(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169445
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】局所エリア脱臭装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/20 20060101AFI20221101BHJP
A61G 12/00 20060101ALI20221101BHJP
A61L 2/02 20060101ALI20221101BHJP
A61L 9/015 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
A61L2/20 100
A61G12/00 Z
A61L2/02 100
A61L9/015
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056361
(22)【出願日】2022-03-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】P 2021074665
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】515351301
【氏名又は名称】株式会社シオガイ精機
(74)【代理人】
【識別番号】100195752
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 一正
(72)【発明者】
【氏名】塩貝 寿俊
(72)【発明者】
【氏名】野田 路男
【テーマコード(参考)】
4C058
4C180
4C341
【Fターム(参考)】
4C058AA30
4C058BB02
4C058BB07
4C058CC08
4C058EE03
4C058JJ14
4C058JJ28
4C058JJ30
4C180AA02
4C180AA07
4C180AA16
4C180BB12
4C180CA01
4C180CC04
4C180CC15
4C180DD09
4C180EA14X
4C180EA17X
4C180HH05
4C180HH14
4C180HH18
4C180JJ01
4C180KK05
4C341JJ01
4C341JL01
4C341LL06
4C341LL30
4C341MS06
(57)【要約】
【課題】局所エリアの上方から臭気を強力に吸引して脱臭することを課題とする。
【解決手段】局所エリアの空気を吸引して脱臭する局所エリア脱臭装置であって、
所定の位置に移動して保持可能な筒状のダクトと、
前記ダクトの一方の端部に設けられ、前記局所エリアの上方に開口部を位置させることが可能な先端に向かって広がった開口をもつ透明部材からなるフードと、
前記ダクトの他方の端部に連結され、前記フードから前記ダクトを介して空気を吸引して脱臭する脱臭部と、を備え、
前記脱臭部は、ファン、オゾン発生部、フィルター部、及びバッテリーを備えるとともに、キャスターを有することで、前記ダクト及び前記フードと共に移動が可能であることを特徴とする局所エリア脱臭装置とした。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
局所エリアの空気を吸引して脱臭する局所エリア脱臭装置であって、
所定の位置に移動して保持可能な筒状のダクトと、
前記ダクトの一方の端部に設けられ、前記局所エリアの上方に開口部を位置させることが可能な先端に向かって広がった開口をもつ透明部材からなるフードと、
前記ダクトの他方の端部に連結され、前記フードから前記ダクトを介して空気を吸引して脱臭する脱臭部と、を備え、
前記脱臭部は、ファン、オゾン発生部、フィルター部、及びバッテリーを備えるとともに、キャスターを有することで、前記ダクト及び前記フードと共に移動が可能であることを特徴とする局所エリア脱臭装置。
【請求項2】
前記ダクトは、前記脱臭部に連結され、少なくとも略水平方向に回動可能なL型の筒状である第1アームと、
一方側が前記第1アームの先端部に連結されるとともに、略水平方向に伸縮可能な筒状の第2アームと、
前記第2アームの他方側の先端部に略水平方向に設けた第3アーム回動軸により回動可能な筒状の第3アームと、
前記第3アームの先端部に前記フードを有したことを特徴とする請求項1に記載の局所エリア脱臭装置。
【請求項3】
前記脱臭部に対する前記第1アームの上下方向の位置を変更可能とすることで、前記ダクト及び前記フードの上下方向の位置が変更可能であることを特徴とする請求項2に記載の局所エリア脱臭装置。
【請求項4】
前記ダクトは、複数のアームと複数の回動軸を有して所定の三次元位置に保持可能であり、
