(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169393
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】基礎杭の現場構築工法
(51)【国際特許分類】
E02D 5/34 20060101AFI20221101BHJP
E02D 7/00 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
E02D5/34 Z
E02D7/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021075432
(22)【出願日】2021-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】599111965
【氏名又は名称】株式会社アルファシビルエンジニアリング
(71)【出願人】
【識別番号】515330638
【氏名又は名称】清田エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081824
【弁理士】
【氏名又は名称】戸島 省四郎
(72)【発明者】
【氏名】酒井 栄治
(72)【発明者】
【氏名】森田 智
(72)【発明者】
【氏名】水田 信一
【テーマコード(参考)】
2D041
2D050
【Fターム(参考)】
2D041AA01
2D041BA31
2D041DA02
2D041EA02
2D041EB03
2D050AA07
2D050CA01
(57)【要約】
【課題】 大型でリーダーの長い杭打機等を使用せずに狭い現場でも容易に基礎杭を構築でき、騒音・振動が少なく、所要径の基礎杭の現場構築を可能とする。又、基礎杭の引抜強度は高く、又品質の高い基礎杭を提供できるようにする。
【解決手段】 基礎杭の打設予定の地面に縦型推進機とその後続の鋼管をフランジ連結して鉛直方向に発進させ、及び地上へのこれらの装置を回収する発進台と、油圧ジャッキ装置及び掘進機から取り込んだ掘削排土を排土管で地上に送り出し、これに固化材を混練して固化体として排土管の管内に圧送して削孔内に固化体を充填するとともに、掘進機のカッター部で撹拌しながら地上側に持ち上げて回収する。
【選択図】
図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物の基礎杭を打設する現場において、密閉型の掘進機を現場地面に対し鉛直方向に掘進させて所定径で所定深さの削孔を掘削し、その後掘削された排土と固化材を撹拌し、同削孔内に充填して前記削孔位置に固化された基礎杭を構築する基礎杭の現場構築工法であって、
前記掘進機は、鉛直な筒状の外殻の下端に隔壁を設け,同隔壁の下方に掘削用カッター部を有し,更に前記隔壁には掘削された土砂を取り込む排土口を設け且つ隔壁の上方の外殻内部には前記カッター部を回動させる回動装置と排土口からの排土を上方へ送る途中に開閉バルブを備えた排土路とを有し、しかも同掘進機の外殻の口径は構築する基礎杭の杭径と同径とし且つ前記掘進機の後端口縁及び覆工体として連結された鋼管の口縁同士とは同径でフランジで互に脱着自在に連結できる鋼管を複数本用意し、しかも前記排土管は前記鋼管内部に通して地上へ送られるように配置し、更に打設する現場地面には掘進機を鉛直方向に向けて支持でき且つ同掘進機の上方に所要段数の鋼管を連結可能とし及び掘進機の上方にフランジ連結された複数段の鋼管からフランジを解いて最上段の鋼管を撤去作業ができる発進台と、同発進台に装置され掘進機にフランジ連結された最上段の鋼管を鉛直方向に押圧して掘進機と前記鋼管に鉛直方向の推進力を発生させ、且つ掘進機にフランジ連結された最上段の鋼管を上方に押圧して掘進機とこれと連結した鋼管を地上の発進台まで持ち上げることができる油圧ジャッキ装置と、更に掘進機から排土管を介して地上に送られ、ストックタンク内に貯留された排土又は別現場で発生して運送されてきた排土に所定割合で固化材を混練して改良体を作製する改良体製造装置と、作製された前記改良体を地上に露出した排土管の管内部へ圧送する改良体圧送装置とを配置し、
掘進時は前記発進台に掘進機を下向きに保持し、同掘進機の上方に所定段の鋼管をフランジ連結して前記油圧ジャッキ装置で最上段の鋼管に対して鉛直方向に押圧力を与えながら掘進機を作動させることで、しかも掘進機で鉛直方向に掘削させながら発進台で上方に鋼管を所要段数継ぎ足すことで基礎杭に要求される地盤の所定深さまで覆工を行いながら掘削する掘削工程と、
