(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169572
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】多重化された光流を内部結合するための光学要素を有するディスプレイシステム
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20221101BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20221101BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/18
G02B5/30
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124125
(22)【出願日】2022-08-03
(62)【分割の表示】P 2021038065の分割
【原出願日】2016-06-14
(31)【優先権主張番号】62/175,994
(32)【優先日】2015-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/180,551
(32)【優先日】2015-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アンソニー クルグ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ティー. ショーウェンゲルト
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ネビン ミラー
(72)【発明者】
【氏名】ビクランジット シン
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ぺロス
(72)【発明者】
【氏名】ピエール サン ティレール
(72)【発明者】
【氏名】ジエ サン
(57)【要約】
【課題】仮想現実および拡張現実結像および可視化システムを提供すること
【解決手段】多重化された光流からの光の1つまたは複数の流れを導波路の中に選択的に内部結合するためのアーキテクチャが、提供される。多重化された光流は、異なる特性(例えば、異なる波長および/または異なる偏光)を伴う光を有することができる。導波路は、多重化された光流からの1つまたは複数の他の光流を伝送しながら、多重化された光流からの1つまたは複数の光流を導波路の中に選択的に結合し得る内部結合要素を備えることができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権主張)
本願は、米国特許法§119(e)のもと、2015年6月15日に出願された米国仮特許出願第62/175994号および2015年6月16日に出願された米国仮特許出願第62/180551号の優先権の利益を主張する。上記出願の各々は、それらの全体が参照によって本明細書に援用される。
【0002】
(参照による援用)
本願は、以下の米国特許および特許出願の各々の全体を参照によって援用する:2002年1月1日発行の米国特許第6,334,960号(発明の名称「Step and Flash Imprint Technology」)、2005年3月29日発行の米国特許第6,873,087号(発明の名称「High-Precision Orientation, Alignment and Gap control Stages for Imprint Lithography Processes」)、2005年5月31日発行の米国特許第6,900, 881号(発明の名称「Step and Repeat Imprint Lithography」)、2006年7月4日発行の米国特許第7,070,405号(発明の名称「Alignment Systems for Imprint Lithography」)、2006年10月17日発行の米国特許第7,122,482号(発明の名称「Methods for Fabricating Patterned Features Utilizing Imprint Lithography」)、2006年11月28日発行の米国特許第7,140,861号(発明の名称「Compliant Hard Template for UV Imprinting」)、2011年12月13日発行の米国特許第8,076,386号(発明の名称「Materials for Imprint Lithography」)、2006年8月29日発行の米国特許第7,098,572号(発明の名称「Apparatus to Control Displacement of a Body Spaced Apart from a Surface」)、2015年3月7日出願の米国特許出願第14/641,376号、2014年11月27日出願の米国特許出願第14/555,585号、2015年4月18日出願の米国特許出願第14/690,401号、2014年3月14日出願の米国特許出願第14/212,961号、2014年7月14日出願の米国特許出願第14/331,218号。
【0003】
(分野)
本開示は、仮想現実および拡張現実結像および可視化システムに関する。
【背景技術】
【0004】
(関連技術の説明)
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見えるまたは現実として知覚され得る様式でユーザに提示される。仮想現実(すなわち「VR」)シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透明性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実(すなわち「AR」)シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。例えば、
図1を参照すると、拡張現実場面(1)が、描写されており、AR技術のユーザには、背景における人々、木々、建物を特徴とする実世界の公園のような設定(6)と、コンクリートプラットフォーム(1120)とが見える。これらのアイテムに加え、AR技術のユーザはまた、実世界プラットフォーム(1120)上に立っているロボット像(1110)と、マルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ(2)とを「見ている」と知覚するが、これらの要素(2、1110)は、実世界には存在しない。ヒトの視知覚系は複雑であるため、他の仮想世界画像要素または実世界画像要素との間における仮想画像要素の快適で、自然のような感覚で、かつ豊かな提示を促進する、VRまたはAR技術の生成は、困難である。
【0005】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、VRまたはAR技術に関連する種々の課題に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のシステム、方法、およびデバイスはそれぞれ、いくつかの革新的側面を有し、そのうちのいずれも、本明細書に開示される所望の属性に単独で関与するものではない。
【0007】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムが、提供される。ディスプレイシステムは、導波路と、多重化された光流を導波路の中に指向するように構成される画像投入デバイスとを含む。多重化された光流は、異なる光特性を有する複数の光流を含む。導波路は、1つまたは複数の他の光流に対して透過性でありながら、光流の第1のものを選択的に内部結合するように構成される内部結合光学要素を含む。いくつかの実施形態では、導波路は、導波路のスタックの一部であり、これは、1つまたは複数の他の光流に対して透過性でありながら、光流の第2のものを選択的に方向転換するように構成される内部結合光学要素を含む第2の導波路を含むことができる。いくつかの実施形態では、導波路の内部結合光学要素は、光流のうちの少なくとも1つを第2の導波路の内部結合光学要素に伝送するように構成される。
【0008】
液晶材料を基板上にジェット堆積することと、インプリントパターンを使用して液晶の分子を整合させることとを含む、液晶デバイスを製造する種々の方法が、本明細書に説明される。本明細書に説明される方法を使用して、液晶材料の1つまたはいくつかの層を含むデバイスが、製造されることができる。本明細書に説明される方法を使用して製造される液晶デバイスは、約数ミクロン未満のサイズを有する特徴および/またはパターンを含む、液晶格子を含むことができる。本明細書に説明される方法を使用して製造される液晶デバイスはまた、可視光の波長未満のサイズを有する液晶特徴および/またはパターンを含むことができる、Pancharatnam-Berry Phase Effect(PBPE)構造、メタ表面、またはメタ材料と称されるものを備え得る。ある場合には、これらの構造内の小さなパターン化特徴は、約10nm~約100nmの幅および約100nm~約1ミクロンの高さであることができる。ある場合には、これらの構造内の小パターン化特徴は、約10nm~約1ミクロンの幅および約10nm~約1ミクロンの高さであることができる。ビーム操向、波面成形、波長および/または偏光の分離、ならびに異なる波長および/または偏光の組み合わせ等の光を操作するための構造は、本明細書ではメタ材料液晶格子とも別様に称される、メタ表面を伴う液晶格子、または、Pancharatnam-Berry Phase Effect(PBPE)構造を伴う液晶格子を含むことができる。PBPE構造を伴う液晶格子は、高回折効率および液晶格子の入射角度に対する低感度とPBPE構造の高波長感度を組み合わせることができる。本明細書に説明される製造の種々の方法を使用して、PBPE構造を伴う液晶格子は、大量生産されることができ、これは、PBPE構造を液晶材料上に堆積させる既存の方法を使用してでは不可能であり得る。本明細書で議論される方法はまた、既存の偏光子より透明な偏光子を製作するために使用されることができる。
【0009】
本明細書に開示される主題の革新的側面は、導波路と、多重化された光流を導波路の中に指向するように構成される画像投入デバイスとを備える、ディスプレイシステムを含む。画像投入デバイスによって提供される多重化された光流は、異なる光特性を有する複数の光流を備えることができる。導波路は、1つまたは複数の他の光流に対して透過性でありながら、光流の第1のものを選択的に内部結合するように構成される内部結合光学要素を備える。内部結合光学要素は、回折構造、液晶材料、メタ表面、メタ材料、PBPE構造、PBPE構造を備える液晶偏光格子、またはメタ表面を備える液晶偏光格子のうちの少なくとも1つを備えることができる。内部結合光学要素は、透過性状態と能動的光再指向状態との間で切替可能であることができる。導波路の種々の実施形態は、頭部搭載型ディスプレイの接眼レンズ内に含まれることができる。
【0010】
ディスプレイシステムの種々の実施形態では、導波路は、導波路のスタックの一部であることができる。導波路のスタックは、1つまたは複数の他の光流に対して透過性でありながら、光流の第2のものを選択的に方向転換するように構成され得る内部結合光学要素を備える、第2の導波路を含むことができる。そのような実施形態では、導波路の内部結合光学要素は、光流のうちの少なくとも1つを第2の導波路の内部結合光学要素に伝送するように構成されることができる。
【0011】
光流は、異なる波長、異なる偏光、またはそれらの組み合わせを有することができる。種々の実施形態では、画像投入デバイスは、複数の光流の光流の全てを導波路に同時に提供するように構成されることができる。種々の実施形態では、画像投入デバイスは、複数の光流の光流の少なくとも一部を異なる時間に導波路に提供するように構成されることができる。画像投入デバイスは、走査光ファイバであることができる。種々の実施形態では、画像投入デバイスは、光変調デバイスを備えることができる。
【0012】
種々の実施形態では、導波路および/または第2の導波路は、導波路内を伝搬する内部結合された第1の光流を出力するように構成される、外部結合要素を備えることができる。外部結合要素は、少なくとも1つの軸に沿ってアイボックスの寸法を増加させるように構成される第1の群の光再指向要素を備えることができる。外部結合要素はさらに、少なくとも1つの軸に直交する軸に沿ってアイボックスの寸法を増加させるように構成される第2の群の光再指向要素を備えることができる。
【0013】
本明細書に開示される主題の別の革新的側面は、複数のスタックされた導波路と、画像投入デバイスとを備える、ディスプレイシステムを含む。画像投入デバイスは、多重化された光流を複数のスタックされた導波路の中に指向するように構成される。多重化された光流は、異なる光特性を有する複数の光流を備える。複数のスタックされた導波路内の各導波路は、内部結合光学要素を備える。各導波路は、複数の光流の1つまたは複数の他のものに対して透過性でありながら、複数の光流のうちの1つまたは複数のものを選択的に内部結合するように構成される。複数のスタックされた導波路は、頭部搭載型ディスプレイの接眼レンズ内に含まれることができる。各導波路は、導波路内を伝搬する内部結合された複数の光流のうちの1つまたは複数のものを出力するように構成される、外部結合要素を備える。
【0014】
内部結合光学要素は、回折構造、液晶材料、メタ表面、メタ材料、PBPE構造、PBPE構造を備える液晶偏光格子、またはメタ表面を備える液晶偏光格子のうちの少なくとも1つを備えることができる。種々の実施形態では、内部結合光学要素は、透過性状態と能動的光再指向状態との間で切替可能であることができる。異なる光特性は、それぞれ異なる波長、それぞれ異なる偏光、またはそれらの組み合わせを有することができる。画像投入デバイスは、複数の光流のうちの光流の全てを導波路に同時に提供するように構成されることができる。画像投入デバイスは、複数の光流のうちの光流の少なくとも一部を異なる時間に導波路に提供するように構成されることができる。種々の実施形態では、画像投入デバイスは、走査光ファイバであることができる。いくつかの実施形態では、画像投入デバイスは、光変調デバイスを備えることができる。
