第2積層体の周囲の一部における前記第1透明シーラント層および前記第2透明シーラント層がヒートシールされている、包装袋。
【請求項14】
前記第3印刷層と前記第4印刷層との間に隠蔽層を有する、請求項13に記載の包装袋。
【請求項15】
請求項7に記載の積層体セットを用いた、包装袋であって、
前記第3積層体および前記第4積層体を、前記第1透明シーラント層および前記第2透明シーラント層が対向し、かつ、前記第1印刷層、前記第2印刷層、前記第3印刷層、前記第4印刷層が平面視上重なるように配置し、
前記第3積層体および前記第4積層体の周囲の一部における前記第1透明シーラント層および前記第2透明シーラント層がヒートシールされている、包装袋。
【請求項16】
前記第3印刷層と前記第4印刷層との間に隠蔽層を有する、請求項15に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、積層体、積層体セット、包装袋形成用シート、および包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品、飲料、医薬品、及び化学品等の多くの商品分野における包装材料には、一般的に、商品名、絵柄、製造者名、ロゴマーク、商品説明等を設けるための印刷層が形成されている。印刷層は、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等の有版印刷法により形成されることが多い。近年、トナーを用いた電子写真方式、インクジェット方式等の印刷機を用いて印刷層を形成する方法も提案されている。電子写真方式およびインクジェット方式は、版を必要としない無版印刷法であり、多種多様な絵柄を一度に印刷することができる。
【0003】
特許文献1には、壁面部として、少なくとも第1壁面部と、上記第1壁面部に対向配置された第2壁面部とを備え、上記各壁面部の裏面同士が接合されたシール部を有するパウチ容器であって、上記第1及び上記第2壁面部は、ベースフィルムと、上記ベースフィルムの裏面側に設けられたシーラント層とを有し、上記第1及び上記第2壁面部の少なくとも1つは、上記ベースフィルムと上記シーラント層との間に形成された無版印刷層を有し、当該無版印刷層の縁部は容器端面から離れた位置に設けられている、パウチ容器が開示されている。
【0004】
特許文献2には、デジタル印刷で図柄をそれぞれ印刷した表フィルムと裏フィルムの原反ロールを用意し、この2本の原反ロールから繰り出された表フィルムと裏フィルムの双方を合わせて三方シールを行うことにより製袋する三方シール袋の製袋方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2017/047167号
【特許文献2】特開2018-12250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、高い意匠性を有する包装袋等の材料が求められており、特に、包装袋等においては、変化に富んだ意匠性が求められている。本開示においては、高い意匠性を有する積層体を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態は、透明である透明シーラント層と、透明である第1透明基材、および上記第1透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第1印刷層を有する第1印刷フィルムと、透明である第2透明基材、および上記第2透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第2印刷層を有する第2印刷フィルムと、をこの順に有し、上記第1印刷層および上記第2印刷層が平面視上重なるように配置され、上記第1印刷層および上記第2印刷層のうち少なくとも1つが、無版印刷層である、積層体を提供する。
【0008】
本開示の他の実施形態は、透明である透明シーラント層と、第1印刷層と、第2印刷層と、透明である透明基材と、をこの順に有し、上記第1印刷層および上記第2印刷層が平面視上重なるように配置され、上記第1印刷層および第2印刷層のうち少なくとも1つが、無版印刷層である、積層体を提供する。
【0009】
本開示の他の実施形態は、透明である第1透明シーラント層と、透明である第1透明基材、および上記第1透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第1印刷層を有する第1印刷フィルムと、透明である第2透明基材、および上記第2透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第2印刷層を有する第2印刷フィルムと、をこの順に有し、上記第1印刷層および上記第2印刷層が平面視上重なるように配置され、上記第1印刷層および上記第2印刷層のうち少なくとも1つが、無版印刷層である、第1積層体と、透明である第2透明シーラント層と、透明である第3透明基材、および上記第3透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第3印刷層を有する第3印刷フィルムと、透明である第4透明基材、および上記第4透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第4印刷層を有する第4印刷フィルムと、をこの順に有し、上記第3印刷層および上記第4印刷層が平面視上重なるように配置され、上記第3印刷層および上記第4印刷層のうち少なくとも1つが、無版印刷層である、第2積層体と、を有し、上記第1積層体および上記第2積層体が、上記第1透明シーラント層および上記第2透明シーラント層が対向するように積層されて用いられる、積層体セットを提供する。
【0010】
本開示の他の実施形態は、透明である第1透明シーラント層と、第1印刷層と、第2印刷層と、透明である第1透明基材と、をこの順に有し、上記第1印刷層および上記第2印刷層が平面視上重なるように配置され、上記第1印刷層および第2印刷層のうち少なくとも1つが、無版印刷層である、第3積層体と、透明である第2透明シーラント層と、第3印刷層と、第4印刷層と、透明である第2透明基材と、をこの順に有し、上記第3印刷層および上記第4印刷層が平面視上重なるように配置され、上記第3印刷層および第4印刷層のうち少なくとも1つが、無版印刷層である、第4積層体と、を有し、上記第3積層体および上記第4積層体が、上記第1透明シーラント層および上記第2透明シーラント層が対向するように積層されて用いられる、積層体セットを提供する。
【0011】
