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特開2022-169022情報処理装置、情報処理システム、および、情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169022
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、および、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20221101BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
G06F3/12 326
G06F3/12 304
G06F3/12 336
G06F3/12 367
G06F3/12 387
B41J29/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074778
(22)【出願日】2021-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】山本 敏雄
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061HQ03
(57)【要約】
【課題】ユーザーが意図しない不要な印刷を抑制する。
【解決手段】情報処理装置は、印刷を実行する画像形成装置をユーザーに選択させる選択情報を提示する提示判定処理部と、前記選択情報において、第1画像形成装置が選択されると、前記第1画像形成装置の設置位置からの距離を測定し、測定した距離が所定距離以上であるか否かを判定する距離判定処理部とを有し、前記提示判定処理部は、前記距離が前記所定距離以上であると判定されると、前記第1画像形成装置での前記印刷の実行を変更するかを確認する確認情報を提示する提示処理を行う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷を実行させる画像形成装置をユーザーに選択させる選択情報を提示する提示判定処理部と、
前記選択情報において、第1画像形成装置が選択されると、前記第1画像形成装置の設置位置からの距離を測定し、測定した距離が所定距離以上であるか否かを判定する距離判定処理部とを有し、
前記提示判定処理部は、前記距離が前記所定距離以上であると判定されると、前記第1画像形成装置での前記印刷の実行を変更するかを確認する確認情報を提示する提示処理を行う、情報処理装置。
【請求項2】
前記確認情報は、前記印刷を実行させる画像形成装置を、前記第1画像形成装置とは異なる第2画像形成装置へ変更するかを確認する変更確認情報を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2画像形成装置は、前記情報処理装置と同じネットワークに接続されている、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
VPNを通じて前記第1画像形成装置とネットワーク接続がされており、
前記印刷を実行させる画像形成装置が、前記第1画像形成装置から前記第2画像形成装置へ変更されると、前記提示判定処理部は、VPNを切断する、請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
さらに、前記印刷を実行させるための印刷ジョブを送信する通信部を有し
前記確認情報は、プリントホールドをするかを確認するプリントホールド確認情報を含み、
前記プリントホールド確認情報が選択されると、前記通信部は、前記印刷ジョブを前記第1画像形成装置へ送信することで、前記第1画像形成装置に、前記印刷ジョブに基づく前記印刷の実行を保留させる、請求項1から4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記確認情報は、前記ユーザーとは異なる他者に依頼印刷をするかを確認する依頼印刷確認情報を含み、
前記依頼印刷確認情報が選択されると、前記提示判定処理部は、前記依頼印刷を行うための登録画面を提示する、請求項1から5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記確認情報は、サーバーに登録したファイルデータを第3画像形成装置に印刷実行させるネットワークプリントをするかを確認するネットワークプリント確認情報を含み、
前記ネットワークプリント確認情報が選択されると、前記提示判定処理部は、前記ネットワークプリントを行うファイルデータをサーバーへ登録するための登録画面を提示する、請求項1から6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記確認情報は、印刷予定日をカレンダーに登録するかを確認するカレンダー登録確認情報を含み、
前記カレンダー登録確認情報が選択されると、前記提示判定処理部は、前記カレンダーアプリケーションを起動して前記印刷予定日を登録する登録画面を提示する、請求項1から8の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
請求項1から8の何れか1項に記載の情報処理装置と、
前記第1画像形成装置と、を有する情報処理システム。
【請求項10】
印刷する画像形成装置をユーザーに選択させる選択情報を提示し、
前記選択情報において、第1画像形成装置が選択されると、前記第1画像形成装置の設置位置からの距離を測定し、測定した距離が所定距離以上であるか否かを判定し、
前記距離が前記所定距離以上であると判定されると、前記第1画像形成装置での前記印刷の実行を変更するかを確認する確認情報を提示する提示処理を行う、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一態様は、情報処理装置、情報処理システム、および、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、在宅勤務に代表されるテレワーク等のリモート環境において、在宅勤務者に利用される情報処理装置での情報の取り扱いを管理者等が確認するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-27447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
普段、会社で使用している情報処理装置は、印刷設定時のプリンターの選択画面において、会社に設置されているプリンターがデフォルトで選択されている場合が多い。この場合、ユーザーが、テレワーク時など自宅で勤務しているときに前記情報処理装置を使って印刷を実行する際、ユーザーは、近くに設置された自宅内のプリンターではなく、誤って、デフォルトで選択されている、ユーザーの居場所からは遠い会社に設置されたプリンターを選択して印刷を実行してしまう場合がある。本開示は、ユーザーが意図しない不要な印刷を抑制する情報処理装置、情報処理システムおよび情報処理方法を得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、印刷を実行する画像形成装置をユーザーに選択させる選択情報を提示する提示判定処理部と、前記選択情報において、第1画像形成装置が選択されると、前記第1画像形成装置の設置位置からの距離を測定し、測定した距離が所定距離以上であるか否かを判定する距離判定処理部とを有し、前記提示判定処理部は、前記距離が前記所定距離以上であると判定されると、前記第1画像形成装置での前記印刷の実行を変更するかを確認する確認情報を提示する提示処理を行う。
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、印刷を印刷する画像形成装置をユーザーに選択させる選択情報を提示し、前記選択情報において、第1画像形成装置が選択されると、前記第1画像形成装置の設置位置からの距離を測定し、測定した距離が所定距離以上であるか否かを判定し、前記距離が前記所定距離以上であると判定されると、前記第1画像形成装置での前記印刷の実行を変更するかを確認する確認情報を提示する提示処理を行う。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様に係る、情報処理装置、情報処理システム、および、情報処理方法によると、ユーザーが意図しない不要な印刷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る情報処理システムの構成を例示する図である。
図2】実施形態に係る情報処理装置の機能ブロックの一例を示す図である。
図3】実施形態に係る記憶部に記憶された登録情報の一例を示す図である。
図4】実施形態に係る、提示判定処理部が表示部に表示させる選択画面の例示を示す図である。
図5】実施形態に係る、提示判定処理部が表示部に表示させるプロパティ設定画面の例示を示す図である。
図6】実施形態に係る印刷ジョブの一例を示す図である。
図7】実施形態に係る情報処理システムの使用態様の一例を表す図である。
図8】実施形態に係る情報処理装置の処理を説明するフローチャートである。
図9】実施形態に係る提示判定処理部が提示する変更確認画面の一例を示す図である。
図10】実施形態に係る提示判定処理部が提示する印刷方法変更確認画面の一例を示す図である。
図11】実施形態に係る依頼印刷を行うための電子メールアプリケーションのメッセージ記入画面の一例を示す図である。
図12】実施形態に係る、ネットワークプリントを行っている様子を表す図である。
図13】実施形態に係るネットワークプリントを行うための登録画面の一例を示す図である。
図14】実施形態に係るカレンダー登録を行うためのカレンダー登録画面の一例を示す図である。
図15】実施形態に係る提示処理の流れを表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態〕