【0015】
本明細書に開示される主題の革新的側面は、導波路と、多重化された光流を導波路の中に指向するように構成される画像投入デバイスとを備える、ディスプレイシステムを含む。多重化された光流は、異なる光特性を有する複数の光流を備えることができる。導波路は、1つまたは複数の他の光流に対して透過性でありながら、光流の第1のものを選択的に内部結合するように構成される第1の内部結合光学要素を備える。いくつかの実施形態では、導波路は、1つまたは複数の他の光流に対して透過性でありながら、光流の第2のものを選択的に内部結合するように構成される第2の内部結合光学要素を備えることができる。いくつかの他の実施形態では、導波路は、1つまたは複数の他の光流に対して透過性でありながら、光流の第3のものを選択的に内部結合するように構成される第3の内部結合光学要素を備えることができる。種々の実施形態では、第1、第2、または第3の内部結合光学要素は、メタ表面を備える液晶層を含むことができる。導波路の種々の実施形態は、頭部搭載型ディスプレイの接眼レンズ内に含まれることができる。
【0016】
本明細書に説明される主題の1つまたは複数の実施形態の詳細は、付随の図面および以下の説明に記載される。他の特徴、側面、および利点は、説明、図面、ならびに請求項から明白となるであろう。以下の図の相対的寸法は、正確な縮尺で描かれない場合があることに留意されたい。本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
ディスプレイシステムであって、
導波路と、
多重化された光流を前記導波路の中に指向するように構成された画像投入デバイスであって、前記多重化された光流は、異なる光特性を有する複数の光流を備える、画像投入デバイスと
を備え、前記導波路は、1つまたは複数の他の光流に対して透過性でありながら、前記光流の第1のものを選択的に内部結合するように構成された内部結合光学要素を備える、システム。
(項目2)
前記導波路は、導波路のスタックの一部であり、前記導波路のスタックは、1つまたは複数の他の光流に対して透過性でありながら、前記光流の第2のものを選択的に方向転換するように構成される内部結合光学要素を備える第2の導波路を含み、前記導波路の内部結合光学要素は、前記光流のうちの少なくとも1つを前記第2の導波路の内部結合光学要素に伝送するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記内部結合光学要素は、回折構造である、項目1に記載のシステム。
(項目4)
前記内部結合光学要素は、液晶材料を備える、項目1に記載のシステム。
(項目5)
前記内部結合光学要素は、透過性状態と能動的光再指向状態との間で切替可能である、項目1に記載のシステム。
(項目6)
前記内部結合光学要素は、メタ表面を備える、項目1に記載のシステム。
(項目7)
前記内部結合光学要素は、メタ材料を備える、項目1に記載のシステム。
(項目8)
前記内部結合光学要素は、PBPE構造を備える、項目1に記載のシステム。
(項目9)
前記光流は、異なる波長、異なる偏光、またはそれらの組み合わせを有する、項目1に記載のシステム。
(項目10)
前記画像投入デバイスは、前記複数の光流のうちの光流の全てを前記導波路に同時に提供するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目11)
前記画像投入デバイスは、前記複数の光流のうちの光流の少なくとも一部を異なる時間に前記導波路に提供するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目12)
前記画像投入デバイスは、走査光ファイバである、項目1に記載のシステム。
(項目13)
前記画像投入デバイスは、光変調デバイスを備える、項目1に記載のシステム。
(項目14)
前記導波路は、頭部搭載型ディスプレイの接眼レンズ内に含まれる、項目1に記載のシステム。
(項目15)
前記導波路は、前記導波路内を伝搬する前記内部結合された第1の光流を出力するように構成された外部結合要素を備える、項目1に記載のシステム。
(項目16)
前記外部結合要素は、少なくとも1つの軸に沿ってアイボックスの寸法を増加させるように構成された第1の群の光再指向要素を備える、項目15に記載のシステム。
(項目17)
前記外部結合要素は、前記少なくとも1つの軸に直交する軸に沿って前記アイボックスの寸法を増加させるように構成された第2の群の光再指向要素を備える、項目16に記載のシステム。
(項目18)
前記内部結合光学要素は、PBPE構造を備える液晶偏光格子を備える、項目1に記載のシステム。
(項目19)
前記内部結合光学要素は、メタ表面を備える液晶偏光格子を備える、項目1に記載のシステム。
(項目20)
ディスプレイシステムであって、
複数のスタックされた導波路であって、各導波路は、内部結合光学要素を備える、複数のスタックされた導波路と、
多重化された光流を前記複数のスタックされた導波路の中に指向するように構成された画像投入デバイスであって、前記多重化された光流は、異なる光特性を有する複数の光流を備える、画像投入デバイスと
を備え、各導波路は、前記複数の光流のうちの1つまたは複数の他のものに対して透過性でありながら、前記複数の光流のうちの1つまたは複数のものを選択的に内部結合するように構成されている、システム。
(項目21)
前記内部結合光学要素は、回折構造である、項目20に記載のシステム。
(項目22)
前記内部結合光学要素は、液晶材料を備える、項目20に記載のシステム。
(項目23)
前記内部結合光学要素は、透過性状態と能動的光再指向状態との間で切替可能である、項目20に記載のシステム。
(項目24)
前記内部結合光学要素は、メタ表面を備える、項目20に記載のシステム。
(項目25)
前記内部結合光学要素は、メタ材料を備える、項目20に記載のシステム。
(項目26)
前記内部結合光学要素は、PBPE構造を備える、項目20に記載のシステム。
(項目27)
前記内部結合光学要素は、PBPE構造を備える液晶偏光格子を備える、項目20に記載のシステム。
(項目28)
前記内部結合光学要素は、メタ表面を備える液晶偏光格子を備える、項目20に記載のシステム。
(項目29)
前記異なる光特性は、それぞれ異なる波長、それぞれ異なる偏光、またはそれらの組み合わせを備える、項目20に記載のシステム。
(項目30)
前記画像投入デバイスは、前記複数の光流のうちの光流の全てを前記導波路に同時に提供するように構成されている、項目20に記載のシステム。
(項目31)
前記画像投入デバイスは、前記複数の光流のうちの光流の少なくとも一部を異なる時間に前記導波路に提供するように構成されている、項目20に記載のシステム。
(項目32)
前記画像投入デバイスは、走査光ファイバである、項目20に記載のシステム。
(項目33)
前記画像投入デバイスは、光変調デバイスを備える、項目20に記載のシステム。
(項目34)
前記複数のスタックされた導波路は、頭部搭載型ディスプレイの接眼レンズ内に含まれる、項目20に記載のシステム。
(項目35)
各導波路は、前記導波路内を伝搬する前記複数の光流のうちの前記内部結合された1つまたは複数の流を出力するように構成された外部結合要素を備える、項目20に記載のシステム。
(項目36)
ディスプレイシステムであって、
導波路と、
多重化された光流を前記導波路の中に指向するように構成された画像投入デバイスであって、前記多重化された光流は、異なる光特性を有する複数の光流を備える、画像投入デバイスと
を備え、
前記導波路は、1つまたは複数の他の光流に対して透過性でありながら、前記光流の第1のものを選択的に内部結合するように構成された第1の内部結合光学要素を備え、
前記第1の内部結合光学要素は、メタ表面を備える液晶層を含む、
ディスプレイシステム。
(項目37)
1つまたは複数の他の光流に対して透過性でありながら、前記光流の第2のものを選択的に内部結合するように構成された第2の内部結合光学要素をさらに備え、前記第2の内部結合光学要素は、メタ表面を備える液晶の層を含む、項目36に記載のディスプレイシステム。
(項目38)
前記第2の内部結合光学要素は、前記第1の内部結合光学要素にわたって配置される、項目37に記載のディスプレイシステム。
(項目39)
1つまたは複数の他の光流に対して透過性でありながら、前記光流の第3のものを選択的に内部結合するように構成された第3の内部結合光学要素をさらに備え、前記第3の内部結合光学要素は、メタ表面を備える液晶の層を含む、項目36に記載のディスプレイシステム。
(項目40)
前記第3の内部結合光学要素は、前記第2の内部結合光学要素にわたって配置される、項目39に記載のディスプレイシステム。
(項目41)
前記導波路は、頭部搭載型ディスプレイの接眼レンズ内に含まれる、項目36に記載のディスプレイシステム。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、ARデバイスを通した拡張現実(AR)のユーザのビューを図示する。
【0018】
【
図2】
図2は、装着可能ディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0019】
【
図3】
図3は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。
【0020】
【
図4】
図4は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
【0021】
【
図5】
図5A-5Cは、曲率半径と焦点半径との間の関係を図示する。
【0022】
【
図6】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波路スタックの実施例を図示する。
【0023】
【
図7】
図7は、導波路によって出力された出射ビームの実施例を示す。
【0024】
【
図8A】
図8Aは、1つまたは複数の導波路の中への多重化された画像情報の送達の実施例の斜視図を概略的に図示する。
【0025】
【
図8B】
図8Bは、複数の導波路の中への多重化された画像情報の送達の別の実施例の斜視図を概略的に図示する。
【0026】
【0027】
【
図8D】
図8Dは、各導波路からの光を外部結合するための光再指向要素を伴う、
図8Cのディスプレイシステムを図示する。
【0028】
【
図8E】
図8Eは、x-yピクセル情報を提供するための光変調デバイスを備える画像投入デバイスを含む、
図8Bのディスプレイシステムを図示する。
【0029】
【
図9A】
図9Aは、液晶デバイスを製作する方法の実施形態を図示する。
【0030】
【
図9B】
図9Bおよび
図9Cは、上の
図9Aまたは下の
図9Dに説明される方法に従って液晶デバイスを製作するために使用され得る、インプリントテンプレートの実施形態を図示する。
【
図9C】
図9Bおよび
図9Cは、上の
図9Aまたは下の
図9Dに説明される方法に従って液晶デバイスを製作するために使用され得る、インプリントテンプレートの実施形態を図示する。
【0031】
【
図9D】
図9Dは、液晶デバイスを製作する方法の別の実施形態を図示する。
【0032】
【0033】
【
図9I】
図9Iは、
図9Dに説明される方法に説明されるようなパターンを用いてインプリントされるレジスト層の実施形態を図示する。
【0034】
【
図9J】
図9Jは、複合格子パターンを伴う光学デバイスを生産するために組み合わせられ得る、第1の方向に沿って配向される別個の液滴または区分を有する第1のインプリント構造と、第2の方向に沿って配向される別個の液滴または区分を有する第2のインプリント構造とを図示する。
【0035】
【
図9K】
図9Kおよび
図9Lは、本明細書に説明されるジェット堆積およびインプリント方法を使用して製作され得る、異なる偏光子構成を図示する。
【
図9L】
図9Kおよび
図9Lは、本明細書に説明されるジェット堆積およびインプリント方法を使用して製作され得る、異なる偏光子構成を図示する。
【0036】
【
図9M】
図9Mは、入射光の偏光状態を変化させ得る、光入口表面および光出口表面を有する導波路板の実施形態を図示する。
【0037】
種々の図面における同様の参照番号および記号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
(詳細な説明)
本明細書に開示される実施形態は、概して、ディスプレイシステムを含む光学システムを含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、装着可能であり、ディスプレイシステムは、有利なことに、より没入型のVRまたはAR体験を提供し得る。例えば、導波路のスタックを含むディスプレイは、ユーザまたは視認者の眼の正面に位置付けられて装着されるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、視認者の眼に1つずつの導波路の2つのスタックが、異なる画像を各眼に提供するために利用されてもよい。
【0039】
