(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169422
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】プローブ構造及びプローブカード装置
(51)【国際特許分類】
G01R 1/073 20060101AFI20221101BHJP
G01R 1/067 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
G01R1/073 E
G01R1/067 C
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021171702
(22)【出願日】2021-10-20
(31)【優先権主張番号】202110458967.4
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521290706
【氏名又は名称】迪科特測試科技(蘇州)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂
(72)【発明者】
【氏名】劉 俊良
【テーマコード(参考)】
2G011
【Fターム(参考)】
2G011AA10
2G011AA15
2G011AA16
2G011AB01
2G011AB07
2G011AE03
2G011AF07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明はプローブ構造を含むプローブカード装置を提供する。
【解決手段】複数のプローブSが、間隔を置いて積み重ねた少なくとも2つのガイドプレートP1,P2における複数の貫通孔C1,C2に挿入されている。各プローブは本体部1、接触部2、ヘッド部3及び首部4を含む。首部4は本体部1とヘッド部3との間に設けられており、最も上層のガイドプレートP1の上方から露出されている。首部4の一部は本体部1とヘッド部3に対して突出することによって凸部41が形成されている。凸部41と本体部との間には所定の角度がある。凸部41は最も上層のガイドプレートP1の上面に当接している。凸部41は厚さを有する。相隣する2つのプローブ1同士の間の距離は凸部41の厚さの2倍未満である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部の一端に設けられている接触部と、
前記本体の他端に設けられているヘッド部と、
前記本体部と前記ヘッド部との間に設けられている首部と、
を含み、
前記首部の一部は前記本体部と前記ヘッド部に対して突出することによって凸部が形成され、
前記凸部と前記本体部との間には所定の角度があるように、前記凸部は前記本体部に対して非対称に配置されていることを特徴とするプローブ構造。
【請求項2】
前記凸部の形状は長方形、正方形、三角形、円形又は楕円形であることを特徴とする請求項1に記載のプローブ構造。
【請求項3】
前記本体部、前記接触部、前記ヘッド部及び前記首部は一体に形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のプローブ構造。
【請求項4】
前記首部と前記ヘッド部との間の境界は第1の境界面積を有し、
前記首部と前記本体部との間の境界は第2の境界面積を有し、
前記第1の境界面積は前記第2の境界面積と同じであることを特徴とする請求項1に記載のプローブ構造。
【請求項5】
前記第1の境界面積は前記ヘッド部の横断面の断面面積よりも小さい又は前記ヘッド部の横断面の断面面積と同じであり、
前記第2の境界面積は前記本体部の横断面の断面面積よりも小さい又は前記本体部の横断面の断面面積と同じであることを特徴とする請求項4に記載のプローブ構造。
【請求項6】
前記ヘッド部の横断面の断面面積は前記本体部の横断面の断面面積よりも小さい又は前記本体部の横断面の断面面積と同じであることを特徴とする請求項5に記載のプローブ構造。
【請求項7】
前記首部の他部が前記本体部及び前記ヘッド部に対して凹んでいることによって凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプローブ構造。
【請求項8】
複数の第1の貫通孔を有する少なくとも1つの上ガイドプレートと、
