(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169593
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】癌の処置
(51)【国際特許分類】
A61K 31/506 20060101AFI20221101BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
A61K31/506
A61P35/02
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022125000
(22)【出願日】2022-08-04
(62)【分割の表示】P 2019500242の分割
【原出願日】2017-07-13
(31)【優先権主張番号】62/362,369
(32)【優先日】2016-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516349552
【氏名又は名称】ミングサイト ファーマシューティカルズ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ニースマン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】チャン,カイ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】血液悪性腫瘍の処置のための組成物及び方法を提供する。
【解決手段】必要とする個体の血液悪性腫瘍を処置する方法であって、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、前記個体に投与する工程を含み、前記血液悪性腫瘍は、再発性又は難治性の慢性リンパ球性白血病(CLL)である、方法を提供する。
【選択図】
図3C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
必要とする個体の血液悪性腫瘍を処置する方法であって、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む、方法。
【請求項2】
血液悪性腫瘍はリンパ腫又は白血病である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
リンパ腫又は白血病が、古典的ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)である、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)が、B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC-DLBCL)、胚中心B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB-DLBC)、原発性縦隔B細胞リンパ腫、又は血管内大細胞型B細胞リンパ腫である、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
辺縁帯B細胞リンパ腫が、結節外辺縁帯リンパ腫、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、結節性辺縁帯リンパ腫、又は脾臓辺縁帯リンパ腫である、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
血液悪性腫瘍は再発性又は難治性の血液悪性腫瘍である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
再発性又は難治性の血液悪性腫瘍が再発性又は難治性のリンパ腫又は白血病である、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
再発性又は難治性のリンパ腫又は白血病が、再発性又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、再発性又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、再発性又は難治性の濾胞性リンパ腫、再発性又は難治性の小リンパ球性リンパ腫(SLL)、再発性又は難治性の慢性リンパ球性白血病(CLL)、再発性又は難治性のマントル細胞リンパ腫、再発性又は難治性の辺縁帯B細胞リンパ腫、再発性又は難治性のバーキットリンパ腫、再発性又は難治性のリンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、再発性又は難治性の有毛細胞白血病、再発性又は難治性の原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、再発性又は難治性の急性リンパ性白血病(ALL)、再発性又は難治性の急性骨髄性白血病(AML)、再発性又は難治性の慢性骨髄性白血病(CML)、或いは再発性又は難治性の慢性骨髄単球性白血病(CMML)である、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
イブルチニブの使用は不適当であるか、又は禁忌である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
必要とする個体のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を処置する方法であって、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む、方法。
【請求項11】
DLBCLはABC-DLBCLである、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
必要とする個体の再発性又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を処置する方法であって、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む、方法。
【請求項13】
DLBCLはABC-DLBCLである、ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
必要とする個体の慢性リンパ球性白血病(CLL)を処置する方法であって、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む、方法。
【請求項15】
必要とする個体の再発性又は難治性の慢性リンパ球性白血病(CLL)を処置する方法であって、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む、方法。
【請求項16】
必要とする個体の急性骨髄性白血病(AML)を処置する方法であって、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む、方法。
【請求項17】
必要とする個体の再発性又は難治性の急性骨髄性白血病(AML)を処置する方法であって、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む、方法。
【請求項18】
再発性又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫又は白血病は、BTK阻害剤に対して不応性である、ことを特徴とする請求項8、12、12、15、又は17の何れか1つに記載の方法。
【請求項19】
BTK阻害剤はイブルチニブである、ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
必要とする個体のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を処置する方法であって、該方法は、(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;及び(b)BTK阻害剤を、個体に投与する工程を含む、方法。
【請求項21】
BTK阻害剤はイブルチニブである、ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
DLBCLはABC-DLBCLである、ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項23】
必要とする個体の慢性リンパ球性白血病(CLL)を処置する方法であって、該方法は、(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;及び(b)BTK阻害剤を、個体に投与する工程を含む、方法。
【請求項24】
BTK阻害剤はイブルチニブである、ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
必要とする個体の急性骨髄性白血病(AML)を処置する方法であって、該方法は、(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;及び(b)BTK阻害剤を、個体に投与する工程を含む、方法。
【請求項26】
BTK阻害剤はイブルチニブである、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
必要とする個体の多発性骨髄腫を処置する方法であって、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む、方法。
【請求項28】
多発性骨髄腫は再発性又は難治性の多発性骨髄腫である、ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
再発性又は難治性の多発性骨髄腫がBTK阻害剤に対して不応性である、ことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
BTK阻害剤はイブルチニブである、ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
必要とする個体の多発性骨髄腫を処置する方法であって、該方法は、(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;及び(b)BTK阻害剤を、個体に投与する工程を含む、方法。
【請求項32】
BTK阻害剤はイブルチニブである、ことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
必要とする個体のユーイング肉腫を処置する方法であって、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む、方法。
【請求項34】
細胞のアポトーシスを誘導する方法であって、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む、有効な量の組成物を、細胞に投与する工程を含む、方法。
【請求項35】
細胞の細胞増殖を減少させる方法であって、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む、有効な量の組成物を、細胞に投与する工程を含む、方法。
【請求項36】
必要とする個体の血液悪性腫瘍を処置する方法であって、該方法は、(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;及び(b)SYK阻害剤、二重SYK-JAK阻害剤、PI3K阻害剤、JAK-STAT阻害剤、BCL2阻害剤、免疫調節薬、抗体-薬物複合体、免疫チェックポイント阻害剤、PD-1阻害剤、TIM-3阻害剤、CTLA-4阻害剤、ブロモドメイン阻害剤、EZH2阻害剤、HDAC阻害剤、又はIDH2阻害剤から選択される少なくとも1つの腫瘍学的治療薬を個体に投与する工程を含む、方法。
【請求項37】
血液悪性腫瘍はリンパ腫又は白血病である、ことを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項38】
リンパ腫又は白血病が、古典的ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)である、ことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
血液悪性腫瘍は再発性又は難治性の血液悪性腫瘍である、ことを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項40】
再発性又は難治性の血液悪性腫瘍が再発性又は難治性のリンパ腫又は白血病である、ことを特徴とする請求項39に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2016年7月14日出願の米国仮特許出願第62/362,369号の利益を主張するものであり、当該文献は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0002】
本明細書には、癌の処置のための組成物及び方法が提供される。本明細書に開示される方法に適した癌のタイプには、限定されないが、血液悪性腫瘍とユーイング肉腫が挙げられる。本明細書に開示される癌を処置する方法に有用な組成物は、ピロロ-ピラゾールPKC阻害剤を含む。
【0003】
1つの実施形態は、被験体の血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、該方法は、式5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミンを有する化合物或いはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む組成物を、被験体に投与する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1A】ソトラスタウリンに曝露されるTMD8及びOCI-Ly3細胞におけるIL-6産生の用量依存的な阻害を示す。
【
図1B】化合物Aに曝露されるTMD8及びOCI-Ly3細胞におけるIL-6産生の用量依存的な阻害を示す。
【
図2A】ソトラスタウリンに曝露されるTMD8及びOCI-Ly3細胞における細胞の増殖及び生存の用量依存的な阻害を示す。
【
図2B】化合物Aに曝露されるTMD8及びOCI-Ly3細胞における細胞の増殖及び生存の用量依存的な阻害を示す。
【
図3A】化合物AでのTMD8細胞の単一薬物処置を示す。
【
図3B】イブルチニブでのTMD8細胞の単一薬物処置を示す。
【
図3C】化合物Aとイブルチニブとの併用処置でのTMD8細胞の単一薬物処置を示す。
【
図4】DLBCLのTMD8細胞マウス異種移植片モデルにおける体重に対する化合物A処置の効果を示す。
【
図5】DLBCLのTMD8細胞マウス異種移植片モデルにおける腫瘍体積に対する化合物A処置の効果を示す。
【
図6】複数漸増用量研究において化合物Aで処置されたヒト被験体のリンパ球数を示す。
【0005】
引用による組み込み
本明細書で言及された刊行物、特許、及び特許出願は全て、本明細書で特定される特定の目的のために参照によって本明細書に組み込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
特定の用語
他に定義されない限り、本明細書で用いる全ての技術用語及び科学用語は、請求される主題が属する技術分野における当業者によって、一般に理解されるものと同じ意味を有する。前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、典型的且つ例示的なものにすぎず、請求された主題の内容を限定するものではないことを理解されたい。本出願において、単数形の使用は、特に別記しない限り複数を含む。明細書と添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、他にその内容が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むということに留意しなければならない。本出願において、「又は」の使用は、特に明記しない限り、「及び/又は」を意味する。更に、用語「含むこと(including)」の使用は、「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含まれる(included)」といった他の形態と同じく、制限はない。
【0007】
本明細書で使用されるように、範囲及び量は、特定の値又は範囲の「約(about)」として表わすことができる。「約」は正確な量も含む。従って、「約5μg」は「約5μg」と「5μg」を意味する。通常、用語「約」は、実験誤差内にあると予想される量を含む。
【0008】
本明細書で使用されるように、用語「含むこと(comprising)」及び「含むこと(including)」は、開放的で非限定的な意味で使用される。本明細書で使用されるように、用語「C1-C8」又は「C2-C8」などは、1~8又は2~8の炭素原子それぞれを持つ部分を指す。
【0009】
本明細書で使用されるように、用語「アルキル」は、他に示されない限り、直鎖又は分枝鎖部分を持つ、飽和した単価炭化水素ラジカルを含む。典型的なアルキル部分は、1~8の炭素原子、1~6の炭素原子、又は1~4の炭素原子の範囲で炭素原子を持つ。
【0010】
本明細書で使用されるように、用語「アルケニル」は、他に示されない限り、少なくとも1つの炭素炭素二重結合を持つアルキル部分を含み、アルキルは上記に定義された通りであり、上記アルケニル部分のE及びZの異性体を含んでいる。
【0011】
本明細書で使用されるように、用語「アルキニル」は、他に示されない限り、少なくとも1つの炭素炭素三重結合を持つアルキル部分を含み、アルキルは上記に定義された通りである。
【0012】
本明細書で使用されるように、用語「アルコキシル」は、他に示されない限りO-アルキル基を含み、アルキルは上記に定義された通りである。
【0013】
本明細書で使用されるように、用語「ヒドロキシル」は、他に示されない限り-OHを含む。
【0014】
本明細書で使用されるように、用語「アミノ」は、他に示されない限り、-NH2ラジカル、及びN原子の任意の置換基を含むように意図される。
【0015】
本明細書で使用されるように、用語「ハロゲン」及び「ハロ」は、他に示されない限り、塩素、フッ素、臭素、又はヨウ素を表わす。
【0016】
本明細書で使用されるように、用語「トリフルオロメチル」は、他に示されない限り、-CF3基を表わす。
【0017】
本明細書で使用されるように、用語「ペルフルオロアルキル」は、CF3、CF2-CF3、C(CF2)(CF2)など、炭素に結合する全ての水素がフッ素で置き換えられるアルキル基を表わす。
【0018】
本明細書で使用されるように、用語「トリフルオロメトキシ」は、他に示されない限り-OCF3基を表わす。
【0019】
本明細書で使用されるように、用語「シアノ」は、他に示されない限り-CN基を表わす。
【0020】
本明細書で使用されるように、用語「CH2Cl2」は、他に示されない限りジクロロメタンを表わす。
【0021】
本明細書で使用されるように、用語「C3-C12シクロアルキル」又は「C5-C8シクロアルキル」は、他に示されない限り、非芳香族の、飽和した又は部分的に飽和した、単環式又は縮合の、スピロ又は非縮合の二環式或いは三環式炭化水素を指し、本明細書では合計で3~12の炭素原子、或いは5~8の環炭素原子をそれぞれ含むと言及される。典型的なシクロアルキルは、3~10の炭素原子を持つ環を含み、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びアダマンチルなどである。シクロアルキルの実例は、以下に由来するが、これらに限定されない:
【0022】
【0023】
本明細書で使用されるように、用語「アリール」は、他に示されない限り、フェニル又はナフチルなど、1つの水素の除去により芳香族炭化水素から導き出される有機ラジカルを含む。
【0024】
用語「(3-15)員のヘテロシクリル」、「(3-7)員のヘテロシクリル」、「(6-10)員のヘテロシクリル」、又は「(4-10)員のテロシクリル」は、本明細書で使用されるように、他に示されない限り、O、S、及びNからそれぞれ選択される1~4つのヘテロ原子を含有する、芳香族及び非芳香族複素環基を含み、ここで、各複素環基は、その環系に3-15、3-7、6-10、又は4-10の原子を有するが、これは、前記基の環が2つの隣接したO又はSの原子を含まない場合に限る。非芳香族複素環基は、その環系内に3個の原子しか備えていない基を含むが、芳香族複素環基は、その環系内に少なくとも5個の原子を備えなければならない。複素環基は、ベンゾ縮合した環系を含む。3員複素環基の例はアジリジンであり、4員複素環基の例はアゼチジニル(アゼチジン由来)である。5員複素環基の例はチアゾリルであり、7員複素環基の例はアゼピニルであり、10員複素環基の例はキノリニルである。非芳香族複素環基の例は、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアセピニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、インドリニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、3H-インドリル、及び、キノリジニルである。複素環は、単環式及び多環式の芳香環構造を含み、「(5-12)員のヘテロアリール」は、その環系に5~12の原子を備える複素環となるものを指す。「(5-12)員のヘテロアリール」の例は、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、及びフロピリジニルである。上述の基に由来するような前述の基は、それらが可能な場合には、C-結合又はN-結合され得る。例えば、ピロール由来の基は、ピロール-1-イル(N-結合)又はピロール-3-イル(C-結合)であり得る。更に、イミダゾール由来の基は、イミダゾール-1-イル(N-結合)又はイミダゾール-3-イル(C-結合)であり得る。上述の複素環基は、1つの環につき、1~2つのオキソによって環の炭素、硫黄、又は窒素の原子上で随意に置換され得る。2つの環炭素原子がオキソ部分で置換される複素環基の例は、1,1-ジオキソ-チオモルホリニルである。4-10員の複素環の他の実例は、以下に由来するが、これらに限定されない:
【0025】
【0026】
用語「(12-15)員のヘテロシクリル」は、本明細書で使用されるように、他に示されない限り、芳香族及び非芳香族の複素環基を含み、芳香族及び非芳香族の複素環基は、部分的に融合した配置又はスピロ環配置であり、且つ、少なくとも1つのN、並びに随意にO、S、及びNから各々選択される追加の1~5のヘテロ原子を含んでおり、ここで複素環基は、その環系に12~15の原子をそれぞれ備えているが、これは、前記基の環が2つの隣接するO又はSの原子を含まない場合に限る。複素環基は、三環式の縮合環及びスピロ環系を含む。13員の三環式複素環基の例は、3,4-ジヒドロピラジノ[1,2-a]ベンズイミダゾールであり、15員のスピロ環状複素環基の例は3,4-ジヒドロ-1’H-スピロクロメンである。
【0027】
他に示されない限り、用語「オキソ」は=Oを指す。
【0028】
「溶媒和物」は、特定の化合物の薬学的に許容可能な溶媒和物形態を意味するように意図され、これは前記化合物の生物学的効果を保持するものである。溶媒和物の例は、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO(ジメチルスルホキシド)、酢酸エチル、酢酸、又はエタノールアミンと組み合わせた本発明の化合物を含む。
【0029】
句「薬学的に許容可能な塩」は、本明細書で使用されるように、他に示されない限り、式(I)、式(A)、又は式(B)の化合物に存在する場合がある酸性又は塩基性の基の塩を含んでいる。性質が塩基性である、式(I)、式(A)、又は式(B)の化合物は、様々な無機及び有機の酸で種々な塩を形成することができる。式(I)、式(A)、又は式(B)のそのような塩基性化合物の薬学的に許容可能な酸付加塩を調製するために使用され得る酸は、無毒な酸付加塩を形成するものであり、即ち、薬理学的に許容可能な陰イオンを含有する塩、例えば、酢酸塩、ベンゼンスルホナート、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩化水素化物、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、エチルコハク酸塩、フマル酸、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート、ヘキシルレゾルシノール、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化物、イソチオネート、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、硫酸メチル、ムチン酸塩(mucate)、ナプシル酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩(embonate))、パルミチン酸塩、パントテナート、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエトヨージド、及び吉草酸塩などである。
【0030】
本明細書で使用されるように、用語「処置すること」は、他に示されない限り、前記用語が適用される障害又は疾病、或いは、そのような障害又は疾病の1つ以上の症状を逆転し、軽減し、それらの進行を阻害し、或いは予防することを意味する。幾つかの実施形態において、用語「処置すること」は、この用語が適用される疾患又は障害の進行を遅くする又は遅らせることを含む。加えて、幾つかの実施形態において、用語「処置すること」は、この用語が適用される疾患又は障害から結果として生じる合併症のうち1つ以上に適用される。本明細書で使用されるように、用語「処置」は、他に示されない限り、「処置すること」が直前に定義するような処置の作用を指す。
【0031】
句「治療上有効な量」は、本明細書で使用されるように、研究者、獣医、医師、又はその他の人によって求められている、組織、系、動物、又はヒトの生物学的或いは医学的な反応を誘発させる、薬物又は医薬品の量を指す。
【0032】
用語「置換した」は、特定の群又は部分が1つ以上の置換基を持つことを意味する。用語「非置換の」は、特定の群が置換基を持たないことを意味する。用語「随意に置換した」は、特定の群が1つ以上の置換基により置換されない或いは置換されることを意味する。
【0033】
慣行に従って、本明細書の幾つかの構造式において、炭素原子及びそれらが結合された水素原子は明示的に表されず、例えば、
【0034】
【0035】
【0036】
【化5】
はシクロペンチル基を表わす。更に、環原子に直接結合されない単結合を持つ環式基(アリール、複素環、又はシクロアルキル)の表現、例えば、
