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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169049
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】バタフライバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/22 20060101AFI20221101BHJP
【FI】
F16K1/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074839
(22)【出願日】2021-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(72)【発明者】
【氏名】那須 裕章
(72)【発明者】
【氏名】三谷 展弘
【テーマコード(参考)】
3H052
【Fターム(参考)】
3H052AA02
3H052BA22
3H052CA16
3H052CC06
3H052CD03
3H052EA06
(57)【要約】
【課題】横置きに配置して使用するバタフライバルブであってもディスクとアクチュエータを連結するジョイントと当該ジョイントの外周面に摺接する挿通口に摩耗が生じることがないバタフライバルブを提供すること。
【解決手段】貫通した流路20及びこの流路20と直交する円形のディスク挿通口21を形成した略円筒状のボディ2と、ボディ2を覆い、ディスク挿通口21と同心で略同径の挿通口41を形成したボディボックス4と、ボディ2の流路を開閉する開閉板30を備え、挿通口41及びディスク挿通口21に挿通される円柱状のディスク3と、一端がディスク3と係合し、他端がアクチュエータ9と連結される円柱状のジョイント5と、このジョイント5の外表面と挿通口41の内表面との間に配備される、ボディ側端辺61がボディ2のディスク挿通口21の開口部の周縁22aに沿って載置される波型であるリング状のガイド6を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通した流路及び該流路と直交する円形のディスク挿通口を形成した略円筒状のボディと、
該ボディを覆い、前記ディスク挿通口と同心で略同径の挿通口を形成したボディボックスと、
前記ボディの流路を開閉する開閉板を備え、前記挿通口及びディスク挿通口に挿通される円柱状のディスクと、
一端が前記ディスクと係合し、他端がアクチュエータと連結される円柱状のジョイントと、
該ジョイントの外表面と前記挿通口の内表面との間に配備されるリング状のガイドとを備え、
該ガイドのボディ側端辺は、前記ボディのディスク挿通口の開口部の周縁に沿って載置される波型としたバタフライバルブ。
【請求項2】
前記ガイドは、軸方向に切欠き部を形成し、該切欠き部がボディボックスに開口したリークポートの開口位置となるようにした請求項1に記載のバタフライバルブ。
【請求項3】
前記ボディ及びディスクがセラミック製である請求項1又は2に記載のバタフライバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管を流通する流体の連通遮断を行うバタフライバルブに関し、より詳しくは、弁体となるディスクとこのディスクが摺接するボディとがセラミックからなるバタフライバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なバタフライバルブは、短円筒状の弁箱のなかで、外周に弁座面をもつ円板状の弁体が、弁棒を軸に回転して流路を開閉するように構成されているバルブ(例えば、特許文献1参照)の他、貫通した流路及びこの流路と直交する円形のディスク挿通口を形成した円筒状のボディと、このボディのディスク挿通口に挿通され流体の流れを遮断する開閉板を備えた円柱状のディスクとからなり、このディスクを回動させることで流路を開閉するように構成されているバタフライバルブが存在する。
【0003】
このバタフライバルブ100は、図6に示すように、円柱状のディスク3のボディ流路に対応する位置が切り欠かれており、板状の開閉部30となっており、ディスクを90°回動させることで、流路の開閉を行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62-046068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図6に示す、バタフライバルブ100は、粉粒体、例えば微粉炭の搬送ラインに用いられており、ディスク3とボディ2とはセラッミク製のものが汎用されている。微粉炭を流体として扱うため、ディスク3とボディ2に開口されるディスク挿通口21との間に微粉炭が詰まることを抑制するために、ボディ2を覆うボディボックス4には挿通口41と連通するバージ用気体を導入するための導入孔40が開口されている。そして、挿通口41と押え板8、押え板8とディスク3の軸部との間にはOリング等のシール部材Sが配設されている。これによって、パージ用気体をディスク3とボディ2に開口されるディスク挿通口21との間に流し、微粉炭が詰まることを抑制するようにしている。
