(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169651
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】電気接続装置及び端子
(51)【国際特許分類】
H01R 13/04 20060101AFI20221101BHJP
H01R 13/11 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
H01R13/04 B
H01R13/11 302N
H01R13/11 302A
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129850
(22)【出願日】2022-08-17
(62)【分割の表示】P 2021052637の分割
【原出願日】2021-03-26
(31)【優先権主張番号】202010222396.X
(32)【優先日】2020-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】チードン チェン
(72)【発明者】
【氏名】ユーシャン ゼン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】2つの嵌合モードで位置決めできる位置決め構造、又は係止できる係止構造を有する電気接続装置の提供。
【解決手段】電気接続装置100は、第1のコネクタ1と、第2のコネクタ2を含む。第1のコネクタ1の絶縁性本体11は、挿入溝111と、前後方向D1に向かう第1の挿入開口部と、上下方向D2に向かう第2の挿入開口部113と、前後方向D1に面する第1の停止面114a及び上下方向D2に面する第2の停止面114bを有する。第2のコネクタ2の絶縁性ハウジング21は、嵌合部分212及び接触面214を有し、第2のコネクタ2が前後方向D1に沿って嵌合部分212が第1の挿入開口部から挿入されると、接触面214が第1の停止面114aによって停止される。第2のコネクタ2が上下方向D2に沿って嵌合部分212が第2の挿入開口部113から挿入されると、接触面214が第2の停止面114bによって停止される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート本体を有する端子であって、
前記シート本体が、対向する第1の表面及び第2の表面と、頂縁部と、底縁部と、2つの側縁部と、を有し、
前記シート本体が、前記第1の表面に形成された突起と、前記2つの側縁部にそれぞれ形成されて、外方へ延在する2つの固定部分と、前記底縁部に隣接して前記第1の表面及び前記第2の表面に形成されたピットと、を備える、端子。
【請求項2】
前記第1の表面上の前記ピットが、前記突起と前記底縁部との間に位置決めされている、請求項1に記載の端子。
【請求項3】
前記突起は、前記第2の表面が前記突起に対応する陥凹と共に形成されるように、スタンピング様式によって形成されており、前記第2の表面の前記ピットが、前記陥凹と前記底縁部との間に位置決めされている、請求項1に記載の端子。
【請求項4】
嵌合セグメントを有する端子であって、
前記嵌合セグメントが、前方へ延在するベースプレートと、該ベースプレートの2つの側部に接続された2つの側部プレートと、を有し、
前記ベースプレート及び前記2つの側部プレートが、共に嵌合空間を画定し、該嵌合空間は、前記前方に向かう嵌合開口部を有し、
各側部プレートが、フレーム本体と、少なくとも1つの弾性アームと、複数の接触部分と、を有し、該複数の接触部分が、前記嵌合空間の中へ進入し、
各フレーム本体は、前記ベースプレートから離間されており、該ベースプレートと横並びに配設されている、側部フレームバーを有し、
各側部プレートの前記複数の接触部分のうちの一方が、前記側部フレームバーに形成されており、各側部プレートの前記複数の接触部分のうちの他方が、前記少なくとも1つの弾性アームに形成されており、各側部プレートの前記複数の接触部分と前記嵌合開口部との間の距離が、少なくとも2つの異なる長さを有する、端子。
【請求項5】
前記フレーム本体が、前記側部フレームバー及び前記ベースプレートに接続し、互いから前後方向に離間されており、横並びに配設されている、前部フレームバー及び後部フレームバーを更に有し、
前記少なくとも1つの弾性アームが、前記後部フレームバーから前記前部フレームバーに向かって延在し、前記少なくとも1つの弾性アームの先端部において前記接触部分と共に形成されている、請求項4に記載の端子。
【請求項6】
前記少なくとも1つの弾性アームの前記接触部分が、前記側部フレームバーの前記接触部分に対して前記嵌合開口部の近くにあり、
前記少なくとも1つの弾性アームが、第1の弾性アームと、第2の弾性アームと、を備え、
前記第1の弾性アームが、前記第2の弾性アームと前記側部フレームバーとの間に位置決めされており、前記第1の弾性アームの前記接触部分が、前記嵌合開口部に最も近い、請求項5に記載の端子。
【請求項7】
前記フレーム本体が、前記側部フレームバー及び前記ベースプレートに接続し、互いから前記前後方向に離間されており、横並びに配設されている、前部フレームバー及び後部フレームバーを更に有し、
前記少なくとも1つの弾性アームが、第1の弾性アームと、第2の弾性アームと、を備え、前記第1の弾性アーム及び前記第2の弾性アームが、前記後部フレームバーから前記前部フレームバーに向かって延在し、前記第1の弾性アームが、前記第1の弾性アームの先端部において前記接触部分と共に形成されており、前記第2の弾性アームが、該第2の弾性アームの先端部において前記接触部分と共に形成されており、
前記第1の弾性アームの前記接触部分又は前記第2の弾性アームの前記接触部分が、前記側部フレームバーの前記接触部分に対して前記嵌合開口部の近くにある、請求項4に記載の端子。
【請求項8】
前記フレーム本体が、前記側部フレームバー及び前記ベースプレートに接続し、互いから前記前後方向に離間されており、横並びに配設されている、前部フレームバー及び後部フレームバーを更に有し、
前記少なくとも1つの弾性アームが、第1の弾性アームと、第2の弾性アームと、を備え、前記第1の弾性アーム及び前記第2の弾性アームが、前記後部フレームバーから前記前部フレームバーに向かって延在し、前記第1の弾性アームが、該第1の弾性アームの先端部において前記接触部分と共に形成されており、前記第2の弾性アームが、前記第2の弾性アームの先端部において前記接触部分と共に形成されており、
前記第1の弾性アームの前記接触部分と前記嵌合開口部との間の距離、前記第2の弾性アームの前記接触部分と前記嵌合開口部との間の距離、及び前記側部フレームバーの前記接触部分と前記嵌合開口部との間の距離が、全て異なる、請求項4に記載の端子。
