(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169702
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】ルーメン管理カテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20221101BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022133628
(22)【出願日】2022-08-24
(62)【分割の表示】P 2020528934の分割
【原出願日】2018-11-28
(31)【優先権主張番号】62/591,278
(32)【優先日】2017-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/743,389
(32)【優先日】2018-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511177374
【氏名又は名称】セント・ジュード・メディカル,カーディオロジー・ディヴィジョン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トロイ ティー. テッグ
(72)【発明者】
【氏名】ジェィコブ ジェー. ダリー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】カテーテル式心臓電気生理学マッピング及び治療のためのシステム及び装置に関し、特に、マッピング及び治療のためのカテーテルにおける改良されたルーメン構成を提供する。
【解決手段】細長の医療装置80は、その断面形状がピーナッツ形状を備える第1のルーメン82と、第1のルーメン82に近接している複数の第2のルーメン84と、を備え、第1のルーメン82は、第1のルーメン82の断面形状に合致するルーメン・ライナ86を備え、ルーメン・ライナ86は、第1の材料を備え、細長の医療装置80は、第2の材料を備え、第1の材料は、第2の材料とは異なる。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長の医療装置であって、
その断面形状がピーナッツ形状を備える第1のルーメンと、
前記第1のルーメンに近接している複数の第2のルーメンと、を備え、
前記第1のルーメンは、前記第1のルーメンの前記断面形状に合致するルーメン・ライナを備え、
前記ルーメン・ライナは、第1の材料を備え、
前記細長の医療装置は、第2の材料を備え、
前記第1の材料は、前記第2の材料とは異なる、細長の医療装置。
【請求項2】
前記ピーナッツ形状は、対称である、請求項1に記載の細長の医療装置。
【請求項3】
前記ピーナッツ形状は、非対称である、請求項1に記載の細長の医療装置。
【請求項4】
前記ルーメン・ライナは、第1の材料であり、
前記細長の医療装置は、第2の材料を備え、
前記第1の材料は、前記第2の材料とは異なる、請求項1に記載の細長の医療装置。
【請求項5】
前記第1の材料は、熱固定ポリマであり、
前記第2の材料は、リフロー可能なポリマである、請求項4に記載の細長の医療装置。
【請求項6】
前記複数の第2のルーメンは、プル・ワイヤを収容するように構成される、請求項1に記載の細長の医療装置。
【請求項7】
前記複数の第2のルーメンは各々、円形の断面を備える、請求項6に記載の細長の医療装置。
【請求項8】
前記第1のルーメンは、第3のルーメンをさらに備え、
前記第3のルーメンは、円形の断面を備える、請求項1に記載の細長の医療装置。
【請求項9】
前記第1のルーメンは、前記複数の第2のルーメンの間に配置されている、請求項1に記載の細長の医療装置。
【請求項10】
前記ルーメン・ライナは、外層をさらに備える、請求項1に記載の細長の医療装置。
【請求項11】
前記外層は、リフロー可能な材料である、請求項10に記載の細長の医療装置。
【請求項12】
ルーメン・ライナを成形する方法であって、
1つ又は複数のマンドレルをチューブ内に挿入するステップと、
前記チューブをモールド・アセンブリ内に並べるステップであって、前記モールド・アセンブリは、ルーメン・ライナの断面に対応するモールド断面を備える、並べるステップと、
前記チューブと前記1つ又は複数のマンドレルとの周囲の前記モールド・アセンブリを圧縮するステップと、
前記モールド・アセンブリを第1の期間だけ加熱するステップと、
前記モールド・アセンブリを第2の期間だけ冷却するステップと、
前記モールド・アセンブリの圧縮を解除するステップと、
前記ルーメン・ライナを前記モールド・アセンブリから取り外すステップと、
前記マンドレルを前記ルーメン・ライナから除去するステップと、を備える、方法。
【請求項13】
前記モールド断面は、ピーナッツ形状である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ピーナッツ形状は、対称である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ピーナッツ形状は、非対称である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ルーメン・ライナは、第1の材料であり、
前記細長の医療装置は、第2の材料を備え、
前記第1の材料は、前記第2の材料とは異なる、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の材料は、熱固定ポリマであり、
前記第2の材料は、リフロー可能ポリマである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
外層を前記ルーメン・ライナ上に付加するステップをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記外層は、リフロー可能な材料である、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2017年11月28日出願の米国仮特許出願第62/591,278号(278出願)による利益を主張すると共に、本願は、2018年10月9日出願の米国仮特許出願第62/743,389号(389出願)による利益を主張する。278出願及び389出願は、いずれも本明細書で完全に説明したものとして、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、カテーテル式心臓電気生理学マッピング及び治療のためのシステム及び装置に関する。特に、本開示は、マッピング及び治療のためのカテーテルにおけるルーメン管理に関する。
【背景技術】
【0003】
電気生理学的カテーテルは、例えば、異所性心房頻拍、心房細動及び心房粗動を含む心房性不整脈などの状態を治すため、様々な診断的及び/又は治療的な医療処置に用いられる。不整脈により、様々な病気さらには死に至る可能性のある、心拍数不整、同期性房室収縮の喪失、および鬱血など、様々な危険な症状が生じることがある。
【0004】
典型的には、処置において、カテーテルは、患者の血管系を通って、例えば心臓へと操作され、マッピング、アブレーション、診断又は他の治療及び/若しくは処置に用いられてもよい1つ又は複数の電極を搬送する。対象部位にて、処置は、高周波(RF:Radio Frequency)アブレーション、冷凍アブレーション、レーザ、化学薬品、高密度焦点式超音波等を含んでいてもよい。アブレーション・カテーテルは、このようなアブレーション・エネルギを、心臓組織に与え、心臓組織内に傷を生成する。この傷により、望ましくない電気経路を絶つことで、不整脈を生じる迷走電気信号(stray electrical signal)を制限したり、その発生を防いだりする。容易にわかるように、このような処置は、治療部位への操作及びその部位における操作の間、カテーテルを正確に制御することを要し、これは常にユーザの技能水準に比例しうる。
