(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169462
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】圧縮射出成形による歯車の製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 45/70 20060101AFI20221101BHJP
【FI】
B29C45/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022070557
(22)【出願日】2022-04-22
(31)【優先権主張番号】2104366
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】511110625
【氏名又は名称】ジェイテクト ユーロップ
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パキヨン ジャン-ノエル
(72)【発明者】
【氏名】ジャケ ダミアン
(72)【発明者】
【氏名】モネ ロッシュ
(72)【発明者】
【氏名】カムガ ウンゲムジョム ミシェル
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AH12
4F206AH17
4F206JA03
4F206JB12
4F206JL02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】製造のサイクル時間および原料消費を抑え、かつ保持圧力を改善した、歯車の製造方法を提供する。
【解決手段】歯車を製造する方法であって、キャリアコア(2)の径方向外周縁(22)上にリムを製造する工程を含み、この工程中、キャリアコア(2)は、歯車の回転軸に対応するステアリング軸(XX’)孔を形成する径方向内壁(21)から、外周縁(22)が少なくとも1つの第1部分(31)及び1つの第2部分(32)によって形成された金型(3)内に配置されるまで延在し、次いで、少なくとも部分的に前記キャリアコア(2)をオーバーモールディングすることによってコーティングするようにリムを形成するために、射出材料が、少なくとも1つの射出ノズル(4)によって射出される。射出材料の射出後、金型(3)の第1部分(31)及び第2部分(32)は、射出材料が金型(3)内で圧縮されるように互いに近づけられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアコア(2)の径方向の外周縁(22)上にリム(1)を製造する工程を含み、
前記工程において、前記キャリアコア(2)は、歯車の回転軸に対応するステアリング軸(XX’)の孔を形成する径方向内壁(21)から、前記外周縁(22)が少なくとも1つの第1部分(31)及び1つの第2部分(32)によって形成された金型(3)内に配置されるまで延在し、
次いで、射出材料が、少なくとも部分的に前記キャリアコア(2)をオーバーモールディングすることによって被覆するように前記リム(1)を形成するために、少なくとも1つの射出ノズル(4)によって射出される、歯車の製造方法であって、
前記射出材料の射出後に、前記金型(3)の第1部分(31)及び前記金型(3)の第2部分(32)は、前記射出材料が金型(3)内で圧縮されるように互いに近づけられる、
ことを特徴とする歯車の製造方法。
【請求項2】
前記射出ノズル(4)が、前記金型(3)の第1部分(31)を前記金型(3)の第2部分(32)に近づけると前記射出ノズル(4)を閉じることができるシャッタ(41)を備える、
請求項1に記載の歯車の製造方法。
【請求項3】
前記金型(3)の前記第1部分(31)が、並進運動によって前記金型(3)の前記第2部分(32)に近づけられる、
請求項1又は2に記載の歯車の製造方法。
【請求項4】
前記射出ノズル(4)が、前記孔のステアリング軸(XX’)に沿って位置する射出点を有する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の歯車の製造方法。
【請求項5】
前記射出点が、前記キャリアコア(2)又は前記孔の少なくとも1つの領域を保護するように意図された射出シールド(33)の反対側に配置される、