【請求項9】
前記停止部分が、前記ベースプレートから離れた前記2つの側部プレートの前記後部フレームバーの端部分の間に形成されている、請求項5~8のいずれか1項に記載の端子。
【請求項10】
前記端子が、前記嵌合セグメントの後端部に接続されており、かつ導電性ワイヤを電気的に接続するために使用される、ワイヤ接続セグメントを更に有する、請求項4に記載の端子。
【請求項11】
各側部プレートの前記少なくとも1つの弾性アームが、前記フレーム本体に接続されており、かつ、該フレーム本体によって取り囲まれている、請求項4に記載の端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気接続装置に関し、具体的には、電気接続装置及び端子に関する。
【背景技術】
【0002】
中国実用新案特許出願発行公開第CN202454786U号は、電気コネクタを開示しており、この電気コネクタは、第1の方向又は第2の方向に沿ってそれと嵌合コネクタが嵌合することを可能にする。しかしながら、この電気コネクタ及び嵌合コネクタは、本質的には1つの嵌合モード、すなわち、嵌合コネクタが第1の方向に沿って電気コネクタと嵌合されるか、又は第2の方向に沿って電気コネクタと嵌合されるか、だけしか有さず、嵌合コネクタは、電気コネクタに対して常に同じ方向に位置決めされる。電気コネクタ及び嵌合コネクタには1つの嵌合モードだけしかないので、電気コネクタは、2つの嵌合モードで位置決め機能を提供することができる位置決め構造、又は2つの嵌合モードで係止機能を提供することができる係止構造を有しない。
【0003】
加えて、嵌合コネクタ及び電気コネクタが互いに嵌合されると、電気コネクタのクリッピング端子の端子突出点が嵌合コネクタのシート形状の端子に接触し、概して、スタンピング様式によって端子突出点が形成され、したがって、陥凹した中空形状が、概して、端子突出点が存在する突出面とは反対側の他方の側面に形成され、そのような端子突出点は、衝突によって容易に潰され、結果的に損傷を受けるので、このタイプの電気コネクタは、多数回の差し込みを受けることができない。しかしながら、そのような端子が容易に損傷を受けるという欠点を克服するために、クリッピング端子が端子突出点を有しない別の端子が存在するが、このクリッピング端子は、第1の案内部分及びその上にある第2の案内部分を備え、第1の案内部分及び第2の案内部分は、それぞれ、第1の方向及び第2の方向に位置決めされ、シート形状の端子が進入するように案内するために使用されるが、クリッピング端子は、概して、より小さい容積を有し、したがって、クリッピング端子は、互いに垂直である第1の案内部分及びその上の第2の案内部分と共に形成されるが、時間がかかり、面倒であるだけでなく、製造コストも増加させる。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本開示の目的は、先行技術における少なくとも1つの欠点を改善することができる電気接続装置を提供することである。
【0005】
したがって、いくつかの実施形態では、本開示の電気接続装置は、第1のコネクタと、第2のコネクタと、を備える。第1のコネクタは、絶縁性本体及び絶縁性本体に提供された複数の第1の端子を備え、絶縁性本体は、挿入溝と、挿入溝と連通し、第1の方向に向かう第1の挿入開口部と、挿入溝と連通し、第2の方向に向かう第2の挿入開口部と、第1の挿入開口部と第2の挿入開口部との間に位置決めされた停止ブロックであって、第1の方向に面する第1の停止面及び第2の方向に面する第2の停止面を有する、停止ブロックと、を備える。第2のコネクタは、絶縁性ハウジング及び絶縁性ハウジングに提供された複数の第2の端子を備え、絶縁性ハウジングは、嵌合部分及び接触面を有し、第2のコネクタが第1の方向に沿って第1のコネクタと嵌合されると、嵌合部分が第1の挿入開口部から挿入溝の中へ挿入され、接触面が停止ブロックの第1の停止面によって停止され、第2のコネクタが第2の方向に沿って第1のコネクタと嵌合されると、嵌合部分が第2の挿入開口部から挿入溝の中へ挿入され、接触面が停止ブロックの第2の停止面によって停止される。
【0006】
いくつかの実施形態では、絶縁性ハウジングが本体部分を更に有し、嵌合部分が本体部分から前方へ延在し、肩部が嵌合部分と本体部分との間に形成され、肩部が前方に向かう接触面を形成する。
【0007】
いくつかの実施形態では、案内溝が嵌合部分に形成されて肩部に接続され、接触面が案内溝の後端部に位置決めされ、第2のコネクタが第1の方向に沿って第1のコネクタと嵌合され、かつ、第2のコネクタが第2の方向に沿って第1のコネクタと嵌合されると、停止ブロックが案内溝内で摺動可能に受容される。
【0008】
いくつかの実施形態では、絶縁性本体は、底壁と、2つの側壁と、後壁と、を有し、底壁、2つの側壁、及び後壁は、共に挿入溝を画定する。
【0009】
いくつかの実施形態では、絶縁性本体が2つの側壁を有し、第1の挿入開口部が2つの側壁の第1の停止面及び前端面によって画定され、第2の挿入開口部が第2の停止面及び2つの側壁の頂面によって画定される。
【0010】
いくつかの実施形態では、複数の第1の端子は、各々が第1の方向及び第2の方向に沿って延在するシート形状の端子であり、各第1の端子の第1の挿入開口部に向かう部分及び第2の挿入開口部に向かう部分は、各々が案内縁部分によって形成され、複数の第2の端子は、複数の第1の端子をそれぞれクリップ留めするために使用される、クリッピング端子である。
【0011】
いくつかの実施形態では、絶縁性本体は、第1の方向に沿って延在する第1のフールプルーフ構造、及び第2の方向に沿って延在する第2のフールプルーフ構造によって形成され、絶縁性ハウジングの嵌合部分は、第1のフールプルーフ構造に対応する第3のフールプルーフ構造、及び第2のフールプルーフ構造に対応する第4のフールプルーフ構造によって形成され、第2のコネクタが第1の方向に沿って第1のコネクタと嵌合されると、それに応じて第1のフールプルーフ構造及び第3のフールプルーフ構造が凹凸嵌合で互いに協働し、第2のコネクタが第2の方向に沿って第1のコネクタと嵌合されると、それに応じて第2のフールプルーフ構造及び第4のフールプルーフ構造が凹凸嵌合で互いに協働する。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1のフールプルーフ構造が突出キーであり、第2のフールプルーフ構造が案内スロットであり、第3のフールプルーフ構造がキー溝であり、第4のフールプルーフ構造が突出レールである。
【0013】
