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特開2022-169631自動化された履物プラットフォームの支持構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169631
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】自動化された履物プラットフォームの支持構造
(51)【国際特許分類】
   A43C 1/06 20060101AFI20221101BHJP
【FI】
A43C1/06
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022128008
(22)【出願日】2022-08-10
(62)【分割の表示】P 2020522011の分割
【原出願日】2018-10-19
(31)【優先権主張番号】62/574,953
(32)【優先日】2017-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100192924
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】エリック ピー アバール
(72)【発明者】
【氏名】ナリッサ チャン
(72)【発明者】
【氏名】ファニー ヤン ホー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】履物のひも締め装置を制御するためのアクチュエータアセンブリを含む、自動化された履物プラットフォームに関連するシステムおよび装置について説明する。
【解決手段】一例において、アクチュエータアセンブリは、統合された複数のアクチュエータを備えるアクチュエータフレームを含むことができる。アクチュエータフレームは、アクチュエータアセンブリの要素を相互連結するようになっており、幅、長さ、および厚さを含み、当該幅および長さは、厚さによって分離された外面および内面を形成する。複数のアクチュエータは、アクチュエータフレームに組み込まれ、複数のアクチュエータの各アクチュエータは、外面から延びるアクチュエータヘッド、およびアクチュエータヘッドの背面から内面を通って延びるボタンインタフェースを含む。
【選択図】図8B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物アセンブリであって:
当該履物アセンブリ内に足を固定するように構成されたアッパー部分と;
前記アッパー部分に連結され、ひも締めエンジンを収容するためのミッドソールプレー
トを受け入れるように適合されたミッドソール部分であって、前記ミッドソールプレート
が、アクチュエータアセンブリの複数のアクチュエータを受け入れる複数の開口部を含み
、前記複数のアクチュエータが、前記ひも締めエンジンの制御機能へのアクセスを提供す
る、ミッドソール部分と;
前記ミッドソール部分の少なくとも下方部分に連結されたアウトソール部分と;
を備える、履物アセンブリ。
【請求項2】
前記ミッドソールプレートの前記複数の開口部は円形であり、かつ前記アクチュエータ
アセンブリのアクチュエータプレートインタフェースを受け入れるように寸法決めされて
いる、請求項1に記載の履物アセンブリ。
【請求項3】
前記アクチュエータプレートインタフェースが、前記アクチュエータアセンブリのアク
チュエータヘッドとアクチュエータフレームとの間の、縮径断面を有する円筒ネック部分
である、請求項2に記載の履物アセンブリ。
【請求項4】
前記アクチュエータヘッド、前記アクチュエータプレートインタフェース、および前記
アクチュエータフレームの組み合わせが、前記ミッドソールプレートの前記複数の開口部
を水の浸入から封止するように機能する、請求項3に記載の履物アセンブリ。
【請求項5】
前記複数の開口部への各アクチュエータプレートインタフェースの圧入組み立てを容易
にするために、前記アクチュエータアセンブリがシリコンベースの材料から形成される、
請求項3に記載の履物アセンブリ。
【請求項6】
前記ひも締めエンジンを保護するために、前記ミッドソールプレートが、補強された下
床を含む、請求項1に記載の履物アセンブリ。
【請求項7】
前記補強された下床が、離型を容易にするために傾斜した側壁を備えるワッフル構造を
含む、請求項6に記載の履物アセンブリ。
【請求項8】
前記ミッドソールプレートが、前記ひも締めエンジンを固定し、かつ当該ひも締めエン
ジンにひもケーブルを配線するのに役立つ、蓋を受けるための蓋インタフェースを含む、
請求項1に記載の履物アセンブリ。
【請求項9】
前記蓋インタフェースが、1つまたは複数のラッチ凹部、内甲側蓋ヒンジ凹部、および
外甲側蓋ヒンジ凹部を含む、請求項8に記載の履物アセンブリ。
【請求項10】
自動化された履物プラットフォーム内のひも締めエンジンを制御するためのアクチュエ
ータアセンブリであって:
当該アクチュエータアセンブリの要素を相互連結するように適合されたアクチュエータ
フレームであって、幅、長さ、および厚さを含み、当該幅および長さが前記厚さによって
分離された外面および内面を形成している、アクチュエータフレームと;
前記アクチュエータフレームに組み込まれた複数のアクチュエータであって、当該複数
のアクチュエータの各アクチュエータが、前記外面から延びるアクチュエータヘッド、お
よび前記アクチュエータヘッドの背面から前記内面を通って延びるボタンインタフェース
を含む、複数のアクチュエータと;
を備える、アクチュエータアセンブリ。
【請求項11】
前記アクチュエータフレームおよび前記複数のアクチュエータが単一の成形構造を形成
する、請求項10に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項12】
前記単一の成形構造が、半透明で防水性の材料から形成される、請求項11に記載のア
クチュエータアセンブリ。
【請求項13】
前記単一の成形構造が、シリコンベースの材料から形成される、請求項11に記載のア
クチュエータアセンブリ。
【請求項14】
前記複数のアクチュエータの前記ボタンインタフェースの各々は、前記アクチュエータ
アセンブリおよび前記ひも締めエンジンを履物アセンブリに取り付けたときに、当該ひも
締めエンジンの複数のボタンのそれぞれのボタンと係合する、請求項10に記載のアクチ
ュエータアセンブリ。
【請求項15】
前記ボタンインタフェースは、前記ひも締めエンジンの前記複数のボタンに隣接するか
または統合されたLEDから放出される光を伝導するようになっている、請求項14に記
載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項16】
前記複数のアクチュエータの各ボタンインタフェースは、それぞれのアクチュエータヘ
ッドの前記背面の中央部分から延びている、請求項1に記載のアクチュエータアセンブリ
【請求項17】
前記複数のアクチュエータの各アクチュエータは、前記ボタンインタフェースを取り囲
み、かつ前記アクチュエータフレームの前記内面に開口を形成する、アクチュエータキャ
ビティを含む、請求項16に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項18】
前記アクチュエータキャビティは、前記複数のアクチュエータの各アクチュエータが作
動するための間隙を提供する、請求項17に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項19】
前記複数のアクチュエータの各ボタンインタフェースは、それぞれのアクチュエータヘ
ッドの前記背面の中央部分から延びてひも締めエンジンのそれぞれのボタンと係合する円
筒シャフトを含む、請求項18に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項20】
前記複数のアクチュエータの各アクチュエータがアクチュエータプレートインタフェー
スを含み、当該アクチュエータプレートインタフェースが、前記アクチュエータヘッドと
前記外面との間に縮径領域を含む、請求項10に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項21】
前記アクチュエータプレートインタフェースは、前記アクチュエータアセンブリを履物
アセンブリに取り付けたときに、ミッドソールプレートの開口部を通って延びるように適
合される、請求項20に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項22】
前記アクチュエータアセンブリを前記履物アセンブリに取り付けたときに、前記アクチ
ュエータヘッド、前記アクチュエータプレートインタフェースおよび前記アクチュエータ
フレームの外面が、前記ミッドソールプレートの前記開口部を封止するように動作する、
請求項21に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項23】
前記複数のアクチュエータの各アクチュエータヘッドが、当該複数のアクチュエータの
