(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169583
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】集塵機を制御するための電気器具
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20221101BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
H04Q9/00 301B
B25F5/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】34
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022124702
(22)【出願日】2022-08-04
(62)【分割の表示】P 2019565374の分割
【原出願日】2018-06-07
(31)【優先権主張番号】102017112706.2
(32)【優先日】2017-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102017131457.1
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518361790
【氏名又は名称】フェスツール ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】モリッツ カスパル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】工作機械またはエネルギー蓄積器モジュールの形態の改良された電気器具を提供する。
【解決手段】工作機械20A、20Bまたは工作機械へ電気供給をするためのエネルギー蓄積器モジュール40A、40Bの形態の電気器具であって、工作機械は、工作物の加工のために意図される工具38A、38Bが配置された工具収容部23A、23Bを駆動するための駆動モータ22を有する。電気器具は、工作機械により生成されるダストを吸い出すために意図される集塵機70の構成要素を形成する外部通信装置100とワイヤレス通信するためのワイヤレス通信インターフェースを有する。ワイヤレス通信インターフェースは、スイッチオンおよび/またはスイッチオフするための制御コマンドおよび集塵機との制御接続を確立させるためにログオンメッセージを外部通信装置へ送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械(20)または前記工作機械(20)へ電気供給をするためのエネルギー蓄積器モジュール(40)の形態の電気器具であって、前記エネルギー蓄積器モジュール(40)は前記工作機械(20)と取外し可能に結合するための器具インターフェースを備えるモジュールハウジング(41)を有し、前記工作機械(20)は、工作物(W)の加工のために意図される工具(38)が配置された、または配置可能な工具収容部(23)を駆動するための駆動モータ(22)を有し、前記駆動モータ(22)は前記工作機械(20)および/または前記エネルギー蓄積器モジュール(40)の切換部材(24)を用いて切換可能であり、前記電気器具は、前記工作機械(20)により生成されるダストを吸い出すために意図される集塵機(70,870)の構成要素を形成する外部通信装置(100)とワイヤレス通信するためのワイヤレス通信インターフェース(60,60C)を有し、前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)を制御するための、特にスイッチオンおよび/またはスイッチオフするための、少なくとも1つの制御コマンドをワイヤレス制御接続(S1,S2)を介して前記外部通信装置(100)へ送信するために構成される電気器具において、
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)との制御接続(S1,S2)を確立させるために少なくとも1つのログオンメッセージ(440)を前記外部通信装置(100)へ送信するために構成されることを特徴とする電気器具。
【請求項2】
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は、前記外部通信装置(100)へ少なくとも1つの制御コマンドが初回に送信される前に、少なくとも1つのログオンメッセージ(440)を前記外部通信装置(100)へ送信するために構成されることを特徴とする、請求項1に記載の電気器具。
【請求項3】
前記切換部材(24)を除いてログオンメッセージ(440)をリリースするために意図される、またはそれに適した操作部材を有さないことを特徴とする、請求項1または2に記載の電気器具。
【請求項4】
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記外部通信装置(100)と暗号化および/または認証された通信をするために構成され、特に前記外部通信装置(100)へ少なくとも1つの制御コマンドを送信するために構成され、暗号化された通信を構築するための暗号化情報の伝送は好都合には前記切換部材(24)の切換状態に依存し、または前記切換部材(24)の操作によってリリース可能であることを特徴とする、請求項1から3のうちいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項5】
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記集塵機(70,870)の動作ステータスを、特に切換状態を照会するためのステータス照会を前記外部通信装置(100)へ送信するために構成され、および/または前記集塵機(70,870)の動作ステータスを、特に切換状態を含むステータスメッセージを受信するために構成されることを特徴とする、請求項1から4のうちいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項6】
制御接続(S1,S2)に関わる少なくとも1つの通信情報を出力するための、および/または動作ステータスを、特に制御接続(S1,S2)の確立を表示するための、特に光学式および/または音響式の表示装置(44)を有することを特徴とする、請求項1から5のうちいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項7】
前記表示装置(44)は前記エネルギー蓄積器モジュール(40)の充電状態表示器の構成要素を形成し、前記充電状態表示器は前記エネルギー蓄積器モジュール(40)に存在するエネルギー容量を表示するために意図および/または構成されることを特徴とする、請求項6に記載の電気器具。
【請求項8】
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)はワイヤレス制御接続(S1,S2)が暫定的な制御接続(S1,S2)であるという少なくとも1つの暫定識別記号を少なくとも1つのログオンメッセージ(440)へ書き込むために構成されることを特徴とする、請求項1から7のうちいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項9】
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記集塵機(70,870)をスイッチオンするためおよび/または制御接続(S1,S2)を維持するために意図される制御コマンドを、前記切換部材(24)が駆動モータ(22)をスイッチオンする切換位置にある限りにおいて反復的に送信するために構成されることを特徴とする、請求項1から8のうちいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項10】
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は制御接続(S1,S2)を承認する前記外部通信装置(100)のログオン承認メッセージ(445)を受信するために、および/または前記外部通信装置(100)のアドレス識別記号を保存するために構成されることを特徴とする、請求項1から9のうちいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項11】
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記電気器具を特徴づける変数に依存して前記外部通信装置(100)の、特に前記集塵機(70,870)のコンフィグレーションをするための、特に作業設定および/または吸引出力のコンフィグレーションをするための、少なくとも1つのコンフィグレーションメッセージ(465)を送信するために構成されることを特徴とする、請求項1から10のうちいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項12】
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は、動作中断がなされたときに、特に前記エネルギー蓄積器モジュール(40)と前記工作機械(20)が互いに分断されたときに、および/または充電器具(220)で前記エネルギー蓄積器モジュール(40)が充電されているときに、および/または事前設定されたタイムスパンの後に、制御接続(S1,S2)を分断するために構成されることを特徴とする、請求項1から11のうちいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項13】
前記切換部材(24)を有する前記工作機械(20)に供給をするための前記エネルギー蓄積器モジュール(40)として構成され、前記器具インターフェースは前記工作機械(20)に電気エネルギー供給をするための電気式の器具・供給接点(52)を有し、前記エネルギー蓄積器モジュール(40)は前記器具・供給接点(52)とは別個のデータインターフェース(34,54)を通じて、特にバスインターフェースを通じて、および/または前記器具・供給接点(52)を通る通電の検出を参照して、前記切換部材(24)の切換状態に関する情報を判定することを特徴とする、請求項1から12のうちいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項14】
集塵機(70,870)の構成要素としての外部通信装置(100)であって、前記集塵機(70,870)は工作機械(20)または前記工作機械(20)へ電気供給をするためのエネルギー蓄積器モジュール(40)の形態の請求項1から13のうちいずれか1項に記載の電気器具によって制御可能であるとともに、前記工作機械(20)により生成されるダストを吸い出すために意図され、前記外部通信装置(100)と前記電気器具とが特に1つのシステム(10)を形成し、前記エネルギー蓄積器モジュール(40)は前記工作機械(20)と取外し可能に結合するための器具インターフェースを備えるモジュールハウジング(41)を有し、前記工作機械(20)は、工作物(W)の加工のために意図される工具(38)が配置された、または配置可能な工具収容部(23)を駆動するための駆動モータ(22)を有し、前記駆動モータ(22)は前記工作機械(20)および/または前記エネルギー蓄積器モジュール(40)の切換部材(24)を用いて切換可能であり、前記外部通信装置(100)は前記電気器具のワイヤレス通信インターフェース(60,60C)とワイヤレス通信するために構成されるとともに、前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)を制御するための、特にスイッチオンおよび/またはスイッチオフするための、少なくとも1つの制御コマンドをワイヤレス制御接続(S1,S2)を介して前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)から受信するために構成される外部通信装置において、
前記外部通信装置(100)は制御接続(S1,S2)を確立させるために前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)から少なくとも1つのログオンメッセージ(440)を受信するために構成されることを特徴とする外部通信装置(100)。
【請求項15】
動作準備完了モードにあるときには少なくとも1つのログオンメッセージ(440)を受信する準備が整っており、作業モードにあるときには少なくとも1つのログオンメッセージ(440)を受信する準備が整っていないことを特徴とする、請求項14に記載の外部通信装置(100)。
【請求項16】
ログオン操作部材を用いて動作準備完了モードへと切換可能であり、および/または前記集塵機(70,870)のための電気エネルギー供給部と前記集塵機(70,870)が接続された後に動作準備完了モードへと切り換わることを特徴とする、請求項14または15に記載の外部通信装置(100)。
【請求項17】
動作準備完了モードを表示するための光学式および/または音響式の表示手段を有し、および/または事前設定された時間もしくは設定可能な時間の後に動作準備完了モードを終了することを特徴とする、請求項14から16のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項18】
動作準備完了モードにあるとき少なくとも1つのログオンメッセージ(440)を送信するよう前記電気器具に要求するための少なくとも1つの要求メッセージを前記外部通信装置(100)へ送信するために構成されることを特徴とする、請求項14から17のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項19】
暫定的なカテゴリーの制御接続(S1,S2)として前記電気器具との間で制御接続(S1,S2)を確立させるために構成され、好ましくは操作器具との間で少なくとも1つのワイヤレス制御接続(S1,S2)を恒常的なカテゴリーで確立させるために構成されることを特徴とする、請求項14から18のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項20】
暫定的なカテゴリーのただ1つのワイヤレス制御接続(S1,S2)を前記外部通信装置(100)との間で確立可能であり、および/または暫定的なカテゴリーの制御接続(S1,S2)は工作機械(20)、特に手動工作機械(20)、および前記工作機械(20)のためのエネルギー蓄積器モジュール(40)のカテゴリーに属する集塵機(70,870)を制御するための装置にのみ留保されることを特徴とする、請求項14から19のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項21】
暫定的なカテゴリーのワイヤレス制御接続(S1,S2)を確立させるために第1の操作行為が前記外部通信装置(100)で必要であり、恒常的なカテゴリーのワイヤレス制御接続(S1,S2)は第1の操作行為とは異なる特にさらに難しい第2の操作行為によって確立可能であり、および/または恒常的な設定によって、特に電気式のログオン操作部材またはソフトウェアで調整可能な設定によって確立し、または確立可能であることを特徴とする、請求項14から20のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項22】
事前設定された、または調整可能なタイムスパンの後に、および/または前記集塵機(70,870)の動作中断がなされたときに、特に前記集塵機(70,870)がスイッチオフされたときに、および/または前記集塵機(70,870)が電気エネルギー供給部から分断されたときに、前記電気器具との制御接続(S1,S2)を終了させることを特徴とする、請求項14から21のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項23】
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)から送信される特に少なくとも1つのログオンメッセージ(440)を含んだ信号の信号強度に依存して制御接続(S1,S2)を確立させるために構成され、前記外部通信装置(100)はこのワイヤレス通信インターフェース(60,60C)を、信号強度が第1の信号閾値を上回っているときに、特に前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)と前記外部通信装置(100)の間の距離が1m未満の場合に報知し、このワイヤレス通信インターフェース(60,60C)のログオンメッセージ(440)を制御接続(S1,S2)の即座の確立または優先的な確立のために優先し、および/または前記外部通信装置(100)は、制御接続(S1,S2)の確立に関して互いに競合する電気器具があるとき、高い信号強度を有するほうの電気器具を制御接続(S1,S2)の確立のために優先し、および/または前記外部通信装置(100)はログオンメッセージ(440)に対する応答を、特にログオン承認メッセージ(445)を送信するための応答時間を、前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)の信号の信号強度に依存して調整することを特徴とする、請求項14から22のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項24】
制御接続(S1,S2)が断絶したときに、および/または事前設定された、または設定可能なタイムスパン内に前記電気器具から制御コマンドを受け取らなかったときに、吸引動作を終了させることを特徴とする、請求項14から23のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項25】
前記電気器具を特徴づける変数に依存して前記外部通信装置(100)を、特に前記集塵機(70,870)をコンフィグレーションするための、特に作業設定および/または吸引出力をコンフィグレーションするための、少なくとも1つのコンフィグレーションメッセージ(465)を受信するために構成されることを特徴とする、請求項14から24のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項26】
少なくとも2つの電気器具およびそのワイヤレス通信インターフェース(60,60C)との間で制御接続(S1,S2)を確立させるための認証パラメータまたはログオンパラメータおよび/または暗号化パラメータを、特に認証パラメータまたはログオンパラメータに割り当てられた暗号化パラメータを、保存するための記憶装置を有することを特徴とする、請求項14から25のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項27】
少なくとも1つの制御接続(S1,S2)に追加して少なくとも1つの遠隔操作装置によって制御可能であることを特徴とする、請求項14から26のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項28】
前記集塵機(70,870)を制御するために、特にスイッチオンおよび/またはスイッチオフするために、前記電気器具とは異なる制御操作部材により生成される少なくとも1つの制御コマンドを制御接続(S1,S2)に対して優先するために構成され、当該制御コマンドが優先制御コマンドを形成することを特徴とする、請求項14から27のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項29】
前記制御操作部材は前記集塵機(70,870)の切換部材(24)を含み、および/または前記集塵機(70,870)に付属する、もしくは前記集塵機(70,870)の構成要素を形成する遠隔制御装置を含むことを特徴とする、請求項14から28のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項30】
工作機械(20)または前記工作機械(20)へ電気供給をするためのエネルギー蓄積器モジュール(40)の形態の電気器具のための方法であって、前記エネルギー蓄積器モジュール(40)は前記工作機械(20)と取外し可能に結合するための器具インターフェースを備えるモジュールハウジング(41)を有し、前記工作機械(20)は、工作物(W)の加工のために意図される工具(38)が配置された、または配置可能な工具収容部(23)を駆動するための駆動モータ(22)を有し、前記駆動モータ(22)は前記工作機械(20)および/または前記エネルギー蓄積器モジュール(40)の切換部材(24)を用いて切換可能であり、前記電気器具は、前記工作機械(20)により生成されるダストを吸い出すために意図される集塵機(70,870)の構成要素を形成する外部通信装置(100)とワイヤレス通信するためのワイヤレス通信インターフェース(60,60C)を有し、前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)を制御するための、特にスイッチオンおよび/またはスイッチオフするための、少なくとも1つの制御コマンドをワイヤレス制御接続(S1,S2)を介して前記外部通信装置(100)へ送信するために構成される方法において、
前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)との制御接続(S1,S2)を確立させるために前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)を介して少なくとも1つのログオンメッセージ(440)が前記外部通信装置(100)へ送信されることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械または工作機械へ電気供給をするためのエネルギー蓄積器モジュールの形態の電気器具に関し、エネルギー蓄積器モジュールは工作機械と取外し可能に結合するための器具インターフェースを備えるモジュールハウジングを有し、工作機械は、工作物の加工のために意図される工具が配置された、または配置可能な工具収容部を駆動するための駆動モータを有し、駆動モータは工作機械および/またはエネルギー蓄積器モジュールの切換部材を用いて切換可能であり、電気器具は、工作機械により生成されるダストを吸い出すために意図される集塵機の構成要素を形成する外部通信装置とワイヤレス通信するためのワイヤレス通信インターフェースを有し、ワイヤレス通信インターフェースは、切換部材の切換状態に依存して集塵機を制御するための、特にスイッチオンおよび/またはスイッチオフするための、少なくとも1つの制御コマンドをワイヤレス制御接続を介して外部通信装置へ送信するために構成される。
【0002】