さらに、本開示の他の実施形態は、上述した積層体セットを用いた、包装袋形成用シートであって、上記第1透明シーラント層および上記第2透明シーラント層が同一の共通シーラント層であり、上記第1透明基材および上記第3透明基材が同一の透明基材である、第1共通透明基材であり、上記第2透明基材および上記第4透明基材が同一の透明基材である、第2共通透明基材であり、上記第1印刷層および上記第3印刷層が、上記第1共通透明基材上に隣接して配置され、上記第2印刷層および上記第4印刷層が、上記第2共通透明基材上に隣接して配置され、上記第1印刷層および上記第2印刷層、並びに上記第3印刷層および第4印刷層が平面視上重複するように、上記共通シーラント層、上記第1共通透明基材、および上記第2共通透明基材が、この順に積層されている、包装袋形成用シートを提供する。
【0012】
本開示の他の実施形態は、上述した積層体セットを用いた、包装袋形成用シートであって、上記第1透明シーラント層および上記第2透明シーラント層が同一の共通シーラント層であり、上記第1透明基材および上記第2透明基材が同一の透明基材である、共通透明基材であり、上記第1印刷層および上記第3印刷層、並びに上記第2印刷層および上記第4印刷層が、上記共通透明基材上に隣接して配置され、上記第1印刷層および上記第2印刷層、並びに上記第3印刷層および第4印刷層が平面視上重複するように、上記共通シーラント層、および上記共通透明基材が積層されている、包装袋形成用シートを提供する。
【0013】
本開示の他の実施形態は、上述した積層体セットを用いた、包装袋であって、上記第1積層体および上記第2積層体が、上記第1透明シーラント層および上記第2透明シーラント層が対向し、かつ、上記第1印刷層、上記第2印刷層、上記第3印刷層、上記第4印刷層が平面視上重なるように配置され、上記第1積層体および上記第2積層体の周囲の一部における上記第1透明シーラント層および上記第2透明シーラント層がヒートシールされている、包装袋を提供する。
【0014】
本開示の他の実施形態は、上述した積層体セットを用いた、包装袋であって、上記第3積層体および上記第4積層体が、上記第1透明シーラント層および上記第2透明シーラント層が対向し、かつ、上記第1印刷層、上記第2印刷層、上記第3印刷層、上記第4印刷層が平面視上重なるように配置され、上記第3積層体および上記第4積層体の周囲の一部における上記第1透明シーラント層および上記第2透明シーラント層がヒートシールされている、包装袋を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本開示は、奥行きがあり、かつ内容物の有無により、意匠性を変化させることが可能となる包装袋等を得ることができる積層体を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の第1実施形態の積層体の一例を示す概略断面図である。
【
図2】本開示の第1実施形態の積層体の一例を示す概略断面図である。
【
図3】本開示の第2実施形態の積層体の一例を示す概略断面図である。
【
図4】本開示の第1実施形態の包装袋形成用シートの製造方法の一例を説明する図である。
【
図5】本開示の第2実施形態の包装袋形成用シートの製造方法の一例を説明する図である。
【
図6】本開示の包装袋形成用シートおよびこれを用いた包装袋の一例を示す概略図である。
【
図7】本開示の第1実施形態の包装袋形成用シートの一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0018】
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」、あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。また、本明細書において、ある部材の面に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面側に」または「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
【0019】
本発明者等は、内容物が包含される袋体等に対し高い意匠性を付与することが可能な積層体について検討したところ、2つの積層体を重ねた状態において、表側を構成する積層体から裏側を構成する積層体を視認した際に、裏側の積層体の意匠が表側の積層体を透過して見えるようにすることにより、表側から視認した際に奥行きを有する意匠とすることが可能となり、さらに内容物の有無により、意匠の変化が楽しめる点を見出した。
また、有版印刷法は、一度に製造できる絵柄の種類がグラビア版と包装材の大きさ等によって制限されるため、多種多様な絵柄を一度に得ることは困難である。そのため、意匠性の向上には限界があった。一方、本開示によれば、無版印刷層を、別の印刷層と組み合わせた積層体とすることにより、無版印刷層は絵柄そのものだけでなく、印刷される絵柄の大きさも容易に変えることができるため、既に印刷されたフィルムとの位置合わせの精度を向上させることができ、さらに、有版印刷法と比較し、多種多様な絵柄を得ることができる。
本開示によれば、上記表側構成する積層体から、裏側を構成する積層体を視認できるように構成し、これに加えて無版印刷層を用いることにより、高い意匠性を有する袋体等を構成することが可能な積層体を提供するものである。
以下、本開示の積層体、積層体セット、包装袋形成用シート、および包装袋について、詳細に説明する。
【0020】
A.積層体(第1実施形態)
本実施形態の積層体は、透明である透明シーラント層と、透明である第1透明基材、および上記第1透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第1印刷層を有する第1印刷フィルムと、透明である第2透明基材、および上記第2透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第2印刷層を有する第2印刷フィルムと、をこの順に有し、上記第1印刷層および上記第2印刷層が平面視上重なるように配置され、上記第1印刷層および上記第2印刷層のうち少なくとも1つが、無版印刷層であることを特徴とする。本実施形態の積層体は、無版印刷層を用いた他の積層体と組み合わせることにより、上述した理由により、高い意匠性を有するものとなる。
【0021】
図1は、本実施形態の積層体の一例を示す概略断面図である。本実施形態の積層体10は、
図1(a)、(b)に示すように、シーラント層3と、第1印刷フィルムF1と、第2印刷フィルムF2とをこの順に有する。第1印刷フィルムF1は、第1透明基材1と、上記第1透明基材1の少なくとも一方の主面側に配置された第1印刷層11と、を有する。第2印刷フィルムF2は、第2透明基材2と、上記第2透明基材2の少なくとも一方の主面側に配置された第2印刷層12と、を有する。本開示においては、第1印刷層11および第2印刷層12のうち少なくとも1つが、無版印刷層(図中、符号Dで示す)であることを特徴とする。無版印刷層以外の印刷層としては、有版印刷層(図中、符号Gで示す)が挙げられる。