前記ダクトにおける前記アームは筒菅からなり、隣り合う2本のアームのうち、一方のアームの端部に他方のアームの端部が突き合わされてアーム突合せ部を形成し、当該アーム突合せ部に前記回動軸を有して回動可能とするとともに、前記隣り合う2本のアーム間には空気漏れ防止の伸縮部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の局所エリア脱臭装置。
【請求項5】
前記フィルター部は、複数種類のフィルター部を交換可能に装着できる装着部を複数有したことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の局所エリア脱臭装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院や高齢者施設等におけるおむつ交換時の臭気等、局所エリアの臭気を脱臭する局所エリア脱臭装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高齢化社会を迎え、病院や高齢者施設におけるおむつ交換は日常作業となっており、一人あたり2分間で交換することが求められている。そして、おむつ交換時に発生する排泄物由来の臭気問題は、患者、入居者、施設職員すべてにとって解決すべき深刻な問題となっている。
【0003】
特許文献1には、おむつ交換時に、吸引フードを患者の太股の辺りに置いて、吸引した臭気がホースを介して脱臭器に導入され脱臭、殺菌される構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許文献1:特開2001-204806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、吸引フードを患者の太股の辺りに置いて臭気を吸引する構成であるため、臭気の一部が吸引フードに吸引されず上方に拡散してしまう恐れがあり、おむつ交換時における局所エリアの脱臭効果が薄いという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決して、局所エリアの臭気を強力に吸引して脱臭することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、局所エリアの空気を吸引して脱臭する局所エリア脱臭装置であって、
所定の位置に移動して保持可能な筒状のダクトと、
前記ダクトの一方の端部に設けられ、前記局所エリアの上方に開口部を位置させることが可能な先端に向かって広がった開口をもつ透明部材からなるフードと、
前記ダクトの他方の端部に連結され、前記フードから前記ダクトを介して空気を吸引して脱臭する脱臭部と、を備え、
前記脱臭部は、ファン、オゾン発生部、フィルター部、及びバッテリーを備えるとともに、キャスターを有することで、前記ダクト及び前記フードと共に移動が可能であることを特徴とする局所エリア脱臭装置を提供するものである。
【0008】
この構成により、ダクトによって局所エリアである臭気発生部の上方位置にフードの開口を保持可能で、局所エリアの上方から臭気を含む空気を周囲に拡散させることなく吸引して脱臭することができるため、高い脱臭効果が得られる。
また、フードが透明な部材で構成されているため、局所エリアを視認しながら作業をすることができ実用的である。
また、バッテリーを備えたことで電源コードを気にせずに、病院のベッド間をスムーズに移動して局所脱臭することができる。
さらに、ファンが吸引した空気とオゾンと混合させることで、菌や臭気の物質はオゾンの酸素原子と融合することにより酸化させられ破壊される。また、残った2つの酸素原子はO2=酸素となるので、最終的に除菌・脱臭が行われた後の残留物質は酸素のみとなり安全性が高い。それでも残った菌や臭気の物質はフィルター部に吸着されて脱臭される。
【0009】
局所エリア脱臭装置であって、前記ダクトは、前記脱臭部に連結され、少なくとも略水平方向に回動可能なL型の筒状である第1アームと、
一方側が前記第1アームの先端部に連結されるとともに、略水平方向に伸縮可能な筒状の第2アームと、
前記第2アームの他方側の先端部に略水平方向に設けた第3アーム回動軸により回動可能な筒状の第3アームと、
前記第3アームの先端部に前記フードを有した構成としてもよい。
【0010】
この構成により、第1アームが略水平方向に回転可能であるとともに、第2アームが略水平方向に伸縮可能であることで、看護師や介護士の力でも容易にベッド上の局所位置にフードを位置決めすることができる。
【0011】
局所エリア脱臭装置であって、前記脱臭部に対する前記第1アームの上下方向の位置を変更可能とすることで、前記ダクト及び前記フードの上下方向の位置が変更可能である構成としてもよい。
【0012】
この構成により、ベッドの高低が変わった場合でも、ベッド上を上下移動及び回動して所定の位置にフードを保持可能とすることができる。
