(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169487
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】リソグラフィマスクへの測定光衝突に対する、波長依存測定光反射率の効果、および測定光の偏光の効果を測定する方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/21 20060101AFI20221101BHJP
G01N 21/55 20140101ALI20221101BHJP
G03F 1/24 20120101ALI20221101BHJP
G03F 1/84 20120101ALI20221101BHJP
【FI】
G01N21/21 Z
G01N21/55
G03F1/24
G03F1/84
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022073194
(22)【出願日】2022-04-27
(31)【優先権主張番号】10 2021 204 170.1
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】503263355
【氏名又は名称】カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158469
【弁理士】
【氏名又は名称】大浦 博司
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルター パウルス
(72)【発明者】
【氏名】レンツォ カペッリ
【テーマコード(参考)】
2G059
2H195
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059EE02
2G059EE05
2G059EE11
2G059GG04
2G059HH04
2G059JJ02
2G059JJ13
2G059KK04
2H195BA10
2H195BD02
2H195BD08
2H195BD14
2H195BD15
(57)【要約】
【課題】リソグラフィマスクへの測定光衝突に対する、波長依存測定光反射率の効果、および測定光の偏光の効果を測定する方法を提供すること。
【解決手段】リソグラフィマスクの波長依存測定光反射率R
Retの効果を測定するために、測定光ビームは、測定装置の視野内の前記リソグラフィマスクに衝突させられる。測定光は、波長下限とそれとは異なる波長上限との間の波長帯域幅を有する。リソグラフィマスクの衝突された区間から発出する反射された測定光は、検出器によって捕捉される。波長帯域幅内の波長依存透過率を有するフィルタが、測定光源と検出器との間の、測定光ビームのビーム経路内に導入される。リソグラフィマスクによって反射された測定光は、フィルタが導入された後に、再び検出器によって捕捉される。波長依存反射率R
Ret、または波長依存反射率R
Retの効果は、捕捉結果に基づいて決定される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィマスク(13)への測定光衝突に対する測定光(1)の偏光の効果を測定する方法であって、
- 前記リソグラフィマスク(13)を用意するステップと、
- 偏光測定装置(2;29;32)を用意するステップであって、
-- 生の偏光状態を有する測定光(1)を生成するための測定光源(3)と、
-- 前記リソグラフィマスク(13)を保持するためのマスクホルダ(14)と、
-- 前記マスクホルダ(14)の下流の測定光ビーム経路内の、前記測定光(1)を捕捉するための検出器(18)と
を有する、前記偏光測定装置(2;29;32)を用意するステップと、
- 測定光ビーム(1)を、前記測定装置(2;29;32)の視野(11)内の前記リソグラフィマスク(13)に衝突させるステップと、
- 前記検出器(18)を用いて、前記リソグラフィマスク(13)の衝突された区間から発出する前記測定光(1)を捕捉するステップと、
- 前記生の偏光状態とは異なるフィルタ偏光状態を有する測定光を生成するために、前記測定光源(3)と前記検出器(18)との間の、前記測定光ビームの前記ビーム経路内に、前記測定光(1)に対する偏光依存効果を有する偏光フィルタ(41;44)を導入するステップであって、
- 前記偏光フィルタ(41;44)は、入射測定光(1)の別の偏光成分に関して、前記入射測定光(1)の一定の偏光成分を前記偏光フィルタが減衰する、前記測定光(1)に対する偏光依存効果を有する、前記偏光フィルタ(41;44)を導入するステップと、
- 前記偏光フィルタ(41;44)が導入された後に、再び前記検出器(18)を用いて、前記リソグラフィマスク(13)の衝突された区間から発出する前記測定光(1)を捕捉するステップと、
- 捕捉結果に基づいて、前記リソグラフィマスク(13)への前記測定光衝突に対する、前記測定光(1)の前記偏光の前記効果を決定するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記フィルタを導入する前記ステップ、および前記偏光フィルタが導入された後に前記測定光を捕捉する前記ステップは、前記測定光(1)に対する偏光効果に関して異なる複数の偏光フィルタ(41;44)に対して反復されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記偏光測定装置(2;29;32)は、前記視野(11)内に配置された物体視野を、像視野(16)内に結像するための投影光学ユニット(9)を備え、前記偏光フィルタ(41;44)の導入の結果としての、像表示の構造解像度における変化が、効果として決定されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
リソグラフィマスク(13)上の波長依存測定光反射率RRetの効果を測定する方法であって、
- 前記リソグラフィマスク(13)を用意するステップと、
- 反射率測定装置(2;29;32)を用意するステップであって、
-- 波長下限とそれとは異なる波長上限との間の波長帯域幅を有する測定光(1)を生成するための測定光源(3)と、
-- 前記リソグラフィマスク(13)を保持するためのマスクホルダ(14)と、
-- 前記マスクホルダ(14)内の前記リソグラフィマスク(13)によって反射された、測定光(1)を捕捉するための検出器(18)と
を有する前記反射率測定装置(2;29;32)を用意するステップと、
- 測定光ビーム(1)を、前記測定装置(2;29;32)の視野(11)内の前記リソグラフィマスク(13)に衝突させるステップと、
- 前記検出器(18)を用いて、前記リソグラフィマスク(13)の衝突された区間から発出する前記反射された測定光(1)を捕捉するステップと、
- 前記測定光源(3)と前記検出器(18)との間の、前記測定光ビーム(1)のビーム経路内に、前記波長帯域幅内の波長依存透過率(24~27)を有する、フィルタ(33;39;39a)を導入するステップと、
- 前記フィルタ(33;39;39a)が導入された後に、再び前記検出器(18)を用いて、前記リソグラフィマスク(13)の衝突された区間から発出する前記反射された測定光(1)を捕捉するステップと、
- 捕捉結果に基づいて、波長依存反射率RRet、または波長依存反射率RRetの効果を決定するステップと
を含む方法。
【請求項5】
フィルタを導入する前記ステップ、および前記フィルタが導入された後に前記反射された測定光を捕捉する前記ステップは、波長依存透過率(24~27)に関して異なる、複数のフィルタ(33;39;39a)に対して反復されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記反射率測定装置(2;29;32)は、前記視野(11)内に配置された物体視野を、像視野(16)内に結像するための投影光学ユニット(9)を備え、フィルタ(33;39;39a)の導入の結果としての、像表示の構造解像度における変化が、効果として決定されることを特徴とする、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記波長依存反射率RRetは、波長帯域幅内の目標波長(λ0)の周りの波長範囲内の捕捉結果に基づいて決定されることを特徴とする、請求項4~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記リソグラフィマスク(13)上の構造の前記波長依存反射率RRetに対する影響は、波長依存反射率RRetを決定するときに決定されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記フィルタ(33;39;39a)は、フィルタ配置平面(28)内で非回転対称フィルタ効果を有し、前記フィルタ配置平面(28)に垂直な回転軸(34)に対して定義された方位を有する前記測定光ビーム(1)の前記ビーム経路内に導入されることを特徴とする、請求項4~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
測定光(1)に対する、リソグラフィマスク(13)の効果を測定するための測定装置(2;29;32)であって、
- 測定光(1)を生成するための測定光源(3)と、
- 前記リソグラフィマスク(13)の区間が、前記測定光(1)が衝突することができる視野(11)内に配置されるように、前記リソグラフィマスク(13)を保持するためのマスクホルダ(14)と、
- 前記マスクホルダ(14)内の前記リソグラフィマスク(13)によって反射される、前記測定光(1)を捕捉するための検出器(18)と、
- 前記測定光源(3)と前記検出器(18)との間の、測定光ビーム(1)のビーム経路内に配置された、少なくとも1つのフィルタ(33;39;39a;41;44)を有する、少なくとも1つのフィルタホルダ(19、20、21、22)であって、
- 交換可能なフィルタホルダとして設計される、
少なくとも1つのフィルタホルダ(19、20、21、22)と、
- 前記検出器(18)に信号接続された、信号取得および評価デバイス(23)と
を有する測定装置(2;29;32)。
【請求項11】
前記フィルタホルダ(21、22)は、前記測定装置(2;29;32)の瞳面(8、15)内に配置されることを特徴とする、請求項10に記載の測定装置。
【請求項12】
前記フィルタホルダ(19~22)は、前記測定光源(3)と、前記マスクホルダ(14)との間の、前記測定光ビーム(1)の前記ビーム経路内、および/または前記マスクホルダ(14)と、前記検出器(18)との間の前記測定光ビーム(1)の前記ビーム経路内に配置されることを特徴とする、請求項10または11に記載の測定装置。
【請求項13】