【0037】
【化6】
は、結合点が環式基の任意の利用可能な環原子上にあり得ることを示す。
【0038】
本明細書に開示される方法で利用される特定の化合物は不斉中心を備え、それ故、異なるエナンチオマー型で存在し得る。本明細書に開示される方法で利用される化合物の全ての光学異性体及び立体異性体、並びにそれらの混合物は、本発明の範囲内にあると考慮される。本明細書に開示される方法で利用される化合物に関して、本発明は、ラセミ体、1つ以上のエナンチオマー型、1つ以上のジアステレオマー型、或いはそれらの混合物の使用を含む。本明細書に開示される方法で利用される化合物はまた、互変異性体としても存在し得る。本発明は、そのような互変異性体の全て、及びその混合物の使用に関する。
【0039】
本発明の化合物内に含まれる特定の官能基は、生物同配体性の基、即ち、親の基と同様の空間的又は電子的な要件を持つが、異なる或いは改善された物理化学又は他の特性を示す基の代わりに用いることができる。適切な例は当業者に周知であり、限定されないが、Patini et al., Chem. Rev, 1996, 96, 3147-3176及びその中で引用される文献に記載される部分を含む。
【0040】
本発明はまた同位体的に標識された化合物を含み、これは、通常は自然に見つかる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を備える原子によって1以上の原子が置き換えられるという事実が無ければ、本明細書に開示される方法で利用される化合物と同一である。本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッソ、及び塩素の同位体であり、それぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、及び36Clなどである。前記同位体及び/又は他の原子の他の同位体を含む、本発明の化合物及びその薬学的に許容可能な塩或いは溶媒和物は、本発明の範囲内である。本発明の特定の同位体的に標識された化合物、例えば、3H及び14Cなどの放射性同位体が組み込まれるものは、薬物及び/又は基質組織分布アッセイにおいて役立つ。トリチウム化した、即ち3H、及び炭素-14、即ち14Cの同位体は、調製及び検出能の容易さのために特に好ましい。更に、重水素、即ち2Hなどの、より重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性から結果として生じる特定の治療上の利点、例えば、インビボの半減期の増加又は必要用量の減少をもたらすことができ、従って、幾つかの状況に好ましい場合がある。本明細書に開示される方法で利用される、同位体的に標識された化合物は、容易に利用可能な同位体的に標識された試薬を非同位体的に標識された試薬の代わりに用いることにより、以下のスキーム及び/又は実施例に開示される手順を行なうことによって通常は調整することができる。
【0041】
本明細書で使用されるように、用語「mmol」は、ミリモルを意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「equiv」は、当量を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「mL」は、ミリリットルを意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「U」は、ユニットを意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「mm」は、ミリメートルを意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「g」は、グラムを意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「kg」は、キログラムを意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「h」は、時間を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「min」は、分を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「μL」は、マイクロリットルを意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「μM」は、マイクロモルを意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「μm」は、マイクロメートルを意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「M」は、モルを意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「N」は、標準を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「nm」は、ナノメートルを意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「nM」は、ナノモルを意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「amu」は、原子質量単位を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「℃」は、摂氏を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「m/z」は、質量電荷比を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「wt/wt」は、重量比を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「v/v」は、容量比を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「mL/min」は、ミリリットル/分を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「UV」は、紫外線を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「APCI-MS」は、大気圧化学イオン化質量分析を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「HPLC」は、高速液体クロマトグラフィーを意味するように意図される。他に示されない限り、クロマトグラフィーは約20℃の温度で行なわれた。本明細書で使用されるように、用語「LC」は、液体クロマトグラフィーを意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「LCMS」は、液体クロマトグラフィー質量分析を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「TLC」は、薄層クロマトグラフィーを意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「SFC」は、超臨界流体クロマトグラフィーを意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「sat」は、飽和されたことを意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「aq」は、水性を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「ELSD」は、蒸発光散乱検出を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「MS」は、質量分析を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「HRMS(ESI)」は、高分解能質量分析(エレクトロスプレーイオン化)を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「Anal.」は、分析を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「Calcd」は、計算したことを意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「N/A」は、試験されていないことを意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「RT」は、室温を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「Mth.」は、方法を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「Celite(登録商標)」は、他に示されない限り、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスにあるWorld Mineralsから市販で入手可能な白色固形珪藻土フィルタ剤を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「Eg.」は、例を意味するように意図される。
【0042】
例えば-(CR3R4)t又は-(CR10R11)vなどの用語が使用され、R3、R4、R10、及びR11は、1より上のt又はvの各繰返に応じて変動し得る。例えば、t又はvが2である場合、用語-(CR3R4)v又は-(CR10R11)tは、-CH2CH2-、-CH(CH3)C(CH2CH3)(CH2CH2CH3)、又は、R3、R4、R10、及びR11の定義の範囲内にある同様の部分の任意の数と同等であり得る。
【0043】
本明細書で使用されるように、用語「Ki」は、酵素阻害定数の値を意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「Ki app」は、見かけのKiを意味するように意図される。本明細書で使用されるように、用語「IC50」は、少なくとも50%の酵素阻害に必要な濃度を意味するように意図される。
【0044】
本発明の他の態様、利点、及び特徴は、以下の詳細な説明から明白になる。
【0045】
プロテインキナーゼC
プロテインキナーゼC(PKC)として知られるキナーゼの上科は、活性であり且つ多くの細胞シグナル伝達経路の制御因子として作用する、重要なキナーゼである。(Newton, 2001, Chem. Rev. 101, 2353-2364)。PKCの特定のアイソフォームは、高血糖症に対する反応に関係している(例えば、PKCβ(beta) Das Evcimen and King, 2007, Pharmacol Res,. 55(6): p. 498-510) and in T and B cell survival and function (e.g., PKCθ(theta): Sun, Z. 2012, Front Immunol 3, 225; PKCβ Leitges, M. et al., 1996, Science 273, 788-791; PKCα(alpha): Gruber, T. et al., 2009, Mol Immunol 46, 2071-2079)。
【0046】
Tリンパ球及びBリンパ球(T細胞及びB細胞)の両方は、頻繁には同時に自己免疫疾患の一因となると示されている(Wahren-Herlenius and Doerner T. 2013, Lancet. 382:819-31)。近年の科学報告書は、PKCの特定のアイソフォームが、T細胞及びB細胞の正常機能に、及び自己免疫疾患に対するそれらの寄与において重大であることを明らかにした。
【0047】
3つのアイソフォーム、PKCθ、PKCα、及びPKCβはリンパ球機能に最も重要であると思われる。PKCθはT細胞機能に重要である(Sun, 2012, Front Immunol 3, 225)。特異的に、PKCθは、T細胞受容体複合体の下流にあり、T細胞の生存、機能、及び自己免疫の刺激において重大な役割を果たす。自己免疫疾患のマウスモデルは、T細胞依存性自己免疫におけるPKCθ機能を示すために使用された(Marsland, B.J. and Kopf, M., 2008, Trends Immunol, 29(4) 179-85)。PKCαは、T細胞活性化において非冗長的な役割を果たす(Gruber, T., et al, 2009, Mol Immunol 46, 2071-2079; Pfeifhofer, C., et al, 2006, J Immunol 176, 6004-6011; von Essen, M., et al, 2006, J Immunol 176, 7502-75)。そしてPKCβは、B細胞の生存、機能、及び自己免疫に見られる機能障害において重大な役割を果たす(Leitges, M., et al, 1996, Science 273, 788-791; Saijo, K., et al, 2002, J Exp Med 195, 1647-1652; Su, T.T., et al., 2002, Nat Immunol 3, 780-786)。最後に、PKCδ(デルタ)の阻害はB細胞における自己免疫疾患を誘導する可能性があると思われると、マウスにおいて示されている。PKCδノックアウトマウス(PKCδ-/-)は、自己抗体を含む抗体産生を増大させ、実際に自己免疫の表現型を表示する。(Mecklenbrauker, I., et al, 2002, Nature 416, 860-865; Miyamoto, A., et al., 2002, Nature 416, 865-869)。
【0048】
癌の治療のためのPKC阻害剤の使用において解決されるべき技術的な問題は、PKCδなどの重要なPKCアイソフォームを阻害することのない正確なPKCアイソフォームの阻害である。本明細書には、本明細書に記載されるピロロ-ピラゾールPKC阻害剤がPKCδ活性を少しも欠いていないアイソフォーム選択的PKC阻害剤である、この問題の解決策が提供される。
【0049】
ピロロ-ピラゾールPKC阻害剤
本明細書で称されるピロロ-ピラゾールPKC阻害剤は、以前にWO2008/096260及びWO2008/125945並びにその関連特許と特許出願、例えばUS8,183,255、US8,877,761、US9,518,060、US8,114,871、及びUS8,999,981に記載されており、これらの各々は全体において参照により組み込まれる。本明細書で使用されるように、化合物A(又はcmpd A)との用語は、WO2008/096260に開示され且つ以下に示される化学構造を持つ、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミンを指す。
【0050】
【0051】
血液悪性腫瘍
血液悪性腫瘍は血液とリンパ系に影響を及ぼす癌である。この癌は、造血組織(例えば骨髄)、又は免疫系の細胞に生じる場合がある。幾つかの実施形態において、血液悪性腫瘍は、白血病、非ホジキンリンパ腫(NHL)、ホジキンリンパ腫、又は多発性骨髄腫である。血液悪性腫瘍は、リンパ組織(例えばリンパ腫)、又は骨髄(例えば白血病及び骨髄腫)の何れかに生じ得、これらは全てリンパ球又は白血球の未制御成長と関連する。
【0052】
悪性リンパ腫は、リンパ組織内に優勢的に存在する細胞の悪性形質転換である。悪性リンパ腫の2つの群は、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫(NHL)である。両方の型のリンパ腫は、網内皮系の組織に侵入する。しかしこれらは、起始の腫瘍細胞、疾患の部位、全身症状の存在、及び処置に対する反応において異なる。非ホジキンリンパ腫(NHL)は、優勢的にB細胞起源である悪性腫瘍の多様な群である。NHLは、脾臓、リンパ節、又は扁桃腺などのリンパ系に関連した任意の器官において進行し、任意の年齢で生じ得る。NHLは大抵、拡大したリンパ節、熱、及び体重減少によって特徴づけられる。NHLは、B細胞又はT細胞のNHLとして分類される。化学療法は、大多数の緩慢性リンパ腫の緩解を誘発することができるが、治癒は稀であり、ほとんどの患者は最終的に元の状態に戻り、更なる治療を必要とする。
【0053】
B細胞NHLの非限定的な一覧は、バーキットリンパ腫(例えば、風土病性のバーキットリンパ腫及び散在性のバーキットリンパ腫)、皮膚のB細胞リンパ腫、皮膚の辺縁帯リンパ腫(MZL)、びまん性大細胞型リンパ腫(DLBCL)、びまん性混合小細胞及び大細胞型リンパ腫(Diffuse Mixed Small and Large Cell Lympoma)、びまん性小正円形細胞、びまん性小リンパ球性リンパ腫、結節外の辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、濾胞性小正円形細胞(グレード1)、濾胞性混合小正円形細胞及び大正円形細胞(グレード2)、濾胞性大細胞(グレード3)、血管内の大細胞型B細胞リンパ腫、血管内リンパ腫症、大型免疫芽球性リンパ腫、大細胞型リンパ腫(LCL)、リンパ芽球性リンパ腫、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫(SLL)、結節外の辺縁帯B細胞リンパ腫粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、縦隔洞大細胞型B細胞リンパ腫、リンパ節辺縁帯B細胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯B細胞リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、有毛細胞白血病、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、及び中枢神経系(CNS)原発リンパ腫を含む。更なる非ホジキンリンパ腫が、本発明の範囲内で考慮され、当業者に明白である。
【0054】
一部の患者は血液悪性腫瘍のための初期治療の後に寛解(兆候と症状の欠如)を達成する。しかし、他の患者には、集中治療後にも残る癌細胞が残ってしまう。
【0055】
幾つかの実施形態において、個体には、治療処置の後に再発した血液悪性腫瘍がある。幾つかの実施形態において、血液悪性腫瘍は治療処置に耐性がある。幾つかの実施形態において、血液悪性腫瘍には治療処置に対する一次抵抗がある。幾つかの実施形態において、血液悪性腫瘍には治療処置に対する二次抵抗又は獲得抵抗がある。幾つかの実施形態において、血液悪性腫瘍にはBTK阻害剤での処置に対する一次抵抗がある。幾つかの実施形態において、血液悪性腫瘍にはイブルチニブでの処置に対する一次抵抗がある。幾つかの実施形態において、血液悪性腫瘍にはBTK阻害剤での処置に対する獲得抵抗がある。幾つかの実施形態において、血液悪性腫瘍にはイブルチニブでの処置に対する獲得抵抗がある。幾つかの実施形態において、BTK阻害剤での血液悪性腫瘍の処置は不適当であるか、又はさもなくば禁忌である。幾つかの実施形態において、イブルチニブでの血液悪性腫瘍の処置は不適当であるか、又はさもなくば禁忌である。
【0056】
本明細書には、幾つかの実施形態において、必要とする個体の血液悪性腫瘍を処置する方法が開示され、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を、被験体に投与する工程を含む。
【0057】
本明細書には、幾つかの実施形態において、必要とする個体の血液悪性腫瘍を処置する方法が開示され、該方法は:(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;及び(b)BTK阻害剤を、個体に投与する工程を含む。
【0058】
本明細書には、幾つかの実施形態において、必要とする個体の血液悪性腫瘍を処置する方法が開示され、該方法は:(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;及び(d)イブルチニブを、個体に投与する工程を含む。
【0059】
DLBCL
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、西洋の国々において最も一般的な侵攻性リンパ腫の亜型であり、非ホジキンリンパ腫(NHL)の新たな症例の約30%を占めている。遺伝子検査は、DLBCLの異なる亜型が存在することを示してきた。これらの亜型は、異なる外観(予後)及び処置に対する反応を有するように思われる。DLBCLの少なくとも3つの分子の亜型が区別され得る:胚中心B-細胞様(GCB)DLBCL、活性化B-細胞様(ABC)DLBCL、及び原発性縦隔型B細胞リンパ腫(PMBL)。DLBCLは、任意の年齢集団に影響を及ぼし得るが、大抵は、高齢者(平均年齢は60代中頃である)に生じる。
【0060】
DLBCLのABCの亜型(ABC-DLBCL)は、約30%の合計のDLBCL診断を占める。それは、DLBCL分子の亜型のあまり治療可能でないものと考慮され、及びそのため、ABC-DLBCLと診断された患者は典型的に、他の型のDLCBLを持つ個体と比較して、生存率が著しく低い。ABC-DLBCLは、胚中心主要制御因子BCL6を調節解除する染色体転座、及び、形質細胞分化に必要な転写抑制因子をコードするPRDM1遺伝子を不活性化する突然変異に、最も共通して関連付けられる。
【0061】
ABC-DLBCLの病因において特に関連するシグナル伝達経路は、核因子(NF)-κB転写複合体によって媒介されるものである。NF-κBファミリーは、5員(p50、p52、p65、c-rel、及びRelB)を含み、これらはホモ二量体又はヘテロ二量体を形成し、且つ、様々な増殖、アポトーシス、炎症性及び免疫応答を媒介する転写因子として機能し、且つ、標準のB細胞進行及び生存に重要である。NF-κBは、細胞増殖と細胞生存を制御する遺伝子の制御因子として、真核細胞によって広く使用される。そのため、多くの異なる型のヒト腫瘍は、誤調節されたNF-κBを有し:即ち、NF-κBは本質的に活性である。活性なNF-κBは、細胞を増殖させ続け、アポトーシスを介して死滅させる疾病から細胞を保護する遺伝子の発現を活性化する(turns on)。
【0062】
NF-κBに対するABC DLBCLの依存性は、CARD11、BCL10、及びMALT1(CBM複合体)で構成されたIkBキナーゼの上流にあるシグナル伝達経路に依存する。CBM経路による干渉は、ABC DLBCL細胞におけるNF-κBシグナル伝達を消滅させ、アポトーシスを誘発する。NF-κB経路の恒常的活性の基礎の分子は、現在の研究の対象であるが、ABC DLBCLのゲノムへの幾つかの体細胞変異が、この経路を明白に呼び起こす。例えば、DLBCLにおけるCARD11のコイルドコイルドメインの体細胞変異により、このシグナル伝達骨格タンパク質は、自発的にMALT1とBCL10とのタンパク質間相互作用の核となることができるようになり、IKK活性及びNF-κB活性化を引き起こす。B細胞受容体シグナル伝達経路の恒常的活性は、野生型CARD11によるABC DLBCLにおけるNF-κBの活性化に結び付けられ、これは、B細胞受容体サブユニットCD79A及びCD79Bの細胞質の尾部の中の変異に関連付けられる。シグナル伝達アダプターMYD88における、腫瘍形成性活性化変異は、NF-κBを活性化し、ABC DLBCL細胞の生存を持続する際にB細胞受容体シグナル伝達と協同する。加えて、NF-κB経路の負の制御因子(A20)における不活性化変異が、ABC DLBCLにおいてほぼ排他的に生じる。
【0063】
実際、NF-κBシグナル伝達経路の複合成分に影響する遺伝的改変は近年、これらの病変が構成性のNF-κB活性化を促進し、それによりリンパ腫増殖に寄与する、50%より多くのABC-DLBCL患者において同定されてきた。これらは、CARD11(症例の~10%)、即ち、MALT1とBCL10と共にBCRシグナロソームを形成するリンパ球に特異的な細胞質のスキャフォールドタンパク質の突然変異を含み、これは、抗原受容体からNF-κB活性化の下流の媒介物質までシグナルを中継する。症例のより大きな分画(An even larger fraction of cases)(~30%)は、負のNF-κB制御因子A20を不活性化する、2対立遺伝子の遺伝子病変を運ぶ。更に、NF-κB標的遺伝子の高度の発現が、ABC-DLBCL腫瘍サンプルに観察された。
【0064】
本明細書には、幾つかの実施形態において、必要とする個体のDLBCLを処置する方法が開示され、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を、被験体に投与する工程を含む。幾つかの実施形態において、DLBCLはABC-DLBCLである。
【0065】
幾つかの実施形態において、本明細書には、必要とする個体のDLBCLを処置する方法が開示され、該方法は:(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;及び(b)BTK阻害剤を、個体に投与する工程を含む。幾つかの実施形態において、DLBCLはABC-DLBCLである。
【0066】
幾つかの実施形態において、本明細書には、必要とする個体のDLBCLを処置する方法が開示され、該方法は:(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;及び(d)イブルチニブを、個体に投与する工程を含む。幾つかの実施形態において、DLBCLはABC-DLBCLである。
【0067】
濾胞性リンパ腫
本明細書で使用されるように、用語「濾胞性リンパ腫」は、リンパ腫細胞が小結節又は濾胞へとクラスター化される、様々なタイプの非ホジキンリンパ腫のうち何れかを指す。細胞はリンパ節において環状又は節状のパターンで増殖する傾向があるため、用語「濾胞性」が使用される。このリンパ腫を患う人々の平均年齢は約60歳である。濾胞性リンパ腫、即ちB細胞リンパ腫は、全てのNHLの約20パーセントから30パーセントを占める、NHLの最も一般的な緩徐進行性(成長の遅い)形態である。
【0068】
CLL/SLL
慢性リンパ球性白血病及び小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)は、一般的に同じ疾患として考えられ、発症は僅かに異なる。癌細胞が集まる場所が、CLL又はSLLと呼ばれるかどうかを決定する。癌細胞は、リンパ節において主に見つかる場合、SLLと呼ばれる。SLLは、全てのリンパ腫の約5%から10%を占める。癌細胞の大半が血流と骨髄にある場合、これはCLLと呼ばれる。
【0069】
CLLとSLLの両方は成長の遅い疾患であるが、更に一般的なCLLは成長がより遅い傾向を持つ。CLLとSLLは同じ方法で処置される。これらは通常、標準処置により治癒可能であると考えられないが、疾患の段階及び増殖速度に依存して、大半の患者は10年より長く生きている。時に経時的に、これら増殖の遅いリンパ腫は、より活動的な型のリンパ腫へと形質転換し得る。
