(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022168970
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】レポート作成システム、レポート作成プログラム及びレポート作成方法
(51)【国際特許分類】
G16H 15/00 20180101AFI20221101BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20221101BHJP
G16H 30/40 20180101ALI20221101BHJP
【FI】
G16H15/00
G06T1/00 290Z
G16H30/40
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074700
(22)【出願日】2021-04-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】399057182
【氏名又は名称】PSP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 大介
【テーマコード(参考)】
5B057
5L099
【Fターム(参考)】
5B057AA07
5B057BA03
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5L099AA23
5L099AA26
(57)【要約】 (修正有)
【課題】医用画像における所見の作成に係るレポート作成システム、レポート作成プログラム及びレポート作成方法を提供する。
【解決手段】レポート作成システムは、情報処理装置1及び記憶装置2を備える。情報処理装置1は、医用画像表示部11、レポート表示部12、連携部13を備える。医用画像表示部11は、病変を示すアノテーションを医用画像に対して対応付けると共に、病変に対して所見を対応付ける。レポート表示部12は、医用画像上に、医用画像上のアノテーション近傍に、病変及び所見の順番を表示処理する。連携部13は、順序を示す規則性を有した数値群又は文字群から昇順に選ばれた順番を、病変及び所見に対応付ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像した医用画像を用いて、医用画像が添付されたレポートを作成する為のレポート作成システムであって、
前記レポート作成システムは、医用画像表示部、レポート表示部、及び連携部を備え、
前記医用画像表示部は、操作入力に基づいて、病変を示すアノテーションを前記医用画像に対して対応付けると共に、前記病変に対して所見を対応付け可能に構成され、
前記連携部は、当該レポートにおいて使用されておらず、順序を示す規則性を有した数値群又は文字群から昇順に選ばれた順番を、前記病変及び前記所見に対応付け、
前記医用画像表示部及び前記レポート表示部は、前記医用画像上にアノテーションとして又は、前記医用画像上のアノテーション近傍に前記順番を表示処理し、
更に、前記レポート表示部は、前記順番及び前記所見の対応関係を把握可能に、前記順序に従って前記所見を並べて表示処理すると共に、操作入力に基づいて、前記所見の並び順を変更可能に構成され、
前記連携部は、変更を受け付けた前記所見の順番及び変更前後で前記所見に挟まれた所見に対応付けられた順番を連番となるように振り直し、前記医用画像上に表示処理された順番が変更されるレポート作成システム。
【請求項2】
前記順番は自然数、五十音又はアルファベットにより表現され、前記連携部は、1のレポート中に含まれた複数の順番が昇順かつ連番となるように、前記病変及び前記所見に対応付ける順番を決定する請求項1に記載のレポート作成システム。
【請求項3】
前記医用画像表示部は、操作入力に基づいて、医用画像上に配置された前記順番を変更可能に構成され、
前記医用画像上に配置された前記順番の変更を受け付けると、前記連携部は、変更前の順番が対応付けられていた病変に対して変更先の順番を対応付けると共に、変更先の順番が対応付けられていた病変並びに、変更前の順番及び変更先の順番に挟まれた順番が対応付けられた病変について、連番となるように順番を振り直し、前記医用画像上に表示処理された順番が変更されると共に、前記レポート表示部が表示処理する所見の並び順が変更される請求項1又は2に記載のレポート作成システム。
【請求項4】
前記レポート表示部は、前記所見の順番を先頭に移動する移動部及び/又は、最後尾に移動する移動部を表示処理し、
前記所見を指定して前記移動部が操作入力された場合、前記連携部は、指定された前記所見及び移動先の所見の順番並びに、これら所見に挟まれた所見の順番を連番となるように振り直し、前記レポート表示部が表示処理する所見の並び順が変更されると共に、前記医用画像上に表示処理された順番が変更される請求項1~3の何れかに記載のレポート作成システム。
【請求項5】
前記レポート表示部は、前記所見の順番を変更する入替部を表示処理し、
前記所見を指定して前記入替部が操作入力された場合、前記連携部は、指定された前記所見の順番を一つ前の所見又は一つ後ろの所見の順番と入れ替え、前記レポート表示部が表示処理する所見の並び順が変更されると共に、前記医用画像上に表示処理された順番が変更される請求項1~4の何れかに記載のレポート作成システム。
【請求項6】
前記レポート表示部は、指定された前記所見を削除可能に構成され、
前記削除された所見の後続に更に所見が存在した場合、前記連携部は、前記後続の所見の順番を昇順に繰り上げ、前記レポート表示部が表示処理する所見の並び順が変更されると共に、前記医用画像上に表示処理された順番が変更される請求項1~5の何れかに記載のレポート作成システム。
【請求項7】
