(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169437
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】水変色体、水変色体セット
(51)【国際特許分類】
B32B 5/18 20060101AFI20221101BHJP
A63H 33/22 20060101ALI20221101BHJP
B43L 1/00 20060101ALI20221101BHJP
B32B 7/023 20190101ALI20221101BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20221101BHJP
B32B 27/20 20060101ALI20221101BHJP
B32B 3/22 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
B32B5/18 101
A63H33/22 K
B43L1/00 Z
B32B7/023
B32B27/00 E
B32B27/20 A
B32B3/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022049227
(22)【出願日】2022-03-25
(31)【優先権主張番号】P 2021074917
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】303022891
【氏名又は名称】株式会社パイロットコーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】000111890
【氏名又は名称】パイロットインキ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中島 明雄
【テーマコード(参考)】
2C150
4F100
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150BB01
4F100AA20A
4F100AK01A
4F100AK25B
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4F100BA04
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4F100JN26D
4F100JN28
(57)【要約】
【課題】 水を付着させて水変色像を形成した直後にカバー部材で覆うことにより、水変色像の維持時間を延長させることができると共に、水変色像がバランス良く形成されたかどうか確認することのできる水変色体、水変色体セットを提供する。
【解決手段】 低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を着色層の上層に備えた水変色シート2と、前記多孔質層の表面に水の付着により形成される水変色像を覆い、水の乾燥を抑制して、水変色像の消失を遅延させる透明性カバー部材6とを備えてなり、前記透明性カバー部材には水変色性シートに形成する文字の手本9を設けてなる水変色体1、前記水変色体と、水変色像を形成させる水付着具を備えた水変色体セット。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を着色層の上層に備えた水変色シートと、前記多孔質層の表面に水の付着により形成される水変色像を覆い、水の乾燥を抑制して、水変色像の消失を遅延させる透明性カバー部材とを備えてなり、前記透明性カバー部材には水変色性シートに形成する文字の手本を設けてなる水変色体。
【請求項2】
低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を着色層の上層に備えた水変色シートと、前記多孔質層の表面に水の付着により形成される水変色像を覆い、水の乾燥を抑制して、水変色像の消失を遅延させる透明性カバー部材と、前記水変色性シートに形成する文字の手本を設けてなる透明性手本シートとからなる水変色体。
【請求項3】
前記透明性カバー部材の下面には水変色シート表面と透明性カバー部材を非接触状態に保持し、水変色シート表面と接する凸部を少なくとも三か所以上非直線状に配置してなる請求項1又は2記載の水変色体。
【請求項4】
前記凸部は0.4mm~12.0mmの高さを有する請求項3記載の水変色体。
【請求項5】
前記透明性カバー部材上面から視認される凸部の表面積(s)と、凸部の高さ(h)が下記式(1)を満たす請求項4記載の水変色体。
1.0≦s/h≦500 (1)
【請求項6】
前記透明性カバー部材上面の表面積に対して、透明性カバー部材上面から視認される凸部の占有面積が20%以下である請求項3乃至5のいずれか一項に記載の水変色体。
【請求項7】
前記凸部は透明性を有する請求項3乃至6のいずれか一項に記載の水変色体。
【請求項8】
前記凸部は白色を呈する請求項3乃至6のいずれか一項に記載の水変色体。
【請求項9】
前記凸部の先端が曲面形状である請求項3乃至8のいずれか一項に記載の水変色体。
【請求項10】
前記透明性カバー部材は可撓性を有し、且つ、前記凸部は100cm2あたり3個以上有する請求項3乃至9のいずれか一項に記載の水変色体。
【請求項11】
前記透明性カバー部材表面が非光沢である請求項1乃至10のいずれか一項に記載の水変色体。
【請求項12】
前記透明性手本シート表面が非光沢である請求項2乃至10のいずれか一項に記載の水変色体。
【請求項13】
前記透明性カバー部材は、下面の周縁部が水変色シート表面と密接し、周縁部内方は水変色シート表面と非接触状態に保持する空隙部を備えてなる請求項1又は2記載の水変色体。
【請求項14】
前記透明性カバー部材は、一端部を水変色シートに取り付け、他端部を自由端となして、水変色シートに開閉自在に設けてなる請求項1乃至13のいずれか一項に記載の水変色体。
【請求項15】
複数の前記水変色シートと、複数の前記透明性カバー部材とからなる請求項1乃至13のいずれか一項に記載の水変色体。
【請求項16】
複数の前記水変色シートと、複数の前記透明性カバー部材と、複数の前記透明性手本シートとからなる請求項1乃至13のいずれか一項に記載の水変色体。
【請求項17】
前記手本の光透過率が20~99%である請求項1乃至16のいずれか一項に記載の水変色体。
【請求項18】
前記多孔質層が乾燥状態の色と、水変色像の色と、手本の色がそれぞれ異なる請求項1乃至17のいずれか一項に記載の水変色体。
【請求項19】
請求項1乃至18のいずれか一項に記載の水変色体と、水変色像を形成させる水付着具を備えた水変色体セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水変色体、水変色体セットに関する。更に詳細には水変色シートと、前記水変色シートに形成した水変色像の消失を遅延させるカバー部材とを備えた水変色体、水変色体セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非吸水状態で不透明であり、吸水状態で透明化する低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を着色層上に配した水変色体が開示されており、筆記又はスタンプ具や手指等によって水を付着させて水変色像を形成した直後に、前記水変色像をカバー部材で覆うことにより、水変色像の維持時間を延長化させる水変色材セットが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記水変色材セットは水変色像の維持時間を延長でき、玩具、教習具への実用性を満足させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、この種の水変色材に形成された水変色像の維持時間を延長できると共に、水変色像がバランス良く形成されたかどうか確認することのできる水変色体、水変色体セットを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を着色層の上層に備えた水変色シートと、前記多孔質層の表面に水の付着により形成される水変色像を覆い、水の乾燥を抑制して、水変色像の消失を遅延させる透明性カバー部材とを備えてなり、前記透明性カバー部材には水変色性シートに形成する文字の手本を設けてなる水変色体、或いは、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を着色層の上層に備えた水変色シートと、前記多孔質層の表面に水の付着により形成される水変色像を覆い、水の乾燥を抑制して、水変色像の消失を遅延させる透明性カバー部材と、前記水変色性シートに形成する文字の手本を設けてなる透明性手本シートとからなる水変色体を要件とする。
更には、前記透明性カバー部材の下面には水変色シート表面と透明性カバー部材を非接触状態に保持し、水変色シート表面と接する凸部を少なくとも三か所以上非直線状に配置してなること、前記凸部は0.4mm~12.0mmの高さを有すること、前記透明性カバー部材上面から視認される凸部の表面積(s)と、凸部の高さ(h)が下記式(1)を満たすこと、
1.0≦s/h≦500 (1)
前記透明性カバー部材上面の表面積に対して、透明性カバー部材上面から視認される凸部の占有面積が20%以下であること、前記凸部は透明性を有すること、前記凸部は白色を呈すること、前記凸部の先端が曲面形状であること、前記透明性カバー部材は可撓性を有し、且つ、前記凸部は100cm2あたり3個以上有すること、前記透明性カバー部材表面が非光沢であること、前記透明性手本シート表面が非光沢であること、前記透明性カバー部材は、下面の周縁部が水変色シート表面と密接し、周縁部内方は水変色シート表面と非接触状態に保持する空隙部を備えてなること、前記透明性カバー部材は、一端部を水変色シートに取り付け、他端部を自由端となして、水変色シートに開閉自在に設けてなること、複数の前記水変色シートと、複数の前記透明性カバー部材とからなること、複数の前記水変色シートと、複数の前記透明性カバー部材と、複数の前記透明性手本シートとからなること、前記手本の光透過率が20~99%であること、前記多孔質層が乾燥状態の色と、水変色像の色と、手本の色がそれぞれ異なること等を要件とする。
更には、前記水変色体と、水変色像を形成させる水付着具を備えた水変色体セットを要件とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、筆記又はスタンプ具や手指等により、水を付着させて水変色像を形成した直後に、前記水変色像をカバー部材により覆うことにより、水変色像の維持時間を簡易に延長化させることができると共に、水変色像がバランス良く形成されたかどうか確認することのできる玩具、教習具としての商品性と実用性を満足させる水変色体、水変色体セットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施例の水変色体を示す上面図である。
【
図3】本発明の他の実施例の水変色体を示す上面図である。
【
図5】本発明の他の実施例の水変色体を示す側面図である。
【
図6】本発明の他の実施例の水変色体を示す側面図である。
【
図7】本発明の一実施例の水変色体セットの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
前記水変色シートは、着色層の上層に低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を設けてなる。
着色層は、支持体自体が着色層を兼ねてもよいが、支持体表面に着色層(任意形状の像を含む)を設けることが好ましい。
前記支持体は、紙、合成紙、織物、編物、組物、不織布等の布帛、天然又は合成皮革、プラスチック、ガラス、陶磁器、金属、木材、石材等が用いられる。また、形状としては平面状のものが好ましいが、凹凸状の形態であってもよい。
前記支持体表面に設けられる着色層は、着色剤を含むバインダー樹脂により形成されてなる。
前記着色剤としては、一般染料、一般顔料、蛍光染料、蛍光顔料、金属光沢顔料等が挙げられる。
前記着色剤はバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に含有されたインキや塗料を支持体に塗布した後、揮発分を乾燥させて着色層を形成する。
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン-ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル-ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