前記掘削工程で掘進機の排土管から地上に送り出される排土又は別現場の排土を使用して地上にて固化材を所定割合混練して改良体製造装置で改良体を作製する改良体製造工程と、作製した改良体を改良体圧送装置で地上に露出した排土管の管内に圧送して改良体を排土管を通して地中の掘進機先端のカッター隔壁から削孔内に圧入しながら掘進機とフランジ連結した鋼管を前記油圧ジャッキでゆっくりと持ち上げながら掘進機のカッター部で撹拌することで改良体を削孔内に均一に充填する改良体充填撹拌工程と、掘進機とその上方の鋼管を油圧ジャッキによって発進台の地上位置まで持ち上げてフランジ連結した鋼管を分離して掘進機を地上に回収する回収工程と、掘進機を上方に回収中に撹拌された改良体が固化して所定外径で支持地盤まで届いた所定深さを有して削孔壁によく付着し、支持地盤で支持されたコンクリート現場構築の基礎杭が完成する固化工程とからなる、基礎杭の現場構築工法。
【請求項2】
掘進機の外殻後方口縁とその直上の覆工体としての鋼管の下端口縁とを連結するフランジ及び上下の鋼管の上下端の口縁とを連結するフランジとして、前記掘進機の前記外殻後方口縁から外殻内側に張り出した環状の内フランジを設け、及び鋼管の上下端それぞれの口縁から管内側に張り出した環状の内フランジを設け、同一鉛直方向に直列に配置された掘進機とその上方の鋼管の対向する口縁の上下に重なる内フランジ同士を前記発進台でボルトナットで脱着自在に連結する構造としたものである、請求項1記載の基礎杭の現場構築工法。
【請求項3】
前記発進台は現場地面に強く固定され、前記掘進機とこれに連結される前記鋼管とを構築予定の基礎杭の杭中心の位置の同一鉛直方向となるように前記掘進機と前記鋼管とを保持し、しかも前記掘進機と鋼管とは前記同一鉛直方向に上下動できるように発進台には掘進機と鋼管を保持するフレーム構造を有し、又前記油圧ジャッキ装置の構造は前記の最上段となる鋼管の管端を押圧できる押輪と前記同一鉛直方向に上下動可能に発進台に取付け、同押輪と地面上に設置される発進台のベースとの間に両引きの複数本の油圧ジャッキを設けられて、しかも複数の前記油圧ジャッキのシリンダーロッドの先端は前記押輪に取付けられ、前記油圧ジャッキのシリンダー筒体側を前記発進台のベースに取付け、更に最上段の鋼管の上縁の内フランジに固定ナットを設け、前記押輪に前記固定ナットと螺合できる吊りボルトの上部を前記押輪に係止できる構造とし、前記掘進機と鋼管とを押し下げる場合は前記押輪が最上段の鋼管の上縁に当接して下方向に両引きの前記油圧ジャッキを作動させ、掘進機と鋼管を持ち上げる場合は前記吊りボルトの下部ネジ部を最上段の鋼管の内フランジの前記固定ナットと螺合して押輪と最上段の鋼管とを連結して両引きの前記油圧ジャッキのシリンダーロッドが上方へ伸長するように作動させて、掘進機とその上方の連結された鋼管とを上方へ持ち上げられる構造のものとした、請求項2記載の基礎杭の現場構築工法。
【請求項4】
前記請求項1~3いずれかの基礎杭の現場構築工法において、
前記現場の地上には、前記排土管を通して排土を地上側へ吸引する真空ポンプと、同真空ポンプで地上に送られた排土を一時貯える排土貯留槽と、前記固化材を貯えた固化材ホッパーと、前記排土貯留槽内の排土と前記固化材ホッパー内の前記固化材とを所定割合で混練して前記改良体を作製する改良体製造装置と、同改良体製造装置で作製された前記改良体を前記掘進機の前記排土管内に送り込む改良体圧送装置とその配管と、現場に作製する予定の基礎杭の地上の地面に対して前記掘進機と複数本の前記鋼管とを鉛直に配置でき、しかも対向する各フランジをボルトで脱着可能に連結した推進体を鉛直に保持し且つ同推進体を地盤に向けて下方又は地上に向けて上方にも移動できるようにした発進台と、同発進台で支持された前記推進体の最上段の鋼管を下方に押下げ又は地上側に向けて上方に持ち上げることができる前記発進台に取付けられた油圧ジャッキ装置とを現場地面に配置し、
まず前記発進台に同一鉛直方向に打設予定の基礎杭の杭口と略同じ外殻口径の掘進機とその上方に外殻口径と略同じ外径を有する複数の鋼管を配置し、鉛直の掘進機とその上方の鋼管とを互にフランジで連結した後前記発進台に取付けた前記油圧ジャッキ装置を作動させて前記掘進機と複数の連結された前記鋼管に前記油圧ジャッキ装置によって最上位となる前記押輪に押下げ力を荷重しながら前記掘進機の前記回転装置を作動させることで、前記掘進機は地盤に対してその前記カッター部で鉛直方向に掘削し且つ掘削した地盤の土砂を前記隔壁の前記排土口から取り込んで前記排土管を介して地上の前記真空ポンプを介して排土を前記排土貯留槽へ一時貯え、又前記掘進機が連結された鋼管を複数本分だけ下方に掘進すると発進台の地盤中に覆工体として挿入された最上段の鋼管の上端口縁上に