さらに本発明は、集塵機の構成要素としての外部通信装置に関し、集塵機は工作機械または工作機械へ電気供給をするためのエネルギー蓄積器モジュールの形態の上記の種類の電気器具によって制御可能であるとともに、工作機械により生成されるダストを吸い出すために意図され、エネルギー蓄積器モジュールは工作機械と取外し可能に結合するための器具インターフェースを備えるモジュールハウジングを有し、工作機械は、工作物の加工のために意図される工具が配置された、または配置可能な工具収容部を駆動するための駆動モータを有し、駆動モータは工作機械および/またはエネルギー蓄積器モジュールの切換部材を用いて切換可能であり、外部通信装置は電気器具のワイヤレス通信インターフェースとワイヤレス通信するために構成されるとともに、切換部材の切換状態に依存して集塵機を制御するための、特にスイッチオンおよび/またはスイッチオフするための、少なくとも1つの制御コマンドをワイヤレス制御接続を介してワイヤレス通信インターフェースから受信するために構成される。
【背景技術】
【0003】
冒頭に述べた種類のエネルギー蓄積器モジュールが、例えば特許文献1から明らかとなる。手動工作機械がスイッチオンされると、エネルギー蓄積器モジュールが集塵機をスイッチオンするための相応の切換信号を集塵機の外部通信装置に送信する。しかしこのシステムは不具合が生じやすい。理論上、同じ種類の複数の電気器具が、例えば集塵機ないし外部通信装置の受信到達距離内にある複数の電気器具が、集塵機をスイッチオンおよびスイッチオフできるからである。特にスイッチオフが問題であり、それは、例えばそのために吸い出されるべきダストが周囲に到達することがあり、それによって損傷ばかりでなく健康上の被害も生じかねないからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第102012003073A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって本発明の課題は、工作機械またはエネルギー蓄積器モジュールの形態の改良された電気器具、ならびに改良された外部通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために、冒頭の述べた種類の電気器具において、ワイヤレス通信インターフェースは切換部材の切換状態に依存して集塵機との制御接続を確立・成立させるために少なくとも1つのログオンメッセージ(登録メッセージ)を外部通信装置へ送信するために構成されることが意図される。
【0007】
ログオンメッセージをリリースする切換部材の切換状態は、例えば工作機械の駆動モータをスイッチオンするためのスイッチオン操作である。
【0008】
方法は、工作機械または工作機械へ電気供給をするためのエネルギー蓄積器モジュールの形態の電気器具を意図し、エネルギー蓄積器モジュールは工作機械と取外し可能に結合するための器具インターフェースを備えるモジュールハウジングを有し、工作機械は、工作物の加工のために意図される工具が配置された、または配置可能な工具収容部を駆動するための駆動モータを有し、駆動モータは工作機械および/またはエネルギー蓄積器モジュールの切換部材を用いて切換可能であり、電気器具は、工作機械により生成されるダストを吸い出すために意図される集塵機の構成要素を形成する外部通信装置とワイヤレス通信するためのワイヤレス通信インターフェースを有し、ワイヤレス通信インターフェースは切換部材の切換状態に依存して集塵機を制御するための、特にスイッチオンおよび/またはスイッチオフするための、少なくとも1つの制御コマンドをワイヤレス制御接続を介して外部通信装置へ送信するために構成される。ワイヤレス通信インターフェースは、切換部材の切換状態に依存して集塵機との制御接続を成立させるために少なくとも1つのログオンメッセージを外部通信装置へ送信する。
【0009】
電気器具は、例えば外部通信装置とワイヤレス通信を行うエネルギー蓄積器モジュールであってよい。あるいは電気器具は工作機械そのもの、例えばねじ締め機械、ドリル機械、鋸、フライス加工機などであってもよい。工作機械は手動工作機械であるのが好都合である。
【0010】
電気器具において、器具インターフェースは、他の器具インターフェースの差込・対応・形状接合輪郭へ差込軸に沿って差し込むための差込・形状接合輪郭と、差込・形状接合輪郭と差込・対応・形状接合輪郭が差込組付けされたときに互いに電気接触するエネルギー蓄積器モジュールと工作機械または集塵機との間での電気接続のために他の器具インターフェースの電気的な対応接点と接触するための電気接点、特に供給接点とを有することが意図されるのが好ましい。
【0011】
エネルギー蓄積器モジュールは、モジュールハウジングと、モジュールハウジングの中に収容されたエネルギー蓄積器、特に、再充電可能な少なくとも1つの電気式の蓄積器セルおよび工作機械または集塵機へのエネルギー供給のための電気エネルギーを提供するために意図される供給接点を備える構造とを有することが意図されるのが好ましい。
【0012】
課題を解決するために、電気器具との通信をすることが意図される冒頭に述べた種類の外部通信装置において、外部通信装置は、制御接続を成立させるためにワイヤレス通信インターフェースから少なくとも1つのログオンメッセージを受信するために構成されることが意図される。電気器具のワイヤレス通信インターフェースが、好ましくは切換部材の切換状態に依存して集塵機との制御接続を成立させるために、少なくとも1つのログオンメッセージを外部通信装置へ送信する。外部通信装置は集塵機から取外し可能なモジュールとして構成されていてよく、または、集塵機の固定的な構成要素を形成する。集塵機は、例えば外部通信装置のためのモジュール収容部を有する。
【0013】
ログオンメッセージは、例えば手動工作機械および/またはエネルギー蓄積器モジュールなどの認証パラメータおよび/または識別記号表示を含むのが好ましい。基本思想は、工作機械がスイッチオンされる切換部材のみによって、外部通信装置で電気器具のログオン(登録)を行えることにある。別個の操作キーやその他の操作部材が電気器具に必要ない。
【0014】
ログオンメッセージに含まれる識別記号表示またはその中に含まれる認証パラメータは、例えば外部通信インターフェースにすでに保存されていてよく、それにより、これを手掛かりにして外部通信装置が、例えば集塵機そのものが、制御接続を成立させるために実際に認証されている、またはそれに適した器具が、制御接続を成立させようとしていることを認識することができる。例えば、パラメータ化インターフェースを通じての、例えばUSBインターフェースを通じてのソフトウェア・パラメータ化を用いて、ログオンメッセージに含まれていて電気器具を識別表示または認証するパラメータを、例えば認証パラメータを、外部通信インターフェースでパラメータ化可能であることが意図されていてよい。あるいは、以前の制御接続の構築によるこのような種類の少なくとも1つのパラメータが外部通信インターフェースにまだ保存されていて、再び呼び出せることも可能である。
【0015】
ワイヤレス通信インターフェースは、外部通信装置へ少なくとも1つの制御コマンドが初回に送信される前に、少なくとも1つのログオンメッセージを外部通信装置へ送信するために構成されることが意図されるのが好ましい。このとき、電気器具はいわばそのつどの制御メッセージまたは制御コマンドの送信前に常に、まずログオンを実行することが意図される。すなわち、例えば電気器具が初回にスイッチオンされるとき、または、例えばエネルギー蓄積器モジュールが工作機械のスイッチオンすなわち切換部材の操作を認識したとき、それによってまずログオンメッセージがリリースされ、すなわち、外部通信装置で制御接続を成立させるためのログオンがリリースされる。
【0016】
電気器具は、例えば工作機械および/またはエネルギー蓄積器モジュールは、ログオンメッセージをリリースするために意図される、またはそれに適した操作部材、例えばキーなどを有することが原則として可能であるが、ただし絶対に必要というわけではない。少なくとも1つのログオンメッセージまたはログオン手続(登録手続き)がそれ以外の方策によって、例えば工作機械へのエネルギー蓄積器モジュールの初回の配置によって、リリースされることも可能である。しかしながら、電気器具が切換部材を除いて、ログオンメッセージをリリースするために意図される、またはそれに適した操作部材を有さないことが意図されるのが好ましい。
【0017】
それに応じて外部通信装置においては、それ以前にログオンメッセージが受信されているときにのみ、または制御接続が有効に確立されているときにのみ、制御コマンドを受け入れると好ましい。
【0018】
1つの好都合な方策は、ワイヤレス通信インターフェースが、外部通信装置と暗号化および/または認証された通信をするために構成され、特に、外部通信装置へ少なくとも1つの制御コマンドを送信するために構成されることを意図する。この意味に即して、集塵機または外部通信装置も同じく暗号化および/または認証された通信をするために構成されると同じく好ましい。制御接続は、特に、常に暗号化または認証されている制御接続である。それにより、認証されていないデバイスが制御接続に割り込み、あるいはその他の仕方で濫用がなされることが回避され、もしくは少なくとも高い蓋然性で排除される。集塵機においては、原則として、それがスイッチオンまたはスイッチオフされること以外には、比較的少数の誤機能しか引き起こされ得ない。にもかかわらず暗号化は濫用に対する防護となる。ディフィー・ヘルマン鍵共有のような形式の安全性標準が、特にブルートゥース(登録商標)をベースとする制御接続との関連で好都合である。特に、いわゆる暗号法に基づく認証が好ましい。ログオンキー(登録キー)が最初のログオン時に取り決められるのが好ましい。
【0019】
ワイヤレス通信インターフェースは、集塵機の動作ステータスを、特に切換状態を照会するためのステータス照会を外部通信装置へ送信するために構成され、および/または集塵機の動作ステータス、特に切換状態を含んでいるステータスメッセージを受信するために構成されることが意図されるのが好ましい。それに応じて、外部通信装置も動作ステータスないしステータスメッセージを送信するために構成されるのが好ましい。外部通信装置は、電気器具および特にそのワイヤレス通信インターフェースが集塵機の動作状態を照会するステータス照会をいわば理解する。動作ステータスとは、例えば集塵機が運転されているか否か、どれだけの回転数を有しているか、集塵機がどのような出力データを有しているかなどの情報である。
【0020】
電気器具が表示装置、例えば光学式の表示装置、音響式の表示装置、またはこの両方を、制御接続に関わる少なくとも1つの通信情報の出力のために、および/または特に制御接続の成立などの動作ステータスの表示のために有していると好ましい。表示装置は例えばスピーカ、発光表示器、LED表示器、LCD表示器などを含む。通信情報は、例えば制御接続の最新の存否または状態を対象とすることができる。操作者は表示装置の光学式または音響式の情報を参照して、例えば制御接続が構築されていること、もしくはすでに確立されていることを認識することができる。
【0021】
表示装置がエネルギー蓄積器モジュールの充電状態表示器の構成要素を形成すると特別に好ましく、充電状態表示器は、エネルギー蓄積器モジュールに存在しているエネルギー容量または充電容量を表示するために意図および/または構成される。すなわち、通信情報または制御接続に関わる動作ステータスを表示するために、充電状態表示器がいわば追加的に利用される。例えば光学式の表示器における第1の色は充電状態を表示するための役目を果たすことができ、それに対して1つの色は、通信情報または動作ステータスまたはこの両方を出力するための役目を果たす。それぞれ異なる視覚的な特徴、例えば視覚的な表示パターンも、時間的な種別のものやグラフィックな種別のものも含めて、表示装置がエネルギー容量または充電状態を表示できるだけでなく、制御接続の通信情報および/または動作ステータスも表示できるようにする役目を果たすことができる。電気器具は、少なくとも1つのログオンメッセージへ暫定識別記号を書き込むために構成されると好ましく、暫定識別記号は制御接続がワイヤレス式であることを特徴づける。外部通信装置との間で成立可能であるこれ以外の制御接続は、例えば恒常的な制御接続である。
【0022】
ワイヤレス通信インターフェースは、集塵機をスイッチオンするため、および/または制御接続を維持するために意図される制御コマンドを、切換部材が駆動モータをスイッチオンする切換位置にある限りにおいて、反復的に送信するために構成されることが意図されるのが好ましい。例えばワイヤレス通信インターフェースは、データ接続ないし制御接続が正常であることを受信する外部通信装置に報知する空のデータパッケージを送信することができる。さらに、集塵機をスイッチオンするための切換コマンドが複数回送信されることが可能である。
【0023】
外部通信装置においては、制御接続が断絶したとき、および/または事前設定された、もしくは事前設定可能な、もしくは調整可能なタイムスパンの間に電気器具が制御コマンドを受け取らなかったときに、吸引動作を終了させることが意図されるのが好ましい。すなわち、例えばスイッチオン信号が外部通信に到来しなくなったとき、または制御接続が切断されたことを認識したとき、外部通信装置は集塵機での吸引動作を停止させる。
【0024】
あるいは原則として、制御接続が断絶または切断されたとき集塵機そのものは引き続き運転することも可能であり、それにより、制御接続が断絶したときや制御接続に障害が生じたときにも、少なくとも確実な吸出し動作そのものは保証される。
【0025】
電気器具ないしそのワイヤレス通信インターフェースは、制御接続を承認するログオン承認メッセージ(登録承認メッセージ)を受信するために構成されるのが好都合である。この意味に即して外部通信装置は、制御接続を承認するログオン承認メッセージを送信するために構成されるのが好都合である。電気器具は、いわば制御接続を成立させるために外部通信装置にログオンし、このことを外部通信装置が相応にログオン承認メッセージによって承認する。
【0026】
さらに、電気器具は外部通信装置のアドレス識別記号を保存するために構成されると好ましい。このとき、電気器具が複数の外部通信装置ないしそのアドレス識別記号を保存できると好ましい。このようにして電気器具は、例えばそれぞれ異なる例えば少なくとも2つの外部通信装置で非常に迅速にログオン可能である。器具はいわば記憶装置を読み出して、自身に既知である外部通信装置ないし既知の集塵機でログオンをする。
【0027】
電気器具ないしそのワイヤレス通信インターフェースは、当該電気器具を特徴づける変数(量)に依存してコンフィグレーションをするための、例えば作業位置および/または吸引出力、外部通信装置または集塵機をコンフィグレーションするための、少なくとも1つのコンフィグレーションメッセージを送信するために構成されると好ましい。電気器具を特徴づける変数は、例えば次の変数のうち1つまたは複数を含むことができる:電気器具の型式(鋸、フライス工具など)、ダスト分類、電気器具の駆動モータの回転数設定、電気器具の最新の消費電力、器具の圧着力、測定されたダスト発生量など。
【0028】
本発明の1つの好ましい実施形態は、電気器具が、切換部材を有する工作機械に供給をするためのエネルギー蓄積器モジュールとして構成されることを意図し、器具インターフェースは工作機械に電気エネルギー供給をするための器具・供給接点を有し、エネルギー蓄積器モジュールは器具・供給接点とは別個のデータインターフェース、特にバスインターフェースを通じて、および/または器具・供給接点を介しての通電の検出を参照して、切換部材の切換状態に関する情報を判定する。このように、エネルギー蓄積器モジュールは切換部材を自身のパネルに有するのではなく、工作機械の切換部材の切換状態を検出する。もっとも単純なケースでは、例えば器具・供給接点を通って流れる通電が検出される。あるいは、例えばバスインターフェースなどのデータインターフェースを介してのデータ通信も、切換状態の判定に利用される。すなわち、例えば工作機械がデータインターフェースを介してスイッチオン信号を送信したとき、すなわち、例えば工作機械の駆動モータがスイッチオンされたとき、このことがエネルギー蓄積器モジュールにより評価されて、外部通信装置でのログオンを実行し、および/または集塵機をスイッチオンし、すなわち制御コマンドを送信する。エネルギー蓄積器モジュールと工作機械の間の初期化通信だけに基づいて、すでに切換部材の切換状態を判定可能であることも可能である。すなわち操作者が切換部材を操作したとき、すなわち駆動モータをスイッチオンしようとしたとき、工作機械が例えば典型的な情報を、例えば最新の充電状態、最大の供給電圧などを、エネルギー蓄積器モジュールに照会する。その後で初めて駆動モータがスイッチオンされる。このような照会に基づいてエネルギー蓄積器モジュールは、工作機械の切換部材が操作されたことを認識することができる。
【0029】
補足として述べておくと、集塵機をスイッチオフするための制御コマンドは遅延動作時間の後で初めて与えられるのが好ましく、すなわち、例えば工作機械の切換部材が放された後に、集塵機をスイッチオフするための制御コマンドは遅延をもって初めて送信される。このようにして、工作機械により生成される、または生成可能なダストの効率的で遅延動作式の吸出しが保証される。
【0030】
さらに、電気器具またはそのワイヤレス通信インターフェースは、動作中断がなされたときに、例えばエネルギー蓄積器モジュールと工作機械が互いに分断されたときに、および/またはエネルギー蓄積器モジュールが充電器具で充電されるときに、および/または事前設定されたタイムスパンの後に、制御接続を分断するために構成されると好ましい。例えば電気器具は、制御接続が必要なくなったことを外部通信装置に報知する。事前設定されるタイムスパンは、例えば1時間または2時間を含むことができる。すなわち、例えば電気器具が長い時間のあいだ使用されなかったとき、制御接続がいわばキャンセルされて、それにより外部通信装置または集塵機は、別の電気器具との別の制御接続を構築ないし確立するための準備が整うことになる。外部通信装置には例えば電気器具についての認証パラメータが保存されていて、これが当該電気器具を、制御接続の成立ないし維持または利用について資格のある、もしくは認証された器具として認定する。外部通信装置は、例えば動作中断があったときに認証パラメータを再びリセットまたは消去することができる。
【0031】
ここで付言しておくと、当然ながら外部通信装置も動作中断を認識することができ、それは、例えば事前設定されたタイムスパンのあいだ電気器具からスイッチオンメッセージが受信されなかった場合である。エネルギー蓄積器モジュールで制御接続が解消されるのは、例えばそれが充電器具で充電されているときである。このとき、電気器具が制御接続をいわば能動的に手放すことが可能である。すなわち、例えばエネルギー蓄積器モジュールは工作機械から分断されたとき、または充電器具に接続されたとき(もしくはこの両方)、制御接続を終了するための終了メッセージを外部通信装置に送信することができる。
【0032】
1つの好ましいコンセプトは、外部通信装置において、ログオンメッセージを用いて制御接続を成立させようとするそのつど最初の電気器具が、制御接続を実際に成立させることが許されることを意図する。例えば工作機械の形態の2つの競合する電気器具が、それぞれ集塵機ないし外部通信装置との制御接続を成立させようと試みることが起こり得る。その際にはそれぞれ最初の電気器具が、外部通信装置または集塵機によって受け入れられる。
【0033】
外部通信装置または集塵機においては、動作準備完了モードにあるとき少なくとも1つのログオンメッセージを受信する準備が整っており、作業モードのときには少なくとも1つのログオンメッセージを受信する準備が整っていないことが意図されるのが好ましい。いわば標準的な作業モードにあるとき、制御接続がすでに存在しているはずである。それに対して動作準備完了モードでは、電気器具が外部通信装置または集塵機を制御することができる制御接続を成立可能であることが可能である。
【0034】
外部通信装置または集塵機においては、ログオン操作部材(登録操作部材)を用いて動作準備完了モードへと切換可能であり、および/または集塵機への電気エネルギー供給部と集塵機との接続後に動作準備完了モードへと切り換わることが意図されるのが好都合である。ログオン操作部材は、例えば操作キーや操作スイッチであってよい。集塵機または外部通信装置は、例えば一種の認証キーを有する。操作者が操作部材を操作したとき、動作準備完了モードが作動化し、または作動化可能である。あるいは、電源ケーブルまたは蓄電池パックまたはその他のエネルギー蓄積器モジュールを用いて、例えばエネルギー供給網などの電気エネルギー供給部と集塵機または外部通信装置が接続された後に、外部通信装置または集塵機またはその両方が、例えばそれ自体として通常の作業モードから動作準備完了モードへと切り換わることも可能である。すなわち、操作者が例えば接続ケーブルを使って集塵機を電源差込コンセントに接続すると、あるいは蓄電池パックに差し込むと、集塵機は制御接続のためにいわば準備が整い、すなわち動作準備完了モードになる。動作準備完了モードは、一方では時間的な条件によって終了させることができ、他方では能動的に終了させることができる。例えば電源からの外部通信装置または集塵機の分断は、動作準備完了モードを終了させる引き金となる。あるいは操作者が操作部材を、例えば動作準備完了モードを終了させるために専用に設けられた操作部材を、および/またはログオン操作部材を操作して、動作準備完了モードをいわば能動的に終了させることも可能である。
【0035】
外部通信装置は、動作準備完了モードを表示するための光学式および/または音響式の表示手段を有することが意図されるのが好ましい。例えばLEDが点灯し、および/またはスピーカが相応の信号を生成する。操作者はこれを手掛かりに、動作準備完了モードがスイッチオンされていることを認識する。集塵機または外部通信装置の表示手段がいわば多機能であることも可能である。例えば、第1の動作モードでは集塵機の動作状態、例えば充填レベル、必要な集塵機袋交換などを表示する表示手段が設けられていてよく、それに対して第2の動作モードでは表示手段が動作準備完了モードを表示する。
【0036】
さらに、外部通信装置または集塵機が事前設定された、または設定可能な時間の後に動作準備完了モードを終了すると好ましい。例えば、ログオン操作部材の操作後に、および/または電流供給部もしくはエネルギー供給部への集塵機の接続後に動作準備完了モードがアクティブになり、例えば20秒、40秒、1分などである事前設定された時間の後に、動作準備完了モードが再び終了することが意図されていてよい。ログオン操作部材をあらためて操作することで、および/または電気エネルギー供給部が外されて再接続されることで、動作準備完了モードを再びアクティブにすることができる。
【0037】
本発明の1つの態様は、外部通信装置または集塵機が動作準備完了モードで、外部通信装置へ少なくとも1つのログオンメッセージを送信するように電気器具へ要求するための少なくとも1つの要求メッセージを送信するために構成されることを意図することができる。これはいわゆるブロードキャストメッセージであってよい。すなわち、例えば外部通信装置において現在どの電気器具も、特にどの工作機械も、集塵機をスイッチオンおよび/またはスイッチオフするためにログオンしていないときに、外部通信装置が要求メッセージを送信する。
【0038】
別のシナリオは、すでに認証されている電気器具からログオンメッセージまたは応答メッセージが到来しない、例えば1秒または複数秒の事前設定された待機時間の後に、外部通信装置が、制御接続を成立させるのに適した、またはその準備が整っている器具に、すなわちエネルギー蓄積器モジュールまたは工作機械またはこの両方に、ブロードキャスト要求を送信することを意図することができる。