【0070】
慢性リンパ性白血病(CLL)は最も一般的な型の白血病である。CLLは、B細胞受容体(BCR)シグナル伝達経路の異常活性化を典型的に示す、クローンB細胞のリンパ性悪性疾患である。
【0071】
小リンパ性白血病(SLL)は上述のCLLに非常に類似し、B細胞の癌でもある。SLLにおいて、異常なリンパ球は主としてリンパ節に影響を及ぼす。しかし、CLLにおいて、異常細胞は主として血液と骨髄に影響を及ぼす。脾臓は、両方の状態において影響され得る。SLLは、非ホジキンリンパ腫の全ての症例の25のうち約1を占める。これは、青年期から老年までのあらゆる時点で生じ得るが、50歳未満では稀である。SLLは緩慢性リンパ腫と考慮される。これは、疾患が非常にゆっくりと進行し、患者が診断後何年も生存する傾向があることを意味する。しかし、大半の患者は進行性疾患と診断され、SLLは様々な化学療法剤に十分に反応するが、それは一般的に不治であると考慮される。癌の中にはどちらかの性別においてより頻繁に生じる傾向があるものも存在するが、SLLを原因とする症例及び死は、男性と女性の間で平等に分かれる。診断時の平均年齢は60歳である。
【0072】
SLLは緩慢性であるが、永続的に進行性である。この疾患の通常のパターンは、疾患緩解の期間で、放射線治療及び/又は化学療法に対する高い反応率があるものである。これは、不可避の再発によって数か月又は数年後も随伴する。再処置は再び反応へとつながるが、疾患は再発する。これは、SLLの短期の予後がかなり優れているが、経時的に、多くの患者が再発性疾患の致死的な合併症を進行させることを意味する。CLL及びSLLと典型的に診断された個体の年齢を考慮すると、患者の生活の質を妨げない、最小限の副作用を持つ疾患の単純且つ効果的な処置についての、当該技術分野における必要性が存在する。本発明は、当該技術分野におけるこの長年の必要性を満たす。
【0073】
マントル細胞リンパ腫
本明細書で使用されるように、用語「マントル細胞リンパ腫」は、標準の胚中心濾胞を囲む外套帯内の、CD5陽性の抗原未処理の前胚中心B細胞(antigen-naive pregerminal center B-cell)により、B細胞リンパ腫の亜型を指す。MCL細胞は一般的に、DNAにおけるt(11:14)染色体転座により、サイクリンD1を過剰発現する。人が最も頻繁に影響を受ける。患者の平均年齢は、60代前半である。リンパ腫は通常、診断された時には広範囲であり、リンパ節、骨髄、及び、非常に頻繁には脾臓に関係する。マントル細胞リンパ腫は、非常に速く増殖するリンパ腫でないが、処置するのが難しい。
【0074】
辺縁帯B細胞リンパ腫
本明細書で使用されるように、用語「辺縁帯B細胞リンパ腫」は、辺縁帯、即ち濾胞の外套帯の外側にあるまだら状の領域にリンパ組織を含む、関連するB細胞新生物の群を指す。辺縁帯リンパ腫は、リンパ腫の約5%~10%を占める。これらリンパ腫における細胞は、顕微鏡下では小さく見える。節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、結節性辺縁帯B細胞リンパ腫、及び脾臓辺縁帯リンパ腫を含む、3つの主な型の辺縁帯リンパ腫が存在する。
【0075】
MALT
本明細書で使用されるように、用語「粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫」は、辺縁帯リンパ腫の結節外の発現を指す。大半のMALTリンパ腫は低悪性度であるが、少数は、中悪性度の非ホジキンリンパ腫(NHL)として初めに明らかになるか、又は低悪性度形態から発達するかの何れかである。MALTリンパ腫の大半が胃に生じ、胃のMALTリンパ腫の約70%は、ヘリコバクターピロリ感染に関連する。様々な細胞遺伝学的異常が識別され、最も一般的なものはトリソミー3又はt(11;18)である。これら他のMALTリンパ腫の多くはまた、細菌又はウイルスによる感染に関連付けられてきた。MALTリンパ腫を患う患者の平均年齢は約60歳である。
【0076】
リンパ節辺縁帯B細胞リンパ腫
用語「リンパ節辺縁帯B細胞リンパ腫」は、大半がリンパ節において見出される、無痛性のB細胞リンパ腫を指す。疾患は稀であり、全ての非ホジキンリンパ腫(NHL)の1%しか占めない。これは、年配の患者において最も共通して診断され、男性よりも女性が影響されやすい。突然変異がB細胞の辺縁帯で生じるため、この疾患は辺縁帯リンパ腫として分類される。リンパ節におけるその制限により、この疾患は結節性としても分類される。
【0077】
脾臓辺縁帯B細胞リンパ腫
用語「脾臓辺縁帯B細胞リンパ腫」は、世界保健機構の分類に組み込まれる、特異的な低悪性度の小B細胞リンパ腫を指す。特徴は、絨毛状の形態、様々な器官、具体的に骨髄が関与する洞様毛細血管内のパターン、及び相対的な無痛期間を伴う、脾腫の中程度のリンパ球増多症である。芽細胞の形態及び攻撃的行動が増加する腫瘍進行は、少数の患者において観察される。分子及び細胞遺伝学的研究は、恐らく標準化された診断基準の欠如により、種々様々な結果を示した。
【0078】
バーキットリンパ腫
用語「バーキットリンパ腫」は、一般的に子供に影響を及ぼす、非ホジキンリンパ腫(NHL)の一種を指す。これは、リンパ節以外の身体部分から頻繁に始まり且つそれに関係する、非常に攻撃的な型のB細胞リンパ腫である。速く増殖する性質にもかかわらず、バーキットリンパ腫は大抵、現代の集中治療で治癒可能である。バーキットリンパ腫の2つの広範囲の型、即ち散在性及び風土病性の変種が存在する
【0079】
風土病性バーキットリンパ腫;この疾患は、成人よりもはるかに子供に関係するものであり、95%の症例において、エプスタイン-バーウイルス(EBV)感染に関係する。それは主に赤道アフリカで発生し、そこでは全ての小児癌の約半分がバーキットリンパ腫である。これは特徴的に、顎骨に関係する高い可能性、即ち、散在性のバーキットリンパ腫では稀であるかなり示差的な特徴を有する。これは共通して腹部にも関係する。
【0080】
散在性バーキットリンパ腫;ヨーロッパと南北アメリカを含む、世界の残りに影響を及ぼすバーキットリンパ腫の型は、散在性の型である。ここでも、このリンパ腫は主に子供の疾患である。エプスタイン-バーウイルス(EBV)感染の直接証拠は5人の患者のうちの1人に存在するが、EBV間のつながりは、風土病性の変種ほど強くない。リンパ節の関与以上に、子供の90%以上において顕著に影響を受けるものは腹部である。骨髄の関与は、散在性の変種におけるものよりも一般的である。
【0081】
ワルデンシュトレームマクログロブリン血症
リンパ形質細胞性リンパ腫としても知られる、用語「ワルデンシュトレームマクログロブリン血症」は、リンパ球と呼ばれる白血球の亜型に関する癌である。これは、末端に分化されたBリンパ球の制御されないクローン増殖を特徴とする。これはまた、免疫グロブリンM(IgM)と呼ばれる抗体を作るリンパ腫細胞を特徴とする。IgM抗体は、大量に血液中で循環し、血液の液体部分をシロップのように濃くする。これは、多くの臓器への血流の減少につながり、このことは、視覚に関する問題(目の後部の血管における血行不良のため)、及び脳内の貧しい血流によって引き起こされる神経学的問題(頭痛、めまい、及び錯乱など)を引き起こし得る。他の症状は、疲れや弱り、及び容易に出血する傾向を含み得る。根本的な病因論は完全には理解されないが、多くの危険因子が識別され、染色体6上に遺伝子座6p21.3を含む。肝炎、ヒト免疫不全ウイルス、及びリケッチア症に関連した、自己抗体及び特に高い危険性を備えた自己免疫疾患の個人歴を持つ人々において進行するWMの、2~3倍の危険性の増加が存在する。
【0082】
多発性骨髄腫
多発性骨髄腫は、形質細胞として知られる白血球の癌である。B細胞の一種である形質細胞は、ヒト及び他の脊椎動物における抗体の産生の原因である免疫系の重要な部分である。それらは骨髄中で産生され、リンパ系を通って輸送される。形質細胞は、癌性になり且つ制御不能に増大すると、形質細胞腫と呼ばれる腫瘍を生成することができる。これら腫瘍は一般的に骨に生じるが、他の組織ではめったに見られない。形質細胞腫は、他の組織(肺又は他の臓器など)に生じると、髄外形質細胞腫と呼ばれる。単一の形質細胞腫瘍のみを持つ個体は、単離された(又は唯一の)形質細胞腫を有している。1より多くの形質細胞腫を持つ個体には多発性骨髄腫がある。
【0083】
白血病
白血病は、血液細胞、通常は白血球(leukocytes (white blood cells))の異常な増加を特徴とする、血液又は骨髄の癌である。白血病は、疾患の範囲をカバーする広義語である。第一分裂はその急性と慢性の形態の間にある:(i)急性白血病は、未熟な血液細胞の急速な増加を特徴とする。この密集により、骨髄は健康な血液細胞を産生できなくなる。緊急処置は、悪性細胞の急速な進行及び蓄積により急性白血病に必要とされ、これはその後、血流に波及し、身体の他の臓器に拡散する。白血病の急性の形態は、子供の白血病の最も一般的な形態である;(ii)慢性白血病は、比較的成熟しているが、未だに異常な白血球の過剰な蓄積によって区別される。典型的には進行するのに数か月又は数年を要するので、細胞は、正常細胞よりもはるかに速い速度で産生され、血液中の多くの異常な白血球を結果としてもたらす。慢性白血病は大抵、年配の人々に生じるが、理論上は任意の年齢集団において生じ得る。加えて、前記疾患は、どの血液細胞の種類が影響を受けるかに従い、細分される。これは、リンパ芽球性又はリンパ性白血病、及び骨髄性又は骨肉腫性白血病へと、分類される:(i)リンパ芽球性又はリンパ性白血病である、癌の変化は、感染を退ける免疫系細胞である、リンパ球を形成するように通常進行する、一種の骨髄細胞において生じる;(ii)骨髄性又は骨肉腫性白血病である、癌の変化は、赤血球、白血球の幾つかの他の型、及び血小板を形成するように通常進行する、一種の骨髄細胞において生じる。
【0084】
これらの主な分類内に、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、及び慢性リンパ芽球性白血病(CLL)を含むがこれらに限定されない、様々な細かい分類(subcategories)が存在する。
【0085】
AML
急性骨髄白血病、急性骨髄芽球性白血病、急性顆粒球性白血病、又は急性非リンパ性白血病としても知られる急性骨髄性白血病(AML)は、血液と骨髄の急成長している形の癌である。全体的なAMLは比較的稀な疾患であるが、これは成人に影響を及ぼす最も一般的な急性白血病である。骨髄が芽細胞(完全には未だに成熟していない細胞)を作り始めると、AMLが生じる。これら芽細胞は通常、白血球に進行する。しかし、AMLにおいて、これら細胞は進行せず、感染を防ぐことができない。AMLにおいて、骨髄はまた、異常な赤血球及び血小板を作る場合もある。これら異常細胞の数は急速に増加し、異常な(白血病)細胞は、身体が必要とする標準の白血球、赤血球、及び血小板を押し出し始める。
【0086】
AMLと白血病の他の主な形態とを区別する主な要因のうち1つは、白血病が進行する細胞に基づく、8つの異なる亜型を持つということである。急性骨髄白血病の型は、以下を含む:骨髄芽球性(M0)-特殊解析上で;骨髄芽球性(M1)-成熟なし;骨髄芽球性(M2)-成熟あり;前骨髄球性(Promyeloctic)(M3);骨髄単球性(M4);単球性(M5);赤白血病(M6);及び巨核球性(M7)。インビトロの研究は、骨髄の間充織の間質細胞(BM-MSC)が自発性及び化学療法誘導のアポトーシスからAML芽細胞を保護することを示している(A.M. Abdul-Azizm et al Cancer Res (2017) 77(2): 303-311)。Abdul=Azizmらは、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)誘導間質PKCβ/IL8がヒトAMLにおけるこの間質支持体の不可欠な特徴であることを報告している。著者は、PKCβの薬理学的阻害がBM-MSCにおけるMIF誘導のIL8誘導を阻害することを実証している。これらの結果は、AML芽細胞間の双方向性の生存促進性の機構が存在すること、及びこの機構がPKCβの阻害により遮断されることを示す。
【0087】
Bcl2は、B細胞リンパ腫に一般的に見られるt(14,18)転座に関連した細胞性癌遺伝子産物である。しかし、Bcl2発現レベルだけが、AMLと診断された患者における予後不良と必ずしも関連するとは限らない。Bcl2のリン酸化状態はBcl2活性に影響を及ぼすことができる。PKCα及び細胞外シグナル関連キナーゼ(ERK)は、生存を促進するBcl2キナーゼであると確認された。試験された患者のAML芽球細胞のほぼ半分において、Bcl2がリン酸化されることも実証された。更に、Bcl2は、活性化PKCα及びERKを備えたAML芽球細胞において常にリン酸化されるが、両方の活性化キナーゼを欠く細胞では決してリン酸化されない。リン酸化されたBcl2を発現する芽球細胞を持つAML患者は、非リン酸化Bcl2を発現する芽球細胞を持つ患者と比較して、より短い全生存(具体的にはPKCαが活性であった時)を示す。活性PKCαを持つ患者の生存は、リン酸化PKCを持たない患者と比較して短く、PKCα及びBCL2がリン酸化された患者においては最も短いと思われる。BCL2及びPKCαのアップレギュレートされた活性化を伴う患者は典型的に、最も貧しい臨床的結果を実証する。PKC阻害剤であるエンザスタウリンは、AML由来の細胞株のアポトーシス、及び新たに診断された又は再発性のAMLを持つ患者に由来する芽球細胞のアポトーシスを促進することが示された。この効果は、PKCβ阻害によるものではないが、むしろPKCα阻害と関連していた。
【0088】
本明細書には、幾つかの実施形態において、必要とする被験体のAMLを処置する方法が開示され、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を、被験体に投与する工程を含む。幾つかの実施形態において、前記方法はBLC2阻害剤の投与を更に含む。
【0089】
PKCβ阻害は、PKCαと同様に骨髄性悪性腫瘍において重要な役割を果たす場合があることが実証された。Li, et al (Leukemia & Lymphoma (2011), 52(7):1312-1320)は、PKCβシグナル伝達がヒトCML細胞株K562においてアップレギュレートされ、PKCβの阻害が時間及び容量に依存する様式でK562細胞増殖を阻害したことを示している。PKCβ阻害剤(新たなビスインドリルマレイミド誘導体WK234)が細胞増殖を遅らせ、且つPKCβシグナル伝達経路の抑止を介してアポトーシスを誘導したため、PKCβの阻害はCMLの処置に有望な手法かもしれない。更に、Dufies, et al (Oncotarget 2011; 2: 874-885)は、AXLアップレギュレーションがイマチニブに対するCML細胞の耐性の原因であり且つイマチニブ耐性の顕著な特徴であることを裏付ける証拠を提供する。著者は、AXLのこのアップレギュレーションがPKCα及びPKCβの両方を必要とすることを実証する。故に、PKCα及びPKCγ両方の阻害は、耐イマチニブ性のCMLを持つ患者の処置のための可能な機構であり得る。
【0090】
急性リンパ芽球性白血病(ALL)に関する研究において、Saba, et al (Leukemia & Lymphoma, 2011; 52(5): 877-886)は、PKCβ阻害剤での処置がが、試験された5つ全ての細胞株における生存度の用量依存性の減少を結果としてもたらすことを見出した。
【0091】
本明細書には、幾つかの実施形態において、必要とする被験体の白血病を処置する方法が記載され、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を、被験体に投与する工程を含み、ここで、白血病は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は慢性リンパ芽球性白血病(CLL)から選択される。
【0092】
T細胞リンパ腫
T細胞リンパ腫は米国における非ホジキンリンパ腫の15%未満を構築する。多くの型のT細胞リンパ腫が存在するが、これらは全てかなり稀なものである。
【0093】
前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病
前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病は、全てのリンパ腫の約1%を占める。これは、どのくらいの骨髄が含まれるか(白血病はより多くの骨髄を含む)に依存して、リンパ腫又は白血病の何れかであると考慮され得る。癌細胞は、小さいものから中程度のサイズの未熟なT細胞である。
【0094】
前駆Tリンパ芽球性リンパ腫は頻繁に、多くのT細胞が作られる胸腺に生じる。患者は多くの場合、若年成人層であり、男性の方が女性よりも頻繁に影響を受ける。前駆Tリンパ芽球性リンパ腫は成長が速いが、癌が骨髄に広がらない場合、化学療法後の予後は優れたものである。この疾患のリンパ腫形態は、白血病形態と同じ方法で頻繁に処置される。
【0095】
末梢T細胞性リンパ腫
末梢T細胞性リンパ腫(PTCL)は、成熟した白血球において進行する、珍しい且つ攻撃的な型の非ホジキンリンパ腫(NHL)である。PTCLは一般的に60歳以上の人々に影響を及ぼし、女性よりも僅かに男性において頻繁に診断される。
【0096】
皮膚T細胞リンパ腫(菌状息肉腫、セザリー症候群、及びその他)は皮膚に生じる。
皮膚リンパ腫は、全てのリンパ腫の約5%を占める。
【0097】
成人T細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫は典型的に、HTLV-1と呼ばれるウイルスによる感染症によって引き起こされる。この疾患は、米国においては稀であり、日本、カリブ海、及びアフリカの一部においてはかなり一般的なものであり、そこではHTLV-1ウイルスがより一般的なものである。4つの亜型が存在する:くすぶり型、慢性、急性、及びリンパ腫。
【0098】
くすぶり型の亜型は、血液中のリンパ球の数の増加がない、血液中の異常T細胞を有している。このリンパ腫は皮膚又は肺に関与する場合があるが、他の組織への関与はない。くすぶり型はゆっくりと増殖し、予後は良好である。
【0099】
慢性の亜型もゆっくりと増殖し、予後は良好である。これは、血液中のリンパ球とT細胞の合計を増加させる。これは皮膚、肺、リンパ節、肝臓、及び/又は脾臓に関与する場合があるが、他の組織には関与しない。
【0100】
急性の亜型は急性白血病のように作用する。これには、リンパ球及びT細胞の数が多く、頻繁にリンパ節、肝臓、及び脾臓の拡大が伴う。皮膚及び他の臓器は同様にリンパ腫と関連する場合がある。患者には頻繁に、発熱、寝汗、及び/又は体重減少の外、特定の異常な血液検査結果がある。
【0101】
リンパ腫の亜型は、慢性及びくすぶり型よりも早く増殖するが、急性型ほどではない。これには、血液中のリンパ球の増加のないリンパ節腫大があり、T細胞数は多くない。
【0102】
血管免疫芽球性T細胞性リンパ腫(AITL)は、NHLの全ての症例の1-2パーセントを占め、典型的には攻撃的な経過をたどる。AITLは高齢者においてより一般的である。AITLは、脾臓又は肝臓と同様にリンパ節にも関与する傾向があり、それらを拡大させることができる。患者には通常、発熱、体重減少、及び発疹があり、頻繁に感染を進行させる。このリンパ腫は頻繁に早く進行する。処置は大抵、最初は有効であるが、リンパ腫は再発する傾向がある。
【0103】
結節外の鼻のナチュラルキラー/T細胞リンパ腫は、鼻及び上咽喉などの上気道通路に頻繁に関与する稀なリンパ腫であるが、皮膚及び消化管にも侵入することができる。このリンパ腫の細胞は通常のナチュラルキラー(NK)細胞と幾つかの点で類似している。NK細胞は、T細胞及びB細胞よりも早く感染に応答することができるリンパ球である。結節外の鼻のNK/T細胞性リンパ腫は、より一般的にアジア及びラテンアメリカで発見され、エプスタイン-バーウイルス(EBV)に関連付けられる。
【0104】
腸疾患に関連する腸管T細胞性リンパ腫(EATL):EATLは腸の内層に生じるリンパ腫である。このリンパ腫は、最も一般的には空腸(小腸の第2の部分)におけるものであるが、小腸及び結腸のあらゆる場所にも生じ得る。EATLは、頻繁に腸において1より多くの場所に影響を及ぼし、同様に付近のリンパ節に広がることもある。これにより、腸は閉塞され又は穿孔され得る。このリンパ腫の2つの亜型が存在する。
【0105】
I型EATLは、グルテン過敏性腸症と呼ばれる疾患(セリアック病、セリアックスプルー、又はスプルーとしても知られる)を持つ人々に生じる。スプルーは、グルテン、即ち小麦粉における主要タンパク質が身体に抗体を産生させる自己免疫疾患であり、該抗体は、腸の内層及び身体の他の部分を攻撃するものである。このリンパ腫は女性よりも男性において一般的であり、60代と70代の人々に生じる傾向がある。グルテンに耐性はないがスプルーを持たない人々は、この種のリンパ腫の危険性の増大があるとは思われない。II型EATLはスプルーに関連付けられず、I型ほど一般的ではない。
【0106】
未分化大細胞リンパ腫(ALCL)は、成人におけるリンパ腫の全ての症例の約3パーセントを構成する、稀なT細胞リンパ腫である。ALCLは、小児においてかなり多く見られる。ALCLは通常、リンパ節から生じ、皮膚にも広がり得る。この種のリンパ腫は、増殖が早い傾向があるが、このリンパ腫を持つ多くの人々は攻撃的な化学療法で治癒される。
【0107】
ALCLの2つの主な形態は、皮膚のみに影響を及ぼす原発性皮膚性、及び全身性である。全身性ALCLは、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)の存在又は不在に基づいて亜型に分けられる。ALK陽性のALCLは、より若い患者に生じる傾向があり、ALK陰性の型よりも優れた予後を持つ傾向がある。
【0108】
末梢性T細胞リンパ腫は、他に未特定でない場合、PTCLの最も一般的な型であり、上記の群の何れにも容易に適合しないT細胞リンパ腫に与えられた名称である。これらは全てのT細胞リンパ腫のほぼ半分を構築する。この疾患と診断された大半の人々は60代である。このリンパ腫は頻繁に結節性の関与があるが、肝臓、骨髄、胃腸管、及び皮膚などのリンパ節外部位も関与を受ける場合がある。群として、これらリンパ腫は、広がり且つ早く増殖する傾向がある。一部の患者は化学療法に十分に応答するが、長期生存は一般的ではない。
【0109】
ユーイング肉腫
ユーイング肉腫は、骨、或いは、典型的に脚、骨盤、肋骨、腕、又は脊椎といった骨の周囲の組織(軟組織)において増殖する癌性腫瘍である。ユーイング肉腫は、肺、骨、及び骨髄に広がり得る。ユーイング肉腫は2番目に頻繁な小児期骨腫瘍であるが、非常に稀なものである。ユーイング肉腫は高度の転移性腫瘍であり、患者の約25%が診断時に転移を示す。全てのユーイング肉腫のほぼ半分が、10歳から20歳までの小児と若年成人層に生じる。頻繁には見られないが、ユーイング肉腫は、特に放射線療法で処置された患者において第2の癌として生じる場合がある。
【0110】
症例の約90%に存在するユーイング肉腫における最も一般的な転座が、EWSR1遺伝子とFLI1遺伝子との融合をかいして異常転写要因を生成する。PKCβは、他の腫瘍型と比較して、原発性ユーイング腫瘍におけるEWSR1-FLI1により調整された標的であると見出されている。PKCβは、インビトロでのユーイング肉腫の腫瘍細胞生存、及びインビボでの腫瘍進行に重要であると実証されている。
【0111】
本明細書には、幾つかの実施形態において、必要とする被験体のユーイング肉腫を処置する方法が開示され、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を、被験体に投与する工程を含む。
【0112】
BTK阻害剤
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤であるイブルチニブは、B細胞悪性腫瘍を標的とする、FDAに承認された抗癌薬である。現在は臨床開発の幾つかの段階にある他のBTK阻害剤には、限定されないが、ONO/GS-4059(Ono Phamaceuticals/Gilead Sciences)、AVL-292/CC-292/スペブルチニブ(Celgene Corporation)、BGB-3111(BeiGene)、及びACP-196/アカラブルチニブ(Acerta Pharma)、M7583(EMD Serono/Merck KGaA)、MSC2364447C(EMD Serono/Merck KGaA)、BIIB068(Biogen)、AC0058TA(ACEA Biosciences)、及びDTRMWXHS-12(Zhejiang DTRM Biopharma)が挙げられる。
【0113】
処置方法
血液悪性腫瘍
1つの実施形態は、必要とする被験体の血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、該方法は、以下から成る群から選択される化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を、被験体に投与する工程を含む:
N4-(6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-N2-エチル-5-フルオロピリミジン-2,4-ジアミン、
N4-(6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-5-フルオロ-N2,N2-ジメチルピリミジン-2,4-ジアミン、
N2-シクロプロピル-N4-(6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-5-フルオロピリミジン-2,4-ジアミン、
N4-(6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-5-フルオロ-N2-メチルピリミジン-2,4-ジアミン、
N4-(6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-5-フルオロ-N2-イソプロピルピリミジン-2,4-ジアミン、
N4-(6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-N2-エチルピリミジン-2,4-ジアミン、
N4-(6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-N2,N2-ジメチルピリミジン-2,4-ジアミン、
5-{[(8S)-6,8-ジメチル-6,9-ジアザスピロ[4.5]デカ-9-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
N4-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-N2-エチル-5-フルオロピリミジン-2,4-ジアミン、
