(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169533
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】医療機器
(51)【国際特許分類】
A61F 2/28 20060101AFI20221101BHJP
A61F 2/30 20060101ALI20221101BHJP
A61F 2/54 20060101ALI20221101BHJP
A61F 2/60 20060101ALI20221101BHJP
C22C 1/08 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
A61F2/28
A61F2/30
A61F2/54
A61F2/60
C22C1/08 F
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120006
(22)【出願日】2022-07-27
(62)【分割の表示】P 2021038246の分割
【原出願日】2016-09-09
(31)【優先権主張番号】62/216,900
(32)【優先日】2015-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】1609448.4
(32)【優先日】2016-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】511199859
【氏名又は名称】オベエル エス.アー.
【氏名又は名称原語表記】OBL S.A.
【住所又は居所原語表記】Immeuble Vecteur Sud, 70-86, Avenue de la Republique, F-92320 Chatillon, France
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バルバス,アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】デュボワ,ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】アダム,ジェレミー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、多孔質構造に関し、多孔質構造を備える医療機器に関し、当該医療機器を製造する方法に関する。
【解決手段】多孔質構造(1)であって、その多孔質構造(1)の構成が当該多孔質構造(1)に適用される荷重に依存して変化し、その荷重が第1の大きさである場合には第1の構成を、その荷重が第1の大きさよりも大きい第2の大きさである場合には第2の構成を当該多孔質構造(1)が有するような多孔質構造(1)を備えている医療機器(9)が開示されている。前記多孔質構造(1)は、第1の表面部分と第2の表面部分とを有している。第1の表面部分は、前記多孔質構造(1)が第1の構成を有する場合には第2の表面部分から引き離され、前記多孔質構造(1)が第2の構成を有する場合には第2の表面部分に係合されている。
【選択図】
図8b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質構造を備える医療機器を設計する方法であって、
前記多孔質構造が使用中に受ける可能性のある荷重範囲を決定すること、および
前記多孔質構造が前記多孔質構造に適用される荷重に依存して変化する構成を有し、前記荷重が第1の大きさである場合には第1の構成を、前記荷重が前記荷重範囲内で前記第1の大きさより大きい第2の大きさである場合には第2の構成を前記多孔質構造が有するような前記多孔質構造を備える前記医療機器を設計すること、からなり、
前記多孔質構造は、第1の表面部分と、第2の表面部分と、を備え、
前記第1の表面部分は、前記多孔質構造が前記第1の構成を有する場合には前記第2の表面部分から引き離され、
前記第1の表面部分は、前記多孔質構造が前記第2の構成を有する場合には前記第2の表面部分に係合される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質構造に関し、多孔質構造を備える医療機器に関し、当該医療機器を製造する方法に関し、および当該医療機器を患者に装着する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多孔質構造を組み込んだ機器は、医療の分野では、身体の各部を交換し、補助し、または別の状況では治療するために使用されている。医療の分野や他の分野においては、多孔質構造を改良し、その適用や使用に対してそれをより適するようにすることが望まれている。当該多孔質構造を組み込んだまたは備えた医療機器を改良し、提供される交換、補助、または治療を向上させるようにすることも望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここに記述されている幾つかの実施の形態によれば、多孔質構造を備えた医療機器が提供され、当該多孔質構造の構成は、多孔質構造に適用される荷重に依存して変化し、荷重が第1の大きさである場合には第1の構成を、荷重が第1の大きさより大きい第2の大きさである場合には第2の構成を前記多孔質構造が有するようにしている。
【0004】
ここで記述された多孔質構造を備えた医療機器は、相対的に小さな荷重で多孔質構造の低い剛性に妥協せずに、相対的に高い異常な荷重に耐えることが可能であってもよい。
【0005】
多孔質構造を備えた医療機器を設計する際には、人は、例えば、医療機器を装着する身体部分により大きなサポートを提供するために医療機器を強化することに目を向けるかもしれない。衝撃に対処するために医療機器を強化することは、医療機器が備える多孔質構造を強化することにより達成されるかもしれない。
【0006】
公知の多孔質構造は、典型的には、分配された気孔または空洞を具備する骨格フレームまたはマトリクスを備えている。したがって、人は、多孔質構造のマトリクスまたはフレームの梁を厚肉にすることによって、例えば、これらの梁または同様な部材の断面を大きくすることによって例外的または突発的な荷重に耐えるように多孔質構造を強化することを考えるかもしれない。実際には、梁の厚さは、例外的もしくは突発的な荷重の予測または見積もられる大きさに基づいて一般的には決定される。しかしながら、梁を厚くすることは、梁そして次に多孔質構造を非常に堅くすることができる。こうして、骨に関しての応用では、当該堅い多孔質構造を備える医療機器は、骨の作り直しおよび/または内部成長を危険にさらすかもしれない。
【0007】
通常の荷重の下では低い剛性と、例外的または突発的な荷重に耐えるよう強い機械強度とを兼備した多孔質構造がここでは記述されている。典型的または標準的な荷重付加での多孔質構造の低い剛性は、骨に関する適用において、部分的な骨接合のリスクを低減し、したがって、骨接合を高めるかもしれない。これにより、次に、相対的に長期間に亘って、例えば医療機器が骨用インプラントである場合には、医療機器を安定にする(固定する)のに役立つかもしれない。典型的または標準的な荷重の下にある場合に健常な骨の剛性よりも低い剛性を持つ医療機器は、骨の内部成長を促進させてもよいし、多孔質構造内で既に内部成長した骨へのダメージが考慮されれば、改造するように骨が促され、さらに多孔質構造が殖民地化されてもよい。このような骨のダメージおよび再構築化は、骨が典型的または標準的な荷重に耐えることができるまで継続する。
【0008】
多孔質構造の構成は、多孔質構造に適用される荷重に依存して変化するので、多孔質構造は、荷重が第1の大きさである場合に第1の構成を有し、荷重が第2の大きさに増大される場合に第2の大きさに移行(変化)する。
【0009】
ある実施の形態では、荷重の適用による多孔質構造の変形に対する抵抗は、多孔質構造が第1の構成を有している場合よりも多孔質構造が第2の構成を有している場合の方がより大きい。
【0010】
ある実施の形態では、多孔質構造は、多孔質構造が第2の構成を有している場合にのみ達成される最大機械強度を備えている。
【0011】
多孔質構造に適用される荷重に依存する、このような医療機器の進化的な機械挙動(振舞い)によって、医療機器は、より小さな荷重の下にある場合には骨の内部成長を例えば多孔質構造内で促進可能にするかもしれない。このことは、例えば骨細胞の高い刺激になり、骨接合を導くことになるからである。これにより、医療機器の長期間の安定性が向上されるかもしれない。より高い荷重の下では、例えば例外的および一時的なベースの下では、医療機器は、その医療機器へのダメージを低減するのに役立つ十分な機械強度を、医療機器におよび/または医療機器を身に付けた患者に提供するかもしれない。ある例では、第1の荷重はゼロであってもよい。
【0012】
ある例では、多孔質構造は、多孔質構造に適用される荷重に依存して変化し、多孔質構造は、荷重が圧縮荷重、引張荷重、剪断荷重、および捩れ荷重のうちの一つである場合に第1の構成を持つことから第2の構成を持つことへ移行するようにしている。
【0013】
発明のある実施の形態では、多孔質構造は、第1の表面部分と第2の表面部分とを備えており、第1の表面部分は、多孔質構造が第1の構成を有している場合に第2の表面部分から引き離され、第1の表面部分は、多孔質構造が第2の構成を有している場合に第2の表面部分に係合されている。ある例では、第1および第2の表面部分は、多孔質構造の一つの本体の表面部分である。例えば、多孔質構造の本体は、当該本体の2つの表面部分が互いに係合または接触できるように形作られている支柱(ストラット)または梁であってもよい。他の例では、第1の表面部分は第1のユニットの表面部分であり、第2の表面部分は第2のユニットの表面部分である。すなわち、第1および第2の表面部分は、分離または個別のユニットの部分であってもよい。
【0014】