【0039】
ここで付言しておくと、当然ながら電気器具ないしそのワイヤレス通信インターフェースも、制御接続を成立させる準備が整っている、または準備完了に切り換えられている(例えば動作準備完了モードに入っている)外部通信装置へ1つまたは複数のログオンメッセージを送信することができる。すなわちワイヤレス通信インターフェースまたは電気器具は、1つの外部通信装置または集塵機との接続が存在していないとき、他の集塵機との制御接続を成立させようと試みる。
【0040】
外部通信装置または集塵機においては、電気器具との制御接続を暫定的なカテゴリーの制御接続として成立させるために構成され、好ましくは、操作器具との少なくとも1つのワイヤレス制御接続を恒常的なカテゴリーで成立させるために構成されることが意図されるのが好都合である。ここでの基本思想は、電気器具がいわば暫定的にのみ外部通信装置でログオンされることにある。このとき、例えば遠隔操作装置を用いての、恒常的な方式の制御のためのログオンも可能であると好ましい。このようにして、暫定的な方式でも恒常的な方式でもワイヤレス制御が可能である。
【0041】
この関連では、外部通信装置または集塵機との間で、暫定的なカテゴリーのただ1つのワイヤレス制御接続だけが可能であると好ましい。
【0042】
さらに、暫定的なカテゴリーでは、工作機械、例えば手動工作機械、および/または工作機械のためのエネルギー蓄積器モジュールのカテゴリーに属する1つの装置だけが、集塵機を制御するために留保されると好ましい。このようにして、工作機械またはそのためのエネルギー蓄積器モジュールとして構成されているのでない遠隔操作装置が、外部通信装置で暫定的にログオンすることができない。
【0043】
外部通信装置または集塵機においては、暫定的なカテゴリーのワイヤレス制御接続を成立させるためには外部通信装置での第1の操作行為が必要であり、恒常的なカテゴリーのワイヤレス制御接続は第1の操作行為とは異なる、特にさらに難しい第2の操作行為によって成立可能であり、および/または恒常的な設定によって、特に電気式のログオン操作部材を用いた設定によって、またはソフトウェアを用いて調整可能な設定によって成立し、または成立可能であることが意図されるのが好ましい。例えば第1の操作行為は、隠されて配置されたログオン操作部材での操作行為であることが意図されていてよい。例えばログオン操作部材がカバーの下、外部通信装置または集塵機のハウジングの内部などに隠されることによって、操作行為が難しくされ得る。さらに第1の操作行為は、第2の操作行為とは相違する、および/またはさらに長い操作部材の操作を必要とすることができる。例えば、集塵機または外部通信装置が恒常的なカテゴリーの制御接続をログオンするためにまずエネルギー供給部に接続されなければならず、さらに、ログオン操作部材での操作が必要であることも考えられる。
【0044】
第1および第2の操作行為が同一のログオン操作部材で行われるが、それぞれ相違していることも必要である。例えば暫定的なカテゴリーの制御接続のログオンには、ログオン操作部材でキーを短く押すことが必要であり、それに対して恒常的な制御接続は、第1の操作行為に比べて長い事前設定された時間にわたって操作部材が操作され、押され、もしくは扱われた場合にのみ成立可能である。
【0045】
操作行為は、例えばRFID送信器などのワイヤレス式の識別記号送信器の検出を含むこともできる。
【0046】
恒常的なカテゴリーの制御接続を成立させるために、例えば恒常的な制御接続を成立させようとする器具の識別記号データを外部通信装置へ送信する追加の識別記号送信器が必要である。
【0047】
外部通信装置または集塵機においては、事前設定された、または調整可能なタイムスパンの後に、および/または集塵機の動作中断時に、特に集塵機のスイッチオフ時に、および/または電気エネルギー供給部からの集塵機の分断時に、電気器具との間の特に暫定的な制御接続を終了させることが意図されるのが好都合である。そして外部通信装置ととともに電気器具を使用することは、少なくとも1つのログオンメッセージを用いてのあらためてログオンによってのみ再成立可能である。集塵機は、例えば電源から分断されたり切換部材でスイッチオフされたりし得る。そうしたケースでは電気器具との暫定的な制御接続が、またはそもそも制御接続が、中断または終了される。当然ながら、例えば少なくとも1つのログオンメッセージによって、その後に制御接続を再び成立させることができる。
【0048】
1つの好ましいコンセプトは、外部通信装置が本発明に基づく少なくとも2つの電気器具からの距離をいわば測定し、外部通信装置または集塵機の近くに配置されているほうの電気器具を優先して制御接続の成立を許可することを意図する。例えば本発明の1つの好ましい実施形態は、外部通信装置が、ワイヤレス通信インターフェースから送信される特に少なくとも1つのログオンメッセージを含んでいる信号の信号強度に依存して制御接続を成立させるために構成されることを意図し、外部通信装置はこのワイヤレス通信インターフェースを、信号強度が第1の信号閾値を上回っているときに、特にワイヤレス通信インターフェースと外部通信装置の間の距離が1m未満の場合に報知し、このワイヤレス通信インターフェースのログオンメッセージを制御接続の即座の成立または優先的な成立のために優先し、および/または制御接続の成立に関して互いに競合する電気器具があるとき、高い信号強度を有するほうの電気器具を制御接続の成立のために優先する。例えば外部通信装置ないし集塵機とワイヤレス通信インターフェースないし電気器具との間の1メートル未満の距離を報知する信号強度測定の場合には、即座のログオンが可能である。電気器具と集塵機の間のこれよりも大きい例えば1メートルから最大10メートルの距離では、ログオンメッセージの受信のために比較的長い待機時間が意図されるのが好ましい。
【0049】
外部通信装置がログオンメッセージに対してその信号強度に依存して異なる迅速さで反応することも可能である。例えば外部通信装置は、ログオンメッセージに対する例えばログオン承認メッセージなどの応答を送信するための応答時間を、ワイヤレス通信インターフェースの信号の信号強度に依存して調整するのが好ましい。すなわち、外部通信装置は第1のログオンメッセージを第1の信号強度で受信したとき、例えばログオン承認や別のデータを送信するようにとの要求などの応答をもって、第1の信号強度よりも低い第2の信号強度を有する第2のログオンメッセージの場合よりも迅速に反応する。したがって、例えば吸引器具は強い信号を有するログオンの場合、弱い信号を有するログオンの場合よりも迅速に反応する。
【0050】
電気器具と集塵機の間で構築されるべき制御接続を通信されるメッセージには、例えばログオンメッセージまたは応答メッセージまたはこの両方には、信号強度が表示されていてよい。信号強度は、受信強度測定または送信強度測定のときにそれぞれ受信をする器具によって、すなわち集塵機または電気器具によって分析されるいわば基本尺度である。
【0051】
電気器具との間で成立可能な制御接続は排他的な暫定的な制御接続でことが意図されるのが好都合であり、それにより、集塵機は暫定的な制御接続を介してのみ、および任意選択として集塵機の集塵機ハウジングにローカルに配置される少なくとも1つの操作部材を用いて、および/または集塵機とワイヤレス式に通信をする、工作機械またはそのエネルギー蓄積器モジュールとして構成されているのでない操作部材を用いて、制御可能である。この操作部材は、例えば集塵機をスイッチオンまたはスイッチオフするための切換部材、回転数コントローラなどである。
【0052】
集塵機は、ワイヤレス通信のために集塵機で恒常的にログオンされている少なくとも1つの操作器具を除いて、電気器具すなわち工作機械またはエネルギー蓄積器モジュールによってのみワイヤレス式に制御可能であるのが好ましい。
【0053】
集塵機または外部通信装置においては、制御接続が断絶したとき、および/または事前設定された、もしくは設定可能なタイムスパン内に電気器具から制御コマンドを受け取らなかったときに、吸引動作を終了することが意図されるのが好ましい。このことは、例えば電気器具が集塵機を必要としなくなっていることを示すサインとして理解される。設定可能なタイムスパンは、例えば外部通信装置のハウジングまたは集塵機に配置される切換部材で調整することができる。あるいはソフトウェア、無線などを通じてのタイムスパンのパラメータ化も容易に可能である。
【0054】
外部通信装置は、電気器具を特徴づける変数に依存して外部通信装置の、特に集塵機のコンフィグレーションをするための、特に作業設定および/または吸引出力をコンフィグレーションするための少なくとも1つのコンフィグレーションメッセージを受信するために構成されるのが好都合である。作業設定は、制御接続を成立させるためのログオン手順との関連で直接的に調整可能であるのが好ましい。
【0055】
外部通信装置および/または集塵機は、少なくとも2つの電気器具およびそのワイヤレス通信インターフェースとの制御接続を成立させるために、認証パラメータまたはログオンパラメータ(登録パラメータ)および/または暗号化パラメータを、特に認証パラメータまたはログオンパラメータに割り当てられた暗号化パラメータを保存するための記憶装置を有するのが好都合である。このようにして外部通信装置または集塵機は、認証パラメータまたはログオンパラメータを、および好都合にはさらに特に認証パラメータまたはログオンパラメータに割り当てられている暗号化パラメータを、すでに留保しておくことができる。すなわち電気器具が外部通信装置でログオンされるとき、この外部通信装置は保存されている認証パラメータまたはログオンパラメータを参照して、その電気器具が制御接続を成立させる資格を有しており、または認証されていることをすでに知っている。例えばすでに上で述べた暗号化のための暗号化パラメータが、集塵機または外部通信装置に存在または保存されていれば、暗号化も非常に迅速に再び成立可能である。
【0056】
ここで付言しておくと、当然ながら電気器具、工作機械、および/またはエネルギー蓄積器モジュールも、および特にワイヤレス通信インターフェースも、少なくとも2つの互いに異なる外部通信装置または集塵機でログオンするために、複数のログオンパラメータ、例えばキー、識別番号表示、および/または暗号化パラメータ、例えば暗号化キーを保存するための記憶装置を有することができる。
【0057】
それぞれの記憶装置は、外部通信装置または集塵機が動作中断されたときや電流供給が中断されたときにも消去されない非消去メモリであるのが好ましい。あるいは、記憶装置が揮発性メモリであることも可能である。
【0058】
外部通信装置の記憶装置またはそれ以外の記憶装置に少なくとも1つの別の情報も、例えば工作機械および/またはエネルギー蓄積器モジュールの形態の電気器具の出力データなども、保存されるのが好都合である。あるいは電気器具の記憶装置にまたは前述の記憶装置にも、例えば集塵機などの出力データのストレージが保存ないし格納されるのが好ましい。
【0059】
1つの好ましいコンセプトは、外部通信装置および/または集塵機において、少なくとも1つの制御接続に追加して、少なくとも1つの遠隔操作装置によって制御可能であることを意図する。遠隔操作装置は、例えば集塵機ハウジングとは別個のハウジングの中に離れて配置される。あるいは遠隔操作装置は、集塵機の吸引ホースに配置されていてもよい。いずれの場合にも、集塵機とは別個の移動型の遠隔操作装置が好ましい。遠隔操作装置の通信パラメータまたはログオンパラメータは、外部通信装置で恒常的に保存されているのが好ましい。遠隔操作装置は、上記の説明に基づく恒常的なカテゴリーに属するのが好都合である。遠隔操作装置の1つの実施形態は、手動工作機械、工作機械、またはエネルギー蓄積器モジュールに追加モジュールとして配置され、または配置可能であることを意図することができる。すなわち操作者は、集塵機を制御するために遠隔操作装置を即座に利用することができる。
【0060】
外部通信装置および/または集塵機は、集塵機を制御するために、特にスイッチオンおよび/またはスイッチオフするために、電気器具とは異なる制御操作部材により生成される少なくとも1つの制御コマンドを制御接続に対して優先するために構成されるのが好ましく、この制御コマンドが優先制御コマンドを形成する。すなわち、外部通信装置または集塵機は制御操作部材によって優先的に制御可能である。この制御操作部材は、例えば差込コンセントを通る通電を検出するために構成される差込コンセントであり得る。差込コンセントに例えば他の工作機械などの電力消費部が接続されると、それが差込コンセントで検出される。例えば差込コンセントの表面または内部に、通電を検出するいわゆるシャントまたはその他の測定部材が配置される。すなわち集塵機の差込コンセントにローカルに接続される器具、例えば研削器具、鋸などは、集塵機の優先的なスイッチオンまたはスイッチオフをもたらす。あるいは制御操作部材は、集塵機ハウジングに配置されるスイッチでもあり得る。このスイッチによって集塵機をスイッチオンおよびスイッチオフすることができ、特に暫定的に集塵機と接続されている本発明に基づく電気器具から制御接続を通じてどのようなコマンドが来るかには左右されない。
【0061】
1つの好ましい実施形態は、すでに述べた遠隔操作装置が、すなわち集塵機に付属する、または集塵機の構成要素を形成する遠隔操作装置が、特に本発明に基づく制御接続を介して制御をする電気器具の制御コマンドに対して、集塵機ないし外部通信装置によって処理される、または取り扱われる制御コマンドに優先権を与えることができることを意図する。
【0062】
エネルギー蓄積器モジュールは、モジュールハウジングと、モジュールハウジングの中に収容されたエネルギー蓄積器、特に、再充電可能な少なくとも1つの電気式の蓄積器セルおよび工作機械または集塵機へのエネルギー供給のための電気エネルギーを提供するために意図される供給接点を備える構造とを有することが意図されるのが好ましい。電気式の蓄積器セルは、特に複数の電気式の蓄積器セルのユニットまたは構造は、例えば充電器具によって充電可能である。あるいは、エネルギー蓄積器が例えば燃料電池などの他の電気式の蓄積器を有し、または電気エネルギーを最後に提供することができる化学式の蓄積器を有することも可能である。
【0063】
エネルギー蓄積器モジュールは、工作機械と取外し可能に結合するための器具インターフェースを備えるモジュールハウジングを有するのが好都合である。工作機械または集塵機に対するエネルギー蓄積器モジュールの器具インターフェースは、電気エネルギーを伝送するための互いに適合する供給接点および/またはデータを伝送するためのデータ接点、特にバス接点を有する。
【0064】
工作機械はダストおよび/または粒子を生成する工作機械、特にドリル加工機械、フライス加工機械、研削機械などである。特に、工作機械は手動工作機械である。工作機械は、吸引ホースを接続するための吸引吐出部、例えば接続管を有するのが好都合である。
【0065】
集塵機は一般に吸引器具と呼ぶこともできる。集塵機自体は当然ながらダストだけでなく、工作機械が生成するこれよりも大きい粒子も吸引することができる。
【0066】
集塵機と工作機械が前述の吸引ホースまたは別の吸引ホースを用いて相互に流動接続されているときにのみ制御接続を成立可能であり、または成立すると好ましい。
【0067】
工作機械および/または集塵機には、吸引ホースの接続を認識するセンサまたは認識手段が設けられていてよい。実際に吸引ホースが接続されているときにのみ、制御接続が成立する。
【0068】
次に、図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。図面は次のものを示す:
【図面の簡単な説明】
【0069】
【
図1】手動工作機械と集塵機とを含む本発明によるシステムを示す斜視外観図である。
【
図2】
図1の集塵機の詳細部D1にほぼ準ずる部分図である。
【
図3】
図1の集塵機の通信モジュールを示す斜視外観図である。
【
図4】
図1の工作機械の器具インターフェースである。
【
図5】
図1のシステムのエネルギー蓄積器モジュールを示す斜視外観図である。
【
図6】
図5のエネルギー蓄積器モジュールを別の側から示す斜視図である。
【
図7】
図5、6のエネルギー蓄積器モジュールを充電するための充電器具である。
【
図8】
図1のシステムの通信モジュールを示す斜視外観図である。
【
図9】
図8の通信モジュールであるが、模式的に図示する吸引ホースに取り付けるための取付装置を有している。
【
図10】
図9、10の通信モジュールを示す模式的な機能図である。
【
図11】エネルギー蓄積器モジュールならびに手動工作機械と
図1の通信モジュールとを示す模式的な回路図である。
【
図12】
図7の充電器具と協同作用する
図4のエネルギー蓄積器モジュールを示す模式的な回路図である。
【
図13】
図1の別のエネルギー蓄積器モジュールを
図7の充電器具に装着された状態で示す斜視図である。
【
図14】
図1の集塵機とエネルギー蓄積器モジュールとの間の通信ダイアグラムである。
【
図15】トランスポートボックスの中に配置されてエネルギー蓄積器により作動可能な集塵機を有する、模式的に示すシステムである。
【
図16】信号強度情報と応答時間の間の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0070】
同一または同一種類のコンポーネントには、以下において、部分的に同一の符号またはA,B等の付加によって明示された類似の符号が付されている。
【0071】
図1に部分的に模式的に示すシステム10は、エネルギー蓄積器モジュール40A,40Bから電気エネルギーの供給を受ける工作機械20A,20Bを含んでいる。工作機械20A,20Bはダストまたは粒子を生成する工作機械であり、特に手動工作機械である。工作機械20Bは例えば研削器具であり、工作機械20Aは鋸、特に回し引き鋸であり、ダストを生成する、または粒子を生成するルータなどのこれ以外の電動工作機械または手動工作機械も容易に可能である。
【0072】
工作機械20A,20Bの機械ハウジング21A,21Bの中には工具受容部23A,23Bが配置され、およびこれに伴って、工具収容部23A,23Bに配置された工具38A,38Bを駆動するために意図される駆動モータ22が配置されている。工具38Aは例えば鋸工具であり、工具38Bは例えば研削パッドである。駆動モータ22は工具238A,38Bを直接的に、または伝動装置を介して、例えば振動運動のための伝動装置22Aを介して駆動することができる。
【0073】
工作機械20A,20Bは切換部材24を用いて、例えば接続器/遮断器を用いて、スイッチオンおよびスイッチオフすることができる。さらに別の切換部材25は、例えば回転数コントローラまたは回転数調節器として構成される。例えば切換部材24の相応の操作ストロークによって駆動モータ22の回転数を変更可能である実施形態が可能である。
【0074】
手動工作機械20A,20Bは、駆動モータ22を制御するための制御装置26を有している。制御装置25は、例えばプロセッサ27と記憶装置28とを含んでいる。記憶装置27には1つのプログラムモジュールまたは複数のプログラムモジュール29が保存され、そのプログラムコードをプロセッサ27により実行可能であり、それにより手動工作機械20A,20Bを制御し、および/またはエネルギー蓄積器モジュール40A,40Bと通信する。
【0075】
手動工作機械20A,20Bは、吸引ホース15を接続するための吸出し接続部または吸引吐出部39を有しており、該吸引ホースを通じて、工具38A,38Bの作動時に発生するダストを吸い出すことができる。吸引吐出部39は、例えば接続管は、工具38Bの表面または内部に配置された、図面には見えていない吸出し開口部と連通する。このように、それ自体公知である通常の仕方によりダストを工具38A,38Bから出るように直接吸い出すことができる。
【0076】
システム10の集塵機70は、例えばローラ71A,71Bの上で地面に設置可能および/または転動可能である吸引器ハウジング71を有している。吸引器具70は移動式の吸引器具である。あるいは集塵機70は積み重ね可能な集塵機の形態を有することもでき、すなわち積層ハウジングを有し、および/または箱型の形態を有することもできる。ローラ71A,71Bは任意選択である。
【0077】
集塵機70は集塵機ハウジング71の前面に吸引取込部72を有していて、これに吸引ホース15を接続可能である。吸引ホース15は、吸引吐出部39Aに接続される一方の長手方向端部16をもって、および吸引取込部72に接続される他方の長手方向端部17をもって、工作機械20Aと集塵機70の間に延びている。工作機械20Bは吸引ホース15の分岐部18を介して集塵機70に接続されている。分岐部18は、長手方向端部16と、工作機械20Bの吸引吐出部39Aに接続された長手方向端部19とに向かって分岐する。当然ながら、吸引ホース15の分岐部18は任意選択である。それ自体公知の仕方により、吸引吐出部39と吸引取込部72の間に分岐部を有することなく直接延びる吸引ホースが設けられていてもよい。
【0078】
吸引器ハウジング71の中に汚物収集室73が設けられていて、この中に、ホース吐出部72を介して吸い込まれる吸引流Sから分別されたダストおよびその他の粒子を収容することができる。汚物収集室73の上方にフィルタ74が設けられるのが好ましい。あるいは汚物収集室73の中に、フィルタ74の追加または代替として、汚物や粒子を収集するのに適したフィルタ袋が配置されていてもよい。吸引取込部72を通して吸い込まれる吸引流Sは、吸引ユニット75によって生成可能である。吸引ユニット75は、例えば電源接続装置76を用いて電流の供給を受ける。電源接続装置76は、特に220Vまたは110Vの交流電流を有する電力供給網EVへ接続するために、例えば接続ケーブルと接続プラグとを含んでいる。
【0079】
集塵機70の機能は操作部材構造77によって制御可能である。操作部材構造は例えば切換部材78を含んでいて、これにより集塵機をスイッチオンまたはスイッチオフすることができ、あるいは、例えば差込コンセント79を介して通る電流が吸引ユニット75のスイッチオンおよびスイッチオフをもたらす自動運転に切り換えることができる。差込コンセント79は操作部材構造77に設けられるのが好都合である。差込コンセント79に電力消費部を、好ましくは電気式の手動工作機械20Cを接続することができる。
【0080】
差込コンセント79は接点80、特にブッシュを有していて、これに手動工作機械20Cのプラグ31Cの接点32Cを差込可能である。プラグ31Cは、電源接続装置30Cの構成要素である接続ケーブルに配置されている。手動工作機械20Cの切換部材24が、例えば鋸刃を駆動可能であるその駆動モータに通電をするために操作者によって操作されると、電源接続装置30Cを通して、差込コンセント79を介して集塵機70から提供される電流が流れる。この電流を電流センサ81によって、それ自体公知の仕方により検出可能である。集塵機70の制御装置86が、差込コンセント79を介して通電がなされたとき、それ自体公知の仕方により吸引ユニット75をスイッチオンするとともに、手動工作機械20Cの動作が終了すると、すなわち電流センサ81が電流を検出しなくなると、吸引ユニット25を好都合には遅延時間をもってスイッチオフする。