個々のアクチュエータの各々の触覚識別を可能にする固有のディンプルパターンを含む、
請求項10に記載のアクチュエータアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の明細書では、電動式ひも締めシステム、電動式ひも締めエンジンおよび非電動式
ひも締めエンジン、ひも締めエンジンに関連する履物コンポーネント、自動化されたひも
締め履物プラットフォーム、ならびに関連する動作および支持構造の様々な態様について
説明する。
【0002】
[関連出願]
本出願は、2017年10月20日に出願された米国特許仮出願第62/574953
号の優先権の利益を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる
【背景技術】
【0003】
履物製品を自動的に締め付けるための装置は、以前より提案されている。Liuは、「
自動締め付けシューズ(Automatic tightening shoe)」と題する米国特許第66914
43号において、靴のアッパー部分に装着される第1の締結具と、クロージャ部材に連結
され、該クロージャ部材を締め付け状態に保持するために第1の締結具と取り外し可能に
係合することができる第2のファスナーと、を提供している。Liuは、ソールのかかと
部分に装着される駆動ユニットを教示している。駆動ユニットには、ハウジング、ハウジ
ング内に回転可能に装着されたスプール、一対の引きひも、およびモータユニットが含ま
れる。それぞれのひもは、スプールに連結される第1の端部と、第2の締結具のひも孔に
対応する第2の端部と、を有する。モータユニットは、スプールに連結されている。Li
uは、モータユニットが、ハウジング内のスプールの回転を駆動するように動作可能であ
り、第1の締結具に向けて第2の締結具を引っ張るために、スプール上に引きひもを巻き
上げることを教示している。Liuはまた、引きひもが貫通できるガイドチューブユニッ
トについても教示している。
【0004】
必ずしも一定の縮尺で描かれていない図面において、同様の数字は、異なる図において
同様のコンポーネントを説明することができる。異なる接尾辞を有する同様の数字は、同
様のコンポーネントの異なる例を示す場合がある。図面は、限定ではなく例として、本明
細書で説明する様々な実施形態を一般的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】いくつかの例示的な実施形態による、電動式ひも締めシステムのコンポーネントの分解図である。
図2】いくつかの例示的な実施形態による、電動式ひも締めエンジンを示す図である。
図3】3A~3Dは、いくつかの例示的な実施形態による、電動式ひも締めエンジンと相互作用するアクチュエータを示す図解および図である。
図4】4A~4Dは、いくつかの例示的な実施形態による、ひも締めエンジンを保持するミッドソールプレートを示す図解および図である。
図5】5A~5Dは、いくつかの例示的な実施形態による、ひも締めエンジンおよび関連するコンポーネントを収容するミッドソールおよびアウトソールを示す図解および図である。
図6】6A~6Cは、いくつかの例示的実施形態による、電動式ひも締めエンジンを含む履物アセンブリの図である。
図7】7A~7Fは、いくつかの例示的な実施形態による、ひも締めエンジン、ミッドソールプレート、およびアクチュエータアセンブリを含む履物アセンブリの図である。
図8】8A~8Gは、いくつかの例示的な実施形態による、履物アセンブリに使用するミッドソールプレートおよびアクチュエータアセンブリの図である。
図9】9A~9Fは、いくつかの例示的な実施形態による、自動化されたひも締めエンジンを制御するために使用されるアクチュエータアセンブリの図である。
図10】いくつかの例示的な実施形態による、電動式ひも締めシステムのコンポーネントを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書で提供される見出しは、単に便宜上のものであり、使用される用語の意味の範
囲または意味に必ずしも影響を与えるわけではない。
【0007】
自動で締まるシューレース(靴ひも)のコンセプトは、最初に、1989年公開の映画
「バック・トゥ・ザ・フューチャ(登録商標)II」で、マーティ・マクフライが着用し
ていた架空のパワー・レース付きのNike(登録商標)スニーカーによって広く知れわ
たった。Nike(登録商標)は、バック・トゥ・ザ・フューチャ(登録商標)IIの映
画の小道具バージョンと外観が似ている、少なくとも1つのバージョンのパワー・レース
付きスニーカーを発売したが、これらの初期のバージョンで採用された内部の機械システ
ムおよび周囲の履物プラットフォームは、必ずしも大量生産や日常的な使用に適している
わけではない。加えて、電動式ひも締めシステムの以前の設計は、多くの問題のほんの一
部を強調すると、製造のコスト高、複雑さ、アセンブリの課題、保守性の欠如、ならびに
機械機構の脆弱性などの問題を多少とも抱えていた。本発明者らは、とりわけ、前述の問
題の一部またはすべてを解決する電動式ひも締めエンジンおよび非電動式ひも締めエンジ
ンに対応するモジュール式履物プラットフォームを開発した。以下で説明するコンポーネ
ントは、これらに限定されないが、保守可能なコンポーネント、交換可能な自動化された
ひも締めエンジン、堅牢な機械設計、信頼性の高い操作、合理化された組み立てプロセス
、および小売りレベルでのカスタマイズを含む様々な利点を提供する。以下で説明するコ
ンポーネントの様々な他の利点は、当業者には明らかであろう。
【0008】
以下で説明する電動式ひも締めエンジンは、自動化されたひも締め履物プラットフォー
ムの、堅牢で、保守性が高く、交換可能なコンポーネントを提供するためにゼロから開発
された。ひも締めエンジンは、モジュール式履物プラットフォームを小売りレベルで最終
組み立てできるようにするユニークな設計要素を含む。このひも締めエンジンの設計によ
り、履物の組み立てプロセスの大部分で既知の組み立て技術を活用でき、標準的な組み立
てプロセスへの独自の適応により、現在のアセンブリリソースを活用することができる。
【0009】
一例において、モジュール式の自動化されたひも締め履物プラットフォームは、ミッド
ソールに固定されてひも締めエンジンを収容するミッドソールプレートを含む。このミッ
ドソールプレートの設計では、購入時点で、ひも締めエンジンを履物プラットフォームに
落とし込むことができる。ミッドソールプレート、およびモジュール式の自動化された履
物プラットフォームの他の態様により、様々な種類のひも締めエンジンを互換的に使用す
ることができる。例えば、以下に説明する電動式ひも締めエンジンは、人力によるひも締
めエンジンに交換することができる。あるいは、足の存在を感知する機能または他の任意
の機能を備える、完全に自動化された電動式ひも締めエンジンを、標準のミッドソールプ
レート内に収容することができる。ミッドソールプレートはまた、外部の衝撃および同様
のストレスからひも締めエンジンを保護するように設計される。
【0010】
本明細書で説明する自動化された履物プラットフォームは、エンドユーザに締め付け制
御を提供するアウトソールアクチュエータインタフェースなどのアクチュエータ装置はも
ちろん、履物プラットフォームの外面からアクセス可能な半透明アクチュエータを通して
投影されるLED照明による視覚的フィードバックを含むことができる。アクチュエータ
は、ユーザに触覚的および視覚的フィードバックを提供して、ひも締めエンジンまたは他
の自動化された履物プラットフォームのコンポーネントのステータスを示すことができる
。いくつかの実施形態において、アクチュエータは、ひも締めエンジンまたは他の自動化
された履物システムへの耐候性(weather resistantまたはweather proof)インタフェー
スを提供する。
【0011】
この最初の概要は、本特許出願の主題を紹介することを目的とするものであり、以下の
より詳細な説明に開示される様々な発明を排他的または網羅的に説明することは意図して
いない。
【0012】
[自動化された履物プラットフォーム]
以下に、自動化された履物プラットフォームの様々なコンポーネントについて説明する
。このプラットフォームは、電動式ひも締め(ひも締め)エンジン、ミッドソールプレー
ト、およびプラットフォームの様々な他のコンポーネントを含む。本開示の大半は、電動
式ひも締めエンジンに焦点を当てているが、説明する設計の機械的態様の多くは、人力に
よるひも締めエンジン、または追加のもしくはより少ない機能を有する他の電動式ひも締
めエンジンに適用することができる。したがって、「自動化された履物プラットフォーム
」で使用される「自動化された」という用語は、ユーザ入力なしに動作するシステムのみ
を対象とするものではない。むしろ、「自動化された履物プラットフォーム」には、履物
のレース(ひも)または保持システムを締めるための、様々な電動式および人力式の、自
動作動式および人作動式の機構が含まれる。
【0013】