図1(a)に示す積層体は、第1印刷層11および第2印刷層12のいずれもが、無版印刷層(D)である。
図1(b)に示す積層体は、第1印刷層11が無版印刷層(D)であり、第2印刷層12が有版印刷層(G)である。
【0022】
1.第1印刷フィルムおよび第2印刷フィルム
本実施形態における第1印刷フィルムは、第1透明基材と、第1透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第1印刷層と、を有する。第1印刷層は、第1透明基材の透明シーラント層側の面側に配置されていてもよく、第1透明基材の第2印刷フィルム側の面側に配置されていてもよい。
第2印刷フィルムは、第2透明基材と、第2透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第2印刷層と、を有する。第2印刷層は、第2透明基材の第1印刷フィルム側の面側に配置されていてもよく、第2透明基材の第1印刷フィルム側とは反対の面側に配置されていてもよいが、耐擦傷性や耐衝撃性の観点から、前者が好ましい。
【0023】
(1)第1印刷層および第2印刷層
本実施形態においては、第1印刷層および第2印刷層のうち少なくとも1つが、無版印刷層である。
図1(a)に示す積層体は、第1印刷層11および第2印刷層12のいずれもが無版印刷層(D)である。
図1(b)に示す積層体は、第1印刷層11が無版印刷層(D)であり、第2印刷層12が有版印刷層(G)である。本実施形態においては、少なくとも第1印刷層が無版印刷層であることが好ましい。積層体を製造する際に、第2印刷層を形成した後に第1印刷層を形成する場合が多く、第1印刷層を無版印刷層とすることにより、位置合わせ精度の向上効果が得られやすいためである。
【0024】
a)無版印刷層および有版印刷層
無版印刷層は、電子写真方式、インクジェット方式などの版を必要としない無版印刷法により形成される。
無版印刷層は、例えば色材等を含有するトナーを含む。無版印刷層の色(色相、明度、彩度)は、文字や絵柄等のデザインに応じて任意に設定でき、例えば赤、黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫等の有彩色が挙げられる。無版印刷層の色は、白色、黒色、灰色等の無彩色であってもよい。
トナーに含有される色材は特に限定されないが、例えば、シアン顔料、マゼンダ顔料、イエロー顔料、及びブラック顔料を含有する。トナーを用いた電子写真方式により形成された無版印刷層は、顕微鏡観察により、印刷層を構成するトナーの粒子に起因したドットを確認することができる。無版印刷層は、例えば1種類のトナーを含む1つの印刷層によって、又は互いに異なるトナーを含む2以上の印刷層を組み合わせることによって文字や絵柄等を形成している。なお、インクジェット方式で印刷する場合は、トナーに替えて印刷インキとして、インクジェット方式の印刷機に使用される液体インキ(インクジェット用の水性インキやUVインキ)が使用できる。インクジェット方式で形成された無版印刷層は、インク滴に起因したドットを確認することができる。これらのドットは、一般的に有版印刷層の版の凹凸に起因したドットよりも小さい。
【0025】
有版印刷層は、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、凸版輪転印刷法、スクリーン印刷法などの従来公知の有版印刷法により形成される。有版印刷法は、印刷層の形成パターンに応じて作製された版を用いる印刷法である。有版印刷層の形成に適用される印刷法は、好ましくはグラビア印刷法又はフレキソ印刷法であり、特に好ましくはグラビア印刷法である。有版印刷層には、例えば版の凹凸パターンの跡が残っている。
【0026】
有版印刷層は、例えば色材及びバインダ樹脂を含み、また各種添加剤を含んでいてもよい。有版印刷層は、従来公知の油性インキ(溶剤系インキ)又は水性インキを用いて形成できる。これらインキは、例えば色材と、バインダ樹脂と、任意の添加剤と、溶媒又は分散媒(以下、溶媒等という)とを含有し、バインダ樹脂及び色材が溶媒等に溶解又は分散したものである。溶媒等は、バインダ樹脂等を溶解又は分散させることができれば特に限定されない。
【0027】
有版印刷層の色(色相、明度、彩度)は、文字や絵柄等のデザインに応じて任意に設定でき、例えば赤、黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫、金属色(銀色、金色等)、パール色等が挙げられる。有版印刷層の色は、白色、黒色、灰色(無彩色)であってもよい。有版印刷層は、例えば1種類の色材を含む1つの印刷層によって、又は互いに異なる色材を含む2以上の印刷層を組み合わせることによって文字や絵柄等を形成している。有版印刷層では、一般的に様々な特色インキを使用することにより、無版印刷層では不可能な色の再現、安定性が得られる場合がある。また、透明インキを使用することにより、印刷面内のインキ盛り量のムラを抑制することができる。
【0028】
b)意匠について
本開示において、第1印刷層および第2印刷層は、絵柄、商品名、製造者名、ロゴマーク、商品説明等を表示するための印刷層であって、絵柄や文字に応じて任意のパターンで形成される。
【0029】
上記第1印刷層および第2印刷層は、二つの積層体を積層して例えば袋体等を構成する場合等において、表側を構成する積層体であるか、裏側を構成する積層体であるかにより、その構成が異なるものとなる。
例えば、表側を構成する積層体における上記第1印刷層および上記第2印刷層は、これらの印刷層を積層することにより意匠性が発揮されるようなものとなる。
【0030】
具体的には、表側を構成する積層体における上記第1印刷層は、キャラクター(人物、動植物、乗り物、機械など)が挙げられ、表側を構成する積層体における上記第2印刷層は、文字、商品名、商品や企業のロゴ、イラストなどが挙げられる。
【0031】
表側を構成する積層体の場合は、上記第1印刷層および上記第2印刷層が積層された状態でも、表側から視認した際に、裏面を構成する積層体の透明シーラント層を介して裏面を構成する第1印刷層が視認できるように構成される必要がある。例えば、第1印刷層および第2印刷層が半透明な層である場合や、第1印刷層および第2印刷層が形成されていない領域があり、ここから裏面を構成する積層体を視認できる場合等を挙げることができる。