前記医用画像表示部は、指定された前記病変又は所見を削除可能に構成され、
前記削除された病変の後続に更に病変が存在した場合、前記連携部は、前記後続の病変の順番を昇順に繰り上げ、前記医用画像上に表示処理された順番が変更されると共に、前記レポート表示部が表示処理する所見の並び順が変更される請求項1~6の何れかに記載のレポート作成システム。
【請求項8】
前記医用画像表示部は、1の医用画像に複数の病変を対応付け可能であって、
前記レポート表示部は、1のレポートに対して複数の前記医用画像を添付可能であり、前記レポートに添付された医用画像が複数の場合、各々の前記医用画像上に表示処理された最先の順番に基づいて、前記医用画像の並び順が決定される請求項1~7の何れかに記載のレポート作成システム。
【請求項9】
病変を示す病変情報は、前記順番、前記医用画像の画像ID、アノテーション情報及び、前記所見と対応付けられ、
更に、前記レポートに前記医用画像が添付されると、病変情報にレポートIDが対応付けられる請求項1~8の何れかに記載のレポート作成システム。
【請求項10】
被写体を撮像した医用画像を用いて、医用画像が添付されたレポートを作成する為のレポート作成プログラムであって、
コンピュータを、医用画像表示部、レポート表示部、及び連携部として機能させ、
前記医用画像表示部は、操作入力に基づいて、病変を示すアノテーションを前記医用画像に対して対応付けると共に、前記病変に対して所見を対応付け可能に構成され、
前記連携部は、当該レポートにおいて使用されておらず、順序を示す規則性を有した数値群又は文字群から昇順に選ばれた順番を、前記病変及び前記所見に対応付け、
前記医用画像表示部及び前記レポート表示部は、前記医用画像上にアノテーションとして又は、前記医用画像上のアノテーション近傍に前記順番を表示処理し、
更に、前記レポート表示部は、前記順番及び前記所見の対応関係を把握可能に、前記順序に従って前記所見を並べて表示処理すると共に、操作入力に基づいて、前記所見の並び順を変更可能に構成され、
前記連携部は、変更を受け付けた前記所見の順番及び変更前後で前記所見に挟まれた所見に対応付けられた順番を連番となるように振り直し、前記医用画像上に表示処理された順番が変更されるレポート作成プログラム。
【請求項11】
被写体を撮像した医用画像を用いて、医用画像が添付されたレポートを作成する為のレポート作成方法であって、
医用画像表示部が、操作入力に基づいて、病変を示すアノテーションを前記医用画像に対して対応付けるステップと、前記病変に対して所見を対応付けるステップと、
連携部が、当該レポートにおいて使用されておらず、順序を示す規則性を有した数値群又は文字群から昇順に選ばれた順番を、前記病変及び前記所見に対応付けるステップと、
前記医用画像表示部及びレポート表示部が、前記医用画像上にアノテーションとして又は、前記医用画像上のアノテーション近傍に前記順番を表示処理するステップと、
更に、前記レポート表示部が、前記順番及び前記所見の対応関係を把握可能に、前記順序に従って前記所見を並べて表示処理するステップと、操作入力に基づいて、前記所見の並び順の変更を受け付けるステップと、
前記連携部が、変更を受け付けた前記所見の順番及び変更前後で前記所見に挟まれた所見に対応付けられた順番を連番となるように振り直すステップと、
前記医用画像上に表示処理された順番が変更されるステップと、を有するレポート作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レポート作成システム、レポート作成プログラム及びレポート作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像に基づく診療が多く行われており、医用画像を確認しながらレポート作成を行う場面が多く、画像に基づく効率的なレポート作成を行う為の技術が求められていた。
【0003】
特許文献1には、医用画像表示部に入力された所見を、レポートシステムに反映させる構成、またレポートシステムに入力された内容を医用画像表示部に反映させる構成について開示されている。
【0004】
特許文献2には、医用画像に対してアノテーションを付し、所見と対応付けるとともに、レポートの編集画面において、所見の順番の切り替えに連動して医用画像の順番を切り替える構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-169801号公報
【特許文献2】特開2009-238039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、複数の医用画像や複数のアノテーションを付した医用画像を添付してレポートの作成を行うことが考慮されておらず、レポート作成の自由度が低かった。より具体的には、特許文献1の技術では、画像に対して所見の番号付けがされず、これにより所見と画像の病変が見た目で対応付けがされておらず、更に、所見の順序付けがされず、重要な所見と画像を優先的に表示する手段がないことから、レポートの可読性が低減されてしまう。
【0007】
特許文献2の技術では、所見毎に添付画像を用意する必要があり、内容が重複した医用画像が添付される場合がある。また、情報が多くなってしまうことから、単一画面のコンピュータやタブレット端末での閲覧時、あるいは、レポートを印刷した際には、可読性が低減されてしまう。
【0008】
上記事情を鑑みて、本発明は、医用画像における所見の作成に係る可読性の高いレポートを効率的に作成する技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記発明を解決するために、本発明は、被写体を撮像した医用画像を用いて、医用画像が添付されたレポートを作成する為のレポート作成システムであって、