図1は、いくつかの例示的な実施形態による、履物の電動式ひも締めシステムのコンポ
ーネントを示す分解図である。図1に示される電動式ひも締めシステム1は、ひも締めエ
ンジン10、蓋20、アクチュエータ30、ミッドソールプレート40、ミッドソール5
0、およびアウトソール60を含む。図1は、自動化されたひも締め履物プラットフォー
ムのコンポーネントの基本的な組み立て順序を図示している。電動式ひも締めシステム1
は、ミッドソールプレート40をミッドソール内に固定することから始まる。次に、アク
チュエータ30を、アウトソール60に埋め込まれ得るインタフェースボタンとは反対側
の、ミッドソールプレートの外甲側面の開口部に挿入する。次に、ひも締めエンジン10
を、ミッドソールプレート40内に落とし込む。一例では、ひも締めシステム1をひもケ
ーブルの連続ループの下に挿入し、ひもケーブルをひも締めエンジン10のスプール(以
下で説明する)に合わせる。最後に、蓋20を、ミッドソールプレート40の溝に挿入し
、閉位置に固定し、ミッドソールプレート40の凹部にラッチ係合する。蓋20は、ひも
締めエンジン10を捕捉しておくことができ、また、動作中におけるひもケーブルの位置
合わせを維持するのに役立ち得る。
【0014】
一例において、履物製品または電動式ひも締めシステム1は、足の存在特性を監視また
は特定することができる1つまたは複数のセンサを含むか、あるいは該センサと相互作用
するように構成されている。1つまたは複数の足存在センサからの情報に基づいて、電動
式ひも締めシステム1を含む履物は、様々な機能を実行するように構成することができる
。例えば、足存在センサは、履物内に足が存在するか否かに関するバイナリ情報を提供す
るように構成することができる。足存在センサからのバイナリ信号が足の存在を示してい
る場合に、電動式ひも締めシステム1を起動して、履物のひもケーブルを自動的に締める
か、あるいは弛緩させる(すなわち、緩める)ことができる。一例において、履物製品は
、足存在センサからの信号を受信または解釈できるプロセッサ回路を含む。このプロセッ
サ回路は、任意に、ひも締めエンジン10の中に、あるいはひも締めエンジン10ととも
に、履物製品のソールの中などに埋め込むことができる。
【0015】
ひも締めエンジン10の例は、図2を参照してある程度詳細に説明され、また、参照に
よりその全体が本明細書に組み込まれる、「自動化された履物プラットフォームのアクチ
ュエータ(ACTUATOR FOR AN AUTOMATED FOOTWEAR PLATFORM)」と題する、同時係属中の
米国特許出願第15/456317号にさらに詳細に記載されている。アクチュエータ3
0および同様のアクチュエータアセンブリの例は、図3A~3Dおよび図9A~9Fを参
照して詳細に説明する。ミッドソールプレート40の例は、図4A~4Dおよび図8A
8Gを参照して詳細に説明する。電動式ひも締めシステム1の様々な追加の詳細は、本明
細書の残りの部分で説明する。
【0016】
図2は、いくつかの例示的な実施形態による、自動化されたひも締めエンジンを示す図
である。図2は、ハウジング構造100、ケースねじ108、ひもチャネル110(ひも
ガイドレリーフ110ともいう)、ひもチャネル壁112、ひもチャネル移行部114、
スプール凹部115、ボタン開口部120、ボタン121、ボタン膜シール124、プロ
グラミングヘッダー128、スプール130、およびひもの溝を含む、例示的なひも締め
エンジン10の様々な外部機能を紹介している。
【0017】
一例において、ひも締めエンジン10は、ケースねじ108などの1つまたは複数のね
じで固定されている。ケースねじ108は、ひも締めエンジン10の構造的一体性を高め
るために、一次駆動機構の近くに配置される。ケースねじ108はまた、外部の継ぎ目を
超音波溶接するためにケースを一緒に保持するなど、組み立て工程を支援するように機能
する。
【0018】
この例において、ひも締めエンジン10は、自動化された履物プラットフォームに組み
立てられるとひもまたはひもケーブルを受け入れる、ひもチャネル110を含む。ひもチ
ャネル110は、ひもチャネル壁112を含むことができる。ひもチャネル壁112は、
面取りされた縁部を含み、ひもケーブルが動作中に通るための滑らかな案内面を提供する
ことができる。ひもチャネル110の滑らかな案内面の一部は、スプール凹部115に通
じるひもチャネル110の広幅部分である、チャネル移行部114を含むことができる。
スプール凹部115は、チャネル移行部114から、スプール130のプロファイルに密
接に適合する略円形のセクションに移行する。スプール凹部115は、巻かれたひもケー
ブルを保持すること、ならびにスプール130の位置を保持するのに役立つ。しかしなが
ら、この設計の他の態様は、スプール130の主要な保持を提供する。この例において、
スプール130は、ヨーヨーの半分と同様の形状であり、平坦な上面を通るひも溝132
と、反対側から下側に延びるスプールシャフト133(図2Aには不図示)と、を有する
。スプール130は、さらなる図面を参照して以下により詳細に説明する。
【0019】
ひも締めエンジン10の外甲側面は、機構を作動させるためのボタン121がハウジン
グ構造100を通って延在することを可能にする、ボタン開口部120を含む。ボタン1
21は、スイッチ122を起動するための外部インタフェースを提供するが、これは以下
に説明するさらなる図面に示す。いくつかの例において、ハウジング構造100は、汚れ
や水からの保護を提供するためのボタン膜シール124を含む。この例では、ボタン膜シ
ール124は、ハウジング構造100の上面から角を超えて外甲側面に向けて接着された
、数ミル(1000分の1インチ)までの厚さの透明プラスチック(または同様の材料)
である。別の例では、ボタン膜シール124は、ボタン121およびボタン開口部120
を覆う厚さ2ミルのビニール接着剤付きの膜である。以下で詳細に説明するように、アク
チュエータアセンブリは、ボタン121へのアクセスを履物アセンブリの外面に伝達する
ために使用される。アクチュエータアセンブリは、特定の触感を提供し、ひも締めエンジ
ンを天候やごみから保護するように設計されている。
【0020】
図3A~3Dは、例示的な実施形態による、自動化されたひも締めエンジンと相互作用
するアクチュエータ30を示す図解および図である。別の例示的なアクチュエータアセン
ブリは、図9A~9Fを参照して以下に説明する。この例では、アクチュエータ30は、
ブリッジ310、ライトパイプ320、後部アーム330、中央アーム332、および前
部アーム334などの特徴を含む。図3Aは、複数のLED340(LED340ともい
う)、ボタン121およびスイッチ122などの、ひも締めエンジン10の関連する特徴
も示している。この例では、後部アーム330および前部アーム334はそれぞれ、ボタ
ン121を介してスイッチ122の1つを別々に起動することができる。アクチュエータ
30はまた、リセットまたは他の機能などのために、両方のスイッチ122を同時に起動
できるように設計されている。アクチュエータ30の主な機能は、ひも締めエンジン10
に締め付けおよび緩めのコマンドを提供することである。アクチュエータ30はまた、L
ED340からの光を履物プラットフォームの外部(例えば、アウトソール60)に向け
るライトパイプ320を含む。ライトパイプ320は、複数の個別のLED光源からの光
を、夕刻にアクチュエータ30の面全体に分散させるように構成されている。
【0021】
この例では、アクチュエータ30のアーム、後部アーム330および前部アーム334
は、過剰な起動を防止するためのフランジを含み、履物プラットフォームの側面への衝撃
に対する安全性の手段を提供する。大きな中央アーム332もまた、ボタン121に対し
て衝撃荷重を伝える代わりに、ひも締めエンジン10の側面に対して衝撃荷重を伝えるよ
うに設計されている。
【0022】
図3Bは、アクチュエータ30の側面図を提供し、前部アーム334の例示的な構造お
よびボタン121との係合をさらに示す。図3Cは、後部アーム330および前部アーム
334を介した起動経路を示す、アクチュエータ30の追加の上面図である。図3Cは、
図3Dに示す断面に対応する断面線A-Aを示している。図3Dにおいて、アクチュエー
タ30は、透過光345を点線で示した断面で示されている。ライトパイプ320は、L
ED340からの透過光345のための透過媒体を提供する。図3Dはまた、アクチュエ
ータカバー610および隆起したアクチュエータインタフェース615などの、アウトソ
ール60の態様を示す。
【0023】
図4A~4Dは、いくつかの例示的な実施形態による、ひも締めエンジン10を保持す
るためのミッドソールプレート40を示す図解および図である。追加の例示的なミッドソ
ールプレートは、図8A~8Gを参照して説明する。この例では、ミッドソールプレート
40は、ひも締めエンジンキャビティ410、内甲側ひもガイド420、外甲側ひもガイ
ド421、蓋スロット430、前部フランジ440、後部フランジ450、上面460、