【0032】
一方、裏側を構成する積層体における上記第1印刷層は、上記表側を構成する積層体が示す意匠と組み合わせることにより、より意匠性を向上させる意匠であることが好ましい。
具体的には、上記表側を構成する積層体が示す意匠の背景となる意匠、例えば、背景となる風景画像、隠しメッセージ/コード(開封し内容物を取り除いた後に見えるようになる)等を挙げることができる。
【0033】
一方、裏側を構成する積層体における上記第2印刷層は、裏側から視認された際に正確に確認可能な意匠となる。例えば、バーコード、製品などに関する説明文、成分表示、注意喚起、WebサイトのURL、QRコード(登録商標)等を挙げることができる。
【0034】
裏面を構成する積層体における第2印刷層は、表面側から見た場合に視認されないことが好ましい。具体的には、後述する隠蔽層を設けたり、上記表側を構成する積層体の第1印刷層および第2印刷層、さらには裏側を構成する第1印刷層により、隠蔽されていることが好ましい。
【0035】
(2)第1透明基材および第2透明基材
本開示において、第1透明基材および第2透明基材としては、それぞれ、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ-ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)等)、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)、ポリアミド(ナイロン-6、ナイロン-66等)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルスルフォン(PES)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、およびポリスチレン(PS)などの樹脂から構成される単層フィルム又は2層以上の複層フィルムが例示できる。また、上記樹脂およびCaCO3(炭酸カルシウム)を含む複合材料から構成される単層フィルム又は2層以上の複層フィルムが例示できる。このような複合材料としては、例えば、炭酸カルシウムとポリプロピレンとを含むLIMEX(登録商標)(株式会社TBM製)が挙げられる。第1透明基材および第2透明基材は、それぞれ、延伸フィルムであってもよく、無延伸フィルムであってもよい。
【0036】
透明基材の厚みは、透明基材が単層フィルムである場合、例えば9μm以上であり、12μm以上であることが好ましい。一方、例えば300μm以下であり、200μm以下であることが好ましい。透明基材が2層以上の複層フィルムである場合、上記厚みの単層フィルムを複数重ねた厚みとなる。
【0037】
なお、本開示における「透明である」とは、可視光域において透明であることを意味するものであり、例えば全光線透過率が、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。ここで、全光線透過率は、JIS K7361-1に準拠して測定することができ、例えば村上色彩技術研究所製のヘイズメーターHM150により測定することができる。
【0038】
2.透明シーラント層
本開示における透明シーラント層は、1枚の積層体を折り曲げ、または2枚の積層体を重ねた際に、対向する縁部近傍をヒートシールすることで、当該縁部を貼り合わせることが可能なように配置されている。ここで、本開示におけるシーラント層は透明である。これは、上述したように、2つの積層体を重ね合わせることにより、例えば袋体等を構成した際に、表面側の積層体から裏面側の積層体を視認することが必要であるからである。また、透明シーラント層は、積層体のうち、製袋して包装袋とするときの最も収容部側に配置される。
【0039】
透明シーラント層を構成する材料としては、例えば、低密度PE(LDPE)、直鎖状低密度PE(LLDPE)、中密度PE(MDPE)、高密度PE(HDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、プロピレン単独重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体、エチレン-プロピレンランダム共重合体等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上の樹脂を用いることができる。透明シーラント層は、単層で構成されても、2層以上の多層で構成されてもよい。透明シーラント層は、ヒートシールの際の収縮を抑制するために、前述した樹脂からなる無延伸のフィルムであることが好ましい。例えば、透明シーラント層は、無延伸プロピレンフィルム(CPP)であることが好ましい。
【0040】
透明シーラント層の厚みは、特に限定されるものではなく、通常、10~200μm程度であることが好ましい。
【0041】
3.隠蔽層
本実施形態の積層体であって、上述したように裏面側を構成する積層体である場合は、第1印刷層と第2印刷層との間に隠蔽層が配置されることが好ましい。
【0042】
図2は、本実施形態の積層体が隠蔽層による隠蔽領域を含む場合の一例を示す概略断面図である。
図2(a)に示す積層体は、無版印刷層(D)である第1印刷層11と、有版印刷層(G)である第2印刷層12との間に隠蔽層4が配置された隠蔽領域を有している。
図2(b)に示す積層体は、無版印刷層(D)である第1印刷層11と、無版印刷層(D)である第2印刷層12との間に隠蔽層4が配置された隠蔽領域を有している。
【0043】
隠蔽層4は、非透明である隠蔽領域を形成し、積層体を第2印刷フィルムF2側から見たときに、第1印刷層11を隠蔽することが可能であり、積層体を透明シーラント層3側から見たとき、具体的には、二つの積層体を積層して袋体等を構成した際に表側から見た際に、第2印刷層12を隠蔽することが可能な層である。また、積層体を製袋して包装袋とする場合、第2印刷層は第1印刷層よりも裏面側に位置するため、袋裏面側から観察したときに、第2印刷層の背景色を表示する役割を果たすことが好ましい。
【0044】
このように第1印刷層と第2印刷層との間に隠蔽層を配置することで、例えば、積層体を第2印刷フィルム側から観察する際に、第2印刷層を、第1印刷層の裏写りを抑制しつつ視認することができ、第2印刷層の視認性をより向上させることができる。従って、第2印刷層が、可読性の高さが求められる場合(例えば、商品情報等に関する文字やコード類)に有効である。
【0045】
隠蔽層としては、隠蔽可能な層であれば特に限定されることはなく、隠蔽着色が可能な公知のインクを用いて形成された層や、金属層等を挙げることができる。本開示においては、隠蔽着色が可能な公知のインクを用いて形成された層が好ましい。
