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特開2022-169309輻射パネル及び輻射パネルの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169309
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】輻射パネル及び輻射パネルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   F24D 19/00 20060101AFI20221101BHJP
   F28F 9/02 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
F24D19/00 C
F28F9/02 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021075264
(22)【出願日】2021-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】502444733
【氏名又は名称】日軽金アクト株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】516093541
【氏名又は名称】株式会社エース・ウォーター
(74)【代理人】
【識別番号】100096644
【弁理士】
【氏名又は名称】中本 菊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100083998
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 丈夫
(72)【発明者】
【氏名】石川 博光
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 栄徳
(72)【発明者】
【氏名】朴 王丹
(72)【発明者】
【氏名】樋上 博幸
(72)【発明者】
【氏名】川島 潤一郎
【テーマコード(参考)】
3L073
【Fターム(参考)】
3L073BB03
3L073BB05
3L073BB06
(57)【要約】
【課題】ヘッダー内への仕切り部材の取付を容易かつ水密性を確実にすると共に、製造コストの削減が図れる、輻射パネル及び輻射パネルの製造方法を提供する。
【解決手段】上下に対峙する上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bと、上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bの連通路6c(中空部)に接続される複数の水管11とを具備する輻射パネルにおいて、上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bの連通路6c内に、水流を規定するための端部仕切り部材7Aと中間仕切り部材7Bを設ける。端部仕切り部材7Aと中間仕切り部材7Bは、連通路6cに密接する水密用パッキン7eを有すると共に、連通路6cに対して摺動可能に形成され、連通路6c(中空部)内に加圧される水圧によって所定位置に配置される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に対峙する上部ヘッダー及び下部ヘッダーと、上記両ヘッダーの中空部に接続される複数の水管とを具備する輻射パネルであって、
上記両ヘッダーの上記中空部には水流を規定するための仕切り部材が設けられており、
上記仕切り部材は、上記中空部に密接する水密用パッキンを有すると共に、上記中空部に対して摺動可能に形成されている、
ことを特徴とする輻射パネル。
【請求項2】
請求項1に記載の輻射パネルにおいて、
上記両ヘッダーは、上記中空部と外部とを仕切る端部用の仕切り部材を有し、
上記両ヘッダーの少なくとも一方のヘッダーには、上記中空部の中間部を仕切る中間用の仕切り部材を有し、
上記端部用の仕切り部材は、上記両ヘッダーの端部同士を連結する縦枠によって摺動が規制され、
上記中間用の仕切り部材は、上記中空部に接続される際に上記中空部内に突出する上記水管の端部によって摺動が規制されている、
ことを特徴とする輻射パネル。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の輻射パネルにおいて、
上記仕切り部材は、上記両ヘッダーの上記中空部の長手方向に沿って前部材と後部材に分割されていると共に、上記前部材及び上記後部材は締結部材によって連結され、
上記水密用パッキンは、上記前部材と上記後部材によって挟持されている、
ことを特徴とする輻射パネル。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の輻射パネルにおいて、
上記両ヘッダーの対向面にそれぞれ設けられた水管挿入用孔内に挿入されるヘッダー用パッキンと、上記ヘッダー用パッキンを上記両ヘッダーに保持するパッキン押えとを具備し、
上記パッキン押えは、上記両ヘッダーの長手方向の両側設けられた係止溝に係合されている、
ことを特徴とする輻射パネル。
【請求項5】
請求項4に記載の輻射パネルにおいて、