N4-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-N2-エチル-5-フルオロピリミジン-2,4-ジアミン、
N2-エチル-5-フルオロ-N4-(5-{[(2S,5R)-4-(3-メトキシプロピル)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン、
N4-(6,6-ジメチル-5-{[(2S,5R)-2,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-N2-エチル-5-フルオロピリミジン-2,4-ジアミン、
4-[(6,6-ジメチル-5-{[(2S,5R)-2,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)アミノ]ピリミジン-2-カルボニトリル、
N-(2-エチル-5-フルオロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
N-(2-エチル-5-フルオロピリミジン-4-イル)-5-{[(2S,5R)-4-(3-メトキシプロピル)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
2-((5S)-4-{[3-[(2-エチル-5-フルオロピリミジン-4-イル)アミノ]-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル]カルボニル}-1,5-ジメチルピペラジン-2-イル)エタノール、
5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
N-(5-フルオロ-2-プロピルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
N-(5-フルオロ-2-イソプロピルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
N-[5-フルオロ-2-(メトキシメチル)ピリミジン-4-イル]-6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(2-エチル-5-フルオロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(4-メトキシピリミジン-2-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-N-(4-メチルピリミジン-2-イル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-N-[4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-N-(4-メチルピリミジン-2-イル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
N-(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-5-{[(2S,5R)-2,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
N-(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-5-{[4-エチル(2S,5R)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
N-(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
N-(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-5-{[(2S,5R)-4-(2-メトキシエチル)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
N-(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-5-{[(2S,5R)-4-(3-メトキシプロピル)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
N-[5-フルオロ-2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピリミジン-4-イル]-5-{[(2S,5R)-4-(3-メトキシプロピル)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
N-[5-フルオロ-2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピリミジン-4-イル]-6,6-ジメチル-5-{[(2S,5R)-2,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
N-[5-フルオロ-2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピリミジン-4-イル]-6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
2-((5S)-4-{[3-[(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)アミノ]-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル]カルボニル}-1,5-ジメチルピペラジン-2-イル)エタノール、
2-((5S)-4-{[3-[(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)アミノ]-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル]カルボニル}-1,5-ジメチルピペラジン-2-イル)エタノール、
5-[(4-フルオロ-1-メチルピペリジン-4-イル)カルボニル]-N-[5-フルオロ-2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピリミジン-4-イル]-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、
5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-[5-フルオロ-2-(メトキシメチル)ピリミジン-4-イル]-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、及び
2-((5S)-4-{[3-{[5-フルオロ-2-(メトキシメチル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル]カルボニル}-1,5-ジメチルピペラジン-2-イル)エタノール。
【0114】
別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、N4-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-N2-エチル-5-フルオロピリミジン-2,4-ジアミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、N4-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-N2-エチル-5-フルオロピリミジン-2,4-ジアミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(2-エチル-5-フルオロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(4-メトキシピリミジン-2-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-N-[4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、N4-(6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-N2-エチル-5-フルオロピリミジン-2,4-ジアミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、N4-(6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-N2-エチルピリミジン-2,4-ジアミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで血液悪性腫瘍はリンパ腫又は白血病である。別の実施形態は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)又は慢性リンパ性白血病(CLL)を処置する方法を提供する。
【0115】
1つの実施形態は、必要とする被験体の血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、該方法は、式5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミンを有する化合物或いはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む組成物を、被験体に投与する工程を含む。
【0116】
1つの実施形態は、必要とする被験体の血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、該方法は、以下から成る群から選択される化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を、被験体に投与する工程を含む:
N2-(シクロプロピルメチル)-N4-(6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-5-フルオロピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-5-フルオロ-N2-イソブチルピリミジン-2,4-ジアミン;
5-{[(2S,5R)-4-エチル-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メトキシピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
5-{[(2S,5R)-4-エチル-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
5-{[(2S,5R)-4-エチル-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2,6-ジメチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
2(S),5(S)-{[ジメチル-4-メチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
[3-(5-フルオロ-2-メチル-ピリミジン-4-イルアミノ)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-イル]-[4-(3-ヒドロキシ-プロピル)-2,5-ジメチル-ピペラジン-1-イル]メタノン;
N4-(6,6-ジメチル-5-{[(3S,8aS)-3-メチルヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2(1H)-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-N2-エチル-5-フルオロピリミジン-2,4-ジアミン;
N2-エチル-5-フルオロ-N4-(5-{[(2S,5R)-4-(2-メトキシエチル)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-N2-エチル-5-フルオロピリミジン-2,4-ジアミン;
N-(5-フルオロ-2-モルホリン-4-イルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-5-{[(2S,5R)-2,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
N2-エチル-5-フルオロ-N4-{5-[(4-フルオロ-1-メチルピペリジン-4-イル)カルボニル]-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル}ピリミジン-2,4-ジアミン;
N-(2-エチル-5-フルオロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-5-{[(2S,5R)-2,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
N-(2-エトキシピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-5-{[(2S,5R)-2,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(2-エチル-5-フルオロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
5-[(4-フルオロ-1-メチルピペリジン-4-イル)カルボニル]-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
N-(2-エチル-5-フルオロピリミジン-4-イル)-5-[(4-フルオロ-1-メチルピペリジン-4-イル)カルボニル]-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-5-{[(3S,8aS)-3-メチルヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2(1H)-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-5-{[(2S,5R)-2,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
5-{[(3S)-3-エチル-4-メチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
5-{[(3R)-3-エチル-4-メチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
4-[((2R,5S)-4-{[3-[(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ]-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル]カルボニル}-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル)メチル]テトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール;
2-((5S)-4-{[3-[(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ]-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル]カルボニル}-1,5-ジメチルピペラジン-2-イル)エタノール;
2-((5S)-4-{[3-[(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ]-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル]カルボニル}-1,5-ジメチルピペラジン-2-イル)エタノール;
5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(4-メトキシピリミジン-2-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
N-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)-5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
N-[5-フルオロ-2-(3-メトキシプロポキシ)ピリミジン-4-イル]-6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
N-[5-フルオロ-2-(3-メトキシプロポキシ)ピリミジン-4-イル]-6,6-ジメチル-5-{[(2S,5R)-2,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
N-[5-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)ピリミジン-4-イル]-6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
N-[5-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)ピリミジン-4-イル]-6,6-ジメチル-5-{[(2S,5R)-2,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
2(S),5(S)-{[ジメチル-4-メチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-エトキシピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
[3-(2-エトキシ-5-フルオロ-ピリミジン-4イル-アミノ)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-イル]-(R)-ヘキサヒドロ-ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル-メタノン;
5-{[(3S,8aS)-3,8a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2(1H)-イル]カルボニル}-N-(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
5-{[(3S)-3,4-ジメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
5-{[(3R)-3,4-ジメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
N-(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-5-{[(3S,8aS)-3-イソプロピルヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2(1H)-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
4-[((2R,5S)-4-{[3-[(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)アミノ]-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル]カルボニル}-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル)メチル]テトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール;
2-((5S)-4-{[3-[(5-フルオロ-2-メトキシピリミジン-4-イル)アミノ]-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル]カルボニル}-1,5-ジメチルピペラジン-2-イル)エタノール;
2-((5S)-4-{[3-[(5-フルオロ-2-メトキシピリミジン-4-イル)アミノ]-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル]カルボニル}-1,5-ジメチルピペラジン-2-イル)エタノール;
N-(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-5-[(4-フルオロ-1-メチルピペリジン-4-イル)カルボニル]-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
N-[5-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)ピリミジン-4-イル]-5-[(4-フルオロ-1-メチルピペリジン-4-イル)カルボニル]-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
N-[5-フルオロ-2-(3-メトキシプロポキシ)ピリミジン-4-イル]-5-[(4-フルオロ-1-メチルピペリジン-4-イル)カルボニル]-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
N-(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-5-{[1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペリジン-4-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
N-(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-5-{[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペリジン-4-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
N-(4-エトキシピリミジン-2-イル)-6,6-ジメチル-5-{[(2S,5R)-2,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;
N-(4-エトキシピリミジン-2-イル)-5-{[(2S,5R)-4-(3-メトキシプロピル)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン;又は
2-((5S)-4-{[3-{[5-フルオロ-2-(メトキシメチル)ピリミジン-4-イル]アミノ}-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル]カルボニル}-1,5-ジメチルピペラジン-2-イル)エタノール。
【0117】
別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、N-(4-エトキシピリミジン-2-イル)-6,6-ジメチル-5-{[(2S,5R)-2,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、5-{[(3S,8aS)-3,8a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2(1H)-イル]カルボニル}-N-(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、N-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)-5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、N-[5-フルオロ-2-(3-メトキシプロポキシ)ピリミジン-4-イル]-6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、N-(2-エトキシピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-5-{[(2S,5R)-2,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、N-(2-エチル-5-フルオロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-5-{[(2S,5R)-2,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、N2-エチル-5-フルオロ-N4-(5-{[(2S,5R)-4-(2-メトキシエチル)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、5-{[(2S,5R)-4-エチル-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2,6-ジメチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、N-(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-5-[(4-フルオロ-1-メチルピペリジン-4-イル)カルボニル]-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、4-[((2R,5S)-4-{[3-[(2-エトキシ-5-フルオロピリミジン-4-イル)アミノ]-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-イル]カルボニル}-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル)メチル]テトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、N-[5-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)ピリミジン-4-イル]-6,6-ジメチル-5-{[(2S,5R)-2,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(4-メトキシピリミジン-2-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-5-{[(2S,5R)-2,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。別の実施形態は血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで化合物は、N2-(シクロプロピルメチル)-N4-(6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-5-フルオロピリミジン-2,4-ジアミン、又はその薬学的に許容可能な塩である。