前記着色層は、プロセス印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、インクジェット印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等により支持体上に形成される。
また、予め別の基材上に着色剤とバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に含有されたインキや塗料を塗布して転写層を設け、前記転写層を支持体上に転写して着色層を設けることもできる。
更に、前記支持体が透明性を有する場合は、支持体の裏面(多孔質層を設けていない面)に着色層を設けることもできる。
【0009】
前記着色層上に低屈折率顔料をバインダー樹脂により分散状態に固着した多孔質層を積層して水変色シートを得ることができる。
前記多孔質層は、低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた層であり、乾燥状態と吸液状態で透明性が異なる層である。
前記低屈折率顔料としては、珪酸及びその塩、バライト粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム等が挙げられ、これらは屈折率が1.4~1.8の範囲にあり、水を吸液すると良好な透明性を示すものである。
なお、前記珪酸の塩としては、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカリウム等が挙げられる。
なお、好適に用いられる低屈折率顔料としては珪酸が挙げられる。
また、前記低屈折率顔料は二種以上を併用することもできる。
前記低屈折率顔料の粒子径は特に限定されるものではないが、0.03~10.0μmのものが好適に用いられる。
前記珪酸は、乾式法により製造させる珪酸であってもよいが、湿式法により製造される珪酸(以下、湿式法珪酸と称する)が特に効果的であり、この点を説明すると、珪酸は非晶質の無定形珪酸として製造され、その製造方法により、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素の熱分解等の気相反応を用いる乾式法によるもの(以下、乾式法珪酸と称する)と、ケイ酸ナトリウム等の酸による分解等の液相反応を用いる湿式法によるものとに大別され、乾式法珪酸と湿式法珪酸とでは構造が異なり、前記乾式法珪酸は珪酸が密に結合した三次元構造を形成するのに対して、湿式法珪酸は、珪酸が縮合して長い分子配列を形成した、所謂、二次元構造部分を有している。
従って、前記乾式法珪酸と比較して分子構造が粗になるため、湿式法珪酸を多孔質層に適用した場合、乾式法珪酸を用いる系と比較して乾燥状態における光の乱反射性に優れ、常態での隠蔽性が大きくなるものと推察される。
また、前記多孔質層は、水を吸液させるものであるから、湿式法珪酸は乾式法珪酸に比べて粒子表面にシラノール基として存在する水酸基が多く、親水性の度合いが大であり、好適に用いられる。
なお、前記多孔質層の常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を調整するために、湿式法珪酸と共に、他の低屈折率顔料を併用することもできる。
【0010】
前記多孔質層中の低屈折率顔料は、粒子径、比表面積、吸油量等の性状に左右されるが、常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を共に満足するためには、塗布量が1~50g/m2であることが好ましく、より好ましくは、5~50g/m2である。1g/m2未満では、常態で十分な隠蔽性を得ることが困難であり、また、50g/m2を越えると吸液時に十分な透明性を得ることが困難である。
前記低屈折率顔料はバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散され、支持体上に塗布した後、揮発分を乾燥させて多孔質層を形成する。
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン-ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル-ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
前記低屈折率顔料とバインダー樹脂の混合比率は、低屈折率顔料の種類及び性状に左右されるが、好ましくは、低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分0.5~2質量部であり、より好ましくは、0.8~1.5質量部である。低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分が0.5質量部未満の場合には、前記多孔質層の実用的な皮膜強度を得ることが困難であり、2質量部を越える場合には、前記多孔質層内部への水の浸透性が損なわれ易くなる。
前記多孔質層は、一般的な塗膜と比較して着色剤に対するバインダー樹脂の混合比率が小さいため、十分な皮膜強度が得られ難い。そこで、耐擦過強度を高めるために、前記のバインダー樹脂のうち、ナイロン樹脂又はウレタン系樹脂を用いると効果的である。
前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂等があり、二種以上を併用することもできる。また、前記樹脂が水に乳化分散したウレタン系エマルジョン樹脂や、イオン性を有するウレタン樹脂(ウレタンアイオノマー)自体のイオン基により乳化剤を必要とすることなく自己乳化して、水中に溶解乃至分散したコロイド分散型(アイオノマー型)ウレタン樹脂を用いることもできる。
なお、前記ウレタン系樹脂は水性ウレタン系樹脂又は油性ウレタン系樹脂のいずれを用いることもできるが、水性ウレタン系樹脂、殊に、ウレタン系エマルジョン樹脂やコロイド分散型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。
前記ウレタン系樹脂は単独で用いることもできるが、皮膜に必要とされる性能に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂を併用する場合、実用的な皮膜強度を得るためには、前記多孔質層のバインダー樹脂中にウレタン系樹脂を固形分質量比率で30%以上含有させることが好ましい。
前記バインダー樹脂において、架橋性のものは任意の架橋剤を添加して架橋させることにより、さらに皮膜強度を向上させることができる。
前記バインダー樹脂には、水との親和性に大小が存在するが、これらを組み合わせることにより、多孔質層中への浸透時間、浸透度合い、浸透後の乾燥の遅速を調整することができる。更には、適宜分散剤や界面活性剤を添加して前記調整をコントロールすることができる。
【0011】
前記多孔質層は、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等により着色層上に形成できる。
【0012】
また、多孔質層中には、着色剤を添加して乾燥状態における多孔質層を着色することもできる。
前記着色剤としては、一般染料、一般顔料、蛍光染料、蛍光顔料、金属光沢顔料、可逆熱変色性組成物、可逆熱変色性組成物を内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料、光変色性組成物、光変色性組成物を内包した光変色性マイクロカプセル顔料が挙げられ、蛍光染料、蛍光顔料等の蛍光性着色剤を用いると色変化の明瞭性に優れ、可逆熱変色性組成物、可逆熱変色性組成物を内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料等の熱変色性着色剤、光変色性着色剤、光変色性組成物、光変色性組成物を内包した光変色性マイクロカプセル顔料等の光変色性着色剤を用いると多彩な変化性を付与することができる。
前記可逆熱変色性組成物としては、電子供与性呈色性有機化合物と電子受容性化合物と呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体の三成分を含む可逆熱変色性組成物が好適に用いられる。
前記光変色性組成物としては、スピロオキサジン系化合物、スピロピラン系化合物、ジアリールエテン系化合物等のフォトクロミック化合物が好適に用いられる。
【0013】
前記水変色シートの多孔質層の表面には、多孔質層の表面に水の付着により形成される水変色像を覆い、水の乾燥を抑制して、水変色像の消失を遅延させる透明性カバー部材を備えてなる。
前記透明性カバー部材を形成する透明性基材は、水変色像を透視できる程度の透明性を有していればよく、プラスチックシート材やプラスチック成形体、ガラスにより形成される。
なお、着色透明の透明性基材を用いることもできる。
透明性カバー部材(透明性基材)の下面には水変色シート表面と透明性カバー部材を非接触状態に保持し、水変色シート表面と接する凸部を少なくとも三か所以上非直線状に配置することができる。
前記凸部は、多孔質層と透明性カバー部材の間に空間を形成すると共に、透明性カバー部材が多孔質像と接触して像を形成していない箇所に像中の水が拡散することにより、水変色像の輪郭がぼやけて不明瞭になることを防止するものである。
凸部は少なくとも三か所以上非直線状に配置することにより透明性カバー部材と多孔質層の接触を防止できる。
また、凸部は0.4mm~12.0mmの高さ、好ましくは0.5mm~10.0mmの高さを有することにより、多孔質層と透明性カバー部材の間の空間が水の乾燥を抑制して、水変色像の消失を遅延させる機能を良好なものとすることができる。
前記凸部の高さが、0.4mm未満では水変色シートに形成した水変色像が透明性カバー部材と接触し易くなり、水変色像の著しい滲みや像の形状変形が発生し易くなる。また凸部の高さが12.0mmを超える場合は水の乾燥を抑制する効果を発現し難く、水変色像の維持時間を延長し難くなる。
なお、0.4mmから12.0mmまで高さを変えていくと、0.4mmが最も水変色像の維持時間を延長できることから、凸部の高さを設定することにより、水変色像を維持する時間を調整することができる。
更に、前記透明性カバー部材上面から視認される凸部の表面積(s)と、凸部の高さ(h)が下記式(1)を満たすことにより、透明性カバー部材を通して視認される水変色像が凸部によって視認を妨げることなく、且つ、水変色像の消失を遅延させる機能を満たすことができる。
1.0≦s/h≦500 (1)
s/hが1.0未満では凸部の形状が鋭角になり、多孔質層を損傷し易く、また、取り扱いに注意が必要となる。また、s/hが500を超えると前記透明性カバー部材上面から視認される凸部の表面積が大きくなり、水変色像の視認を妨げ易くなる。
なお、式(1)のs/hは好ましくは1.0以上、400以下である。
更に、前記カバー部材上面の表面積に対して、カバー部材上面から視認される凸部の占有面積は20%以下、好ましくは10.0%以下であることにより、水変色像が凸部によって視認を妨げることを防止できる。
なお、凸部は透明性を有することが好ましく、多孔質層が白色の場合は白色を呈することが好ましく、水変色像が凸部によって視認を妨げることを防止できる。
前記凸部の先端が曲面形状であることにより、多孔質層を損傷し難く、多孔質層が剥離することを防止できると共に、幼児でも取り扱いが容易となる。
更に、前記透明性カバー部材が可撓性を有することにより、透明性カバー部材の被覆と剥離を容易なものとすることとができると共に、凸部を100cm2あたり三個以上、好ましくは四個以上備えることにより、使用時に水変色像との接触を好適に回避することができる。
更に、透明性カバー部体は、一端部を水変色シートに取り付け、他端部を自由端となして、水変色シートに開閉自在に設けることにより、水変色像の形成後、速やかに簡便にカバーできる利便性を向上させることができる。
更に、複数の水変色シートと、複数の透明性カバー部材とからなる水変色体とすることにより、水変色像が乾燥する前に別の水変色性シートに水変色像を形成することができるため、迅速に所望の像を形成することができる。
前記複数の水変色シートと、複数の透明性カバー部材は、同数であってもよいが、透明性カバー部材が少ない構成であってもよい。
更に、複数の水変色シートと、単一の透明性カバー部材とからなる水変色体であっても同様の効果を奏することができる。
更に、後述する複数の水変色シートと、複数の透明性カバー部材と、複数の透明性手本シートからなる水変色体とすることにより、水変色像が乾燥する前に別の水変色性シートに水変色像を形成することができるため、迅速に所望の像を形成することができる。
前記複数の水変色シートと、複数の透明性カバー部材と、複数の透明性手本シートは、同数であってもよいが、透明性カバー部材及び透明性手本シートが水変色シートよりも少ない構成であってもよい。
更に、複数の水変色シートと、単一の透明性カバー部材及び単一の透明性手本シートとからなる水変色体であっても同様の効果を奏することができる。
【0014】
