(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169154
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】シート連結部材
(51)【国際特許分類】
B65B 1/30 20060101AFI20221101BHJP
A61J 1/03 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
B65B1/30 B
A61J1/03 370
B65B1/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021075006
(22)【出願日】2021-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】593129342
【氏名又は名称】株式会社タカゾノ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】道端 善之
【テーマコード(参考)】
3E118
4C047
【Fターム(参考)】
3E118AA07
3E118AB04
3E118AB07
3E118BA01
3E118BA03
3E118BA10
3E118BB01
3E118EA01
3E118EA06
4C047AA17
4C047AA22
4C047CC14
4C047CC15
4C047CC16
4C047FF06
(57)【要約】
【課題】第1の長尺シートの終端部と第2の長尺シートの始端部とを容易に連結できる、シート連結部材を提供する。
【解決手段】シート連結部材100は、第1の長尺シートの終端部と第2の長尺シートの始端部とを連結する。シート連結部材100は、表面101と、表面とは反対側の裏面とを有するシート状の形状を有している。シート連結部材100は、第1片110と、第1片110と一体の第2片130とを備えている。第1片110の表面101は、第1粘着部111と第2粘着部112とを有している。第2片130の表面101は、第3粘着部131と第4粘着部132とを有している。第1粘着部111と第3粘着部131とは、第1の長尺シートの終端部の各々の面に接着される。第2粘着部112と第4粘着部132とは、第2の長尺シートの始端部の各々の面に接着される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の長尺シートの終端部と第2の長尺シートの始端部とを連結するシート連結部材であって、
前記シート連結部材は、表面と、前記表面とは反対側の裏面とを有するシート状の形状を有し、
前記シート連結部材は、第1片と、前記第1片と一体の第2片とを備え、
前記第1片の前記表面は、前記終端部に接着される第1粘着部と、前記始端部に接着される第2粘着部とを有し、
前記第2片の前記表面は、前記終端部の、前記第1粘着部が接着される面とは反対側の面に接着される第3粘着部と、前記始端部の、前記第2粘着部が接着される面とは反対側の面に接着される第4粘着部とを有する、シート連結部材。
【請求項2】
前記第1粘着部と前記第2粘着部とは、間隔を空けて配置され、
前記第3粘着部と前記第4粘着部とは、間隔を空けて配置されている、請求項1に記載のシート連結部材。
【請求項3】
前記第1粘着部と前記第2粘着部とを被覆する剥離紙と、
前記第3粘着部と前記第4粘着部とを被覆する、前記剥離紙とは別体の第2剥離紙とをさらに備える、請求項1または請求項2に記載のシート連結部材。
【請求項4】
前記第1粘着部と前記第2粘着部とは、前記第1片と前記第2片との境界をなす第2片境界から間隔を空けて配置されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシート連結部材。
【請求項5】
前記第1片と一体に形成され、前記第1片から前記第2片とは反対側に突き出る、第3片および第4片をさらに備え、
前記第3片の前記表面は、前記終端部の、前記第1粘着部が接着される面とは反対側の面に接着される第5粘着部を有し、
前記第4片の前記表面は、前記始端部の、前記第2粘着部が接着される面とは反対側の面に接着される第6粘着部を有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシート連結部材。
【請求項6】
前記第5粘着部は、前記第1片と前記第3片との境界をなす第3片境界から間隔を空けて配置されており、
前記第3片は、前記第3片境界と前記第5粘着部との間の第3片中間部をさらに有し、
前記第3片中間部は、前記第1片から分離可能に形成され、かつ、前記第5粘着部から分離可能に形成されており、
前記第6粘着部は、前記第1片と前記第4片との境界をなす第4片境界から間隔を空けて配置されており、
前記第4片は、前記第4片境界と前記第6粘着部との間の第4片中間部をさらに有し、
前記第4片中間部は、前記第1片から分離可能に形成され、かつ、前記第6粘着部から分離可能に形成されている、請求項5に記載のシート連結部材。
【請求項7】
前記剥離紙は、前記第5粘着部と前記第6粘着部とをさらに被覆する、請求項3を引用する請求項5または請求項6に記載のシート連結部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2つの長尺シートを連結するシート連結部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2001-72003号公報(特許文献1)には、軸に巻回される包装紙の巻頭部の外面側に、両面テープが前面側および後面側にそれぞれ設けられ、この包装紙の巻頭部を使用により無くなってしまった包装紙の最終部に差し込み、両面テープで接着することで新たな包装紙の巻頭部を終了した包装紙の最終部に接続することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
包装装置は、包装対象物を包装するために用いられる。包装装置は、長尺シート状の包材から包装対象物が収容された分包袋を形成する。包材がなくなると、新たな包材が包装装置に装填される。新たな包材を包装装置に装填する際の作業性および安全性の向上のため、使用済みの包材の終端部と、新たな包材の始端部とを容易に連結することが求められている。
【0005】
本開示では、第1の長尺シートの終端部と、第2の長尺シートの始端部とを容易に連結できる、シート連結部材が提案される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従うと、第1の長尺シートの終端部と第2の長尺シートの始端部とを連結するシート連結部材が提案される。シート連結部材は、表面と、表面とは反対側の裏面とを有するシート状の形状を有している。シート連結部材は、第1片と、第1片と一体の第2片とを備えている。第1片の表面は、第1の長尺シートの終端部に接着される第1粘着部と、第2の長尺シートの始端部に接着される第2粘着部とを有している。第2片の表面は、第1の長尺シートの終端部の、第1粘着部が接着される面とは反対側の面に接着される第3粘着部と、第2の長尺シートの始端部の、第2粘着部が接着される面とは反対側の面に接着される第4粘着部とを有している。
【発明の効果】
【0007】
本開示に従ったシート連結部材によれば、第1の長尺シートの終端部と、第2の長尺シートの始端部とを容易に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】シート連結部材の概略構成を示す正面図である。
【
図4】粘着部を形成したシート連結部材の概略構成を示す正面図である。