発明のある実施の形態では、医療機器は、第1のユニットと、第2のユニットと、当該第1および第2にユニットを接続する1つ以上の接続部材とを備えていてもよい。例では、1つ以上の接続部材のそれぞれは、多孔質構造が第1の構成を有している場合よりも多孔質構造が第2の構成を有している場合の方がより直線的である。その他の例では、1つ以上の接続部材のそれぞれは、多孔質構造が第1の構成を有している場合ほど多孔質構造が第2の構成を有している場合には直線的ではない。ある例では、1つ以上の接続部材は伸縮してもよい。例えば、1つ以上の接続部材のそれぞれは、第1の構成から第2の構成への多孔質構造の移行の間では弾性的に変化するように構成されてもよい。
【0015】
発明のある実施の形態では、多孔質構造の多孔度は25~75%であってもよい。例えば、当該多孔度が40~60%であってもよい。
【0016】
発明のある実施の形態では、多孔質構造は伸縮する。
【0017】
発明のある実施の形態では、多孔質構造は、金属および/または金属合金から形成されてもよい。金属は、例えばチタンであってもよい。金属合金は、例えばチタン合金、コバルトニッケル合金、またはステンレス鋼であってもよい。他の実施の形態では、多孔質構造は、セラミック材料、または、ポリエーテルエーテルケトンのような高分子化合物材料から形成されてもよい。
【0018】
ある実施の形態では、医療機器は生体適合性であってもよい。すなわち、医療機器は、生きている組織にとって有毒または有害ではない1つ以上の材料からなってもよい。
【0019】
発明のある実施の形態では、医療機器はインプラントであってもよい。インプラントは、例えば、整形外科用インプラント、頭部用インプラント、顎顔面用インプラント、頭部顎顔面用インプラント、ジョイント交換用インプラント、骨接合用インプラント、骨欠損充填用インプラント、股関節用インプラント、脊柱用インプラント、ステント、または移植片であってもよい。他の実施の形態では、医療機器は、矯正器具、例えば歩行用装具(ブレイス)、短下肢装具、外骨格、インソール、添え木、またはヘルメットであってもよい。他の実施の形態では、医療機器は、人工装具、例えば手部義手、股関節装具、または肢装具であってもよい。
【0020】
ここで記述されたある実施の形態によれば、多孔質構造を備える医療機器を製造する方法であって、多孔質構造が使用中に受ける荷重範囲を決定し、多孔質構造に適用される荷重に依存して変化する構成を有するような、荷重が第1の大きさである場合には第1の構成を有するとともに荷重が荷重範囲内で第1の大きさより大きい第2の大きさである場合には第2の構成を有するような多孔質構造を備えた医療機器を製造する方法が提供される。
【0021】
多孔質構造の構成は、多孔質構造に適用される荷重に依存して変化しているので、多孔質構造は、荷重が第1の大きさである場合には第1の構成を有するとともに荷重が第2の大きさに増大される場合には第2の構成に移行するようになっている。
【0022】
ある実施の形態では、荷重の適用による多孔質構造への変形に対する抵抗は、多孔質構造が第1の構成を有している場合よりも第2の構成を有している場合の方がより大きい。
【0023】
ある実施の形態では、多孔質構造は、多孔質構造が第2の構成を有している場合にのみ達成される最大機械強度を備えている。
【0024】
ある実施の形態では、医療機器を製造することが、選択的レーザー溶融などのような付加的な製造を備えていてもよい。他の実施の形態では、付加的な製造が、ステレオリソグラヒィー(光造形)、選択的レーザー焼結、および/または熱溶解積層法を備えているかもしれない。
【0025】
ここで記述されたある実施の形態によれば、医療機器を患者に装着する方法であって、多孔質構造を備えた医療機器を提供し、当該多孔質構造の構成が多孔質構造に適用される荷重に依存して変化し、その多孔質構造は荷重が第1の大きさである場合には第1の構成を有するとともに荷重範囲内で第1の大きさより大きい第1の大きさである場合には第2の構成を有するようにし、医療機器の第1の部品を患者の第1の部分に装着する方法が提供される。
【0026】
多孔質構造の構成は、多孔質構造に適用される荷重に依存して変化するので、多孔質構造は荷重が第1の大きさである場合には第1の構成を有するとともに荷重が第2の大きさに増大される場合には第2の構成に移行する。
【0027】
ある実施の形態では、荷重の適用による多孔質構造の変形に対する抵抗は、多孔質構造が第1の構成を有している場合よりも多孔質構造が第2の構成を有している場合の方がより大きい。
【0028】
ある実施の形態では、多孔質構造は、多孔質構造が第2の構成を有している場合にのみ達成される最大機械強度を備えている。
【0029】
ある実施の形態では、その方法はさらに、医療機器の第2の部品を患者の第2の部分に装着することを備えている。ある実施の形態では、患者の第1の部分は、患者の第1の骨部分であってもよい。ある実施の形態では、患者の第2の部分は、患者の第2の骨部分であってもよい。
【0030】
ここで記述されたある実施の形態によれば、多孔質構造であって、当該多孔質構造に適用される荷重に依存して変化する構成を有し、荷重が第1の大きさである場合には第1の構成を有するとともに荷重が第1の大きさよりも大きい第2の大きさである場合には第2の構成を有するような多孔質構造が提供される。
【0031】
多孔質構造の構成は、多孔質構造に適用される荷重に依存して変化するので、多孔質構造は、荷重が第2の大きさである場合には第1の構成を有するとともに荷重が第2の大きさに増大される場合には第2の構成に移行する。
【0032】
ある例では、第1の荷重はゼロであってもよい。ある例では、多孔質構造の構成は、多孔質構造に適用される荷重に依存して変化し、多孔質構造は、第2の荷重が圧縮荷重、引張荷重、剪断過重、および捩れ荷重のうちの一つである場合には第1の構成を有することから第2の構成を有することへ移行するようになっている。
【0033】
ある実施の形態では、荷重の適用による多孔質構造の変形に対する抵抗は、多孔質構造が第1の構成を有する場合よりも第2の構成を有する場合の方がより大きい。
【0034】
ある実施の形態では、多孔質構造は、多孔質構造が第2の構成を有している場合にのみ達成される最大機械強度を備えている。
【0035】
発明のある実施の形態では、多孔質構造は、第1の表面部分と第2の表面部分とを備え、第1の表面部分は、多孔質構造が第1の構成を有している場合には第2の表面部分から引き離され、第1の表面部分は、多孔質構造が第2の構成を有している場合には第2の表面部分に係合されている。
【0036】
ある例では、第1および第2の表面部分は、多孔質構造の1つの本体の表面部分である。例えば、多孔質構造の本体は、本体の2つの表面が相互に係合または接触できるように形作られた1つ支柱(突っ張り)または梁であってもよい。他の例では、第1の表面部分は、第1のユニットの表面部分であり、第2の表面部分は、第2のユニットの表面部分である。こうして、第1および第2の表面部分は、離間または個別ユニットの一部であってもよい。
【0037】
発明のある実施の形態では、多孔質構造は、第1および第2のユニットと、第1および第2のユニットを接続する1つ以上の接続部材とを備えていてもよい。例では、1つ以上の接続部材のそれぞれは、多孔質構造が第1の構成を有している場合よりも多孔質構造が第2の構成を有している場合の方がより直線的である。他の例では、1つ以上の接続部材のそれぞれは、多孔質構造が第1の構成を有している場合ほど多孔質構造が第2の構成を有している場合には直線的ではない。
【0038】
ある実施の形態では、1つ以上の接続部材は伸縮してもよい。例えば、1つ以上の接続部材のそれぞれは、第1の構成から第2の構成への多孔質構造の移行の間に弾性的に変形するように構成されてもよい。
【0039】
発明のある実施の形態では、多孔質構造の多孔度は、25~75%であってもよい。例えば、多孔度が40~60%であってもよい。
【0040】
発明のある実施の形態では、多孔質構造が伸縮してもよい。
【0041】
発明のある実施の形態では、多孔質構造は、金属および/または金属合金から形成されてもよい。金属は、例えば、チタンであってもよい。金属合金は、例えば、チタン合金、コバルトクロム合金、またはステンレス鋼であってもよい。他の実施の形態では、多孔質構造は、セラミック材料、または、ポリエーテルエーテルケトンなどのような高分子化合物材料であってもよい。ある実施の形態では、多孔質構造は、生体適合性であってもよい。すなわち、多孔質構造は、生きている組織にとって有毒または有害ではない1つ以上の材料からなってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
これから、発明の実施の形態が、添付図面を参照しながら、ほんの一例として記載されるだろう。
【
図1a】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例を概略的に示す図である。
【
図1b】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例を概略的に示す図である。
【
図2a】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例を概略的に示す図である。
【
図2b】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例を概略的に示す図である。
【
図3a】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例を概略的に示す図である。
【
図3b】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例を概略的に示す図である。
【
図3c】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例を概略的に示す図である。
【
図4a】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例を概略的に示す図である。