また、前記透明性カバー部材として、カバー部材下面の周縁部が水変色シート表面と密接し、周縁部内方は水変色シート表面と非接触状態に保持する空隙部を備えることにより、多孔質層の表面に水の付着により形成される水変色像を覆い、水の乾燥を抑制して、水変色像の消失を遅延させることもできる。
前記空隙部の高さは0.4mm~12.0mm、好ましくは0.5mm~10.0mmの高さを有することにより、多孔質層と透明性カバー部材の間の空間が水の乾燥を抑制して、水変色像の消失を遅延させる機能を良好なものとすることができる。
前記高さが、0.4mm未満では水変色シートに形成した水変色像が透明性カバー部材と接触し易くなり、水変色像の著しい滲みや像の形状変形が発生し易くなる。高さが12.0mmを超える場合は水の乾燥を抑制する効果を発現し難く、水変色像の維持時間を延長し難くなる。
【0015】
前記透明性カバー部材には水変色性シートに形成する文字等の手本を設ける、或いは、前記透明性カバー部材上に、水変色性シートに形成する文字等の手本を印刷等の手段により設けた透明性手本シートを備えることにより、水変色像が手本通りに形成されたか視認することができ、水変色像のバランスを良く形成されたかどうか確認することができる。
前記手本の大きさ、形状、色、線幅、線種は特に限定されるものではなく、輪郭像であってもよいし、複数のドットにより形成される像であってもよい。
また、手本を設ける透明性手本シートは、プラスチックシート材やプラスチック成形体、ガラスにより形成され、手本を印刷等の手段により設けることができる。
前記手本とは、平仮名、片仮名、漢字の他、英数字、各種記号であってもよい。
前記透明性カバー部材表面又は透明性手本シート表面が微細な凹凸を有して非光沢であることにより、表面で光が反射して水変色像の視認性を妨げることを防止することができる。
また、拭き消し可能なインキを収容したホワイトボード用マーカー等の筆記具、水により消色するインキを収容した筆記具等の消去性筆記具を用いて、透明性カバー部材表面又は透明性手本シート表面に筆記して水変色像をなぞり書きしたり、別の文字や採点を記載することもできる。
前記手本は、光透過率が20~99%であることにより、透明性手本シートに形成した手本を介して水発色シートに形成した文字を視認することができ、透明性手本シートに形成した手本と水発色シートに記載した文字との違いを明瞭に視認することができる。また、前記光透過率は好ましくは30~99%、より好ましくは40~99%である。
前記光透過率は、波長が400~800nmの領域での平均透過率を指す。
更に、前記多孔質層が乾燥状態の色と、水変色像の色と、手本の色がそれぞれ異なることが好ましく、透明性手本シートに形成した手本と水発色シートに記載した文字との違いをいっそう明瞭に視認することができる。
【0016】
前記水変色シートに水を付着させる手段としては、手や指を水で濡らして接触させる他、水付着具を適用することもできる。
前記水付着具としては、水鉄砲、噴霧機、先端部に筆穂や繊維ペン体等を有する筆記又は塗布具、容器内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出する繊維体や刷毛を設けた筆記又は塗布具、スタンプ具等が挙げられる。
前記水付着具として、連続気孔を有するプラスチック多孔体又は繊維加工体をペン先部材として適用した筆記具又は塗布具は、筆記像を簡便に形成でき、実用性を高めることができる。
なお、前記水付着具と、水変色体とを組み合わせて水変色体セットを構成することもでき、教習具セット、描画玩具セットとして用いることができる。
前記水付着具としては、筆記体、スタンプ具が挙げられ、前記筆記体は、毛筆、連続気孔プラスチック体、フェルト、繊維の樹脂加工乃至融着加工体、プラスチックの内部軸線方向に毛細間隙を設けたもの、等の部材を単体として使用することができるが、前記部材をペン先として軸胴に装着し、軸胴内に収容した水を導出可能に構成した筆記具形態のものが実用的である。
スタンプ具は、プラスチック多孔体、印面を粗面に形成して水濡れ性を付与したプラスチック成形体等を印材としたもの、或いは、前記部材を車輪状回転体外周部等に取り付けた回転スタンプ形態のものであってもよい。
【実施例0017】
以下に実施例を示すが、本発明は実施例に限定されない。なお、実施例中の部は質量部を示す。
実施例1(
図1、2参照)
水変色体の作製
白色合成紙からなる支持体3上に、青色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50重量%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌したスクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版によるスクリーン印刷を行って、着色層4を形成した。次いで、前記着色層上に、湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE-200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP-10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30重量%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色スクリーン印刷用インキを用いて全面ベタ印刷を施して多孔質層5を形成し、220mm×320mmの大きさからなる水変色シート2を得た。
次いで、透明性基材7として厚さ1.0mm、200mm×300mmの大きさの透明性硬質ABS樹脂からなる板状成型物の下面に直径10mm、高さ1.0mmの先端が曲面の円錐形状の透明ABS樹脂からなる凸部8を二等辺三角形の頂点に相当する位置に3箇所設け、板状成型物の上面に透明性を有する赤色の印刷インキを用いて文字(漢字の山)の手本9を設けて透明性カバー部材6を得た。
前記透明カバー部材に設けた手本9の光透過率は80%であった。
前記透明性カバー部材の上面から視認される凸部の表面積(s)は78.5mm
2であり、凸部の高さ(h)は1.0mmであり、凸部の表面積(s)/凸部の高さ(h)は78.5であった。
また、前記透明性カバー部材上面の表面積は600cm
2であり、透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積は2.36cm
2であり、透明性カバー部材上面の表面積に対する透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積比率は0.39%であった。
前記水変色シート2と前記透明性カバー部材6とを備えた水変色体1を得た。
【0018】
前記水変色シートは常態では白色を呈しているが、先端部に繊維ペン体を有し、軸筒内に水を収容した筆記体で多孔質層上に筆記すると青色の水変色像(文字)を形成することができた。
前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下では、5分間像を維持していたが、水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
次いで、前記水変色シートに水を収容した筆記体で、「山」の文字を筆記して青色の水変色像を形成し、前記水変色像が形成された水変色シート上に凸部先端が水変色シート表面に接触するように前記透明性カバー部材を載置した。
前記水変色像は透明性カバー部材を介して明瞭に視認することができ、凸部によって透明性カバー部材が水変色像と接触することなく、明瞭な水変色像を維持することができた。
更に、水変色シートに形成した水変色像と、手本が重なるように透明カバー部材を載置すると、青色の水変色像と透明カバー部材の赤色の手本が重なった部分は赤色と青色の混色となった紫色として視認され、重なっていない部分はそれぞれの色が視認されるため、水変色像が手本通り正確に形成されたかどうかを容易に確認することができた。
また、前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下で30分間放置しても筆記直後の水変色像と同じ形状を維持していた。
次いで、水変色シート上から透明性カバー部材を取り除くと前記水変色像は水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では完全消色して元の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
【0019】
実施例2(
図3、4参照)
水変色体の作製
白色合成紙上にポリエステル製不織布を設けた支持体3上に、黒色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50重量%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌したスクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版によるスクリーン印刷を行って、着色層4を形成した。次いで、前記着色層上に、湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE-200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP-10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30重量%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色スクリーン印刷用インキを用いて全面ベタ印刷を施して多孔質層5を形成し、280mm×380mmの大きさからなる水変色シート2を得た。
次いで、透明性基材7として厚さ50μm、253mm×353mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製透明シートの下面に直径3mm、高さ1.2mmの先端が曲面の半球形状の白色ポリウレタン樹脂からなる凸部8を47mmの等間隔で碁盤目状に48箇所設けて透明性カバー部材6を得た。
前記透明性カバー部材の上面から視認される凸部の表面積(s)は7.07mm
2であり、凸部の高さ(h)は1.2mmであり、凸部の表面積(s)/凸部の高さ(h)は5.89であった。
また、前記透明性カバー部材上面の表面積は893.09cm
2であり、透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積は3.39cm
2であり、透明性カバー部材上面の表面積に対する透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積比率は0.38%であり、100cm
2あたりの凸部の数は、5.37個であった。
更に、透明性基材71として厚さ50μm、233mm×333mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製透明シートの下面に透明性を有する朱色の印刷インキを用いて文字(漢字の山川)の手本9を設けて透明性手本シート10を得た。
前記透明性手本シートに設けた手本9の光透過率は90%であった。
前記水変色シートと前記透明性カバー部材と透明性手本シートとを備えた水変色体を得た。
【0020】
前記水変色シートは常態では白色を呈しているが、筆穂に水を浸した毛筆で多孔質層上に筆記すると、黒色の水変色像(文字)を形成することができた。
前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下では、5分間像を維持していたが、水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
次いで、前記水変色シート上に筆穂に水を浸した毛筆で「山川」の文字を筆記して黒色の水変色像を形成し、前記水変色像が形成された水変色シート上に凸部先端が水変色シート表面に接触するように前記透明性カバー部材を載置した。
前記水変色像は透明性カバー部材を介して明瞭に視認することができ、凸部によって透明性カバー部材が水変色像と接触することなく、明瞭な水変色像を維持することができた。
また、前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下で30分間放置しても筆記直後の水変色像と同じ形状を維持していた。
更に、透明性カバー部材上から透明性手本シートを水変色像と手本とが重なるように載置すると、黒色の水変色像と透明カバー部材の朱色の手本が重なった部分は黒色として視認されるが、水変色像が手本と重なっていない部分は朱色で視認されるため、水変色像が手本通り正確に形成されたかどうかを容易に確認することができた。