【0005】
身体内の所望の部位にカテーテルを位置させるために、カテーテル(又はイントロデューサ)内に組み込まれる機械的ステアリング機能を用いるなど、ある種のナビゲーションが用いられてもよい。いくつかの例では、医療従事者が、機械的ステアリング機能を用いて、カテーテルを手動で操作及び/又は動作させてもよい。
【0006】
患者の血管系を通じたカテーテルの前進を容易にするために、ナビゲーション・システムが用いられてもよい。このようなナビゲーション・システムは、例えば、身体内におけるカテーテル(及び同様の機器)の位置及び配向を判定するとともに、身体の特徴をマッピングすることが可能な、電界ベースの位置特定およびナビゲーション・システムを含んでいてもよい。カテーテルにより、様々な形状及び大きさの組織に対して、様々な治療が可能である。身体の特徴をマッピングし、治療する組織と充分に接触しているか評価し、かつ/又は、組織を治療するために用いる、様々なセンサ及び機器をカテーテルの遠位端部により良好に収容するために、カテーテル内の他のルーメンに加えて、フレキシブル回路及びワイヤと連結する複数のセンサを有することが重要となり得る。様々なワイヤ及びフレキシブル回路を管理する能力は、いくつかのセンサ及びフレキシブル回路の(現行のカテーテルと比較して)より大きな断面形状を収容するために必要である。また、ルーメン内の要素を用いて、処置中にカテーテルが変形する際にカテーテルの平面性を維持するように支援することも望ましい。
【0007】
前述の議論は、本分野を説明することのみを意図しており、特許請求の範囲の否定としてとられるべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、少なくとも1つの実施形態では、細長の医療装置は、その断面形状がピーナッツ形状を備える第1のルーメンと、第1のルーメンに近接している複数の第2のルーメンと、を備え、第1のルーメンは、第1のルーメンの断面形状に合致するルーメン・ライナを備え、ルーメン・ライナは、第1の材料を備え、細長の医療装置は、第2の材料を備え、第1の材料は、第2の材料とは異なる。
【0009】
別の実施形態は、ルーメン・ライナを成形する方法を備え、方法は、1つ又は複数のマンドレルをチューブ内に挿入するステップと、チューブをモールド・アセンブリ内に並べるステップであって、モールド・アセンブリは、ルーメン・ライナの断面に対応するモールド断面を備える、並べるステップと、チューブと1つ又は複数のマンドレルとの周囲のモールド・アセンブリを圧縮するステップと、モールド・アセンブリを第1の期間だけ加熱するステップと、モールド・アセンブリを第2の期間だけ冷却するステップと、モールド・アセンブリの圧縮を解除するステップと、ルーメン・ライナをモールド・アセンブリから取り外すステップと、マンドレルをルーメン・ライナから除去するステップと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態による、医療装置及び医療位置特定システムを示すシステム図である。
【
図2】本開示の実施形態による、偏向可能な軸部を有する細長の医療装置の平面図である。
図2は、偏向可能な電気生理学的カテーテルを概略的に示す。
【
図3】本開示の実施形態による、カテーテルと共に用いる複数の個別のルーメンを備える現行のカテーテル設計の断面図である。
【
図4A】本開示の実施形態による、カテーテルと共に用いる複数のルーメンを備えるカテーテルの断面図である。
【
図4B】本開示の実施形態による、
図4Aのルーメン・ライナの断面図である。
【
図5】
図2のカテーテル内のルーメン空間と比較した、本構成における追加のルーメン空間を示す、本開示の実施形態による
図3のカテーテルの断面図である。
【
図6A】本開示の実施形態による、複数のワイヤを含む複数のルーメンを有するカテーテルの断面図である。
【
図6B】本開示の実施形態による、複数のワイヤを含む複数のルーメンを備える
図6Aのカテーテルの等角断面図である。
【
図7A】本開示の実施形態による、起動ワイヤを備える複数のルーメンを有するカテーテルの断面図である。
【
図7B】本開示の実施形態による、複数のルーメンを備える
図7Aのカテーテルの断面図である。
【
図8A】本開示の実施形態による、ルーメン・ライナを成形するためのモールド、ルーメン・ライナ及びマンドレルの図である。
【
図8B】本開示の実施形態による、ルーメン・ライナを成形するためのモールド、ルーメン・ライナ及びマンドレルの図である。
【
図8C】本開示の実施形態による、ルーメン・ライナを成形するためのモールド、ルーメン・ライナ及びマンドレルの図である。
【
図9A】本開示の実施形態による、非圧縮構成における
図8Aの第1のモールドを備えるモールド・アセンブリの図である。
【
図9B】本開示の実施形態による、非圧縮構成における
図8Aの第1のモールドを備えるモールド・アセンブリの図である。
【
図9C】本開示の実施形態による、非圧縮構成における
図8Aの第1のモールドを備えるモールド・アセンブリの図である。
【
図10A】本開示の実施形態による、圧縮構成における
図9A~
図9Cのモールド・アセンブリの図である。
【
図10B】本開示の実施形態による、圧縮構成における
図9A~
図9Cのモールド・アセンブリの図である。
【
図10C】本開示の実施形態による、圧縮構成における
図9A~
図9Cのモールド・アセンブリの図である。
【
図11A】本開示の実施形態による、カテーテルの偏向可能部の等角図である。
【
図11B】本開示の実施形態による、カテーテルの偏向可能部の等角図である。
【
図11C】本開示の実施形態による、カテーテルの偏向可能部の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
各図において同様の参照番号は同一又は同様の機構を示しており、図面を参照すると、
図1は、身体12内の医療装置のナビゲーションのためのシステム10の一実施形態を示す。図示された実施形態において、医療装置は、身体12から切り出して示された心臓に入るように模式的に示されたカテーテル14を備えている。本実施形態において、カテーテル14は、身体12内の心臓組織16の治療に用いる灌流高周波(RF)アブレーション・カテーテルとして示されている。しかしながら、システム10が、診断又は治療のために、身体12内で用いられる種々の医療装置に関連した用途を見出してもよいことを理解されたい。例えば、システム10は、例えば、電気生理学的カテーテル、マッピング・カテーテル、心腔内心エコー法(ICE:intracardiac echocardiography)カテーテル又は異なる種類のアブレーション・エネルギ(例えば、冷凍アブレーション、超音波など)を用いるアブレーション・カテーテルのナビゲーションに用いてもよい。さらに、システム10が、心臓組織16以外の身体12の部分を診断又は治療するのに用いられる医療装置のナビゲーションに利用してもよいことを理解されたい。システム及び構成要素についてのさらなる説明が、2013年3月15日出願の米国特許出願第13/839,963号に含まれており、その全体が、本明細書で完全に説明したものとして、参照により本明細書に組み込まれる。
【0012】
さらに