図2は、装着可能ディスプレイシステム(80)の実施例を図示する。ディスプレイシステム(80)は、ディスプレイ(62)と、そのディスプレイ(62)の機能をサポートするための種々の機械的および電子的モジュールおよびシステムとを含む。ディスプレイ(62)は、フレーム(64)に結合されてもよく、フレーム(64)は、ディスプレイシステムユーザまたは視認者(60)によって装着可能であり、ディスプレイ(62)をユーザ(60)の眼の正面に位置付けるように構成される。いくつかの実施形態では、スピーカ(66)が、フレーム(64)に結合され、ユーザの外耳道に隣接して位置付けられる(いくつかの実施形態では、示されない別のスピーカが、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供する)。ディスプレイ(62)は、有線導線または無線コネクティビティ等によって、ローカルデータ処理モジュール(70)に作用可能に結合され(68)、ローカルデータ処理モジュール(70)は、種々の構成(例えば、フレーム(64)に固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホン内に埋設される、または別様にユーザ(60)に取り外し可能に取り付けられる(例えば、リュック式構成、ベルト結合式構成において))で搭載されてもよい。
【0040】
ローカル処理およびデータモジュール(70)は、プロセッサと、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)等のデジタルメモリとを備えてもよく、両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用されてもよい。データは、a)画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープ等のセンサ(例えば、フレーム(64)に作用可能に結合され得る、または別様にユーザ(60)に取り付けられ得る)から捕捉されたデータ、および/または、b)処理または読出後にディスプレイ(62)への起こり得る受け渡しのために、遠隔処理モジュール(72)および/または遠隔データリポジトリ(74)を使用して取得および/または処理されたデータを含む。ローカル処理およびデータモジュール(70)は、これらの遠隔モジュール(72、74)が相互に作用可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール(70)に対するリソースとして利用可能であるように、通信リンク(76、78)によって(例えば、有線または無線通信リンクを介して)、遠隔処理モジュール(72)および遠隔データリポジトリ(74)に作用可能に結合されてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、遠隔処理モジュール(72)は、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成される、1つまたは複数のプロセッサを備えてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ(74)は、デジタルデータ記憶設備を備えてもよく、これは、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であり得る。いくつかの実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての計算は、ローカル処理およびデータモジュール内で行われ、遠隔モジュールからの完全に自律的な使用を可能にする。
【0042】
「3次元」または「3-D」としての画像の知覚は、視認者の各眼への画像の若干異なる提示を提供することによって達成され得る。
図3は、ユーザのために3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。眼4および6に1つずつの2つの別個の画像74および76が、ユーザに出力される。画像74および76は、視認者の視線と平行な光学軸またはz-軸に沿って距離10だけ眼4および6から離間される。画像74および76は、平坦であり、眼4および6は、単一の遠近調節された状態をとることによって、画像上に合焦し得る。そのようなシステムは、画像74および76を組み合わせることにより組み合わせられた画像の深度の知覚を提供するために、ヒト視覚系に依拠する。
【0043】
しかしながら、ヒト視覚系は、より複雑であり、深度の現実的知覚を提供することは、より困難であることを理解されたい。例えば、従来の「3-D」ディスプレイシステムの多くの視認者は、そのようなシステムが不快であることを見出す、または深度の感覚を全く知覚しない場合がある。理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、両眼離反運動および遠近調節の組み合わせに起因して、オブジェクトを「3次元」として知覚し得ると考えられる。相互に対する2つの眼の両眼離反運動の移動(すなわち、眼の視線を収束させてオブジェクト上に固定させるための相互に向かった、または相互から離れる瞳孔の転動移動)は、眼の水晶体を集束させる(または「遠近調節」)と密接に関連付けられる。通常条件下では、眼の水晶体の焦点を変化させる、または眼を遠近調節し、1つのオブジェクトから異なる距離における別のオブジェクトに焦点を変化させることは、「遠近調節-両眼離反運動反射」として知られる関係下で、同一距離までの両眼離反運動における整合変化を自動的に生じさせる。同様に、両眼離反運動における変化は、通常条件下では、遠近調節における整合変化を誘起する。本明細書に記載されるように、多くの立体視または「3-D」ディスプレイシステムは、3次元視点がヒト視覚系によって知覚されるように、各眼への若干異なる提示(したがって、若干異なる画像)を使用して、場面を表示する。しかしながら、そのようなシステムは、とりわけ、単に、場面の異なる提示を提供するが、眼が全画像情報を単一の遠近調節された状態において視認すると、「遠近調節-両眼離反運動反射」に対抗して機能するため、多くの視認者にとって不快である。遠近調節と両眼離反運動との間のより優れた整合を提供するディスプレイシステムは、3次元画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成し得る。
【0044】
図4は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
図4Aを参照すると、z-軸上の眼4および6からの種々の距離におけるオブジェクトは、それらのオブジェクトに合焦するように、眼(4、6)によって遠近調節される。眼4および6は、特定の遠近調節された状態をとることにより、z-軸に沿った異なる距離におけるオブジェクトに合焦する。その結果、特定の遠近調節された状態は、特定の深度平面におけるオブジェクトまたはオブジェクトの一部に、眼がその深度平面のための遠近調節された状態にあるときに合焦するように、深度平面(14)のうちの特定の1つと関連付けられると言うことができる。いくつかの実施形態では、3次元画像は、眼(4、6)毎に画像の異なる提示を提供することによって、また、深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによってシミュレートされてもよい。
【0045】
オブジェクトと眼(4または6)との間の距離は、その眼によって視認されるそのオブジェクトからの光の発散の量を変化させることができる。
図5A-5Cは、距離と光線の発散との間の関係を図示する。オブジェクトと眼(4)との間の距離は、減少していく距離R1、R2、およびR3の順序で表される。
図5A-5Cに示されるように、光線は、オブジェクトまでの距離が減少するにつれてより発散する。距離が増加するにつれて、光線は、よりコリメートされる。換言すると、点(オブジェクトまたはオブジェクトの一部)によって生成される光場は、点がユーザの眼から離れている距離の関数である、球状波面曲率を有すると言うことができる。曲率は、オブジェクトと眼(4)との間の距離の減少に伴って増加する。その結果、異なる深度平面では、光線の発散度もまた、異なり、発散度は、深度平面と視認者の眼4との間の距離の減少に伴って増加する。単眼(4)のみが、図示を明確にするために、
図5A-5Cおよび本明細書の他の図に図示されるが、眼(4)に関する議論は、視認者の両眼(4および6)に適用され得ることを理解されたい。
【0046】
理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、深度平面の有限遠を解釈することにより、深度知覚を提供することができると考えられる。その結果、知覚された深度の非常に真実味のあるシミュレーションが、これらの限定された数の深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を眼に提供することによって達成され得る。
【0047】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波路スタックの実施例を図示する。ディスプレイシステム1000は、複数の導波路(182、184、186、188、190)を使用して3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る、導波路のスタックまたはスタックされた導波路アセンブリ(178)を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム(1000)は、
図2のシステム(80)であり、
図6は、そのシステム(80)のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、導波路アセンブリ(178)は、
図2のディスプレイ(62)の中に統合されてもよい。
【0048】
図6を継続して参照すると、導波路アセンブリ(178)はまた、複数の特徴(198、196、194、192)を導波路間に含んでもよい。いくつかの実施形態では、特徴(198、196、194、192)は、レンズであってもよい。導波路(182、184、186、188、190)および/または複数のレンズ(198、196、194、192)は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を伴って画像情報を眼に送信するように構成されてもよい。各導波路レベルは、特定の深度平面と関連付けられてもよく、その深度平面に対応する画像情報を出力するように構成されてもよい。画像投入デバイス(200、202、204、206、208)は、画像情報を導波路(182、184、186、188、190)の中に投入するために利用されてもよく、画像投入デバイスのそれぞれは、本明細書に説明されるように、眼4に向かう出力のために各個別の導波路にわたって入射光を分散させるように構成されてもよい。光は、画像投入デバイス(200、202、204、206、208)の出力表面(300、302、304、306、308)から出射し、導波路(182、184、186、188、190)の対応する入力縁(382、384、386、388、390)の中に投入される。いくつかの実施形態では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波路の中に投入され、クローン化されたコリメートビームの全体場を出力してもよく、クローン化されたコリメートビームは、特定の導波路と関連付けられた深度平面に対応する特定の角度(および発散量)において眼(4)に向かって指向される。
【0049】
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス(200、202、204、206、208)は、それぞれ、対応する導波路(それぞれ、182、184、186、188、190)の中への投入のために画像情報を生成する別々のディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス(200、202、204、206、208)は、例えば、画像情報を1つまたは複数の光学導管(例えば、光ファイバケーブル)を介して画像投入デバイス(200、202、204、206、208)のそれぞれに送り得る、単一の多重化されたディスプレイの出力端である。
【0050】
コントローラ210は、スタックされた導波路アセンブリ(178)および画像投入デバイス(200、202、204、206、208)の動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ210は、例えば、本明細書に開示される種々のスキームのいずれかに従って、導波路(182、184、186、188、190)への画像情報のタイミングおよび供給量を調整する、プログラミング(例えば、非一過性媒体内の命令)を含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、単一の一体型デバイスまたは有線もしくは無線通信チャネルによって接続される分散型システムであってもよい。コントローラ210は、いくつかの実施形態では、処理モジュール(70または72)(
図2)の一部であってもよい。
【0051】
導波路(182、184、186、188、190)は、全内部反射(TIR)によって各個別の導波路内で光を伝搬するように構成されてもよい。導波路(182、184、186、188、190)はそれぞれ、主要な上部表面および底部表面ならびにそれらの主要な上部表面と底部表面との間に延在する縁を伴う、平面であってもよい。図示される構成では、導波路(182、184、186、188、190)はそれぞれ、各個別の導波路内で伝搬する光を導波路から再指向し、画像情報を眼4に出力するように構成される、光再指向要素(282、284、286、288、290)を含んでもよい。光のビームは、導波路内を伝搬する光が光再指向要素に当たる場所において導波路によって出力される。光再指向要素(282、284、286、288、290)は、反射および/または回折光学特徴であってもよい。説明の容易性および図面の明確性のために、導波路(182、184、186、188、190)の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実施形態では、光再指向要素(282、284、286、288、290)は、上部および/または底部主要表面に配置されてもよく、かつ/または導波路(182、184、186、188、190)の体積内に直接配置されてもよい。いくつかの実施形態では、光再指向要素(282、284、286、288、290)は、透明基板に取り付けられて導波路(182、184、186、188、190)を形成する材料の層内に形成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、導波路(182、184、186、188、190)は、材料のモノリシック部品であってもよく、光再指向要素(282、284、286、288、290)は、材料のその部品の表面上および/またはその内部に形成されてもよい。