【0013】
局所エリア脱臭装置であって、前記ダクトは、複数のアームと複数の回動軸を有して所定の三次元位置に保持可能であり、
前記ダクトにおける前記アームは筒菅からなり、隣り合う2本のアームのうち、一方のアームの端部に他方のアームの端部が突き合わされてアーム突合せ部を形成し、当該アーム突合せ部に前記回動軸を有して回動可能とするとともに、前記隣り合う2本のアーム間には空気漏れ防止の伸縮部材を備えた構成としてもよい。
【0014】
この構成により、所定の三次元位置に保持可能なダクトにより、上方から局所エリアの臭気を含む空気を周囲に拡散させることなく吸引して脱臭することができるため、高い脱臭効果が得られる。さらに、隣り合う2本のアームのうち、一方のアームに端部に他方のアームの端部が突き合わされてアーム突合せ部を形成し、当該アーム突合せ部に回動軸を有して回動可能とするとともに、隣り合う2本のアーム間には空気漏れ防止の伸縮部材を備えたことで回動部分の空気抵抗が少なく強力に吸引することができる。
【0015】
局所エリア脱臭装置であって、前記フィルター部は、複数種類のフィルター部を交換可能に装着できる装着部を複数有した構成としてもよい。
【0016】
この構成により、複数種類のフィルターを交換することで、様々な粒径の臭気の分子を吸着して脱臭することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の局所エリア脱臭装置により、局所エリアの上方から臭気を強力に吸引して脱臭することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施例1における局所エリア脱臭装置を説明する図である。
【
図2】本発明の実施例1における脱臭部を説明する図である。
【
図3】本発明の実施例1における脱臭部を詳しく説明する図である。
【
図4】本発明の実施例1における隣り合う2本のアームの回動部分を説明する図である。
【
図5】本発明の実施例2における局所エリア脱臭装置を説明する斜視図である。
【
図6】本発明の実施例2における局所エリア脱臭装置を説明する(a)上面図、(b)側面図である。
【
図7】本発明の実施例2における局所エリア脱臭装置を説明する(a)側面図、(b)背面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0019】
本発明の実施例1について、
図1~
図4を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例1における局所エリア脱臭装置を説明する図である。
図2本発明の実施例1における脱臭部を説明する図であり、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図であって、ダクト、及びフードの記載を省略している。
図3は、本発明の実施例1における脱臭部を詳しく説明する図であり、カバーを外した状態を右側面から視た図である。
図4は、本発明の実施例1における隣り合う2本のアームの回動部分を説明する図である。
【0020】
実施例1における局所エリア脱臭装置100は、3個の回動軸、すなわち第1回動軸25、第2回動軸26、及び第3回動軸27を有し、また、回動台座24を有し、所定の三次元位置に保持可能で空気を通すことが可能なダクト20を備えている。第1回動軸25、第2回動軸26、及び第3回動軸27の間には、約100φで長さが約550mmの金属製の筒菅からなる第1アーム21、第2アーム22、及び長さが約300mmの第3アームを有している。
【0021】
第1回動軸25は第1アーム21と回動台座24とを図示しない伸縮部材で連結するとともに、第1バネ部31で両者をつないでバランスをとっている。また、第2回動軸26は第2アーム22と第1アーム21とを伸縮部材28で連結するとともに、第2バネ部32で両者をつないでバランスをとっている。同様に、第3回動軸27は第3アーム23と第2アーム22とを図示しない伸縮部材で連結するとともに、第3バネ部33で両者をつないでバランスをとっている。第1回動軸25、第2回動軸26、及び第3回動軸27は、手で押圧することでそれぞれ200度程度回動させることができ、また、所定の回動角度で停止し、その位置を保持することができる。
【0022】
ダクト20における隣り合う2本のアームの回動部分について、第1アーム21と第2アーム22の回動部分を例にして詳しく説明する。