上記パッキン押えは、上記水管挿入用孔を残して上記両ヘッダーの対向面を覆う水平片と、上記水平片の両側縁から折曲されて上記対向面に隣接する側面を覆う脚片とを具備し、上記脚片の先端に設けられた係止爪が、上記両ヘッダーに設けられた外側係止溝に係合されている、ことを特徴とする輻射パネル。
【請求項6】
請求項4に記載の輻射パネルにおいて、
上記パッキン押えは、上記水管挿入用孔に連通する貫通孔を有する板部材にて形成され、上記板部材の長手方向の両側縁が、上記両ヘッダーの上記対向面に設けられた狭隘開口部の内側係止溝に係合されている、ことを特徴とする輻射パネル。
【請求項7】
上下に対峙する上部ヘッダー及び下部ヘッダーと、上記両ヘッダーの中空部に接続される複数の水管とを具備する輻射パネルの製造方法であって、
上記両ヘッダーの上記中空部内に水密用パッキンを有する仕切り部材を摺動可能に挿入する工程と、
上記両ヘッダーの対向面に設けられた水管挿入用孔に上記水管の上下端部を挿入する工程と、
上記両ヘッダーの上記中空部を塞いだ状態で、上記両ヘッダーの両端部を縦枠によって連結する工程と、
上記両ヘッダーの上記中空部内に水圧を加えて、上記仕切り部材を所定の位置に配置する工程と、
を備えることを特徴とする輻射パネルの製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の輻射パネルの製造方法において、
上記仕切り部材を規定の位置に配置する工程は、上記仕切り部材の摺動を上記縦枠によって規制して配置する工程と、上記仕切り部材の摺動を上記中空部に接続される際に上記中空部内に突出する上記水管の端部によって規制して配置する工程とを含む、ことを特徴とする輻射パネルの製造方法。
【請求項9】
請求項7に記載の輻射パネルの製造方法において、
上記水管の上下端部を上記両ヘッダーの上記水管挿入用孔内に挿入する前に、上記水管挿入用孔内にヘッダー用パッキンを挿入し、上記ヘッダー用パッキンをパッキン押えによって保持する工程を備える、ことを特徴とする輻射パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、輻射パネル及び輻射パネルの製造方法に関するもので、更に詳細には、上下に対峙する上部ヘッダー及び下部ヘッダーと、上記両ヘッダーに接続される複数の水管とを具備する輻射パネル及び輻射パネルの製造方法に関するものある。
【背景技術】
【0002】
従来、輻射パネルとして、上下に対峙する上部ヘッダーと下部ヘッダーと、両ヘッダーに接続される複数の水管とを具備する冷暖房用輻射パネルが知られている。
【0003】
この種の輻射パネルにおいては、水管内を流れる冷温水による輻射熱(放射熱)を効率よくパネル前面に放熱するために、ヘッダーに仕切り板を設けて、冷温水の流れを均一にして輻射熱(放射熱)の温度分布の乱れを抑制する工夫がなされている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
特許文献1に記載のものは、仕切り板をヘッダーの中央に嵌め込む構造が開示されており、また、特許文献2に記載のものは、ヘッダー内仕切り板を固着する構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-107151号公報(特に、図10参照)
【特許文献2】登録実用新案第3025801号公報(特に、図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1,2に記載のものは、いずれもパイプ状あるいは角筒状のヘッダー内に仕切り板を設ける構造であるため、長尺のヘッダーの中空部内の規定の位置に水密性を持たせた仕切り板を設けるには困難が伴い、輻射パネル自体の製造コストが嵩む懸念がある。
【0007】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ヘッダー内への仕切り部材の取付を容易かつ水密性を確実にすると共に、製造コストの削減が図れる、輻射パネル及び輻射パネルの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために、第1の発明は、上下に対峙する上部ヘッダー及び下部ヘッダーと、上記両ヘッダーの中空部に接続される複数の水管とを具備する輻射パネルであって、上記両ヘッダーの上記中空部には水流を規定するための仕切り部材が設けられており、上記仕切り部材は、上記中空部に密接する水密用パッキンを有すると共に、上記中空部に対して摺動可能に形成されている、ことを特徴とする(請求項1)。
【0009】
このように構成することにより、ヘッダーの中空部内に水密用パッキンを有する仕切り部材を摺動させて配置することができる。
【0010】
この発明において、上記両ヘッダーは、上記中空部と外部とを仕切る端部用の仕切り部材を有し、上記両ヘッダーの少なくとも一方のヘッダーには、上記中空部の中間部を仕切る中間用の仕切り部材を有し、上記端部用の仕切り部材は、上記両ヘッダーの端部同士を連結する縦枠によって摺動が規制され、上記中間用の仕切り部材は、上記中空部に接続される際に上記中空部内に突出する上記水管の端部によって摺動が規制されているのが好ましい(請求項2)。
【0011】
このように構成することにより、端部用の仕切り部材によって両ヘッダーの中空部と外部とを遮断してヘッダーの中空部を密閉し、少なくとも一方のヘッダーの中空部の中間部を中間用の仕切り部材によって水密性を持たせて仕切ることができる。
【0012】