【0052】
図6を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波路(182、184、186、188、190)は、光を出力し、特定の深度平面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波路(182)は、そのような導波路(182)の中に投入されたコリメートされた光を眼(4)に送達するように構成されてもよい。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波路(184)は、眼(4)に到達し得る前に、第1のレンズ(192;例えば、負のレンズ)を通過するコリメートされた光を送出するように構成されてもよい。そのような第1のレンズ(192)は、眼/脳が、その次の上方の導波路(184)から生じる光を光学無限遠から眼(4)に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるように解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成されてもよい。同様に、第3の上方の導波路(186)は、眼(4)に到達する前に、その出力光に第1のレンズ(192)および第2のレンズ(194)の両方を通過させる。第1のレンズ(192)および第2のレンズ(194)の組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の導波路(186)から生じる光を、次の上方の導波路(184)からの光よりも光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるように解釈するように、別の漸増量の波面曲率を生成するように構成されてもよい。
【0053】
他の導波路層(188、190)およびレンズ(196、198)も同様に構成され、スタック内の最高導波路(190)は、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力を最高導波路(190)と眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波路アセンブリ(178)の他側の世界(144)から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ(198、196、194、192)のスタックを補償するために、補償レンズ層(180)が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック(198、196、194、192)の集約力を補償してもよい。そのような構成は、利用可能な導波路/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波路の光再指向要素およびレンズの集束側面は両方とも、静的であってもよい(すなわち、動的または電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、それらは、電気活性特徴を使用して動的であってもよい。
【0054】
図6を継続して参照すると、光再指向要素(282、284、286、288、290)は、導波路と関連付けられた特定の深度平面のために、光をその個別の導波路から再指向し、かつ本光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力するように構成されてもよい。その結果、異なる関連付けられた深度平面を有する導波路は、光再指向要素(282、284、286、288、290)の異なる構成を有してもよく、これは、関連付けられた深度平面に応じて、異なる量の発散を伴う光を出力する。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、光再指向要素(282、284、286、288、290)は、体積または表面特徴であってもよく、これは、光を特定の角度において出力するように構成され得る。例えば、光再指向要素(282、284、286、288、290)は、体積ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であってもよい。回折格子等の光再指向要素は、2015年3月7日に出願された米国特許出願第14/641,376号(参照によってその全体が本明細書に援用される)に説明されている。いくつかの実施形態では、特徴(198、196、194、192)は、レンズではなくてもよい。むしろ、それらは、単に、スペーサ(例えば、クラッディング層および/または空隙を形成するための構造)であってもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、光再指向要素(282、284、286、288、290)は、回折パターンまたは「回折光学要素」(また、本明細書では、「DOE」とも称される)を形成する回折特徴である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみがDOEの各交差点を用いて眼(4)に向かって屈折される一方、残りが全内部反射を介して導波路を通して移動し続けるように、比較的に低回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、様々な場所において導波路から出射するいくつかの関連出射ビームに分割され、その結果、導波路内で跳反するこの特定のコリメートされたビームに関して、眼(4)に向かった非常に均一なパターンの出射放出となる。
【0056】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のDOEは、能動的に回折する「オン」状態と有意に回折しない「オフ」状態との間で切替可能であってもよい。例えば、切替可能なDOEは、ポリマー分散液晶の層を備えてもよく、その中で微小液滴は、ホスト媒体中に回折パターンを備え、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に整合するように切り替えられることができる(その場合、パターンは、入射光を著しく回折させない)、または微小液滴は、ホスト媒体のものに整合しない屈折率に切り替えられることができる(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折させる)。
【0057】
図7は、導波路によって出力された出射ビームの実施例を示す。1つの導波路が図示されるが、導波路のスタック(178)内の他の導波路も同様に機能し得ることを理解されたい。光(400)が、導波路(182)の入力縁(382)において導波路(182)の中に投入され、TIRによって導波路(182)内を伝搬する。光(400)がDOE(282)上に衝突する点では、光の一部は、導波路から出射ビーム(402)として出射する。出射ビーム(402)は、実質的に平行として図示されるが、本明細書に議論されるように、出射ビーム(402)はまた、導波路(182)と関連付けられた深度平面に応じて、ある角度において眼(4)に伝搬するように(例えば、発散出射ビームを形成する)再指向されてもよい。略平行出射ビームは、眼(4)からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度平面に対応する導波路を示し得ることを理解されたい。他の導波路は、より発散する出射ビームパターンを出力してもよく、これは、眼(4)がより近い距離に遠近調節して網膜に合焦することを要求し、光学無限遠より眼(4)に近い距離からの光として脳によって解釈される。
【0058】
(パートI.多重化された画像情報)
再び
図6を参照すると、導波路(182、184、186、188、または190)毎の専用画像投入デバイス(200、202、204、206、または208)の利用は、機械的に複雑であり得、画像投入デバイスおよびその関連接続の全てを収容するために大容積を要求し得る。より小さい形状因子が、装着可能ディスプレイ等のいくつかの用途のために望ましくあり得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、より小さい形状因子は、単一画像投入デバイスを使用し、情報を複数の導波路の中に投入することによって達成されてもよい。画像投入デバイスは、複数の画像情報流(本明細書では、情報流とも称される)を導波路に送達し、これらの情報流は、多重化されることが検討されてもよい。各導波路は、情報流と相互作用して特定の情報流からの画像情報をその導波路の中に選択的に内部結合する、内部結合光学要素を含む。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素は、他の情報流のための光が他の導波路に伝搬し続けることを可能にしながら、特定の情報流からの光をその関連付けられた導波路の中に選択的に再指向する。再指向される光は、TIRによってその関連付けられた導波路を通して伝搬するような角度で再指向される。したがって、いくつかの実施形態では、単一画像投入デバイスは、多重化された情報流を複数の導波路に提供し、その複数の導波路の各導波路は、内部結合光学要素を使用して選択的に内部結合する、関連付けられた情報流を有する。
【0060】
内部結合光学要素と情報流との間の選択的相互作用は、異なる光学特性を伴う情報流を利用することによって促進され得る。例えば、各情報流は、異なる色(異なる波長)および/または異なる偏光(好ましくは、異なる円偏光)の光によって形成されてもよい。順に、内部結合光学要素は、特定の偏光および/または1つもしくは複数の特定の波長の光を選択的に再指向し、それによって、特定の対応、例えば、情報流と導波路との間の1対1の対応を可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素は、その光の特性、例えば、その光の波長および/または偏光に基づいて光を選択的に再指向するように構成される回折光学要素である。
【0061】
いくつかの実施形態では、各画像投入デバイスは、それぞれ、2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多くの情報流を複数の導波路に提供することによって、画像情報を2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多くの導波路のうちの複数に提供する。いくつかの実施形態では、複数のそのような画像投入デバイスは、情報を複数の導波路のそれぞれに提供するために使用されてもよい。
【0062】
ここで
図8Aを参照すると、1つまたは複数の導波路の中への多重化された画像情報の送達の実施例が、斜視図に概略的に図示される。スタック3000は、導波路3002および3004を含み、これは、それぞれ、内部結合光学要素3012および3014を含む。いくつかの実施形態では、導波路3002および3004は、略平面板であってもよく、それぞれ、正面主要表面および背面主要表面と、これらの正面主要表面と背面主要表面との間に延在する縁とを有する。例えば、導波路3002は、正面主要表面3002aおよび背面主要表面3002bを有する。導波路の主要表面は、クラッディング層(図示せず)を含み、各導波路内の光のTIRを促進してもよい。いくつかの実施形態では、導波路のスタック3000は、
図6のスタック178に対応し、本明細書に開示されるディスプレイシステム内のスタック178に取って代わるために利用されてもよい。
【0063】
図8Aを継続して参照すると、光流Aおよび光流Bは、異なる光特性、例えば、異なる波長および/または異なる偏光(好ましくは、異なる円偏光)を有する。光流Aおよび光流Bは、別個の画像情報流を含む。光Aおよび光Bならびにその情報流は、光学導管3024(例えば、光ファイバ)を通して多重化された情報流として画像投入デバイス3021に伝搬される。画像投入デバイスは、光3040(多重化された情報流を組み合わせられた光流Aおよび光流Bとして含む)を導波路スタック3000の中に投入する。
【0064】
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス3021は、ファイバ352のファイバ先端をスタック3000の面積にわたって走査するために使用され得る光ファイバ352に結合される、アクチュエータ3020(圧電アクチュエータ等)を含む。そのような走査ファイバ画像投入デバイスの実施例は、2015年3月7日に出願された米国特許出願第14/641,376号(参照によってその全体が本明細書に援用される)に開示されている。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス3021は、不動であってもよく、いくつかの実施形態では、光を複数の角度からスタック3000に向かって指向してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、各導波路は、内部結合光学要素を含む。例えば、導波路3002は、内部結合光学要素3012を含み、導波路3004は、内部結合光学要素3014を含む。内部結合光学要素3012および3014は、光流Aおよび光流Bのうちの1つを選択的に再指向するように構成される。例えば、内部結合光学要素3012は、光流Aの少なくとも一部を選択的に再指向し、その光流を光導波路3002の中に内部結合してもよい。光流Aの内部結合された部分は、導波路3002を通って光3042として伝搬する。いくつかの実施形態では、光3042は、その導波路の主要表面3002aおよび3002bからのTIRによって導波路3002を通って伝搬する。同様に、内部結合光学要素3014は、光流Bの少なくとも一部を選択的に再指向し、その光流を光導波路3004の中に内部結合してもよい。光流Bの内部結合された部分は、導波路3004を通って光3044として伝搬する。いくつかの実施形態では、光3044は、その導波路の主要表面3004aおよび3004bからのTIRによって導波路3004を通って伝搬する。