以下、本実施形態について図面を参照しつつ説明する。図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本開示の必須構成要件であるとは限らない。
【0010】
図1は、実施形態に係る情報処理システム250の構成を例示する図である。例えば、情報処理システム250は、情報処理装置100と、第1画像形成装置(画像形成装置)110と、第2画像形成装置(画像形成装置)120とを有する。図1では、一例として、ユーザーが、普段、勤務先で使用している情報処理装置100を、テレワークなどのために自宅で使用している場合を想定した情報処理システム250を示している。なお、情報処理システム250は、第2画像形成装置120を省略した構成であってもよい。
【0011】
情報処理装置100は、ユーザーによって使用される端末装置である。情報処理装置100は、例えば、ルーター200と接続されており、ルーター200を介してインターネットに接続されている。情報処理装置100は、例えばPC(Personal Computer)である。情報処理装置100は、プリンタードライバーを用いて第1画像形成装置110および第2画像形成装置120に印刷を実行させる指示が可能な機器であり、PCには限定されない。例えば情報処理装置100は、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス等の機器であってもよい。
【0012】
情報処理装置100は、プロセッサー101、メモリー102、通信インターフェイス103を含む。ただし情報処理装置100のハードウェア構成はこれに限定されず、一部の構成要素が省略されてもよいし、他の構成要素が追加されてもよく、種々の変形実施が可能である。例えば、情報処理装置100は、図2を用いて後述する表示部60に対応するディスプレイ等を含んでもよい。
【0013】
プロセッサー101は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(application specific integrated circuit)等、各種のプロセッサーを用いることが可能である。またプロセッサー101は、CPU、GPU、DSP等に加えて周辺回路装置を含んでもよい。周辺回路装置は、IC(Integrated Circuit)であってもよいし、抵抗やキャパシター等を含んでもよい。
【0014】
メモリー102は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリーまたはSSD(Solid State Drive)などの半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよいし、ハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。
【0015】
通信インターフェイス103は、外部機器との通信を行うためのインターフェイスである。例えば通信インターフェイス103は、ネットワークを介した通信を行うためのインターフェイスであり、アンテナ、RF(radio frequency)回路、及びベースバンド回路を含む。通信インターフェイス103は、例えばIEEE802.11に従った通信を行うためのインターフェイスである。ただし具体的な通信方式は種々の変形実施が可能である。例えば通信インターフェイス103は、有線での通信を行うためのインターフェイスであってもよく、例えばUSB(Universal serial bus)規格に従った通信を行ってもよい。さらに、通信インターフェイス103は、GPS(Global Positioning System)を介した位置の測位を行うためのインターフェイスでもあり、GPSアンテナおよびGPS受信回路などを含む。なお、通信インターフェイス103は、プロセッサー101による制御に従って動作してもよいし、プロセッサー101とは異なる通信制御用のプロセッサーを含んでもよい。
【0016】
第1画像形成装置110、および、第2画像形成装置120は、それぞれ、印刷機能を有する装置である。第1画像形成装置110、および、第2画像形成装置120は、それぞれ、プリンターであってもよいし、スキャン機能付きプリンターであってもよいし、プリント機能を含む種々の機能を有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral)であってもよい。
【0017】
第1画像形成装置110は、例えば、ユーザーが、普段、勤務する会社のオフィスなど、ユーザーの自宅とは異なる場所に設置されている。例えば、第1画像形成装置110は、情報処理装置100が接続されたルーター200とは異なるルーター220に接続され、ルーター220を介してインターネットに接続されている。すなわち、第1画像形成装置110は、情報処理装置100とは異なるネットワークに接続されている。
【0018】
第2画像形成装置120は、例えば、ユーザーの自宅など、ユーザーが勤務する会社のオフィスとは異なる場所に設置されている。例えば、第2画像形成装置120は、ユーザーが使用する情報処理装置100と、同じルーター200に接続され、ルーター200を介してインターネットに接続されている。すなわち、第2画像形成装置120は、情報処理装置100と同じネットワークに接続されている。
【0019】
なお、上述した第1画像形成装置110および第2画像形成装置120のそれぞれが設置された場所は一例であり、それぞれが設置された場所は他の場所であってもよい。
【0020】
第1画像形成装置110は、プロセッサー111と、印刷エンジン112と、通信インターフェイス113とを含む。第2画像形成装置120は、プロセッサー121と、印刷エンジン122と、通信インターフェイス123とを含む。
【0021】
印刷エンジン112・122のそれぞれは、印刷媒体に印刷を行うための機械的な構成を含む。例えば印刷エンジン112・122のそれぞれは、印刷媒体を搬送方向に沿って搬送する搬送ローラーと、搬送ローラーを駆動する搬送モーターを含む。また、第1画像形成装置110、および、第2画像形成装置120のそれぞれがインクジェットプリンターである場合、印刷エンジン112・122のそれぞれは印刷ヘッドが設けられるキャリッジと、当該キャリッジを搬送方向に直交する主走査方向に駆動するキャリッジモーターを含む。印刷エンジン112・122のそれぞれは、印刷媒体を搬送方向に搬送しつつ、主走査方向において往復する印刷ヘッドからインクを吐出させることによって、印刷媒体に画像を形成する。ただし、本実施形態の第1画像形成装置110および第2画像形成装置120のそれぞれは種々の方式の画像形成装置を適用可能であり、印刷エンジン112・122のそれぞれの構成はこれに限定されない。例えば第1画像形成装置110および第2画像形成装置120のそれぞれは、印刷媒体の幅に相当する幅の印刷ヘッドを有するラインヘッド式のインクジェットプリンターであってもよい。また、第1画像形成装置110および第2画像形成装置120のそれぞれは、レーザープリンター等の電子写真方式の画像形成装置であってもよい。
【0022】
通信インターフェイス113・123のそれぞれは、情報処理装置100との通信を行う。通信インターフェイス113・123は、例えばUSB規格に従った通信を行うインターフェイスであってもよいし、IEEE802.11の方式に従った通信を行うインターフェイスであってもよいし、他の方式に従った通信を行うインターフェイスであってもよい。通信インターフェイス113・123のそれぞれは、情報処理装置100から印刷ジョブを取得する。印刷ジョブは、図6を用いて後述するように、第1画像形成装置110および第2画像形成装置120のそれぞれにおいて印刷を実行する際に用いられるデータである。
【0023】
プロセッサー111は、印刷ジョブに従った印刷動作を印刷エンジン112に実行させる制御を行う。また、プロセッサー121は、印刷ジョブに従った印刷動作を印刷エンジン122に実行させる制御を行う。プロセッサー111・121のそれぞれは、CPUやDSP等、各種のプロセッサーを用いることが可能である。プロセッサー111は、第1画像形成装置110全体の制御を行うメインCPUと、印刷制御を行うサブCPUとを含んでもよい。またプロセッサー121は、第2画像形成装置120全体の制御を行うメインCPUと、印刷制御を行うサブCPUとを含んでもよい。
【0024】
図2は、実施形態に係る情報処理装置100の機能ブロックの一例を示す図である。情報処理装置100は、処理部10、記憶部30、通信部50、表示部60を含む。処理部10は、図1のプロセッサー101に対応する。記憶部30は、図1のメモリー102に対応する。通信部50は、図1の通信インターフェイス103に対応する。なお、情報処理装置100の構成は図2に限定されず、他の構成を追加する、又は、一部の構成を省略する等の変形実施が可能である。
【0025】
処理部10は、印刷ジョブ作成処理部11、距離判定処理部12、提示判定処理部13、および、制御部14を含んでもよい。記憶部30は、画像形成プログラム31、第1プリンタードライバー32、第2プリンタードライバー33、および登録情報34を記憶していてもよい。また、記憶部30は、GPSから取得する位置情報を用いて距離の測定が可能な地図アプリケーション、電子メールなど他者にメッセージを送信可能なメッセージアプリケーション、および、スケジュールを登録したり管理したりすることが可能なカレンダーアプリケーションなどのソフトウェアが記憶されていてもよい。
【0026】
処理部10は、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むハードウェアを含む。例えば、ハードウェアは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置や、1又は複数の回路素子によって構成できる。1又は複数の回路装置は例えばIC、FPGA(field-programmable gate array)等である。1又は複数の回路素子は例えば抵抗、キャパシター等である。