必要な段数の複数本分の鋼管を前記発進台に地盤に圧入された鋼管と同一鉛直線上になるように補充配置して前記鋼管をフランジで互に連結し、その後前記油圧ジャッキ装置で補充した鋼管の最上段の管端を前記押輪で同一鉛直線下方に前記油圧ジャッキ装置で押付けながら同時に前記掘進機を掘削するように作動させることを繰り返して、掘進機を地盤強度の高い所定深さまで掘削すると油圧ジャッキ装置と掘進機の作動を停止し、前記排土貯留槽の排土と固化材ホッパー内の固化材とを改良体製造装置で所定割合で混練して改良体を作製した後、その混練した改良体を前記改良体圧送装置で地上に露出した排土管の内部へ圧送させて改良体を下端の前記排土口から噴出しながら前記掘進機を作動させてそのカッター部で撹拌する状態で、発進台にある最上段の鋼管を前記油圧ジャッキ装置によって徐々に上方持ち上げるようにすることで、掘進機の排土口から改良体を切羽に向けて噴出して削孔内に充填撹拌させながらフランジ連結された掘進機と鋼管を徐々に上昇させ、地上の発進台に複数の鋼管と掘進機とが移動すると前記発進台でフランジ連結を解いて、前記鋼管と掘進機とを発進台から撤去し、掘進機と上方の鋼管を地上に回収して再使用可能とするとともに、削孔内に充填撹拌された改良体は固化されて掘進機の口径で支持層まで到達した掘削深さの長さの強度の高い支持杭と周辺地山と密状態の摩擦杭の双方の利点を有した基礎杭となり、しかも地盤にしっかりと根固めされた基礎杭を構築できる、請求項1~3いずれか記載の基礎杭の現場構築工法。
【請求項5】
前記改良体に使用する排土が、前記掘進機が掘削してその排土管で地上に送られた排土を使用することで、排土を処理場まで運送することを不要にした、請求項1~4いずれか記載の基礎杭の現場構築工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
コンクリート建造物又はマンション・ビル等の大重量のコンクリート大型建築物を地上に構築する場合、その工事現場の地面にこれら重量ある建造物・大型建築物を支持するため、基礎工として所要杭径の杭をその地面下方の地盤の支持層に届くまでの所定長さの基礎杭を多数本打設している。本発明は、この基礎杭を地下埋設管工事で使用する横孔用の掘進機を利用して鉛直な削孔を掘削し、及び発生した排土を再利用して固化材を添加して改良土を形成させ、削孔内に撹拌充填させることで場所打杭を構築する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2に示すように、従来の基礎杭打設作業は、現場地面に10mを超える垂直の長いリーダーを備えたPC打撃機又は杭打機を現場に設置して、PCパイル打撃工法,プレボーリング工法によって地上から長尺の基礎杭を地盤下方に向って打撃振動を与えながら打ち込んで、その支持層に届くまで打設して基礎杭を構築するものである。
又、場所打杭の構築においても大型のクローラクレーンを用いた削孔機械で掘削し、削孔内にベントナイト溶液等を充填させ、その後トレミー管を使って下方よりコンクリートに置き替える施工法もあった。
【0003】
この従来の基礎杭打設工法では、現場に高い大型のPC打撃機・杭打機及び削孔機等を安全に設置せねばならず、そのための広い設置空間を確保しなければならない。又、PC打撃機・杭打機が地震・風によって転倒して周囲建築物を破壊する危険があり、しかも施工現場に大きい振動と騒音を発生させていた。
【0004】
加えて、従来の基礎杭の打設工法では下方の地盤の性状やその変化に応じて現場でその杭径や杭長を変更することが難しいものであった。又、地盤掘削作業で地上に排出した掘削土粒子の排土残土量が多く、その後処理にコストを費やすこととなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-211225号公報
【特許文献2】特開平08-144673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、従来の下記の問題点を解決し、下記のイ~ヘの利点がある新しい発想の基礎杭の構築工法を提供することにある。
イ:地盤性状やその変化に応じて杭径や杭長を現場で変更可能として、適切な基礎杭を構築できるようにする。
ロ:地上に排出される掘削粒子の排土を現場で固化材を添加することで改良体として再投入し、有効利用して、排土残土量を低減して排土後処理工数を低減する。
ハ:基礎杭打設作業に大きな振動・騒音が発生しないようにできるようにする。
ニ:従来の基礎杭作業に必要な上方に長いリーダーを有する大型のPC打撃機・杭打機や削孔機の現場までの移動とその使用コスト及び現場での杭・鋼材の打設や吊り込みのためのクレーン作業の工数と作業負担を大巾に削減できるようにする。