前記少なくとも1つの上ガイドプレートの下方に設置されていると共に前記少なくとも1つの上ガイドプレートに平行しており、前記複数の第1の貫通孔にそれぞれ対応する複数の第2の貫通孔を有する少なくとも1つの下ガイドプレートと、
前記複数の第1の貫通孔及び前記複数の第2の貫通孔にそれぞれ挿入されている複数のプローブと、
を含み、
前記プローブは、
本体部と、
前記本体部の一端に設けられていると共に前記少なくとも1つの下ガイドプレートの下方から露出されている接触部と、
前記本体部の他端に設けられていると共に前記少なくとも1つの上ガイドプレートの上方から露出されているヘッド部と、
前記本体部と前記ヘッド部との間に設けられていると共に前記少なくとも1つの上ガイドプレートの上方から露出されている首部と、
を含み、
前記首部の一部は前記本体部及び前記ヘッド部に対して突出することによって凸部が形成され、
前記凸部と前記本体部との間には所定の角度があるように、前記凸部は前記本体部に対して非対称に配置され、
前記凸部は厚さを有し、
相隣する2つの前記プローブ同士の間の距離は前記凸部の厚さの2倍未満であることを特徴とするプローブカード装置。
【請求項9】
前記凸部の形状は長方形、正方形、三角形、円形又は楕円形であることを特徴とする請求項8に記載のプローブカード装置。
【請求項10】
前記本体部、前記接触部、前記ヘッド部及び前記首部は一体に形成されたものであることを特徴とする請求項8に記載のプローブカード装置。
【請求項11】
前記首部と前記ヘッド部との間の境界は第1の境界面積を有し、
前記首部と前記本体部との間の境界は第2の境界面積を有し、
前記第1の境界面積は前記第2の境界面積と同じであることを特徴とする請求項8に記載のプローブカード装置。
【請求項12】
前記第1の境界面積は前記ヘッド部の横断面の断面面積よりも小さい又は前記ヘッド部の横断面の断面面積と同じであり、
前記第2の境界面積は前記本体部の横断面の断面面積よりも小さい又は前記本体部の横断面の断面面積と同じであることを特徴とする請求項11に記載のプローブカード装置。
【請求項13】
前記ヘッド部の横断面の断面面積は前記本体部の横断面の断面面積よりも小さい又は前記本体部の横断面の断面面積と同じであることを特徴とする請求項12に記載のプローブカード装置。
【請求項14】
前記ヘッド部から前記プローブの外側へ延伸する方向において仮定の中心軸線を有し、
前記接触部から前記プローブの外側へ延伸する方向において仮定の法線を有し、
相隣する2つの前記中心軸線同士の間の距離は相隣する2つの前記法線同士の間の距離に等しいことを特徴とする請求項8に記載のプローブカード装置。
【請求項15】
前記首部の他部が前記本体部及び前記ヘッド部に対して凹んでいることによって凹部が形成されていることを特徴とする請求項8に記載のプローブカード装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブ構造及びプローブカード装置に関し、特にプローブ同士の間の距離を短縮するプローブ構造及びプローブカード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路チップ(integrated circuit chip、即ちIC chip)の電気的測定は製造過程において最も重要なことである。集積回路チップに対して測定を行う際に、測定設備は、プローブカード装置を介して被測定物(device under test)に接触して電気信号を伝送してから、受信した電気信号を分析して電気的測定を行うことによって、被測定物の製造品質が合格するか否かを判定する。
【0003】
プローブカード装置にとって、プローブ同士の間の距離は測定の効率に影響を与える。プローブ同士の間の距離が短いほど、プローブカード装置のプローブ密度が高くなる(即ち、単位面積当たりの収納可能なプローブが多くなる)ため、ピンの密度が高い電子素子に対する測定に有利になる。しかしながら、従来技術において、プローブはガイドプレートに設けられている嵌合凸部の寸法に制限されているため、プローブ同士の間の距離を更に短縮することができない。
【0004】