このような隠蔽層は、通常、ベタ層、すなわち全面に形成されたものであるが、第1印刷層または第2印刷層を隠蔽可能であれば部分的に形成されていてもよい。上記インクとしては、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)させて得られる着色インクが挙げられる。
【0046】
特に、グラビア印刷法により、白インキ層と、銀インキ層とを重ねて印刷することで、隠蔽性を上げつつ、第2印刷層の墨、紅、藍、黄インキの発色を良くすることができる。また、白インキ層と、銀インキ層と、白インキ層とを重ねて印刷してもよい。さらに、一部分の白インキ層を抜くことで銀色を見えるようにし、必要な箇所にのみ光沢感を出すこともできる。また、デジタル印刷で白インキ層を印刷することにより形成してもよい。
【0047】
4.その他
本実施形態の積層体は、透明シーラント層、第1印刷フィルムおよび第2印刷フィルム以外に、後述する層を任意の位置に含むことができる。
【0048】
(1)接着剤層
本実施形態の積層体は、透明シーラント層と第1印刷フィルムとの間、第1印刷フィルムと第2印刷フィルムとの間に接着剤層を有してもよい。接着剤層は、従来公知の接着剤により形成することができる。接着剤は、1液硬化型若しくは2液硬化型、または非硬化型のいずれも接着剤であってもよい。接着剤としてガスバリア性を有する接着剤を用いると、包装材のガスバリア性(酸素バリア性、水蒸気バリア性)を更に高めることができる。ガスバリア性を有する接着剤としては、ポリエステルポリオールと、イソシアネート化合物と、板状無機化合物とを含む接着剤組成物が挙げられる。
【0049】
(2)透明フィルム
本実施形態の積層体は、厚みをもたせるために、透明フィルムを有してもよい。透明フィルムとしては、上述した「1.第1印刷フィルムおよび第2印刷フィルム (2)第1透明基材および第2透明基材」と同様のものを用いることができる。透明フィルムを有することで、耐衝撃性を向上させることができる。透明フィルムは、透明シーラント層と第1印刷フィルムとの間に配置されることが好ましい。
【0050】
(3)ガスバリア層
本実施形態の積層体は、ガスバリア層を有してもよい。ガスバリア層は、包装袋とした際に、包装材の収納部と外部環境との間で、酸素や水蒸気等の透過を遮断するものである。ガスバリア層は、可視光や紫外線等の透過を遮断する遮光性をも付与するものであっても良い。ガスバリア層は、1層で構成されていても、2層以上の多層で構成されていても良い。
【0051】
ガスバリア層は、公知の材料により構成することができる。ガスバリア層は、透明シーラント層と第1印刷フィルムとの間に配置されることが好ましい。例えば、透明シーラント層の表面に蒸着膜やガスバリア性を有する塗布膜を形成した構成とすることができる。
【0052】
(4)他の印刷層
本実施形態の積層体は、上記第1印刷層および第2印刷層以外の他の印刷層を有してもよい。他の印刷層は有版印刷層であってもよいし、無版印刷層であってもよい。
【0053】
5.用途
本実施形態の積層体は、包装袋形成用シートとして使用することができる。包装袋形成用シートとしては、後述する「D.包装袋形成用シート」に詳述するため、ここでの説明は省略する。また、包装袋以外にも、クリアファイル、巻きラベル、シュリンクラベル、タックラベル、シールラベル等の製造用シートとして使用することができる。
【0054】
B.積層体(第2実施形態)
本開示の積層体の第2実施形態は、透明である透明シーラント層と、第1印刷層と、第2印刷層と、透明である透明基材と、をこの順に有し、上記第1印刷層および上記第2印刷層が平面視上重なるように配置され、上記第1印刷層および第2印刷層のうち少なくとも1つが、無版印刷層である点を特徴とするものである。
【0055】
図3は、本実施形態の積層体の一例を示す概略断面図である。本実施形態の積層体20は、
図3に示すように、透明シーラント層3と、第1印刷層11と、第2印刷層12と、透明基材5とをこの順に有する。本実施形態においては、第1印刷層11および第2印刷層12のうち少なくとも1つが、無版印刷層であり、第1印刷層11と第2印刷層12との間に隠蔽層4が配置された隠蔽領域を有していてもよい。
図3(a)に示す積層体は、第1印刷層11が無版印刷層(D)であり、第2印刷層12が有版印刷層(G)である。
図3(b)に示す積層体は、第1印刷層11および第2印刷層12のいずれもが、無版印刷層(D)である。
【0056】
本実施形態の積層体は、無版印刷層を別の印刷層と組み合わせることにより、上述した理由により、高い意匠性を有するものとなる。さらに、本実施形態の積層体は、透明基材を1つ有していればよいため、製造がより容易となる。また、材料費の削減や環境負荷の低減を図ることができる。
【0057】
さらに、本実施形態において、隠蔽層が配置されていてもよい。上記隠蔽層は、第1印刷層と第2印刷層との間に配置され、非透明である隠蔽領域を形成し、積層体を透明基材5側から見たときに、第1印刷層11を隠蔽することが可能であり、積層体を透明シーラント層3側から見たときに、第2印刷層12を隠蔽することが可能な層である。
【0058】
例えば、積層体を透明基材側から観察する際に、第2印刷層を、第1印刷層の裏写りを抑制しつつ視認することができ、第2印刷層の視認性をより向上させることができる。従って、第2印刷層が、可読性の高さが求められる場合(例えば、商品情報等に関する文字やコード類)に有効である。
【0059】
透明シーラント層としては、上述の「A.積層体(第1実施形態) 2.透明シーラント層」と同様とすることができる。また、第1印刷層、第2印刷層としては、上述の「A.積層体(第1実施形態) 1.第1印刷フィルムおよび第2印刷フィルム (1)第1印刷層および第2印刷層」と同様とすることができる。透明基材としては、上述の「A.積層体(第1実施形態) 1.第1印刷フィルムおよび第2印刷フィルム (2)第1透明基材および第2透明基材」と同様とすることができる。隠蔽層としては、上述の「A.積層体(第1実施形態) 3.隠蔽層」に記載した隠蔽層と同様とすることができる。
【0060】
また、本実施形態の積層体は、透明シーラント層、第1印刷層および第2印刷層、透明基材、隠蔽層以外に、「A.積層体(第1実施形態) 4.その他」に記載した層を任意の位置に含むことができる。
【0061】
本実施形態の積層体の用途としては、上述した「A.積層体(第1実施形態) 5.用途」と同様である。
【0062】
C.積層体セット
1.第1実施形態
