(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169568
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】マルチプルプロジェクタシステムのための駆動スキームの最適化
(51)【国際特許分類】
H04N 5/74 20060101AFI20221101BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20221101BHJP
G09G 5/10 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
H04N5/74 A
G09G5/00 510B
G09G5/00 510V
G09G5/10 B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022123956
(22)【出願日】2022-08-03
(62)【分割の表示】P 2020183141の分割
【原出願日】2015-05-15
(31)【優先権主張番号】61/994,002
(32)【優先日】2014-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/148,041
(32)【優先日】2015-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516118903
【氏名又は名称】エムティティ イノベーション インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MTT INNOVATION INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コザック、エリック
(72)【発明者】
【氏名】ダムバーグ、ガーウィン
(72)【発明者】
【氏名】バレスタッド、アンダース
(72)【発明者】
【氏名】クマラン、ラヴィーン
(72)【発明者】
【氏名】グレグソン、ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】マイナー、ジョハンズ
(72)【発明者】
【氏名】ロセンフェルド、ギル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マルチプルプロジェクタシステムにおいてより良いコントラスト、より良いダイナミックレンジの画像表示を行う。
【解決手段】光投射システムおよび方法は、2つまたはそれより多くのプロジェクタからの光を合成する段階を備える。それぞれのプロジェクタは、プロジェクタの合成された光の出力が、投射された光のためのターゲットに一致するように制御され、最適化が、プロジェクタのそれぞれのための画像データおよび制御信号を生成すべく実行される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データによって画定された画像を表示するための方法であって、
前記画像の黒レベルの表示を考慮した前記画像のダイナミックレンジを決定するべく、前記画像データを処理する段階と、
第1ダイナミックレンジを有する第1プロジェクタからの光を第2ダイナミックレンジを有する第2プロジェクタからの光と組み合わせて、単一の表示画像をもたらす段階であって、前記第1プロジェクタの前記第1ダイナミックレンジは前記第2プロジェクタの前記第2ダイナミックレンジよりも低い、段階と、
を備え
前記第1プロジェクタからの前記光を前記第2プロジェクタからの前記光と組み合わせる段階が、
前記画像の前記黒レベルに基づく量だけ前記第1プロジェクタの明るさを減少させて、前記画像の前記黒レベルに対して前記第1プロジェクタの黒レベルを補償する段階と、
前記第1プロジェクタを制御して、前記第1プロジェクタの前記ダイナミックレンジ内で前記画像の部分を投射する段階と、
前記第2プロジェクタを制御して、前記表示画像にハイライトを供給する段階であって、前記ハイライトが、前記第1プロジェクタによって達成可能なピーク明るさよりも高い明るさを有する、段階と、
を有し、
前記第1プロジェクタの前記明るさを減少させる段階が、前記第1プロジェクタの光源を薄暗くさせる段階、または、前記第1プロジェクタの光路における絞りのサイズを減少させる段階、を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照] 本出願は、2014年5月15日に出願された米国出願第61/994002号および2015年4月15日に出願された米国特許出願第62/148041号からの優先権を主張する。米国の目的で、本出願は、「BRIGHTNESS BOOSTER FOR MULTIPLE-STAGE PROJECTORS」と題され、2014年5月15日に出願された米国出願第61/994002号、および、「OPTIMIZING DRIVE SCHEMES FOR MULTIPLE PROJECTOR SYSTEMS」と題され、2015年4月15日に出願された米国特許出願第62/148041号に関して、米国特許法第119条の下で利益を主張し、これらの両方は、これにより、全ての目的で参照によって本明細書に組み込まれる。
[分野]
【0002】
本発明は、画像を投射するための画像プロジェクタおよび方法に関する。本発明は、例えば、映画の投射、投射テレビ、広告の表示、空間的に適応する自動車ヘッドライト等のような一般的な照明において、応用を有する。
【背景技術】
【0003】
多くの光プロジェクタは、ターゲット画像を生成すべく、入射光を減算的に変調するDMD、LCoS、LCD、または反射式LCD(もしくはフィルム)のような結像チップに均一に照明を照らす光源を有する。そのようなプロジェクタは、典型的には、1)光源の光パワー、投射画像のサイズ、および画像スクリーンの反射性によって設定されるピーク輝度を越えることはできなく、2)例えば、フィルムといった結像デバイス、またはLCD、LCO,もしくはDMD撮像チップのようなデジタルデバイスによって制限されたダイナミックレンジまたはコントラストを有する。
【0004】
複数の光プロジェクタは、特定の輝度および色度値を有するターゲット画像を生成するこれらの能力において異なる。能力の範囲は、最大ピーク輝度(光源の光出力)から最も低い黒レベルおよび従ってコントラスト(含まれる結像技術のコントラスト)、色純度および色域(広帯域光源、または、例えば、レーザ光源の波長の何れかに適用される複数のフィルタによって制御される)、ならびに均一性およびノイズ仕様に関連する技術的限度に由来する。いくつかのプロジェクタは、例えば、100cd/m2のピーク輝度および1cd/m2の黒レベル、および従って100:1のコントラストに到達する限定されたコントラストを有する光出力を生成し得る。他のプロジェクタは、(光源パワーを増加させることによって)より明るいハイライトおよび/または(より高いコントラスト結像技術を用いて)より深い黒レベルに到達し得る。いくつかのシステムにおいて、非常に深い黒レベルは、画像を2回変調させる(「二重変調」)ことによって達成され得る。プロジェクタのコントラストまたはダイナミックレンジは、光路に絞りまたは開口を挿入することによって動的に調整され得、その光遮断は、画像コンテンツに応答して引き起こされてよい。
【0005】
プロジェクタ上で再現される画像または動画コンテンツのタイプおよび必要条件は、画像または動画コンテンツの提示の過程で時間が経つにつれて、かなり変化し得る。その提示は、例えば、映画館における映画の提示、プロジェクタを用いるライブパフォーマンス、または車両において異なる条件で運転する間のアダプティブ(画像‐)プロジェクタヘッドライトによる光の投射を含む。例えば、映画は、暗い、高コントラストの、白黒のシーンで開始してよく、後に、複数の純粋色を有する明るいコントラストおよび低いコントラストのシーンを含んでよい。夜間に運転する間に、アダプティブカーヘッドライトは、都市外の空いている道路に均一で低いコントラストの光照射野を投射する必要があるかもしれないが、都市内では、停止の標識にハイライトを当て、近づいてくる車に照明を当てる(その領域で影を投じる)か、または道路上で情報をシグナリングすることを回避すべく、非常に高コントラストで明るい画像を生成する必要があるかもしれない。
【0006】
高輝度、高ダイナミックレンジプロジェクタは、しばしば、同様の平均光(パワー)出力のための標準的なより低いダイナミックレンジプロジェクタより高価である。これについての1つの理由は、より良い黒レベルを達成することにより、システム内でより多くの要素(例えば、カスケードの光減衰要素を用いる二重変調設計)がしばしば必要とされることである。別の理由は、同じスクリーン上でより高いピーク輝度を達成することは、プロジェクタにおいてより多くの光源のパワーを必要とすることである。
【0007】
上記の例におけるように、時間が経つにつれてかなり変化する複数の特性(例えば、ダイナミックレンジ、黒レベル、最大輝度、色飽和のような特性)を有する画像コンテンツを再現すべく、投射システムを制御する良好な方法に対する必要性が残る。そのような方法は、パワー要件を低減すること、良好な黒レベルを提供すること、および/または明るいハイライトを提供すること等の利点を有益に提供するであろう。
【0008】
より高い画像品質およびより良い費用効果の一方または両方を提供する光投射システムに対する必要性が残る。
【0009】
画像、所望されるランプ照明パターン等のようなパターンを投射するために適した実際的で費用効果の高い投射システムに対する必要性が残る。時間が経つにつれてかなり変化する特性を有するコンテンツを正確に表示することが可能な、そのようなシステム(例えば、何らかの時点で明るい低コントラスト画像を表示し、他の時点で、明るいハイライトで暗い画像を表示するために呼び出されるシステム)に対する特定の必要性がある。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、多数の態様を有する。一態様は、複数のプロジェクタを組み合わせるプロジェクタシステムを提供する。プロジェクタは、互いに異なる性能特性を有してよい。プロジェクタは、別々のデバイスであってよく、またはコントロール電子もしくは特定の光学素子のような特定のコンポーネントを共有してもよい。別の態様は、画像を表示すべく2つまたはそれより多くのプロジェクタの動作を統合するのに有用なコントロールハードウェアデバイスを提供する。別の態様は、入ってくる画像信号を複数の別個の画像へと分割するための方法を提供する。
【0011】
複数の画像を生成するデバイスは、合成画像を形成するのに用いられてもよい。それぞれのデバイスは、一式の動作仕様(例えば、ピーク輝度、解像度、黒レベル、コントラスト、色範囲または色域等の仕様を含んでよい)を有する。定義される数学的機能は、向上された画像品質またはより低いコストのようなゴールを達成する最適化を可能にする数学的フレームワークにおける画像品質およびコストメトリクスを提供する。その最適化の結果、それぞれの画像生成デバイスについて別個の画像データがもたらされる。
【0012】