【0027】
印刷ジョブ作成処理部11は、画像形成プログラム31に基づいて、第1画像形成装置110または第2画像形成装置120が印刷を実行するために必要な印刷ジョブを作成する。また、詳細は図10などを用いて後述するが、印刷ジョブ作成処理部11は、印刷方法変更確認画面550におけるプリントホールド確認情報551がユーザーに選択された場合、プリントホールドすることを示すデータを印刷ジョブに格納する。また、印刷ジョブ作成処理部11は、提示判定処理部13によって印刷方法変更確認画面550(図10参照)が提示された後にユーザーから入力されたパスワードを、データとして印刷ジョブのパスワード情報406(図6参照)に格納する。
【0028】
距離判定処理部12は、画像形成プログラム31に基づいて、登録情報34に予め設置位置が登録されている画像形成装置(例えば第1画像形成装置110)の設置位置から情報処理装置100までの距離を測定したり、測定した距離が、予め設定された所定距離以上であるか否かを判定したりする。
【0029】
提示判定処理部13は、画像形成プログラム31に基づいて、例えば、選択画面(選択情報)などの印刷の実行に必要な各種設定をユーザーに設定させる印刷設定画面(印刷設定情報)を、表示部60に表示させることでユーザーに提示する。また、例えば、提示判定処理部13は、画像形成プログラム31に基づいて、各種の確認画面(確認情報)を表示部60に表示させることでユーザーに提示したりする。
【0030】
選択画面(選択情報)は、印刷を実行させる画像形成装置をユーザーに選択させるための情報(画面)である(図4などを用いて後述する)。提示判定処理部13は、選択画面において第1画像形成装置110が選択された場合であって、第1画像形成装置110からの距離が所定距離以上であると距離判定処理部12によって判定された場合、第1画像形成装置110での印刷の実行を変更するかユーザーに確認する確認情報(確認画面500)を提示する提示処理を行う(図9図10などを用いて後述する)。提示判定処理部13がユーザーに提示する確認情報(確認画面500)としては、例えば、変更確認画面(変更確認情報)510(図9参照)、印刷方法変更確認画面550(図10参照)などを挙げることができる。
【0031】
変更確認画面(変更確認情報)510は、印刷を実行させる画像形成装置を第1画像形成装置110から、第2画像形成装置120へ変更するかを確認する画面である。変更確認画面(変更確認情報)510を介して、ユーザーによって、印刷を実行させる画像形成装置を第1画像形成装置110から第2画像形成装置120へ変更することが選択されると、提示判定処理部13は、印刷を実行させる画像形成装置を第1画像形成装置110から第2画像形成装置120へ変更する処理を実行する(詳細は図9などを用いて後述する)。
【0032】
印刷方法変更確認画面550(図10参照)は、印刷方法を変更するかを確認する情報を少なくとも1つ含む。提示判定処理部13は、印刷方法変更確認画面550を介してユーザーから選択された印刷方法に応じた処理を実行する。
【0033】
具体的には、例えば、印刷方法変更確認画面550は、プリントホールドをするかを確認するプリントホールド確認情報551、依頼印刷をするかを確認する依頼印刷確認情報552、ネットワークプリントをするかを確認するネットワークプリント確認情報553、および、カレンダー登録をするかを確認するカレンダー登録確認情報554の少なくとも1つを含んでもよい。
【0034】
そして、印刷方法変更確認画面550を介してプリントホールド確認情報551がユーザーによって選択されると、提示判定処理部13はプリントホールドを行うための処理を実行する(詳細は図10などを用いて後述する)。また、印刷方法変更確認画面550を介して依頼印刷確認情報552がユーザーによって選択されると、提示判定処理部13は依頼印刷をおこなうための処理を実行する(詳細は図11などを用いて後述する)。また、印刷方法変更確認画面550を介してネットワークプリント確認情報553がユーザーによって選択されると、提示判定処理部13はネットワークプリントを行うための処理を実行する(詳細は図12および図13などを用いて後述する)。また、印刷方法変更確認画面550を介してカレンダー登録確認情報554がユーザーによって選択されると、提示判定処理部13は、カレンダー登録を行うための処理を実行する(詳細は図14などを用いて後述する)。
【0035】
制御部14は、情報処理装置100の各部を制御する。例えば制御部14は、記憶部30の読み出し/書き込み制御、通信部50の通信制御等を行う。
【0036】
記憶部30(メモリー102)はコンピューターによって読み取り可能な命令を格納しており、当該命令を処理部10(プロセッサー101)が実行することによって、処理部10の機能が処理として実現される。具体的には、メモリー102に記憶された命令に従ってプロセッサー101が動作することによって、印刷ジョブ作成処理部11、距離判定処理部12、提示判定処理部13、制御部14のそれぞれにおける処理が実行される。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットの命令でもよいし、プロセッサー101のハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
【0037】
画像形成プログラム31は、処理部10に、各処理を実行させる機能を有するプログラムである。例えば、画像形成プログラム31は、印刷ジョブ作成処理部11、距離判定処理部12、提示判定処理部13および制御部14それぞれの機能を実現させるプログラムである。
【0038】
第1プリンタードライバー32は、第1画像形成装置110が印刷の実行に必要な機能を有するプリンタードライバーである。第2プリンタードライバー33は、第2画像形成装置120が印刷の実行に必要な機能を有するプリンタードライバーである。
【0039】
登録情報34は、プリンタードライバーがインストールされている画像形成装置の設置位置が、予め登録されているデータである。また、登録情報34には、プリンタードライバーがインストールされている画像形成装置毎に使用される用途(例えば、会社用、家庭用など)が対応付けられていてもよい。なお、登録情報34の詳細は図3を用いて後述する。
【0040】
画像形成プログラム31を実行する印刷ジョブ作成処理部11は、選択画面(選択情報)において第1画像形成装置110が選択されると、第1プリンタードライバー32に基づいて、第1画像形成装置110に印刷を実行させるために必要な印刷ジョブを作成する。また、画像形成プログラム31を実行する印刷ジョブ作成処理部11は、選択画面(選択情報)において第2画像形成装置120が選択されると、第2プリンタードライバー33に基づいて、第2画像形成装置120に印刷を実行させるために必要な印刷ジョブを作成する。
【0041】
また記憶部30は、不図示のOS(Operating System)や、OS上で動作するアプリケーションソフトウェアを記憶してもよい。OS等に従って処理部10が動作することによって、制御部14が実現される。
【0042】
また、本実施形態の処理部10の各部が行う処理を実現するプログラムは、例えばコンピューターによって読み取り可能な媒体である非一時的な情報記憶装置(情報記憶媒体)に格納できる。情報記憶装置は、例えば光ディスク、メモリーカード、HDD、或いは半導体メモリーなどによって実現できる。半導体メモリーは例えばROMである。処理部10は、情報記憶装置に格納されるプログラムに基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶装置は、処理部10の各部としてコンピューターを機能させるためのプログラムを記憶する。コンピューターは、入力装置、処理部、記憶部、出力部を備える装置である。具体的には本実施形態に係るプログラムは、図8、および、図15などを用いて後述する各ステップを、コンピューターに実行させるためのプログラムであり、具体的には、画像形成プログラム31である。
【0043】
通信部50は、情報処理装置100と外部機器との通信を行う。例えば通信部50は、画像形成プログラム31に従って動作する処理部10からの指示に基づいて、第1画像形成装置110または第2画像形成装置120との間で情報の送受信を行ったり、GPSから、情報処理装置100の現在の位置を示すデータを受信したりする。また、例えば通信部50は、印刷を実行させるためのデータである印刷ジョブを、第1画像形成装置110、または、第2画像形成装置120に送信する。
【0044】
表示部60は、各種の表示画面を表示するためのものであり、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどにより実現できる。
【0045】
図3は、実施形態に係る記憶部30に記憶された登録情報34の一例を示す図である。登録情報34には、情報処理装置100にインストールされているプリンタードライバー毎に、画像形成装置を識別する識別情報と、画像形成装置の設置位置を示す情報とを対応づけて登録することが可能となっている。
【0046】
例えば、図3に示す例では、登録情報34に、第1画像形成装置110を識別する識別情報と、第1画像形成装置110が実際に設置されている設置位置を示す情報とが対応付けて登録されている。図3に示す例では、登録情報34に、第1画像形成装置110の識別情報の例であるプリンター名:「第1画像形成装置」と、第1画像形成装置110の設置位置を示す情報の一例である第1画像形成装置110の設置位置の住所とが対応付けて登録されている。
【0047】
また、図3に示す例では、第2画像形成装置120の識別情報の一例であるプリンター名:「第2画像形成装置」には、第2画像形成装置120の設置位置を示す情報(例えば設置位置の住所)とは対応付けられていない。
【0048】
なお、登録情報34に登録される画像形成装置の設置位置は、ユーザーにより住所などが入力されてもよいし、GPSから取得する位置情報を用いた地図アプリケーションを起動させたときの地図データ上の位置を登録してもよい。