図1を参照すると、アブレーション・カテーテル14は、ポンプ20を通して生理食塩水などの生体適合性の灌流流体を送達する流体源18に接続しており、ポンプ20は、例えば、図示のように流体源18からの自重供給を伴う定速ローラ・ポンプ又は可変容量シリンジ・ポンプを含んでいてもよい。また、カテーテル14は、RFエネルギを送達するためのアブレーション発生器22に電気的に接続している。カテーテル14は、ハンドル24、ハンドル24の近位端にあるケーブル・コネクタ又はインターフェース26、及び、近位端30と遠位端32と1つ又は複数の電極34を有するシャフト28を備えていてもよい。コネクタ26は、ポンプ20及びアブレーション発生器22から延びる導管またはケーブルに、機械接続、流体接続及び電気的接続を提供する。また、カテーテル14は、温度センサ、追加の電極及び対応する導体又はリードなど、本明細書には図示しない他の従来の構成要素を備えていてもよい。
【0013】
ハンドル24は、外科医がカテーテル14を保持するための場所を提供し、さらに、身体12内でシャフト28を操作または案内するための手段を提供してもよい。例えば、ハンドル24は、カテーテル14を通じてハンドル24からシャフト28の遠位端32まで延びる1本又は複数本のプル・ワイヤの長さを変更する手段を備えていてもよい。ハンドル24の構成は、様々であってもよい。
【0014】
シャフト28は、ポリウレタンなどの従来の材料で形成されていてもよく、電気伝導体、流体又は手術器具を格納及び/又は輸送するように構成される1つまたは複数のルーメンを画定していてもよい。シャフト28は、従来のイントロデューサを介して身体12内の血管又は他の構造内へ導入されてもよい。そして、シャフト28は、身体12を通り、ガイド・ワイヤやプル・ワイヤ、又は遠隔制御案内システムを含む技術において既知の他の手段を用いて、組織16などの所望の位置へと操作又は案内されてもよい。また、シャフト28は、(灌流流体および体液を含む)流体、薬剤及び/又は手術具若しくは手術器具の輸送、送達及び/又は除去を可能としてもよい。なお、シャフト28を身体12内の領域に導入するのに利用可能な方法は、いくつあってもよい点を留意されたい。これには、イントロデューサ、シース、誘導シース、誘導部材、ガイド・ワイヤ又は他の同様な装置を含むことができる。説明を容易にするため、全体を通じて用語としてイントロデューサを用いる。
【0015】
システム10は、電界ベース位置特定システム36と、磁界ベース位置特定システム38と、ディスプレイ40と、電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)42(例えば、プロセッサ)を備えていてもよい。例示的なシステム構成要素の各々について、以下、さらに説明する。
【0016】
電界ベース位置特定システム36及び磁界ベース位置特定システム38は、身体12内のカテーテル14及び同様の装置の位置および配向を決定するために提供されている。身体12内のカテーテル14及び同様の装置の位置および配向は、システム36及び/又はシステム38により決定することができる。システム36は、例えば、ミネソタ州セントポールのセント・ジュード・メディカル社により販売されており、例えば、その開示全体が本明細書で完全に説明したものとして参照により本明細書に組み込まれる「Method and Apparatus for Catheter Navigation and Location Mappring in the Heart」と題する米国特許第7,263,397号に記載されたEnSite(登録商標)NavX(登録商標)システムを備えていてもよい。システム36及び38は、例えば、ミネソタ州セントポールのセント・ジュード・メディカル社により販売されているEnSite Precision(登録商標)システムを備えていてもよい。システム36は、低振幅の電気信号が胸部を通った場合、身体12が分圧器(又は、電位差計又は加減抵抗器)として作用し、これによって、カテーテル14上の1つ又は複数の電極34で測定された電位又は電界強度が、オームの法則および(例えば冠状静脈洞内の)基準電極の相対位置を利用して、外部パッチ電極対に対する電極の、したがってカテーテル14の位置を決定するために用いられ得る、原理に基づいて動作する。
【0017】
図1に示す構成では、電界ベース位置特定システム36は、3対のパッチ電極44をさらに備えており、これらの電極は、3次元座標系46内におけるカテーテル14の位置を決定するのに用いる電気信号を生成するために設けられる。また、電極44は、組織16についてのEPデータを生成するために用いられてもよい。身体12内における軸固有の電界を作り出すために、パッチ電極は、身体12の互いに反対側の表面(例えば、胸及び背中、胸部の左側及び右側、並びに頸部および脚部)上に配置され、ほぼ直交したx軸、y軸及びz軸を形成する。基準電極/基準パッチ(不図示)は、典型的には、胃の近傍に配置されて基準値を提供し、ナビゲーション・システム用の座標系46の原点となる。
【0018】
図1に示すこの例示的なシステム36によると、パッチ電極は、右側パッチ44
X1、左側パッチ44
X2、頸部パッチ44
Y1、脚部パッチ44
Y2、胸部パッチ44
Z1及び背面パッチ44
Z2を備え、各パッチ電極は、スイッチ48(例えば、多重化スイッチ)及び信号発生器50と接続している。パッチ電極44
X1、44
X2は、第1の(x)軸に沿って配置され、パッチ電極44
Y1、44
Y2は、第2の(y)軸に沿って配置され、パッチ電極44
Z1、44
Z2は、第3の(z)軸に沿って配置されている。正弦波電流は、パッチ電極の各対により駆動され、カテーテル14と関連付けられる1つ又は複数の位置センサ(例えば、カテーテル・シャフト28の遠位端32の近傍に配置されるリング電極34又は電極チップ)の電圧測定値が得られる。測定された電圧は、位置センサのパッチ電極からの距離の関数である。測定された電圧は、基準電極での電位と比較され、ナビゲーション・システムの座標系46内における位置センサの位置が決定される。
【0019】
例示的な本実施形態における磁界ベース位置特定システム38は、磁界を用いて、身体12内でのカテーテル14の位置及び配向を検出する。システム38は、MediGuide,Ltd.から入手可能で、例えば、その開示全体が本明細書で完全に説明したものとして参照により本明細書に組み込まれる、「Medical Imaging and Navigation System」と題する米国特許第7,386,339号に概略が示されて記載されているGMPSシステムを含んでいてもよい。このようなシステムでは、身体12内に磁界を生成し、磁界の強度、配向及び周波数を制御する、直交配列された3つのコイル(不図示)を有する磁界発生器52が用いられてもよい。磁界発生器52は、患者の上方若しくは下方(例えば、患者台の下)、又は別の適切な位置に配置されていてもよい。磁界はコイルにより生成され、カテーテル14と関連付けられる1つ又は複数の位置センサ(不図示)の電流又は電圧の測定値が得られる。測定された電流又は電圧は、センサのコイルからの距離に比例し、これによってシステム38の座標系54内のセンサの位置を決定することができる。
【0020】
ディスプレイ40は、情報を外科医に伝達して、診断及び治療を支援するために設けられている。ディスプレイ40は、1つ又は複数の従来のコンピュータ・モニタ又は他の表示装置を備えていてもよい。ディスプレイ40は、外科医にグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI:graphical user interface)を提示してもよい。GUIは、様々な情報を、例えば、組織16の形状の画像と、組織16と関連付けられる電気生理学データと、様々な電極34についての経時的な電圧レベルを示すグラフと、カテーテル14及び他の医療装置の画像並びにカテーテル14及び他の装置の組織16に対する位置を示す関連情報を備えていてもよい。