ホ:使用する掘進機や機材が狭路な一般道でも搬入・搬出が可能で、省力化が実現できるようにする。
ヘ:長尺なコンクリート二次製品や鋼材等を不必要にして、それらの搬出入作業を大巾に省けるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 建造物の基礎杭を打設する現場において、密閉型の掘進機を現場地面に対し鉛直方向に掘進させて所定径で所定深さの削孔を掘削し、その後掘削された排土と固化材を撹拌し、同削孔内に充填して前記削孔位置に固化された基礎杭を構築する基礎杭の現場構築工法であって、
前記掘進機は、鉛直な筒状の外殻の下端に隔壁を設け,同隔壁の下方に掘削用カッター部を有し,更に前記隔壁には掘削された土砂を取り込む排土口を設け且つ隔壁の上方の外殻内部には前記カッター部を回動させる回動装置と排土口からの排土を上方へ送る途中に開閉バルブを備えた排土路とを有し、しかも同掘進機の外殻の口径は構築する基礎杭の杭径と同径とし且つ前記掘進機の後端口縁及び覆工体として連結された鋼管の口縁同士とは同径でフランジで互に脱着自在に連結できる鋼管を複数本用意し、しかも前記排土管は前記鋼管内部に通して地上へ送られるように配置し、更に打設する現場地面には掘進機を鉛直方向に向けて支持でき且つ同掘進機の上方に所要段数の鋼管を連結可能とし及び掘進機の上方にフランジ連結された複数段の鋼管からフランジを解いて最上段の鋼管を撤去作業ができる発進台と、同発進台に装置され掘進機にフランジ連結された最上段の鋼管を鉛直方向に押圧して掘進機と前記鋼管に鉛直方向の推進力を発生させ、且つ掘進機にフランジ連結された最上段の鋼管を上方に押圧して掘進機とこれと連結した鋼管を地上の発進台まで持ち上げることができる油圧ジャッキ装置と、更に掘進機から排土管を介して地上に送られ、ストックタンク内に貯留された排土又は別現場で発生して運送されてきた排土に所定割合で固化材を混練して改良体を作製する改良体製造装置と、作製された前記改良体を地上に露出した排土管の管内部へ圧送する改良体圧送装置とを配置し、
掘進時は前記発進台に掘進機を下向きに保持し、同掘進機の上方に所定段の鋼管をフランジ連結して前記油圧ジャッキ装置で最上段の鋼管に対して鉛直方向に押圧力を与えながら掘進機を作動させることで、しかも掘進機で鉛直方向に掘削させながら発進台で上方に鋼管を所要段数継ぎ足すことで基礎杭に要求される地盤の所定深さまで覆工を行いながら掘削する掘削工程と、
前記掘削工程で掘進機の排土管から地上に送り出される排土又は別現場の排土を使用して地上にて固化材を所定割合混練して改良体製造装置で改良体を作製する改良体製造工程と、作製した改良体を改良体圧送装置で地上に露出した排土管の管内に圧送して改良体を排土管を通して地中の掘進機先端のカッター隔壁から削孔内に圧入しながら掘進機とフランジ連結した鋼管を前記油圧ジャッキでゆっくりと持ち上げながら掘進機のカッター部で撹拌することで改良体を削孔内に均一に充填する改良体充填撹拌工程と、掘進機とその上方の鋼管を油圧ジャッキによって発進台の地上位置まで持ち上げてフランジ連結した鋼管を分離して掘進機を地上に回収する回収工程と、掘進機を上方に回収中に撹拌された改良体が固化して所定外径で支持地盤まで届いた所定深さを有して削孔壁によく付着し、支持地盤で支持されたコンクリート現場構築の基礎杭が完成する固化工程とからなる、基礎杭の現場構築工法
2) 掘進機の外殻後方口縁とその直上の覆工体としての鋼管の下端口縁とを連結するフランジ及び上下の鋼管の上下端の口縁とを連結するフランジとして、前記掘進機の前記外殻後方口縁から外殻内側に張り出した環状の内フランジを設け、及び鋼管の上下端それぞれの口縁から管内側に張り出した環状の内フランジを設け、同一鉛直方向に直列に配置された掘進機とその上方の鋼管の対向する口縁の上下に重なる内フランジ同士を前記発進台でボルトナットで脱着自在に連結する構造としたものである、前記1)記載の基礎杭の現場構築工法