そのため、プローブ同士の間の距離を短縮することでプローブカード装置のプローブ密度を高めるように、如何にして構造設計の改良により上記の問題点を克服するかが当業者にとって解決しようとする重要な課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、従来技術の問題点を克服することができるプローブ構造及びプローブカード装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係るプローブ構造は本体部、接触部、ヘッド部及び首部を含む。接触部は本体部の一端に設けられ、ヘッド部は本体の他端に設けられている。首部は本体部とヘッド部との間に設けられている。首部の一部は本体部とヘッド部に対して突出することによって凸部が形成されている。凸部は本体部に対して非対称に配置されている。
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の他の態様に係るプローブカード装置は少なくとも1つの上ガイドプレート、少なくとも1つの下ガイドプレート及び複数のプローブを含む。少なくとも1つの上ガイドプレートは複数の第1の貫通孔を有する。少なくとも1つの下ガイドプレートは少なくとも1つの上ガイドプレートの下方に設置されていると共に少なくとも1つの上ガイドプレートに平行する。少なくとも1つの下ガイドプレートは複数の第2の貫通孔を有する。複数の第1の貫通孔は複数の第2の貫通孔にそれぞれ対応する。複数のプローブは複数の第1の貫通孔及び複数の第2の貫通孔にそれぞれ挿入されている。各プロープは本体部、接触部、ヘッド部及び首部をそれぞれ含む。接触部は本体部の一端に設けられていると共に少なくとも1つの下ガイドプレートの下方から露出されている。ヘッド部は本体部の他端に設けられていると共に少なくとも1つの上ガイドプレートの上方から露出されている。首部は本体部とヘッド部との間に設けられていると共に少なくとも1つの上ガイドプレートの上方から露出されている。首部の一部は本体部及びヘッド部に対して突出することによって凸部が形成されている。凸部と本体部との間には所定の角度にある。凸部は本体部に対して非対称に配置されている。凸部は厚さを有する。相隣する2つのプローブ同士の間の距離は凸部の厚さの2倍未満である。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るプローブ構造及びプローブカード装置において、「首部の一部は本体部及びヘッド部に対して突出することによって凸部が形成されている」、「凸部は本体部に対して非対称に配置されている」、「凸部は厚さを有する」、及び「相隣する2つのプローブ同士の間の距離は凸部の厚さの2倍未満である」という技術特徴によれば、「プローブ同士の間の距離を短縮することでプローブカード装置のプローブ密度を高める」ような効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施例に係るプローブ構造の実施態様の縦断面模式図である。
【
図2】本発明の第1の実施例に係るプローブ構造の他の実施態様の縦断面模式図である。
【
図3】本発明の第1の実施例に係るプローブ構造の他の実施態様の縦断面模式図である。
【
図4】本発明の第1の実施例に係るプローブ構造の他の実施態様の縦断面模式図である。
【
図5】本発明の第1の実施例に係るプローブカード装置の実施態様の縦断面模式図である。
【
図6】本発明の第1の実施例に係るプローブカード装置の他の実施態様の縦断面模式図である。
【
図7】本発明の第2の実施例に係るプローブ構造の実施態様の縦断面模式図である。
【
図8】本発明の第2の実施例に係るプローブカード装置の実施態様の縦断面模式図である。
【
図9】本発明の第2の実施例に係るプローブカード装置の他の実施態様の縦断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上述した内容は本発明に係るプローブ構造及びプローブカード装置の具体的な実施形態を理解しやすいように既に本発明の複数の特徴及び好ましい態様を上位的な概念で説明した。当業者は、本発明が開示する概念及び特定の具体的な実施例に基づいて、本発明が開示する各部品を本発明が開示する内容を実現することができる他の部品に変更したり置換したりすることができる。本発明に係るプローブ構造及びプローブカード装置の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下本発明に係るプローブ構造及びプローブカード装置に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかしながら、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明を制限するためのものではない。