請求項4に記載の歯車の製造方法。
【請求項6】
前記射出ノズル(4)が、前記孔のステアリング軸(XX’)から径方向にオフセットされた少なくとも1つの射出点を有する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の歯車の製造方法。
【請求項7】
前記射出点が、前記キャリアコアに形成されたトラップキャビティ(34’)の反対側に配置される、
請求項6に記載の歯車の製造方法。
【請求項8】
前記金型が、前記リムに噛み合う歯を直接形成することを可能にする凹部を備える、
請求項1から7のいずれか1項に記載の歯車の製造方法。
【請求項9】
前記リム(1)が、1cm以上3cm以下で、好ましくは1.5cm以上2.5cm以下で構成される軸方向厚さ(E)を有する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の歯車の製造方法。
【請求項10】
前記射出ノズル(4)に対向する前記キャリアコア(2)の上面が、前記径方向内壁(21)から前記外周縁(22)まで径方向に連続して延びている、
請求項1から9のいずれか1項に記載の歯車の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機構内のトルク伝達を確実にすることを目的とした歯車の製造分野、より詳細には、歯車機構を目的とした歯車の製造分野に関する。本発明は、より詳細には、自動車用のパワーステアリング減速機用の歯車を製造することに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されている公知の製造方法では、例えば、スリーブ又は軸であってもよいハブが金型内に配置され、その上でキャリアコアのオーバーモールディングが実行され、次いで、キャリアコア上のリムのオーバーモールディングが実行される。次に、歯車の噛み合い歯がリムに形成される。
【0003】
リムのオーバーモールディングは、中央射出点のレベルに、すなわち歯車のステアリング軸に沿って行われるか、特許文献2に記載されているように径方向にオフセットされて配置された二次射出ノズルに接続された主射出ノズルを実施するオーバーモールディング方法によって実施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2015/162388号
【特許文献2】欧州特許出願公開第2952321号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような方法が歯車を比較的容易に製造することを可能にする場合には、いくつかの欠点を有することがある。
【0006】
最初に、中央射出点の場合、射出材料は、冷却及び凝固後に、射出点とリムとの間に、円板又は円錐の形状を有するキャスト厚さを形成する。二次射出ノズルの使用の場合、射出された材料は、一次射出ノズルと二次射出ノズルとの間のスプルーを、冷却して凝固させた後に形成する。このキャスト厚さ又はスプルーは、フライス加工タイプの再加工によって排除すべき、材料の過剰である。したがって、製造方法のサイクル時間及び原料の消費が増加する。
【0007】
さらに、噛み合い歯が形成されるリムの領域に射出される材料の良好な品質を達成するための方法の1つは、所定時間だけ保持圧力を加えることにある。保持圧力は、射出点で加わる。しかしながら、中央射出点の場合には、この保持圧力は、一方では射出点のレベルでの材料の凝固に起因して、リムの前記領域に部分的にしか伝達されない。二次射出ノズルを使用する場合も同様である。実際、この場合、保持圧力は、一次射出ノズルに対する二次射出ノズルの射出点の遠隔性及びスプルー内の凝固のために、リムの前記領域に部分的にしか伝達されない。
【0008】
さらに、二次射出ノズルを用いる場合には、各二次射出ノズルに対向するキャリアコアにコールドドロップトラップを配置する必要がある。この配置は、キャリアコアの機械的強度及び質量の最適化を妨げる過剰の材料及び形状を生成する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、歯車を製造するための方法を提供することによって前述の欠点の全部又は一部を克服することであり、この方法は、キャリアコアの径方向外周縁上にリムを作製する工程を含み、この工程中に、歯車の回転軸に対応するステアリング軸(XX’)の孔を形成する径方向内壁から延びるキャリアコアを、周縁が少なくとも1つの第1部分及び第2部分によって形成された金型内に配置されるまで延在させ、次いで、射出材料が、リムを形成するために、少なくとも部分的に前記キャリアコアをオーバーモールディングすることによって被覆するように、少なくとも1つの射出ノズルによって射出される。そして、射出材料の射出後に、金型の第1部分及び第2部分が、射出材料が金型内で圧縮されるように互いに近づけられることを特徴とする。