前記視野(11)内に配置された物体視野(11)を、像平面(17)内に結像するための投影光学ユニット(9)であって、前記検出器(18)は、前記像平面(17)内に配置される、投影光学ユニット(9)を特徴とする請求項10~12のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項14】
前記フィルタホルダ(20)は、フィルタ配置平面(28)が法線平面(7)に関して、測定光ビーム経路に傾斜されるように方位付けられることを特徴とする、請求項10~13のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項15】
前記フィルタ(44)は、法線平面(xy)に関して、前記測定光(1)のビーム方向(z)に傾斜された、複数のフィルタ区間(45、46、47、48)を有することを特徴とする、請求項10~14のいずれか1項に記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ドイツ特許出願公開第102021204170.1号の内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、リソグラフィマスクの波長依存測定光反射率の効果を測定する方法に関する。さらに、本発明は、リソグラフィマスクへの測定光衝突に対する、測定光の偏光の効果を測定する方法に関する。さらに、本発明は、測定光に対する、リソグラフィマスクの効果を測定するための測定装置に関する。
【背景技術】
【0003】
対象物の反射率を測定するために、その反射率に関して決定されることになる、対象物の拡大された区間を照射する反射率計が知られている。反射率計は、様々な用途のための多様な設計で知られている。EUVリソグラフィのための反射率計は、PTB News edition 1, 2003, published by the Physikalisch-Technische Bundesanstalt (National Metrology Institute of Germany)から知られている。
【0004】
ドイツ特許出願公告第102009015393(B3)号は、複屈折を測定するための測定方法および測定システムを開示している。ドイツ特許出願公開第102010045135号は、マスク上の構造を特性化する方法、および方法を実行するための装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ特許出願公告第102009015393(B3)号
【特許文献2】ドイツ特許出願公開第102010045135号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】PTB News edition 1, 2003, published by the Physikalisch-Technische Bundesanstalt (National Metrology Institute of Germany)
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、測定の光学パラメータについて、測定光に対するリソグラフィマスクの効果をアクセス可能にすることである。
【0008】
この目的は、請求項1に記載される特徴を有する測定方法による本発明により達成される。
【0009】
このような測定方法は、特に、測定されるリソグラフィマスクへの測定光衝突の偏光成分の決定を可能にする。また、測定装置の構成要素に対する、特に測定装置のミラーに対する、測定光衝突の偏光成分を決定することが可能である。
【0010】
リソグラフィマスクへの測定光衝突に対する偏光の効果の測定は、リソグラフィマスクに関して反射においておよび/または透過において実施され得る。偏光フィルタは、測定装置の測定光源の下流に直接、例えばデブリフィルタの位置において、導入されることができ、または、代替としてまたは追加として、リソグラフィマスクの上流の測定光の中間焦点の領域に導入され得る。
【0011】
請求項2による方法の場合、それらの偏光効果に関して異なる偏光フィルタを用いた捕捉は、効果を決定するときに用いられ得る追加の情報をもたらす。複数の異なる偏光フィルタの使用に対する代替として、また原理として、それぞれの場合に異なる方位を有して、測定光ビーム経路内に、同一の偏光フィルタを導入することが可能である。具体的には、偏光フィルタに対する測定光の入射角を変化させることが可能であり、あるいは偏光フィルタに対する測定光ビームの入射面の方位を変化させることが可能である。
【0012】
請求項3による方法において、構造解像度は、導入されるフィルタを用いずに、および用いて比較される。測定光の偏光に対するリソグラフィマスクの効果は、像表示の構造解像度に対するそれの効果として測定される。構造解像度の尺度として、限界寸法(CD)が決定され得る。構造解像度は、空間分解のやり方で測定する検出器、例えばCCD検出器またはCMOS検出器を用いて測定され得る。
【0013】
本発明の他の目的は、リソグラフィマスクの測定光反射率の効果を測定する方法を改善することである。
【0014】
本発明によれば、この目的は、請求項4に記載される特徴を有する方法によって達成される。
【0015】
本発明によれば、測定光の波長帯域幅内での波長依存透過率を有するフィルタの導入を用いて、リソグラフィマスクの波長依存測定光反射率の効果を測定することが可能であることが認識された。この目的を達するために、具体的には、EUV光が測定光として用いられ、前記EUV光はまた、微細構造またはナノ構造半導体構成要素を生成するためのEUV投影露光の間に用いられる。使用可能な測定光源の波長スペクトルの例は、専門家の論文"Application of a high-brightness electrodeless Z-pinch EUV source for metrology, inspection, and resist development", S. F. Horne et al., SPIE Proceedings of the 31st International Symposium on Microlithography, 2006で述べられている。測定光の波長帯域幅は、1nmとすることができ、例えば13.0nmの波長下限と、例えば14.0nmの波長上限との間の、13.5nmの中心波長λ0の周りに配置され得る。用いられる測定光源に応じて、0.2nm~100nmの範囲の他の波長帯域幅、および5nm~30nmの範囲の他の中心波長、およびEUV波長範囲の外側の、より長い波長、例えばVUV波長範囲内、およびさらに大きな波長帯域幅も可能である。
【0016】
原理上は、方法はまた、リソグラフィマスクの波長依存測定光透過率の効果を測定するため、すなわち例えば位相マスクを測定するために用いられ得る。
【0017】
導入されたフィルタあり、および導入されたフィルタなしで現れる、検出-捕捉結果の差から、波長依存反射率、または波長依存反射率の効果のいずれかを決定することが可能である。
【0018】
それぞれのフィルタは、測定装置の瞳面内に導入され得る。検出器は、視野内に配置された物体視野がそれに結像される、視野平面内に配置され得る。フィルタは、測定光源とマスクホルダとの間の測定光ビームのビーム経路内に、および/またはマスクホルダと検出器との間の測定光ビームのビーム経路内に導入され得る。このようにして、測定装置のいくつかの光学構成要素の波長の影響を、リソグラフィマスク自体の波長の影響から分離することが可能である。例として、またリソグラフィマスクを保護するために用いられ得るペリクル(pellicle:薄膜)の波長依存の影響を測定することが可能である。
【0019】
構造化されたリソグラフィマスクの波長依存測定光反射率の効果の測定に対する代替として、また静止の非構造化マスクブランクの波長依存測定光反射率の効果を測定することが可能である。代替としてまたは追加として、ひいては測定方法はまた、測定装置の他の構成要素、例えば測定装置の1つまたは複数のミラーの、波長依存測定光反射率の効果を測定するために用いられ得る。
【0020】
測定方法によって得られる情報は、EUV投影リソグラフィを用いた、微細構造またはナノ構造構成要素を生成する方法を改善するために用いられ得る。
【0021】
捕捉結果の情報の内容は、それらの波長依存透過率に関して異なる複数のフィルタの使用のために、請求項5による測定方法において、増加される。少なくとも1つのハイパスフィルタ、少なくとも1つのローパスフィルタ、少なくとも1つのバンドパスフィルタ、あるいは少なくとも1つのノッチフィルタが使用され得る。目標波長を通過させ、および隣接した波長を阻止する、逆ノッチフィルタも用いられ得る。応用例に応じて、これらの様々なフィルタ変形体はまた、組み合わせにおいて用いられ得る。複数の異なるフィルタの順次的な導入の代わりに、また、同一のフィルタが複数回、例えば異なる方位を有して、それぞれの導入された位置においてその波長依存透過率が変化するように導入され得る。
【0022】
請求項6による方法の利点は、請求項3に関連して上記ですでに説明されたものに対応する。
【0023】
請求項7による波長依存反射率の直接決定は、比較可能な、および特に絶対的に較正可能な結果をもたらし、それらの比較可能性を向上させる。波長依存反射率の決定の範囲内で、反射率は目標波長において決定されることができ、さらに、反射率の波長依存勾配は、前記目標波長において決定され得る。次いで、目標波長のすぐ近くでの反射率が、決定された勾配を介して推定され得る。追加としてまた、目標波長での反射率の波長依存曲率を決定することが可能であり、目標波長の近傍における反射率の決定の正確さをさらに改善するのに役立ち得る。原理上はまた、反射率と波長との間の関数的関係のより高次の導関数を決定することが可能である。これは、波長帯域幅内の透過率の異なる波長依存性を有する、異なるフィルタ導入状況に対して、反射された測定光を適切な回数、捕捉することによって実施され得る。捕捉の数に応じて、対応する数の相互に独立な波長依存効果の量を決定することが可能である。
【0024】
リソグラフィマスクは、通常は等方性構造をもたず、しばしば例えば好ましい構造方向、例えば水平もしくは垂直構造を有する構造断面を有し、または一定の構造対称性を有する構造断面を有する。これは請求項8による測定方法において考慮される。
【0025】
反射率または偏光効果を決定するとき、請求項8の関連において説明されたものと同様に、リソグラフィマスク上の構造に基づいて、効果を決定することが可能である。
【0026】
請求項9による測定方法では、フィルタの非回転対称フィルタ効果のために他の測定情報が生じ、前記情報は効果測定のために用いられ得る。回転対称性からのフィルタ効果の偏差は、測定されることになるリソグラフィマスク上の構造の対称性に一致するように適合され得る。非回転対称フィルタ効果を有するこのようなフィルタは、例えば、これが結果として、異なる照射方向からの異なる測定光波長分布を有する、リソグラフィマスクの照射を生じるように、特に測定装置の瞳面内に導入され得る。