【
図7】長尺シートを連結する第一の手順を示す模式図である。
【
図8】長尺シートを連結する第二の手順を示す模式図である。
【
図9】長尺シートを連結する第三の手順を示す模式図である。
【
図10】長尺シートを連結する第四の手順を示す模式図である。
【
図11】長尺シートを連結する第五の手順を示す模式図である。
【
図12】長尺シートを連結する第六の手順を示す模式図である。
【
図13】第2実施形態のシート連結部材の概略構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて実施形態について説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
【0010】
[第1実施形態]
<薬剤包装装置Aの構成>
まず、実施形態に係るシート連結装置によって連結される長尺シートの一例としての包装シートPを用いて薬剤を包装する、薬剤包装装置Aについて説明する。たとえば分配枡およびフィーダなどを備えた図示しない薬剤分配供給装置から、処方箋に対応する種類および数量の、散剤、錠剤、カプセルなどの薬剤が、薬剤包装装置Aに選択的に供給される。薬剤包装装置Aは、供給された薬剤を包装する。
【0011】
図1は、薬剤包装装置Aの要部概略斜視図である。
図1に示されるように、薬剤包装装置Aは、案内部1と、薬剤投入部2と、ヒートシール装置3と、シート搬送装置4とを備えている。
【0012】
薬剤包装装置Aでは、ロール体Qから引き出されて案内部1に案内される長尺の包装シートPが、シート搬送装置4にて長手方向(
図1中のX方向。X方向を包装シートPの搬送方向とも称する)に搬送される。薬剤投入部2において包装シートPに薬剤が投入され、ヒートシール装置3において包装シートPがヒートシールされて1包ずつ自動的に包装される。これにより、個々に区画され各々が薬剤を収容する複数の包装体Hが形成される。
【0013】
ロール体Qは、長尺帯状の包装シートPが長手方向に沿って二つ折りにされることにより、長手方向に開放端Paが形成された状態でロール軸Rにロール状に巻き回されたものである。ロール体Qを構成する包装シートPとしては、ヒートシール可能な樹脂フィルム層を備えたグラシン紙および樹脂シートが例示できる。開放端Paの側の端縁に、微小な傷を形成することなどの易切断加工がなされていてもよい。ロール体Qは、薬剤包装装置Aに回転自在に取り付けられる。
【0014】
案内部1は、案内バー11および案内ローラ12を備えている。案内バー11および案内ローラ12は、
図1に示されるように、その軸線方向が包装シートPの短手方向に沿って配置されている。案内バー11および案内ローラ12は、ロール体Qから引き出された包装シートPを、薬剤投入部2へ案内する。
【0015】
案内部1はまた、三角板14を備えている。三角板14は、二つ折りされた状態の包装シートP内の空間に位置する。三角板14は、平面視において略三角形状の形状を有しており、後述する薬剤投入ホッパー21の位置で包装シートPの開放端Paが開く幅よりも幅広とされている。三角板14は、搬送方向Xにおいて案内バー11より下流側であり、かつ、薬剤投入ホッパー21より上流側に位置している。この三角板14により、案内バー11にて案内された包装シートPの、長手方向に形成された開放端Paを開くことができるとともに、シールされる際における包装シートPの開放端Paのズレ(いわゆる耳ズレ)を修正できる。
【0016】
薬剤投入部2は、薬剤投入ホッパー21を備えている。薬剤投入ホッパー21は、上記の薬剤分配供給装置から供給される所定量の薬剤を受け入れ、この薬剤を、二つ折りされた状態の包装シートP内の空間に投入する。薬剤投入ホッパー21は、薬剤分配供給装置からの薬剤が供給される薬剤供給口21bを上端に有し、供給された薬剤を包装シートPに投入するための薬剤投入口21aを下端に有している。
【0017】
薬剤投入ホッパー21は、三角板14により開かれた包装シートPの開放端Paを通して配置されている。薬剤投入口21aが、包装シートP内の空間に位置する。これにより、薬剤包装装置Aに供給された所定量の薬剤が飛散することなく、包装シートP内に投入される。
【0018】
ヒートシール装置3は、シート搬送装置4により搬送される包装シートPをヒートシール(加熱圧着)する。これにより、個々に区画された包装体Hが形成される。ヒートシール装置3は、短手方向シール部31と長手方向シール部32とからなる、略L字形状の一対のシール部30と、この一対のシール部30を駆動する駆動部とを有している。一対のシール部30は、包装シートPを挟んで対向配置される。一対のシール部30は、少なくとも一方がヒータを備えている。この一対のシール部30のうちヒータを備えたものが加熱されつつ、一対のシール部30が二つ折りされた状態の包装シートPを挟持することで、包装シートPがヒートシールされて、個々に区画された複数の包装体Hが一連に形成される。
【0019】
短手方向シール部31は、包装シートPの短手方向に沿って配置されており、二つ折りされた状態の包装シートPの短手方向の端部から少しはみ出して延びている。短手方向シール部31により、包装シートPに、短手方向に延びる短手方向シールS1が形成される。長手方向シール部32は、包装シートPの長手方向に延びており、包装シートPの開放端Paに沿って位置している。長手方向シール部32は、包装シートPに形成される包装体Hの1包分長さよりも長く形成されている。長手方向シール部32により、包装シートPに、長手方向に延びる長手方向シールS2が形成される。短手方向シール部31は、長手方向シール部32の搬送方向Xにおける上流側端部分に形成されている。
【0020】
一対のシール部30のうち一方側における、短手方向シール部31の内側表面に、刃部が設けられている。一対のシール部30のうち他方側における、短手方向シール部31の内側表面に、刃部を受ける受部が設けられている。一対のシール部30が包装シートPを挟持した際に、刃部が短手方向シール部31の内側表面から突出する。これにより、包装シートPには、短手方向シールS1の位置にミシン目が形成される。
【0021】
シート搬送装置4は、包装シートPを長手方向(図示X方向)に搬送する。このシート搬送装置4は、一対の送りローラ41と、この一対の送りローラ41を回転駆動する駆動部とを有している。一対の送りローラ41が回転することにより、包装シートPが長手方向に搬送される。
【0022】
薬剤包装装置Aは、集塵装置5と印字装置6とをさらに備えている。集塵装置5は、たとえば
図1に示されるように、一部が切り欠かれた集塵口51aを有するシャッター板51と、図示しないエアー吸引装置とを有している。集塵装置5は、オペレータの指示に従って、薬剤投入ホッパー21の薬剤供給口21bを、シャッター板51にて集塵口51aを除いて遮蔽し、集塵口51aからエアー吸引装置にてエアーを吸引する。これにより、薬剤投入ホッパー21内の残留薬剤が清掃され、薬剤投入ホッパー21は集塵される。
【0023】
印字装置6は、投薬日時および患者名などの、薬剤投与に関する情報を、包装シートPの薬剤が投入されるべき包装体Hに対応する位置に、この薬剤の投入に先立って印字する。印字装置6は、シートの搬送方向Xにおいてヒートシール装置3より上流側に位置している。なお薬剤投与に関する情報は、薬剤包装装置Aに設けられた図示しない入力手段にて入力され、同じく薬剤包装装置Aに設けられた図示しない記憶手段に記録されている。
【0024】
<シート連結部材100の構成>
続いて、
図1を参照して説明した包装シートPに代表される長尺シートを連結するために用いられる、シート連結部材100について説明する。