【0049】
また、図3に示す例では、登録情報34には、第1画像形成装置110の識別情報の一例であるプリンター名:「第1画像形成装置」に、例えば用途として「会社用」が対応付けて登録されており、第2画像形成装置120の識別情報の一例であるプリンター名:「第2画像形成装置」に、例えば、用途として「自宅用」が対応付けて登録されている。
【0050】
なお、登録情報34に登録される設置位置および用途は、ユーザーによって任意に登録されればよい。また、図3では、プリンタードライバーがインストールされている画像形成装置のそれぞれを識別する識別情報の一例としてプリンター名を挙げたが、識別情報はプリンター名に限らず、例えば、それぞれのプリンター毎に対応付けられたID番号など、他の情報であってもよい。
【0051】
図4は、実施形態に係る、提示判定処理部13が表示部60に表示させる選択画面(選択情報)310の例示を示す図である。図4に示す選択画面310は、提示判定処理部13が提示する(表示部60に表示させる)印刷設定画面300のうち、印刷を実行する画像形成装置をユーザーに選択させる画面である。
【0052】
情報処理装置100を使用しているユーザーが情報処理装置100に印刷を実行する指示を入力すると、処理部10が前記指示を示す入力信号を受け付け、画像形成プログラム31を実行する。そして、提示判定処理部13が、各種の印刷設定をユーザーに入力させる印刷設定画面300を表示部60に表示させることで、ユーザーに提示する。提示判定処理部13がユーザーに提示する(表示部60に表示させる)印刷設定画面300は、例えば、UI(User Interface)画面である。
【0053】
選択画面310は、例えば、情報処理装置100にプリンタードライバーがインストールされている画像形成装置のうち、印刷を実行させる画像形成装置をユーザーに選択させるための選択欄320と、印刷を実行させる印刷ボタン330と、印刷の実行をキャンセルするキャンセルボタン331などを含む。
【0054】
例えば、選択欄320には、プリンタードライバーがインストールされている、第1画像形成装置110を示す選択項目321と、第2画像形成装置120を示す選択項目322とが、選択可能に並んでいる。
【0055】
選択画面310において、第1画像形成装置110を示す選択項目321、または、第2画像形成装置120を示す選択項目322が選択された状態で、印刷ボタン330がユーザーに選択されると、印刷ジョブ作成処理部11が、第1画像形成装置110または第2画像形成装置120に印刷を実行させるための印刷ジョブを作成する。
【0056】
なお、図4に示す選択画面310の表示形式は一例であり、例えば、選択項目321・322がプルダウン方式で表示されるなど、他の表示形式であってもよい。また、図4に示す選択画面310の表示内容も一例であり、他の選択項目などが表示されていてもよい。
【0057】
また、例えば、情報処理装置100が、普段、会社のオフィスで使用されている場合、情報処理装置100が印刷を実行させる第1画像形成装置110を示す選択項目321が、デフォルトで、すなわち、選択画面310が表示部60に表示されたとき、ユーザーに選択される前に既に選択されている場合がある。
【0058】
図5は、実施形態に係る、提示判定処理部13が表示部60に表示させるプロパティ設定画面350の例示を示す図である。例えば、提示判定処理部13が図4に示した選択画面310をユーザーに提示した後、ユーザーからの指示を受け付けることで、提示判定処理部13は、印刷設定画面300のうちプロパティ設定画面(詳細設定画面)350を、表示部60に表示させることでユーザーに提示してもよい。プロパティ設定画面350は、提示判定処理部13が提示する(表示部60に表示させる)印刷設定画面300のうち、印刷ジョブの作成に必要な各種設定をユーザーに設定させる画面である。
【0059】
例えば、プロパティ設定画面350は、ドキュメントファイリング設定欄360と、ユーザー名入力欄370と、ジョブ名入力欄371と、パスワード入力欄372と、OKボタン380と、キャンセルボタン381などを含む。
【0060】
ドキュメントファイリング設定欄360は、例えば、印刷ジョブを送信した画像形成装置にプリントホールドをさせるか否かを設定する欄である。図5に示す例では、ドキュメントファイリング設定欄360に、例えば、選択項目361・362が並んで表示されている。
【0061】
ここで、プリントホールドは、印刷ジョブが送信された画像形成装置に、印刷ジョブを記憶させて、印刷の実行を保留させる機能である。プリントホールドをする旨の情報が格納された印刷ジョブが送信された画像形成装置は、印刷ジョブを記憶部に記憶して印刷の実行を保留する。また、プリントホールドをしない旨の情報が付加された印刷ジョブが送信された画像形成装置は、印刷ジョブに基づいて、即時、印刷を実行する。
【0062】
選択項目361は、例えば、「なし」と記載されており、プリントホールドをしない機能を実行させることをユーザーに提示している。すなわち、選択項目361は、プリントホールドをせずに、印刷ジョブが送信された画像形成装置に、即時、印刷を実行させることを選択する選択項目である。選択項目362は、例えば、「プリントホールド」と記載されており、プリントホールドをする機能を実行させることをユーザーに提示している。すなわち、選択項目362は、印刷ジョブが送信された画像形成装置に、印刷ジョブを記憶部に記憶して印刷の実行を保留させる、プリントホールドをすることを選択する選択項目である。
【0063】
ユーザー名入力欄370は、印刷ジョブに、ユーザー名を登録するための入力欄である。ジョブ名入力欄371は、印刷ジョブにジョブ名を登録するための入力欄である。パスワード入力欄372は、印刷ジョブにパスワードを登録するための入力欄である。なお、パスワードは、印刷ジョブが送信された画像形成装置において、例えば、プリントホールドされた(記憶部に記憶された)印刷ジョブの内容を画像形成装置の表示部に表示させる際に入力を要求したり、プリントホールドされた(記憶部に記憶された)印刷ジョブを画像形成装置において印刷させる際に入力を要求したりするパスワードである。ユーザー名、ジョブ名およびパスワードは、ユーザーにより任意の内容が登録されてもよいし、登録されなくてもよい。
【0064】
OKボタン380は、プロパティの詳細設定の入力が完了したことを示すボタンである。OKボタン380がユーザーにより選択されると、提示判定処理部13が図4に示した選択画面310を表示部60に表示させてもよいし、印刷ジョブ作成処理部11が印刷ジョブの作成を開始してもよい。キャンセルボタン381は、プロパティの詳細設定の入力をキャンセルするボタンである。キャンセルボタン381がユーザーにより選択されると、提示判定処理部13は、図4に示した選択画面310を表示部60に表示させてもよいし、各種の印刷設定画面300を表示部60に表示させることを終了してもよい。
【0065】
なお、図5に示すプロパティ設定画面350の表示形式は一例であり、例えば、ドキュメントファイリング設定欄360の各選択項目がプルダウン方式で表示されるなど、他の表示形式であってもよい。また、図5に示すプロパティ設定画面350の表示内容も一例であり、他の入力欄などが表示されていてもよい。また、プロパティ設定画面350は、選択画面310で選択された画像形成装置毎に異なる内容を含む画面であってもよい。
【0066】
図6は、実施形態に係る印刷ジョブ400の一例を示す図である。印刷ジョブ400は、プロパティ設定画面350などを介して入力された情報に基づいて、印刷ジョブ作成処理部11が画像形成プログラム31を実行することによって作成される。
【0067】
例えば、印刷ジョブ400は、印刷ジョブ400のジョブ名を示すジョブ名情報401、印刷ジョブ400を作成したユーザー名を示すユーザー名情報402、印刷設定を示す印刷設定情報403、PDL(Page Description Language)データ情報404、ドキュメントファイリングを表すドキュメントファイリング情報405、パスワードを示すパスワード情報406などのそれぞれを、データとして含む。
【0068】
ジョブ名情報401には、プロパティ設定画面350(図5参照)のジョブ名入力欄371に入力された内容を示すデータが格納されている。ユーザー名情報402には、プロパティ設定画面350(図5参照)のユーザー名入力欄370に入力された内容を示すデータが格納されている。印刷設定情報403には、印刷設定画面300を介して設定された各種の印刷設定(例えば、印刷部数、カラーモード設定、片面両面印刷設定など)を示すデータが格納されている。PDLデータ情報404は、描画を行うためのPDLデータが格納されている。ドキュメントファイリング情報405は、プロパティ設定画面350(図5参照)のドキュメントファイリング設定欄360において選択された選択項目に対応付けられた機能(選択項目361に対応付けられたプリントホールドをしない機能、または、選択項目362に対応付けられたプリントホールドをする機能)を実行するためのデータが格納されている。パスワード情報406には、プロパティ設定画面350(図5参照)のパスワード入力欄372に入力された内容を示すデータが格納されている。
【0069】
図7は、実施形態に係る情報処理システム250の使用態様の一例を表す図である。図7に示す例では、ユーザーが普段、勤務する会社のオフィス1から離れた自宅2において、テレワークである在宅勤務をしている場合の例を表している。
【0070】
例えば、情報処理システム250は、情報処理装置100と、第1画像形成装置110と、第2画像形成装置120とを含む。なお、情報処理システム250は、第2画像形成装置120を含まなくてもよい。
【0071】