本開示における積層体セットの第1実施形態は、透明である第1透明シーラント層と、透明である第1透明基材、および上記第1透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第1印刷層を有する第1印刷フィルムと、透明である第2透明基材、および上記第2透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第2印刷層を有する第2印刷フィルムと、をこの順に有し、上記第1印刷層および上記第2印刷層が平面視上重なるように配置され、上記第1印刷層および上記第2印刷層のうち少なくとも1つが、無版印刷層である、第1積層体と、透明である第2透明シーラント層と、透明である第3透明基材、および上記第3透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第3印刷層を有する第3印刷フィルムと、透明である第4透明基材、および上記第4透明基材の少なくとも一方の主面側に配置された第4印刷層を有する第4印刷フィルムと、をこの順に有し、上記第3印刷層および上記第4印刷層が平面視上重なるように配置され、上記第3印刷層および上記第4印刷層のうち少なくとも1つが、無版印刷層である、第2積層体と、を有し、上記第1積層体および上記第2積層体が、上記第1透明シーラント層および上記第2透明シーラント層が対向するように積層されて用いられることを特徴とする。
【0063】
本実施形態における積層体セットは、上記「A.積層体(第1実施形態)」で説明した積層体において、これを2つ積層し、それぞれを表側積層体および裏側積層体として用いる場合の積層体のセットである。すなわち、第1積層体が、上記「A.積層体(第1実施形態)」で説明した積層体の表側を構成する積層体であり、第2積層体が、上記「A.積層体(第1実施形態)」で説明した積層体の裏側を構成する積層体とすることができる。
【0064】
なお、上記第1積層体の第1透明シーラント層は、上記「A.積層体(第1実施形態)」で説明した積層体における透明シーラント層と同様である。また、上記第2積層体の第2透明シーラント層、第3透明基材、第3印刷層、第4透明基材、および第4印刷層が、上記「A.積層体(第1実施形態)」で説明した積層体における透明シーラント層、第1透明基材、第1印刷層、第2透明基材、および第2印刷層と同様である。
【0065】
これらの各構成については、上記「A.積層体(第1実施形態)」で説明した積層体で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0066】
このような積層体セットは、例えば包装用袋体の用途の場合は、上記第1積層体および第2積層体を準備し、それぞれの第1透明シーラント層および第2透明シーラント層を対向するように配置し、その周囲をヒートシールすることにより袋体を形成することができる。
【0067】
2.第2実施形態
本開示における積層体セットの第2実施形態は、透明である第1透明シーラント層と、第1印刷層と、第2印刷層と、透明である第1透明基材と、をこの順に有し、上記第1印刷層および上記第2印刷層が平面視上重なるように配置され、上記第1印刷層および第2印刷層のうち少なくとも1つが、無版印刷層である、第3積層体と、透明である第2透明シーラント層と、第3印刷層と、第4印刷層と、透明である第2透明基材と、をこの順に有し、上記第3印刷層および上記第4印刷層が平面視上重なるように配置され、上記第3印刷層および第4印刷層のうち少なくとも1つが、無版印刷層である、第4積層体と、を有し、上記第3積層体および上記第4積層体が、上記第1透明シーラント層および上記第2透明シーラント層が対向するように積層されて用いられることを特徴とする。
【0068】
本実施形態における積層体セットは、上記「B.積層体(第2実施形態)」で説明した積層体において、これを2つ積層し、それぞれを表側積層体および裏側積層体として用いる場合の積層体のセットである。すなわち、第3積層体が、上記「B.積層体(第2実施形態)」で説明した積層体の表側を構成する積層体であり、第4積層体が、上記「B.積層体(第2実施形態)」で説明した積層体の裏側を構成する積層体とすることができる。
【0069】
なお、上記第3積層体の第1透明シーラント層、および第1透明基材は、上記「B.積層体(第2実施形態)」で説明した積層体における透明シーラント層、および透明基材と同様である。また、上記第4積層体の第2透明シーラント層、第3印刷層、第4印刷層、および第2透明基材が、上記「B.積層体(第2実施形態)」で説明した積層体における透明シーラント層、第1印刷層、第2印刷層、および透明基材と同様である。
【0070】
これらの各構成については、上記「A.積層体(第1実施形態)」で説明した積層体で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0071】
このような積層体セットは、例えば包装用袋体の用途の場合は、上記第3積層体および第4積層体を準備し、それぞれの第1透明シーラント層および第2透明シーラント層を対向するように配置し、その周囲をヒートシールすることにより袋体を形成することができる。
【0072】
D.包装袋形成用シート
1.第1実施形態
本実施形態における包装袋形成用シートは、上述した積層体セットの第1実施形態を用いた包装袋形成用シートであって、上記第1透明シーラント層および上記第2透明シーラント層が同一の共通シーラント層であり、上記第1透明基材および上記第3透明基材が同一の透明基材である、第1共通透明基材であり、上記第2透明基材および上記第4透明基材が同一の透明基材である、第2共通透明基材であり、上記第1印刷層および上記第3印刷層が、上記第1共通透明基材上に隣接して配置され、上記第2印刷層および上記第4印刷層が、上記第2共通透明基材上に隣接して配置され、上記第1印刷層および上記第2印刷層、並びに上記第3印刷層および第4印刷層が平面視上重複するように、上記共通シーラント層、上記第1共通透明基材、および上記第2共通透明基材が、この順に積層されている、ことを特徴とする。
【0073】
図7は、上記包装袋形成用シートの第1実施形態の一例を示す。本実施形態の包装袋形成用シートの第1実施形態の一例は、共通シーラント層3と、第1印刷層(絵柄C)および第3印刷層(絵柄D)が隣接して配置された第1共通透明基材1と、第2印刷層(絵柄A)および第4印刷層(絵柄B)が隣接して配置された第2共通透明基材2とがこの順に積層されたものであり、第1印刷層(絵柄C)および第2印刷層(絵柄A)、並びに第3印刷層(絵柄D)および第4印刷層(絵柄B)が平面視上重複するように配置されたものである。
【0074】
図6は、本実施形態における包装袋形成用シートおよびこれを用いた包装袋の一例を示す概略図である。