図2は、シート連結部材100の概略構成を示す正面図である。
【0025】
シート連結部材100は、
図2に示される表面101と、表面101とは反対側の裏面とを有する、シート状の形状を有している。シート連結部材100は、たとえば紙製である。シート連結部材100は、コート紙製であってもよい。コート紙の連量は、110kgでもよく、135kgでもよい。シート連結部材100は、樹脂を原料とする合成紙製であってもよい。合成紙の厚みは、110μmでもよく、130μmでもよい。
【0026】
シート連結部材100が軟らかすぎると、シート連結部材100を用いて長尺シートを連結する作業がしにくくなる。シート連結部材100が硬すぎると、案内バー11および案内ローラ12においてシート連結部材100が折り返しされにくくなり、円滑な搬送がしにくくなる。また、長尺シートにミシン目を形成するミシン刃を傷めることがある。ミシン目を形成する際のミシン刃の通りやすさの観点から、紙製のシート連結部材100を使用してもよい。長期間の保管に耐える観点から、シート連結部材100を合成紙製としてもよい。
【0027】
シート連結部材100は、第1片110と、第2片130と、第3片140と、第4片150とを備えている。シート連結部材100は、長尺シートの連結に未だ用いられていない状態では略矩形状の形状を有している。シート連結部材100の外形をなす略矩形の短手方向(
図2および後述の図においては図中の左右方向)を、本明細書中の説明では、シート連結部材100の幅方向とも称する。シート連結部材100の外形をなす略矩形の長手方向(
図2および後述の図においては図中の上下方向)を、本明細書中の説明では、シート連結部材100の高さ方向とも称する。
【0028】
シート連結部材100には、第1片110における表面101に、中心線113と、仕切線114,115とが形成されている。中心線113は、シート連結部材100の高さ方向に延びる実線として形成されている。仕切線114,115は、シート連結部材100の高さ方向に平行に延びる一点鎖線として形成されている。中心線113および仕切線114,115は、たとえば第1片110の表面101に印刷されている。
【0029】
中心線113と仕切線114,115とは、シート連結部材100の幅方向に間隔を空けて配置されている。中心線113は、シート連結部材100の幅方向における中心の位置に配置されている。仕切線114と仕切線115とは、中心線113に対して、反対側の位置に配置されている。
図2に示される配置においては、中心線113の左側に仕切線114があり、中心線113の右側に仕切線115がある。
【0030】
シート連結部材100の幅方向における中心線113と仕切線114との間隔は、シート連結部材100の幅方向における中心線113と仕切線115との間隔と、等しくなっている。仕切線114と仕切線115とは、中心線113を対称軸として線対称に配置されている。
【0031】
仕切線114は、後述する第1粘着部111が設けられる第1接着領域116を規定している。仕切線115は、後述する第2粘着部112が設けられる第2接着領域117を規定している。シート連結部材100の幅方向における、仕切線114と仕切線115との間に、粘着部が設けられない非接着領域118が形成されている。非接着領域118は、中心線113によって、終端配置領域119と始端配置領域120とに分けられている。シート連結部材100の幅方向における、仕切線114と中心線113との間の領域が終端配置領域119とされ、中心線113と仕切線115との間の領域が始端配置領域120とされている。
【0032】
第1片110と第2片130とは、一体に形成されている。シート連結部材100は、第1片110と第2片130との境界をなす第2片境界122を備えている。第2片境界122には、折り曲げ用の折り線が形成されている。第2片境界122には、ミシン目が形成されている。ミシン目が折り線を構成していてもよく、第2片境界122にプレス溝で折り線が形成されさらにミシン目が形成されていてもよい。
【0033】
第1片110における表面101の、第2片境界122の近傍に、粘着部が設けられない非接着領域118A,118Bが形成されている。シート連結部材100の高さ方向における、第1接着領域116と第2片境界122との間に、非接着領域118Aが形成されている。シート連結部材100の高さ方向における、第2接着領域117と第2片境界122との間に、非接着領域118Bが形成されている。
【0034】
第2片130における表面101に、後述する第3粘着部131が設けられる第3接着領域136と、第4粘着部132が設けられる第4接着領域137とが規定されている。第3接着領域136と第4接着領域137とは、シート連結部材100の幅方向において間隔を空けて配置されている。第3接着領域136と第4接着領域137との間に、粘着部が設けられない非接着領域138が形成されている。
【0035】
第2片130における表面101の、第2片境界122の近傍に、粘着部が設けられない非接着領域138A,138Bが形成されている。シート連結部材100の高さ方向における、第3接着領域136と第2片境界122との間に、非接着領域138Aが形成されている。シート連結部材100の高さ方向における、第4接着領域137と第2片境界122との間に、非接着領域138Bが形成されている。
【0036】
シート連結部材100の幅方向において、第1片110と第2片130とは等しい寸法を有している。シート連結部材100の高さ方向に延びる第1片110の周縁と第2片の周縁とは、同一直線上に延びている。シート連結部材100の高さ方向における第2片130の寸法は、シート連結部材100の高さ方向における第1片110の寸法よりも、小さくされている。シート連結部材100の高さ方向における第1片110の寸法は、シート連結部材100を使用して連結される長尺シートの幅寸法よりも、小さくされている。
【0037】
第1片110と第3片140とは、一体に形成されている。シート連結部材100は、第1片110と第3片140との境界をなす第3片境界123を備えている。第3片境界123は、
図2においては二点鎖線で図示されている。第3片140は、シート連結部材100の高さ方向において、第1片110に対して第2片130とは反対側に突き出るように形成されている。
図2においては、第1片110の下方に第2片130が配置されており、第3片140は第1片110から上方に突き出している。
【0038】
第3片140における表面101に、後述する第5粘着部141が設けられる第5接着領域147が規定されている。第5接着領域147は、第3片140が第1片110から突き出る先端部に設けられている。シート連結部材100の幅方向における、第1片110の第1接着領域116の寸法と、第3片140の寸法とが等しくされている。シート連結部材100の幅方向における、第1接着領域116の寸法と第5接着領域147の寸法とが等しくされている。
【0039】
第3片140は、シート連結部材100の高さ方向における第5接着領域147と第3片境界123との間の、第3片中間部148を有している。第3片中間部148に、第3片折り線142が形成されている。第3片140の表面101に印刷された、シート連結部材100の幅方向に延びる一点鎖線が、第3片折り線142を構成している。第3片折り線142に沿って、折り曲げ用のプレス溝が形成されていてもよい。線の印刷に替えて、シート連結部材100の幅方向に延びるミシン目が、第3片折り線142を構成してもよい。
【0040】
