(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169067
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】ロボット、およびロボットシステム
(51)【国際特許分類】
G10K 15/02 20060101AFI20221101BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20221101BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20221101BHJP
H04N 21/454 20110101ALI20221101BHJP
A63H 11/00 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
G10K15/02
G06F3/16 540
G06F3/01
H04N21/454
A63H11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074869
(22)【出願日】2021-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】大橋 朋佳
(72)【発明者】
【氏名】戸村 峻
(72)【発明者】
【氏名】宮本 登
(72)【発明者】
【氏名】榎本 奈津子
【テーマコード(参考)】
2C150
5C164
5D208
5E555
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150CA01
2C150DD01
2C150DF08
2C150DF21
2C150EF29
2C150EF33
5C164FA17
5C164FA26
5C164PA31
5C164PA41
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5C164UB08S
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5C164YA12
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5D208BD04
5E555AA71
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5E555DC83
5E555EA05
5E555EA22
5E555EA23
5E555EA27
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】従来の単にユーザの嗜好に合わせて楽しませるだけのロボットでは実現できない、ユーザに向けて出力される共通のコンテンツによって、幼児や子供および高齢者のいずれの行動についても改善や成長に寄与させることができるロボットを提供する。
【解決手段】ユーザUaに向けて出力され得る複数のコンテンツを、コンテンツDB51に記憶するコンテンツ記憶部33と、ユーザUaが幼児や子供および高齢者のいずれかであると判断されると、コンテンツDB51に記憶されている複数のコンテンツのうち、幼児や子供および高齢者のいずれの行動についても改善を支援できる共通コンテンツCを出力する制御を行う出力制御部41とを備えるコンテンツ提供ロボット10である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに向けて出力され得る複数のコンテンツを記憶する記憶手段と、
前記ユーザが幼児や子供および高齢者のいずれかであると判断されると、前記複数のコンテンツのうち、幼児や子供および高齢者のいずれの行動についても改善を支援できる共通のコンテンツを出力する出力手段と、
を備えるロボット。
【請求項2】
前記出力手段は、前記ユーザの人数または前記ユーザの年齢層に応じて、前記共通のコンテンツの出力態様に変化をつけて出力する、
請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
前記記憶手段は、さらに、前記複数のコンテンツの各々を、内容に応じて複数のセグメントに分類して記憶し、
前記出力手段は、前記共通のコンテンツを前記セグメント毎に出力する、
請求項1に記載のロボット。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記複数のコンテンツの各々を、内容に応じて前記ユーザの行動を表す睡眠、食事、運動、および社会生活の4つのセグメントに分類して記憶し、
前記出力手段は、前記共通のコンテンツを前記4つのセグメント毎に出力する、
請求項3に記載のロボット。
【請求項5】
ユーザに関する情報を取得して記憶する記憶手段と、
前記ユーザに向けてロボットにより出力され得る複数のコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、
前記ユーザに関する情報に基づいて、前記ユーザが幼児や子供および高齢者のいずれかであると判断されると、前記複数のコンテンツのうち、幼児や子供および高齢者のいずれの行動についても改善を支援できる共通のコンテンツを前記ロボットに出力させる制御を行う出力制御手段と、
を備えるロボットシステム。
【請求項6】
前記出力制御手段は、前記ユーザの人数または前記ユーザの年齢層に応じて、前記共通のコンテンツの出力態様に変化をつけて出力させる制御を行う、
請求項5に記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記記憶手段は、さらに、前記複数のコンテンツの各々を、内容に応じて複数のセグメントに分類して記憶し、
前記出力制御手段は、前記共通のコンテンツを前記セグメント毎に出力させる制御を行う、
請求項5に記載のロボットシステム。
【請求項8】
前記記憶手段は、前記複数のコンテンツの各々を、内容に応じて前記ユーザの行動を表す睡眠、食事、運動、および社会生活の4つのセグメントに分類して記憶し、
前記出力制御手段は、前記共通のコンテンツを前記4つのセグメント毎に出力させる制御を行う、
請求項7に記載のロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット、およびロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザの共感度を向上させることを目的とする対話型ロボットおよび制御装置が記載されている。制御装置は、対話型ロボットが配置された空間に設置されたコンテンツ表示装置の表示画面に表示されているコンテンツの映像情報を、カメラを介して取得する情報取得部と、ユーザの嗜好に関する情報を含むユーザ情報と映像情報とに基づいて、ユーザの嗜好に共感する動作を対話型ロボットに行わせるための制御指令を生成する制御指令生成部とを備える。
