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特開2022-169344ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169344
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20221101BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20221101BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20221101BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20221101BHJP
【FI】
A63F13/69 520
A63F13/55
A63F13/69 510
A63F13/533
A63F13/79
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021075322
(22)【出願日】2021-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】三嶋 文子
(72)【発明者】
【氏名】大内 芳高
(72)【発明者】
【氏名】藪内 達也
(57)【要約】
【課題】ゲームの多様性や自由度を高めることにより、ユーザを飽きさせることなく楽しませることができるゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムを提供すること。
【解決手段】本開示の一態様によれば、ゲームプログラムが提供される。このゲームプログラムは、ゲーム装置に、次の各ステップを実行させる。付与ステップでは、少なくとも一つのゲーム進行規定媒体をユーザに関連づける。ゲーム進行規定媒体は、所定の条件を規定する条件規定媒体と、所定の動作を規定する動作規定媒体とを含む。設定ステップでは、ユーザの操作に基づいて、ゲーム進行規定媒体をオブジェクトに対して設定する。ゲーム制御ステップでは、設定されたゲーム進行規定媒体に応じて、オブジェクトを仮想空間内で制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームプログラムであって、
ゲーム装置に、次の各ステップを実行させ、
付与ステップでは、少なくとも一つのゲーム進行規定媒体をユーザに関連づけ、
前記ゲーム進行規定媒体は、所定の条件を規定する条件規定媒体と、所定の動作を規定する動作規定媒体とを含み、
設定ステップでは、前記ユーザの操作に基づいて、前記ゲーム進行規定媒体をオブジェクトに対して設定し、
ゲーム制御ステップでは、設定された前記ゲーム進行規定媒体に応じて、前記オブジェクトを仮想空間内で制御する、
もの。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、
前記ゲーム装置に、抽選ステップをさらに実行させ、
前記抽選ステップでは、複数の前記ゲーム進行規定媒体の中から少なくとも一つを抽選により選択し、
前記付与ステップでは、選択された前記ゲーム進行規定媒体を前記ユーザに関連づける、
もの。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のゲームプログラムにおいて、
前記設定ステップでは、前記ユーザの操作に基づいて、前記条件規定媒体と前記動作規定媒体とを含む組を、前記オブジェクトに対して設定し、
前記ユーザの操作は、前記組の編成を決定する操作を含み、
前記ゲーム制御ステップでは、前記条件規定媒体が規定する条件が満たされた場合に、前記条件規定媒体に組み合わされた前記動作規定媒体が規定する動作を前記オブジェクトに実行させる、
もの。
【請求項4】
請求項3に記載のゲームプログラムにおいて、
前記ユーザの操作は、複数の前記組の順序の指定をさらに含み、
前記ゲーム制御ステップでは、指定された前記順序どおりに、前記条件規定媒体が規定する条件が満たされた場合に、前記条件規定媒体に組み合わされた前記動作規定媒体が規定する動作を前記オブジェクトに実行させる、
もの。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のゲームプログラムにおいて、
前記ゲーム進行規定媒体は、複数の前記条件規定媒体間の関係性または複数の前記動作規定媒体間の関係性を規定する関係性規定媒体をさらに含み、
一つの前記組には、複数の前記条件規定媒体と、少なくとも一つの前記関係性規定媒体とが含まれる、
または、
一つの前記組には、複数の前記動作規定媒体と、少なくとも一つの前記関係性規定媒体とが含まれる、
もの。
【請求項6】
請求項5に記載のゲームプログラムにおいて、
一つの前記組には、複数の前記条件規定媒体と、複数の前記動作規定媒体と、複数の前記関係性規定媒体とが含まれる、
もの。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れか1つに記載のゲームプログラムにおいて、
前記ゲーム進行規定媒体は、複数の前記条件規定媒体間の関係性または複数の前記動作規定媒体間の関係性を規定する関係性規定媒体をさらに含む、
もの。
【請求項8】
請求項1~請求項7の何れか1つに記載のゲームプログラムにおいて、
前記ユーザの操作は、前記ゲーム進行規定媒体を、前記条件規定媒体または前記動作規定媒体のいずれとして使用するかを決定することを含む、
もの。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れか1つに記載のゲームプログラムにおいて、
前記ユーザの操作は、前記ゲーム進行規定媒体による前記オブジェクトの制御を行うタイミングの設定を含む、
もの。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れか1つに記載のゲームプログラムにおいて、
前記付与ステップでは、前記ユーザおよび他のユーザの一方に関連づけられた前記ゲーム進行規定媒体を、前記ユーザおよび他のユーザの他方に関連づける、
もの。
【請求項11】
ゲーム装置であって、
請求項1~請求項10の何れか1つに記載のプログラムの各ステップを実行するように構成される、
もの。
【請求項12】
ゲームシステムであって、
ゲーム装置を備え、
前記ゲーム装置は、付与部と、設定部と、ゲーム制御部とを備え、
前記付与部は、少なくとも一つのゲーム進行規定媒体をユーザに関連づけるように構成され、
前記ゲーム進行規定媒体は、所定の条件を規定する条件規定媒体と、所定の動作を規定する動作規定媒体とを含み、
前記設定部は、前記ユーザの操作に基づいて、前記ゲーム進行規定媒体をオブジェクトに対して設定するように構成され、
前記ゲーム制御部は、設定された前記ゲーム進行規定媒体に応じて、前記オブジェクトを仮想空間内で制御するように構成される、
もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザの選択操作の実行により進行するゲームにおいて興趣性を高めるための技術が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開第2014-184058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術は、ユーザの選択操作により所定の条件が満たされた場合に、予め定められた動作処理が実行される構成をとるため、条件と動作との対応関係が固定されており、ゲームの自由度が限られていた。
【0005】
本開示では上記事情を鑑み、ゲームの多様性や自由度を高めることにより、ユーザを飽きさせることなく楽しませることができるゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムを提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、ゲームプログラムが提供される。このゲームプログラムは、ゲーム装置に、次の各ステップを実行させる。付与ステップでは、少なくとも一つのゲーム進行規定媒体をユーザに関連づける。ゲーム進行規定媒体は、所定の条件を規定する条件規定媒体と、所定の動作を規定する動作規定媒体とを含む。設定ステップでは、ユーザの操作に基づいて、ゲーム進行規定媒体をオブジェクトに対して設定する。ゲーム制御ステップでは、設定されたゲーム進行規定媒体に応じて、オブジェクトを仮想空間内で制御する。
【0007】
本開示によれば、ゲームの多様性や自由度を高めることにより、ユーザを飽きさせることなく楽しませることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係るゲーム装置3の機能構成を示すブロック図である。
図4】情報処理システム1によって実行される情報処理の流れを示すフローチャートである。
図5】ゲーム装置3に表示される画面であって、ログイン画面5の一例である。
図6】ゲーム装置3に表示される画面であって、ガチャ開始画面6の一例である。
図7】ゲーム装置3に表示される画面であって、当選結果画面7の一例である。
図8】ゲーム装置3に表示される画面であって、ステージ選択画面8の一例である。
図9】ゲーム装置3に表示される画面であって、カード設定画面9の一例である。
図10】ゲーム装置3に表示される画面であって、プレイ画面10の一例である。
図11】ゲーム装置3に表示される画面であって、ステージクリア画面11の一例である。
図12】複数のカードセットCS(組)の設定を表す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
[実施形態]
1.ゲームの説明
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示す情報処理システム1では、情報処理装置2および複数のゲーム装置3が通信ネットワーク12を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置3においてゲームが実行される。
【0014】
本実施形態に係るゲームは、情報処理システム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置3のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタPを仮想空間で活動させたり、プレイヤキャラクタPを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタEと対戦させたりする。また、キャラクタは、オブジェクトの一例である。
【0015】
上記のゲームは、プレイステーション(登録商標)等の家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)等の携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等の電子機器であるゲーム装置3を用いて実行される。
【0016】
2.情報処理システム1の概要