したがって、いくつかの実施形態では、本開示の電気接続装置は、第1のコネクタと、第2のコネクタと、を備える。第1のコネクタは、絶縁性本体及び絶縁性本体に提供された複数の第1の端子を備え、絶縁性本体は、挿入溝と、挿入溝と連通し、第1の方向に向かう第1の挿入開口部と、挿入溝と連通し、第2の方向に向かう第2の挿入開口部と、挿入溝の内壁面に形成された第1の位置決め構造及び第2の位置決め構造と、を備える。第2のコネクタは、絶縁性ハウジング及び絶縁性ハウジングに提供された複数の第2の端子を備え、絶縁性ハウジングは、嵌合部分及び嵌合部分に形成された第3の位置決め構造を有し、第2のコネクタが第1の方向に沿って第1のコネクタと嵌合されると、嵌合部分が第1の挿入開口部から挿入溝の中へ挿入され、それに応じて第3の位置決め構造及び第1の位置決め構造が凹凸嵌合で互いに協働し、第2のコネクタが第2の方向に沿って第1のコネクタと嵌合されると、嵌合部分が第2の挿入開口部から挿入溝の中へ挿入され、それに応じて第3の位置決め構造及び第2の位置決め構造が凹凸嵌合で互いに協働する。
【0014】
いくつかの実施形態では、絶縁性本体は、底壁と、2つの側壁と、後壁と、を有し、底壁、2つの側壁、及び後壁は、共に挿入溝を画定し、第1の位置決め構造は、後壁に形成され、第2の位置決め構造は、底壁に形成され、第3の位置決め構造は、絶縁性ハウジングの嵌合部分の前端部に形成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1の位置決め構造及び第2の位置決め構造は、位置決め凹部であり、第3の位置決め構造は、位置決め突出部である。
【0016】
いくつかの実施形態では、複数の第1の端子は、各々が第1の方向及び第2の方向に沿って延在するシート形状の端子であり、各第1の端子の第1の挿入開口部に向かう部分及び第2の挿入開口部に向かう部分は、各々が、案内縁部分によって形成され、複数の第2の端子は、それぞれ複数の第1の端子をクリップ留めするために使用される、クリッピング端子である。
【0017】
いくつかの実施形態では、絶縁性本体は、第1の方向に沿って延在する第1のフールプルーフ構造、及び第2の方向に沿って延在する第2のフールプルーフ構造によって形成され、絶縁性ハウジングの嵌合部分は、第1のフールプルーフ構造に対応する第3のフールプルーフ構造、及び第2のフールプルーフ構造に対応する第4のフールプルーフ構造によって形成され、第2のコネクタが第1の方向に沿って第1のコネクタと嵌合されると、それに応じて第1のフールプルーフ構造及び第3のフールプルーフ構造が凹凸嵌合で互いに協働し、第2のコネクタが第2の方向に沿って第1のコネクタと嵌合されると、それに応じて第2のフールプルーフ構造及び第4のフールプルーフ構造が凹凸嵌合で互いに協働する。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1のフールプルーフ構造は、突出キーであり、第2のフールプルーフ構造は、案内スロットであり、第3のフールプルーフ構造は、キー溝であり、第4のフールプルーフ構造は、突出レールである。
【0019】
したがって、いくつかの実施形態では、本開示の電気接続装置は、第1のコネクタと、第2のコネクタと、を備える。第1のコネクタは、絶縁性本体及び絶縁性本体に提供された複数の第1の端子を備え、絶縁性本体は、挿入溝と、挿入溝と連通し、第1の方向に向かう第1の挿入開口部と、挿入溝と連通し、第2の方向に向かう第2の挿入開口部と、挿入溝の内壁面に形成された係止凹部と、を備える。第2のコネクタは、絶縁性ハウジング及び絶縁性ハウジングに提供された複数の第2の端子を備え、絶縁性ハウジングは、弾性係止バーを備え、弾性係止バーは、弾性係止バーの両端部でそれぞれ絶縁性ハウジングと一体的に接続され、押圧することが可能であり、弾性係止バーは、係止突出部を有し、第2のコネクタが第1の方向に沿って第1のコネクタと嵌合され、かつ、第2のコネクタが第2の方向に沿って第1のコネクタと嵌合されると、係止突出部が係止凹部の中に進入して、絶縁性ハウジングを絶縁性本体に係止する。
【0020】
いくつかの実施形態では、絶縁性本体は、挿入溝を画定する2つの側壁を有し、係止凹部が側壁に形成される。
【0021】
いくつかの実施形態では、複数の第1の端子は、各々が第1の方向及び第2の方向に沿って延在するシート形状の端子であり、各第1の端子の第1の挿入開口部に向かう部分及び第2の挿入開口部に向かう部分は、各々が案内縁部分によって形成され、複数の第2の端子は、複数の第1の端子をそれぞれクリップ留めするために使用される、クリッピング端子である。
【0022】
いくつかの実施形態では、絶縁性本体は、第1の方向に沿って延在する第1のフールプルーフ構造、及び第2の方向に沿って延在する第2のフールプルーフ構造によって形成され、絶縁性ハウジングの嵌合部分は、第1のフールプルーフ構造に対応する第3のフールプルーフ構造、及び第2のフールプルーフ構造に対応する第4のフールプルーフ構造によって形成され、第2のコネクタが第1の方向に沿って第1のコネクタと嵌合されると、それに応じて第1のフールプルーフ構造及び第3のフールプルーフ構造が凹凸嵌合で互いに協働し、第2のコネクタが第2の方向に沿って第1のコネクタと嵌合されると、それに応じて第2のフールプルーフ構造及び第4のフールプルーフ構造が凹凸嵌合で互いに協働する。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1のフールプルーフ構造は、突出キーであり、第2のフールプルーフ構造は、案内スロットであり、第3のフールプルーフ構造は、キー溝であり、第4のフールプルーフ構造は、突出レールである。
【0024】
したがって、本開示の目的は、先行技術における少なくとも1つの欠点を改善することができる端子を提供することである。
【0025】
したがって、いくつかの実施形態では、本開示の端子は、シート本体を有し、シート本体は、対向する第1の表面及び第2の表面と、頂縁部と、底縁部と、2つの側縁部と、を有し、シート本体は、第1の表面に形成された突起と、2つの側縁部にそれぞれ形成されて、外方へ延在する2つの固定部分と、底縁部に隣接して第1の表面及び第2の表面に形成されたピットと、を備える。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1の表面上のピットは、突起と底縁部との間に位置決めされる。
【0027】
いくつかの実施形態では、突起は、第2の表面が突起に対応する陥凹と共に形成されるように、スタンピング様式によって形成され、第2の表面のピットは、陥凹と底縁部との間に位置決めされる。
【0028】