【0081】
電流センサ82は、例えば制御装置80の入力/出力インターフェース82に接続されている。さらに、例えばパワーエレクトロニクスインターフェースなどの入力/出力インターフェース82は、吸引ユニット75を制御するための役目を果たす。
【0082】
さらに制御装置86はプロセッサ87と、1つまたは複数のプログラムモジュール89が格納された記憶装置88とを有している。少なくとも1つのプログラムモジュール89は、プロセッサ87により実行可能な、特に下記の機能のうち1つまたは複数の機能を可能にするプログラムコードを有している。
【0083】
差込コンセント79は集塵機70を介して供給電源EVに接続可能であり、あるいは供給電源EVに直接的に、すなわち電源接続装置30Cを用いて接続可能である。
【0084】
それに対して工作機械20A,20Bは、リードレス式またはワイヤレス式の動作のために構成されている。すなわち、これらにはエネルギー蓄積器モジュール40A,40Bを用いて電流を供給可能である。
【0085】
それぞれのエネルギー蓄積器モジュール40A,40Bは機能的に類似した構造となっているが、機械的な相違および/または電流供給容量、電圧などの電気的な相違は容易に存在し得る。
【0086】
エネルギー蓄積器モジュール40A,40Bは、エネルギー蓄積器42が中に配置されたモジュールハウジング41A,41Bを有している。エネルギー蓄積器42は1つまたは複数の蓄積器セル43を有し、特に、再充電可能である複数の蓄積器セル43を含む蓄積器セル構造を有している。
【0087】
エネルギー蓄積器モジュール40Aに任意選択として存在する表示装置44を用いて、エネルギー蓄積器42の充電状態を例えば音響式および/または光学式に出力することができる。表示装置44は、例えば低い充電状態を例えば警告音によって報知することができるスピーカ44Aを含んでいる。表示装置44では、1つまたは複数のランプ45、例えばランプ45A,45B,45Cおよび45Dの配置が好ましい。ランプ45A-45DはLEDであるのが好ましい。
【0088】
エネルギー蓄積器モジュール40A,40Bの機能は制御装置46によって制御可能である。
【0089】
制御装置46には、エネルギー蓄積器42によって直接的に、および/または蓄積器セル43のうちの1つまたは複数によって、電気エネルギーを供給可能であってよい。例えばエネルギー蓄積器42と制御装置46の間に供給回線42Xが設けられていてよい。さらに制御装置46は、エネルギー蓄積器42から提供される電圧ないしエネルギー蓄積器42から提供される供給電流を適合化するための供給モジュール46Xをさらに有することができる。このように、それぞれの制御装置46へローカルに電気エネルギーを供給可能であり、エネルギー蓄積器モジュール40が電気器具と、例えば充電器具や工作機械もしくは集塵機と、接続されているか否かには左右されない。
【0090】
制御装置46は例えばプロセッサ47と、少なくとも1つのプログラムモジュール49が格納された記憶装置48とを有している。例えば制御装置46は、手動工作機械20A,20Bの制御装置26と通信をする。プロセッサ47は、特に以下においてさらに詳細に説明する機能を具体化するために、プログラムモジュール49のプログラムコードを実行することができる。
【0091】
エネルギー蓄積器モジュール40A,40Bは、工作機械20A,20Bの器具インターフェース30を用いて、ならびにエネルギー蓄積器モジュール40A,40Bの器具インターフェース50を用いて、工作機械20A,20Bと相互に取外し可能に結合可能である。
【0092】
工作機械20A,20Bは第1のシステムコンポーネント11を形成し、エネルギー蓄積器モジュール40A,40Bは第2のシステムコンポーネント12を形成し、これらをそれぞれ1つのシステムを形成するように、相互に固定的に結合可能である。
【0093】
器具インターフェース30,50はこの目的のために、互いに形状接合式に適合する輪郭、例えば回転ロックのために適した形状接合輪郭を含み、または本例のように、器具インターフェース30の差込・対応・形状接合輪郭31と形状接合式に、すなわち差込運動の枠内で係合させることが可能な差込・形状接合輪郭51を器具インターフェース50に含んでいる。
【0094】
このような差込運動により、器具インターフェース30の器具・供給接点32が器具インターフェース50の供給接点52と接触し、それにより、エネルギー蓄積器42から電気エネルギーを供給接点52,32を介してそれぞれの工作機械20A,20Bのために、特にその駆動モータ22のために提供することができる。
【0095】
さらに、器具インターフェース30,50はデータインターフェース34,35のデータ接点33,53を含んでおり、それによりデータ通信も、本例では特にシステムコンポーネント11,12の間のバス通信も可能である。
【0096】
差込・形状接合輪郭51,31を用いた形状接合コンセプトの追加としての保持のために固定装置55が作用し、これによってシステムコンポーネント11,12を互いに固定可能である。固定装置55は、固定輪郭35と係合させることが可能な、例えば係止部、ロック部材などの固定部材56を含んでいる。固定輪郭35と固定部材56は第1のシステムコンポーネント11と第2のシステムコンポーネント12に配置されているが、これと逆のコンフィグレーションも容易に可能である。固定装置55は、本例では、ロック装置および/または係止装置を形成する。固定部材56は操作部材57を用いて固定輪郭35との係合を外すことができ、任意選択として係合させることもできる。例えば固定部材56は、固定収容部または凹部として構成される固定輪郭35と係合させることが可能な固定突起/ロック突起である。固定装置55がその固定位置またはロック位置に入っているとき、差込・形状接合輪郭51が差込・対応・形状接合輪郭31と係合されたまま保たれ、すなわち、差込・形状接合輪郭51,31の差込軸に沿ってのシステムコンポーネント11,12の相対運動が不可能になる。
【0097】
操作部材57および/または固定部材56は、ばね構造(図示せず)によって固定位置ないしロック位置へとばね付勢される。このように、操作部材57の簡単なボタン操作またはキー操作によって、固定装置55を固定位置から解除位置へと位置調節することができる。エネルギー蓄積器モジュール40Aには、互いに反対を向く側にそれぞれ固定部材56が設けられ、さらには操作部材57もそれぞれ設けられるのが好ましく、それに対してエネルギー蓄積器モジュール40Bでは、単一の押圧キーまたは単一の操作部材57しか必要ない。
【0098】
エネルギー蓄積器モジュール40A,40Bは、充電器具220を用いて充電することができる。充電器具220は充電器具ハウジング221を有していて、これに器具インターフェース230が設けられている。器具インターフェース230は、エネルギー蓄積器モジュール40A,40Bの差込・形状接合輪郭51と形状接合的に適合する差込・対応・形状接合輪郭231を有している。ロックは定置での動作については必要ない。充電器具220は器具インターフェース50に適合するように、器具・供給接点232ならびにデータインターフェース234の、好ましくはバスインターフェースの、データ接点233をさらに有している。充電器具220には変圧器235が配置されるのが好ましく、これが電源接続装置236を用いて電流の供給を受けることが可能であり、エネルギー蓄積器42を充電するための直流電圧を器具・供給接点232に提供する。接続プラグ237は電源接続装置236の構成要素を形成し、充電器具ハウジング221に直接的に配置されていてよく、または、模式的に図示している回線を介して充電器具ハウジング221と接続されていてよい。接続プラグ237は供給電源EVに接続可能である。
【0099】
データインターフェース34,54ならびに234は、本例ではバスインターフェースである。例えば、バスインターフェースまたはデータインターフェース34,54,234はI2Cバスインターフェースである。バスインターフェースは、クロック回線CL、データ回線D、ならびにデータ接点33A,53A,および234Aが付属する供給回線VD、データ接点33B,53B,233Bが付属するクロック回線CL、ならびにデータ接点33C,53C,234Cが付属するデータ回線Dを含んでいる。供給回線VDは、器具インターフェース30または230が器具インターフェース50に電気供給電圧を、例えばバス電圧UBを提供するための役目を果たす。クロック回線CLを通じて、データインターフェース34,54,234で具体化されるバスBUのバスクロックが提供される。データ回線Dを通じて、好ましくは双方向にエネルギー蓄積器モジュール40から工作機械20へ、およびその逆へ、および/またはエネルギー蓄積器モジュール40から充電器具220へ、およびその逆へ、データが伝送される。
【0100】
システムコンポーネント11,12が互いに結合されているとき、エネルギー蓄積器モジュール40は、駆動モータ22を作動させるのに適した供給電圧UVを供給接点52A,52Bに提供する。供給電圧UVは例えば15ボルトまたは18ボルトの直流電圧であり、あるいは常時これ以外の電圧であってよい。ここで付言しておくと、エネルギー蓄積器モジュールは当然ながら交流電圧を提供することもできる。その点は重要ではない。以下において簡略に工作機械20と呼ぶ工作機械20A,20Bの制御装置26は、切換部材24の操作に依存して駆動モータ22を制御し、例えばスイッチ24Aを開閉する。スイッチ24Aに代えて、例えば電子整流式の駆動モータ22のための通電装置などのパワーエレクトロニクスが設けられていてもよい。さらに、切換部材24が駆動モータ22の電気回路に直接的につながれ、そのようにして、これをスイッチオンおよびスイッチオフすることができることが考えられる。スイッチ24Aが閉じられると、エネルギー蓄積器42から電流が回線L1を通して駆動モータ22へと流れ、そこから再び回線L2を通してエネルギー蓄積器42へと戻るように流れる。
【0101】
充電プロセスのときにはこの電流コンセプトがちょうど逆になり、このことは
図12を参照すると明らかになる。このケースでは充電電流ILが変圧器235から回線L1を通してエネルギー蓄積器42へと流れる。供給接点232Bは、回線L2の供給接点52と同様に、例えば測定回線に割り当てられる。充電プロセスは、充電器具220の制御装置226によって制御されるのが好ましい。制御装置226は、充電プロセスを開始または終了させるために、例えばスイッチ238を制御することができる。充電プロセスを監視するために充電器具220はエネルギー蓄積器モジュール40と通信し、すなわち、データインターフェース234およびこれに付属する供給回線VDのためのデータ接点233A,233Bおよび233Cと、クロック回線CLと、データ回線Dとを介して通信する。充電器具220とエネルギー蓄積器モジュール40の間のバスBUでの相応の通信によって、例えばエネルギー蓄積器42の充電状態、その公称電圧などを照会することができる。充電プロセスを制御および監視するために、例えば充電器具234は、充電プロセスを制御するためのプログラムモジュール229の制御コマンドまたはプログラムコードを実行することができるプロセッサ27を有している。プロセッサ227は、プログラムモジュール229が格納された、充電器具220の制御装置226の記憶装置228と接続されている。
【0102】
集塵機70はワイヤレス式またはリードレス式に制御可能である。そのために集塵機70は一体型の、または好ましくはモジュールとして構成される外部通信装置100を有している。外部通信装置100は、集塵機ハウジング71のモジュール収容部90に取外し可能に配置可能である。モジュール収容部90は例えば操作部材構造77の領域に配置され、特に、操作部材構造77が設けられた前壁95に配置される。外部通信装置100の形態の通信モジュールがモジュール収容部90に差し込まれると、モジュール収容部90と通信装置100の接点構造90,101のそれぞれの接点が互いに接触する。このようにしてデータ、情報、電気的な供給電圧などを伝送することができる。例えば制御装置86は接点構造を介して、外部通信装置100に電気的な供給電圧を供給する。
【0103】
さらに、制御装置86のデータインターフェース83と外部通信装置100のデータインターフェース108が、接点構造101および91を用いて互いに接触する。データインターフェース83,108は例えばバスインターフェースを含んでいて、これを通じて外部通信装置100と制御装置86がデータや情報を通信することができる。
【0104】
データインターフェース108,83は例えばバス接続を、特にI2Cバス接続を具体化する。これ以外のバス通信も可能である。さらにデータインターフェース83,108は、例えばパラレルデータ伝送のための個々のデータ接点も含むことができる。
【0105】
モジュール収容部90は、モジュール収容部90の底面93から前壁50へと延びる側壁92を含んでいる。モジュール収容部90の中で、すなわち側壁92と底面93の間の内部空間の中で、外部通信装置100の前壁105の裏面103から屹立する接触構造101を、モジュール収容部90の底面93に配置された接触構造91に係合させることができ、またはこれと接触させることができる。すると前壁105の側壁面101が側壁92と一直線上に並び、それにより、外部通信装置100の前面または前壁105が、
図1に示すように前壁95と一直線上に並ぶ。モジュール収容部90に外部通信装置100のモジュールが差込接続されるだけで、それがすでに確実な保持のために作用する。さらなる固定をするために、例えば図面には示さない係止装置、クランプ装置などの固定装置が設けられるのが好ましい。本例ではねじ止めが意図される。例えばモジュール収容部90に1つまたは2つのねじ収容部94が設けられ、このねじ収容部が、外部通信装置がモジュール収容部90へ収容されたときに、外部通信装置100のねじ収容部104と一直線上に並ぶ。ねじ収容部104,94の中に、
図1に示唆しているねじをねじ込むことができる。
【0106】
集塵機70は、外部通信装置100を用いてワイヤレス式および/またはリードレス式に、例えばエネルギー蓄積器モジュール40Aまたは40Bのワイヤレス通信インターフェース60によって制御することができる。
【0107】
ここで付言しておくと、ワイヤレス通信インターフェース60は、システムコンポーネント11および12すなわちそれぞれのエネルギー蓄積器モジュールおよび工作機械を含むシステムのワイヤレス式の制御についての例示として理解されるべきものである。例えば工作機械20Cは、以下においてさらに説明する通信機能のうちの1つまたは複数を直接的に遂行するために、すなわち、ワイヤレス通信インターフェースを通じて集塵機70とワイヤレス式に通信するそれぞれのエネルギー蓄積器モジュール40なしに遂行するために、ワイヤレス通信インターフェース60Cを装備していてよい。
【0108】
外部通信装置100はログオン操作部材160を用いて、外部通信装置100との制御接続を新たに成立可能でない、また回復可能でない制御接続作業モードから、動作準備完了モードへと切り換えることができる。
【0109】
動作準備完了モードまたは作業モードは、外部通信装置100によって光学式および/または音響式に報知される。例えば、外部通信装置100のさまざまな動作モードを報知することができる表示装置114が設けられる。表示装置114は例えばランプ表示器、特に環状のランプ表示器を含む。表示装置114は例えばログオン操作部材106の周りまたはそばに配置される。ログオン操作部材106は例えばキー107であり、その周りに表示装置114が延びているのが好ましい。
【0110】
表示装置114は、恒常的に点灯しているときには、確立された制御接続すなわちステータス「接続」を報知する。外部通信装置100がログオン操作部材106を用いて作業モードから動作準備完了モードへ切り換えられると、表示装置114が例えば別の色で、または別の運動パターンで、特にゆっくりと円を描く運動パターンで点灯する。このような表示装置114の運動パターンまたは色は、制御接続の種類に依存していてよい。制御接続が、あとでまた説明するように、現在成立されるべき制御接続および/またはすでに成立している一時的な制御接続であるとき、例えば表示装置114はゆっくりと円を描く点灯表示を有することができる。一方、制御接続が恒常的に確立または成立されるべきとき、すなわち、動作準備完了モードが恒常的な制御接続を成立させるのに適しているとき、表示装置114はこれとは別様に点灯する。例えばその場合、表示装置114の円形の点灯がさらに高い頻度で行われる。
【0111】
恒常的な制御接続のために、例えば外部通信装置100と接続された集塵機70のシステム構成要素を形成する通信モジュール300が設けられる。
【0112】
通信モジュール300は集塵機ハウジング71の外部に配置される、または配置可能である通信モジュールである。通信モジュール100は、システムコンポーネント11および/または12のうちの1つの形態の電気器具と集塵機70との、特に外部通信装置10との制御接続を維持および/または成立させる役目を果たす。
【0113】
通信モジュール300は、吸引ホース15に配置可能であるモジュールハウジング301を有している。モジュールハウジング301はその上面302に、吸引ユニット75をスイッチオン可能および/またはスイッチオフ可能である切換部材334を有するのが好都合である。切換部材334は人間工学的に好適なように上面302の大部分を占めており、それにより容易に取扱可能ないし操作可能である。切換部材334は例えば押しボタン、ロッカースイッチなどである。
【0114】
モジュールハウジング301は、吸引ホース15に合わせて適合化された形態を有している。例えば、通信モジュール300が吸引ホース15に組み付けられた状態のときにその外側円周に位置することになる下側側壁306は、吸引ホース15の丸い外側円周に合わせて適合化されて丸められた輪郭を有する。下側側壁306と上面または上側側壁302との間には、前面壁303、裏面壁304、ならびに長辺壁305が延びている。これらが内部空間を区切り、その中に通信モジュール300の制御装置336が防護されて配置される。
【0115】
制御装置336は、例えばプロセッサ337と記憶装置338を有し、ならびに、あとでまた説明する通信モジュール300の機能を実行するためにプロセッサ337により実行することができるプログラムコードを含む少なくとも1つのプログラムモジュール339を有している。
【0116】
通信モジュール300を吸引ホース15へ組み付けるために、フック301が長辺壁305に設けられている。すなわちモジュールハウジング301は互いに反対を向く側に、それぞれ1つのフック307を有している。各々のフック307がフック突起308とフック凹部309とを有している。フック307は、例えばクランプ留め具321などのホース保持部320(
図8)を取り付けるための役目を果たす。ホース保持部320はその長辺領域322に、フック307と係合させることができるフック収容部323をそれぞれ有している。当然ながら、例えば面ファスナーテープなどを用いた、これ以外の取付テクノロジーも可能である。吸引ホース15の長辺16および/または17への通信モジュール300の統合も考えられていてもよく、それは、例えばそこに相応の管体、例えばゴム、プラスチックなどからなる接続片や接続管が設けられている場合である。あるいは通信モジュール300が吸引ホース15に接着され、溶接され、またはその他の仕方で吸引ホース15と結合されていてもよい。ただしこのことは、通信モジュール300の通信機能にとって大きな役割を演じるものではない。とはいえ、人間工学的に好都合な吸引ホース15への配置が好ましい。
【0117】
外部通信装置100を作業モードから動作準備完了モードへと切り換えるために、ログオン操作部材316が設けられている。ログオン操作部材316は、例えばキー317を含んでいる。ログオン操作部材316の機能はログオン操作部材106の機能に準ずるので、操作者はいわば同一の操作コンセプトを見出す。
【0118】
それに応じて表示装置314も、表示装置114と同一または類似に構成されている。例えば表示装置314は、通信モジュール300と外部通信装置100との間の制御接続の成立および/または存在と関連する情報を報知するランプ表示器を含んでいる。
【0119】
操作者が例えばログオン操作部材316を操作すると、特にキー317を押すと、特にブルートゥースインターフェース、WLANインターフェースなどの通信インターフェース311が通信インターフェース110に相応の制御信号を送信し、特に、動作準備完了モードへの切換をするための切換メッセージSNを送信する。それにより、外部通信装置110が動作準備完了モードへと切り換えられ、そのことを表示装置314が報知する。つまりログオン操作部材316の操作は、外部通信装置100が作業モードから動作準備完了モードへと切り換わることをもたらす。制御信号を送信するために、通信モジュール300と外部通信インターフェース110との間で暗号化および/または認証された接続が意図されるのが好ましい。
【0120】
切換部材334が操作されると、通信モジュール300が吸引ユニット75に対するスタートコマンドまたはスイッチオンコマンドを外部通信装置100に送信し、それに伴って集塵機70の制御装置86に送信する。例えば回転部材、スライド部材などの切換部材335を用いて、通信モジュール300は外部通信装置100へ、およびこれに伴って集塵機70へ制御コマンドを送信することができ、これによって例えば吸引ユニット75の回転数および/またはその出力を調整可能である。したがって通信モジュール300は、吸引ユニット75に対する遠隔制御部としての役目を果たすことができる。遠隔制御機能についても、通信モジュール300と外部通信装置100との間の保全的な、および/または暗号化された制御接続が好ましい。
【0121】
通信モジュール300は集塵機70のシステムコンポーネントを形成するので、通信モジュール300から外部通信装置100への制御接続はいわば恒常的な制御接続である。このような種類の制御接続はその成立のために、システムコンポーネント11または12と集塵機70との間の制御接続よりも高い難度を要請する。それに応じて、通信モジュール300を集塵機70ないし外部通信装置100で認証またはログオンするために、例えばログオン操作部材106および/または316が長く操作される。それに比べて、システムコンポーネント11または12のうちの1つと、例えばエネルギー蓄積器モジュール40と、外部通信装置100との間の制御接続を成立させるためのログオン手順は、例えばログオン操作部材106および/または316の短い操作を用いて容易に成立させることができる。
【0122】
工作機械20A,20Bはエネルギー蓄積器モジュール40A,40Bを用いて集塵機70と通信し、これを制御接続S1およびS2を介して制御することができる。ただし制御コマンドは制御接続S1,S2を介して直接にではなく、外部通信装置100での工作機械20A,20Bの事前のログオン/認証の後で初めて送信することができる。すなわち、それぞれの制御接続S1,S2が最初に成立しなければならず、その後で、互いに離れているコンポーネント20A,70ないし20B,70の間での制御コマンドおよび/またはメッセージ信号の伝送のために利用することができる。
