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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169008
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】水性被覆材
(51)【国際特許分類】
   C09D 201/00 20060101AFI20221101BHJP
   C09D 7/20 20180101ALI20221101BHJP
【FI】
C09D201/00
C09D7/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074754
(22)【出願日】2021-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】599071496
【氏名又は名称】ベック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岡本 啓吾
【テーマコード(参考)】
4J038
【Fターム(参考)】
4J038CG031
4J038CG141
4J038CH031
4J038CH041
4J038JA19
4J038JA58
4J038MA07
4J038MA10
4J038NA01
4J038PB05
4J038PC04
4J038PC08
(57)【要約】
【課題】本発明は、クリヤー性に優れる水性被覆材を提供する。
【解決手段】本発明の水性被覆材は、合成樹脂エマルションを結合材とし、エチレングリコールエーテル溶剤とプロピレングリコールエーテル溶剤を特定比率で含有することを特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂エマルションを結合材とする水性被覆材であって、
上記水性被覆材には、さらに、エチレングリコールエーテル溶剤とプロピレングリコールエーテル溶剤が0.1:99.9~49.9:50.1の混合比率で含まれることを特徴とする水性被覆材。
【請求項2】
上記エチレングリコールエーテル溶剤と上記プロピレングリコールエーテル溶剤の合計量は、上記合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、1重量部以上50重量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の水性被覆材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明性に優れる水性被覆材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物外装の壁面等においては、種々の基材に対し、その基材の保護、美観性向上等の目的で各種被覆材によって被膜が形成されている。しかしこのような壁面は、屋外にて長期にわたり曝露されることから、太陽光、降雨等の影響によって劣化が進行し、当初の美観性は経年により低下してしまう。
【0003】
これに対し、壁面の劣化の進行を抑制し、当初の美観性を長期に亘って維持するために、透明被覆材を塗付する手法が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-270035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、特許文献1では、水性樹脂分散体と架橋剤を含む耐候性等に優れるクリアー塗料が記載されており、また、該クリアー塗料には、エチレングリコールモノブチルエーテルやテキサノールといった造膜助剤を用いることも記載されている(段落0054)。
このような造膜助剤を用いることにより、水性樹脂といえども均一な塗膜形成が可能となり、クリヤー性、また耐候性等に優れる塗膜が形成できる。
【0006】
しかしながら特許文献1においても、クリヤー性に不十分な場合があり、さらなるクリヤー性に優れる材料の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するために本発明者らは、鋭意検討の結果、合成樹脂エマルションとともに、エチレングリコールエーテル溶剤とプロピレングリコールエーテル溶剤を0.1:99.9~49.9:50.1の混合比率で含む水性被覆材が、形成塗膜のクリヤー性に優れることを見出し、本発明の完成に至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.合成樹脂エマルションを結合材とする水性被覆材であって、
上記水性被覆材には、さらに、エチレングリコールエーテル溶剤とプロピレングリコールエーテル溶剤が0.1:99.9~49.9:50.1の混合比率で含まれることを特徴とする水性被覆材。
2.上記エチレングリコールエーテル溶剤と上記プロピレングリコールエーテル溶剤の合計量が、上記合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、1重量部以上50重量部以下であることを特徴とする1.に記載の水性被覆材。
【発明の効果】
【0009】
本発明の水性被覆材は、クリヤー性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0011】
本願発明は、合成樹脂エマルションを結合材とする水性被覆材であって、水性被覆材には、さらに、エチレングリコールエーテル溶剤とプロピレングリコールエーテル溶剤が0.1:99.9~49.9:50.1(好ましくは0.5:99.5~49.5:50.5、さらに好ましくは5:95~45:55)の混合比率で含まれることを特徴とする。
本発明のメカニズムは、以下に限定されるものではないが、プロピレングリコールエーテル溶剤は主に合成樹脂エマルション粒子側、エチレングリコールエーテル溶剤は主に合成樹脂エマルション粒子外側に配置されやすく、造膜過程において合成樹脂エマルション粒子の合一をムラなく均一に行うことができ、造膜過程初期の段階から均一な膜形成がすすみ、ムラ、くすみのない、クリヤー性に優れる塗膜が形成できるものと思われる。本発明では、上記のような混合比率であることにより、ムラ、くすみのない、クリヤー性に優れる塗膜が得られることを見出したものである。
また、本発明の水性被覆材は、重ね塗り、厚塗りした場合であっても、また、ガラス転移温度の高い合成樹脂エマルションや架橋密度の高い合成樹脂エマルションを含む水性被覆材、架橋剤を含む水性被覆材、あるいは、光安定剤や紫外線吸収剤を含む水性被覆材であっても、ムラ、くすみのないクリヤー性に優れる塗膜の形成が可能である。
【0012】
本発明で用いるエチレングリコールエーテル溶剤としては、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノi-プロピルエーテル、エチレングリコールモノn-ブチルエーテル、エチレングリコールモノi-ブチルエーテル、エチレングリコールモノt-ブチルエーテル、エチレングリコールモノn-ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル、