したがって、いくつかの実施形態では、本開示の端子は、嵌合セグメントを有し、嵌合セグメントは、前方へ延在するベースプレートと、ベースプレートの2つの側部に接続された2つの側部プレートと、を有し、ベースプレート及び2つの側部プレートは、共に嵌合空間を画定し、嵌合空間は、前方に向かう嵌合開口部を有し、各側部プレートは、フレーム本体と、少なくとも1つの弾性アームと、複数の接触部分と、を有し、複数の接触部分は、嵌合空間の中へ進入し、各フレーム本体は、ベースプレートから離間され、ベースプレートと横並びに配設された側部フレームバーを有し、各側部プレートの複数の接触部分のうちの一方は、側部フレームバーに形成され、各側部プレートの複数の接触部分のうちの他方は、少なくとも1つの弾性アームに形成され、各側部プレートの複数の接触部分と嵌合開口部との間の距離は、少なくとも2つの異なる長さを有する。
【0029】
いくつかの実施形態では、フレーム本体は、側部フレームバー及びベースプレートに接続し、互いから前後方向に離間され、横並びに配設された前部フレームバー及び後部フレームバーを更に有し、少なくとも1つの弾性アームは、後部フレームバーから前部フレームバーに向かって延在し、少なくとも1つの弾性アームの先端部において接触部分と共に形成される。
【0030】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの弾性アームの接触部分は、側部フレームバーの接触部分に対して嵌合開口部の近くにあり、少なくとも1つの弾性アームは、第1の弾性アームと、第2の弾性アームと、を備え、第1の弾性アームは、第2の弾性アームと側部フレームバーとの間に位置決めされ、第1の弾性アームの接触部分は、嵌合開口部に最も近い。
【0031】
いくつかの実施形態では、フレーム本体は、側部フレームバー及びベースプレートに接続し、互いから前後方向に離間され、横並びに配設された前部フレームバー及び後部フレームバーを更に有し、少なくとも1つの弾性アームは、第1の弾性アームと、第2の弾性アームと、を備え、第1の弾性アーム及び第2の弾性アームは、後部フレームバーから前部フレームバーに向かって延在し、第1の弾性アームは、第1の弾性アームの先端部において接触部分と共に形成され、第2の弾性アームは、第2の弾性アームの先端部において接触部分と共に形成され、第1の弾性アームの接触部分又は第2の弾性アームの接触部分は、側部フレームバーの接触部分に対して嵌合開口部の近くにある。
【0032】
いくつかの実施形態では、フレーム本体は、側部フレームバー及びベースプレートに接続し、互いから前後方向に離間され、横並びに配設された前部フレームバー及び後部フレームバーを更に有し、少なくとも1つの弾性アームは、第1の弾性アームと、第2の弾性アームと、を備え、第1の弾性アーム及び第2の弾性アームは、後部フレームバーから前部フレームバーに向かって延在し、第1の弾性アームは、第1の弾性アームの先端部において接触部分と共に形成され、第2の弾性アームは、第2の弾性アームの先端部において接触部分と共に形成され、第1の弾性アームの接触部分と嵌合開口部との間の距離、第2の弾性アームの接触部分と嵌合開口部との間の距離、及び側部フレームバーの接触部分と嵌合開口部との間の距離は、全て異なる。
【0033】
いくつかの実施形態では、停止部分は、ベースプレートから離れた2つの側部プレートの後部フレームバーの端部分の間に形成される。
【0034】
いくつかの実施形態では、端子は、嵌合セグメントの後端部に接続され、導電性ワイヤを電気的に接続するために使用される、ワイヤ接続セグメントを更に有する。
【0035】
いくつかの実施形態では、各側部プレートの少なくとも1つの弾性アームは、フレーム本体に接続され、フレーム本体によって取り囲まれる。
【0036】
本開示の電気接続装置では、それぞれが異なる方向に向かう第1のコネクタの第1の挿入開口部及び第2の挿入開口部によって、第2のコネクタは、第1のコネクタとは異なる方向に沿って嵌合することができ、第2のコネクタが第1のコネクタと前後方向に沿って嵌合されるか、上下方向に沿って嵌合されるかにかかわらず、第1のコネクタの停止ブロック並びに第2のコネクタの案内溝及び接触面は、停止及び案内機能を提供する。
【0037】
本開示の電気接続装置では、第1のコネクタの第1の位置決め構造及び第2の位置決め構造、並びに第3の位置決め構造の第2のコネクタによって、第2のコネクタが第1のコネクタと前後方向に沿って嵌合されるか、上下方向に沿って嵌合されるかにかかわらず、位置決め機能を提供することができる。
【0038】
本開示の電気接続装置では、第2のコネクタの弾性係止バーの係止突出部及び第1のコネクタの係止凹部によって、第2のコネクタが前後方向に沿って第1のコネクタと嵌合され、かつ、第2のコネクタが上下方向に沿って第1のコネクタと嵌合されると、係止機能が提供されて、第2のコネクタ及び第1のコネクタが互いから分離されるのを防止する。また、弾性係止バーの2つの端部が絶縁性ハウジングに一体的に接続されるので、2つの弾性係止バー及び他のケーブルが互いに絡まること、及び引っ張られることを防止することができる。
【0039】
本開示の端子では、突起及びピットの設計によって、より良好な保持力を提供し、同時にはんだ付けされるときにはんだのウイッキングが高くなり過ぎるのを回避する。
【0040】
本開示の端子では、2つの側部プレートのフレーム本体は、接触に使用される接触部分を提供し、第2の端子の全体の構造強度を増加させ、同時に、少なくとも1つの弾性アームを保護するように機能する。また、複数の接触部分と嵌合開口部との間の距離は、少なくとも2つの異なる長さを有し、したがって、ホットプラグにおいて、電気スパークが、嵌合開口部から最短距離を有する接触部分においてのみ発生することを意図することができ、これは、ホットプラグにおいて電気スパークが他の接触部分に影響を及ぼすのを回避することができ、また、嵌合開口部から異なる距離を有する複数の接触部分は、嵌合中の挿入力を小さくすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本開示の他の特徴及び効果は、図面に例示する一実施形態から明らかになるであろう。
【0042】
【
図1】第1のコネクタ及び第2のコネクタを前後方向に嵌合させた、本開示の電気接続装置の一実施形態の斜視図である。
【
図6】第1のコネクタ及び第2のコネクタを上下方向に嵌合させた、
図2の実施形態の斜視図である。
【
図8】第1のコネクタの係止凹部と第2のコネクタの弾性係止バーの係止突出部との協働関係を例示する、
図1の断面図である。
【
図9】第1のコネクタの係止凹部と第2のコネクタの弾性係止バーの係止突出部との協働関係を例示する、
図6の断面図である。
【
図10】実施形態の第1のコネクタの第1の端子の斜視図である。
【
図12】実施形態の第2のコネクタの第2の端子の斜視図である。
【
図14】実施形態の第2のコネクタの第2の端子の側面図である。
【
