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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169365
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】ブレーカー遮断装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 73/02 20060101AFI20221101BHJP
   H02B 1/42 20060101ALI20221101BHJP
   H01H 35/14 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
H01H73/02 A
H02B1/42
H01H35/14 C
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021075361
(22)【出願日】2021-04-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】515136661
【氏名又は名称】株式会社エヌ・アイ・ピー
(74)【代理人】
【識別番号】100076831
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 捷雄
(72)【発明者】
【氏名】宇尾野 俊明
【テーマコード(参考)】
5G030
5G056
5G211
【Fターム(参考)】
5G030AB01
5G030XX02
5G030YY02
5G056BD09
5G056BD26
5G211AA04
5G211DD18
(57)【要約】
【課題】今までのユーザーからの声を取り入れ、さらに利便性を向上させたブレーカー遮断装置を提供する。
【解決手段】単数または複数の錘と、ブレーカーの摘みへ取り付けられる摘み取付手段がその一端部に連結されると共に前記錘がその他端部に連結される紐状物と、取付板部の下部側に設けられ、前記錘を載置させる載置台を有する台部と、前記取付板部の上部側に設けられ前記紐状物を挿通させると共に、前記摘み取付手段を係止させる案内孔を有する係止部と、を有するブレーカー遮断装置において、前記案内孔の形状を前方に突出する半長円形に構成すると共に、前記案内孔の上部内側エッジ部分にアール部を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単数または複数の錘と、
ブレーカーの摘みへ取り付けられる摘み取付手段がその一端部に連結されると共に前記錘がその他端部に連結される紐状物と、
取付板部の下部側に設けられ、前記錘を載置させる載置台を有する台部と、
前記取付板部の上部側に設けられ前記紐状物を挿通させると共に、前記摘み取付手段を係止させる案内孔を有する係止部と、を有するブレーカー遮断装置において、
前記案内孔の形状を前方に突出する半長円形に構成すると共に、前記案内孔の上部内側エッジ部分にアール部を設けたことを特徴とする、ブレーカー遮断装置。
【請求項2】
前記複数の錘は、重さの異なるものからなることを特徴とする、請求項1に記載のブレーカー遮断装置。
【請求項3】
前記摘み取付手段は、ブレーカーの摘みの形状や大きさに合わせた複数のものからなることを特徴とする、請求項1~2のいずれか1項に記載のブレーカー遮断装置。
【請求項4】
前記取付板部には、二次元コードが設けられていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のブレーカー遮断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、配電盤に設置されている漏電ブレーカーなどのブレーカーを地震の際に自動的に遮断する際に用いて好適なブレーカー遮断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
平成7年に発生した阪神大震災の際に、地震に伴って発生したいわば二次災害としての大小火災によって多くの建物や人命が失われたことは我々の記憶にまだ新しい。この地震に伴って発生する火災の原因の一つとして、漏電や電気機器の転倒に伴うショートによるものが大きな原因の一つとして知られている。そこで、地震の際に漏電ブレーカーなどのブレーカーを遮断するブレーカー遮断装置が、下記する特許文献に記載されているように、本願出願人及び本願出願人の前身の会社や社員によって提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-296428号公報
【特許文献2】特開2006-164649号公報
【特許文献3】実用新案登録第3202057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来のブレーカー遮断装置は、いずれも、錘と、ブレーカーの摘みへ取り付けられる摘み取付手段がその一端部に連結されると共に前記錘がその他端部に連結される紐状物と、取付板部の下部側に設けられ、前記錘を載置させる載置台を有する台部と、前記取付板部の上部側に設けられ前記紐状物を挿通させると共に、前記摘み取付手段を係止させる案内孔を有する係止部とを有しており、2003年に発売されて以来、2021年4月の今日に至るまで、約17年間に渡って継続して発売されてきている。その間、少しずつ改良が加えられて来ているが、最近になってこのブレーカー遮断装置は、大手電力会社から推奨品として扱われ、さらに地方公共団体から住民配布用として大量購入される人気商品となっている。
【0005】
最近になって、エンドユーザーからは、地震時の動作時に係止部の案内孔に紐状物が引っ掛かってうまく動作しない場合があるという苦情や、ブレーカーの遮断スイッチが硬い場合には、地震時に載置台から錘が落下しても、ブレーカーの遮断スイッチが切れない場合があるという苦情が寄せられるようになり、また、取扱説明書がついていても、ブレーカー遮断装置の取り扱いや取付方法等に関する質問がメーカーに寄せられるケースが多くなっている。そこで、本発明の目的は、今までのユーザーからの声を取り入れ、さらに利便性を向上させたブレーカー遮断装置を提供せんとするにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のブレーカー遮断装置は、単数または複数の錘と、ブレーカーの摘みへ取り付けられる摘み取付手段がその一端部に連結されると共に前記錘がその他端部に連結される紐状物と、取付板部の下部側に設けられ、前記錘を載置させる載置台を有する台部と、前記取付板部の上部側に設けられ前記紐状物を挿通させると共に、前記摘み取付手段を係止させる案内孔を有する係止部と、を有するブレーカー遮断装置において、前記案内孔の形状を前方に突出する半長円形に構成すると共に、前記案内孔の上部内側エッジ部分にアール部を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2のブレーカー遮断装置は、前記複数の錘は、重さの異なるものからなることを特徴とする。
【0008】
請求項3のブレーカー遮断装置は、前記摘み取付手段は、ブレーカーの摘み(スイッチノブ)の形状や大きさに合わせた複数のものからなることを特徴とする。
【0009】
請求項4のブレーカー遮断装置は、前記取付板部には、二次元コードが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のブレーカー遮断装置によれば、係止部の案内孔の形状を前方に円弧を突出させた半長円形に構成すると共に係止部の案内孔の上部内側エッジ部分にアール部を設けている。このため、この2つの構成の相乗効果により、錘が載置台から落下する過程で錘に引っ張られて移動する紐状物と案内孔の摺擦が円滑になって、紐状物の移動が妨げられ難くなる。したがって、地震時の動作時に係止部の案内孔に紐状物が引っ掛かってうまく動作しない場合があるというエンドユーザーからの声を取り入れて、ブレーカー遮断装置の利便性をさらに向上させることができる。
【0011】
請求項2のブレーカー遮断装置によれば、重さの異なる複数の錘から、錘が載置台から落下する過程で錘に引っ張られて移動する紐状物と案内孔の摺擦が円滑になって、紐状物の移動が妨げられ難くなる錘を選択することができる。したがって、地震時の動作時に係止部の案内孔に紐状物が引っ掛かってうまく動作しない場合があるというエンドユーザーからの声を取り入れて、ブレーカー遮断装置の利便性をさらに向上させることができる。
【0012】
請求項3のブレーカー遮断装置によれば、ブレーカーの摘み(スイッチノブ)の形状や大きさに合わせて複数の摘み取付手段からガタツキの少ないもの選択することができる。これにより、摘み取付手段のガタツキに起因して、地震時の動作時にブレーカー遮断装置がうまく動作しない場合があるというエンドユーザーからの声を取り入れて、ブレーカー遮断装置の利便性をさらに向上させることができる。
【0013】
請求項4のブレーカー遮断装置によれば、取付板部に設けられた二次元コードをユーザーがスマートフォン等で読み取ってウェブサイトへアクセスすることにより、ユーザーが必要な情報を直観的に任意のタイミングで取得できる。したがって、地震時の動作時にブレーカー遮断装置がうまく動作しない場合があるというエンドユーザーからの声を取り入れて、ブレーカー遮断装置の利便性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態1に係るブレーカー遮断装置の使用状態を示す斜視図である。
図2図1のブレーカー遮断装置を設置した配電盤の正面図である。
図3図2のブレーカー遮断装置の台部に錘を載置した状態を説明する側面図である。
図4図2のブレーカー遮断装置の台部から錘が落下した状態を説明する側面図である。
図5】実施の形態1のブレーカー遮断装置において案内孔の上部内側エッジ部分の全体がなめらかに連続した曲面であることの説明図である。(a)は側断面図、(b)は平面図である。
図6】実施の形態2のブレーカー遮断装置において棚部の外側エッジがなめらかに連続した曲面であることを説明する断面図である。
図7】実施の形態3のブレーカー遮断装置において第1錘と第2錘のうちから一方を選択できることを説明する断面図である。(a)は第1錘、(b)は第2錘である。
図8】実施の形態4のブレーカー遮断装置においてクリップ式の摘み取付手段の説明図である。
図9】実施の形態5のブレーカー遮断装置において台部から棚部を分離した設置方法の説明図である。
図10】実施の形態6のブレーカー遮断装置において台部の取付板部に二次元コードを用いてURL情報を表示している状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面を参照して本発明のブレーカー遮断装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
[実施の形態1]
図1図2に示すように、配電盤8にブレーカー9が設けられ、ブレーカー遮断装置1は、ブレーカー9の直下の垂直面8aに取り付けることができる。或いは、図9に示すように、ブレーカー遮断装置1は、ブレーカー9の直下から離れた任意の高さ位置に取り付けることもできる。図1に示すように、取付板部2aには、係止部6を台部2から分離するために、V字溝の切欠溝Nが形成されている。係止部6は、ハサミやカッターナイフを用いて切欠溝Nで下部側の取付板部2aから上部側の取付板部6aを切り離すことにより、台部2から分離可能である。
【0017】