このコンセプトは、同様のまたは異なる能力を有する2つまたはそれより多くのシステムが、画像データに従って合成画像を生成するプロジェクタに適用され得る。
【0013】
設置において低ダイナミックレンジプロジェクタが存在するか、または適切な最大出力パワーの高ダイナミックレンジプロジェクタを見つけることができない場合、高いピーク輝度および低い黒レベルを有する単一像を生成すべく同様のまたは異なる能力を有する2つまたはそれより多くのプロジェクタを組み合わせることが望ましくてよい。このような構成の例に、高いピーク輝度および低い黒レベルを有する単一像を生成する低ダイナミックレンジプロジェクタおよび高ダイナミックレンジプロジェクタが含まれる。
【0014】
更なる態様および例示的な実施形態が、添付図面において示され、および/または以下の説明において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
添付図面は、本発明の複数の非限定的で例示的な実施形態を示す。
【0016】
【
図1】例示的な実施形態による投射システムを示すブロック図である。
【0017】
【
図2B】
図2Aの画像を再現すべく合成されてよいLDRプロジェクタによって投射される画像である。
【
図2C】
図2Aの画像を再現すべく合成されてよいHDRプロジェクタによって投射される画像である。
【0018】
【
図3B】
図3Aの画像を再現すべく合成されてよいLDRプロジェクタによって投射される画像である。
【
図3C】
図3Aの画像を再現すべく組み合わされてよいHDRプロジェクタによって投射される画像である。
【0019】
【
図4B】
図4Aの画像を再現すべく合成されてよいLDRプロジェクタによって投射される画像である。
【
図4C】
図4Aの画像を再現すべく合成されてよいHDRプロジェクタによって投射される画像である。
【0020】
【
図5B】
図5Aの画像を再現すべく合成されてよいLDRプロジェクタによって投射される画像である。
【
図5C】
図5Aの画像を再現すべく合成されてよいHDRプロジェクタによって投射される画像である。
【0021】
【
図6B】
図6Aの画像を再現すべく合成されてよいLDRプロジェクタによって投射される画像である。
【
図6C】
図6Aの画像を再現すべく合成されてよいHDRプロジェクタによって投射される画像である。
【0022】
【
図7】ディスプレイの抽象的概念の概略的実例である。
【0023】
【0024】
【0025】
【
図10】例示的な複合ディスプレイを示すブロック図である。
【0026】
【
図11】ディスプレイを用いて入力ターゲット画像を再現するのに用いられるべきパラメータおよび照明を決定すべく、ディスプレイパラメータ最適化が実行されるシステムを示すブロック図である。
【0027】
【
図12】出力画像をもたらすべく第1および第2のプロジェクタからの画像の合成を示すフローチャートである。
【0028】
【
図13】どの画像が、ターゲット画像をもたらすべく複数のプロジェクタのそれぞれによって恐らく示されるか決定するための方法を示すフローチャートである。
【0029】
【
図14】独立した主要および補助的光源(「ブースト光源」)ならびに、スクリーン上に光を誘導し得る、または減衰させ得る2つの撮像素子を有する投射システムを示すブロック図である。
【0030】
【
図15】主要および補助的(ブースト)光源を有する投射システムの光源をどのように制御するか示すフローチャートである。
【0031】
【
図16】補助的(ブースト)光源について、異なる画像特性および対応する強度設定(制御信号)を有する例示的な画像データを示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の説明の全体にわたり、具体的な詳細が、本発明のより完全な理解を提供すべく、説明される。しかしながら、本発明は、これらの事項なしで実施されてもよい。他の場合、十分に周知の要素は、本発明を不必要に覆い隠すことを回避すべく、詳細には示されておらず、または説明されていない。従って、本明細書および図面は、制限する意味よりもむしろ、例示的な意味でみなされるべきである。
【0033】
2つまたはそれより多くの低ダイナミックレンジプロジェクタ(プロジェクタタイリング(tiling))を組み合わせる、または2つの低いピーク輝度の高コントラスト(ダイナミックレンジ)プロジェクタさえも組み合わせるための1つの動機は、結果として得られる画像のスクリーン上の全体的な輝度(明るさ)をブーストすることである。低ダイナミックレンジプロジェクタは、一般的かつ商品技術であり、従って、同様の合計出力の明るさの高ダイナミックレンジプロジェクタよりはるかに低い購入価格を要求する。
【0034】
図1は、複数のプロジェクタを備えるプロジェクタシステムを概略的に示す。
【0035】
いくつかの実施形態において、複数のプロジェクタの全ては、同じビューイングエリア(例えば、プロジェクタの視野の境界が同じであってよい)に光を与える。複数のプロジェクタのそれぞれは、ビューイングエリアのいかなる部分にも光を伝送してよい。観察者は、プロジェクタの合成された出力を認識する。いくつかの実施形態において、複数のプロジェクタのそれぞれは、ビューイングスクリーンの表示エリア全体の上に投射する。
【0036】
低ダイナミックレンジプロジェクタおよび高ダイナミックレンジプロジェクタ(LDRおよびHDR)が組み合わされるシステムにおいて、複数のプロジェクタのそれぞれによって最終的な画像に与えられる光の最適な比は、大きく変化し得る。この変化は:
・スクリーン位置での周辺光レベル
・画像ピーク輝度
・画像平均輝度
・両方のプロジェクタの光出力
・両方のプロジェクタの効率(ルーメン/ワット)
・LDRプロジェクタの最小黒レベル
・画像における黒の量
・明るい特徴への黒の近さ(ベール輝度)
・HDRプロジェクタによって補正され得るLDRプロジェクタにおける不均一性(または他のアーチファクト)の存在
・LDRプロジェクタの使用によって低減され得るHDRプロジェクタにおけるスペックル(または他のアーチファクト)の存在
・より薄暗いコンテンツ(パワー消費量の最適化のための)を示すことでプロジェクタのパワー消費量を低減する能力
のような画像および環境の特性の結果である。
【0037】
以下は、本発明の例示的な実施形態に従って、HDRプロジェクタおよびLDRプロジェクタからの画像がどのように合成され得るか示す5つの例示的な場合である。「明るい」および「ほの暗い」は、画像の輝度レベルを指す。
ケース1:明るい低ダイナミックレンジ画像、高められた黒レベル
【0038】
画像(
図2A)は、高い黒レベルを有する。より暗い詳細は、白の特徴によって密接に取り囲まれる。この例示的な場合において、画像の所望される明るさは、LDRプロジェクタの能力を越える。
【0039】
LDRプロジェクタは、可能な限り多くの光を出力するように制御されてよく(
図2Bを参照)、HDRプロジェクタは、
図2Cに示されるような画像の全体的な明るさを単純に増加させるべく、より明るい特徴の一部を補足するように制御されてよい。
ケース2:ほの暗い低ダイナミックレンジ画像、高い黒レベル
【0040】
この画像(
図3A)は、非常に高いダイナミックレンジは有さない。LDRプロジェクタは、所望されるレベルで画像を生成すべく、十分に明るい。この場合、LDRプロジェクタは、入力画像を単純に「そのままで」(
図3B)示してよく、HDRプロジェクタは、何も出力しないか、またはオフであってよい(
図3C)。
ケース3:明るい高ダイナミックレンジ画像、高い黒レベル
【0041】
この画像(
図4A)は、より暗いエリアにおけるいくらかの詳細を示し、よって、画像は、非常に低い黒レベルは有さない。画像のより明るい部分は、LDRプロジェクタの明るさ能力を越える。LDRプロジェクタは、
図4Bに示されるように画像を表示してよく、HDRプロジェクタは、
図4Cに示されるように画像を表示してよい。
ケース4:明るい高ダイナミックレンジ画像、低い黒レベル
【0042】
この画像(
図5A)は、暗い部分における詳細が完全に無い状態で、非常に低い黒レベルを有する。キャンドルフレームの高い予期される明るさに起因して、LDRプロジェクタは、全てを一緒にオフにされてよく、または絞りを用いることによって薄暗くされてよく(
図5B)、HDRプロジェクタは、画像全体を生成してよい(
図5C)。
ケース5:ほの暗い低ダイナミックレンジ画像、低い黒レベル
【0043】
本明細書において、画像のピークの明るさは、非常に低く(
図6Aを参照)、同時に、黒レベルも非常に低い。LDRプロジェクタは、黒レベルを十分に低下させるべく、レンズ上の絞り(以下で詳細が示される)を必要とする。この場合、部分的に閉じられた絞りを介したピークの明るさは、画像を表示するには十分であり、よって、HDRプロジェクタは、必要ではないであろう。
図6Bは、絞りが部分的に閉じられた状態でのLDRプロジェクタによる画像出力を示す。
図6Cは、HDRプロジェクタの(黒/ヌルを)出力を示す。
絞り/全体的なランプパワー制御
【0044】
低ダイナミックレンジプロジェクタは、しばしば、光変調器技術の限度に起因して黒を示すように試みるときに、濃い灰色画像を生成する。例として、最も明るいエリアが、プロジェクタのピーク輝度よりも低い輝度を有する複数の画像を想定されたい。本明細書において、より良いコントラストが、光源を薄暗くさせることによって達成され得る。別の例において、ターゲット画像の暗いエリアにおける詳細の量は、ビューアーにとってより高い重要性を有すると決定され得る。そのような場合、明るいコンテンツは、より深い黒レベルを取り戻すべくプロジェクタを薄暗くさせることによって、犠牲にしてよい。殆どの低ダイナミックレンジプロジェクタは、ランプベースであり、ウォームアップ(warm‐up)の課題が原因で、シーン毎のベースで、容易に薄暗くしたりスイッチをオンオフ(純粋な黒を生成すべく)したりすることはできない。
【0045】
低ダイナミックレンジプロジェクタが、「オフ」にされるか、または単純に下げられる必要がある場合、絞りは、光路(例えば、レンズ上)において配置され得る。絞りは、その後、投射画像の黒レベルを向上すべく、より小さくされてもよい。また、絞りは、バイナリでないことに留意されたい。絞りは、所望される画像黒レベルによって決定されるサイズに開放されてもよい。絞りは、シーンを変えるとき、顕著なラグを生成しないように、十分な速度でサイズを変更し得ることが、想定される。絞り機能は、LCD板(電気的に調光可能)または速やかに閉鎖し開放する高速シャッタのような何らかの他の電気的または機械的手段によっても実装されてよい。
【0046】
LDRプロジェクタは、制御され得る光出力を有するソリッドステート光源を有し、絞りは、必要でなくてもよい。そのような実施形態において、光源は、その光出力が、抑制された絞りを介して利用可能な光と均等であるように、量が薄暗くされてもよい。
【0047】
高ダイナミックレンジプロジェクタは、全体的に調光可能なソリッドステート光源および/または絞りを任意で含んでよい。
アーチファクト軽減
【0048】