図15】第2のコネクタの絶縁性ハウジングのラッチ弾性アームと第2の端子の停止部分との協働関係を例示する、実施形態の第2のコネクタの断面図である。
【
図16】実施形態の第1のコネクタ及び第2のコネクタを互いに前後方向に嵌合させたときの第1の端子と第2の端子との協働関係を例示する、実施形態の第1の端子及び第2の端子の斜視図である。
【
図17】実施形態の第1のコネクタ及び第2のコネクタを互いに上下方向に嵌合させたときの第1の端子と第2の端子との協働関係を例示する、実施形態の第1の端子及び第2の端子の斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
参照符号は、以下のように表す:
100電気接続装置
1第1のコネクタ
11絶縁性本体
111挿入溝
112第1の挿入開口部
113第2の挿入開口部
114停止ブロック
114a第1の停止面
114b第2の停止面
115底壁
115a第2の位置決め構造
115b第1の固定溝
116側壁
116a係止凹部
116b第1のフールプルーフ構造
116c第2のフールプルーフ構造
117後壁
117a第1の位置決め構造
12第1の端子
121シート本体
121a第1の表面
121b第2の表面
121c頂縁部
121d底縁部
121e側縁部
121f突起
121g固定部分
121hピット
121i陥凹
121j案内縁部分
13ラッチ部材
2第2のコネクタ
21絶縁性ハウジング
211本体部分
212嵌合部分
212a案内溝
212b第3の位置決め構造
212c第3のフールプルーフ構造
212d第4のフールプルーフ構造
212e嵌合孔
213肩部
214接触面
215第2の受容溝
215aラッチ弾性アーム
22第2の端子
221嵌合セグメント
222ベースプレート
223側部プレート
223aフレーム本体
223b側部フレームバー
223c前部フレームバー
223d後部フレームバー
223e弾性アーム
223f第1の弾性アーム
223g第2の弾性アーム
223h接触部分
223i停止部分
224嵌合空間
224a嵌合開口部
225ワイヤ接続セグメント
23弾性係止バー
231係止突出部
232押圧部分
200回路基板
200a回路接続点
300導電性ワイヤ
D1前後方向
D2上下方向
D3左右方向
【発明を実施するための形態】
【0044】
本開示を詳細に説明する前に、以下の説明において、同様の構成要素は、同じ参照符号によって示されることに留意されたい。
【0045】
図1~
図3を参照すると、本開示の電気接続装置100の一実施形態は、第1のコネクタ1と、第2のコネクタ2と、を含む。
【0046】
図1~
図5を参照すると、第1のコネクタ1は、絶縁性本体11と、絶縁性本体11に提供された複数の第1の端子12と、を含む。絶縁性本体11は、2つのラッチ部材13によって回路基板200に固定され、複数の第1の端子12は、それぞれ、ある様式、例えば溶接によって、回路基板200の複数の回路接続点200aに電気的及び機械的に接続される。絶縁性本体11は、挿入溝111と、挿入溝111と連通し、前後方向D1に沿って前方に向かう第1の挿入開口部112と、挿入溝111と連通し、上下方向D2に沿って上へ向かう第2の挿入開口部113と、第1の挿入開口部112と第2の挿入開口部113との間に位置決めされた停止ブロック114であって、前後方向D1に面する第1の停止面114a及び上下方向D2に面する第2の停止面114bを有する、停止ブロック114と、を有する。第1の挿入開口部112及び第2の挿入開口部113は、本実施形態では、それぞれ、前方及び上へ向かうが、他の実現様式では、第1の挿入開口部112及び第2の挿入開口部113はまた、互いに異なる他の2つの方向に向かうこともでき、よって、本開示は、本実施形態に限定されないことに留意されたい。具体的には、絶縁性本体11は、下に位置決めされた底壁115と、それぞれが左右方向D3に底壁115の2つの側部から上方へ延在する2つの側壁116と、底壁115の後方縁部及び2つの側壁116の後方縁部に接続された後壁117と、を有する。底壁115、2つの側壁116、及び後壁117は、共に挿入溝111を画定する。本実施形態の停止ブロック114の数は、2つであり、2つの停止ブロック114が、2つの側壁116の前端部の頂部分から内方へ延在する。第1の挿入開口部112は、第1の停止面114a、底壁115の前端面、及び2つの側壁116の前端面によって画定され、第2の挿入開口部113は、第2の停止面114b、底壁115の頂面、及び2つの側壁116の頂面によって画定される。
【0047】
第2のコネクタ2は、絶縁性ハウジング21と、絶縁性ハウジング21に提供された複数の第2の端子22と、を含む。複数の第2の端子22は、複数の導電性ワイヤ300にそれぞれ電気的及び機械的に接続される。本実施形態では、絶縁性ハウジング21は、本体部分211と、本体部分211から前方へ延在する嵌合部分212と、を有する。2つの肩部213は、嵌合部分212と本体部分211との間に形成され、2つの肩部213は、それぞれ、前方に向かう2つの接触面214を形成し、2つの案内溝212aは、それぞれ、嵌合部分212に形成され、2つの肩部213に接続され、2つの接触面214は、それぞれが2つの案内溝212aの後端部にある嵌合部分212の内壁面に位置決めされる。2つの接触面214はまた、それぞれ、2つの肩部213に形成されない場合があるが、絶縁性ハウジング21の他の部分に形成されることに留意されたい。
【0048】
図1、
図2、
図6、及び
図7を参照すると、第2のコネクタ2が前後方向D1に沿って第1のコネクタ1と嵌合されると、嵌合部分212が第1の挿入開口部112から挿入溝111の中へ挿入され、2つの接触面214がそれぞれ2つの停止ブロック114の第1の停止面114aによって停止され、第2のコネクタ2が上下方向D2に沿って第1のコネクタ1と嵌合されると、嵌合部分212が第2の挿入開口部113から挿入溝111の中へ挿入され、2つの接触面214がそれぞれ2つの停止ブロック114の第2の停止面114bによって停止される。第2のコネクタ2が前後方向D1に沿って第1のコネクタ1と嵌合され、かつ、第2のコネクタ2が上下方向D2に沿って第1のコネクタ1と嵌合されると、2つの停止ブロック114がそれぞれ2つの案内溝212a内で摺動可能に受容される。それぞれが異なる方向に向かう第1のコネクタ1の第1の挿入開口部112及び第2の挿入開口部113によって、第2のコネクタ2は、第1のコネクタ1とは異なる方向に沿って嵌合することができ、第2のコネクタ2が第1のコネクタ1と前後方向D1に沿って嵌合されるか、上下方向D2に沿って嵌合されるかにかかわらず、第1のコネクタ1の停止ブロック114並びに第2のコネクタ2の接触面214及び案内溝212aは、停止及び案内機能を提供する。第2のコネクタ2の方向を説明する場合、前方とは、第2のコネクタ2が第1のコネクタ1と嵌合されたときに、第2のコネクタ2が相対的に第1のコネクタ1に向かう方向を指し、後方とは、第2のコネクタ2が第1のコネクタ1と嵌合されたときに、第2のコネクタ2が相対的に第1のコネクタ1から離れる方向を指す。加えて、停止ブロック114の数、案内溝212aの数、肩部213の数、及び接触面214の数は、本実施形態では、各々2つであるが、他の実現様式では、それらの数はまた、各々1つ又は3つ以上とすることもでき、よって、本開示は、本実施形態に限定されないと理解することができる。