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノヘキシルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールモノベンジルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジヘキシルエーテル、エチレングリコールジフェニルエーテル、エチレングリコールジベンジルエーテル、エチレングリコールジ2-エチルヘキシルエーテル等のエチレングリコールジアルキルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールジブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジヘキシルエーテルアセテート、エチレングリコールジフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジベンジルエーテルアセテート、エチレングリコールジ2-エチルヘキシルエーテルアセテート等のエチレングリコールジアルキルエーテルアセテート、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノi-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノi-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノt-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノn-ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル、
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ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジベンジルエーテル、ジエチレングリコールジ2-エチルヘキシルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル、
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等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
本発明では特に、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテートから選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
【0013】
本発明で用いるプロピレングリコールエーテル溶剤としては、例えば、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノi-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノi-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノt-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノn-ヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノヘキシルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノベンジルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、
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テトラプロピレングリコールジメチルエーテルアセテート、テトラプロピレングリコールジエチルエーテルアセテート、テトラプロピレングリコールジプロピルエーテルアセテート、テトラプロピレングリコールジブチルエーテルアセテート、テトラプロピレングリコールジヘキシルエーテルアセテート、テトラプロピレングリコールジフェニルエーテルアセテート、テトラプロピレングリコールジベンジルエーテルアセテート、テトラプロピレングリコールジ2-エチルヘキシルエーテルアセテート等のテトラプロピレングリコールジアルキルエーテルアセテート、
等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
本発明では特に、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートから1種以上を用いることが好ましい。
【0014】
合成樹脂エマルションとしては、各種モノマーを重合して得ることができる。
モノマーとしては、例えば、
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、イソクロトン酸、サリチル酸、けい皮酸等のカルボキシル基含有モノマー、
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、1-メチル-4-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、3-エチル-3-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1-メチル-4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、7-ヒドロキシヘプチル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、2-メチル-8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、7-メチル-8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、9-ヒドロキシノニル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー、
3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシシシラン、ビニルトリエトキシシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有モノマー、
(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-n-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N-(メタ)アクロイルピロリジン、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-メチル-N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-メチル-N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-メチル-N-n-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミド、ビニルアミド、N,N-メチレンビスアクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、アクリルアミドグリコール酸、アクリルアミドグリコール酸メチル、ジメトキシヒドロキシエチルアクリルアミド等のアミド基含有モノマー、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、n-アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、t-アミル(メタ)アクリレート、オキチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ドデセニル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-フェニルエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、4-メトキシブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリプロピルメチル(メタ)アクリレート、トリイソプロピルメチル(メタ)アクリレート、トリブチルメチル(メタ)アクリレート、トリイソブチルメチル(メタ)アクリレート、トリt-ブチルメチル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル基含有モノマー、