ブレーカー遮断装置1をブレーカー9の直下の垂直面8aに取り付ける際には、係止部6と台部2とを分離することなく、取付板部2aの裏面に設けた粘着層13から剥離シート14を剥がして垂直面8aに貼着させる。一方、係止部6を台部2から分離して使用する場合、係止部6は、ブレーカー9の直下の垂直面8aに貼着されるが、台部2は任意の位置に取り付け可能である。
【0018】
ブレーカー遮断装置1は、単数または複数の錘5と、ブレーカー9の摘み10へ取り付けられる摘み取付手段11がその一端部に連結されると共に錘5がその他端部に連結される紐状物7と、取付板部2a、6aの下部側(2a)に設けられ、錘5を載置させる載置台2cを有する台部2と、取付板部2a、6aの上部側(6a)に設けられ紐状物7を挿通させると共に、摘み取付手段11を係止させる案内孔6cを有する係止部6と、を有する。
【0019】
地震が来て、所定震度で建物が揺れると、ブレーカー遮断装置1も共に揺れ、載置台2c上に載置した錘5が載置台2cから落下する。図4に示すように、錘5が落下すると、錘5の重量と加速度で紐状物7を介して摘み10が下方へ倒されて、ブレーカー9がOFFする。ブレーカー9がOFFすると、摘み取付手段11が摘み10から抜け落ちる。このとき、係止部6の案内孔6cに摘み取付手段11が係止されて錘5の落下が停止する。
【0020】
図1に示すように、錘5は鉛製で球体状に形成され、表面に非導電性材質の樹脂をコーティングしてあると共に、紐状物7の取付片5aが形成されている。錘5は、鉛以外に鉄、銅、その他の比重の高い材料を用いてもよい。錘5の形状は球体状には限定されない。
【0021】
紐状物7の他端部7bは、錘5の取付片5aに連結される。紐状物7の一端部7aは、係止部6の案内孔6cを通って摘み取付手段11に連結されている。紐状物7の材料は、実施の形態1では、丈夫な紐を使用している。紐状物7は、材料が導電性材料の場合には、表面に非導電性の被膜或はコーティングを施すことが望ましい。
【0022】
紐状物の長さは、必要に応じて任意にその長さを調節することができる。後述するように、紐状物7は、ブレーカー遮断装置1がブレーカー9の真下に取り付けられず、ブレーカー9の上側や横側に取り付ける場合を考慮し、或はブレーカー9の摘み10の動作抵抗力の違いを考慮し、或いは錘5の加速度を調節するために、複数種類の長さの異なる紐状物7を予め準備しておくことができる。
【0023】
ブレーカー9の摘み10に摘み取付手段11を外挿することにより、紐状物7は、ブレーカー9の摘み10に対して着脱可能に連結されている。摘み取付手段11は、樹脂製のボックス型のものであり、ON状態の摘み10に対して斜め上方から挿入して被せることによって、摘み10へ取り付けられている。摘み取付手段11の先端は斜めに切断されており、長い面の側が摘み10の下側へ来るように装着される。摘み取付手段11は、摘み10に対する装着が簡単であり、錘5の落下時に確実に摘み10を動作させることが出来る利点を有する。
【0024】
図3に示すように、台部2は、配電盤8の垂直面8aに取り付けられる取付板部2aと、取付板部2aから水平方向に突出する載置板部2bと、載置板部2bに設けられて錘5を載置されると共に所定震度以上の地震に応答して錘5を落下させる載置台2cと、からなる。台部2は、非導電性材質の樹脂を成型加工した取付板部2aと載置板部2bとが回転軸3、3を介してL字型に組み立てられている。取付板部2aは正面視矩形状を呈し、載置板部2bは平面視半円形状を呈しているが、取付板部2aと載置板部2bの形状に限定はない。なお、載置板部2bは、載置台2c上へ錘5を載置した場合に、約1mm正面側へ突出するように構成されている。これは、蓋付きの配電盤8の中にブレーカー9が設置されている場合、蓋の裏側が錘5に接触しないためである。また、載置板部2bに設けられたドーム型の水準器4e及びピン4cは、載置台2cから落下した錘5を、載置板部2bの上に停滞させることなく落下するように導く。
【0025】
図1に示すように、回転軸3、3は、載置板部2bと一体に樹脂で成型され、載置板部2bの左右に設けられた軸受部3a、3aから外側へ向かって突出している。取付板部2aに設けられた左右の両側板2g、2gには、軸孔3c、3cが形成され、両側板2g、2gを押し広げて回転軸3、3を軸孔3c、3cに挿入している。これにより、載置板部2bは、回転軸3、3を中心にして取付板部2aに対して回動可能である。
【0026】
図5に示すように、載置板部2bには、中央に窪み2kを有する載置台2cが設けられ、窪み2kに一点鎖線で示す錘5が載置される。載置台2cは、載置板部2bと一体に形成された環状部2dの外側に透明アクリルの円筒部材2eと円筒部材2fとを挿入して組み立てられている。載置台2cの中央の窪み2kの形状は、錘5の外周に倣って湾曲しているが、必ずしもこの湾曲形状に限定されない。窪み2kは、窪み2kの上に載置した錘5が多少の揺れや振動によって落下したりしないが、所定震度の揺れが与えられた場合に、錘5が落下するように形成されていれば足りる。
【0027】
環状部2dで窪み2kを形成している場合、円筒部材2eで窪み2kを形成している場合、円筒部材2fで窪み2kを形成している場合の順に窪み2kが大きくなって錘5の保持力は高くなり、載置台2cから錘5が落下する所定震度は大きくなる。窪み2kの大きさが等しい場合、水平調節手段4を調整して載置台2cを傾けることにより、中間の所定震度を設定できる。ブレーカー遮断装置1は、このようにして、載置台2cから錘5が落下してブレーカー9がOFFされる震度を任意に設定可能である。実施の形態1では、地震の震度が5以上の場合に錘5が落下するように設定されている。
【0028】
水平調節手段4は、載置板部2bの前後方向の傾き角度を変化させて載置台2cの傾きを調整可能である。水平調節手段4は、載置板部2bの下部に垂設した垂下片4aにねじ着された調節ネジ4bと、載置板部2bに設けた載置台2cに隣接して設けた水準器4eとを有し、調節ネジ4bの先端を取付板部2aに当接させている。水準器4eは、載置台2cの水平状態を反映するドーム状のものである。水準器4eの載置板部2bに対する取付方法及び取付位置に限定はない。要するに取付板部2aを配電盤8や壁部へ取り付ける際に載置板部2bの水平状態が確認できるものであれば足りる。
【0029】
ブレーカー遮断装置1をブレーカー9へ取り付ける際には、取付板部2aに取り付けた水準器4eの指示を見て載置台2cの水平を確認する。そして、水平調節手段4の調節ネジ4bを回転させると、載置板部2bが回転軸3を支点として垂下片4aと共に前後方向へ揺動するので、水準器4eの指示値を参照して載置台2cの傾き角度を調整することができる。
【0030】
図1に示すように、係止部6は、載置台2cから錘5が落下したときに、案内孔6cが摘み取付手段11を係止して錘5の落下を止める。係止部6は、垂直面8aに取り付けられた取付板部6aから水平方向へ突出する棚部6bを有し、棚部6bを上下方向に貫通して移動する紐状物7を案内する垂直方向の案内孔6cを有する。棚部6bの平面の略中央部に、摘み取付手段11を受け止めて錘5を吊り下げる案内孔6cが設けられている。
【0031】
以上のように構成されたブレーカー遮断装置1では、図3図4に示すように、摘み10に取り付けた摘み取付手段11と錘5との間の紐状物7に十分な長さとたるみを持たせている。これにより、落下する錘5の落下距離を大きく確保して、落下する錘5に十分な加速度を作用させて大きな落下速度に到達させて紐状物7を介して摘み取付手段11に大きな操作力を作用させている。
【0032】
ところが、摘み取付手段11と錘5との間の紐状物7に十分な長さとたるみを持たせると、錘5が載置台2cから落下して紐状物7が案内孔6cへ引き込まれる過程で、稀に、摘み取付手段11に十分な加速度を作用させることができない場合がある。案内孔6cへ引き込まれる紐状物7があばれて案内孔6cを通過する過程で紐状物7に意図しない引っ掛かりやブレーキ作用が発生することがある。
【0033】
そこで、図1に示すように、ブレーカー遮断装置1では、係止部6の案内孔6cの形状を前方に円弧を突出させた半長円形に構成すると共に係止部6の案内孔6cの上部内側エッジ部分6eにアール部を設けている。このため、この2つの構成の相乗効果により、錘5が載置台2cから落下する過程で錘5に引っ張られて移動する紐状物7と案内孔6cの摺擦が円滑になって、紐状物7の移動が妨げられ難くなる。このため、所定震度の地震に応答して錘5が台部2から落下した際にブレーカー9をより確実に遮断できる。
【0034】
ブレーカー遮断装置1は、半長円形の円弧と当該円弧に接続する直線で構成される案内孔6cの上部内側エッジ部分6e全体がなめらかに連続した円弧面である。このため、所定震度の地震に応答して錘5が落下する過程で、錘5に引っ張られて案内孔6cに引き込まれる紐状物7と棚部6bの摺擦が円滑になって、紐状物7に意図しない引っ掛かりやブレーキ作用が発生し難くなった。
【0035】
[実施の形態2]
ブレーカー遮断装置1において、錘5が落下する過程で錘5に引っ張られて移動する紐状物7に摺擦する棚部6bのエッジは、上部内側エッジ部分6eには限らない。図6に示すように、棚部6bの外側へ垂れ下がった紐状物7が上部外側エッジ部分6fに摺擦して意図しない引っ掛かりやブレーキ作用を作用する可能性がある。そこで、実施の形態2のブレーカー遮断装置1Aでは、棚部6bの上部外側エッジ部分6f全体をなめらかに連続した円弧面に仕上げている。さらに、案内孔6cの下部内側エッジ部分6g全体、及び案内孔6cに接する取付板部6aの縁エッジ部分6h全体もなめらかに連続した円弧面に仕上げている。実施の形態2では、棚部6bの上部外側エッジ部分6f以外の構成は実施の形態1と同一であるため、図6の各構成には、図1図5と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
【0036】
図6に示すように、実施の形態2のブレーカー遮断装置1Aは、棚部6bの上部外側エッジ部分6f及び案内孔6cの下部内側エッジ部分6g及び取付板部6aの縁エッジ部分6hがなめらかに連続した曲面である。このため、所定振動の地震に応答して錘5が落下する過程で、錘5に引っ張られて棚部6bの外側から案内孔6cへ向かって引き込まれる紐状物7と棚部6bの上部外側エッジ部分6fとの摺擦が円滑になって、紐状物7に意図しない引っ掛かりやブレーキ作用が発生し難くなった。このため、地震に応答して錘5が台部2から落下した際にブレーカー9を確実に遮断できる。
【0037】
[実施の形態3]
ブレーカー遮断装置1において、錘5の重量が必要以上に大きい場合、錘5が載置台2cから落下して紐状物7が案内孔6cへ引き込まれる過程で、移動速度が過剰になった紐状物7があばれて、棚部6bに対する意図しない引っ掛かりやブレーキ作用が発生する可能性がある。そこで、実施の形態3では、2種類の重量の錘5A,5Bを準備してブレーカー遮断装置1Bの設置時に実験して適正な重量のものを選択できるようにした。実施の形態3では、錘5A,5Bが準備されている以外は実施の形態1と同一であるため、図7図8の各構成には、図1図5と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
【0038】
図8に示すように、設置前のブレーカー遮断装置1Bは、球体状の錘5Dと、直径及び重量が錘5Dよりも大きい球体状の錘5Cと、を有し、錘5Dと第2錘5Cとから一方を選択して紐状物7の他端部7bに連結されている。
【0039】
図7(b)に示すように、所定震度以上の地震に応答して錘5Dを落下させる構造は、載置台2cに設けられて錘5Dを着座させる円筒部材2eである。一方、所定震度以上の地震に応答して錘5Cを落下させる構造は、円筒部材2eの外側に挿入して錘5Cを着座させる円筒部材2fである。