情報処理装置100は、オフィス1に設置された第1画像形成装置110から距離D1だけ離れた自宅2において使用されているとする。例えば、情報処理装置100は、VPN(Virtual Private Network)を通じて、会社内のネットワーク(言い換えると第1画像形成装置110)と接続されているとする。また、自宅2には、第2画像形成装置120(図1参照)が設置されている。第2画像形成装置120は、情報処理装置100が自宅2内において接続しているネットワークと同じネットワークに接続されている。
【0072】
情報処理装置100は、上述のように、GPSアンテナおよびGPS受信回路などを含む通信部50(図2参照)を有するため、処理部10(図2参照)は、GPS3から、情報処理装置100の現在の位置を示す位置情報の取得が可能となっている。
【0073】
また、上述のように、情報処理装置100は、記憶部30(図2)に登録情報34(図2図3参照)が記憶されている。登録情報34には、第1画像形成装置110が設置されている設置位置が登録されている。
【0074】
これにより、情報処理装置100の距離判定処理部12(図2参照)は、オフィス1に設置された第1画像形成装置110から情報処理装置100の現在位置までの距離D1の測定が可能となっている。
【0075】
次に、図8などを用いて、情報処理装置100の処理の一例について説明していく。図8は、実施形態に係る情報処理装置100の処理を説明するフローチャートである。以下に説明する各ステップは、情報処理装置100の処理部10において実行される。
【0076】
例えば、図7に示したように、ユーザーはテレワークで自宅2において勤務をしている際、情報処理装置100に、印刷を実行する旨の指示である印刷指示を入力する。すると、まず、ステップS11において、提示判定処理部13は、ユーザーからの印刷指示を示す入力に基づき、画像形成プログラム31を起動し、選択画面310(図4参照)を表示部60に表示させることでユーザーに提示する。提示判定処理部13は、ユーザーからの指示よって、プロパティ設定画面350を表示部60に表示することでユーザーに提示してもよい。そして、処理部10は、選択画面310およびプロパティ設定画面350などの印刷設定画面300を介して入力された、ユーザーからの各種の入力情報を取得する。
【0077】
すると、ステップS12において、印刷ジョブ作成処理部11は、選択画面310で選択された画像形成装置である第1画像形成装置110で印刷物を印刷するための印刷ジョブ400(図6参照)を作成する。印刷ジョブ作成処理部11は、画像形成プログラム31を実行することで、第1プリンタードライバー32に基づいて印刷ジョブ400を作成する。なお、ここでは、印刷ジョブ400のドキュメントファイリング情報405には、プリントホールドをしないことを示すデータが格納されたものとする。
【0078】
次に、ステップS13において、提示判定処理部13は、登録情報34に設置位置が登録されている画像形成装置である第1画像形成装置110が、選択画面310において選択されたか否かを判定する。
【0079】
ステップS13において、選択画面310において選択された画像形成装置が、登録情報34に設置位置が登録されていない、例えば第2画像形成装置120であったと提示判定処理部13が判定すると(ステップS13のNoの場合)、ステップS17として、処理部10は、通信部50を介して、印刷ジョブ作成処理部11が作成した印刷ジョブ400を第2画像形成装置120へ送信する。これによって、処理部10は、印刷ジョブ400を受信した第2画像形成装置120に、印刷物の印刷を実行させる。
【0080】
また、ステップS13において、選択画面310において選択された画像形成装置が、登録情報34に設置位置が登録された第1画像形成装置110であったと提示判定処理部13が判定すると(ステップS13のYesの場合)、次に、ステップS14として、距離判定処理部12は、第1画像形成装置110の位置と、情報処理装置100の現在の位置とに基づいて、第1画像形成装置110から情報処理装置100までの距離D1を測定する。距離判定処理部12は、第1画像形成装置110の位置は、登録情報34に登録された情報から取得し、情報処理装置100の現在の位置は、GPS3(図7参照)から得られる位置情報に基づいて取得する。
【0081】
そして、ステップS15として、距離判定処理部12は、ステップS14として、測定した距離D1が、予め設定された所定距離以上であるか否かを判定する。
【0082】
ここで、所定距離は、情報処理装置100が会社のオフィス1内で使用されているか、オフィス1外で使用されているか否かを距離判定処理部12が判定するための基準値である。所定距離は、予めユーザーなどによって、情報処理装置100の記憶部30などに記憶されている。所定距離は、ユーザーによって任意に設定されればよいが、例えば、1Kmなどと設定されてもよい。
【0083】
ステップS15において、測定した距離D1が所定距離以上ではないと距離判定処理部12が判定すると(ステップS15のNoの場合)、言い換えると、距離判定処理部12が情報処理装置100は会社のオフィス1内で使用されていると判定すると、ステップS16として、処理部10は、通信部50を介して、印刷ジョブ作成処理部11が作成した印刷ジョブ400を第1画像形成装置110へ送信する。これによって、処理部10は、印刷ジョブ400を受信した第1画像形成装置110に、印刷を実行させる。
【0084】
また、ステップS15において、測定した距離D1が所定距離以上であると距離判定処理部12が判定すると(ステップS15のYesの場合)、言い換えると、距離判定処理部12が情報処理装置100は会社のオフィス1外で使用されていると判定すると、ステップS20として、提示判定処理部13は、第1画像形成装置110での印刷の実行を変更するかを確認する確認画面(確認情報)500(図9図10参照)を表示部60に表示させることでユーザーに提示する提示処理を行う。
【0085】
確認画面500は、詳細は後述するが、例えば、変更確認画面(変更確認情報)510(図9参照)、および、印刷方法変更確認画面550(図10参照)の少なくとも一方を挙げることができる。変更確認画面510(図9参照)は、印刷を実行させる画像形成装置を第1画像形成装置110から第2画像形成装置120へ変更するかをユーザーに確認する画面(情報)である。
【0086】
印刷方法変更確認画面550(図10参照)は、印刷方法を変更するかを確認する少なくとも1つの確認情報が提示された画面である。例えば、印刷方法を変更するかを確認する情報としては、第1画像形成装置110における即時の印刷を保留するプリントホールドをするかを確認するプリントホールド確認情報551、ユーザーとは異なる他者に依頼印刷をするかを確認する依頼印刷確認情報552、サーバーに登録したファイルデータを第3画像形成装置(図12を用いて後述する)に印刷実行させるネットワークプリントをするかを確認するネットワークプリント確認情報553、および、印刷予定日をカレンダーに登録するかを確認するカレンダー登録確認情報554などを挙げることができる。
【0087】
ここで、上述のように、例えば、ユーザーが、普段、勤務する会社のオフィス1で使用している情報処理装置100をテレワーク中に自宅2内で使用して業務を行っているとする。すると、ユーザーは、情報処理装置100に印刷の実行を示す指示を入力する際、自宅2内に設置された第2画像形成装置120ではなく、選択画面310においてデフォルトで選択されている第1画像形成装置110を誤って選択し、また、プリントホールドをせず、ユーザーから遠く離れた第1画像形成装置110にて印刷を実行する指示を入力してしまう場合がある。
【0088】
そこで、本実施形態に係る情報処理装置100は、提示判定処理部13と、距離判定処理部12とを含む。そして、提示判定処理部13は、印刷を実行する画像形成装置(第1画像形成装置110または第2画像形成装置120)をユーザーに選択させる選択画面(選択情報)310を提示し(図8のステップS11)、距離判定処理部12は、選択画面310において、予め設置位置が登録された第1画像形成装置110が選択されると(ステップS13のYesの場合)、第1画像形成装置110の設置位置から情報処理装置100までの距離D1を測定し(ステップS14)、測定した距離D1が所定距離以上であるか否かを判定する(ステップS15)。さらに、提示判定処理部13は、距離D1が所定距離以上であると距離判定処理部12によって判定されると(ステップS15のYesの場合)、第1画像形成装置110での印刷の実行を変更するかを確認する確認画面(確認情報)500をユーザーに提示する提示処理(ステップS20)を行う。
【0089】
これにより、情報処理装置100にプリンタードライバーがインストールされている複数の画像形成装置のうち、所定距離以上、距離が離れた画像形成装置(例えば、第1画像形成装置110)が選択されると、提示判定処理部13が確認画面500を提示することで、ユーザーに対し、意図していない画像形成装置(例えば、第1画像形成装置110)が選択されたか否かを、確認させることができる。これにより、ユーザーが使用している情報処理装置100から距離が遠い画像形成装置(例えば、第1画像形成装置110)、すなわち、ユーザーが意図していない画像形成装置によって誤って印刷されることを抑制することができる。この結果、不要な印刷を抑制することができる。また、誤って印刷された印刷物が放置されたり、ユーザーとは異なる他者に印刷物が取得されたりすることによる、情報漏洩を防止することができる。
【0090】
次に、図9から図15を用いて、確認画面500およびステップS20の提示処理の詳細について説明していく。
【0091】
図9は、実施形態に係る提示判定処理部13が提示する変更確認画面(変更確認情報)510の一例を示す図である。確認画面500は、変更確認画面510を含んでもよい。変更確認画面510は、ステップS20の提示処理において、提示判定処理部13が提示する確認画面500の一例である。確認画面500は、例えば、UI画面である。
【0092】