(メトキシ)ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メトキシ)ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、(メトキシ)ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、(メトキシ)ポリエチレングリコールアリルエーテル、(メトキシ)ポリプロピレングリコールアリルエーテル、(メトキシ)ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールアリルエーテル等のアルキレングリコール鎖含有モノマー、
ブチルビニルベンジルアミン、ビニルフェニルアミン、p-アミノスチレン、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N-〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピペリジン、N-〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピロリジン、N-〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕モルホリン、4-〔N,N-ジメチルアミノ〕スチレン、4-〔N,N-ジエチルアミノ〕スチレン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン等のアミノ基含有モノマー、
グリシジル(メタ)アクリレート、ジグリシジルフマレート、3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシビニルシクロヘキサン、アリルグリシジルエーテル、ε-カプロラクトン変性グリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有モノマー、
ジアセトン(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、アクロレイン、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニル(イソ)ブチルケトン、アセトニルアクリレート、アクリルオキシアルキルプロパナール類、メタクリルオキシアルキルプロパナール類、2-ヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、タンジオールアクリレートアセチルアセテート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシアリルエステル等のカルボニル基含有モノマー、
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有モノマー、
メタクリロイルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー、
ビニルオキサゾリン、2-ビニル-2-オキサゾリン、2-プロペニル2-オキサゾリン等のオキサゾリン基含有モノマー、
プロピレン-1,3-ジヒドラジン及びブチレン-1,4-ジヒドラジンなどのヒドラジノ基含有モノマー、
アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシアリルエステル等のアセトアセトキシル基含有モノマー、
N-メチロール(メタ)アクリルアミド等のメチロール基含有モノマー、
フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系モノマー、
スチレン、2-メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、t-ブチルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル系モノマー、
スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸などのスルホン酸含有モノマー、
2-ヒドロキシ-4-(メタ)アクリロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-5-(メタ)アクリロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-{(メタ)アクリロキシ-エトキシ}ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-{(メタ)アクリロキシ-ジエトキシ}ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-{(メタ)アクリロキシ-トリエトキシ}ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系モノマー、
2-{2’-ヒドロキシ-5’-(メタ)アクリロキシエチルフェニル}-2H-ベンゾトリアゾール、2-{2’-ヒドロキシ-5’-(メタ)アクリロキシエチル-3-t-ブチルフェニル}-2H-ベンゾトリアゾール、3-(メタ)アクリロイル-2-ヒドロキシプロピル-3-{3’-(2’’-ベンゾトリアゾール)-4-ヒドロキシ-5-t-ブチル}フェニルプロピオネート等のベンゾトリアゾール系モノマー、
4-(メタ)アクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルオキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン、4-シアノ-4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(メタ)アクリロイル-4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(メタ)アクリロイル-4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-クロトノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-クロトノイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-クロトノイル-4-クロトノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン等のピペリジン系モノマー、
エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン、
等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
【0015】
このようなモノマーのうち、ベンゾフェノン系モノマー、ベンゾトリアゾール系モノマー等の紫外線吸収性能を有するモノマー、ピペリジン系モノマー等の光安定性能を有するモノマーは、耐候性等を向上させる上で有効である。しかし、このようなモノマーを用いると、クリヤー性が低下する等の問題がある場合があった。本発明では、紫外線吸収性能を有するモノマー、光安定性能を有するモノマーを用いた場合であっても、ムラ、くすみのない、クリヤー性に優れる塗膜を得ることができる。