【0021】
ECU42は、カテーテル14、アブレーション発生器22及び磁界ベース位置特定システム38の磁界発生器52を含む、システム10の様々な構成要素の動作を制御するための手段を提供する。また、ECU42は、組織16の形状と、組織16の電気生理学特性と、組織16及び身体12に対するカテーテル14の位置及び配向を決定するための手段を提供してもよい。また、ECU42は、ディスプレイ40の制御に使用される表示信号を生成するための手段を提供する。
【0022】
カテーテル14が、身体12内及び電界ベース位置特定システム36により生成される電界内で動くと、電極34からの電圧読取値が変化し、これにより、電界内及びシステム36により確立される座標系46内でのカテーテル14の位置が示される。リング電極34は、従来のインターフェース(不図示)を通してECU42に位置信号を伝達する。
【0023】
図2は、本開示の実施形態による、偏向可能な軸部を有する細長の医療装置の平面図である。
図2は、偏向可能なカテーテル軸部56とハンドル24Aを備える偏向可能な電気生理学的カテーテル14Aの概略を示す。偏向可能なカテーテル軸部56は、遠位端32A及び近位端31を有する細長い本体を備え、近位端31は、近位カテーテル軸部58に連結している。また、ハンドル24Aは、ケーブル用及び/又は流体用のコネクタ26Aを備えていてもよい(さらなる情報については、
図1および関連の説明を参照)。偏向可能なカテーテル軸部56の遠位端32Aは、例えば、電極34Aを備えていてもよい。近位カテーテル軸部58の遠位端30Aは、ハンドル24Aに連結している。ハンドル24Aを用いて、偏向可能なカテーテル軸部56を、近位カテーテル軸部58から独立して変形するように構成することができる。カテーテル・シャフトの断面図を、
図3及び
図4Aにて見ることができる。
【0024】
図3は、本開示の実施形態による、カテーテルと共に用いる複数の個別のルーメンを備える現行のカテーテル設計の断面図である。カテーテル60は、複数の第1のルーメン62と、複数の第2のルーメン64を備えていてもよい。複数の第1のルーメン62は、第1のルーメン径66であってもよく、複数の第2のルーメン64は、第2のルーメン径68であってもよい。いくつかの実施形態では、第1のルーメン径66は、第2のルーメン径68より大きい。複数の第1のルーメン62及び複数の第2のルーメン64は、略円形の断面形状を有していてもよい。
【0025】
複数の第1のルーメン62の各々は、ルーメン・ライナ70を備えていてもよい。カテーテル60は、第1の材料を含んでもよい。ルーメン・ライナ70は、第1の材料とは異なる第2の材料を含んでもよい。例えば、第1の材料は、ポリエーテル・ブロック・アミド(例えば、PEBAX(登録商標))、ナイロン又は柔軟でリフロー可能な他の適切な材料であってもよく、第2の材料は、ポリイミド、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)、ポリカーボネート又は「熱固定(heat set)」して特定の形状になりうる(すなわち、加熱して、ある形に成形し、次いで冷却して、材料が新たな形状を保持できるようにしておく)任意の適切な材料であってもよい。第2の材料は、例えば、追加の剛性(すなわち、剛軟度)、偏向形状及び平面性制御を含む追加的な特徴をカテーテルに提供することができる。ルーメン・ライナ70は、複数の第1のルーメン62の各々に嵌合可能であり、摩擦、接着又は他の適切な方法により、所定の位置に保持可能である。
【0026】
複数の第1のルーメン62のうちの1つ又は複数は、例えば、流体、電極の制御ワイヤ、センサ、熱電対又は他の同様なもの(
図2には不図示)のルートを取るのに利用可能である。複数の第2のルーメン64は、例えば、カテーテル60の遠位端部を偏向するためのプル・ワイヤ(
図2には不図示)のルートを取るのに利用可能である。複数の第1のルーメン62の直径により、カテーテル60の近位端部からカテーテル60の遠位端部へとルートを取ることができるもの/要素の大きさが制限される。
【0027】
図4Aは、本開示の実施形態による、カテーテルと共に用いる複数のルーメンを備えるカテーテルの断面図である。カテーテル80は、第1のルーメン82と、複数の第2のルーメン84を備えていてもよい。第1のルーメン82は、ルーメン・ライナ86を備えていてもよい。第1のルーメン82の断面は、以下でより詳細に説明するように、ピーナッツのように形成されてもよい。複数の第2のルーメン84は、円形の断面を有していてもよい。2つの形状が互いに近接して結合された断面になった、楕円、卵形、六角形などを含む、合体した他の断面形状も可能である。
【0028】
第1のルーメン82の断面形状は、
図4Aに示すように、カテーテル(例えば、略円形の断面)内及び複数の第2のルーメン84間に適合するように構成されていてもよい。この断面形状は、カテーテルの外側周り及び隣接するルーメン間(例えば、第1のルーメン82と複数の第2のルーメン84)に充分な壁厚を維持したまま、第1のルーメン82の大きさを最大化することができる。
【0029】
第1のルーメン82の対称形状の利点には、(例えば、ワイヤのルートを取るための2つの個別のルーメン(例えば、
図3に示す)、フレキシブル回路又はカテーテルの長さ(もしくは一部であっても)に沿った他の要素を有することと比較して)面積が広くなることを含むことができる。第1のルーメン82の対称性により、カテーテルの遠位端部に、より望ましい屈曲特性を提供することもできる。(さらなる情報については、
図11及び関連説明を参照)。
【0030】
第1のルーメン82は、1つ又は複数のチューブ(すなわち、ライナ)(
図4では不図示であり、さらなる情報については、
図6A~
図6Bおよび関連説明を参照)を格納し、カテーテル80の遠位位置から近位位置への接続のためのセンサ用のワイヤ、双方向要素又は同様の装置及び/若しくは流体(例えば、生理食塩水)などの様々な要素を格納(格納管)又は収納することができる。
【0031】
図4Bは、本開示の実施形態による、
図4Aのルーメン・ライナの断面図である。上述したように、ルーメン・ライナ86は、ピーナッツのよう(例えば、砂時計状、連結された2つの隣接する円形領域、ダンベル、変形された楕円形、2つの連結された円形領域を有する変形された楕円形、「開いた」8の字など)に形成することができる。第1のルーメン82の断面形状の他の表現方法には、例えば、両側に陥入部のある楕円、r=2cos2θ+4などの数式又は他の同様な数式により規定される形状、細くなった胴部で連結した2つの円形領域などがある。ピーナッツ形状のいくつかの実施形態は、
図4Aに示すように対称にすることができる。ピーナッツ形状の他の実施形態は、非対称であってもよい(不図示。例えば、一方の円形部が他方よりも大きくてもよい)。
【0032】
ルーメン・ライナ86の断面形状は、概して、第3の領域によって連結される第1の領域(すなわち、エリア、部分、形状)及び第2の領域を備える3つ以上の個別の領域を有する形状として説明することができ、第1の領域及び第2の領域は両方とも、(例えば、断面で見たときの面積、又は、幅及び/若しくは長さが)第3の領域よりも大きい。第1の領域と第2の領域は、(例えば、断面が対称の)同じ大きさであってもよいし、第1の領域と第2の領域は、(例えば、断面が非対称の)異なる大きさであってもよい。断面形状は、所与の長さに亘って同じであってもよいし、変化してもよい(例えば、その長さに亘って領域が狭くなったり広くなったりしてもよい)。これらの変形例は、例えば、ルーメン・ライナにより成形されるルーメン内の様々な要素を、所定の位置に保持または固定するために、用いられることがある。