図1に示されるように、情報処理システム1は、情報処理装置2および複数のゲーム装置3にて構成される。情報処理装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置3の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。情報処理装置2は、例えばサーバにより構成される。複数のゲーム装置3それぞれは、互いに同じ構成を有する。
【0017】
ゲーム装置3は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置3は、通信ネットワーク12を介して、情報処理装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置3に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置3から情報処理装置2に送信され、情報処理装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0018】
ユーザ認証を経て、情報処理装置2とゲーム装置3との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置3は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を情報処理装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ4aおよびスピーカ4bに出力しながら、ゲームを進行させる。
【0019】
2.1 ハードウェア構成
以下、図1を参照して、情報処理システム1の各ハードウェア構成について説明する。
【0020】
<情報処理装置2>
図1に示されるように、情報処理装置2は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。通信部21および記憶部22は、通信バス20を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0021】
通信部21は、インターネットおよびLAN等の通信ネットワーク12を介して各ゲーム装置3と通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。情報処理装置2が通信部21を介して受信する主な情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、ステージ実行要求、オートプレイの実行/終了の要求、アカウント情報、ゲームデータ等が挙げられる。情報処理装置2が通信部21を介して送信する主な情報としては、ゲームプログラムをゲーム装置3が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報等が挙げられる。
【0022】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)等で構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムやゲームに関する各種データ等が記憶されている。
【0023】
具体的には例えば、記憶部22は、ユーザDBや抽選リスト等を記憶している。ユーザDBには、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザID、ユーザランク、ユーザが操作するプレイヤキャラクタPに関するステータス等の情報、仮想空間内にて使用可能な消費媒体の額、パラメータに関する情報等が、対応付けられて記憶されている。抽選リストは、抽選処理に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。抽選リストには、ゲーム媒体に関する情報(名称、能力パラメータ、レアリティ、レベル等)と、抽選による選択確率とが、対応づけられている。また能力パラメータとは、例えば、ゲーム媒体がプレイヤキャラクタPの場合、戦力、HP、攻撃力、防御力、賢さ、または速さ等を含む。
【0024】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置である情報処理装置2の動作を制御する。特に、制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置である情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0025】
制御部23によって実行される情報処理として、例えば、課金の決済処理、ユーザアカウントの認証処理、ガチャの抽選処理等が挙げられる。課金の決済処理は、例えばゲーム中のパラメータを所定量回復するために必要な課金の要求に基づいて実行される。
【0026】
<ゲーム装置3>
ゲーム装置3には、ディスプレイ4a、スピーカ4bおよび入力デバイス4cが外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置3は、通信部31、記憶部32、制御部33、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cを有する。通信部31、記憶部32、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cは、通信バス30を介して制御部33と電気的に接続されている。
【0027】
通信部31は、ゲーム装置3と情報処理装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク12に通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。ゲーム装置3が通信部31を介して送信する主な情報としては、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャの抽選要求、ステージ実行要求等が挙げられる。ゲーム装置3が通信部31を介して受信する主な情報としては、ダウンロード要求情報に応じて情報処理装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報等が挙げられる。
【0028】
記憶部32は、HDD、SSD、RAMおよびROM等で構成される。記憶部32には、情報処理装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置であるゲーム装置3のアカウント情報、ユーザ情報等が格納されている。なお、ユーザ情報は、情報処理装置2の記憶部22で記憶するユーザDBの少なくとも一部の情報である。ユーザDBでユーザ情報のマスタを管理し、ゲーム装置3の記憶部32は、このマスタの少なくとも一部の情報が情報処理装置2から配信され、これを記憶する。
【0029】
制御部33は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置であるゲーム装置3の動作を制御する。特に、制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるゲーム装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0030】
特に、制御部33は、自装置であるゲーム装置3のユーザによる入力デバイス4cの操作に従って、ゲームを実行するように構成される。具体的には、制御部33は、ゲームデータに含まれる仮想空間オブジェクトおよびテクスチャ等のデータを記憶部32から読み出すか、または情報処理装置2から受信したデータを用いて、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aには処理後のゲーム画像が逐次表示される。換言すると、制御部33は、ゲームの実行にあたり、自装置であるゲーム装置3のユーザの操作等に応じてディスプレイ4aの表示制御およびスピーカ4bの音声出力制御を行うように構成される。
【0031】
グラフィック処理部34aは、制御部33から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部34aは、例えば液晶型であるディスプレイ4aと接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ4a上に表示される。オーディオ処理部34bは、スピーカ4bと接続され、制御部33の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ4bから出力させる。操作部34cは、入力デバイス4cと接続され、操作入力に関するデータを入力デバイス4cとの間で送受信する。ユーザは、入力デバイス4cを操作することで、ゲーム装置3に操作信号を入力する。なお、入力デバイス4cは、ディスプレイ4aと一体化されたタッチパネル、外付けのゲームパッド、マウスやキーボード等の総称である。
【0032】
2.2 機能構成
続いて、図2および図3を参照して、情報処理システム1の各機能構成について説明する。
【0033】
<情報処理装置2>
図2は、本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成を示すブロック図である。図2に示されるように、制御部23は、記憶部22に記憶された各種プログラムを実行することにより、照合部231、抽選部232、付与部233、受付部234、設定部235およびゲーム制御部236として機能する。また、制御部23の機能に関連して、記憶部22は、ユーザDBと、抽選リストとを記憶している。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。
【0034】
照合部231は、ゲーム装置3から受信したユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行うように構成される。
【0035】
抽選部232は、ガチャ等の抽選要求に伴って、抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択するように構成される。特に、抽選部232は、複数のゲーム進行規定媒体の中から少なくとも一つを抽選により選択する。ガチャおよびゲーム進行規定媒体については後述する。
【0036】
付与部233は、ゲーム媒体をユーザに関連づけるように構成される。特に、付与部233は、抽選部232により選択されたゲーム進行規定媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とを、ユーザDBにて関連づける。これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム進行規定媒体が付与される。詳細については、後述する。
【0037】
受付部234は、種々の情報を受け付けるように構成される。特に、受付部234は、ゲームの特定のステージに参加するユーザによる操作を受け付ける。詳細については、後述する。
【0038】
設定部235は、ユーザによる操作に基づいて、ゲーム進行規定媒体をオブジェクトに対して設定するように構成される。詳細については、後述する。
【0039】
ゲーム制御部236は、ユーザによる操作に基づいてゲームの進行を制御するように構成される。特に、ゲーム制御部236は、設定されたゲーム進行規定媒体に応じて、オブジェクトを仮想空間内で制御する。詳細については、後述する。
【0040】
<ゲーム装置3>