【0006】
挿通口41は、ディスク挿通口21の内径と同心でその内径も略同径であるが、上述したパージ用気体をディスク挿通口21とディスク3との間に均一に流れるようにするため、また、ディスク3にアクチュエータ9の回動をスムーズに伝達するためのジョイント5の外周面との間に円環状の若干の隙間を形成するように寸法の調整がなされている。
【0007】
このため、このバタフライバルブを、図7に示すように流体の流れが水平方向に対して直交するような横置きに配置されて使用される場合、ボディボックス4とジョイント5との若干の隙間によって重量物であるアクチュエータ9と連結されるジョイント5は矢付Yの方向に撓みが生じ、ジョイント5の外表面及びボディボックス4の挿通口41の内表面はXの部分で摩耗が発生するという問題がある。
【0008】
本発明は、係る点に鑑みなされたもので、横置きに配置して使用するバタフライバルブであってもディスクとアクチュエータを連結するジョイントと当該ジョイントの外周面に摺接するボディボックスの挿通口に摩耗が生じることがなく、また、パージ用の気体を使用する際、ディスクとボディの間に均等にパージ用の気体が供給されるバタフライバルブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた本発明に係るバタフライバルブは、貫通した流路及びこの流路と直交する円形のディスク挿通口を形成した略円筒状のボディと、ボディを覆い、ディスク挿通口と同心で略同径の挿通口を形成したボディボックスと、ボディの流路を開閉する開閉板を備え、挿通口及びディスク挿通口に挿通される円柱状のディスクと、一端が前記ディスクと係合し、他端がアクチュエータと連結される円柱状のジョイントと、このジョイントの外表面とボディボックスの挿通口の内表面との間に配備されるリング状のガイドとを備え、ガイドのボディ側端辺は、ボディのディスク挿通口の開口部の周縁に沿って載置される波型としている。
【0010】
本発明のバタフライバルブは、ガイドのボディ側端辺を、ボディのディスク挿通口の開口部の周縁に沿って載置される波型としている。
【0011】
この場合において、ガイドは、軸方向に切欠き部を形成し、該切欠き部がボディボックスに開口したリークポートの開口位置となるようにすることができる。
【0012】
さらに、これら場合において、ボディ及びディスクがセラミック製とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のバタフライバルブによれば、横置きに配置して使用するバタフライバルブであってもディスクとアクチュエータを連結するジョイントと当該ジョイントの外周面に摺接する挿通口に摩耗が生じることがなく、また、パージ用の気体を使用する際、ディスクとボディの間に均一にパージ用の気体が供給されるバタフライバルブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係るバタフライバルブを示す断面正面図である。
図2】同バタフライバルブを示す側面図である。
図3】同バタフライバルブのガイド部を示す一部切り欠きの断面正面図である。
図4】同バタフライバルブのガイドとボディの配置を説明する概略図で、(a)は全体を、(b)は(a)のA部拡大図を示す。
図5】同バタフライバルブのディスクを示す斜視図である。
図6】従来のバタフライバルブを示す断面正面図である。
図7】従来のバタフライバルブのジョイントと挿通口部分の摩耗部分を説明する断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るバタフライバルブの好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。この実施例に記載されている構成部品の形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。また、便宜的に図面上での方向によって部材等の方向を上下左右と指称することがあるが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0016】
<実施形態1>