【
図4b】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例を概略的に示す図である。
【
図4c】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例を概略的に示す図である。
【
図5a】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例を概略的に示す図である。
【
図5b】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例を概略的に示す図である。
【
図5c】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例を概略的に示す図である。
【
図6a】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例を概略的に示す図である。
【
図6b】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例を概略的に示す図である。
【
図6c】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例を概略的に示す図である。
【
図7】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例を概略的に示す図である。
【
図8a】発明の一実施の形態に係る医療機器の例の概略図を示す。
【
図8b】発明の一実施の形態に係る医療機器の例の概略図を示す。
【
図9a】発明の一実施の形態に係る、インプラントとしての医療機器の例の概略図を示す。
【
図9b】発明の一実施の形態に係る、インプラントとしての医療機器の例の概略図を示す。
【
図10a】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例の概略図を示す。
【
図10b】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例の概略図を示す。
【
図11a】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例の概略図を示す。
【
図11b】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例の概略図を示す。
【
図12】発明の一実施の形態に係る多孔質構造の一例の概略平面図を示す。
【
図13a】1つのユニットの一例と複数のユニットを備えた多孔質構造の一例との概略斜視図を示す。
【
図13b】1つのユニットの一例と複数のユニットを備えた多孔質構造の一例との概略斜視図を示す。
【
図13c】1つのユニットの一例と複数のユニットを備えた多孔質構造の一例との概略斜視図を示す。
【
図14a】1つのユニットの一例と複数のユニットを備えた多孔質構造の一例との概略斜視図を示す。
【
図14b】1つのユニットの一例と複数のユニットを備えた多孔質構造の一例との概略斜視図を示す。
【
図14c】1つのユニットの一例と複数のユニットを備えた多孔質構造の一例との概略斜視図を示す。
【
図15a】1つのユニットの一例と複数のユニットを備えた多孔質構造の一例との概略斜視図を示す。
【
図15b】1つのユニットの一例と複数のユニットを備えた多孔質構造の一例との概略斜視図を示す。
【
図15c】1つのユニットの一例と複数のユニットを備えた多孔質構造の一例との概略斜視図を示す。
【
図16a】1つのユニットの一例と複数のユニットを備えた多孔質構造の一例との概略斜視図を示す。
【
図16b】1つのユニットの一例と複数のユニットを備えた多孔質構造の一例との概略斜視図を示す。
【
図17a】1つのユニットの一例と複数のユニットを備えた多孔質構造の一例との概略斜視図を示す。
【
図17b】1つのユニットの一例と複数のユニットを備えた多孔質構造の一例との概略斜視図を示す。
【
図18】3種類の多孔質構造における機械的挙動のグラフを示す。
【
図19a】機械的挙動シミュレーションの間における、一実施の形態に係る多孔質構造の一例の概略斜視図を示す。
【
図19b】機械的挙動シミュレーションの間における、一実施の形態に係る多孔質構造の一例の概略斜視図を示す。
【
図19c】機械的挙動シミュレーションの間における、一実施の形態に係る多孔質構造の一例の概略斜視図を示す。
【
図19d】機械的挙動シミュレーションの間における、一実施の形態に係る多孔質構造の一例の概略斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
ここで使用されているように、用語「荷重」を、対象物に適用または及ぼされる力もしくは力の大きさと呼ぶことができる。また、この用語を、単位面積あたりの力の大きさであって対象物に適用または及ぼされる圧力もしくは圧力の大きさと呼ぶこともできる。このように、当該対象物は荷重を受け(被り)易いと言えるかもしれない。
【0044】
図1aおよび
図1bは、発明の実施の形態に係る多孔質構造の一例を概略的に示す。多孔質構造1は、ある例では、医療機器の範囲内に含まれ、当該多孔質構造1に適用される荷重に依存してその構造を変える。各図の矢印によって、適用される荷重の方向が示されている。
図1aは、荷重が第1の大きさである場合に、多孔質構造の第1の構成を示している。
図1bは、荷重が第1の大きさよりも大きい第2の大きさである場合に、多孔質構造1の第2の構成を示している。
【0045】
多孔質構造1の構成は、多孔質構造1に適用される荷重に依存して変化するので、多孔質構造1は、荷重が第1の大きさである場合には第1の構成を備え、荷重が第2の大きさに増大される場合には第2の構成に移行(変化)する。
【0046】
この実施の形態では、多孔質構造1は、多孔質構造が第1の構成を備える場合よりも多孔質構造が第2の構成を備える場合の方がより大きい荷重の適用による変形に対する抵抗を有してもよい。
【0047】
他の実施の形態では、その上またはその代わりに、多孔質構造1は、多孔質構造が第2の構成を備える場合にのみ達成される最大機械強度を備えていてもよい。
【0048】
図1aおよび
図1bで示される例では、荷重は、多孔質構造1に向けられた矢印によって示されるように、圧縮されている。他の例では、荷重は、引張荷重、せん断過重、ねじり荷重、もくしは、荷重タイプおよび/または荷重方向性の組合せであるかもしれない。第1の大きさはある例ではゼロであってもよく、例えば、多孔質構造は、荷重がそれに適用されていない場合には第1の大きさかもしれない。
【0049】
この実施の形態では、多孔質構造1は、第1の表面部分2と第2の表面部分3とからなる。多孔質構造1が第1の大きさを有している場合、第1の表面部分2は、
図1aで示されるように、第2の表面部分3から切り離されている。第1の表面部分2は、
図1bで示されるように、多孔質構造が第2の大きさを有している場合には第2の表面部分3に係合されている。この実施の形態では、第1および第2の表面部分2、3は、多孔質構造1の一つの本体の表面部分である。他の実施の形態では、以下で記述されるように、医療機器は、複数のユニットを備えていてもよい。当該実施の形態では、第1の表面部分2は、複数のユニットのうちの第1のユニットの表面部分であり、第2の表面部分3は、複数のユニットのうちの第2のユニットの表面部分であるかもしれない。
【0050】
図2aおよび
図2bは、発明の実施の形態に係る別の多孔質構造の一例を概略的に示す。
図2aは、多孔質構造1の第1の構成を示し、
図2bは、多孔質構造の第2の構成を示す。この実施の形態では、荷重は引張力である。
図2aおよび
図2bの多孔質構造1は、第1の表面部分2および第2の表面部分3の位置および相対的配置を除いて、
図1aおよび
図1bの多孔質構造1と同一である。第1の表面部分2は、
図2aで示されるように、多孔質構造1が第1の構成を有している場合には第2の表面部分3から切り離され、第1の表面部分2は、
図2bで示されるように、多孔質構造が第2の構成を有している場合には第2の表面部分3に係合されている。
図1aおよび
図1bを参照して多孔質構造1に対するここで記述可能な変形の幾つかは、
図2aおよび
図2bの多孔質構造1に対してなされ、それぞれ別々の実施の形態を形成してもよい。
【0051】
図3a、
図3b、および
図3cは、発明の実施の形態に係る別の多孔質構造の一例を概略的に示す。この実施の形態では、多孔質構造1は、第1のユニット4および第2のユニット5と、第1および第2のユニット4、5を接続する複数の接続部材6とからなる。幾つかの別の実施の形態では、多孔質構造は、第1および第2のユニット4、5を接続する接続部材6を1つだけ備えているかもしれない。この実施の形態では、接続部材6のそれぞれは、
図3cおよび
図3aで示されるように、多孔質構造が第1の構成を有している場合よりも多孔質構造が第2の構成を有している場合の方がより直線的である。この例では、接続部材6は、第1の構成では曲げられまたは傾斜され、
図3cで示されるように第2の構成では真っ直ぐにされているかもしれない。他の実施の形態では、多孔質構造は、第1および第2のユニット4、5と、多孔質構造が第1の構成を有している場合ほど多孔質構造が第2の構成を有している場合にはあまり直線的でない1つ以上の接続部材6とからなる。例えば、接続部材6は、多孔質構造1が第1の構成を有している場合よりも多孔質構造1が第2の構成を有している場合の方がより縮小され、曲げられ、または折り畳まれるかもしれない。
【0052】
図3bは、
図3aで示される第1の構成から
図3cで示される第2の構成への移行の間における多孔質構造1を示す。接続部材6は、伸縮するかもしれない。例えば、1つ以上の接続部材6のそれぞれは、第1の構成から第2の構成への多孔質構造1の移行の間、弾性的に変形するように構成されてもよい。これにより、多孔質構造1は、荷重が第2の大きさから第1の大きさに戻るときに、第2の構成から第1の構成へ戻ることが可能になる。