このような紫外線吸収性能を有するモノマー、光安定性能を有するモノマーは、特に限定されないが、モノマー全量に対し、0.1重量%以上10重量%以下含むことが好ましく、このような場合、耐候性、耐久性に優れるとともに、ムラ、くすみのない、クリヤー性に優れる塗膜を得ることができる。
【0016】
合成樹脂エマルションの重合方法は、特に限定されず、上記モノマーと、水、界面活性剤、開始剤、溶剤、分散剤、乳化安定化剤、重合禁止剤、重合抑制剤、緩衝剤、架橋剤、pH調整剤、連鎖移動剤、触媒等の添加剤を用いて、公知の重合法にて重合することができる。
また、得られた合成樹脂エマルションのガラス転移温度は、特に限定されないが、5℃以上80℃以下程度であることが好ましい。
【0017】
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤、反応性界面活性剤等特に限定されず、用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩、ロジン酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルスルホコハク酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル(アリール)硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、
ラウリルトリアルキルアンモニウム塩、ステアリルトリアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩などの第4級アンモニウム塩、第1級~第3級アミン塩、ラウリルピリジニウム塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、或は、ラウリルアミンアセテート等のカチオン性界面活性剤、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等のノニオン性界面活性剤、
カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸型、イミダゾリン誘導体型等の両性界面活性剤、
等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
【0018】
開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩開始剤、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4’-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス(2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド等の過酸化系開始剤、レドックス開始剤、光重合開始剤、反応性開始剤等を用いることができる。
【0019】
架橋剤は、合成樹脂エマルションに含まれる官能基から、各種反応可能な官能基を有する架橋剤を適宜選定して用いればよい。
このような官能基の組み合わせとしては、例えば、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とオキサゾリン基、カルボキシル基とアジリジン基、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、アルコキシシリル基どうし等の組み合わせが挙げられる。
例えば、エポキシ基を有する架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、キサゾリン基を有する架橋剤としては、例えば、2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン等が挙げられる。
ヒドラジド基を有する架橋剤としては、例えば、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
【0020】
本発明の合成樹脂エマルションと、エチレングリコールエーテル溶剤とプロピレングリコールエーテル溶剤の混合比率は、合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、エチレングリコールエーテル溶剤とプロピレングリコールエーテル溶剤の合計量で、1重量部以上50重量部以下(さらには5重量部以上45重量部以下、さらには10重量部以上40重量部以下)であることが好ましい。このような混合比率であることにより、よりムラ、くすみのない、クリヤー性に優れる塗膜を得ることができる。
また、エチレングリコールエーテル溶剤とプロピレングリコールエーテル溶剤を合成樹脂エマルションに混合するタイミングは、合成樹脂エマルション重合後、あるいは、合成樹脂エマルションの重合中等特に限定されない。
【0021】
本発明の水性被覆材は、上記成分の他に、本発明の効果を損なわない程度に、着色顔料、体質顔料、骨材、艶消し剤、顔料分散剤、沈降防止剤、繊維、架橋剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤、消泡剤、粘性調整剤、レベリング剤、たれ防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、抗菌剤、吸着剤、光触媒等の添加剤を混合することもできる。
【0022】
本発明では、特に、紫外線吸収剤及び/まはた光安定剤を含む場合であっても、ムラ、くすみのない、クリヤー性に優れる塗膜を得ることができる。
例えば、紫外線吸収剤及び/まはた光安定剤を含む場合、紫外線吸収剤及び/まはた光安定剤は、前記合成樹脂エマルション重合時、あるいは前記水性被覆材製造時に混合することができる。また、紫外線吸収剤及び/まはた光安定剤の混合比率は、合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、0.1重量部以上10重量部以下であることが好ましい。
【0023】
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-ドデシルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ベンジルオキシベンゾフェノン、ビス(5-ベンゾイル-4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)メタン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、4-ドデシルオキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ステアリルオキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、