【0027】
非回転対称フィルタ効果を有するフィルタは、測定方法のいくつかの応用例において、異なる方位を有して複数回、測定光ビーム内に導入されることができ、測定光は、それぞれの場合において、それぞれの方位でのフィルタの導入に続いて、捕捉される。これはまた、リソグラフィマスクの波長依存測定光反射率の効果についての、および任意にまた、測定装置の構成要素の、特に測定装置のミラーの、波長依存測定光反射率の効果についての、結論が引き出されることを可能にする追加の測定情報をもたらす。
【0028】
第1にリソグラフィマスクの波長依存測定光反射率の効果を測定するため、および第2にリソグラフィマスクへの測定光衝突に対する測定光の偏光の効果を測定するための、2つの測定方法はまた、互いの組み合わせにおいて用いられ得る。このようにして得られる、第1に、波長依存反射率情報、および第2に、偏光情報は、リソグラフィマスクに対する情報に関して、互いに補い合うことができる。
【0029】
2つの測定方法は、波長依存の形で、または偏光依存の形で、測定光の減衰をもたらす交換フィルタを用いて実行され得る。
【0030】
請求項10による測定装置の利点は、測定方法に関連して上記ですでに説明されたものに対応する。具体的には、測定装置は上述の測定方法を実行するために用いられ得る。
【0031】
測定装置の測定光は、波長下限とそれとは異なる波長上限との間の波長帯域幅を有することができる。測定装置と共に用いられ得る少なくとも1つのフィルタは、波長帯域幅内の波長依存透過率を有することができる。
【0032】
少なくとも1つのフィルタホルダは、複数のフィルタがフィルタホルダに挿入され得るように設計され得る。
【0033】
フィルタホルダは、交換フィルタホルダとして、例えばフィルタキャラセル(filter carousel)またはフィルタホイールとして構成され得る。フィルタは、ハイパスフィルタとして、ローパスフィルタとして、バンドパスフィルタとして、ノッチフィルタとして、逆ノッチフィルタとして、および/または偏光フィルタとして構成され得る。交換フィルタホルダは、測定光源と検出器との間の測定光ビームのビーム経路内に現在配置されているそれぞれのフィルタを、少なくとも1つの交換フィルタと交換するように構成され得る。
【0034】
交換フィルタホルダは、フィルタを交換するための駆動機構を備え得る。交換フィルタホルダは、測定光ビームのビーム経路内にそれぞれ挿入されることになるフィルタがそれから選択される、フィルタカートリッジに動作可能に接続され得る。この選択は、測定装置の信号取得および評価デバイスを用いて実施され得る。この目的を達するために、信号取得および評価デバイスは、交換フィルタホルダに信号接続され得る。
【0035】
測定装置は、測定光ビーム経路内の異なる場所に配置された、複数のフィルタホルダを備え得る。波長依存反射率の測定と同様なやり方で、測定装置はまた、リソグラフィマスクの波長依存透過率を測定するために用いられ得る。測定装置の少なくとも1つのフィルタは、フィルタ平面内の非回転対称フィルタ効果を有し得る。測定装置の少なくとも1つのフィルタは、フィルタ平面内の異なるフィルタ効果を有する、異なるフィルタ区間を有し得る。具体的には、これらのフィルタ効果は、それらの波長依存性に関して、および/またはそれらの偏光依存性に関して異なり得る。
【0036】
請求項11によるフィルタホルダは、フィルタをフィルタホルダに挿入することによって、照射角度に敏感な測定光の影響の発生を容易にする。これは、照射角度に依存したリソグラフィマスク効果を測定するために用いられ得る。
【0037】
請求項12によるフィルタホルダの変形体は、実際面でそれらの価値が実証される。フィルタホルダは、測定光源の下流に配置された測定装置の照射光学ユニットの第1のミラーの上流に配置され得る。代替としてまたは追加として、フィルタホルダは、測定光源と視野との間の中間焦点の近傍、すなわちリソグラフィマスク上の衝突領域に配置され得る。フィルタが中間焦点の近傍に配置される場合、開口のそれぞれにフィルタが装備され、好ましくは各フィルタが異なるフィルタ効果を有する、複数の開口を有する焦点絞り(focal stop)が用いられ得る。
【0038】
請求項13による検出器の配置は、空間分解検出器が用いられる場合、測定光に対するリソグラフィマスクの視野固有の効果が決定されることを可能にする。代替としてまたは追加として、検出器は、後者が瞳測定、特に視野依存瞳測定を容易にするように設計され得る。これは、具体的には、第1に、波長依存反射率について、および/または第2に、偏光光学効果について、照射角度分布に対するリソグラフィマスクの効果を決定することを可能にする。
【0039】
請求項14によるフィルタホルダは、傾斜に依存したフィルタ効果の使用、特に偏光光学フィルタ傾斜効果、特にブルースター効果の使用を可能にする。フィルタホルダは、傾斜角が調整可能に規定され得るように設計され得る。
【0040】
フィルタホルダは、測定光がフィルタに衝突するとき、測定光ビーム経路に関してフィルタ方位が規定されるように、設計され得る。
【0041】
フィルタが測定光ビーム経路に対して傾斜を有して配置される場合、請求項15によるフィルタの実施形態は、フィルタの簡潔な配置に繋がり得る。フィルタのフィルタ区間は、互いに平行におよび、間隔が開けられた平面に配置され得る。
【0042】
本発明の例示的実施形態は、図面に関連して以下でより詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】照射システム、結像光学ユニット、および空間分解検出デバイスを備えた、測定光に対する、リソグラフィマスクの効果を測定するための測定装置を概略的に示す図である。
【
図2】
図1と同様な解説図において、測定装置の他の実施形態を示す図である。
【
図3】照射側瞳面と、検出デバイスとの間の測定光ビーム経路を示す表示において、測定装置の他の実施形態を示す図である。
【
図4】測定装置の構成部分として、リソグラフィマスクの波長依存測定光反射率を測定するためのフィルタの平面図である。
【
図5】
図4と比べて時計方向に90°回転された方位を有する、
図4によるフィルタを示す図である。
【
図6】
図4と同様な解説図において、波長依存反射率を測定するためのフィルタの他の実施形態を示す図である。
【
図7】
図5と同様な解説図において、
図6によるフィルタを示す図である。
【
図8】
図4と同様な解説図において、波長依存反射率を測定するためのフィルタの他の実施形態を示す図である。
【
図9】
図5と同様な解説図において、
図8によるフィルタを示す図である。
【
図10】斜視図による解説図において、入射測定光に対する測定装置の実施形態の構成部分として、偏光フィルタの効果を示す図である。
【
図11】法線平面(垂直平面)に関して、測定光ビーム経路に傾斜された、複数のフィルタ区間を有する偏光フィルタの他の実施形態の子午線断面を次に示す図である。
【
図12】測定装置によって測定されることになるリソグラフィマスクの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、反射率および偏光測定装置の形で具現化される、計測システム2における、EUV照射光またはEUV結像光1のビーム経路を、子午線断面に対応する断面図で示す。照射光1は、EUV光源3によって生成される。照射光1はまた、測定光と呼ばれる。
【0045】
位置関係の表示を容易にするために、本明細書の以下ではデカルトxyz座標系が用いられる。
図1のx軸は、図面の平面に垂直に、図面から外に延びる。
図1のy軸は、右に向かって延びる。
図1のz軸は、上向きに延びる。また以下の図において、ローカルデカルトxyまたはxyz座標系が用いられる。このローカル座標系では、それぞれの場合のx軸は、
図1によるグローバル座標系のx軸に平行に延びる。ローカル座標系のx軸を有して、y軸は、それぞれ示される光学構成要素の光学面に広がる。したがって、ローカル座標系のyおよびz軸は、任意に
図1のグローバル座標系のyおよびz軸に関して傾斜される。
【0046】
光源3は、レーザプラズマ源(LPP:レーザ生成型プラズマ)または放電源(DPP:放電生成型プラズマ)とすることができる。原理上は、シンクロトロンベースの光源、例えば自由電子レーザ(FEL)も用いられ得る。照射光1の用いられる波長は、5nm~30nmの範囲内とすることができる。原理上は、計測システム2の変形体の場合において、他の用いられる光波長、例えば193nmの用いられる波長のための光源を用いることが可能である。光源3の測定光1は、集光器によって収集され得る。この場合、集光器は、例えば楕円形集光器または入れ子状集光器とすることができる。
【0047】
図1は、中央視野点の、実線として描かれた、主光線CRとして、および破線で示された、2つの周辺光線として、測定光1のビーム経路を示す。それぞれの場合での前記周辺光線は、計測システム2の瞳面における瞳の範囲を定める。
【0048】
照射光1は、照射の特定の照射設定、すなわち特定の照射角度分布がもたらされるように、光源3もその一部である、計測システム2の照射システム5の概略的に示される照射光学ユニット4において状態調整される。計測システム2の瞳内の照射光1の特定の強度分布は、前記照射設定に対応する。この場合において、例えば複数極照射設定、具体的には4極照射設定を規定することが可能である。他の照射設定も計測システム2内で規定されることができ、例えば具体的には、照射されることになる対象物への垂直または平均入射に近い照射角度を例外として、対象物照射のために実用的にすべての照射角度が用いられる、従来の照射設定と、全体として小さな照射角度、すなわちひいてはそれ自体は省かれ得る、垂直または平均入射に近い照射角度を有する環状照射設定と、または個々の極がそれぞれ、瞳面内に「小葉」輪郭、すなわち両凸面レンズ要素を通る区間におおよそ対応する端部輪郭を有し得る、2極照射設定とがある。
【0049】
照射光学ユニット4は、合計3つのEUVミラーを有し、
図1ではそれらの衝突の順序でIL1、IL2、およびIL3によって示される。フィルタ平面6は、照射光学ユニット4の光源3と第1のミラーIL3との間に位置し、そのフィルタ平面内に、例えばデブリフィルタが配置されることができ、デブリフィルタは、光源3から到来し、不必要に誘導される放射成分および/または粒子成分に対して、測定光1のビーム経路内の下流の光学構成要素を保護する。
【0050】
照射システム5の中間焦点面7は、ミラーIL1とIL2との間に位置する。測定光1の中間焦点IFは、ここに配置される。デブリフィルタの機能に対応する機能を有し得るピンホール絞りは、中間焦点面7内に配置され得る。
【0051】
照射光学ユニット4の瞳面8は、照射光学ユニット4の中間焦点面7と、ミラーIL2との間に位置する。照射設定を規定するための設定絞りは、前記瞳面8内に配置され得る。