図3は、本実施形態に係るゲーム装置3の機能構成を示すブロック図である。図3に示されるように、制御部33は、記憶部32に記憶された各種プログラムを実行することにより、ゲーム実行部331および報知制御部332として機能する。また、制御部33の機能に関連して、記憶部32は、ユーザ情報を記憶している。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0041】
ゲーム実行部331は、自装置であるゲーム装置3のユーザによる入力デバイス4cの操作に従って、ゲームを実行するように構成される。具体的には、ゲーム実行部331は、ゲームデータに含まれる仮想空間オブジェクトおよびテクスチャ等のデータを記憶部32から読み出すかまたは情報処理装置2から受信したデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aには処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0042】
そして、ゲーム実行部331は、ゲーム画像上に、自装置であるゲーム装置3のユーザの操作に従ってキャラクタを配置させ、そのユーザの操作およびゲームの進行状況に応じて仮想空間におけるキャラクタの行動を制御する。例えば、ゲーム実行部331は、ユーザの入力デバイス4cを介した操作に応じて、ゲームを進行させる。また、ゲーム実行部331は、ユーザの操作に応じて、ユーザにより選択されたゲーム媒体をプレイヤキャラクタPに使用させる。
【0043】
ゲーム実行部331は、例えば、オートプレイとして、リアルタイムにおけるユーザによるキャラクタに対する操作入力によらず、ゲームデータ、例えば、ユーザによる入力や抽選等により予め設定されたデータに基づいて、キャラクタを配置させたり、キャラクタの行動を制御させたりする。また、ゲーム実行部331は、ユーザの操作に基づいて、ゲーム進行規定媒体が設定されたオブジェクトの動作を制御する。詳細については、後述する。
【0044】
報知制御部332は、ゲームの実行にあたり、自装置であるゲーム装置3のユーザの操作等に応じてディスプレイ4aの表示制御およびスピーカ4bの音声出力制御を行うように構成される。例えば、報知制御部332は、図5図11の画面をディスプレイ4aに表示させる。
【0045】
3.種々の情報と用語の説明
本節では、情報処理システム1によって扱われる種々の情報と用語とについて説明する。
【0046】
「ユーザID」とは、ユーザ自身が設定した任意の文字列により構成される、ユーザを識別するための名称である。
【0047】
「消費媒体」とは、仮想空間内で使用可能なコイン等の通貨やポイント等であって、ゲームを進めるにあたりゲーム内で消費される媒体である。消費媒体は、ゲームステージのクリア報酬として、また、現実社会での課金により、ユーザに付与される。さらに、消費媒体は、敵キャラクタEを倒すことによって、ユーザに付与される場合もある。
【0048】
「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタPとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタPが仮想空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)、後述するカードC等のゲーム進行規定媒体等を含む。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やステージクリアの他、ガチャ等の抽選によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDBに記憶され管理される。
【0049】
「ゲーム進行規定媒体」とは、ゲーム媒体の一種であって、所定の条件を規定する条件規定媒体と、所定の動作を規定する動作規定媒体とを含む。以下では、ゲーム進行規定媒体の一例をカードCとし、条件規定媒体の一例を条件カードCCとし、動作規定媒体の一例を動作カードCMとする。また、条件カードCCと動作カードCMとを含む組を、カードセットCSと称することとする。
【0050】
条件カードCC(条件規定媒体)が規定する条件には、例えば、「5歩前進する」、「A地点まで移動する」、「ライフが半減した」、「毒に侵された」等のプレイヤキャラクタPに関する条件、「モンスターが近くにいる」、「モンスターが危険エリアに侵入した」、「新たなモンスターが出現した」、「モンスターが増えた」等の敵キャラクタEに関する条件、「10秒経過」等のプレイ時間に関する条件、「Aボタンが押下された」等のユーザの操作に関する条件、「夜になった」等の仮想空間における時間条件、「雨が降ってきた」等の仮想空間における天候条件、「砂漠地帯に突入した」等の仮想空間における環境条件等が含まれる。なお、仮想空間における時間条件、天候条件および環境条件は、現実世界の時間条件、天候条件および環境条件と連動していてもよい。
【0051】
動作カードCM(動作規定媒体)が規定する動作には、例えば、「5歩前進する」、「A地点まで移動する」「ジャンプする」、「前方に攻撃する」、「範囲攻撃をする」、「穴を掘る」、「スキルを発動する」、「毒に対する耐性が増す」、「ライフが回復する」等のプレイヤキャラクタPに関する動作と、「モンスターをスタート地点に引き戻す」、「モンスターの移動を停止する」等の敵キャラクタEに関する動作、「タワーが増強される」、「砲台が設置される」、「砲台から大砲を撃つ」等のユニットに関する動作、「雲から雨を降らせる」等の天候関連オブジェクトに関する動作が含まれる。
【0052】
「ライフ」とは、プレイヤキャラクタPが持つ体力、耐久力または生命力を表す能力パラメータの一種である。ライフを全て失った場合、例えば、ライフを表す数値が0になった場合、ゲームが終了となる。
【0053】
「ユニット」とは、仮想空間に配置されるオブジェクトであって、敵キャラクタEが所定の範囲内に入ると自動的に攻撃を行うように動作が制御されるものである。ユニットとして、例えば、砲台、タワー、攻撃キャラクタ等が挙げられる。ユニットの設置やユニットの性能向上には、コイン等の消費媒体の消費が必要となる。また、ユニットにはそれぞれ特性があり、攻撃方法、攻撃力、攻撃範囲等に差異がある。さらに、ゲーム仕様によっては、複数のユニットが組み合わされると強力なユニットが出来上がる場合もある。
【0054】
「ガチャ」とは、対象のゲーム内で使用可能なゲーム媒体がランダムに提供される抽選サービスである。情報処理装置2にて、ユーザからのガチャの抽選要求が受け付けられると、抽選リストの中から、所定の選択確率に基づき任意のゲーム媒体が抽選により選択される。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置3に付与される。“ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する”とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0055】
「ステージ」とは、ゲームを構成する単位であり、課題や目標が設定されているものである。ステージには、終了条件が設定されている。また、ステージの課題や目標等を満たした場合、報酬がユーザに付与される。
【0056】
ステージの終了条件には、対戦する敵キャラクタEの全滅等のクリア条件と、敵キャラクタEの防衛拠点への到達等や全ライフの喪失等の失敗条件と、制限時間オーバー等のプレイ時間に関する条件と、ユーザによる強制終了等のユーザ自らの意思に依存する終了条件とが含まれる。ステージには、これらの終了条件のうち少なくとも1つが設定されている。ステージに複数の終了条件が設定されている場合には、どの終了条件が優先されるかが予め設定されている。例えば、クリア条件よりも失敗条件が優先される場合、敵キャラクタEを全滅させることができず、クリア条件は満たされていないときに、ライフの数値が0になると、ステージは終了することとなる。
【0057】
4.情報処理システム1の動作の流れ
本節では、前述した情報処理システム1の情報処理方法について説明する。
【0058】
また、本節で参照する各図は、以下の通りである。図4は、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れを示すフローチャートである。図5は、ゲーム装置3に表示される画面であって、ログイン画面5の一例である。図6は、ゲーム装置3に表示される画面であって、ガチャ開始画面6の一例である。図7は、ゲーム装置3に表示される画面であって、当選結果画面7の一例である。図8は、ゲーム装置3に表示される画面であって、ステージ選択画面8の一例である。図9は、ゲーム装置3に表示される画面であって、カード設定画面9の一例である。図10は、ゲーム装置3に表示される画面であって、プレイ画面10の一例である。図11は、ゲーム装置3に表示される画面であって、ステージクリア画面11の一例である。
【0059】
以下では、図4のフローチャートに沿って、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れを説明するものとする。ここで、説明の都合上、情報処理システム1において提供されるオンラインゲームは、タワーディフェンスゲームであるとする。タワーディフェンスゲームとは、リアルタイムで移り変わるゲームの状況に対して戦略を立てながら敵と戦うリアルタイムストラテジーゲームの一種であり、敵の侵攻を防衛することが目的のゲームである。しかしながら、オンラインゲームの形態はこれらに限られるものではない。
【0060】
また、以下では、ユーザのプレイによってコンピュータ制御の敵キャラクタEの侵攻を防衛するプレーヤ対環境(player versus environment:PvE)形式を想定するが、当然ながら、ユーザ同士が戦うプレーヤ対プレーヤ(Player versus player:PvP)形式であってもよい。
【0061】
また、以下では、ユーザは、ユーザ登録を済ませているものとして、説明を進めることとする。すなわち、情報処理装置2の記憶部22と、ゲーム装置3の記憶部32とには、当該ユーザのユーザIDおよびパスワード等のアカウント情報が記憶されているものとする。
【0062】
まず、ユーザは、ディスプレイ4aに表示された図5のログイン画面5において、ゲーム装置3の入力デバイス4cを用いて、ログインIDおよびパスワードをそれぞれ対応するテキストフィールド51およびテキストフィールド52に入力したあと、ボタン54を押下する。その後、操作部34cが入力デバイス4cから操作信号を受信すると、通信部31は、通信ネットワーク12を介して、入力情報を情報処理装置2に送信する。この入力情報は、情報処理装置2の通信部21が通信ネットワーク12を介して受信する。その後、受付部234が入力情報を受け付けたあと、照合部231が、記憶部22に記憶されているアカウント情報と入力情報とを照合することにより、ユーザアカウントの認証処理を行う(ステップS001)。
【0063】
照合部231がユーザアカウントの認証処理を行ったあと、ゲーム制御部236が、ガチャ開始画面6をゲーム装置3のディスプレイ4aに表示させることを要求する信号を通信部21に送信する。その後、通信部21は、通信ネットワーク12を介して、ガチャ開始画面6の表示要求をゲーム装置3に送信する。このガチャ開始画面6の表示要求は、ゲーム装置3の通信部31が受信する。次いで、ゲーム実行部331が、受信した要求に基づいて、ガチャ開始画面6に関するゲーム画像情報を生成する。このゲーム画像情報が報知制御部332およびグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aにガチャ開始画面6(図6参照)が表示される(ステップS002)。