【0049】
図2、
図3、及び
図7~
図9を参照すると、第1のコネクタ1と第2のコネクタ2との間の位置決め機能に関して、第1のコネクタ1の絶縁性本体11は、挿入溝111の内壁面に形成された複数の第1の位置決め構造117a及び複数の第2の位置決め構造115aを更に有し、具体的には、複数の第1の位置決め構造117aが後壁117に形成され、複数の第2の位置決め構造115aが底壁115に形成される。第2のコネクタ2の絶縁性ハウジング21は、嵌合部分212に形成された複数の第3の位置決め構造212bを更に有し、具体的には、複数の第3の位置決め構造212bが絶縁性ハウジング21の嵌合部分212の前端部に形成される。第2のコネクタ2が前後方向D1に沿って第1のコネクタ1と嵌合されると、嵌合部分212が第1の挿入開口部112から挿入溝111の中へ挿入され、それに応じて複数の第3の位置決め構造212b及び複数の第1の位置決め構造117aが凹凸嵌合で互いに協働し、第2のコネクタ2が上下方向D2に沿って第1のコネクタ1と嵌合されると、嵌合部分212が第2の挿入開口部113から挿入溝111の中へ挿入され、それに応じて複数の第3の位置決め構造212b及び複数の第2の位置決め構造115aが凹凸嵌合で互いに協働する。本実施形態では、複数の第1の位置決め構造117a及び複数の第2の位置決め構造115aは、位置決め凹部であり、複数の第3の位置決め構造212bは、位置決め突出部であるが、他の実現様式では、複数の第1の位置決め構造117a及び複数の第2の位置決め構造115aは、同じく位置決め突出部であり得るが、この時点で、複数の第3の位置決め構造212bは、位置決め凹部である。加えて、本実施形態では、第1の位置決め構造117aの数、第2の位置決め構造115aの数、及び第3の位置決め構造212bの数は、各々4つであるが、他の実現様式では、第1の位置決め構造117aの数、第2の位置決め構造115aの数、及び第3の位置決め構造212bの数はまた、各々1つ、2つ、3つ、又は5つ以上であり得るが、本開示は、それらに限定されない。第1のコネクタ1の第1の位置決め構造117a及び第2の位置決め構造115a、並びに第3の位置決め構造212bの第2のコネクタ2によって、第2のコネクタ2が第1のコネクタ1と前後方向D1に沿って嵌合されるか、上下方向D2に沿って嵌合されるかにかかわらず、位置付け機能を提供することができる。
【0050】
第1のコネクタ1と第2のコネクタ2との間の係止機能に関して、第1のコネクタ1の絶縁性本体11は、挿入溝111の内壁面に形成された2つの係止凹部116aを更に有し、具体的には、2つの係止凹部116aがそれぞれ2つの側壁116に形成される。左右方向D3における第2のコネクタ2の絶縁性ハウジング21の2つの側部は、各々が絶縁性ハウジング21とそれぞれ一体的に接続された2つの端部を有する2つの弾性係止バー23をそれぞれ備え、各々が、押圧することが可能であり、2つの弾性係止バー23は、前後方向D1に延在し、各弾性係止バー23は、前方の近くに位置決めされた係止突出部231、及び係止突出部231の背面に位置決めされ、押圧することができる押圧部分232を有する。第2のコネクタ2が前後方向D1に沿って第1のコネクタ1と嵌合され、かつ、第2のコネクタ2が上下方向D2に沿って第1のコネクタ1と嵌合されると、2つの弾性係止バー23の2つの係止突出部231が2つの係止凹部116aの中へそれぞれ進入し、第2のコネクタ2の絶縁性ハウジング21を第1のコネクタ1の絶縁性本体11に係止する。この時点で、ユーザが2つの弾性係止バー23の2つの押圧部分232を押し下げると、2つの弾性係止バー23の2つの係止突出部231が2つの係止凹部116aからそれぞれ外れ、それによって、第2のコネクタ2の絶縁性ハウジング21を第1のコネクタ1の絶縁性本体11から係止解除する。第2のコネクタ2の弾性係止バー23の係止突出部231及び第1のコネクタ1の係止凹部116aによって、第2のコネクタ2が前後方向D1に沿って第1のコネクタ1と嵌合され、かつ、第2のコネクタ2が上下方向D2に沿って第1のコネクタ1と嵌合されると、第2のコネクタ2及び第1のコネクタ1が互いから分離されるのを防止するように、係止機能が提供される。また、弾性係止バー23の2つの端部が絶縁性ハウジング21に一体的に接続されるので、2つの弾性係止バー23及び他のケーブルが互いに絡まること、及び引っ張られることを防止することができる。更に、他の変更した実施形態では、係止凹部116aの数及び弾性係止バー23の数はまた、各々が1つだけ、更には各々が3つ以上でもあり得るので、本開示は、本実施形態の数に限定されるべきではないことに留意されたい。
【0051】
図1~
図3及び
図6~
図7を参照すると、更に、本実施形態では、第1のコネクタ1の絶縁性本体11は、前後方向D1に沿って延在する2つの第1のフールプルーフ構造116b、及び上下方向D2に沿って延在する2つの第2のフールプルーフ構造116cと共に形成され、具体的には、2つの第1のフールプルーフ構造116bは、2つの側壁116の内側面にそれぞれ形成され、前後方向D1に沿って延在する、2つの突出キーであり、2つの第2のフールプルーフ構造116cは、それぞれ2つの側壁116の内側面に形成され、上下方向D2に沿って延在する、2つの案内スロットであり、2つの案内スロットは、本実施形態では、2つの係止凹部116aとそれぞれ連通する。第2のコネクタ2の絶縁性ハウジング21の嵌合部分212は、2つの第1のフールプルーフ構造116bにそれぞれ対応する2つの第3のフールプルーフ構造212c、及び2つの第2のフールプルーフ構造116cにそれぞれ対応する2つの第4のフールプルーフ構造212dによって形成される。具体的には、2つの第3のフールプルーフ構造212cは、前後方向D1に延在し、2つの第1のフールプルーフ構造116b(2つの突出キー)とそれぞれ協働する、2つのキー溝であり、本実施形態では、2つのキー溝は、2つの弾性係止バー23の底部、及び嵌合部分212の絶縁性ハウジング21の外側面によって画定され、2つの第4のフールプルーフ構造212dは、前後方向D1に延在し、2つの第2のフールプルーフ構造116c(2つの案内スロット)とそれぞれ協働する、2つの突出レールであり、本実施形態では、2つの突出レールは、嵌合部分212の外側面にそれぞれ形成され、前後方向D1に延在し、2つの弾性係止バー23の上側にそれぞれ位置決めされる。