特許文献2には、簡易な構成により映像コンテンツの再生に同期させてロボット装置に発話させるコンテンツ配信システムが記載されている。コンテンツ配信システムは、映像コンテンツにおいて画像D1から画像D2に切り替わる切り替わりタイミングを検出するタイミング検出処理部と、ロボット装置に発話させる画像D1に対応する発話コメントの再生に要するコメント時間を算出する発話時間算出処理部と、切り替わりタイミングとコメント時間とに基づいて、画像D1に対応する無音時間を算出する無音時間算出処理部と、無音時間に基づいて、画像D2に対応する発話コメントをロボット装置に発話させる制御部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-119364号公報
【特許文献2】特開2020-017844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コミュニケーションロボットは、一般的な電化製品では代替することができない、家族など身近な存在になり得るというところに存在意義を見出すことができる。特許文献1および2には、ロボットがコンテンツを取得してユーザに向けて発話や動作をするロボットが提案されている。しかしながら、特許文献1および2のようなロボットによる発話や動作は、単にユーザの嗜好に合わせてユーザを楽しませるだけのその場限りのものに過ぎない。ロボットによる発話や動作が、単にユーザの嗜好に合わせてユーザを楽しませるだけのその場限りのものに過ぎないのであれば一般的な電化製品と変わりがない。
【0005】
本発明の目的は、従来の単にユーザの嗜好に合わせて楽しませるだけのロボットでは実現できない、ユーザに向けて出力される共通のコンテンツによって、幼児や子供および高齢者のいずれの行動についても改善や成長に寄与させることができるロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、ユーザに向けて出力され得る複数のコンテンツを記憶する記憶手段と、前記ユーザが幼児や子供および高齢者のいずれかであると判断されると、前記複数のコンテンツのうち、幼児や子供および高齢者のいずれの行動についても改善を支援できる共通のコンテンツを出力する出力手段とを備えるロボットである。
請求項2に記載された発明は、前記出力手段は、前記ユーザの人数または前記ユーザの年齢層に応じて、前記共通のコンテンツの出力態様に変化をつけて出力する、請求項1に記載のロボットである。
請求項3に記載された発明は、前記記憶手段は、さらに、前記複数のコンテンツの各々を、内容に応じて複数のセグメントに分類して記憶し、前記出力手段は、前記共通のコンテンツを前記セグメント毎に出力する、請求項1に記載のロボットである。
請求項4に記載された発明は、前記記憶手段は、前記複数のコンテンツの各々を、内容に応じて前記ユーザの行動を表す睡眠、食事、運動、および社会生活の4つのセグメントに分類して記憶し、前記出力手段は、前記共通のコンテンツを前記4つのセグメント毎に出力する、請求項3に記載のロボットである。
請求項5に記載された発明は、ユーザに関する情報を取得して記憶する記憶手段と、前記ユーザに向けてロボットにより出力され得る複数のコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、前記ユーザに関する情報に基づいて、前記ユーザが幼児や子供および高齢者のいずれかであると判断されると、前記複数のコンテンツのうち、幼児や子供および高齢者のいずれの行動についても改善を支援できる共通のコンテンツを前記ロボットに出力させる制御を行う出力制御手段とを備えるロボットシステムである。
請求項6に記載の発明は、前記出力制御手段は、前記ユーザの人数または前記ユーザの年齢層に応じて、前記共通のコンテンツの出力態様に変化をつけて出力する制御を行う、請求項5に記載のロボットシステムである。
請求項7に記載の発明は、前記記憶手段は、さらに、前記複数のコンテンツの各々を、内容に応じて複数のセグメントに分類して記憶し、前記出力制御手段は、前記共通のコンテンツを前記セグメント毎に出力する制御を行う、請求項5に記載のロボットシステムである。
請求項8に記載の発明は、前記記憶手段は、前記複数のコンテンツの各々を、内容に応じて前記ユーザの行動を表す睡眠、食事、運動、および社会生活の4つのセグメントに分類して記憶し、前記出力制御手段は、前記共通のコンテンツを前記4つのセグメント毎に出力する制御を行う、請求項7に記載のロボットシステムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、従来の単にユーザの嗜好に合わせて楽しませるだけのロボットでは実現できない、ユーザに向けて出力される共通のコンテンツによって、幼児や子供および高齢者のいずれの行動についても改善や成長に寄与させることができるロボットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の形態が適用されるコンテンツ提供ロボットシステムのハードウェア構成を示す図である。
【
図2】コンテンツ提供ロボットのハードウェア構成を示す図である。
【
図3】コンテンツ提供ロボットの機能構成を示す図である。
【
図5】コンテンツ提供ロボットの処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】サーバの処理の流れを示すフローチャートである。(A)は、サーバがコンテンツを取得してから共通コンテンツをコンテンツ提供ロボットに送信するまでの処理の流れを示す図である。(B)は、サーバがユーザ情報を取得してから判定結果をコンテンツ提供ロボットに送信するまでの処理の流れが示されている。(C)は、サーバが出力態様の一部の指定を受け付けてから決定内容をコンテンツ提供ロボットに送信するまでの処理の流れを示す図である。
【
図7】(A)は、コンテンツ提供ロボットから出力される共通コンテンツが、出力先となるユーザの属性に応じて出力態様を変化する具体例を示す図である。(B)は、共通コンテンツを複数のセグメントに分類してデータベースに記憶する際に用いられるセグメントの種類の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔コンテンツ提供ロボットシステムのハードウェア構成〕
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用されるコンテンツ提供ロボットシステム1のハードウェア構成を示す図である。