また、この発明において、上記仕切り部材は、上記両ヘッダーの上記中空部の長手方向に沿って前部材と後部材に分割されていると共に、上記前部材及び上記後部材は締結部材によって連結され、上記水密用パッキンは、上記前部材と上記後部材によって挟持されているのが好ましい(請求項3)。
【0013】
このように構成することにより、仕切り部材に水密用パッキンを容易かつ強固に取り付けることができ、仕切り部材の水密性の維持を図ることができる。
【0014】
また、この発明において、上記両ヘッダーの対向面にそれぞれ設けられた水管挿入用孔内に挿入されるヘッダー用パッキンと、上記ヘッダー用パッキンを上記両ヘッダーに保持するパッキン押えとを具備し、上記パッキン押えは、上記両ヘッダーの長手方向の両側設けられた係止溝に係合されているのが好ましい(請求項4)。
【0015】
この場合、上記パッキン押えは、上記水管挿入用孔を残して上記両ヘッダーの対向面を覆う水平片と、上記水平片の両側縁から折曲されて上記対向面に隣接する側面を覆う脚片とを具備し、上記脚片の先端に設けられた係止爪が、上記両ヘッダーに設けられた外側係止溝に係合されている(請求項5)。これに代えて、上記パッキン押えは、上記水管挿入用孔に連通する貫通孔を有する板部材にて形成され、上記板部材の長手方向の両側縁が、上記両ヘッダーの上記対向面に設けられた狭隘開口部の内側係止溝に係合されている(請求項6)。
【0016】
上記のように構成することにより、固定部材を用いることなく、水管挿入用孔内に挿入されたヘッダー用パッキンを容易かつ確実に保持することができる。
【0017】
上記課題を達成する第2の発明は、上下に対峙する上部ヘッダー及び下部ヘッダーと、上記両ヘッダーの中空部に接続される複数の水管とを具備する輻射パネルの製造方法であって、上記両ヘッダーの上記中空部内に水密用パッキンを有する仕切り部材を摺動可能に挿入する工程と、上記両ヘッダーの対向面に設けられた水管挿入用孔に上記水管の上下端部を挿入する工程と、上記両ヘッダーの上記中空部を塞いだ状態で、上記両ヘッダーの両端部を縦枠によって連結する工程と、上記両ヘッダーの上記中空部内に水圧を加えて、上記仕切り部材を所定の位置に配置する工程と、を備えることを特徴とする(請求項7)。
【0018】
この場合、上記仕切り部材を規定の位置に配置する工程は、上記仕切り部材の摺動を上記縦枠によって規制して配置する工程と、上記仕切り部材の摺動を上記中空部に接続される際に上記中空部内に突出する上記水管の端部によって規制して配置する工程とを含むのが好ましい(請求項8)。
【0019】
このように構成することにより、両ヘッダーの中空部内に水密用パッキンを有する仕切り部材を摺動可能に挿入した後、両ヘッダーの対向面に設けられた水管挿入用孔に水管の上下端部を挿入し、両ヘッダーの中空部を塞いだ状態で、両ヘッダーの両端部を縦枠によって連結して輻射パネルを組み立てることができる。そして、両ヘッダーの中空部内に水圧を加えることで、水圧によって仕切り部材は中空部内を摺動して所定の位置に配置される。この場合、ヘッダーの中空部の両端側の端部用の仕切り部材は、両ヘッダーの端部同士を連結する縦枠によって摺動が規制されてヘッダーの両端部に配置され、中空部の中間部の中間用の仕切り部材は、中空部に接続される際に中空部内に突出する水管の端部によって摺動が規制されてヘッダーの中間部に配置される(請求項8)。
【0020】
また、第2の発明において、上記水管の上下端部を上記両ヘッダーの上記水管挿入用孔内に挿入する前に、上記水管挿入用孔内にヘッダー用パッキンを挿入し、上記ヘッダー用パッキンをパッキン押えによって保持する工程を備えるのが好ましい(請求項9)。
【0021】
このように構成することにより、水管挿入用孔内にヘッダー用パッキンを挿入し、パッキン押えによってヘッダー用パッキンを保持した状態で、ヘッダーの水管挿入用孔内に水管の端部を挿入することができる。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、上記のように構成されているので、以下のような顕著な効果が得られる。
【0023】
(1)請求項1,2に記載の発明によれば、ヘッダーの中空部内に水密用パッキンを有する仕切り部材を摺動させて配置することができるので、水密性を維持した状態で、ヘッダー内への仕切り部材の取付を容易かつ確実にすることができると共に、製造コストの削減が図れる。
【0024】
(2)請求項3に記載の発明によれば、上記(1)に加えて、仕切り部材に水密用パッキンを容易かつ強固に取り付けることができ、仕切り部材の水密性の維持を図ることができる。
【0025】
(3)請求項4~6に記載の発明によれば、固定部材を用いることなく、水管挿入用孔内に挿入されたヘッダー用パッキンを容易かつ確実に保持することができるので、上記(1),(2)に加えて、更に輻射パネル自体の水密性の向上が図れる。
【0026】
(4)請求項7,8に記載の発明によれば、両ヘッダーの中空部内に水密用パッキンを有する仕切り部材を摺動可能に挿入し、両ヘッダーに設けられた水管挿入用孔に水管の上下端部を挿入し、両ヘッダーの両端部を縦枠によって連結して輻射パネルを組み立てることができる。そして、両ヘッダーの中空部内に水圧を加えて仕切り部材を中空部内を摺動して所定の位置に配置することができので、水密性を維持した状態で、ヘッダー内への仕切り部材の取付を容易かつ確実にすることができると共に、製造コストの削減が図れる。
【0027】