図4に示すように、一方の第1アーム21の端部に他方の第2アーム22の端部が突き合わされてアーム突合せ部29を形成している。このアーム突合せ部29に回動軸26(26a、26b)を有して回動可能としている。また、隣り合う2本のアーム間には空気漏れ防止の伸縮部材28を備えている。また、第2アーム22と第3アーム23の回動部分についても同様の構成を有している。このように、第1アーム21と第2アーム22とが直線状に組み合わされていることにより、ダクト20内の空気抵抗が少なく、また、空気漏れ防止の伸縮部材28を備えたことで吸引された空気は漏れることなくダクト20内を通って脱臭部40に導かれる。
【0023】
なお、実施例1においては、伸縮部材28を蛇腹で構成している。しかしながら、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、ゴムのような伸縮する部材で構成してもよく、空気が漏れなければ任意の伸縮部材を採用できる。
【0024】
回動台座24は、後述の脱臭部40の上部に連結され、ダクト20を手で押すことで、脱臭部40に対して水平方向に約200度回動させることができる。これにより、ダクト20は、所定の三次元位置に保持することができる。また、ダクト20を構成する第1アーム21、第2アーム22、第3アーム23は筒状であることから空気を通すことができる。第1アーム21、第2アーム22、第3アーム23、及び回動台座24の回動部分は、空気が漏れないように伸縮部材28で封止している。
【0025】
なお、実施例1においては、ダクト20が3個の回動軸を有するように構成したが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、2個の回動軸を有する構成としてもよいし、4個の回動軸を有する構成としてもよく、局所エリアにフード10を配置できれば任意の個数の回動軸を有してよい。
【0026】
ダクト20の一方の端部には、透明部材からなるフード10が連結されている。実施例1におけるフード10は、透明なアクリルで構成している。フード10は、ダクト20に連結されている端部の反対方向の端部に向かって拡開し、最端部は開口した開口部12を有している。また、フード10は、ダクト20の一方の端部に連結されているため、所定の三次元位置に保持することができる。そして、脱臭目的の局所エリアの上方に開口部12を位置させて、後述のように、局所エリアの臭気を含む空気を吸引することができる。
【0027】
例えば、介護される人のおむつ交換時における排泄物の臭気を脱臭する場合に、フード10が透明部材からなっていることで、おむつ交換場所や作業の様子を視認することができて交換作業の邪魔にならず実用的である。また、寝ている人のおむつ交換時の臭気を脱臭する場合は、おむつ交換場所の上方にフード10の開口部12を位置させることで臭気を効率よく吸引することができる。しかしながら、寝ている人以外のおむつ交換作業においては、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、座っている場合や立っている場合には、フード10の開口部12を横向きに位置させてもよい。いずれの場合でもフード10が透明部材で構成されているので、作業部位が視認でき実用的である。
【0028】
なお、実施例1においては、フード10を透明のアクリルで構成したが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、透明のガラスで構成してもよく、任意の透明部材で構成すればよい。
【0029】
ダクト20の他方の端部には、脱臭部40が連結されている。脱臭部40は、略直方体形状の箱体からなり、キャスター61(61a、61b、61c、61d)を有することで、ダクト20及びフード10とともに移動させることができる。その際、脱臭部把手46を操作することで容易に移動させることができる。また、停止時には、キャスター61(61a、61b、61c、61d)のロック機構を操作すれば、停止状態を保持でき、意図しない移動を防止できる。
【0030】
脱臭部40は、殺菌フィルター54、オゾン発生部45、フィルター部48(48a、48b、48c、48d)、第1のファン47、及びバッテリー43を備えている。脱臭部40の右側面には、扉41が取り付けられており、扉把手42を手で掴んで引くことで開けることができる。この扉41を開けることで、フィルター部48(48a、48b、48c、48d)のメンテナンスを行うことができる。また、バッテリー43を備えていることで、電源コードを気にせずに局所エリア脱臭装置100を移動させることができる。
【0031】
第1のファン47を駆動することで、フード10から局所エリアの空気を吸引してダクト20を経由して脱臭部40へと空気を導くことができる。
【0032】
脱臭部40では、吸引されてきた空気が殺菌フィルター54で殺菌される。殺菌フィルター54は、PM2.5やインフルエンザ菌が殺菌できる厚み約3mm程度のフィルターで2000mm×200mmに切断して専用ケースに入れて脱臭部40の上部(吸引された空気がまず導入されるところ)に設置されている。これにより、吸引されてきた空気の殺菌を行う。