【0052】
結像光学ユニットまたは投影光学ユニット9と一緒に、照射システム5は、計測システム2の光学測定システム10を構成する。投影光学ユニット9は、合計3つのEUVミラーを有し、
図1ではそれらの衝突の順序でM1、M2、およびM3によって示される。
【0053】
それぞれ設定された照射設定によって、照射光1は、計測システム2の対物面12の物体視野または視野11を照射する。リソグラフィマスク13は、対物面12内に配置される。このような構造化対象物に対する代替として、非構造化対象物、例えばマスクブランクも測定され得る。
【0054】
対物面12は、xy平面に平行に延びる。物体視野11は同時に、投影光学ユニット9または計測システム2の視野を構成する。
【0055】
リソグラフィマスクまたは対象物13は、
図1に概略的に示されマスクホルダとも呼ばれる対象物ホルダ14によって支持される。対象物13は、対象物ホルダ14と協働する対象物変位駆動機構14aを用いて、少なくとも2つの並進自由度において、対物面12内で移動され得る。対象物変位駆動機構14aによってもたらされるさらなる変位の自由度は、対物面12に垂直、すなわちz方向に沿って存在する。
【0056】
照射光1は、
図1に概略的に示されるように、リソグラフィマスク13によって反射され、瞳面15内の結像光学ユニット9の入射瞳に入る。瞳面15は、
図1の投影光学ユニット8内に概略的に示される。結像光学ユニット9で用いられる瞳は、円形または楕円形の境界を有し得る。
【0057】
結像光学ユニット9は、計測システム2の動作状況において、物体視野11を、計測システム2の像視野、または像平面もしくは測定面17内の測定視野16に結像する。投影光学ユニット9による結像の間の拡大結像スケールは、500より大きい。投影光学ユニット9の実施形態に応じて、拡大結像スケールは、100より大きくすることができ、200より大きくすることができ、250より大きくすることができ、300より大きくすることができ、400より大きくすることができ、また500より大幅に大きくすることができる。投影光学ユニット9の結像スケールは、通常2000未満である。
【0058】
投影光学ユニット9は、物体視野11内に配置された区間である、対象物13の区間を、像平面17内に結像するように働く。
【0059】
計測システム2の空間分解検出デバイスまたは検出器18は、像平面または測定面17内に配置される。この検出デバイスは、CCDカメラとすることができる。したがって、本明細書の以下では、像視野16はまた測定視野と呼ばれるようになる。検出器とも呼ばれる検出デバイス18は、対象物13によって反射される測定光1を捕捉するように働く。
【0060】
視野11は、50μm×50μmより小さな、例えば10μm×10μmのxy平面内に広がりを有する。
【0061】
検出器18は、例えば測定視野16内に、1000×1000画素の分解能を有することができる。
【0062】
視野11内の検出器18の空間分解能は、100nmより良好とすることができ、例えば1nm~10nmとすることができる。
【0063】
実施形態に応じて、検出器18は、第1に測定視野16にわたって測定光1の空間分解捕捉を実施するため、および第2にまた、視野点における測定光1の照射角度分布も、検出器18を用いて各視野点に対して決定され得るように、照射角度分解捕捉を行うために用いられ得る。
【0064】
測定装置または計測システム2は、リソグラフィマスク13上の波長依存測定光反射率の効果を測定するように働く。代替としてまたは追加として、測定装置2は、リソグラフィマスク13の測定光衝突に対する、測定光1の偏光の効果を測定するように働く。測定装置2の構成要素の波長依存反射率または偏光効果も、それを用いて測定され得る。
【0065】
測定装置2は、これらの測定タスクを遂行するための様々なフィルタホルダ、具体的には、デブリフィルタによっても用いられるフィルタ平面6の位置におけるフィルタホルダ19、中間焦点面7の位置におけるフィルタホルダ20、照射光学ユニット瞳面8の位置におけるフィルタホルダ21、および投影光学ユニット瞳面15の位置におけるフィルタホルダ22を用意する。
【0066】
これらのフィルタホルダ19~22は、すべて測定光源3と検出器18との間の、測定光ビーム1のビーム経路内に配置される。
【0067】
計測システム2の信号取得および評価デバイス23は、検出器18に信号接続される(ここでは図示せず)。信号取得および評価デバイス23は、さらに測定装置2の他の構成要素に、例えば特に駆動されるフィルタ変位および/またはフィルタ変更に対して、フィルタホルダ19、20、21、22の駆動機構(ここではより詳細に示されない)に、信号接続され得る。加えて、信号取得および評価デバイス23は、対象物変位駆動機構14aにそれを制御する目的で信号接続され得る。
【0068】
測定光1は、波長下限とそれとは異なる波長上限との間の波長帯域幅を有する。このような波長帯域幅の例は、専門家の論文"Application of a high-brightness electrodeless Z-pinch EUV source for metrology, inspection, and resist development", S. F. Horne et al., SPIE Proceedings of the 31st International Symposium on Microlithography, 2006.に記載されている。例として、波長下限λUGは、13.0nmとすることができ、波長上限λOGは、14.0nmとすることができる。測定光1の中心波長λ0は、13.5nmとすることができる。
【0069】
計測システム2のフィルタホルダ19~22の1つに挿入され得るフィルタの1つは、この波長帯域幅内の波長依存透過率を有するフィルタとすることができる。
【0070】
フィルタの1つは、実線として
図1の挿入図に示される透過関数24を有するローパスフィルタとして具現化され得る。λ
0より短い比較的短い波長に対して、透過関数24は、そこに高い透過率Tが存在する。ローパスフィルタ24の透過率Tは、中心波長λ
0より長い波長に対しては低い。ハイパスフィルタ25の対応する透過関数は、破線を用いて
図1の挿入図にプロットされ、バンドパスフィルタ26の透過関数は、一点鎖線を用いてプロットされている。ハイパスフィルタ25の場合、λ
0より長い波長は、ハイパスフィルタ25の対応して高い透過率のために透過され、λ
0より短い波長は、より大きく吸収される。バンドパスフィルタ26の場合、それぞれに場合に、中心波長λ
0の周りの波長は透過され、λ
0の周りのそれぞれの波長帯域未満の波長、および波長帯域を超える波長は阻止される。
【0071】
ノッチフィルタの透過関数27も、破線を用いて
図1の挿入図に示され、前記ノッチフィルタは、非常に小さな帯域幅を有する逆バンドパスフィルタのように働き、すなわち中心波長λ
0の周りの非常に狭い波長範囲を阻止する。計測システムまたは測定装置2において使用可能なフィルタの他の変形体は、逆ノッチフィルタであり、これは中心波長λ
0の周りの狭い波長範囲内では測定光1を透過し、そうでなければ前記測定光を阻止する。
【0072】
破線として中間焦点面7内のフィルタホルダ20の場合に示されるように、フィルタホルダ20は、フィルタ配置平面28(
図1を参照)が、中間焦点面7と一致する、測定光ビーム経路1に対する法線平面に関して、傾斜されるように方位付けられ得る。
【0073】
説明をさらに進める中で、フィルタホルダ19~22内に配置され得るフィルタに関して他の詳細がある。
【0074】
図2は、
図1に対応するものの代わりに用いられ得る、測定装置29の他の実施形態を示す。
図1に関連してすでに上記で説明されたものに対応する構成要素および機能は、同じ参照記号が付けられ、再び詳しく論じられない。
【0075】
測定装置29の場合、複数のエネルギーセンサ30、例えば3つのエネルギーセンサ30が、照射光学ユニット瞳面8の領域内にあり、前記エネルギーセンサは、例えば照射光学ユニット瞳面8の領域内において測定光ビーム1の周辺の個々の光線を捕捉する。このようにして、測定光源3と照射光学ユニット瞳面8との間の測定光量の変動が、測定光ビーム経路内の後続の構成要素の測定光1に対する効果から、それによって分離され得る正規化データを得ることが可能である。さらにまた照射設定の設定品質が、エネルギーセンサ30を通じて監視され得る。
【0076】
さらに、ペリクル31、すなわちリソグラフィマスク13のための保護フィルムが、
図2に、リソグラフィマスク13から離れて、および負のz方向に対物面12から間隔を開けられて示される。その他の点では、測定装置29の構造は、測定装置2のものに対応する。
【0077】
測定装置32の他の実施形態における、測定光ビーム経路の他の実施形態は、
図3に基づいて以下で述べられる。
図1および2に関連してすでに上記で説明されたものに対応する機能および構成要素は、同じ参照記号が付けられ、再び詳しく論じられない。
【0078】
図3に、照射光学ユニット瞳面8と、検出器18との間の測定光ビーム経路のための、測定装置32が示される。測定装置32の照射システム5は、照射光学ユニット瞳面8と、物体視野11との間の測定光ビーム1に影響する光学構成要素をもたない。したがって、測定装置2および29と比べて、測定装置32には、照射光学ユニットミラーIL2およびIL3がない。その他の点では、測定装置32は、測定装置2および29に対応する。
【0079】
波長依存透過率関数を有するフィルタの例は、
図4および5に基づいて以下で述べられる。
図4および5は、それぞれの場合に平面図で、2つの異なる方位でのフィルタ33を示し、
図5による方位は、
図4および5の図面の平面に垂直な、中心フィルタ軸34の周りに、
図4のものに対して時計方向に90°回転される。
【0080】
波長フィルタ33は、円形の端部35を有し、その透過関数に関して2つの半分に分割され、前記2つの半分は、
図4において垂直な分離線36に関して互いに分離される。
図4の左側の、波長フィルタ33の一方の半分は、透過関数25を有するハイパスフィルタ区間37として具現化される。ハイパスフィルタ区間37を通して放射する測定光1は、中心波長λ
0より短い、短波長において抑圧される。
【0081】
図4の右側の、波長フィルタ33の半分は、
図1の挿入図内の透過関数24に対応する透過関数を有する、ローパスフィルタ区間38として具現化される。ローパスフィルタ区間38において、中心波長λ
0より短い測定光1の波長は透過され、中心波長λ
0より長い波長は抑圧される。
【0082】
例として、リソグラフィマスク13の波長依存測定光反射率の効果を測定する方法を実行するとき、波長フィルタ33は、以下のように用いられる。
【0083】