【0118】
1つの実施形態は、必要とする被験体の血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、該方法は、以下から成る群から選択される化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を、被験体に投与する工程を含む:
N-(5-{[(8S)-6,8-ジメチル-6,9-ジアザスピロ[4.5]デカ-9-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
N-(5-((3S,8aS)-3-ベンジル-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボニル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ベンズアミド;
N-(5-((3S,8aS)-3-ベンジル-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボニル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-3-メトキシベンズアミド;
3,4-ジクロロ-N-(6,6-ジメチル-5-((3S,8aS)-3-メチル-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ベンズアミド;
N-(6,6-ジメチル-5-((3S,8aS)-3-メチル-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-4,6-ジメチルピコリンアミド;
N-(5-((3S,8aS)-3-(シクロヘキシルメチル)-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボニル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピコリンアミド;
3-シアノ-N-(6,6-ジメチル-5-((3S,8aS)-3-メチル-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ベンズアミド;
N-(6,6-ジメチル-5-((3S,8aS)-3-メチル-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-カルボキサミド;
4,5-ジクロロ-N-(6,6-ジメチル-5-((3S,8aS)-3-メチル-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)チアゾール-2-カルボキサミド;
N-(6,6-ジメチル-5-((3S,8aS)-3-メチル-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)H-ピロロ[1,2-f]ピリミジン-3-カルボキサミド;
N-(5-((2R,5S)-2-(2-ヒドロキシエチル)-5-メチル-1-プロピルピペラジン-4-カルボニル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピコリンアミド;
N-(6,6-ジメチル-5-((3S,8aS)-3-メチル-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-5-ニトロピコリンアミド;
N-(6,6-ジメチル-5-((3S,8aS)-3-メチル-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)キノリン-2-カルボキサミド;
N-(5-((+/-)-トランス-1-アリル-2,5-ジメチルピペラジン-4-カルボニル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピコリンアミド;
5-ブロモ-N-(6,6-ジメチル-5-((3S,8aS)-3-メチル-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピコリンアミド;
N-(6,6-ジメチル-5-((3S,8aS)-3-メチル-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-5-フルオロピコリンアミド;
N-(5-((+/-)-トランス-1-エチル-2,5-ジメチルピペラジン-4-カルボニル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピコリンアミド;
N-(5-((+/-)-トランス-1-(シクロプロピルメチル)-2,5-ジメチルピペラジン-4-カルボニル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピコリンアミド;
N-(5-(1-(3-ヒドロキシプロピル)-2,5-ジメチルピペラジン-4-カルボニル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピコリンアミド;
N-(5-((3S,8aS)-3-イソプロピル-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボニル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピコリンアミド;
2-ブロモ-N-(6,6-ジメチル-5-((3S,8aS)-3-メチル-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)チアゾール-4-カルボキサミド;
N-(6,6-ジメチル-5-((2R,5S)-1,2,5-トリメチルピペラジン-4-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピコリンアミド;
N-(5-((2R,5S)-1-エチル-2,5-ジメチルピペラジン-4-カルボニル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピコリンアミド;
N-(5-((2R,5S)-2,5-ジメチル-1-プロピルピペラジン-4-カルボニル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピコリンアミド;
N-(5-((2R,5S)-1-(シクロプロピルメチル)-2,5-ジメチルピペラジン-4-カルボニル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピコリンアミド;
N-(5-((2R,5S)-1-ブチル-2,5-ジメチルピペラジン-4-カルボニル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピコリンアミド;
N-(6,6-ジメチル-5-{[(2S)-2,4,5,5-テトラメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
N-(5-{[(7S)-5,7-ジメチル-5,8-ジアザスピロ[3.5]ノン-8-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
N-(5-{[(2S,5R)-4-(3-メトキシプロピル)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
N-(5-((2R,5S)-2,5-ジメチル-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)ピペラジン-4-カルボニル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピコリンアミド;
N-(5-((2R,5S)-2,5-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-4-カルボニル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピコリンアミド;
N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロフラン-3-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
N-(6,6-ジメチル-5-((3S,8aS)-3-メチル-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)イソキノリン-3-カルボキサミド;
N-(6,6-ジメチル-5-((3S,8aS)-3-メチル-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-1,6-ナフチリジン-2-カルボキサミド;
3-シクロプロピル-N-(6,6-ジメチル-5-((3S,8aS)-3-メチル-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;
N-(6,6-ジメチル-5-((3S,8aS)-3-メチル-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)キノキサリン-2-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-(6,6-ジメチル-5-((3S,8aS)-3-メチル-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2-カルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;
3-シクロプロピル-N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;
N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-5-フルオロピリジン-2-カルボキサミド;
N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-5-メトキシピリジン-2-カルボキサミド;
5-クロロ-N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-6-メチルピリジン-2-カルボキサミド;
N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-3-エチル-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;
2-シクロプロピル-N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-1,3-オキサゾール-4-カルボキサミド;
N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-3-メチルベンズアミド;
N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-4-フルオロベンズアミド;
N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-3-フルオロベンズアミド;
N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-5-エチルピリジン-2-カルボキサミド;
N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-5-メチルピリジン-2-カルボキサミド;
N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-5-メトキシピリジン-2-カルボキサミド;
5-クロロ-N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
2-(3,5-ジメチルイソキサゾール-4-イル)-N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)アセトアミド;
5-シアノ-N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;及び
5-シアノ-N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピリジン-2-カルボキサミド。
【0119】
1つの実施形態は、必要とする被験体の血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、該方法は、式(I)を有する化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を、被験体に投与する工程を含み、
【0120】
【化8】
式中:
XはC又はNであり;
R
1はアリール又は
【0121】
【化9】
から選択され、ここで環AはZを含む5~6員のヘテロシクリルであり、Zは結合点に隣接しているO、S、又はNのヘテロ原子であり、R
1は随意に0~3のR
9基で更に置換され、R
9基のうち2つは随意に環化して、アリール、又は、それが結合されるアリール又はヘテロシクリルに融合したN又はSを含む5-6員のヘテロシクリルを形成し;
R
2は、H、又は、随意に0~3つのR
9基で更に置換されたC
1-C
6アルキルであり;
XがNである場合、R
3は環上の任意の炭素に結合することもあり、且つ、H、C
1-C
6アルキル、ハロゲン化物、或いはペルフルオロアルキルから選択され;
XがCである場合、R
3はフルオロであり、且つXに結合し;
R
4とR
5はそれぞれ独立して、H、R
a-O-R
b、C
1-C
8アルキル、C
2-C
8アルケニル、C
2-C
8アルキニル、-(R
d)
m-(C
3-C
12シクロアルキル)、-(R
d)
m-アリール、-(R
d)
m-(3-15員のヘテロシクリル)、-(R
d)
m-(C
1-C
6ペルフルオロアルキル)、-(R
d)
m-ハロゲン化物、-(R
d)
m-CN、-(R
d)
m-C(O)R
a、-(R
d)
m-C(O)OR
a、-(R
d)
m-C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-OR
a、-(R
d)
m-OC(O)R
a、-(R
d)
m-OC(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-O-S(O)R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-OS(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-NO
2、-(R
d)
m-NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)R
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)OR
b、-(R
d)
m-N(R
c)C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)
2R
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)R
b、-(R
d)
m-SR
a、-(R
d)
m-S(O)R
a、-(R
d)
m-S(O)
2R
a、-(R
d)
m-S(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-S(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-O-(R
e)
m-NR
aR
b、又は-(R
d)
m-NR
a-(R
e)-OR
bから選択され、或いはR
4とR
5は、一体となって環化することで3-5員のスピロ-シクロアルキルを形成することもあり;
C
3-C
12シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールのいずれかは独立して0~3つのR
9基によって随意に更に置換され;
R
6は、R
a-O-R
b、C
1-C
8アルキル、C
2-C
8アルケニル、C
2-C
8アルキニル、-(R
d)
m-(C
3-C
12シクロアルキル)、-(R
d)
m-アリール、-(R
d)
m-(3-15員のヘテロシクリル)、-(R
d)
m-(C
1-C
6ペルフルオロアルキル)、-(R
d)
m-ハロゲン化物、-(R
d)
m-CN、-(R
d)
m-C(O)R
a、-(R
d)
m-C(O)OR
a、-(R
d)
m-C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-OR
a、-(R
d)
m-OC(O)R
a、-(R
d)
m-OC(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-O-S(O)R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-OS(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-NO
2、-(R
d)
m-NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)R
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)OR
b、-(R
d)
m-N(R
c)C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)
2R
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)R
b、-(R
d)
m-SR
a、-(R
d)
m-S(O)R
a、-(R
d)
m-S(O)
2R
a、-(R
d)
m-S(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-S(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-O-(R
e)
m-NR
aR
b、又は-(R
d)
m-NR
a-(R
e)-OR
bから選択され:或いは、R
6は一体となって環化することで、それらが結合しているピペラジン(piperazine)又はピペラジン(piperadine)に縮合した4-7員のヘテロシクリル環を形成することもあり;及び、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールのいずれかは独立して0~3のR
9基で更に置換されることもあり;
R
7とR
8はそれぞれ独立してC
1-C
2アルキルであるか、或いは、R
7とR
8は一体となって環化することでシクロプロピル又はシクロブチルを形成し;
R
9はそれぞれ、H、R
a-O-R
b、C
1-C
8アルキル、C
2-C
8アルケニル、C
2-C
8アルキニル、-(R
d)
m-(C
3-C
12シクロアルキル)、-(R
d)
m-アリール、-(R
d)
m-(3-15員のヘテロシクリル)、-(R
d)
m-(C
1-C
6ペルフルオロアルキル)、-(R
d)
m-ハロゲン化物、-(R
d)
m-CN、-(R
d)
m-C(O)R
a、-(R
d)
m-C(O)OR
a、-(R
d)
m-C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-OR
a、-(R
d)
m-OC(O)R
a、-(R
d)
m-OC(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-O-S(O)R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-OS(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-NO
2、-(R
d)
m-NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)R
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)OR
b、-(R
d)
m-N(R
c)C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)
2R
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)R
b、-(R
d)
m-SR
a、-(R
d)
m-S(O)R
a、-(R
d)
m-S(O)
2R
a、-(R
d)
m-S(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-S(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-O-(R
e)
m-NR
aR
b、又は-(R
d)
m-NR
a-(R
e)-OR
bから選択され:ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、R
d、R
e、C
3-C
12シクロアルキル、アリール、或いは3-15員のヘテロシクリルのいずれかは独立して、-ハロゲン化物、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ペルフルオロアルキル、C
1-C
6アルコキシル、C
1-C
6アルキルアミノ、CN、或いはオキソから選択された1-3の基によって随意に更に置換され;
R
a、R
b、及びR
cはそれぞれ独立して、H、C
1-C
6ペルフルオロアルキル、C
1-C
8アルキル、C
2-C
8アルケニル、-(C
1-C
3アルキレン)
m-(C
3-C
8シクロアルキル)、-(C
1-C
3アルキレン)
m-(C
3-C
8シクロアルケニル)、C
2-C
8アルキニル、-(C
1-C
3アルキレン)
m-アリール、又は-(C
1-C
3アルキレン)
m-(3-8員のヘテロシクリル)から選択され、及び、R
a、R
b、及びR
cはそれぞれ独立して、ハロゲン化物、ヒドロキシル、-CN、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ペルフルオロアルキル、C
1-C
6アルコキシル、及びC
1-C
6アルキルアミノから選択された0-3の基によって随意に更に置換され、或いは、同じ窒素に結合すると、R
aとR
bは随意に-(3-8員のヘテロシクリル)を形成することがあり、前記3-8員のヘテロシクリルは、ハロゲン化物、ヒドロキシル、-CN、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ペルフルオロアルキル、C
1-C
6アルコキシル、或いはC
1-C
6アルキルアミノから選択された0-3の基によって随意に更に置換され;
R
dとR
eはそれぞれ独立して-(C
1-C
3アルキレン)-、-(C
2-C
5アルケニレン)-、或いは-(C
2-C
5アルキニレン)-であり;
mはそれぞれ独立して0又は1であり;
但し、X=Nの場合、R
2、R
3、R
4、及びR
5は全てHではないとする。
【0122】
別の実施形態は、R7とR8が共にメチルである、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、XがNである、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、別の実施形態は、R1がピリジン又はピペラジンである、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、R1が5員のヘテロシクリルである、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、R1が、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、或いはイミダゾールからなる群から選択される、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、R2又はR4がメチルである、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、R6が-(Rd)m-(3-15員のヘテロシクリル)である、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、R6が-(Rd)-テトラヒドロピランである、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、R6がテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチルである、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、R2が(S)配置の-CH3である、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、R6が-(Rd)m-ORaである、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。
【0123】
1つの実施形態は、必要とする被験体の血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、該方法は、以下から成る群から選択される化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を、被験体に投与する工程を含む:
N-(5-((2R,5S)-2,5-ジメチル-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)ピペラジン-4-カルボニル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ピコリンアミド;
N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-5-フルオロピリジン-2-カルボキサミド;
N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-5-エチルイソオキサゾール-3-カルボキサミド;
N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-2,4-ジメチル-1,3-オキサゾール-5-カルボキサミド;
N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-2-メチル-1,3-チアゾール-4-カルボキサミド;