【0033】
図5は、
図3のカテーテル内のルーメン空間と比較して、本構成における追加のルーメン空間を示す、本開示の実施形態による
図2のカテーテルの断面図である。カテーテル80の第1のルーメン82は、(例えば、
図3のように2つの個別のルーメンを有するものと比較して)追加領域88を含んでいてもよく、追加領域88は、カテーテルの長さ(あるいは一部であってもよい)に亘って、より小さい断面を有するルーメン(例えば、
図3における第1の複数のルーメン62)内には通常嵌合しない要素を含む、ワイヤ、フレキシブル回路又は他の要素のルートを取るためのものである。
【0034】
図6Aは、本開示の実施形態による、複数のワイヤを備える複数のルーメンを有するカテーテルの断面図である。カテーテル80Aは、第1のルーメン82Aと、ルーメン・ライナ86Aと、1つ又は複数のフレキシブル回路90と、複数のワイヤ92と、複数の第2のルーメン84Aを備えていてもよい。また、いくつかの実施形態では、第1のルーメン82Aは、ルーメン・ライナ86の断面よりも小さな断面を有する二次ルーメン94を備えていてもよい。二次ルーメン94は、第1のルーメン82Aのその他の部分から独立した経路として利用可能である。例えば、二次ルーメン94は、カテーテル80Aの近位端部からカテーテル80Aの遠位端部へ流体を移送するために利用可能である。
【0035】
カテーテル80Aは、A
1-A
2線で表す偏向面を有していてもよい。偏向面は、カテーテルが屈曲する(例えば、偏向する)ことのできる方向を表している。例えば、ユーザは、カテーテル80Aの遠位端部を(例えば、プル・ワイヤ又は他の制御機構を利用して)、A
1-A
2線に沿ってA
1の方向またはA
2の方向(又は、例えば、カテーテル端部が「S」形状に屈曲される場合、双方とも可能)に偏向することができる。さらに、第1のルーメン82A内の要素(例えば、フレキシブル回路90)の形状は、屈曲面A
1-A
2に沿った屈曲を促進(すなわち、平面屈曲支援を提供)するように構成可能である。例えば、フレキシブル回路90は、
図6Aに示す直線により表されるフレキシブル面B
1-B
2を有していてもよい。フレキシブル回路90は、(例えば、偏向面A
1-A
2と同方向に)フレキシブル面B
1-B
2に沿って優先的に偏向可能である。
【0036】
ルーメン・ライナ86Aも、屈曲面A1-A2に沿った屈曲を促進可能である。ルーメン・ライナ86A及び/又はフレキシブル回路90が提供する屈曲支援は、カテーテルの遠位端の屈曲特性を、より予測可能かつより均一にするのに役立ち得る。屈曲面A1-A2に留まる(すなわち、平面性を維持する)か、可能な限り近いカテーテルの能力は、処置中のカテーテルのより正確な動作及び/又は操作が可能となるため、ユーザにとって望ましい。
【0037】
いくつかの実施形態(不図示)では、フレキシブル回路90は、フレキシブル回路の一部が、ルーメン・ライナの追加領域(例えば
図5の追加領域)の一部に連結するように、大きさ/形状が調整可能である。これにより、キーホールへのキー嵌合と同様、フレキシブル回路90の位置が固定(すなわち「ロック・イン」)可能となり得る。フレキシブル回路90を所定の位置にロックすることは、カテーテルの偏向可能な部分の屈曲特性を援助することができる。本明細書で説明するように、フレキシブル回路90は、特定の方向に(すなわち、屈曲面に沿って。さらなる情報については、
図11A~
図11C及び関連説明を参照)より容易に屈曲するように予め配置可能である。フレキシブル回路の位置を固定すると、フレキシブル回路90の任意の移動(例えば、屈曲面外のスロップ(slop)、変動など)を最小化及び/又は排除することが可能となり、これによって、屈曲モーメントがカテーテル遠位端の偏向可能な部分に加わったときに、フレキシブル回路が予め配置されてなる屈曲方向への変形を可能にすることができる(さらなる情報については、
図11A~
図11C及び関連説明を参照)。
【0038】
複数のワイヤ92は、カテーテル80Aの遠位端部及びカテーテルの近位端部にある様々なセンサ、電極、熱電対及び他の同様な要素(例えば、
図1のアブレーション発生器22、ECU42及び磁界発生器52)との間で信号を伝達するのに利用可能である。複数のワイヤ92のうちの種々のワイヤは、種々の電極(例えば、スポット電極、リング電極、電極チップなど)、センサ(磁気位置センサ、ファイバ光学センサ・ファイバ、力覚センサ、歪ゲージ、歪センサ、バイオセンサ(例えば、生体応答を電気信号に変換可能なセンサ)、診断センサ、治療センサ、化学センサ(例えば、薬剤/化学薬品などを送達及び/又は監視可能なセンサ)、発光センサ、音響センサ、熱電素子)、熱電対及び他の同様の装置と電気的に接続可能である。
【0039】
図6Bは、本開示の実施形態による、複数のワイヤを含む複数のルーメンを備える
図6Aのカテーテルの等角断面図である。また、カテーテル80Aは、C
1-C
2線で表される剛性面を有していてもよい。第1のルーメン82A内の1つ又は複数の要素(例えば、フレキシブル回路90)の形状は、剛性面C
1-C
2に沿った屈曲に抵抗するように構成されていてもよい。屈曲への抵抗は、例えば、要素の形状及び/又は構造並びに要素に用いられた材料に由来し得る。上述の屈曲支援と同様に、剛性面C
1-C
2に沿った屈曲への抵抗により、屈曲面A
1-A
2に沿ったカテーテル80Aの屈曲も促進及び/又は支援することができる。例えば、ユーザにより(例えば、プル・ワイヤ又は他の同様な機構を用いて)偏向されると、カテーテル80Aは、屈曲面A
1-A
2に沿って優先的に屈曲するとともに、剛性面C
1-C
2に沿っては屈曲しないか最小限に屈曲するように配置され得る。
【0040】
図7Aは、本開示の実施形態による、起動ワイヤを備える複数のルーメンを有するカテーテルの断面図である。カテーテル80Bは、第1のルーメン82Bと、ルーメン・ライナ86Bと、起動ワイヤ96と、圧縮コイル98と、複数の第2のルーメン84Bと備えていてもよい。
【0041】
圧縮コイル98は、カテーテル80Bの遠位端部の偏向可能な部分が圧縮されるのを防止することができる。また、圧縮コイル98は、起動ワイヤ96からの動作が、カテーテルの所望の部分(例えば、カテーテル80Bの遠位端部における偏向可能な部分内の可変ループ部)に伝達するのを確実にすることができる。起動ワイヤ96は、カテーテル80Bの遠位端部における偏向可能な部分のループの大きさ/曲線半径を変更するために用いることができる。起動ワイヤ96は、(例えば、一次機器に第2のカテーテルを組み立てる、二次動作などの)動作を促進することもできる。
【0042】
図7Bは、本開示の実施形態による、複数のルーメンを備える
図7Aのカテーテルの断面図である。
図7Aと同様に、
図7Bは、第1のルーメン82Bと、ルーメン・ライナ86Bと、第3のルーメン100と、複数の第2のルーメン84Cを有するカテーテル80Cを示す。いくつかの実施形態では、第3のルーメン100は、カテーテル80Cの中央長手方向軸に一致していてもよく、例えば、カテーテル80Cの長さに沿って流体を搬送するため(例えば、(例えば、流体が、(
図6A~
図6Bに示す)二次ルーメン94を通って供給され、第3のルーメン100を通って除去される)閉ループ灌流帰還経路、第3のルーメン100が第2の流体供給源(例えば、
図1に示す流体源18から独立した流体源)とともに用いられる第2の灌流経路等)に利用可能である。第3のルーメン100は、(例えば、
図6A~