第2のコネクタ2が前後方向D1に沿って第1のコネクタ1と嵌合されると、それに応じて2つの第1のフールプルーフ構造116b及び2つの第3のフールプルーフ構造212cが凹凸嵌合で互いに協働し、第2のコネクタ2が上下方向D2に沿って第1のコネクタ1と嵌合されると、それに応じて2つの第2のフールプルーフ構造116c及び2つの第4のフールプルーフ構造212dが凹凸嵌合で互いに協働する。第1のフールプルーフ構造116bと第3のフールプルーフ構造212cとの協働関係、及び第2のフールプルーフ構造116cと第4のフールプルーフ構造212dとの協働関係によって、第2のコネクタ2の絶縁性ハウジング21の嵌合部分212が、間違った様式によって前後方向D1及び上下方向D2に第1のコネクタ1の絶縁性本体11の挿入溝111の中へ挿入されるのを防止することができる。加えて、第1のフールプルーフ構造116bの数、及び第3のフールプルーフ構造212cの数、及び第2のフールプルーフ構造116cの数、及び第4のフールプルーフ構造212dの数は全て、所望に応じて調整することができ、それらの各々の数はまた、1つ又は3つ以上でもあり得るので、本開示は、本実施形態の数に限定されるべきではないことに留意されたい。
【0052】
図2、
図4、
図10、及び
図11を参照すると、各第1の端子12は、前後方向D1及び上下方向D2に沿って延在し、シート本体121を有する、シート形状の端子である。シート本体121は、対向する第1の表面121a及び第2の表面121bと、頂縁部121cと、底縁部121dと、2つの側縁部121eと、を有する。シート本体121は、第1の表面121aに形成された突起121fと、2つの側縁部121eにそれぞれ形成されて、外方へ延在する2つの固定部分121gと、底縁部121dに隣接して第1の表面121a及び第2の表面121bに形成されたピット121hと、を備える。複数の第1の固定溝115bは、第1のコネクタ1の絶縁性本体11の底壁115を貫通し、複数の第1の端子12をそれぞれ固定するために使用され、各第1の端子12の2つの固定部分121gは、対応する第1の固定溝115bに引っ掛かり、突起121fは、対応する第1の固定溝115bの内壁面に干渉する。複数の第1の端子12の底縁部121dは、はんだ付け様式によって回路基板200に溶接され、第1の表面121aに位置決めされたピット121hは、突起121fと底縁部121dとの間に位置決めされ、ピット121hは、はんだのウイッキングが高くなり過ぎないように、はんだを受容することができる。加えて、本実施形態では、突起121fは、スタンピング様式によって形成され、第2の表面121bが突起121fに対応する陥凹121iと共に形成されるように、概して2つの固定部分121gの間に位置決めされ、第2の表面121bに位置決めされるピット121hは、陥凹121iと底縁部121dとの間に位置決めされる。突起121fが第1の固定溝115bの内壁面に干渉することによって、複数の第1の端子12と絶縁性本体11との間の保持力を更に増加させることができる。したがって、突起121f及びピット121hの設計によって、より良好な保持力を提供し、同時にはんだ付けされるときに、はんだのウイッキングが高くなり過ぎるのを回避する。
【0053】
図4、
図5、及び
図12~
図14を参照すると、複数の第2の端子22は、複数の第1の端子12をそれぞれクリップ留めするために使用されるクリッピング端子であり、各第2の端子22は、嵌合セグメント221と、ワイヤ接続セグメント225と、を有する。第2のコネクタ2の絶縁性ハウジング21は、絶縁性ハウジング21の後端面から前方へ延在する複数の第2の受容溝215と共に形成され、複数の嵌合孔212eは、絶縁性ハウジング21の嵌合部分212の前端部に形成され、それぞれ、複数の第2の受容溝215と連通し、その底部において開口し、複数の第2の端子22は、それぞれ、後方から前方へと複数の第2の受容溝215に提供され、複数の第2の端子22の嵌合セグメント221は、複数の嵌合孔212eでそれぞれ受容される。第1のコネクタ1が第2のコネクタ2と嵌合されると、第1のコネクタ1の第1の端子12が、対応する嵌合孔212eから進入し、対応する嵌合孔212eにおいて、第2の端子22の嵌合セグメント221によってクリップ留めされ、したがってそれと嵌合される。ワイヤ接続セグメント225は、嵌合セグメント221の後端部に接続され、対応する導電性ワイヤ300に電気的に接続するために使用される。
【0054】
具体的には、嵌合セグメント221は、前方へ延在するベースプレート222と、ベースプレート222の2つの側部にそれぞれ接続された2つの側部プレート223と、を有する。ベースプレート222及び2つの側部プレート223は、第1の端子12が嵌合開口部224aの中へ進入し、それが前方に向かうことを可能にする、嵌合空間224を共に画定する。各側部プレート223は、フレーム本体223aと、少なくとも1つの弾性アーム223eと、複数の接触部分223hと、を有し、複数の接触部分223hは、嵌合空間224の中へ進入する。各フレーム本体223aは、ベースプレート222から離間され、ベースプレート222と横並びに配設された側部フレームバー223bと、側部フレームバー223b及びベースプレート222に接続し、互いから前後方向D1に離間され、横並びに配設された前部フレームバー223c及び後部フレームバー223dと、を有する。少なくとも1つの弾性アーム223eは、後部フレームバー223dから前部フレームバー223cに向かって延在する。各側部プレート223の複数の接触部分223hのうちの一方は、側部プレート223の側部フレームバー223bに形成され、複数の接触部分223hのうちの他方は、少なくとも1つの弾性アーム223eに形成される。2つの側部プレート223のフレーム本体223aは、第2の端子22に接触し、その全体の構造強度を増加させるために使用される接触部分223hを提供し、同時に、少なくとも1つの弾性アーム223eを保護するように機能する。また、複数の接触部分223hと嵌合開口部224aとの間の距離は、少なくとも2つの異なる長さを有し、したがって、ホットプラグにおいて、電気スパークが、嵌合開口部224aから最短距離を有する接触部分223hにおいてのみ発生することを意図することができ、これは、ホットプラグにおいて電気スパークが他の接触部分223hに影響を及ぼすのを回避することができ、また、嵌合開口部224aからの異なる距離を有する複数の接触部分223は、嵌合中の挿入力を小さくすることもできる。加えて、2つの側部プレート223の接触部分223hは、第1の端子12と第2の端子22との間の接触電気抵抗を下げることができる。