N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-2-エチル-4-メチル-1,3-オキサゾール-5-カルボキサミド;
1-シクロブチル-N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾール-4-カルボキサミド;
N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-カルボキサミド;
N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-2-エチル-1,3-オキサゾール-4-カルボキサミド;
N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-5-モルホリン-4-イルピリジン-2-カルボキサミド;及び
N-(5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド。
【0124】
1つの実施形態は、必要とする被験体の血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、該方法は、式(A)を有する化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を、被験体に投与する工程を含み、
【0125】
【化10】
式中
XはC-R
11又はNであり、ここで、R
11は、H、ハロ、OH、C
1-C
3アルキル、CF
3、又はCNであり、
AとBは独立してC又はNであり、
R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立して、H、R
a-O-R
b、C
1-C
8アルキル、C
2-C
8アルケニル、C
2-C
8アルキニル、-(R
d)
m-(C
3-C
12シクロアルキル)、-(R
d)
m-フェニル、-(R
d)
m-(3-15員のヘテロシクリル)、-(R
d)
m-(C
1-C
6ペルフルオロアルキル)、-(R
d)
m-ハロゲン化物、(R
d)
m-CN、-(R
d)
m-C(O)R
a、-(R
d)
m-C(O)OR
a、-(R
d)
m-C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-OR
a、-(R
d)
m-OC(O)R
a、-(R
d)
m-OC(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-O-S(O)R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-OS(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-NO
2、-(R
d)
m-NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)R
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)OR
b、-(R
d)
m-N(R
c)C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)
2R
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)R
b、-(R
d)
m-SR
a、-(R
d)
m-S(O)R
a、-(R
d)
m-S(O)
2R
a、-(R
d)
m-S(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-S(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-O(R
e)
m-NR
aR
b、又は-(R
d)
m-NR
a-(R
e)-OR
bから選択され;ここで、R
2とR
3は一体となって随意に環化することで、それらが結合している6員のN含有ヘテロアリールに縮合した飽和又は不飽和の3-7員のヘテロシクリルを形成することもあり;ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、C
3-C
12シクロアルキル、フェニル、或いは3-15員のヘテロシクリルのいずれかは独立して随意に0-3のR
12基によって置換されてもよく;
R
4及びR
5はそれぞれ独立して、H、R
a-O-R
b、C
1-C
8アルキル、C
2-C
8アルケニル、C
2-C
8アルキニル、-(R
d)
m-(C
3-C
12シクロアルキル)、-(R
d)
m-フェニル、-(R
d)
m-(3-15員のヘテロシクリル)、-(R
d)
m-(C
1-C
6ペルフルオロアルキル)、-(R
d)
m-ハロゲン化物、-(R
d)
m-CN、-(R
d)
m-C(O)R
a、-(R
d)
m-C(O)OR
a、-(R
d)
m-C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-OR
a、-(R
d)
m-OC(O)R
a、-(R
d)
m-OC(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-O-S(O)R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-OS(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-NO
2、-(R
d)
m-NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)R
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)OR
b、-(R
d)
m-N(R
c)C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)
2R
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)R
b、-(R
d)
m-SR
a、-(R
d)
m-S(O)R
a、-(R
d)
m-S(O)
2R
a、-(R
d)
m-S(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-S(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-O(R
e)
m-NR
aR
b、又は-(R
d)
m-NR
a-(R
e)-OR
bから選択され;ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、C
3-C
12シクロアルキル、アリール、又は3-15員のヘテロシクリルの何れかは独立して、0-3のR
12基により随意に更に置換され;
R
6及びR
7はそれぞれ独立して、H、R
a-O-R
b、C
1-C
8アルキル、C
2-C
8アルケニル、C
2-C
8アルキニル、-(R
d)
m-(C
3-C
12シクロアルキル)、-(R
d)
m-フェニル、-(R
d)
m-(3-15員のヘテロシクリル)、-(R
d)
m-(C
1-C
6ペルフルオロアルキル)、-(R
d)
m-ハロゲン化物、-(R
d)
m-CN、-(R
d)
m-C(O)R
a、-(R
d)
m-C(O)OR
a、-(R
d)
m-C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-OR
a、-(R
d)
m-OC(O)R
a、-(R
d)
m-OC(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-O-S(O)R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-OS(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-NO
2、-(R
d)
m-NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)R
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)OR
b、-(R
d)
m-N(R
c)C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)
2R
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)R
b、-(R
d)
m-SR
a、-(R
d)
m-S(O)R
a、-(R
d)
m-S(O)
2R
a、-(R
d)
m-S(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-S(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-O-(R
e)
m-NR
aR
b、又は-(R
d)
m-NR
a-(R
e)-OR
bであり;ここで、R
6とR
7は共に随意に環化して、C
3-C
7シクロアルキルを形成する場合があり、及び、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、C
3-C
12シクロアルキル、アリール、又は3-15員のヘテロシクリルの何れかは独立して、0-3のR
12基により随意に更に置換され;
R
8は、H、R
a-O-R
b、C
1-C
8アルキル、C
2-C
8アルケニル、C
2-C
8アルキニル、-(R
d)
m-(C
3-C
12シクロアルキル)、-(R
d)
m-フェニル、-(R
d)
m-(3-15員のヘテロシクリル)、-(R
d)
m-(C
1-C
6ペルフルオロアルキル)、-(R
d)
m-ハロゲン化物、-(R
d)
m-CN、-(R
d)
m-C(O)R
a、-(R
d)
m-C(O)OR
a、-(R
d)
m-C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-OR
a、-(R
d)
m-OC(O)R
a、-(R
d)
m-OC(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-O-S(O)R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-OS(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-NO
2、-(R
d)
m-NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)R
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)OR
b、-(R
d)
m-N(R
c)C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)
2R
b、-((R
d)
m-N(R
a)S(O)R
b、-(R
d)
m-SR
a、-(R
d)
m-S(O)R
a、-(R
d)
m-S(O)
2R
a、-(R
d)
m-S(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-S(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-O-(R
e)
m-NR
aR
b、又は-(R
d)
m-NR
a-(R
e)-OR
bであり;及びここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、C
3-C
12シクロアルキル、フェニル、又は3-15員のヘテロシクリルの何れかは独立して、-F、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ペルフルオロアルキル、ヒドロキシル、C
1-C
6アルコキシ、又はオキソから選択された1-3の基により随意に更に置換され;
R
9とR
10はそれぞれ独立してC
1-C
2アルキルであり、或いは共に環化してシクロプロピル又はシクロブチルを形成し;
R
12はそれぞれ独立して、H、R
a-O-R
b、C
1-C
8アルキル、C
2-C
8アルケニル、C
2-C
8アルキニル、-(R
d)
m-(C
3-C
12シクロアルキル)、-(R
d)
m-フェニル、-(R
d)
m-(3-15員のヘテロシクリル)、-(R
d)
m-(C
1-C
6ペルフルオロアルキル)、-(R
d)
m-ハロゲン化物、-(R
d)
m-CN、-(R
d)
m-C(O)R
a、-(R
d)
m-C(O)OR
a、-(R
d)
m-C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-OR
a、-(R
d)
m-OC(O)R
a、-(R
d)
m-OC(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-O-S(O)R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-OS(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-NO
2、-(R
d)
m-NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)R
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)OR
b、-(R
d)
m-N(R
c)C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)
2R
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)R
b、-(R
d)
m-SR
a、-(R
d)
m-S(O)R
a、-(R
d)
m-S(O)
2R
a、-(R
d)
m-S(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-S(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-O-(R
e)
m-NR
aR
b、又は-(R
d)
m-NR
a-(R
e)-OR
bであり;及びここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、C
3-C
12シクロアルキル、フェニル、又は3-15員のヘテロシクリルの何れかは独立して、-F、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ペルフルオロアルキル、ヒドロキシル、C
1-C
6アルコキシ、又はオキソから選択された1-3の基により随意に更に置換され;
R
a、R
b、及びR
cはそれぞれ、H、C
1-C
8アルキル、C
2-C
8アルケニル、-(R
d)
m-(C
3-C
8シクロアルキル)、-(R
d)
m-(C
3-C
8シクロアルケニル)、C
2-C
8アルキニル、(R
d)
m-フェニル、或いは(R
d)
m-(3-7員のヘテロシクリル)から独立して選択され、並びに、R
a、R
b、及びR
cはそれぞれ独立して、ハロゲン化物、ヒドロキシル、CN、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ペルフルオロアルキル、C
1-C
6アルコキシル、及びC
1-C
6アルキルアミノから選択された1-3の基によって随意に更に置換され;或いは、同じ窒素に結合されると、R
aとR
bは一体となって随意に3-7員のヘテロシクリルを形成し、3-7員のヘテロシクリルは随意に、ハロゲン化物、ヒドロキシル、CN、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ペルフルオロアルキル、C
1-C
6アルコキシル、又はC
1-C
6アルキルアミノから選択された0~3の基により更に置換される場合があり;
R
dとR
eはそれぞれ独立して、-(C
1-C
3アルキレン)-、-(C
2-C
5アルケニレン)-、又は-(C
2-C
5アルキニレン)-であり;
mはそれぞれ独立して0又は1であり;
但し、XがNである場合、R
6とR
7は共にHではなく、XがC-R
11である場合、R
6とR
7は共にHである。
【0126】
別の実施形態は、式(A)の化合物について、R9とR10が共にメチルである、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、式(A)の化合物について、XがNであり、R6とR7がそれぞれ独立してH又はC1-C6アルキルではあるが、共にHではない、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、式(A)の化合物について、AがNであり、BがCである、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、式(A)の化合物について、AがCであり、BがNである、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、式(A)の化合物について、R6とR7が共にメチルである、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、式(A)の化合物について、R6がHであり、R7がメチルである、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで式(A)の化合物について、R4は、Ra-O-Rb、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル、-(Rd)m-(C3-C12シクロアルキル)、-(Rd)m--フェニル、-(Rd)m-(3-15員のヘテロシクリル)、-(Rd)m-(C1-C6ペルフルオロアルキル)、-(Rd)m-ハロゲン化物、-(Rd)m-CN、-(Rd)m-C(O)Ra、-(Rd)m-C(O)ORa、-(Rd)m-C(O)NRaRb、-(Rd)m-ORa、-(Rd)m-OC(O)Ra、-(Rd)m-OC(O)NRaRb、-(Rd)m-O-S(O)Ra、-(Rd)m-OS(O)2Ra、-(Rd)m-OS(O)2NRaRb、-(Rd)m-OS(O)NRaRb、-(Rd)m-NO2、-(Rd)m-NRaRb、-(Rd)m-N(Ra)C(O)Rb、-(Rd)m-N(Ra)C(O)ORb、-(Rd)m-N(Rc)C(O)NRaRb、-(Rd)m-N(Ra)S(O)2Rb、-(Rd)m-N(Ra)S(O)Rb、-(Rd)m-SRa、-(Rd)m-S(O)Ra、-(Rd)m-S(O)2Ra、-(Rd)m-S(O)NRaRb、-(Rd)m-S(O)2NRaRb、-(Rd)m-O-(Re)m-NRaRb、又は-(Rd)m-NRa-(Re)-ORbであり;ここで、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、C3-C12シクロアルキル、アリール、3-15員のヘテロシクリルは独立して0-3のR12基によって随意に更に置換される。別の実施形態は、式(A)の化合物についてR4がメチルである、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで式(A)の化合物について、R1は、Ra-O-Rb、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル、-(Rd)m-(C3-C12シクロアルキル)、-(Rd)m-フェニル、-(Rd)m-(3-15員のヘテロシクリル)、-(Rd)m-(C1-C6ペルフルオロアルキル)、-(Rd)m-ハロゲン化物、-(Rd)m-CN、-(Rd)m-C(O)Ra、-(Rd)m-C(O)ORa、-(Rd)m-C(O)NRaRb、-(Rd)m-ORa、-(Rd)m-OC(O)Ra、-(Rd)m-OC(O)NRaRb、-(Rd)m-O-S(O)Ra、-(Rd)m-OS(O)2Ra、-(Rd)m-OS(O)2NRaRb、-(Rd)m-OS(O)NRaRb、-(Rd)m-NO2、-(Rd)m-NRaRb、-(Rd)m-N(Ra)C(O)Rb、-(Rd)m-N(Ra)C(O)ORb、-(Rd)m-N(Rc)C(O)NRaRb、-(Rd)m-N(Ra)S(O)2Rb、-(Rd)m-N(Ra)S(O)Rb、-(Rd)m-SRa、-(Rd)m-S(O)Ra、-(Rd)m-S(O)2Ra、-(Rd)m-S(O)NRaRb、-(Rd)m-S(O)2NRaRb、-(Rd)m-O-(Re)m-NRaRb、又は-(Rd)m-NRa-(Re)-ORbであり;ここで、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、C3-C12シクロアルキル、アリール、3-15員のヘテロシクリルは独立して0-3のR12基によって随意に更に置換される。
【0127】
別の実施形態は、式(A)の化合物についてR1が-(Rd)m-ORa、C1-C8アルキル、又は-(Rd)m-NRaRbである、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで、式(A)の化合物について、R8は、Ra-O-Rb、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル、-(Rd)m-(C3-C12シクロアルキル)、-(Rd)m-フェニル、-(Rd)m-(3-15員のヘテロシクリル)、-(Rd)m-(C1-C6ペルフルオロアルキル)、-(Rd)m-ハロゲン化物、-(Rd)m-CN、-(Rd)m-ORa、又は-(Rd)m-NRaRbである。別の実施形態は、式(A)の化合物について、RdとReがそれぞれ独立して-(C1-C3アルキレン)である、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。
【0128】
1つの実施形態は、必要とする被験体の血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、該方法は、式(B)を有する化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を、被験体に投与する工程を含み、
【0129】
【化11】
式中
XはC-R
11又はNであり、ここで、R
11は、H、ハロ、OH、C
1-C
3アルキル、CF
3、又はCNであり;
AとBは独立してC又はNであり;
R
1は、R
a-O-R
b、C
1-C
8アルキル、C
2-C
8アルケニル、C
2-C
8アルキニル、-(R
d)
m-(C
3-C
12シクロアルキル)、-(R
d)
m-フェニル、-(R
d)
m-(3-15員のヘテロシクリル)、-(R
d)
m-(C
1-C
6ペルフルオロアルキル)、-(R
d)
m-ハロゲン化物、-(R
d)
m-CN、-(R
d)
m-C(O)R
a、-(R
d)
m-C(O)OR
a、-(R
d)
m-C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-OR
a、-(R
d)
m-OC(O)R
a、-(R
d)
m-OC(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-O-S(O)R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-OS(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-NO
2、-(R
d)
m-NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)R
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)OR
b、-(R
d)
m-N(R
c)C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)
2R
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)R
b、-(R
d)
m-SR
a、-(R
d)
m-S(O)R
a、-(R
d)
m-S(O)
2R
a、-(R
d)
m-S(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-S(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-O(R
e)
m-NR
aR
b、又は-(R
d)
m-NR
a-(R
e)-OR
bであり;ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、C
3-C
12シクロアルキル、フェニル、或いは3-15員のヘテロシクリルのいずれかは独立して随意に0-3のR
12基によって更に置換されてもよく;
R
2及びR
3はそれぞれ独立して、H、R
a-O-R
b、C
1-C
8アルキル、C
2-C
8アルケニル、C
2-C
8アルキニル、-(R
d)
m-(C
3-C
12シクロアルキル)、-(R
d)
m-フェニル、-(R
d)
m-(3-15員のヘテロシクリル)、-(R
d)
m-(C
1-C
6ペルフルオロアルキル)、-(R
d)
m-ハロゲン化物、-(R
d)
m-CN、-(R
d)
m-C(O)R
a、-(R
d)
m-C(O)OR
a、-(R
d)
m-C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-OR
a、-(R
d)
m-OC(O)R
a、-(R
d)
m-OC(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-O-S(O)R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-OS(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-NO
2、-(R
d)
m-NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)R
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)OR
b、-(R
d)
m-N(R
c)C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)
2R
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)R
b、-(R
d)
m-SR
a、-(R
d)
m-S(O)R
a、-(R
d)
m-S(O)
2R
a、-(R
d)