【0066】
図示されるように、いくつかの実施形態では、多重化された光流3040は、光流Aおよび光流Bの両方を同時に含み、上記で議論されるように、光流Aは、導波路3002に内部結合される一方、光流Bは、導波路3004に内部結合されてもよい。いくつかの他の実施形態では、光流Aおよび光流Bは、導波路スタック3000に異なる時間に提供されてもよい。そのような実施形態では、単一導波路のみが、本明細書に議論されるように、これらの情報流を受信するために、利用されてもよい。いずれの場合も、光流Aおよび光流Bは、光学結合器3050によって光学導管3024に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、光学結合器3050は、光学導管3024を通した伝搬のために、光流Aおよび光流Bを組み合わせてもよい。
【0067】
図8Aを継続して参照すると、いくつかの実施形態では、光学部3030が、画像投入デバイス3021と内部結合光学要素3012および3014との間に配置されてもよい。光学部3030は、例えば、光を内部結合光学要素3012および3014上に集束させることによって、例えば、光線を種々の内部結合光学要素3012および3014上に指向することを促進するレンズを含んでもよい。いくつかの実施形態では、光学部は、画像投入デバイス3021の一部であり、例えば、画像投入デバイス3021の端部におけるレンズであってもよい。いくつかの実施形態では、光学部3030は、完全に省略されてもよい。
【0068】
内部結合光学要素3012および3014は、光流Aおよび光流Bを、それらの光流間で異なる1つまたは複数の光特性に基づいて、選択的に再指向するように構成されることを理解されたい。例えば、光流Aは、光流Bと異なる波長を有してもよく、内部結合光学要素3012および3014は、波長に基づいて、光を選択的に再指向するように構成されてもよい。好ましくは、異なる波長は、異なる色に対応し、これは、同一色の異なる波長を使用することに関する内部結合光学要素の選択性を改良することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、光流Aは、光流Bと異なる偏光を有してもよく、内部結合光学要素3012および3014は、偏光に基づいて、光を選択的に再指向するように構成されてもよい。例えば、内部結合光学要素3012および3014は、偏光に基づいて、光を選択的に再指向するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、光流Aおよび光流Bは、異なる円偏光を有する。いくつかの実施形態では、光流Aおよび光流Bは、例えば、異なる波長および異なる偏光の両方を含む、光特性における複数の差異を有してもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、内部結合光学要素3012および3014は、回折格子(例えば、液晶偏光格子等の液晶を備える格子)を含む、回折光学要素である。いくつかの実施形態では、光学要素は、約数ナノメートルまたは数十ナノメートルの特徴サイズを伴うパターンを有する表面等のメタ表面(例えば、PBPEを備える)を含んでもよい。好適な内部結合光学要素3012および3014の実施例は、光学要素2000b、2000d(
図9A)および
図9E-9Hの光学要素を含む。有利なことに、そのような光学要素は、異なる偏光および/または異なる波長の光を選択的に再指向する際に非常に効率的である。
【0071】
ここで
図8Bを参照すると、複数の導波路の中への多重化された画像情報の送達の別の実施例が、斜視図に概略的に図示される。スタック3000は、画像情報がスタック3000を通して個々の導波路およびユーザの眼に適正に提供される得る限り、2つよりも多くの導波路、例えば、4、6、8、10、12、または他の数の導波路を含むことができることを理解されたい。図示されるスタック3000は、導波路3002および3004に加え、導波路3006および3008を含む。導波路3006および3008は、それぞれ、内部結合光学要素3012および3014を含む。いくつかの実施形態では、導波路3002、3004、3006、および3008は、それぞれが異なる光特性を有する光を再指向および内部結合するように構成され得る内部結合光学要素を除いて、類似し得る。いくつかの他の実施形態では、複数の導波路のための内部結合光学要素は、類似し得る。
図8Aに関連する本明細書の全本開示は、
図8Bにも適用されるが、
図8Bにおける導波路の数は、
図8Aのものよりも多いことを理解されたい。
【0072】
図8Bを継続して参照すると、光流A、B、C、およびDは、異なる光特性、例えば、異なる波長および/または異なる偏光(好ましくは、異なる円偏光)を有する。例えば、光流A、B、C、およびDはそれぞれ、異なる波長の光を含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、異なる波長および偏光の種々の組み合わせが可能性として考えられる。例えば、AおよびBは、類似波長および異なる偏光を有してもよく、CおよびDは、類似波長および異なる偏光を有してもよく、AおよびBは、CおよびDと異なる。光流A、B、C、およびDは、光学導管3024を通して多重化された情報流として画像投入デバイス3021に伝搬され、画像投入デバイス3021は、多重化された情報流の光3040を導波路スタック3000の中に投入する。本明細書に議論されるように、多重化された情報流は、全光流を同時に含んでもよい、または光流のうちの1つもしくは複数のものは、スタック3000に異なる時間に指向されてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、各導波路は、光をその導波路の中に選択的に内部結合する、内部結合光学要素を含む。例えば、導波路3002は、内部結合光学要素3012を含み、内部結合光学要素3012は、光流Aをその導波路の中に内部結合するように構成されてもよく、これにより、光流Aは、TIRによってその導波路内を光3042として伝搬し、導波路3004は、内部結合光学要素3014を含み、内部結合光学要素3014は、光流Bをその導波路の中に内部結合するように構成されてもよく、これにより、光流Bは、TIRによってその導波路内を光3044として伝搬し、導波路3006は、内部結合光学要素3016を含み、内部結合光学要素3016は、光流Cをその導波路の中に内部結合するように構成されてもよく、これにより、光流Cは、TIRによってその導波路内を光3046として伝搬し、導波路3008は、内部結合光学要素3018を含み、内部結合光学要素3018は、光流Dをその導波路の中に内部結合するように構成されてもよく、これにより、光流Dは、TIRによってその導波路内を光3048として伝搬する。
【0074】
いくつかの実施形態では、単一光流(例えば、光流A、B、C、またはD)が、単一導波路に内部結合されてもよいことを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、複数の光流が、同一導波路に内部結合されてもよい。好ましくは、そのような配列では、光流は、異なる時間に内部結合される。いくつかの実施形態では、そのような時間的に分離された内部結合は、画像投入デバイスが特定の導波路のための情報流を異なる時間に提供すると同時に、複数の異なる光特性(例えば、複数の異なる波長または複数の異なる偏光)に基づいて光を選択的に方向転換させる、内部結合光学要素を使用して達成されてもよい。例えば、光流AおよびBは両方とも、導波路3002に内部結合されてもよく、内部結合光学要素3012は、光流CおよびDが通過することを可能にしながら、光流AおよびBを選択的に内部結合し、光流AおよびBは、光を内部結合光学要素3012に異なる時間に提供する一方、同時に、光流Cおよび/またはDを内部結合光学要素3012に提供する。1つまたは複数の他の導波路が同様に、複数の光流をそれらの導波路に内部結合するように構成されてもよいことを理解されたい。
【0075】
いくつかの他の実施形態では、複数の光流(例えば、光流Aおよび光流B)が、同時に、内部結合光学要素(例えば、内部結合光学要素3012)に提供されてもよく、内部結合光学要素は、光流Aを内部結合することまたは光流Bを内部結合することの間で選択するように状態を変化させるように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、内部結合光学要素は、電極(例えば、ITO等の透明電極)間に配置される液晶材料から形成される格子であってもよい。液晶は、電圧電位の印加を用いて、状態(例えば、配向)を変化させてもよく、1つの状態は、1つの光流(例えば、光流A)を選択的に内部結合するように構成され、別の状態は、全光流(例えば、光流Aおよび光流Bの両方)に対して透明であるように構成される。いくつかの実施形態では、異なる格子を形成する、切替可能な液晶材料の別の層が、電極間に提供されてもよく、1つの状態は、異なる光流(例えば、光流B)を選択的に内部結合するように構成され、別の状態は、全光流(例えば、光流Aおよび光流Bの両方)に対して透明であるように構成される。いくつかの他の実施形態では、両タイプの液晶材料が、同一レベルであるが、異なる面積内に配置されてもよい。液晶材料は、1つのタイプの材料が光流に対して透明であるとき、他のタイプが特定の光流の光を選択的に内部結合する、かつその逆も同様であるように構成されてもよい。
【0076】
ここで
図8Cを参照すると、
図8Bのディスプレイシステムの上から見下ろした概略図が、図示される。上から見下ろした図は、
図8Bのスタック3000の上部縁に沿って見下ろされている。図示されるように、いくつかの実施形態では、多重化された光流3040の一部は、導波路3002、3004、3006、および3008のそれぞれの中に内部結合された光3042、3044、3046、および3048として選択的に内部結合される。
【0077】
本明細書に議論されるように、導波路は、導波路の内側を伝搬した光を出力または外部結合する光再指向要素(例えば、光再指向要素(282、284、286、288、290))を含んでもよく、これにより、外部結合された光が視認者の眼4(
図6)に向かって伝搬する。
図8Dは、
図8Cのディスプレイシステムを図示し、各導波路からの光を外部結合するための光再指向要素を伴う。例えば、導波路3002は、外部結合光再指向要素3062を含み、導波路3004は、外部結合光再指向要素3064を含み、導波路3006は、外部結合光再指向要素3066を含み、導波路3008は、外部結合光再指向要素3068を含む。いくつかの実施形態では、外部結合光再指向要素は、異なる光再指向要素の群を含んでもよく、それぞれ、異なるように機能する。例えば、外部結合光再指向要素3062は、第1の群の光再指向要素3062aおよび第2の群の光再指向要素3062bを含んでもよい。例えば、光再指向要素3062bは、射出瞳エキスパンダ(EPE;少なくとも1つの軸においてアイボックスの寸法を増加させる)であってもよく、光再指向要素3062aは、直交瞳エキスパンダ(OPE;EPEの軸を交差する、例えば、直交する軸においてアイボックスの寸法を増加させる)であってもよい。EPEおよびOPEは、2014年5月30日に出願された米国仮特許出願第62/005,807号(その全開示は、参照によって本明細書に援用される)に開示されている。
【0078】
画像は、エンコードされたx-yピクセル情報を伴う情報流を使用して、導波路によって形成されることを理解されたい。例えば、異なる色の情報流はそれぞれ、画像のためのx-yピクセル情報に対応するx-yグリッド上の特定の場所の光の強度を示してもよい。理論によって限定されるわけではないが、情報流と導波路との整合は、光の特性を使用して達成され、必ずしも、その光によって提供されるx-yピクセル情報に依存しないことも理解される。その結果、x-yピクセル情報は、光が内部結合光学要素3012、3014、3016、および3018に衝突する前に、光の経路に沿って任意の好適なデバイスを使用して任意の好適な場所にエンコードされ得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、光源(例えば、LEDまたはOLED)がピクセル化され、所望の光特性(例えば、所望の波長および/または偏光)を有する光を出力可能である場合、情報流は、光源から放出されると、所望の光特性およびエンコードされたx-yピクセル情報の両方を有するように形成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、所望の光特性を有する光は、光変調デバイスを通過し、光変調デバイスの中でx-yピクセル情報がエンコードされる。
図8Eは、