図6Bの二次ルーメン94のように、より大きい径を有するルーメンを要するものと比較して)より低い流量を要し、かつ/又は、ルーメン・ライナ86C内に他の要素のための追加の空間を与える用途のために、流体を供給するのにも利用可能である。いくつかのの実施形態では、第3のルーメン100は、カテーテルの近位端部からカテーテルの遠位端部へと要素のルートを取るのに利用可能であり、この要素は、例えば、ワイヤ(例えば、高電圧ワイヤ)、バキューム、(例えば、凍結療法、薬剤などのための)気体/液体送達、ファイバ光学ファイバ、ガイド・ワイヤ、カテーテル、内視鏡、OCTファイバ又はユーザが利用を必要としうる他の同様な器具を含む。
【0043】
図8A~
図8Cは、本開示の実施形態による、ルーメン・ライナを成形するためのモールド、ルーメン・ライナ及びマンドレルの様々な図である。
図8Aは、ルーメン・ライナを成形するためのモールドの等角図である。モールド・アセンブリ110の一部は、モールド110がルーメン・ライナ114を成形するために用いられる第1の型枠112を備えていてもよい。モールドは、任意の適切な材料(例えば、アルミニウム)であってもよく、ルーメン・ライナ114の所望の長さおよび形状を成形するための大きさになっていてもよい。モールド110は、加熱され、材料を圧縮してルーメン・ライナ114の特定の形状を熱固定(例えば、
図4の第1のルーメン82の断面形状に対応する形状を成形)するのに用いられるように構成され得る。
【0044】
ルーメン・ライナ114を成形する方法は、以下のステップを備えていてもよい。まず、適切な材料(例えば、金属)の2つの円形マンドレルが、第1の形状(例えば、円形または卵形)の管内に挿入され得る。挿入後、2つのマンドレルは、互いに接触するとともに、各マンドレルは、管の一部とも接触し得る。次に、管及びマンドレルを有するアセンブリは、第1の型枠112内に置かれ、
図8Bに示すように配置され得る。第1の型枠112は、所望のルーメン・ライナ断面の断面形状の一部(例えば、半分)に対応する外形を備えていてもよい。
【0045】
図8Bは、本開示の実施形態による、ルーメン・ライナを成形するためのモールドの
図8Aからの部分等角図である。
図8Bは、ルーメン・ライナ114と、ルーメン・ライナ114に挿入された2つのマンドレル116と、第1の型枠112上に配置されたルーメン・ライナ114及びマンドレル116の近接した図を示す。
【0046】
図8Cは、本開示の実施形態による、
図8A~
図8Bのルーメン・ライナ及び2つのマンドレルの部分端面図である。2つのマンドレル116は、ルーメン・ライナ114内にあり、ルーメン・ライナ114及びマンドレル116は、第1の型枠112上に配置されている。ルーメン・ライナ114及びマンドレル116は、図示のように、第1の型枠112上の中央に位置していてもよい。
【0047】
図9A~
図9Cは、本開示の実施形態による、非圧縮構成における
図8Aの第1のモールドを備えるモールド・アセンブリの様々な図である。
図9Aは、本開示の実施形態による、ルーメン・ライナ成型前の第1の型枠112及び第2の型枠118を備えるモールド・アセンブリ110の等角図である。第1の型枠112及び第2の型枠118は、共に連結してルーメン・ライナ114を第2の形状に成型(すなわち、成形)しやすくするように構成され得る。
【0048】
図9Bは、本開示の実施形態による、ルーメン・ライナ成型前の
図9Aのルーメン・ライナ及びマンドレルを有するモールド・アセンブリの部分等角図である。モールド・アセンブリ110は、ルーメン・ライナ114内でマンドレル116が成型される前に、第1の型枠112及び第2の型枠118と共に配置されている。
【0049】
図9Cは、本開示の実施形態による、
図9A~
図9Bにおける第1の型枠、第2の型枠及びマンドレルを有するルーメン・ライナの部分端面図である。本明細書で説明するように、第1の型枠112及び第2の型枠118は、2つの型枠が共に圧縮され(矢印120で示す)加熱された場合に、ルーメン・ライナが、第1の型枠112及び第2の型枠118の形状に適合するように形成可能である。ルーメン・ライナ114を成形する第3のステップは、第1の型枠112と第2の型枠118とを連結するステップと、モールドの形状をとることができるようにルーメン・ライナ114を圧縮して加熱するステップを備える。モールドが冷却されて、ルーメン・ライナ114が第1の型枠112及び第2の型枠118の断面形状になると、モールド・アセンブリ110を開けて、マンドレル116がルーメン・ライナ114から取り除かれ、所望の断面形状(すなわち、第2の形状)が得られる。
【0050】
ルーメン・ライナ114の外表面上に別の層を追加する追加のステップが、ルーメン・ライナ114に対して実行されてもよい。リフロー可能な外層(不図示)が、ルーメン・ライナ114に追加されてもよい。リフロー可能な外層は、ルーメン・ライナ114とカテーテル(例えば
図6A~
図6Bのカテーテル80A)とを連結するのに役立ち得る。
【0051】
図10A~
図10Cは、本開示の実施形態による、圧縮構成における
図9A~
図9Cのモールド・アセンブリの様々な図である。
図10Aは、本開示の実施形態による、成型後のルーメン・ライナ及びマンドレルを備える
図9Aのモールド・アセンブリの等角図である。第4のステップは、モールドを室温まで冷却して、ルーメン・ライナ114を、第1の型枠112及び第2の型枠118の形状に合致した(すなわち、適合した)形状に固定可能とするステップであり得る。モールド・アセンブリの冷却後、ルーメン・ライナ114は、モールド・アセンブリ110の内部に対応した断面形状をもつようになり、これは、カテーテルの内部(例えば、
図4のカテーテル80の第1のルーメン82)に対応し得る。
【0052】
図10Bは、本開示の実施形態による、ルーメン・ライナ及びマンドレルを有する圧縮構成における第1の型枠及び第2の型枠の部分等角図である。
図10Aに示すように、第1の型枠112と第2の型枠118との間で加熱及び圧縮されると、ルーメン・ライナ114は、第1の型枠112及び第2の型枠118に合致した断面形状となり、これは、本明細書で説明するカテーテルの内部に対応し得る。
【0053】
図10Cは、本開示の実施形態による、ルーメン・ライナ及びマンドレルを有する圧縮構成における第1の型枠および第2の型枠の部分端面図である。本明細書で説明する成型処理を受けると、ルーメン・ライナ114は、第1の型枠112及び第2の型枠118の形状に合致した断面形状となり、ここでは、マンドレルが分離され、追加の空間(例えば、
図5の追加領域88)が形成され、分離した2つの隣接する円形ルーメン(例えば、
図3の複数の第1のルーメン62)に比べて大きなルーメンが形成される。
【0054】
ルーメン・ライナを成形する代替的な方法(不図示)は、所望のルーメン・ライナ容積に適合するように形成された単一のマンドレルを利用するステップを含んでいてもよい。例えば、金属ロッド(すなわち、金属構造)が、
図4のルーメン・ライナ82の断面形状に適合するように形成されてもよい。次に、金属構造にポリマ(例えば、ポリイミド)が塗布されて、冷却が可能とされてもよい。ポリマの塗布は、適切な方法(例えば、液体容器内に浸漬、沈着、噴霧など)を用いてなされてもよい。このポリマの層が冷却されると、金属構造は、液体ポリマ内に浸漬され、複数回冷却されてもよく、各浸漬/冷却サイクルにより、ポリマに別の層が追加される。浸漬の回数は、ルーメン・ライナが所望の厚さとなるように、調整可能である。ルーメン・ライナが所望の厚さになると、金属構造は除去されてもよい。この方法の利点は、上述の二次的な熱固定成形(すなわち、成型)処理を排除することにより、費用削減が見込めることにある。
【0055】
ルーメン・ライナを所望の形状にするための別の代替的な方法は、本明細書で説明して
図8A~