決して絞りを完全に閉じず、僅かにより高い黒レベルを受け入れることが、画像品質にとって有利であり得る。HDRプロジェクタは、フィールド不均一性または他のアーチファクトに起因して劣っている画像品質を示す場合、LDRプロジェクタからの少なくとも基準量の光を有することで、アーチファクトを知覚的に軽減するのに役立つことができる。
【0049】
LDRプロジェクタが、ビグネットまたは他の不均一性のような画像アーチファクトを表示する場合、HDRプロジェクタは、光照射野の不均一性を補正するのに用いられてよい。
プロジェクタバランシングアルゴリズム
表示表現
【0050】
それぞれのコンポーネントプロジェクタのための設定を決定すべく、それぞれのプロジェクタの能力が考慮され得る。
【0051】
以前のアプローチは、一般に、それぞれのコンポーネントが入力を取得し、それで動作し、それを次の段階へ渡す単純なパイプラインとして結像をモデル化する。このアプローチは、例えば、ミラーまたはレンズのような比較的多くの受動的な光学素子と結合された光源、変調器または絞りといった比較的少数の制御可能な要素から成るシステムに効果的である。しかしながら、それは、より複雑なシステムでは、それほど望ましくない。そのようなシステムは、複数のディスプレイ(プロジェクタ)を組み合わせてよい、または後に続くディスプレイへと1つのディスプレイの出力をフィードしてよい。この場合、パイプラインの後の段階のパラメータは、より早期の段階のアーチファクトまたは性能限度を補償すべく、調整され得る。
【0052】
それぞれの表示を、一式のディスプレイパラメータP(例えば、画素値)、および光源照明Sを取るとして抽象的な意味で考えるのが有利であり、それらは、その後、出力画像O=F(P,S)を生成すべくディスプレイによって操作される。ここで、関数Fは、特定のディスプレイハードウェアの動作をモデル化する。ディスプレイのこの抽象的概念は、
図7に示される。
【0053】
このモジュールアプローチは、複数のディスプレイが、より複雑な撮像システムをモデル化すべく、アブストラクトディスプレイ(abstract display)および受動的な光学素子のネットワークを形成するように、ほぼ任意に接続されることを可能にする。ネットワークにおける複数のディスプレイは、単一の光路を形成すべく直列に、または複数の光路を組み合わせるべく並列に、または直列および並列設計の組み合わせにおいて、の何れかで接続され得る。
【0054】
2つのディスプレイの直列の接続の例が、直列に接続された2つの振幅変調器を備えるシステムについて、
図8に示される。このような構成は、複数の変調器をカスケードすることによって個々の振幅変調器の限定されたコントラスト比を補償するいくつかの拡張ダイナミックレンジ(EDR)プロジェクタに用いられる。出力コントラストは、その結果として、2つの変調器のコントラスト比の積である。
【0055】
並列の配列の例が、プロジェクタ超解像度用途において見られる。それにおいて、複数のプロジェクタからの出力画像は、単一のプロジェクタからの画像に存在するより高い空間周波数特徴を生成すべく、わずかな登録抹消と重複する。この配置は、
図9に示される。
【0056】
並列の配列において、2つの振幅変調プロジェクタの光路が、組み合わされ(投射スクリーンによって)、出力画像を生成する。
【0057】
配置に基づいて、出力画像は、複数のコンポーネントディスプレイによって生成される画像の加算または複合の何れかによって数学的に決定され得る。パラメータP1およびP2をそれぞれ取る関数F1およびF2を有する2つのディスプレイを例にとると、並列の構成は、出力画像について以下の表現を結果としてもたらす。
【数1】
一方、直列構成は、以下の表現を結果としてもたらす。
【数2】
【0058】
ネットワークにおいて任意に多くのディスプレイを配置し、コンポーネントディスプレイパラメータおよび光源照明を、複合ディスプレイへの入力として取ることによって、複合ディスプレイを形成することも可能である。並列の構成の例は、
図10に示される。
【0059】
複合ディスプレイは、その結果として、アブストラクトディスプレイの特定のタイプとして表され得、それは、次に、ネットワークへと配置され得、および/または群化され得て、より高いレベルの複合ディスプレイを形成し得る。コンポーネントディスプレイ結像モデル、Fiが周知であるという条件で、全体的なディスプレイシステムの数学的結像モデルが、直列および並列式の組み合わせを介して表され得る。そのような結像モデルは、ディスプレイシステムの動作を最適化するのに応用されてよい。
ディスプレイパラメータ最適化
【0060】
この表現の1つの利点は、一度、ディスプレイシステムの全体的な結像モデルが定義されると、個々のディスプレイに対する最適なパラメータが、数値最適化を介して取得され得ることである。そのような最適化は、多くの他の選択肢がある中で、アーチファクト軽減、コンポーネントディスプレイ寿命の最大化、合計のシステム効率、パワー消費量、および出力画像忠実度のような望ましい性質を調和させるべく、複数の、場合によっては矛盾するゴールを組み込み得る。
【0061】
ディスプレイシステムを、パラメータPおよび光源照明Sを取るアブストラクト(場合によっては、複合)ディスプレイとして考えると、出力画像を生成することにより、複数のパラメータが一緒に最適化されることが可能になり得る。そのようなシステムは、
図11に描写され、そこで、ディスプレイパラメータ最適化が実行され、抽象的(場合によっては、複合)ディスプレイのための入力ターゲット画像Tを再現するのに必要とされる、パラメータPおよび照明Sを決定する。このディスプレイのシミュレーションされた(または測定された)出力は、次に、システムを介して、いくつかのモジュール、つまり、画像忠実度モデル、システム制約条件モデルおよび品質ヒューリスティックモデルへ送り返される。
【0062】
図の明瞭さのために明示的にラベル付けられていないものの、システムによって用いられるモデルは、ターゲット画像、光源照明および現在のパラメータ選択へのアクセスを暗黙的に有する。ディスプレイの出力を示す画像を取得すべく位置付けられたカメラも、フィードバックループ内に組み込れてよい。いくつかの実施形態において、最適化が、カメラによって取得された画像と、およびディスプレイシステムの所望される出力(ターゲット画像)との間の差を含むコスト関数を用いて実行される。
【0063】
複数のモデルのそれぞれは、出力画像または望ましい性質からのパラメータ選択のずれを補正するように試みる。1つの共通のモデルは画像忠実度である。システムによって生成される画像は、ターゲット画像T、または、おそらく知覚因子が考慮されるものである、ターゲット画像の変更版を厳密に近似するのが望ましい。出力画像とターゲット画像との間の誤差が、パラメータ調整を計算するモデルによって用いられる。最適化は、パラメータの集中が達成されるか、または時間割当が使い果たされるかの何れかまで進んでよい。
【0064】
システム制約条件モデルは、パラメータ選択が、物理的に実現可能(かつ望ましい構成)であるという結果をもたらすことを確実にする。そのような基準は、光源照明プロファイルが、利用可能なパワー内にあるか、または変調器のパラメータが、不透明と透過性との間で変化する、すなわち、光を生成しないことを必要とすることを含み得る。望ましい構成は、空間または時間的コヒーレンスを有する、特定の範囲内にある(例えば、前述のLCoS線形性の説明を参照)パラメータ、またはパワー使用を最小化する、および/またはコンポーネント寿命を最大化するパラメータを選択することを含んでよい。
【0065】
画像品質ヒューリスティックは、容易にはモデル化されない、または結像モデル用にモデル化するのにコストがかかる動作を補償するのに用いられてよい。画像品質ヒューリスティックは、他のアーチファクトがある中で、モアレ、回折、時間的動作およびカラーフリンジを含んでよい。ヒューリスティックモデルは、経験的画像品質基準を用いてこれらを補償するのに役立つことを意図している。画像品質ヒューリスティックは、また、ベール輝度、適応レベル、平均ピクチャレベル、メタメリズムおよび彩度/ルマ(luma)誤差に対する感度の変化のような、人間の認識の性質について最適化する複数のパラメータを調整すべく、提供される。これらの性質に対する感度は、コンテンツ生成において利用され得る。
【0066】
図12は、上記で説明されたアブストラクトディスプレイフレームワークにおいて描写されたHDR+LDRプロジェクタシステムを示す。
【0067】
LDRおよびHDRプロジェクタは、それら自体、複合ディスプレイであってよい。商業的用途のための望ましい性質を有する例示的な実施形態は、典型的な平均ピクチャレベルに適したフルスクリーンの白を達成し得る比較的高パワーのLDRプロジェクタを有し、それは、はるかにより高いピークの明るさを達成し得るが、スクリーン全体にわたってそれを行うためのパワーは有していない、より低いパワーのHDRプロジェクタと組み合わされる。そのようなシステムは、典型的な画像における輝度の分布に起因して増加したフルスクリーンの白値が可能な単一のプロジェクタを作成するよりも、大いに効率的であり得、より多くのコストを低減し得る。そのような実施形態において、LDRプロジェクタの全体的な減光を許可する制御を提供することが望ましい。そのような全体的な減光を提供するいくつかの例示的な方法は、絞り、制御可能シャッター、および/または可変出力光源を用いる。絞りは、LDRプロジェクタの強度を変調する非常に単純なディスプレイであり、それは、原理上、光源S1によって、動的に変調され得るLDRプロジェクタに置き換えられ得る。
【0068】
ディスプレイパラメータ最適化は、出力画像Oがターゲット画像Tに最良に一致するようにさせるLDRパラメータP1、絞り/駆動レベルパラメータP2およびHDRパラメータP3を検索する。
図12のシステムは、その後、以前の図におけるアブストラクトディスプレイに取って代わり、パラメータP={P1、P2、P3}およびS={S1、S3}を有する。結像モデルによってモデル化されたような出力画像は、その結果:
【数3】
【0069】
向上したディスプレイパラメータは、最適化を介して取得され得る。最適化は、画像忠実度、画像品質およびシステム制約を表すコスト関数の総和を最小化することを含んでよい。例えば、以下の通りである:
【数4】
【0070】
本明細書において、画像忠実度モデルは、関数Cであり、それは、システムによって生成される画像、F(P,S)の間の複数の誤差に重みを付け、パラメータの現在のセットがどの程度好ましいか示すスカラを生成する。Cの共通の例に、平均平方誤差(MSE)または平均絶対誤差(MAE)がある。
【0071】
関数Qiは、現在のパラメータがどのくらい好ましいかを、例えば、モアレ、カラーフリンジ、または回折アーチファクトといったモデル化されていないアーチファクトの観点から示す、スカラ値も生成する、画像品質ヒューリスティック/モデルを表す。定数αおよびβiは、様々な用語に対して与えられた相対的重要性(矛盾してよい)を制御し、コンテンツ生成の、1つの目的を別のものより優遇するための方法を、提供する。
【0072】
制約Kiは、例えば、プロジェクタにおける変調器が、完全な透過性と完全な不透明との間の範囲で動作しなければいけない場合、複数のパラメータに複数の条件を課す。それらは、満たされる(Kj(P,S)=0)または満たされないの何れかである複数の集合値制約として、本明細書において表わされる。しかしながら、既存の最適化技術が、主要でない制約の違反を許可すべく、これらの条件を緩和し得る。