(5)請求項9に記載の発明によれば、水管挿入用孔内にヘッダー用パッキンを挿入し、パッキン押えによってヘッダー用パッキンを保持した状態で、ヘッダーの水管挿入用孔内に水管の端部を挿入することができるので、上記(4)に加えて、更に輻射パネル自体の水密性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】この発明に係る輻射パネルの第1実施形態の一部を断面で示す概略正面図(a)、(a)のII部拡大断面図(b)及び(a)のIII部拡大断面図(c)である。
図2図1のI-I線に沿う断面図である。
図3A】この発明における端部仕切り部材の取付状態を示す断面図である。
図3B図3AのIV-IVに沿う断面図である。
図4A】この発明における中間用仕切り部材の取付状態を示す断面図である。
図4B図4AのV-V線に沿う断面図である。
図5】この発明における上部ヘッダー及び下部ヘッダーと水管の取付状態を示す断面図である。
図6図5のIV-IV線に沿う断面図である。
図7】この発明における仕切り部材と水密用パッキンを示す分解斜視図である。
図8】この発明における下部ヘッダー、ヘッダー用パッキン及びパッキン押えを示す分解斜視図である。
図9】この発明におけるヘッダーとパッキン押えの別の係止状態を示す断面図である。
図10】この発明における放熱体を示す側面図である。
図11】上記放熱体の拡大断面図である。
図12】上記放熱体の上端部を示す要部斜視図である。
図13】この発明における両ヘッダー、仕切り部材及び水管の組立状態を示す概略正面図(a)、(a)のVII部拡大断面図(b)及び(a)のVIII部拡大断面図である。
図14】この発明に係る輻射パネルの第2実施形態の一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、この発明を実施するための形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、この発明に係る輻射パネル1は、体育館を含む屋内施設内の壁面に沿って配設され、熱源(図示せず)から供給される熱媒体である冷温水を内部に循環させて冷気や暖気を輻射させることにより屋内施設内の冷暖房に使用される場合について説明する。
【0030】
<第1実施形態>
輻射パネル1は、図1及び図2に示すように、左右一対の縦枠2と、両縦枠2の上端に架設される上枠3と、両縦枠2の下部に架設される下枠4で形成された矩形状のパネル枠体5と、パネル枠体5内において、上下に対峙する一対の上部ヘッダー6a,下部ヘッダー6bと、上部ヘッダー6aと下部ヘッダー6bの中空部すなわち連通路6cに水管11を介して接続される互いに平行な複数、例えば12列の放熱体10と、放熱体10に装着される防球部20とを具備する。放熱体10の背面部の上端部、下端部及び中間部は、両縦枠2に固定された断面中空矩形状の横桟(図示せず)によって保持されている。また、複数の放熱体10の上下端は保持板(図示せず)によって連結・保持されている。なお、縦枠2、上枠3、下枠4は、アルミニウム合金製の押出形材にて形成されている。
ここでは、放熱体10が12列配置される場合について説明したが、放熱体10の数は輻射パネル1の幅寸法に合わせて任意に設定される。
【0031】
パネル枠体5の背面部には、表面に熱反射板8を有する断熱材9が取り付けられている。また、パネル枠体5内の背面側の放熱体10の下方位置に両縦枠2と断熱材9に固定される樋状のドレン70が配置されている。ドレン70の中央部の2箇所にはドレン管71が接続されている(図1参照)。
【0032】
上部ヘッダー6aの連通路6c内には上部ヘッダー6a内と外部とを仕切る一対の端部用の仕切り部材7A(以下に、端部仕切り部材7Aという)が配置されている。端部仕切り部材7Aは水密用パッキン7eを有しており、水密用パッキン7eによって上部ヘッダー6a内と外部とが水密状態に仕切られている。なお、上部ヘッダー6aの長手方向の2箇所にはエアー抜き弁53が取り付けられている。
【0033】
下部ヘッダー6bの連通路6c内には下部ヘッダー6bと外部とを仕切る一対の端部仕切り部材7Aと連通路6cの中間部を仕切る中間用の仕切り部材7B(以下に中間仕切り部材7Bという)が配置されている。端部仕切り部材7Aと中間仕切り部材7Bは、上記と同様に水密用パッキン7eを有しており、水密用パッキン7eによって下部ヘッダー6b内と外部とが水密状態に仕切られると共に、下部ヘッダー6bの中間部が水密状態に仕切られている。この場合、中間仕切り部材7Bによって、下部ヘッダー6bの連通路6cは、供給配管51に接続する流入側空間6dと排水配管52に接続する流出側空間6eに仕切られている。なお、供給配管51及び排出配管52にはそれぞれエアー抜き弁53が取り付けられている。
【0034】
端部仕切り部材7Aと中間仕切り部材7Bは同様の構造に形成されている。すなわち、端部仕切り部材7Aと中間仕切り部材7Bは、図3A図4A及び図7に示すように、上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bの中空部すなわち連通路6cの長手方向に沿って前部材7aと後部材7bに分割されていると共に、前部材7a及び後部材7bは締結部材である締結ねじ7cによって連結され、水密用パッキン7eは、前部材7aと後部材7bによって挟持されている。
【0035】