次いで、水変色シート上から透明性手本シートと透明性カバー部材を取り除くと前記水変色像は水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では完全消色して全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
なお、前記透明性カバー部材と透明性手本シートは可撓性を有するため、水変色体を丸めて持ち運びすることができ、携帯性に優れていた。
【0021】
実施例3
水変色体の作製
実施例2と同様にして水変色シートを得た。
次いで、透明性基材として厚さ50μm、253mm×353mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製の透明シートの下面に直径3mm、高さ0.6mmの先端が曲面の半球形状の白色ポリウレタン樹脂からなる凸部を47mmの等間隔で碁盤目状に48箇所設けて透明性カバー部材を得た。
前記透明性カバー部材の上面から視認される凸部の表面積(s)は7.07mm2であり、凸部の高さ(h)は0.5mmであり、凸部の表面積(s)/凸部の高さ(h)は14.14であった。
また、前記透明性カバー部材上面の表面積は893.09cm2であり、透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積は3.39cm2であり、透明性カバー部材上面の表面積に対する透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積比率は0.38%であり、100cm2あたりの凸部の数は、5.37個であった。
更に、透明性基材として厚さ50μm、253mm×353mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製透明シートの下面に透明性を有する朱色の印刷インキを用いて文字(漢字の空)の手本を設けて透明性手本シートを得た。
前記透明性手本シートに設けた手本の光透過率は95%であった。
前記水変色シートと前記透明性カバー部材と透明性手本シートとを備えた水変色体を得た。
【0022】
前記水変色シートは常態では白色を呈しているが、筆穂に水を浸した毛筆で多孔質層上に筆記すると、黒色の水変色像(文字)を形成することができた。
前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下では、5分間像を維持していたが、水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
次いで、前記水変色シート上に筆穂に水を浸した毛筆で「空」の文字を筆記して黒色の水変色像を形成し、前記水変色像が形成された水変色シート上に凸部先端が水変色シート表面に接触するように前記透明性カバー部材を載置した。
前記水変色像は透明性カバー部材を介して明瞭に視認することができ、凸部によって透明性カバー部材が水変色像と接触することなく、明瞭な水変色像を維持することができた。
また、前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下で30分間放置しても筆記直後の水変色像と同じ形状を維持していた。
更に、透明性カバー部材上から透明性手本シートを水変色像と手本とが重なるように載置すると、黒色の水変色像と透明性手本シートの朱色の手本が重なった部分は黒色として視認されるが、水変色像が手本と重なっていない部分は朱色で視認されるため、水変色像が手本通り正確に形成されたかどうかを容易に確認することができた。
次いで、水変色シート上から透明性手本シートと透明性カバー部材を取り除くと前記水変色像は水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では完全消色して元の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
なお、前記透明性手本シートと透明性カバー部材は可撓性を有するため、水変色体を丸めて持ち運びすることができ、携帯性に優れていた。
【0023】
実施例4
水変色体の作製
実施例2と同様にして水変色シートを得た。
次いで、透明性基材として厚さ50μm、262mm×362mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製の透明シートの下面に直径12mm、高さ5.0mmの先端が曲面の半球形状の白色ポリウレタン樹脂からなる凸部を38mmの等間隔で碁盤目状に48箇所設けて透明性カバー部材を得た。
前記透明性カバー部材の上面から視認される凸部の表面積(s)は113.04mm2であり、凸部の高さ(h)は5.0mmであり、凸部の表面積(s)/凸部の高さ(h)は22.61であった。
また、前記透明性カバー部材上面の表面積は948.44cm2であり、透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積は54.26cm2であり、透明性カバー部材上面の表面積に対する透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積比率は5.72%であり、100cm2あたりの凸部の数は、5.06個であった。
更に、透明性基材として厚さ50μm、262mm×362mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製透明シートの上面に透明性を有する青色の印刷インキを用いて文字(平仮名のそら)の手本を設けて透明性手本シートを得た。
前記透明カバー部材に設けた手本の光透過率は70%であった。
前記水変色シートと前記透明性カバー部材と透明性手本シートとを備えた水変色体を得た。
【0024】
前記水変色シートは常態では白色を呈しているが、筆穂に水を浸した毛筆で多孔質層上に筆記すると、黒色の水変色像(文字)を形成することができた。
前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下では、5分間像を維持していたが、水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
次いで、前記水変色シート上に筆穂に水を浸した毛筆で「そら」の文字を筆記して黒色の水変色像を形成し、前記水変色像が形成された水変色シート上に凸部先端が水変色シート表面に接触するように前記透明性カバー部材を載置した。
前記水変色像は透明性カバー部材を介して明瞭に視認することができ、凸部によって透明性カバー部材が水変色像と接触することなく、明瞭な水変色像を維持することができた。
また、前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下で20分間放置しても筆記直後の水変色像と同じ形状を維持していた。
更に、透明性カバー部材上から透明性手本シートを水変色像と手本とが重なるように載置すると、黒色の水変色像と透明性手本シートの青色の手本が重なった部分は黒色として視認されるが、水変色像が手本と重なっていない部分は青色で視認されるため、水変色像が手本通り正確に形成されたかどうかを容易に確認することができた。
次いで、水変色シート上から透明性手本シートと透明性カバー部材を取り除くと前記水変色像は水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では完全消色して元の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
なお、前記透明性手本シートと透明性カバー部材は可撓性を有するため、水変色体を丸めて持ち運びすることができ、携帯性に優れていた。
【0025】
実施例5
水変色体の作製
実施例2と同様にして水変色シートを得た。
次いで、透明性基材として厚さ50μm、265mm×365mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製の透明シートの下面に直径15mm、高さ7.0mmの先端が曲面の半球形状の白色ポリウレタン樹脂からなる凸部を35mmの等間隔で碁盤目状に48箇所設けて透明性カバー部材を得た。
前記透明性カバー部材の上面から視認される凸部の表面積(s)は176.63mm2であり、凸部の高さ(h)は7.0mmであり、凸部の表面積(s)/凸部の高さ(h)は25.23であった。
また、前記透明性カバー部材上面の表面積は967.25cm2であり、透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積は84.78cm2であり、透明性カバー部材上面の表面積に対する透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積比率は8.77%であり、100cm2あたりの凸部の数は、4.96個であった。
更に、透明性基材として厚さ50μm、265mm×365mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製透明シートの下面に透明性を有する緑色の印刷インキを用いて文字(片仮名のアイウエオ)の手本を設けて透明性手本シートを得た。
前記透明カバー部材に設けた手本の光透過率は50%であった。
前記水変色シートと前記透明性カバー部材と透明性手本シートとを備えた水変色体を得た。
【0026】
前記水変色シートは常態では白色を呈しているが、筆穂に水を浸した毛筆で多孔質層上に筆記すると、黒色の水変色像(文字)を形成することができた。
前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下では、5分間像を維持していたが、水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
次いで、前記水変色シート上に筆穂に水を浸した毛筆で「アイウエオ」の文字を筆記して黒色の水変色像を形成し、前記水変色像が形成された水変色シート上に凸部先端が水変色シート表面に接触するように前記透明性カバー部材を載置した。
前記水変色像は透明性カバー部材を介して明瞭に視認することができ、凸部によって透明性カバー部材が水変色像と接触することなく、明瞭な水変色像を維持することができた。
また、前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下で15分間放置しても筆記直後の水変色像と同じ形状を維持していた。
更に、透明性カバー部材上から透明性手本シートを水変色像と手本とが重なるように載置すると、黒色の水変色像と透明カバー部材の緑色の手本が重なった部分は黒色として視認されるが、水変色像が手本と重なっていない部分は緑色で視認されるため、水変色像が手本通り正確に形成されたかどうかを容易に確認することができた。
次いで、水変色シート上から透明性手本シートと透明性カバー部材を取り除くと前記水変色像は水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では完全消色して元の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
なお、前記透明性手本シートと透明性カバー部材は可撓性を有するため、水変色体を丸めて持ち運びすることができ、携帯性に優れていた。
【0027】
実施例6
水変色体の作製
実施例2と同様にして水変色シートを得た。
次いで、透明性基材として厚さ50μm、265mm×365mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製の透明シートの下面に直径15mm、高さ10.0mmの先端が曲面の半球形状の白色ポリウレタン樹脂からなる凸部を35mmの等間隔で碁盤目状に48箇所設けて透明性カバー部材を得た。
前記透明性カバー部材の上面から視認される凸部の表面積(s)は176.63mm2であり、凸部の高さ(h)は10.0mmであり、凸部の表面積(s)/凸部の高さ(h)は17.66であった。
また、前記透明性カバー部材上面の表面積は967.25cm2であり、透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積は84.78cm2であり、透明性カバー部材上面の表面積に対する透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積比率は8.77%であり、100cm2あたりの凸部の数は、4.96個であった。
更に、透明性基材として厚さ50μm、265mm×365mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製透明シートの下面に透明性を有する朱色の印刷インキを用いて文字(漢字の大地)の手本を設けて透明性手本シートを得た。
前記透明性手本シートに設けた手本の光透過率は90%であった。
前記水変色シートと前記透明性カバー部材と透明性手本シートを備えた水変色体を得た。
【0028】