図8Bのディスプレイシステムを図示し、x-yピクセル情報を画像情報流に提供するための光変調デバイス3070を示す。いくつかの実施形態では、光変調デバイス3070は、画像投入デバイス3021の一部であってもよく、画像情報を導波路に提供するための走査ファイバまたは1つもしくは複数の定常開口ディスプレイデバイスを使用して、画像情報を提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、光変調デバイス3070は、光がデバイスを通過するにつれて光を修正する(例えば、光の強度は、制御可能可変光伝送を有するピクセル要素を通過させることによって修正されてもよい)。いくつかの他の実施形態では、光変調デバイスは、光を選択的に再指向(例えば、反射)させ、導波路スタック3000の中に伝搬させることによって光を修正してもよい。光変調デバイスの実施例は、透過性液晶ディスプレイおよびマイクロミラーデバイス(Texas Instruments, Inc.から利用可能なもの等の「デジタル光処理」または「DLP」システム等)を含む。
【0080】
(パートII.Pancharatnam-Berry Phase Effect(PBPE)構造を伴う液晶偏光格子)
本節は、液晶、偏光格子、およびPancharatnam-Berry Phase
Effect(PBPE)構造、その製作方法、ならびに他の構造および方法に関する。いくつかの実施形態では、高回折効率、入射角度に対する低感度、および高波長感度を有する液晶格子構造を製造するための方法および装置が、提供される。本明細書に説明される種々の方法は、インクジェット技術を使用して、液晶材料の層を堆積させることと、インプリントテンプレートを使用して、液晶材料を整合させることとを含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、本パートIIに開示される液晶、偏光格子、およびPancharatnam-Berry Phase Effect(PBPE)構造は、導波路スタック178(
図6)または3000(
図8A-8E)の種々の導波路のための光再指向要素を形成するために利用されてもよい。例えば、そのような液晶、偏光格子、およびPancharatnam-Berry Phase Effect(PBPE)構造は、有利なことに、内部結合光学要素3012、3014、3016、および/または3018(
図8A-8E)を含む、本明細書に開示される種々の内部結合光学要素を形成するために適用され得る。
【0082】
種々の結像システムおよび光学信号処理システムは、光学波面、波長、偏光、位相、強度、角度および/または光の他の特性を制御/操作するための液晶デバイスを含むことができる。液晶は、部分的に順序付けられた材料であり、その分子は、多くの場合、ある方向に沿って整合され得る、ロッドまたは板もしくはいくつかの他の形態のように成形される。液晶の分子が配向される方向は、液晶材料に入射する光の特性を制御/操作するために使用され得る、電磁力の印加によって操作されることができる。
【0083】
液晶デバイスおよび特定の結果として生じる構造を製造する方法が、本明細書に説明される。
【0084】
以下の詳細な説明は、革新的側面を説明する目的のためにある実施形態を対象とする。しかしながら、本明細書における教示は、多数の異なる方法で適用されることができる。以下の説明から明白となるように、革新的側面は、入射光の1つまたは複数の特性を操作するように構成される、任意の光学構成要素またはデバイス内に実装されてもよい。
【0085】
以下により完全に議論されるように、本明細書に説明される革新的側面は、ジェット堆積技術を使用して、液晶デバイスを製作することを含む。例えば、液晶デバイスを製造する方法のある実施形態では、液晶材料の層が、ジェット堆積技術(例えば、インクジェット技術)を使用して、基板上に堆積される。表面起伏特徴(例えば、PBPE構造)が、テンプレートを使用して、ジェット堆積された液晶材料の層内にインプリントされることができる。表面起伏特徴は、特定の光再指向特性を達成するように構成されてもよい(例えば、特定の間隔および/または高さを伴って)。いくつかの他の実施形態では、インプリントは、異なるレベルで繰り返されることにより、連続層状断面を生産することができ、連続層状断面は、組み合わせにおいて、「バルク」体積位相材料およびデバイス内に存在するような体積特徴として挙動し得る。種々の実施形態では、これらの表面起伏特徴(および連続層状断面)は、「ブラッグ」構造としてモデル化されることができる。概して、そのような構造は、二元表面起伏特徴を生産するために使用されることができ、二元表面起伏特徴において、回折を生成する、材料/空気界面、レジスト/空気界面、樹脂/空気界面、もしくは液晶材料/空気界面、または、回折を生成する、材料/低屈折率レジスト界面、レジスト/低屈折率レジスト界面、樹脂/低屈折率レジスト界面、もしくは液晶材料/低屈折率レジスト界面が存在する。これらの場合、格子は、ブラッグ構造ではなく、「ラマン・ナス」構造としてモデル化されることができる。液晶材料の分子は、ナノ構造の物理的形状および液晶(LC)材料とのその静電相互作用に起因して、インプリントのプロセスを通して整合される。インプリントパターンを使用した液晶層の整合は、以下により詳細に議論される。
【0086】
種々の実施形態では、光整合層としての役割を果たすための材料(例えば、ポリマー)の層が、例えば、基板または事前コーティングされた基板上へのインクジェットを介して、ジェット堆積技術(材料のジェットまたは流れが基板上に指向される)を使用して堆積されてもよい。光整合層は、所望のLC配向パターンを組み込むテンプレートを使用して、ナノインプリントによってパターン化される。いくつかの実施形態では、本パターンは、PBPEパターンであり、物理的起伏を備えるテンプレートが、干渉および/またはリソグラフィック技法を用いて作製されてもよい。テンプレートは、軟質ポリマー樹脂上に降下され、UV光が、樹脂を固定状態に硬化させるために使用される。いくつかの実施形態では、毛細管作用が、硬化される前に、テンプレートをポリマー材料で充填させる。テンプレートは、後退され、パターン化され、硬化された樹脂を基板上の定位置に残す。堆積プロセス(例えば、ジェットまたはスピンコーティング)を使用する、第2のステップが、LC(例えば、樹脂中に懸濁されたLC)の層を光整合層の上部に適用する。LCは、その下方の光整合層パターンに整合し、これが生じると、樹脂は、UV光、熱、または両方の組み合わせを使用して定位置に固定される。いくつかの他の実施形態では、溶媒(例えば、樹脂)中に懸濁されたLCが、堆積(例えば、ジェットまたはスピンコーティングを使用して分散)され、ナノインプリントパターン(例えば、PBPEパターン)を含むテンプレートが、LC材料と接触するように降下される。LCは、テンプレートの起伏プロファイルを取り込み(例えば、テンプレート内の開口部の中への毛細管作用によって)、LC材料は、硬化プロセス(例えば、UV、熱、または両方の組み合わせ)を使用して定位置に固定される。結果として生じる構造は、直接、機能要素として使用されてもよい、またはある場合には、低屈折率材料が、インプリントされた液晶材料にわたって堆積され、液晶材料内にインプリントされた表面特徴間の間質区域を充填することができる。
【0087】
低屈折率材料は、液晶ベースのレジスト(例えば、液晶ポリマーまたは液晶を備える樹脂)の粘弾性および化学特性を調整することによって、または低屈折率材料の上部表面と平坦化インプリントテンプレート(例えば、略平面表面を有するテンプレート)を接触させることによって、平坦化層として構成されることができる。いくつかの他の実施形態では、低屈折率材料は、化学および/または機械的平坦化プロセスによって平坦化されることができる。平坦化プロセスは、好ましくは、平滑である平坦化された表面を形成し、粗表面によって生じ得る光学アーチファクトを低減させるように選択される。付加的液晶層等の付加的層が、ジェット技術を使用して、液晶層にわたって堆積されることができる。液晶の異なる層内のPBPE構造は、異なる波長の光を回折、操向、および/または分散させる、または組み合わせるように構成されることができる。例えば、赤色波長、緑色波長、および青色波長が、異なる液晶層内のPBPE構造によって、異なる方向に沿って回折、分散、または再指向されることができる。
【0088】
異なる液晶層は、好ましくは、十分な構造安定性および接着性を提供し、層が相互にわたってスタックされることを可能にする、材料を用いて形成される。いくつかの実施形態では、光学的に透過性の硬化された構造を形成する重合性材料を含む、有機または無機インプリントレジスト材料が、使用されてもよい。実施例として、液晶層は、アクリル液晶調合物を含むことができる。アクリル液晶層は、相互の上に層をスタックすることを促進する、接着特性を提供することができる。
【0089】
本明細書に議論されるように、液晶材料および低屈折率材料は両方とも、流動性材料であってもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態では、これらの材料は、インプリントテンプレートと接触後、接触テンプレートを除去する前に、それらを不動態化するプロセスを受けてもよい。不動態化プロセスは、本明細書に議論されるように、硬化プロセスを含んでもよい。
【0090】
別の実施例として、液晶デバイスを製造する方法の別の実施形態では、フォトレジスト材料(例えば、樹脂またはポリマー)の層が、基板上に堆積される。堆積は、スピンコーティングを含む、種々の堆積方法によって遂行されてもよい。より好ましくは、いくつかの実施形態では、堆積は、ジェット技術(例えば、インクジェット技術)を使用して遂行される。フォトレジストは、表面起伏特徴(例えば、PBPE構造)を有するインプリントテンプレートまたは型を用いてインプリントされる。液晶材料の層が、ジェット技術を使用して、フォトレジストのインプリントされた層上に堆積されることができる。インプリントされたフォトレジスト層は、整合層としての役割を果たし、堆積されるにつれて、液晶材料の分子を整合させることができる。付加的液晶層等または液晶を備えない層等の付加的層が、ジェット技術を使用して、液晶層にわたって堆積されることができる。種々の実施形態では、平坦化層が、堆積された液晶層にわたって堆積されることができる。
【0091】
本明細書で議論される実施形態では、例えば、ドープ液晶、非ドープ液晶等の異なるタイプの液晶材料、および他の非液晶材料が、インクジェット技術を使用して堆積されることができる。インクジェット技術は、薄い制御された(例えば、均一)厚さの堆積された液晶層または平坦化層を提供することができる。インクジェット技術はまた、表面上の異なる区域内に異なる厚さを有する液晶の層または他の層等の異なる厚さの層を提供することができ、異なるパターン高さに適応し、一定残留層厚さをインプリントされたパターンの真下に保つことができる。インクジェット技術は、有利なことに、薄い層、例えば、約10nm~1ミクロン、または約10nm~約10ミクロンの厚さを提供することが可能であり、スピンコーティング等の他の技法と比較して、無駄を削減することができる。インクジェット技術は、同一基板上への異なる液晶組成物の堆積を促進することができる。加えて、インクジェットナノインプリントは、非常に薄い残留層厚さを生産することができる。図示される実施形態では、インプリントパターンの下方の均一区域は、残留層に対応することができる。PBPEおよび他の回折構造は、非常に薄いまたはゼロ残留層厚さを伴う、可変かつ時として向上された性能を呈することができる。インクジェットナノインプリントアプローチは、異なるタイプの材料を所与の基板を横断して同時に堆積するために使用されることができ、可変厚材料を単一基板上の異なる区域内に同時に生産するために使用されることができる。これは、特に、レジストの他の材料および/または厚さを要求し得るより従来の回折構造と単一基板内で組み合わせられるとき、PBPE構造にとって有益であり得る。
【0092】
ジェット技術によって堆積される液晶層は、UV硬化、熱的方法、凍結、焼鈍、および他の方法を使用して硬化されることができる。インプリントテンプレートは、複雑な溝幾何学形状(例えば、複数の段を伴う溝、異なる配向を伴う格子等)を含むことができる。本明細書に説明される方法を使用して製造される液晶デバイスは、異なる配向および異なるPBPE構造を伴う格子を備える、液晶層を含むことができる。
【0093】
本明細書に説明されるインクジェット技術を使用する製造方法はまた、増加された透過率を有する偏光子ならびに/またはサブ波長特徴および/もしくはメタ材料を備える波長板を製造するように構成されることができる。これらおよび他の側面は、以下で詳細に議論される。
【0094】
図9Aは、好ましくは、インクジェット技術を使用して、液晶デバイスを製作する方法の実施形態を図示する。
図9Aに図示される方法の実施形態では、液晶材料の層2000bが、パネル(i)に示されるように、例えば、インクジェット技術を使用して、基板2000a上に堆積される。液晶材料は、ドープまたは非ドープ液晶材料を含むことができる。種々の実施形態では、液晶材料は、ポリマー安定化ネマチック液晶材料であることができる。基板2000aは、ガラス、プラスチック、サファイア、ポリマー、または任意の他の基板材料を含むことができる。液晶材料の層2000bは、約20ナノメートル~2ミクロンの厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、液晶材料の層2000bは、約0.5ミクロン~約10ミクロンの厚さを有することができる。
【0095】