2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-〔2’-ヒドロキシ-3’,5’-ビス(α,α’-ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール)、メチル-3-〔3-tert-ブチル-5-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとポリエチレングリコールとの縮合物、イソオクチル-3-〔3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル〕プロピオネート、2-(3-ドデシル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4’-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-〔2’-ヒドロキシ-3’-(3’’,4’’,5’’,6’’-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5’-メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2-メチレンビス〔4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール〕、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を用いることができる。
【0024】
光安定剤としては、例えば、ジ-sec-ブチルアミン、ジイソプロピルアミン、1,4-ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、2,6,7-トリメチル-1,4-ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、1-[2-{3-(3,5―ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]-4-{3-(3,5-ジ-t-ブチルーヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}2,2,6,6'-テトラメチルピペリジン、4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ポリ[{6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル}{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}]等のヒンダードアミン系光安定剤、等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を用いることができる。
【0025】
本発明の水性被覆材は、主に、建築物外装の壁面に適用することができる。
壁面としては、基材の上に化粧被膜が設けられたもので、このような壁面に対し、本発明の水性被覆材を施すことで、壁面の劣化の進行を抑制し、また、壁面本来の美観性を損ねず、当初の美観性を長期に亘って維持することができる。
【0026】
基材としては、例えば、コンクリート、モルタル、サイディングボード、押出成形板、石膏ボード、パーライト板、合板、煉瓦、プラスチック板、金属板、ガラス、磁器タイル等が挙げられる。これら基材の表面は、何らかの表面処理(例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー、パテ等)が施されたものでもよい。
【0027】
化粧被膜としては、結合材、着色材を必須として含む被覆材を使用すればよい。
結合材としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル酢酸ビニル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、アクリルスチレン樹脂、アルキッド樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、酢酸ビニル-バーサチック酸ビニルエステル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、セルロース樹脂等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。合成樹脂としては、水分散性樹脂(樹脂エマルション)、水溶性樹脂等の水性樹脂が好適である。
着色材としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、銅クロムブラック、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック、べんがら、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット等の着色顔料、また、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、カオリン、陶土、タルク、珪石粉、珪藻土、雲母、マイカ、シリカ粒子、ガラス粒子、樹脂粒子、金属粒子、金属フレーク、ガラスフレーク、樹脂フレーク等の着色骨材、あるいはこれらの表面を上記着色顔料、染料等で着色したもの等を使用することができる。化粧被膜の色調は、このような着色材の種類、混合量等を調整することにより適宜設定することができる。
【0028】
また結合材、着色材の他に、骨材、繊維、難燃剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤、消泡剤、粘性調整剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、抗菌剤、吸着剤、光触媒等の添加剤を混合することもできる。
【0029】
また化粧被膜は、フラットな模様だけでなく、凹凸を有する模様もあり、本発明では、凹凸を有する模様面に対しても、壁面表面が水性被覆材膜によってくすむことなく、壁面本来の美観性を損ねず、当初の美観性を長期に亘って維持することができる。
凹凸を有する模様としては、例えば、タイル調模様、レンガ調模様、幾何学的模様、縞模様、格子模様、水玉模様、砂壁模様、ゆず肌模様、さざ波模様等の他、動植物等をデザイン化した図形模様等が挙げられる。
このような凹凸模様は、塗装手法によって施されるもの、上記着色骨材等の粒子によって施されるもの、型枠や目地材等によって施されるもの等が挙げられ、凹部と凸部との高低差は、各々の部位で一定であっても相違していてもよいが、好ましくは20mm以下、より好ましくは1~15mm程度である。
【0030】
本発明の水性被覆材は、上記壁面の上に塗付して、被覆膜を形成することにより、壁面の劣化の進行を抑制し、また、壁面本来の美観性を損ねず、当初の美観性を長期に亘って維持することができ、水性クリヤー被覆材として好適に使用することができる。
本発明の水性被覆材の塗装方法としては、刷毛塗り、鏝塗り、ローラー塗装、スプレー塗装、静電気塗装、ロールコーター、カーテンフローコーター、ディッピング塗装や電着塗装等を用いることができる。
塗付け量としては、特に限定されないが、好ましくは20g/m2以上300g/m2以下(さらには30g/m2以上250g/m2以下)程度である
【実施例0031】
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。なお、本発明は、ここでの実施例に制限されるものではない。
【0032】
表1に示す原料を用い、表2に示す配合にて、常法により混合し、水性被覆材を得た。
得られた水性被覆材について、次の試験を行った。
【0033】
(透明性試験1)
得られた水性被覆材を、黒色アクリル板の上に塗付け量150g/m2で塗装し、温度23℃、相対湿度50%下で24時間乾燥させ、試験体を得た。
得られた試験体に対し、目視にて、透明性を評価した。評価は次のとおりである。結果は表2に示す。
◎:優れた透明性を有していた
〇:良好な透明性を有していた
△:一部くすみがみられた
×:一部くすみ、ムラがみられた
【0034】
(透明性試験2)
塗付け量を300g/m2に替えた以外は、透明性試験1と同様の方法で試験体を作製し、透明性試験1と同様の評価を行った。結果は表2に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】