【0040】
錘5の重量は、錘5の重量のみではブレーカー9の摘み10を降ろす(OFFさせる)ことができないように設定してある。このため、ブレーカー9の摘み10より紐状物7を介して錘5を吊り下げた状態で、台部2の取付位置を調節することができ、ブレーカー遮断装置1の取付作業を容易、かつ確実に行える。
【0041】
錘5の重量は、地震時に落下する錘5に加速度を付与されてブレーカー9をOFFできる範囲でなるべく軽量に設定されている。上述した意図しない引っ掛かりやブレーキ作用に加えて、錘5を誤って床上に落下させても、器物を破損させたり、足の上に落として怪我をさせたりすることを極力防止するためである。
【0042】
[実施の形態4]
実施の形態1では、ボックス型の摘み取付手段11を用いるブレーカー遮断装置1を説明した。しかし、ブレーカー遮断装置1の摘み取付手段11は、ボックス型のものに限定されず、クリップ型、リング型等、様々のものに置き換えることができる。実施の形態4では、クリップ状摘み取付手段11E以外の構成は実施の形態1と同一であるため、図7図8の各構成には、図1図5と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
【0043】
図8に示すように、設置前のブレーカー遮断装置1Bは、ブレーカー9の摘み10の大きさに違いのあることを考慮して、予め特大、大、中、小からなる4種類のサイズの箱状摘み取付手段11A、11B、11C、11Dを準備している。箱状摘み取付手段11A,11B,11C,11Dはブレーカー9の摘み10に被せて装着され、紐状物7の一端部7aのループを利用して紐状物7を簡単に着脱できるようにしてある。箱状摘み取付手段11A,11B,11C,11Dは、厚みの薄い摘みや幅の狭い摘みにもガタツキなく取り付けられるように、板バネや取付ネジを内蔵してもよい。
【0044】
図8に示すように、設置前のブレーカー遮断装置1Bは、各種厚みの摘み10に対して共通かつワンタッチでガタツキなく装着できることを考慮して、クリップ状摘み取付手段11Eを準備している。クリップ状摘み取付手段11Eは、ポリエチレン樹脂で成型され、リブ11gで補強された本体11jと、本体11jとの間に摘み10を弾性的に挟み込むクリップ部11iと、紐状物7の一端部7aが連結される貫通孔を設けた取付部1hと、を有する。図9に示すように、クリップ状摘み取付手段11Eは、ブレーカー9の摘み10の厚みを弾性的に挟み込んでいる。
【0045】
実施の形態4のブレーカー遮断装置1Bは、ブレーカー9の摘み10に被せて装着される箱状摘み取付手段11A,11B,11C,11Dと、ブレーカー9の摘み10の厚みを弾性的に挟み込んで装着されるクリップ状摘み取付手段11Eと、から一方を選択して紐状物7の一端部7aに連結可能である。
【0046】
[実施の形態5]
ブレーカー遮断装置1は、設置場所がブレーカー9の直下の垂直面8aには限られない。配電盤8内にスペース上の余裕があれば、配電盤8内へブレーカー遮断装置1を取り付ける。しかし、配電盤8内にそのスペースがない場合、配電盤8の側面あるいは配電盤8の下の壁面スペースにブレーカー遮断装置1を取り付けることが可能である。実施の形態5では、ブレーカー遮断装置1の配置以外は実施の形態1と同一であるため、図9の各構成には、図1図5と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
【0047】
図1に示すように、取付板部は、切欠溝Nで切り離して上部側の取付板部6aと下部側の取付板部2aとに分割可能である。図9に示すように、係止部6は、台部2から分離されて、ブレーカー9の摘み10の直下の垂直面8aに固定されている。係止部6は、垂直面8aに固定された取付板部6aから水平方向へ突出する棚部6bを有し、棚部6bの平面の略中央部を上下方向に貫通させて、移動する紐状物7を案内する垂直方向の案内孔6cが設けられている。棚部6bは、図4に示すように、案内孔6cで摘み取付手段11を受け止めて錘5を吊り下げるストッパーとして機能する。一方、台部2は、係止部6から水平方向に離間させた位置であって、配電盤8の横側の垂直面8bに取り付けられている。
【0048】
[実施の形態6]
図10に示すように、ブレーカー遮断装置1の取付板部2aの正面側の面に二次元コード2mが形成されている。二次元コード2mは、シールに印刷して取付板部2aに貼付されており、取付板部2aを垂直面8aに取り付けた状態でスマートフォンにより読み取り可能である。二次元コード2mは、ブレーカー遮断装置1の取り扱い説明書及び最新情報のウェブサイトのURL情報を記載しており、スマートフォンで読み取って該当するウェブサイトのページにアクセスし、PDFデータをダウンロードしてブラウザに表示させることができる。
【0049】
実施例6のブレーカー遮断装置1によれば、ユーザーが直観的にスマートフォン等を操作して、ブレーカー遮断装置1に関するマニュアル、最新情報、設計データ、カタログ等のウェブサイトへ容易にアクセスできる。ユーザーがさまざまな種類の建造物においてさまざまな種類の配電盤を設置した場合のそれぞれについて、どのようにブレーカー遮断装置1を選択してどのように取り付けたらよいかをわかり易く説明することができる。これにより、ブレーカー遮断装置1が所定震度の地震に応答してより確実にブレーカーを遮断することができることから、ブレーカー遮断装置1の実用性を増して、地震の際の二次災害により被害を受けることを有効に軽減できる。設計者、施工者、販売者、エンドユーザーの情報共有を促進して、マニュアル、設計データ、トラブルシュート等の蓄積情報、営業ツール、最新情報、カタログ等へ容易にアクセスして、不足した情報や経験を速やかに補うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係るブレーカー遮断装置は、ユーザーの声を反映し、地震時に確実に動作してブレーカーの遮断スイッチを遮断することができた上で、さらにユーザーにとって利便性を増したブレーカー遮断装置として好適に用いられるものである。
【0051】
本発明のブレーカー遮断装置は、棚部及び案内孔の形状、取付位置等は上述した実施の形態には限定されない。要は紐状物を貫通させて紐状物の動きをスムーズにし、摘み取付手段を係止する構成であれば足りる。
【0052】
摘み取付手段は、これをボックス型のものではなく、摘みに対し容易には外れないように構成した係止具であっても良い。この係止具は、摘みに結びつける形態のものや、金属線で摘みに係止させるように折り曲げて構成したものであっても良い。台部は、粘着層を使用しないで、配電盤の垂直面や壁部に取付ネジを用いて、或いは磁石シートを用いて取り付けてもよい。
【0053】
紐状物の材料は、上述した丈夫な紐の材料には限定されない。金属製の鎖(チェーン)、ワイヤー、丈夫な繊維の糸やテグス等、要するに柔軟性を有し、経年劣化に耐えるものであれば足りる。
【符号の説明】
【0054】
1 ブレーカー遮断装置
2 台部
2a 取付板部
2b 載置板部
2c 載置台
2d 突起部
2e 円筒部材(円筒部)
2f 円筒部材
2g 両側板
2k 窪み
3 回転軸
3a 軸受部
3b 軸孔
4 水平調節手段
4a 垂下片
4b 調節ネジ
4c 雄ねじ
4d 突き当て面
4e 水準器
5 錘
5a 取付片
6 係止部
6a 取付板部
6b 棚部
6c 案内孔
6d 上面
6e 上部内側エッジ部分
6f 上部外側エッジ部分
6g 下部内側エッジ部分
6h 縁エッジ部分
7 紐状物
7a 一端部
7b 他端部
8 配電盤
8a 垂直面
9 ブレーカー
10 摘み
11 摘み取付手段
13 粘着層
14 剥離シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2021-10-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、配電盤に設置されている漏電ブレーカーなどのブレーカーを地震の際に自動的に遮断する際に用いて好適なブレーカー遮断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
平成7年に発生した阪神大震災の際に、地震に伴って発生したいわば二次災害としての大小火災によって多くの建物や人命が失われたことは我々の記憶にまだ新しい。この地震に伴って発生する火災の原因の一つとして、漏電や電気機器の転倒に伴うショートによるものが大きな原因の一つとして知られている。そこで、地震の際に漏電ブレーカーなどのブレーカーを遮断するブレーカー遮断装置が、下記する特許文献に記載されているように、本願出願人及び本願出願人の前身の会社や社員によって提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-296428号公報
【特許文献2】特開2006-164649号公報
【特許文献3】実用新案登録第3202057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来のブレーカー遮断装置は、いずれも、錘と、ブレーカーの摘みへ取り付けられる摘み取付部材がその一端部に連結されると共に前記錘がその他端部に連結される紐状物と、取付板部の下部側に設けられ、前記錘を載置させる載置台を有する台部と、前記取付板部の上部側に設けられ前記紐状物を挿通させると共に、前記摘み取付部材を係止させる案内孔を有する係止部とを有しており、2003年に発売されて以来、2021年4月の今日に至るまで、約17年間に渡って継続して発売されてきている。その間、少しずつ改良が加えられて来ているが、最近になってこのブレーカー遮断装置は、大手電力会社から推奨品として扱われ、さらに地方公共団体から住民配布用として大量購入される人気商品となっている。
【0005】
最近になって、エンドユーザーからは、地震時の動作時に係止部の案内孔に紐状物が引っ掛かってうまく動作しない場合があるという苦情や、ブレーカーの遮断スイッチが硬い場合には、地震時に載置台から錘が落下しても、ブレーカーの遮断スイッチが切れない場合があるという苦情が寄せられるようになり、また、取扱説明書がついていても、ブレーカー遮断装置の取り扱いや取付方法等に関する質問がメーカーに寄せられるケースが多くなっている。そこで、本発明の目的は、今までのユーザーからの声を取り入れ、さらに利便性を向上させたブレーカー遮断装置を提供せんとするにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願請求項1に記載のブレーカー遮断装置は、単数または複数の重さの異なる錘と、ブレーカーの摘みへ取り付けられるところのそれぞれ構成の異なる複数の摘み取付部材と、一端部を前記錘に他端部を前記摘み取付部材に連結される紐状物と、下端部側に前記錘を載置する載置板部を上下方向へ揺動調節可能に設けた台部と、この台部の上部に切断方向に設けた切欠溝を介して接続されたところの上部に前記紐状物を通す長円形状の上部内側のエッジ部分にアール部を設けた案内孔を有する棚部を設けた係止部と、前記台部と前記係止部の各背部に渡って接着された外表面に粘着層を設けたところの前記切欠溝の位置で切断可能な粘着シートと、前記載置板部上に互いに嵌め合わせて設けたそれぞれ外径の異なる複数の円筒部材から成る前記錘の載置台と、前記載置板部の上面に前記載置台に隣接して設けた前記載置板部の前後左右の水平を見る水準器と、前記台部の表面側に設けた二次元コードと、を有することを特徴とする。
【0007】