下面470、およびアクチュエータ切り欠き部480などの特徴を含む。ひも締めエンジ
ンキャビティ410は、ひも締めエンジン10を受け入れるように設計されている。この
例において、ひも締めエンジンキャビティ410は、ひも締めエンジン10を横および前
方/後方の向きに保持するが、ひも締めエンジン10をポケット内に固定するための組み
込み機構を含まない。任意に、ひも締めエンジンキャビティ410は、1つまたは複数の
側壁に沿って、戻り止め、タブ、または同様の機械的特徴を含むことができ、これによっ
てひも締めエンジン10をひも締めエンジンキャビティ410内に確実に保持することが
できる。
【0024】
内甲側ひもガイド420および外甲側ひもガイド421は、ひもケーブルをひも締めエ
ンジンポケット410内に、およびひも締めエンジン10(存在する場合)の上にガイド
するのに役立つ。内甲側/外甲側ひもガイド420,421は、ひもケーブルをひも締め
エンジン10上の所望の位置にガイドするのを支援するために、面取りされた縁部と、下
方に傾斜した傾斜路と、を含むことができる。この例では、内甲側/外甲側ひもガイド4
20,421には、ミッドソールプレート40の側面に、通常のひも締めケーブルの直径
より何倍も広い開口部があり、他の例では、内甲側/外甲側ひもガイド420,421の
開口部は、ひも締めケーブルの直径より数倍広いだけでもよい。
【0025】
この例では、ミッドソールプレート40は、ミッドソールプレート40の内甲側にさら
に延在する、彫り刻まれるか、または輪郭がかたどられた前部フランジ440を含む。例
示的な前部フランジ440は、履物プラットフォームのアーチの下に追加の支持を提供す
るように設計されている。しかしながら、他の例において、前部フランジ440は、内甲
側ではそれほど顕著でなくてもよい。この例では、後部フランジ450もまた、内甲側お
よび外甲側の両方に延長部分を備えた特定の輪郭を含む。図示する後部フランジ450の
形状は、ひも締めエンジン10の横方向に安定性を向上させる。
【0026】
図4B~4Dは、ひも締めエンジン10およびひもケーブル131を保持するために、
ミッドソールプレート40に蓋20を挿入している図である。この例において、蓋20は
、ラッチ210、蓋ひもガイド220、蓋スプール凹部230、および蓋クリップ240
等の特徴を含む。蓋ひもガイド220は、内甲側および外甲側の蓋ひもガイド220を含
むことができる。蓋ひもガイド220は、ひも締めエンジン10の適切な部分を通してひ
もケーブル131の整列を維持するのに役立つ。蓋クリップ240はまた、内甲側および
外甲側の蓋クリップ240の両方を含むことができる。蓋クリップ240は、蓋20をミ
ッドソールプレート40に取り付けるための転心を提供する。図4Bに示すように、蓋2
0は、蓋クリップ240が蓋スロット430を介してミッドソールプレート40に入る状
態で、ミッドソールプレート40内に真っ直ぐ下に挿入される。
【0027】
図4Cに示すように、蓋クリップ240が蓋スロット430を介して挿入されると、蓋
20は前方にシフトして、蓋クリップ240がミッドソールプレート40から外れないよ
うになる。図4Dは、ラッチ210をミッドソールプレート40の蓋ラッチ凹部490と
係合することによってひも締めエンジン10およびひもケーブル131を固定するための
、蓋クリップ240まわりの蓋20の回転または旋回を示す。所定の位置に嵌まると、蓋
20は、ひも締めエンジン10をミッドソールプレート40内に固定する。
【0028】
図5A~5Dは、いくつかの例示的な実施形態による、ひも締めエンジン10および関
連するコンポーネントを収容するように構成された、ミッドソール50およびアウトソー
ル60を示す図解および図である。ミッドソール50は、任意の適切な履物材料から形成
され、ミッドソールプレート40および関連するコンポーネントを収容するための様々な
特徴を含むことができる。この例において、ミッドソール50は、プレート凹部510、
前部フランジ凹部520、後部フランジ凹部530、アクチュエータ開口部540および
アクチュエータカバー凹部550を含む。プレート凹部510は、ミッドソールプレート
40の対応する特徴と一致するように、様々な切り欠き部および類似の特徴を含む。アク
チュエータ開口部540は、履物プラットフォーム1の外甲側面からアクチュエータ30
へのアクセスを提供するようなサイズであり、そのような位置にある。アクチュエータカ
バー凹部550は、図5Bおよび5Cに示すように、成形カバーを収容してアクチュエー
タ30を保護し、また、ひも締めエンジン10への主要なユーザインタフェースに特定の
触覚および視覚的外観を提供するようになっている、ミッドソール50の凹部部分である
【0029】
図5Bおよび5Cは、例示的な実施形態による、ミッドソール50およびアウトソール
60の一部を示す。図5Bは、例示的なアクチュエータカバー610と、アクチュエータ
カバー610に成形または他の方法で形成される隆起したアクチュエータインタフェース
615と、の図を含む。図5Cは、アクチュエータ610と、アクチュエータ30のライ
トパイプ320部分を介してアウトソール60に伝導された光の一部を分散させる水平ス
トライプを含む隆起したアクチュエータインタフェース615と、の追加の例を示す。
【0030】
図5Dは、ミッドソール50のアクチュエータカバー凹部550と、アクチュエータカ
バー610を適用する前のアクチュエータ開口部540内でのアクチュエータ30の位置
をさらに示す。この例において、アクチュエータカバー凹部550は、アクチュエータカ
バー610をミッドソール50およびアウトソール60に接着するための接着剤を受け入
れるように設計されている。
【0031】
図6A~6Cは、いくつかの例示的な実施形態による、自動化されたひも締めエンジン
10を含む履物アセンブリ1の図である。この例において、図6A~6Cは、ひも締めエ
ンジン10、ミッドソールプレート40、ミッドソール50、およびアウトソール60を
含む、組み立て済みの自動化された履物プラットフォーム1の透明な例を示す。図6A
、自動化された履物プラットフォーム1の外甲側面図である。図6Bは、自動化された履
物プラットフォーム1の内甲側面図である。図6Cは、履物プラットフォーム1の、アッ
パー部分が取り除かれた上面図である。上面図は、ひも締めエンジン10、蓋20、アク
チュエータ30、ミッドソールプレート40、ミッドソール50、およびアウトソール6
0の相対的な配置を示している。この例において、上面図は、スプール130、内甲側ひ
もガイド420、外甲側ひもガイド421、前部フランジ440、後部フランジ450、
アクチュエータカバー610、および隆起したアクチュエータインタフェース615も示
している。
【0032】
図7A~7Fは、いくつかの例示的な実施形態による、ひも締めエンジン、ミッドソー
ルプレート、およびアクチュエータアセンブリを含む履物アセンブリの図である。図7A
は、履物アセンブリ700の展開図である。この例において、履物アセンブリは、ひも締
めエンジン710、蓋720、アクチュエータアセンブリ730、ミッドソールプレート
740、ミッドソール750、ヒールカウンタ755、およびアウトソール760を含む
ものとして示されている。ひも締めエンジン710は、一対の制御ボタン712、シール
ド714、保護シム716を含むことができる。以下の図面を参照して詳細に示し、かつ
説明するように、履物アセンブリ700は、アウトソール760およびヒールカウンタ7
55をミッドソール750に接着することによって組み立てられる。アクチュエータアセ
ンブリ730をミッドソールプレート740に挿入し、ミッドソールプレート740をミ
ッドソール750のキャビティに接着する。この例では、組み立てたられると、ミッドソ
ールプレート740は、ひも締めエンジン切り欠き部752を介して部分的に露出される
。他の例では、ミッドソール750は、アクチュエータアセンブリ730のアクチュエー
タヘッドだけを露出するように設計することができる。ミッドソールプレート740およ
びアクチュエータアセンブリ730をミッドソール750内に配置した後、ひも締めエン
ジン710を所定位置に落とし込み、蓋720をスナップ留めしてひも締めエンジン71
0を固定することができる。
【0033】
図7Bは、例示的な実施形態による、履物アセンブリ700の外甲側面の一部を示す。
この例において、ミッドソールプレート740は、ミッドソール750内に描かれている
。ミッドソールプレート740は、ミッドソール750のひも締めエンジン切り欠き部7
52を介して部分的に露出している。ひも締めエンジン切り欠き部752は、アクチュエ
ータアセンブリ730を保持するように設計されたアクチュエータ開口部およびアクチュ
エータ凹部74への直接的なアクセスを可能にする。図7Bでは、ひも締めエンジン71
0のボタン721がミッドソールプレート740のアクチュエータ開口部742に対して
どのように整列しているのかを示すために、履物アセンブリは、アクチュエータアセンブ
リ730なしで示されている。
【0034】