【0123】
このときコンフィグレーションは、工作機械20A,20Bが集塵機70と直接ワイヤレス式に通信するのでなく、これらに付属する、これらに取り付けられたエネルギー蓄積器モジュール40A,40Bを用いて通信するように行われる。ただし、ワイヤレス通信インターフェース60との関連で以下に説明する通信を工作機械20Bでも具体化可能であることも十分に可能であり、すなわち、例えば制御接続S2に類似して直接的に(図示せず)、またはあとで明らかとなる通信モジュール300Bおよび300Cを介して間接的に具体化される。
【0124】
原則としてエネルギー蓄積器モジュール40A,40Bは、ワイヤレス通信のために工作機械20A,20Bにとってのいわばゲートウェイを特に制御方向で、すなわち工作機械20A,20Bから集塵機70に向かって形成する。あるいは、これと逆に集塵機70から工作機械20A,20Bに向かう通信方向も「ゲートウェイ」40A,40Bを介して可能である。
【0125】
このような機能を特別に簡単に具体化可能にするために、エネルギー蓄積器モジュール20A,20Bはインテリジェンスを有しており、それにより、例えば集塵機70とのワイヤレス通信を必要とする、もしくはそれを具体化する器具と接続されているのか、それともそれ以外の器具と、例えば集塵機動作に適していない例えばねじ締め器具、接着機械などの工作機械と接続されているのかを認識できるようになっている。特にエネルギー蓄積器モジュール40A,40Bは、充電器具220と接続されているのか否かを検知することができる。
【0126】
すなわち充電器具220は、例えばバスインターフェースBUを通じて照会メッセージ700を制御装置46に送信し、これによってエネルギー蓄積器42の現在の充電状態、蓄積器セル43の状態および/または最大の充電電圧、最大の充電電流などを照会する。制御装置46は、相応の情報が保存されている応答メッセージ701をもって応答する。照会メッセージ700の品質を参照して、すなわち、例えば最大限許容される充電電流の大きさが照会されたという事実を参照して、エネルギー蓄積器モジュール40が充電器具に接続されており、集塵機とのワイヤレス通信接続を必要とする工作機械20Aまたは20Bのような種類の電力消費部が接続されているのではないことを認識する。
【0127】
あるいはこれ以外の情報も、充電器具220のような種類の充電器具への接続を認識するために、エネルギー蓄積器モジュール40によって利用することができる。例えば充電器具220から提供される充電電圧ULは、電力消費部が接続されたときに回線L1とL2または供給接点52A,52Bの間で印加される供給電圧UVよりも高い。
【0128】
制御装置46は、バスインターフェースまたはデータインターフェース54を通じて電気エネルギーの供給を受ける。充電器具220から提供される、供給回線VDまたはデータ接点53Aで印加される供給電圧UB2はその電圧高さに関して、電気式の手動工作機械220がデータ接点53Aで提供する供給電圧UB1と相違する。供給電圧UB1は例えば3ボルトであり、供給電圧UB2は5ボルトである。
【0129】
データインターフェース54には、電圧UB1およびUB2の相違する電圧高さを検出するために、例えば電圧測定装置61、特に電圧センサ、抵抗回路などが設けられており、それにより制御装置46は、充電器具(充電器具200)に接続されているのか、それとも工作機械20A,20Bのような種類の電力消費部ないし電気式の工作機械に接続されているのかを認識することができる。
【0130】
制御装置46は、エネルギー蓄積器モジュール40が工作機械20に接続されているか充電器具220に接続されているかに依存して、ワイヤレス通信インターフェース60の動作モードを変更することが可能である。例えば制御装置46は、エネルギー蓄積器モジュール40が工作機械20に接続されているときにはワイヤレス通信インターフェース60を作動化させ、それに対して、エネルギー蓄積器モジュール40が充電器具220に接続されているときには、ワイヤレス通信インターフェース60を不作動化する。
【0131】
エネルギー蓄積器モジュール40が充電器具220に接続されているとき、制御装置46がワイヤレス通信インターフェース60を不作動化するのでなく、通信モードを変更することも可能である。例えばエネルギー蓄積器モジュール40が工作機械20に接続されておらず、例えば充電器具220と接続されているとき、またはこの種の接続を有していないとき、あとで説明するコンフィグレーション装置500との、特にスマートフォンとの通信のために、ワイヤレス通信インターフェース60をアクティブなままに保つことができる。例えばスマートフォンなどのコンフィグレーション装置500を用いて、例えばプログラムデータなどをエネルギー蓄積器モジュール40へ、たとえそれが工作機械20と接続されていなくても伝送することができる。
【0132】
一方、エネルギー蓄積器モジュール40Aまたは40Bが工作機械20Aまたは20Bと接続されているときには、集塵機70との、特にその外部通信装置100とのワイヤレス通信が問題なく容易に可能である。
【0133】
機能・通信手順400は、例えば操作者Nの操作行為401をもって開始される。システム10の操作者Nが例えば集塵機70を供給電源EVに接続し、またはスイッチもしくは切換部材78を操作して、集塵機が基本的に動作準備完了するように、すなわち機能410「作動中の状態」を有するようにする。
【0134】
これをうけて外部通信装置100の制御装置117が状態411へと切り換わり、この状態のとき外部通信装置は集塵機70を制御するためにすでに認証された器具となる。この状態411は、例えば事前設定された時間のあいだ、特に1分または2分のあいだ続き、その後に再び終了する。このような時間的制約は、集塵機70への認証されていないアクセスのリスクを低減する任意選択である。
【0135】
この機能性およびこれに続く機能性を実行するために、制御装置116は、例えば外部通信装置100の記憶装置118に格納されたプログラムモジュール119のプラグラムコードを実行するためのプロセッサ117を有する。
【0136】
プログラムモジュール119の機能412は、例えばログオン操作部材106の情報の検出を可能にする。すなわち、操作者が例えばステップ413でログオン操作部材106を操作すると、特に押すと、このことを機能412が出力コマンド414を用いて操作者Nに応答メッセージし、すなわちそれは、この機能が表示装置114を制御して、外部通信装置100およびこれに伴って集塵機70が新たな制御接続を成立させる準備を完了したことを操作者に示すことによる。外部通信装置100は状態415へと移行し、すなわち、外部コンフィグレーション装置100との制御接続を成立可能である動作準備完了モードへと移行する。
【0137】
通信モジュール40は機能・通信手順400の開始時には状態430「スリープ」にあり、すなわちインアクティブである。これを起点として、制御接続S1またはS2のうちの1つを成立させるための複数のシナリオが可能であり、そのうち以下においては第1のシナリオを説明する:
操作者Nが例えば工作機械20Aの切換部材24を操作して、これをスイッチオンする。しかし、工作機械20Aないしこれに割り当てられたエネルギー蓄積器モジュール40Aは、吸引ユニット75をスイッチオンするための切換コマンドまたは制御コマンドを出力する認証をまだ受けていない。しかしこの種のログオンまたは認証は、操作者Nが切換部材24を単に操作したときに、いわば自動的に行われる。
【0138】
操作者Nが切換部材24を操作すると、工作機械20Aとエネルギー蓄積器モジュール40Aの間の通信関係がアクティブに切り換えられ、および/または成立する。エネルギー蓄積器モジュール40は、すなわちエネルギー蓄積器モジュール40A,40Bの各々は、切換部材24の操作によってリリースされる動作情報を手掛かりにして、制御接続の成立と利用に適した器具が器具インターフェース50に接続されていることを認識する。
【0139】
すなわちエネルギー蓄積器モジュール40は、例えば供給電圧UVを参照して、電力消費部が接続されていることを認識することができる。この電圧UVは、充電器具220の電圧ULとは相違している。
【0140】
さらに別の動作情報は、例えば制御装置26から供給回線VDまたはデータ接点53aに提供される供給電圧UB1でもあり得る。この供給電圧UB1は充電器具220の供給電圧UB2とは相違しており、特にこれよりも低い。すなわち、このようにして供給電圧UB1も切換部材24の操作を表す指標の1つを形成する。
【0141】
さらに、バスBUでの初期化通信を、集塵機70を制御する器具すなわち工作機械20Aまたは20B(以下において工作機械20とのみ呼ぶ)によるデータインターフェース54の作動化を表す指標として制御装置46によって評価することができる。例えば照会メッセージ750が制御装置26から制御装置46に送信され、これによって例えばエネルギー蓄積器モジュール40の提供可能な供給電圧UVが照会される。あるいは照会メッセージ750には、電気器具ないし工作機械20を識別するデータ、例えば工作機械20A,20Bをダスト吸出しを必要とする工作機械として特徴づける識別記号751が含まれていてもよい。照会メッセージ750は、例えば工作機械20の動作準備完了情報である。制御装置46は応答メッセージ752によって照会メッセージ750に応答し、照会された情報および/またはエネルギー蓄積器モジュールの充電状態などの情報を提供する。
【0142】
このように切換部材24の操作によりリリースされる形で、エネルギー蓄積器モジュール40が例えばプログラムモジュール419の機能431でワイヤレス通信インターフェース60を介して、送信プロセス432の一環としてログオンメッセージ440を外部通信装置100に送信する。
【0143】
ログオンメッセージ440は、例えばブロードキャスト送信器識別記号44xを含んでおり、すなわち、集塵機70にだけでなく、原則として受信準備が整った複数の集塵機に向けられるログオンメッセージを含んでいる。さらに、ログオンメッセージ440には認証パラメータ442が任意選択で記される。認証パラメータ442は、例えばエネルギー蓄積器モジュール40または工作機械20の集塵機70との基本的なシステム適合性を含んでいる。認証パラメータ442は、例えば製造者識別記号などを含むことができる。
【0144】
外部通信装置100は機能416によりログオンメッセージ440を受信する。機能416は事前設定された時間帯のあいだ、例えば500msecから1000msecのあいだアクティブになる。この時間中に、ログオンをするエネルギー蓄積器モジュール40によるログオン手順が完結していなければならないからである。外部通信装置100はログオン受領確認メッセージ445をもって、エネルギー蓄積器モジュール40のログオンを受領確認する。ログオン受領確認メッセージ445は、ステップまたは送信プロセス417で送信される。ログオン受領確認メッセージ445は、例えばエネルギー蓄積器モジュール40のアドレス識別記号446を送信者アドレスとして含んでいる。任意選択として、例えばアクセスキー、パスワードなど、さらに別の情報447がログオン受領確認メッセージ445に含まれていてよい。あるいは情報447は、例えば吸引ユニット75の所要の、または設定されるべき吸引出力を特徴づけることもでき、その後の動作について好都合なその他の情報でもあり得る。
【0145】
ただし外部通信装置100でのエネルギー蓄積器モジュール40のログオンは、現在の動作のために必要である暫定的なログオンにすぎない。それに応じて、ログオンメッセージ440には暫定識別記号443が含まれるのが好ましく、それにより外部通信装置100は、いわば暫定的なログオンないし暫定的な制御接続だけが希望されていることを知ることができる。
【0146】
ここで例えば通信モジュール300のいわば恒常的なログオンとの相違も明らかとなる。つまり通信モジュール300をログオンするには、さらに手数のかかる、もしくはさらに難しい操作者Nの操作行為が必要であり、すなわち、例えば暫定的なログオンの場合よりもログオン操作部材106を長く操作することが必要である。恒常的な制御接続または通信関係のための動作準備完了モードでは、外部通信装置100が出力コマンド414で、暫定的な制御接続のためのログオンと比べて異なる信号を表示装置114への出力のために、例えばLEDの高速での点滅ないし短い周波数でのLEDの点滅のために与える。最後に通信モジュール300は、ログオンメッセージ440に匹敵するログオンメッセージの中に暫定識別記号443ではなく恒常識別記号を記す。
【0147】
ワイヤレス通信インターフェース60ないしエネルギー蓄積器40が集塵機70ないし外部通信装置100で成功裡にログオンすると、これら両方のコンポーネントは状態418「接続済み」へと移行する。恒常的にログオンされた通信モジュール300もこの状態をとることになる。さらに追記しておくと、機能431は時間制限を含んでいるのが好ましい。切換部材24がスイッチオンされてから、および/またはログオンメッセージ440が送信されてから例えば500から1000msecの事前設定された、または設定可能な時間内にログオン受領確認メッセージ445が現れないとき、そのログオン試行はいわば失敗する。
【0148】
状態418「接続済み」を起点として、認証手続および/または暗号化手続が意図されるのが好ましい。すなわちその後に確立される制御接続S1またはS2は、認証および/または暗号化されて行われるのが好ましい。
【0149】
例えば外部通信装置100は暗号化パラメータ451を用いて送信をする。すなわち、外部通信装置100とエネルギー蓄積器モジュール40A,40Bのうちの1つとの間で以前の暗号化ないし以前の通信がすでに存在しているとき、外部通信装置100は既存のパラメータを援用する。例えば外部通信装置の記憶装置118には、すでに以前に存在していたエネルギー蓄積器モジュール40A,40Bへの制御接続のアドレス識別記号446ならびにこれに割り当てられた暗号化パラメータ451が保存される。
【0150】
例示として付言しておくと、これ以外のアドレス識別記号およびこれに割り当てられた暗号化パラメータが記憶装置118に保存されていてもよく、それは、例えば工作機械20Bのワイヤレス通信インターフェース60Cと外部通信装置100との間の制御接続についてのワイヤレス通信インターフェース60Cのアドレス識別記号446Cならびに暗号化パラメータ451Cである。
【0151】
ここでさらに付言しておくと、外部通信装置100は、それぞれのエネルギー蓄積器モジュール40について暗号化パラメータが既知でないとき、メッセージ455を用いて暗号化パラメータ451を、または別の新しい暗号化パラメータ456を送信し、それにより、それぞれのコンポーネント100,40の間での暗号化された通信が可能となり、そのようにして状態421「暗号化された接続」が実現される。
【0152】
任意選択として外部通信装置100は、特にその制御装置116は、表示装置114を制御し(ステップ423A)、それによりこの表示装置が、存在している暗号化された接続を報知する。そのとき表示装置114は例えば恒常的に点灯する。
【0153】
1つのエネルギー蓄積器モジュールにおいて、複数のアドレス識別記号および/または暗号化パラメータが保存されていることも可能である。例えばエネルギー蓄積器モジュール40ないし制御装置46において、図面には示さない別の集塵機のアドレスデータと暗号化データを、すなわち例えばこの別の集塵機のアドレス識別記号441Bと暗号化パラメータ451Bを保存していることが意図されていてよい。このようにエネルギー蓄積器モジュール40も、必要時には、いわば他の集塵機に直接的にアクセスすることができる。
【0154】
機能通信手順400に戻ると、その後の通信は例えば次のように進行する:
機能433「スイッチオン」でエネルギー蓄積器モジュール40が、例えば制御装置46が、例えばスイッチオン識別記号461を含む制御コマンド460を送信プロセス434で送信する。さらに制御装置46が作動化ステップ435で、確立された制御接続S1またはS2を表示するために表示装置44を作動化する。すると例えばランプ445が青色に点灯し、または、充電状態の表示とは別のパターンで点灯する。
【0155】
制御コマンド460を受けた後に外部通信装置100が例えば制御装置86を制御し、それにより、これがステップ422で吸引ユニット75をスイッチオンする。さらに外部通信装置100は、特にその制御装置116は表示装置114を制御し(ステップ423)、それにより、これが吸引ユニット75のスイッチオンを報知する。すると、例えば表示装置114が恒常的に点灯する。
【0156】
操作者Nが切換部材24を離すと、例えば駆動モータ22を通る通電が終了する。例えば相応の電流センサ62を参照して、このことを制御装置46が検出することができる。供給電圧またはバス電圧UB1もこのケースでは低く、または小さい。さらに、エネルギー蓄積器モジュール40がデータインターフェースまたはバスインターフェース34、54を介して、メッセージ753「モータをスイッチオフ」をアクティブに送信することが可能である。操作者Nの操作ステップ403によってリリースされるこれらのリリース結果の1つまたは複数が、エネルギー蓄積器モジュール40の機能436「スイッチオフ」をもたらす。そしてこれが送信プロセス437で、好ましくは吸引ユニット75の事前設定された遅延時間の後に吸引ユニット75をスイッチオフするための制御コマンド462を送信し、このメッセージまたは制御コマンド462はスイッチオフ識別記号463を含んでいる。スイッチオフ識別記号463には、例えば集塵機70ないし吸引ユニット75についての遅延時間が記されていてよい。
【0157】
照会メッセージ750およびメッセージ753は受信情報EMを形成し、これをエネルギー蓄積器モジュール40がデータインターフェース54で受信して、これに依存して送信信号SIIすなわち例えばログオンメッセージ440をワイヤレス通信インターフェース60に出力する。
【0158】
応答メッセージ445は例えば受信信号ESIであり、これを用いてエネルギー蓄積器モジュール40がデータインターフェース54で応答メッセージ752を送信情報SMとして出力する。
【0159】
機能427「スイッチオフ」では、通信装置100が直接的に、または制御装置86の制御のもとで、スイッチオフするように吸引ユニット75を制御するとともに、制御の終了を表示するように表示装置114を制御する。例えば機能427は制御コマンド425を吸引ユニット75へ直接的に出し、または制御装置86すなわちデータインターフェース83および108を介して出す。
【0160】
工作機械20の切換部材24が再び操作されると、エネルギー蓄積器モジュール40は吸引ユニット75をスイッチオンおよびスイッチオフするために、さらに別の後続の制御コマンド460および462を送信することができる。事前設定された時間の後、エネルギー蓄積器モジュールと外部通信装置100の間のそれぞれの制御接続が終了することが意図されるのが好ましく、それにより、例えば外部通信装置は状態428(状態411に相当)へと移行して、制御接続を成立させるために認証された器具を探す。それに対してエネルギー蓄積器モジュール40は状態439へ、すなわち状態「スリープ」へ、状態430に準じて移行する。エネルギー蓄積器モジュール40から外部通信装置100または集塵機70への制御接続が終了すると、機能436が表示装置44へこの新たな動作状態を出力するのが好都合であり、それは、表示装置44が不作動化ステップ438での制御によって制御接続の終了を報知するように制御されることによる。するとランプ45が例えば青色ではなく緑色に点灯して、エネルギー蓄積器42の充電状態を報知する。
【0161】
さらに、工作機械20はバスBUを通じてコンフィグレーションメッセージ754をエネルギー蓄積器モジュール40に送信することが可能である。コンフィグレーションメッセージ754には、例えば集塵機70を調整するためのコンフィグレーションデータ755が記され、それは、例えば吸引ユニット75の必要な吸引出力、工作機械20で生成されるダスト中の典型的な粒子量などである。エネルギー蓄積器モジュール40はこれらのデータをワイヤレス通信インターフェース60を通じて外部通信装置100へ集塵機70のコンフィグレーションのために、例えばコンフィグレーションメッセージ465として転送するのが好ましい。外部通信装置100はコンフィグレーションデータ755を制御装置86へ以後の処理のために、特に吸引ユニットの適切な制御のために、例えば送信プロセス437’を用いて転送する。
【0162】
制御装置86および/または外部通信装置100がコンフィグレーションデータ755を恒常的に、かつそれぞれの工作機械20Aおよび20Bに割り当てたうえで、例えば記憶装置88および/または118に保存すると好ましい。
【0163】
さらに、保存されているコンフィグレーションを操作者が、例えば操作部材構造77を操作することで、いわばオーバーライドすることができると好ましい。例えば切換部材78Aで、吸引ユニット75の吸引出力を調整可能であってよい。
【0164】
集塵機がそれぞれの工作機械によって、例えば工作機械20Aまたは20Bのうちの1つによって現在制御されているときに、操作者により集塵機で直接設定された吸引パラメータが、特に切換部材78Aまたは操作部材構造77のその他の操作部材で設定された吸引パラメータが、制御装置86および/または外部通信装置100によって恒常的に、かつそれぞれの工作機械20Aおよび20Bに割り当てたうえで、例えば記憶装置88および/または118に保存されることが可能である。このシナリオでは、コンフィグレーションデータ755または吸引パラメータが工作機械20Aまたは20Bからワイヤレス式に送信されることが可能であるが、絶対に必要というわけではない。
【0165】
あるいは、エネルギー蓄積器モジュール40と工作機械20が互いに結合されたときに、制御接続の成立をいわば自動的に行うこともできる。以下において、エネルギー蓄積器モジュール40のうちの1つを例にとってこのことを説明する。あるいは、エネルギー蓄積器モジュール40によるエネルギー供給がいわば開始されたときに、ないしはこれが器具インターフェース30に配置されたときに、例えばワイヤレス通信インターフェース60Cがこのような方式でいわば自動的に、集塵機70または外部通信装置100へのそれぞれの制御接続を成立させることも可能である。
【0166】
例えばエネルギー蓄積器モジュール40および/または工作機械20はキャパシタンスセンサ66,36を有することができ、これらによって供給接点32A,32Bないし52A,52Bの間のキャパシタンスC1およびC2を測定可能である。すなわち容量比率は回線L1とL2の間で、すなわちエネルギー供給をする接点またはエネルギー供給をする回線で、それぞれのエネルギー蓄積器モジュール40が工作機械20に取り付けられたときに変化する。センサ36,66は制御装置26,46と接続されており、またはこれらと通信する。すなわち、例えば制御装置46は、工作機械20が接続されていることを、すなわち動作状態が実現されたことをセンサ66が認識したとき、ログオンメッセージ440を自動的に送信する。
【0167】