3) 前記発進台は現場地面に強く固定され、前記掘進機とこれに連結される前記鋼管とを構築予定の基礎杭の杭中心の位置の同一鉛直方向となるように前記掘進機と前記鋼管とを保持し、しかも前記掘進機と鋼管とは前記同一鉛直方向に上下動できるように発進台には掘進機と鋼管を保持するフレーム構造を有し、又前記油圧ジャッキ装置の構造は前記の最上段となる鋼管の管端を押圧できる押輪と前記同一鉛直方向に上下動可能に発進台に取付け、同押輪と地面上に設置される発進台のベースとの間に両引きの複数本の油圧ジャッキを設けられて、しかも複数の前記油圧ジャッキのシリンダーロッドの先端は前記押輪に取付けられ、前記油圧ジャッキのシリンダー筒体側を前記発進台のベースに取付け、更に最上段の鋼管の上縁の内フランジに固定ナットを設け、前記押輪に前記固定ナットと螺合できる吊りボルトの上部を前記押輪に係止できる構造とし、前記掘進機と鋼管とを押し下げる場合は前記押輪が最上段の鋼管の上縁に当接して下方向に両引きの前記油圧ジャッキを作動させ、掘進機と鋼管を持ち上げる場合は前記吊りボルトの下部ネジ部を最上段の鋼管の内フランジの前記固定ナットと螺合して押輪と最上段の鋼管とを連結して両引きの前記油圧ジャッキのシリンダーロッドが上方へ伸長するように作動させて、掘進機とその上方の連結された鋼管とを上方へ持ち上げられる構造のものとした、前記2)記載の基礎杭の現場構築工法
4) 前記1)~3)いずれかの基礎杭の現場構築工法において、
前記現場の地上には、前記排土管を通して排土を地上側へ吸引する真空ポンプと、同真空ポンプで地上に送られた排土を一時貯える排土貯留槽と、前記固化材を貯えた固化材ホッパーと、前記排土貯留槽内の排土と前記固化材ホッパー内の前記固化材とを所定割合で混練して前記改良体を作製する改良体製造装置と、同改良体製造装置で作製された前記改良体を前記掘進機の前記排土管内に送り込む改良体圧送装置とその配管と、現場に作製する予定の基礎杭の地上の地面に対して前記掘進機と複数本の前記鋼管とを鉛直に配置でき、しかも対向する各フランジをボルトで脱着可能に連結した推進体を鉛直に保持し且つ同推進体を地盤に向けて下方又は地上に向けて上方にも移動できるようにした発進台と、同発進台で支持された前記推進体の最上段の鋼管を下方に押下げ又は地上側に向けて上方に持ち上げることができる前記発進台に取付けられた油圧ジャッキ装置とを現場地面に配置し、
まず前記発進台に同一鉛直方向に打設予定の基礎杭の杭口と略同じ外殻口径の掘進機とその上方に外殻口径と略同じ外径を有する複数の鋼管を配置し、鉛直の掘進機とその上方の鋼管とを互にフランジで連結した後前記発進台に取付けた前記油圧ジャッキ装置を作動させて前記掘進機と複数の連結された前記鋼管に前記油圧ジャッキ装置によって最上位となる前記押輪に押下げ力を荷重しながら前記掘進機の前記回転装置を作動させることで、前記掘進機は地盤に対してその前記カッター部で鉛直方向に掘削し且つ掘削した地盤の土砂を前記隔壁の前記排土口から取り込んで前記排土管を介して地上の前記真空ポンプを介して排土を前記排土貯留槽へ一時貯え、又前記掘進機が連結された鋼管を複数本分だけ下方に掘進すると発進台の地盤中に覆工体として挿入された最上段の鋼管の上端口縁上に必要な段数の複数本分の鋼管を前記発進台に地盤に圧入された鋼管と同一鉛直線上になるように補充配置して前記鋼管をフランジで互に連結し、その後前記油圧ジャッキ装置で補充した鋼管の最上段の管端を前記押輪で同一鉛直線下方に前記油圧ジャッキ装置で押付けながら同時に前記掘進機を掘削するように作動させることを繰り返して、掘進機を地盤強度の高い所定深さまで掘削すると油圧ジャッキ装置と掘進機の作動を停止し、前記排土貯留槽の排土と固化材ホッパー内の固化材とを改良体製造装置で所定割合で混練して改良体を作製した後、その混練した改良体を前記改良体圧送装置で地上に露出した排土管の内部へ圧送させて改良体を下端の前記排土口から噴出しながら前記掘進機を作動させてそのカッター部で撹拌する状態で、発進台にある最上段の鋼管を前記油圧ジャッキ装置によって徐々に上方持ち上げるようにすることで、掘進機の排土口から改良体を切羽に向けて噴出して削孔内に充填撹拌させながらフランジ連結された掘進機と鋼管を徐々に上昇させ、地上の発進台に複数の鋼管と掘進機とが移動すると前記発進台でフランジ連結を解いて、前記鋼管と掘進機とを発進台から撤去し、掘進機と上方の鋼管を地上に回収して再使用可能とするとともに、削孔内に充填撹拌された改良体は固化されて掘進機の口径で支持層まで到達した掘削深さの長さの強度の高い支持杭と周辺地山と密状態の摩擦杭の双方の利点を有した基礎杭となり、しかも地盤にしっかりと根固めされた基礎杭を構築できる、前記1)~3)いずれか記載の基礎杭の現場構築工法
5) 前記改良体に使用する排土が、前記掘進機が掘削してその排土管で地上に送られた排土を使用することで、排土を処理場まで運送することを不要にした、前記1)~4)いずれか記載の基礎杭の現場構築工法