【0033】
次に、オゾン発生器44が発生したオゾンと臭気を帯びた空気とを混合させる。これにより、菌や臭気の物質はオゾンの酸素原子と融合することにより酸化させられ、破壊される。残った2つの酸素原子はO2=酸素となるので、最終的に除菌・脱臭が行われた後の残留物質は酸素のみとなり、きわめて安全性が高い。
【0034】
オゾンと混合された空気は、さらに、フィルター部48(48a、48b、48c、48d)へと導かれる。フィルター部48は、最大5個のフィルターを挿入して設置できるように棚状の枠体を有している。実施例1においては、フィルター部48aにはHEPAフィルターが設置され、フィルター部48b、48c、48dには、それぞれ粒度の異なる活性炭フィルターが設置されている。
【0035】
なお、実施例1においては、フィルター部48aにはHEPAフィルターを設置し、フィルター部48b、48c、48dには、それぞれ粒径の異なる活性炭フィルターを設置するようにしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、フィルター部48a、48b、48c、48dに活性炭フィルターを設置しHEPAフィルターは設置しないようにしてもよく、任意のフィルターを交換自在に設置することができる。
【0036】
ダクト20の一方の端部近傍には、空気吸引用の第2のファン11を設けている。第2のファン11はフード10に近く、空気を強力に吸引することができる。
【0037】
そして、脱臭された空気は、脱臭部下部に設けた図示しない排気口から外部に排気される。
【0038】
また、脱臭部40の右側面上部には、電源スイッチ51、オゾン発生スイッチ52、バッテリー残量ランプ等が設けられている。電源スイッチ51をONにすることでバッテリー43から各所に電源が供給される。オゾン発生スイッチ52をONにすることでオゾン発生部45を駆動しオゾンを発生させることができる。また、バッテリーの残量をバッテリー残量ランプ53で把握することができる。具体的には、通常は発光しないが、バッテリー残量が少なくなると赤色が点滅する。
【0039】
また、局所エリア脱臭装置100には、バッテリー43が搭載されているので、電源コードを気にせずに自由に移動させることができる。このバッテリー43へは、局所エリア脱臭装置100の正面に備えた充電口44から充電することができる。
【0040】
なお、実施例1においては、バッテリー残量ランプ53が通常は発光せず、バッテリー残量が少なくなると赤色が点滅するようにしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、バッテリー残量が少なくなると赤色が点灯するようにしてもよいし、他の色が点灯又は点滅するようにしてもよく、任意の点灯色を選択可能である。
【0041】
このように、実施例1においては、局所エリアの空気を吸引して脱臭する局所エリア脱臭装置であって、
所定の位置に移動して保持可能な筒状のダクトと、
前記ダクトの一方の端部に設けられ、前記局所エリアの上方に開口部を位置させることが可能な先端に向かって広がった開口をもつ透明部材からなるフードと、
前記ダクトの他方の端部に連結され、前記フードから前記ダクトを介して空気を吸引して脱臭する脱臭部と、を備え、
前記脱臭部は、ファン、オゾン発生部、フィルター部、及びバッテリーを備えるとともに、キャスターを有することで、前記ダクト及び前記フードと共に移動が可能であることを特徴とする局所エリア脱臭装置により、ダクトによって局所エリアである臭気発生部の上方位置にフードを保持可能で、局所エリアの上方から臭気を含む空気を周囲に拡散させることなく吸引して脱臭することができるため、高い脱臭効果が得られる。
また、フードが透明な部材で構成されているため、局所エリアを視認しながら作業をすることができ実用的である。
また、バッテリーを備えたことで電源コードを気にせずに、病院のベッド間をスムーズに移動して局所脱臭することができる。
さらに、ファンが吸引した空気とオゾンと混合させることで、菌や臭気の物質はオゾンの酸素原子と融合することにより酸化させられ破壊される。また、残った2つの酸素原子はO2=酸素となるので、最終的に除菌・脱臭が行われた後の残留物質は酸素のみとなり安全性が高い。それでも残った菌や臭気の物質はフィルター部に吸着されて脱臭される。
実施例2における局所エリア脱臭装置200におけるダクトは、脱臭部240に連結され、少なくとも略水平方向に回動可能な略L型筒状の第1アーム221を有している。第1アーム221の先端部には筒状の第2アーム222の一方側の先端部が連結される。第2アーム222は、略水平方向に伸縮可能とする伸縮部228を備えている。また、第2アーム222の他方側の先端部には略水平方向に設けた第3アーム回動軸227により回動可能に筒状の第3アーム223を有している。そして、第3アーム223の先端部には透明なアクリルからなるフードを有している。