前記水変色シートは常態では白色を呈しているが、筆穂に水を浸した毛筆で多孔質層上に筆記すると、黒色の水変色像(文字)を形成することができた。
前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下では、5分間像を維持していたが、水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
次いで、前記水変色シート上に筆穂に水を浸した毛筆で「大地」の文字を筆記して黒色の水変色像を形成し、前記水変色像が形成された水変色シート上に凸部先端が水変色シート表面に接触するように前記透明性カバー部材を載置した。
前記水変色像は透明性カバー部材を介して明瞭に視覚することができ、凸部によって透明性カバー部材が水変色像と接触することなく、明瞭な水変色像を維持することができた。
また、前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下で10分間放置しても筆記直後の水変色像と同じ形状を維持していた。
更に、透明性カバー部材上から透明性手本シートを水変色像と手本とが重なるように載置すると、黒色の水変色像と透明カバー部材の朱色の手本が重なった部分は黒色として視認されるが、水変色像が手本と重なっていない部分は朱色で視認されるため、水変色像が手本通り正確に形成されたかどうかを容易に確認することができた。
次いで、水変色シート上から透明性手本シートと透明性カバー部材を取り除くと前記水変色像は水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では完全消色して元の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができる。
なお、前記透明性手本シートと透明性カバー部材は可撓性を有するため、水変色体を丸めて持ち運びすることができ、携帯性に優れていた。
【0029】
実施例7
水変色体の作製
実施例2と同様にして水変色シートを得た。
次いで、透明性基材として厚さ50μm、265mm×365mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製の透明シートの下面に直径15mm、高さ0.5mmの先端が曲面の半球形状の白色ポリウレタン樹脂からなる凸部を35mmの等間隔で碁盤目状に48箇所設けて透明性カバー部材を得た。
前記透明性カバー部材の上面から視認される凸部の表面積(s)は176.63mm2であり、凸部の高さ(h)は0.5mmであり、凸部の表面積(s)/凸部の高さ(h)は353.33であった。
また、前記透明性カバー部材上面の表面積は967.25cm2であり、透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積は84.78cm2であり、透明性カバー部材上面の表面積に対する透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積比率は8.77%であり、100cm2あたりの凸部の数は、4.96個であった。
更に、透明性基材として厚さ50μm、265mm×365mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製透明シートの下面に透明性を有する朱色の印刷インキを用いて文字(漢字の大地)の手本を設けて透明性手本シートを得た。
前記透明性手本シートに設けた手本の光透過率は90%であった。
前記水変色シートの一端部に透明性カバー部材と透明性手本シートとを取り付け、他端部を自由端として水変色体を得た。
【0030】
前記水変色シートは常態では白色を呈しているが、筆穂に水を浸した毛筆で多孔質層上に筆記すると、黒色の水変色像(文字)を形成することができた。
前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下では、5分間像を維持していたが、水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
次いで、前記水変色シート上に筆穂に水を浸した毛筆で「大地」の文字を筆記して黒色の水変色像を形成し、前記水変色像が形成された水変色シート上に凸部先端が水変色シート表面に接触するように前記透明性カバー部材を載置した。
前記水変色像は透明性カバー部材を介して明瞭に視覚することができ、凸部によって透明性カバー部材が水変色像と接触することなく、明瞭な水変色像を維持することができた。
また、前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下で30分間放置しても筆記直後の水変色像と同じ形状を維持していた。
更に、透明性カバー部材上から透明性手本シートを水変色像と手本とが重なるように載置すると、黒色の水変色像と透明カバー部材の朱色の手本が重なった部分は黒色として視認されるが、水変色像が手本と重なっていない部分は朱色で視認されるため、水変色像が手本通り正確に形成されたかどうかを容易に確認することができた。
次いで、水変色シート上から透明性手本シートと透明性カバー部材を取り除くと前記水変色像は水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では完全消色して元の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができる。
なお、前記透明性手本シートと透明性カバー部材は可撓性を有するため、水変色体を丸めて持ち運びすることができ、携帯性に優れていた。
【0031】
実施例8
水変色体の作製
実施例2と同様にして水変色シートを得た。
次いで、透明性基材として厚さ50μm、255mm×355mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製の透明シートの下面に直径5mm、高さ10.0mmの先端が曲面の円錐形状の白色の軟質SEBS樹脂からなる凸部を45mmの等間隔で碁盤目状に48箇所設けて透明性カバー部材を得た。
前記透明性カバー部材の上面から視認される凸部の表面積(s)は19.63mm2であり、凸部の高さ(h)は10.0mmであり、凸部の表面積(s)/凸部の高さ(h)は1.96であった。
また、前記透明性カバー部材上面の表面積は905.25cm2であり、透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積は9.42cm2であり、透明性カバー部材上面の表面積に対する透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積比率は1.04%であり、100cm2あたりの凸部の数は、5.30個であった。
更に、透明性基材として厚さ50μm、265mm×365mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製透明シートの下面に透明性を有する朱色の印刷インキを用いて文字(漢字の大地)の手本を設けて透明性手本シートを得た。
前記透明性手本シートに設けた手本の光透過率は90%であった。
前記水変色シートの一端部に透明性カバー部材と透明性手本シートとを取り付け、他端部を自由端として水変色体を得た。
【0032】
前記水変色シートは常態では白色を呈しているが、筆穂に水を浸した毛筆で多孔質層上に筆記すると、黒色の水変色像(文字)を形成することができた。
前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下では、5分間像を維持していたが、水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
次いで、前記水変色シート上に筆穂に水を浸した毛筆で「大地」の文字を筆記して黒色の水変色像を形成し、前記水変色像が形成された水変色シート上に凸部先端が水変色シート表面に接触するように前記透明性カバー部材を載置した。
前記水変色像は透明性カバー部材を介して明瞭に視覚することができ、凸部によって透明性カバー部材が水変色像と接触することなく、明瞭な水変色像を維持することができた。
また、前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下で10分間放置しても筆記直後の水変色像と同じ形状を維持していた。
更に、透明性カバー部材上から透明性手本シートを水変色像と手本とが重なるように載置すると、黒色の水変色像と透明カバー部材の朱色の手本が重なった部分は黒色として視認されるが、水変色像が手本と重なっていない部分は朱色で視認されるため、水変色像が手本通り正確に形成されたかどうかを容易に確認することができた。
次いで、水変色シート上から透明性手本シートと透明性カバー部材を取り除くと前記水変色像は水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では完全消色して元の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができる。
なお、前記透明性手本シートと透明性カバー部材は可撓性を有するため、水変色体を丸めて持ち運びすることができ、携帯性に優れていた。
【0033】
実施例9
目付量が130g/m2の赤色ポリエステルサテン生地からなる支持体上に、湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE-200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP-10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30重量%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色スクリーン印刷用インキを用いて全面ベタ印刷を施して多孔質層を形成し、310mm×410mmの大きさの水変色シートを得た。
次いで、透明性基材として厚さ200μm、310mm×410mmの大きさの可撓性を有する軟質PVC製の透明シートの下面に直径10mm、高さ3.0mmの先端が曲面の半球形状の透明な軟質PVC樹脂からなる凸部を40mmの間隔で63箇所設けて透明性カバー部材を得た。
前記透明性カバー部材の上面から視認される凸部の表面積(s)は78.5mm2であり、凸部の高さ(h)は3.0mmであり、凸部の表面積(s)/凸部の高さ(h)は26.17であった。
また、前記透明性カバー部材上面の表面積は1271cm2であり、透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積は49.46cm2であり、透明性カバー部材上面の表面積に対する透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積比率は3.9%であり、100cm2あたりの凸部の数は、4.95個であった。
更に、透明性基材として厚さ100μm、300mm×400mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製透明シートの下面に透明性を有する緑色の印刷インキを用いて文字(漢字の大地)の手本を設けて透明性手本シートを得た。
前記透明カバー部材に設けた手本の光透過率は80%であった。
前記水変色シートの一端部に透明性カバー部材と透明性手本シートとを取り付け、他端部を自由端として水変色体を得た。
【0034】
前記水変色シートは常態では白色を呈しているが、筆穂に水を浸した毛筆で多孔質層上に筆記すると、赤色の水変色像(文字)を形成することができた。
前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下では、3分間像を維持していたが、水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
次いで、前記水変色シート上に筆穂に水を収容した筆記体で「大地」の文字を筆記して水変色像を形成し、前記水変色像が形成された水変色シート上に凸部先端が水変色シート表面に接触するように前記透明性カバー部材を載置した。
前記水変色像は透明性カバー部材を介して明瞭に視覚することができ、凸部によって透明性カバー部材が水変色像と接触することなく、明瞭な水変色像を維持することができた。
更に、透明性カバー部材上から透明性手本シートを水変色像と手本とが重なるように載置すると、赤色の水変色像と透明カバー部材の緑色の手本が重なった部分は赤色と緑色の混色となった黒色として視認され、重なっていない部分はそれぞれの色が視認されるため、水変色像が手本通り正確に形成されたかどうかを容易に確認することができた。
また、前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下で20分間放置しても筆記直後の水変色像と同じ形状を維持していた。