m-S(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-S(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-O(R
e)
m-NR
aR
b、又は-(R
d)
m-NR
a-(R
e)-OR
bから選択され;ここで、R
2とR
3は一体となって随意に環化することで、それらが結合している6員のN含有ヘテロアリールに縮合した飽和又は不飽和の3-7員のヘテロシクリルを形成することもあり;ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、C
3-C
12シクロアルキル、フェニル、或いは3-15員のヘテロシクリルのいずれかは独立して随意に0-3のR
12基によって更に置換されてもよく;
R
4及びR
5はそれぞれ独立して、H、R
a-O-R
b、C
1-C
8アルキル、C
2-C
8アルケニル、C
2-C
8アルキニル、-(R
d)
m-(C
3-C
12シクロアルキル)、-(R
d)
m-フェニル、-(R
d)
m-(3-15員のヘテロシクリル)、-(R
d)
m-(C
1-C
6ペルフルオロアルキル)、-(R
d)
m-ハロゲン化物、-(R
d)
m-CN、-(R
d)
m-C(O)R
a、-(R
d)
m-C(O)OR
a、-(R
d)
m-C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-OR
a、-(R
d)
m-OC(O)R
a、-(R
d)
m-OC(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-O-S(O)R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-OS(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-NO
2、-(R
d)
m-NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)R
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)OR
b、-(R
d)
m-N(R
c)C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)
2R
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)R
b、-(R
d)
m-SR
a、-(R
d)
m-S(O)R
a、-(R
d)
m-S(O)
2R
a、-(R
d)
m-S(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-S(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-O(R
e)
m-NR
aR
b、又は-(R
d)
m-NR
a-(R
e)-OR
bから選択され;ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、C
3-C
12シクロアルキル、アリール、又は3-15員のヘテロシクリルの何れかは独立して、0-3のR
12基により随意に更に置換され;
R
8は、H、R
a-O-R
b、C
1-C
8アルキル、C
2-C
8アルケニル、C
2-C
8アルキニル、-(R
d)
m-(C
3-C
12シクロアルキル)、-(R
d)
m-フェニル、-(R
d)
m-(3-15員のヘテロシクリル)、-(R
d)
m-(C
1-C
6ペルフルオロアルキル)、-(R
d)
m-ハロゲン化物、-(R
d)
m-CN、-(R
d)
m-C(O)R
a、-(R
d)
m-C(O)OR
a、-(R
d)
m-C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-OR
a、-(R
d)
m-OC(O)R
a、-(R
d)
m-OC(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-O-S(O)R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-OS(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-NO
2、-(R
d)
m-NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)R
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)OR
b、-(R
d)
m-N(R
c)C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)
2R
b、-((R
d)
m-N(R
a)S(O)R
b、-(R
d)
m-SR
a、-(R
d)
m-S(O)R
a、-(R
d)
m-S(O)
2R
a、-(R
d)
m-S(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-S(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-O-(R
e)
m-NR
aR
b、又は-(R
d)
m-NR
a-(R
e)-OR
bであり;及びここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、C
3-C
12シクロアルキル、フェニル、又は3-15員のヘテロシクリルの何れかは独立して、-F、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ペルフルオロアルキル、ヒドロキシル、C
1-C
6アルコキシ、又はオキソから選択された1-3の基により随意に更に置換され;
R
9とR
10はそれぞれ独立してC
1-C
2アルキルであり、或いは共に環化してシクロプロピル又はシクロブチルを形成し;
R
12はそれぞれ独立して、H、R
a-O-R
b、C
1-C
8アルキル、C
2-C
8アルケニル、C
2-C
8アルキニル、-(R
d)
m-(C
3-C
12シクロアルキル)、-(R
d)
m-フェニル、-(R
d)
m-(3-15員のヘテロシクリル)、-(R
d)
m-(C
1-C
6ペルフルオロアルキル)、-(R
d)
m-ハロゲン化物、-(R
d)
m-CN、-(R
d)
m-C(O)R
a、-(R
d)
m-C(O)OR
a、-(R
d)
m-C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-OR
a、-(R
d)
m-OC(O)R
a、-(R
d)
m-OC(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-O-S(O)R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2R
a、-(R
d)
m-OS(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-OS(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-NO
2、-(R
d)
m-NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)R
b、-(R
d)
m-N(R
a)C(O)OR
b、-(R
d)
m-N(R
c)C(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)
2R
b、-(R
d)
m-N(R
a)S(O)R
b、-(R
d)
m-SR
a、-(R
d)
m-S(O)R
a、-(R
d)
m-S(O)
2R
a、-(R
d)
m-S(O)NR
aR
b、-(R
d)
m-S(O)
2NR
aR
b、-(R
d)
m-O-(R
e)
m-NR
aR
b、又は-(R
d)
m-NR
a-(R
e)-OR
bであり;及びここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、C
3-C
12シクロアルキル、フェニル、又は3-15員のヘテロシクリルの何れかは独立して、-F、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ペルフルオロアルキル、ヒドロキシル、C
1-C
6アルコキシ、又はオキソから選択された1-3の基により随意に更に置換され;
R
a、R
b、及びR
cはそれぞれ、H、C
1-C
8アルキル、C
2-C
8アルケニル、-(R
d)
m-(C
3-C
8シクロアルキル)、-(R
d)
m-(C
3-C
8シクロアルケニル)、C
2-C
8アルキニル、(R
d)
m-フェニル、或いは(R
d)
m-(3-7員のヘテロシクリル)から独立して選択され、並びに、R
a、R
b、及びR
cはそれぞれ独立して、ハロゲン化物、ヒドロキシル、CN、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ペルフルオロアルキル、C
1-C
6アルコキシル、及びC
1-C
6アルキルアミノから選択された1-3の基によって随意に更に置換され;或いは、同じ窒素に結合されると、R
aとR
bは一体となって随意に3-7員のヘテロシクリルを形成し、3-7員のヘテロシクリルは随意に、ハロゲン化物、ヒドロキシル、-CN、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ペルフルオロアルキル、C
1-C
6アルコキシル、又はC
1-C
6アルキルアミノから選択された0~3の基により更に置換される場合があり;
R
dとR
eはそれぞれ独立して、-(C
1-C
3アルキレン)-、-(C
2-C
5アルケニレン)-、又は-(C
2-C
5アルキニレン)-であり;及び
mはそれぞれ独立して0又は1である。
【0130】
別の実施形態は、式(B)の化合物について、AがNであり、BがCである、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、式(B)の化合物について、R9とR10が共にメチルである、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、ここで、式(B)の化合物について、R4は-(Rd)m-ORa、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、又はC2-C8アルキニルである。別の実施形態は、式(B)の化合物についてR4がメチルである、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、式(B)の化合物についてR1が-(Rd)m-ORa、C1-C8アルキル、又は-(Rd)m-NRaRbである、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。別の実施形態は、式(B)の化合物について、RdとReがそれぞれ独立して-(C1-C3アルキレン)である、血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。
【0131】
1つの実施形態は、必要とする個体の血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む。別の実施形態は、血液悪性腫瘍がリンパ腫又は白血病である方法を提供する。
【0132】
別の実施形態は、リンパ腫又は白血病が、古典的ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)である、方法を提供する。別の実施形態は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)が、B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC-DLBCL)、胚中心B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB-DLBC)、原発性縦隔B細胞リンパ腫、又は血管内大細胞型B細胞リンパ腫である、方法を提供する。
【0133】
別の実施形態は、辺縁帯B細胞リンパ腫が、結節外辺縁帯リンパ腫、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、結節性辺縁帯リンパ腫、又は脾臓辺縁帯リンパ腫である、方法を提供する。
【0134】
別の実施形態は、血液悪性腫瘍が再発性又は難治性の血液悪性腫瘍である方法を提供する。別の実施形態は、再発性又は難治性の血液悪性腫瘍が再発性又は難治性のリンパ腫又は白血病である方法を提供する。別の実施形態は、再発性又は難治性のリンパ腫又は白血病が、再発性又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、再発性又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、再発性又は難治性の濾胞性リンパ腫、再発性又は難治性の小リンパ球性リンパ腫(SLL)、再発性又は難治性の慢性リンパ球性白血病(CLL)、再発性又は難治性のマントル細胞リンパ腫、再発性又は難治性の辺縁帯B細胞リンパ腫、再発性又は難治性のバーキットリンパ腫、再発性又は難治性のリンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、再発性又は難治性の有毛細胞白血病、再発性又は難治性の原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、再発性又は難治性の急性リンパ性白血病(ALL)、再発性又は難治性の急性骨髄性白血病(AML)、再発性又は難治性の慢性骨髄性白血病(CML)、或いは再発性又は難治性の慢性骨髄単球性白血病(CMML)である、方法を提供する。
【0135】
1つの実施形態は、必要とする個体の血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を、個体に投与する工程を含み、ここで、イブルチニブの使用は不適当であるか、或いは禁忌である。
【0136】
1つの実施形態は、必要とする個体のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を処置する方法を提供し、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む。別の実施形態は、DLBCLがABC-DLBCLである方法を提供する。
【0137】
1つの実施形態は、必要とする個体の再発性又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を処置する方法を提供し、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む。別の実施形態は、再発性又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)がBTK阻害剤に対して不応性である、方法を提供する。別の実施形態は、BTK阻害剤がイブルチニブである方法を提供する。別の実施形態は、DLBCLがABC-DLBCLである方法を提供する。
【0138】
1つの実施形態は、必要とする個体の慢性リンパ球性白血病(CLL)を処置する方法を提供し、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む。別の実施形態は、selinexorの投与を更に含む方法を提供する。
【0139】
1つの実施形態は、必要とする個体の再発性又は難治性の慢性リンパ球性白血病(CLL)を処置する方法を提供し、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む。別の実施形態は、再発性又は難治性の慢性リンパ球性白血病(CLL)がBTK阻害剤に対して不応性である、方法を提供する。別の実施形態は、BTK阻害剤がイブルチニブである方法を提供する。別の実施形態は、selinexorの投与を更に含む方法を提供する。
【0140】
1つの実施形態は、必要とする個体の慢性リンパ球性白血病(CLL)を処置する方法を提供し、該方法は、(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;(b)BTK阻害剤;及び(c)selinexorを含む組成物を、個体に投与する工程を含む。別の実施形態は、BTK阻害剤がイブルチニブである方法を提供する。
【0141】
1つの実施形態は、必要とする個体の再発性又は難治性の慢性リンパ球性白血病(CLL)を処置する方法を提供し、該方法は、(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;及び(b)selinexorを含む組成物を、個体に投与する工程を含む。別の実施形態は、再発性又は難治性の慢性リンパ球性白血病(CLL)がBTK阻害剤に対して不応性である、方法を提供する。別の実施形態は、BTK阻害剤がイブルチニブである方法を提供する。
【0142】
1つの実施形態は、必要とする個体のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を処置する方法を提供し、該方法は、(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;及び(b)BTK阻害剤を、個体に投与する工程を含む。別の実施形態は、BTK阻害剤がイブルチニブである方法を提供する。別の実施形態は、DLBCLがABC-DLBCLである方法を提供する。
【0143】
1つの実施形態は、必要とする個体の慢性リンパ球性白血病(CLL)を処置する方法を提供し、該方法は、(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;及び(b)BTK阻害剤を、個体に投与する工程を含む。別の実施形態は、BTK阻害剤がイブルチニブである方法を提供する。
【0144】
1つの実施形態は、必要とする個体の急性骨髄性白血病(AML)を処置する方法を提供し、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む。
【0145】
1つの実施形態は、必要とする個体の再発性又は難治性の急性骨髄性白血病(AML)を処置する方法を提供し、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む。
【0146】
1つの実施形態は、必要とする個体の急性骨髄性白血病(AML)を処置する方法を提供し、該方法は、(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;及び(b)BTK阻害剤を、個体に投与する工程を含む。別の実施形態は、BTK阻害剤がイブルチニブである方法を提供する。
【0147】
1つの実施形態は、必要とする個体の多発性骨髄腫を処置する方法を提供し、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む。別の実施形態は、多発性骨髄腫が再発性又は難治性の多発性骨髄腫である方法を提供する。別の実施形態は、再発性又は難治性の多発性骨髄腫がBTK阻害剤に対して不応性である、方法を提供する。別の実施形態は、BTK阻害剤がイブルチニブである方法を提供する。
【0148】
1つの実施形態は、必要とする個体の多発性骨髄腫を処置する方法を提供し、該方法は、(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;及び(b)BTK阻害剤を、個体に投与する工程を含む。別の実施形態は、BTK阻害剤がイブルチニブである方法を提供する。
【0149】
1つの実施形態は、必要とする個体のユーイング肉腫を処置する方法を提供し、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む。
【0150】
1つの実施形態は、必要とする個体の小リンパ球性リンパ腫(SLL)を処置する方法を提供し、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む。別の実施形態は、selinexorの投与を更に含む方法を提供する。
【0151】
1つの実施形態は、必要とする個体の再発性又は難治性の小リンパ球性リンパ腫(SLL)を処置する方法を提供し、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む。別の実施形態は、再発性又は難治性の小リンパ球性リンパ腫(SLL)がBTK阻害剤に対して不応性である、方法を提供する。別の実施形態は、BTK阻害剤がイブルチニブである方法を提供する。別の実施形態は、selinexorの投与を更に含む方法を提供する。
【0152】
1つの実施形態は、必要とする個体の小リンパ球性リンパ腫(SLL)を処置する方法を提供し、該方法は、(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;(b)BTK阻害剤;及び(c)selinexorを含む組成物を、個体に投与する工程を含む。別の実施形態は、BTK阻害剤がイブルチニブである方法を提供する。
【0153】
1つの実施形態は、必要とする個体の再発性又は難治性の小リンパ球性リンパ腫(SLL)を処置する方法を提供し、該方法は、(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;及び(b)selinexorを含む組成物を、個体に投与する工程を含む。別の実施形態は、再発性又は難治性の小リンパ球性リンパ腫(SLL)がBTK阻害剤に対して不応性である、方法を提供する。別の実施形態は、BTK阻害剤がイブルチニブである方法を提供する。
【0154】
1つの実施形態は、必要とする個体のB細胞由来の血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む。幾つかの例において、B細胞由来の血液悪性腫瘍は、古典的ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、マントル細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)を含む。幾つかの例において、B細胞由来の血液悪性腫瘍はDLBCLを含む。幾つかの例において、B細胞由来の血液悪性腫瘍はCLLを含む。幾つかの例において、B細胞由来の血液悪性腫瘍はSLLを含む。幾つかの例において、B細胞由来の血液悪性腫瘍は多発性骨髄腫を含む。幾つかの例において、B細胞由来の血液悪性腫瘍はAMLを含む。幾つかの例において、前記方法は、個体へのselinexorの投与を更に含む。更なる例において、前記方法はBTK阻害剤の投与を更に含む。幾つかの場合、BTK阻害剤はイブルチニブである。
【0155】
1つの実施形態は、必要とする個体のB細胞由来の血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、該方法は、(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;(b)BTK阻害剤;及び(c)selinexorを含む組成物を、個体に投与する工程を含む。幾つかの例において、B細胞由来の血液悪性腫瘍は、古典的ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、多発性骨髄腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)を含む。幾つかの例において、B細胞由来の血液悪性腫瘍はDLBCLを含む。幾つかの例において、B細胞由来の血液悪性腫瘍はCLLを含む。幾つかの例において、B細胞由来の血液悪性腫瘍はSLLを含む。幾つかの例において、B細胞由来の血液悪性腫瘍は多発性骨髄腫を含む。幾つかの例において、B細胞由来の血液悪性腫瘍はAMLを含む。幾つかの場合、BTK阻害剤はイブルチニブである。
【0156】
1つの実施形態は、必要とする個体の難治性のB細胞由来の血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む。幾つかの例において、難治性のB細胞由来の血液悪性腫瘍は、難治性の古典的ホジキンリンパ腫、難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、難治性の濾胞性リンパ腫、難治性の小リンパ球性リンパ腫(SLL)、難治性の慢性リンパ球性白血病(CLL)、難治性のマントル細胞リンパ腫、難治性の辺縁帯B細胞リンパ腫、難治性のバーキットリンパ腫、難治性のリンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、難治性の有毛細胞白血病、難治性の原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、難治性の多発性骨髄腫、難治性の急性リンパ性白血病(ALL)、難治性の急性骨髄性白血病(AML)、難治性の慢性骨髄性白血病(CML)、又は難治性の慢性骨髄単球性白血病(CMML)を含む。幾つかの例において、難治性のB細胞由来の血液悪性腫瘍は難治性のDLBCLを含む。幾つかの例において、難治性のB細胞由来の血液悪性腫瘍は難治性のCLLを含む。幾つかの例において、難治性のB細胞由来の血液悪性腫瘍は難治性のSLLを含む。幾つかの例において、難治性のB細胞由来の血液悪性腫瘍は難治性の多発性骨髄腫を含む。幾つかの例において、難治性のB細胞由来の血液悪性腫瘍は難治性のAMLを含む。幾つかの例において、前記方法は、個体へのselinexorの投与を更に含む。更なる例において、前記方法はBTK阻害剤の投与を更に含む。幾つかの場合、BTK阻害剤はイブルチニブである。
【0157】
幾つかの例において、再発性又は難治性のB細胞由来の血液悪性腫瘍は、BTKタンパク質、PLCγ2、又はその両方において突然変異を発現する。1つの実施形態は、BTK及び/又はPLCγ突然変異を持つ個体を処置する方法を提供し、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン、又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を、個体に投与する工程を含み、ここで、BTK及び/又はPLCγにおける突然変異の存在は、BTK阻害剤に対する耐性につながる。幾つかの例において、BTK突然変異は残基C481にて突然変異を含む。場合によっては、突然変異はC481Sである。幾つかの例において、PLCγ2突然変異は、残基R665及び/又はL845にて突然変異を含む。場合によっては、突然変異はR665Wである。場合によっては、突然変異はL845Fである。幾つかの例において、個体はB細胞由来の血液悪性腫瘍を患っている。幾つかの例において、個体は、古典的ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、マントル細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)を患っている。幾つかの実施形態において、個体はDLBCLを患っている。幾つかの実施形態において、個体はCLLを患っている。幾つかの実施形態において、個体はSLLを患っている。幾つかの実施形態において、個体は多発性骨髄腫を患っている。幾つかの実施形態において、個体はAMLを患っている。幾つかの例において、前記方法は、個体へのselinexorの投与を更に含む。更なる例において、前記方法はイブルチニブの投与を更に含む。