コンテンツ提供ロボットシステム1は、サービス提供者から、ユーザUaおよびユーザUbに対して提供される「コンテンツ提供ロボットサービス」(以下、「本サービス」と呼ぶ)を実現させるシステムである。本サービスを実現させるコンテンツ提供ロボットシステム1は、インターネット等のネットワーク90に接続された、コンテンツ提供ロボット10と、ユーザ端末60と、サーバ70とを有している。本サービスは、コンテンツ提供ロボット10を利用して、幼児や子供および高齢者の各々の行動の改善を支援するサービスである。
【0010】
コンテンツ提供ロボット10は、自機を利用するユーザUaが幼児や子供および高齢者のいずれかであると判断すると、幼児や子供および高齢者のいずれの行動についても改善を支援できる共通のコンテンツC(以下、「共通コンテンツC」と呼ぶ)を出力する。具体的には、コンテンツ提供ロボット10は、複数のコンテンツの中から、共通コンテンツCとして、幼児や子供の成長を促進させる効果と、高齢者の自立を促進させる効果との両方が期待できるコンテンツを出力する。
【0011】
本サービスを利用するユーザUaは、上述したように幼児や子供または高齢者である。なお、ユーザUaが複数人である場合には、幼児や子供と高齢者とが混在する場合もある。本サービスを利用するユーザUbは、コンテンツ提供ロボット10の各種設定のための操作を行う者である。具体的には、例えばユーザUaが幼児や子供である場合には、その親や保育者等がユーザUbに該当する。また、例えばユーザUaが高齢者である場合には、その子や介護者等がユーザUbに該当する。なお、本明細書では、ユーザUaとユーザUbとの各々を区別して説明する必要がない場合には、両者をまとめて「ユーザU」と記載する。
【0012】
コンテンツ提供ロボットシステム1を構成するコンテンツ提供ロボット10は、コンテンツの配信を行う図示しない外部のサーバ等から複数のコンテンツを取得する。取得された複数のコンテンツは、後述する
図2に示す記憶部13の一領域に設けられたコンテンツDB51に記憶される。コンテンツDB51に記憶されている複数のコンテンツには、共通コンテンツCが含まれる。コンテンツ提供ロボット10は、取得したコンテンツの個々の内容に基づいて、そのコンテンツが共通コンテンツCに該当するか否かを判定する。共通コンテンツCとしては、幼児や子供および高齢者のいずれの行動についても改善を支援できる内容のテキスト情報、音声情報、画像情報(静止画像情報および動画像情報)等が挙げられる。具体的には、例えば幼児や子供および高齢者のいずれの行動についても改善を支援できる内容の楽曲の音声情報が記憶されている。
【0013】
共通コンテンツCは、幼児や子供および高齢者の行動の種類に対応する複数のセグメントに分類されて記憶される。具体的には、例えば「睡眠」、「食事」、「運動」、「社会生活」という4つのセグメントに分類されて記憶される。この場合、例えば取得された共通コンテンツCのうち早寝早起きを推進する内容であって、かつ、幼児や子供および高齢者のいずれであっても容易に理解できる内容の共通コンテンツCについては、上述した4つのセグメントのうち、「睡眠」に分類されて記憶される。共通コンテンツCがこのように管理されることにより、例えばセグメント毎に複数の共通コンテンツCを連続的または並列的に出力することができるようになる。また、例えば出力される共通コンテンツCの種類をユーザUbが予め選択できるようになる。
【0014】
コンテンツ提供ロボット10は、コンテンツDB51に記憶している複数の共通コンテンツCのうち、いずれかの共通コンテンツを選択してユーザUaに向けて出力する。このとき、コンテンツ提供ロボット10は、ユーザUaに向けて出力する共通コンテンツCの態様(以下、「出力態様」と呼ぶ)をユーザUaの属性に合わせて変化させることができる。例えば共通コンテンツCが楽曲の音声情報であり、ユーザUaが高齢者であったとする。この場合、ユーザUaが幼児や子供である場合よりも再生速度を抑えて出力されるようにすることができる。また、例えばユーザUaが複数人いる場合には、ユーザUaが1人である場合よりも再生音量を上げて出力されるようにすることができる。
【0015】
ユーザUaの属性は、コンテンツ提供ロボット10が取得したユーザUaのユーザ情報に基づいて判定される。ユーザUaのユーザ情報は、ユーザ端末60に入力されたテキスト情報、音声情報、画像情報、コンテンツ提供ロボット10に向けて発話されたユーザUaの音声情報、コンテンツ提供ロボット10により撮像されたユーザUaの画像情報といった各情報の形式で取得される。このうち、例えばテキスト情報の形式で取得されたユーザ情報には、ユーザUaが個人である場合には年齢や性別等に関する情報が含まれ、団体である場合には構成員の平均年齢や人数等に関する情報が含まれる。音声情報の形式で取得されたユーザ情報は、取得された音声情報が解析されることでユーザUaの世代、性別、および人数等が判定される。画像情報の形式で取得されたユーザ情報は、取得された画像情報が解析されることでユーザUaの世代、性別、および人数等が判定される。
【0016】
コンテンツ提供ロボット10による音声情報の解析は、例えばユーザUaから発話された音声のピッチ、基本周波数、音声波形周期性、声道の共鳴周波数、フォルマントの周波数帯域、声量、声質や声色、速度、波形ピークの出現頻度等について行われる。また、コンテンツ提供ロボット10による画像情報の解析は、例えば撮像された画像に含まれるユーザUaの顔の領域の特定、特定された領域の特徴量の抽出、抽出した特徴量について行われる。音声情報および画像情報の解析は、AI(人工知能)等により行われてもよい。
【0017】
また、本サービス以外の他サービスにユーザUaのユーザ情報が別途登録されており、本サービスと他サービスとの間にユーザUaのユーザ情報の融通に関する定めが設けられているような場合がある。このような場合には、ユーザUの承諾を条件として、他サービスにてユーザUaのユーザ情報として既に登録されている情報も、本サービスにおけるユーザUaのユーザ情報として取得される。具体的には、他サービスを運営するサーバなど図示しない外部のサーバからユーザUaのユーザ情報を取得する。コンテンツ提供ロボット10は、取得したユーザUaのユーザ情報をユーザ情報DB52に記憶して管理する。ユーザ情報DB52は、後述する
図2の記憶部13の一領域に設けられたデータベースである。
【0018】
コンテンツ提供ロボット10は、ユーザUbの入力操作によって出力態様の一部が指定されると、この指定を受け付ける。そして、受け付けた指定の内容を含む出力態様にて共通コンテンツCを出力する。出力態様の一部の指定としては、例えば出力される共通コンテンツCの種類の指定が挙げられる。また、共通コンテンツCの種類として音声情報や動画情報が指定された場合には、さらに再生速度や再生音量を予め指定しておくことができる。
【0019】
コンテンツ提供ロボット10は、
図1に示すように、コンテンツ提供ロボットシステム1を構成するネットワーク型のロボットとして機能させることもできるが、通信環境の悪い場所では、一時的にスタンドアロン型のロボットとして機能させることもできる。また、当初から通信機能を有しないスタンドアロン型のロボットとして機能させることもできる。