第3片中間部148の、第3片境界123寄りの部分に、シート連結部材100の幅方向に延びる第3片ミシン目143が形成されている。第3片中間部148の、第3片境界123寄りの部分に、第3片140の周縁から窪む第3片切り欠き部145が形成されている。
【0041】
図3は、第3片切り欠き部145の近傍の拡大図である。第3片切り欠き部145は、略三角形状の形状を有している。第3片切り欠き部145の、第3片140の周縁から窪む深さが最も大きい最深部が、第3片ミシン目143に繋がっている。第3片ミシン目143は、シート連結部材100を厚み方向に貫通する長孔と、長孔が形成されていない非カット部とが、シート連結部材100の幅方向にそれぞれ複数個交互に並んで形成されている。第3片切り欠き部145の最深部は、第3片ミシン目143の長孔に繋がっている。
【0042】
図2に戻って、第3片中間部148の、第5接着領域147寄りの部分に、シート連結部材100の幅方向に延びる第3片ミシン目144が形成されている。第3片中間部148の、第5接着領域147寄りの部分に、第3片140の周縁から窪む第3片切り欠き部146が形成されている。第3片切り欠き部146の最深部が、第3片ミシン目144の長孔に繋がっている。
【0043】
シート連結部材100の高さ方向において、第3片折り線142は、第3片中間部148を二等分している。シート連結部材100の高さ方向における第3片折り線142と第3片ミシン目143との間隔は、シート連結部材100の高さ方向における第3片折り線142と第3片ミシン目144との間隔と、等しくなっている。
【0044】
第1片110と第4片150とは、一体に形成されている。シート連結部材100は、第1片110と第4片150との境界をなす第4片境界124を備えている。第4片境界124は、
図2においては二点鎖線で図示されている。第4片150は、シート連結部材100の高さ方向において、第1片110に対して第2片130とは反対側に突き出るように形成されている。
図2においては、第1片110の下方に第2片130が配置されており、第4片150は第1片110から上方に突き出している。
【0045】
第4片150における表面101に、後述する第6粘着部151が設けられる第6接着領域157が規定されている。第6接着領域157は、第4片150が第1片110から突き出る先端部に設けられている。シート連結部材100の幅方向における、第1片110の第2接着領域117の寸法と、第4片150の寸法とが等しくされている。シート連結部材100の幅方向における、第2接着領域117の寸法と第6接着領域157の寸法とが等しくされている。
【0046】
第4片150は、シート連結部材100の高さ方向における第6接着領域157と第4片境界124との間の、第4片中間部158を有している。第4片中間部158に、第4片折り線152が形成されている。第4片150の表面101に印刷された、シート連結部材100の幅方向に延びる一点鎖線が、第4片折り線152を構成している。第4片折り線152に沿って、折り曲げ用のプレス溝が形成されていてもよい。線の印刷に替えて、シート連結部材100の幅方向に延びるミシン目が、第4片折り線152を構成してもよい。
【0047】
第4片中間部158の、第4片境界124寄りの部分に、シート連結部材100の幅方向に延びる第4片ミシン目153が形成されている。第4片中間部158の、第4片境界124寄りの部分に、第4片150の周縁から窪む第4片切り欠き部155が形成されている。第4片切り欠き部155の最深部が、第4片ミシン目153の長孔に繋がっている。
【0048】
第4片中間部158の、第6接着領域157寄りの部分に、シート連結部材100の幅方向に延びる第4片ミシン目154が形成されている。第4片中間部158の、第6接着領域157寄りの部分に、第4片150の周縁から窪む第4片切り欠き部156が形成されている。第4片切り欠き部156の最深部が、第4片ミシン目154の長孔に繋がっている。
【0049】
シート連結部材100の高さ方向において、第4片折り線152は、第4片中間部158を二等分している。シート連結部材100の高さ方向における第4片折り線152と第4片ミシン目153との間隔は、シート連結部材100の高さ方向における第4片折り線152と第4片ミシン目154との間隔と、等しくなっている。
【0050】
シート連結部材100に形成される各ミシン目において、シート連結部材100の幅方向における長孔の長さが、シート連結部材100の幅方向における非カット部の長さと等しくてもよい。長孔の長さが、非カット部の長さと異なってもよい。たとえば、長孔の長さが、非カット部の長さの2倍であってもよい。
【0051】
図4は、粘着部を形成したシート連結部材100の概略構成を示す正面図である。
図4および以降の図において、粘着部は、ドットハッチングで図示されている。
【0052】
図2に示される第1接着領域116に、粘着性を有する接着層が形成されて、第1粘着部111が形成されている。第2接着領域117に、粘着性を有する接着層が形成されて、第2粘着部112が形成されている。第3接着領域136に、粘着性を有する接着層が形成されて、第3粘着部131が形成されている。第4接着領域137に、粘着性を有する接着層が形成されて、第4粘着部132が形成されている。第5接着領域147に、粘着性を有する接着層が形成されて、第5粘着部141が形成されている。第6接着領域157に、粘着性を有する接着層が形成されて、第6粘着部151が形成されている。
【0053】
上記の接着層は、各接着領域に粘着剤を塗布することによって形成されてもよい。繰り返しての貼り剥がしが可能な再剥離仕様の粘着剤が使用されてもよく、この場合には長尺シートを接着した後に貼り直しが可能になる。たとえば、マルウ接着株式会社製のRt-BN、Rt-H、SP-HおよびRnonなどを使用することができる。再剥離仕様でない粘着剤が使用されてもよい。たとえば、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製のAS-7715を使用することができる。または、接着層は、各接着領域に粘着シートを貼り付けることによって形成されてもよい。
【0054】
第1粘着部111と第2粘着部112とは、シート連結部材100の幅方向に間隔を空けて配置されている。第1粘着部111と第2粘着部112との間に、非接着領域118が介在している。第3粘着部131と第4粘着部132とは、シート連結部材100の幅方向に間隔を空けて配置されている。第3粘着部131と第4粘着部132との間に、非接着領域138が介在している。
【0055】
シート連結部材100の幅方向における、第1粘着部111の寸法と第3粘着部131の寸法とが等しくされている。シート連結部材100の幅方向における、第2粘着部112の寸法と第4粘着部132の寸法とが等しくされている。シート連結部材100の幅方向における、非接着領域118の寸法と非接着領域138の寸法とが等しくされている。
【0056】
第1粘着部111は、第2片境界122からシート連結部材100の高さ方向に間隔を空けて配置されている。第1粘着部111と第2片境界122との間に、非接着領域118Aが介在している。第2粘着部112は、第2片境界122からシート連結部材100の高さ方向に間隔を空けて配置されている。第2粘着部112と第2片境界122との間に、非接着領域118Bが介在している。
【0057】
第3粘着部131は、第2片境界122からシート連結部材100の高さ方向に間隔を空けて配置されている。第3粘着部131と第2片境界122との間に、非接着領域138Aが介在している。第4粘着部132は、第2片境界122からシート連結部材100の高さ方向に間隔を空けて配置されている。第4粘着部132と第2片境界122との間に、非接着領域138Bが介在している。