提示判定処理部13は、距離D1が所定距離以上であると距離判定処理部12によって判定された場合(ステップS15のYesの場合)、変更確認画面510(図9参照)を表示部60に表示させることでユーザーに提示する。なお、提示判定処理部13は、距離D1が所定距離以上であると距離判定処理部12によって判定された場合(ステップS15のYesの場合)、変更確認画面510(図9参照)を表示部60に表示させず、図10を用いて後述する印刷方法変更確認画面550を表示部60に表示させることでユーザーに提示してもよい。
【0093】
変更確認画面510は、例えば、変更確認領域511、Yesボタン512、Noボタン513およびCancelボタン514を含む。
【0094】
変更確認領域511は、印刷を実行させる画像形成装置を、選択画面310(図4参照)において選択された第1画像形成装置110から、第2画像形成装置120へ変更するかを確認する情報が記載された領域である。図9に示す例では、変更確認領域511には、「VPN接続中に会社用プリンターへの出力が指示されましたが、自宅用プリンターへ切り替えますか?」と、ユーザーに対し、印刷を実行する画像形成装置を、第1画像形成装置110から、第2画像形成装置120へ変更するかを確認する内容が記載されてユーザーに提示されている。
【0095】
このように、提示判定処理部13は、選択画面310(図4参照)において選択された印刷を実行させる画像形成装置を、第1画像形成装置110から、第1画像形成装置110とは異なる第2画像形成装置120へ変更するかを確認する変更確認画面510を、表示部60に表示させることでユーザーに提示する。
【0096】
これにより、情報処理装置100にプリンタードライバーがインストールされている複数の画像形成装置のうち、印刷を実行させることを意図していない画像形成装置(例えば、第1画像形成装置110)が選択されているかを、変更確認画面510をユーザーに視認させて確認することができる。これにより、ユーザーが使用している情報処理装置100から距離が遠い画像形成装置(例えば、第1画像形成装置110)で誤って印刷されることを抑制することができる。
【0097】
そして、変更確認画面510のうち、Yesボタン512がユーザーにより選択されると、提示判定処理部13は、印刷を実行させる画像形成装置を、第1画像形成装置110から第2画像形成装置120へ変更する。そして、提示判定処理部13は、印刷ジョブ作成処理部11が作成した印刷ジョブ400を、選択画面310(図4参照)において選択された第1画像形成装置110ではなく、情報処理装置100と同じネットワークに接続された(例えば情報処理装置100と同じルーター200に接続された)第2画像形成装置120へ、通信部50を介して送信する。これによって、ユーザーが本来、印刷させることを意図していた第2画像形成装置120に、印刷を実行させることができる。これによって、不要な印刷を抑制し、ユーザーにとって利便性が高い情報処理装置100を得ることができる。
【0098】
また、例えば、情報処理装置100がVPNを通じて、会社のオフィスと、すなわち第1画像形成装置110と、ネットワーク接続されている場合であって、印刷を実行させる画像形成装置が、第1画像形成装置110から第2画像形成装置120へ変更された場合、提示判定処理部13は、情報処理装置100と、会社のオフィスとの、すなわち第1画像形成装置110とのVPNを切断してもよい。このように、情報処理装置100と第1画像形成装置110とのVPNを切断することにより、情報処理装置100のメモリーへの負荷を低減することができたり、複数の他者とVPNの帯域を共用している場合には、共用しているVPNの帯域への負荷を軽減することができたりする。
【0099】
また、変更確認画面510のうち、Noボタン513がユーザーにより選択されると、提示判定処理部13は、印刷を実行させる画像形成装置を、第1画像形成装置110から変更せずに、図10を用いて後述する印刷方法変更確認画面(印刷方法変更確認情報)550を、表示部60に表示させることでユーザーに提示する。そして、印刷方法変更確認画面550に表示される各選択項目の何れかをユーザーに選択させることで、ユーザーの意図しない印刷が実行されることを抑制することができる。
【0100】
なお、変更確認画面510のうち、Noボタン513がユーザーにより選択されると、提示判定処理部13は、通信部50を介して、印刷ジョブ400を第1画像形成装置110へ送信し、第1画像形成装置110に印刷ジョブ400に基づく印刷の実行をさせてもよい。この場合も、提示判定処理部13は、変更確認画面510を提示しているので、ユーザーが、本来、印刷の実行をさせることを意図している画像形成装置は、第1画像形成装置110で間違いないことを、改めて、ユーザーに認識させることができる。これによっても、ユーザーが意図しない印刷の実行を抑制し、ユーザーが意図する第1画像形成装置110での印刷の実行をさせるため、ユーザーにとって利便性が高い情報処理装置100を得ることができる。なお、この場合、所定のユーザーに印刷物を代理取得するよう依頼する通知が、例えば、情報処理装置100の通信部50から第1画像形成装置110へ送られるようにしてもよく、そうすることで、印刷物が放置されたり、ユーザーが意図する以外の他者に印刷物が取得されたりすることによる、情報漏洩を防止することができる。
【0101】
変更確認画面510のうち、Cancelボタン514がユーザーにより選択されると、処理部10は、印刷の実行をキャンセルする。
【0102】
図10は、実施形態に係る提示判定処理部13が提示処理(ステップS20)において提示する印刷方法変更確認画面(印刷方法変更確認情報)550の一例を示す図である。確認画面500は、印刷方法変更確認画面550を含んでもよい。印刷方法変更確認画面550は、ステップS20の提示処理において、提示判定処理部13が提示する確認画面500の一例である。
【0103】
提示判定処理部13は、変更確認画面510(図9参照)のうち、Noボタン513がユーザーにより選択されると、印刷方法変更確認画面550を、表示部60に表示させることでユーザーに提示する。なお、提示判定処理部13は、距離D1が所定距離以上であると距離判定処理部12によって判定された場合(ステップS15のYesの場合)、変更確認画面510(図9参照)ではなく、印刷方法変更確認画面550を表示部60に表示させることでユーザーに提示してもよい。
【0104】
印刷方法変更確認画面550は、印刷方法を変更するかを確認する情報を少なくとも1つ含む。例えば、印刷方法変更確認画面550は、プリントホールドをするかを確認するプリントホールド確認情報551、依頼印刷をするかを確認する依頼印刷確認情報552、ネットワークプリントをするかを確認するネットワークプリント確認情報553、および、カレンダー登録をするかを確認するカレンダー登録確認情報554を含む。また、印刷方法変更確認画面550は、例えば、OKボタン555およびCancelボタン556を含む。
【0105】
図10に示す例では、印刷方法変更確認画面550では、プリントホールド、依頼印刷、ネットワークプリント、および、カレンダー登録の何れに印刷方法を変更するかを、ユーザーに確認して選択させる。
【0106】
プリントホールド確認情報551は、例えば、プリントホールドをするか否かをユーザーに確認する内容が提示された情報である。例えば、図10に示す例では、プリントホールド確認情報551は、「プリントホールド」との記載と、「プリントホールド」との記載に隣接する選択ボックスとを含む。プリントホールド確認情報551が、例えば、選択ボックスへのチェックが入力されるなどにより選択されて、OKボタン555が選択されると、提示判定処理部13は、プリントホールドを行うための処理を実行する。
【0107】
依頼印刷とは、情報処理装置100を使用しているユーザーとは異なる他者に印刷を依頼する処理のことである。ユーザーとは異なる他者とは、例えば、ユーザーが自宅2にて勤務しているときに、会社のオフィス1に出社して勤務している従業者などを挙げることができる。
【0108】
依頼印刷確認情報552は、例えば、依頼印刷をするかをユーザーに確認する内容が提示された情報である。図10に示す例では、依頼印刷確認情報552は、「依頼印刷」との記載と、「依頼印刷」との記載に隣接する選択ボックスとを含む。依頼印刷確認情報552が、例えば、選択ボックスへのチェックが入力されるなどにより選択されて、OKボタン555が選択されると、提示判定処理部13は、依頼印刷を行うための処理を実行する(図11を用いて後述する)。
【0109】
ネットワークプリントとは、情報処理装置100にプリンタードライバーがインストールされていない、第1画像形成装置および第2画像形成装置とは異なる第3画像形成装置にネットワークが接続されたサーバーに、印刷するファイルデータを、情報処理装置100から登録し、ユーザーからの入力操作を受けた第3画像形成装置が、ネットワーク接続されているサーバーからファイルデータを読み込んで、読み込んだファイルデータに基づく印刷を実行することである。
【0110】
ネットワークプリント確認情報553は、例えば、ネットワークプリントをするかをユーザーに確認する内容が提示された情報である。図10に示す例では、ネットワークプリント確認情報553は、「ネットワークプリント」との記載と、「ネットワークプリント」との記載に隣接する選択ボックスとを含む。ネットワークプリント確認情報553が、例えば、選択ボックスへのチェックが入力されるなどにより選択されて、OKボタン555が選択されると、提示判定処理部13は、ネットワークプリント依頼印刷を行うための処理を実行する(図12を用いて後述する)。
【0111】
カレンダー登録とは、第1画像形成装置110に印刷の実行をさせる予定日をカレンダーアプリケーションへ、ユーザーに登録させることである。
【0112】