次に、本願請求項2に記載のブレーカー遮断装置は、前記複数の摘み取付部材の少なくとも一つは、クリップ状を呈し、プレート状の本体と、この本体の一端部側との間に設けられたブレーカーの摘みを弾性的に挟み込むクリップ部と、前記本体の他端部側に設けられた前記紐状物の一端部が連結される貫通孔を設けた取付部と、を有することを特徴とする
【0008】
次に、本願請求項3に記載のブレーカー遮断装置は、前記載置板部を前記台部に対して揺動調節可能に取り付ける手段は、前記載置板部を前記台部に対して上下方向へ回転可能に連結する回転軸と、前記載置板部の下部に設けた垂下片に前記回転軸に対して直交する方向にネジ着され先端部を前記取付板部に当接させた調節ネジと、で構成したことを特徴とする
【0009】
そして、本願請求項4に記載のブレーカー遮断装置は、前記載置台を構成する複数の円筒部材は、外径の小さなものを前記載置板部に固着させ、外径の大きな円筒部材は、前記外形の小さな円筒部材の外側に着脱可能に嵌着されることを特徴とする
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1に記載のブレーカー遮断装置によれば、係止部の案内孔の形状を前方に円弧を突出させた半長円形に構成すると共に係止部の案内孔の上部内側エッジ部分にアール部を設けている。このため、この2つの構成の相乗効果により、錘が載置台から落下する過程で錘に引っ張られて移動する紐状物と案内孔の摺擦が円滑になって、紐状物の移動が妨げられ難くなる。したがって、地震時の動作時に係止部の案内孔に紐状物が引っ掛かってうまく動作しない場合があるというエンドユーザーからの声を取り入れて、ブレーカー遮断装置の利便性をさらに向上させることができる。
【0011】
また、重さの異なる複数の錘から、錘が載置台から落下する過程で錘に引っ張られて移動する紐状物と案内孔の摺擦が円滑になって、紐状物の移動が妨げられ難くなる錘を選択することができる。したがって、地震時の動作時に係止部の案内孔に紐状物が引っ掛かってうまく動作しない場合があるというエンドユーザーからの声を取り入れて、ブレーカー遮断装置の利便性をさらに向上させることができる。
【0012】
さらに、ブレーカーの摘み(スイッチノブ)の形状や大きさに合わせて複数の摘み取付部材からガタツキの少ないもの選択することができる。これにより、摘み取付部材のガタツキに起因して、地震時の動作時にブレーカー遮断装置がうまく動作しない場合があるというエンドユーザーからの声を取り入れて、ブレーカー遮断装置の利便性をさらに向上させることができる。
【0013】
そして、取付板部に設けられた二次元コードをユーザーがスマートフォン等で読み取ってウェブサイトへアクセスすることにより、ユーザーが必要な情報を直観的に任意のタイミングで取得できる。したがって、地震時の動作時にブレーカー遮断装置がうまく動作しない場合があるというエンドユーザーからの声を取り入れて、ブレーカー遮断装置の利便性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態1に係るブレーカー遮断装置の使用状態を示す斜視図である。
図2図1のブレーカー遮断装置を設置した配電盤の正面図である。
図3図2のブレーカー遮断装置の台部に錘を載置した状態を説明する側面図である。
図4図2のブレーカー遮断装置の台部から錘が落下した状態を説明する側面図である。
図5】実施の形態1のブレーカー遮断装置において案内孔の上部内側エッジ部分の全体がなめらかに連続した曲面であることの説明図である。(a)は側断面図、(b)は平面図である。
図6】実施の形態2のブレーカー遮断装置において棚部の外側エッジがなめらかに連続した曲面であることを説明する断面図である。
図7】実施の形態3のブレーカー遮断装置において第1錘と第2錘のうちから一方を選択できることを説明する断面図である。(a)は第1錘、(b)は第2錘である。
図8】実施の形態4のブレーカー遮断装置においてクリップ式の摘み取付部材の説明図である。
図9】実施の形態5のブレーカー遮断装置において台部から棚部を分離した設置方法の説明図である。
図10】実施の形態6のブレーカー遮断装置において台部の取付板部に二次元コードを用いてURL情報を表示している状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面を参照して本発明のブレーカー遮断装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
[実施の形態1]
図1図2に示すように、配電盤8にブレーカー9が設けられ、ブレーカー遮断装置1は、ブレーカー9の直下の垂直面8aに取り付けることができる。或いは、図9に示すように、ブレーカー遮断装置1は、ブレーカー9の直下から離れた任意の高さ位置に取り付けることもできる。図1に示すように、取付板部2aには、係止部6を台部2から分離するために、V字溝の切欠溝Nが形成されている。係止部6は、ハサミやカッターナイフを用いて切欠溝Nで下部側の取付板部2aから上部側の取付板部6aを切り離すことにより、台部2から分離可能である。
【0017】
ブレーカー遮断装置1をブレーカー9の直下の垂直面8aに取り付ける際には、係止部6と台部2とを分離することなく、取付板部2aの裏面に設けた粘着層13から剥離シート14を剥がして垂直面8aに貼着させる。一方、係止部6を台部2から分離して使用する場合、係止部6は、ブレーカー9の直下の垂直面8aに貼着されるが、台部2は任意の位置に取り付け可能である。
【0018】
ブレーカー遮断装置1は、単数または複数の錘5と、ブレーカー9の摘み10へ取り付けられる摘み取付部材11がその一端部に連結されると共に錘5がその他端部に連結される紐状物7と、取付板部2a、6aの下部側(2a)に設けられ、錘5を載置させる載置台2cを有する台部2と、取付板部2a、6aの上部側(6a)に設けられ紐状物7を挿通させると共に、摘み取付部材11を係止させる案内孔6cを有する係止部6と、を有する。
【0019】
地震が来て、所定震度で建物が揺れると、ブレーカー遮断装置1も共に揺れ、載置台2c上に載置した錘5が載置台2cから落下する。図4に示すように、錘5が落下すると、錘5の重量と加速度で紐状物7を介して摘み10が下方へ倒されて、ブレーカー9がOFFする。ブレーカー9がOFFすると、摘み取付部材11が摘み10から抜け落ちる。このとき、係止部6の案内孔6cに摘み取付部材11が係止されて錘5の落下が停止する。
【0020】
図1に示すように、錘5は鉛製で球体状に形成され、表面に非導電性材質の樹脂をコーティングしてあると共に、紐状物7の取付片5aが形成されている。錘5は、鉛以外に鉄、銅、その他の比重の高い材料を用いてもよい。錘5の形状は球体状には限定されない。
【0021】
紐状物7の他端部7bは、錘5の取付片5aに連結される。紐状物7の一端部7aは、係止部6の案内孔6cを通って摘み取付部材11に連結されている。紐状物7の材料は、実施の形態1では、丈夫な紐を使用している。紐状物7は、材料が導電性材料の場合には、表面に非導電性の被膜或はコーティングを施すことが望ましい。
【0022】
紐状物の長さは、必要に応じて任意にその長さを調節することができる。後述するように、紐状物7は、ブレーカー遮断装置1がブレーカー9の真下に取り付けられず、ブレーカー9の上側や横側に取り付ける場合を考慮し、或はブレーカー9の摘み10の動作抵抗力の違いを考慮し、或いは錘5の加速度を調節するために、複数種類の長さの異なる紐状物7を予め準備しておくことができる。
【0023】
ブレーカー9の摘み10に摘み取付部材11を外挿することにより、紐状物7は、ブレーカー9の摘み10に対して着脱可能に連結されている。摘み取付部材11は、樹脂製のボックス型のものであり、ON状態の摘み10に対して斜め上方から挿入して被せることによって、摘み10へ取り付けられている。摘み取付部材11の先端は斜めに切断されており、長い面の側が摘み10の下側へ来るように装着される。摘み取付部材11は、摘み10に対する装着が簡単であり、錘5の落下時に確実に摘み10を動作させることが出来る利点を有する。
【0024】
図3に示すように、台部2は、配電盤8の垂直面8aに取り付けられる取付板部2aと、取付板部2aから水平方向に突出する載置板部2bと、載置板部2bに設けられて錘5を載置されると共に所定震度以上の地震に応答して錘5を落下させる載置台2cと、からなる。台部2は、非導電性材質の樹脂を成型加工した取付板部2aと載置板部2bとが回転軸3、3を介してL字型に組み立てられている。取付板部2aは正面視矩形状を呈し、載置板部2bは平面視半円形状を呈しているが、取付板部2aと載置板部2bの形状に限定はない。なお、載置板部2bは、載置台2c上へ錘5を載置した場合に、約1mm正面側へ突出するように構成されている。これは、蓋付きの配電盤8の中にブレーカー9が設置されている場合、蓋の裏側が錘5に接触しないためである。また、載置板部2bに設けられたドーム型の水準器4e及びピン4cは、載置台2cから落下した錘5を、載置板部2bの上に停滞させることなく落下するように導く。
【0025】
図1に示すように、回転軸3、3は、載置板部2bと一体に樹脂で成型され、載置板部2bの左右に設けられた軸受部3a、3aから外側へ向かって突出している。取付板部2aに設けられた左右の両側板2g、2gには、軸孔3c、3cが形成され、両側板2g、2gを押し広げて回転軸3、3を軸孔3c、3cに挿入している。これにより、載置板部2bは、回転軸3、3を中心にして取付板部2aに対して回動可能である。
【0026】
図5に示すように、載置板部2bには、中央に窪み2kを有する載置台2cが設けられ、窪み2kに一点鎖線で示す錘5が載置される。載置台2cは、載置板部2bと一体に形成された環状部2dの外側に透明アクリルの円筒部材2eと円筒部材2fとを挿入して組み立てられている。載置台2cの中央の窪み2kの形状は、錘5の外周に倣って湾曲しているが、必ずしもこの湾曲形状に限定されない。窪み2kは、窪み2kの上に載置した錘5が多少の揺れや振動によって落下したりしないが、所定震度の揺れが与えられた場合に、錘5が落下するように形成されていれば足りる。
【0027】
環状部2dで窪み2kを形成している場合、円筒部材2eで窪み2kを形成している場合、円筒部材2fで窪み2kを形成している場合の順に窪み2kが大きくなって錘5の保持力は高くなり、載置台2cから錘5が落下する所定震度は大きくなる。窪み2kの大きさが等しい場合、水平調節手段4を調整して載置台2cを傾けることにより、中間の所定震度を設定できる。ブレーカー遮断装置1は、このようにして、載置台2cから錘5が落下してブレーカー9がOFFされる震度を任意に設定可能である。実施の形態1では、地震の震度が5以上の場合に錘5が落下するように設定されている。
【0028】
水平調節手段4は、載置板部2bの前後方向の傾き角度を変化させて載置台2cの傾きを調整可能である。水平調節手段4は、載置板部2bの下部に垂設した垂下片4aにねじ着された調節ネジ4bと、載置板部2bに設けた載置台2cに隣接して設けた水準器4eとを有し、調節ネジ4bの先端を取付板部2aに当接させている。水準器4eは、載置台2cの水平状態を反映するドーム状のものである。水準器4eの載置板部2bに対する取付方法及び取付位置に限定はない。要するに取付板部2aを配電盤8や壁部へ取り付ける際に載置板部2bの水平状態が確認できるものであれば足りる。
【0029】
ブレーカー遮断装置1をブレーカー9へ取り付ける際には、取付板部2aに取り付けた水準器4eの指示を見て載置台2cの水平を確認する。そして、水平調節手段4の調節ネジ4bを回転させると、載置板部2bが回転軸3を支点として垂下片4aと共に前後方向へ揺動するので、水準器4eの指示値を参照して載置台2cの傾き角度を調整することができる。