前記レポート作成システムは、医用画像表示部、レポート表示部、及び連携部を備え、
前記医用画像表示部は、操作入力に基づいて、病変を示すアノテーションを前記医用画像に対して対応付けると共に、前記病変に対して所見を対応付け可能に構成され、
前記連携部は、当該レポートにおいて使用されておらず、順序を示す規則性を有した数値群又は文字群から昇順に選ばれた順番を、前記病変及び前記所見に対応付け、
前記医用画像表示部及び前記レポート表示部は、前記医用画像上にアノテーションとして又は、前記医用画像上のアノテーション近傍に前記順番を表示処理し、
更に、前記レポート表示部は、前記順番及び前記所見の対応関係を把握可能に、前記順序に従って前記所見を並べて表示処理すると共に、操作入力に基づいて、前記所見の並び順を変更可能に構成され、
前記連携部は、変更を受け付けた前記所見の順番及び変更前後で前記所見に挟まれた所見に対応付けられた順番を連番となるように振り直し、前記医用画像上に表示処理された順番が変更される。
【0010】
また、本発明は、被写体を撮像した医用画像を用いて、医用画像が添付されたレポートを作成する為のレポート作成プログラムであって、
コンピュータを、医用画像表示部、レポート表示部、及び連携部として機能させ、
前記医用画像表示部は、操作入力に基づいて、病変を示すアノテーションを前記医用画像に対して対応付けると共に、前記病変に対して所見を対応付け可能に構成され、
前記連携部は、当該レポートにおいて使用されておらず、順序を示す規則性を有した数値群又は文字群から昇順に選ばれた順番を、前記病変及び前記所見に対応付け、
前記医用画像表示部及び前記レポート表示部は、前記医用画像上にアノテーションとして又は、前記医用画像上のアノテーション近傍に前記順番を表示処理し、
更に、前記レポート表示部は、前記順番及び前記所見の対応関係を把握可能に、前記順序に従って前記所見を並べて表示処理すると共に、操作入力に基づいて、前記所見の並び順を変更可能に構成され、
前記連携部は、変更を受け付けた前記所見の順番及び変更前後で前記所見に挟まれた所見に対応付けられた順番を連番となるように振り直し、前記医用画像上に表示処理された順番が変更される。
【0011】
また、本発明は、被写体を撮像した医用画像を用いて、医用画像が添付されたレポートを作成する為のレポート作成方法であって、
医用画像表示部が、操作入力に基づいて、病変を示すアノテーションを前記医用画像に対して対応付けるステップと、前記病変に対して所見を対応付けるステップと、
連携部が、当該レポートにおいて使用されておらず、順序を示す規則性を有した数値群又は文字群から昇順に選ばれた順番を、前記病変及び前記所見に対応付けるステップと、
前記医用画像表示部及びレポート表示部が、前記医用画像上にアノテーションとして又は、前記医用画像上のアノテーション近傍に前記順番を表示処理するステップと、
更に、前記レポート表示部が、前記順番及び前記所見の対応関係を把握可能に、前記順序に従って前記所見を並べて表示処理するステップと、操作入力に基づいて、前記所見の並び順の変更を受け付けるステップと、
前記連携部が、変更を受け付けた前記所見の順番及び変更前後で前記所見に挟まれた所見に対応付けられた順番を連番となるように振り直すステップと、
前記医用画像上に表示処理された順番が変更されるステップと、を有する。
【0012】
このような構成とすることで、病変及び所見に順番が付与されて表示されることにより、ユーザがその対応関係を把握可能であるとともに、医用画像を確認しながら所見の並び順を、所見の重要度に応じて任意に入れ替えることが可能となる。更にその後は入れ替えられた順番で表示されることにより、容易に順番の変更が可能であるだけでなく、入れ替えた場合に、対応関係にある医用画像上の順番等の修正忘れ・修正間違いを防止することができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記順番は自然数、五十音又はアルファベットにより表現され、前記連携部は、1のレポート中に含まれた複数の順番が昇順かつ連番となるように、前記病変及び前記所見に対応付ける順番を決定する。
【0014】
このような構成とすることで、ユーザはより感覚的に順番を認識することができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記医用画像表示部は、操作入力に基づいて、医用画像上に配置された前記順番を変更可能に構成され、
前記医用画像上に配置された前記順番の変更を受け付けると、前記連携部は、変更前の順番が対応付けられていた病変に対して変更先の順番を対応付けると共に、変更先の順番が対応付けられていた病変並びに、変更前の順番及び変更先の順番に挟まれた順番が対応付けられた病変について、連番となるように順番を振り直し、前記医用画像上に表示処理された順番が変更されると共に、前記レポート表示部が表示処理する所見の並び順が変更される。
【0016】
このような構成とすることで、医用画像上で行った変更がレポート表示部に反映されるため、双方で変更する手間がなく、番号のずれが発生しない。これにより、アノテーション及び所見の対応関係を理解しやすくユーザに提示することができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記レポート表示部は、前記所見の順番を先頭に移動する移動部及び/又は、最後尾に移動する移動部を表示処理し、
前記所見を指定して前記移動部が操作入力された場合、前記連携部は、指定された前記所見及び移動先の所見の順番並びに、これら所見に挟まれた所見の順番を連番となるように振り直し、前記レポート表示部が表示処理する所見の並び順が変更されると共に、前記医用画像上に表示処理された順番が変更される。