この場合、前部材7aは、円柱状基部7a1の後端側に水密用パッキン7eの挿入用の周溝7a2が設けられ、周溝7a2を設けた後端面に締結ねじ7cが螺合するねじ孔7dが設けられている。後部材7bは、前部材7aの円柱状基部7a1の外周径と略同径の円板にて形成されており、中心部に締結ねじ7cが貫通可能な取付孔7gが穿設されている。なお、前部材7aと後部材7bはいずれもアルミニウム製部材にて形成されている。
【0036】
周溝7a2内に挿入され、前部材7aと後部材7bによって挟持される水密用パッキン7eは、例えば、ポリウレタンゴム,ニトリルゴム,フッ素ゴム等の合成ゴム製の断面U字状のUパッキンにて形成されている。なお、水密用パッキン7eをUパッキンに代えてOリング7fにて形成してもよい(図7参照)。
【0037】
放熱体10は、図10図12に示すように、上部ヘッダー6a,下部ヘッダー6bに連通する水管11と、水管11の長手方向の側面から水管11に対して略直交状に延在する直状基部12と、直状基部12の両側面からそれぞれ互いに平行に突出する複数例えば左右にそれぞれ8個の放熱フィン13とを一体にしたアルミニウム合金製の押出形材にて形成されている。なお、放熱フィン13の数は左右に8個である必要はなく、任意の複数であってもよい。
【0038】
この場合、水管11の熱媒体の流通路には直状基部12の延長線上から流通路内に突出する一対のリブ11a,11bと、これと直交する方向に流通路内に突出する一対のリブ11c,11dが設けられている。このように、水管11の流通路内に互いに直交状に位置する二対のリブ11a,11b;11c,11dを設けることによって水管11の流通路内を流れる熱媒体の伝熱性能の向上が図れる。
【0039】
また、直状基部12の先端部には凸円弧状の膨隆突起12aが設けられている。放熱フィン13は直状基部12の肉厚より若干肉薄に形成されており、各放熱フィン13の先端部は肉厚に形成されている。また、管部11に直近の放熱フィン13と直状基部12との連結部14は肉厚となっており、直状基部12から放熱フィン13に向かって狭小のテーパーが設けられている。このように、管部11に直近の放熱フィン13と直状基部12の連結部14をその他の放熱フィン13と直状基部12の連結部より肉厚にし、放熱フィン13に向かって狭小のテーパーを設けることにより、管部11に直近の放熱フィン13の水管側面が他の放熱フィン13より解放空間があるため、対流熱伝達率が他より大きくなり、バランス上連結部14を肉厚にして熱伝導をよくすることができる。また、各放熱フィン13の先端部を肉厚にすることにより、他の部分より対流熱伝達率がよい先端部からより多く熱移動させることができる。
【0040】
なお、先端側の放熱フィン13と水管11側の2番目の放熱フィン13と直状基部12との2箇所の連結部には断面狭隘円弧状のビスポケット15a,15bが直状基部12に関して点対称の位置に設けられている。ビスポケット15a,15bに螺合するビス(図示せず)によって放熱体10の上下端を連結・保持する保持板(図示せず)が固定されるようになっている。
【0041】
また、直状基部12の先端部に形成された膨隆突起12aに断熱部材である断熱ゴム21が嵌合されており、断熱ゴム21に防球部20が嵌合されている。この場合、断熱ゴム21は、図11に示すように、凸円弧状の膨隆突起12aに嵌合可能な狭隘円弧状に形成されている。
【0042】
防球部20は、断熱ゴム21の凸円弧状外周面に嵌合可能な凹円弧状嵌合部20aと、放熱体10の直状基部12の延長線上に位置する補強リブ20bを有する中空円筒状に形成されている。なお、補強リブ20bは少なくとも直状基部12の延長線上に設けられていればよく、更に補強リブを増やしてもよい。この防球部20は、アルミニウム合金製の押出形材にて形成されている。このように、防球部20を補強リブ20bを有する中空円筒状に形成することにより、防球部20を軽量にすると共に強度を持たせることができる。
【0043】
また、放熱体10の水管11の上下端には、上部ヘッダー6aと下部ヘッダー6bがそれぞれ収まるように切欠き段部16が設けられており、切欠き段部16の水平部に水管11が突出した状態に形成されている。この場合、切欠き段部16は、水管11に連結する直状基部12の水管11から離れた位置に設けられている。また、水管11の上下端は、上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bに設けられた連通路6c内に突出する長さに切断され、開口端に狭小テーパーが設けられている。
【0044】
上部ヘッダー6aと下部ヘッダー6bは、断面円形の連通路6cを有し、上部ヘッダー6aと下部ヘッダー6bと対向する側面が平坦状の断面矩形状のアルミニウム製押出形材にて形成されており、上部ヘッダー6aと下部ヘッダー6bの対向面、すなわち上部ヘッダー6aの底部及び下部ヘッダー6bの頂部には放熱体10の水管11が挿入可能な水管挿入用孔60が設けられている。
【0045】
水管挿入用孔60は、環状のヘッダー用パッキン40の寸法に合わせた形成されており、図8に示すように、ヘッダー用パッキン40が嵌入される大径孔部61と、水管11が貫入される小径孔部62とを有する段状に形成されている。また、上部ヘッダー6aと下部ヘッダー6bの対向面に隣接する両側面は対向面側に向かって狭小テーパー状に形成されており、この狭小テーパーの基端部に外側係止溝6fが設けられている(図6及び図8参照)。なお、外側係止溝6fは、対向面側に凹みを有する狭隘開口状に形成されている。この外側係止溝6fに後述するパッキン押え30が係合される。