図6(a)に示す包装袋形成用シート50は、折り曲げ予定部Sを挟み、表面側積層体51および裏面側積層体52を有する。本実施形態によれば、表面側積層体51が、第1印刷層(絵柄C)および第2印刷層(絵柄A)を有する「C.積層体セット」における第1積層体であり、裏面側積層体52が、第3印刷層(絵柄D)および第4印刷層(絵柄B)を有する「C.積層体セット」における第2積層体となる。
【0075】
上記包装袋形成用シート50を折り曲げ予定部Sで折り曲げ、重ね合わせ、その周端部をヒートシールすることによりシール部103が形成され、表面101および裏面102を有する包装袋100が得られる(
図6(b))。
【0076】
本実施形態の包装袋形成用シートの製造方法は特に限定されないが、例えば、以下のように製造することができる。
図4(a)は、本実施形態における包装袋形成用シートの製造方法の一例を説明する図である。
【0077】
まず、第2共通透明基材2に第2印刷層(絵柄A)および第4印刷層(絵柄B)を無版印刷により形成する(工程1)。この際、位置合わせのためのマークを付けることが好ましい。無版印刷によれば複数の絵柄を連続的に変化させながら印刷することができる。この際、必要に応じて任意の領域に隠蔽層を形成する。次いで、第2印刷層(絵柄A)12側に接着剤を塗布し、第1共通透明基材1を貼り合わせる(工程2)。第1共通透明基材1の第2印刷層(絵柄A)12側とは反対の面側に、無版印刷により、第1印刷層(絵柄C)および第3印刷層(絵柄D)を形成する(工程3)。このとき、位置合わせマークを使用して、第2印刷層および第4印刷層との位置合わせを行う。無版印刷によれば、精度良く位置合わせを行うことができ、複数の絵柄を連続的に変化させながら印刷することができる。次いで、第1印刷層(絵柄C)11側に接着剤を塗布し、共通シーラント層3を貼り合わせる(工程4)。これにより、包装袋形成用シートが得られる。
【0078】
図4(b)は、本実施形態における包装袋形成用シートの製造方法の別の一例を説明する図である。
まず、第2共通透明基材2に第2印刷層(絵柄A)および第4印刷層(絵柄B)を有版印刷により形成する(工程1)。この際、位置合わせのためのマークを付けることが好ましい。この際、必要に応じて裏面側の積層体となる第4印刷層(絵柄B)の領域に隠蔽層を形成してもよい。次いで、第2印刷層(絵柄A)12側に接着剤を塗布し、第1共通透明基材1を貼り合わせる(工程2)。第1共通透明基材1の第2印刷層(絵柄A)12側とは反対の面側に、無版印刷により第1印刷層(絵柄C)および第3印刷層(絵柄D)を形成する(工程3)。このとき、位置合わせマークを使用して、第2印刷層(絵柄A)および第4印刷層(絵柄B)との位置合わせを行う。無版印刷によれば、精度良く位置合わせを行うことができ、複数の絵柄を連続的に変化させながら印刷することができる。次いで、第1印刷層(絵柄C)11側に接着剤を塗布し、共通シーラント層3を貼り合わせる(工程4)。これにより、包装袋形成用シートが得られる。
【0079】
2.第2実施形態
本実施形態における包装袋形成用シートは、上述した積層体セットの第2実施形態を用いた、包装袋形成用シートであって、上記第1透明シーラント層および上記第2透明シーラント層が同一の共通シーラント層であり、上記第1透明基材および上記第2透明基材が同一の透明基材である、共通透明基材であり、上記第1印刷層および上記第3印刷層、並びに上記第2印刷層および上記第4印刷層が、上記共通透明基材上に隣接して配置され、上記第1印刷層および上記第2印刷層、並びに上記第3印刷層および第4印刷層が平面視上重複するように、上記共通シーラント層、および上記共通透明基材が積層されていることを特徴とする。
【0080】
図5は、本実施形態の包装袋形成用シートの製造方法の一例を説明する図である。
まず、共通透明基材5に第2印刷層(絵柄A)および第4印刷層(絵柄B)を有版印刷(または無版印刷)により形成する(工程1)。この際、位置合わせのためのマークを付けることが好ましい。また、裏面側の積層体となる第4印刷層(絵柄B)の領域に隠蔽層を形成してもよい。次いで、第2印刷層(絵柄A)12側に無版印刷により第1印刷層(絵柄C)および第3印刷層(絵柄D)を形成する(工程2)。このとき、位置合わせマークを使用して、第2印刷層(絵柄A)および第4印刷層(絵柄B)との位置合わせを行う。無版印刷によれば、精度良く位置合わせを大なうことができ、複数の絵柄を連続的に変化させながら印刷することができる。次いで、第1印刷層(絵柄C)11側に接着剤を塗布し、共通シーラント層3を貼り合わせる(工程3)。これにより、包装袋形成用シートが得られる。
【0081】
本実施形態の包装袋形成用シートは、上述した製造方法の一例により形成することが可能であり、共通シーラント層3と、共通透明基材5上に第2印刷層(絵柄A)および第4印刷層(絵柄B)が隣接して配置され、さらにそのそれぞれの印刷層上に積層して第1印刷層(絵柄C)および第3印刷層(絵柄D)が配置され、第1印刷層(絵柄C)および第2印刷層(絵柄A)、並びに第3印刷層(絵柄D)および第4印刷層(絵柄B)が平面視上重複するように配置されたものである。
【0082】
本実施形態の他の点については、上記第1実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0083】
E.包装袋
1.第1実施形態
本実施形態の包装袋は、上述した積層体セットの第1実施形態を用いた、包装袋であって、上記第1積層体および上記第2積層体を、上記第1透明シーラント層および上記第2透明シーラント層が対向し、かつ、上記第1印刷層、上記第2印刷層、上記第3印刷層、上記第4印刷層が平面視上重なるように配置し、上記第1積層体および上記第2積層体の周囲の一部における上記第1透明シーラント層および上記第2透明シーラント層がヒートシールされていることを特徴とするものである。
【0084】
図6(b)は、本実施形態の包装袋の一例を示す概略図である。本実施形態の包装袋100は、上述の第1積層体および第2積層体をシーラント層が内側となるように折り曲げ形成された表面101および裏面102と、内容物を収容可能な収容部Oと、収容部の周囲に形成され、対向するシーラント層同士がシールされたシール部103と、を有する。本開示の包装袋の形状は、
図6(b)に示す三方シール袋に限定されず、例えば、ピロー袋、ガセット袋、スタンドパウチ等が挙げられる。
【0085】