図7Cは、履物アセンブリ700の一部の外甲側面全体の図である。この例において、
履物アセンブリは、アウトソール760およびヒールカウンタ755が取り付けられたミ
ッドソール750を含む。ミッドソールプレート740およびアクチュエータアセンブリ
730も取り付けられており、ひも締めエンジン切り欠き部752を通して部分的に見え
ている。
【0035】
図7Dは、一例による、履物アセンブリ700の下部の上面図である。この例において
、ミッドソール750は、蓋720で固定されたひも締めエンジン710が入ったミッド
ソールプレート740を保持するように図示されている。ヒールカウンタ755もまた、
ミッドソール750の近位端に取り付けられた所定の位置に示されている。
【0036】
図7Eは、履物アセンブリ700のミッドソールプレート740の上面図である。この
例では、ひも締めエンジン710およびアクチュエータアセンブリ730が取り付けられ
たミッドソールプレート740が示されている。図7Eに示すミッドソールプレート74
0の詳細は、内甲側蓋ヒンジ凹部743、外甲側蓋ヒンジ凹部744、および2つの蓋ラ
ッチ凹部745を含む。いくつかの例において、ミッドソールプレート740は、より多
くの、またはより少ない蓋ラッチ凹部745を含むことができ、例えば、ミッドソールプ
レート740は、中心にある単一の蓋ラッチ凹部を含むことができる。図示するように、
内甲側蓋ヒンジ凹部743は、ミッドソールプレート740の内甲側面に沿った側面およ
び上面にある切り欠きである。対照的に、外甲側蓋ヒンジ凹部744は、ひも締めエンジ
ン710のためのキャビティ内に延びる構造を含み、かつ蓋ヒンジピンを受け入れるため
のチャネルを含む。
【0037】
図7Fは、履物アセンブリ700のミッドソールプレート740の上面斜視図である。
この例において、ミッドソールプレート740は、ひも締めエンジン710およびアクチ
ュエータアセンブリ730が取り付けられた、ミッドソールプレート740が再び示され
ている。斜視図は、アクチュエータアセンブリの構造がミッドソールプレート740およ
びひも締めエンジン710とどのように相互作用するのかについてのより良い図を提供す
る。詳細な構造は、以下に、図9A~9Fを参照してさらに説明する。
【0038】
図8A~8Gは、いくつかの例示的な実施形態による、履物アセンブリ700で使用す
るためのミッドソールプレート740およびアクチュエータアセンブリ730の図である
。この例では、ミッドソールプレート740は、ひも締めエンジンキャビティの床面に沿
って任意のワッフル補強材746を含むミッドソールプレートとして示されている。図8
Aは、ひも締めエンジンキャビティの床面の大部分に沿って分布するワッフル補強材74
0の図を含む、ミッドソールプレート740の上面図である。いくつかの例において、ワ
ッフル補強材は、ひも締めエンジンキャビティの床面の全体または異なる部分を覆うこと
ができる。ワッフル補強材746は、ミッドソールプレート740の剛性を増加させて、
衝撃保護、ならびにミッドソールプレート740の屈曲によって誘発される応力を改善す
るように設計されている。この例において、ワッフル補強材は、一連の相互接続された六
角形であるが、他の幾何学的形状を利用することもできる。六角形の側壁は、構造の離型
特性を改善するために、垂直からわずかに傾斜している。側壁の厚いベースも、構造の全
体的な強度および剛性を高める。
【0039】
図8Bは、ミッドソールプレート740およびアクチュエータアセンブリ730の斜視
図である。この例において、アクチュエータアセンブリ730のアクチュエータヘッドは
、ミッドソールプレート740の外甲側面に見えている。アクチュエータアセンブリ73
0のアクチュエータヘッドは、ひも締めエンジンキャビティ748の内側から、ミッドソ
ールプレート740のアクチュエータ開口部742を通して押し込まれている。以下に説
明するように、アクチュエータアセンブリ730は、この例ではエラストマー材料で作ら
れ、ミッドソールプレート740に取り付けるのに十分に柔軟であるようになっている。
エラストマー材料もまた、アクチュエータアセンブリ730の耐候性を高める。ひも締め
エンジンキャビティ748もまた、キャビティの床面に沿ったワッフル補強材746と共
に示されている。
【0040】
図8Cは、ミッドソールプレート740の底面図である。この例において、ミッドソー
ルプレート740は、ひも締めエンジンキャビティ748の外側壁周りに分散配置された
、一連の支持体747を含むものとして示されている。支持体747は、ひも締めエンジ
ンキャビティ748内に配置されるひも締めエンジンに不要な応力が到達することを回避
するのをさらに支援するように、構造的剛性の追加的措置を提供する。第2に、支持体7
47は、ミッドソールプレート740をミッドソール750内に配置および固定するのに
も役立ち得る。
【0041】
図8Dは、ミッドソールプレート740の内甲側面図であり、ユーザの足の形状に合わ
せてミッドソールプレート740に組み込まれた輪郭の一部を可視化するのを支援してい
る。図8Eは、ミッドソールプレート740の背面または近位図であり、ミッドソールプ
レート740に組み込まれた輪郭も示している。図8Fは、ミッドソールプレート740
の近位斜視図であり、ひも締めエンジンキャビティ748内のアクチュエータアセンブリ
730の配置を示している。ひも締めエンジンキャビティ748の外甲側壁から延びる外
甲側蓋突込み凹部744も示している。
【0042】
図8Gは、ミッドソールプレート740のアクチュエータヘッドの1つおよびアクチュ
エータアセンブリ730を通る断面図である。この断面図は、アクチュエータアセンブリ
730の構造のいくつかを示すとともに、アクチュエータアセンブリ730がミッドソー
ルプレート740のアクチュエータ開口部742とどのように相互作用しているのかを示
している。上述したように、ワッフル補強材746の側壁は完全に垂直ではなく、各六角
形の底面から外側に傾斜している。アクチュエータアセンブリ730の構造の例示的な詳
細は、図9A~9Fを参照して以下に説明する。
【0043】
図9A~9Fは、いくつかの例示的な実施形態による、自動化されたひも締めエンジン
を制御するために使用されるアクチュエータアセンブリの図である。いくつかの実施形態
において、アクチュエータアセンブリ730は、シリコンベースのエラストマー材料から
作られ、柔軟性のある半透明の構造を提供する。シリコンベースの材料は、耐候特性を提
供して、ミッドソールプレート740への水の進入を防止するのに役立つこともできる。
半透明であることにより、アクチュエータヘッドは、ひも締めエンジン710からのLE
D照明を履物アセンブリ700の外部に伝導することができる。他の可撓性材料もまた、
アクチュエータアセンブリ730を製造するために利用することができる。
【0044】
図9Aは、後部アクチュエータ910、前部アクチュエータ920、およびアクチュエ
ータプレートインタフェース940を示す、アクチュエータアセンブリ730の斜視図で
ある。後部および前部という用語は、この例のアクチュエータアセンブリにおいて水平方
向に離間したアクチュエータに、特別な方向性を提供するためにのみ使用されている。図
9Bは、アクチュエータアセンブリ730の上面図である。この例において、アクチュエ
ータアセンブリ730は、一連の後部アクチュエータディンプル911を含む後部アクチ
ュエータヘッド915を備えた、後部アクチュエータ910を含む。アクチュエータアセ
ンブリ730はまた、一連の前部アクチュエータディンプル921を含む前部アクチュエ
ータヘッド921を備えた、前部アクチュエータ920を含む。アクチュエータディンプ
ル911,921は、異なるアクチュエータ910,920の触覚による識別を可能にす
るために、各アクチュエータヘッド915,925上に固有なパターンで配置することが
できる。この例において、アクチュエータディンプル911,921は、矢じりパターン
で配置されているが、他のパターンを製造することができる。図9Cは、図9Aおよび9
Bを参照して上記に説明した構造の異なる図を示す、アクチュエータアセンブリ730の
別の斜視図である。
【0045】
図9Dは、ボタンインタフェース950、アクチュエータキャビティ960およびプレ
ート凹部970などの構造の図を含む、アクチュエータセンブリ730の底面図である。
この例におけるボタンインタフェース950は、アクチュエータヘッド915,925の
背面から延びる円筒形部材である。ボタンインタフェース950は、ボタン712などの
、ひも締めエンジンのボタンと係合するように設計されている。ボタンインタフェース9
50はまた、ひも締めエンジン内のLEDからの光を伝導して、アクチュエータヘッド9
15,925を照明することができる。ボタンインタフェース950を取り囲むのはアク
チュエータキャビティ960であり、これは、この例では、アクチュエータフレーム93
0の背面につながる面取りされた縁を有するドーナツ形状のシリンダである。アクチュエ