液晶材料の層2000bは、パネル(ii)に示されるように、波長およびサブ波長スケール表面特徴を含む、インプリントパターン2000cを用いてインプリントされることができる。表面特徴は、入射光の位相を直接操作し得る、PBPE構造を含むことができる。いかなる一般性も失うことなく、PBPE構造は、一種の偏光格子構造と見なされることができる。種々の実施形態では、インプリントパターン2000cは、PBPE構造を備える、溝のアレイを含むことができる。溝のアレイは、高回折効率および入射角度に対する低感度を有し得る、液晶格子構造を形成することができる。溝は、約20nm~約1ミクロンの深度および約20nm~約1ミクロンの幅を有することができる。いくつかの実施形態では、溝は、約100nm~約500nmの深度および約200nm~約5000nmの幅を有することができる。いくつかの実施形態では、溝は、約20nm~約500nmの深度および約10nm~約10ミクロンの幅を有することができる。PBPE構造は、位相プロファイルを光学軸の局所配向上に直接エンコードするサブ波長パターンを含むことができる。PBPE構造は、液晶格子構造の表面上に配置されることができる。PBPE構造は、約20nm~約1ミクロンの特徴サイズを有することができる。いくつかの実施形態では、PBPE構造は、約10nm~約200nmの特徴サイズを有することができる。いくつかの実施形態では、PBPE構造は、約10nm~約800nmの特徴サイズを有することができる。種々の実施形態では、下層PBPE構造は、LCの体積配向のための整合層として使用されることができる。体積成分は、この場合、LCが必然的に自らを整合層と整合させるにつれて、自動的に発生する。別の実施形態では、PBPE整合を含む複数の層とLC層とを異なるように整合させ、システムの回折特性を複合体として変化させ、例えば、各サブ層が波長の選択サブセットのみに作用するため、複数の波長作用を多重化することが望ましくあり得る。
【0096】
種々の実施形態では、インプリントパターン2000cは、例えば、
図9Bに示されるように、複数の溝および陥凹を含む積層幾何学形状等の複数の溝またはより複雑なパターン等の単純幾何学的パターンを含むことができる。種々の実施形態では、インプリントパターン2000cは、複数のインプリント層を含むことができ、各インプリント層は、
図9Cに示されるように、異なるインプリントパターンを含む。
図9Cに示されるインプリントパターンでは、インプリント層2000c-1、インプリント層2000c-2、およびインプリント層2000c-3は、隣接する溝間の空間を徐々に減少させる複数の溝を含む。種々の実施形態では、インプリントパターンは、山形、渦巻、弧等のパターンを含むことができる。インプリントパターンは、電子ビームリソグラフィまたは他のリソグラフィ方法等の方法を使用して、半導体材料または他の構造上に製作されることができる。
【0097】
図9Aを参照すると、液晶材料の層2000bは、インプリントされたパターンに整合される。隣接する溝間の空間は、材料2000dで充填されることができる。いくつかの実施形態では、充填材料は、パネル(iii)に示されるように、液晶材料の屈折率未満のより低い屈折率を有する透明材料を備えてもよい。そのような構成は、例えば、導波路構造内で使用されることができる。このように、高屈折率差が、液晶格子が高回折効率を有し得るように、液晶格子構造とその周囲との間に得られることができる。前述のように、PBPE LC格子は、材料/空気界面、レジスト/空気界面、樹脂/空気界面、または液晶材料/空気界面を伴って作製されてもよく、空気は、低屈折率「材料」である。しかしながら、ある場合には、可能性として近接触して、材料の別の層を以前にパターン化された層の上に設置することが望ましくあり得、この場合、異なる屈折率をPBPE構造間に保存するのみならず、上記の積層可能層を提供する低屈折率硬化性樹脂を分散および平坦化することが望ましくあり得る。種々の実施形態では、液晶格子は、ブラッグ液晶格子として構成されることができる。種々の実施形態では、低屈折率材料2000dの層は、平坦化層として構成されることができる。そのような実施形態では、低屈折率材料2000dの層は、パネル(iv)に示されるように、別のインプリントパターン2000eによって平坦化されるように構成されることができる。
【0098】
図9Dは、好ましくは、インクジェット技術を使用して、液晶デバイスを製作する方法の別の実施形態を図示する。
図9Aに図示される方法の実施形態では、レジストの層2000fは、パネル(i)に示されるように、インクジェット技術を使用して、基板2000a上に堆積される。レジストは、例えば、有機および無機ベースのインプリント材料、樹脂、またはポリマー等の材料を含むことができる。例えば、レジストは、米国特許第8,076,386号(参照によってその全体が本明細書に援用される)に開示される材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、レジスト層9Fは、約20nm~約1ミクロンの厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、レジスト層9Fは、約10nm~約5ミクロンの厚さを有することができる。レジスト層2000fは、パネル(ii)に示されるように、体積および/または表面特徴を含むインプリントパターン2000cを用いてインプリントされることができる。液晶材料の層2000bは、パネル(iii)に示されるように、インプリントされたレジスト層2000f上にインクジェットによって配置されることができる。インプリントされたレジスト層は、インプリントされたレジスト層2000f上にジェット堆積されるにつれて、液晶材料を整合させる役割を果たすことができる。
【0099】
上記で説明される方法を使用して製作される液晶デバイスは、UV硬化、熱硬化、凍結、または他の硬化方法を使用して硬化されることができる。
【0100】
液晶デバイスを製作する方法の別の実施形態は、Jet and FlashTM Imprinting Lithography(J-FIL)を使用して、所望の整合構造をUV硬化性レジスト内にインプリントすることと、液晶ポリマー調合物をインクジェットから分散させることとを含む。液晶ポリマーは、高溶媒含有量を有し、例えば、十分に低粘度を提供し、インクジェットを通した効率的放出を可能にすることができる。種々の実施形態では、液晶ポリマーは、分散されるにつれて、等方性状態にあることができる。いくつかの実施形態では、液晶ポリマーは、溶媒を撥ね飛ばすことによって、レジスト内の整合構造に沿って整合するように構成されることができる。付加的液晶ポリマー層が、前述の方法に従って、配置された液晶ポリマー層の上に配置されることができる。溶媒中の液晶材料の調合および粘度もまた、分散された液晶材料のための迅速乾燥プロセスを達成するために調節されてもよい。
【0101】
図9E-9Hは、前述の方法を使用して製作される液晶格子の実施形態を図示する。
図9Eは、高回折効率、高波長感度、および入射角度に対する低感度を有するPBPE構造を含む、単一層液晶格子を図示する。
図9Eに図示される液晶格子は、
図9Aに描写されるプロセスを使用して製造されることができる。例えば、液晶ポリマーLCP1が、基板上に堆積されることができ、インプリントテンプレートが、液晶ポリマーLCP1の分子がインプリントされたパターンに自己整合されるように、パターンを液晶ポリマーLCP1上にインプリントするために使用されることができる。パターンは、メタ表面(例えば、PBPE構造)を含むことができる。
図9Fは、高回折効率、高波長感度、および入射角度に対する低感度を有するPBPE構造を含む、液晶格子を図示する。
図9Fに図示される実施形態では、液晶格子は、
図9Dに描写されるプロセスを使用して製造されることができる。例えば、ポリマー(例えば、レジストまたは樹脂)を備える整合層が、基板上に堆積されることができ、インプリントテンプレートが、パターンをポリマー上にインプリントするために使用されることができる。液晶材料の層が、液晶層の分子が整合層上のインプリントされたパターンに整合されるように、整合層上に堆積される。パターンは、メタ表面(例えば、PBPE構造)の一部であることができる。種々の実施形態では、第1の液晶層(LCP1)のPBPE構造は、第2の液体層(LCP2)のための整合構造としての役割を果たすことができる。
【0102】
図9Gは、高回折効率、高波長感度、および入射角度に対する低感度を有するPBPE構造を含む、3つの層液晶格子を図示する。複数層液晶格子が、
図9Aまたは
図9Dに描写されるプロセスを使用して製造されることができる。例えば、
図9Dのプロセスを使用して、
図9Gに図示される複数層液晶格子が、基板上に堆積される第1のインプリントパターンを備える第1の整合層を使用して、第1の液晶層(LCP1)の分子を整合させ、第1の整合層上に堆積される第2のインプリントパターンを備える第2の整合層を使用して、第2の液晶層(LCP2)の分子を整合させ、第2の整合層上に堆積される第3のインプリントパターンを備える第3の整合層を使用して、第3の液晶層(LCP3)の分子を整合させることによって製造されることができる。いくつかの実施形態では、
図9Aのプロセスは、整合された液晶分子を有する、第1、第2、および第3の液晶層(それぞれ、LCP1、LCP2、およびLCP3)のうちの1つまたは複数のものを形成するために利用されてもよい。そのような実施形態では、LCP1、LCP2、およびLCP3はそれぞれ、パターンを基板にわたって堆積される液晶層内にインプリントすることによって形成されてもよい。インプリントは、液晶分子をパターンに整合させるパターンを有するインプリントテンプレートを使用して遂行されてもよい。インプリントテンプレートは、続いて、除去されてもよく、充填材が、インプリントテンプレート除去によって残された間隙の中に堆積されてもよい。
【0103】
図9Gを継続して参照すると、第1、第2、および第3のインプリントパターンはそれぞれ、メタ表面(例えば、PBPE構造)であることができる。第1、第2、および第3のインプリントパターンは、各インプリントパターンが、入射ビーム内の光の異なる波長を選択的に回折/再指向し、1つまたは複数の導波路内に異なる波長のそれぞれを結合するよう構成されるように、異なることができる。いくつかの実施形態では、入射ビーム内の光の異なる波長は、1つまたは複数の導波路の中に同一角度で結合されることができる。しかしながら、いくつかの他の実施形態では、以下に議論されるように、入射ビーム内の光の異なる波長は、1つまたは複数の導波路の中に異なる波長で結合されることができる。いくつかの他の実施形態では、第1の液晶層(LCP1)のPBPE構造は、第2の液体層(LCP2)のための整合構造としての役割を果たすことができ、第2の液体層(LCP2)のための整合構造は、順に、第3の液体層(LCP3)のための整合構造としての役割を果たすことができる。
図9Gに図示される実施形態は、光の入射ビーム内の光の異なる波長が空間的に分離されるように異なる出力角度で回折または再指向されるように、異なるPBPE構造を含むことができる。種々の実施形態では、光の入射ビームは、単色性または多色性であることができる。逆に言えば、複数層液晶構造は、
図9Hに図示されるように、光の異なる波長を組み合わせるために使用されることができる。
【0104】
図9Iは、
図9Bに図示されるインプリントパターンを用いてインプリントされたレジスト層の断面を図示する。
【0105】
前述のように、液晶層は、種々の材料を用いて形成されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、アクリル液晶調合物が、インクジェットおよびインプリント技術を使用して、ポリマー整合インプリント構造にわたって配置されることができる。アクリル組成物は、異なる液晶層を相互の上にスタックすることを促進することができ、これは、接着剤層を伴わずに相互に接着し、それによって、プロセスをより単純にすることができる。異なる液晶層は、所望の効果、例えば、所望の偏光、回折、操向、または分散効果を達成するためにスタックされることができる。
【0106】
前述の方法は、線形サブマスタをジェット分配技術(例えば、J-FIL)と併用して、液晶偏光格子およびパターン化された誘導層を製作するために使用されることができる。異なる液晶格子構造は、異なる形状、配向、および/またはピッチを伴う構造を組み合わせることによって製作されることができる。本プロセスは、第1の方向に沿って配向される別個の散液滴または区分を有する第1のインプリント構造と、第2の方向に沿って配向される別個の液滴または区分を有する第2のインプリント構造とを図示する、
図9Jを参照してより詳細に説明される。第1および第2のインプリント構造の別個の液滴または区分は、インクジェット技術を使用して分散されることができる。第1および第2のインプリント構造の別個の液滴または区分は、異なる実施形態では、融合することができるか、または融合しないことができる。第1および第2のインプリント構造内の別個の液滴または区分は、組み合わせられ、異なる配向を有する別個の液滴または区分を伴うインプリント構造を生産することができる。液晶材料が、組み合わせられたインプリントパターン上に配置され、異なる配向に沿って整合される分子を伴う液晶格子を生産することができる。別個の区分の異なる配向はともに、凝集体内に、例えば、PBPEのものに類似する、より複雑な格子パターンを生産することができる。
【0107】
本明細書で議論されるインクジェットおよびインプリント方法は、導波路板、光学リターダ、偏光子等の他の光学要素を製作するためにも使用されることができる。例えば、既存の偏光子より透明な偏光子が、本明細書に説明される方法を使用して製作されることができる。本方法は、ポリマーインプリント等のパターン化された透明または実質的に透明材料を配置することと、例えば、二色性染料を含むヨウ素溶液等の偏光子材料を堆積することとを含む。本方法は、パターンを透明ポリマー上にインプリントすることを含む。パターンは、線形溝、山形、渦巻、弧、または任意の他の単純もしくは複雑なパターンであることができる。例えば、パターンは、周期的線形格子構造であることができる。偏光子材料が、次いで、前述のジェット技術(例えば、J-FIL等)、インプリント平坦化を使用して、またはスピンコーティングによって、パターン化された透明ポリマー上に堆積されることができる。
図9Kおよび