【0073】
明示的に列挙されないものの、制約関数Kおよび画像品質モデルQも、出力画像O=F(P,S)への依存を有してもよい。
【0074】
ここで、LDRとHDRプロジェクタとの間の画像コンテンツを分離するためのいくつかの異なるスキームを表すことが可能である。いくつかの異なる例が、本明細書で示される:
HDRとLDRプロジェクタとの間の滑らかな混合
【0075】
HDRプロジェクタは、高い輝度領域で必要であるが、画像品質の局面からは、LDRプロジェクタのフルスクリーンの白レベルより下の領域において、HDRプロジェクタを用いることも望ましいとされ得る。これは、2つのプロジェクタの間でのコンテンツを分割することを必要とする。
【0076】
これに近づく1つの直接的な方法は、例えば、LDRプロジェクタのフルスクリーンの白を上回る画素の拡張したバイナリマスクをぼやかすことによって、HDRプロジェクタによって用いられるマスクをぼやかすか、または拡散させることである。より洗練されたアプローチは、ブレンドパラメータを動的に調整すべく、それぞれの画素でベール輝度の近似値を計算し得る。
【0077】
複数のコンポーネントプロジェクタの間のコンテンツをどのように分割するかについて、多数の他の選択肢が存在する。これらの選択肢の例は、以下で説明される。1)高い黒レベルおよびハイライトを有する中間の明るさのシーンについて、合計のLDRプロジェクタの貢献とHDRプロジェクタの貢献(例えば、それぞれ95%および5%)との間で好ましい比があるターゲット輝度分布。2)調光可能な光源または外部の絞りを介してLDRプロジェクタの使用を最小化する間に、HDRプロジェクタを用いることを好むターゲット輝度分布。そのような目的は、エネルギー使用および冷却の必要条件を潜在的に低減し得るが、明るいハイライトを有する暗いシーンに対する黒レベルも向上する。3)時間的アーチファクトを最小化すべく、一方または両方のプロジェクタの時間的に一貫した輝度分布を対象にする。4)認識される画像品質を最大化すべく、組み合わされたディスプレイシステムの完全に最も幅広いダイナミックレンジ、最も高いピーク輝度、または最も深い黒レベルに到達する。
【0078】
これらのアプローチの何れでも、混合因子は、所望される局所的動作を達成すべく、シーン内で空間的に、動的に調整されてよい。例えば、高輝度領域に隣接する低輝度コンテンツは、ハイライトのベール輝度によって不明瞭になってよい。この場合、LDRおよびHDRプロジェクタは、何れも、それらの領域についてのコンテンツを表示する必要はない。代替的に、いくつかのシーンが、大きな明るい領域および大きな薄暗い領域を有してもよい。上記の調整は、その後、プロジェクタの散乱する動作を考慮に入れて、なされ得る。
色域を拡張する
【0079】
HDRおよびLDRプロジェクタに用いられる複数の原色が、おそらく設計によって異なる場合、組み合わされたシステムの色域を拡張することが可能であってよい。これは、ターゲット画像を適切な色空間にマッピングし、例えば、メタメリズムを向上すべく、可能な限り幅広い原色セットを選択する等、2つの利用可能な原色セットのどの混合が、最良にターゲットの色を表すか決定することによって達成され得る。本明細書におけるプロセスは、原則として、本文献の全体にわたって説明されているように、ダイナミック輝度範囲を拡張することにおいて用いられるものと同様である。
超解像度
【0080】
HDRおよびLDRプロジェクタが登録解除される場合、縁の近くのエイリアシングを減らすべく、組み合わされたシステムの明らかな解像度を増やすことが可能であってよい。これは、高解像度ターゲット画像を最適化することによって達成され得、それは、高い空間周波数特徴を最良に近似すべく、HDRとLDRとの間のプロジェクタ寄与に自動的に調整させるであろう。
周辺条件の散乱補償およびフィードバック
【0081】
ビューイング環境からの散乱は、高まったレベルを有する暗い画像領域をもたらし得る。ターゲットのまたは出力画像の何れかについてヒューリスティック分散モデルを組み込むことにより、この効果を補償すべく、これが考慮されることが可能になる。この場合、結像モデルFは、以下のように表され得る。
【数5】
【0082】
ここで、Rはビューイング環境からの関数モデル化散乱であり、F'は、非散乱ビューイング環境におけるシステムの結像モデルである。この結像モデルを用いて最適化されたディスプレイのパラメータは、結果として得られる散乱を補償することを自動的に試みる。
【0083】
同様のアプローチは、ビューイング環境から散乱する光を動的に補償すべく、関数Rの代わりに散乱光の実測値を用いることができる。
【0084】
図13に示される方法は、どの画像が、どのプロジェクタによって恐らく示されるか、およびどのようにそれらが算出されるかを決定する1つのアプローチを詳細に示す。
【0085】
図13において描写される判断ボックスは、小量の時間的ヒステリシスを組み込んでよい。これにより、LDRおよびHDRプロジェクタは、画像から画像へと閾値の周りを行ったり来たりしないであろう。
【0086】
「トーンマップ画像」オペレーションは、入ってくる画像における輝度レベル(利用可能な場合)を分析し、それらを組み合わされたLDRおよびHDRプロジェクタの能力にマッピングする。このオペレーションは、画像のより暗いエリアをマッピングするときに、周辺光レベル、および、観察者が快適と感じるであろう最大の全体的な輝度も考慮する。
【0087】
「黒レベル調整」オペレーションは、観察者が、より低い黒レベルを認識することが恐らく可能でない場合に、マッピングされた画像の黒レベルを増やすであろう。これの例は、ベール輝度により、観察者が非常に低い黒レベルを僅かに高まったものから区別することが可能ではないであろう白いフィールドにおける黒いテキストである。これを達成すべく、プロジェクタの前方モデルが、(明るさからハローを予測するのに)用いられてよい。
【0088】
上記のオペレーションの後に、画像が未だに低い黒レベルを有する場合、LDRプロジェクタの高められた自然の黒レベルを補償すべく、絞りサイズ(絞りによって減衰するか、または光源を薄暗くすることによる光の量)が、計算されてよい。絞りを縮小することにより、LDRプロジェクタから利用可能なピークの明るさもより暗くなるであろう。減少したピークの明るさも、算出されてよい。
【0089】
LDRプロジェクタは、その減少した絞りサイズと共に、十分な光を画像に恐らく提供しない場合、HDRプロジェクタが、画像全体を生成するのに用いられてよい。上記の絞りセクションで説明されたように、LDRプロジェクタからの全ての光を決して完全にブロックしないことが望ましいとされ得ることに留意されたい。
【0090】
黒レベルが低くなく、画像が、不十分な明るさ能力に起因してLDRプロジェクタのみを用いて示され得ないハイライトを含む場合、LDRおよびHDRプロジェクタのための別個の画像が算出されてもよい。この場合、2つの画像がスクリーン上で合成されているので、隣接する複数の画素が、異なるプロジェクタから供給されるとき、縁のアーチファクトが生成されないように、それらの画像を「混合」すべく、注意するべきである。以下のアプローチが、個別に、または組み合わせの何れかで取られてよい。
・閾値バンディング(banding)(常に、画素を合計する)
・それぞれのプロジェクタに異なるガンマ曲線を用いる
・空間変化(1つのプロジェクタのわずかなぼやかし)
・時間的ディザリング
【0091】
閾値バンディングの例は、明るい特徴を取り囲む小さい画素のエリアにおけるであろう。ここで、両方のプロジェクタが、光を寄与し、共に総和して複数の画素を生成するであろう。このエリアのサイズは、ハイライトと隣接する特徴(勾配における明るいスポット)との間でかなり滑らかな推移があるとき、ベール輝度効果から計算され得、または単純に固定された画素数であり得る。
多段階投射のための明るさのブースタの使用
【0092】
図14は、特定の高輝度および/または低コントラスト画像を再現するのに必要とされるとき、補助的ブースト光源が用いられる、2つの撮像素子を有する投射システムを概略的に示す。
【0093】
高ダイナミックレンジプロジェクタは、画像を生成するとき黒レベルを下げるのに、2つまたはそれより多くの撮像段階を用いる。これらの画像段階のそれぞれの1つは、それに関連付けられる損失を有し、よって、非常に明るい画像を生成するとき、多段階プロジェクタでは、単一段階プロジェクタと比較してはるかに多くの光損失がある。光は、低い黒レベルが不要な場合、システムの効率を促進すべく、最終的な撮像段階の前に、必要な場合に加えられ得る。
【0094】
投射システムの光路で用いられる結像素子は、性質上、非理想的である。画像を形成するとき、全体的なコントラストを犠牲にして、光が暗いエリアを通って漏れ、明るいエリアにおいていくらかの光を吸収することが可能になる。これに対処すべく、プロジェクタ製造元は、暗いエリアにおいてシステムを通って漏れる光の量を低減すべく、複数の撮像素子を有するシステムを作成した。これは、次に、明るいエリアにおいて2つ(またはそれより多い)の撮像素子を介した透過損失を補償すべく、多くのより明るい光源を必要とした。これらのプロジェクタは、単一段階プロジェクタと比較して、明るい画像を示すとき、著しくより低い動作効率を示す。
【0095】
請求項14における例示的な実施形態による投射システムは、投射されている画像の性質を分析し、低いコントラストの場合、高輝度画像は、最終的な撮像段階の前に計算された均一な量の光を加えるであろう。加えられた光は、次に、恐らく単一の撮像段階のみを通って進まなければいけなく、従ってはるかに低い透過損失を負う。従って、システムの動作効率は、明るい画像を生成するとき、実質的に増加するであろう。はるかに少ない光およびより高いコントラストを必要とする画像を生成する場合、光は、多段階システムにおいて予期される低い黒レベルを保持すべく、最後の撮像素子の前に、ほとんどまたは全く加えられないであろう。
【0096】
第2の撮像段階に供給されるブースト光は、均一または一様であることは必須ではない。いくつかの実施形態において、ブースト光は不均一である。これの例示的な応用は、第1の撮像段階が、望ましくない光パッチまたは他のアーチファクトを含む光出力を提供する場合にある。例えば、第1の段階が光誘導段階である場合、第1の段階は、誘導可能でない静的アーチファクト(例えば、縁の方向への強度の全体的なロールオフ、または複数の異なるレーザダイオードからの何らかの理由で補正されない可視のパッチおよびストライプ)を提供してよい。そのような場合、ブースト光は、そのブースト光とアーチファクトとの総和が、均一またはほぼ均一な照明であるような方法で、構造化されてよい。これは、第1の段階からのアーチファクトのパターンに反比例するブースト光の不均一なパターンを提供することによってなされてよい。
【0097】
図14は、「主要光源」および「ブースト光源」を示す。両方の光源の光出力は、独立した方式で制御されてよい。「主要光源」は、公正な、さもなければ規定されたやり方で第1の撮像素子を照らすことが予期される。「ブースト光源」は、最後の撮像素子を照らすことが予期される。