【0046】
パッキン押え30は、図6及び図8に示すように、水管挿入用孔60を残して上部ヘッダー6aと下部ヘッダー6bの対向面を覆う水平片31と、水平片31の両側縁から折曲されて対向面に隣接する側面を覆う脚片32とを具備し、脚片32の先端に設けられた係止爪33が、外側係止溝6fに係合可能に形成されている。なお、パッキン押え30は、アルミニウム製の押出形材にて形成されており、水平片31には水管挿入用孔60に連通する貫通孔34が設けられ、脚片32は、上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bの狭小テーパー状の側面に対応した拡開テーパー状に形成されている。また、脚片32の先端に形成される係止爪33は外側係止溝6fの凹みに確実に係合するようにかぎ形に屈曲されている。
【0047】
ヘッダー用パッキン40は、水密用パッキン7eと同じ材質のUパッキンにて形成されている。ヘッダー用パッキン40の取付は、上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bの水管挿入用孔60の大径孔部61内にヘッダー用パッキン40を挿入した状態で、ヘッダー用パッキン40の外面を覆うようにしてパッキン押え30の係止爪33を上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bの外側係止溝6fに係合することによってヘッダー用パッキン40が水管挿入用孔60の大径孔部61に固定される。これにより、ヘッダー用パッキン40の位置ずれが抑制される。したがって、固定部材を用いることなく、水管挿入用孔60内に挿入されたヘッダー用パッキン40を容易かつ確実に保持することができるので、輻射パネル自体の水密性の向上が図れる。
【0048】
上記のようにして上部ヘッダー6aと下部ヘッダー6bの水管挿入用孔60にヘッダー用パッキン40を挿入し、パッキン押え30によってヘッダー用パッキン40を水管挿入用孔60の大径孔部61に固定した後、放熱体10の水管11を、パッキン押え30の貫通孔34を貫通して上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bに設けられた水管挿入用孔60に挿入することで、上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bと水管11の上下端部とを水密性を持たせた状態で接続(接合)することができる。
【0049】
上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bに水管11の上下端部を接続(接合)した後、輻射パネル1を構成する縦枠2で上部ヘッダー6aと下部ヘッダー6bの連通路6cの両端を塞いだ状態で、縦枠2を貫通する固定ねじ2aを上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bに螺合して上部ヘッダー6aと下部ヘッダー6bを連結する。
【0050】
なお、上記説明では、パッキン押え30の脚片32が拡開テーパー状に形成される場合について説明したが、パッキン押え30と上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bの外側係止溝6fとの係合形態は必ずしもこの構造に限定されるものではない。例えば、図9(a)に示すように水平片31の両側縁から直交状に屈曲された脚片32Aを有するパッキン押え30Aを、上記と同様の上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bの外側係止溝6fに係合させてもよい。また、図9(b)に示すように、パッキン押え30Aの係止爪33を、対向面と隣接する側面が対向面と直交状の側面を有する上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bの外側係止溝6fに係合させてもよい。あるいは、図9(c)に示すように、水平片31の両側縁から直交状に屈曲された短脚片32Bを有するパッキン押え30Bを、対向面と隣接する側面が対向面と直交状の側面を有する上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bの外側係止溝6fに係合させてもよい。
【0051】
上記説明では、パッキン押え30,30A,30Bが上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bの外側係止溝6fに係合する場合について説明したが、板状のパッキン押え30Cを上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bに設けられた内側係止溝6gに係合させてもよい。すなわち、図9(d)に示すように、上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bの対向面に設けられた狭隘開口部6hの内側係止溝6gに板状のパッキン押え30Cの両側縁を係合させてもよい。なお、パッキン押え30Cはアルミニウム製の押出形材にて形成されており、水管挿入用孔60に連通する貫通孔34が設けられている。
【0052】