エネルギー蓄積器モジュール40と工作機械20および/または集塵機の間の分断状態/または動作状態を認識するために、動作状態または分断状態をチェックするために、特にチェックするためだけに設けられる少なくとも1つのチェックメッセージがデータインターフェースで、例えばバスインターフェースBUで意図されていてよい。例えば一種のPingメッセージがそのために意図されていてよい。プロセッサ27が、および/または前述した目的のために専用に設けられる工作機械20または充電器具220のプロセッサ27Aが、チェックメッセージCKを特に周期的に送信することができ、エネルギー蓄積器モジュール40はこれを参照して、例えばそれが工作機械20または充電器具220に接続されていることや、その種の器具への接続が存在しないことを認識する。チェックメッセージCKを受信するためにプロセッサ47が、または当該メッセージについて専用に設けられるプロセッサ47Aが、エネルギー蓄積器モジュール40に存在することが可能である。プロセッサ47および/または47AはチェックメッセージCKに対する応答として、例えば応答メッセージRPを送信する。
【0168】
これ以外の方法でも、エネルギー蓄積器モジュール40と工作機械20が分断状態にあるか、それとも器具インターフェース30,50が互いに結合された、互いに接続された動作状態にあるかをセンサで検出することができる。
【0169】
例えばセンサ58が、固定装置55の操作部材57の操作を走査することができる。操作者が操作部材57を押したとき、すなわち固定装置55の固定を解除しようとしたとき、このことは動作状態から分断状態への移行として判断される。エネルギー蓄積器モジュール40は、特にワイヤレス通信インターフェース60は、このようなケースでは例えば制御接続S1またはS2を自動的に終了することができる。そのためにワイヤレス通信インターフェース60は、例えば相応の分断コマンドまたは分断メッセージを送信する。コンポーネント20および40が互いに分断されるので、操作部材57の操作によって集塵機70もスイッチオフすることができると特別に好ましい。例えば制御装置46は、センサ58によって検出可能である操作部材57の操作時に、制御コマンド462を送信する。
【0170】
あるいは、例えば1つまたは複数の運動センサが設けられ、例えばエネルギー蓄積器モジュール40に運動センサ59、工作機械20に運動センサ59Bが設けられることも可能である。運動センサ59,59Bが同一形状の運動を報知しているとき、制御装置46,26はそのことを相互に通信し、それにより、エネルギー蓄積器40と工作機械20が動作状態にあり、すなわち相互に取り付けられた状態にあると認識することができる。
【0171】
さらに、例えば光学センサ68またはその他の近接センサが、器具インターフェース30がいつ器具インターフェース50に取り付けられたかを検出することが可能である。光学センサまたは近接センサ68が一例として
図5のエネルギー蓄積器モジュール40Aに図示されているが、工作機械20の器具インターフェース30にも容易に設けられ得る(
図4参照)。
【0172】
近接センサまたは光学センサ68に類似して(例えば超音波センサ、磁気センサなどが設けられていてもよいであろう)、電気式のスイッチ68、特に押しボタンスイッチまたはキー式スイッチも、差込・形状接合輪郭51および31が互いに係合したときに、すなわち器具インターフェース30,50が機械的に互いに結合されたときに、操作される。このように電気式のスイッチ69も、器具インターフェース30,50の動作状態を分断状態から区別することができ、ワイヤレス通信インターフェース60Cまたはエネルギー蓄積器モジュール40がログオンメッセージ440を送信することにつながる。
【0173】
エネルギー蓄積器モジュール40が受信情報EMの枠内で少なくとも1つのステータス情報を、特にエラー情報および/または電気器具のスイッチの切換位置および/または少なくとも1つの識別情報、例えば電気器具のシリアルナンバーを受信することも可能である。例えばエネルギー蓄積器モジュール40は、エラー情報をステータス情報29Cとして、および識別情報29Dを、例えば工作機械20の一義的な識別子またはシリアルナンバーを、工作機械20から受信することができる。このとき、工作機械20がこれらの受信情報EMをデータインターフェース54を介して自発的に、すなわち工作機械20でのエネルギー蓄積器モジュール40による事前の照会なしに、送信することが可能であり、または、エネルギー蓄積器モジュール40がこれらの受信情報EMを工作機械20で照会することが可能である。エラー情報は、例えば工作機械20の過熱や電気的な過負荷を表すことができる。識別情報29Dは型式識別記号も含むことができ、それにより、例えば特にねじ締め器具、鋸機械などの工作機械20の種類を、識別情報29Dを参照して認識可能である。
【0174】
前述した受信情報EMは例えば安全性関連ではなく、または機密保持されるものではない。そのことが特に好ましいのは、エネルギー蓄積器モジュール40がこれらの受信情報EMをブロードキャスト通信またはアドバタイジング通信の枠内で周期的もしくは定期的に、および/または分断状態から動作状態への移行時に、すなわち工作機械20への接続時に、特に暗号化せずに送信する場合である。当然ながら、例えば暗号化パラメータがエネルギー蓄積器モジュール40とコンフィグレーション装置500またはその他の受信をする器具との間ですでに交換されている場合には、暗号化された通信を行うこともできる。前述したいずれのシナリオにおいても、例えばコンフィグレーション装置500は識別情報29Dおよび/またはステータス情報29Cをエネルギー蓄積器モジュール40から受信することができる。
【0175】
集塵機70は、説明したように、1つまたは複数の通信モジュール300を有することができる。複数のコンフィグレーションモジュール300A,300Bおよび300Cを有する構造は任意選択であり、すなわち、例えばこれらの通信モジュールのうち1つだけが設けられていてよく、あるいは1つも有さなくてよい。それでも集塵機70は機能するはずである。
【0176】
通信モジュール300Aはその通信インターフェース311を用いて、制御接続を維持または成立させるために利用することができる。例えば通信モジュール300Bおよび300Cによって少なくとも部分的に成立する、および/または維持される、手動工作機械20Bまたはエネルギー蓄積器モジュール40Bから集塵機70ないし外部通信装置100への制御接続S6を成立させることができる。
【0177】
例えば工作機械20Aのワイヤレス通信インターフェース60C、またはエネルギー蓄積器モジュール40Bのワイヤレス通信インターフェース60は、区画S61でまず通信モジュール300と通信することができ、それにより例えば制御コマンド460および/または462を送信し、すなわち吸引ユニット75をスイッチオンおよびスイッチオフする。通信区域または接続区画S6.2で、通信モジュール300がこの情報または制御コマンドを通信モジュール300Bへ通信し、さらにこれが受信した制御コマンドまたは受信した情報を、接続区画S63で、外部通信装置100または集塵機70へと転送する。通信モジュール300Bおよび300Cは、一方におけるシステムコンポーネント20B/40Bおよび他方における集塵機70ないし通信装置100に対して短い距離でのみ配置されているので、接続区画S61およびS63は短い。それに応じて、外部通信装置100とワイヤレス通信インターフェース60/60Cの送信出力も特別に低くされ得る。
【0178】
特に、それぞれの通信モジュール300Bとワイヤレス通信インターフェース60、60Cとの間の、または通信モジュール300Cと外部通信装置100との間の短い伝送経路では送信出力が特別に低いばかりでなく、安全性の側面も特別に好都合である。例えば通信モジュール300Bおよび300Cの受信到達距離は、第三者の干渉情報や障害となる制御コマンドが通信モジュール300Bおよび330Cによってそもそも受信、転送されない程度に短く構成されていてよい。
【0179】
当然ながら、通信モジュール300Bおよび300Cは集塵機70から送信される情報もエネルギー蓄積器モジュール40Bまたは工作機械20Bへ転送することができ、すなわち、集塵機から工作機械へ、またはその逆に工作機械から集塵機へ単方向に、あるいは双方向にも作動することができる。ゲートウェイ機能は双方向なのが好都合である。例えば集塵機70は、このケースでは通知接続である制御接続S6を通じて、例えば汚物収集室73の充填レベルを通知することができ、それにより、ダスト排出が可能でなくなったときに、場合により工作機械20Bがその動作を中止する。
【0180】
通信モジュール300Aおよび300Bも工作機械22Aと集塵機70の間で、このようにして容易にゲートウェイ機能を具体化することができる。
【0181】
ゲートウェイ機能の具体化のために2つの通信モジュールが設けられ、そのうち一方が集塵機の近傍に配置され、他方が工作機械またはそのエネルギー蓄積器モジュールの近傍に配置されることは必ずしも必要ではない。例えば通信モジュール300が、例えば通信モジュール300Aが、外部通信装置100とエネルギー蓄積器モジュール40Aの間でゲートウェイとしての役目を果たすことが可能である。
【0182】
通信関係および特に制御関係の成立にあたっても、通信モジュール300がサポートをすることができる。さらに通信モジュール300は以下に述べる仕方により、外部通信装置100との制御または通信をするワイヤレス接続についても認証を受けることができる。
【0183】
例えば外部通信装置100は、通信インターフェース110とは区別される第2の標準に基づく通信インターフェース109を有する。例えば通信インターフェース110の第1の標準はブルートゥース・WLANまたはその他の標準であり、それに対して通信インターフェース109の第2の標準は近距離無線通信用に仕向けられ、例えばRFID通信インターフェースであり、あるいはNFC通信インターフェースである。
【0184】
システム10のその他のコンポーネントも、このような第2の標準の別の通信インターフェースを有するのが好都合である。例えば通信モジュール300には、このような種類の通信インターフェース318が存在している。エネルギー蓄積器モジュール40も、このような種類の第2の標準の通信インターフェースを、すなわち通信インターフェース67を有することができる。最後に、第2の標準の通信インターフェースは集塵機ハウジング71の表面または内部に直接的に、特に通信インターフェース84として設けられていてもよい。
【0185】
第2の標準の、例えば近距離無線通信標準の通信インターフェースは、制御接続または通知接続S1,S2のために必要な通信パラメータを保存および/または伝送するための役目を果たす。通信モジュール300Aおよび300Bが集塵機70を制御する、例えば吸引ユニット75をスイッチオンおよびスイッチオフする制御接続S3およびS4も、このようにしていわば認証またはパラメータ化することができる。最後に、すなわち制御接続S6も、第2の標準の通信インターフェースを用いたうえでゲートウェイ機能に合わせて調整することができる。
【0186】
以下においていくつかの変形例を提案する:
例えば、通信インターフェース84および/または通信インターフェース109では通信パラメータ85として、集塵機70または外部通信装置100との制御接続を成立させるために必要である、集塵機70のアドレス識別記号441および暗号化パラメータ451が保存される。これらの通信モジュール300A,300Bまたは300Cのうちの1つがその通信インターフェース318とともに通信インターフェース109および/または通信インターフェース84の送信領域に入ると、通信パラメータ85を読み出すことができる。これと逆の方式も可能であり、例えば通信モジュール300の通信パラメータがこれに保存され、通信インターフェース109,84のうちの一方または両方によって読出可能である。
【0187】
あるいはこのようにして、ワイヤレス通信インターフェース60または60Cをコンフィグレーションすることもできる。例えば工作機械20の通信インターフェース37は、通信インターフェース84の近傍にあるときに、通信パラメータ85を読み出すことができる。それぞれのエネルギー蓄積器モジュール40もその通信インターフェース67を用いて、通信パラメータ85を通信インターフェース84および/または109から読み出し、ないしはこれから受信することができる。
【0188】
外部通信装置100に対する通信モジュール300および/またはエネルギー蓄積器モジュール40Bの制御接続を成立させるために、例えば通信インターフェース909を例えばNFC送信器またはRFID送信器の形態で具体化することもできる。通信インターフェース909は、例えば吸引ホース15の長手方向端部領域17に配置される。例えば通信インターフェース909は、集塵機70または870の読出をする相応の通信インターフェース910によって読出可能である、第1の標準についての通信パラメータを含んでいる。通信インターフェース909は例えばRFIDタグ、NFCタグなどであってよい。通信インターフェース909には、例えば吸引ホース15のホースジオメトリー、特にその長さおよびまたは直径など、さらに別のパラメータ911も保存されていてよく、このような別のパラメータ911も通信インターフェース910によって読出可能である。
【0189】
さらに、第2の標準の通信インターフェースのうちの1つまたは複数が、いわばトランスファ通信パラメータとしての役目を果たすことが可能である。例えば通信モジュール300Bは、通信パラメータ85を集塵機ハウジング71で、すなわち通信インターフェース84および/または109で直接的に読み出すことができ、そして、これを工作機械20Bおよび/またはエネルギー蓄積器モジュール40Bへ伝送することができる。通信モジュール300Bは、このケースではいわば通信パラメータ85の中間記憶装置である。
【0190】
外部通信装置100ないし集塵機70を制御接続の成立のために動作準備完了モードに切り換えるさらに別の選択肢が、例えば加速度センサまたは運動センサ312によって具体化される。加速度センサ312は加速度信号を制御装置336に送信し、これが加速度センサ312の運動信号または通知信号を参照して、手動工作機械20A,20Bへの吸引ホース15の典型的な接合運動または組付運動を認識する。例えば制御装置336は加速度センサ312を参照して、事前設定された長さを有する、すなわち吸引吐出部39のうちの1つへ吸引ホース15を接合するときの差込距離を有する、直線運動および/または回転運動をなす典型的な差込運動を認識する。
【0191】
さらに、エネルギー蓄積器モジュールまたは工作機械の内部にある別の運動センサを用いて運動パターンが認識されることが可能である。例えばエネルギー蓄積器モジュール40の運動センサ59は運動パターンを検出し、これをワイヤレス通信インターフェース60を介して通信モジュール300に伝送することができる。通信モジュール300は運動センサ59の運動パターンを、運動センサまたは加速度センサ312の運動パターンと比較する。両方の運動パターンが同一であれば、このことは、吸引ホース15が工作機械20に取り付けられていること、または取り付けられることを表す指標であり、それは、例えば運動パターンが同じ向きであるが反転している場合である。このような情報を参照して、通信モジュール300は例えば制御接続S1またはS2を構築することができる。すなわち、運動センサ312および/または59の運動パターンの認識が、例えばそれぞれの制御接続S1またはS2の成立および/またはペアリング機能を、特にログオンメッセージ360の送信をリリースすることができる。
【0192】
コンフィグレーションおよび/または制御をするために、工作機械、エネルギー蓄積器モジュール、吸引ホース、および集塵機のシステムの外部にある器具、すなわち例えばコンフィグレーション装置500なども利用することができる。コンフィグレーション装置500は例えばコンピュータ、特にスマートフォン、スマートウォッチ、タブレットコンピュータなどである。コンフィグレーション装置500は、吸引ホース15および集塵機70から独立した移動型のハウジング501を有している。さらにハウジング501は、工作機械20またはエネルギー蓄積器モジュール40のうちの1つの構成要素ではない。あるは、例えば集塵機70にモジュール収容部96が存在し、その中に、遠隔操作にも適したコンフィグレーション装置500を差込可能であることも考えられよう。コンフィグレーション装置500は、利用者Nのために情報を出力するために、ならびにコマンドを入力するために、表示装置502ならびに入力手段503を有している。入力手段503は、例えばタッチパッドのような形式で、表示装置502の構成要素であってよい。
【0193】
コンフィグレーション装置500は、プロセッサ507ならびに記憶装置508を備えた制御装置506を有している。記憶装置508には1つまたは複数のプログラムモジュール509が格納されていて、そのプログラムコードをプロセッサ507により実行可能である。さらに記憶装置508には、制御接続S1-S4をコンフィグレーションするのに適していてよいコンフィグレーションモジュール510が格納されている。コンフィグレーションモジュール510は、プロセッサ507により実行可能であるプログラムコードを有している。コンフィグレーション装置500は、通信モジュール300と同じ形式で集塵機70を直接的に制御することができる。そのために、例えば外部通信装置100と直接的に通信することができる通信インターフェース511、特にブルートゥースインターフェース、WLANインターフェースなどが設けられている。例えば入力手段503での入力が、ログオン操作部材316または106のうちの1つの操作と同じ形式で可能である。そしてコンフィグレーション装置500は、例えばコンフィグレーションモジュール510のプログラムコードを実行して、エネルギー蓄積器モジュール40または工作機械20を制御接続の成立のために認証可能である動作準備完了モードへと外部通信装置100を切り換える。
【0194】
さらにコンフィグレーション装置500は、第2の標準を有するコンフィグレーションインターフェース512、例えばRFIDインターフェースを有するのが好都合である。このように、コンフィグレーション装置500は例えばコンフィグレーションパラメータ85を読み出すことができ、および/または送信することができる。
【0195】
ここで再度追記しておくと、当然ながら、工作機械20をさらに別の標準のその通信インターフェース37とともに、および/またはエネルギー蓄積器モジュール40をその通信インターフェース67とともに、集塵機ハウジング71および/または外部通信装置100の近傍へ直接的に移すことができ、それにより通信パラメータ85を読み出し、および/または自身の通信パラメータをそこへ送信する。
【0196】
ここで再度追記しておくと、当然ながら、工作機械20をさらに別の標準のその通信インターフェース37とともに、および/またはエネルギー蓄積器モジュール40をその通信インターフェース67とともに、集塵機ハウジング71および/または外部通信装置100の近傍へ直接的に移すことができ、それにより通信パラメータ85を読み出し、および/または自身の通信パラメータをそこへ送信する。このように、工作機械20およびエネルギー蓄積器モジュール40も集塵機70と同様に、第1および第2の通信標準の通信インターフェースをそれぞれ備えるコンフィグレーションモジュールを形成する。
【0197】
さらにコンフィグレーション装置500は、例えばソフトウェアまたは少なくとも1つのプログラムモジュール、コンフィグレーションデータなどを、エネルギー蓄積器モジュール40のうちの1つおよび/または工作機械20のうちの1つへロードするのに適している。その際にワイヤレス通信インターフェース60,60Cは、コンフィグレーション装置500の通信インターフェース511と直接的に通信するのが好ましい。このようにして、例えばプログラムモジュール49をエネルギー蓄積器モジュール40へ、またはプログラムモジュール29を工作機械20へ伝送することができる。さらに、例えば工作機械20についてのコンフィグレーションデータ29Aを、例えば動作パラメータおよび/または機械設定(最大回転数、最大の出力、利用期間制限など)を、伝送することができる。プログラムモジュール29は直接的に、例えば通信インターフェース60を通じて工作機械20へ、または間接的にエネルギー蓄積器モジュール40すなわちそのワイヤレス通信インターフェース60を介して、および互いに通信をするデータインターフェース34,54を介して、エネルギー蓄積器モジュール40からさらに工作機械20へ、特にその制御装置26へ伝送することができる。
【0198】
当然ながら、エネルギー蓄積器モジュールに対する工作機械のゲートウェイ機能も可能であり、すなわち、例えばワイヤレス通信インターフェース60Cがエネルギー蓄積器モジュール40についてのプログラムモジュール49を受信し、データインターフェース34,54を通じてエネルギー蓄積器モジュール40に伝送する。
【0199】
これと逆の方向で、例えばエネルギー蓄積器モジュール40によって工作機械20のデータを受信し、コンフィグレーション装置500へ伝送することができ、それは例えばプロトコルデータ29B、特にエラー記憶装置のデータ、ログファイルのデータなどである。エラー記憶装置には、例えば工作機械20の作動時に発生したエラー、特に温度超過などが含まれていてよい。ログファイルは、例えば工作機械20の使用に関するデータを含む。いわばゲートウェイとして作用するエネルギー蓄積器モジュール40を利用したうえで、例えば使用期間、エラー状況などを工作機械20からコンフィグレーション装置500を用いて読み出すことができる。工作機械20が独自の無線インターフェースやその他のワイヤレスインターフェースを有する必要はない。
【0200】
制御接続S1-S6では制御をする情報、例えば吸引ユニット75に対する切換コマンド、それぞれの工作機械20のダスト種別、回転数調節、消費出力、圧着力、粒子発生またはダスト発生などを送信することができる。さらに集塵機70のコンフィグレーションが可能であり、すなわち、制御接続S1-S6のうちの1つまたは複数を通じてコンフィグレーションデータまたは通知データが、例えば吸引ユニットのスイッチオフ後の遅延時間、吸引ユニットの必要な出力などが、工作機械20および/またはエネルギー蓄積器モジュール40から集塵機20へと伝送される。
【0201】
コンフィグレーション装置500は、機能・通信手順400に基づき、外部通信装置100に暫定的にログオンすることができる。しかしながら、通信モジュール300と同じ形式での恒常的なログオンが好ましい。集塵機70ないし外部通信装置100でコンフィグレーション装置500を認証ないしログオンするために、例えばログオン操作部材106が長く押される。このようにして、認証された資格のある器具だけがログオンされることが保証される。
【0202】
以下において、優先順位・保全コンセプトについてさらに提案する:
集塵機70の優先的な制御のために、集塵機70で制御のために恒常的にログオンされているシステム10のコンポーネント、例えば電源接続された工作機械20Cおよび通信モジュール300ならびにコンフィグレーション装置500が設けられる。これらのコンポーネントのうちの1つから吸引ユニット75に対するスイッチオン信号またはスイッチオフ信号が来ると、このことは集塵機70によって、特にその制御装置86によって、エネルギー蓄積器モジュール40を装備する工作機械20Aおよび20Cの相応の制御コマンドよりも優先的に取り扱われる。
【0203】
さらに、操作部材構造77の操作部材のうちの1つでの操作が優先される。すなわち、例えば切換部材78が操作されると、他のあらゆる制御接続が劣位になる。
【0204】
遠隔操作では、すなわち例えば通信モジュール300やコンフィグレーション装置500では、集塵機70との1対1の関係が意図される。したがって、遠隔操作が誤って別の集塵機を制御することがあり得ない。同様に、常に1つの工作機械だけがエネルギー蓄積器モジュールとともに集塵機70で認証されて、これを制御することができると常に好ましい。他の工作機械または新たな工作機械が認証されるとただちに、以前に認証されていた機械の認証は解消される。このように、制御接続S1またはS2のうちの常に一方だけが具体的な実施例において可能である。
【0205】
差込コンセント79の電流検出に代えて、またはその補足として、圧縮空気検出が意図されていてもよい。このように、例えば圧縮空気で作動する器具、例えば研削機械や研磨機械を集塵機70に接続することができる。このような機械がスイッチオンまたはスイッチオフされると、吸引ユニット75が作動し、または再びスイッチオフされる。相応の圧縮空気センサは、このようなケースでは接続装置に存在する。接続装置は貫流装置であってよく、すなわち圧縮空気が一方では集塵機70に送り込まれ、他方では、図面には示さない圧縮空気式機械からいわばタップ出しされる。圧縮空気式機械または電源式機械(工作機械20C)がスイッチオンされ、集塵機70と結合されているとき、このことは最高の優先順位を有する。中程度の優先順位を有するのは、通信モジュール300およびコンフィグレーション装置500であり、切換部材78も同様である。
【0206】
もっとも低い優先順位を有するのは蓄電池式機械であり、ないしはエネルギー蓄積器モジュールを備えている工作機械20A,20Cである。
【0207】
認証を解消するために、ないしは制御接続S1-S6を終了するために、それぞれのエネルギー供給の終了によってそれがリリースされることが意図されていてよいのが好ましい。すなわち、例えばエネルギー蓄積器モジュール40A,40Bが工作機械20A,20Bから分断されると、制御接続S1またはS2が自動的に終了する。コンフィグレーションモジュール300のエネルギー供給部310が外されたときにも、集塵機70での認証が自動的に解消される。このとき、このような分断がなされたときにエネルギー蓄積器モジュール40または工作機械20が、吸引ユニット75をスイッチオフするための切換コマンドをさらに送信すると好ましい。
【0208】
エネルギー供給が終了したと、例えばエネルギー供給部310が外されたとき、遠隔操作は、例えば通信モジュール300またはコンフィグレーション装置500は、外部通信装置100またはワイヤレスインターフェース60に新たな識別子でログオンするのが好都合である。このようにして、例えば新たな暗号化をセットアップすることができる。新たな識別子が存在しているとき、すなわち、例えば新たなアドレス識別記号が存在しているとき、両方の通信パートナーは新たな暗号化パラメータを交付する準備が整っている。互いに競合するワイヤレス通信インターフェース60、60Cが、集塵機70または外部通信装置100との制御接続を成立させようとしているときは、例えばそのつど最初にログオンしたワイヤレス通信インターフェース60が受け付けられる。すなわち、外部通信装置100の動作準備完了モード中に、例えば工作機械20Aの切換部材24が工作機械20Cの切換部材24よりも前に押されると、制御接続S1が優先的に成立する。
【0209】
さらに、競合する機械においては、受信をする外部通信装置100の近くにあるほうの機械が制御接続を成立させることができるのが好ましい。これは例えば
図1の実施例では、制御接続S1を成立させようとしているエネルギー蓄積器モジュール40Aである。例えばワイヤレス通信インターフェース60はログオンメッセージ440に、それがログオンメッセージ440を送信する信号強度を含んだ信号強度情報448を書き込むことができる。
【0210】
外部通信装置100は信号強度を測定するセンサ111を用いて、ログオンメッセージ440が受信された信号の強度を測定し、信号強度情報448と比較することができる。そして、そこから制御装置86はコンポーネント40Aと100の間の距離の値を判定することができる。
【0211】
一方、ワイヤレス通信インターフェース60Cまたはエネルギー蓄積器モジュール40Bは外部通信装置100から遠く離れており、すなわち劣位に扱われる。
【0212】
信号強度情報448がログオンメッセージ440に含まれていることも可能である。このような状況では、センサ111はログオンメッセージ440の信号強度を例えば閾値と比較する。
【0213】
さらに、センサ111は例えばエネルギー蓄積器モジュール40Aおよび40Bのログオンメッセージ440の信号強度を直接的に相互に比較し、高いほうの信号強度を有するログオンメッセージ440に対してのみ、またはそのほうに対して先に、すなわち短い応答時間で反応することが可能である。
【0214】
外部通信装置100に近いほうに配置された通信パートナーの優先性は、例えば外部通信装置100がそれぞれ異なる応答時間を設定することを意図することができる。このことが
図16に図示されている。例えば応答時間AS(t)が、センサ111が測定した信号強度Sに依存して増減する。例えば外部通信装置100は、比較的強い信号強度を有するエネルギー蓄積器モジュール40Aのログオンメッセージ445に対して、エネルギー蓄積器モジュール40Bの相応のログオンメッセージ440に対してよりも迅速に反応して応答メッセージを送信することができる。
【0215】
外部通信装置100の記憶装置118に保存されている通信パラメータが、例えばアドレス識別記号446および446Cやこれに割り当てられた暗号化パラメータ451,451Cが、事前設定された時間後に、および/またはエネルギー供給部から完全に分断された後に消去されると好ましい。移動型の器具すなわち例えばエネルギー蓄積器モジュール40A,40Bにおいても、事前設定された時間後に、および/またはエネルギー供給部の分断後に、通信パラメータが記憶装置48から消去されると好ましい。
【0216】
さらに、移動型の器具すなわち工作機械20やエネルギー蓄積器モジュール40の認証が外部通信装置において消去されることが可能であり、すなわち、それぞれの工作機械20のエネルギー蓄積器モジュール40が集塵機70をスイッチオンしているが、例えば切換部材78や電源式工作機械20Cなどの他の機能が集塵機を再びスイッチオフしているときには、制御接続S1,S2が消去されたものとみなされる。
【0217】
さらに、制御接続を構築することができる移動型の器具における通信パラメータが充電プロセスとの関連でリセットされると好都合であり、すなわち、例えばエネルギー蓄積器モジュール40が充電器具220に接続されるとパラメータ441,451が消去される。
【0218】
通信モジュール300のログオン操作部材316を相応に操作することで、例えば相応に長く押すことで、例えばソフトウェアアップデートなどのために、通信モジュール300とコンフィグレーション装置500の間のワイヤレス通信接続を成立させることもできる。
【0219】
図15に示すシステムは、電源接続式の工作機械またはエネルギー蓄積器モジュール40Dにより作動可能な工作機械である工作機械20Dを含んでいる。エネルギー蓄積器モジュール40D、ならびに集塵機870を作動させるのに適した別のエネルギー蓄積器モジュール840は、機能的に例えばエネルギー蓄積器モジュール40Bに相当する。設計形態も、図面から明らかなとおり同一である。
【0220】
工作機械20Dは、例えば工作物Wを研削するための研削器具である。吸引ホース15と接続部品17を用いて、工作機械20Dを集塵機870に、すなわち吸引取込部872に接続可能である。
【0221】
集塵機870は、スタックボックスに配置された積み重ね可能な集塵機である。これは例えば箱型の集塵機871であって、例えば手動工具、工作機械、例えば工作機械20Dなどを保管するための容器も含むスタックの上、下、または中へ、上から、下から、または中から積み重ね可能である。このような種類のスタックを形成するための結合コンポーネントについては詳しくは立ち入らない。例えば集塵機ハウジング871の前面に、上および/または下に積み重ねられる容器と連結するための複数の連結部材801、例えば連結金具、ロックボルトなどを見ることができる。
【0222】
蓋によって閉止可能である集塵機ハウジング871の内部に、吸引ユニット75と同じ形式の吸引ユニット875が配置されている。さらに、そこにはフィルタ874ならびに汚物収集室873が、特に集塵機ハウジング871から引出し可能な容器の中にある。集塵機ハウジング871の外面または内部空間には、エネルギー蓄積器モジュール840の器具インターフェース50と適合する器具インターフェース830が設けられており、それにより、集塵機870をエネルギー蓄積器モジュール840によって作動可能である。
【0223】
そしてエネルギー蓄積器モジュール840は、エネルギー蓄積器モジュール40Dと直接的に通信することができる。例えば工作機械20Dはそのエネルギー蓄積器モジュール40Dを通じてエネルギー蓄積器モジュール840Dを制御することができ、これがさらに集塵機870を吸引ユニット875のスイッチオンおよび/またはスイッチオフのために制御する。このとき通信は、それぞれの第1および第2のシステムコンポーネントの間の、すなわち工作機械20Dとエネルギー蓄積器モジュール40Dならびに集塵機870とエネルギー蓄積器モジュール840の間の、すでに説明したデータインターフェース34,54を通じて行われる。ここで付言しておくと、例えばログオンメッセージ440を用いたログオンが
図15に示すシステムの場合にも可能である。あるいはすでにエネルギー蓄積器モジュール40Dおよび840が、相互の通信のために認証された通信ペアとなることも可能である。このように、集塵機と工作機械の間の制御接続を成立させるために、いかなる操作者の介入も必要ない。
【0224】
工作機械20および/または充電器具220は供給電圧UB1または供給電圧UB2を定期的または周期的にスイッチオンすることが可能であり、それによりエネルギー蓄積器モジュール40は、自身が工作機械20ないし充電器具220と接続されていることを認識し、それは特に、工作機械20と接合されるケースで工作機械がスイッチオフされたときにも例えば集塵機60との相応の制御接続を維持するためであり、または、充電器具220と接続されるケースでこの種の制御接続を成立させないためである。
【0225】
1つの好ましいコンセプトは、エネルギー蓄積器モジュール40および/またはコンフィグレーション装置500および/または少なくとも1つの通信モジュール300が、集塵機60または外部通信装置100ですでに認証が存在する場合には、いわば保存されている当該集塵機との接続をあらためて最初に開始することを意図する。このケースでは認証がすでに存在する。このようなケースでは、ブロードキャスト送信器識別記号44xを含むログオンメッセージ440はいわば不要であり、すなわちログオンメッセージは、原則として受信準備が整っている複数の集塵機にではなく、集塵機70のみに向けられる。このケースではログオンメッセージ440は集塵機70のアドレス識別記号を含むのが好ましく好都合である。
【符号の説明】
【0226】
20 工作機械
22 駆動モータ
23 工具収容部
24 切換部材
38 工具
40 エネルギー蓄積器モジュール
41 モジュールハウジング
60,60C ワイヤレス通信インターフェース
78,870 集塵機
100 外部通信装置
440 ログオンメッセージ
S1,S2 制御接続
W 工作物
【手続補正書】
【提出日】2022-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械(20)または前記工作機械(20)へ電気供給をするためのエネルギー蓄積器モジュール(40)の形態の電気器具であって、前記エネルギー蓄積器モジュール(40)は前記工作機械(20)と取外し可能に結合するための器具インターフェースを備えるモジュールハウジング(41)を有し、前記工作機械(20)は、工作物(W)の加工のために意図される工具(38)が配置された、または配置可能な工具収容部(23)を駆動するための駆動モータ(22)を有し、前記駆動モータ(22)は前記工作機械(20)および/または前記エネルギー蓄積器モジュール(40)の切換部材(24)を用いて切換可能であり、前記電気器具は、前記工作機械(20)により生成されるダストを吸い出すために意図される集塵機(70,870)の構成要素を形成する外部通信装置(100)とワイヤレス通信するためのワイヤレス通信インターフェース(60,60C)を有し、前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)を制御するための少なくとも1つの制御コマンドをワイヤレス制御接続(S1,S2)を介して前記外部通信装置(100)へ送信するために構成される電気器具において、
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)との制御接続(S1,S2)を確立させるために少なくとも1つのログオンメッセージ(440)を前記外部通信装置(100)へ送信するために構成され、
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記外部通信装置(100)と暗号化された通信をするために構成され、暗号化された通信を構築するための暗号化情報の伝送は前記切換部材(24)の切換状態に依存し、または前記切換部材(24)の操作によってリリース可能であることを特徴とする電気器具。
【請求項2】
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は、前記外部通信装置(100)へ少なくとも1つの制御コマンドが初回に送信される前に、少なくとも1つのログオンメッセージ(440)を前記外部通信装置(100)へ送信するために構成されることを特徴とする、請求項1に記載の電気器具。
【請求項3】
前記切換部材(24)を除いてログオンメッセージ(440)をリリースするために意図される、またはそれに適した操作部材を有さないことを特徴とする、請求項1または2に記載の電気器具。
【請求項4】
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記外部通信装置(100)と認証された通信をするために構成されることを特徴とする、請求項1から3のうちいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項5】
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記集塵機(70,870)の動作ステータスを照会するためのステータス照会を前記外部通信装置(100)へ送信するために構成され、および/または前記集塵機(70,870)の動作ステータスを含むステータスメッセージを受信するために構成されることを特徴とする、請求項1から4のうちいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項6】
制御接続(S1,S2)に関わる少なくとも1つの通信情報を出力するための、および/または動作ステータスを表示するための表示装置(44)を有することを特徴とする、請求項1から5のうちいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項7】
前記表示装置(44)は前記エネルギー蓄積器モジュール(40)の充電状態表示器の構成要素を形成し、前記充電状態表示器は前記エネルギー蓄積器モジュール(40)に存在するエネルギー容量を表示するために意図および/または構成されることを特徴とする、請求項6に記載の電気器具。
【請求項8】
工作機械(20)または前記工作機械(20)へ電気供給をするためのエネルギー蓄積器モジュール(40)の形態の電気器具であって、前記エネルギー蓄積器モジュール(40)は前記工作機械(20)と取外し可能に結合するための器具インターフェースを備えるモジュールハウジング(41)を有し、前記工作機械(20)は、工作物(W)の加工のために意図される工具(38)が配置された、または配置可能な工具収容部(23)を駆動するための駆動モータ(22)を有し、前記駆動モータ(22)は前記工作機械(20)および/または前記エネルギー蓄積器モジュール(40)の切換部材(24)を用いて切換可能であり、前記電気器具は、前記工作機械(20)により生成されるダストを吸い出すために意図される集塵機(70,870)の構成要素を形成する外部通信装置(100)とワイヤレス通信するためのワイヤレス通信インターフェース(60,60C)を有し、前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)を制御するための少なくとも1つの制御コマンドをワイヤレス制御接続(S1,S2)を介して前記外部通信装置(100)へ送信するために構成される電気器具において、
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)との制御接続(S1,S2)を確立させるために少なくとも1つのログオンメッセージ(440)を前記外部通信装置(100)へ送信するために構成され、
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)はワイヤレス制御接続(S1,S2)が暫定的な制御接続(S1,S2)であるという少なくとも1つの暫定識別記号を少なくとも1つのログオンメッセージ(440)へ書き込むために構成されることを特徴とする電気器具。
【請求項9】
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記集塵機(70,870)をスイッチオンするためおよび/または制御接続(S1,S2)を維持するために意図される制御コマンドを、前記切換部材(24)が駆動モータ(22)をスイッチオンする切換位置にある限りにおいて反復的に送信するために構成されることを特徴とする、請求項1から8のうちいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項10】
工作機械(20)または前記工作機械(20)へ電気供給をするためのエネルギー蓄積器モジュール(40)の形態の電気器具であって、前記エネルギー蓄積器モジュール(40)は前記工作機械(20)と取外し可能に結合するための器具インターフェースを備えるモジュールハウジング(41)を有し、前記工作機械(20)は、工作物(W)の加工のために意図される工具(38)が配置された、または配置可能な工具収容部(23)を駆動するための駆動モータ(22)を有し、前記駆動モータ(22)は前記工作機械(20)および/または前記エネルギー蓄積器モジュール(40)の切換部材(24)を用いて切換可能であり、前記電気器具は、前記工作機械(20)により生成されるダストを吸い出すために意図される集塵機(70,870)の構成要素を形成する外部通信装置(100)とワイヤレス通信するためのワイヤレス通信インターフェース(60,60C)を有し、前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)を制御するための少なくとも1つの制御コマンドをワイヤレス制御接続(S1,S2)を介して前記外部通信装置(100)へ送信するために構成される電気器具において、
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)との制御接続(S1,S2)を確立させるために少なくとも1つのログオンメッセージ(440)を前記外部通信装置(100)へ送信するために構成され、
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は制御接続(S1,S2)を承認する前記外部通信装置(100)のログオン承認メッセージ(445)を受信するために、および/または前記外部通信装置(100)のアドレス識別記号を保存するために構成されることを特徴とする電気器具。
【請求項11】
工作機械(20)または前記工作機械(20)へ電気供給をするためのエネルギー蓄積器モジュール(40)の形態の電気器具であって、前記エネルギー蓄積器モジュール(40)は前記工作機械(20)と取外し可能に結合するための器具インターフェースを備えるモジュールハウジング(41)を有し、前記工作機械(20)は、工作物(W)の加工のために意図される工具(38)が配置された、または配置可能な工具収容部(23)を駆動するための駆動モータ(22)を有し、前記駆動モータ(22)は前記工作機械(20)および/または前記エネルギー蓄積器モジュール(40)の切換部材(24)を用いて切換可能であり、前記電気器具は、前記工作機械(20)により生成されるダストを吸い出すために意図される集塵機(70,870)の構成要素を形成する外部通信装置(100)とワイヤレス通信するためのワイヤレス通信インターフェース(60,60C)を有し、前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)を制御するための少なくとも1つの制御コマンドをワイヤレス制御接続(S1,S2)を介して前記外部通信装置(100)へ送信するために構成される電気器具において、
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)との制御接続(S1,S2)を確立させるために少なくとも1つのログオンメッセージ(440)を前記外部通信装置(100)へ送信するために構成され、
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記電気器具を特徴づける変数に依存して前記外部通信装置(100)をコンフィグレーションするための少なくとも1つのコンフィグレーションメッセージ(465)を送信するために構成されることを特徴とする電気器具。
【請求項12】
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は、動作中断がなされたときに、および/または充電器具(220)で前記エネルギー蓄積器モジュール(40)が充電されているときに、および/または事前設定されたタイムスパンの後に、制御接続(S1,S2)を分断するために構成されることを特徴とする、請求項1から11のうちいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項13】