【0030】
図1に示すように、係止部6は、載置台2cから錘5が落下したときに、案内孔6cが摘み取付部材11を係止して錘5の落下を止める。係止部6は、垂直面8aに取り付けられた取付板部6aから水平方向へ突出する棚部6bを有し、棚部6bを上下方向に貫通して移動する紐状物7を案内する垂直方向の案内孔6cを有する。棚部6bの平面の略中央部に、摘み取付部材11を受け止めて錘5を吊り下げる案内孔6cが設けられている。
【0031】
以上のように構成されたブレーカー遮断装置1では、図3図4に示すように、摘み10に取り付けた摘み取付部材11と錘5との間の紐状物7に十分な長さとたるみを持たせている。これにより、落下する錘5の落下距離を大きく確保して、落下する錘5に十分な加速度を作用させて大きな落下速度に到達させて紐状物7を介して摘み取付部材11に大きな操作力を作用させている。
【0032】
ところが、摘み取付部材11と錘5との間の紐状物7に十分な長さとたるみを持たせると、錘5が載置台2cから落下して紐状物7が案内孔6cへ引き込まれる過程で、稀に、摘み取付部材11に十分な加速度を作用させることができない場合がある。案内孔6cへ引き込まれる紐状物7があばれて案内孔6cを通過する過程で紐状物7に意図しない引っ掛かりやブレーキ作用が発生することがある。
【0033】
そこで、図1に示すように、ブレーカー遮断装置1では、係止部6の案内孔6cの形状を前方に円弧を突出させた半長円形に構成すると共に係止部6の案内孔6cの上部内側エッジ部分6eにアール部を設けている。このため、この2つの構成の相乗効果により、錘5が載置台2cから落下する過程で錘5に引っ張られて移動する紐状物7と案内孔6cの摺擦が円滑になって、紐状物7の移動が妨げられ難くなる。このため、所定震度の地震に応答して錘5が台部2から落下した際にブレーカー9をより確実に遮断できる。
【0034】
ブレーカー遮断装置1は、半長円形の円弧と当該円弧に接続する直線で構成される案内孔6cの上部内側エッジ部分6e全体がなめらかに連続した円弧面である。このため、所定震度の地震に応答して錘5が落下する過程で、錘5に引っ張られて案内孔6cに引き込まれる紐状物7と棚部6bの摺擦が円滑になって、紐状物7に意図しない引っ掛かりやブレーキ作用が発生し難くなった。
【0035】
[実施の形態2]
ブレーカー遮断装置1において、錘5が落下する過程で錘5に引っ張られて移動する紐状物7に摺擦する棚部6bのエッジは、上部内側エッジ部分6eには限らない。図6に示すように、棚部6bの外側へ垂れ下がった紐状物7が上部外側エッジ部分6fに摺擦して意図しない引っ掛かりやブレーキ作用を作用する可能性がある。そこで、実施の形態2のブレーカー遮断装置1Aでは、棚部6bの上部外側エッジ部分6f全体をなめらかに連続した円弧面に仕上げている。さらに、案内孔6cの下部内側エッジ部分6g全体、及び案内孔6cに接する取付板部6aの縁エッジ部分6h全体もなめらかに連続した円弧面に仕上げている。実施の形態2では、棚部6bの上部外側エッジ部分6f以外の構成は実施の形態1と同一であるため、図6の各構成には、図1図5と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
【0036】
図6に示すように、実施の形態2のブレーカー遮断装置1Aは、棚部6bの上部外側エッジ部分6f及び案内孔6cの下部内側エッジ部分6g及び取付板部6aの縁エッジ部分6hがなめらかに連続した曲面である。このため、所定振動の地震に応答して錘5が落下する過程で、錘5に引っ張られて棚部6bの外側から案内孔6cへ向かって引き込まれる紐状物7と棚部6bの上部外側エッジ部分6fとの摺擦が円滑になって、紐状物7に意図しない引っ掛かりやブレーキ作用が発生し難くなった。このため、地震に応答して錘5が台部2から落下した際にブレーカー9を確実に遮断できる。
【0037】
[実施の形態3]
ブレーカー遮断装置1において、錘5の重量が必要以上に大きい場合、錘5が載置台2cから落下して紐状物7が案内孔6cへ引き込まれる過程で、移動速度が過剰になった紐状物7があばれて、棚部6bに対する意図しない引っ掛かりやブレーキ作用が発生する可能性がある。そこで、実施の形態3では、2種類の重量の錘5A,5Bを準備してブレーカー遮断装置1Bの設置時に実験して適正な重量のものを選択できるようにした。実施の形態3では、錘5A,5Bが準備されている以外は実施の形態1と同一であるため、図7図8の各構成には、図1図5と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
【0038】
図8に示すように、設置前のブレーカー遮断装置1Bは、球体状の錘5Dと、直径及び重量が錘5Dよりも大きい球体状の錘5Cと、を有し、錘5Dと第2錘5Cとから一方を選択して紐状物7の他端部7bに連結されている。
【0039】
図7(b)に示すように、所定震度以上の地震に応答して錘5Dを落下させる構造は、載置台2cに設けられて錘5Dを着座させる円筒部材2eである。一方、所定震度以上の地震に応答して錘5Cを落下させる構造は、円筒部材2eの外側に挿入して錘5Cを着座させる円筒部材2fである。
【0040】
錘5の重量は、錘5の重量のみではブレーカー9の摘み10を降ろす(OFFさせる)ことができないように設定してある。このため、ブレーカー9の摘み10より紐状物7を介して錘5を吊り下げた状態で、台部2の取付位置を調節することができ、ブレーカー遮断装置1の取付作業を容易、かつ確実に行える。
【0041】
錘5の重量は、地震時に落下する錘5に加速度を付与されてブレーカー9をOFFできる範囲でなるべく軽量に設定されている。上述した意図しない引っ掛かりやブレーキ作用に加えて、錘5を誤って床上に落下させても、器物を破損させたり、足の上に落として怪我をさせたりすることを極力防止するためである。
【0042】
[実施の形態4]
実施の形態1では、ボックス型の摘み取付部材11を用いるブレーカー遮断装置1を説明した。しかし、ブレーカー遮断装置1の摘み取付部材11は、ボックス型のものに限定されず、クリップ型、リング型等、様々のものに置き換えることができる。実施の形態4では、クリップ状摘み取付部材11E以外の構成は実施の形態1と同一であるため、図7図8の各構成には、図1図5と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
【0043】
図8に示すように、設置前のブレーカー遮断装置1Bは、ブレーカー9の摘み10の大きさに違いのあることを考慮して、予め特大、大、中、小からなる4種類のサイズの箱状摘み取付部材11A、11B、11C、11Dを準備している。箱状摘み取付部材11A,11B,11C,11Dはブレーカー9の摘み10に被せて装着され、紐状物7の一端部7aのループを利用して紐状物7を簡単に着脱できるようにしてある。箱状摘み取付部材11A,11B,11C,11Dは、厚みの薄い摘みや幅の狭い摘みにもガタツキなく取り付けられるように、板バネや取付ネジを内蔵してもよい。
【0044】
図8に示すように、設置前のブレーカー遮断装置1Bは、各種厚みの摘み10に対して共通かつワンタッチでガタツキなく装着できることを考慮して、クリップ状摘み取付部材11Eを準備している。クリップ状摘み取付部材11Eは、ポリエチレン樹脂で成型され、リブ11gで補強された本体11jと、本体11jとの間に摘み10を弾性的に挟み込むクリップ部11iと、紐状物7の一端部7aが連結される貫通孔を設けた取付部1hと、を有する。図9に示すように、クリップ状摘み取付部材11Eは、ブレーカー9の摘み10の厚みを弾性的に挟み込んでいる。
【0045】
実施の形態4のブレーカー遮断装置1Bは、ブレーカー9の摘み10に被せて装着される箱状摘み取付部材11A,11B,11C,11Dと、ブレーカー9の摘み10の厚みを弾性的に挟み込んで装着されるクリップ状摘み取付部材11Eと、から一方を選択して紐状物7の一端部7aに連結可能である。
【0046】
[実施の形態5]
ブレーカー遮断装置1は、設置場所がブレーカー9の直下の垂直面8aには限られない。配電盤8内にスペース上の余裕があれば、配電盤8内へブレーカー遮断装置1を取り付ける。しかし、配電盤8内にそのスペースがない場合、配電盤8の側面あるいは配電盤8の下の壁面スペースにブレーカー遮断装置1を取り付けることが可能である。実施の形態5では、ブレーカー遮断装置1の配置以外は実施の形態1と同一であるため、図9の各構成には、図1図5と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
【0047】
図1に示すように、取付板部は、切欠溝Nで切り離して上部側の取付板部6aと下部側の取付板部2aとに分割可能である。図9に示すように、係止部6は、台部2から分離されて、ブレーカー9の摘み10の直下の垂直面8aに固定されている。係止部6は、垂直面8aに固定された取付板部6aから水平方向へ突出する棚部6bを有し、棚部6bの平面の略中央部を上下方向に貫通させて、移動する紐状物7を案内する垂直方向の案内孔6cが設けられている。棚部6bは、図4に示すように、案内孔6cで摘み取付部材11を受け止めて錘5を吊り下げるストッパーとして機能する。一方、台部2は、係止部6から水平方向に離間させた位置であって、配電盤8の横側の垂直面8bに取り付けられている。
【0048】
[実施の形態6]
図10に示すように、ブレーカー遮断装置1の取付板部2aの正面側の面に二次元コード2mが形成されている。二次元コード2mは、シールに印刷して取付板部2aに貼付されており、取付板部2aを垂直面8aに取り付けた状態でスマートフォンにより読み取り可能である。二次元コード2mは、ブレーカー遮断装置1の取り扱い説明書及び最新情報のウェブサイトのURL情報を記載しており、スマートフォンで読み取って該当するウェブサイトのページにアクセスし、PDFデータをダウンロードしてブラウザに表示させることができる。
【0049】
実施例6のブレーカー遮断装置1によれば、ユーザーが直観的にスマートフォン等を操作して、ブレーカー遮断装置1に関するマニュアル、最新情報、設計データ、カタログ等のウェブサイトへ容易にアクセスできる。ユーザーがさまざまな種類の建造物においてさまざまな種類の配電盤を設置した場合のそれぞれについて、どのようにブレーカー遮断装置1を選択してどのように取り付けたらよいかをわかり易く説明することができる。これにより、ブレーカー遮断装置1が所定震度の地震に応答してより確実にブレーカーを遮断することができることから、ブレーカー遮断装置1の実用性を増して、地震の際の二次災害により被害を受けることを有効に軽減できる。設計者、施工者、販売者、エンドユーザーの情報共有を促進して、マニュアル、設計データ、トラブルシュート等の蓄積情報、営業ツール、最新情報、カタログ等へ容易にアクセスして、不足した情報や経験を速やかに補うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係るブレーカー遮断装置は、ユーザーの声を反映し、地震時に確実に動作してブレーカーの遮断スイッチを遮断することができた上で、さらにユーザーにとって利便性を増したブレーカー遮断装置として好適に用いられるものである。
【0051】
本発明のブレーカー遮断装置は、棚部及び案内孔の形状、取付位置等は上述した実施の形態には限定されない。要は紐状物を貫通させて紐状物の動きをスムーズにし、摘み取付部材を係止する構成であれば足りる。
【0052】