次いで、水変色シート上から透明性手本シートと透明性カバー部材を取り除くと前記水変色像は水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では完全消色して元の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができる。
なお、前記透明性手本シートと透明性カバー部材は可撓性を有するため、水変色体を丸めて持ち運びすることができ、携帯性に優れていた。
【0035】
実施例10
水変色体の作製
実施例2と同様にして水変色シートを得た。
次いで、透明性基材として厚さ50μm、253mm×353mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製の透明シートの下面に直径3mm、高さ0.4mmの先端が曲面の半球形状の白色ポリウレタン樹脂からなる凸部を47mmの等間隔で碁盤目状に48箇所設けて透明性カバー部材を得た。
前記透明性カバー部材の上面から視認される凸部の表面積(s)は7.07mm2であり、凸部の高さ(h)は0.4mmであり、凸部の表面積(s)/凸部の高さ(h)は17.68であった。
また、前記透明性カバー部材上面の表面積は893.09cm2であり、透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積は3.39cm2であり、透明性カバー部材上面の表面積に対する透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積比率は0.38%であり、100cm2あたりの凸部の数は、5.37個であった。
更に、透明性基材として厚さ50μm、260mm×360mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製透明シートの下面に透明性を有する朱色の印刷インキを用いて文字(漢字の一二三)の手本を設けて透明性手本シートを得た。
前記透明性手本シートに設けた手本の光透過率は90%であった。
前記水変色シートの一端部に透明性カバー部材と透明性手本シートとを取り付け、他端部を自由端として水変色体を得た。
【0036】
前記水変色シートは常態では白色を呈しているが、筆穂に水を浸した毛筆で多孔質層上に筆記すると、黒色の水変色像(文字)を形成することができた。
前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下では、5分間像を維持していたが、水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
次いで、前記水変色シート上に筆穂に水を浸した毛筆で「一二三」の文字を筆記して黒色の水変色像を形成し、前記水変色像が形成された水変色シート上に凸部先端が水変色シート表面に接触するように前記透明性カバー部材を載置した。
前記水変色像は透明性カバー部材を介して明瞭に視認することができた。また、水変色像は一部が透明カバー部材と接触して若干の滲みを生じるものの、実用上は問題なく、明瞭な水変色像を維持することができた。
また、前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下で30分間放置しても筆記直後の水変色像と同じ形状を維持していた。
更に、透明性カバー部材上から透明性手本シートを水変色像と手本とが重なるように載置すると、黒色の水変色像と透明カバー部材の朱色の手本が重なった部分は黒色として視認されるが、水変色像が手本と重なっていない部分は朱色で視認されるため、水変色像が手本通り正確に形成されたかどうかを容易に確認することができた。
次いで、水変色シート上から透明性手本シートと透明性カバー部材を取り除くと前記水変色像は水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では完全消色して元の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
なお、前記透明性手本シートと透明性カバー部材は可撓性を有するため、水変色体を丸めて持ち運びすることができ、携帯性に優れていた。
【0037】
実施例11
水変色体の作製
実施例2と同様にして水変色シートを得た。
次いで、透明性基材として厚さ50μm、265mm×365mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製の透明シートの下面に直径15mm、高さ12.0mmの先端が曲面の円錐形状の白色ポリウレタン樹脂からなる凸部を35mmの等間隔で碁盤目状に48箇所設けて透明性カバー部材を得た。
前記透明性カバー部材の上面から視認される凸部の表面積(s)は176.63mm2であり、凸部の高さ(h)は12.0mmであり、凸部の表面積(s)/凸部の高さ(h)は14.72であった。
また、前記透明性カバー部材上面の表面積は967.25cm2であり、透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積は84.78cm2であり、透明性カバー部材上面の表面積に対する透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積比率は8.77%であり、100cm2あたりの凸部の数は、4.96個であった。
更に、透明性基材として厚さ50μm、265mm×365mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製透明シートの下面に透明性を有するピンク色の印刷インキを用いて文字(記号の○△×)の手本を設けて透明性手本シートを得た。
前記透明性手本シートに設けた手本の光透過率は60%であった。
前記水変色シートと透明性カバー部材と透明性手本シートとを備えた水変色体を得た。
【0038】
前記水変色シートは常態では白色を呈しているが、先端部に筆穂を有し、軸筒内に水を収容した筆記体で多孔質層上に筆記すると黒色の水変色像(文字)を形成することができた。
前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下では、5分間像を維持していたが、水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
次いで、前記水変色シート上に筆穂に水を浸した毛筆で「〇△×」の文字を筆記して黒色の水変色像を形成し、前記水変色像が形成された水変色シート上に凸部先端が水変色シート表面に接触するように前記透明性カバー部材を載置した。
前記水変色像は透明性カバー部材を介して明瞭に視覚することができ、凸部によって透明性カバー部材が水変色像と接触することなく、明瞭な水変色像を25℃、65%RHの環境下で7分間像を維持していた。
更に、透明性カバー部材上から透明性手本シートを水変色像と手本とが重なるように載置すると、黒色の水変色像と透明カバー部材のピンク色の手本が重なった部分は黒色として視認されるが、水変色像が手本と重なっていない部分はピンク色で視認されるため、水変色像が手本通り正確に形成されたかどうかを容易に確認することができた。
前記水変色像は水分の蒸発にともない徐々に消失し、15分経過した段階では全面白色の水変色シートに戻った。
この現象は繰り返し何度も行うことができる。
なお、前記透明性手本シートと透明性カバー部材は可撓性を有するため、水変色体を丸めて持ち運びすることができ、携帯性に優れていた。
【0039】
実施例12(
図5参照)
水変色体の作製
白色合成紙からなる支持体3上に、青色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50重量%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌したスクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版によるスクリーン印刷を行って、着色層4を形成した。次いで、前記着色層上に、湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE-200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP-10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30重量%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色スクリーン印刷用インキを用いて全面ベタ印刷を施して多孔質層5を形成し、220mm×320mmの大きさからなる水変色シートを得た。
次いで、透明性基材7として厚さ1.0mm、200mm×300mmの大きさの下面の周縁部が水変色シート表面と密接し、周縁部内方は水変色シート表面と非接触状態に保持する高さ5mmの空隙部を有し、上面に透明性を有するピンク色の印刷インキを用いて文字(漢字の山)の手本9を設けた透明性硬質ABS樹脂からなる透明性カバー部材を得た。
前記透明カバー部材に設けた手本9の光透過率は90%であった。
前記水変色シートと前記透明性カバー部材とを備えた水変色体を得た。
【0040】
前記水変色シートは常態では白色を呈しているが、先端部に繊維ペン体を有し、軸筒内に水を収容した筆記体で多孔質層上に筆記すると青色の水変色像(文字)を形成することができた。
前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下では、5分間像を維持していたが、水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
次いで、前記水変色シートに水を収容した筆記体で「山」の文字を筆記して青色の水変色像を形成し、前記水変色像が形成された水変色シート上に透明性カバー部材を載置した。
前記水変色像は透明性カバー部材を介して明瞭な水変色像を維持することができた。
更に、水変色シートに形成した水変色像と、手本が重なるように透明カバー部材を載置すると、青色の水変色像と透明カバー部材のピンク色の手本が重なった部分は青色とピンク色の混色となった紫色として視認され、重なっていない部分はそれぞれの色が視認されるため、水変色像が手本通り正確に形成されたかどうかを容易に確認することができた。
また、前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下で30分間放置しても筆記直後の水変色像と同じ形状を維持していた。
次いで、水変色シート上から透明性カバー部材を取り除くと前記水変色像は水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では完全消色して元の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
【0041】
実施例13(
図6参照)
水変色体の作製
白色合成紙からなる支持体3上に、青色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50重量%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌したスクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版によるスクリーン印刷を行って、着色層4を形成した。次いで、前記着色層上に、湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE-200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP-10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30重量%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色スクリーン印刷用インキを用いて全面ベタ印刷を施して多孔質層5を形成し、220mm×320mmの大きさからなる水変色シートを得た。
更に、透明性基材7として厚さ1.0mm、200mm×300mmの大きさの下面の周縁部が水変色シート表面と密接し、周縁部内方は水変色シート表面と非接触状態に保持する高さ10mmの空隙部を有する透明性硬質ABS樹脂からなる透明性カバー部材を得た。
更に、透明性基材71として厚さ50μm、200mm×300mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製透明シートの下面に透明性を有する黄色の印刷インキを用いて文字(数字の12345)の手本9を設けて透明性手本シートを得た。
前記透明性手本シートに設けた手本9の光透過率は98%であった。
前記水変色シートと前記透明性カバー部材と透明性手本シートとを備えた水変色体を得た。
【0042】