【0020】
コンテンツ提供ロボットシステム1を構成するユーザ端末60は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等で構成される。ユーザ端末60は、ユーザUbにより所持され、またはユーザUaが生活する空間や、業務を行う空間に配置されている。ユーザ端末60は、ユーザUbの入力操作を受け付ける。具体的には、例えばユーザ情報を登録するための入力操作や、出力態様の一部を指定するための入力操作等を受け付ける。なお、ここでいう「入力操作」には、ユーザ端末60の画面に表示されたユーザインターフェースへの手入力操作、マイク等への音声による入力操作、カメラ等へのジェスチャによる入力操作が含まれる。
【0021】
なお、ユーザ端末60がスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータで構成される場合には、本サービスを利用可能にする専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「専用アプリ」と呼ぶ)をユーザ端末60にインストールすることができる。専用アプリは、後述するサーバ70からユーザ端末60に提供される。なお、専用アプリがインストールされない場合であっても、ユーザ端末60のブラウザ機能を用いて、本サービスを利用可能にする専用のウェブサイトにアクセスすることでも本サービスを利用することができる。
【0022】
コンテンツ提供ロボットシステム1を構成するサーバ70は、システム全体を制御する情報処理装置である。サーバ70は、コンテンツの配信を行う図示しない外部のサーバ等から複数のコンテンツを取得する。取得された複数のコンテンツは、後述する
図2に示す記憶部13と同様の機能を有する記憶部(図示せず)の一領域に設けられたコンテンツDB81に記憶される。コンテンツDB81に記憶されている複数のコンテンツには、共通コンテンツCが含まれる。そして、共通コンテンツCは、幼児や子供および高齢者の行動の種類に対応する複数のセグメント(例えば上述した4つのセグメント)に分類されて記憶されている。
【0023】
サーバ70は、取得したコンテンツの各々の内容に基づいて、そのコンテンツが共通コンテンツCに該当するか否かを判定する。また、サーバ70は、コンテンツ提供ロボット10のコンテンツDB51と、自機のコンテンツDB81との各々に記憶されている複数のコンテンツについて、予め定められたタイミングおよび間隔で同期をとる。なお、同期のタイミングおよび間隔は特に限定されず、例えばコンテンツ提供ロボット10の起動時、リアルタイム、時間単位、分単位、秒単位で同期がとられる構成にしてもよい。このような同期をとる構成とすることで、例えば通信環境の悪い場所でコンテンツ提供ロボット10が一時的にオフラインとなった場合であっても、通信環境が回復したときに同期をとることでデータベースを最新の状態に維持させることができる。
【0024】
サーバ70は、ユーザUaのユーザ情報を取得する。サーバ70は、ユーザUaのユーザ情報を、ユーザ端末60に入力されたテキスト情報、音声情報、画像情報の各態様で取得する。また、本サービス以外の他サービスに別途登録されているユーザUaのユーザ情報は、上述したコンテンツ提供ロボット10と同様に、本サービスのユーザ情報として取得することもできる。サーバ70は、取得したユーザUaのユーザ情報をユーザ情報DB82に記憶して管理する。ユーザ情報DB82は、後述する
図2の記憶部13と同様の機能を有する記憶部(図示せず)の一領域に設けられたデータベースである。
【0025】
サーバ70は、ユーザUaの属性を判定する。具体的には、サーバ70は、取得したユーザUaのユーザ情報に基づいてユーザUaの属性を判定する。サーバ70は、ユーザUaの属性の判定結果をコンテンツ提供ロボット10に送信する。また、サーバ70は、ユーザUbの入力操作によって出力態様の一部が指定されると、この指定を受け付ける。指定される内容としては、例えば出力される共通コンテンツCの種類、共通コンテンツCの種類が音声情報や動画情報である場合の再生速度や再生音量等が挙げられる。サーバ70は、受け付けた指定の内容をコンテンツ提供ロボット10に送信する。
【0026】
〔コンテンツ提供ロボットの構成〕
図2は、コンテンツ提供ロボット10のハードウェア構成を示す図である。
コンテンツ提供ロボット10は、コンピュータ装置を内蔵するいわゆるコミュニケーションロボットで構成される。コンテンツ提供ロボット10は、自機全体を制御するCPU(Central Processing Unit)である制御部11と、演算に際して作業エリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)などのメモリ12と、プログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリ等の記憶装置である記憶部13とを有している。また、ネットワーク90を介してデータの送受信を行う通信部14を有している。また、ユーザUからの入力操作を受け付けるタッチパネルなどの操作部15と、ユーザUに対して画像やテキスト情報などを表示する液晶ディスプレイなどからなる表示部16と、表示部16を制御する表示制御部17とを有している。また、ユーザUaから発せられる音を録音するためのマイクなどからなる録音部18と、ユーザUaに対して音声を出力するスピーカなどからなる音声出力部19とを有している。さらに、ユーザUaのジェスチャの様子を撮像して静止画像または動画像の情報として取得するためのカメラなどからなる撮像部20を有している。
【0027】
なお、コンテンツ提供ロボットシステム1を構成するユーザ端末60のハードウェア構成は、
図2に示すコンテンツ提供ロボット10のハードウェア構成と同様の構成を備えている。また、コンテンツ提供ロボットシステム1を構成するサーバ70のハードウェア構成は、録音部18、音声出力部19、および撮像部20を除いて
図2に示すコンテンツ提供ロボット10のハードウェア構成と同様の構成を備えている。このため、ユーザ端末60およびサーバ70のハードウェア構成の説明は省略する。
【0028】
図3は、コンテンツ提供ロボット10の機能構成を示す図である。