【0098】
第1の撮像素子の目的は、画像のより暗い部分からの光をブロックするか、またはそこから離れる光を誘導することである。これにより、最後の撮像素子は、恐らく、投射されている画像の複数のより暗い部分からの多くの光をブロックしなくてもよく、所望される場合に高いコントラスト画像をもたらすであろう。第1の撮像素子は、例えば、主要光源から光の位相および/または強度を変調してよい。
【0099】
「最後の撮像素子」は、ブースト光源が、それ自身のスクリーンへの独立した光路を有するように、ペアにされ得る。これは、単一最終段階の撮像素子が、その表面上で合流している両方の光路に関連付けられる熱応力または強度を処理することが可能でなくてもよい場合、非常に高パワーのシステムにおいて望ましいとされ得る。
【0100】
色プロジェクタにおいて、複数の方法が、システムにおけるそれぞれの原色について別々に実装され得、または1または複数の例示的な実装において色視野順次方式で操作され得る。
【0101】
図15は、そのような投射システムにおける光源のための強度制御方法を示すフローチャートである。そのような方法は、ディスプレイのコントローラにおいて実装されてよい。代替的な実施形態において、その方法は、光源のための制御信号が伴う出力画像データを提供する画像処理システムにおいて、実装される。
【0102】
アルゴリズムが、2つの光源の相対的強度設定を調節すべく実行される。低コントラスト画像を表示する場合、または、観察者の目におけるベール輝度またはシステムもしくは環境における他の光学散乱が、周囲の暗いエリアをマスクする場合に、それらの暗いエリアの強度を高める結果として、表示される画像の顕著な劣化がもたらされないように、ブースト光が、アクティブになるであろう。
【0103】
例えば、画像内の輝度分布のヒストグラムといった画像統計値、または、他の方法が、画像の全体的なコントラスト必要条件を決定すべく利用されてよい。ブースト光源は、それが主要光源からのものより効率的な光路であるので、可能なときはいつでも用いられてよく、画像に存在する最も暗いレベルまでの明るさを提供するのに常に用いてもよい。
【0104】
主要光源は、ブースト光源によって画像に加えられている光を補償すべく調光されてよい。
【0105】
図16は、補助的(ブースト)光源についてのピーク輝度、平均輝度および黒レベルならびに妥当な強度レベル等の異なる特性を有する例示的な画像を示す。
【0106】
場合AおよびHは、最大限の強度において均一に白である画像を示す。場合B、C、D、IおよびJにおいて、ブースト光は、ベール輝度効果に起因して最も低いレベルより高いレベルを駆動し得る。ケースPおよびQは、ベール輝度によっても影響を受け、いくらかの光が、ブースト光から来ることを可能にする。ケースK、L、M、NおよびOにおいて、ブースト光は、画像に存在する最も低い明るさレベルに駆動する。例えば、ブースト光は、画像の最も低い輝度レベルを因子で乗じることによって決定されるレベルで提供されてよい。その因子は、第2の変調器のコントラスト機能に基づいてよい。例えば、特定の画像における最も低い輝度レベルが、Lmin=1cd/m2であり、第2の変調器のコントラストC2=2000:1である場合、第2の変調器をその最も低い光透過状態に設定することによって、光レベルが、1cd/m2に低減されることを可能にする一方で、ブースト光が、完全に開いた変調器C2で、2000cd/m2を達成するのに十分な輝度で提供されてよい。
【0107】
いくつかの実施形態において、暗いパッチが、それがベール輝度効果によって恐らくマスクされないように、閾値サイズを越える場合、ブースト光は、恐らく完全にオフにされ、スクリーンの黒でないエリアは、恐らく直列の2つの結像素子によって照明が照らされ、暗いエリア内へと漏れる光の量を大幅に低減するであろう。例示的な場合であるE、F、G、R、S、T、およびUにおいて、ブースト光が、黒レベルを保持すべくパワーオフにされる、十分に暗いコンテンツが存在する。
【0108】
ブースト光および主要光源は、互いに別個のものであることは必須でない。いくつかの実施形態において、主要光源からの光のいくらかまたは全てを、直接最後の撮像素子へと方向付け、第1の撮像素子をバイパスする光学システムが、提供される。例えば、可変ビームスプリッタが、主要光源からのいくらかの光を最後の撮像素子へとそらすように、適用されてよい。いくつかの実施形態は、別個のブースト光源、および主要光源から光を最後の撮像素子へとそらすためのプロビジョンの両方を有する。
【0109】
いくつかの実施形態において、1または複数の光学素子が、ブースト光源からの光を第1の撮像素子によって変調されている光と組み合わせ、組み合わされた光を、最後の撮像素子へと方向付けるべく、提供される。1または複数の光学素子は、いくつかの実施形態において、プリズムを有する。
【0110】
いくつかの実施形態において、ブースト光源は、複数の発光ダイオード(LED)等の複数の光源を有する。1つの例示的な実施形態において、ブースト光源は、第1の撮像素子の外周の周囲に配置される。例えば、ブースト光源は、LEDのリングを備えてよい。適した反射器、拡散器、空間および/または他の光学素子が、ブースト光源からの光が最後の撮像素子に均等に分布するようにすべく、提供されてよい。
【0111】
図2Aから
図6Aは、上記の複数の異なる特性を有する5つの場合において、例示的な画像を示す。以下は、補助的(ブースト)光源が、これらの5つの場合のそれぞれについてどのように制御されてよいかについて、例によって、説明する。例示的な実施形態において、以下の例で用いられるプロジェクタシステムは、誘導可能な光源(主要光源および第1の撮像素子)、第2の撮像装置および第2の撮像装置のみに照明を照らすブースタ段階を有する高効率のプロジェクタを含んでよい。第2の撮像装置は、例えば、LCDパネル、LCOS、DMD、反射式LCD等のような反射式または透過式空間光変調器を備えてよい。
場合1:明るい低ダイナミックレンジ画像、高められた黒レベル
【0112】
ブースト段階が、画像の殆どに照明を照らすのに用いられる。最初の、誘導および高コントラスト段階は、画像に最小ハイライトを追加するのに用いられる。誘導はほとんど必要とされない。
場合2:ほの暗い低ダイナミックレンジ画像、高い黒レベル
【0113】
ブースト段階は、画像全体に照明を照らすのに用いられる。誘導段階は、用いられない。
場合3:明るい高ダイナミックレンジ画像、高い黒レベル
【0114】
ブースト段階は完全にオンである。最大の誘導を提供する誘導段階も、完全にオンである。
場合4:明るい高ダイナミックレンジ画像、低い黒レベル
【0115】
ブースト段階がオフである。画像が、誘導段階のみを用いて生成される。
場合5:ほの暗い低ダイナミックレンジ画像、低い黒レベル
【0116】
ブースト段階はオンだが、画像における黒レベルの一部を保持すべく、低減された強度でオンである。誘導段階は、ハイライトが必要とされないことから、オフである。
【0117】
本明細書で説明されるような技術は、2013年10月20日に出願された米国特許出願第61/893270号に記載されるタイプのディスプレイに、限定することなく、応用されてよく、それは、これにより、本明細書において全ての目的で参照によって組み込まれる。
立体コンテンツを示すためのプロジェクタの組み合わせの使用
【0118】
本明細書において説明されるような、組み合わされたプロジェクタまたは光源のシステムは、3次元(立体)コンテンツの効率的または低コストまたは高輝度の再現を必要とする複数の用途に役立つ。
【0119】
立体画像の対は、右目で見るために意図された画像と、左目で見るために意図された画像とを備える。画像の視差は、深度効果を生成する。視差は何れも、投射スクリーンの平面にあると認識される画像をレンダリングしないであろう。左目画像と右目画像との間の視差は、ビューアー(オーディエンス)により近く、または反転される場合、更に離れて(スクリーン面の後ろ側であると認識される)の何れかで、物体が、投射スクリーン面から離れた箇所で認識されるようにレンダリングするであろう。
【0120】
映画および他の立体画像コンテンツの1つの特性に、快適な視聴体験は、左目の視界と右目の視界との間の視差が、大きすぎない(例えば、描写された物体が、ビューアーに近すぎると認識されない)場合に、達成される可能性が高い。立体画像の対における左目の図と右目の図との間の差は、したがって、通常小さいままで保持される。ビューアーに非常に近い(または非常に遠方である)と認識される描写されたコンテンツを有する画像ペアにおいてさえも、左目および右目の図における多くの画像エリアは、典型的には同じであろう。これは、ほぼ全ての場合において、いくつかの物体のみが、恐らく、ビューアーに対して近いかまたは遠いとしてレンダリングされるからである。
【0121】
全てではないが多くの実際的な立体投射システムは、光が観察者のそれぞれの目に入る前に、投射スクリーンから反射される光のフィルタリングを必要とする。フィルタリングは、複数の異なる画像が、観察者の左目および右目に供給されるという結果をもたらす。フィルタリングは、しばしば、左目および右目のために複数の異なるフィルタを提供するアイグラスを使用して提供される。一般的な技術は、色フィルタ(左目および右目用のいくつかまたは全ての原色のためのノッチフィルタ)、円形または線形偏光フィルタ、時間的シャッターまたは時間的偏光スイッチを使用する。
【0122】
投射システムは、例えば、左目および右目の図について異なる狭いバンド原色、または時計回りおよび反時計回りの円偏光した光、または直角直線偏光状態を有する光、または目における時間的シャッターもしくは偏光スイッチの偏光に一致する時間的光照射野といった、異なる対応する(右目および左目におけるフィルタに)光特性、を有する、左目および右目用の異なる画像を生成するように設定される。
【0123】
これらのフィルタリング技術の全ては、同様の非立体投射システムと比較して、大量の光が、プロジェクタの光源と観察者の目との間で喪失されるという共通点を有する。立体投射システムは、また、より複雑であり、従って、非立体投射システムよりもコストがかかる。別の課題は、既存の非立体プロジェクタを立体プロジェクタとして動作させるべくアップグレードすることは、いつも可能ではなく、易しいことでもない。
【0124】
本明細書において説明されるシステムにおいて、左目および右目フィルタの両方と互換性のある光源(例えば、色ノッチフィルタに基づくシステムの場合には広帯域光源、または円または直線の何れかの偏光フィルタシステムの場合にはランダム偏光システム、または任意の時間的シャッターフィルタリングシステムの場合には永久的にオンの光源)を有する非立体モードにおいて、1つのプロジェクタを使用することが可能である。非立体プロジェクタは、左目および右目の図の両方に共通する画像のそれらの部分を生成するであろう。
【0125】
第2のプロジェクタ(1または複数のプロジェクタ)が、その後、左目の図と右目の図との間で異なる複数の画像の部分を表示するのに用いられてよい。第2のプロジェクタは、左目および右目フィルタに必要とされる特性(波長、または偏光、または時間的画像フィールド)を有する光を投射する。