【0053】
図4a、
図4b、および
図4cは、発明の実施の形態に係る別の多孔質構造の一例であって、接続部材6を形成したことを除いて
図3a、
図3b、および
図3cを参照して上述されたものと同一である例を概略的に示す。この実施の形態では、再び、接続部材6のそれぞれは、多孔質構造1が第1の構成を有している場合よりも多孔質構造が第2の構成を有している場合の方がより直線的である。しかしながら、接続部材6のそれぞれは、第1の構成を持つことから第2の構成を持つことへの多孔質構造1の移行の間、広がっている。
【0054】
図4aは、多孔質構造1の第1の構成を概略的に示し、
図4cは、多孔質構造1の第2の構成を概略的に示す。
図4bは、第1の構成を持つことから第2の構成を持つことへの移行の間における多孔質構造1を概略的に示す。
図3a、
図3b、および
図3cならびに対応する符号および関連される記載を参照して、上記の実施の形態における機能および構造の記載は、この実施の形態に等しく適用されるので、簡潔さのために再び詳細にはなされないだろう。同様に、
図3a、
図3b、および
図3cを参照して多孔質構造1に対してここで記述可能な変形の幾つかは、
図4a、
図4b、および
図4cの多孔質構造1に対してなされ、それぞれ別々の実施の形態を形成してもよい。
【0055】
図5a、
図5b、および
図5cは、発明の実施の形態に係る別の多孔質構造の一例を概略的に示す。多孔質構造1は、第1の表面部分2および第2の表面部分3からなり、それらは、
図1a、
図1b、
図2a、および
図2bで示されるように、多孔質構造1の構成に依存して離れおよび係合する。この実施の形態の多孔質構造1は、第1のユニット4および第2のユニット5と、第1および第2のユニット4、5を接続する複数の接続部材6とを備えている。この実施の形態では、第1および第2の表面部分2、3は、第1および第2のユニット4、5のそれぞれの表面部分である。これらのユニットは、
図5a、5b、および5cで示されるように、1つの接続部材6にそれぞれ接続または装着されている。他の実施の形態では、第1および第2の表面部分2、3は、後述されるように、接続部材6自身の表面部分であるかもしれない。
【0056】
図5a、
図5b、および
図5cの実施の形態では、接続部材6は、第1の構成を有することから第2の構成を有することへの多孔質構造1の移行の間、より直線的になっている。ある実施の形態では、このことが、拡大解釈されるかもしれない。他の実施の形態では、「より直線的」は、真っ直ぐになり、広がり、または伸びることを意味するかもしれない。この実施の形態では、第1および第2の表面部分2、3の係合でより直線的に結合されている接続部材6は、増強された荷重を受けた場合に、増大した機械的強度を多孔質構造に提供する。多孔質構造1は、この実施の形態では、
図5cで示された第2の構成を多孔質構造1が備えている場合にのみ達成される最大機械強度を備えている。
【0057】
これらの特徴は、多孔質構造1の応力‐歪力の線図(グラフ)に結び付けて、例えば、後述される
図18の線図の実線30に結び付けて考察されるかもしれない。低荷重値または低応力値では、例えばそのグラフの原点近くでは、その線図の相対的に小さな勾配または傾斜は、低剛性を表すように望ましい。他のものよりも堅い材料または構造は、より大きな勾配を備え、それ故に、より険しい線図によって表されるだろう。
図5a~
図5cを参照して上述された多孔質構造1の傾斜を低くする一つの方法は、接続部材6をより曲げることである。接続部材6が曲げられれば曲げられるほど、ますます全体構造は曲げやすくなる。しかしながら、接続部材6が曲げられれば曲げられるほど、ますます接続部材6が真っ直ぐになるのに長い時間がかかる。言い換えれば、多孔質構造1は、壊れる前により大きな変形を示すだろう。ユニット、例えば
図5a、
図5b、および
図5cで示されるように接続部材6にそれぞれ接続される第1および第2のユニット4、5のそれぞれの表面部分として、係合している表面部分2、3を備えることは、多孔質構造1の変形を制限するのに役立っている。言い換えれば、このように係合している表面部分2、3と接続部材6との配置は、応力‐歪力の線図の左側区域の小さな傾斜だけでなく右側区域の険しい傾斜への線図の移行をも達成するのに役立ち、したがって、多孔質構造1の最大変形を低減している。
【0058】
図6a、
図6b、および
図6cは、発明の実施の形態に係る別の多孔質構造の一例を概略的に示す。この実施の形態は、この実施の形態における多孔質構造1もまた第1および第2のユニット4、5と、第1および第2のユニット4、5を接続する複数の接続部材6とを備えている点で、
図5a、
図5b、および
図5cに対して上述されたものと同様である。しかしながら、この実施の形態では、第1および第2の表面部分2、3は、接続部材6の表面部分である。
【0059】
この実施の形態では、接続部材6のそれぞれは、
図6aと
図6cとの比較から評価されるように、多孔質構造が第1の構成を備えている場合ほど多孔質構造が第2の構造を備えている場合にはあまり直線的ではない。
図6bは、第1の構成を備えていることから第2の構成を備えていることへの移行の間における多孔質構造1を概略的に示す。
【0060】
図7は、発明の実施の形態に係る別の多孔質構造の一例を概略的に示す。この実施の形態では、多孔質構造1は、複数のユニット7からなり、例えば、複数のユニット7から形成されている。
図7で示される点線は、複数のユニットのうちの他方のユニットによって第1のユニット7の輪郭を描き、一点鎖線は、複数のユニットのうちの他方のユニットによって第2のユニット7の輪郭を描いている。この例では、それぞれのユニット7は、
図7で示されるように、平面視で眺められるとほぼ六角形状を有している。他の例では、ユニット7は、異なる形状、例えば平面視で眺められると別の多角形を有してもよい。上述された実施の形態の幾つかにおける第1のユニット4および第2のユニット5は、この実施の形態における複数のユニット7のうちの第1および第2のユニット7に対応してもよい。ユニット7のうちの2つはそれぞれ、第1および第2の表面部分2、3からなり、それらは、上記の他の実施の形態を参照して記述されたように、多孔質構造1の構成に依存して離れまたは係合してもよい。この具体的な例では、第1および第2の表面部分2、3もそれぞれ、
図7で示されるように、多孔質構造1が第1の構成を備えている場合にはもっと遠いユニットの第3の表面部分8から引き離されている。こうして、第1および第2の表面部分2、3はそれぞれ、この例では、多孔質構造1が第2の構成を有している場合には第3の表面部分8に係合可能である。他の例では、多孔質構造の第1の構成では互いから引き離され、多孔質構造の第2の構成では互いに係合される3つ以上の表面部分でもよい。
【0061】
この実施の形態では、複数のユニット7は、二次元配列に相対的に位置決めされている。他の実施の形態では、複数のユニット7は、
図1a~
図6cの実施の形態のように一次元配列、または、後述されるように三次元配列に相対的に位置決めされてもよい。
【0062】
図8aおよび
図8bは、発明の実施の形態に係る医療機器の例の概略図を示す。医療機器9は、第1の端部10および第2の端部11と、第1および第2の端部10、11の間の多孔質構造1とからなる。多孔質構造1は、ここで記述された多孔質構造の実施の形態のうちの何れかに対応してもよい。多孔質構造1は、第1および第2の端部10、11を接続または結合している。他の実施の形態では、医療機器9は、1つの端部のみからなってもよいし、または2つ以上の端部からなってもよい。
【0063】
この実施の形態では、第1および第2の端部10、11のそれぞれは、多孔質構造1ほど多孔質ではない。他の実施の形態では、第1の端部10および第2の端部11のうちの一方のみまたは何れも、多孔質構造1ほど多孔質ではない。ある実施の形態では、第1および第2の端部10、11のうちの一方またはそれぞれは、多孔質構造1と同等な多孔質である。この実施の形態では、第1の端部10および第2の端部11はそれぞれ、留め具を受け入れるための開口12を備えている。留め具は、ネジ、リベット、もしくはボルト、または他の機械的な留め具であってもよい。他の実施の形態では、第1の端部10および第2の端部11のうちの一方のみが、留め具を受け入れるための開口12を有していてもよい。ある実施の形態では、多孔質構造1は、1つ以上の留め具を受け入れるための1つ以上の開口を備えていてもよい。
【0064】
図8bは、
図8aを参照して記述された医療機器9の実施の形態だけでなく、シース(覆い)13をも備えている実施の形態を示す。シース13は、ある例では、医療機器を部分的または完全に覆う皮膚または膜であってもよい。シース13は、シース要素14からなってもよい。シース要素14は、ある例では、シース13を形成するために交換される皮膚要素または膜要素であってもよい。例えば、覆っている層または膜は、医療機器に付加的な保護を提供し、または、医療機器の機能性を追加する付加的な要素を特徴づけてもよい。この例では、1つ以上のシース要素14のそれぞれは、多孔質構造1に接続されている一方、シース要素14のうちの別のものに直接接続されていない。他の例では、その代わりに、2つ以上のシース要素14は、互いに直接接続されてもよい。シース13は、多孔質構造1の最外層表面の平滑度を向上または増大させるかもしれない。
【0065】
図9aおよび
図9bは、
図8aおよび
図8bの医療機器9がインプラント(埋め込み物)15である場合における発明の実施の形態を示す。この例では、インプラント15は、顎顔面用インプラント、例えば患者16の下顎を交換するための顎顔面用インプラントである。他の例では、医療機器9は、別種のインプラント、例えば整形外科用インプラント、頭部用インプラント、頭部顎顔面用インプラント、ジョイント交換用インプラント、骨接合用インプラント、骨欠陥充填用インプラント、股関節用インプラント、背骨用インプラント例えば脊椎骨組み、ステント、または移植片であってもよい。