【0058】
第5粘着部141は、第3片境界123からシート連結部材100の高さ方向に間隔を空けて配置されている。シート連結部材100の幅方向における、第1粘着部111の寸法と第5粘着部141の寸法とが等しくされている。第5粘着部141と第3片境界123との間に、粘着部が設けられない第3片中間部148が介在している。
【0059】
第6粘着部151は、第4片境界124からシート連結部材100の高さ方向に間隔を空けて配置されている。シート連結部材100の幅方向における、第2粘着部112の寸法と第6粘着部151の寸法とが等しくされている。第6粘着部151と第4片境界124との間に、粘着部が設けられない第4片中間部158が介在している。
【0060】
図5は、剥離紙の第一の例を示す正面図である。剥離紙は、たとえば、各粘着部からの剥離を容易にする剥離加工、たとえば樹脂コーティング、を表面に施された紙で構成されている。
図5に示される剥離紙161は、シート連結部材100の全体を覆っている。剥離紙161は、
図4に示される第1粘着部111と第2粘着部112とを被覆している。剥離紙161は、第3粘着部131と第4粘着部132とをさらに被覆している。剥離紙161は、第5粘着部141をさらに被覆している。剥離紙161は、第6粘着部151をさらに被覆している。
【0061】
図6は、剥離紙の第二の例を示す正面図である。
図6には、シート連結部材100の高さ方向の上部を覆う剥離紙161と、シート連結部材100の高さ方向の下部を覆う第2剥離紙162とが図示されている。剥離紙161は、シート連結部材100の高さ方向における、第2片境界122からシート連結部材100の上端(すなわち、第3片140および第4片150の先端)までに亘る範囲を覆っている。剥離紙161は、第1片110と、第3片140と、第4片150とを覆っている。剥離紙161は、
図4に示される第1粘着部111と第2粘着部112とを被覆している。剥離紙161は、第5粘着部141をさらに被覆している。剥離紙161は、第6粘着部151をさらに被覆している。
【0062】
第2剥離紙162は、剥離紙161とは別体として構成されている。剥離紙161と第2剥離紙162とは連結されておらず、剥離紙161と第2剥離紙162との間には切れ目が介在している。第2剥離紙162は、シート連結部材100の高さ方向における、第2片境界122からからシート連結部材100の下端までに亘る範囲を覆っている。第2剥離紙162は、第2片130を覆っている。第2剥離紙162は、第3粘着部131と第4粘着部132とを被覆している。
【0063】
シート連結部材100の高さ方向における、第2剥離紙162の寸法が、第2片130の寸法よりも小さくてもよい。この場合、剥離紙161は、第2片境界122を超えて第2片130の一部を覆うように形成されてもよい。
【0064】
<長尺シートを連結する手順>
以上説明した構成を備えているシート連結部材100を使用して、長尺シートを連結する手順について説明する。以下に説明する通り、シート連結部材100の表面101に印刷されている丸囲みの算用数字は、シート連結部材100の各粘着部に長尺シートを接着する順序を示すものである。
【0065】
図7は、長尺シートを連結する第一の手順を示す模式図である。まず、第1片110、第3片140および第4片150を被覆する剥離紙161を剥がす。剥離紙161が剥がされることにより、第1粘着部111、第2粘着部112、第5粘着部141および第6粘着部151が露出する。
【0066】
図5に示される剥離紙161が用いられている場合、剥離紙161の全部が剥がされてもよく、第2片境界122の位置で剥離紙161が折り曲げられて剥離紙161が第2片130を被覆したままの状態とされてもよい。
図6に示される剥離紙161および第2剥離紙162の組み合わせが用いられている場合、剥離紙161の全部が剥がされ、一方、第2剥離紙162は剥がされずにそのままにされて第2剥離紙162が第2片130を被覆したままの状態とされる。
【0067】
図7に示されるように、第1の長尺シート、たとえば使用後の包装シートP1の終端部を、第1粘着部111に貼り付ける。このとき、使用後の包装シートP1の終端P1Eが終端配置領域119に配置されるように、貼り付けが行なわれる。また、使用後の包装シートP1における開放端Paが第3片140に向く配置となるように、貼り付けが行なわれる。
【0068】
図8は、長尺シートを連結する第二の手順を示す模式図である。
図8に示されるように、第3片140を、第3片折り線142に沿って折りたたむ。第3片140の先端部に設けられた第5粘着部141が、使用後の包装シートP1に重なり、第5粘着部141が使用後の包装シートP1の終端部に接着する。このとき第5粘着部141は、使用後の包装シートP1の終端部の、第1粘着部111が接着される面(
図8においては紙面奥側の面)とは反対側の面(
図8においては紙面手前側の面)に、接着される。第5粘着部141は、使用後の包装シートP1における開放端Pa寄りの部分に、接着される。
【0069】
第3片140を第3片折り線142に沿って折りたたんだ状態で、第3片ミシン目143と第3片ミシン目144とは互いに重なっている。第3片140を第3片折り線142に沿って折りたたんだ状態で、第3片切り欠き部145と第3片切り欠き部146とは互いに重なっている。
【0070】
図9は、長尺シートを連結する第三の手順を示す模式図である。
図9に示されるように、第2の長尺シート、たとえば使用前の包装シートP2の始端部を、第2粘着部112に貼り付ける。このとき、使用前の包装シートP2の始端P2Eが、始端配置領域120に配置されるように、貼り付けが行なわれる。シート連結部材100の幅方向において、使用後の包装シートP1の終端P1Eと、使用前の包装シートP2の始端P2Eとは、間隔を空けて配置されている。また、使用前の包装シートP2における開放端Paが第4片150に向く配置となるように、貼り付けが行なわれる。
【0071】
図10は、長尺シートを連結する第四の手順を示す模式図である。
図10に示されるように、第4片150を、第4片折り線152に沿って折りたたむ。第4片150の先端部に設けられた第6粘着部151が、使用前の包装シートP2に重なり、第6粘着部151が使用前の包装シートP2の始端部に接着する。このとき第6粘着部151は、使用前の包装シートP2の始端部の、第2粘着部112が接着される面(
図10においては紙面奥側の面)とは反対側の面(
図10においては紙面手前側の面)に、接着される。第6粘着部151は、使用前の包装シートP2における開放端Pa寄りの部分に、接着される。
【0072】
第4片150を第4片折り線152に沿って折りたたんだ状態で、第4片ミシン目153と第4片ミシン目154とは互いに重なっている。第4片150を第4片折り線152に沿って折りたたんだ状態で、第4片切り欠き部155と第4片切り欠き部156とは互いに重なっている。
【0073】
図11は、長尺シートを連結する第五の手順を示す模式図である。
図5に示される剥離紙161または
図6に示される第2剥離紙162を剥がして、第3粘着部131と第4粘着部132とを露出させる。
図11に示されるように、第2片130を、第2片境界122に沿って折りたたむ。第2片130に設けられた第3粘着部131が、使用後の包装シートP1に重なり、第3粘着部131が使用後の包装シートP1の終端部に接着する。このとき第3粘着部131は、使用後の包装シートP1の終端部の、第1粘着部111が接着される面(