コンテンツ提供ロボット10は、コンテンツを取得するコンテンツ取得部31と、取得したコンテンツが共通コンテンツCに該当するか否かを判定するコンテンツ判定部32と、複数のコンテンツを記憶するコンテンツ記憶部33とを有する。また、コンテンツ提供ロボット10は、ユーザUaのユーザ情報を取得するユーザ情報取得部34と、取得したユーザUaのユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶部35とを有する。また、コンテンツ提供ロボット10は、ユーザUaの属性を判定するユーザ判定部36と、出力する共通コンテンツCを決定するコンテンツ決定部37とを有する。また、コンテンツ提供ロボット10は、出力する共通コンテンツCの出力態様の一部の指定を受け付ける出力態様受付部38と、出力する共通コンテンツCの出力態様を決定する出力態様決定部39とを有する。また、コンテンツ提供ロボット10は、共通コンテンツCを決定された出力態様に加工するコンテンツ加工部40と、共通コンテンツを出力する制御を行う出力制御部41とを有する。
【0029】
コンテンツ取得部31は、例えばコンテンツの配信を行う図示しない外部のサーバ等から複数のコンテンツを取得する。コンテンツ取得部31に取得された複数のコンテンツはコンテンツDB51に記憶されている。コンテンツDB51に記憶されている複数のコンテンツにはコンテンツCが含まれている。また、上述したように、コンテンツDB51に記憶されている内容と、サーバ70のコンテンツDB81に記憶されている内容とは適宜同期がとられる。
【0030】
コンテンツ判定部32は、コンテンツ取得部31により取得されたコンテンツが共通コンテンツCに該当するか否かを判定する。具体的には、コンテンツ判定部32は、コンテンツの内容が、幼児や子供および高齢者のいずれの行動についても改善を支援できるものであり、かつ、幼児や子供および高齢者のいずれであっても容易に理解できるものを共通コンテンツCと判定する。共通コンテンツCと判定されるものとしては、例えば早寝早起きを推進する内容の楽曲の音声情報や動画像情報、残さず食べることで健康を維持する内容の楽曲の音声情報や動画像情報等が挙げられる。
【0031】
コンテンツ記憶部33は、コンテンツ判定部32より判定された複数のコンテンツを記憶する。具体的には、コンテンツ記憶部33は、共通コンテンツCを複数のセグメントに分類して記憶する。セグメントとしては、例えば「睡眠」、「食事」、「運動」、および「社会生活」といったものが挙げられる。なお、セグメントの数は特に限定されない。上記の4つのセグメントとは異なる内容の2以上のセグメントに分類してもよい。例えば、ユーザUaの行動を、私生活における行動と、社会生活における行動とに分けて、「私生活」および「社会生活」という2つのセグメントに共通コンテンツCを分類してもよい。
【0032】
ユーザ情報取得部34は、入力操作にて入力されたユーザUaのユーザ情報を取得する。具体的には、ユーザ情報取得部34は、ユーザ端末60に入力されたテキスト情報、音声情報、画像情報、コンテンツ提供ロボット10に向けて発話されたユーザUaの音声情報、コンテンツ提供ロボット10により撮像されたユーザUaの画像情報等の各態様でユーザ情報を取得する。また、ユーザ情報取得部34は、他サービスにてユーザUaのユーザ情報として既に登録されている情報のうち、ユーザUの承諾が得られた情報を、本サービスにおけるユーザUaのユーザ情報として取得する。
【0033】
ユーザ情報記憶部35は、ユーザ情報取得部34により取得されたユーザUaのユーザ情報をユーザ情報DB52に記憶して管理する。具体的には、ユーザ情報記憶部35は、ユーザUaを一意に特定可能にする識別情報に、ユーザUaのユーザ情報を対応付けて、その識別情報をキーとしていつでも抽出可能な態様で管理する。
【0034】
ユーザ判定部36は、コンテンツ提供ロボット10を利用しようとするユーザUaの属性を判定する。具体的には、ユーザ判定部36は、ユーザ情報DB52に記憶されているユーザUaのユーザ情報に基づいて、ユーザUaが幼児や子供または高齢者であるか否かの判定と、ユーザUaの人数の判定とを行う。ユーザ判定部36により、幼児や子供または高齢者に該当すると判定されたユーザUaは、共通コンテンツCの出力の対象となる。これに対して、幼児や子供または高齢者に該当しないと判定されたユーザUaは、共通コンテンツCの出力の対象から外されて削除される。このように、出力対象以外のコンテンツが削除されるようにすることで、データベースの領域が確保される。
【0035】
コンテンツ決定部37は、コンテンツ提供ロボット10からユーザUaに向けて出力される共通コンテンツCを決定する。具体的には、ユーザUbの入力操作により共通コンテンツCが指定されている場合には、コンテンツ決定部37は、指定された共通コンテンツCを出力対象として決定する。また、本サービスでは、ユーザUbによる入力操作により、コンテンツ提供ロボット10から出力される共通コンテンツCのセグメントを予め指定することができる。このため、ユーザUbによる入力操作により予めセグメントが指定されている場合には、コンテンツ決定部37は、指定されたセグメントに分類されている複数の共通コンテンツCのうちいずれかの共通コンテンツCを出力対象として決定する。
【0036】
また、共通コンテンツCもセグメントも指定されていない場合には、コンテンツ決定部37は、出力対象とする共通コンテンツCを自ら決定する。この場合、コンテンツ決定部37は、例えばコンテンツDB51に記憶されている複数の共通コンテンツCの中からランダムに選択した共通コンテンツCを出力対象として決定してもよい。また、例えばコンテンツ決定部37は、本サービスを利用する図示しない他のユーザUaの利用実績に基づいて、多数のユーザUaに人気のある共通コンテンツCを出力対象として決定してもよい。また、例えば本サービスと、コンテンツを提供する他社サービスとの間に、コンテンツの優先使用についての定めが設けられている場合には、コンテンツ決定部37は、当該他社サービスにより提供される共通コンテンツCを優先的に出力対象として指定してもよい。
【0037】
出力態様受付部38は、コンテンツ提供ロボット10が出力する共通コンテンツCの出力態様の一部についての指定を受け付ける。具体的には、出力態様受付部38は、出力態様の一部を指定するための入力操作が行われると、その指定を受け付ける。この入力操作としては、ユーザ端末60の画面に表示されたユーザインターフェースへの手入力操作、マイク等への音声による入力操作、カメラ等へのジェスチャによる入力操作等が挙げられる。
【0038】
出力態様決定部39は、コンテンツ提供ロボット10が出力する共通コンテンツCの出力態様を決定する。具体的には、出力態様決定部39は、出力態様受付部38により受け付けられた出力態様の一部の内容に応じて、コンテンツ提供ロボット10が出力する共通コンテンツCの出力態様を決定する。また、出力態様の一部の指定が行われなかった場合には、出力態様決定部39は、ユーザUaのユーザ情報に基づいて出力態様を決定する。この場合、出力態様決定部39は、例えば、ユーザUaによる本サービスの利用実績をAI(人口知能)が学習した結果に基づいて出力態様を決定してもよい。
【0039】