【0066】
この実施の形態では、第1の端部10は、患者16の第1の骨部分17に装着するために構成され、第2の端部11は、患者16の第2の骨部分18に装着するために構成されている。他の実施の形態では、インプラント15は、第1の骨部分17に対してのみ装着されるように構成されてもよい。図示されている例では、医療機器9の第1の端部10および第2の端部11は、それらが患者16の骸骨の表面に嵌る(結合する)ように設計された表面を備えている点で、患者仕様である。他の実施の形態では、医療機器9は、医療機器9の端部の表面ではない患者仕様表面を備えていてもよい。例えば、ある例では、インプラント15は、何らの端部も持たずに骨に直接装着可能であってもよい。ある実施の形態では、医療機器9の第1の端部10および第2の端部11は、患者仕様ではない。
【0067】
他の実施の形態では、医療機器9は、歩行用装具、短下肢装具、外骨格、インソール、またはヘルメットであってもよい。他の実施の形態では、医療機器9は、人口装具機器、例えば手部義手、足部義足、または肢装具であってもよい。
【0068】
図10aおよび
図10bは、発明の実施の形態に係る多孔質構造の一例の概略図を示す。多孔質構造1は、
図8a~9bの医療機器9において備える多孔質構造1の一部である。この実施の形態では、多孔質構造は、第1のユニット4および第2のユニット5からなり、それらは、ここで記述されたようにそれぞれ、第1および第2のユニットの何れかを実施してもよい。第1のユニット4および第2のユニット5のそれぞれは、本体およびアームを備えている。第1の表面部分2は、第1のユニット4のアーム19の表面部分であり、そのアーム19は、第1のユニット4の本体20から延びている。第2の表面部分3は、第2のユニット5のアーム21の表面部分であり、そのアーム21は、
図10aで示されるように、第2のユニット5の本体22から延びている。この例では、アーム19、21は、1つ以上の場所でそれらのそれぞれの本体20、22に装着または接続された完全なループを形成している。ループとして、アーム19、21は、相互に連結可能であってもよい。他の例では、アーム19、21は、たった1つの場所でそれらのそれぞれの本体に装着または接続されるとともに相互にロックし合うまたは結合するフックを形成してもよい。
【0069】
ある例では、第1のユニット4の本体20と第2のユニット5の本体22とはそれぞれ、多孔質であってもよい。この例では、第1および第2のユニット4、5のアーム19、21のそれぞれは、長方形断面部および直線部を具備する梁である。他の例では、アーム19、21は、ロッド、支柱、柱、ブロック、板、またはスポンジ状構造物であってもよく、および、直線、平坦、もしくは湾曲であってもよく、および/または平坦部分または湾曲部分を有してもよい。この例では、アーム19、21は、それぞれの長さに沿って一定の断面を有しているが、他の例では、アーム19、21は、それぞれの長さに沿って変化する断面を有してもよい。他の例では、アーム19、21はそれぞれ、円形、楕円形、または別の多角形断面を有してもよい。ある実施の形態では、本体20、22は、例えば、上述されたように、1つ以上の接続部材6によって接続されてもよい。
【0070】
図10bは、
図10aを参照して記述されるだけでなくシース要素14を具備するシース13をも有する多孔質構造の実施の形態を示す。以前に記述したように、ある例では、シース要素14のそれぞれは、多孔質構造1に接続されてもよい一方、シース要素14のうちの別の物に直接接続されなくてもよい。シース13は、多孔質構造1の最外層表面の平滑度を向上または増大するのに役立つかもしれない。こうして、シース13を特徴づける医療機器9の例では、シース13は、患者16の骸骨への放射線照射のリスクであって感染を引き起し得るリスクの低減を可能にし、したがって、多孔質構造1の体内移動を制限するかもしれない。
【0071】
この実施の形態では、第1のユニット4のアーム19は、第2のユニット5のアーム21と互いに錠止めされている。第1のユニット4のアーム19は、それらのそれぞれの表面部分すなわち第1の表面部分2と第2の表面部分3とが第1および第2の構成において相互に離れおよび係合する場合には、第2のユニット5のアーム21とロックし合ったままである。他の実施の形態では、このことは、事実でないかもしれない:例えば、ある実施の形態では、アームは、それらのそれぞれの表面部分すなわち第1の表面部分2および第2の表面部分3が第2の構成において相互に係合する場合に第1のユニット4のアーム19が第2のユニット5のアーム21に互いに錠止めだけするように、形作られていてもよい。そのようなある実施の形態では、一方または両方の互いに錠止め可能なアームは、フック状などに形作られていてもよい。
【0072】
シース13を用いる
図10bで示す例では、シース要素14は、個々のユニットに接続されているが、相互に接続されていない。すなわち、第1のシース要素14は、第1のユニット4に接続され、第2のシース要素14は、第2のユニット5に接続されているが、第1のシース要素14に直接接続されていない。他の例では、シース要素14は、相互に接続されてもよい。
【0073】
図11aおよび
図11bは、一実施の形態に係る多孔質構造であって多孔質本体20を備えた第1のユニット4と多孔質本体22を備えた第2のユニット5とを有する多孔質構造1の別の例を示す。第1のユニット4は、本体20から伸びるアーム19を有し、第2のユニット5は、本体22から伸びるアーム21を有する。それぞれの符号付き形状構成は、対応する符号を持ちここで記述された形状構成の手段であってもよい。
【0074】
図11bの展開図で示されるように、第1のユニット4は、例えば以前記述された接続部材6の手段であってもよい接続部材6によって、第2のユニット5に接続されている。
【0075】
図12は、発明の実施の形態に係る多孔質構造の一例の概略平面図を示す。この例では、多孔質構造1は、図示されるように、第1の気孔サイズ24を有する1つ以上の気孔23を備えている。この例では、気孔サイズは、気孔内に嵌まる最大円形または最大球形の直径であると考えられる。しかしながら、他の実施の形態では、気孔サイズは、気孔の最大幅であってもよい。この実施の形態では、第1の気孔サイズは、骨の内部成長および/または毛細管現象を可能にする0.3~1.5mmである。この例では、多孔質構造1は、第2の気孔サイズ26を有する1つ以上の気孔25を備えている。第2の気孔サイズ26は、この実施の形態では、血管形成を可能にする0.75~5mmである。この例では、第2の気孔サイズは、第1の気孔サイズより大きい。しかしながら、他の例では、第1の気孔サイズは、第2の気孔サイズより大きいまたは等しくてもよい。
【0076】
多孔性に関して上述したこれらの変形は、多孔質構造の何れかの実施の形態に、または多孔質本体の何れかの実施の形態、例えば
図12で示されるようにユニット4の多孔質本体20に適用されてもよい。
【0077】
図13aは、発明の実施の形態の個別ユニットの例の概略斜視図を示す。ユニット4は、本体20と、本体20の反対側から伸びる2つのアーム19、21とを備えている。
【0078】
図13bは、多孔質構造の一例の概略斜視図であり、当該多孔質構造は、複数の同一の個別ユニットからなり、複数の個別ユニットはそれぞれ、
図13aのユニット4と同一の第1のユニット4および第2のユニット5を備えている。第1のユニット4のアーム19は、第2のユニット5のアーム21と互いに錠止めされ、遠方のユニットは、複数のユニットの複数のアームを互い錠止めして
図13bで示されるように鎖または紐(糸)を形成することにより、多孔質構造1に追加されてもよい。それぞれのユニットは、既に記述された接続部材の手段である1つ以上の接続部材6によって隣接ユニットに接続されている。こうして、ユニット4、5は、
図13bの一次元配列に配置されている。
【0079】
図13cは、多孔質構造の一例の概略斜視図を示し、当該多孔質構造は、三次元配列で相対的に位置決めされた複数の同一の個別ユニットからなる。この例では、
図13bの複数の鎖は、相互に隣接して配置されて三次元配列を形成している。一方向へ相互に隣接するユニットは、三次元配列の層27を形成する。三次元配列の隣接する層27のユニットは、アーム19、21を互いに錠止めすることによって一緒に連結(リンク)され、接続部材6によって同時に接続される。
【0080】
図14aは、発明の実施の形態における個別ユニットの別の例の概略斜視図を示す。この例では、ユニット4は、本体20と、本体20の4つの側面から伸びる4つのアーム19、21、33、35とを備えている。一対のアーム19、21は、本体20の対向する第1および第2の側面から伸び、他の2つのアーム33、35は、一対のアーム19、21に対して90度で本体20の対向する第3および第4の側面から伸びている。こうして、ユニット4は、多孔質構造を組み立てるために複製される場合には、
図14bおよび
図14cで示されるように、四方向へまたは2軸に沿って他の同一の個別ユニットに接続されてもよい。したがって、この種のユニットを、
図14bの概略斜視図で示されるように、二次元配列で相対的に位置決めされた複数のユニットとして複製できる。2つ以上の二次元配列を積み重ねて
図14cで示されるように三次元配列を形成してもよく、その
図14cには三次元配列に相対的に位置決めされた複数のユニットからなる多孔質構造の一例の概略斜視図が示されている。
【0081】
図15a、
図15b、および
図15cは、
図15aで示された複合(マルチ)ユニットから、複数の個別ユニットからなる多孔質構造を組み立てる別の例の概略斜視図を示す。この例では、ユニット4は、6つのアーム19を有するので、六方向へまたは3軸に沿って他のユニット、例えば第1のユニット4の複製に接続されてもよい。こうして、三次元配列は、相互に相対的に位置決めされた複数のユニットから形成されてもよく、