【0158】
1つの実施形態は、BTK及び/又はPLCγ2の突然変異を持つ個体を処置する方法を提供し、該方法は、(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;(b)イブルチニブ;及び(c)selinexorを含む組成物を、個体に投与する工程を含み;ここで、BTK及び/又はPLCγ2における突然変異の存在は、BTK阻害剤に対する耐性につながる。幾つかの例において、BTK突然変異は残基C481にて突然変異を含む。場合によっては、突然変異はC481Sである。幾つかの例において、PLCγ2突然変異は、残基R665及び/又はL845にて突然変異を含む。場合によっては、突然変異はR665Wである。場合によっては、突然変異はL845Fである。幾つかの例において、個体はB細胞由来の血液悪性腫瘍を患っている。幾つかの例において、個体は、古典的ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、マントル細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)を患っている。幾つかの実施形態において、個体はDLBCLを患っている。幾つかの実施形態において、個体はCLLを患っている。幾つかの実施形態において、個体はSLLを患っている。幾つかの実施形態において、個体は多発性骨髄腫を患っている。幾つかの実施形態において、個体はAMLを患っている。
【0159】
1つの実施形態は、必要とする個体の難治性のB細胞由来の血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、該方法は、(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;(b)BTK阻害剤;及び(c)selinexorを含む組成物を、個体に投与する工程を含む。幾つかの例において、難治性のB細胞由来の血液悪性腫瘍は、難治性の古典的ホジキンリンパ腫、難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、難治性の濾胞性リンパ腫、難治性の小リンパ球性リンパ腫(SLL)、難治性の慢性リンパ球性白血病(CLL)、難治性のマントル細胞リンパ腫、難治性の辺縁帯B細胞リンパ腫、難治性のバーキットリンパ腫、難治性のリンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、難治性の有毛細胞白血病、難治性の多発性骨髄腫、難治性の原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、難治性の急性リンパ性白血病(ALL)、難治性の急性骨髄性白血病(AML)、難治性の慢性骨髄性白血病(CML)、又は難治性の慢性骨髄単球性白血病(CMML)を含む。幾つかの例において、難治性のB細胞由来の血液悪性腫瘍は難治性のDLBCLを含む。幾つかの例において、難治性のB細胞由来の血液悪性腫瘍は難治性のCLLを含む。幾つかの例において、難治性のB細胞由来の血液悪性腫瘍は難治性のSLLを含む。幾つかの例において、難治性のB細胞由来の血液悪性腫瘍は難治性の多発性骨髄腫を含む。幾つかの例において、難治性のB細胞由来の血液悪性腫瘍は難治性のAMLを含む。幾つかの場合、BTK阻害剤はイブルチニブである。
【0160】
1つの実施形態は、イブルチニブに耐性のある個体を処置する方法を提供し、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、個体に投与する工程を含む。幾つかの例において、イブルチニブに耐性のある個体は、B細胞由来の血液悪性腫瘍を患っている。幾つかの例において、イブルチニブに耐性のある個体は、古典的ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、マントル細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)を患っている。幾つかの実施形態において、イブルチニブに耐性のある個体はDLBCLを患っている。幾つかの実施形態において、イブルチニブに耐性のある個体はCLLを患っている。幾つかの実施形態において、イブルチニブに耐性のある個体はSLLを患っている。幾つかの実施形態において、イブルチニブに耐性のある個体は多発性骨髄腫を患っている。幾つかの実施形態において、イブルチニブに耐性のある個体はAMLを患っている。幾つかの例において、前記方法は、個体へのselinexorの投与を更に含む。更なる例において、前記方法はイブルチニブの投与を更に含む。
【0161】
1つの実施形態は、イブルチニブに耐性のある個体を処置する方法を提供し、該方法は、(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;(b)イブルチニブ;及び(c)selinexorを含む組成物を、個体に投与する工程を含む。幾つかの例において、イブルチニブに耐性のある個体は、B細胞由来の血液悪性腫瘍を患っている。幾つかの例において、イブルチニブに耐性のある個体は、古典的ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)を患っている。幾つかの実施形態において、イブルチニブに耐性のある個体はDLBCLを患っている。幾つかの実施形態において、イブルチニブに耐性のある個体はCLLを患っている。幾つかの実施形態において、イブルチニブに耐性のある個体はSLLを患っている。幾つかの実施形態において、イブルチニブに耐性のある個体は多発性骨髄腫を患っている。幾つかの実施形態において、イブルチニブに耐性のある個体はAMLを患っている。
【0162】
1つの実施形態は、第1の個体のリンパ球増加を誘導する方法を提供し、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、第1の個体に投与する工程を含み、ここでリンパ球数は、医薬組成物の投与の無い第2の個体に比べて、第1の個体において増加される。幾つかの例において、リンパ球数は、医薬組成物の投与の無い第2の個体に比べて、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は99%増加される。幾つかの例において、リンパ球数は、医薬組成物の投与後に第1の個体において、血液1マイクロリットル当たり3000より多くのリンパ球である。
【0163】
1つの実施形態は、第1の個体のリンパ球増加を誘導する方法を提供し、該方法は、(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;(b)イブルチニブ;及び(c)selinexorを含む組成物を、第1の個体に投与する工程を含み;ここで、リンパ球数は、(a)(b)、及び(c)の組成物の投与が無い第2の個体に比べて、第1の個体において増加される。幾つかの例において、リンパ球数は、第2の個体に比べて、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は99%増加される。幾つかの例において、リンパ球数は、投与後に第1の個体において、血液1マイクロリットル当たり3000より多くのリンパ球である。
【0164】
1つの実施形態は、細胞のアポトーシスを誘導する方法を提供し、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む、有効な量の組成物を、細胞に投与する工程を含む。
【0165】
1つの実施形態は、細胞の細胞増殖を減少させる方法を提供し、該方法は、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む、有効な量の組成物を、細胞に投与する工程を含む。
【0166】
併用療法
幾つかの例において、本明細書に記載される方法は更に、少なくとも1つの追加の腫瘍学的治療薬との併用療法を含む。1つの実施形態は、必要とする個体の血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、該方法は、(a)式(I)、式(A)、又は式(B)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;及び(b)SYK阻害剤、二重SYK-JAK阻害剤、PI3K阻害剤、JAK-STAT阻害剤、BCL2阻害剤、免疫調節薬、抗体-薬物複合体、免疫チェックポイント阻害剤、PD-1阻害剤、TIM-3阻害剤、CTLA-4阻害剤、ブロモドメイン阻害剤、EZH2阻害剤、HDAC阻害剤、又はIDH2阻害剤から選択される少なくとも1つの腫瘍学的治療薬を個体に投与する工程を含む。
【0167】
1つの実施形態は、必要とする個体の血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、該方法は、(a)5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミン又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物;及び(b)SYK阻害剤、二重SYK-JAK阻害剤、PI3K阻害剤、JAK-STAT阻害剤、BCL2阻害剤、免疫調節薬、抗体-薬物複合体、免疫チェックポイント阻害剤、PD-1阻害剤、TIM-3阻害剤、CTLA-4阻害剤、ブロモドメイン阻害剤、EZH2阻害剤、HDAC阻害剤、又はIDH2阻害剤から選択される少なくとも1つの腫瘍学的治療薬を個体に投与する工程を含む。
【0168】
別の実施形態は、血液悪性腫瘍がリンパ腫又は白血病である方法を提供する。別の実施形態は、リンパ腫又は白血病が、古典的ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)である、方法を提供する。別の実施形態は、血液悪性腫瘍が再発性又は難治性の血液悪性腫瘍である方法を提供する。別の実施形態は、再発性又は難治性の血液悪性腫瘍が再発性又は難治性のリンパ腫又は白血病である方法を提供する。
【0169】
医薬組成物及び剤形
本明細書に記載される方法で使用されるピロロ-ピラゾール化合物は、幾つかの例において、錠剤又はカプセル、油性又は水性懸濁液、ロゼンジ、トローチ、粉末剤、果粒剤、乳剤、シロップ、又はエリキシルとして経口投与される。経口での使用のための組成物は、薬学的に上品且つ味のよい調製物を産生するために、香味、甘味、着色、及び防腐のための1つ以上の薬剤を含んでもよい。錠剤は、そのような錠剤の製造における補助品として薬学的に許容可能な賦形剤を含んでもよい。当該技術分野で従来あるように、このような錠剤は、より長い期間にわたり除放作用を提供するために、胃腸管における分解及び吸収を遅らせるように、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルなどの薬学的に許容可能な腸溶コーティングで覆われてもよい。
【0170】
経口での使用のための製剤は、有効成分が不活性な固形の希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、又はカオリンと混合された、ハードカプセルの形態でもよい。それらはまた、有効成分が、水、或いは落花生油、流動パラフィン、又はオリーブ油などの油媒体と混合された、ソフトゼラチンカプセルの形態でもよい。
【0171】
水性懸濁液は通常、水性懸濁液の製造に適している賦形剤と混合した有効成分を含んでいる。そのような賦形剤は、懸濁化剤、例えばカルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、及びアラビアガム;レシチンなどのホスファチドを自然に生じさせ得る分散剤又は湿潤剤、エチレンオキシド及び長鎖脂肪酸の縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンステアリン酸塩、ヘプタデカエチレンオキシセタノールなどのエチレンオキシド及び長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレアートなどの脂肪酸及びヘキシトール由来のエチレンオキシド及び部分エステルの縮合生成物、或いはポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートなどの脂肪酸ヘキシトール無水物であり得る。
【0172】
本明細書に記載される方法に使用されるピロロ-ピラゾール化合物は、幾つかの例において、滅菌の注入可能な水性或いは油脂性の懸濁液の形態である。この懸濁液は、上述される適切な分散剤又は湿潤剤、及び懸濁化剤を使用して、既知の方法に従って製剤され得る。滅菌の注入可能な調製物はまた、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液として、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤又は溶媒中で懸濁液として製剤され得る。使用され得る許容可能なビヒクル及び溶媒の中には、水、リンガー液、及び等張性塩化ナトリウム溶液がある。この目的のために、合成のモノグリセリド又はジグリセリドを含む、任意の無菌性の(bland)固定油が使用され得る。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が、注入可能なものの調製における使用を見出す。
【0173】
本明細書に開示される処置方法のために使用されるピロロ-ピラゾールの用量レベルは、体重1kgにつき約0.5mgから約100mgにまで及ぶ。好ましい用量範囲は、体重1kgにつき約30mg~約100mgである。
【0174】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるピロロ-ピラゾール化合物には、10時間から20時間の半減期がある。幾つかの例において、本明細書に記載されるピロロ-ピラゾール化合物には、12時間から20時間、12時間から18時間、又は12時間から15時間の半減期がある。場合によっては、本明細書に記載されるピロロ-ピラゾール化合物には、約10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、又は20時間の半減期がある。
【実施例0175】
これら実施例は、例示目的のためのみに提供され、本明細書で提供される請求項の範囲を制限するものではない。
【0176】
化合物Aは、WO2008/096260に開示され且つ以下の化学構造を持つ、5-{[(2S,5R)-2,5-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-N-(5-フルオロ-2-メチルピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-アミンを指す。
【0177】
【0178】
実施例1:化合物Aはアイソフォーム選択的PKC阻害剤である
化合物AによるPKC阻害の概要を表1で提供する。これらの判定のための方法が記載されている(Grant, et al. 2010, Eur J Pharmacol . 627:16-25)。化合物Aは、従来のPKC酵素の有力で、ATP競合性の、且つ可逆的な阻害剤であり、組換え型PKCベータについてはKi=5.3nMであり、且つ組換え型PKCアルファについてはKi=10.4nMである。化合物Aはまた、新たなアイソフォームPKCシータの有力な阻害剤でもあり、IC50=25.6nMである。化合物Aは、IC50=57.5nMである従来のアイソフォームPKCガンマに関する幾つかの効能を実証した一方、表1におけるより低い効能によって示されるようなPKCの従来の、新たな、及び異型のアイソフォームの他のメンバーに対する高度の選択性を実証した。PKCデルタの阻害は、動物とヒト両方の研究においてB細胞リンパ増殖性疾病及び自己免疫疾患につながると示された。他のPKC阻害剤と異なり、化合物Aは、PKCデルタを相当な程度にまで阻害しない。反対に、PKCベータ阻害は、B細胞の機能と増殖を遮断すると示された。それ故、化合物Aのアイソフォーム選択的特性は、非特異的PKC阻害剤に対する安全性と効能の利点を示唆する。
【0179】
【0180】
実施例2:化合物Aは、DLBCL細胞増殖の用量依存的な阻害を示す
NF-κB経路の構成的活性化は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC-DLBCL)細胞の活性化されたB細胞様(ABC)亜型の分子特徴であり、且つそれらの増殖と生存に必要とされる。NF-κB経路の活性化は、B細胞の増殖及び生存を促進する、IL-6の誘導につながる。
【0181】
化合物AがNF-κBの構成的活性化によりDLBCL細胞の増殖及び生存を阻害することができたことを実証するために、DLBCL細胞株TMD8、HBL1、及びOCI-Ly3を、IL-6ベースの細胞増殖アッセイに含めて試験した。TMD8細胞及びHBL1細胞は共に活性化CD79突然変異を含むが、OCI-Ly3細胞は含まなかった。
細胞培養条件
【0182】
TMD8細胞を、10%のウシ胎仔血清(FCS)、非必須のビタミンミックス、及びペニシリン-ストレプトマイシン抗生物質(pen-strep)で捕捉されたMEM培地において成長させた。HBL1細胞を、10%のFCS及びpen-strepで捕捉されたRPMI-1640培地において成長させた。OCI-Ly3細胞を、15%のFCS、非必須のビタミンミックス、pen-strep、及び25mMのHEPESバッファーを含むDMEM培地において成長させた。細胞を懸濁培養において維持し、週に2回給餌し(fed)、ほぼ2週ごと(TMD8、OCI-Ly3)又は毎週(HBL1)1:3に分けた。
【0183】
IL-6アッセイ
遠心分離を介して細胞を採取し、2回再懸濁して、IL-6の培地をすすいだ。その後細胞を、1つのウェルにつき5×105の細胞で96ウェルのプレートに蒔き、化合物A、ソトラスタウリン、又は、0.1%のDMSOを含有する培地(負の対照)の濃度の増加に晒した。各細胞型について、増殖と維持のために使用される培地において実験を行った。細胞は、阻害剤の存在下で蒔いた後、48時間にわたり成長した。化合物の曝露後、細胞を96ウェルのプレートにてペレット状にし、上清を除去し、上清中のIL-6の濃度を、製造業者の指示に従いR&D Systems Haman IL-6 Quantikine(登録商標)ELISA Kit (D6050)を使用して判定した。
【0184】
細胞の増殖と生存のアッセイ
上述のように細胞を培養且つ維持し、細胞はアッセイの前日に常に給餌される。細胞の増殖と生存を、製造業者の指示に従いMTTアッセイキットを使用して定量化した(Cell Proliferation Kit 1, Roche Diagnostics, Cat. No. 11 465 007 001)。増殖と維持のために各細胞型ごとに使用される同じ培地において実験を行った。細胞(5×104)を96ウェルのプレートに蒔き、阻害剤の存在下で96時間成長させた。暴露期間の完了後、MTT試薬を3-4時間かけて加えた。その後、MTT可溶化試薬を加えて反応物を止め、細胞を37℃で一晩インキュベートした。翌日、キットの指示に従いプレートを読み取った。
【0185】
結果
代表的なIL-6アッセイの結果は
図1A-Bに示されており、化合物A(
図1B)又はソトラスタウリン(
図1A)に曝露されるTMD8及びOCI-Ly3細胞におけるIL-6産生の用量依存的な阻害を示している。マルチアイソフォームPKC阻害剤であるソトラスタウリンは以前に、IL-6産生を減らすと示されており、正の対照として利用された。構造的に活性なCD79突然変異体TMD8及びHBL1(データは示されず)の細胞株において試験した時、化合物AはIL-6の用量依存的な阻害を実証し、NF-κB経路シグナル伝達の阻害の成功を示唆した。反対に、CD79における活性化突然変異を欠くOCI-Ly3細胞は、何れの化合物による影響を受けなかった。アイソフォーム特異的PKC阻害化合物Aは、ソトラスタウリンと比較して僅かに強力であると実証された。
【0186】
代表的な細胞増殖アッセイの結果は
図2A-Bに示されており、化合物A(
図2B)又はソトラスタウリン(
図2A)に曝露されるTMD8及びOCI-Ly3細胞における細胞の増殖及び生存の用量依存的な阻害を示している。マルチアイソフォームPKC阻害剤であるソトラスタウリンは以前に、DLBCL細胞の増殖と生存を阻害すると示されており、正の対照として利用された。構造的に活性なCD79突然変異体TMD8及びHBL1(データは示されず)の細胞株において試験した時、化合物Aは細胞の増殖と生存の用量依存的な阻害を実証した。反対に、CD79における活性化突然変異を欠くOCI-Ly3細胞は、試験される最高の投与量を除いて、何れの化合物による影響を受けなかった。アイソフォーム特異的PKC阻害化合物Aは、ソトラスタウリンと比較して多少強力であると実証された。
【0187】
実施例3:化合物Aとイブルチニブは、DLBCL細胞の増殖を相乗的に減らす
化合物Aとイブルチニブとの組み合わせの効果を、構造的に活性なTMD8 DLBCL細胞について試験した。OCI-Ly3細胞を負の対照として使用した(結果は示さず)。TMD8細胞の単一の化合物処置を、
図3A(化合物A)と
図3B(イブルチニブ)に示す。様々な比率の化合物Aとイブルチニブでの処置は
図3Cに示され、化合物Aとイブルチニブとの組み合わせが何れかの化合物単独よりも大きくTMD8細胞増殖を減らすことを実証する。細胞増殖の減少が相加効果又は相乗効果であったかを判定するために、結果として生じる用量応答曲線を、Chou=Talalayの方法(Chou TC, Drug Combination Studies and Their Synergy Quantification Using the Chou-Talalay Method. Cancer Res, 2010, 70: 440-6)及びWebb Summation(分画産物(fractional product))手法(Chou TC, Theoretical basis, experimental design, and computerized simulation of synergism and antagonism in drug combination studies. Pharmacol Rev., 2006, 58:621-81)により調べた。両方の方法は同様に、化合物Aに関する用量応答曲線の中央部分に適度の相乗作用を見出した(即ち、約80-750nM)。
【0188】
実施例4:DLBCLのマウス異種移植モデルにおける化合物Aのインビボでの抗増殖活性
インビボでの化合物Aの効能を試験するために、TMD8細胞を成長させ、SCIDマウスに皮下注射した。TMD8細胞の大規模懸濁培養をT250フラスコにて行い、そこでは細胞が毎週拡大された。動物(n=24)の右側腹部の皮下に、10×106の細胞(100μL用量の50% Matrigel(登録商標)において10×106の細胞)を接種させた。120mg/kg;BID化合物Aの投与を、14日目、即ち、腫瘍が予め定められた腫瘍体積を超過した初日に開始した。
【0189】
図4に示されるように、体重の安定した遅い増加は、処置の最初の10日間にわたり対照の動物及び化合物Aで処置した動物の両方において明らかであった。化合物Aで処置した群において、24-28日目に体重の増加はなかった。反対に、ビヒクルで処置した動物は、ほぼ同じ速度で24-28日目の体重を増加し続けた。
図4に見られるように、ビヒクルで処置した群の平均重量は、化合物Aで処置した群の重量より1.8g大きかった。
図5に見られるように、重量の差は、主にビヒクルで処置した動物で観察されるより大きな腫瘤が原因であったかもしれない。
【0190】
図5に示されるように、腫瘍増殖に対する化合物Aの処置の効果は著しかった。投与のちょうど2日後、腫瘍体積の有意差に対する傾向に注目した。化合物Aで処置したマウスにおいて、相当の量の腫瘍増殖は研究の20~28日目、測定の最終日には観察されなかった。この期間中、平均腫瘍体積は、898mm
3から970mm
3増加し、ちょうど8%の増加であった。対照的に、同じ期間中、対照群における平均腫瘍体積は、1324mm
3から3207mm
3増加し、2.4倍より多くの増加、即ち142%の体積の増加であった。
【0191】
実施例5:末梢リンパ球値に対するインビボの効果
通常の健康なヒト患者は、14日間にわたり様々な投与量の化合物Aを受けた。投与量レベルは、以下の通りであった:コホート1:50mg、BID;コホート2:100mg、BID;コホート3:150mg、BID;及びコホート4:200mg、BID。処置された患者から採取した血液サンプル、及び循環性リンパ球の数の用量依存性増加を観察した(
図6)。イブルチニブ、即ちブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤も、末梢循環におけるB細胞の増加につながる。このリンパ球増加の効果は、化合物AがBCR-NF-κB経路において活性であるという仮説を強く支持している。
【0192】
実施例6:CLLのマウスモデルにおける化合物Aのインビボでの抗増殖活性
耐イブルチニブ性のCLLのインビボモデルを発達させた(Lapalombella, et al. Blood (2012), 120:4621-34; Woyach, et al. Blood (2014), 123:1207-13; Hing, et al. Blood (2015), 125:3128-3132)。マウス(C57BL/6)に、以前に2匹のC57BL/6動物から継代される耐イブルチニブ性のEμ-TCL1マウス由来の脾細胞を生着させる。耐イブルチニブ性のEμ-TCL1マウスを、ウィーニングの時期から水を飲む時の、イブルチニブの連続投与によって生成する。活性な白血病を伴う耐イブルチニブ性のEμ-TCL1マウスを試験コホートと対照コホートに分け、試験コホートには14日間、経口胃管栄養投与量の化合物A、120mg/kg、BIDを投与する。15日目に、試験コホートと対照コホートの両方に、100μgのEdU(5-エチニル-29-デオキシウリジン)を腹腔内注入し、注入の2-4時間後、単個細胞浮遊液を脾臓と骨髄組織のサンプルから調製する。これらのサンプルから、EdUの取り込みをフローサイトメトリーにより検出し、細胞増殖を判定する。