【0010】
したがって、リムの製造は、2つの別個の段階、すなわち、リムを形成するように意図された射出材料が射出される段階と、射出材料が圧縮される段階とを含む。この目的のために、射出中、金型の第1部分及び第2部分は、一方が他方に対して射出位置にある。次いで、圧縮中、金型の第1部分と金型の第2部分とを互いに近づけ、圧縮完了時に、金型の第1部分と第2部分とが、他方に対する一方の全閉位置になるようにする。金型部分の一方は固定されてもよく、相補部分のみが可動であってもよく、又は、両方の部分が可動であってもよい。
【0011】
このように、金型が射出位置にあるとき、それは大きな通路断面を有し、それは、射出材料が、相当なせん断力を受けることなく、容易に金型に射出されることを可能にする。金型が全閉位置にあるときは、射出されたばかりの射出材料に均等な圧力がかかる。これは、リムにおける気泡形成及び有孔性を回避し、幾何学的精度を高める金型の充填を改善する。最後に、キャスト厚さは、より少ない量の材料が浪費されるように減少される。
【0012】
「軸方向」とは、ステアリング軸(XX’)に沿った方向を意味し、「径方向」とは、ステアリング軸(XX’)を横切る方向を意味する。
【0013】
本発明はまた、単独で又は組み合わせて考慮される、以下の実施形態に記載される特徴のいずれかを含み得る。
【0014】
一実施形態によれば、射出ノズルは、金型の第1部分が金型の第2部分に近づけられたときに射出ノズルを閉じることを可能にするシャッタを備える。
【0015】
したがって、射出点のレベルで材料が凝固することはない。
【0016】
さらに、射出材料は、射出スクリューによって射出ノズルのレベルで行われる。本発明による方法では、閉塞具は、圧縮段階中に射出材料に及ぼされる圧力が射出スクリューの反動を引き起こすことを防止する。
【0017】
射出の完了は、圧縮の開始と同時に行われる。
【0018】
一実施形態によれば、金型の第1部分は、並進運動によって金型の第2部分に近づけられる。
【0019】
これにより、均一に圧縮が行われる。
【0020】
一実施形態によれば、射出ノズルは、孔のステアリング軸に沿って配置された射出点を有する。
【0021】
したがって、射出材料は、歯車のセンタリングから周縁に均等に、かつ溶接線を呈示することなく分配される。
【0022】
一実施形態によれば、射出点は、キャリアコア又は孔の少なくとも1つの領域を保護するように意図された、射出シールドの反対側に配置される。
【0023】
したがって、射出材料は、リムを形成するために、キャリアコアの周縁にのみ向けられる。
【0024】
一実施形態によれば、射出ノズルは、孔のステアリング軸線から径方向にオフセットして配置された少なくとも1つの射出点を有する。
【0025】
したがって、射出ノズルは、射出段階が、キャリアコア又は孔の少なくとも1つの領域を保護するように意図された保護部分の使用を必要としないように配置されてもよい。
【0026】
一実施形態によれば、射出点は、キャリアコアに形成されたトラップキャビティの反対側に配置される。
【0027】
したがって、キャストヘッドで構成され得るコールドドロップを除去するための再加工はない。
【0028】
一実施形態によれば、トラップキャビティは、射出ノズルに対向するキャリアコアの上面から、キャリアコアに掘られた止り穴によって形成される。
【0029】
一実施形態によれば、金型は、リム上に噛み合う歯を直接形成することを可能にする凹部を備える。
【0030】
したがって、機械加工方法によって噛み合い歯を作る必要はもはやない。
【0031】
よって、本発明による方法は、より高速である。
【0032】
一実施形態によれば、キャリアコアは、射出成形によって、熱可塑性ポリマー材料から一体に製造される。
【0033】