ータキャビティ960は、アクチュエータヘッド915,925が、ひも締めエンジン1
0のボタン72を容易に作動することを可能にするのに十分な柔軟性を有することを可能
にする。アクチュエータキャビティおよびアクチュエータヘッドの組み合わせは、アクチ
ュエータインタフェース950の並進を可能にする一種のダイヤフラムを作り出す。アク
チュエータキャビティ960の容積を調整して、アクチュエータインタフェース950の
並進の量および容易さ(例えば、アクチュエータヘッド915,925の押し下げ)の両
方を調整することができる。ボタンインタフェース950および対応するアクチュエータ
キャビティ960は、ひも締めエンジン上の異なるボタン配置および構成に対応するよう
に容易に適合させることができる。モジュール式アクチュエータアセンブリを使用すると
、ミッドソールプレートに大きな設計変更を加える必要なく、異なるひも締めエンジンを
異なるアクチュエータアセンブリに適合させることができる。
【0046】
図9Eは、アクチュエータアセンブリ730の背面斜視図である。この例では、ボタン
インタフェース950がアクチュエータアセンブリ730の内面に対して垂直でないこと
は明らかである。他の例では、ボタンインタフェース950は、内面に対して垂直である
か、またはいくつかの異なる角度とすることができ、ボタンインタフェース950の向き
は、ひも締めエンジン上のボタンの位置および向きに依る。プレート凹部970は、ミッ
ドソールプレート740のひも締めエンジンキャビティ748内の突起と相互作用するよ
うに構成されている。プレート凹部970とミッドソールプレート740との間の境界面
は、位置合わせを維持するのに役立つ。
【0047】
図9Fは、例示的な実施形態による、アクチュエータアセンブリ730の側面斜視図で
ある。この例において、アクチュエータアセンブリは、後部アクチュエータディンプル9
11を有する後部アクチュエータヘッドを備えた、後部アクチュエータ910を含むもの
として示されている。後部アクチュエータ910は、この例では縮径円筒接続部である、
アクチュエータプレートインタフェース940によってアクチュエータフレームに連結さ
れている。他の図に示されているように、アクチュエータプレートインタフェース940
は、アクチュエータ開口部742に挿入するのに十分な柔軟性を可能にする側壁厚さを有
する中空シリンダである。この例において、アクチュエータプレートインタフェース94
0から外に延びるアクチュエータヘッド910のリップは、組み立てられたときにミッド
ソールプレート740の外面と対になる平坦な内面を含む。
【0048】
図10は、いくつかの例示的な実施形態による、履物用の電動式ひも締めシステムのコ
ンポーネントを示すブロック図である。システム1000は、インタフェースボタン、足
存在センサ、プロセッサ回路を備えたプリント回路基板アセンブリ(PCA)、バッテリ
、充電コイル、エンコーダ、モータ、トランスミッション、およびスプールなどの電動式
ひも締めシステムの基本的なコンポーネントを示している。この例において、インタフェ
ースボタンおよび足存在センサは回路基板(PCA)と通信し、PCAはバッテリおよび
充電コイルとも通信する。エンコーダおよびモータもまた、回路基板と接続され、また相
互に接続されている。トランスミッションは、モータをスプールに連結して駆動機構を形
成する。
【0049】
一例において、プロセッサ回路は、駆動機構の1つまたは複数の態様を制御する。例え
ば、プロセッサ回路は、ボタンから、および/または足存在センサから、および/または
バッテリから、および/または駆動機構から、および/またはエンコーダから、情報を受
信するように構成することができ、さらに、他の機能の中でも特に、履物を締めたり緩め
たりするために、またはセンサ情報を取得したり記録したりするために、駆動機構にコマ
ンドを出すように構成することができる。
【実施例0050】
本発明者らは、とりわけ、シューレース(靴ひも)を自動または半自動で締めるための
改良されたモジュール式ひも締めエンジンの必要性を認識した。本文書では、特に、履物
プラットフォーム内の自動化されたモジュール式ひも締めエンジンを制御するための、ア
クチュエータアセンブリの機械設計について説明する。以下の例は、本明細書に説明する
アクチュエータおよび履物アセンブリの非限定的な例を提供する。
【0051】
実施例1は、自動化された履物プラットフォームのひも締めエンジンを制御するための
アクチュエータを含む主題を説明する。アクチュエータは、アクチュエータフレームおよ
び複数のアクチュエータを備えることができる。この例において、アクチュエータフレー
ムは、アクチュエータアセンブリの要素を相互接続するようになっており、幅、長さ、お
よび厚さを含み、当該幅および長さが厚さによって分離された外面および内面を形成して
いる。複数のアクチュエータがアクチュエータフレーム内に組み込まれ、複数のアクチュ
エータの各アクチュエータは、外面から延びるアクチュエータヘッド、およびアクチュエ
ータヘッドの背面から内面を通って延びるボタンインタフェースを含む。
【0052】
実施例2では、実施例1の主題は、単一の成形構造を形成するアクチュエータフレーム
および複数のアクチュエータを任意に含むことができる。
【0053】
実施例3では、実施例2の主題は、半透明で防水性の材料から形成された単一の成形構
造を任意に含むことができる。
【0054】
実施例4では、実施例2の主題は、シリコンベースの材料から形成された単一の成形構
造を任意に含むことができる。
【0055】
実施例5では、実施例1~4のいずれか1つの主題は、複数のアクチュエータのボタン
インタフェースを任意に含むことができ、ボタンインタフェースの各々は、アクチュエー
タアセンブリおよびひも締めエンジンを履物アセンブリに取り付けたときに、ひも締めエ
ンジンの複数のボタンのそれぞれのボタンと係合することができる。
【0056】
実施例6では、実施例5の主題は、ひも締めエンジンの複数のボタンに隣接するかまた
は統合されたLEDから放出された光を伝導するようになっている、ボタンインタフェー
スを任意に含むことができる。
【0057】
実施例7では、実施例1~6のいずれか1つの主題は、それぞれのアクチュエータヘッ
ドの背面の中央部分から延びる、複数のアクチュエータの各ボタンインタフェースを任意
に含むことができる。
【0058】
実施例8では、実施例7の主題は、ボタンインタフェースを取り囲み、かつアクチュエ
ータフレームの内面に開口を形成するアクチュエータキャビティを含む、複数のアクチュ
エータの各アクチュエータを任意に含むことができる。
【0059】
実施例9では、実施例8の主題は、複数のアクチュエータの各アクチュエータが作動す
るための間隙を提供する、アクチュエータキャビティを任意に含むことができる。
【0060】
実施例10では、実施例7の主題は、ひも締めエンジンのそれぞれのボタンと係合する
ために、それぞれのアクチュエータヘッドの背面の中央部分から延びる円筒シャフトを有
する、複数のアクチュエータの各ボタンインタフェースを任意に含むことができる。
【0061】
実施例11では、実施例1~10のいずれか1つの主題は、複数のアクチュエータの各
アクチュエータがアクチュエータプレートインタフェースを含み、アクチュエータプレー
トインタフェースが、アクチュエータヘッドと外面との間に縮径領域を任意に含むことが
できる。
【0062】
実施例12では、実施例11の主題は、アクチュエータアセンブリを履物アセンブリに
取り付けたときに、ミッドソールプレートの開口部を通って延びるようになっている、ア
クチュエータプレートインタフェースを任意に含むことができる。
【0063】
実施例13では、実施例12の主題は、アクチュエータアセンブリを履物アセンブリに
取り付けたときに、アクチュエータヘッド、アクチュエータプレートインタフェース、お
よびアクチュエータフレームの外面が、ミッドソールプレートの開口部を封止するように
動作できる場合を任意に含むことができる。
【0064】
実施例14では、実施例1~13のいずれか1つの主題は、複数のアクチュエータの個
々のアクチュエータの各々の触覚識別を可能にする固有のディンプルパターンを含む、複
数のアクチュエータの各アクチュエータヘッドを任意に含むことができる。
【0065】
実施例15では、自動化された履物プラットフォームのひも締めエンジンを制御するた
めのアクチュエータアセンブリを含む、履物アセンブリを含む主題を説明する。この例で
は、履物アセンブリは、アッパー部分、ミッドソール部分およびアウトソール部分を含む
ことができる。アッパー部分は、履物アセンブリ内に足を固定するように構成することが
できる。ミッドソール部分は、アッパー部分に連結することができ、ひも締めエンジンを
収容するためのミッドソールプレートを受け入れるようになっている。ミッドソールプレ
ートは、アクチュエータアセンブリの複数のアクチュエータを受け入れる複数の開口部を
含み、複数のアクチュエータは、ひも締めエンジンの制御機能へのアクセスを提供する。
アウトソールは、ミッドソール部分の少なくとも下部と連結することができる。