【0055】
少なくとも1つの弾性アーム223eの接触部分223hは、側部フレームバー223bの接触部分223hに対して嵌合開口部224aの近くにあり、少なくとも1つの弾性アーム223eの接触部分223hは、少なくとも1つの弾性アーム223eの先端部に形成される。具体的には、本実施形態では、少なくとも1つの弾性アーム223eは、第1の弾性アーム223fと、第2の弾性アーム223gと、を含み、第1の弾性アーム223fは、第2の弾性アーム223gと側部フレームバー223bとの間に位置決めされ、第1の弾性アーム223fの接触部分223hは、嵌合開口部224aに最も近く、すなわち、第1の弾性アーム223fの接触部分223hと嵌合開口部224aとの間の距離、第2の弾性アーム223gの接触部分223hと嵌合開口部224aとの間の距離、及び側部フレームバー223bの接触部分223hと嵌合開口部224aとの間の距離は、嵌合中の挿入力を更に小さくするように、全て異なる。また、嵌合中に、最初に、第1の弾性アーム223fの接触部分223hが第1の端子12に接触し、次いで、第2の弾性アーム223gの接触部分223hが第1の端子12に接触し、最後に、側部フレームバー223bの接触部分223hが第1の端子12に接触するので、したがって、側部フレームバー223bの接触部分223h及び第2の弾性アーム223gの接触部分223hは、電気スパークから影響を及ぼされることが少ない、一次接触点として作用することができるが、第1の弾性アーム223fの接触部分223hは、二次接触点として作用することができる。変更した一実施形態では、弾性アーム223eのうちの1つだけが、側部フレームバー223bの接触部分223hに対して嵌合開口部224aの近くにあり得、例えば、第1の弾性アーム223fの接触部分223h又は第2の弾性アーム223gの接触部分223hだけが、側部フレームバー223bの接触部分223hに対して嵌合開口部224aの近くにある。本実施形態では、第1の弾性アーム223f及び第2の弾性アーム223gは、フレーム本体223aに接続され、フレーム本体223aによって取り囲まれるが、変更した一実施形態では、第1の弾性アーム223f及び第2の弾性アーム223gのうちの1つは、フレーム本体223aの外側に形成されてもよく、すなわち、第1の弾性アーム223f及び第2の弾性アーム223gのうちの1つは、フレーム本体223aによって取り囲まれなくてもよく、そのような実現様式では、フレーム本体223aによって取り囲まれていない第1の弾性アーム223f及び第2の弾性アーム223gのうちの1つは、フレーム本体223aに接続されなくてもよく、したがって、本開示は、本実施形態の実現様式に限定されるべきではない。
【0056】
図13及び
図15を参照すると、加えて、本実施形態では、停止部分223iは、ベースプレート222から離れた2つの側部プレート223の2つの後部フレームバー223dの2つの端部分の間に形成され、ベースプレート222から離間され、ベースプレート222に面する。ラッチ弾性アーム215aは、第2のコネクタ2の絶縁性ハウジング21の第2の受容溝215内に提供され、各第2の端子22が対応する第2の受容溝215に挿入されると、停止部分223iがラッチ弾性アーム215aにラッチされ、第2の端子22が第2の受容溝215内で保持される。
【0057】
図1、
図6、
図16、及び
図17を参照すると、更に、各第1の端子12のシート本体121において第1の挿入開口部112に向かう側縁部121e及び第2の挿入開口部113に向かう頂縁部121cは、各々が案内縁部分121jと共に形成され、案内縁部分121jによって、第2のコネクタ2が第1のコネクタ1と前後方向D1に沿って嵌合されるか、上下方向D2に沿って嵌合されるかにかかわらず、第2の端子22と第1の端子12との間の挿入力を小さくすることができ、それによって、嵌合をよりスムーズにする。
【0058】
結論として、本開示の電気接続装置100において、それぞれが異なる方向に向かう第1のコネクタ1の第1の挿入開口部112及び第2の挿入開口部113によって、第2のコネクタ2は、第1のコネクタ1とは異なる方向に沿って嵌合することができ、第2のコネクタ2が第1のコネクタ1と前後方向D1に沿って嵌合されるか、上下方向D2に沿って嵌合されるかにかかわらず、第1のコネクタ1の停止ブロック114並びに第2のコネクタ2の接触面214及び案内溝212aは、停止及び案内機能を提供する。加えて、第1のコネクタ1の第1の位置決め構造117a及び第2の位置決め構造115a、並びに第3の位置決め構造212bの第2のコネクタ2によって、第2のコネクタ2が第1のコネクタ1と前後方向D1に沿って嵌合されるか、上下方向D2に沿って嵌合されるかにかかわらず、位置決め機能を提供することができる。更に、第2のコネクタ2の弾性係止バー23の係止突出部231及び第1のコネクタ1の係止凹部116aによって、第2のコネクタ2が前後方向D1に沿って第1のコネクタ1と嵌合され、かつ、第2のコネクタ2が上下方向D2に沿って第1のコネクタ1と嵌合されると、係止機能が提供されて、第2のコネクタ2及び第1のコネクタ1が互いから分離されるのを防止する。また、弾性係止バー23の2つの端部が絶縁性ハウジング21に一体的に接続されるので、2つの弾性係止バー23及び他のケーブルが互いに絡まること、及び引っ張られることを防止することができる。第2に、突起121f及びピット121hの設計によって、より良好な保持力を提供し、同時にはんだ付けされるときに、はんだのウイッキングが高くなり過ぎるのを回避する。最後に、2つの側部プレート223のフレーム本体223aは、第2の端子22に接触し、その全体の構造強度を増加させるために使用される接触部分223hを提供し、同時に、少なくとも1つの弾性アーム223eを保護するように機能する。また、複数の接触部分223hと嵌合開口部224aとの間の距離は、少なくとも2つの異なる長さを有し、したがって、ホットプラグにおいて、電気スパークが、嵌合開口部224aから最短距離を有する接触部分223hにおいてのみ発生することを意図することができ、これは、ホットプラグにおいて電気スパークが他の接触部分223hに影響を及ぼすのを回避することができ、また、嵌合開口部224aからの異なる距離を有する複数の接触部分223は、嵌合中の挿入力を小さくすることもできる。
【0059】
しかしながら、上で説明したものは、本開示の実施形態に過ぎず、本開示を実現する範囲を限定することを意図するものではなく、本開示の特許請求の範囲及び明細書に従って行われる任意の簡単で等価な変更及び修正もまた、本開示の範囲内に含まれる。