一実施形態によれば、リムは、10~30mm、好ましくは15~25mmの軸方向厚さを有する。
【0034】
これにより、リムは、それが良好な機械的強度を与えるのに十分な厚さを有する。
【0035】
一実施形態によれば、射出ノズルに面するキャリアコアの上面は、径方向内壁から周縁まで径方向に連続的に延びている。
【0036】
「径方向に連続的」にすることで、歯車のステアリング軸(XX’)に沿って延びる溝を持たない面を理解すべきである。
【0037】
したがって、キャリアコアの射出材料は、キャリアコアの軸(XX’)に沿って延びる溝に流れ込まない。このようなキャリアコアを用いることにより、射出材料の使用量を低減することができる。
【0038】
一実施形態によれば、上面は、ステアリング軸(XX’)を実質的に横切る平面内に延在する。
【0039】
一実施形態によれば、上面は、金型の第1部分の反対側に延在し、金型の2つ部分が互いに接近するときの金型の第1部分と上面との間の隙間は、5mm未満、好ましくは1mm未満である。
【0040】
したがって、射出材料は、リムを形成するのに役立つのみである。射出材料の使用量は可能な限り少ない。
【0041】
一実施形態によれば、周縁は、歯車のステアリング軸(XX’)に沿って延びる少なくとも1つの溝を備えている。
【0042】
したがって、溝は、キャリアコア上への射出材料の結合を促進する。
【0043】
本発明は、非限定的な例として、本発明によるいくつかの実施形態に関連し、添付の概略図を参照して説明される、以下の説明により、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】第1の実施形態による、射出材料が射出されるときのリム作製工程の概略図である。
【
図2】
図1の射出材料が圧縮されるときのリム作製工程の概略図である。
【
図3】第2の実施形態による、射出材料が射出されるときのリム作製工程の概略図である。
【
図4】
図3の射出材料が圧縮されるときのリム作製工程の概略図である。
【
図5】第3の実施形態による、射出材料が射出されるときのリム作製工程の概略図である。
【
図6】
図5の射出材料が圧縮されるときのリム作製工程の概略図である。
【
図7】第4の実施形態による、射出材料が射出されるときのリム作製工程の概略図である。
【
図8】
図7の射出材料が圧縮されるときのリム作製工程の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
歯車は、特に、歯車減速機の歯車、より詳細には、パワーステアリング用の減速機歯車であってもよく、例えば、ウォームスクリューによって駆動されることを意図したウォーム歯車を形成してもよい。歯車は、例えば、直線歯、螺旋歯、又はヘリングボーン歯を形成する、任意のタイプの噛み合い歯を有してもよい。本発明は、特定寸法の歯車に限定されないが、特にパワーステアリング減速機用の歯車に関して、前記歯車の直径D1は、実質的に30mm~200mm、より具体的には50mm~150mm、好ましくは100mmであってもよいことに留意されたい。
【0046】
この方法は、歯車の周縁上にリム1を作る工程を含み、この工程の間、第1部分31及び第2部分32によって形成された金型3内に、歯車の回転軸線に対応するステアリング軸(XX’)の孔を形成する、径方向内壁21から径方向外周縁22まで延びるキャリアコア2が配置される。
【0047】
ステアリング軸(XX’)は、実際には、歯車の回転軸に対応し、前記歯車の異なる構成要素に共通であると有利である。
【0048】
明細書の便宜上、用語「軸方向」は、前記ステアリング軸(XX’)に沿って、又はステアリング軸(XX’)に平行に考慮される方向又は寸法を示し、「径方向」は、前記ステアリング軸(XX’)に対して横方向に、より具体的には垂直に考慮される方向又は寸法を示す。
【0049】
キャリアコア2は、ハブと、ステアリング軸(XX’)と共に、外周縁22までステアリング軸(XX’)から離れた、前記ハブから実質的に径方向に延びるスカート23とを含む。この外周縁22にはリム1が形成されている。
【0050】
キャリアコア又はスカート23の上面は、本明細書では、実際には、コーティング層が施されることが意図される見かけの表面に対応し(反対側の下面は、好ましくは、コーティング層なしに露出されたままであることが意図されるが)、前記上面は、この目的のために、材料入口側で軸方向に、すなわち、射出ノズルの反対側に配向される。