コンテンツ加工部40は、コンテンツ決定部37が出力対象として決定した共通コンテンツCを、出力態様決定部39により決定された出力態様に加工する。なお、コンテンツ加工部40による加工は、必ず行われるものではなく、出力態様決定部39により決定された出力態様に応じて適宜行われる。また、コンテンツ加工部40による共通コンテンツCの加工が具体的にどのような手法により行われるかは特に限定されない。例えば共通コンテンツCが楽曲の音声情報である場合には、波形編集、ノイズ除去、ボリューム調整、周波数調整、音圧調整、ブレス除去、ピッチ調整、イントネーション調整、音色調整等の一般的な手法を用いた加工が行われてもよい。
【0040】
出力制御部41は、出力態様決定部39により決定された出力態様の共通コンテンツCを出力する制御を行う。具体的には、出力制御部41は、出力態様決定部39により決定された出力態様になるように適宜加工が施された共通コンテンツCを、
図2の音声出力部19に出力させる制御を行う。なお、出力制御部41が共通コンテンツCを出力するタイミングは特に限定されない。例えばユーザUbによるユーザ端末60への入力操作が行われた後、予め定められた時間が経過したタイミングとすることもできる。また、例えばユーザUaによるコンテンツ提供ロボット10への音声またはジェスチャによる入力操作が行われた後、予め定められた時間が経過したタイミングとすることができる。この場合、「予め設定された時間」は、ユーザUbが任意に設定できるものとし、例えば「1秒後」、「3秒後」といったように設定できるようにしてもよい。
【0041】
〔サーバの構成〕
図4は、サーバ70の機能構成を示す図である。
サーバ70は、コンテンツを取得するコンテンツ取得部71と、取得したコンテンツが共通コンテンツCに該当するか否かを判定するコンテンツ判定部72と、複数のコンテンツを記憶するコンテンツ記憶部73とを有する。また、サーバ70は、共通コンテンツCをコンテンツ提供ロボット10に送信する制御を行うコンテンツ送信制御部74を有する。また、サーバ70は、ユーザUaのユーザ情報を取得するユーザ情報取得部75と、取得したユーザUaのユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶部76とを有する。また、サーバ70は、ユーザUaの属性を判定するユーザ判定部77と、その判定結果をコンテンツ提供ロボット10に送信する制御を行う判定結果送信制御部78とを有する。また、サーバ70は、コンテンツ提供ロボット10が出力する共通コンテンツCの出力態様の一部の指定を受け付ける出力態様受付部79と、受け付けられた指定の内容をコンテンツ提供ロボット10に送信する制御を行う出力態様送信制御部80とを有する。
【0042】
コンテンツ取得部71は、例えばコンテンツの配信を行う図示しない外部のサーバ等から複数のコンテンツを取得する。取得された複数のコンテンツは、コンテンツDB81に記憶される。コンテンツDB81に記憶されている複数のコンテンツには、コンテンツCが含まれる。
【0043】
コンテンツ判定部72は、コンテンツ取得部71により取得されたコンテンツが共通コンテンツCに該当するか否かを判定する。具体的には、コンテンツ判定部72は、コンテンツの内容が、幼児や子供および高齢者のいずれの行動についても改善を支援できるものであり、かつ、幼児や子供および高齢者のいずれであっても容易に理解できるものを共通コンテンツCと判定する。
【0044】
コンテンツ記憶部73は、コンテンツ判定部72より判定された複数のコンテンツを記憶する。具体的には、コンテンツ記憶部73は、共通コンテンツCを複数のセグメントに分類して、コンテンツDB81に記憶するコンテンツ送信制御部74は、コンテンツDB81に記憶されている複数のコンテンツのうち、複数のセグメントに分類されて管理されている共通コンテンツCをコンテンツ提供ロボット10に送信する制御を行う。このようにして、コンテンツDB81に記憶されている内容と、コンテンツ提供ロボット10のコンテンツDB51に記憶されている内容との同期がとられる。
【0045】
ユーザ情報取得部75は、入力操作にて入力されたユーザUaのユーザ情報を取得する。具体的には、ユーザ情報取得部75は、ユーザ端末60に入力されたテキスト情報、音声情報、画像情報等の各態様でユーザ情報を取得する。また、ユーザ情報取得部75は、他サービスにてユーザUaのユーザ情報として既に登録されている情報のうち、ユーザUの承諾が得られた情報を、本サービスにおけるユーザUaのユーザ情報として取得する。
【0046】
ユーザ情報記憶部76は、ユーザ情報取得部75により取得されたユーザUaのユーザ情報をユーザ情報DB82に記憶して管理する。具体的には、ユーザ情報記憶部76は、ユーザUaを一意に特定可能にする識別情報に、ユーザUaのユーザ情報を対応付けて、その識別情報をキーとしていつでも抽出可能な態様で管理する。
【0047】
ユーザ判定部77は、コンテンツ提供ロボット10を利用しようとするユーザUaの属性を判定する。具体的には、ユーザ判定部77は、ユーザ情報DB82に記憶されているユーザUaのユーザ情報に基づいて、ユーザUaが幼児や子供または高齢者であるか否かの判定と、ユーザUaの人数の判定とを行う。判定結果送信制御部78は、ユーザ判定部77による判定の結果、幼児や子供または高齢者に該当すると判定されたユーザUaのユーザ情報をコンテンツ提供ロボット10に送信する制御を行う。
【0048】
出力態様受付部79は、コンテンツ提供ロボット10が出力する共通コンテンツCの出力態様の一部についての指定を受け付ける。具体的には、出力態様受付部79は、出力態様の一部を指定するための入力操作が行われると、その指定を受け付ける。この入力操作としては、ユーザ端末60の画面に表示されたユーザインターフェースへの手入力操作、マイク等への音声による入力操作、カメラ等へのジェスチャによる入力操作等が挙げられる。出力態様送信制御部80は、出力態様受付部79により指定が受け付けられた、出力態様の一部の内容をコンテンツ提供ロボット10に送信する制御を行う。
【0049】
〔コンテンツ提供ロボットの処理〕
次に、コンテンツ提供ロボット10の処理について、
図5を用いて説明する。
図5は、コンテンツ提供ロボット10の処理の流れを示すフローチャートである。
コンテンツ取得部31は、コンテンツを取得する(ステップ101)。具体的には、コンテンツ取得部31は、例えばコンテンツの配信を行う図示しない外部のサーバ等から複数のコンテンツを取得する。コンテンツ判定部32は、コンテンツを判定する(ステップ102)。具体的には、コンテンツ判定部32は、コンテンツ取得部31により取得されたコンテンツが共通コンテンツCに該当するか否かを判定する。
【0050】