【0126】
そのようなシステムを使用することにおいて、いくつかの利点がある。つまり、コンポーネントの殆どは、既に構成に含まれているので、本明細書において説明されるシステムと比較して、立体投射を可能にする追加のコストは最小限であるということである。
【0127】
第2のプロジェクタについてのパワー要件は、左と右との間の視差を有する画像領域が、画像の全ての画素に対して典型的には大きくないので、より低くなり得る。光誘導は、表示スクリーンの平面から出ると認識される描写された物体に対応する表示エリアへと、光を誘導するのに用いられてよい。
【0128】
左目と右目との間の良好な分離(=コントラスト)の生成は、易しくなく、コストがかかる。それほど完全でない分離は、左目内に入る右目のために意図されるいくらかの光をもたらすであろう。この効果は、ゴースト発生として周知であり、画像品質を低減し、頭痛を引き起こす。第2のプロジェクタパワー要件は、主要プロジェクタよりも低く、そのような第2のプロジェクタを作成するコストはより低いので、左目および右目の図が、本当に離れていることを確実にすべく、より多くの注意がはらわれ得る。
【0129】
低パワーの第2のプロジェクタは、高いコスト効果で加えられて、既存の非立体投射システムをアップグレードし、それが立体画像を表示することを可能にする。
LDR/HDRプロジェクタの間のパワー出力関係
【0130】
本明細書において説明されるようなプロジェクタシステムで、LDRプロジェクタを、例えばHDRプロジェクタのパワーの5倍と組み合わせることが可能であるべきである。HDRプロジェクタは、LDRプロジェクタよりはるかに高価であるので、これは、より経済的な設定を可能にするであろう。
非限定的な列挙される例示的実施形態
以下は、非限定的な列挙される例示的実施形態である。
1.画像データによって画定される画像を表示するための方法であって、上記方法は、
第1の撮像素子を使用して第1の光源からの光を変調することによって、第1の変調光を生成する段階と、
ブースト光を提供する段階と、
ブースト光および第1の変調光を合成する段階と、
第2の撮像素子を使用して合成された光を更に変調する段階と、
を備える、方法。
2.態様1による方法であって、ブースト光および第1の変調光を合成する段階は、第2の撮像素子の表面を、ブースト光および第1の変調光の両方で照らす段階を有する。
3.態様1または2による方法であって、ブースト光および第1の変調光を合成する段階は、ブースト光および第1の変調光をプリズムへと方向付ける段階を有する。
4.態様2による方法であって、ブースト光は、第2の撮像素子の表面を均等に照らす。
5.態様2による方法であって、ブースト光は、所望の輝度プロファイルによる第2の撮像素子の表面に構造化された照明を提供するように配置される。
6.態様5による方法であって、構造化された照明は、第2の撮像素子の表面のいくらかの部分上に、第2の撮像素子の表面の他の部分におけるよりも高い輝度を有し、構造化された照明の最も高い輝度部分の輝度は、構造化された照明の最も低い輝度部分輝度の少なくとも2倍である。
7.態様1から6の何れか1つによる方法であって、ブースト光源を操作する段階は、ブースト光源による光の出力を制御する段階を有する。
8.態様7による方法であって、ブースト光源による光の出力を制御する段階は、画像のコントラストに部分的に基づいている。
9.画像についての画像ヒストグラムを処理することによって、画像のコントラストを決定する段階を備える、態様8による方法。
10.ブースト光源を操作する段階と組み合わせて、第1の光源を薄暗くする段階を備える、態様1から9の何れか1つによる方法。
11.態様1から9の何れか1つによる方法であって、閾値サイズを越える何れの暗いパッチも識別すべく、画像データを処理する段階と、閾値サイズを越える暗いパッチを識別することに応答して、ブースト光源を再びオフにする段階を備える。
12.ブースト光を生成する段階は、第1の光源とは個別のブースト光源を操作する段階を備える、態様1から11の何れか1つによる方法。
13.ブースト光を生成する段階は、第1の光源からの光を第2の撮像素子へと方向付ける段階を有する、態様1から11の何れか1つによる方法。
14.第1の光源からの光を第2の撮像素子へと方向付ける段階は、可変ビームスプリッタを制御する段階を有する、態様13による方法。
15.態様13による方法であって、第1の光源からの光を第2の撮像素子へと方向付ける段階は、第1の光源および2つまたはそれより多くの出力ポートから光を受け取るように配置された1つの入力ポートを有するスイッチによって光を伝送する段階を有し、出力ポートのうち1つは、光を第2の撮像素子に伝送するように配置されている。
16.第2の撮像素子に供給されるブースト光の量を、時分割多重化によって調整する段階を備える、態様13または15による方法。
17.態様1から16の何れか1つによる方法であって、画像データを処理して、画像に存在する最も低い輝度レベルを決定する段階と、画像における最も低い輝度レベルに対応するレベルにおけるブースト光源を操作する段階と、を備える。
18.態様1から16の何れか1つによる方法であって、画像データを処理して、ベール輝度をシミュレーションする段階と、画像に存在する最も低い感知可能な輝度レベルを決定する段階と、最も低い感知可能な輝度レベルに対応するレベルにおけるブースト光源を操作する段階と、を備える。
19.第2の撮像素子は、空間光変調器を有する、態様1から17の何れか1つによる方法。
20.第2の撮像素子は、LCDパネル、LCOS、反射式LCDパネル、またはDMDを有する、態様1から17の何れか1つによる方法。
21.画像データに従って画像を表示するプロジェクタを制御するための信号を生成するための方法であって、プロジェクタは、第2の撮像素子による更なる変調のために、変調光を第2の撮像素子に提供するように構成された第1の撮像素子と、第2の撮像素子による変調のために、追加の照明光を伝送するように構成されたブースト光と、を備え、上記方法は、ベール輝度をシミュレーションして、画像における最も低い感知可能な輝度レベルを決定する段階と、ブースト光を最も低い感知可能な輝度レベルに対応するレベルに設定する信号を生成する段階と、を備える。
22.条件を満たす画像データに応答して、ベール輝度をシミュレーションする工程を実行する段階を備える、態様21による方法。
23.画像データを処理して画像のコントラストを決定する段階を備え、条件は、閾値より低いコントラストを決定することを含む、態様22による方法。
24.態様22または23による方法であって、上記方法は、画像における如何なる暗い特徴も検出する段階を備え、条件は、複数の暗い特徴の全ては、閾値サイズより小さいことを決定する段階を備える。
25.複数の暗い特徴の何れかが閾値サイズより大きい場合、ブースト光源をオフに設定する信号を生成する段階を備える、態様24による方法。
26.態様21から23の何れか1つによる方法であって、画像データを処理して、画像データにおける暗い特徴を検出する段階を備え、上記方法は、複数の暗い特徴の何れかが閾値サイズより大きい場合、ブースト光源をオフに設定する信号を生成する段階を備える。
27.態様21から26の何れか1つによる方法であって、画像データを処理して、暗い画像の量を決定する段階と、画像が主に暗い場合、ブースト光源をオフに設定する信号を生成する段階を備える。
28.第1の撮像素子を照らす主要光源のレベルを低減する信号を生成する段階と組み合わせて、ブースト光を最も低い感知可能な輝度レベルに対応するレベルに設定する信号を生成する段階を備える、態様21から27の何れか1つによる方法。
29.プロジェクタにおけるコントローラによって実行される態様21から27の何れか1つによる方法。
30.ブースト光のための制御信号を伴う出力画像データを提供すうりょうに構成された画像処理システムによって実行される、態様21から27の何れか1つによる方法。
31.ブースト光は、第2の変調器を均一に照らす、態様21から30の何れか1つによる方法。
32.ブースト光は、第2の変調器を不均一に照らす、態様21から30の何れか1つによる方法。
33.光プロジェクタであって、
第2の撮像素子による更なる変調のために、第2の撮像素子に変調光を提供するように構成された第1の撮像素子と、第2の撮像素子による変調のための第2の撮像素子に照明光を伝送するように構成されたブースト光と、を備える、光プロジェクタ。
34.第1の撮像素子は、主要光源からの光の位相および振幅の一方または両方を変調するように構成されている、態様33による光プロジェクタ。
35.ブースト光は、主要光源からとは別個のものである、態様33または34による光プロジェクタ。
36.ブースト光は、複数の光源を有する、態様35による光プロジェクタ。
37.ブースト光の複数の光源は、複数の発光ダイオード(LED)を有する、態様35による光プロジェクタ。
38.ブースト光の複数の光源は、複数のレーザダイオードを有する、態様35による光プロジェクタ。
39.ブースト光の複数の光源は、第1の撮像素子の外周の周囲に配置されている、態様36から38の何れか1つによる光プロジェクタ。
40.ブースト光の複数の光源は、リング状に配置される、態様36から39の何れか1つによる光プロジェクタ。
41.態様36から40の何れか1つによる光プロジェクタであって、ブースト光の複数の光源は、個別に制御可能であり、第2の撮像素子においてブースト光の所望のパターンをもたらす。
42.ブースト光は、主要光源から光を第2の撮像素子へと直接方向付けるように構成された光学システムを有する、態様33または34による光プロジェクタ。
43.光学システムが可変ビームスプリッタを備える、態様42による光プロジェクタ。
44.画像データを処理し、第1および第2の撮像素子およびブースト光のための制御信号を出力するように構成されるコントローラを備える、態様33または43による光プロジェクタ。
45.態様44による光プロジェクタであって、コントローラは、画像における最も低い感知可能な輝度レベルを決定すべく、ベール輝度をシミュレーションし、ブースト光を最も低い感知可能な輝度レベルに対応するレベルに設定するように構成されている。
46.態様45による光プロジェクタであって、コントローラは、条件を満たす画像データに応答して、ベール輝度をシミュレーションする工程を実行するように構成されている。
47.態様46による光プロジェクタであって、コントローラは、画像データを処理し、画像のコントラストを決定するように構成され、条件は、コントラストが閾値より低いことを決定することを含む。
48.態様46または47による光プロジェクタであって、コントローラは、画像における如何なる暗い特徴も検出するように構成され、条件は、暗い特徴の全てが閾値サイズより小さいことを決定することを含む。
49.態様48による光プロジェクタであって、コントローラは、暗い特徴の何れかが閾値サイズより大きい場合、ブースト光源をオフに設定するように構成されている。
50.態様47から49の何れか1つによる光プロジェクタであって、コントローラは、画像データを処理し、画像データにおける暗い特徴を検出し、暗い特徴の何れかが閾値サイズより大きい場合、ブースト光源をオフに設定するように構成されている。