【0051】
上面は、径方向に連続して、すなわち、歯車のステアリング軸(XX’)に沿って延びる溝なしに、径方向内壁21から外周縁22まで径方向に延びる。
【0052】
上面は、ステアリング軸(XX’)を実質的に横切る平面内に延在する。
【0053】
上面は、金型3の第1部分31に対向して延びており、金型3の2つ部分を近づけたときの金型3の第1部分31と上面との間の隙間が1mm未満である。
【0054】
外周縁22は、歯車のステアリング軸(XX’)に沿って延びる複数の溝を備えている。
【0055】
図1、
図2、
図5及び
図6において、キャリアコア2のハブは、特に上面から突出する軸24を含む。
【0056】
図3及び
図4において、キャリアコア2のハブは、上面と面一である軸24’を含む。
【0057】
図7及び
図8において、キャリアコア2のハブは、上面と面一であるスリーブ25を含む。
【0058】
この金型3は、第1部分31及びこの第1部分31に対して並進移動可能な第2部分32によって形成されている。第2部分32に対する第1部分31の相対位置にしたがってって、金型3の2つの別個の位置、すなわち射出位置及び全閉位置が決定される。
【0059】
【0060】
【0061】
キャリアコア2を金型3内に配置した後、必要に応じて、キャリアコア2又は孔の領域を保護することを意図した射出シールド33が配置され、次いで、ポリマー射出材料内のコーティング層が、キャリアコア2上にオーバーモールディングすることによって形成される。コーティング層は、完成した歯車上に永久的に残るように意図される(すなわち、前記コーティング層は、キャリアコア2上に形成された後、機械加工によって除去されないか、又は少なくとも完全に除去されず、最終歯車上に保持され、その中で前記コーティング層は、特に構造補強の機能的役割を有する)。
【0062】
射出シールド33により、キャリアコア2の一部の領域又は孔内での射出材料の射出を回避することが可能になる。
【0063】
図1及び
図2において、射出シールド33は、キャリアコア2の外周縁22に向かって射出中、その結果、歯車の外周縁に向かって射出材料が案内されるように、ハブ全体及びキャリアコア2の一部を覆う円錐形状を有する。射出シールド33は、コールドドロップを集めることを意図したその中心に凹部34を備えている。
【0064】
図3及び
図4において、射出シールド33は、射出材料がハブを満たさないようにハブの一部を覆うディスクである。射出シールド33は、その中心にコールドドロップを集めることを意図した凹部を備える。
【0065】
オーバーモールディングは、金型3が射出位置にあるときに射出ノズル4を用いて射出法により行う。この位置には、金型の第1部分31とキャリアコア2又は射出シールド33との間に空隙35がある。この空隙35は、射出中の射出材料の適切な流れを可能にする。射出位置では、次いで、リム1の軸方向厚さE+aが、最終歯車のリム1の軸方向厚さEよりも大きい。
【0066】
図1、
図2、
図3、
図4、
図7及び
図8では、射出ノズル4は、歯車のステアリング軸(XX’)に沿って位置決めされた射出点を有する。
【0067】
図5及び
図6において、射出ノズル4は、歯車のステアリング軸(XX’)から径方向にオフセットして配置された射出点を有する。射出ノズル4は、キャリアコア2内の上面からの止り穴によって形成されたトラップキャビティ34’に対向して配置されている。
【0068】
射出ノズル4は、金型3の第1部分31を金型3の第2部分32に近づけると射出ノズル4を閉じるシャッタ41を備える。
【0069】
射出材料の射出後、金型3の第1部分31は、空隙35がもはや存在しないように、金型3の第2部分32に平行移動可能に近づけられる。次に、射出材料は金型3内で圧縮される。次いで、リム1の軸方向厚さEは、その最終寸法となる。
【0070】
この方法により、従来技術よりも材料の浪費が少なくなる。
【0071】
もちろん、本発明は、添付の図面に記載され、表された実施形態に限定されない。特に、様々な要素の構成に関して、又は技術的均等物の置換によって、本発明の保護範囲を伴った逸脱することなく、変形例が依然として可能である。
【外国語明細書】