【0011】
下記より、具体的な実施例で本発明に係るプローブ構造及びプローブカード装置が開示する実施形態を説明する。当業者は本明細書の開示内容により本発明に係るプローブ構造及びプローブカード装置のメリット及び効果を理解し得る。本発明に係るプローブ構造及びプローブカード装置は他の異なる実施形態により実行又は応用できる。本明細書における各細節も様々な観点又は応用に基づいて、本発明に係るプローブ構造及びプローブカード装置の精神を逸脱しない限りに、均等の変形と変更を行うことができる。また、本発明に係るプローブ構造及びプローブカード装置の図面は簡単で模式的に説明するためのものであり、実際的な寸法を示すものではない。以下の実施形態において、さらに本発明に係るプローブ構造及びプローブカード装置の技術事項を説明するが、開示された内容は本発明に係るプローブ構造及びプローブカード装置を限定するものではない。なお、本明細書において「第1」、「第2」等の用語で各種の部品を説明する可能性があるが、これらの部品はこれらの用語によって制限されるものではない。これらの用語は、主として一つの部品と別の部品を区分するためのものであることが理解されたい。また、本明細書に用いられる「又は」という用語は、実際の状況に応じて、関連する項目中の何れか一つ又は複数の組合せを含み得る。
【0012】
[第1の実施例]
図1に示すように、本発明の第1の実施例に係るプローブSのプローブ構造は本体部1、接触部2、ヘッド部3及び首部4を含む。具体的に言えば、本体部1、接触部2、ヘッド部3及び首部4はプローブSにおける異なるエリアをそれぞれ指す。接触部2は本体部1の一端に設けられている。ヘッド部3は本体部1の他端に設けられている。首部4は本体部1とヘッド部3との間に設けられている。首部4の一部は本体部1及びヘッド部3に対して突出することによって凸部41が形成されている。凸部41は本体部1に対して非対称に配置されている。ここで、「非対称に設置されている」とは、例えば凸部41は一定方向のみに突出して本体部1との間には所定の角度があるため、外観から見ると(
図1に示すように)、凸部41はプローブSの一側のみに形成されていることを指す。プローブ構造における嵌合凸部が対称に配置されているような従来技術と比べると、本発明に係るプローブSの凸部41はプローブ構造の一側のみに形成されているように非対称に設置されている(即ち凸部41と本体部1との間には所定の角度があるように凸部41は本体部1に対して非対称に配置されている)ため、プローブSの全体体積を有効に短縮することができる。
【0013】
図1乃至
図4に示すように、本発明において、凸部41の形状について特に制限されていない。更に詳しく説明すると、設計者のニーズに応じて凸部41の具体的な構造を自由に調整したり変更したりすることができる。以下、本発明の各実施例において、凸部41に関する各態様を例示するが、本発明における凸部41は例示した各態様に限定されていない。例を挙げて説明すると、凸部41の形状は長方形(
図1)、正方形(
図2)、三角形(
図3)、円形、楕円形(
図4)又は弧形などの形状であってもよい。また、本体部1、接触部2、ヘッド部3及び首部4は金属導体で一体に形成されたものである。本発明において、本体部1、接触部2、ヘッド部3及び首部4の形成方法は特に限定されていない。例を挙げて説明すると、本体部1、接触部2、ヘッド部3及び首部4は、モールド成形又はレーザー切断成形により金属導体を加工して形成されたものであってもよい。
【0014】
注意すべしことは、
図1乃至
図8に示すのは本発明に係るプローブ構造及びプローブカード装置の縦断面模式図であるため、本願明細書で説明した面積(後述の境界面積及び断面面積をも含む)は図面に示す断面部分を指す。
【0015】
図1に戻して説明する。