51.態様47から50の何れか1つによる光プロジェクタであって、コントローラは、画像データを処理し、暗い画像の量を決定し、その画像が主に暗い場合、ブースト光源をオフに設定するように構成されている。
52.態様47から51の何れか1つによる光プロジェクタであって、コントローラは、第1の撮像素子の照明のレベルを低減することと組み合わせて、ブースト光を最も低い感知可能な輝度レベルに対応するレベルに設定するように構成されている。
53.第2の撮像素子は、空間光変調器を有する、態様33から52の何れか1つによる光プロジェクタ。
54.第2の撮像素子は、LCDパネル、LCOD、反射式LCDパネル、またはDMDを有する、態様33から52の何れか1つによる光プロジェクタ。 55. 変調光を生成すべく、直列に配置された複数の撮像段階を制御する段階と、低い黒レベルが不要である場合、撮像段階の最後の1つの前に、光を選択的に加える段階と、を備える、光投射法。
56.画像データを処理して、画像データによって表される画像のコントラストを決定する段階を備える、態様55による光投射法であって、上記方法は、コントラストが閾値未満である場合、光を加える段階を備える。
57.画像ヒストグラムを処理することによって、コントラストを決定する段階を備える、態様56による光投射法。
58.撮像段階の最後の1つにおいて加えられた光を、均一に分布させる段階を備える、態様55から57の何れか1つによる光投射法。
59.態様55から58の何れか1つによる光投射法であって、複数の撮像段階を制御する段階は、撮像段階上に入射する光の位相および振幅のうち1または複数を変調すべく、撮像段階を制御する段階を有する。
60.態様55から59の何れか1つによる光投射法であって、投射される画像を画定するデータに基づいて加えられた光の量を変化させる段階を備える。
61.複数の撮像段階の最後の1つで加えられた光を不均一に分布させる段階を備える、態様55から57の何れか1つによる光投射法。
62.早期の複数の撮像段階からの複数のアーチファクトと総和された加えられた光が、複数の撮像段階の最後の1つの均一な照明をもたらすように、加えられた光を構造化する段階を備える、態様61による光投射法。
63.光プロジェクタであって、
主要光源からの光を変調するように配置された第1の撮像段階と、
第1の撮像素子によって変調された光を更に変調するように配置された第2の撮像段階と、
加えられた光が、第2の撮像段階によって変調されるように、第1の撮像段階の後、および第2の撮像段階の前に光を追加するように配置されたブースト光と、
低い黒レベルが不要な場合、画像データを処理して、ブースト光を操作するように動作するコントローラと、を備える、光プロジェクタ。
64.態様63による光プロジェクタであって、コントローラは、画像データを処理して、画像データによって表される画像のコントラストを決定し、コントラストが閾値未満である場合、ブースト光を操作して光を加えるように構成されている。
65.態様64による光プロジェクタであって、コントローラは、画像ヒストグラムを処理することによってコントラストを決定するように構成されている。
66.態様63から65の何れか1つによる光プロジェクタであって、ブースト光は、第2の撮像段階を均等に照らすように配置されている。
67.態様63から65の何れか1つによる光プロジェクタであって、第1の撮像段階は、第1の撮像段階上に入射する光の位相および振幅のうち1または複数を変調すべく制御可能である。
68.態様63から67の何れか1つによる光プロジェクタであって、コントローラは、画像データに基づいてブースト光によって加えられる光の量を変化させるよに構成されている。
69.画像データによって画定される光パターンを投射するための方法であって、当該方法は、
第1の撮像素子を用いて、第1の光源からの光を変調することによって第1の変調光を生成する段階と、
ブースト光を提供する段階と、
第1の変調光を更に変調し、ブースト光を変調する段階と、
変調されたブースト光および更に変調された第1の変調光を合成する段階と、を備える。
70.変調されたブースト光および更に変調された第1の変調光を合成する段階は、変調されたブースト光および更に変調された第1の変調光を表面上に投射する段階を有する、態様69による方法。
71.変調されたブースト光は、更に変調された第1の変調光より高い黒レベルを有する、態様69または70による方法。
72.変調されたブースト光は、更に変調された第1の変調光より高いピーク輝度を有する、態様69から71の何れか1つによる方法。
73.変調されたブースト光は、更に変調された第1の変調光より低いダイナミックレンジを有する、態様69から72の何れか1つによる方法。
74.第1の変調光を更に変調することおよびブースト光を変調することの両方は、第2の撮像素子で実行される、態様69から73の何れか1つによる方法。
75.態様69から74の何れか1つによる方法であって、第1の変調光を更に変調すること、およびブースト光を変調することの両方は、同一の変調を適用する。
76.第2の撮像素子の表面をブースト光で均等に照らす段階を備える、態様75による方法。
77.態様69から76の何れか1つによる方法であって、ブースト光を提供する段階は、ブースト光源による光の出力を制御する段階を有する。
78.ブースト光源による光の出力を制御する段階は、画像データのコントラストに部分的に基づいている、態様77による方法。
79.画像データについての画像ヒストグラムを処理することによって、画像データのコントラストを決定する段階を備える、態様78による方法。
80.ブースト光を提供する段階と組み合わせて、第1の変調光を薄暗くする段階を備える、態様69から79の何れか1つによる方法。
81.態様69から80の何れか1つによる方法であって、閾値サイズを越える何れの暗いパッチも識別すべく、画像データを処理する段階と、閾値サイズを越える暗いパッチを識別することに応答して、ブースト光をオフにする段階を備える。
82.第2の撮像素子の表面をブースト光で不均等に照らす段階を備える、態様75による方法。
83.ブースト光を提供する段階は、第1の光源からの個別のブースト光源を操作する段階を有する、対応69から82の何れか1つによる方法。
84.ブースト光を提供する段階は、第1の光源からの光を第2の光変調器へと方向付ける段階を有する、態様69から82の何れか1つによる方法。
85.第1の光源からの光を第2の光変調器へと方向付ける段階は、可変ビームスプリッタを制御する段階を有する、態様84による方法。
86.画像データを処理して、存在する最も低い輝度レベルを決定する段階と、最も低い輝度レベルに対応するレベルにおいてブースト光を提供する段階と、を備える、態様69からい85の何れか1つによる方法。
87.態様69から85の何れか1つによる方法であって、画像データを処理して、ベール輝度をシミュレーションする段階と、画像に存在する最も低い感知可能な輝度レベルを決定する段階と、最も低い感知可能な輝度レベルに対応するレベルにおいてブースト光を提供する段階と、を備える。
88.複数のプロジェクタを備えるプロジェクタシステムであって、上記複数のプロジェクタは、第1および第2のプロジェクタによって投射された光が、表示のために投射画像へと合成されるように配置された、少なくとも第1のプロジェクタおよび第2のプロジェクタを有し、第1および第2のプロジェクタは、ダイナミックレンジ、黒レベルおよびピーク輝度から選択される複数の異なる画像特性を有する。
89.態様88によるプロジェクタシステムであって、プロジェクタシステムによって投射される画像コンテンツを画定する画像データを受け取り、プロジェクタシステムが画像コンテンツを投射するように制御すべく接続された制御システムを備え、
上記制御システムは、画像データを処理して、第1および第2のプロジェクタのうち少なくとも1つによる投射のための変更された画像データを生成するように構成されている。
90.態様89によるプロジェクタシステムであって、制御システムは、画像データを処理して、ダイナミックレンジ、黒レベルおよび平均輝度レベルを決定し、ダイナミックレンジ、黒レベルおよび最大輝度レベルに基づいて変更された画像データを生成するように構成されている。
91.第1のプロジェクタは、第2のプロジェクタより高いダイナミックレンジ、第2のプロジェクタより高いピーク輝度、および第2のプロジェクタより低い黒レベルを有する、態様90によるプロジェクタシステム。
92.態様91によるプロジェクタシステムであって、画像データが、第2のプロジェクタの最大輝度より高い輝度を、高輝度エリアにおいて有する場合、制御システムは、第1のプロジェクタに少なくともより高い輝度のエリアにおいて光を投射させるべく、輝度閾値を制御する。
93.態様92によるプロジェクタシステムであって、黒レベルが黒レベル閾値を上回る場合、制御システムは、第2のプロジェクタの能力内である限り、画像の多くの光を投射すべく第2のプロジェクタを制御するように構成されている。
94.態様91から93の何れか1つによるプロジェクタシステムであって、制御システムは、第2のプロジェクタのフルスクリーンの白値を上回る輝度を有する複数の画素のバイナリマスクを生成する段階を備える方法によって、第1のプロジェクタのために変更された画像データを生成するように構成されている。
95.制御システムは、バイナリマスクを拡張し、ぼやかすように構成されている、態様94によるプロジェクタシステム。
96.態様91から95の何れか1つによるプロジェクタシステムであって、制御システムは、第2のプロジェクタのフルスクリーンの白値を上回る輝度値を有する画像データにおける複数の画素の輝度をクリッピングする段階を備える方法によって、第2のプロジェクタのために変更された画像データを生成するように構成されている。
97.態様89から96の何れか1つによるプロジェクタシステムであって、制御システムは、ダイナミックレンジ、黒レベルおよび平均輝度レベルが、第2のプロジェクタの能力内にある場合、変更されていない第2のプロジェクタに画像データを供給するように構成されている。
98.態様89から97の何れか1つによるプロジェクタシステムであって、第2のプロジェクタは、制御可能な絞りを有し、制御システムは、画像データの黒レベルが、第2のプロジェクタの黒レベル未満である少なくともいくつかの場合に、第2のプロジェクタの黒レベルを低減すべく、絞りを制御するように構成されている。
99.態様89から98の何れか1つによるプロジェクタシステムであって、制御システムは、プロジェクタシステムのための結像モデルを有し、制御システムは、最適化を実行することによって、第1および第2のプロジェクタのための制御パラメータの値を取得するように構成されている。
100.最適化を実行することは、コスト関数の総和を最小化することを含む、態様99によるプロジェクタシステム。
101.コスト関数は、画像忠実度、画像品質およびシステム制約に関連する複数のコスト関数を含む、態様100によるプロジェクタシステム。
102.画像忠実度に関連するコスト関数は、平均平方誤差値または平均絶対誤差値を含む、態様101によるプロジェクタシステム。