第1に、リソグラフィマスク13と、測定装置2、29、または32とが用意され、後者は反射率測定装置として動作する。次いで、測定光ビーム1は、視野11内のリソグラフィマスク13に衝突させられる。この場合、フィルタ平面6内のデブリフィルタを除いて、測定装置2、29、または32のフィルタホルダ19~22内に、さらなるフィルタは配置されない。次いで、測定光ビーム1によって衝突された、リソグラフィマスク13の区間から発出する反射された測定光1は、検出器18によって捕捉される。
【0084】
その後に、波長フィルタ33が、照射光学ユニット瞳面8内のフィルタホルダ21内に、または代替として、例えば
図4に示される方位を有して、投影光学ユニット瞳面15内のフィルタホルダ22内に導入される。フィルタ軸34の周りの、フィルタホルダ21または22内の波長フィルタ33の回転方位は、リソグラフィマスク13上の構造の方位に適合される。
【0085】
波長フィルタ33の導入の後、リソグラフィマスク13の衝突された区間から発出する反射された測定光は、検出器18によって捕捉される。次いで、中心波長λ0の周りのリソグラフィマスクの波長依存反射率が直接決定され、または中心波長λ0の周りの波長依存反射率の効果が、「フィルタなし/導入されたフィルタあり」の2つの捕捉結果に基づいて決定される。
【0086】
波長依存反射率の効果は、フィルタ33の導入の結果として、リソグラフィマスク13の構造の像表示の構造解像度における変化とすることができる。例として、限界寸法(CD)は、第1に、導入されるフィルタ33なしで捕捉された測定光1に基づいて、および第2に、導入された波長フィルタ33ありで捕捉された測定光1に基づいて、決定され得る。
【0087】
また、細分された波長フィルタ33の代わりに、それの表面全体にわたって、例えば上記で説明された透過関数24~27の形での、透過関数を有する波長フィルタを導入することが可能である。
【0088】
具体的には、波長フィルタの導入のための最小の達成可能なCD変化が、この形で決定され得る。このようにして、中心波長λ0の周りのリソグラフィマスク13の波長依存反射率を推定することが可能である。
【0089】
「フィルタなし/フィルタなし」の捕捉結果に基づいて、目標波長λ0の周りの波長依存反射率を直接決定するために、以下の形式が用いられ得る。
【0090】
それぞれの瞳面内の瞳座標(k
x、k
y)を用いて、測定装置2、29、32の瞳面を通過する測定光1の強度S
σ(λ)は、以下のように書かれ得る。
【数1】
【0091】
Pσは、それぞれの瞳面8または5の利用される瞳内の、どこに測定光1が存在するかを再現する瞳関数である。従来の照射設定の場合、Pσは例えば、測定装置2、29、または32の瞳内のすべての瞳座標kx、kyに対して1であり、他のすべて場所でゼロである。原理上は、瞳関数Pσの値はまた、ゼロと1との間の「グレースケール」を採用することができる。
【0092】
I(kx,ky,λ)は、波長λに対する、1つの瞳座標からの、すなわち厳密に1つの照射方向からの測定光1の光度である。
【0093】
エネルギーセンサ30によって検出された光度S
ESは、次のように書かれ得る。
【数2】
【0094】
エネルギーセンサ30は、すべての波長にわたって積分する。
【0095】
測定視野16のxおよびy座標内の空間分解能を有する検出デバイス18のCCD検出器によって検出された、光度S
CCD(x,y)は、S
σ(λ)の関数として次のように書かれ得る。
【数3】
【0096】
この場合、以下のようになる。
【0097】
TIL2(λ)、TIL3(λ)は、照射光学ユニット4のミラーIL2およびIL3の波長依存反射率である。それに従ってミラーIL1の波長依存反射率も考察され得る。
【0098】
RRet(x,y,θ,λ)は、視野11のそれぞれの位置の対物面12における、測定光1の照射角度θに依存した、視野位置x、yの関数としてのリソグラフィマスク13の反射率である。
【0099】
T
NAは、フィルタの、具体的にはフィルタ33の、瞳面8または15における波長依存透過率であり、すなわち例えば
図1の挿入図の透過関数24~27の1つであり、T
NAはまた、例えば
図4による波長フィルタ33の形で、細分された波長フィルタ33が用いられる場合、瞳座標に依存する。
【0100】
TM1(λ)、TM2(λ)、TM3(λ)は、投影光学ユニット9の3つのミラーM1、M2、およびM3の波長依存反射率である。
【0101】
ACCD(λ)は、検出器18のCCDセンサの波長依存吸収係数、または波長依存感度である。
【0102】
以下では、第1に、中心波長λ0の周りのリソグラフィマスク13の反射率と、第2に中心波長λ0の周りのフィルタ33の透過関数とは、突然変化しないという仮定がなされる。次いで、摂動論において慣例的であるように、RRet(x,y,θ,λ)およびTNA(λ)は共に、中心波長λ0からの波長λの偏差の冪乗による展開として書かれ得る。
【0103】
次に、積T
NA(λ)R
Ret(x,y,θ,λ)が上記の数式(1)に代入されることができ、追加として正規化強度ι(x,y)=S
CCD(x,y)/S
ESも考慮に入れられる。これは以下を生じる。
【数4】
【0104】
ここで、項Σ
(0)、Σ
(1)、およびΣ
(2)は以下を表す。
【数5】
(0次)
【数6】
(1次)
【数7】
(2次)
【0105】
一次近似に対して、量Σ(0)、Σ(1)、およびΣ(2)は、光源3の強度変動に依存しない。
【0106】
以下の関心のある量、
- R
Ret(x,y,λ
0)、すなわち中心波長λ
0でのリソグラフィマスク13の反射率、
-
【数8】
、すなわち目標波長λ
0でのリソグラフィマスク13の反射率の一次導関数、および
-
【数9】
、すなわち中心波長λ
0での波長依存反射率の曲率
を決定するために、最初に2つの透過関数T
(1)
NA(λ
0)、T
(2)
NA(λ
0)が必要であり、前記透過関数は、第1に中心波長λ
0の周りの透過関数の形において、およびまたそれらの一次および二次導関数
【数10】
および
【数11】
に関して異なる。第3の透過関数T
(3)
NAは自明に、波長フィールド(wavelength field:波長視野)なしでの測定によって生じ、したがって以下は、T
(3)
NA(λ
0)=1が当てはまり、それぞれの場合において、0の一次導関数および曲率に対する値を有する。
【0107】
第1の波長フィルタ、例えば
図1による透過関数24を有するフィルタを用いた、第1のフィルタ関数T
(1)
NAによるものと、フィルタ関数T
(2)
NA、例えば
図1による透過関数25を有する第2のフィルタを用いたものと、透過関数T
(3)
NAを有するフィルタなしでのものとの、3つの測定に対する連立方程式が生じる。
【0108】
【0109】
次いで、
【数15】
および
【数16】
に対する所望の値が、この連立一次方程式から決定され得る。フィルタ面にわたって変化する透過関数を有する、
図4による波長フィルタ33の形での波長フィルタの使用がなされる範囲で、反射率、それらの勾配、および中心波長λ
0でのそれらの曲率に対するこれらの値は、依然として照射角度の関数として決定され得る。このようにして、特に、構造の影響も取得され得る。
【0110】
測定方法を実行する範囲内で、
図4による波長フィルタ33が、それぞれのフィルタホルダ内に、例えば複数の方位において、フィルタホルダ21および22内に導入され得る。
【0111】
図5は、このような他の方位を示し、この場合、波長フィルタ33は、
図4による方位と比べて、図面軸34の周りに90°まで時計方向に回転されて方位付けられる。それに従って、分離線36は、
図5による波長フィルタ33の方位の場合は水平であり、ハイパスフィルタ区間37は上部に位置し、ローパスフィルタ区間38は下部に位置する。
【0112】
図6および7は、測定方法を実行するときに波長フィルタ33に対する代替または追加として用いられ得る、他の波長フィルタ39を示す。ローパスフィルタ区間38の代わりに、波長フィルタ39は、T=1の式が当てはまる、完全に透過性のフィルタ区間40を有する。波長フィルタ39はまた、波長フィルタ33のようなハイパスフィルタ区間37を有する。
【0113】
図6は、
図4による波長フィルタ33の方位に対応する、垂直の分離線36の方位にある波長フィルタ39を示す。
【0114】
図5と同様に、
図7は、時計方向に90°回転された波長フィルタ39を示す。
【0115】
図8および9は、
図1による透過関数を有する、波長フィルタ33および39に対する、または上記ですでに説明された他のフィルタに対する、代替または追加として用いられ得る波長フィルタ39aの他の実施形態を示す。波長フィルタ39aの構造は、
図6および7による波長フィルタ39のものに対応する。ハイパスフィルタ区間37の代わりに、波長フィルタ39aは、波長フィルタ33に関して上記ですでに説明されたものに対応する、ローパスフィルタ区間38を有する。
【0116】
図8および9は、
図6および7の波長フィルタ39のものに対応する、2つの方位における波長フィルタ39aを示す。
【0117】
図10は、偏光フィルタ41と、偏光フィルタ41を通過する測定光ビーム1の偏光状態に対するそれの効果とを示す。
【0118】
偏光フィルタ41は、リソグラフィマスク13に対する波長依存測定光反射率の効果を測定するための上述の方法に対する代替または追加として、測定装置2、29、または32を用いて、リソグラフィマスク13への測定光衝突に対する、測定光1の偏光の効果を測定する方法において用いられ得る。
【0119】
偏光フィルタ41は、偏光座標x
P、y
Pによって広げられる、
図10の図面の平面に関してy
P軸に平行な軸の周りに傾斜されて配置される。偏光フィルタ41のフィルタ配置平面28に広がる座標x
F、y
Fは、
図10に同様にプロットされる。y
F座標は、y
P座標に平行に延びる。x
F座標は、x
P座標に対してある角度で延びる。この角度は、測定光ビーム経路1に対する、法線平面xyに関してのフィルタ配置平面x
Fy
Fの傾斜角に対応し、これはひいては偏光面x
Py
Pに平行して延びる。
【0120】
偏光面xPyPに関して、フィルタ配置平面xFyFの傾斜角は、測定光1のx偏光成分42に対してブルースター条件が満足されるようなものである。その結果として、x偏光成分42は、偏光フィルタ41の通過の間は減衰されない。x偏光成分42は、フィルタ配置平面xFyFへの測定光1の入射面に関する、p偏光成分である。この入射面は、測定光ビーム1の偏光座標のxz平面に平行である。
【0121】
測定光1のy偏光成分43は、偏光フィルタ41の通過の間に減衰され、なぜならこのy偏光成分43は、入射面xzに関してs偏光成分を表すからである。
【0122】
したがって、偏光フィルタ41は、測定光1の偏光状態を変化させる。偏光フィルタ41の通過の後、測定光1は、偏光フィルタ41への衝突の前の、測定光1の生の偏光状態とは異なるフィルタ偏光状態で存在する。
【0123】