図9Lは、前述の方法を使用して製作され得る、異なる偏光子構成を図示する。本明細書に説明される技術を使用して製作される偏光子は、既存の偏光子より透明であることができる。そのような構成要素は、本明細書のいずこかに説明されるような拡張および仮想現実のための頭部搭載型ディスプレイ接眼レンズのための導波路スタック等の低消滅率偏光子を利用するデバイスに有用であり得る。
【0108】
サブ波長スケール格子構造は、複屈折を材料中に誘発することができる。例えば、単次元格子は、人工的な負の単軸方向材料として作用することができ、その光学軸は、格子ベクトルと平行である。そのような複屈折は、形状複屈折と称され得る。故に、サブ波長スケール格子構造を含む基板は、波長板として機能することができる。サブ波長スケール格子構造を含む基板よって提供される遅延の量は、格子パターンの寸法(例えば、高さ、幅、ピッチ等)ならびに材料屈折率に依存し得る。例えば、サブ波長スケール特徴のパターンを備える、より高い屈折率を伴う材料は、サブ波長スケール特徴の類似パターンを備える、より低い屈折率を伴う材料より多くの遅延を提供することができる。例えば、J-FIL等のインクジェットおよびインプリント技術は、任意の画定された区域にわたって、非常に少量の材料廃棄物を伴って、高スループットUltra Violet Nano-Imprint Lithography(UV-NIL)パターン化能力を可能にする。例えば、J-FIL等のインクジェットおよびインプリント技術はまた、インプリントされた層の反復スタックを促進することができる。幾何学形状/配向の変動の有無にかかわらず、そのようなサブ波長スケール格子構造を伴うインプリント層(単層または複数層)は、様々な程度の位相シフトを提供することができる。パターン化された複屈折材料の実施形態は、種々の光学用途において薄膜統合能力を向上させることができる。
【0109】
サブ波長スケール格子構造を含む基板から出力された光の偏光は、サブ波長スケール格子構造の配向、形状、および/またはピッチに依存し得る。サブ波長スケール格子構造を含む波長板の実施形態もまた、本明細書に説明されるインクジェットおよびインプリント方法を使用して製作されることができる。
図9Mは、光入口表面2006および光出口表面2007を有する、導波路板2005の実施形態を図示する。導波路板2005は、入射非偏光光が偏光された光として出力されるように、様々な形状、配向、および/またはピッチを伴う複数のサブ波長スケール格子特徴を含むことができる。種々の実施形態では、波長板2005は、様々な形状、配向、および/またはピッチを伴うサブ波長スケール格子特徴とともにインプリントされた薄い透明フィルム2009a、2009b、および2009cの複数のスタックを含むことができる。格子特徴は、
図9Cに示されるように、インプリントテンプレートを使用して、透明フィルム上にインプリントされることができる。種々の実施形態では、透明フィルム2009a、2009b、および2009cは、約1.45~1.75の屈折率を有する、インプリント可能レジストを備えることができる。複数層構造から出力された光の偏光は、格子構造の形状、配向、および/またはピッチならびに異なる層間の屈折率差に依存することができる。
図9Mに図示される実施形態に関して、入射非偏光光は、導波路板2005によって右円偏光光に変換される。他の実施形態では、導波路板は、線形偏光光、左円偏光光、または任意の他の偏光特性を伴う光を提供するように構成されることができる。
【0110】
革新的側面は、結像システムおよびデバイス、ディスプレイシステムおよびデバイス、空間光変調器、液晶ベースのデバイス、偏光子、導波路板等の種々の用途内に実装される、またはそれと関連付けられてもよいことが検討される。本明細書に説明される構造、デバイス、および方法は、特に、拡張ならびに/または仮想現実のために使用され得る、装着可能ディスプレイ(例えば、頭部搭載型ディスプレイ)等のディスプレイにおける使用を見出し得る。より一般的には、説明される実施形態は、動いている(ビデオ等)か、または不動である(静止画像等)かにかかわらず、かつテキストか、グラフィックか、または写真かにかかわらず、画像を表示するように構成され得る、任意のデバイス、装置、またはシステム内に実装されてもよい。しかしながら、説明される実施形態は、限定ではないが、携帯電話、マルチメディアインターネット対応携帯電話、モバイルテレビ受信機、無線デバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA)、無線電子メール受信機、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファックスデバイス、全地球測位システム(GPS)受信機/ナビゲータ、カメラ、デジタルメディアプレーヤ(MP3プレーヤ等)、カムコーダ、ゲームコンソール、腕時計、置き時計、計算機、テレビモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子読取デバイス(例えば、電子リーダ)、コンピュータモニタ、自動車用ディスプレイ(走行距離計および速度計ディスプレイ等を含む)、コックピット制御および/またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(車両内のバックカメラのディスプレイ等)、電子写真、電子掲示板または電光サイン、プロジェクタ、建築構造、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯乾燥機、駐車メータ、頭部搭載型ディスプレイ、および種々の結像システム等の種々の電子デバイス内に含まれる、またはそれと関連付けられてもよいことが検討される。したがって、本教示は、図に描写される実施形態のみに限定されることを意図するものではなく、代わりに、当業者に容易に明白となるように、広範な可用性を有する。
【0111】
本開示に説明される実施形態の種々の修正が、当業者に容易に明白となり得、本明細書に定義された一般的原理は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用されてもよい。したがって、請求項は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される本開示、原理、および新規特徴に準拠する最広範囲が与えられるべきである。単語「例示的」は、本明細書では排他的に使用され、「実施例、事例、または例証としての役割を果たす」ことを意味する。「例示的」として本明細書に説明される任意の実施形態は、必ずしも、他の実施形態より好ましいまたは有利であるものとして解釈されるものではない。加えて、当業者は、用語「上側」および「下側」、「上方」および「下方」等が、時として、図の説明を容易にするために使用され、適切に配向されたページ上の図の配向に対応する相対的位置を示し、それらの構造が実装される本明細書に説明される構造の適切な配向を反映しない場合があることを容易に理解するであろう。
【0112】
別個の実施形態の文脈において本明細書に説明されるある特徴はまた、単一の実施形態における組み合わせにおいて実装されることもできる。逆に、単一の実施形態の文脈において説明される種々の特徴もまた、複数の実施形態において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されることができる。さらに、特徴は、ある組み合わせにおいて作用するものとして前述され、さらに、そのようなものとして最初に請求され得るが、請求される組み合わせからの1つまたは複数の特徴は、いくつかの場合では、組み合わせから削除されることができ、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象としてもよい。
【0113】
同様に、動作は特定の順序において図面内に描写されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序において、もしくは連続的順序において実施される、または全ての例証される動作が実施されることを要求するものとして理解されるべきではない。さらに、図面は、1つよりも多くの例示的プロセスをフロー図の形態で図式的に描写し得る。しかしながら、描写されない他の動作も、概略的に図示される例示的プロセスに組み込まれることができる。例えば、1つまたは複数の付加的動作は、図示される動作のいずれかの前、後、それと同時に、またはその間に行われることができる。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利となり得る。さらに、上記に説明される実装における種々のシステム構成要素の分離は、全ての実装におけるそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラム構成要素およびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品においてともに統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。加えて、他の実施形態も、以下の請求項の範囲内にある。ある場合には、請求項に列挙されるアクションは、異なる順序で行われ、依然として、望ましい結果を達成することができる。
【0114】
本発明の種々の例示的実施形態が、本明細書で説明される。非限定的な意味で、これらの実施例を参照する。それらは、本発明のより広く適用可能な側面を例証するように提供される。種々の変更が、説明される本発明に行われてもよく、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、均等物が置換されてもよい。加えて、特定の状況、材料、組成物、プロセス、プロセスの行為またはステップを、本発明の目的、精神、または範囲に適合させるように、多くの修正が行われてもよい。さらに、当業者によって理解されるように、本明細書で説明および図示される個々の変形例のそれぞれは、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴から容易に分離され得るか、またはそれらと組み合わせられ得る、別個の構成要素および特徴を有する。全てのそのような修正は、本開示と関連付けられる請求項の範囲内であることを目的としている。
【0115】
本発明は、本デバイスを使用して行われ得る方法を含む。本方法は、そのような好適なデバイスを提供する行為を含んでもよい。そのような提供は、エンドユーザによって行われてもよい。換言すると、「提供する」行為は、本方法において必要デバイスを提供するために、取得する、アクセスする、接近する、位置付ける、設定する、起動する、電源投入する、または別様に作用するようにエンドユーザに単に要求する。本明細書に記載される方法は、論理的に可能である記載された事象の任意の順序で、ならびに事象の記載された順序で実行されてもよい。
【0116】
本発明の例示的側面が、材料選択および製造に関する詳細とともに、上記で記載されている。本発明の他の詳細に関して、これらは、上記の参照された特許および公開に関連して理解されるとともに、概して、当業者によって把握または理解され得る。同じことが、一般的または理論的に採用されるような付加的な行為の観点から、本発明の方法ベースの側面に関して当てはまり得る。
【0117】
加えて、本発明は、種々の特徴を随意に組み込む、いくつかの実施例を参照して説明されているが、本発明は、本発明の各変形例に関して考慮されるように説明または指示されるものに限定されるものではない。種々の変更が、説明される本発明に行われてもよく、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、(本明細書に記載されるか、またはいくらか簡潔にするために含まれないかにかかわらず)均等物が置換されてもよい。加えて、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の全ての介在値、およびその規定範囲内の任意の他の規定または介在値が、本発明内に包含されることが理解される。
【0118】
また、本明細書で説明される発明の変形例の任意の随意的な特徴が、独立して、または本明細書で説明される特徴のうちのいずれか1つまたは複数の特徴と組み合わせて、記載および請求され得ることが考慮される。単数形の項目の言及は、複数の同一項目が存在する可能性を含む。より具体的には、本明細書で、およびそれに関連付けられる請求項で使用されるように、「1つの(a、an)」、「該(said)」、および「前記(the)」という単数形は、特に別様に記述されない限り、複数の指示対象を含む。換言すると、冠詞の使用は、上記の説明ならびに本開示と関連付けられる請求項で、対象項目の「少なくとも1つ」を可能にする。さらに、そのような請求項は、任意の随意的な要素を除外するように起草され得ることに留意されたい。したがって、この記述は、請求項要素の記載に関連する「だけ」、「のみ」、および同等物等のそのような排他的用語の使用、または「否定的」制限の使用のための先行詞としての機能を果たすことを目的としている。
【0119】
そのような排他的用語を使用することなく、本開示と関連付けられる請求項での「備える」という用語は、所与の数の要素がそのような請求項で列挙されるか、または特徴の追加をそのような請求項に記載される要素の性質を変換するものと見なすことができるかにかかわらず、任意の付加的な要素の包含を可能にするものとする。本明細書で特に定義される場合を除いて、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、請求項の有効性を維持しながら、可能な限り広義の一般的に理解されている意味を与えられるものである。
【0120】
本発明の範疇は、提供される実施例および/または本明細書に限定されるものではなく、むしろ、本開示と関連付けられる請求項の範囲のみによって限定されるものとする。