前記水変色シートは常態では白色を呈しているが、先端部に繊維ペン体を有し、軸筒内に水を収容した筆記体で多孔質層上に筆記すると青色の水変色像(文字)を形成することができた。
前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下では、5分間像を維持していたが、水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
次いで、前記水変色シートに水を収容した筆記体で「12345」の文字を筆記して青色の水変色像を形成し、前記水変色像が形成された水変色シート上に透明性カバー部材を載置した。
前記水変色像は透明性カバー部材を介して明瞭な水変色像を維持することができた。
更に、透明性カバー部材上から透明性手本シートを水変色像と手本とが重なるように載置すると、青色の水変色像と透明性手本シートの黄色の手本が重なった部分は青色と黄色の混色となった緑色として視認され、重なっていない部分はそれぞれの色が視認されるため、水変色像が手本通り正確に形成されたかどうかを容易に確認することができた。
また、前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下で30分間放置しても筆記直後の水変色像と同じ形状を維持していた。
次いで、水変色シート上から透明性手本シートと透明性カバー部材を取り除くと前記水変色像は水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では完全消色して元の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
【0043】
実施例14
水変色体セットの作製(
図7参照)
実施例1の水変色体1と、水付着具11(水を収容した筆記体)とを組み合わせて水変色体セット12を得た。
前記水変色体セットは、水付着具を用いて水変色シートに水変色像を形成することができ、実施例1と同様に透明性カバー部材を載置することにより水変色像は透明性カバー部材を介して明瞭に視認することができ、凸部によって透明性カバー部材が水変色像と接触することなく、明瞭な水変色像を長時間維持することができた。
更に、透明性カバー部材には手本を設けているため、水変色像が手本通りに形成されたか視認することができ、水変色像をバランス良く正確に形成することができたか確認することができた。
また、実施例2乃至11の各水変色体と、水付着具(水を収容した筆記体)とをそれぞれ組み合わせて水変色体セットを得た。
前記水変色体セットは、水付着具を用いて水変色シートに水変色像を形成することができ、実施例2乃至11と同様に透明性カバー部材を載置することにより水変色像は透明性カバー部材を介して明瞭に視認することができ、凸部によって透明性カバー部材が水変色像と接触することなく、明瞭な水変色像を長時間維持することができた。
更に、透明性手本シートを透明性カバー部材上に載置すると、透明性カバー部材には手本を設けているため、水変色像が手本通りに形成されたか視認することができ、水変色像をバランス良く正確に形成することができたか確認することができた。
また、実施例12の水変色体と、水付着具(水を収容した筆記体)とをそれぞれ組み合わせて水変色体セットを得た。
前記水変色体セットは、水付着具を用いて水変色シートに水変色像を形成することができ、実施例12と同様に透明性カバー部材を載置することにより水変色像は透明性カバー部材を介して明瞭に視認することができ、空隙部によって透明性カバー部材が水変色像と接触することなく、明瞭な水変色像を長時間維持することができた。
更に、透明性カバー部材には手本を設けているため、水変色像が手本通りに形成されたか視認することができ、水変色像をバランス良く正確に形成することができたか確認することができた。
また、実施例13の水変色体と、水付着具(水を収容した筆記体)とをそれぞれ組み合わせて水変色体セットを得た。
前記水変色体セットは、水付着具を用いて水変色シートに水変色像を形成することができ、実施例13と同様に透明性カバー部材を載置することにより水変色像は透明性カバー部材を介して明瞭に視認することができ、空隙部によって透明性カバー部材が水変色像と接触することなく、明瞭な水変色像を長時間維持することができた。
更に、透明性手本シートを透明性カバー部材上に載置すると、透明性カバー部材には手本を設けているため、水変色像が手本通りに形成されたか視認することができ、水変色像をバランス良く正確に形成することができたか確認することができた。
【0044】
実施例15
水変色体の作製
白色合成紙からなる支持体上に、青色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50重量%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌したスクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版によるスクリーン印刷を行って、着色層を形成した。次いで、前記着色層上に、湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE-200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP-10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30重量%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色スクリーン印刷用インキを用いて全面ベタ印刷を施して多孔質層を形成し、220mm×320mmの大きさからなる水変色シートを得た。
次いで、透明性基材として厚さ1.0mm、200mm×300mmの大きさの上面が微細な凹凸を有して非光沢性を有する透明性硬質アクリロニトリル樹脂からなる板状成型物の下面に直径10mm、高さ1.0mmの先端が曲面の円錐形状の透明ABS樹脂からなる凸部を二等辺三角形の頂点に相当する位置に3箇所設け、板状成型物の上面に透明性を有する赤色の印刷インキを用いて文字(漢字の山)の手本を設けて透明性カバー部材6を得た。
前記透明カバー部材に設けた手本の光透過率は80%であった。
前記透明性カバー部材の上面から視認される凸部の表面積(s)は78.5mm2であり、凸部の高さ(h)は1.0mmであり、凸部の表面積(s)/凸部の高さ(h)は78.5であった。
また、前記透明性カバー部材上面の表面積は600cm2であり、透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積は2.36cm2であり、透明性カバー部材上面の表面積に対する透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積比率は0.39%であった。
前記水変色シートと前記透明性カバー部材とを備えた水変色体を得た。
【0045】
前記水変色シートは常態では白色を呈しているが、先端部に繊維ペン体を有し、軸筒内に水を収容した筆記体で多孔質層上に筆記すると青色の水変色像(文字)を形成することができた。
前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下では、5分間像を維持していたが、水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
次いで、前記水変色シートに水を収容した筆記体で、「山」の文字を筆記して青色の水変色像を形成し、前記水変色像が形成された水変色シート上に凸部先端が水変色シート表面に接触するように前記透明性カバー部材を載置した。
前記水変色像は透明性カバー部材表面で光が反射して視認性を妨げることなく、透明性カバー部材を介していっそう明瞭に視認することができ、凸部によって透明性カバー部材が水変色像と接触することなく、明瞭な水変色像を維持することができた。
更に、室内で透明カバー部材を載置した状態で写真撮影を行なったところ、照明器具の移り込みは無く、明瞭な水変色像を撮影することができた。
更に、水変色シートに形成した水変色像と、手本が重なるように透明カバー部材を載置すると、青色の水変色像と透明カバー部材の赤色の手本が重なった部分は赤色と青色の混色となった紫色として視認され、重なっていない部分はそれぞれの色が視認されるため、水変色像が手本通り正確に形成されたかどうかを容易に確認することができた。
また、前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下で30分間放置しても筆記直後の水変色像と同じ形状を維持していた。
次いで、水変色シート上から透明性カバー部材を取り除くと前記水変色像は水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では完全消色して元の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
更に、前記水変色体と消去性筆記具(ホワイトボード用マーカー)をセットにすることにより、前記透明性カバー部材表面にホワイトボード用マーカーを用いて筆記して水変色像の未習熟な箇所を指摘し、採点することができた。また、乾燥した布やホワイトボード用イレイザーで透明カバー部材の表面を擦ることでマーカーの筆跡を簡易に除去することができた。
【0046】
実施例16
水変色体の作製
白色合成紙からなる支持体上に、青色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50重量%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌したスクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版によるスクリーン印刷を行って、着色層を形成した。次いで、前記着色層上に、湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE-200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP-10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30重量%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色スクリーン印刷用インキを用いて全面ベタ印刷を施して多孔質層を形成し、220mm×320mmの大きさからなる水変色シート(3枚)を得た。
次いで、透明性基材として厚さ1.0mm、200mm×300mmの大きさの透明性硬質ABS樹脂からなる板状成型物の下面に直径10mm、高さ1.0mmの先端が曲面の円錐形状の透明ABS樹脂からなる凸部を二等辺三角形の頂点に相当する位置に3箇所設け、板状成型物の上面に透明性を有する赤色の印刷インキを用いて文字(漢字の山)の手本を設けて透明性カバー部材(2枚)を得た。
前記透明カバー部材に設けた手本の光透過率は80%であった。
前記透明性カバー部材の上面から視認される凸部の表面積(s)は78.5mm2であり、凸部の高さ(h)は1.0mmであり、凸部の表面積(s)/凸部の高さ(h)は78.5であった。
また、前記透明性カバー部材上面の表面積は600cm2であり、透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積は2.36cm2であり、透明性カバー部材上面の表面積に対する透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積比率は0.39%であった。
前記水変色シート(3枚)と前記透明性カバー部材(2枚)とを備えた水変色体を得た。
【0047】
前記水変色シートは常態では白色を呈しているが、先端部に繊維ペン体を有し、軸筒内に水を収容した筆記体で多孔質層上に筆記すると青色の水変色像(文字)を形成することができた。
前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下では、5分間像を維持していたが、水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
次いで、前記水変色シートに水を収容した筆記体で、「山」の文字を筆記して青色の水変色像を形成し、前記水変色像が形成された水変色シート上に凸部先端が水変色シート表面に接触するように前記透明性カバー部材を載置した。
前記水変色像は透明性カバー部材を介して明瞭に視認することができ、凸部によって透明性カバー部材が水変色像と接触することなく、明瞭な水変色像を維持することができた。
更に、水変色シートに形成した水変色像と、手本が重なるように透明カバー部材を載置すると、青色の水変色像と透明カバー部材の赤色の手本が重なった部分は赤色と青色の混色となった紫色として視認され、重なっていない部分はそれぞれの色が視認されるため、水変色像が手本通り正確に形成されたかどうかを容易に確認することができた。