x/y偏光成分42、43が、偏光フィルタ41への入射の前に、例えば1/1の強度比率を有していた場合、この比率は、偏光フィルタ41の通過の後、1/2または0.5/1の比率に変化している。
【0124】
リソグラフィマスク13への測定光衝突に対する、測定光1の偏光の効果を測定するために、リソグラフィマスク13、および測定装置2、29、または32の実施形態の1つの測定装置が、再び最初に用意される。測定光源3は、生の偏光状態で測定光1を生成する。1回目の、測定光ビーム1を測定装置2の視野11内のリソグラフィマスク13に衝突させることと、検出器13および未使用の偏光フィルタを用いて、リソグラフィマスク13の衝突された区間から発出する測定光1を捕捉することとの後、偏光フィルタ41が、続いて測定装置2、29、または32のフィルタホルダの1つに、例えばフィルタホルダ19におよび/またはフィルタホルダ20に挿入される。
【0125】
その後に、リソグラフィマスク13の衝突された区間から発出する測定光1は、偏光フィルタ41が導入された後、再び検出器18を用いて捕捉される。
【0126】
次いで、リソグラフィマスク13の測定光衝突に対する、測定光1の偏光の効果が、「偏光フィルタなし/あり」の2つの捕捉ステップの結果に基づいて決定される。
【0127】
この偏光効果は、波長λ
0での反射率の決定と併せて上記で説明された形式を用いて、2つの偏光方向x
P、y
Pに対して決定され得る。この目的を達するために、「偏光フィルタを導入する」および「偏光フィルタが導入された後に測定光を捕捉する」ステップが、測定光1に対するそれらの偏光効果に関して異なる複数の偏光フィルタに対して反復される。代替としてまたは追加として、また、同一の偏光フィルタ41が、異なる方位を有して、測定光1のビーム経路内に導入されることが可能である。
図10による方位とは異なる、このような方位は、y軸の周りの傾斜角に関して、および/または測定光ビーム1の座標xyzに対するフィルタ配置平面x
Fy
Fの方位に関して異なり得る。したがって、例えば、偏光フィルタ41はまた、ブルースター条件がy偏光成分43に対して満たされるように方位付けられ得る。
【0128】
反射率測定方法の関連において上述されたような、リソグラフィマスク13の反射率に基づいて、構造解像度における変化を決定することと類似のやり方で、偏光測定方法は、それぞれの偏光フィルタ41の導入によって、リソグラフィマスク13上の、構造の像表示の構造解像度の変化を、効果として決定するために用いられ得る。この目的を達するために、ひいてはCDが決定され得る。構造解像度におけるこの変化は、具体的には、リソグラフィマスク13の構造の方位に応じて決定され得る。
【0129】
図11は、偏光フィルタ41の代わりに用いられ得る、偏光フィルタ44の他の実施形態を示す。偏光フィルタ44は、例えばフィルタホルダ19および20の1つとすることができる、フィルタホルダ内に保持されて示される。
図11は、例示的な形で、中間焦点面7内のフィルタホルダ20を示す。
図11の図面の平面は、この中間焦点面7に垂直である。
【0130】
偏光フィルタ44は、示される実施形態において、複数のフィルタ区間、合計4つのフィルタ区間45、46、47、48を有し、前記フィルタ区間のフィルタ配置平面28
1、28
2、28
3、および28
4は互いに平行に位置し、それぞれは法線平面xyに関して、
図11の上部から、すなわち負のz方向に偏光フィルタ44に当たる、測定光1のビーム経路に傾斜される。中間焦点面7に平行に位置する、法線平面xyに関してのフィルタ配置平面28i(=x
Fy
F)の傾斜に関わらず、偏光フィルタ44のフィルタ区間45~48への細分化のために、測定光ビーム方向に、すなわち
図11のz方向に生じる、投影フィルタ44の設置スペースは小さいので有利である。
【0131】
図12は、例として、測定されることになるリソグラフィマスク13の実施形態を示す。リソグラフィマスク13は、中央ゾーン13
1に分割され、そこには、投影露光の間のリソグラフィマスク13の使用の間に、構造化されることになるウェハ上に結像される構造が用意される。この中央ゾーン13
1は、おおよそ正方形である。
【0132】
中央ゾーン131は、中央ゾーン131と比べて低減される照射光1に対する最大反射率を有する、遷移ゾーン132によって取り囲まれる。反射区間50は、対象物13に衝突する測定光1の信号強度を決定するために、遷移ゾーン132の場所に配置され得る。視野11に衝突する測定光ビーム1に加えて、照射システム5は、対象物13上の、反射区間50の少なくとも1つが、少なくとも1つの他の測定光ビームを用いて衝突されるように設計され得る。次いで、それぞれの他の測定光ビームは、反射区間50によって、測定光信号強度を決定するための上述のエネルギーセンサ30に対応する、少なくとも1つのエネルギーセンサ51に向けられる。
【0133】
図12に概略的に示される、このようなエネルギーセンサ51は、対象物13が移動されたときに移動されない、測定装置2の空間的に固定された構成要素上に配置され得る。
【0134】
遷移ゾーン13
2は、中央ゾーン13
1の外周の周りに延びるように設計される。遷移ゾーン13
2は、ひいては対象物13の周辺ゾーン13
3によって取り囲まれる。後者は、対象物ホルダ14と協働するように働き、一般に無反射であるように設計されるが、
図12に示されるように、同様に反射区間50を支持することができる。
【0135】
中央ゾーン131の最大反射は、入射測定光1の60%~70%の範囲内とすることができる。遷移ゾーン132の最大反射は、入射測定光1の55%~65%の範囲内とすることができる。
【0136】
上述のフィルタは、薄膜として実現され得る。具体的には、これらのフィルタは、多層系として構築され得る。波長依存透過率に対する、および/または伝送される測定光の偏光に対する、このような多層系の影響は、技術文献で述べられているアルゴリズムを用いて計算され得る。このような多層系の構成において用いられる適切な材料の屈折率は表にされており、例えば、インターネットサイトhttp://henke.lbl.gov/optical_constants/から利用可能である。
【0137】
偏光フィルタ41は、入射測定光のある特定の偏光成分を、別の偏光成分に対して、例えばs偏光された測定光を、p偏光された測定光に対して減衰させることができる。このような偏光フィルタは、多層系を規定し、最適化することによって設計され得る。偏光フィルタ41に対する測定光の入射角は、多層設計と一緒に規定されおよび/または最適化され得る。
【0138】
フィルタの多層系は、周期的または非周期的となるように選ばれ得る。
【0139】
偏光フィルタ41の2つの偏光成分(s偏光成分、p偏光成分、または接線偏光成分、およびサジタル偏光成分)に対する反射率および透過率は、技術文献から知られているように伝送行列形式を用いて計算され得る。
【符号の説明】
【0140】
1 照射光
2 計測システム
3 光源
4 照射光学ユニット
5 照射システム
6 フィルタ平面
7 中間焦点面
8 瞳面
9 投影光学ユニット
CR 主光線
IF 中間焦点
IL1 ミラー
IL2 ミラー
IL3 ミラー
M1 ミラー
M2 ミラー
M3 ミラー
10 光学測定システム
11 視野、物体視野
12 対物面
13 リソグラフィマスク
14 対象物ホルダ
14a 対象物変位駆動機構
15 瞳面
16 測定視野
17 測定面
18 検出器
19 フィルタホルダ
20 フィルタホルダ
21 フィルタホルダ
22 フィルタホルダ
23 信号取得および評価デバイス
24 ローパスフィルタ
25 ハイパスフィルタ
26 バンドパスフィルタ
27 ノッチフィルタ
28 フィルタ配置平面
29 測定装置
30 エネルギーセンサ
31 ペリクル
32 測定装置
33 波長フィルタ
34 フィルタ軸
35 端部
36 分離線
37 ハイパスフィルタ区間
38 ローパスフィルタ区間
39 波長フィルタ
39a 波長フィルタ
40 透過性フィルタ区間
41 偏光フィルタ
42 x偏光成分
43 y偏光成分
44 偏光フィルタ
45 フィルタ区間
46 フィルタ区間
47 フィルタ区間
48 フィルタ区間
281 フィルタ配置平面
282 フィルタ配置平面
283 フィルタ配置平面
284 フィルタ配置平面
50 反射区間
51 エネルギーセンサ
131 中央ゾーン
132 遷移ゾーン
133 周辺ゾーン
【手続補正書】
【提出日】2022-08-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
この目的は、当初請求項1に記載される特徴を有する測定方法による本発明により達成される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
当初請求項2による方法の場合、それらの偏光効果に関して異なる偏光フィルタを用いた捕捉は、効果を決定するときに用いられ得る追加の情報をもたらす。複数の異なる偏光フィルタの使用に対する代替として、また原理として、それぞれの場合に異なる方位を有して、測定光ビーム経路内に、同一の偏光フィルタを導入することが可能である。具体的には、偏光フィルタに対する測定光の入射角を変化させることが可能であり、あるいは偏光フィルタに対する測定光ビームの入射面の方位を変化させることが可能である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
当初請求項3による方法において、構造解像度は、導入されるフィルタを用いずに、および用いて比較される。測定光の偏光に対するリソグラフィマスクの効果は、像表示の構造解像度に対するそれの効果として測定される。構造解像度の尺度として、限界寸法(CD)が決定され得る。構造解像度は、空間分解のやり方で測定する検出器、例えばCCD検出器またはCMOS検出器を用いて測定され得る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
本発明によれば、この目的は、当初請求項4に記載される特徴を有する方法によって達成される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
捕捉結果の情報の内容は、それらの波長依存透過率に関して異なる複数のフィルタの使用のために、当初請求項5による測定方法において、増加される。少なくとも1つのハイパスフィルタ、少なくとも1つのローパスフィルタ、少なくとも1つのバンドパスフィルタ、あるいは少なくとも1つのノッチフィルタが使用され得る。目標波長を通過させ、および隣接した波長を阻止する、逆ノッチフィルタも用いられ得る。応用例に応じて、これらの様々なフィルタ変形体はまた、組み合わせにおいて用いられ得る。複数の異なるフィルタの順次的な導入の代わりに、また、同一のフィルタが複数回、例えば異なる方位を有して、それぞれの導入された位置においてその波長依存透過率が変化するように導入され得る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