摘み取付部材は、これをボックス型のものではなく、摘みに対し容易には外れないように構成した係止具であっても良い。この係止具は、摘みに結びつける形態のものや、金属線で摘みに係止させるように折り曲げて構成したものであっても良い。台部は、粘着層を使用しないで、配電盤の垂直面や壁部に取付ネジを用いて、或いは磁石シートを用いて取り付けてもよい。
【0053】
紐状物の材料は、上述した丈夫な紐の材料には限定されない。金属製の鎖(チェーン)、ワイヤー、丈夫な繊維の糸やテグス等、要するに柔軟性を有し、経年劣化に耐えるものであれば足りる。
【符号の説明】
【0054】
1 ブレーカー遮断装置
2 台部
2a 取付板部
2b 載置板部
2c 載置台
2d 突起部
2e 円筒部材(円筒部)
2f 円筒部材
2g 両側板
2k 窪み
3 回転軸
3a 軸受部
3b 軸孔
4 水平調節手段
4a 垂下片
4b 調節ネジ
4c 雄ねじ
4d 突き当て面
4e 水準器
5 錘
5a 取付片
6 係止部
6a 取付板部
6b 棚部
6c 案内孔
6d 上面
6e 上部内側エッジ部分
6f 上部外側エッジ部分
6g 下部内側エッジ部分
6h 縁エッジ部分
7 紐状物
7a 一端部
7b 他端部
8 配電盤
8a 垂直面
9 ブレーカー
10 摘み
11 摘み取付部材
13 粘着層
14 剥離シート
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単数または複数の重さの異なる錘と、
ブレーカーの摘みへ取り付けられるところのそれぞれ構成の異なる複数の摘み取付部材と、
一端部を前記錘に他端部を前記摘み取付部材に連結される紐状物と、
下端部側に前記錘を載置する載置板部を上下方向へ揺動調節可能に設けた台部と、
この台部の上部に切断方向に設けた切欠溝を介して接続されたところの上部に前記紐状物を通す長円形状の上部内側のエッジ部分にアール部を設けた案内孔を有する棚部を設けた係止部と、
前記台部と前記係止部の各背部に渡って接着された外表面に粘着層を設けたところの前記切欠溝の位置で切断可能な粘着シートと、
前記載置板部上に互いに嵌め合わせて設けたそれぞれ外径の異なる複数の円筒部材から成る前記錘の載置台と、
前記載置板部の上面に前記載置台に隣接して設けた前記載置板部の前後左右の水平を見る水準器と、
前記台部の表面側に設けた二次元コードと、を有することを特徴とする、ブレーカー遮断装置。
【請求項2】
前記複数の摘み取付部材の少なくとも一つは、クリップ状を呈し、プレート状の本体と、この本体の一端部側との間に設けられたブレーカーの摘みを弾性的に挟み込むクリップ部と、前記本体の他端部側に設けられた前記紐状物の一端部が連結される貫通孔を設けた取付部と、を有することを特徴とする、請求項1に記載のブレーカー遮断装置。
【請求項3】
前記載置板部を前記台部に対して揺動調節可能に取り付ける手段は、前記載置板部を前記台部に対して上下方向へ回転可能に連結する回転軸と、前記載置板部の下部に設けた垂下片に前記回転軸に対して直交する方向にネジ着され先端部を前記取付板部に当接させた調節ネジと、で構成したことを特徴とする、請求項1乃至2のいずれか1項に記載のブレーカー遮断装置。
【請求項4】
前記載置台を構成する複数の円筒部材は、外径の小さなものを前記載置板部に固着させ、外径の大きな円筒部材は、前記外形の小さな円筒部材の外側に着脱可能に嵌着されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のブレーカー遮断装置。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、配電盤に設置されている漏電ブレーカーなどのブレーカーを地震の際に自動的に遮断する際に用いて好適なブレーカー遮断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
平成7年に発生した阪神大震災の際に、地震に伴って発生したいわば二次災害としての大小火災によって多くの建物や人命が失われたことは我々の記憶にまだ新しい。この地震に伴って発生する火災の原因の一つとして、漏電や電気機器の転倒に伴うショートによるものが大きな原因の一つとして知られている。そこで、地震の際に漏電ブレーカーなどのブレーカーを遮断するブレーカー遮断装置が、下記する特許文献に記載されているように、本願出願人及び本願出願人の前身の会社や社員によって提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-296428号公報
【特許文献2】特開2006-164649号公報
【特許文献3】実用新案登録第3202057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来のブレーカー遮断装置は、いずれも、錘と、ブレーカーの摘みへ取り付けられる摘み取付部材がその一端部に連結されると共に前記錘がその他端部に連結される紐状物と、取付板部の下部側に設けられ、前記錘を載置させる載置台を有する台部と、前記取付板部の上部側に設けられ前記紐状物を挿通させると共に、前記摘み取付部材を係止させる案内孔を有する係止部とを有しており、2003年に発売されて以来、2021年4月の今日に至るまで、約17年間に渡って継続して発売されてきている。その間、少しずつ改良が加えられて来ているが、最近になってこのブレーカー遮断装置は、大手電力会社から推奨品として扱われ、さらに地方公共団体から住民配布用として大量購入される人気商品となっている。
【0005】
最近になって、エンドユーザーからは、地震時の動作時に係止部の案内孔に紐状物が引っ掛かってうまく動作しない場合があるという苦情や、ブレーカーの遮断スイッチが硬い場合には、地震時に載置台から錘が落下しても、ブレーカーの遮断スイッチが切れない場合があるという苦情が寄せられるようになり、また、取扱説明書がついていても、ブレーカー遮断装置の取り扱いや取付方法等に関する質問がメーカーに寄せられるケースが多くなっている。そこで、本発明の目的は、今までのユーザーからの声を取り入れ、さらに利便性を向上させたブレーカー遮断装置を提供せんとするにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願請求項1に記載のブレーカー遮断装置は、単数または複数の重さの異なる錘と、ブレーカーの摘みへ取り付けられるところのそれぞれ構成の異なる複数の摘み取付部材と、一端部を前記複数の錘の中から選ばれた一つの錘に連結され、他端部を前記複数の摘み取付部材の中から選ばれた一つの摘み取付部材に連結される紐状物と、下端部側に前記錘を載置する載置板部を上下方向へ揺動調節可能に設けた台部と、この台部の上部に切断方向に設けた切欠溝を介して接続されたところの上部に前記紐状物を通す長円形状の上部内側のエッジ部分にアール部を設けた案内孔を有する棚部を設けた係止部と、前記台部と前記係止部の各背部に渡って接着された外表面に粘着層を設けたところの前記切欠溝の位置で切断可能な粘着シートと、前記載置板部上に互いに外径の小さなものに外径の大きなものを挿入させて設けたそれぞれ外径の異なる複数の円筒部材から成る前記錘の載置台と、前記載置板部の上面に前記載置台に隣接して設けた前記載置板部の前後左右の水平を見る水準器と、前記台部の表面側に設けた二次元コードと、を有し、さらに前記複数の摘み取付部材は、本体とこの本体との間で摘みを弾性的に挟み込むクリップ部と前記紐状物を取り付ける取付部とを有するクリップ状摘み取付部材と、特大、大、中、小の複数の箱状摘み取付部材とで構成されることを特徴とする。
【0007】
次に、本願請求項2に記載のブレーカー遮断装置は、前記複数の摘み取付部材の少なくとも一つは、クリップ状を呈し、プレート状の本体と、この本体の一端部側との間に設けられたブレーカーの摘みを弾性的に挟み込むクリップ部と、前記本体の他端部側に設けられた前記紐状物の一端部が連結される貫通孔を設けた取付部と、を有することを特徴とする。
【0008】
次に、本願請求項3に記載のブレーカー遮断装置は、前記載置板部を前記台部に対して揺動調節可能に取り付ける手段は、前記載置板部を前記台部に対して上下方向へ回転可能に連結する回転軸と、前記載置板部の下部に設けた垂下片に前記回転軸に対して直交する方向にネジ着され先端部を前記台部の取付板部に当接させた調節ネジと、で構成したことを特徴とする。
【0009】
そして、本願請求項4に記載のブレーカー遮断装置は、前記載置台を構成する複数の円筒部材は、外径の小さなものを前記載置板部に固着させ、外径の大きな円筒部材は、前記外径の小さな円筒部材の外側に着脱可能に嵌着されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1に記載のブレーカー遮断装置によれば、係止部の案内孔の形状を前方に円弧を突出させた半長円形に構成すると共に係止部の案内孔の上部内側エッジ部分にアール部を設けている。このため、この2つの構成の相乗効果により、錘が載置台から落下する過程で錘に引っ張られて移動する紐状物と案内孔の摺擦が円滑になって、紐状物の移動が妨げられ難くなる。したがって、地震時の動作時に係止部の案内孔に紐状物が引っ掛かってうまく動作しない場合があるというエンドユーザーからの声を取り入れて、ブレーカー遮断装置の利便性をさらに向上させることができる。
【0011】
また、重さの異なる複数の錘から、錘が載置台から落下する過程で錘に引っ張られて移動する紐状物と案内孔の摺擦が円滑になって、紐状物の移動が妨げられ難くなる錘を選択することができる。したがって、地震時の動作時に係止部の案内孔に紐状物が引っ掛かってうまく動作しない場合があるというエンドユーザーからの声を取り入れて、ブレーカー遮断装置の利便性をさらに向上させることができる。
【0012】
さらに、ブレーカーの摘み(スイッチノブ)の形状や大きさに合わせて複数の摘み取付部材からガタツキの少ないもの選択することができる。これにより、摘み取付部材のガタツキに起因して、地震時の動作時にブレーカー遮断装置がうまく動作しない場合があるというエンドユーザーからの声を取り入れて、ブレーカー遮断装置の利便性をさらに向上させることができる。
【0013】
そして、取付板部に設けられた二次元コードをユーザーがスマートフォン等で読み取ってウェブサイトへアクセスすることにより、ユーザーが必要な情報を直観的に任意のタイミングで取得できる。したがって、地震時の動作時にブレーカー遮断装置がうまく動作しない場合があるというエンドユーザーからの声を取り入れて、ブレーカー遮断装置の利便性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態1に係るブレーカー遮断装置の使用状態を示す斜視図である。
図2図1のブレーカー遮断装置を設置した配電盤の正面図である。
図3図2のブレーカー遮断装置の台部に錘を載置した状態を説明する側面図である。
図4図2のブレーカー遮断装置の台部から錘が落下した状態を説明する側面図である。
図5】実施の形態1のブレーカー遮断装置において案内孔の上部内側エッジ部分の全体がなめらかに連続した曲面であることの説明図である。(a)は側断面図、(b)は平面図である。
図6】実施の形態2のブレーカー遮断装置において棚部の外側エッジがなめらかに連続した曲面であることを説明する断面図である。
図7】実施の形態3のブレーカー遮断装置において第1錘と第2錘のうちから一方を選択できることを説明する断面図である。(a)は第1錘、(b)は第2錘である。
図8】実施の形態4のブレーカー遮断装置においてクリップ式の摘み取付部材の説明図である。
図9】実施の形態5のブレーカー遮断装置において台部から棚部を分離した設置方法の説明図である。