図1図5に、本発明の第1の実施形態に係るバタフライバルブを示す。図1は、本発明のバタフライバルブ1の断面正面図を示す。このバタフライバルブ1は、貫通した流路20及びこの流路20と直交する円形のディスク挿通口21を形成した略円筒状のボディ2と、ボディ2を覆い、ディスク挿通口21と同心で略同径の挿通口41を形成したボディボックス4と、ボディ2の流路を開閉する開閉板30を備え、挿通口41及びディスク挿通口21に挿通される円柱状のディスク3と、一端がディスク3と係合し、他端がアクチュエータ9と連結される円柱状のジョイント5と、このジョイント5の外表面とボディボックス4の挿通口41の内表面との間に配備されるリング状のガイド6とを備えている。
【0017】
[ボディ]
ボディ2は、その材質を特に限定するものではないが、本実施形態では使用する流体が微粉炭であり、セラミックス製としている。その形状は流路20と同心の円筒状で、両端が胴部より小径となって、ボディボックス4の環状底部及びフランジ7によって挟持される。そして、流路20に直交するように開口するディスク挿通口21は流路の内径よりも若干大径とし、ディスク3の開閉板30によって流路を流れる流体(微粉炭)の流れを阻止する。このディスク挿通口21は、流路20の図例下側まで到達し、ディスク3の下端部32を受け入れる。
【0018】
[ディスク]
ディスク3は、ボディ2と同様その材質を特に限定するものではないが、本実施形態では使用する流体が微粉炭であり、セラミックス製としている。そして、その形状は、ボディ2のディスク挿通口21に嵌合される筒状体で、下端部32とジョイント5と係合する係合部31との間を切り欠いて開閉板30を形成している。開閉板30の側面にはディスク挿通口21の内径部に摺接するシール部30aを形成している。
【0019】
[ボディボックス」
ボディボックス4は、ボディ2を覆うもので、一端はボディ2の胴部と略同径で胴部の長さと略同寸法の穴部と他端はこの穴部より小径でボディ2の小径部と略同径の貫通孔を備えている。一端にはフランジ7を固定する複数のボルト穴が、他端には配管のフランジを取り付けるための複数のネジ穴が形成されている。フランジ7には、このネジ穴と同ピッチでネジ穴が形成されるとともに、ボディボックス4のボルト穴に締結するボルト用の挿通口が形成されている。
【0020】
[ジョイント]
ジョイント5は、一端にディスク3の係合部31と係合する溝部50、他端はアクチュエータ9と連結されている。またジョイント5のアクチュエータ側は胴部より小径となっており環状の段部が形成され、この段部に環状のパッキンPを介して、ボディボックス4の挿通口41の開口端周縁に固定される押え板8によってジョイント5及びディスク3は流路20側に押圧されている。
【0021】
[ガイド]
そして、このジョイント5の外表面とボディボックス4の挿通口41の内表面との間に配設されるリング状のガイド6は、図3図4に示すように、ボディ側端辺61が、ボディ2の外表面22で、ディスク挿通口21の開口部の周縁22aに沿って載置される波型となっている。
【0022】
このガイド6のボディ側端辺61をディ2のディスク挿通口21の開口部の周縁22aに沿うような波型とすることで、ディスク3の回動に伴って共回りすることがない。このガイド6の材質や厚みは、特に限定するものではないが、本発明者らの実験によれば、材質はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で、厚みは約1mm程度とする好ましく、波型を採用しない場合、摺動部に巻き込んでしまい、動作不良の原因となることが分かった。
【0023】
このガイド6は、板状のPTFEを切断や型抜きした上で、巻回している。巻回し挿通口41の内周面に沿うように構成する際、合わせ辺同士の間に一定の隙間を設け、切欠き部60を形成している。そして、挿通口41にへの取り付け時に、この切欠き部60がパージ用の気体を導入する導入口40の開口部に位置するように配設する。これによって、導入されるパージ用気体が容易、かつ、均一にボディ2のディスク挿通口21とディスク3との間に吹き付けられ、ディスク挿通口21とディスク3との隙間に侵入する微粉炭を流路20に戻すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明に係るバタフライバルブは、横置きに配置して使用するバタフライバルブであってもディスクとアクチュエータを連結するジョイントと当該ジョイントの外周面に摺接する挿通口に摩耗が生じることがないから、横置き配置のバタフライバルブとして好適に用いることができるとともに、パージ用気体の吹き付けが必要な微粉炭を搬送するラインのバタフライバルブとして好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0025】
1 バタフライバルブ
2 ボディ
20 流路
21 外表面
22 ディスク挿通口
3 ディスク
30 遮蔽板
4 ボディボックス
40 導入孔
41 挿通口
5 ジョイント
6 ガイド
60 切欠き部
61 湾曲端辺
7 フランジ
8 押え板
9 アクチュエータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7