当初請求項6による方法の利点は、当初請求項3に関連して上記ですでに説明されたものに対応する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
当初請求項7による波長依存反射率の直接決定は、比較可能な、および特に絶対的に較正可能な結果をもたらし、それらの比較可能性を向上させる。波長依存反射率の決定の範囲内で、反射率は目標波長において決定されることができ、さらに、反射率の波長依存勾配は、前記目標波長において決定され得る。次いで、目標波長のすぐ近くでの反射率が、決定された勾配を介して推定され得る。追加としてまた、目標波長での反射率の波長依存曲率を決定することが可能であり、目標波長の近傍における反射率の決定の正確さをさらに改善するのに役立ち得る。原理上はまた、反射率と波長との間の関数的関係のより高次の導関数を決定することが可能である。これは、波長帯域幅内の透過率の異なる波長依存性を有する、異なるフィルタ導入状況に対して、反射された測定光を適切な回数、捕捉することによって実施され得る。捕捉の数に応じて、対応する数の相互に独立な波長依存効果の量を決定することが可能である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
リソグラフィマスクは、通常は等方性構造をもたず、しばしば例えば好ましい構造方向、例えば水平もしくは垂直構造を有する構造断面を有し、または一定の構造対称性を有する構造断面を有する。これは当初請求項8による測定方法において考慮される。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
反射率または偏光効果を決定するとき、当初請求項8の関連において説明されたものと同様に、リソグラフィマスク上の構造に基づいて、効果を決定することが可能である。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
当初請求項9による測定方法では、フィルタの非回転対称フィルタ効果のために他の測定情報が生じ、前記情報は効果測定のために用いられ得る。回転対称性からのフィルタ効果の偏差は、測定されることになるリソグラフィマスク上の構造の対称性に一致するように適合され得る。非回転対称フィルタ効果を有するこのようなフィルタは、例えば、これが結果として、異なる照射方向からの異なる測定光波長分布を有する、リソグラフィマスクの照射を生じるように、特に測定装置の瞳面内に導入され得る。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
当初請求項10による測定装置の利点は、測定方法に関連して上記ですでに説明されたものに対応する。具体的には、測定装置は上述の測定方法を実行するために用いられ得る。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
当初請求項11によるフィルタホルダは、フィルタをフィルタホルダに挿入することによって、照射角度に敏感な測定光の影響の発生を容易にする。これは、照射角度に依存したリソグラフィマスク効果を測定するために用いられ得る。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
当初請求項12によるフィルタホルダの変形体は、実際面でそれらの価値が実証される。フィルタホルダは、測定光源の下流に配置された測定装置の照射光学ユニットの第1のミラーの上流に配置され得る。代替としてまたは追加として、フィルタホルダは、測定光源と視野との間の中間焦点の近傍、すなわちリソグラフィマスク上の衝突領域に配置され得る。フィルタが中間焦点の近傍に配置される場合、開口のそれぞれにフィルタが装備され、好ましくは各フィルタが異なるフィルタ効果を有する、複数の開口を有する焦点絞り(focal stop)が用いられ得る。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
当初請求項13による検出器の配置は、空間分解検出器が用いられる場合、測定光に対するリソグラフィマスクの視野固有の効果が決定されることを可能にする。代替としてまたは追加として、検出器は、後者が瞳測定、特に視野依存瞳測定を容易にするように設計され得る。これは、具体的には、第1に、波長依存反射率について、および/または第2に、偏光光学効果について、照射角度分布に対するリソグラフィマスクの効果を決定することを可能にする。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
当初請求項14によるフィルタホルダは、傾斜に依存したフィルタ効果の使用、特に偏光光学フィルタ傾斜効果、特にブルースター効果の使用を可能にする。フィルタホルダは、傾斜角が調整可能に規定され得るように設計され得る。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
フィルタが測定光ビーム経路に対して傾斜を有して配置される場合、当初請求項15によるフィルタの実施形態は、フィルタの簡潔な配置に繋がり得る。フィルタのフィルタ区間は、互いに平行におよび、間隔が開けられた平面に配置され得る。
[当初請求項1]
リソグラフィマスク(13)への測定光衝突に対する測定光(1)の偏光の効果を測定する方法であって、
- 前記リソグラフィマスク(13)を用意するステップと、
- 偏光測定装置(2;29;32)を用意するステップであって、
-- 生の偏光状態を有する測定光(1)を生成するための測定光源(3)と、
-- 前記リソグラフィマスク(13)を保持するためのマスクホルダ(14)と、
-- 前記マスクホルダ(14)の下流の測定光ビーム経路内の、前記測定光(1)を捕捉するための検出器(18)と
を有する、前記偏光測定装置(2;29;32)を用意するステップと、
- 測定光ビーム(1)を、前記測定装置(2;29;32)の視野(11)内の前記リソグラフィマスク(13)に衝突させるステップと、
- 前記検出器(18)を用いて、前記リソグラフィマスク(13)の衝突された区間から発出する前記測定光(1)を捕捉するステップと、
- 前記生の偏光状態とは異なるフィルタ偏光状態を有する測定光を生成するために、前記測定光源(3)と前記検出器(18)との間の、前記測定光ビームの前記ビーム経路内に、前記測定光(1)に対する偏光依存効果を有する偏光フィルタ(41;44)を導入するステップであって、
- 前記偏光フィルタ(41;44)は、入射測定光(1)の別の偏光成分に関して、前記入射測定光(1)の一定の偏光成分を前記偏光フィルタが減衰する、前記測定光(1)に対する偏光依存効果を有する、前記偏光フィルタ(41;44)を導入するステップと、
- 前記偏光フィルタ(41;44)が導入された後に、再び前記検出器(18)を用いて、前記リソグラフィマスク(13)の衝突された区間から発出する前記測定光(1)を捕捉するステップと、
- 捕捉結果に基づいて、前記リソグラフィマスク(13)への前記測定光衝突に対する、前記測定光(1)の前記偏光の前記効果を決定するステップと
を含む方法。
[当初請求項2]
前記フィルタを導入する前記ステップ、および前記偏光フィルタが導入された後に前記測定光を捕捉する前記ステップは、前記測定光(1)に対する偏光効果に関して異なる複数の偏光フィルタ(41;44)に対して反復されることを特徴とする、当初請求項1に記載の方法。
[当初請求項3]
前記偏光測定装置(2;29;32)は、前記視野(11)内に配置された物体視野を、像視野(16)内に結像するための投影光学ユニット(9)を備え、前記偏光フィルタ(41;44)の導入の結果としての、像表示の構造解像度における変化が、効果として決定されることを特徴とする、当初請求項1または2に記載の方法。
[当初請求項4]
リソグラフィマスク(13)上の波長依存測定光反射率RRetの効果を測定する方法であって、
- 前記リソグラフィマスク(13)を用意するステップと、
- 反射率測定装置(2;29;32)を用意するステップであって、
-- 波長下限とそれとは異なる波長上限との間の波長帯域幅を有する測定光(1)を生成するための測定光源(3)と、
-- 前記リソグラフィマスク(13)を保持するためのマスクホルダ(14)と、
-- 前記マスクホルダ(14)内の前記リソグラフィマスク(13)によって反射された、測定光(1)を捕捉するための検出器(18)と
を有する前記反射率測定装置(2;29;32)を用意するステップと、
- 測定光ビーム(1)を、前記測定装置(2;29;32)の視野(11)内の前記リソグラフィマスク(13)に衝突させるステップと、
- 前記検出器(18)を用いて、前記リソグラフィマスク(13)の衝突された区間から発出する前記反射された測定光(1)を捕捉するステップと、
- 前記測定光源(3)と前記検出器(18)との間の、前記測定光ビーム(1)のビーム経路内に、前記波長帯域幅内の波長依存透過率(24~27)を有する、フィルタ(33;39;39a)を導入するステップと、
- 前記フィルタ(33;39;39a)が導入された後に、再び前記検出器(18)を用いて、前記リソグラフィマスク(13)の衝突された区間から発出する前記反射された測定光(1)を捕捉するステップと、
- 捕捉結果に基づいて、波長依存反射率RRet、または波長依存反射率RRetの効果を決定するステップと
を含む方法。
[当初請求項5]
フィルタを導入する前記ステップ、および前記フィルタが導入された後に前記反射された測定光を捕捉する前記ステップは、波長依存透過率(24~27)に関して異なる、複数のフィルタ(33;39;39a)に対して反復されることを特徴とする、当初請求項4に記載の方法。
[当初請求項6]
前記反射率測定装置(2;29;32)は、前記視野(11)内に配置された物体視野を、像視野(16)内に結像するための投影光学ユニット(9)を備え、フィルタ(33;39;39a)の導入の結果としての、像表示の構造解像度における変化が、効果として決定されることを特徴とする、当初請求項4または5に記載の方法。
[当初請求項7]
前記波長依存反射率RRetは、波長帯域幅内の目標波長(λ0)の周りの波長範囲内の捕捉結果に基づいて決定されることを特徴とする、当初請求項4~6のいずれか1項に記載の方法。
[当初請求項8]
前記リソグラフィマスク(13)上の構造の前記波長依存反射率RRetに対する影響は、波長依存反射率RRetを決定するときに決定されることを特徴とする、当初請求項7に記載の方法。
[当初請求項9]
前記フィルタ(33;39;39a)は、フィルタ配置平面(28)内で非回転対称フィルタ効果を有し、前記フィルタ配置平面(28)に垂直な回転軸(34)に対して定義された方位を有する前記測定光ビーム(1)の前記ビーム経路内に導入されることを特徴とする、当初請求項4~8のいずれか1項に記載の方法。