図11においては紙面奥側の面)とは反対側の面(
図11においては紙面手前側の面)に、接着される。
【0074】
また、第2片130に設けられた第4粘着部132が、使用前の包装シートP2に重なり、第4粘着部132が使用前の包装シートP2の始端部に接着する。このとき第4粘着部132は、使用前の包装シートP2の始端部の、第2粘着部112が接着される面(
図11においては紙面奥側の面)とは反対側の面(
図11においては紙面手前側の面)に、接着される。
【0075】
折りたたまれた第2片130の一部分が、先に折りたたまれた第3片140の一部分と重なり、第4片150の一部分と重なっている。上述した通り、シート連結部材100の高さ方向において、第1片110よりも第2片130の寸法のほうが小さいので、折りたたまれた第2片130の端縁は第3片境界123および第4片境界124とは重ならない。そのため、第3片中間部148に形成される第3片ミシン目143,144には、第2片130は重ならない。第4片中間部158に形成される第4片ミシン目153,154には、第2片130は重ならない。
【0076】
図12は、長尺シートを連結する第六の手順を示す模式図である。作業者が第3片中間部148を手で持って第3片ミシン目143,144を切り取る。これにより、第3片中間部148が、第1片110から分離され、かつ、第5粘着部141から分離される。また作業者が第4片中間部158を手で持って第4片ミシン目153,154を切り取る。これにより、第4片中間部158が、第1片110から分離され、かつ、第6粘着部151から分離される。
【0077】
以上の各手順を経ることでシート連結部材100を介して連結された使用後の包装シートP1と使用前の包装シートP2とを、
図1に示される案内ローラ12に巻き掛ける。このとき、使用前の包装シートP2のロール体Qは、薬剤包装装置Aに取り付けられている。この状態で、シート搬送装置4を駆動させて、使用後の包装シートP1および使用前の包装シートP2を、搬送方向Xに沿って搬送させる。シート連結部材100が送りローラ41を通過して、一対の送りローラ41が使用前の包装シートP2を挟むようになるまで、使用前の包装シートP2を搬送させる。手作業での装填をしなくてもよくなることにより、使用前の包装シートP2を、薬剤包装装置Aに、容易にかつ安全に装填することが可能になる。
【0078】
これまでに説明した、使用後の包装シートP1と使用前の包装シートP2とを連結する手順と、使用前の包装シートP2を装填する手順とを、作業者がシート連結部材100を見ることで確認できるような構成としてもよい。このようにすれば、包装シートPを交換する作業に不慣れな作業者でも、包装シートの連結および装填の作業を手順通りに実行することが可能である。
【0079】
たとえば、使用後の包装シートP1と使用前の包装シートP2とを連結する手順と、使用前の包装シートP2を装填する手順との説明書きが、第2片130における表面101に印刷されていてもよい。使用後の包装シートP1と使用前の包装シートP2とを連結する手順と、使用前の包装シートP2を装填する手順との説明書きが、第1片110および第2片130の裏面に印刷されていてもよく、この場合、第2片130における表面101には、作業者に裏面に印刷された手順を確認することを促す注意書きが印刷されていてもよい。使用後の包装シートP1と使用前の包装シートP2とを連結する手順と使用前の包装シートP2を装填する手順との説明書きが印刷された別の紙片が、ミシン目を介して第1片110と一体に形成されてもよい。
【0080】
または、第2片130における表面101に、情報を白色および黒色のセルで縦横モザイク状に表示したマトリクス型二次元コードが印刷されてもよい。作業者が端末で二次元コードを読み取ることで、使用後の包装シートP1と使用前の包装シートP2とを連結する手順と、使用前の包装シートP2を装填する手順とを表示するウェブサイトに、作業者がアクセス可能とされてもよい。
【0081】
<作用および効果>
上述した説明と一部重複する記載もあるが、本実施形態の特徴的な構成および作用効果についてまとめて記載すると、以下の通りである。
【0082】
図4に示されるように、シート連結部材100は、表面101と、表面101とは反対側の裏面とを有する、シート状の形状を有している。表面101は、第1粘着部111と、第2粘着部112とを有している。
図7に示されるように、第1粘着部111に、使用後の包装シートP1の終端部が接着される。
図9に示されるように、第2粘着部112に、使用前の包装シートP2の始端部が接着される。シート連結部材100を使用して、第1粘着部111に使用後の包装シートP1の終端部を接着し第2粘着部112に使用前の包装シートP2の始端部を接着することで、使用後の包装シートP1の終端部と、使用前の包装シートP2の始端部とを容易に連結することができる。
【0083】
図4に示されるように、第1粘着部111と第2粘着部112とは、間隔を空けて配置されていてもよい。第1粘着部111と第2粘着部112との間に間隔がないと、シート連結部材100に接着された使用後の包装シートP1の終端部と使用前の包装シートP2の始端部とが互いに重なり、この場合、三角板14(
図1)を通過するときに使用前の包装シートP2の開放端Paが開かない可能性がある。または、第1片110の第1粘着部111および/または第2粘着部112と、第2片130の第3粘着部131および/または第4粘着部132とが強固に接着してしまい、折りたたまれたシート連結部材100が開かず、シート連結部材100が三角板14を通過できない可能性がある。
【0084】
第1粘着部111と第2粘着部112とが間隔を空けて配置されていることで、
図9に示されるように、第1粘着部111と第2粘着部112との間の非接着領域118に終端P1Eと始端P2Eとの両方を配置することが可能になる。これにより、三角板14を通過するときに使用前の包装シートP2の開放端Paを確実に開かせることができるので、使用前の包装シートP2を薬剤包装装置Aに容易に装填することができる。
【0085】
なお、
図9には、使用後の包装シートP1の終端P1Eと使用前の包装シートP2の始端P2Eとが離れた位置にある例が示されているが、使用後の包装シートP1の終端部と使用前の包装シートP2の始端部とが互いに重ならない配置であればよいので、終端P1Eと始端P2Eとは必ずしも離れた位置に配置されなくてもよい。すなわち、シート連結部材100の幅方向における終端P1Eと始端P2Eとの距離がゼロであってもよい。
【0086】
図5,6に示されるように、シート連結部材100は、第1粘着部111と第2粘着部112とを被覆する剥離紙161をさらに備えてもよい。一枚の剥離紙161を剥がす一度の作業で、第1粘着部111と第2粘着部112との両方を露出させることができるので、作業性を向上できる。
【0087】
図2,4に示されるように、シート連結部材100は、一体の第1片110と第2片130とを備えてもよい。第1片110の表面101が、第1粘着部111と第2粘着部112とを有してもよい。第2片130の表面101が、第3粘着部131と第4粘着部132とを有してもよい。
図9~11に示されるように、第3粘着部131は、使用後の包装シートP1の終端部の、第1粘着部111が接着される面とは反対側の面に接着されてもよい。第4粘着部132は、使用前の包装シートP2の始端部の、第2粘着部112が接着される面とは反対側の面に接着されてもよい。
【0088】