【0064】
ユーザは、ガチャを引く意思がある場合に、すなわち、ガチャの抽選を要求する場合に、図6に示されるガチャ開始画面6中のボタン63を押下する。ユーザによりボタン63が押下されると、操作部34cが操作信号を受信し、通信部31が、通信ネットワーク12を介して、ガチャの抽選要求を情報処理装置2に送信する。このガチャの抽選要求は、情報処理装置2の通信部21が、通信ネットワーク12を介して受信する(ステップS002)。
【0065】
受付部234がガチャの抽選要求を受け付けたあと、抽選部232が、抽選リストの中から、カードC(ゲーム進行規定媒体)ごとの選択確率に基づいて、1以上のカードC(ゲーム進行規定媒体)を選択する。すなわち、抽選部232は、複数のカードC(ゲーム進行規定媒体)の中から少なくとも一つを抽選により選択する(ステップS003)。
【0066】
抽選部232が上記の抽選処理を実行したあと、付与部233が、選択されたカードC(ゲーム進行規定媒体)に関する情報と、ユーザの識別情報との関連づけを行い、記憶部22が記憶するユーザDBに反映させる。すなわち、付与部233は、選択されたカードC(ゲーム進行規定媒体)をユーザに関連づける(ステップS004)。
【0067】
その後、ゲーム制御部236が、当選結果画面7をゲーム装置3のディスプレイ4aに表示させることを要求する信号を通信部21に送信する。その後、通信部21は、通信ネットワーク12を介して、当選結果画面7の表示要求をゲーム装置3に送信する。この当選結果画面7の表示要求は、ゲーム装置3の通信部31が受信する。次いで、ゲーム実行部331が、受信した要求に基づいて、当選結果画面7に関するゲーム画像情報を生成する。このゲーム画像情報が報知制御部332およびグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aに当選結果画面7(図7参照)が表示される(ステップS004)。
【0068】
図7に示される当選結果画面7では、当選結果表示欄72において、当選したカードC(ゲーム進行規定媒体)が示されている。すなわち、当選結果画面7を介して、ガチャを引いた結果当選したカードC(ゲーム進行規定媒体)の情報がユーザに提示される(ステップS004)。
【0069】
このような態様によれば、抽選でカードC(ゲーム進行規定媒体)が当たるというゲーム仕様を採用することにより、ユーザの期待感や高揚感を高め、好奇心を刺激し、ユーザをさらに楽しませることができる(ステップS002~ステップS004)。
【0070】
ユーザは、当選結果を確認したあと、ステージを選択してゲームを開始する意思がある場合に、図7に示される当選結果画面7中のボタン73を押下する。ユーザによりボタン73が押下されると、操作部34cが操作信号を受信し、通信部31が、通信ネットワーク12を介して、ステージ選択要求を情報処理装置2に送信する。このステージ選択要求は、情報処理装置2の通信部21が、通信ネットワーク12を介して受信する(ステップS005)。
【0071】
受付部234がステージ選択要求を受け付けたあと、ゲーム制御部236が、ステージ選択画面8をゲーム装置3のディスプレイ4aに表示させることを要求する信号を通信部21に送信する。その後、通信部21は、通信ネットワーク12を介して、ステージ選択画面8の表示要求をゲーム装置3に送信する。このステージ選択画面8の表示要求は、ゲーム装置3の通信部31が受信する。次いで、ゲーム実行部331が、受信した要求に基づいて、ステージ選択画面8に関するゲーム画像情報を生成する。このゲーム画像情報が報知制御部332およびグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aにステージ選択画面8(図8参照)が表示される(ステップS005)。
【0072】
ユーザは、図8に示されるステージ選択画面8において、ゲーム装置3の入力デバイス4cへの入力操作により、プレイしたいステージを選択する。その後、操作部34cが入力デバイス4cから操作信号を受信すると、通信部31は、通信ネットワーク12を介して、選択されたステージの情報を情報処理装置2に送信する。この情報は、情報処理装置2の通信部21が、通信ネットワーク12を介して受信する(ステップS005)。
【0073】
受付部234が選択されたステージの情報を受け付けたあと、ゲーム制御部236が、選択されたステージに対応するカード設定画面9をゲーム装置3のディスプレイ4aに表示させることを要求する信号を通信部21に送信する。その後、通信部21は、通信ネットワーク12を介して、カード設定画面9の表示要求をゲーム装置3に送信する。このカード設定画面9の表示要求は、ゲーム装置3の通信部31が受信する。次いで、ゲーム実行部331が、受信した要求に基づいて、カード設定画面9に関するゲーム画像情報を生成する。このゲーム画像情報が報知制御部332およびグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aにカード設定画面9(図9参照)が表示される(ステップS006)。
【0074】
ユーザは、図9に示されるカード設定画面9において、ガチャで当たったカードC(ゲーム進行規定媒体)を含む、ユーザが所有する全てのカードC(ゲーム進行規定媒体)の中から、条件カードCC(条件規定媒体)および動作カードCM(動作規定媒体)を選択し、ゲームのプレイに用いるカードセットCS(組)を設定する。すなわち、ユーザの操作には、カードセットCS(組)の編成を決定する操作が含まれる。なお、カード設定画面9におけるカードセットCS(組)の設定操作については、ゲーム画面の詳細な説明とともに、後述することとする(ステップS006)。
【0075】
カードセットCS(組)の編成を決定する操作の操作信号は、操作部34cが受信し、通信部31が、通信ネットワーク12を介して情報処理装置2に送信する。この操作信号は、情報処理装置2の通信部21が、通信ネットワーク12を介して受信し、その後、受付部234が受け付ける。次いで、設定部235が、カードセットCS(組)をオブジェクトに対して設定する。すなわち、設定部235は、ユーザの操作に基づいて、条件カードCC(条件規定媒体)と動作カードCM(動作規定媒体)とを含むカードセットCS(組)を、オブジェクトに対して設定する(ステップS006)。
【0076】
ここで、オブジェクトに対するカードセットCS(組)の設定について、具体例を挙げて説明する。図9のカード設定画面9では、カードセットCS(組)に含まれる条件カードCC(条件規定媒体)は、「モンスターが危険エリアに侵入」であり、動作カードCM(動作規定媒体)は、「モンスターをスタート地点に引き戻す」である。すなわち、条件カードCC(条件規定媒体)と、動作カードCM(動作規定媒体)とは、共に、敵キャラクタEに関するカードC(ゲーム進行規定媒体)であるため、設定部235は、オブジェクトとして敵キャラクタEに対して、カードセットCS(組)を設定する(ステップS006)。
【0077】
次いで、ユーザは、図9に示されるカード設定画面9において、カードセットCS(組)の選択後、ゲームを開始する意思がある場合に、ボタン94を押下する。ユーザによりボタン94が押下されると、操作部34cが操作信号を受信し、通信部31が、通信ネットワーク12を介して、ステージ実行要求を情報処理装置2に送信する。このステージ実行要求は、情報処理装置2の通信部21が、通信ネットワーク12を介して受信する(ステップS007)。
【0078】
受付部234がステージ実行要求を受け付けた後、ゲーム制御部236が、プレイ画面10をゲーム装置3のディスプレイ4aに表示させることを要求する信号を通信部21に送信する。その後、通信部21は、通信ネットワーク12を介して、プレイ画面10の表示要求をゲーム装置3に送信する。このプレイ画面10の表示要求は、通信ネットワーク12を介して、通信部31が受信する。次いで、ゲーム実行部331が、受信した要求に基づいて、プレイ画面10に関するゲーム画像情報を生成する。このゲーム画像情報が報知制御部332およびグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aにプレイ画面10が表示される(ステップS008)。
【0079】
ユーザは、図10に示されるプレイ画面10において、ゲームのプレイを開始する意思がある場合に、開始ボタン103を押下する。ユーザにより開始ボタン103が押下されると、ゲーム実行部331の制御により、敵キャラクタEがスタート地点Sから出現し、拠点Bに向かって侵攻する。ユーザは、敵キャラクタEの侵攻を食い止めるために、敵キャラクタEが所定の範囲に入ると自動的に攻撃を行う砲台GやタワーT等のユニットを配備する操作や、敵キャラクタEを攻撃可能な位置までプレイヤキャラクタPを移動させる操作、プレイヤキャラクタPに攻撃を行わせる操作等を行う(ステップS008)。
【0080】
ユーザは、図10に示されるプレイ画面10において、プレイ中の適当なタイミングで、カードC(ゲーム進行規定媒体)を使用するために、ボタン104を押下する。すなわち、ユーザの操作には、カードC(ゲーム進行規定媒体)によるオブジェクトの制御を行うタイミングの設定が含まれる。このような態様によれば、カードC(ゲーム進行規定媒体)を使用するタイミングをユーザ自身が決定できるため、ユーザに戦略を練る楽しさをさらに与えることができる(ステップS009)。
【0081】
ゲームが進行し、設定したカードセットCS(組)に含まれる条件カードCC(条件規定媒体)が規定する条件が満たされた場合に、ゲーム制御部236は、条件カードCC(条件規定媒体)に組み合わされた動作カードCM(動作規定媒体)が規定する動作をオブジェクトに実行させる(ステップS010およびステップS011)。
【0082】
ここで、図10のプレイ画面10を参照しながら、具体例を挙げて説明することとする。図10のプレイ画面10において、上述したカード設定画面9におけるユーザの設定通りに、条件カードCC(条件規定媒体)として、「モンスターが危険エリアに侵入」が設定されており、動作カードCM(動作規定媒体)として、「モンスターをスタート地点に引き戻す」が設定されている。一方、画面領域108から、一体の敵キャラクタEが危険エリアAに侵入している状況であることが分かる。すなわち、条件カードCC(条件規定媒体)が規定する条件が満たされた状況となっている。したがって、ゲーム制御部236は、動作カードCM(動作規定媒体)が規定しているように、危険エリアAに侵入している一体の敵キャラクタEをスタート地点Sに引き戻す制御を実行する(ステップS010およびステップS011)。
【0083】
このように、敵キャラクタEに対してカードC(ゲーム進行規定媒体)を設定すると、通常はコンピュータ制御で動く敵キャラクタEの行動をユーザが変えることができる。また、「モンスターをスタート地点に引き戻す」等のカードC(ゲーム進行規定媒体)を使用することにより、敵キャラクタEの行動を一旦把握した上でこれに再び対処することが可能になる。したがって、このような態様によれば、対戦の楽しみをユーザにさらに与えることができる(ステップS010およびステップS011)。