図1に示すように、首部4とヘッド部3との間の境界(即ち、首部4とヘッド部3との間の接触箇所)は第1の境界面積(即ち、首部4とヘッド部3とが接触する接触面積)A1を有し、首部4と本体部1との間の境界は第2の境界面積A2を有する。本実施例において、好ましくは、第1の境界面積A1は第2の境界面積A2と同じである。更に詳しく説明すると、本実施例において、第1の境界面積A1はヘッド部3の横断面の断面面積A3と同じであり、第2の境界面積A2は本体部1の横断面の断面面積A4と同じである。また、ヘッド部3の横断面の断面面積A3は本体部1の横断面の断面面積A4以下である(即ち、ヘッド部3の横断面の断面面積A3は本体部1の横断面の断面面積A4よりも小さい又は本体部1の横断面の断面面積A4と同じである)。
【0016】
図5は本発明の第1の実施例の他のプローブカード装置Mを示す。プローブカード装置Mは主として少なくとも1つの上ガイドプレートP1、少なくとも1つの下ガイドプレートP2及び複数のプローブSを含む。少なくとも1つの上ガイドプレートP1は複数の第1の貫通孔C1を有する。少なくとも1つの下ガイドプレートP2は少なくとも1つの上ガイドプレートP1の下方に設置されていると共に少なくとも1つの上ガイドプレートP1に平行する。少なくとも1つの下ガイドプレートP2は複数の第2の貫通孔C2を有する。複数の第1の貫通孔C1は複数の第2の貫通孔C2にそれぞれ対応する。プローブSの具体的な構造及び実施態様を
図1乃至
図4に示す。プローブSは本体部1、接触部2、ヘッド部3及び首部4を含む。接触部2は本体部1の一端に設けられている。ヘッド部3は本体部1の他端に設けられている。首部4は本体部1とヘッド部3との間に設けられている。首部4の一部は本体部1及びヘッド部3に対して突出することによって凸部41が形成されている。凸部41はヘッド部3に対して非対称に設置されている。
【0017】
複数のプローブSは少なくとも1つの上ガイドプレートP1における複数の第1の貫通孔C1と少なくとも1つの下ガイドプレートP2における複数の第2の貫通孔C2に挿入されている。詳しく説明すると、少なくとも1つの上ガイドプレートP1が少なくとも1つの下ガイドプレートP2の上方に設置されているため、各プローブSは上から下へ第1の貫通孔C1を通過してから第2の貫通孔C2を通過する。被測定物Tに接触するために、プローブSの接触部2は少なくとも1つの下ガイドプレートP2の下方から露出されている。ヘッド部3及び首部4は少なくとも1つの上ガイドプレートP1の上方から露出されている。本実施例において、2つの上ガイドプレートP1及び2つの下ガイドプレートP2を例とする。
図5に示すように、プローブSは2つの上ガイドプレートP1及び2つの下ガイドプレートP2を通過した場合、接触部2は最も下層の下ガイドプレートP2の下方から露出され、ヘッド部3及び首部4は最も上層の上ガイドプレートP1の上方から露出され、本体部1は上ガイドプレートP1と下ガイドプレートP2との間に位置する。
【0018】
言い換えれば、ガイドプレート(上ガイドプレートP1及び下ガイドプレートP2)に沿って被測定物Tに向かう直線方向(
図5における上から下へ)において、プローブSはヘッド部3、首部4、本体部1及び接触部2が順に形成されている。プローブSが上ガイドプレートP1の第1の貫通孔C1及び対応する下ガイドプレートP2の第2の貫通孔C2を通過した場合、接触部2は第2の貫通孔C2を通過してから被測定物Tに接触する。被測定物Tは例えばウェハーにおける集積回路チップであってもよいが、特に制限されていない。接触部2は集積回路チップにおけるパッド(図示せず)やバンプ(図示せず)に直接的に接触し、プローブSによりウェハーにおける各集積回路チップを測定することによって、各集積回路チップ信号を取得すると共に各集積回路チップ信号を測定設備に伝送する。測定設備は各集積回路チップ信号を分析して判定を行う。
【0019】
続いて、
図5を参照しながら説明する。プローブSが首部4の凸部41により最も上層の上ガイドプレートP1の上面に当接されていると共にプローブSがガイドプレート(上ガイドプレートP1及び下ガイドプレートP2)に取付けられていることによって、プローブSが第1の貫通孔C1及び第2の貫通孔C2を通過してプローブカード装置Mから脱落することを防ぐことができる。凸部41は厚さDを有する。厚さDは凸部41の一端とヘッド部3の一側の表面との間の距離である。また、ヘッド部3からプローブSの外側へ延伸する方向において仮定の中心軸線L1を有する。接触部2からプローブSの外側へ延伸する方向において仮定の法線L2を有する。相隣する2つの中心軸線L1同士の間の距離は相隣する2つの法線L2同士の間の距離に等しい。言い換えれば、複数のプローブSが間隔を置いて配列されているように複数のプローブSがガイドプレート(上ガイドプレートP1及び下ガイドプレートP2)に取付けられている。間隔を置いて相隣する2つのプローブS同士の間において距離Hを有する。距離Hとは相隣する2つの中心軸線L1同士の間の距離を指す。好ましくは、相隣する2つのプローブS同士の間の距離Hは厚さの2倍未満である。