使用後の包装シートP1の終端部の一方の面に第1粘着部111を接着し他方の面に第3粘着部131を接着し、使用前の包装シートP2の始端部の一方の面に第2粘着部112を接着し他方の面に第4粘着部132を接着することで、使用後の包装シートP1と使用前の包装シートP2との連結の強度を向上できる。また、薬剤包装装置A内を搬送するときに包装シートPの開放端Paが意図しない位置で広がり経路からはみ出して装置に引っ掛かることを、確実に抑制することができる。
【0089】
図4に示されるように、第3粘着部131と第4粘着部132とは、間隔を空けて配置されていてもよい。これにより、第3粘着部131と第4粘着部132との間の非接着領域138に終端P1Eと始端P2Eとの両方を配置することが可能になる。三角板14を通過するときに使用前の包装シートP2の開放端Paを確実に開かせることができるので、使用前の包装シートP2を薬剤包装装置Aに容易に装填することができる。
【0090】
図5に示されるように、剥離紙161は、第3粘着部131と第4粘着部132とをさらに被覆してもよい。一枚の剥離紙161を剥がす一度の作業で、第1粘着部111および第2粘着部112に加えて第3粘着部131と第4粘着部132とを露出させることができるので、作業性を向上できる。
【0091】
図6に示されるように、シート連結部材100は、第3粘着部131と第4粘着部132とを被覆する、剥離紙161とは別体の第2剥離紙162をさらに備えてもよい。このようにすれば、第1粘着部111および第2粘着部112に包装シートPを接着する作業中に、誤って第3粘着部131または第4粘着部132に包装シートPが貼り付くことを防止できる。適切な位置から外れた位置または意図しない位置で包装シートPがシート連結部材100に貼り付くことを回避でき、包装シートPを適切な位置でシート連結部材100に接着することができる。
【0092】
図2,4に示されるように、第1片110と第2片130との境界をなす第2片境界122に、折り線が形成されていてもよい。作業者は、折り線に沿って、第2片130を第1片110に対して折り曲げる作業を容易に行なうことができる。
【0093】
図2,4に示されるように、第1片110と第2片130との境界をなす第2片境界122に、ミシン目が形成されていてもよい。第2片境界122にミシン目を形成することで、第1片110と第2片130とは、第2片境界122において容易に分離することが可能になる。シート連結部材100で連結された使用後の包装シートP1と使用前の包装シートP2とを、薬剤包装装置A内を搬送させる途中で、シート連結部材100にねじれ方向の負荷が作用するときに、第1片110と第2片130とが分離することで、ねじれの負荷を吸収することができる。
【0094】
図4に示されるように、第1粘着部111は、第2片境界122から間隔を空けて配置されていてもよい。第2粘着部112は、第2片境界122から間隔を空けて配置されていてもよい。第1粘着部111と第2片境界122との間の非接着領域118Aに使用後の包装シートP1の終端部を仮置きして、シート連結部材100に対する使用後の包装シートP1の位置決めをし、その上で使用後の包装シートP1を第1粘着部111に接着することができる。第2粘着部112と第2片境界122との間の非接着領域118Bに使用前の包装シートP2の始端部を仮置きして、シート連結部材100に対する使用前の包装シートP2の位置決めをし、その上で使用前の包装シートP2を第2粘着部112に接着することができる。これにより、包装シートPが傾いた姿勢でシート連結部材100に貼り付くことを抑制でき、包装シートPを適切な姿勢でシート連結部材100に接着することができる。
【0095】
図2,4に示されるように、シート連結部材100は、第1片110と一体に形成され、第1片110から第2片130とは反対側に突き出る第3片140をさらに備えてもよい。第3片140の表面101は、第5粘着部141を有してもよい。
図7,8に示されるように、第5粘着部141は、使用後の包装シートP1の終端部の、第1粘着部111が接着される面とは反対側の面に接着されてもよい。
【0096】
第3片140を折り曲げて第5粘着部141を使用後の包装シートP1に接着することで、使用後の包装シートP1の終端部の、第1粘着部111が接着される面とは反対側の面を第3片140で仮押さえすることができる。これにより、第2片130を第2片境界122に沿って折りたたむ際に、使用後の包装シートP1の終端部の、第1粘着部111が接着される面とは反対側の面がカールしてしまうことを抑制することができる。
【0097】
図4に示されるように、第5粘着部141は、第1片110と第3片140との境界をなす第3片境界123から間隔を空けて配置され、第3片140は第3片境界123と第5粘着部141との間の第3片中間部148をさらに有し、第3片中間部148に第3片折り線142が形成されてもよい。作業者は、第3片折り線142に沿って、第3片140を第1片110に対して折り曲げる作業を容易に行なうことができる。
【0098】
図2,4に示されるように、第3片中間部148に、第3片ミシン目143,144が形成されていてもよい。作業者は、第3片ミシン目143を切り取ることで第3片中間部148を第1片110から容易に分離させることができ、第3片ミシン目144を切り取ることで第3片中間部148を第5粘着部141から容易に分離させることができる。
【0099】
図2,4に示されるように、第3片中間部148に、第3片140の周縁から窪む第3片切り欠き部145,146が形成されていてもよい。
図3に示されるように第3片切り欠き部145の最深部が第3片ミシン目143に繋がり、第3片切り欠き部146の最深部が第3片ミシン目144に繋がってもよい。これにより、第3片ミシン目143,144の切り取りがより容易になる。
【0100】
図12に示されるように、第3片中間部148は、第1片110から分離可能に形成され、かつ、第5粘着部141から分離可能に形成されていてもよい。第3片140を折り曲げて第5粘着部141を包装シートPに接着した後に、第3片中間部148を第1片110から分離させ第5粘着部141から分離させることで、包装シートPからシート連結部材100が突き出る寸法を小さくできる。典型的には、包装シートPからシート連結部材100が突き出ないようにすることができる。シート連結部材100を薬剤包装装置A内を搬送させるときに、包装シートPからはみ出る部分が装置に引っ掛かることを、確実に抑制することができる。
【0101】
図5,6に示されるように、剥離紙161は、第5粘着部141をさらに被覆してもよい。一枚の剥離紙161を剥がす一度の作業で、第1粘着部111および第2粘着部112に加えて第5粘着部141を露出させることができるので、作業性を向上できる。
【0102】
図2,4に示されるように、シート連結部材100は、第1片110と一体に形成され、第1片110から第2片130とは反対側に突き出る第4片150をさらに備えてもよい。第4片150の表面101は、第6粘着部151を有してもよい。
図9,10に示されるように、第6粘着部151は、使用前の包装シートP2の始端部の、第2粘着部112が接着される面とは反対側の面に接着されてもよい。
【0103】
第4片150を折り曲げて第6粘着部151を使用前の包装シートP2に接着することで、使用前の包装シートP2の始端部の、第2粘着部112が接着される面とは反対側の面を第4片150で仮押さえすることができる。これにより、第2片130を第2片境界122に沿って折りたたむ際に、使用前の包装シートP2の始端部の、第2粘着部112が接着される面とは反対側の面がカールしてしまうことを抑制することができる。
【0104】