【0018】
このような構成とすることで、所見の順番の変更をより簡単に行うことができるとともに、ある所見の順番の移動に伴う他の所見の順番についても、ユーザが指定しなくても連番に振り直すことができる。
【0019】
本発明の好ましい形態では、前記レポート表示部は、前記所見の順番を変更する入替部を表示処理し、
前記所見を指定して前記入替部が操作入力された場合、前記連携部は、指定された前記所見の順番を一つ前の所見又は一つ後ろの所見の順番と入れ替え、前記レポート表示部が表示処理する所見の並び順が変更されると共に、前記医用画像上に表示処理された順番が変更される。
【0020】
このような構成とすることで、順番の変更に関し、レポート表示部における所見の順番を任意に位置へ移動でき、ユーザの利便性が向上する。
【0021】
本発明の好ましい形態では、前記レポート表示部は、指定された前記所見を削除可能に構成され、
前記削除された所見の後続に更に所見が存在した場合、前記連携部は、前記後続の所見の順番を昇順に繰り上げ、前記レポート表示部が表示処理する所見の並び順が変更されると共に、前記医用画像上に表示処理された順番が変更される。
【0022】
このような構成とすることで、所見を削除した場合にも順番が連番となり、ユーザが所見の順番を認識しやすくなる。
【0023】
本発明の好ましい形態では、前記医用画像表示部は、指定された前記病変又は所見を削除可能に構成され、
前記削除された病変の後続に更に病変が存在した場合、前記連携部は、前記後続の病変の順番を昇順に繰り上げ、前記医用画像上に表示処理された順番が変更されると共に、前記レポート表示部が表示処理する所見の並び順が変更される。
【0024】
このような構成とすることで、病変を削除した場合にも順番が連番となり、更にレポートにおいて対応する所見の並び順が変更されることで、病変に対応する所見の順番をユーザが認識しやすくなる。
【0025】
本発明の好ましい形態では、前記医用画像表示部は、1の医用画像に複数の病変を対応付け可能であって、
前記レポート表示部は、1のレポートに対して複数の前記医用画像を添付可能であり、前記レポートに添付された医用画像が複数の場合、各々の前記医用画像上に表示処理された最先の順番に基づいて、前記医用画像の並び順が決定される。
【0026】
このような構成とすることで、医用画像に対応付けられた病変又は所見の順番に応じて医用画像の並び順を決定することができ、ユーザが確認しやすくなる。
【0027】
本発明の好ましい形態では、病変を示す病変情報は、前記順番、前記医用画像の画像ID、アノテーション情報及び、前記所見と対応付けられ、
更に、前記レポートに前記医用画像が添付されると、病変情報にレポートIDが対応付けられる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、医用画像における所見の作成に係る可読性の高いレポートを効率的に作成する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】一実施の形態のレポート作成システムの構成を示すブロック図。
【
図2】一実施の形態の情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【
図3】一実施の形態のシステムにおいて登録される情報を説明するための図。
【
図4】一実施の形態のシステムにおける医用画像閲覧画面を説明するための図。
【
図5】一実施の形態のシステムにおける添付画像編集画面を説明するための図。
【
図6】一実施の形態のシステムにおけるレポート画面を説明するための図。
【
図7】一実施の形態のシステムにおける添付画像を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0031】
例えば、本実施形態ではレポート作成システムの構成、動作等について説明するが、実行される方法、装置、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態におけるプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、クライアント端末でその機能を実現する為に外部のコンピュータにおいて当該プログラムを起動させてもよい(いわゆるクラウドコンピューティング)。
【0032】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらハードウェア資源によって具体的に実現され得るソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含み得る。本実施形態において「情報」とは、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行され得る。
【0033】
広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)及びメモリ(Memory)等を適宜組み合わせることによって実現される回路である。即ち、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等を含むものである。
【0034】
本発明は、医用画像から読み取れる病変に対する所見を、それぞれ病変に対応付けて表示可能なレポート作成システムに関する。ここで本発明において病変とは、医用画像において視覚的に確認される注目すべき特徴を指し、必ずしも診断対象の病気に起因するものに限定されない。特に本発明における病変は、医用画像から読み取れるものであれば、被写体の体質等に起因した特徴等をも含む広い概念を指す。そして本発明では、病変がアノテーションによって強調されると共に、病変ごとに所見が入力され、病変と所見が対応付けられたレポートが作成される。