図10Cに図示したモールド・アセンブリ110と同様の断面形状を有する加熱円形成形治具(不図示)を利用することであってもよい。最初のルーメン・ライナ管(例えば、円形または卵形の断面)は、加熱後に冷却しながら、一連の成形ホイールを通るルートが取られる。この方法により、ルーメン・ライナのより長い部分が、一度に成形可能となる可能性があり、処理時間が早くなり、全体の製造費用を低減する。
【0056】
図11A~
図11Cは、本開示の実施形態による、カテーテルの偏向可能な部分の等角図である。
図11Aは、非偏向状態にあるカテーテル130を示す。遠位の偏向可能なカテーテル軸部56Bは、カテーテル・シャフト28Aの遠位端と、例えば、電極チップ132との間に、実質的に管状構造となるように延びている。遠位の偏向可能な部分56Bを偏向するために、プル・ワイヤ134A及び134Bが、(
図1/
図2の)ハンドル24/24Aから延伸し、シャフト28A(
図1のシャフト28も参照)を通り、プル・リング136に取り付けられている。
【0057】
図11Bは、
図11Aのカテーテル130を示し、偏向可能な軸部、シャフト及び電極が、図示の都合上省略されている。例えば、ハンドル(例えば、
図1のハンドル24又は
図2のハンドル24A)のアクチュエータを操作することにより偏向すると、プル・ワイヤ134A~134Bは、プル・リング136に偏心引張力を生じさせ、これにより、偏向可能なカテーテル軸部56Bに、屈曲モーメントMがかかる。
図11Cに示すように、これにより、偏向可能なカテーテル軸部56Bの一部が偏向することで、カテーテルの遠位端を、対象の内部領域に対して配置することが可能となる。
【0058】
より具体的には、
図11Cに示すように、カテーテルの遠位端(例えば、電極チップ132)は、屈曲面(すなわち、掃引面)200内で動作する。本明細書で説明するように、遠位端の偏向は、屈曲面200内のみに制約されていることが望ましい場合がある。所望の屈曲面へのこのような制約(すなわち、平面のままでいること、平面性を維持することなど)により、カテーテルの偏向間の変位が一貫するとともに予測可能となり得る。プル・ワイヤ134A~134Bの位置により、カテーテルの遠位端を屈曲面200内で動かすことができるようになる。
【0059】
遠位の偏向可能なカテーテル軸部の掃引の平面性および一貫性を確保するために、プル・ワイヤは、
図11Bに示す所望の掃引面200に対して、ほぼ完全に整列していなければならない。上述のように、カテーテルの種々の要素により、掃引面200に沿っての屈曲も可能となり得る(例えば、
図6A~
図6Bのフレキシブル回路90)。
【0060】
図11Cに示すように、平面210は、掃引面200に対して垂直である。カテーテルの物理的構成は、平面200の方向への屈曲に抵抗するようになっていてもよい。例えば、プル・ワイヤ134A~134Bは、上述のように、掃引面200に整列されていてもよく、(
図6A~
図6Bの)フレキシブル回路90は、フレキシブル回路の形状/断面により、掃引面200に沿って屈曲するとともに平面210に沿った屈曲には抵抗するように整列されていてもよい(上述の説明参照)。
【0061】
屈曲面およびカテーテルの遠位端の偏向可能な部分の平面性に関するさらなる情報については、2011年7月26日に出願され、St.Jude Medical Atrial Fibrillation Divisionに譲渡された米国特許第7,985,215号に見出すことができ、その全体が、本明細書で完全に説明したものとして参照により本明細書に組み込まれる。
【0062】
イントロデューサに対してカテーテルを検出するための装置の少なくとも1つの実施形態について、ある程度の特殊性で上記に説明したが、当業者は、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多数の変更を加えることができる。全ての方向的な言及(例えば、上側、下側、上方、下方、左、右、左方向、右方向、上端、下端、上側、下側、垂直、水平、時計回り、反時計回り)は、本開示の読み手の理解を助けるために識別の目的のためだけに使用されるにすぎず、特に本開示の位置、配向又は使用に関して限定をもたらさない。接合の言及(例えば、取り付けられ、結合され、接続され等)は、広く解釈されるべきであり、要素の接続と要素間の相対移動との間に中間部材を含んでもよく、混合物又は同様の構成の一部である要素を含んできてもよい。したがって、接合の言及は、2つの要素が直接に接続されて互いに固定関係を成すことを必ずしも暗示するとは限らない。上述の説明に含まれる、または添付図面に示される全ての事項は、限定ではなく単なる例示として解釈されるべきものとする。添付の特許請求の範囲において定義されるように、本開示の趣旨から逸脱することなく、詳細または構造が変更されてもよい。
【0063】
様々な装置、システム及び/又は方法の様々な実施形態について本明細書で説明した。明細書で説明され、添付図面に示されているように、実施形態の全体的な構造、機能、製造、および使用の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が示されている。しかしながら、実施形態がそのような特定の詳細なしで実施され得ることは、当業者によって理解されるであろう。他の例では、明細書で説明した実施形態を不明瞭にしないために、周知の動作、構成要素、および要素は、詳細には説明されていない。本明細書で説明し、図示した実施形態が非限定的な例であることは、当業者には明らかであり、したがって、本明細書で開示した特定の構造的および機能的詳細が、典型的なものである場合があり、実施形態の範囲を必ずしも限定せず、その範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ規定されることは、理解され得る。
【0064】
本明細書を通して、「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、「実施形態」などへの言及は、実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じた所々の「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、「実施形態」などの語句の表現は、必ずしもすべて同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、具体的な特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わされる場合がある。したがって、1つの実施形態に関連して図示または説明した具体的な特徴、構造、または特性は、全体または一部において、限定されることなく、そのような組み合わせが非論理的または非機能的ではないことを考慮すると、1つまたは複数の他の実施形態の特徴、構造、または特性と組み合わされる場合がある。
【0065】
「近位」および「遠位」という用語が、本明細書を通して、患者を処置するために使用される器具の一端を操作する臨床医に関して使用される場合があることは理解されよう。「近位」という用語は、臨床医に最も近い器具の部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から最も遠くに位置する部分を指す。簡潔さおよび明瞭さのために、「垂直」、「水平」、「上方」、および「下方」などの空間的用語が図示の実施形態に関して本明細書で使用される場合があることは、さらに理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向きおよび位置で使用される場合があり、これらの用語は、限定的で絶対的なものであることを意図されない。
【0066】