前記切換部材(24)を有する前記工作機械(20)に供給をするための前記エネルギー蓄積器モジュール(40)として構成され、前記器具インターフェースは前記工作機械(20)に電気エネルギー供給をするための電気式の器具・供給接点(52)を有し、前記エネルギー蓄積器モジュール(40)は前記器具・供給接点(52)とは別個のデータインターフェース(34,54)を通じて、および/または前記器具・供給接点(52)を通る通電の検出を参照して、前記切換部材(24)の切換状態に関する情報を判定することを特徴とする、請求項1から12のうちいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項14】
集塵機(70,870)の構成要素としての外部通信装置(100)であって、前記集塵機(70,870)は工作機械(20)または前記工作機械(20)へ電気供給をするためのエネルギー蓄積器モジュール(40)の形態の請求項1から13のうちいずれか1項に記載の電気器具によって制御可能であるとともに、前記工作機械(20)により生成されるダストを吸い出すために意図され、前記外部通信装置(100)と前記電気器具とが1つのシステム(10)を形成し、前記エネルギー蓄積器モジュール(40)は前記工作機械(20)と取外し可能に結合するための器具インターフェースを備えるモジュールハウジング(41)を有し、前記工作機械(20)は、工作物(W)の加工のために意図される工具(38)が配置された、または配置可能な工具収容部(23)を駆動するための駆動モータ(22)を有し、前記駆動モータ(22)は前記工作機械(20)および/または前記エネルギー蓄積器モジュール(40)の切換部材(24)を用いて切換可能であり、前記外部通信装置(100)は前記電気器具のワイヤレス通信インターフェース(60,60C)とワイヤレス通信するために構成されるとともに、前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)を制御するための少なくとも1つの制御コマンドをワイヤレス制御接続(S1,S2)を介して前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)から受信するために構成される外部通信装置において、
前記外部通信装置(100)は制御接続(S1,S2)を確立させるために前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)から少なくとも1つのログオンメッセージ(440)を受信するために構成され、
前記外部通信装置(100)は前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)と暗号化された通信をするために構成され、暗号化された通信を構築するための暗号化情報の伝送は前記切換部材(24)の切換状態に依存し、または前記切換部材(24)の操作によってリリース可能であることを特徴とする外部通信装置(100)。
【請求項15】
動作準備完了モードにあるときには少なくとも1つのログオンメッセージ(440)を受信する準備が整っており、作業モードにあるときには少なくとも1つのログオンメッセージ(440)を受信する準備が整っていないことを特徴とする、請求項14に記載の外部通信装置(100)。
【請求項16】
ログオン操作部材を用いて動作準備完了モードへと切換可能であり、および/または前記集塵機(70,870)のための電気エネルギー供給部と前記集塵機(70,870)が接続された後に動作準備完了モードへと切り換わることを特徴とする、請求項14または15に記載の外部通信装置(100)。
【請求項17】
動作準備完了モードを表示するための光学式および/または音響式の表示手段を有し、および/または事前設定された時間もしくは設定可能な時間の後に動作準備完了モードを終了することを特徴とする、請求項14から16のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項18】
動作準備完了モードにあるとき少なくとも1つのログオンメッセージ(440)を送信するよう前記電気器具に要求するための少なくとも1つの要求メッセージを前記外部通信装置(100)へ送信するために構成されることを特徴とする、請求項14から17のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項19】
集塵機(70,870)の構成要素としての外部通信装置(100)であって、前記集塵機(70,870)は工作機械(20)または前記工作機械(20)へ電気供給をするためのエネルギー蓄積器モジュール(40)の形態の請求項1から13のうちいずれか1項に記載の電気器具によって制御可能であるとともに、前記工作機械(20)により生成されるダストを吸い出すために意図され、前記外部通信装置(100)と前記電気器具とが1つのシステム(10)を形成し、前記エネルギー蓄積器モジュール(40)は前記工作機械(20)と取外し可能に結合するための器具インターフェースを備えるモジュールハウジング(41)を有し、前記工作機械(20)は、工作物(W)の加工のために意図される工具(38)が配置された、または配置可能な工具収容部(23)を駆動するための駆動モータ(22)を有し、前記駆動モータ(22)は前記工作機械(20)および/または前記エネルギー蓄積器モジュール(40)の切換部材(24)を用いて切換可能であり、前記外部通信装置(100)は前記電気器具のワイヤレス通信インターフェース(60,60C)とワイヤレス通信するために構成されるとともに、前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)を制御するための少なくとも1つの制御コマンドをワイヤレス制御接続(S1,S2)を介して前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)から受信するために構成される外部通信装置において、
前記外部通信装置(100)は制御接続(S1,S2)を確立させるために前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)から少なくとも1つのログオンメッセージ(440)を受信するために構成され、
暫定的なカテゴリーの制御接続(S1,S2)として前記電気器具との間で制御接続(S1,S2)を確立するために構成されることを特徴とする外部通信装置(100)。
【請求項20】
暫定的なカテゴリーのただ1つのワイヤレス制御接続(S1,S2)を前記外部通信装置(100)との間で確立可能であり、および/または暫定的なカテゴリーの制御接続(S1,S2)は工作機械(20)および前記工作機械(20)のためのエネルギー蓄積器モジュール(40)のカテゴリーに属する集塵機(70,870)を制御するための装置にのみ留保されることを特徴とする、請求項14から19のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項21】
暫定的なカテゴリーのワイヤレス制御接続(S1,S2)を確立するために第1の操作行為が前記外部通信装置(100)で必要であり、恒常的なカテゴリーのワイヤレス制御接続(S1,S2)は第1の操作行為とは異なる第2の操作行為によって確立可能であり、および/または恒常的な設定によって確立され、または確立可能であることを特徴とする、請求項14から20のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項22】
事前設定された、または調整可能なタイムスパンの後に、および/または前記集塵機(70,870)の動作中断がなされたときに、および/または前記集塵機(70,870)が電気エネルギー供給部から分断されたときに、前記電気器具との制御接続(S1,S2)を終了させることを特徴とする、請求項14から21のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項23】
前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)から送信される信号の信号強度に依存して制御接続(S1,S2)を確立するために構成され、前記外部通信装置(100)はこのワイヤレス通信インターフェース(60,60C)を、信号強度が第1の信号閾値を上回っているときに報知し、ログオンメッセージ(440)を制御接続(S1,S2)の即座の確立または優先的な確立のために優先し、および/または前記外部通信装置(100)は、制御接続(S1,S2)の確立に関して互いに競合する電気器具があるとき、高い信号強度を有するほうの電気器具を制御接続(S1,S2)の確立のために優先し、および/または前記外部通信装置(100)はログオンメッセージ(440)に対する応答を、前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)の信号の信号強度に依存して調整することを特徴とする、請求項14から22のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項24】
制御接続(S1,S2)が断絶したときに、および/または事前設定された、または設定可能なタイムスパン内に前記電気器具から制御コマンドを受け取らなかったときに、吸引動作を終了させることを特徴とする、請求項14から23のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項25】
集塵機(70,870)の構成要素としての外部通信装置(100)であって、前記集塵機(70,870)は工作機械(20)または前記工作機械(20)へ電気供給をするためのエネルギー蓄積器モジュール(40)の形態の請求項1から13のうちいずれか1項に記載の電気器具によって制御可能であるとともに、前記工作機械(20)により生成されるダストを吸い出すために意図され、前記外部通信装置(100)と前記電気器具とが1つのシステム(10)を形成し、前記エネルギー蓄積器モジュール(40)は前記工作機械(20)と取外し可能に結合するための器具インターフェースを備えるモジュールハウジング(41)を有し、前記工作機械(20)は、工作物(W)の加工のために意図される工具(38)が配置された、または配置可能な工具収容部(23)を駆動するための駆動モータ(22)を有し、前記駆動モータ(22)は前記工作機械(20)および/または前記エネルギー蓄積器モジュール(40)の切換部材(24)を用いて切換可能であり、前記外部通信装置(100)は前記電気器具のワイヤレス通信インターフェース(60,60C)とワイヤレス通信するために構成されるとともに、前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)を制御するための少なくとも1つの制御コマンドをワイヤレス制御接続(S1,S2)を介して前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)から受信するために構成される外部通信装置(100)において、
前記外部通信装置(100)は制御接続(S1,S2)を確立させるために前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)から少なくとも1つのログオンメッセージ(440)を受信するために構成され、
前記外部通信装置(100)は、前記電気器具を特徴づける変数に依存して前記外部通信装置(100)をコンフィグレーションするための少なくとも1つのコンフィグレーションメッセージ(465)を受信するために構成されることを特徴とする外部通信装置(100)。
【請求項26】
少なくとも2つの電気器具およびそのワイヤレス通信インターフェース(60,60C)との間で制御接続(S1,S2)を確立するための認証パラメータまたはログオンパラメータおよび/または暗号化パラメータを保存するための記憶装置を有することを特徴とする、請求項14から25のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項27】
少なくとも1つの制御接続(S1,S2)に追加して少なくとも1つの遠隔操作装置によって制御可能であることを特徴とする、請求項14から26のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項28】
前記集塵機(70,870)を制御するために、前記電気器具とは異なる制御操作部材により生成される少なくとも1つの制御コマンドを制御接続(S1,S2)に対して優先するために構成され、当該制御コマンドが優先制御コマンドを形成することを特徴とする、請求項14から27のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項29】
前記制御操作部材は前記集塵機(70,870)の切換部材(24)を含み、および/または前記集塵機(70,870)に付属する、もしくは前記集塵機(70,870)の構成要素を形成する遠隔制御装置を含むことを特徴とする、請求項14から28のいずれか1項に記載の外部通信装置(100)。
【請求項30】
集塵機(70,870)の構成要素としての外部通信装置(100)であって、前記集塵機(70,870)は工作機械(20)または前記工作機械(20)へ電気供給をするためのエネルギー蓄積器モジュール(40)の形態の請求項1から13のうちいずれか1項に記載の電気器具によって制御可能であるとともに、前記工作機械(20)により生成されるダストを吸い出すために意図され、前記外部通信装置(100)と前記電気器具とが1つのシステム(10)を形成し、前記エネルギー蓄積器モジュール(40)は前記工作機械(20)と取外し可能に結合するための器具インターフェースを備えるモジュールハウジング(41)を有し、前記工作機械(20)は、工作物(W)の加工のために意図される工具(38)が配置された、または配置可能な工具収容部(23)を駆動するための駆動モータ(22)を有し、前記駆動モータ(22)は前記工作機械(20)および/または前記エネルギー蓄積器モジュール(40)の切換部材(24)を用いて切換可能であり、前記外部通信装置(100)は前記電気器具のワイヤレス通信インターフェース(60,60C)とワイヤレス通信するために構成されるとともに、前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)を制御するための少なくとも1つの制御コマンドをワイヤレス制御接続(S1,S2)を介して前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)から受信するために構成される外部通信装置(100)において、
前記外部通信装置(100)は制御接続(S1,S2)を確立させるために前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)から少なくとも1つのログオンメッセージ(440)を受信するために構成され、
前記外部通信装置(100)は、制御接続(S1,S2)を承認する前記外部通信装置(100)のログオン承認メッセージ(445)および/または前記外部通信装置(100)のアドレス識別記号を前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)に送信するために構成されることを特徴とする外部通信装置(100)。
【請求項31】
工作機械(20)または前記工作機械(20)へ電気供給をするためのエネルギー蓄積器モジュール(40)の形態の電気器具のための方法であって、前記エネルギー蓄積器モジュール(40)は前記工作機械(20)と取外し可能に結合するための器具インターフェースを備えるモジュールハウジング(41)を有し、前記工作機械(20)は、工作物(W)の加工のために意図される工具(38)が配置された、または配置可能な工具収容部(23)を駆動するための駆動モータ(22)を有し、前記駆動モータ(22)は前記工作機械(20)および/または前記エネルギー蓄積器モジュール(40)の切換部材(24)を用いて切換可能であり、前記電気器具は、前記工作機械(20)により生成されるダストを吸い出すために意図される集塵機(70,870)の構成要素を形成する外部通信装置(100)とワイヤレス通信するためのワイヤレス通信インターフェース(60,60C)を有し、前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)を制御するための少なくとも1つの制御コマンドをワイヤレス制御接続(S1,S2)を介して前記外部通信装置(100)へ送信するために構成される方法において、
前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)との制御接続(S1,S2)を確立させるために前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)を介して少なくとも1つのログオンメッセージ(440)が前記外部通信装置(100)へ送信され、
暗号化された通信を構築するための暗号化情報が、前記外部通信装置(100)と暗号化された通信をするために構成された前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)を介して、前記切換部材(24)の切換状態に依存して、または前記切換部材(24)の操作によって伝送されることを特徴とする方法。
【請求項32】
工作機械(20)または前記工作機械(20)へ電気供給をするためのエネルギー蓄積器モジュール(40)の形態の電気器具のための方法であって、前記エネルギー蓄積器モジュール(40)は前記工作機械(20)と取外し可能に結合するための器具インターフェースを備えるモジュールハウジング(41)を有し、前記工作機械(20)は、工作物(W)の加工のために意図される工具(38)が配置された、または配置可能な工具収容部(23)を駆動するための駆動モータ(22)を有し、前記駆動モータ(22)は前記工作機械(20)および/または前記エネルギー蓄積器モジュール(40)の切換部材(24)を用いて切換可能であり、前記電気器具は、前記工作機械(20)により生成されるダストを吸い出すために意図される集塵機(70,870)の構成要素を形成する外部通信装置(100)とワイヤレス通信するためのワイヤレス通信インターフェース(60,60C)を有し、前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)を制御するための少なくとも1つの制御コマンドをワイヤレス制御接続(S1,S2)を介して前記外部通信装置(100)へ送信するために構成される方法において、
前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)との制御接続(S1,S2)を確立させるために前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)を介して少なくとも1つのログオンメッセージ(440)が前記外部通信装置(100)へ送信され、
ワイヤレス制御接続(S1,S2)が暫定的な制御接続(S1,S2)であるという少なくとも1つの暫定識別記号が、前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)によって少なくとも1つのログオンメッセージ(440)へ書き込まれることを特徴とする方法。
【請求項33】
工作機械(20)または前記工作機械(20)へ電気供給をするためのエネルギー蓄積器モジュール(40)の形態の電気器具のための方法であって、前記エネルギー蓄積器モジュール(40)は前記工作機械(20)と取外し可能に結合するための器具インターフェースを備えるモジュールハウジング(41)を有し、前記工作機械(20)は、工作物(W)の加工のために意図される工具(38)が配置された、または配置可能な工具収容部(23)を駆動するための駆動モータ(22)を有し、前記駆動モータ(22)は前記工作機械(20)および/または前記エネルギー蓄積器モジュール(40)の切換部材(24)を用いて切換可能であり、前記電気器具は、前記工作機械(20)により生成されるダストを吸い出すために意図される集塵機(70,870)の構成要素を形成する外部通信装置(100)とワイヤレス通信するためのワイヤレス通信インターフェース(60,60C)を有し、前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)を制御するための少なくとも1つの制御コマンドをワイヤレス制御接続(S1,S2)を介して前記外部通信装置(100)へ送信するために構成される方法において、
前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)との制御接続(S1,S2)を確立させるために前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)を介して少なくとも1つのログオンメッセージ(440)が前記外部通信装置(100)へ送信され、
制御接続(S1,S2)を承認する前記外部通信装置(100)のログオン承認メッセージ(445)が前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)によって受信され、および/または前記外部通信装置(100)のアドレス識別記号が前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)によって保存されることを特徴とする方法。
【請求項34】
工作機械(20)または前記工作機械(20)へ電気供給をするためのエネルギー蓄積器モジュール(40)の形態の電気器具のための方法であって、前記エネルギー蓄積器モジュール(40)は前記工作機械(20)と取外し可能に結合するための器具インターフェースを備えるモジュールハウジング(41)を有し、前記工作機械(20)は、工作物(W)の加工のために意図される工具(38)が配置された、または配置可能な工具収容部(23)を駆動するための駆動モータ(22)を有し、前記駆動モータ(22)は前記工作機械(20)および/または前記エネルギー蓄積器モジュール(40)の切換部材(24)を用いて切換可能であり、前記電気器具は、前記工作機械(20)により生成されるダストを吸い出すために意図される集塵機(70,870)の構成要素を形成する外部通信装置(100)とワイヤレス通信するためのワイヤレス通信インターフェース(60,60C)を有し、前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)は前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)を制御するための少なくとも1つの制御コマンドをワイヤレス制御接続(S1,S2)を介して前記外部通信装置(100)へ送信するために構成される方法において、
前記切換部材(24)の切換状態に依存して前記集塵機(70,870)との制御接続(S1,S2)を確立させるために前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)を介して少なくとも1つのログオンメッセージ(440)が前記外部通信装置(100)へ送信され、
前記電気器具を特徴づける変数に依存して前記外部通信装置(100)をコンフィグレーションするための少なくとも1つのコンフィグレーションメッセージ(465)が前記ワイヤレス通信インターフェース(60,60C)によって送信されることを特徴とする方法。
【外国語明細書】