第1アーム221は、垂直部分と水平部分とを有した略L型を有し、脱臭部240の上部に設けた回動台座224によって垂直部分が回動可能に保持されている。回転台座240内において、すべり軸受け225が設けられて第1アーム221の垂直部分を保持している。実施例2においては、この水平部分の床からの高さは約1250mmとなるように脱臭部240に第1アームの垂直部分が連結されている。これにより、第1アーム221の水平部分、第2アーム222、第3アーム、及びフードがベッド上の患者に触れることなく上方を移動させることができる。
第1アーム221の水平部分の先端には第2アーム222の一方側の先端部が連結されている。また、他方側の先端部には、略水平方向に設けた第3アーム回動軸227により回動可能に第3アーム223を有している。第2アーム222は、伸縮部228を備えており、略水平方向にアームを伸縮させることができる。すなわち、第2アーム222は部分的に外管と内管となる二重管構造を有し、内管に対して外管が摺動することで伸縮することができる。この内管の先端が第1アーム221の水平部分の先端に固定されており、外管の先端部には環状の第2アーム側締付部232が固定されるとともに、第2アーム232には棒状の調整棒230が第1アーム221に向かって固定されている。
第1アーム221の水平部分の先端には環状の第1アーム側締付部231が固定されるとともに、調整棒230のもう一方の端部が摺動可能に設けた図示しない調整棒用開口を有している。この調整棒用開口に調整棒230を挿通させた後、ボルト229を締め付けることで、第1アーム側締付部231と第2アーム側締付部232との長さ、すなわち、第1アーム221の水平部分の先端部と第2アーム222の外管213との間の長さが固定される。逆に、ボルト229の締め付けを解除することで、調整棒用開口に対して調整棒230が摺動可能となる。この状態で、第2アーム222の外管213を第1アーム221から離間する方向に引っ張ると第2アーム222を伸長させることができる。また、逆に、第2アーム222の外管213を第1アーム221から接近する方向に引っ張ると第2アーム222を収縮させることができる。
実施例2においては、約100mmだけ第2アーム222を伸縮できるように構成しているが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、100mm以上伸縮可能としてもよい。
第3アーム223は、第2アーム222の先端部に設けた略水平方向の第3アーム回動軸227を軸として回動可能に設けられている。実施例2においては、略水平方向から下方に約100度回動するように構成しているが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、上方にも回動するようにしてもよいし、100度以上回動するようにしてもよい。
第3アーム223の第2アーム222の反対側の先端には、アクリルからなる透明なフード210が固定されている。フード210は、第3アーム223の反対方向の端部に向かって拡開し、最端部は開口した開口部212を有している。また、フード210は、移動可能なダクト220の一方の端部に連結されているため、所定の位置に移動し保持することができる。そして、脱臭目的の局所エリアの上方に開口部212を上方から下方に向けて位置させて、局所エリアの臭気を含む空気を吸引することができる。
回動台座224は、脱臭部240の上部に連結され、ダクト220を手で押すことで、脱臭部240に対して水平方向に約200度回動させることができる。これにより、ダクト220は、所定の位置に移動して保持することができる。また、ダクト220を構成する第1アーム221、第2アーム222、第3アーム223は筒状であることから空気を通すことができる。第1アーム221、第2アーム222、第3アーム223、及び回動台座224の回動部分は、空気が漏れないように封止されている。
実施例2においては、略L型を有した第1アーム221により高さ方向の位置が決められるとともに、回動台座224により回動可能に設けられていることから、第2アーム222や第3アーム223やフード210を手で押すことにより、フード210を軽い力で容易に必要な位置に移動させ保持することができる。また、第2アームが伸縮可能とされていることから、容易に位置を調整することができる。