図10】実施の形態6のブレーカー遮断装置において台部の取付板部に二次元コードを用いてURL情報を表示している状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面を参照して本発明のブレーカー遮断装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
[実施の形態1]
図1図2に示すように、配電盤8にブレーカー9が設けられ、ブレーカー遮断装置1は、ブレーカー9の直下の垂直面8aに取り付けることができる。或いは、図9に示すように、ブレーカー遮断装置1は、ブレーカー9の直下から離れた任意の高さ位置に取り付けることもできる。図1に示すように、取付板部2aには、係止部6を台部2から分離するために、V字溝の切欠溝Nが形成されている。係止部6は、ハサミやカッターナイフを用いて切欠溝Nで下部側の取付板部2aから上部側の取付板部6aを切り離すことにより、台部2から分離可能である。
【0017】
ブレーカー遮断装置1をブレーカー9の直下の垂直面8aに取り付ける際には、係止部6と台部2とを分離することなく、取付板部2aの裏面に設けた粘着層13から剥離シート14を剥がして垂直面8aに貼着させる。一方、係止部6を台部2から分離して使用する場合、係止部6は、ブレーカー9の直下の垂直面8aに貼着されるが、台部2は任意の位置に取り付け可能である。
【0018】
ブレーカー遮断装置1は、単数または複数の錘5と、ブレーカー9の摘み10へ取り付けられる摘み取付部材11がその一端部に連結されると共に錘5がその他端部に連結される紐状物7と、取付板部2a、6aの下部側に設けられ、錘5を載置させる載置台2cを有する台部2と、取付板部2a、6aの上部側に設けられ紐状物7を挿通させると共に、摘み取付部材11を係止させる案内孔6cを有する係止部6と、を有する。
【0019】
地震が来て、所定震度で建物が揺れると、ブレーカー遮断装置1も共に揺れ、載置台2c上に載置した錘5が載置台2cから落下する。図4に示すように、錘5が落下すると、錘5の重量と加速度で紐状物7を介して摘み10が下方へ倒されて、ブレーカー9がOFFする。ブレーカー9がOFFすると、摘み取付部材11が摘み10から抜け落ちる。このとき、係止部6の案内孔6cに摘み取付部材11が係止されて錘5の落下が停止する。
【0020】
図1に示すように、錘5は鉛製で球体状に形成され、表面に非導電性材質の樹脂をコーティングしてあると共に、紐状物7の取付片5aが形成されている。錘5は、鉛以外に鉄、銅、その他の比重の高い材料を用いてもよい。錘5の形状は球体状には限定されない。
【0021】
紐状物7の他端部7bは、錘5の取付片5aに連結される。紐状物7の一端部7aは、係止部6の案内孔6cを通って摘み取付部材11の取付片11aに連結されている。紐状物7の材料は、実施の形態1では、丈夫な紐を使用している。紐状物7は、材料が導電性材料の場合には、表面に非導電性の被膜或はコーティングを施すことが望ましい。
【0022】
紐状物の長さは、必要に応じて任意にその長さを調節することができる。後述するように、紐状物7は、ブレーカー遮断装置1がブレーカー9の真下に取り付けられず、ブレーカー9の上側や横側に取り付ける場合を考慮し、或はブレーカー9の摘み10の動作抵抗力の違いを考慮し、或いは錘5の加速度を調節するために、複数種類の長さの異なる紐状物7を予め準備しておくことができる。
【0023】
ブレーカー9の摘み10に摘み取付部材11を外挿することにより、紐状物7は、ブレーカー9の摘み10に対して着脱可能に連結されている。摘み取付部材11は、樹脂製のボックス型のものであり、ON状態の摘み10に対して斜め上方から挿入して被せることによって、摘み10へ取り付けられている。摘み取付部材11の先端は斜めに切断されており、長い面の側が摘み10の下側へ来るように装着される。摘み取付部材11は、摘み10に対する装着が簡単であり、錘5の落下時に確実に摘み10を動作させることが出来る利点を有する。
【0024】
図3に示すように、台部2は、配電盤8の垂直面8aに取り付けられる取付板部2aと、取付板部2aから水平方向に突出する載置板部2bと、載置板部2bに設けられて錘5を載置されると共に所定震度以上の地震に応答して錘5を落下させる載置台2cと、からなる。台部2は、非導電性材質の樹脂を成型加工した取付板部2aと載置板部2bとが回転軸3、3を介してL字型に組み立てられている。取付板部2aは正面視矩形状を呈し、載置板部2bは平面視半円形状を呈しているが、取付板部2aと載置板部2bの形状に限定はない。なお、載置板部2bは、載置台2c上へ錘5を載置した場合に、約1mm正面側へ突出するように構成されている。これは、蓋付きの配電盤8の中にブレーカー9が設置されている場合、蓋の裏側が錘5に接触しないためである。また、載置板部2bに設けられたドーム型の水準器4e及びピン4cは、載置台2cから落下した錘5を、載置板部2bの上に停滞させることなく落下するように導く。
【0025】
図1に示すように、回転軸3、3は、載置板部2bと一体に樹脂で成型され、載置板部2bの左右に設けられた軸受部3a、3aから外側へ向かって突出している。取付板部2aに設けられた左右の両側板2g、2gには、軸孔3b3bが形成され、両側板2g、2gを押し広げて回転軸3、3を軸孔3b3bに挿入している。これにより、載置板部2bは、回転軸3、3を中心にして取付板部2aに対して回動可能である。
【0026】
図5に示すように、載置板部2bには、中央に窪み2kを有する載置台2cが設けられ、窪み2kに一点鎖線で示す錘5が載置される。載置台2cは、載置板部2bと一体に形成された環状部2dの外側に透明アクリルの円筒部材2eと円筒部材2fとを挿入して組み立てられている。載置台2cの中央の窪み2kの形状は、錘5の外周に倣って湾曲しているが、必ずしもこの湾曲形状に限定されない。窪み2kは、窪み2kの上に載置した錘5が多少の揺れや振動によって落下したりしないが、所定震度の揺れが与えられた場合に、錘5が落下するように形成されていれば足りる。
【0027】
環状部2dで窪み2kを形成している場合、円筒部材2eで窪み2kを形成している場合、円筒部材2fで窪み2kを形成している場合の順に窪み2kが大きくなって錘5の保持力は高くなり、載置台2cから錘5が落下する所定震度は大きくなる。窪み2kの大きさが等しい場合、水平調節手段4を調整して載置台2cを傾けることにより、中間の所定震度を設定できる。ブレーカー遮断装置1は、このようにして、載置台2cから錘5が落下してブレーカー9がOFFされる震度を任意に設定可能である。実施の形態1では、地震の震度が5以上の場合に錘5が落下するように設定されている。
【0028】
水平調節手段4は、載置板部2bの前後方向の傾き角度を変化させて載置台2cの傾きを調整可能である。水平調節手段4は、載置板部2bの下部に垂設した垂下片4aにねじ着された調節ネジ4bと、載置板部2bに設けた載置台2cに隣接して設けた水準器4eとを有し、調節ネジ4bの先端を取付板部2aに当接させている。水準器4eは、載置台2cの水平状態を反映するドーム状のものである。水準器4eの載置板部2bに対する取付方法及び取付位置に限定はない。要するに取付板部2aを配電盤8や壁部へ取り付ける際に載置板部2bの水平状態が確認できるものであれば足りる。
【0029】
ブレーカー遮断装置1をブレーカー9へ取り付ける際には、取付板部2aに取り付けた水準器4eの指示を見て載置台2cの水平を確認する。そして、水平調節手段4の調節ネジ4bを回転させると、載置板部2bが回転軸3を支点として垂下片4aと共に前後方向へ揺動するので、水準器4eの指示値を参照して載置台2cの傾き角度を調整することができる。
【0030】
図1に示すように、係止部6は、載置台2cから錘5が落下したときに、案内孔6cが摘み取付部材11を係止して錘5の落下を止める。係止部6は、垂直面8aに取り付けられた取付板部6aから水平方向へ突出する棚部6bを有し、棚部6bを上下方向に貫通して移動する紐状物7を案内する垂直方向の案内孔6cを有する。棚部6bの平面の略中央部に、摘み取付部材11を受け止めて錘5を吊り下げる案内孔6cが設けられている。
【0031】
以上のように構成されたブレーカー遮断装置1では、図3図4に示すように、摘み10に取り付けた摘み取付部材11と錘5との間の紐状物7に十分な長さとたるみを持たせている。これにより、落下する錘5の落下距離を大きく確保して、落下する錘5に十分な加速度を作用させて大きな落下速度に到達させて紐状物7を介して摘み取付部材11に大きな操作力を作用させている。
【0032】
ところが、摘み取付部材11と錘5との間の紐状物7に十分な長さとたるみを持たせると、錘5が載置台2cから落下して紐状物7が案内孔6cへ引き込まれる過程で、稀に、摘み取付部材11に十分な加速度を作用させることができない場合がある。案内孔6cへ引き込まれる紐状物7があばれて案内孔6cを通過する過程で紐状物7に意図しない引っ掛かりやブレーキ作用が発生することがある。
【0033】
そこで、図1に示すように、ブレーカー遮断装置1では、係止部6の案内孔6cの形状を前方に円弧を突出させた半長円形に構成すると共に係止部6の案内孔6cの上部内側エッジ部分6eにアール部を設けている。このため、この2つの構成の相乗効果により、錘5が載置台2cから落下する過程で錘5に引っ張られて移動する紐状物7と案内孔6cの摺擦が円滑になって、紐状物7の移動が妨げられ難くなる。このため、所定震度の地震に応答して錘5が台部2から落下した際にブレーカー9をより確実に遮断できる。
【0034】
ブレーカー遮断装置1は、半長円形の円弧と当該円弧に接続する直線で構成される案内孔6cの上部内側エッジ部分6e全体がなめらかに連続した円弧面である。このため、所定震度の地震に応答して錘5が落下する過程で、錘5に引っ張られて案内孔6cに引き込まれる紐状物7と棚部6bの摺擦が円滑になって、紐状物7に意図しない引っ掛かりやブレーキ作用が発生し難くなった。
【0035】
[実施の形態2]
ブレーカー遮断装置1において、錘5が落下する過程で錘5に引っ張られて移動する紐状物7に摺擦する棚部6bのエッジは、上部内側エッジ部分6eには限らない。図6に示すように、棚部6bの外側へ垂れ下がった紐状物7が上部外側エッジ部分6fに摺擦して意図しない引っ掛かりやブレーキ作用を作用する可能性がある。そこで、実施の形態2のブレーカー遮断装置1Aでは、棚部6bの上部外側エッジ部分6f全体をなめらかに連続した円弧面に仕上げている。さらに、案内孔6cの下部内側エッジ部分6g全体、及び案内孔6cに接する取付板部6aの縁エッジ部分6h全体もなめらかに連続した円弧面に仕上げている。実施の形態2では、棚部6bの上部外側エッジ部分6f以外の構成は実施の形態1と同一であるため、図6の各構成には、図1図5と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
【0036】
図6に示すように、実施の形態2のブレーカー遮断装置1Aは、棚部6bの上部外側エッジ部分6f及び案内孔6cの下部内側エッジ部分6g及び取付板部6aの縁エッジ部分6hがなめらかに連続した曲面である。このため、所定振動の地震に応答して錘5が落下する過程で、錘5に引っ張られて棚部6bの外側から案内孔6cへ向かって引き込まれる紐状物7と棚部6bの上部外側エッジ部分6fとの摺擦が円滑になって、紐状物7に意図しない引っ掛かりやブレーキ作用が発生し難くなった。このため、地震に応答して錘5が台部2から落下した際にブレーカー9を確実に遮断できる。
【0037】
[実施の形態3]