カレンダー登録確認情報554は、例えば、カレンダー登録をするかをユーザーに確認する内容が提示された情報である。図10に示す例では、カレンダー登録確認情報554は、「カレンダー登録」との記載と、「カレンダー登録」との記載に隣接する選択ボックスとを含む。カレンダー登録確認情報554が、例えば、選択ボックスへのチェックが入力されるなどにより選択されて、OKボタン555が選択されると、提示判定処理部13は、カレンダー登録を行うための処理を実行する(図13を用いて後述する)。
【0113】
なお、Cancelボタン556が選択されると、処理部10は、印刷方法の変更をキャンセルして、提示判定処理部13は印刷方法変更確認画面550を閉じる。以下、印刷方法変更確認画面550を介して入力された各処理について説明していく。
【0114】
図10に示すように、例えば、プリントホールド確認情報551が選択されて、OKボタン555が選択されると、印刷ジョブ作成処理部11は、プリントホールドを行うための処理として、プリントホールドすることを示すデータを印刷ジョブ400に格納する。具体的には、印刷ジョブ作成処理部11は、印刷ジョブ400のうち、ドキュメントファイリング情報405(図6参照)に格納されている即時、印刷を実行させることを示すデータを、プリントホールドを示すデータに書き換える。
【0115】
このように、ドキュメントファイリング情報405(図6参照)に、即時、印刷を実行させることを示すデータが格納されている場合、印刷ジョブ作成処理部11は、印刷ジョブ400にプリントホールドをすることを示すデータを格納する。
【0116】
これにより、印刷ジョブ400のドキュメントファイリング情報405(図6参照)には、プロパティ設定画面350(図5)のドキュメントファイリング設定欄360で選択された選択項目361・362にかかわらず、印刷ジョブ400が送信された第1画像形成装置110に印刷を保留させるプリントホールドを示すデータが格納される。
【0117】
このように、印刷ジョブ作成処理部11は、印刷ジョブ400のドキュメントファイリング情報405(図6参照)に、即時、印刷を実行させることを示すデータが格納されている場合は、第1画像形成装置110に印刷させる印刷方法を、即時、印刷を実行させることから、印刷を保留させることへ変更する。
【0118】
そして、通信部50は、印刷方法が変更された、印刷物の印刷を保留する情報が付加された印刷ジョブ400を第1画像形成装置110へ送信することで、第1画像形成装置110に、印刷ジョブ400を記憶させて、印刷ジョブ400に基づく印刷の実行を保留させる。
【0119】
これによって、例えば、ユーザーが、後日、会社のオフィス1へ出社した際に、第1画像形成装置110は、ユーザーからの入力操作を受けることで、第1画像形成装置110の記憶部に記憶された印刷ジョブ400に基づく印刷を実行することができる。これにより、ユーザーの意図しない不要な印刷を抑制すると共に、ユーザーが印刷物を即座に入手することができる。
【0120】
なお、プリントホールド確認情報551が選択されてOKボタン555が選択されると、提示判定処理部13は、印刷方法変更確認画面550を提示した後、パスワードを入力するか否かを確認する画面を、表示部60に表示することによりユーザーに提示してもよい。ユーザーから、パスワードの入力がされると、印刷ジョブ作成処理部11は、入力されたパスワードを、データとして印刷ジョブ400のパスワード情報406に格納する。これにより、第1画像形成装置110の記憶部に記憶され、プリントホールドされた印刷ジョブ400の内容が、他者に見られることを抑制することができる。
【0121】
図11は、実施形態に係る依頼印刷を行うための電子メールアプリケーションのメッセージ記入画面600の一例を示す図である。
【0122】
例えば、印刷方法変更確認画面550(図10参照)において、依頼印刷確認情報552が選択されて、OKボタン555が選択されると、提示判定処理部13は、他者へ依頼印刷を行うための処理を実行する。
【0123】
提示判定処理部13が行う依頼印刷を行うための処理としては、例えば、電子メールアプリケーションを起動し、電子メールアプリケーションのメッセージ記入画面(登録画面)600を表示部60に表示させることでユーザーに提示する。電子メールアプリケーションのメッセージ記入画面600は、提示判定処理部13が提示する、他者へ依頼印刷をするための登録画面の一例である。
【0124】
例えば、メッセージ記入画面600は、印刷の依頼先である電子メール送信先のメールアドレス記入欄601、件名記入欄602、メッセージ記入欄603、および、電子メールの送信ボタン604などを含む。
【0125】
メールアドレス記入欄601、件名記入欄602、メッセージ記入欄603それぞれにユーザーから必要な情報が入力され、送信ボタン604が選択されると、提示処理部13は、入力された情報を含む電子メールを、ユーザーに指定されたメールアドレスへ、通信部50に送信させる。これにより、例えば、会社のオフィス1内で勤務する従業者などの印刷の依頼先へ印刷を依頼することができる。
【0126】
なお、提示判定処理部13が、例えば、件名記入欄602に「プリントアウト代理人申請」など印刷を依頼する内容を含む文字を定型文で挿入してメッセージ記入画面600を表示部60に表示させてもよい。また、提示判定処理部13は、メッセージ記入欄603に、例えば、依頼印刷をするユーザー名(申請者)、申請日、および、印刷ジョブ400に付加されたパスワードであるPINコードなどを挿入して、メッセージ記入画面600を表示部60に表示させてもよい。
【0127】
このように、依頼印刷をすることが選択されると、提示判定処理部13は、他者へ依頼印刷を行うためのメッセージ記入画面(登録画面)600を提示する。これにより、ユーザーは、提示されたメッセージ記入画面(登録画面)600に必要事項を記入すると、他者へ印刷の依頼をすることができる。これにより、ユーザーが意図しない印刷を抑制すると共に、印刷を依頼した他者に印刷物を代理で取得してもらうことができる。
【0128】
なお、提示判定処理部13が提示する、他者へ依頼印刷をするための登録画面は、電子メールアプリケーションのメッセージ記入画面600に限らず、他のメッセージの送信が可能なアプリケーションのメッセージ記入画面などであってもよい。
【0129】
図12は、実施形態に係る、ネットワークプリントを行っている様子を表す図である。ネットワークプリントとは、サーバー700に登録したファイルデータを第3画像形成装置710に印刷実行させることである。ネットワークプリントをするには、まず、ユーザーの自宅2の近くのコンビニエンスストアなどに設置された、第3画像形成装置710とネットワーク接続されたサーバー700へ、情報処理装置100の通信部50が、ユーザーからの入力操作に基づき、ユーザーが印刷したいファイルのファイルデータを送信する。これにより、通信部50は、ユーザーが印刷したいファイルのファイルデータをサーバー700へ登録させる。なお、第3画像形成装置710は、情報処理装置100にプリンタードライバーがインストールされていない、第1画像形成装置110および第2画像形成装置120とは異なる画像形成装置である。
【0130】
この後、第3画像形成装置710は、ユーザーからの入力操作を受けることで、サーバー700から、ユーザーによって登録されたファイルデータをダウンロードし、ファイルデータに基づく印刷の実行を行う。これによって、ユーザーが意図していない不必要な印刷を抑制すると共に、ユーザーが印刷物を即座に入手ことができる。
【0131】
図13は、実施形態に係るネットワークプリントを行うための登録画面750の一例を示す図である。
【0132】
例えば、印刷方法変更確認画面550(図10参照)において、ネットワークプリント確認情報553が選択されて、OKボタン555が選択されると、提示判定処理部13は、ネットワークプリントを行うための処理を実行する。
【0133】
提示判定処理部13が行うネットワークプリントを行うための処理としては、例えば、提示判定処理部13は、ネットワークプリントを行うファイルデータをサーバー700へ登録(すなわちアップロード)するための登録画面750を表示部60に表示させることでユーザーに提示する。登録画面750はネットワークプリントを行うための登録画面の一例である。
【0134】
登録画面750には、ファイルデータの選択ボタン751が含まれる。ユーザーによりファイルデータの選択ボタン751が選択されると、提示判定処理部13は、ファイルデータを選択させる画面を表示部60へ表示する。そして、ユーザーによって、印刷したいファイルデータが選択されると、通信部50は、選択されたファイルデータを、サーバー700へ送信する。これにより、ファイルデータが、第3画像形成装置710とネットワーク接続されたサーバー700へ登録される。
【0135】
この後、第3画像形成装置710は、ユーザーからの入力操作を受けることで、サーバー700へ登録されたファイルデータをダウンロードし、印刷を実行する。これによって、ユーザーが意図していない不必要な印刷を抑制すると共に、ユーザーが印刷物を即座に入手することができる。
【0136】
なお、提示判定処理部13が行うネットワークプリントを行うための処理としては、例えば、提示判定処理部13は、LINE(登録商標)などのSNS(Social Networking Service)の機能を実行するアプリケーションの画面を表示部60に表示させることでユーザーに提示し、SNSの機能を実行するアプリケーションを通じて、ネットワークプリントを行うための処理を実行してもよい。
【0137】
図14は、実施形態に係るカレンダー登録を行うためのスケジュール登録画面800の一例を示す図である。
【0138】
例えば、印刷方法変更確認画面550(図10参照)において、カレンダー登録確認情報554が選択されて、OKボタン555が選択されると、提示判定処理部13は、カレンダー登録を行うための処理を実行する。
【0139】
提示判定処理部13が行うカレンダー登録を行うための処理としては、例えば、提示判定処理部13は、カレンダーアプリケーションを起動し、印刷予定日を登録するためのスケジュール登録画面(登録画面)800を表示部60に表示させることでユーザーに提示する。カレンダーアプリケーションのスケジュール登録画面800は、提示判定処理部13が提示する、印刷予定日を登録する登録画面の一例である。