図13a~
図13cおよび
図14a~
図14cと同一の組み立てパターンに従ってもよい。
【0082】
図16a、
図16b、
図17a、および
図17bは、複数の個別ユニットからなる多孔質構造1を組み立てる他の例の概略斜視図を示す。
図16bの多孔質構造1は、二次元配列で相対的に位置決めされた複数のユニットからなる。
図17bの多孔質構造1は、三次元配列で相対的に位置決めされた複数のユニットからなる。
【0083】
ここで記述された実施の形態の何れかでは、多孔質構造は、25~75%の多孔度、例えば40~60%の多孔度を有してもよい。
【0084】
ある実施の形態では、多孔質構造1は、金属、例えばチタンで形成されてもよく、および/または、金属合金、例えばチタン合金、コバルトクロム合金、もしくはステンレス鋼で形成されてもよい。他の実施の形態では、多孔質構造は、セラミック材料または高分子化合物(ポリマー)材料、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で形成されてもよい。ある実施の形態では、多孔質構造は、生体適合性であってもよい。ある実施の形態では、医療機器は、例えば、多孔質構造からなる医療機器9は、生体適合性であってもよい。生体適合性の医療機器は、生体系に有毒または有害な影響を持たないもの、例えば患者16の骸骨と考えてもよい。こうして、ある例では、医療機器9は、1つ以上の材料から形成されてもよく、かつ、生体適合性であってもよい。
【0085】
ある実施の形態では、多孔質構造1は、伸縮するかもしれない。例えば、多孔質構造1は、第1の荷重すなわち負荷条件の下での第1の構成から第2の荷重すなわち負荷条件の下での第2の構成へ移行する場合に変形されてもよく、第2の負荷の増強された応力が除去されるとき、および、多孔質構造1が第1の構成に戻る移行をするときに元のサイズおよび形状にほぼ戻ってもよい。伸縮は、1つまたは複数の接続部材によって提供されてもよい。
【0086】
多孔質構造においてまたは多孔質構造を備える医療機器においてここで記述された実施の形態では、多孔質構造の構成は、多孔質構造に適用される荷重に依存して変化する。多孔質構造は、荷重が第1の大きさである場合には第1の構成を有するとともに荷重が第1の大きさよりも大きい第2の大きさである場合には第2の構成を有する。
【0087】
ある実施の形態では、荷重の適用による多孔質構造の変形に対する抵抗は、多孔質構造が第1の構成を有している場合よりも多孔質構造が第2の構成を有している場合の方がより大きい。
【0088】
ある実施の形態では、多孔質構造は、多孔質構造が第2の構成を有する場合にのみ達成される最大機械強度を備えている。
【0089】
これらの形状構成のうち一方または両方により、多孔質構造は、その適用の割に低いまたは通常の荷重の下でほぼ伸縮することが可能になり、にもかかわらず高い機械強度、例えば相対的に高い降伏応力を持つことが可能になる。こうして、実施の形態では、多孔質構造は、その適用の割に大きな荷重に耐えるのに十分な機械強度を備えている。例えば、前述の多孔質構造からなる医療機器のある実施の形態では、多孔質構造は、多孔質構造が第1の構成を有している場合、骨より低い剛性値、例えば600メガパスカル(MPa)~6ギガパスカル(GPa)を備えている。下顎骨の剛性値は、例えば6.9GPa~17.3GPaである。医療機器が骨用インプラントである場合の例では、これにより、多孔質構造が相対的に低いまたは通常の荷重の下で第1の構成を有している場合に、大きな剛性を持つ、例えば骨と等しい剛性値または骨より大きな剛性値を持つ他の骨用インプラントと比較して、改良された骨の再コロニー形成または骨形成をもたらす細胞の改良シミュレーションを許容してもよい。また、骨形成は、インプラントの長期間安定を向上させるかもしれない。これらの例では、多孔質構造は、相対的に高い平均歩留りの圧縮応力値、例えば長手方向へほぼ200MPa、接線方向へほぼ110MPa、かつ半径方向へほぼ100MPaの値を持つかもしれない。これらは、骨の典型的な平均歩留りの圧縮応力値である。ある例では、歩留りの応力値は、多孔質構造が第2の構成を有している場合にのみ達成される多孔質構造の最大機械強度であってもよい。最大機械強度は、単位面積(エリア)あたり、すなわち応力あたりの力の大きさであって構造が破壊または変形せずに耐えることが可能である力の大きさであるとみなしてもよい。
【0090】
ある実施の形態では、荷重の適用による多孔質構造の変形に対する抵抗は、剛性値とみなしてもよい。これらの実施の形態では、多孔質構造の剛性値は、多孔質構造が第1の構成を有している場合よりも多孔質構造が第2の構成を有している場合の方がより大きい。
【0091】
図18は、3種類の多孔質構造の機械的挙動のグラフを示す。当該グラフは、水平軸に沿って構造変形の大きさとみなされる歪みの値を有し、その歪みの値は、本来の寸法によって振り分けられた変形材料構造の寸法の変化に等しい。そのグラフは、鉛直軸に沿って1つの構造に作用する単位面積あたりの力の大きさであるとみなされる荷重または応力の値を有する。
【0092】
一点鎖線28は、点線29で記述される多孔質構造よりも高い剛性値をもつ多孔質構造の応力‐歪力の挙動を表現している。実線30は、ここで記述された実施の形態に係る多孔質構造の応力‐歪力の挙動を表現している。より小さな荷重または応力で、多孔質構造は、第1の構成において変形に対する相対的に小さな抵抗、すなわち低い剛性を有している。より大きな荷重または応力で、多孔質構造が相対的に大きな機械強度値31、例えば相対的に大きな最大機械強度値を持つように、多孔質構造は変化する。
【0093】
多孔質構造を備える医療機器を設計する際には、人は、例えば医療機器を装着する身体部分に対してより大きなサポートを提供するため、医療機器を強化することに目を向けるかもしれない。これは、特に、発生の可能性のある医療機器への衝撃を考慮する場合であるかもしれない。衝撃、特に大きな衝撃は、通常はめったに起こらないけれども、通常の使用条件の下での典型的な荷重に比較されると相対的に大きな荷重または過度に大きな荷重に多孔質構造をさらすこともある。衝撃に対処するために医療機器を強化することは、医療機器が備える多孔質構造を強化することによって達成されてもよい。多孔質構造は典型的には、分布された気孔または空洞を持つ骨格フレームまたは骨格マトリクスを有している。したがって、人は、梁、支柱、ロッド、または多孔質構造のマトリクスもしくはフレームの他の部材を厚肉することによって、例えばこれらの梁または同様な部材の断面を大きくすることによって多孔質構造を強化することを考えるかもしれない。しかしながら、骨格フレームまたは骨格マトリクスの梁を厚肉にすることはまた、材料の剛性を増大させることを可能にする。それから、この増大された剛性もまた、通常のまたは典型的な荷重の下で、例えば、医療機器の通常使用で期待される荷重の下で、適用されている。こうして、医療機器が患者に装着された場合、例えば移植された場合、より堅いフレーム部分は、荷重を身体部分に移動または分配、例えば骨をある場所だが他の場所ではない場所に移動または分配してもよい。医療機器を骨に装着する適用では、医療機器に適用される荷重のこのような一様でない分配は、部分的な骨接合(骨形成)、すなわち骨成長の局所的な刺激を引き起こし得る。これは、望ましくないが、時には骨の再吸収をもたらし得る。標準手的な荷重負荷のためにあまりにも思うように動かないインプラントはまた、応力の遮蔽をもたらし得る。このことは、例えば堅いインプラントが残りの骨の一部分から標準的な応力を除去する場合であり、それは、骨が再改造されるようにもはや刺激されないことを意味するので、骨がより低密度になるかもしれない。
【0094】
ここで記述され実施の形態に係る多孔質構造を備える医療機器は、相対的に小さな荷重で多孔質構造の低い剛性に妥協せずに、相対的に大きな変則的な荷重に耐え得る強化医療機器を提供するかもしれない。典型的な荷重または通常の荷重での多孔質構造の弱い剛性は、骨に関しての適用では、部分的な骨接合のリスクを低減し、したがって、骨接合を高めるかもしれない。同様に、これは、例えば医療機器が骨用インプラントである場合には、相対的に長期間に亘って医療機器を安定にするのに役立つかもしれない。
【0095】
図19a~
図19dは、多孔質構造の機械的挙動のシミュレーションの間に、実施の形態に係る多孔質構造の一例の概略斜視図を示す。多孔質構造1は、例えば、
図11aおよび
図11bを参照してここで記述された実施の形態に係る多孔質構造1の手段であってもよい。これまでの実施の形態の機能および構造の記述と、対応する符号および関連記述とは、この実施の形態に同等に適用される。この実施の形態では、多孔質構造1は、方向矢によって図示された引張荷重であって多孔質構造1が
図19aに示される第1の構成を有することから
図19dで示される第2の構成を有することへ移行するにつれ大きさを増大させる引張荷重の下にある。
図19bおよび
図19cは、多孔質構造1に適用される引張荷重の大きさが増大されるにつれ第1の構成を有することから第2の構成を有することへの移行の間における多孔質構造1を示す。
【0096】
多孔質構造1の一部分の相対的な変形は、陰影の明暗によって示されている。より明るい領域は、より暗い領域よりも変形されている。最初、引張荷重の第1の大きさの下では、
図19aの接続部材6のより明るい陰影によって示されているように、接続部材6だけが変形される。引張荷重の大きさが第1の大きさより大きい第2の大きさに増大するにつれ、互いに錠止めされているアーム19、21のそれぞれの表面部分は係合し、アーム19、21は
図19cで示されるように変形し始める。アーム19、21は、引張荷重が
図19dで示されるように第2の大きさに増大された場合には、さらに変形する。この第2の大きさでは、多孔質構造1は、多孔質構造1が第1の構成であった場合よりも引張荷重の適用による(更なる)変形に対してより大きな抵抗を備えていてもよい。
【0097】