また、前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下で30分間放置しても筆記直後の水変色像と同じ形状を維持していた。
次いで、水変色シート上から透明性カバー部材を取り除くと前記水変色像は水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では完全消色して元の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
また、水変色シート上から透明性カバー部材を取り除いた後、完全消色して元の水変色シートに戻る前に別の水変色シートに水変色像を形成して透明性カバー部材を載置することにより、迅速に像の形成を行うことができた。
【0048】
実施例17
水変色体の作製
白色合成紙上にポリエステル製不織布を設けた支持体上に、黒色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50重量%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌したスクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版によるスクリーン印刷を行って、着色層を形成した。次いで、前記着色層上に、湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE-200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP-10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30重量%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色スクリーン印刷用インキを用いて全面ベタ印刷を施して多孔質層を形成し、280mm×380mmの大きさからなる水変色シートを得た。
次いで、透明性基材として厚さ50μm、253mm×353mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製透明シートの下面に直径3mm、高さ1.2mmの先端が曲面の半球形状の白色ポリウレタン樹脂からなる凸部を47mmの等間隔で碁盤目状に48箇所設けて透明性カバー部材を得た。
前記透明性カバー部材の上面から視認される凸部の表面積(s)は7.07mm2であり、凸部の高さ(h)は1.2mmであり、凸部の表面積(s)/凸部の高さ(h)は5.89であった。
また、前記透明性カバー部材上面の表面積は893.09cm2であり、透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積は3.39cm2であり、透明性カバー部材上面の表面積に対する透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積比率は0.38%であり、100cm2あたりの凸部の数は、5.37個であった。
更に、透明性基材として厚さ50μm、233mm×333mmの大きさの上面が微細な凹凸を有して非光沢性を有すると共に可撓性を有するポリエステル製透明シートの下面に透明性を有する朱色の印刷インキを用いて文字(漢字の山川)の手本を設けて透明性手本シートを得た。
前記透明性手本シートに設けた手本の光透過率は90%であった。
前記水変色シートと前記透明性カバー部材と透明性手本シートとを備えた水変色体を得た。
【0049】
前記水変色シートは常態では白色を呈しているが、筆穂に水を浸した毛筆で多孔質層上に筆記すると、黒色の水変色像(文字)を形成することができた。
前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下では、5分間像を維持していたが、水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
次いで、前記水変色シート上に筆穂に水を浸した毛筆で「山川」の文字を筆記して黒色の水変色像を形成し、前記水変色像が形成された水変色シート上に凸部先端が水変色シート表面に接触するように前記透明性カバー部材を載置した。
前記水変色像は透明性カバー部材を介して明瞭に視認することができ、凸部によって透明性カバー部材が水変色像と接触することなく、明瞭な水変色像を維持することができた。
また、前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下で30分間放置しても筆記直後の水変色像と同じ形状を維持していた。
更に、透明性カバー部材上から透明性手本シートを水変色像と手本とが重なるように載置すると、前記水変色像は透明性手本シート表面で光が反射して視認性を妨げることなく、透明性手本シートを介していっそう明瞭に視認することができると共に、黒色の水変色像と透明カバー部材の朱色の手本が重なった部分は黒色として視認されるが、水変色像が手本と重なっていない部分は朱色で視認されるため、水変色像が手本通り正確に形成されたかどうかを容易に確認することができた。
更に、室内で透明性手本シートを載置した状態で写真撮影を行なったところ、照明器具の移り込みは無く、明瞭な水変色像を撮影することができた。
次いで、水変色シート上から透明性手本シートと透明性カバー部材を取り除くと前記水変色像は水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では完全消色して全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
なお、前記透明性カバー部材と透明性手本シートは可撓性を有するため、水変色体を丸めて持ち運びすることができ、携帯性に優れていた。
【0050】
実施例18
水変色体の作製
白色合成紙上にポリエステル製不織布を設けた支持体上に、黒色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50重量%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌したスクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版によるスクリーン印刷を行って、着色層を形成した。次いで、前記着色層上に、湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE-200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP-10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30重量%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色スクリーン印刷用インキを用いて全面ベタ印刷を施して多孔質層を形成し、280mm×380mmの大きさからなる水変色シート(3枚)を得た。
次いで、透明性基材として厚さ50μm、253mm×353mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製透明シートの下面に直径3mm、高さ1.2mmの先端が曲面の半球形状の白色ポリウレタン樹脂からなる凸部を47mmの等間隔で碁盤目状に48箇所設けて透明性カバー部材(2枚)を得た。
前記透明性カバー部材の上面から視認される凸部の表面積(s)は7.07mm2であり、凸部の高さ(h)は1.2mmであり、凸部の表面積(s)/凸部の高さ(h)は5.89であった。
また、前記透明性カバー部材上面の表面積は893.09cm2であり、透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積は3.39cm2であり、透明性カバー部材上面の表面積に対する透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積比率は0.38%であり、100cm2あたりの凸部の数は、5.37個であった。
更に、透明性基材として厚さ50μm、233mm×333mmの大きさの可撓性を有するポリエステル製透明シートの下面に透明性を有する朱色の印刷インキを用いて文字(漢字の山川)の手本を設けて透明性手本シート(2枚)を得た。
前記透明性手本シートに設けた手本の光透過率は90%であった。
前記水変色シート(3枚)と前記透明性カバー部材(2枚)と透明性手本シート(2枚)とを備えた水変色体を得た。
【0051】
前記水変色シートは常態では白色を呈しているが、筆穂に水を浸した毛筆で多孔質層上に筆記すると、黒色の水変色像(文字)を形成することができた。
前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下では、5分間像を維持していたが、水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
次いで、前記水変色シート上に筆穂に水を浸した毛筆で「山川」の文字を筆記して黒色の水変色像を形成し、前記水変色像が形成された水変色シート上に凸部先端が水変色シート表面に接触するように前記透明性カバー部材を載置した。
前記水変色像は透明性カバー部材を介して明瞭に視認することができ、凸部によって透明性カバー部材が水変色像と接触することなく、明瞭な水変色像を維持することができた。
また、前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下で30分間放置しても筆記直後の水変色像と同じ形状を維持していた。
更に、透明性カバー部材上から透明性手本シートを水変色像と手本とが重なるように載置すると、黒色の水変色像と透明カバー部材の朱色の手本が重なった部分は黒色として視認されるが、水変色像が手本と重なっていない部分は朱色で視認されるため、水変色像が手本通り正確に形成されたかどうかを容易に確認することができた。
次いで、水変色シート上から透明性手本シートと透明性カバー部材を取り除くと前記水変色像は水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では完全消色して全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
なお、前記透明性カバー部材と透明性手本シートは可撓性を有するため、水変色体を丸めて持ち運びすることができ、携帯性に優れていた。
また、水変色シート上から透明性カバー部材と透明性手本シートを取り除いた後、完全消色して元の水変色シートに戻る前に別の水変色シートに水変色像を形成して透明性カバー部材と透明性手本シートを載置することにより、迅速に像の形成を行うことができた。
【0052】
比較例1
水変色体の作製
実施例1と同様にして水変色性シートを得た。
次いで、透明性基材として厚さ1.0mm、200mm×300mmの大きさの透明性硬質ABS樹脂からなる板状成型物の下面に直径10mm、高さ1.0mmの先端が曲面の円錐形状の透明ABS樹脂からなる凸部を板状成型物に2箇所設けて透明性カバー部材を得た。
前記透明性カバー部材の上面から視認される凸部の表面積(s)は78.5mm2であり、凸部の高さ(h)は1.0mmであり、凸部の表面積(s)/凸部の高さ(h)は78.5であった。
また、前記透明性カバー部材上面の表面積は600cm2であり、透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積は2.36cm2であり、透明性カバー部材上面の表面積に対する透明性カバー部材の上面から視認される凸部の占有面積比率は0.39%であった。
前記水変色シートと前記透明性カバー部材とを備えた水変色体を得た。
【0053】
前記水変色シートは常態では白色を呈しているが、水を収容した筆記体で多孔質層上に筆記すると青色の水変色像を形成できた。
前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下では、5分間像を維持していたが、水分の蒸発にともない徐々に消失し、10分間経過した段階では全面白色の水変色シートに戻った。この現象は繰り返し何度も行うことができた。
次いで、前記水変色シートに水を収容した筆記体で筆記して水変色像を形成し、前記水変色像が形成された水変色シート上に凸部先端が水変色シート表面に接触するように前記透明性カバー部材を載置した。
前記水変色像は透明性カバー部材を介して視認することはできたが、透明性カバー部材と水変色像が接触する箇所が発生し、水変色像に滲みを生じた。
また、前記水変色像は、25℃、65%RHの環境下で放置すると透明カバー部材と水変色像との距離に差異が生じるため、水変色像の消色時間にも差異が生じて均一な水変色像を維持することはできなかった。