ブレーカー遮断装置1において、錘5の重量が必要以上に大きい場合、錘5が載置台2cから落下して紐状物7が案内孔6cへ引き込まれる過程で、移動速度が過剰になった紐状物7があばれて、棚部6bに対する意図しない引っ掛かりやブレーキ作用が発生する可能性がある。そこで、実施の形態3では、2種類の重量の錘5A,5Bを準備してブレーカー遮断装置1Bの設置時に実験して適正な重量のものを選択できるようにした。実施の形態3では、錘5A,5Bが準備されている以外は実施の形態1と同一であるため、図7の構成には、図1図5と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
【0038】
図8に示すように、設置前のブレーカー遮断装置1Bは、球体状の錘5Dと、直径及び重量が錘5Dよりも大きい球体状の錘5Cと、を有し、錘5Dと錘5Cとから一方を選択して紐状物7の他端部7bに連結されている。
【0039】
図7(b)に示すように、所定震度以上の地震に応答して錘5Dを落下させる構造は、載置台2cに設けられて錘5Dを着座させる円筒部材2eである。一方、図7(a)に示すように、所定震度以上の地震に応答して錘5Cを落下させる構造は、円筒部材2eの外側に挿入して錘5Cを着座させる円筒部材2fである。
【0040】
錘5の重量は、錘5の重量のみではブレーカー9の摘み10を降ろす(OFFさせる)ことができないように設定してある。このため、ブレーカー9の摘み10より紐状物7を介して錘5を吊り下げた状態で、台部2の取付位置を調節することができ、ブレーカー遮断装置1の取付作業を容易、かつ確実に行える。
【0041】
錘5の重量は、地震時に落下する錘5に加速度を付与されてブレーカー9をOFFできる範囲でなるべく軽量に設定されている。上述した意図しない引っ掛かりやブレーキ作用に加えて、錘5を誤って床上に落下させても、器物を破損させたり、足の上に落として怪我をさせたりすることを極力防止するためである。
【0042】
[実施の形態4]
実施の形態1では、ボックス型の摘み取付部材11を用いるブレーカー遮断装置1を説明した。しかし、ブレーカー遮断装置1の摘み取付部材11は、ボックス型のものに限定されず、クリップ型、リング型等、様々のものに置き換えることができる。実施の形態4では、クリップ状摘み取付部材11E以外の構成は実施の形態1と同一であるため、図7図8の各構成には、図1図5と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
【0043】
図8に示すように、設置前のブレーカー遮断装置1Bは、ブレーカー9の摘み10の大きさに違いのあることを考慮して、予め特大、大、中、小からなる4種類のサイズの箱状摘み取付部材11A、11B、11C、11Dを準備している。箱状摘み取付部材11A,11B,11C,11Dはブレーカー9の摘み10に被せて装着され、紐状物7の一端部7aのループを利用して紐状物7を簡単に着脱できるようにしてある。箱状摘み取付部材11A,11B,11C,11Dは、厚みの薄い摘みや幅の狭い摘みにもガタツキなく取り付けられるように、板バネや取付ネジを内蔵してもよい。
【0044】
図8に示すように、設置前のブレーカー遮断装置1Bは、各種厚みの摘み10に対して共通かつワンタッチでガタツキなく装着できることを考慮して、クリップ状摘み取付部材11Eを準備している。クリップ状摘み取付部材11Eは、ポリエチレン樹脂で成型され、リブ11gで補強された本体11jと、本体11jとの間に摘み10を弾性的に挟み込むクリップ部11iと、紐状物7の一端部7aが連結される貫通孔11kを設けた取付部11hと、を有する。図9に示すように、クリップ状摘み取付部材11Eは、ブレーカー9の摘み10の厚みを弾性的に挟み込んでいる。
【0045】
実施の形態4のブレーカー遮断装置1Bは、ブレーカー9の摘み10に被せて装着される箱状摘み取付部材11A,11B,11C,11Dと、ブレーカー9の摘み10の厚みを弾性的に挟み込んで装着されるクリップ状摘み取付部材11Eと、から一方を選択して紐状物7の一端部7aに連結可能である。
【0046】
[実施の形態5]
ブレーカー遮断装置1は、設置場所がブレーカー9の直下の垂直面8aには限られない。配電盤8内にスペース上の余裕があれば、配電盤8内へブレーカー遮断装置1を取り付ける。しかし、配電盤8内にそのスペースがない場合、配電盤8の側面あるいは配電盤8の下の壁面スペースにブレーカー遮断装置1を取り付けることが可能である。実施の形態5では、ブレーカー遮断装置1の配置以外は実施の形態1と同一であるため、図9の各構成には、図1図5と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
【0047】
図1に示すように、取付板部は、切欠溝Nで切り離して上部側の取付板部6aと下部側の取付板部2aとに分割可能である。図9に示すように、係止部6は、台部2から分離されて、ブレーカー9の摘み10の直下の垂直面8aに固定されている。係止部6は、垂直面8aに固定された取付板部6aから水平方向へ突出する棚部6bを有し、棚部6bの平面の略中央部を上下方向に貫通させて、移動する紐状物7を案内する垂直方向の案内孔6cが設けられている。棚部6bは、図4に示すように、案内孔6cで摘み取付部材11を受け止めて錘5を吊り下げるストッパーとして機能する。一方、台部2は、係止部6から水平方向に離間させた位置であって、配電盤8の横側の垂直面8bに取り付けられている。
【0048】
[実施の形態6]
図10に示すように、ブレーカー遮断装置1の取付板部2aの正面側の面に二次元コード2mが形成されている。二次元コード2mは、シールに印刷して取付板部2aに貼付されており、取付板部2aを垂直面8aに取り付けた状態でスマートフォンにより読み取り可能である。二次元コード2mは、ブレーカー遮断装置1の取り扱い説明書及び最新情報のウェブサイトのURL情報を記載しており、スマートフォンで読み取って該当するウェブサイトのページにアクセスし、PDFデータをダウンロードしてブラウザに表示させることができる。
【0049】
実施例6のブレーカー遮断装置1によれば、ユーザーが直観的にスマートフォン等を操作して、ブレーカー遮断装置1に関するマニュアル、最新情報、設計データ、カタログ等のウェブサイトへ容易にアクセスできる。ユーザーがさまざまな種類の建造物においてさまざまな種類の配電盤を設置した場合のそれぞれについて、どのようにブレーカー遮断装置1を選択してどのように取り付けたらよいかをわかり易く説明することができる。これにより、ブレーカー遮断装置1が所定震度の地震に応答してより確実にブレーカーを遮断することができることから、ブレーカー遮断装置1の実用性を増して、地震の際の二次災害により被害を受けることを有効に軽減できる。設計者、施工者、販売者、エンドユーザーの情報共有を促進して、マニュアル、設計データ、トラブルシュート等の蓄積情報、営業ツール、最新情報、カタログ等へ容易にアクセスして、不足した情報や経験を速やかに補うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係るブレーカー遮断装置は、ユーザーの声を反映し、地震時に確実に動作してブレーカーの遮断スイッチを遮断することができた上で、さらにユーザーにとって利便性を増したブレーカー遮断装置として好適に用いられるものである。
【0051】
本発明のブレーカー遮断装置は、棚部及び案内孔の形状、取付位置等は上述した実施の形態には限定されない。要は紐状物を貫通させて紐状物の動きをスムーズにし、摘み取付部材を係止する構成であれば足りる。
【0052】
摘み取付部材は、これをボックス型のものではなく、摘みに対し容易には外れないように構成した係止具であっても良い。この係止具は、摘みに結びつける形態のものや、金属線で摘みに係止させるように折り曲げて構成したものであっても良い。台部は、粘着層を使用しないで、配電盤の垂直面や壁部に取付ネジを用いて、或いは磁石シートを用いて取り付けてもよい。
【0053】
紐状物の材料は、上述した丈夫な紐の材料には限定されない。金属製の鎖(チェーン)、ワイヤー、丈夫な繊維の糸やテグス等、要するに柔軟性を有し、経年劣化に耐えるものであれば足りる。
【符号の説明】
【0054】
1 ブレーカー遮断装置
2 台部
2a 取付板部
2b 載置板部
2c 載置台
2d 環状部
2e 円筒部材
2f 円筒部材
2g 両側板
2k 窪み
3 回転軸
3a 軸受部
3b 軸孔
4 水平調節手段
4a 垂下片
4b 調節ネジ
4c ピン
4d 突き当て面
4e 水準器
5 錘
5a 取付片
6 係止部
6a 取付板部
6b 棚部
6c 案内孔
6d 上面
6e 上部内側エッジ部分
6f 上部外側エッジ部分
6g 下部内側エッジ部分
6h 縁エッジ部分
7 紐状物
7a 一端部
7b 他端部
8 配電盤
8a 垂直面
9 ブレーカー
10 摘み
11 摘み取付部材
13 粘着層
14 剥離シート
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単数または複数の重さの異なる錘と、
ブレーカーの摘みへ取り付けられるところのそれぞれ構成の異なる複数の摘み取付部材と、
一端部を前記複数の錘の中から選ばれた一つの錘に連結され、他端部を前記複数の摘み取付部材の中から選ばれた一つの摘み取付部材に連結される紐状物と、
下端部側に前記錘を載置する載置板部を上下方向へ揺動調節可能に設けた台部と、
この台部の上部に切断方向に設けた切欠溝を介して接続されたところの上部に前記紐状物を通す長円形状の上部内側のエッジ部分にアール部を設けた案内孔を有する棚部を設けた係止部と、
前記台部と前記係止部の各背部に渡って接着された外表面に粘着層を設けたところの前記切欠溝の位置で切断可能な粘着シートと、
前記載置板部上に互いに外径の小さなものに外径の大きなものを挿入させて設けたそれぞれ外径の異なる複数の円筒部材から成る前記錘の載置台と、
前記載置板部の上面に前記載置台に隣接して設けた前記載置板部の前後左右の水平を見る水準器と、
前記台部の表面側に設けた二次元コードとを有し、さらに前記複数の摘み取付部材は、本体とこの本体との間で摘みを弾性的に挟み込むクリップ部と前記紐状物を取り付ける取付部とを有するクリップ状摘み取付部材と、特大、大、中、小の複数の箱状摘み取付部材とで構成されることを特徴とする、ブレーカー遮断装置。
【請求項2】
前記複数の摘み取付部材の少なくとも一つは、クリップ状を呈し、プレート状の本体と、この本体の一端部側との間に設けられたブレーカーの摘みを弾性的に挟み込むクリップ部と、前記本体の他端部側に設けられた前記紐状物の一端部が連結される貫通孔を設けた取付部と、を有することを特徴とする、請求項1に記載のブレーカー遮断装置。
【請求項3】
前記載置板部を前記台部に対して揺動調節可能に取り付ける手段は、前記載置板部を前記台部に対して上下方向へ回転可能に連結する回転軸と、前記載置板部の下部に設けた垂下片に前記回転軸に対して直交する方向にネジ着され先端部を前記台部の取付板部に当接させた調節ネジと、で構成したことを特徴とする、請求項1乃至2のいずれか1項に記載のブレーカー遮断装置。
【請求項4】
前記載置台を構成する複数の円筒部材は、外径の小さなものを前記載置板部に固着させ、外径の大きな円筒部材は、前記外径の小さな円筒部材の外側に着脱可能に嵌着されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のブレーカー遮断装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正の内容】
図9
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正の内容】
図10