【0066】
実施例16では、実施例15の主題は、ミッドソールプレートに、円形で、アクチュエ
ータアセンブリのアクチュエータプレートインタフェースを受け入れるように寸法決めさ
れた複数の開口部を任意に含むことができる。
【0067】
実施例17では、実施例16の主題は、アクチュエータアセンブリのアクチュエータヘ
ッドとアクチュエータフレームとの間の縮径断面の円筒形ネック部分とすることができる
、アクチュエータプレートインタフェースを任意に含むことができる。
【0068】
実施例18では、実施例17の主題は、ミッドソールプレートの複数の開口部を水の侵
入から封止するように機能する、アクチュエータヘッド、アクチュエータプレートインタ
フェース、およびアクチュエータフレームの組み合わせを任意に含むことができる。
【0069】
実施例19では、実施例17の主題は、複数の開口部への各アクチュエータプレートイ
ンタフェースの圧入組み立てを容易にするために、アクチュエータアセンブリがシリコン
ベースの材料から形成される場合を任意に含むことができる。
【0070】
実施例20では、実施例15~19のいずれか1つの主題は、ひも締めエンジンを保護
するために、補強された下床を有するミッドソールプレートを任意に含むことができる。
【0071】
実施例21では、実施例20の主題は、離型を容易にするために、傾斜した側壁を備え
るワッフル構造を有する補強された下床を任意に含むことができる。
【0072】
実施例22では、実施例15~21のいずれか1つの主題は、ひも締めエンジンを固定
し、かつひも締めエンジン内にひもケーブルを配線し易くするために、蓋を受け入れる蓋
インタフェースを有するミッドソールプレートを任意に含むことができる。
【0073】
実施例23では、実施例22の主題は、1つまたは複数のラッチ凹部、内甲側蓋ヒンジ
凹部および外甲側蓋ヒンジ凹部を有する蓋インタフェースを任意に含むことができる。
【0074】
[追記事項]
本明細書全体を通して、複数の実例は、単一の実例として説明されたコンポーネント、
動作、または構造を実装し得る。1つまたは複数の方法の個々の動作は、別個の動作とし
て図示および説明されているが、個々の動作の1つまたは複数を同時に実行することがで
き、また、必ずしも図示の順序で動作を実行する必要はない。例示的な構成において個別
のコンポーネントとして提示される構造および機能は、結合された構造またはコンポーネ
ントとして実装されてもよい。同様に、単一のコンポーネントとして提示される構造およ
び機能は、個別のコンポーネントとして実装され得る。これらおよび他の変形例、修正、
追加、および改良は、本明細書の主題の範囲内に含まれる。
【0075】
特定の例示的な実施形態を参照して本発明の主題の概要を説明したが、本開示の実施形
態のより広い範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な修正および変更を加
えることができる。本発明の主題のそのような実施形態は、本明細書において「発明」と
いう用語で個々にまたは集合的に言及される場合があるが、これは単に便宜的なものであ
り、実際に複数が開示されている場合、本出願の範囲を単一の開示または発明の概念に自
発的に限定することを意図するものではない。
【0076】
本明細書に示された実施形態は、当業者が開示された教示を実施できるように十分詳細
に説明されている。本開示の範囲から逸脱することなく構造的かつ論理的な置換および変
更を行うことができるように、他の実施形態を使用すること、およびそこから導出するこ
とができる。したがって、本開示は、限定的な意味でとられるべきではなく、様々な実施
形態の範囲は、開示された主題が権利を有し得る均等物の全範囲を含む。
【0077】
本明細書で使用される場合、「または」という用語は、包括的または排他的な意味のい
ずれにも解釈され得る。また、本明細書において単一のインスタンスで説明されるリソー
ス、動作、または構造に対して、複数のインスタンスが提供されてもよい。さらに、様々
なリソース、動作、モジュール、エンジン、およびデータストア間の境界は幾分恣意的な
ものであり、特定の動作は、特定の例示的な構成の文脈で示されている。機能の他の割り
当てが想定されており、それらは本開示の様々な実施形態の範囲内に含まれ得る。一般に
、構成例で個別のリソースとして提示される構造および機能は、結合された構造またはリ
ソースとして実装することができる。同様に、単一のリソースとして提示される構造およ
び機能は、個別のリソースとして実装することができる。これらの、および他の変形、修
正、追加、および改良は、添付の特許請求の範囲によって表される本開示の実施形態の範
囲内に含まれる。したがって、本明細書および図面は、制限的な意味ではなく例示的な意
味にみなされるべきである。
【0078】
これらの非限定的な例の各々は、単独で使用することも、1つまたは複数の他の例と様
々な順列または組み合わせで合わせて使用することも可能である。
【0079】
上記の詳細な説明は、該詳細な説明の一部を形成する添付の図面への参照を含んでいる
。図面は、例示として、本発明を実施できる特定の実施形態を示している。本明細書にお
いて、これらの実施形態は、「例」とも呼ばれる。そのような例は、図示または説明され
た要素に加えて複数の要素を含むことができる。しかしながら、本発明者らは、図示また
は説明されている要素のみが提供される例を企図している。さらに、本発明者らは、特定
の例(またはその1つ以上の態様)に関して、あるいは本明細書に示され、または説明さ
れる他の例(またはその1つ以上の態様)に関して、図示または説明されたこれらの要素
の任意の組み合わせまたは置換(または、その1つ以上の態様)を使用する例も企図して
いる。
【0080】
本明細書および参照により組み込まれた任意の文書との間に矛盾した使用法がある場合
は、本明細書の使用法とする。
【0081】
本明細書において、不定冠詞(「a」または「an」)が使用される用語は、特許文書で
一般的であるように、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」といった他の例
または使用法とは無関係に、1つ以上を含む。本明細書において、「または」という用語
は、非排他的なものをいうように使用され、特に断りのない限り、「AまたはB」には、
「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、「AおよびB」が含まれるよう
に使用される。本明細書において、「含む(including)」および「その中で(in which
)」という用語は、「備える(comprising)」および「ここで(wherein)」という各用
語の平易な英語の同等語として使用される。また、以下の特許請求の範囲では、「含む(
including)」および「備える(comprising)」という用語は、オープンエンドである。
すなわち、請求項内のそのような用語の後に挙げられたものに加えて要素を含む、システ
ム、デバイス、物品、組成物、製剤、またはプロセスが、依然として特許請求の範囲内に
あるとみなされる。さらに、以下の特許請求の範囲では、「第1の」、「第2の」および
「第3の」などの用語は、ラベルとしてのみ使用され、それらの対象に数値要件を課すこ
とは意図していない。
【0082】
モータ制御の例など、本明細書で説明する方法の例は、少なくとも部分的に機械または
コンピュータで実施することができる。いくつかの例は、上記の例で説明した方法を実行
するよう電子デバイスを構成するように動作可能な命令でエンコードされた、コンピュー
タ可読媒体または機械可読媒体を含むことができる。そのような方法の実装は、マイクロ
コード、アセンブリ言語コード、高水準の言語コードなどのコードを含むことができる。
そのようなコードは、様々な方法を実行するためのコンピュータ可読命令を含むことがで
きる。コードは、コンピュータプログラム製品の一部を形成する場合がある。さらに、一
例において、コードは、実行中などに、1つまたは複数の揮発性の、非一時的な、または
不揮発性の有形のコンピュータ可読媒体に目に見える方法で格納することができる。これ
らの有形のコンピュータ可読媒体の例には、これらに限定されないが、ハードディスク、
取り外し可能な磁気ディスク、取り外し可能な光学ディスク(例えば、コンパクトディス
クおよびデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカードまたはスティック、ラ
ンダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)などが含まれ得る。
【0083】
上記の説明は、例示することを意図しており、制限することを目的としていない。例え
ば、上記の例(またはその1つまたは複数の態様)は、互いに組み合わせて使用すること
ができる。上記の説明を検討した当業者などにより、他の実施形態を使用することが可能
である。要約書が提供されている場合、米国連邦規則(CFR)37巻1条72項bに準