コンテンツ記憶部33は、コンテンツを記憶する(ステップ103)。具体的には、コンテンツ記憶部33は、コンテンツ判定部32より判定された複数のコンテンツのうち、共通コンテンツCを「睡眠」、「食事」、「運動」、および「社会生活」の4つのセグメントに分類してコンテンツDB51に記憶する。
【0051】
ユーザUaのユーザ情報が入力されると(ステップ104でYES)、ユーザ情報取得部34は、入力されたユーザUaのユーザ情報を取得する(ステップ105)。具体的には、ユーザ情報取得部34は、ユーザ端末60に入力されたテキスト情報、音声情報、画像情報、コンテンツ提供ロボット10に向けて発話されたユーザUaの音声情報、コンテンツ提供ロボット10により撮像されたユーザUaの画像情報等の各態様でユーザ情報を取得する。また、ユーザ情報取得部34は、他サービスにてユーザUaのユーザ情報として既に登録されている情報のうち、ユーザUの承諾が得られた情報を、本サービスにおけるユーザUaのユーザ情報として取得する。ユーザ情報取得部34により取得されたユーザ情報は、ユーザ情報記憶部35によりユーザ情報DB52に記憶されて管理される。これに対して、ユーザ情報が入力されていない場合には(ステップ104でNO)、ユーザ情報が取得されることなくステップ106の判断に進む。
【0052】
ユーザ判定部36によるユーザUaの属性についての判定の結果、ユーザUaが幼児や子供または高齢者である場合には(ステップ106でYES)、共通コンテンツCの出力の対象となる。すると、コンテンツ決定部37は、コンテンツ提供ロボット10からユーザUaに向けて出力される共通コンテンツCを決定する(ステップ107)。これに対して、ユーザ判定部36によるユーザUaの属性についての判定の結果、ユーザUaが幼児や子供または高齢者でない場合には(ステップ106でNO)、共通コンテンツCの出力の対象から外されて削除される。
【0053】
ユーザUbの入力操作により出力態様の一部が指定されると(ステップ108でYES)、出力態様受付部38は、コンテンツ提供ロボット10が出力する共通コンテンツCの出力態様の一部についての指定を受け付ける(ステップ109)。出力態様決定部39は、コンテンツ提供ロボット10が出力する共通コンテンツCの出力態様を決定する(ステップ110)。このとき、出力態様決定部39は、出力態様受付部38により出力態様の一部が指定されている場合(ステップ108でYES)には、その指定の内容に従って、コンテンツ提供ロボット10が出力する共通コンテンツCの出力態様を決定する。これに対して、出力態様の一部が指定されなかった場合(ステップ108でNO)には、出力態様決定部39は、ユーザUaのユーザ情報に基づいて出力態様を決定する。
【0054】
コンテンツ加工部40は、共通コンテンツCを適宜加工する(ステップ111)。具体的には、コンテンツ加工部40は、コンテンツ決定部37が出力対象として決定した共通コンテンツCを、出力態様決定部39により決定された出力態様に加工する。出力制御部41は、出力態様決定部39により決定された出力態様の共通コンテンツCを出力する制御を行う(ステップ112)。具体的には、出力制御部41は、出力態様決定部39により決定された出力態様になるように適宜加工が施された共通コンテンツCを、
図2の音声出力部19に出力させる制御を行う。これにより処理が終了する。
【0055】
〔サーバの処理〕
次に、サーバ70の処理について、
図6を用いて説明する。
図6は、サーバ70の処理の流れを示すフローチャートである。
図6(A)には、サーバ70がコンテンツを取得してから共通コンテンツCをコンテンツ提供ロボット10に送信するまでの処理の流れが示されている。
コンテンツ取得部71は、コンテンツを取得する(ステップ701)。具体的には、コンテンツ取得部31は、例えばコンテンツの配信を行う図示しない外部のサーバ等から複数のコンテンツを取得する。コンテンツ判定部72は、コンテンツを判定する(ステップ702)。具体的には、コンテンツ判定部72は、コンテンツ取得部71により取得されたコンテンツが共通コンテンツCに該当するか否かを判定する。
【0056】
コンテンツ記憶部73は、コンテンツ判定部72より判定された複数のコンテンツを記憶する(ステップ703)。具体的には、コンテンツ記憶部73は、共通コンテンツCを複数のセグメントに分類して、コンテンツDB81に記憶する。コンテンツ送信制御部74は、コンテンツDB81に記憶されている複数のコンテンツのうち、複数のセグメントに分類されて管理されている共通コンテンツCをコンテンツ提供ロボット10に送信する制御を行う(ステップ704)。
【0057】
図6(B)には、サーバ70がユーザ情報を取得してから判定結果をコンテンツ提供ロボット10に送信するまでの処理の流れが示されている。
ユーザUaのユーザ情報が入力されると(ステップ711でYES)、ユーザ情報取得部75は、入力されたユーザUaのユーザ情報を取得する(ステップ712)。具体的には、ユーザ情報取得部75は、ユーザ端末60に入力されたテキスト情報、音声情報、画像情報、コンテンツ提供ロボット10に向けて発話されたユーザUaの音声情報、コンテンツ提供ロボット10により撮像されたユーザUaの画像情報等の各態様でユーザ情報を取得する。また、ユーザ情報取得部75は、他サービスにてユーザUaのユーザ情報として既に登録されている情報のうち、ユーザUの承諾が得られた情報を、本サービスにおけるユーザUaのユーザ情報として取得する。ユーザ情報取得部75により取得されたユーザ情報は、ユーザ情報記憶部76によりユーザ情報DB82に記憶されて管理される。これに対して、ユーザ情報が入力されていない場合には(ステップ711でNO)、ユーザ情報が取得されることなくステップ713の判断に進む。
【0058】
ユーザ判定部77によるユーザUaの属性についての判定の結果、ユーザUaが幼児や子供または高齢者である場合には(ステップ713でYES)、判定結果送信制御部78は、ユーザUaが幼児や子供または高齢者であるという判定結果をコンテンツ提供ロボット10に送信する制御を行う(ステップ714)。これにより処理が終了する。これに対して、ユーザ判定部77によるユーザUaの属性についての判定の結果、ユーザUaが幼児や子供または高齢者でない場合には(ステップ713でNO)、コンテンツ提供ロボット10から共通コンテンツCは出力されないこととなり、処理が終了する。
【0059】
図6(C)には、サーバ70が出力態様の一部の指定を受け付けてから決定内容をコンテンツ提供ロボット10に送信するまでの処理の流れが示されている。
ユーザUbの入力操作により出力態様の一部が指定されると(ステップ721でYES)、出力態様受付部79は、コンテンツ提供ロボット10が出力する共通コンテンツCの出力態様の一部についての指定を受け付ける(ステップ722)。出力態様送信制御部80は、出力態様受付部79により指定が受け付けられた内容をコンテンツ提供ロボット10に送信する制御を行う(ステップ723)。これにより処理が終了する。これに対して、出力態様の一部が指定されなかった場合には(ステップ721でNO)、処理は終了する。