103.態様101または102によるプロジェクタシステムであって、画像品質に関連するコスト関数は、制御パラメータの現在のセットが、結像モデルによってモデル化されていない複数のアーチファクトに関連して、どの程度好ましいか示す、1または複数のヒューリスティックを含む。
104.ヒューリスティックは、1または複数のモアレ(moire)、カラーフリンジおよび回折アーチファクトについてのヒューリスティックを含む、態様103によるプロジェクタシステム。
105.複数の制約は、制御パラメータの値を、物理的に実現可能なパラメータに限定する、態様101から104の何れか1つによるプロジェクタシステム。
106.制御システムは、第1および第2のプロジェクタの合計の光出力の所望の比を達成するよう試みるように構成されている、態様99から105の何れか1つによるプロジェクタシステム。
107.態様99から105の何れか1つによるプロジェクタシステムであって、制御システムは、第1および第2のプロジェクタのうちの1つを、それが可能な限り多くの光を投射画像に与えるように制御すべくバイアスされる。
108.結像モデルは、ヒューリスティック分散モデルを含む、態様99から107の何れか1つによるプロジェクタシステム。
109.態様89から108の何れか1つによるプロジェクタシステムであって、第1および第2のプロジェクタは、複数の異なる原色を有し、コントローラは、第1および第2のプロジェクタのうち少なくとも1つの色域(gamut)の外にある投射画像において複数の色を達成すべく、第1および第2のプロジェクタによる光出力のバランスを取るように構成されている。
110.態様89から109の何れか1つによるプロジェクタシステムであって、コントローラは、投射画像の画像コンテンツにおいて、高い空間周波数特徴の最適化された再生成を達成すべく、第1および第2のプロジェクタによる光出力のバランスを取るように構成されている。
111.制御パラメータは、第1および第2のプロジェクタのための複数の画素値を含む、態様89から110の何れか1つによるプロジェクタシステム。
112.制御パラメータは、第1および第2のプロジェクタのための複数の光源値を含む、態様89から111の何れか1つによるプロジェクタシステム。
113.制御システムは、投射画像のエリアにおける周辺光を考慮に入れるように構成されている、態様89から112の何れか1つによるプロジェクタシステム。
114.車両ヘッドライトにおいて光を投射すべく適用される、上記の態様の何れか1つによる方法または装置。
115.上記の態様の何れか1つによる方法および装置であって、2次元プロジェクタから投射された光を、1または複数の他のプロジェクタによって投射された立体画像の対を含む光と合成することを含み、立体画像の対の左目および右目の画像は、時間および区別可能な光特性の一方または両方において、互いに区別可能であって、2次元プロジェクタによって投射された光は、左目および右目の画像の両方に一致する光を含む。
116.本明細書に記載されているような任意の新規性および進歩性のある特徴、複数の特徴の組み合わせ、または、複数の特徴の部分的組み合わせを有する装置。
117.本明細書において記載されるような任意の新規性および進歩性のある工程、動作、複数の工程および/または動作の組み合わせ、または複数の工程および/または動作の部分的組み合わせを有する方法。
用語の解釈
【0131】
状況が、他の場合を明らかに必要としない限り、本記載および請求項の全体にわたって、
・「備え」、「備えている」等は、排他的または徹底的な意味とは対照的に、包括的な意味で解釈されるべきである。つまり、「含むが、限定されない」という意味である。
・「接続され」、「結合され」またはその任意の変形は、2つまたはそれより多くの要素の間での、直接的または間接的の何れかでの任意の接続または結合を意味し、複数の要素間の結合または接続は、物理的、論理的、またはその組み合わせであり得る。
・「本明細書において」、「上記」、「以下」および同様の趣旨の単語は、本明細書を説明するのに用いられる場合、本明細書を全体として指すべきであり、本明細書のいかなる特定の一部分も指すべきではない。
・「または」は、2つまたはそれより多くのアイテムのリストを参照して、単語の以下の複数の解釈、つまり、リストにおける複数のアイテムの何れか、リストにおける複数のアイテムの全て、およびリストにおける複数のアイテムの何れかの組み合わせの全てをカバーする。
・単数の形態「1つの」、「一」および「その」は、何れの適切な複数の形態の意味も含む。
【0132】
「鉛直」、「横」、「水平」、「上方向」、「下方向」、「前方」、「後方」、「内側」、「外側」、「鉛直」、「横」、「左」、「右」、「前」、「後」、「上部」、「底部」、「下方」、「上方」、「下」、および同様のもの等のような方向を示す語は、本説明および何れかの添付の請求項(存在する場合)で用いられたとき、説明され、示される装置の特定の方向に依存する。本明細書に記載される主題は、様々な代替的な方向を想定してよい。従って、これら方向に関する用語は厳密に定義されず、狭く解釈されるべきではない。
【0133】
本発明の複数の実施形態は、特定的に設計されたハードウェア、構成可能なハードウェア、データプロセッサに対して実行可能な(任意で「ファームウェア」を含んでよい)ソフトウェアの提供により構成されるプログラマブルデータプロセッサ、本明細書において詳細で説明されている方法における1または複数の工程を実行するよう特定的にプログラミングされ、構成され、または構築された特定用途向けコンピュータまたはデータプロセッサ、および/またはこれらの2つまたはそれより多くの組み合わせを用いて実装され得る。特定的に設計されたハードウェアの例としては、論理回路、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、大規模集積回路(「LSI」)、超大規模集積回路(「VLSI」)等がある。構成可能なハードウェアの例としては、プログラマブルアレイロジック(「PAL」)、プログラマブルロジックアレイ(「PLA」)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)等の1または複数のプログラマブルロジックデバイスがある。プログラマブルデータプロセッサの例としは、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)、埋め込みプロセッサ、グラフィックスプロセッサ、数値演算コプロセッサ、汎用コンピュータ、サーバコンピュータ、クラウドコンピュータ、メインフレームコンピュータ、コンピュータワークステーション等がある。例えば、デバイスのための制御回路における1または複数のデータプロセッサが、それらプロセッサがアクセス可能なプログラムメモリにおける複数のソフトウェア命令を実行することによって本明細書において記載される複数の方法を実装してよい。
【0134】
処理またはブロックは、所与の順番で提示されているが、複数の代替例が、異なる順番で、複数の工程を有する複数のルーチンを実行してもよく、または複数のブロックを有する複数のシステムを利用してもよい。また、代替または部分的組み合わせを提供するよういくつかの処理またはブロックが削除され、動かされ、追加され、細分化され、組み合わせられ、および/または変更されてよい。これら処理またはブロックのそれぞれが、様々な異なる方法で実装されてよい。また、複数の処理またはブロックが時々、直列で実行されるものとして示されるが、これらの処理またはブロックは代わりに、並列で実行されてよく、または異なる時点で実行されてもよい。
【0135】
本発明は、プログラム製品の形態でも提供されてよい。プログラム製品は、データプロセッサによって実行される場合にデータプロセッサに本発明の方法を実行させる一式のコンピュータ可読命令を保持する任意の非一時的媒体を備えてよい。本発明によるプログラム製品は、幅広い様々な形態の何れにあってもよい。プログラム製品は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスクを含む磁気データ記憶媒体、ハードディスクドライブ、CD-ROM、DVDを含む光学データ記憶媒体、ROM、フラッシュRAM、EPROMを含む電子データ記憶媒体、物理的に組み込まれた、または事前にプログラミングされたチップ(例えば、EEPROM半導体チップ)、ナノ技術メモリ等のような非一時的媒体を含み得る。プログラム製品におけるコンピュータ可読信号は、任意で、圧縮されてもよく、または暗号化されてよい。
【0136】
いくつかの実施形態においてにおいて、本発明は、ソフトウェアにおいて実装されてもよい。より明確にすると、「ソフトウェア」は、プロセッサで実行される何れかの命令を含み、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含んでよい(が、これらに限定されない)。処理ハードウェアおよびソフトウェアの両方が、全体的に、または部分的に、当業者らに周知であるように集中化されてよく、または分散化されてもよい(またはそれらの組み合わせであってもよい)。例えば、ソフトウェアおよび他のモジュールが、ローカルのメモリを介して、ネットワークを介して、分散化されたコンピューティングコンテクストにおいてブラウザまたは他のアプリケーションを介して、または上記で説明された複数の目的に適した他の手段を介してアクセス可能であり得る。
【0137】
上記において構成要素(例えば、ソフトウェアモジュール、プロセッサ、アセンブリ、ディスプレイ、絞り、デバイス、回路等)が言及される場合、他の場合が示されていない限り、その構成要素についての言及(「手段」についての言及を含む)は、本発明の実例が示されている例示的な実施形態において機能を実行する開示されている構造物と構造的に同等ではない複数の構成要素を含む、説明される構成要素の機能を実行する(すなわち、機能的に同等である)何れかの構成要素をその構成要素の同等物として含むものとして、解釈されるべきである。
【0138】
システム、方法および装置の特定の例が、実例を示すことを目的として本明細書において説明されている。これらは、単に例である。本明細書で提供されている技術は、上記で説明された例示的なシステム以外の複数のシステムに応用され得る。多くの変更、修正、追加、省略、および順列が本発明の実施内で可能である。本発明は、当業者にとって明らかであろう、説明された実施形態の変形例を含む。それらは、特徴、要素、および/または動作を同等の特徴、要素、および/または動作で置き換えること、異なる実施形態からの特徴、要素、および/または動作をミックスし、一致させること、本明細書に記載されているような実施形態からの特徴、要素、および/または動作を、他の技術の特徴、要素、および/または動作と組み合わせること、ならびに/もしくは、説明された実施形態から、特徴、要素、および/または動作を省略するまたは組み合わせること、によって得られる変形例を含む。
【0139】
したがって、以下の添付の請求項、および以降導入される請求項は、合理的に推定され得るそのような修正、順列、追加、省略、および部分的組み合わせの全てを含むものとして解釈されることが意図されている。請求項の範囲は、複数の例において説明される複数の好ましい実施形態により限定されるべきではなく、全体として説明と一貫している最も幅広い解釈が与えられるべきである。
【外国語明細書】