【0084】
また、説明した具体例では、敵キャラクタEに関するカードC(ゲーム進行規定媒体)を使用する場合を想定したが、敵キャラクタE以外のオブジェクトに対してカードC(ゲーム進行規定媒体)を設定することも当然ながらあり得る(ステップS010およびステップS011)。
【0085】
特に、プレイヤキャラクタPに対してカードC(ゲーム進行規定媒体)を設定する場合、カードセットCS(組)が設定されたプレイヤキャラクタPは、カードセットCS(組)に規定された行動パターンをとることになるため、ユーザが保有するカードC(ゲーム進行規定媒体)のバリエーションや、どのカードC(ゲーム進行規定媒体)を選択し組み合わせるかというユーザの判断がプレイヤキャラクタPの行動に反映されることになる。そのため、プレイヤキャラクタPの行動にユーザの個性が反映され、ゲームの興趣性をさらに向上させることができるとともに、プレイヤキャラクタPを育成する楽しみをユーザに与えることができる(ステップS010およびステップS011)。
【0086】
以上で説明したステップS008~ステップS011は、ユーザがゲームを中断する場合を除き、ステージの終了条件が満たされるまで適宜繰り返されながら、ゲームが進行する。上述したステージの終了条件が満たされると、ゲームは終了することになるが、クリア条件が満たされることによる終了の場合には、例えば図11に示されるステージクリア画面11がゲーム装置3のディスプレイ4aに表示される(ステップS012およびステップS013)。
【0087】
以上をまとめると、本実施形態の情報処理方法において、付与部233は、少なくとも一つのカードC(ゲーム進行規定媒体)をユーザに関連づける。ここで、カードC(ゲーム進行規定媒体)は、所定の条件を規定する条件カードCC(条件規定媒体)と、所定の動作を規定する動作カードCM(動作規定媒体)とを含む。設定部235は、ユーザの操作に基づいて、カードC(ゲーム進行規定媒体)をオブジェクトに対して設定する。ゲーム制御部236は、設定されたカードC(ゲーム進行規定媒体)に応じて、オブジェクトを仮想空間内で制御する。
【0088】
本実施形態によれば、ゲームの多様性や自由度を高めることにより、ユーザを飽きさせることなく楽しませることができる。
【0089】
5.ゲーム画面の詳細な説明
本節では、図5図11に示されるゲーム画面について説明する。
【0090】
図5には、ログイン画面5の一例が示されている。図5のログイン画面5は、ユーザIDを入力するためのテキストフィールド51と、パスワードを入力するためのテキストフィールド52と、IDの保存を可能とするチェックボックス53と、ログイン処理の実行を可能とするボタン54と、新規IDの発行を行う画面への遷移を可能とするボタン55と、新規パスワードの発行を行う画面への遷移を可能とするボタン56と、登録情報変更画面への遷移を可能とするボタン57とを含む。
【0091】
図6には、ガチャ開始画面6の一例が示されている。図6のガチャ開始画面6は、ログインガチャを開始する画面であることを示すタイトル61と、ログインガチャの概要説明を含むユーザへのメッセージが記載されている説明欄62と、ガチャの抽選要求の送信を可能とするボタン63とを含む。
【0092】
図7には、当選結果画面7の一例が示されている。図7の当選結果画面7は、ログインガチャに関する画面であることを示すタイトル71と、ユーザが当選したカードC(ゲーム進行規定媒体)が示されている当選結果表示欄72と、ステージ選択要求の送信を可能とするボタン73とを含む。
【0093】
図8には、ステージ選択画面8の一例が示されている。図8のステージ選択画面8は、各ステージに対応するボタン81、ボタン82、ボタン83、ボタン84およびボタン85を含む。これらのボタンには、ユーザがステージを選択するにあたって必要な情報として、ステージの名称、難易度および概要が示されている。ユーザは、これらのボタンを押下することにより、プレイしたいステージを選択することができる。
【0094】
図9には、カード設定画面9の一例が示されている。図9のカード設定画面9は、ステージの名称、難易度および概要を含むタイトル91と、ユーザが所有する全てのカードC(ゲーム進行規定媒体)を表示する保有カード群92と、ユーザがガチャで当たり新たに手に入れたカードC(ゲーム進行規定媒体)であることを示すマーク93と、ステージ実行要求の送信を可能とするボタン94とを含む。ユーザは、保有カード群92の中から選択した条件カードCC(条件規定媒体)および動作カードCM(動作規定媒体)を、保有カード群92の外の領域にドラッグ・アンド・ドロップすることにより、ゲームのプレイに用いるカードセットCS(組)を設定することができる。
【0095】
図10には、プレイ画面10の一例が示されている。図10のプレイ画面10は、その右側上部に、ステージ名101と、プレイの一時停止を可能とする停止ボタン102と、プレイの開始または再開を可能とする開始ボタン103とを含む。
【0096】
図10のプレイ画面10は、その右側中央に、ゲームのプレイに用いるカードセットCS(組)に含まれる条件カードCC(条件規定媒体)および動作カードCM(動作規定媒体)の表示と、カードセットCS(組)を使用するタイミングの設定を可能とするボタン104と、カードセットCS(組)の再設定を可能とするボタン105とを含む。ユーザは、ボタン105を押下することにより、例えば、図9に示されるカード設定画面9に戻り、カードセットCS(組)を再設定することができる。
【0097】
図10のプレイ画面10は、その右側下部に、ユーザが使用できるユニットとして、砲台GおよびタワーTの表示を含む。なお、これらの表示には、ユニットのレベルと、ユニットの配備にあたり消費される消費媒体の額が示されている。
【0098】
図10のプレイ画面10は、その左側に、仮想空間を表す画面領域108を含む。画面領域108は、その上部に、ライフを数値で表すライフ表示106と、消費媒体の額を数値で表すコイン表示107とを含む。ユーザは、ライフ表示106およびコイン表示107を確認することにより、残りのライフおよびコインを勘案して、効率のよいユニットの配備、プレイヤキャラクタPのスキル発動、カードセットCS(組)の使用タイミングの見極め等の戦略を練りながらプレイをすることができる。
【0099】
なお、図10のプレイ画面10において、画面領域108に表される仮想空間には、プレイ開始からある程度の時間が経過した場面が示されている。詳細には、スタート地点Sの周りに4体の敵キャラクタEがおり、敵キャラクタEに矢を放っているプレイヤキャラクタPがおり、レベル1の砲台Gが2台、レベル2の砲台が1台、レベル1のタワーTが一個配備されており、1体の敵キャラクタEが拠点Bを囲む危険エリアAに侵入しているゲーム状況となっている。すなわち、上述した通り、ユーザが設定した条件カードCC(条件規定媒体)が規定する条件が満たされた状況となっている。
【0100】
図11には、ステージクリア画面11の一例が示されている。図11のステージクリア画面11は、ステージをクリアしたことをユーザへ伝えるためのメッセージが記載されているタイトル111と、次にプレイするステージの選択画面への遷移を可能とするボタン112と、ゲームの終了を可能とするボタン113とを含む。また、図11のステージクリア画面11は、その中央部に、付与されるクリア報酬をユーザに示すための表示を含む。なお、クリア報酬について詳細は後述するが、図11のステージクリア画面11では、クリア報酬はカードC(ゲーム進行規定媒体)となっている。
【0101】
6.情報処理の詳細
次に、上記概説された情報処理の詳細部分を説明する。
【0102】
<ステップS002~ステップS003について>
上記の説明ならびに図6および図7では、ログイン特典として引くことができる、課金を必要としない無償ガチャの一種である、いわゆるログインガチャを例示したが、ガチャの方式は、これに限られるものではない。例えば、ログイン特典としてチケットを付与し、チケットを集めることによってガチャを引ける方式等を採用してもよいし、VIPシステムを導入しているゲームにおいては、VIPランクが高いユーザ限定の無償ガチャであってもよい。
【0103】
抽選方法は、シーズンパスや月間パス等のサブスクリプションサービスとして提供される有償ガチャであってもよい。なお、有償ガチャによらなければ入手できないカードC(ゲーム進行規定媒体)があってもよい。
【0104】
また、有償無償を問わず、期間限定のガチャによりカードC(ゲーム進行規定媒体)をユーザが入手できるようにしてもよい。
【0105】
また、図7の当選結果画面7では、当選結果として1つのカードC(ゲーム進行規定媒体)が示されているが、条件カードCC(条件規定媒体)と動作カードCM(動作規定媒体)とを含むカードセットCS(組)が一回のガチャで当たるようにしてもよい。さらに、いわゆるデッキとして複数のカードセットCS(組)が一回のガチャで当たるようにしてもよい。
【0106】
なお、抽選リストにおいて、カードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)の選択確率は、一律でなくてもよい。すなわち、各カードC(ゲーム進行規定媒体)または各カードセットCS(組)にレアリティが設定され、カードC(ゲーム進行規定媒体)間またはカードセットCS(組)間で当選し易さに差異があってもよい。ここで、カードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)のレアリティは、カードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)の性能に比例していてもよいが、無関係であってもよい。
【0107】
このことに関連して、ガチャを引く回数が増えるほどに、レアリティが高いカードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)の選択確率が上がっていくステップアップ方式のガチャを抽選方法として採用してもよい。あるいは、ガチャを引く回数が増えるほどに、性能が高いカードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)の選択確率が上がっていくステップアップ方式のガチャを抽選方法として採用してもよい。
【0108】
また、一回のガチャで当選するのは、カードC(ゲーム進行規定媒体)の一部としてもよい。例えば、完全な条件カードCC(条件規定媒体)が「5歩前進する」である場合、「5歩」を規定する欠片のカードC(ゲーム進行規定媒体)と、「前進する」を規定する欠片のカードC(ゲーム進行規定媒体)とが、それぞれ所定の選択確率で抽選リストに含まれていてもよい。この場合、ユーザは、「5歩」を規定する欠片のカードC(ゲーム進行規定媒体)と、「前進する」を規定する欠片のカードC(ゲーム進行規定媒体)との両方を入手して初めて、「5歩前進する」を規定する条件カードCC(条件規定媒体)として使用することができる。
【0109】
一回の抽選で使用する抽選リストには、同種のカードC(ゲーム進行規定媒体)のみが含まれていてもよく、異種のカードC(ゲーム進行規定媒体)が含まれていてもよい。一回の抽選で使用する抽選リストに同種のカードC(ゲーム進行規定媒体)のみが含まれる場合とは、例えば、条件カードCC(条件規定媒体)が当たるガチャである。一回の抽選で使用する抽選リストに異種のカードC(ゲーム進行規定媒体)が含まれる場合とは、条件カードCC(条件規定媒体)または動作カードCM(動作規定媒体)が当たるガチャである。