【0035】
<システム構成>
図1は、一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、レポート作成システムは、情報処理装置1及び記憶装置2を備える。情報処理装置1及び記憶装置2は、通信ネットワークを介して通信可能に構成されている。本実施形態では、病院等の施設内で利用されるコンピュータが情報処理装置1として機能し、院内ネットワークを介して院内の情報を記憶する記憶装置2と通信する構成を想定する。なお、記憶装置2には、図示しないモダリティが接続され、モダリティが撮影した医用画像データが、記憶装置2に格納される。
【0036】
なお、情報処理装置1として、汎用のパーソナルコンピュータ等を利用することが可能である。また、情報処理装置1をサーバ向けのコンピュータを使用して構成すると共に、ネットワークを介してサーバと通信可能なクライアントコンピュータより、サーバとしての情報処理装置1の機能構成要素を利用する構成としてもよい。また、複数のコンピュータを用いて情報処理装置1を構成することも可能である。
【0037】
<機能構成>
図1に示すように、情報処理装置1は、機能構成として、医用画像表示部11、レポート表示部12、連携部13を備える。これは、ソフトウェア(後述の記憶部102に記憶されている)による情報処理が、ハードウェア(制御部103等)によって具体的に実現されたものである。
【0038】
<ハードウェア構成>
図2は、情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置1は、ハードウェア構成として、通信部101と、記憶部102と、制御部103と、入力部104と、出力部105と、を備える。
【0039】
通信部101は、通信ネットワークとの通信制御を実行して、情報処理装置1を動作させるために必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0040】
記憶部102は、HDD、ROM、RAM等であって、本発明に係るレポート作成プログラム及び、制御部103がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部103が、記憶部102に記憶されているレポート作成プログラムに基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0041】
制御部103は、CPU等の1又は2以上のプロセッサを含み、本発明に係るレポート作成プログラム、OSやブラウザソフト、その他のアプリケーションを実行することで、情報処理装置1の動作処理全体を制御する。
【0042】
入力部104は、タッチパネル、マウス及びキーボード等であって、ユーザによる操作要求を制御部103に入力する。出力部105は、ディスプレイ等であって、制御部の処理の結果等を表示する。
【0043】
<プログラム及び装置の関係>
ここで、本実施形態では、情報処理装置1は、制御部103を医用画像表示部11及び連携部13として(即ち、医用画像のビューアとして)機能させる医用画像表示プログラムを記憶部102に格納すると共に、更に、制御部103をレポート表示部12及び連携部13として(即ち、レポートシステムとして)機能させるレポート表示プログラムを記憶部102に格納している。レポート作成システムを利用するユーザは、医用画像表示プログラム及び、レポート表示プログラムの双方を、情報処理装置1において実行することで、後述する処理を実現する。なお、これらプログラムは、ネットワークを介して接続された別々の情報処理装置1のそれぞれにおいて実行される構成であってもよい。例えば、第1の情報処理装置1がビューアとして機能し、第2の情報処理装置1がレポートシステムとして機能するような場合である。この時、医用画像、添付画像及びレポートに関する情報等は、図示例の如くネットワーク上に配置された記憶装置2に格納されてよい。医用画像、添付画像及びレポートに関する情報等の一部又は全部は、情報処理装置1の一方又は双方に格納される構成としてもよい。
【0044】
別の形態では、医用画像表示部11は、レポートシステムの一機能として提供されてよい。即ち、プログラムが、医用画像表示部11、レポート表示部12及び連携部13として制御部103を機能させるレポート表示プログラムであり、レポートシステムの一機能として(レポートに添付された添付画像の閲覧・編集手段として)医用画像表示部11が実現される構成であってもよい。
【0045】
<機能構成要素細部>
次に、上述の機能構成について、各部の処理内容を詳述する。
【0046】
医用画像表示部11は、操作入力に基づいて、病変を示すアノテーションを医用画像に対して対応付けると共に、病変に対して所見を対応付け可能に構成される。また医用画像表示部11は、医用画像上にアノテーションとして又は、医用画像上のアノテーション近傍に、病変及び所見の順番を表示処理する。
【0047】
レポート表示部12は、医用画像上にアノテーションとして又は、医用画像上のアノテーション近傍に、病変及び所見の順番を表示処理する。またレポート表示部12は、順番及び所見の対応関係を把握可能に、順序に従って所見を並べて表示処理すると共に、操作入力に基づいて、所見の並び順を変更可能に構成される。
【0048】
更に、レポート表示部12は所見の順番を先頭又は最後尾に移動する移動部及び、所見の順番を変更する入替部を表示処理するとともに、指定された所見を削除可能に構成される。そして情報処理装置1は、移動部や入替部等を介して所見の順番変更や削除を行うための操作入力を受け付け、順番の変更や所見の削除に対応して所見の順番が連番となるように順番を振り直す。なお順番は、自然数、五十音又はアルファベットにより表現される。