実施の形態に係る多孔質構造の医療的な適用は、この中で既に記述された。しかしながら、その上またはそれに代わって、これらの多孔質構造の実施の形態は、被医療的な分野において実施されてもよい。例えば、自動車バンパーや自転車ヘルメットなどの緩衝材または保護装置が、実施の形態に係る多孔質構造に手段を提供してもよい。より小さな荷重の下での第1の構成のより低い剛性は、例えば多孔質構造が人によって使い古された品物に含まれる場合の適用の際には、有益であるかもしれない一方、十分に大きな荷重の下での大きな機械強度は、例えば衝撃からの保護を提供するかもしれない。
【0098】
発明の別の態様によれば、多孔質構造を備えた医療機器を製造する方法、例えば、図示された多孔質構造1を備えた医療機器9の実施の形態を製造する方法が提供される。当該方法は、多孔質構造1が使用中に受ける可能性のある荷重範囲を決定することからなる。荷重範囲は、例えば、多孔質構造1がその意図した適用または使用の際に理論的に受ける可能性のある荷重の範囲または機械応力の値の範囲であってもよい。また、当該方法は、多孔質構造1を備える医療機器9を製造することからなり、当該多孔質構造1は、その多孔質構造に適用される荷重に依存して変化する構成を備え、荷重が第1の大きさにある場合には第1の構成を有するとともに、荷重が荷重範囲内で第1の大きさより大きな第2の大きさである場合には第2の構成を有するようにしている。
【0099】
ある実施の形態では、荷重の適用による多孔質構造の変形に対する抵抗は、多孔質構造が第1の構成を有している場合よりも多孔質構造が第2の構成を有している場合の方がより大きい。ある実施の形態では、多孔質構造は、多孔質構造が第2の構成を有している場合にのみ達成される最大機械強度を備えている。
【0100】
そのような方法のある実施の形態では、製造が、付加的な製造を備えていてもよい。
【0101】
付加的な製造(AM)は、対象物の有形模型を組み立てるために使用される一群の技術であってその対象物の三次元(3-D)コンピュータ支援設計(CAD)データを典型的には使用する一群の技術からなることを特徴としてもよい。現在、多数の付加的な製造技術は、ステレオリソグラヒィー(光造形)、選択的レーザー焼結、熱溶解積層法、フォイル・ベースド技術などを含めて利用可能である。
【0102】
選択的レーザー焼結は、強いパワーレーザーまたは別の集中熱源を使ってプラスチック粉末、金属粉末、もしくはセラミック粉末の小さな粒子を焼結し、または、それらを纏めて形成すべき3次元対象物に相当する塊にする。
【0103】
熱溶解積層法およびそれに関連する技術は、固形物から液体状態への一時的な変化であって通常では加熱による一時的な変化を利用している。その固形物は、例えば、制御された方法で押出ノズルを介して動かされ、および、必要な場所に置かれる。
【0104】
フォイル・ベースド技術は、接着もしくは光重合の手段または他の技術によって被覆を相互に固定し、および、それらの被覆から対象物を切断しまたは対象物を重合させる。
【0105】
典型的には、AM技術は、形成すべき3-D対象物のデジタル表示から始まる。一般的には、デジタル表示は、重ね合されて全体として対象を形成できる一連の断面層にスライス(薄切りに)される。AM装置は、層ごとのベース上に対象物を構築するためにこのデータを使うかもしれない。3-D対象の層データを表示する断面データは、コンピュータシステムならびにコンピュータ支援設計およびコンピュータ製造(CAD/CAM)ソフトウェアを使って作り出されてもよい。
【0106】
ある実施の形態では、付加的な製造は、選択的レーザーメッキからなってもよい。他の実施の形態では、付加的な製造は、ステレオリソグラヒィー、選択的レーザー焼結、または熱溶解積層法であってもよい。
【0107】
患者の骸骨(骨格)に対応するデータは、例えば1つ以上の医療画像、光学読み取り(スキャン)、または歩行計測から獲得され、および、患者の骸骨に一致するまたはマッチする(ぴったり合わせる)医療機器9の外形形状または型式を作るために使用されてもよいので、医療機器9は患者仕様である。ある例では、患者の骸骨に接触するように、例えば、患者の軟部組織部分または骨部分に接触するように意図された医療機器の特定表面は、
図9aおよび
図9bの実施の形態で示されるように、患者仕様にされてもよい。医療機器9が骨欠損充填用インプラント、例えば患者の骨構造の欠損部分を交換するように構成されたインプラントである場合の例では、接触している面とは異なるインプラントの外表面は、同様な骨格のライブラリーを使って設計されてもよい。これは、例えば、患者の対側部位を映すことによって、または、統計的形状モデルを使うことによってなされるかもしれない。それから、非接触外表面もまた患者仕様であってもよい。
【0108】
第1および第2の構成における多孔質構造1の機械強度および/または剛性にとっての好適な値は、測定された荷重範囲に基づいて決定されてもよい。また、多孔質構造1のユニットの寸法、形状、および/または型式は、荷重範囲と多孔質構造1の機械強度および/または剛性の好適な値とに基づいて設計または選択されてもよい。患者の骸骨に医療機器9を装着するための方法もまた、ある例では設計されるかもしれない。当該方法のある実施の形態では、シースまたはシース要素、例えば、図示されたシース13およびシース要素14が設計されてもよい。このような設計は、医療機器9用に意図された適用に基づいてもよい。
【0109】
当該方法のある実施の形態では、1つ以上の接続部材、例えば、図示された接続部材6は、初期の剛性を決定するため、または、多孔質構造の特定の初期の剛性を提供するために設計されてもよい。例えば、接続部材6の曲率、長さ、および/厚さを選択または決定し、意図された適用のための通常もしくは典型的な荷重の下で多孔質構造1の初期の剛性を決定するようにしてもよい。
図18に図示された応力‐歪力のグラフと以前の関連記述とに戻って言及すれば、この多孔質構造1の初期の剛性は、例えば多孔質構造1が第1の構成を有する場合には、応力‐歪力の線図の初期の左側区域の傾斜(スロープ)によって描かれてもよい。こうして、接続部材6の曲率、長さ、および/または厚さは、多孔質構造1用の応力‐歪力の線図における初期の区域の傾斜を低くするために設計されてもよい。
【0110】
当該方法のある実施の形態では、多孔質構造1におけるユニットのアームは、例えば図示されたアーム19、21は、多孔質構造の機械強度を決定するために、または、多孔質構造に特定の機械強度を提供するために設計されてもよい。例えば、アーム19、21の厚さ(肉厚)は、接続部材6の厚さ(肉厚)の選択または決定と併用したある例では、その目的のために選択または決定されてもよい。これにより、多孔質構造の最大機械強度を決定するのが可能になり、当該強度は、ある実施の形態では多孔質構造1が第2の構成を有している場合にのみ達成されるようにしてもよい。
図18で示された応力‐歪力の線図に再び言及すれば、材料または構造の最大機械強度は、当該材料または構造の応力‐歪力の線図における最終区域の高さによって説明される。こうして、アーム19、21および接続部材6の厚さは、多孔質構造1の最大機械強度を増大させるために設計されてもよいので、多孔質構造1の応力‐歪力の線図の最終区域を高くするかもしれない。
【0111】
当該方法のある実施の形態では、多孔質構造1が第1の構成を有する場合にはユニット間、ユニットのアーム間、もしくは、それらの係合可能な表面部分間の相対的距離または相対的間隔は、変形限度を決定するように設計されてもよく、当該変形限度に亘っては多孔質構造が低い剛性を有している。第1の構成を有することから第2の構成を有することへの多孔質構造1の移行の間において相互に対してユニットおよび/またはアームおよび/または表面部分のずれは、多孔質構造1が低い剛性のままでの移行の間に経験する変形量に影響を及ぼすかもしれない。
図18の応力‐歪力の線図に再び言及すれば、これは、実線30で示される多孔質構造1の応力‐歪力の線図の初期区域の長さによって表現されるかもしれない。こうして、多孔質構造1が第1の構成を有する場合にはユニット間、ユニットのアーム間、もしくはそれらの表面部分間の相対的距離または相対的間隔は、低い剛性のままで第1の構成と第2の構成との間での移行の間に多孔質構造1によって経験される変形量を低減または制限するために、選択または決定されてもよい。これは、制限された変形の時間差を持つ第1の構成と第2の構成との間の移行が多孔質構造1の機械強度を素早く増大させて多孔質構造1への大きな応力衝撃により良く耐えるようにすることが望まれているので、当該衝撃を考慮する場合には有益になるかもしれない。
【0112】
発明の別の態様によれば、医療機器を患者に装着する方法が提供される。その方法は、多孔質構造を備える医療機器を提供することからなる。これは、前述の実施の形態のうちの一つに係る多孔質構造1であってその構成が多孔質構造に適用される荷重に依存して変化する多孔質構造1を備える医療機器9であってもよい。多孔質構造は、第1の荷重を受けている場合には第1の機械強度を具備する第1の構成を有している。多孔質構造は、第1の荷重より大きな第2の荷重を受けている場合には第1の機械強度より大きな第2の機械強度を具備する第2の構成を有している。
【0113】
その方法はまた、医療機器の第1の部品を患者の第1の部分に装着することからなる。患者の第1の部分は、ある例では、患者の第1の骨部分であってもよい。他の例では、患者の第1の部分は、別の種類の組織、例えば第1の軟部組織部分、靭帯部分、腱部分、筋肉部分、または皮膚(表皮)部分であってもよい。
【0114】
ある実施の形態では、荷重の適用による多孔質構造の変形に対する抵抗は、多孔質構造が第1の構成を有している場合よりも多孔質構造が第2の構成を有している場合の方がより大きい。ある実施の形態では、多孔質構造は、多孔質構造が第2の構成を有している場合にのみ達成される最大機械強度を備えている。
【0115】