【0110】
<ステップS006について>
上記の説明ならびに図9および図10では、ゲームのプレイに使用するカードセットCS(組)として、条件カードCC(条件規定媒体)と動作カードCM(動作規定媒体)とをそれぞれ1つずつ含む1組のカードセットCS(組)を設定する場合を例示した。しかしながら、ゲームのプレイに使用するカードセットCS(組)に複数の条件カードCC(条件規定媒体)が含まれる場合や、複数の動作カードCM(動作規定媒体)が含まれる場合もあり、複数のカードセットCS(組)を設定する場合もある。これらについて、図12を参照しながら、以下で説明することとする。図12は、複数のカードセットCS(組)の設定を表す概念図である。
【0111】
ゲームのプレイに使用するカードセットCS(組)に複数の条件カードCC(条件規定媒体)または動作カードCM(動作規定媒体)が含まれる態様において、前提として、カードC(ゲーム進行規定媒体)には、複数の条件カードCC(条件規定媒体)間の関係性または複数の動作カードCM(動作規定媒体)間の関係性を規定する関係カードCR(関係性規定媒体)がさらに含まれる。本態様では、当然ながら、ステップS003において、関係カードCR(関係性規定媒体)も抽選の対象となる。
【0112】
ここで、関係カードCR(関係性規定媒体)として、例えば、「かつ」「または」「次いで」等を意味するものが挙げられる。
【0113】
例えば、図12のカードセットCS1は、2つの条件カードCC(条件規定媒体)と、これらの関係性を規定する関係カードCR(関係性規定媒体)と、1つの動作カードCM(動作規定媒体)とを含む。また、図12のカードセットCS2は、1つの条件カードCC(条件規定媒体)と、2つの動作カードCM(動作規定媒体)と、これらの関係性を規定する関係カードCR(関係性規定媒体)とを含む。
【0114】
すなわち、好ましくは、一つのカードセットCS(組)には、複数の条件カードCC(条件規定媒体)と、少なくとも一つの関係カードCR(関係性規定媒体)とが含まれてもよく、または、一つのカードセットCS(組)には、複数の動作カードCM(動作規定媒体)と、少なくとも一つの関係カードCR(関係性規定媒体)とが含まれてもよい。このような態様によれば、ユーザは、複雑な条件や、複雑な動作を規定することができる。
【0115】
また、図12のカードセットCS3は、2つの条件カードCC(条件規定媒体)と、条件カードCC(条件規定媒体)同士の関係性を規定する関係カードCR(関係性規定媒体)と、2つの動作カードCM(動作規定媒体)と、動作カードCM(動作規定媒体)同士の関係性を規定する関係カードCR(関係性規定媒体)とを含む。
【0116】
すなわち、好ましくは、一つのカードセットCS(組)には、複数の条件カードCC(条件規定媒体)と、複数の動作カードCM(動作規定媒体)と、複数の関係カードCR(関係性規定媒体)とが含まれてもよい。このような態様によれば、ユーザは、より複雑な動作パターンを規定することができる。
【0117】
さらに、図12では、複数のカードセットCS(組)が矢印でつなげられている。これは、ユーザが、カードセットCS1、カードセットCS2、カードセットCS3およびカードセットCS4を、この記載順で指定したことを示すものである。
【0118】
すなわち、好ましくは、ユーザの操作は、複数のカードセットCS(組)の順序の指定をさらに含んでもよい。本態様では、ゲーム制御部236は、指定された順序どおりに、条件カードCC(条件規定媒体)が規定する条件が満たされた場合に、条件カードCC(条件規定媒体)に組み合わされた動作カードCM(動作規定媒体)が規定する動作をオブジェクトに実行させる。このような態様によれば、複雑な行動パターンをプレイヤキャラクタPに設定することができるようになるため、プレイヤキャラクタPを育成する楽しみをユーザにさらに与えることができる。
【0119】
また、図12では、カードセットCS4とカードセットCS1とが矢印でつなげられ、カードセットCS1、カードセットCS2、カードセットCS3およびカードセットCS4が全体としてループを形成している。このように、複数のカードセットCS(組)は、ループを形成してもよい。
【0120】
なお、図12においてループを形成できているのは、カードセットCS1の条件カードCC(条件規定媒体)のうちの一つと、カードセットCS4の動作カードCM(動作規定媒体)とが、「A地点まで移動」という共通の内容となっているからである。このように、カードC(ゲーム進行規定媒体)には、条件カードCC(条件規定媒体)にも動作カードCM(動作規定媒体)にもなり得るものがあってもよい。
【0121】
また、図12において、条件カードCC(条件規定媒体)と動作カードCM(動作規定媒体)とは、同一の長方形であるが、条件カードCC(条件規定媒体)の場合は、縦長となるように置かれており、動作カードCM(動作規定媒体)の場合は、横長となるように置かれている。ここで、条件カードCC(条件規定媒体)にも動作カードCM(動作規定媒体)にもなり得る「A地点まで移動」のカードC(ゲーム進行規定媒体)については、カードセットCS1では縦長となるように置かれることにより、条件カードCC(条件規定媒体)として扱われている。一方、カードセットCS4では、「A地点まで移動」のカードC(ゲーム進行規定媒体)は、横長となるように置かれることにより、動作カードCM(動作規定媒体)として扱われている。
【0122】
このように、条件カードCC(条件規定媒体)にも動作カードCM(動作規定媒体)にもなり得るカードC(ゲーム進行規定媒体)は、ユーザがカードC(ゲーム進行規定媒体)の置き方を決めることにより、どちらとして使うかを決めることができる。すなわち、ユーザの操作は、カードC(ゲーム進行規定媒体)を、条件カードCC(条件規定媒体)または動作カードCM(動作規定媒体)のいずれとして使用するかを決定することを含むことが好ましい。このような態様によれば、ユーザが自由な発想を発揮してゲームをプレイすることを促し、ユーザをさらに楽しませることができる。
【0123】
なお、条件カードCC(条件規定媒体)と動作カードCM(動作規定媒体)との区別は、カードC(ゲーム進行規定媒体)の置き方を変えることによるものとして説明したが、当然ながら、カードC(ゲーム進行規定媒体)の置き場所の区別等他の方法を採用してもよい。
【0124】
<ステップS006およびステップS009について>
上記の説明ならびに図9および図10では、敵キャラクタEに関するカードC(ゲーム進行規定媒体)が使用され、オブジェクトとして敵キャラクタEに対して、カードセットCS(組)が設定される場合を例示した。しかしながら、「A地点に到達」等のオブジェクトに関する記載がないカードC(ゲーム進行規定媒体)の場合、ユーザがオブジェクトを指定することができる。
【0125】
オブジェクトの指定は、ゲームを開始する前のステップS006において、カード設定画面9にてユーザが行ってもよいが、ゲーム開始後のステップS009においてプレイ画面10にてユーザが行うことが好ましい。例えば、図10のプレイ画面10中の画面領域108にて、ユーザがプレイヤキャラクタP、敵キャラクタE、砲台GおよびタワーTのユニット等のオブジェクトを選択操作することにより、オブジェクトの指定が可能になってもよい。
【0126】
また、ユーザが複数のプレイヤキャラクタPを使用してプレイする場合等において、ユーザは、カードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)を複数のオブジェクトに対して設定することができる。この場合、複数のオブジェクトに対して、同一のカードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)を設定してもよいし、互いに異なるカードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)を設定してもよい。
【0127】
また、eスポーツ等で複数のユーザでチームを組みプレイする場合、ユーザは、自身が設定したカードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)を、他のチームメンバーに対し設定することができてもよい。あるいは、ユーザと同一のチームに属するメンバーには、ユーザと同一のカードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)が自動的に設定されてもよい。すなわち、好ましくは、付与部233は、ユーザおよび他のユーザの一方に関連づけられたカードC(ゲーム進行規定媒体)を、ユーザおよび他のユーザの他方に関連づけてもよい。このような態様によれば、チームでプレイする場合に、チーム戦略の一つとしてカードC(ゲーム進行規定媒体)を使用することが可能になる。
【0128】
かかる場合、チームのメンバーが所有または使用するカードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)を他のメンバーが見ることができることが好ましい。例えば、図10のプレイ画面10中の画面領域108にて、ユーザは、他のメンバーのプレイヤキャラクタPを選択操作することにより、このプレイヤキャラクタPに設定されているカードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)を確認することができてもよい。
【0129】
また、ユーザは、プレーヤ対プレーヤ形式でゲームをプレイする場合、対戦相手の所有または使用するカードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)を見ることができてもよい。例えば、図10のプレイ画面10中の画面領域108にて、ユーザは、対戦相手のプレイヤキャラクタPを選択操作することにより、このプレイヤキャラクタPに設定されているカードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)を確認することができてもよい。なお、対戦相手のカードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)は、所定の条件が満たされた場合にのみ、見ることができるようになることが好ましい。ここで、所定の条件として、例えば、所定のアイテムの使用等が挙げられる。
【0130】
<ステップS013について>
クリア条件が満たされることによりゲームが終了する場合には、ステージのクリア報酬は、図11のステージクリア画面11に示されるように、カードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)であってもよい。ここで、ステージのクリア報酬としてユーザへ付与されるカードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)は、抽選により決まるものであってもよい。すなわち、ステップS012においてステージの終了条件が満たされたあと、ステップS003およびステップS004が実行されてもよい。あるいは、ステージのクリア報酬として予め定められたカードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)がユーザに付与されてもよい。