【0049】
連携部13は、少なくとも当該レポートにおいて使用されておらず、順序を示す規則性を有した数値群又は文字群から昇順に選ばれた順番を、病変及び所見に対応付ける。また連携部13は、変更を受け付けた所見の順番及び変更前後で所見に挟まれた所見に対応付けられた順番を連番となるように振り直す。同様に、所見の削除が行われた場合にも、後続の所見の順番を昇順に繰り上げる。このようにして変更された順番は、医用画像表示部11及びレポート表示部12が表示処理する順番として反映され、各種の画面において連番の順番が表示される。
【0050】
図3は、レポート、医用画像(添付画像)及び病変、アノテーションを対応付けて格納する際の一例を示す図である。
図3の事例では、一意な病変IDに対して、所見、医用画像が添付されたレポートID、アノテーションを付加する医用画像の画像ID、アノテーション情報(例えば、アノテーションの種類を示す情報(アノテーション種別)、アノテーションが配置される画像上の位置を示す情報(始点及び終点の座標))、所見及びアノテーションの順番、が後述の処理によって対応付けて記憶される。また、レポート情報は、レポートID、患者ID、検査日、担当医ID、添付された医用画像(添付画像)の画像ID、等が対応付けられていて良い。
【0051】
以下、
図4~6を参照して、レポート作成システムを用いたレポート作成方法の説明及び各機能構成要素による処理内容について説明する。
図4は、医用画像閲覧画面の一例を示す図である。
【0052】
<医用画像閲覧画面>
医用画像表示部11は、記憶装置2に記憶された表示対象の医用画像を取得して、
図4のような医用画像閲覧画面W1(ビューア画面)を表示処理する。ここで、取得した医用画像を記憶部102に格納し、以降の処理で記憶部102に格納された医用情報を利用してもよい。医用画像閲覧画面W1は、取得された複数の医用画像を表示する表示部W11を備えており、複数の医用画像をそれぞれ異なる大きさで表示する。なお各医用画像の配置はユーザの操作により変更可能である。表示部W11には医用画像の撮影日時と、医用画像の閲覧操作を受け付けるための操作部W12が表示される。
図4の例では、CT(Computed Tomography)画像が表示されており、各表示部の左側には切断面の位置を移動可能な操作部W12が表示されている。この他、例えば画像の拡大縮小や、ウィンドウ値、ウィンドウ幅を調節するための操作部等が画像の種類に応じて表示されていてもよい。また、格納された医用画像には、検査日や検査内容等検査に関連した検査情報及び/又は撮影日時やファイル名等の画像に関連した画像情報等、メタ情報が対応付けられており、これらの少なくとも一部が表示されてよい。
【0053】
ユーザはこのような医用画像閲覧画面W1によって医用画像を詳細に観察し、注目すべき病変を確認する。そして病変を確認すると、画像を特定して病変に対する所見を記録する必要がある。ユーザから、所見を作成するための指示入力を受け付けると、医用画像表示部11が、指定された医用画像について
図5のような添付画像編集画面W2を表示処理する。
【0054】
医用画像閲覧画面W1又は後述の添付画像編集画面W2等のビューア画面又は、後述のレポート画面W3の1又は複数から、レポートと医用画像若しくは、医用画像及び病変の対応付けを行うことができる。本実施形態では、例えば、
図4に示す医用画像閲覧画面W1において、医用画像を指定して添付操作が実施されると、レポート画面W3によって現在開いているレポートに対して医用画像(添付画像)の対応付け(添付)が行われ、レポートと医用画像の対応付けを行うことができる。以降の説明では、ビューア画面等を介してレポートに対して医用画像が対応付けされたものとして説明するが、医用画像をレポートに添付する前に、医用画像に対してアノテーション及び/又は所見が対応付け可能であってもよい。
【0055】
<添付画像編集画面>
添付画像編集画面W2は、画像表示部W21と、アノテーション操作部W22と、所見入力部W23と、順番編集部W24と、を備える。画像表示部W21は、医用画像を表示するとともに、入力済みの病変情報に基づいて病変を示すアノテーションをその順番とともに表示する。また、医用画像に対応付けられた検査情報や画像情報等のメタ情報から、これらの少なくとも一部が医用画像(添付画像)上に表示されてよい。図示例の医用画像では、その撮影日及び、モダリティの種別が表示されている。また、レポートに添付された添付画像の番号(図示例では「1」)が表示処理されてよく、複数の医用画像があるレポートに添付されている場合は、添付画像の番号としてシリアルな順番を示す番号が付加されてよい。
【0056】
アノテーション操作部W22においては、医用画像に対応付けてアノテーションを作成及び編集することができる。ユーザが「ツール」の中からアノテーションの形式(
図3では、アノテーション種別)を選択して、画像表示部W21上で任意の位置にアノテーションを描画することにより、医用画像の画像ID及び医用画像の当該位置(
図3では、画像上におけるアノテーションの始点及び終点)に対応付けられたアノテーション情報が生成される。本実施形態では、アノテーションを登録することで、病変情報が登録されるものとする。レポートに対して対応付けられた医用画像に対しての操作であれば、アノテーション情報が更にレポートIDに対応付けられてよい。なお、生成されたアノテーション情報は、記憶装置2に保持される。生成されたアノテーション情報は、記憶部102の一過性又は非一過性の記憶領域に保持・登録されてもよいし、情報処理装置1及び記憶装置2とは別のコンピュータ上に保持・登録されてもよい。
【0057】
<レポート及び病変の対応付け>
本実施形態では、アノテーション情報が生成されると、併せて画像IDに対応付けられた病変情報が生成され、連携部13が順番を付与する。例えば、