また、介護される人のおむつ交換時における排泄物の臭気を脱臭する場合に、フード10が透明部材からなっていることで、おむつ交換場所や作業の様子を視認することができて交換作業の邪魔にならず実用的である。また、寝ている人のおむつ交換時の臭気を脱臭する場合は、おむつ交換場所の上方にフード210の開口部212を位置させることで臭気を効率よく吸引することができる。しかしながら、寝ている人以外のおむつ交換作業においては、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、座っている場合や立っている場合には、フード210の開口部212を横向きに位置させてもよい。いずれの場合でもフード210が透明部材で構成されているので、作業部位が視認でき実用的である。
なお、実施例2においては、フード210を透明のアクリルで構成したが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、透明のガラスで構成してもよく、任意の透明部材で構成すればよい。
また、実施例2においては、略L型を有した第1アーム221により高さ方向の位置が決められるように構成したが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、脱臭部240の高さを変更可能とすることで、ダクト220及びフード210の上下方向の位置を変更可能に構成してもよい。これにより、ベッド高さの高低に容易に対応することができる。
ダクト220の他方の端部には、脱臭部240が連結されている。脱臭部240は、略直方体形状の箱体からなり、キャスター261(261a、261b、261c、261d)を有することで、ダクト220及びフード210とともに移動させることができる。その際、脱臭部把手246を操作することで容易に移動させることができる。また、停止時には、キャスター261(261a、261b、261c、61d)のロック機構を操作すれば、停止状態を保持でき、意図しない移動を防止できる。
脱臭部240は、殺菌フィルター254、オゾン発生部245、フィルター部248(248a、248b、248c、248d)、ファン247、及びバッテリー243を備えている。脱臭部240には、扉249が取り付けられており、図示しない扉把手を手で掴んで引くことで開けることができる。この扉249を開けることで、フィルター部248(248a、248b、248c、248d、248e)のメンテナンスを行うことができる。また、バッテリー243を備えていることで、電源コードを気にせずに局所エリア脱臭装置200を移動させることができる。
脱臭部240では、吸引されてきた空気が殺菌フィルター254で殺菌される。殺菌フィルター254は、PM2.5やインフルエンザ菌が殺菌できる厚み約3mm程度のフィルターで2000mm×200mmに切断して専用ケースに入れて脱臭部240の上部(吸引された空気がまず導入されるところ)に設置されている。これにより、吸引されてきた空気の殺菌を行う。
次に、オゾン発生部245が発生したオゾンと臭気を帯びた空気とを混合させる。これにより、菌や臭気の物質はオゾンの酸素原子と融合することにより酸化させられ、破壊される。残った2つの酸素原子はO2=酸素となるので、最終的に除菌・脱臭が行われた後の残留物質は酸素のみとなり、きわめて安全性が高い。
オゾンと混合された空気は、さらに、フィルター部248(248a、248b、248c、248d、248e)へと導かれる。フィルター部248は、最大5個のフィルターを挿入して設置できるように棚状の枠体を有している。実施例2においては、フィルター部248aにはHEPAフィルターが設置され、フィルター部248b、248c、248d、248eには、それぞれ粒度の異なる活性炭フィルターが設置されている。
なお、実施例2においては、フィルター部248aにはHEPAフィルターを設置し、フィルター部248b、248c、248d、248eには、それぞれ粒径の異なる活性炭フィルターを設置するようにしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、フィルター部248a、248b、248c、248d、248eに活性炭フィルターを設置しHEPAフィルターは設置しないようにしてもよく、任意のフィルターを交換自在に設置することができる。
また、脱臭部240の右側面上部には、電源スイッチ251、オゾン発生スイッチ252が設けられている。電源スイッチ251をONにすることでバッテリー243から各所に電源が供給される。オゾン発生スイッチ252をONにすることでオゾン発生部245を駆動しオゾンを発生させることができる。また、バッテリーの残量を図示しないバッテリー残量ランプで把握することができる。
また、局所エリア脱臭装置200には、バッテリー243が搭載されているので、電源コードを気にせずに自由に移動させることができる。このバッテリー243へは、局所エリア脱臭装置200に備えた図示しない充電口から充電することができる。