【0131】
また、ステージに対応付けられているミッションがクリアされている場合には、ミッションのクリア報酬として、カードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)がユーザに付与されてもよい。ここで、ミッションのクリア報酬としてユーザへ付与されるカードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)は、ステージのクリア報酬と同様に、抽選により決まるものであってもよい。あるいは、ミッションのクリア報酬として予め定められたカードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)がユーザに付与されてもよい。
【0132】
[その他]
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下の態様を採用してもよい。
【0133】
本実施形態では、照合部231、抽選部232、付与部233、受付部234、設定部235およびゲーム制御部236を、情報処理装置2の制御部23によって実現される機能部として説明しているが、この少なくとも一部を、ゲーム装置3の制御部33によって実現される機能部として実施してもよい。
【0134】
<カードC(ゲーム進行規定媒体)の付与について>
カードC(ゲーム進行規定媒体)は、ログインボーナスとしてユーザに付与されてもよい。この場合、ログイン回数に応じて、レアリティの高いカードC(ゲーム進行規定媒体)が付与されるようにしてもよい。なお、ログインボーナスとしてのカードC(ゲーム進行規定媒体)の付与は、抽選処理を介しても、介さなくてもよい。また、VIPシステムを導入しているゲームにおいて、課金額に応じて、レアリティの高いカードC(ゲーム進行規定媒体)が付与されるようにしてもよい。なお、この場合も、カードC(ゲーム進行規定媒体)の付与は、抽選処理を介しても、介さなくてもよい。
【0135】
カードC(ゲーム進行規定媒体)は、課金によりユーザに付与されてもよい。換言すると、ユーザがカードC(ゲーム進行規定媒体)を購入できるようにしてもよい。なお、購入できるカードC(ゲーム進行規定媒体)をユーザに明示してもよく、すなわち、金額に応じてカードC(ゲーム進行規定媒体)が予め定められていてもよい。あるいは、抽選処理を介して、金額に応じたカードC(ゲーム進行規定媒体)が決まってもよい。
【0136】
複数の条件カードCC(条件規定媒体)を一単位として、一度にユーザに付与されてもよい。この場合、複数の条件カードCC(条件規定媒体)間の関係性を規定する関係カードCR(関係性規定媒体)もこの一単位に含まれていてもよい。同様に、複数の動作カードCM(動作規定媒体)を一単位として、一度にユーザに付与されてもよい。この場合、複数の動作カードCM(動作規定媒体)間の関係性を規定する関係カードCR(関係性規定媒体)もこの一単位に含まれていてもよい。
【0137】
ここで、具体例を挙げると、「ジャンプする」という動作カードCM(動作規定媒体)と、「かつ」という関係カードCR(関係性規定媒体)と、「攻撃する」という動作カードCM(動作規定媒体)とから構成される一単位が一回の抽選で当選するようにしてもよい。
【0138】
カードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)は、ゲームのステージに予め設定されていてもよい。この場合、ユーザは、自身が所有するカードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)と組み合わせて、ステージに予め設定されたカードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)をゲームのプレイに用いることができることが好ましい。
【0139】
カードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)は、ゲームのステージの課題として予め設定されていてもよい。換言すると、ゲームのクリア条件は、課題として設定されたカードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)によるオブジェクトの制御が実行されることであってもよい。
【0140】
ターン制ゲームにおいて、ターン毎に、ユーザが保有するカードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)の中から抽選処理により、そのターンで使用できるカードC(ゲーム進行規定媒体)またはカードセットCS(組)が決まってもよい。
【0141】
ユーザがプレイを開始する前に、ユーザの保有するカードC(ゲーム進行規定媒体)を対象として、所定の回数の抽選処理が実施され、当選順にカードC(ゲーム進行規定媒体)が自動的に編成される結果、カードセットCS(組)、または複数のカードセットCS(組)とその順序が決まってもよい。この場合、ユーザによる操作がなくとも、ゲーム制御部236は、設定されたカードC(ゲーム進行規定媒体)に応じて、オブジェクトを仮想空間内で制御することが可能であるが、ユーザが、カードC(ゲーム進行規定媒体)の設定またはカードセットCS(組)の編成の決定等の操作をさらに行ってもよい。ここで、これらのユーザの操作の程度または回数には制限があってもよい。また、このような自動編成による1日あたりのプレイ回数を制限してもよい。
【0142】
ユーザがゲームのプレイに用いるために設定したカードセットCS(組)は、記憶部22が記憶するユーザDBにおいてユーザの識別情報と関連づけられてもよい。すなわち、付与部233は、ユーザにより編成が決定されたカードセットCS(組)をユーザに関連づけることが好ましい。このような態様によれば、戦略としてカードセットCS(組)の使用が有効であることが分かった場合、ユーザが次にゲームをプレイするときに、カードセットCS(組)の編成作業を行わずに簡易に使用することが可能になる。
【0143】
このことに関連して、戦略として有効なカードセットCS(組)を見出したユーザには、インセンティブを与えるというゲーム仕様にしてもよい。また、戦略として有効なカードセットCS(組)を、課金により入手可能にしてもよい。
【0144】
ユーザは、所定の条件の下で、他のユーザが所有または使用するカードC(ゲーム進行規定媒体)を変更できてもよい。ここで、所定の条件として、例えば、所定のアイテムの使用等が挙げられる。
【0145】
<カードC(ゲーム進行規定媒体)の変形例について>
カードC(ゲーム進行規定媒体)には有効度が設定されていてもよい。カードC(ゲーム進行規定媒体)の有効度は、ユーザがゲームのプレイに使用した回数が増えるほどに上昇してもよい。カードC(ゲーム進行規定媒体)の有効度は、所定の状況に応じて変化してもよい。例えば、プレイヤキャラクタPの感情が怒っている状態である場合に、攻撃について規定する動作カードCM(動作規定媒体)の有効度が上がり、攻撃力が増強されてもよい。
【0146】
複数のカードセットCS(組)がループを形成する場合において、「最初のカードに戻る」や「所定の条件カードCC(条件規定媒体)まで飛ぶ」等のカードセットCS(組)の流れを規定するカードC(ゲーム進行規定媒体)があってもよい。
【0147】
同一の内容の複数の動作カードCM(動作規定媒体)から、レアリティまたは性能が高い一つの動作カードCM(動作規定媒体)を合成できてもよい。例えば、所定の攻撃について規定する動作カードCM(動作規定媒体)3つから、攻撃力が3倍に増強された一つの動作カードCM(動作規定媒体)が合成できてもよい。ここで、レアリティまたは性能は、合成する動作カードCM(動作規定媒体)の数に比例してもよい。
【0148】
内容が異なる複数の動作カードCM(動作規定媒体)から、レアリティまたは性能が高い一つの動作カードCM(動作規定媒体)を合成できてもよい。例えば、所定の攻撃について規定する動作カードCM(動作規定媒体)2つと、敵キャラクタEからの攻撃の回避を規定する動作カードCM(動作規定媒体)1つとから、攻撃力が高い一つの動作カードCM(動作規定媒体)が合成できてもよい。ここで、レアリティまたは性能は、合成する動作カードCM(動作規定媒体)の数に比例してもよいし、各動作カードCM(動作規定媒体)のレアリティまたは性能を示す値の合計値に比例してもよい。
【0149】
内容が異なる複数の動作カードCM(動作規定媒体)から、全く内容が異なる動作カードCM(動作規定媒体)に合成できてもよい。例えば、所定の攻撃について規定する動作カードCM(動作規定媒体)2つと、敵キャラクタEからの攻撃の回避を規定する動作カードCM(動作規定媒体)1つとから、必殺技を規定する動作カードCM(動作規定媒体)が合成できてもよい。
【0150】
内容が異なる複数の動作カードCM(動作規定媒体)および関係カードCR(関係性規定媒体)から、内容が異なる一つの動作カードCM(動作規定媒体)を合成できてもよい。例えば、「ジャンプする」という動作カードCM(動作規定媒体)と、「かつ」という関係カードCR(関係性規定媒体)と、「攻撃する」という動作カードCM(動作規定媒体)とから、レアリティまたは性能が高い必殺技を規定する一つの動作カードCM(動作規定媒体)が合成できてもよい。
【0151】
なお、複数の動作カードCM(動作規定媒体)を含む一単位を、合成して一つの動作カードCM(動作規定媒体)に変化させずとも、当該一単位を使用すると、オブジェクトに必殺技を実行させることが可能となってもよい。さらに、ユーザが必殺技の実行を望む場合や、所定の条件が満たされた場合にのみ、当該一単位による必殺技の実行が可能となってもよい。例えば、当該一単位による必殺技の実行を、選択表示によりユーザが選択できるようにしてもよい。また別の例として、カードC(ゲーム進行規定媒体)の一種として合体技規定カードをユーザが使用できるようにし、ユーザによって合体技規定カードが当該一単位の前、後または前後に置かれた場合に、当該一単位による必殺技の実行が可能となってもよい。
【0152】
ここで、具体例を挙げて詳細に説明することとする。なお、説明の都合上、ユーザは、「ジャンプする」、「攻撃する」または「前進する」という動作カードCM(動作規定媒体)と、「かつ」という関係カードCR(関係性規定媒体)を所有しているものとする。また、カードC(ゲーム進行規定媒体)の一種として合体技規定カードをユーザが使用できる場合を想定する。ユーザは、「ジャンプする」という動作カードCM(動作規定媒体)と、「かつ」という関係カードCR(関係性規定媒体)と、「攻撃する」という動作カードCM(動作規定媒体)とを、プレイに使用する一単位として記載の順序で設定すると、オブジェクトは、当該一単位に組み合わされた少なくとも一つの条件カードCC(条件規定媒体)が規定する所定条件下で、ジャンプしながら攻撃をするように制御される。ユーザがさらに合体技規定カードを2枚所有しており、「ジャンプする」という動作カードCM(動作規定媒体)の前と、「攻撃する」という動作カードCM(動作規定媒体)の後に、合体技規定カードを設定すると、オブジェクトは、同様の所定条件下で必殺技Aを実行するように制御される。また、ユーザが、「ジャンプする」という動作カードCM(動作規定媒体)と、「かつ」という関係カードCR(関係性規定媒体)と、「前進する」という動作カードCM(動作規定媒体)とを組み合わせて別の一単位を設定した場合、合体技規定カードの配置により必殺技Aとは異なる必殺技Bが実行可能となる。