次に、輻射パネルの製造手順について説明する。ここでは、パッキン押え30を用いた場合について説明する。
予め、水密用パッキンを有する4つの端部仕切り部材7Aと水密用パッキン7eを有する中間仕切り部材7Bを用意する。まず、上部ヘッダー6aの中空部すなわち連通路6c内の長手方向の両端側に2つの端部仕切り部材7Aを摺動可能に挿入し、下部ヘッダー6bの連通路6c内の中間部に中間仕切り部材7Bを摺動可能に挿入し、下部ヘッダー6bの連通路6c内の長手方向の両端側に2つの端部仕切り部材7Aを摺動可能に挿入する。
【0053】
なお、連通路6c内の中間部に中間仕切り部材7Bを挿入する場合は、下部ヘッダー6bの一方の開口端に挿入された中間仕切り部材7Bを所定の長さに鍔等のストッパを設けた押し棒等によって連通路6cの所定の位置にセットすることができる。
【0054】
上記のようにして上部ヘッダー6aと下部ヘッダー6bの連通路6c内に端部仕切り部材7Aと中間仕切り部材7Bを挿入した後、上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bの対向面に設けられた水管挿入用孔60内にヘッダー用パッキン40を挿入し、ヘッダー用パッキン40の外面を覆うようにしてパッキン押え30の係止爪33を上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bの外側係止溝6fに係合してヘッダー用パッキン40を水管挿入用孔60の大径孔部61に固定する。
【0055】
水管挿入用孔60にヘッダー用パッキン40を固定した状態で、放熱体10の水管11を、パッキン押え30の貫通孔34を貫通して上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bに設けられた水管挿入用孔60に挿入して、上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bと水管11の上下端部とを接続(接合)する。
【0056】
次に、上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bの連通路6cを塞いだ状態で、縦枠2を貫通する固定ねじ2aを上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bに螺合して上部ヘッダー6aと下部ヘッダー6bを連結した状態に輻射パネル1を組み立てる(図13(a)参照)。この状態では、端部仕切り部材7Aは縦枠2との間に若干隙間S1があり(図13(b)参照)、中間仕切り部材7Bと連通路6c内に突出する水管11との間には隙間S2がある(図13(c)参照)。
【0057】
上記のようにして輻射パネル1を組み立てた状態で、下部ヘッダー6bび流入側空間6dに接続する供給配管51から下部ヘッダー6bの流入側空間6d内に流入される水の水圧によって端部仕切り部材7Aと中間仕切り部材7Bを所定位置に配置する。具体的には、流入側空間6d内に流入した水は流入側空間6dに連通する6列の放熱体10の水管11を流れて上部ヘッダー6a内に流れる。上部ヘッダー6a内に流れた水は流出側空間6eに連通する6列の放熱体10の水管11を流れて下部ヘッダー6bの流出側空間6e内に流れる。このようにして、上部ヘッダー6aと下部ヘッダー6bの連通路6c内に水圧を加えて、端部仕切り部材7Aの摺動を縦枠2によって規制して配置し、中間仕切り部材7Bの摺動を連通路6c内に突出する水管11の端部によって規制して配置する(図1参照)。なお、輻射パネル1を組み立てた後に、下部ヘッダー6bに水を流入するタイミングを、輻射パネル1の稼働時に行うようにしてもよい。
【0058】
上記のようにして製造された輻射パネル1を冷暖房システム使用した場合の一例について説明する。冷暖房システムにおいて、冷房時には、熱源から供給される、例えば不凍液(主成分がエチレングリコールで、防錆剤が含有され、水で薄めた23~40%の濃度の不凍液)あるいは純水からなる、例えば、12℃±5℃の冷温水が輻射パネル1の下部ヘッダー6bの流入側空間6d内に流入し、流入側空間6dに連通する6列の放熱体10の水管11を流れて上部ヘッダー6a内に流れる。上部ヘッダー6a内に流れた冷温水は流出側空間6eに連通する6列の放熱体10の水管11を流れて下部ヘッダー6bの流出側空間6e内に流れる。
【0059】
冷温水が輻射パネル1の下部ヘッダー6bの流入側空間6dを介して放熱体10の水管11内を流れる際、供給配管51に設けられたエアー抜き弁53によって水中のエアーが除去され、上部ヘッダー6a内に流れた水中のエアーは上部ヘッダー6aに設けられたのエアー抜き弁53によって除去され、そして下部ヘッダー6bの流出側空間6eから排出配管52に流れる水中のエアーは排出配管52に設けられたエアー抜き弁53によって除去される。
【0060】
したがって、エアーが除去された冷温水が流れる水管11から直状基部12及び複数の放熱フィン13によって輻射熱移動に対流を増幅させて輻射パネル1前面に放熱させることができる。なお、背面側に位置する水管11から背面側に放熱される輻射熱の熱損失を熱反射板8によって抑制することができる。これにより、床面から輻射パネル1の高さ、例えば2.5mの間に低温空気層が形成される。
【0061】