【0140】
例えば、スケジュール登録画面800は、登録された印刷予定日を保存する保存ボタン801、スケジュール登録画面800を通じて登録されたスケジュールを削除する削除ボタン802、スケジュール名称を入力する件名入力欄810、スケジュールに記載された内容を実行する場所を入力する場所入力欄811、スケジュールの開始日時を入力する開始時刻欄812、スケジュールの終了日時を入力する終了時刻欄813、および、スケジュールの内容を記入する内容記入欄814などを含む。
【0141】
件名入力欄810、場所入力欄811、開始時刻欄812、終了時刻欄813、および、内容記入欄814それぞれにユーザーから印刷予定日の登録に必要な情報が入力され、保存ボタン801が選択されると、提示判定処理部13は、カレンダーアプリケーションにおける、ユーザーに指定された日時に、印刷予定日の登録(カレンダー登録)を行う。
【0142】
このように、提示判定処理部13は、ユーザーに、第1画像形成装置110に印刷の実行をさせる印刷予定日をカレンダーアプリケーションへ登録させることにより、計画的に、ユーザーに印刷させることができ、ユーザーの意図しない印刷を抑制することができる。
【0143】
図15は、実施形態に係る提示処理S20の流れを表すフローチャートである。まず、図8に示したステップS15において、距離判定処理部12によって、第1画像形成装置110から情報処理装置100までの距離D1が、予め設定された所定距離以上であると判定される。
【0144】
すると、ステップS21において、提示判定処理部13は、選択画面310(図4参照)において選択された印刷を実行させる画像形成装置を、第1画像形成装置110から、第1画像形成装置110とは異なる第2画像形成装置120へ変更するかを確認する変更確認画面510を、表示部60に表示させることでユーザーに提示する。
【0145】
次に、ステップS22において、提示判定処理部13は、印刷を実行させる画像処理装置が、変更確認画面510を介して、第1画像形成装置110から第2画像形成装置120へ変更されたか否かを判定する。
【0146】
ステップS22において、変更確認画面510を介して、印刷を実行させる画像形成装置が、第1画像形成装置110から第2画像形成装置120へ変更された場合(ステップS22のYesの場合)、次に、ステップS23において、提示処理部13は、情報処理装置100がVPNを通じて、会社のオフィス1とネットワーク接続されていれば、通信部50にVPNを切断させる。
【0147】
次いで、ステップS24において、提示判定処理部13は、通信部50を介して、印刷ジョブ400を、変更された第2画像形成装置120へ送信する。これによって、提示判定処理部13は、第2画像形成装置120に、印刷ジョブ400に基づく印刷の実行をさせる。
【0148】
また、ステップS22において、変更確認画面510を介して、印刷を実行させる画像形成装置が、第1画像形成装置110から第2画像形成装置120へ変更されなかった場合(ステップS22のNoの場合)、次に、ステップS25において、提示判定処理部13は、プリントホールド、依頼印刷、ネットワークプリント、およびカレンダー登録の何れを実行するかを確認する印刷方法変更確認画面550を表示部60に表示させることでユーザーに提示する。
【0149】
そして、ステップS26において、提示判定処理部13は、印刷方法変更確認画面550を介して、プリントホールドをすることが選択されたか否かを判定する。ステップS26において、印刷方法変更確認画面550を介して、プリントホールドをすることが選択されると(ステップS26のYesの場合)、ステップS27において、提示判定処理部13は、プリントホールドを行うための処理を実行する。すなわち、提示判定処理部13は、印刷ジョブ作成処理部11に、プリントホールドをすることを示すデータを印刷ジョブ400に格納させる。そして、提示判定処理部13は、通信部50に、印刷ジョブ400を第1画像形成装置110へ送信させる。これにより、提示判定処理部13は、通信部50を介して印刷ジョブ400を第1画像形成装置110へ送信し、第1画像形成装置110に印刷ジョブ400に基づく印刷の実行を保留させる。
【0150】
また、ステップS26において、印刷方法変更確認画面550を介して、プリントホールドをすることが選択されなかった場合(ステップS26のNoの場合)、ステップS28において、提示判定処理部13は、印刷方法変更確認画面550を介して、依頼印刷をすることが選択されたか否かを判定する。
【0151】
ステップS28において、印刷方法変更確認画面550を介して、依頼印刷をすることが選択されると(ステップS28のYes)、ステップS29において、提示判定処理部13は、依頼印刷を行うための処理を実行する。すなわち、提示判定処理部13は、電子メールアプリケーションのメッセージ記入画面600などの依頼印刷をするための登録画面を表示部60に表示させることでユーザーに提示する。そして、ユーザーからの入力操作に基づき、提示判定処理部13は、入力された登録画面に基づく印刷の依頼先へ印刷を依頼する。
【0152】
また、ステップS28において、印刷方法変更確認画面550を介して、依頼印刷をすることが選択されなかった場合(ステップS28のNoの場合)、ステップS30において、提示判定処理部13は、印刷方法変更確認画面550を介して、ネットワークプリントをすることが選択されたか否かを判定する。
【0153】
ステップS30において、印刷方法変更確認画面550を介して、ネットワークプリントをすることが選択されると(ステップS30のYes)、ステップS31において、提示判定処理部13は、ネットワークプリントを行うための処理を実行する。すなわち、提示判定処理部13は、登録画面750などのネットワークプリントを行うための登録画面を表示部60に表示させることでユーザーに提示する。そして、ユーザーからの入力操作に基づき、提示判定処理部13は、通信部50を介して、入力された登録画面において指定されたファイルデータをサーバー700へアップロードする。
【0154】
また、ステップS30において、印刷方法変更確認画面550を介して、ネットワークプリントをすることが選択されなかった場合(ステップS30のNoの場合)、ステップS32において、提示判定処理部13は、印刷方法変更確認画面550を介して、カレンダー登録をすることが選択されたか否かを判定する。
【0155】
ステップS32において、印刷方法変更確認画面550を介して、カレンダー登録をすることが選択されると(ステップS32のYes)、ステップS33において、提示判定処理部13は、カレンダー登録を行うための処理を実行する。すなわち、提示判定処理部13は、スケジュール登録画面800などの印刷の予定日を登録するためのカレンダーアプリケーションのスケジュール登録画面を表示部60に表示させることでユーザーに提示する。そして、ユーザーからの入力操作に基づき、提示判定処理部13は、カレンダーアプリケーションに印刷の予定日を登録する。
【0156】
ステップS32において、印刷方法変更確認画面550を介して、カレンダー登録をすることが選択されなかった場合(ステップS32のNo)、提示判定処理部13は、印刷方法変更確認画面550を閉じて、提示処理S20を終了する。なお、ステップS32において、印刷方法変更確認画面550を介して、カレンダー登録をすることが選択されなかった場合とは、例えば、Cancelボタン556がユーザーによって選択された場合を挙げることができる。
【0157】
なお、図15を用いて説明した提示処理S20は一例であり、適宜、変更してもよい。例えば、ステップS15(図8参照)のYesの場合の後、ステップS21~ステップS24を省略してステップS25から開始してもよい。また、ステップS25において提示判定処理部13が提示する印刷方法変更確認画面550に含まれる確認項目のうち、プリントホールドを省略する場合はステップS26・S27を省略してもよく、依頼印刷を省略する場合はステップS28・S29を省略してもよく、ネットワークプリントを省略する場合はステップS30・S31を省略してもよく、カレンダー登録を省略する場合はステップS32・S33を省略してもよい。
【0158】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本実施形態の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。またユーザー端末、画像形成装置等の構成及び動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0159】
10:処理部、11:印刷ジョブ作成処理部、12: 距離判定処理部、13:提示判定処理部、14:制御部、30:記憶部、31:画像形成プログラム、32:第1プリンタードライバー、33:第2プリンタードライバー、34:登録情報、50:通信部、60:表示部、100:情報処理装置、110:第1画像形成装置、120:第2画像形成装置、250:情報処理システム、300:印刷設定画面、310:選択画面(選択情報)、350:プロパティ設定画面(詳細設定画面)、360:ドキュメントファイリング設定欄、361・362:選択項目、400:印刷ジョブ、403:印刷設定情報、405:ドキュメントファイリング情報、500:確認画面(確認情報)、510:変更確認画面(変更確認情報)、550:印刷方法変更確認画面(印刷方法変更確認情報)、551: プリントホールド確認情報、552:依頼印刷確認情報、553:ネットワークプリント確認情報、554:カレンダー登録確認情報、600:メッセージ記入画面(登録画面)、700:サーバー、710:第3画像形成装置、750:登録画面、800:スケジュール登録画面(登録画面)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15