【0020】
プローブカード装置のプローブ構造における嵌合凸部が対称に配置されているような従来技術と比べると、本発明に係るプローブSの凸部41はプローブ構造の一側のみに形成されているように非対称に設置されているため、プローブSの全体体積を有効に短縮することができる。それだけではなく、複数のプローブSが間隔を置いてガイドプレート(上ガイドプレートP1及び下ガイドプレートP2)に配列されている場合、相隣する2つのプローブS同士の間の距離Hを大幅に短縮することができるため、プローブカード装置MのプローブSの密度を高めることができる。例を挙げて説明すると、従来技術のプローブカード装置における相隣する2つのプローブ同士の間の距離は通常50μm~100μm程度であるのに対し、本発明のプローブカード装置Mにおける相隣する2つのプローブS同士の間の距離Hを45μm又は45μm以下に短縮することができる。
【0021】
図6を参照しながら説明する。
図6は本発明の第1の実施例に係るプローブカード装置の他の実施態様の縦断面模式図である。
図6に示すように、プローブカード装置Mにおける2つのプローブSの凸部41の配列方向が異なる(即ち、2つのプローブSの凸部41の向きは異なる)。言い換えれば、本発明において凸部41の配列方向に特に限定されていない。更に説明すると、2つのプローブSの凸部41がそれぞれ反対方向に突出することによって、2つのプローブS同士の間の距離Hは凸部41により制限されていないため、距離Hを更に短縮することができる。好ましくは、
図6に示す実施例において、相隣する2つのプローブS同士の間の距離Hは凸部41の厚さDよりも小さい(即ち、H<D)。これにより、相隣する2つのプローブS同士の間の距離Hを更に短縮することができるため、プローブカード装置Mのプローブ密度を更に高めることができる。
【0022】
[第2の実施例]
図7を参照しながら説明する。
図7は本発明の第2の実施例に係るプローブ構造の実施態様の縦断面模式図である。
図7及び
図1を比べると、本発明の第1の実施例に係るプローブ構造との相違点は、本発明の第2の実施例に係るプローブ構造において首部4の他部が本体部1及びヘッド部3に対して凹んでいることによって凹部42が形成されていることにある。具体的に言えば、本発明の第2の実施例に係るプローブSのプローブ構造は本体部1、接触部2、ヘッド部3及び首部4を含む。接触部2は本体部1の一端に設けられている。ヘッド部3は本体部1の他端に設けられている。首部4は本体部1とヘッド部3との間に設けられている。首部4の一部は本体部1及びヘッド部3に対して突出することによって凸部41が形成されている。首部4の他部は本体部1及びヘッド部3に対して凹んでいることによって凹部42が形成されている。凸部41はヘッド部3に対して非対称に配置されている。言い換えれば、プローブ構造における凸部41はプローブ構造の一側のみに形成され、プローブ構造における凹部42はプローブ構造における凸部41と反対側である他側に形成されている。言い換えれば、凸部41及び凹部42はプローブ構造における反対する両側にそれぞれ形成されている。凹部42の構造設計によれば、プローブSの首部4の体積を適当に小さくすることができるため、プローブSを製造するための材料コストを低減することができる。
【0023】
図7に示すように、首部4とヘッド部3との間の境界は第1の境界面積A1を有し、首部4と本体部1との間の境界は第2の境界面積A2を有する。本実施例において、好ましくは、第1の境界面積A1は第2の境界面積A2と同じである。本実施例において、好ましくは、第1の境界面積A1はヘッド部3の横断面の断面面積A3よりも小さく、第2の境界面積A2は本体部1の横断面の断面面積A4よりも小さい。また、ヘッド部3の横断面の断面面積A3は本体部1の横断面の断面面積A4以下である(即ち、ヘッド部3の横断面の断面面積A3は本体部1の横断面の断面面積A4よりも小さい又は本体部1の横断面の断面面積A4と同じである)。