【0060】
〔具体例〕
次に、本サービスの具体例について、
図7を用いて説明する。
図7(A)は、コンテンツ提供ロボット10から出力される共通コンテンツCが、出力先となるユーザUaの属性に応じて出力態様を変化する具体例を示す図である。なお、
図7(A)には、コンテンツ提供ロボット10から出力される共通コンテンツCの種類が「楽曲」である場合の例が示されている。
【0061】
図7(A)に示すように、共通コンテンツCの出力先となるユーザUaの属性として、例えば「世代」および「人数」が挙げられる。上述したように、コンテンツ提供ロボット10は、出力先となるユーザUaの属性に応じて出力態様を変化させることができる。このため、ユーザUaの属性のうち、例えばユーザUaの「世代」や「人数」に応じて出力態様に変化をつけることができる。
【0062】
具体的には、例えばコンテンツ提供ロボット10は、ユーザUaの属性のうち「世代」について、「幼児や子供」と判定した場合と、「高齢者」と判定した場合とで、出力態様としてのテンポやボリュームに変化をつけることができる。また、図示はしないが、「幼児や子供」について「0~1歳児」、「2~3歳児」、「4~5歳児」といったようにさらに細分して出力態様に変化を付けてもよいし、「高齢者」について「60歳代」、「70歳代」、「80歳代」、「90歳代」といったようにさらに細分して出力態様に変化を付けてもよい。
【0063】
また、例えばコンテンツ提供ロボット10は、ユーザUaの属性のうち「人数」について、判定結果に応じて「1~3人」と判定した場合と、「4~9人」と判定した場合と、「10人以上」と判定した場合とで、出力態様としてのテンポやボリュームに変化をつけることができる。また、図示はしないが、「人数」について「1~2人」、「3~4人」、「5~6人」といったようにさらに細分して出力態様に変化を付けてもよいし、「1人」または「複数人」といったように分けて出力態様に変化を付けてもよい。
【0064】
図7(B)は、共通コンテンツCを複数のセグメントに分類してデータベースに記憶する際に用いられるセグメントの種類の具体例を示す図である。コンテンツ提供ロボット10およびサーバ70の各々により取得されたコンテンツのうち共通コンテンツCは、ユーザUaの行動の種類に対応する複数のセグメントに分類されてデータベースに記憶される。具体的には、例えば
図7(B)に示すように、「睡眠」、「食事」、「運動」、「社会生活」という4つのセグメントに分類されて、上述したコンテンツDB51およびコンテンツDB81の各々に記憶される。
【0065】
これらのセグメントのうち、「睡眠」には、ユーザUaとしての幼児や子供および高齢者の各々の「睡眠」という行動の改善を支援する内容の共通コンテンツCが分類される。具体的には、例えば早寝早起きを推進する内容の共通コンテンツCが「睡眠」に分類される。また、「食事」には、ユーザUaとしての幼児や子供および高齢者の各々の「食事」という行動の改善を支援する内容の共通コンテンツCが分類される。具体的には、例えば好き嫌いなく残さず食べることで栄養のバランスの取れた食事を推進する内容の共通コンテンツCが「食事」に分類される。
【0066】
また、「運動」には、ユーザUaとしての幼児や子供および高齢者の各々の「運動」という行動の改善を支援する内容の共通コンテンツCが分類される。具体的には、例えば屋外で身体を動かすことで筋力をつけることを推進する内容の共通コンテンツCが「運動」に分類される。また、「社会生活」には、ユーザUaとしての幼児や子供および高齢者の各々の「社会生活」という行動の改善を支援する内容の共通コンテンツCが分類される。具体的には、例えば公共の施設において他者に迷惑をかけない好ましい行動を推進する内容の共通コンテンツCが「社会生活」に分類される。
【0067】
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上述した本実施の形態に限るものではない。また、本発明による効果も、上述した本実施の形態に記載されたものに限定されない。例えば、ユーザUaおよびUbは、本サービスの利用を既に開始している者に限定されない。未だ本サービスの利用を開始していない者であって、本サービスの利用を希望する者も含まれるものとする。
【0068】
また、例えば上述の実施の形態では、ユーザUbによる入力操作の態様として、手入力操作、音声による入力操作、ジェスチャによる入力操作を挙げているが、これらの入力操作に限定されず、ユーザUbの意思を入力可能なあらゆる入力操作を採用することができる。また、上述した本実施の形態では、ユーザUbが出力態様のすべてについては予め指定することができない構成としているが、ユーザUbが出力態様のすべてを予め指定することができる構成とすることもできる。
【0069】
また、上述の実施の形態では、共通コンテンツCの具体例として、楽曲の音声情報について説明しているが、共通コンテンツCは楽曲の音声情報に限定されず、テキスト情報、音声情報、画像情報(静止画像情報および動画像情報)が挙げられる。このうち音声情報は、上述したように音声出力部19から出力される。また、テキスト情報および静止画像情報は、コンテンツ提供ロボット10の表示部16を介して出力される。また、動画像情報は、コンテンツ提供ロボット10の表示部16および音声出力部19を介して出力される。
【0070】
また、上述の実施の形態では、ユーザUbが、ユーザ端末60にインストールされた専用アプリを利用して各種の入力操作を行っているが、これに限定されない。例えばコンテンツ提供ロボット10に直接入力できるようにしてもよい。
【0071】
また、
図7の説明において、「幼児や子供」について「0~1歳児」、「2~3歳児」、「4~5歳児」といったようにさらに細分して出力態様に変化を付けてもよいとしているが、これは一例を述べたに過ぎず、「幼児や子供」の範囲を5歳までに限定するものではない。本発明のロボット、およびロボットシステムの適用対象となる「幼児や子供」は、0歳児~小学生程度を想定している。
【符号の説明】
【0072】
1…コンテンツ提供ロボットシステム、10…コンテンツ提供ロボット、31…コンテンツ取得部、32…コンテンツ判定部、33…コンテンツ記憶部、34…ユーザ情報取得部、35…ユーザ情報記憶部、36…ユーザ判定部、37…コンテンツ決定部、38…出力態様受付部、39…出力態様決定部、40…コンテンツ加工部、41…出力制御部、60…ユーザ端末、70…サーバ、71…コンテンツ取得部、72…コンテンツ判定部、73…コンテンツ記憶部、74…コンテンツ送信制御部、75…ユーザ情報取得部、76…ユーザ情報記憶部、77…ユーザ判定部、78…判定結果送信制御部、79…出力態様受付部、80…出力態様送信制御部、90…ネットワーク