拠し、要約書は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認できるようにするためのものであ
る。それは、特許請求の範囲またはその意味を解釈または制限するために使用されないこ
とを理解して提出される。また、上記の説明では、様々な機能をグループ化して、開示を
合理化している場合がある。これは、特許請求されていない開示された機能がいずれの請
求項に不可欠であることを意図するものであると解釈されるべきではない。むしろ、本発
明の主題は、特定の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ないことにある場合があ
る。したがって、以下の特許請求の範囲は、例または実施形態として詳細な説明に組み込
まれ、各請求項は個別の実施形態として独立しており、そのような実施形態は、様々な組
み合わせまたは順列で互いに組み合わせることができると考えられる。本発明の範囲は、
添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全
範囲とともに決定されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-08-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物アセンブリであって:
当該履物アセンブリ内に足を固定するように構成されたアッパー部分と;
前記アッパー部分に連結され、ひも締めエンジンを収容するためのミッドソールプレートを受け入れるように適合されたミッドソール部分であって、前記ミッドソールプレートが、アクチュエータアセンブリの複数のアクチュエータを受け入れる複数の開口部を含み、前記複数のアクチュエータが、前記ひも締めエンジンの制御機能へのアクセスを提供する、ミッドソール部分と;
前記ミッドソール部分の少なくとも下方部分に連結されたアウトソール部分と;
を備え、
前記アクチュエータアセンブリはプレート凹部を備え、前記プレート凹部は、前記ミッドソールプレートのひも締めエンジンキャビティ内の突起と相互作用して、位置合わせの維持を支援し、
前記アクチュエータアセンブリは、アクチュエータフレームとアクチュエータとを含み、
前記アクチュエータは、前記アクチュエータフレームの内面を通って延びるボタンインタフェースを含み、
前記ボタンインタフェースは、前記アクチュエータフレームの前記内面に対して垂直でない、
履物アセンブリ。
【請求項2】
前記ミッドソールプレートの前記複数の開口部は円形であり、かつ前記アクチュエータアセンブリのアクチュエータプレートインタフェースを受け入れるように寸法決めされている、請求項1に記載の履物アセンブリ。
【請求項3】
前記アクチュエータプレートインタフェースが、前記アクチュエータアセンブリのアクチュエータヘッドとアクチュエータフレームとの間の、縮径断面を有する円筒ネック部分である、請求項2に記載の履物アセンブリ。
【請求項4】
前記アクチュエータヘッド、前記アクチュエータプレートインタフェース、および前記アクチュエータフレームの組み合わせが、前記ミッドソールプレートの前記複数の開口部を水の浸入から封止するように機能する、請求項3に記載の履物アセンブリ。
【請求項5】
前記複数の開口部への各アクチュエータプレートインタフェースの圧入組み立てを容易にするために、前記アクチュエータアセンブリがシリコンベースの材料から形成される、請求項3に記載の履物アセンブリ。
【請求項6】
前記ひも締めエンジンを保護するために、前記ミッドソールプレートが、補強された下床を含み、前記補強された下床が、離型を容易にするために傾斜した側壁を備えるワッフル構造を含む、請求項1に記載の履物アセンブリ。
【請求項7】
前記ミッドソールプレートが、前記ひも締めエンジンを固定し、かつ当該ひも締めエンジンにひもケーブルを配線するのに役立つ、蓋を受けるための蓋インタフェースを含む、請求項1に記載の履物アセンブリ。
【請求項8】
前記蓋インタフェースが、1つまたは複数のラッチ凹部、内甲側蓋ヒンジ凹部、および外甲側蓋ヒンジ凹部を含む、請求項7に記載の履物アセンブリ。
【請求項9】
自動化された履物プラットフォーム内のひも締めエンジンを制御するためのアクチュエータアセンブリであって:
当該アクチュエータアセンブリの要素を相互連結するように適合されたアクチュエータフレームであって、幅、長さ、および厚さを含み、当該幅および長さが前記厚さによって分離された外面および内面を形成している、アクチュエータフレームと;
前記アクチュエータフレームに組み込まれた複数のアクチュエータであって、当該複数のアクチュエータの各アクチュエータが、前記外面から延びるアクチュエータヘッド、および前記アクチュエータヘッドの背面から前記内面を通って延びるボタンインタフェースを含む、複数のアクチュエータと;
を備え、
前記アクチュエータフレームはプレート凹部を備え、前記プレート凹部は、ミッドソールプレートのひも締めエンジンキャビティ内の突起と相互作用して、位置合わせの維持を支援し、
前記ボタンインタフェースは、前記アクチュエータフレームの前記内面に対して垂直でない、
アクチュエータアセンブリ。
【請求項10】
前記アクチュエータフレームおよび前記複数のアクチュエータが単一の成形構造を形成する、請求項9に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項11】
前記単一の成形構造が、半透明で防水性の材料から形成される、請求項10に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項12】
前記単一の成形構造が、シリコンベースの材料から形成される、請求項10に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項13】
前記複数のアクチュエータの前記ボタンインタフェースの各々は、前記アクチュエータアセンブリおよび前記ひも締めエンジンを履物アセンブリに取り付けたときに、当該ひも締めエンジンの複数のボタンのそれぞれのボタンと係合する、請求項9に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項14】
前記ボタンインタフェースは、前記ひも締めエンジンの前記複数のボタンに隣接するかまたは統合されたLEDから放出される光を伝導するようになっている、請求項13に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項15】
前記複数のアクチュエータの各ボタンインタフェースは、それぞれのアクチュエータヘッドの前記背面の中央部分から延びている、請求項9に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項16】
前記複数のアクチュエータの各アクチュエータは、前記ボタンインタフェースを取り囲み、かつ前記アクチュエータフレームの前記内面に開口を形成する、アクチュエータキャビティを含む、請求項15に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項17】
前記アクチュエータキャビティは、前記複数のアクチュエータの各アクチュエータが作動するための間隙を提供する、請求項16に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項18】
前記複数のアクチュエータの各ボタンインタフェースは、それぞれのアクチュエータヘッドの前記背面の中央部分から延びてひも締めエンジンのそれぞれのボタンと係合する円筒シャフトを含む、請求項17に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項19】
前記複数のアクチュエータの各アクチュエータがアクチュエータプレートインタフェースを含み、当該アクチュエータプレートインタフェースが、前記アクチュエータヘッドと前記外面との間に縮径領域を含む、請求項9に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項20】
前記アクチュエータプレートインタフェースは、前記アクチュエータアセンブリを履物アセンブリに取り付けたときに、ミッドソールプレートの開口部を通って延びるように適合される、請求項19に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項21】
前記アクチュエータアセンブリを前記履物アセンブリに取り付けたときに、前記アクチュエータヘッド、前記アクチュエータプレートインタフェースおよび前記アクチュエータフレームの外面が、前記ミッドソールプレートの前記開口部を封止するように動作する、請求項20に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項22】
前記複数のアクチュエータの各アクチュエータヘッドが、当該複数のアクチュエータの個々のアクチュエータの各々の触覚識別を可能にする固有のディンプルパターンを含む、請求項9に記載のアクチュエータアセンブリ。
【外国語明細書】