【0153】
また、レアリティまたは性能が高いカードC(ゲーム進行規定媒体)によりオブジェクトを制御する場合、所定のパラメータ、例えばマジックポイント等の消費を伴うこととするゲーム仕様にしてもよい。例えば、ユーザが、3つのカードC(ゲーム進行規定媒体)、動作カードCM(動作規定媒体)「ジャンプする」と、関係カードCR(関係性規定媒体)「かつ」と、動作カードCM(動作規定媒体)「攻撃する」とを所有している場合に、マジックポイント等の所定のパラメータを消費したくないときや、当該パラメータが枯渇しているときには、「ジャンプする」、「攻撃する」という動作カードCM(動作規定媒体)をそれぞれ単独で使用してもよいし、オブジェクトがジャンプしながら攻撃をするよう制御されるように、「ジャンプする」、「かつ」および「攻撃する」の3つのカードを一単位として使用してもよい。逆に、ユーザが当該パラメータを消費してもよいと判断した場合には、3つのカードC(ゲーム進行規定媒体)を合成し、当該パラメータを消費して、レアリティまたは性能が高い必殺技を規定する一つの動作カードCM(動作規定媒体)によりオブジェクトを制御することができる。このような態様によれば、カードC(ゲーム進行規定媒体)を使用して多彩な戦略を立てることが可能になる。
【0154】
カードC(ゲーム進行規定媒体)は、ユーザが任意に設定可能な構成要素を含んでいてもよい。例えば、「天気がXになった」という条件カードCC(条件規定媒体)では、任意に設定可能な構成要素Xに、ユーザは自らが決めた天候条件を設定することができる。また、別の具体例として、「Y歩前進する」という動作カードCM(動作規定媒体)では、任意に設定可能な構成要素Yに、ユーザは自らが決めた歩数を設定することができる。
【0155】
条件カードCC(条件規定媒体)では、複数の条件が何らかの関係性を有して規定されていてもよい。同様に、動作カードCM(動作規定媒体)では、複数の動作が何らかの関係性を有して規定されていてもよい。具体例として、「雨または雪が降っている」という条件カードCC(条件規定媒体)、「攻撃またはジャンプする」という動作カードCM(動作規定媒体)が挙げられる。
【0156】
また、複数の条件カードCC(条件規定媒体)と関係カードCR(関係性規定媒体)とを合成することにより、複数の条件が何らかの関係性を有して規定されている一つの条件カードCC(条件規定媒体)が合成できてもよい。例えば、「雨が降っている」と「雪が降っている」という条件カードCC(条件規定媒体)と、「または」という関係カードCR(関係性規定媒体)とから、「雨または雪が降っている」という条件カードCC(条件規定媒体)が合成できてもよい。
【0157】
同様に、複数の動作カードCM(動作規定媒体)と関係カードCR(関係性規定媒体)とを合成することにより、複数の動作が何らかの関係性を有して規定されている一つの動作カードCM(動作規定媒体)が合成できてもよい。例えば、「攻撃する」と「ジャンプする」という動作カードCM(動作規定媒体)と、「または」という関係カードCR(関係性規定媒体)とから、「攻撃またはジャンプする」という動作カードCM(動作規定媒体)が合成できてもよい。
【0158】
このような動作カードCM(動作規定媒体)または関係カードCR(関係性規定媒体)の合成を可能とすることにより、ユーザが所有または使用するカードの枚数が減るため、いわゆるデッキとして複数のカードセットCS(組)を編成する際のユーザビリティを向上させることができる。
【0159】
カードC(ゲーム進行規定媒体)は、置き方により、その規定内容が変化するものであってもよい。例えば、「>」という関係カードCR(関係性規定媒体)は、180度回転させると、「<」を意味するように変化してもよい。別の具体例として、「+」という関係カードCR(関係性規定媒体)は、45度回転させると、「×」を意味するように変化してもよい。
【0160】
カードC(ゲーム進行規定媒体)には表裏があり、表と裏で規定する内容が異なっていてもよい。例えば、「晴れている」という条件カードCC(条件規定媒体)は、裏返すと、「雨が降っている」という条件カードCC(条件規定媒体)に変化してもよい。
【0161】
<複数のカードセットCS(組)の設定について>
複数のカードセットCS(組)を設定する場合、一番先頭のカードC(ゲーム進行規定媒体)の性能または制御されるプレイヤキャラクタのレベルに応じて、同一の条件カードCC(条件規定媒体)または動作カードCM(動作規定媒体)を当該複数のカードセットCS(組)において使用できる枚数に限度が設定されてもよい。
【0162】
ゲームの終了に関わる一要素であるライフに関して、複数のカードセットCS(組)を設定できてもよい。以下に具体例を記載する。一番目のカードセットCS(組)として、ユーザは、条件カードCC(条件規定媒体)「ライフが半減した」と、動作カードCM(動作規定媒体)「回復アイテムを使用してライフを回復する」とを設定することができる。2番目のカードセットCS(組)として、ユーザは、条件カードCC(条件規定媒体)「回復アイテムがない」と、動作カードCM(動作規定媒体)「ライフを回復させずに続行する」、「自動的に仮想通貨を消費して回復アイテムを購入する」または「エラー処理によりプレイを中止させる」とを設定することができる。
【0163】
カードC(ゲーム進行規定媒体)は、実体のあるものであってもよい。例えば、カードC(ゲーム進行規定媒体)は、紙のカードであり、この紙のカードがゲーム装置3に読み取られることにより、ゲームでの使用が可能になる仕様にしてもよい。
【0164】
本実施形態の態様は、情報処理システム1として機能させるためのゲームプログラムでもよいし、プログラムの各部を備えるゲーム装置3でもよいし、ゲーム装置3を備えるゲームシステムでもよい。
【0165】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記ゲームプログラムにおいて、前記ゲーム装置に、抽選ステップをさらに実行させ、前記抽選ステップでは、複数の前記ゲーム進行規定媒体の中から少なくとも一つを抽選により選択し、前記付与ステップでは、選択された前記ゲーム進行規定媒体を前記ユーザに関連づける、もの。
前記ゲームプログラムにおいて、前記設定ステップでは、前記ユーザの操作に基づいて、前記条件規定媒体と前記動作規定媒体とを含む組を、前記オブジェクトに対して設定し、前記ユーザの操作は、前記組の編成を決定する操作を含み、前記ゲーム制御ステップでは、前記条件規定媒体が規定する条件が満たされた場合に、前記条件規定媒体に組み合わされた前記動作規定媒体が規定する動作を前記オブジェクトに実行させる、もの。
前記ゲームプログラムにおいて、前記ユーザの操作は、複数の前記組の順序の指定をさらに含み、前記ゲーム制御ステップでは、指定された前記順序どおりに、前記条件規定媒体が規定する条件が満たされた場合に、前記条件規定媒体に組み合わされた前記動作規定媒体が規定する動作を前記オブジェクトに実行させる、もの。
前記ゲームプログラムにおいて、前記ゲーム進行規定媒体は、複数の前記条件規定媒体間の関係性または複数の前記動作規定媒体間の関係性を規定する関係性規定媒体をさらに含み、一つの前記組には、複数の前記条件規定媒体と、少なくとも一つの前記関係性規定媒体とが含まれる、または、一つの前記組には、複数の前記動作規定媒体と、少なくとも一つの前記関係性規定媒体とが含まれる、もの。
前記ゲームプログラムにおいて、一つの前記組には、複数の前記条件規定媒体と、複数の前記動作規定媒体と、複数の前記関係性規定媒体とが含まれる、もの。
前記ゲームプログラムにおいて、前記ゲーム進行規定媒体は、複数の前記条件規定媒体間の関係性または複数の前記動作規定媒体間の関係性を規定する関係性規定媒体をさらに含む、もの。
前記ゲームプログラムにおいて、前記ユーザの操作は、前記ゲーム進行規定媒体を、前記条件規定媒体または前記動作規定媒体のいずれとして使用するかを決定することを含む、もの。
前記ゲームプログラムにおいて、前記ユーザの操作は、前記ゲーム進行規定媒体による前記オブジェクトの制御を行うタイミングの設定を含む、もの。
前記ゲームプログラムにおいて、前記付与ステップでは、前記ユーザおよび他のユーザの一方に関連づけられた前記ゲーム進行規定媒体を、前記ユーザおよび他のユーザの他方に関連づける、もの。
ゲーム装置であって、前記プログラムの各ステップを実行するように構成される、もの。
ゲームシステムであって、ゲーム装置を備え、前記ゲーム装置は、付与部と、設定部と、ゲーム制御部とを備え、前記付与部は、少なくとも一つのゲーム進行規定媒体をユーザに関連づけるように構成され、前記ゲーム進行規定媒体は、所定の条件を規定する条件規定媒体と、所定の動作を規定する動作規定媒体とを含み、前記設定部は、前記ユーザの操作に基づいて、前記ゲーム進行規定媒体をオブジェクトに対して設定するように構成され、前記ゲーム制御部は、設定された前記ゲーム進行規定媒体に応じて、前記オブジェクトを仮想空間内で制御するように構成される、もの。
もちろん、この限りではない。
【0166】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0167】
1 :情報処理システム
2 :情報処理装置
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
231 :照合部
232 :抽選部
233 :付与部
234 :受付部
235 :設定部
236 :ゲーム制御部
3 :ゲーム装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
331 :ゲーム実行部
332 :報知制御部
34a :グラフィック処理部
34b :オーディオ処理部
34c :操作部
4a :ディスプレイ
4b :スピーカ
4c :入力デバイス
5 :ログイン画面
51 :テキストフィールド
52 :テキストフィールド
53 :チェックボックス
54 :ボタン
55 :ボタン
56 :ボタン
57 :ボタン
6 :ガチャ開始画面
61 :タイトル
62 :説明欄
63 :ボタン
7 :当選結果画面
71 :タイトル
72 :当選結果表示欄
73 :ボタン
8 :ステージ選択画面
81 :ボタン
82 :ボタン
83 :ボタン
84 :ボタン
85 :ボタン
9 :カード設定画面
91 :タイトル
92 :保有カード群
93 :マーク
94 :ボタン
10 :プレイ画面
101 :ステージ名
102 :停止ボタン
103 :開始ボタン
104 :ボタン
105 :ボタン
106 :ライフ表示
107 :コイン表示
108 :画面領域
11 :ステージクリア画面
111 :タイトル
112 :ボタン
113 :ボタン
12 :通信ネットワーク
A :危険エリア
B :拠点
C :カード
CC :条件カード
CM :動作カード
CR :関係カード
CS :カードセット
CS1 :カードセット
CS2 :カードセット
CS3 :カードセット
CS4 :カードセット
E :敵キャラクタ
G :砲台
P :プレイヤキャラクタ
S :スタート地点
T :タワー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12