[当初請求項10]
測定光(1)に対する、リソグラフィマスク(13)の効果を測定するための測定装置(2;29;32)であって、
- 測定光(1)を生成するための測定光源(3)と、
- 前記リソグラフィマスク(13)の区間が、前記測定光(1)が衝突することができる視野(11)内に配置されるように、前記リソグラフィマスク(13)を保持するためのマスクホルダ(14)と、
- 前記マスクホルダ(14)内の前記リソグラフィマスク(13)によって反射される、前記測定光(1)を捕捉するための検出器(18)と、
- 前記測定光源(3)と前記検出器(18)との間の、測定光ビーム(1)のビーム経路内に配置された、少なくとも1つのフィルタ(33;39;39a;41;44)を有する、少なくとも1つのフィルタホルダ(19、20、21、22)であって、
- 交換可能なフィルタホルダとして設計される、
少なくとも1つのフィルタホルダ(19、20、21、22)と、
- 前記検出器(18)に信号接続された、信号取得および評価デバイス(23)と
を有する測定装置(2;29;32)。
[当初請求項11]
前記フィルタホルダ(21、22)は、前記測定装置(2;29;32)の瞳面(8、15)内に配置されることを特徴とする、当初請求項10に記載の測定装置。
[当初請求項12]
前記フィルタホルダ(19~22)は、前記測定光源(3)と、前記マスクホルダ(14)との間の、前記測定光ビーム(1)の前記ビーム経路内、および/または前記マスクホルダ(14)と、前記検出器(18)との間の前記測定光ビーム(1)の前記ビーム経路内に配置されることを特徴とする、当初請求項10または11に記載の測定装置。
[当初請求項13]
前記視野(11)内に配置された物体視野(11)を、像平面(17)内に結像するための投影光学ユニット(9)であって、前記検出器(18)は、前記像平面(17)内に配置される、投影光学ユニット(9)を特徴とする当初請求項10~12のいずれか1項に記載の測定装置。
[当初請求項14]
前記フィルタホルダ(20)は、フィルタ配置平面(28)が法線平面(7)に関して、測定光ビーム経路に傾斜されるように方位付けられることを特徴とする、当初請求項10~13のいずれか1項に記載の測定装置。
[当初請求項15]
前記フィルタ(44)は、法線平面(xy)に関して、前記測定光(1)のビーム方向(z)に傾斜された、複数のフィルタ区間(45、46、47、48)を有することを特徴とする、当初請求項10~14のいずれか1項に記載の測定装置。
【手続補正17】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィマスク(13)への測定光衝突に対する測定光(1)の偏光の効果を測定する方法であって、
- 前記リソグラフィマスク(13)を用意するステップと、
- 偏光測定装置(2;29;32)を用意するステップであって、
-- 生の偏光状態を有する測定光(1)を生成するための測定光源(3)と、
-- 前記リソグラフィマスク(13)を保持するためのマスクホルダ(14)と、
-- 前記マスクホルダ(14)の下流の測定光ビーム経路内の、前記測定光(1)を捕捉するための検出器(18)と
を有する、前記偏光測定装置(2;29;32)を用意するステップと、
- 測定光ビーム(1)を、前記測定装置(2;29;32)の視野(11)内の前記リソグラフィマスク(13)に衝突させるステップと、
- 前記検出器(18)を用いて、前記リソグラフィマスク(13)の衝突された区間から発出する前記測定光(1)を捕捉するステップと、
- 前記生の偏光状態とは異なるフィルタ偏光状態を有する測定光を生成するために、前記測定光源(3)と前記検出器(18)との間の、前記測定光ビームの前記ビーム経路内に、前記測定光(1)に対する偏光依存効果を有する偏光フィルタ(41;44)を導入するステップであって、
- 前記偏光フィルタ(41;44)は、入射測定光(1)の別の偏光成分に関して、前記入射測定光(1)の一定の偏光成分を前記偏光フィルタが減衰する、前記測定光(1)に対する偏光依存効果を有する、前記偏光フィルタ(41;44)を導入するステップと、
- 前記偏光フィルタ(41;44)が導入された後に、再び前記検出器(18)を用いて、前記リソグラフィマスク(13)の衝突された区間から発出する前記測定光(1)を捕捉するステップと、
- 捕捉結果に基づいて、前記リソグラフィマスク(13)への前記測定光衝突に対する、前記測定光(1)の前記偏光の前記効果を決定するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記フィルタを導入する前記ステップ、および前記偏光フィルタが導入された後に前記測定光を捕捉する前記ステップは、前記測定光(1)に対する偏光効果に関して異なる複数の偏光フィルタ(41;44)に対して反復されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記偏光測定装置(2;29;32)は、前記視野(11)内に配置された物体視野を、像視野(16)内に結像するための投影光学ユニット(9)を備え、前記偏光フィルタ(41;44)の導入の結果としての、像表示の構造解像度における変化が、効果として決定されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
リソグラフィマスク(13)上の波長依存測定光反射率RRetの効果を測定する方法であって、
- 前記リソグラフィマスク(13)を用意するステップと、
- 反射率測定装置(2;29;32)を用意するステップであって、
-- 波長下限とそれとは異なる波長上限との間の波長帯域幅を有する測定光(1)を生成するための測定光源(3)と、
-- 前記リソグラフィマスク(13)を保持するためのマスクホルダ(14)と、
-- 前記マスクホルダ(14)内の前記リソグラフィマスク(13)によって反射された、測定光(1)を捕捉するための検出器(18)と
を有する前記反射率測定装置(2;29;32)を用意するステップと、
- 測定光ビーム(1)を、前記測定装置(2;29;32)の視野(11)内の前記リソグラフィマスク(13)に衝突させるステップと、
- 前記検出器(18)を用いて、前記リソグラフィマスク(13)の衝突された区間から発出する前記反射された測定光(1)を捕捉するステップと、
- 前記測定光源(3)と前記検出器(18)との間の、前記測定光ビーム(1)のビーム経路内に、前記波長帯域幅内の波長依存透過率(24~27)を有する、フィルタ(33;39;39a)を導入するステップと、
- 前記フィルタ(33;39;39a)が導入された後に、再び前記検出器(18)を用いて、前記リソグラフィマスク(13)の衝突された区間から発出する前記反射された測定光(1)を捕捉するステップと、
- 捕捉結果に基づいて、波長依存反射率RRet、または波長依存反射率RRetの効果を決定するステップと
を含む方法。
【請求項5】
フィルタを導入する前記ステップ、および前記フィルタが導入された後に前記反射された測定光を捕捉する前記ステップは、波長依存透過率(24~27)に関して異なる、複数のフィルタ(33;39;39a)に対して反復されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記反射率測定装置(2;29;32)は、前記視野(11)内に配置された物体視野を、像視野(16)内に結像するための投影光学ユニット(9)を備え、フィルタ(33;39;39a)の導入の結果としての、像表示の構造解像度における変化が、効果として決定されることを特徴とする、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記波長依存反射率RRetは、波長帯域幅内の目標波長(λ0)の周りの波長範囲内の捕捉結果に基づいて決定されることを特徴とする、請求項4または5に記載の方法。
【請求項8】
前記リソグラフィマスク(13)上の構造の前記波長依存反射率RRetに対する影響は、波長依存反射率RRetを決定するときに決定されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記フィルタ(33;39;39a)は、フィルタ配置平面(28)内で非回転対称フィルタ効果を有し、前記フィルタ配置平面(28)に垂直な回転軸(34)に対して定義された方位を有する前記測定光ビーム(1)の前記ビーム経路内に導入されることを特徴とする、請求項4または5に記載の方法。
【請求項10】
測定光(1)に対する、リソグラフィマスク(13)の効果を測定するための測定装置(2;29;32)であって、
- 測定光(1)を生成するための測定光源(3)と、
- 前記リソグラフィマスク(13)の区間が、前記測定光(1)が衝突することができる視野(11)内に配置されるように、前記リソグラフィマスク(13)を保持するためのマスクホルダ(14)と、
- 前記マスクホルダ(14)内の前記リソグラフィマスク(13)によって反射される、前記測定光(1)を捕捉するための検出器(18)と、
- 前記測定光源(3)と前記検出器(18)との間の、測定光ビーム(1)のビーム経路内に配置された、少なくとも1つのフィルタ(33;39;39a;41;44)を有する、少なくとも1つのフィルタホルダ(19、20、21、22)であって、
- 交換可能なフィルタホルダとして設計される、
少なくとも1つのフィルタホルダ(19、20、21、22)と、
- 前記検出器(18)に信号接続された、信号取得および評価デバイス(23)と
を有する測定装置(2;29;32)。
【請求項11】
前記フィルタホルダ(21、22)は、前記測定装置(2;29;32)の瞳面(8、15)内に配置されることを特徴とする、請求項10に記載の測定装置。
【請求項12】
前記フィルタホルダ(19~22)は、前記測定光源(3)と、前記マスクホルダ(14)との間の、前記測定光ビーム(1)の前記ビーム経路内、および/または前記マスクホルダ(14)と、前記検出器(18)との間の前記測定光ビーム(1)の前記ビーム経路内に配置されることを特徴とする、請求項10または11に記載の測定装置。
【請求項13】
前記視野(11)内に配置された物体視野(11)を、像平面(17)内に結像するための投影光学ユニット(9)であって、前記検出器(18)は、前記像平面(17)内に配置される、投影光学ユニット(9)を特徴とする請求項10または11に記載の測定装置。
【請求項14】
前記フィルタホルダ(20)は、フィルタ配置平面(28)が法線平面(7)に関して、測定光ビーム経路に傾斜されるように方位付けられることを特徴とする、請求項10または11に記載の測定装置。
【請求項15】
前記フィルタ(44)は、法線平面(xy)に関して、前記測定光(1)のビーム方向(z)に傾斜された、複数のフィルタ区間(45、46、47、48)を有することを特徴とする、請求項10または11に記載の測定装置。
【外国語明細書】