にある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、現場の地面に基礎杭の杭孔をトンネル推進工法で用いられている掘進機と、その上方に後続させる複数段の鋼管を地上の発進台でフランジ連結させて、発進台から鉛直に設置して油圧シリンダーで押し下げながら掘進機を作動させて、掘進機の下端のカッター部で地盤に削孔を掘削する。従って、本発明の工法では狭所施工が可能となり、地上で感知される振動・騒音が大巾に低減される。切羽の土砂の排土は掘進機の下端の隔壁の排土口から掘進機内部の排土バルブを通して排土管内に取り込まれ、鋼管内を介して地上側の排土コンテナタンク内へ搬送される。
【0009】
又、掘進機が支持強度の高い地層に到達したか否かは、カッター部にかかる回転負荷によって又は掘削深度計等の計測装置又は掘進機の長さと打ち込んだ鋼管の数でもって正確に確認でき、掘進機による支持地層に到達させることは掘進機に所要数の鋼管をフランジで追加できることで必要深さに確実にできる。本発明では、掘進機・鋼管の下方推進・上昇持ち上げ作業は油圧ジャッキを使用するので、騒音・振動の発生はない。又、高い機械装置を用いないので、狭地での作業が容易である。
【0010】
そして、掘進機を所定の深さの支持層に到達すると掘進機と鋼管を停止させた後、地上側に送り出された土砂の排土と地上側に設置した固化材ホッパーの固化材とを所定割合で混練装置で混練させる。混練されて製造された改良体はその圧送ポンプで地上に露出した排土管の内部へ圧送される。掘削で発生する排土を使用すれば地上で固化材と混練して再び削孔に戻されるので、排土量のほとんどが再利用され削減される。
【0011】
圧送された改良体は排土管内を通過して、掘進機の下端の隔壁の排土口から切羽へ吐出され、切羽空間を改良体で加圧充填できる。
【0012】
しかも、この状態で掘進機を作動させて下端のカッター部の回転刃を回動させると、このカッター部が切羽の充填された改良体を再混合撹拌でき、挿入時の注入圧とによって杭孔の孔壁の凹凸・亀裂等によく充填できる。このカッター部の回転刃の回動をさせながら地上の油圧ジャッキ装置でもってフランジで連結された鋼管及びその下方の掘進機全体をゆっくりと地上方向に持ち上げて上昇させる。これで固化した基礎杭のコンクリート強度は高く、良質であり高品質が確保され、しかも杭径・深さも正確に施工できる。
【0013】
この掘進機の上昇で、排土口からの改良体は徐々に上方位置から噴出されながらカッター部で撹拌され、杭孔内に均等に充填され、その撹拌力と改良体の注入圧によって孔壁へよく浸透させていく。この掘進機とその上方の鋼管全体を地上の発進台の油圧ジャッキ装置で持ち上げる。本工法では掘進機とその上方の鋼管の地中への推進及び発進台への持ち上げ作業には、掘進機の掘削力と油圧ジャッキ装置による推進力,持ち上げ力が使用されることで打撃音・振動音の発生がなく、これらによる公害がほとんどない。
【0014】
この工程によって、改良体は掘り出した地盤の土砂の排土とよく混合され且つ杭孔内に隈なく加圧撹拌充填された状態で固化していく。掘進機と鋼管とを地上の発進台まで持ち上げると、地上側では掘進機と上方の鋼管とのフランジ連結を解いて分離して、又は分離しないまま次の基礎杭の打設位置の発進台まで移動させる。
【0015】
改良体が削孔に充填されて固化した杭は、削孔の空間の中央の固化体と杭孔の外周の改良体が充填圧とカッター部による撹拌によってその削孔壁の亀裂・凹凸に密着して、枝状に拡がった固化した外周固化体が一体化した基礎杭となり、掘進機の外殻の直径の杭口径で、しかも周囲の地盤と強力に一体化された基礎杭が作製される。
【0016】
本発明の基礎杭の現場構築工法によれば、下記の利点(1)~(13)が発生する。
(1)使用する建設機械をすべて小型化して大型機械と同様の強度の高い構造体や高い品質が得られる施工技術である。
(2)狭路な一般道でも、機材の搬入・搬出が可能で、小型化が実現できる。
(3)騒音・振動が非常に少ない施工法である。
(4)鋼材やコンクリート二次製品の杭は不使用である。
(5)掘進機本体の重量は(外径φ1000mmで掘進機先導体は2.5t程度、φ800mmで2t程度のために、一度掘進機を縦吊りして設置する場合は移動式クレーン(10T吊)が必要となるが、その後は鋼管の吊り込みのために4Tトラック(吊トラ)程度の車両で施工が可能となるため、施工機械の省力化が可能である。
(6)上部の建築構造物の重量等への支持力確保や地盤の変化に対しても削孔径を自由に変更する(掘進機を交換する)ことが可能なため、現場の地盤変状にも臨機な対応ができる。この点は、従来型の基礎杭で問題になっている課題や懸念事項でもあり、地盤の変状や支持層までの杭長や杭断面積の対応性が高い施工法である。
(7)掘進機引き上げ時は、改良体が切羽に充填されるため、孔壁と周辺地盤の密着度が高く、周辺摩擦力が向上する杭構築技術(支持杭と摩擦杭の双方の利点を活用)である。