図4に示されるように、第6粘着部151は、第1片110と第4片150との境界をなす第4片境界124から間隔を空けて配置され、第4片150は第4片境界124と第6粘着部151との間の第4片中間部158をさらに有し、第4片中間部158に第4片折り線152が形成されてもよい。作業者は、第4片折り線152に沿って、第4片150を第1片110に対して折り曲げる作業を容易に行なうことができる。
【0105】
図2,4に示されるように、第4片中間部158に、第4片ミシン目153,154が形成されていてもよい。作業者は、第4片ミシン目153を切り取ることで第4片中間部158を第1片110から容易に分離させることができ、第4片ミシン目154を切り取ることで第4片中間部158を第6粘着部151から容易に分離させることができる。
【0106】
図2,4に示されるように、第4片中間部158に、第4片150の周縁から窪む第4片切り欠き部155,156が形成されていてもよい。第4片切り欠き部155の最深部が第4片ミシン目153に繋がり、第4片切り欠き部156の最深部が第4片ミシン目154に繋がってもよい。これにより、第4片ミシン目153,154の切り取りがより容易になる。
【0107】
図12に示されるように、第4片中間部158は、第1片110から分離可能に形成され、かつ、第6粘着部151から分離可能に形成されていてもよい。第4片150を折り曲げて第6粘着部151を包装シートPに接着した後に、第4片中間部158を第1片110から分離させ第6粘着部151から分離させることで、包装シートPからシート連結部材100が突き出る寸法を小さくできる。典型的には、包装シートPからシート連結部材100が突き出ないようにすることができる。シート連結部材100を薬剤包装装置A内を搬送させるときに、包装シートPからはみ出る部分が装置に引っ掛かることを、確実に抑制することができる。
【0108】
図5,6に示されるように、剥離紙161は、第6粘着部151をさらに被覆してもよい。一枚の剥離紙161を剥がす一度の作業で、第1粘着部111および第2粘着部112に加えて第6粘着部151を露出させることができるので、作業性を向上できる。
【0109】
[第2実施形態]
図13は、第2実施形態のシート連結部材100の概略構成を示す正面図である。
図13に示される第2実施形態のシート連結部材100は、第3片140および第4片150の構成において、第1実施形態とは異なっている。
【0110】
第2実施形態の第3片140では、第3片中間部148に、シート連結部材100の幅方向に延びる第3片ミシン目143が形成されている。第3片中間部148に、第3片140の周縁から窪む第3片切り欠き部145が形成されている。シート連結部材100の高さ方向において、第3片ミシン目143は、第3片中間部148を二等分している。シート連結部材100の高さ方向における第3片境界123と第3片ミシン目143との間隔は、シート連結部材100の高さ方向における第3片ミシン目143と第5粘着部141との間隔と、等しくなっている。
【0111】
第3片中間部148には、1つの第3片ミシン目143が形成されており、
図4に示される第3片ミシン目144は、第2実施形態の第3片中間部148には形成されない。第2実施形態の第3片中間部148には、
図4に示される第3片折り線142は形成されない。
【0112】
第2実施形態の第4片150では、第4片中間部158に、シート連結部材100の幅方向に延びる第4片ミシン目153が形成されている。第4片中間部158に、第4片150の周縁から窪む第4片切り欠き部155が形成されている。シート連結部材100の高さ方向において、第4片ミシン目153は、第4片中間部158を二等分している。シート連結部材100の高さ方向における第4片境界124と第4片ミシン目153との間隔は、シート連結部材100の高さ方向における第4片ミシン目153と第6粘着部151との間隔と、等しくなっている。
【0113】
第4片中間部158には、1つの第4片ミシン目153が形成されており、
図4に示される第4片ミシン目154は、第2実施形態の第4片中間部158には形成されない。第2実施形態の第4片中間部158には、
図4に示される第4片折り線152は形成されない。
【0114】
第2実施形態のシート連結部材100を使用して使用後の包装シートP1の終端部と使用前の包装シートP2の始端部とを連結する際には、第1粘着部111に使用後の包装シートP1の終端部を接着した後、第3片140を第3片ミシン目143に沿って折りたたむ。第2粘着部112に使用前の包装シートP2の始端部を接着した後、第4片150を第4片ミシン目153に沿って折りたたむ。第2片130を第2片境界122に沿って折りたたんだ後、第3片中間部148の分離はされず、第4片中間部158の分離はされずに、使用後の包装シートP1と使用前の包装シートP2との連結が終了する。このように、第2実施形態のシート連結部材100によっても、使用後の包装シートP1の終端部と使用前の包装シートP2の始端部とを容易に連結することができる。
【0115】
シート連結部材100を介して連結された使用後の包装シートP1と使用前の包装シートP2とを、
図1に示される案内ローラ12に巻き掛ける。この状態で、シート搬送装置4を駆動させて、使用後の包装シートP1および使用前の包装シートP2を、搬送方向Xに沿って搬送させる。シート連結部材100が三角板14を通過する時に、第3片ミシン目143に沿って第3片中間部148が2つに分かれ、第4片ミシン目153に沿って第4片中間部158が2つに分かれる。第3片中間部148に第3片切り欠き部145が形成されていることで、第3片中間部148の分離が容易になっている。第4片中間部158に第4片切り欠き部155が形成されていることで、第4片中間部158の分離が容易になっている。
【0116】
したがって、第1実施形態と同様に、使用前の包装シートP2を薬剤包装装置Aに容易にかつ安全に装填することができる。
【0117】
なお、これまでの説明においては、薬剤包装装置Aに用いられる包装シートPを長尺シートの一例として説明したが、長尺シートは包装シートPに限られない。たとえば、シュリンク包装およびピロー包装などの包装に用いられるプラスチックフィルム、パウチなどの袋状容器が連続して配列されて長尺状に連なるシート材などの、他の長尺シートを連結するために、実施形態のシート連結部材100を使用してもよい。
【0118】
以上のように実施形態について説明を行なったが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0119】
100 シート連結部材、101 表面、110 第1片、111 第1粘着部、112 第2粘着部、113 中心線、114,115 仕切線、116 第1接着領域、117 第2接着領域、118,118A,118B,138,138A,138B 非接着領域、119 終端配置領域、120 始端配置領域、122 第2片境界、123 第3片境界、124 第4片境界、130 第2片、131 第3粘着部、132 第4粘着部、136 第3接着領域、137 第4接着領域、140 第3片、141 第5粘着部、142 第3片折り線、143,144 第3片ミシン目、145,146 第3片切り欠き部、147 第5接着領域、148 第3片中間部、150 第4片、151 第6粘着部、152 第4片折り線、153,154 第4片ミシン目、155,156 第4片切り欠き部、157 第6接着領域、158 第4片中間部、161 剥離紙、162 第2剥離紙、A 薬剤包装装置、P 包装シート、Pa 開放端、P1 使用後の包装シート、P1E 終端、P2 使用前の包装シート、P2E 始端。