ある実施の形態では、方法はさらに、医療機器の第2の部品を患者の第2の部分に装着することからなる。患者の第2の部分は、ある例では、患者の第2の骨部分であってもよい。他の例では、患者の第2の部分は、別の種類の組織、例えば第1の軟部組織部分、靭帯部分、腱部分、筋肉部分、または皮膚部分であってもよい。
【0116】
方法におけるある実施の形態では、第2の骨部分は、第1の骨部分を第2の骨部分に結合する何らかの骨を欠いたままで、第1の骨部分から離れている。例えば、
図9aを参照して、第1の骨部分17および第2の骨部分18は、それらの骨部分の間に何らの骨を持たない患者の下顎の部分であってもよい。他の実施の形態では、第1の骨部分を第2の骨部分に結合する骨であってもよい。これらの例のうちあるものでは、医療機器を空洞(キャビティ)すなわち骨欠損に挿入して、欠損した骨を交換するようにしてもよい。他の例では、医療機器を骨の外側で患者内に埋め込み、その骨を強化または補助(サポート)するようにしてもよい。
【0117】
発明のある実施の形態では、医療機器はインプラントであってもよい。インプラントは、例えば、整形外科用インプラント、頭部用インプラント、顎顔面用インプラント、頭部顎顔面用インプラント、ジョイント交換用インプラント、骨接合用インプラント、骨欠損充填用インプラント、股関節用インプラント、脊柱ケージのような脊柱用インプラント、ステント、または移植片であってもよい。
【0118】
インプラントが頭部用インプラント、顎顔面用インプラント、頭部顎顔面用インプラント、股関節用インプラント、または脊柱用インプラントである場合の実施の形態では、医療機器の第1の部品を患者の第1の骨部分に装着することは、患者の第1の頭部骨部分、第1の顎顔面骨部分、第1の頭部顎顔面骨部分、第1の股関節骨部分、または第1の脊椎部分のそれぞれに医療機器の第1の部品を装着することからなるかもしれない。これらの実施の形態のうちあるものでは、その方法が医療機器の第2の部品を患者の第2の部分に装着することからなる場合にも、それは、患者の第2の頭部骨部分、第2の顎顔面骨部分、第2の頭部顎顔面骨部分、第2の股関節骨部分、または第2の脊椎骨部分のそれぞれに医療機器の第2の部品を装着することからなってもよい。
【0119】
他の実施の形態では、医療機器は、矯正器具、例えば歩行用装具、短下肢装具、外骨格、インソール、添え木、またはヘルメットであってもよい。これらの実施の形態では、患者の第1および/または第2の部分は、患者の外部エリアであってもよい。例えば、医療機器は、患者の足関節の足底、または、患者の頭もしくは肢に置かれてもよい。
【0120】
他の実施の形態では、医療機器は、人工装具、例えば手部義手、股関節装具、または、肢装具であってもよい。これらの実施の形態では、医療機器は、患者の一部分すなわち第1の部分に装着されてもよく、失った身体部分たとえば手足を交換してもよい。
【0121】
上述の実施の形態は、発明の説明的な例として理解されるべきである。発明のさらなる実施の形態は予想される。例えば、多孔質構造または医療機器のある実施の形態は、図で示され本文中で記述されたものと異なる形状の個別ユニットからなってもよい。何れか一つの実施の形態に関して記述されたある形状構成は、単独で使用されてもよいし、または記述された何れかの他の実施の形態と組み合わせて使用されてもよく、および、何れかの他の実施の形態の1つ以上の形状構成と組み合わせて、あるいは、何れかの他の実施の形態の何れかと組み合わせて使用されてもよいことは理解されるべきである。さらにまた、上述されていない同等および変更もまた、添付された請求項で規定された発明の範囲を逸脱せずに利用されてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質構造(1)を備える医療機器(9)であって、
前記多孔質構造の構成は、前記多孔質構造に適用される荷重に依存して変化し、
前記多孔質構造は、前記荷重が第1の大きさである場合には第1の構成を有し、かつ、前記荷重が前記第1の大きさより大きい第2の大きさである場合には第2の構成に移行し、
前記荷重は、圧縮荷重、引張荷重、剪断荷重、または捩れ荷重のうちの1つであり、
前記多孔質構造(1)は、複数の接続部材(6)により接続された複数のユニットからなり、
前記多孔質構造は、前記複数の接続部材(6)のうちの第1の接続部材の第1の表面部分(2)と、前記複数の接続部材(6)のうちの第2の接続部材の第2の表面部分(3)と、を備え、
前記第1の表面部分は、前記多孔質構造が前記第1の構成を有している場合には前記第2の表面部分から引き離され、
前記第1の表面部分は、前記多孔質構造が前記第2の構成を有している場合には前記第2の表面部分に係合されている、
医療機器。
【請求項2】
請求項1に記載の医療機器において、
前記荷重の適用による前記多孔質構造の変形に対する抵抗は、前記多孔質構造が前記第1の構成を有している場合よりも前記多孔質構造が前記第2の構成を有している場合の方がより大きい、医療機器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の医療機器において、
前記多孔質構造は、前記多孔質構造が前記第2の構成を有している場合にのみ達成される最大機械強度を備えている、医療機器。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の医療機器において、
前記複数のユニットのうちの少なくとも一方の本体が多孔質である、医療機器。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の医療機器において、
前記複数のユニットは、一次元配列、二次元配列、または三次元配列で相対的に位置決めされている、医療機器。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の医療機器において、
前記複数のユニットの全てが互いにほぼ同一である、医療機器。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の医療機器において、
前記複数の接続部材のそれぞれは、前記第1の構成から前記第2の構成への前記多孔質構造の移行の間には、弾性的に変形するよう構成されている、医療機器。
【請求項8】
請求項1~7に記載の医療機器において、
前記複数の接続部材のそれぞれは、前記多孔質構造が前記第1の構成を有している場合ほど前記多孔質構造が前記第2の構成を有している場合には直線的ではない、医療機器。
【請求項9】
請求項1~7に記載の医療機器において、
前記複数の接続部材のそれぞれは、前記多孔質構造が前記第1の構成を有している場合よりも前記多孔質構造が前記第2の構成を有している場合の方がより直線的である、医療機器。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の医療機器において、
前記多孔質構造は、0.3mm~1.5mmの第1の気孔サイズ(24)を有する1つ以上の気孔(23)を備え、および(または)
前記多孔質構造は、0.75mm~5mmの第2の気孔サイズ(26)を有する1つ以上の気孔(25)を備えている、医療機器。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の医療機器において、
前記医療機器は、第1の端部(10)および第2の端部(11)を備え、
前記多孔質構造は、前記第1の端部と前記第2の端部との間にあり、
前記第1の端部および前記第2の端部のうちの一方またはそれぞれは、前記多孔質構造と同じ多孔質であり、または、前記多孔質構造ほど多孔質ではない、医療機器。
【請求項12】
請求項11に記載の医療機器において、
前記第1の端部および前記第2の端部のうち少なくとも一方は、留め具を受け入れるための開口(12)を備えている、医療機器。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の医療機器において、
前記多孔質構造は、弾性である、医療機器。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の医療機器において、
前記医療機器は、
整形外科用インプラント、頭部インプラント、顎顔面用インプラント、頭部顎顔面用インプラント、ジョイント交換用インプラント、骨接合用インプラント、骨欠損充填用インプラント、股関節用インプラント、脊柱用インプラント、ステント、または移植片を含むインプラント、
歩行用装具、短下肢装具、外骨格、インソール、添え木、またはヘルメットを含む矯正器具、
および
手部義手、股関節装具、または肢装具を含む人工装具、
のうちの一つである、医療機器。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の、多孔質構造(1)を備える医療機器(9)を製造する方法であって、
前記多孔質構造が使用中に受ける可能性のある荷重範囲を決定すること、および
前記多孔質構造が前記多孔質構造に適用される荷重に依存して変化する構成を有し、前記荷重が第1の大きさである場合には第1の構成を、前記荷重が前記荷重範囲内で前記第1の大きさより大きい第2の大きさである場合には第2の構成を前記多孔質構造が有するような前記多孔質構造を備える前記医療機器を製造すること、からなり、
前記荷重は、圧縮荷重、引張荷重、剪断荷重、または捩れ荷重のうちの1つであり、
前記多孔質構造(1)は、複数の接続部材(6)により接続された複数のユニットからなり、
前記多孔質構造は、前記複数の接続部材(6)のうちの第1の接続部材の第1の表面部分(2)と、前記複数の接続部材(6)のうちの第2の接続部材の第2の表面部分(3)と、を備え、
前記第1の表面部分は、前記多孔質構造が前記第1の構成を有する場合には前記第2の表面部分から引き離され、
前記第1の表面部分は、前記多孔質構造が前記第2の構成を有する場合には前記第2の表面部分に係合される、
方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、
前記製造が、付加的な製造または選択的レーザー溶融を含む、方法。