(8)掘削した土砂を、地表のストックタンク内に一時滞留させ、後に小型撹拌機でセメント系材料(固化材)と混合・撹拌を行って塑性流動性の高い改良体に変換し、その改良体を杭材料として地盤内に再充填させることで改良杭を構築する施工法の為、最終的な残土処理量が大幅に削減可能となる環境負荷の低減が大きい構築技術である。
(9)掘進機が地盤を削孔しながら先行掘削を行う際、追従する管体は再利用可能なフランジ締結型の鋼管を使用し、最下部の掘進機切羽に改良体を充填しながら、同時に鋼管及び掘進機を地上に加圧充填分だけ引き上げ杭を形成させることができ、掘進機や全鋼管は地上に回収でき、次の工事にも転用可能なコスト縮減工法となる。
(10)掘進時の排土システムは、縦型にした掘進機の後続胴管内に、横型で管路を構築する場合の掘進機排土バルブ(エアー+ゴムバルブ)を使用し、通常の吸引排土装置(真空力発生装置)にて排土を地表まで引き上げる。その場合、鋼管内は無人化のため供給する空気量の調整が必要となるため、給気鋼管と排土管を鋼管内に並列に設置する。
また、供給される空気量の調整のために地表に開閉可能なバルブを設ける。
(11)掘削時に発生した排土(地山土砂と切羽泥水の混合流動体)にセメント系固化材を添加する。その場合、混合撹拌装置を用いて流動性がある改良体を形成させ、圧送ポンプで掘進機排土バルブ内に逆注入し、切羽の固結を図る。その時、掘進機のカッター部は回転させ、一層の混練を図り、均一性の高い杭を構築できる。
(12)本発明の工法は、掘進機による削孔、追従する鋼管等で掘削断面、再注入断面の形状寸法が明確で、充填する改良土の品質もその都度のテストピースで品質管理が可能となる。
(13)縦方式の掘進機使用のため、切羽加圧状態で掘進を行うことで、周辺地盤への影響(地盤の緩み等)が非常に少なく、隣接する家屋等への被害や影響は最小限止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は本発明の実施例の各装置の現場での設定状態を示す平面図である。
【
図2】
図2は実施例の改良体製造装置と改良体圧送装置を示す説明図である。
【
図3】
図3は実施例の発進台の構造を示す斜視図である。
【
図6】
図6は実施例の油圧ジャッキ装置を示す正面図である。
【
図7】
図7は実施例の油圧ジャッキ装置の側面図である。
【
図8】
図8は実施例の発進台で3段の鋼管をフランジで連結した状態を示す正面図である。
【
図9】
図9は実施例の発進台で最下段の鋼管を地中に埋入させた状態を示す正面図である。
【
図10】
図10は実施例に使用される押輪を示す平面図である。
【
図11】
図11は実施例の発進台のガイドレールを示す正面図である。
【
図15】
図15は実施例の掘進機とこの上方の鋼管を発進台から持ち上げる状態を示す説明図である。
【
図16】
図16は実施例の鋼管同士を連結した内フランジの連結状態を示す説明図である。
【
図17】
図17は実施例の押輪と鋼管とを連結する構造を示す説明図である。
【
図18】
図18は実施例の基礎杭の現場構築工法の施工工程を示す説明図である。
【
図19】
図19は実施例の基礎杭の現場構築工法の施工工程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の掘進機は、トンネル工事の推進工法で使用される掘進機がそのまま使用可能である。
【実施例0019】
【0020】
(実施例の符号の説明)
図中、Gは実施例の基礎杭の現場構築工法を示す。予定の基礎杭の地面に設置される1は発進台、10は同発進台を地面に設置する接地フレーム、11は同接地フレームに固着した縦フレーム、12は複数の同縦フレームを連結する横フレーム、13は接地フレームに係留して接地フレームを地盤に固定するため地中に打設されたアンカー部材、14は接地フレームの中央部に設けた掘進機3,鋼管4の鉛直方向への地中進入のための筒状ガイド、15は同ガイドの沈下防止用ジャッキ、16は上方の横フレーム12に取付けた掘進機3,鋼管4の上下動の案内をする垂直なガイドレール、17は鋼管に推進力と持ち上げ力を伝達する円盤状押輪、171は同押輪の上下動を制動するガイドレール16と係合するガイド突起、2は発進台1に取付けられた油圧ジャッキ装置、20は同油圧ジャッキ装置を構成する複数本設けた引き専用の油圧ジャッキ、21は同油圧ジャッキのシリンダーロッド、22は油圧ジャッキのシリンダー筒体、220はシリンダーロッド21の先端を押輪17と連結するリンク部であり、シリンダー筒体22は接地フレームに連結させている。