図5の例において更にアノテーションを追加作成した場合、そのアノテーションに対して順番「3」が付与される。このようにして付与された順番は、画像表示部W21のアノテーション近傍に表示される。なお、矢印や直線等の形式ではなく、順番そのものをアノテーションとして表示することもできる。このとき、対象の画像が特定のレポートに添付されていない(画像とレポートが対応付けられていない)場合にも病変、アノテーション、所見等が登録可能であってもよいが、この場合は病変情報におけるレポートIDは空欄となる。この時、アノテーションには順番が付与されなくてもよいし、例えば、当該画像に対応付けられた病変情報の中で連番となるように順番が付与されてもよい。この場合、ビューア画面やレポート画面等を介して、特定のレポートに医用画像が対応付けられると、登録されていた病変、アノテーション、所見等に対して、レポートが対応付けられる。
【0058】
またアノテーションの書式は、「オプション」の項目より自由に設定が可能である。医用画像表示部11は、アノテーションとして文字を含む場合にはそのフォントや大きさ、また線の形式や幅、塗りつぶし等の操作入力をユーザから受け付けて、アノテーション情報として記憶する。
【0059】
所見入力部W23においては、医用画像表示部11がユーザの操作入力を受け付けて、対象の病変情報における所見を登録する。所見を入力する際には、まず画像表示部W21におけるアノテーション又は順番の表示を選択することで、ユーザは選択されたアノテーション又は順番が示す病変に対する所見を入力することができる。このように、病変ごとに所見の入力を受け付けることで、医用画像のどの部分を指した所見なのかが明確となり、わかりやすいレポートの作成に役立てられる。
【0060】
順番編集部W24では、画像表示部W21において指定されたアノテーションが示す病変及び所見の順番を変更することができる。「先頭へ」及び「最後尾」のボタンは、それぞれ指定された所見の順番を先頭に移動する移動部及び、最後尾に移動する移動部として機能する。また上下を示すボタンは入替部として機能する。これらのボタンが操作されると、指定された所見を入力された位置(例えば、一つ前の順番や、一つ後ろの順番)に移動し、連携部13は当該レポートにおいて使用される順番が全て連番となるように、当該レポートに添付された他の画像に対応付けられている所見及び病変も含めて順番を振り直す。
【0061】
また、アノテーションを指定して「コマンド」の「削除」が選択されると、指定されたアノテーション及び所見が削除される。即ち、指定されたアノテーションの示す病変情報が記憶装置2から削除される。すると連携部13が、後続の所見の順番を昇順に繰り上げ、病変情報における順番を更新する。例えば、
図5に示す添付画像編集画面W2において、順番「1」の病変(順番「1」が指定されたアノテーションあるいは、その所見)が指定され、「削除」が実行されると、
図5に示す添付画像編集画面W2において、順番「2」の病変が、順番「1」に繰り上がり、アノテーション近傍に「1」という数字が表示される。このように、順番の変更や所見又は病変の削除により順番が更新されると、更新後の順番が添付画像編集画面W2及び後述のレポート画面において反映される。
【0062】
添付画像編集画面W2で、医用画像中の病変に対してアノテーション及び所見が付加されると、付加された内容が、医用画像閲覧画面W1において反映される。また、アノテーションの順番が変更されたり、アノテーション(病変)が削除された際にも、変更や削除された内容が、医用画像閲覧画面W1において反映される。
【0063】
なお、本実施形態では、医用画像表示部11は、医用画像閲覧画面W1(ビューア画面)において選択された画像について、アノテーション等を付加する為の添付画像編集画面W2を表示させている。一方、医用画像閲覧画面W1(ビューア画面)において、アノテーション操作部W22、所見入力部W23及び順番編集部W24等を表示し、医用画像閲覧画面W1上で添付画像の編集を行う構成としてもよい。
【0064】
<レポート画面>
図6は、本実施形態のレポート画面の一例を示す図である。レポート表示部12は、ユーザからレポートを作成するための指示入力を受け付けると、レポート画面W3を表示処理して情報処理装置1の備えるディスプレイ等に表示させる。なお、レポート画面W3においてハッチングが付された領域は、レポート作成に際して編集できない領域或いは、タブやスライドバー等の操作可能なオブジェクトを指す。
【0065】
レポート画面W3は、検査情報表示部W31において、対象の患者、検査日時、担当医等の情報を表示する。また
図6の例では、画面左側3分の1程度の領域に、同一患者に関する過去のレポートの情報を表示している。このように、例えば前回の検査結果等のレポートを同時に閲覧できるようにすることで、新たなレポート作成や編集がしやすくなる。
【0066】
またレポート画面W3は、所見編集部W32及び画像表示部W33を備える。所見編集部W32においては、対象のレポートに添付された画像に対応付けられている病変情報に基づき、各病変に対する所見及びその順番が、対応関係を把握可能に並べて表示される。また画像表示部W33においては、レポート情報に基づいて、対象のレポートに添付された画像を表示し、病変情報に基づいて当該画像上にアノテーション及び順番を指定位置に表示する。これにより、レポート画面W3上で、対象の医用画像及びその病変位置と、所見と、を対応付けて確認可能である。
【0067】