本実施形態の包装袋は、袋の表面側から観察した場合に、袋表面に含まれる第1印刷層および第2印刷層の絵柄が重なって形成される絵柄が見える。さらには、収容物を袋表面越しに観察することができる。また収容物を除去した場合は、さらに、袋裏面の第3印刷層も視認することが可能となり、上記第1印刷層および第2印刷層に加えて、第3印刷層を同時に視認することにより、意匠を奥深いものとすることができ、また第3印刷層を背景として用いる等の新な意匠効果を付与することが可能となる。
【0086】
また、包装袋の裏面が、上述した隠蔽層を有する場合には、袋の裏面側から観察した場合に、袋裏面の第4印刷層を、確実に視認することが可能となり、バーコード等の重要な情報の視認性をより向上させることができる
【0087】
本実施形態の包装袋であれば、表面、裏面それぞれの絵柄の種類と表裏の組合せ方によって、より多くのバリエーションの絵柄を提供できる。例えば、包装体を開封し内容物を取り出すことで、隠された内側の絵柄が見えるようなデザインとすることができる。この場合、購入、開封までどのような絵柄(キャラクター、風景、イラスト、人物など)が隠されているか分からない楽しさを提供することができる。また、シリアルコード等、開封されるまで隠すことが好ましい購買証明の印刷などに活用できる。さらに、表面側から見た場合、表面に含まれる第1印刷層および第2印刷層と、裏面に含まれる第3印刷層とが重なった絵柄を得ることができる、奥行き感や立体感のあるデザインとすることができる。さらに、表面、裏面内側の印刷層の絵柄と内容物とを合わせたデザインも可能である。
【0088】
2.第2実施形態
本実施形態の包装袋は、上述した積層体セットの第2実施形態を用いた包装袋であって、上記第3積層体および上記第4積層体を、上記第1透明シーラント層および上記第2透明シーラント層が対向し、かつ、上記第1印刷層、上記第2印刷層、上記第3印刷層、上記第4印刷層が平面視上重なるように配置し、上記第3積層体および上記第4積層体の周囲の一部における上記第1透明シーラント層および上記第2透明シーラント層がヒートシールされていることを特徴とする。
【0089】
本実施形態の包装袋については、上記第1実施形態の包装袋の説明と重複するものとなるので、ここでの説明は省略する。
【0090】
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
【実施例0091】
以下に実施例を示し、本開示をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
図4(a)に示すように、第2共通透明基材2として、ポリエステル(PET)フィルムを準備した。ポリエステル(PET)フィルムの一方の面にデジタル印刷により第2印刷層(絵柄A)および第4印刷層(絵柄B)を隣接して形成した。この際、複数の絵柄を連続的に変化させながら印刷した。また、位置合わせのためのマークを付けた。ポリエステル(PET)フィルムは、軟包装材の最外層となる。第2印刷層(絵柄A)および第4印刷層(絵柄B)を形成したポリエステル(PET)フィルムの印刷層側の面に、接着剤を塗布し、別のPETフィルム(第1共通透明基材)を貼り合わせた。第1共通透明基材の第2印刷層及び第4印刷層側とは反対の面側に、デジタル印刷により第1印刷層(絵柄C)および第3印刷層(絵柄D)を形成した。この際、複数の絵柄を連続的に変化させながら印刷した。また、位置合わせマークを使用して第2印刷層(絵柄A)および第4印刷層(絵柄B)の絵柄との位置合わせを行った。
【0092】
第1印刷層(絵柄C)および第3印刷層(絵柄D)を形成したポリエステル(PET)フィルムの第1印刷層側の面に、接着剤を塗布し、ポリエチレンフィルム(共通シーラント層3)を貼り合わせた。ポリエチレンフィルムは軟包装材の最内層になる。これにより、積層体からなる包装袋形成用シートを得た。
【0093】
上記包装袋形成用シートを三方シール製袋機で加工し、袋の形状とした。上記袋に充填機で内容物を充填し、開いている一方をシールして閉じ、包装体を得た。
【0094】
(実施例2)
図4(b)に示すように、第2共通透明基材2として、ポリエステル(PET)フィルムを準備した。ポリエステル(PET)フィルムの一方の面にグラビア印刷により第2印刷層(絵柄A)および第4印刷層(絵柄B)を形成した。また、位置合わせのためのマークを付けた。ポリエステル(PET)フィルムは、軟包装材の最外層となる。第2印刷層(絵柄A)および第4印刷層(絵柄B)を形成したポリエステル(PET)フィルムの印刷層側の面に、接着剤を塗布し、別のPETフィルム(第1共通透明基材1)を貼り合わせた。第1共通透明基材の接着剤層とは反対の面側に、デジタル印刷により第1印刷層(絵柄C)および第3印刷層(絵柄D)を形成した。この際、複数の絵柄を連続的に変化させながら印刷した。また、位置合わせマークを使用して第2印刷層(絵柄A)および第4印刷層(絵柄B)の絵柄との位置合わせを行った。
【0095】
第1印刷層(絵柄C)および第3印刷層(絵柄D)を形成したポリエステル(PET)フィルムの印刷層側の面に、接着剤を塗布し、ポリエチレンフィルム(共通シーラント層3)を貼り合わせた。ポリエチレンフィルムは軟包装材の最内層になる。これにより、積層体からなる包装袋形成用シートを得た。
【0096】
上記包装袋形成用シートを三方シール製袋機で加工し、袋の形状とした。上記袋に充填機で内容物を充填し、開いている一方をシールして閉じ、包装体を得た。
【0097】
(実施例3)
図5に示すように、共通透明基材5として、ポリエステル(PET)フィルムを準備した。ポリエステル(PET)フィルムの一方の面にグラビア印刷により第2印刷層(絵柄A)および第4印刷層(絵柄B)を形成した。また、位置合わせのためのマークを付けた。ポリエステル(PET)フィルムは、軟包装材の最外層となる。第2印刷層(絵柄A)および第4印刷層(絵柄B)を形成したポリエステル(PET)フィルムの印刷層側の面に、デジタル印刷により第1印刷層(絵柄C)および第3印刷層(絵柄D)を形成した。この際、複数の絵柄を連続的に変化させながら印刷した。また、位置合わせマークを使用して第2印刷層(絵柄A)および第4印刷層(絵柄B)の絵柄との位置合わせを行った。
【0098】
第1印刷層(絵柄C)および第3印刷層(絵柄D)側の面に、接着剤を塗布し、無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(共通シーラント層3)を貼り合わせた。無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムは軟包装材の最内層になる。これにより、積層体からなる包装袋形成用シートを得た。
【0099】
上記包装袋形成用シートを三方シール製袋機で加工し、袋の形状とした。上記袋に充填機で内容物を充填し、開いている一方をシールして閉じ、包装体を得た。