なお、輻射パネル1を暖房用として使用する場合は、熱源から供給される不凍液あるいは純水を熱交換器(図示せず)によって所定温度例えば40℃に加熱して生成した温水を上記と同様に、輻射パネル1の下部ヘッダー6bに流入することによって輻射パネル1を暖房用に使用することができる。
【0062】
<第2実施形態>
上記第1実施形態では中間仕切り部材7Bを下部ヘッダー6bの連通路6c内に1個配置した場合であるが、この発明に係る輻射パネルはこれに限定されるものではない。中間仕切り部材7Bを上部ヘッダー6aと下部ヘッダー6bに複数個配置して、全体の流路長さを変えるようにしてもよい。
【0063】
例えば、図14に示すように、上部ヘッダー6aの連通路6c内の中央部、すなわち図14において、右から7列目の放熱体10の水管11によって記載される1個の中間仕切り部材7Bを配置して、上部ヘッダー6aの連通路6cを右側空間6iと左側空間6jに仕切る。一方、下部ヘッダー6bの連通路6c内には、図14において、右から4列目と10列目の放熱体10の水管11によって規制される2個の中間仕切り部材7Bを配置して、下部ヘッダー6bの連通路6cを流入側空間6dと流出側空間6eの間に中間空間6kを仕切る。
【0064】
上記のように構成することにより、例えば、冷温水が供給配管51によって流入側空間6d内に流入し、流入側空間6dに連通する1列~3列の放熱体10の水管11を流れて上部ヘッダー6a内の右側空間6i内に流れる。右側空間6i内に流れた冷温水は、4列~6列の放熱体10の水管11を流れて下部ヘッダー6b内の中間空間6k内に流れる。中間空間6k内に流れた冷温水は、7列~9列の放熱体10の水管11を流れて上部ヘッダー6a内の左側空間6j内に流れる。そして、上部ヘッダー6aの左側空間6j内に流れた冷温水は、流出側空間6eに連通する10列~12列の放熱体10の水管11を流れて下部ヘッダー6bの流出側空間6e内に流れる。
【0065】
上記のように、冷温水の流れを蛇行させることによって、冷温水の流路長さを変えることができる。なお、冷温水が輻射パネル1の下部ヘッダー6bと上部ヘッダー6aを流れる際、供給配管51、排出配管52及び上部ヘッダー6aに設けられたエアー抜き弁53によって水中のエアーが除去される。
【0066】
なお、第2実施形態において、その他の部分は第1実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。また、上記第2実施形態は中間仕切り部材7Bを複数個使用した場合の一例であって、中間仕切り部材7Bの個数や放熱体10の列数の任意の組合せによって上記と異なる流路長さを任意に変えることができる。
【0067】
上記のように構成される実施形態の輻射パネル1によれば、上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bの中空部である連通路6c内に水密用パッキン7eを有する端部仕切り部材7A、中間仕切り部材7Bを摺動させて配置することができるので、水密性を維持した状態で、上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6b内への端部仕切り部材7A、中間仕切り部材7Bの取付を容易かつ確実にすることができると共に、製造コストの削減が図れる。
【0068】
また、水密用パッキン7eは、前部材7aと後部材7bによって挟持した状態で取り付けられるので、端部仕切り部材7A、中間仕切り部材7Bに水密用パッキン7eを容易かつ強固に取り付けることができ、端部仕切り部材7A、中間仕切り部材7Bの水密性の維持を図ることができる。
【0069】
また、上記実施形態の輻射パネルの製造方法によれば、上部ヘッダー6a及び下部ヘッダー6bの連通路6c内に端部仕切り部材7Aと中間仕切り部材7Bを摺動可能に挿入し、両ヘッダー6a,6bに設けられた水管挿入用孔60にヘッダー用パッキン40を介して水管11の上下端部を挿入し、両ヘッダー6a,6bの両端部を縦枠2によって連結して輻射パネルを組み立てることができる。そして、両ヘッダー6a,6bの連通路6c内に水圧を加えて端部仕切り部材7Aを縦枠2によって規制された位置に配置し、中間仕切り部材7Bを連通路6c内に突出する水管11によって規制された所定の位置に配置することができる。したがって、水密性を維持した状態で、両ヘッダー6a,6b内への端部仕切り部材7Aと中間仕切り部材7Bの取付を容易かつ確実にすることができると共に、製造コストの削減が図れる。
【0070】
なお、上記実施形態では、下部ヘッダー6bの連通路6c内に中間仕切り部材7Bを配置した場合について説明したが、上部ヘッダー6aの連通路6c内に中間仕切り部材7Bを配置し、中間仕切り部材7Bによって仕切られた流入側空間6dに供給配管51を接続し、流出側空間6eに排出配管52を接続した構造としてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 輻射パネル
2 縦枠
6a 上部ヘッダー
6b 下部ヘッダー
6c 連通路(中空部)
6f 外側係止溝
6g 内側係止溝
6h 狭隘開口部
7A 端部用仕切り部材
7B 中間用仕切り部材
7a 前部材
7b 後部材
7c 締結ねじ(締結部材)
7e,7f 水密用パッキン
10 放熱体
11 水管
30,30A,30B パッキン押え
30C 板状パッキン押え
40 ヘッダー用パッキン
60 水管挿入用孔
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14