所見編集部W32において、ユーザは所見を選択可能に構成されている。所見を選択すると、ユーザは「所見入力」の項目において所見の内容を編集できる。また「先頭へ」及び「最後尾」のボタンは、それぞれ指定された所見の順番を先頭に移動する移動部及び、最後尾に移動する移動部として機能する。また上下を示すボタンは入替部として機能する。これらのボタンが操作されると、指定された所見を入力された位置に移動し、それに伴い連携部13が、レポートに対応付けられた病変及び所見の順番を重複のない連番となるように振り直す。ここで、対象のレポートに添付された画像が複数存在する場合には、当該レポートにおいて使用される順番が全て連番となるように、当該レポートに添付された他の画像に対応付けられている所見及び病変も含めて、連番となるように連携部13が順番を振り直す。
【0068】
また、所見編集部W32において、所見を指定して削除する操作が受け付けられると、指定された所見が削除される。図示例では、「所見削除」ボタンが押下されることで、対応する所見が削除される。即ち、指定された所見が対応付けられた病変情報が記憶装置2から削除される。すると連携部13が、後続の所見の順番を昇順に繰り上げ、病変情報における順番を更新する。このように、順番の変更や所見又は病変の削除により順番が更新されると、更新後の順番が添付画像編集画面W2及びレポート画面W3において反映される。
【0069】
画像表示部W33においては、添付画像編集画面W2において作成されたアノテーション及び順番と共に、レポートに対応付けられた医用画像が表示される。ここで、添付画像編集画面W2及びレポート画面W3においては、記憶装置2に記憶された最新のレポート情報及び病変情報が反映され、最新の順番がアノテーションとともに表示される。これにより、添付画像編集画面W2を介した編集内容と、レポート画面W3を介した編集内容と、が互いに連携し、常に最新の情報を表示することができる。また、情報処理装置1が複数存在する場合においても、それぞれ編集を行って互いに最新の情報を表示することができる。
【0070】
また画像表示部W33では、各画像に付与された所見の順番に従って、画像が左から順に並べて表示される。具体的には、各画像に複数の病変情報が対応付けられている場合、各画像の病変情報のうち最先の順番に基づき、左から右に並べられる。例えば
図7(a)の例では、画像W33Aの病変には順番「1」「2」が付され、画像W33Bの病変には順番「3」「4」「5」が付され、画像W33Cの病変には順番「6」が付されている。画像W33A~Cの最先の順番はそれぞれ「1」、「3」、「6」である。
【0071】
一方、ここで、順番「6」の病変を順番「2」に変更した場合、レポート画面W3において(画像表示部W33に表示された)画像W33A~Cの並び順が、
図7(b)に示すように変化する。
図7(b)では、画像W33A~Cの最先の順番はそれぞれ「1」、「4」、「2」と変化し、それに伴って、W33A、W33C、W33Bの順番に画像が入れ替わる。また、添付画像の順番が入れ替わるとき、添付画像の番号も変更されてよい。図示例では、W33C、W33Bの番号が変更されている。
【0072】
ここで、更に、
図7(b)の状態において、順番「2」の病変を削除した場合、
図7(c)に示すように、レポート画面W3において(画像表示部W33に表示された)画像W33Cが削除され、W33A、W33Bの二つの添付画像が並んだ状態に変化する。また、添付画像が削除された時、添付画像の番号が連番でなくなった場合、添付画像の番号が変更されてよい。図示例では、W33Bの番号が変更されている。
【0073】
ここで、レポート画面W3で所見が削除されたり、所見に設定された順番が変更された場合、連携部13はビューア画面における表示を更新する。これにより、医用画像閲覧画面W1や添付画像編集画面W2においても、レポート画面W3で指定された処理が反映された状態で、医用画像やアノテーションの表示が行われる。また、病変及び所見が1つ対応付けられた画像に対して、レポート画面W3において所見が削除された場合、レポートに対する当該画像の対応付けを解除するように構成してよい。
【0074】
以上のように、本実施形態のレポート作成システムによれば、医用画像の所見作成において、医用画像上の病変箇所と所見との対応を容易に認識可能であるとともに、その順番の変更も簡単に行うことができる。
【0075】
なお、本実施形態では、医用画像閲覧画面W1、添付画像編集画面W2及びレポート画面W3において、ユーザが処理要求を行う為の要素が画面中に配置されたボタン等によって具体化されているが、これら処理要求を行う為の要素の一部又は全部は別の態様で表示させてよい。具体的には、医用画像表示部11及び/又はレポート表示部12は、マウス操作時には右クリックが押下されることで処理要求を行う為の要素を表示させたり、タッチパネルにおいて対象となる要素を長押しすることで処理要求を行う為の要素を表示させたりしてよい。
【0076】
<別の形態>
レポートに医用画像を添付した後に、レポート画面から添付画像編集画面W2を表示可能に構成して、アノテーションや病変、所見を追加・編集・削除等可能に構成してよい。また、医用画像表示部11を、レポートシステムの一機能として提供してもよく、レポート表示部12は、レポート画面W3を表示処理し、画像表示部W33において添付画像が選択されると、医用画像表示部11は、添付画像編集画面W2を表示してよい。
【符号の説明】
【0077】
1 :情報処理装置
2 :記憶装置
11 :医用画像表示部
12 :レポート表示部
13 :連携部
101 :通信部
102 :記憶部
103 :制御部
104 :入力部
105 :出力部
W1 :医用画像閲覧画面
W11 :表示部
W12 :操作部
W2 :添付画像編集画面
W21 :画像表示部
W22 :アノテーション操作部
W23 :所見入力部
W24 :順番編集部
W3 :レポート画面
W31 :検査情報表示部
W32 :所見編集部
W33 :画像表示部