【0024】
続いて、
図8を参照しながら説明する。
図8は本発明の第2の実施例の他のプローブカード装置Mを示す。本発明の第2の実施例の他のプローブカード装置Mは主として少なくとも1つの上ガイドプレートP1、少なくとも1つの下ガイドプレートP2及び複数のプローブSを含む。プローブSの具体的な構造は
図6に示した具体的な構造と同じであるため、その説明を省略する。少なくとも1つの上ガイドプレートP1は複数の第1の貫通孔C1を有する。少なくとも1つの下ガイドプレートP2は少なくとも1つの上ガイドプレートP1の下方に設置されていると共に少なくとも1つの上ガイドプレートP1に平行する。少なくとも1つの下ガイドプレートP2は複数の第2の貫通孔C2を有する。複数の第1の貫通孔C1は複数の第2の貫通孔C2にそれぞれ対応する。
【0025】
図8を参照しながら説明する。間隔を置いて配列するように複数のプローブSがガイドプレート(上ガイドプレートP1及び下ガイドプレートP2)に取り付けられ、複数のプローブSの凸部41の配列方向が同じ一方に向かうと共に複数のプローブSの凹部42の配列方向が同じ他方に向かう。これにより、プローブSが首部4の凸部41により最も上層の上ガイドプレートP1の上面に当接されていると共にプローブSがガイドプレートに取付けられていることによって、プローブSが第1の貫通孔C1及び第2の貫通孔C2を通過してプローブカード装置Mから脱落することを防ぐことができる。間隔を置いて相隣する2つのプローブS同士の間において距離Hを有する。好ましくは、相隣する2つのプローブS同士の間の距離Hは凸部41の厚さDの2倍よりも小さい(即ち、H<2D)。
【0026】
本発明において、凸部41の配列方向及び凹部42の配列方向は特に制限されていない。
図9を参照しながら説明する。
図9は本発明の第2の実施例の他のプローブカード装置Mを示す。
図9に示すように、プローブカード装置Mにおける2つのプローブSの凸部41の配列方向が異なる(即ち、2つのプローブSの凸部41の向き及び凹部42の向きは異なる)。更に説明すると、2つのプローブSの凹部42は向かい合うことによって、2つのプローブS同士の間の距離Hは凸部41により制限されていないため、距離Hを更に短縮することができる。そのため、
図9に示す実施例において、相隣する2つのプローブS同士の間の距離Hは凸部41の厚さDよりも小さい(即ち、H<D)。これにより、相隣する2つのプローブS同士の間の距離Hを更に短縮することができるため、プローブカード装置Mのプローブ密度を更に高めることができる。
【0027】
本発明に係るプローブSのプローブ構造及びプローブカード装置Mにおいて、「首部4の一部は本体部1及びヘッド部3に対して突出することによって凸部41が形成されている」、「凸部41はヘッド部3に対して非対称に配置されている」、「凸部41は厚さDを有する」、及び「相隣する2つのプローブS同士の間の距離Hは凸部41の厚さDの2倍未満である」という技術特徴によれば、「プローブ同士の間の距離を短縮することでプローブカード装置のプローブ密度を高める」ような効果を奏することができる。
【0028】
更に説明すると、複数のプローブSの凸部41の配列方向は異なるようにしてもよい。例えば、相隣する2つのプローブSの凸部41は反対する2つの方向に突出する。これにより、相隣する2つのプローブS同士の間の距離Hを更に短縮することができる。好ましくは、相隣する2つのプローブS同士の間の距離Hは凸部41の厚さDよりも小さい。
【0029】
以上に開示された内容は本発明に係るプローブ構造及びプローブカード装置の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。そのため、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0030】
1 本体部
2 接触部
3 ヘッド部
4 首部
41 凸部
42 凹部
A1 第1の境界面積
A2 第2の境界面積
A3 ヘッド部の横断面の断面面積
A4 本体部の横断面の断面面積
C1 第1の貫通孔
C2 第2の貫通孔
D 厚さ
H 距離
L1 中心軸線
L2 法線
M プローブカード装置
P1 上ガイドプレート
P2 下ガイドプレート
S プローブ