23は押輪17と最上段の鋼管とを連結する押輪側に係止された吊りボルト、24は同吊りボルトの下端に螺合する鋼管の内フランジに設けた固定ナット、3は掘進機、30は掘進機の外殻、31は同外殻の上端の口縁に設けられた内フランジ、32は同フランジに設けられた複数のボルト孔、33は掘進機3の下端の隔壁、34は同隔壁の中央外側に設けられた公転自転する回転刃を用いたカッター部、341は同カッター部の回転軸、342は隔壁33の上方の外殻30内に設けられたカッター部34の回動装置、35は隔壁中央に設けられた排土口、36は同排土口と連通した排土管、37は同排土管36の途中に設けたゴムバルブとエアを使った開閉用排土バルブ、38は地上から自然吸気を取り込む給気鋼管、39は外殻30の後縁に設けた内フランジ、391は外殻30の内フランジ31に設けたボルト孔、392は同ボルト孔と鋼管4の下端の内フランジ41のボルト孔42とを連結する連結ボルト、4は口径が外殻30の口径と同じ鋼管、41は同鋼管4の上下端の口縁に設けた内フランジ、42は同フランジに設けられたボルト孔、43は鋼管4の上下口縁の内フランジ41のボルト孔42を連結する連結ボルト、50は現場地上に配置された排土管と接続して排土管36に送られてくる排土を負圧によって吸引する真空ポンプ、51は排土管を介して地上に送られて排土を地上で貯える排土貯留槽、52は固化材を貯える固化材ホッパー、53は排土貯留槽の排土と固化材ホッパーに貯えた固化材を所定割合でスクリュー混練機で混練して作製する改良体製造装置、54は同改良体製造装置で作製された改良体を改良体注入配管540を介して掘進機の地上に配置された排土管36内に圧送する改良体圧送ポンプ、55は発進台1をクレーンアームの先端で掴んで発進台1を移動するクローラクレーン、56はエアタンク、57はエアコンプレッサー、59は油圧を送り出す油圧ユニット、60はその他の添加材を貯える添加材プラント、61は同添加材プラントの添加材を送り出す添加材ポンプである。
【0021】
(施工工程/作業手順)
以下、
図18,19の施工図に従って作業を説明する。
1:地表面の杭位置に小型ピットを掘削し、坑口金物(エントランス)であるガイド14と発進台1の接地フレーム10を設置する(
図5,18参照)。
2:エントランスの接地フレーム10の上部に縦型の発進台1を設置する(
図3~5,18参照)。
3:発進台1内部に掘進機3と上方の鋼管4とを固定する(
図5,6,7,8,9,18参照)。
4:坑外に掘削添加材プラント60(泥水プラント)、排土貯留槽51等を設置する。
5:遠隔操作盤により、縦型の発進台1内の油圧ジャッキ装置2を使用して、掘進機3のカッター部34の回転刃を回転させながら下方に掘削作業を行う(
図5~9,18参照)。
6:同時に油圧ジャッキ(引きジャッキ)20で掘進機3を地中に押込む(掘進速度は2cm/分~10cm/分程度)(
図5~9,18参照)。
7:掘進機3が地面に挿入後、掘進機3の上方に鋼管(仮に80cm~100cm程度)を接続する(
図6~9の繰り返し,
図18参照)。
8:管接続工が終了次第、再掘進を行う(
図6~9,18参照)。
9:No.1鋼管長分の掘削が終了次第、段取り替えを行って、No.2鋼管を接続する(
図6~9,18,19参照)。
10:鋼管を継ぎ足しての順次繰返し作業(
図6~9,18,19参照)
11:強固な支持地盤SRまで掘削が完了した後に、地表に設置された排土貯留槽51内に貯留された排土に、撹拌・混合をする改良体製造装置53を用いてセメント系等の固化材ホッパー52内の固化材を混練し流動化した改良体を作る(
図1,2,19参照)。
12:作製された改良体を改良体圧送ポンプ54によって掘進機3の排土管36を輸送管として再利用し、地表から掘進機切羽内まで改良体を圧送して削孔内に改良体を充填させる(
図19参照)。
13:掘進機3の油圧ジャッキ装置2の引上げ速度に応じて、改良体圧送ポンプ54によって改良体を引き戻した孔壁内に連続的に加圧充填する(
図19参照)。
14:鋼管1本毎の充填が出来次第、油圧ジャッキ装置2によって引き上げて、地表の発進台1に突出した鋼管4を1本ずつ撤去し、掘削最下端から連続した場所打杭を形成させる(
図19参照)。
15:以上の11:~13:の作業を繰り返し行って、掘進機3の後部を地表の発進台1まで引き上げる(
図19参照)。
16:掘進機3を撤去した後に、縦型の発進台1を解体撤去する。
17:最後に、地表に設置した坑口金物等を撤去すると無筋での場所打杭の基礎が1本完了する。
【0022】
このように、基礎杭を構築する現場には背の低い発進台・油圧ジャッキ装置が設置できれば工事可能であるので、狭い現場でも容易・迅速に施工できる。安全で騒音・振動が少ないので、公害の少ない工事となる。