参照により本明細書に組み込まれると言われる任意の特許、刊行物、または他の開示資料は、全体または一部において、組み込まれた資料が、本開示に示す既存の定義、声明、または他の開示資料と矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる。そのように、そして必要な程度まで、本明細書に明示的に示された開示は、参照により本明細書に組み込まれるいかなる矛盾する資料よりも優先される。参照により本明細書に組み込まれると言われているが、本明細書に示された既存の定義、声明、または他の開示資料と矛盾する任意の資料またはその一部は、組み込まれる資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない程度でのみ組み込まれることになる。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長の医療装置であって、
シャフト材料を備える偏向可能な軸部(56)と、
前記偏向可能な軸部内の第1のルーメン(82)であって、
前記第1のルーメンの断面形状は、ピーナッツ形状を有しており、
前記ピーナッツ形状は、第1の領域、第2の領域及び第3の領域(88)を備える3つの個別の領域を備え、
前記第1の領域及び前記第2の領域のそれぞれは、前記第3の領域より大きく、前記第1の領域及び前記第2の領域は、前記第3の領域によって接続されている、前記第1のルーメンと、
前記第1ルーメンを囲むと共に画定する第1のルーメン・ライナ材料を備える第1のルーメン・ライナ(86)であって、
前記第1のルーメン・ライナは、前記偏向可能な軸部(56)の屈曲平面(A-A)に沿う屈曲が促進されるように、前記偏向可能な軸部の断面が屈曲する間の前記偏向可能な軸部の平面制御を提供する、前記シャフト材料とは異なる第1のルーメン・ライナ材料を備える、前記第1のルーメン・ライナと、
前記偏向可能な軸部内に、前記第1ルーメンの対向する側面に互いに径方向に対向して配置される2つのプル・ワイヤ・ルーメン(84)と、
2つのプル・ワイヤ(134A、134B)であって、
前記2つのプル・ワイヤのそれぞれは、前記2つのプル・ワイヤ・ルーメンのそれぞれに配置され、
前記2つのプル・ワイヤは、前記偏向可能な軸部の断面屈曲を引き起こすように作動可能である、前記2つのプル・ワイヤと、
を備える、細長の医療装置。
【請求項2】
前記偏向可能な軸部の断面屈曲を引き起こすように、前記2つのプル・ワイヤを作動する、制御可能なハンドル(24、24A)をさらに備える、請求項1に記載の細長の医療装置。
【請求項3】
前記第1のルーメン・ライナは、内層と、前記内層を囲む外層と、を備え、
前記内層は、前記第1のルーメン・ライナ材料を備え、
前記外層は、リフロー可能な材料を備える、請求項1又は2に記載の細長の医療装置。
【請求項4】
前記第1のルーメン・ライナ材料は、熱固定ポリマを備え、
前記シャフト材料は、リフロー可能なポリマを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の細長の医療装置。
【請求項5】
前記ピーナッツ形状は、対称又は非対称である、請求項1~4のいずれか一項に記載の細長の医療装置。
【請求項6】
前記第1の領域と前記第2の領域は、同じ大きさである、請求項1~4のいずれか一項に記載の細長の医療装置。
【請求項7】
前記第1の領域及び前記第2の領域の少なくとも1つは、非円形の形状を有している、請求項1~4のいずれか一項に記載の細長の医療装置。
【請求項8】
前記第1のルーメン内に配置され、流体を移送するために使用される二次ルーメン(94)をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の細長の医療装置。
【請求項9】
前記第1のルーメン内に配置される1つ又は複数の追加の構成要素をさらに備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の細長の医療装置。
【請求項10】
前記1つ又は複数の追加の構成要素は、チューブを備える、請求項9に記載の細長の医療装置。
【請求項11】
前記1つ又は複数の追加の構成要素は、起動ワイヤ(96)及び圧縮コイル(98)を備える、請求項9又は10に記載の細長の医療装置。
【請求項12】
前記1つ又は複数の追加の構成要素は、ワイヤ(92)を備える、請求項9又は10に記載の細長の医療装置。
【請求項13】
前記1つ又は複数の追加の構成要素は、フレキシブル回路(90)を備え、
前記フレキシブル回路は、前記フレキシブル回路を適所に保持するために前記第3の領域を画定する前記第1のルーメン・ライナの一部に接続するように成形されている、請求項9又は10に記載の細長の医療装置。
【請求項14】
前記第1のルーメン内に配置され、前記偏向可能な軸部の断面屈曲の間の前記第1のルーメン・ライナによって提供される前記偏向可能な軸部の平面制御に寄与するように、前記第1のルーメン・ライナの細長い軸に整列される、フレキシブル回路をさらに備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の細長の医療装置。
【請求項15】
前記第3の領域を画定する前記第1のルーメン・ライナの一部は、前記フレキシブル回路を適所に保持する、請求項14に記載の細長の医療装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
参照により本明細書に組み込まれると言われる任意の特許、刊行物、または他の開示資料は、全体または一部において、組み込まれた資料が、本開示に示す既存の定義、声明、または他の開示資料と矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる。そのように、そして必要な程度まで、本明細書に明示的に示された開示は、参照により本明細書に組み込まれるいかなる矛盾する資料よりも優先される。参照により本明細書に組み込まれると言われているが、本明細書に示された既存の定義、声明、または他の開示資料と矛盾する任意の資料またはその一部は、組み込まれる資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない程度でのみ組み込まれることになる。
以下の項目は、本出願時の請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
細長の医療装置であって、
その断面形状がピーナッツ形状を備える第1のルーメンと、
前記第1のルーメンに近接している複数の第2のルーメンと、を備え、
前記第1のルーメンは、前記第1のルーメンの前記断面形状に合致するルーメン・ライナを備え、
前記ルーメン・ライナは、第1の材料を備え、
前記細長の医療装置は、第2の材料を備え、
前記第1の材料は、前記第2の材料とは異なる、細長の医療装置。
(項目2)
前記ピーナッツ形状は、対称である、項目1に記載の細長の医療装置。
(項目3)
前記ピーナッツ形状は、非対称である、項目1に記載の細長の医療装置。
(項目4)
前記ルーメン・ライナは、第1の材料であり、
前記細長の医療装置は、第2の材料を備え、
前記第1の材料は、前記第2の材料とは異なる、項目1に記載の細長の医療装置。
(項目5)
前記第1の材料は、熱固定ポリマであり、
前記第2の材料は、リフロー可能なポリマである、項目4に記載の細長の医療装置。
(項目6)
前記複数の第2のルーメンは、プル・ワイヤを収容するように構成される、項目1に記載の細長の医療装置。
(項目7)
前記複数の第2のルーメンは各々、円形の断面を備える、項目6に記載の細長の医療装置。
(項目8)
前記第1のルーメンは、第3のルーメンをさらに備え、
前記第3のルーメンは、円形の断面を備える、項目1に記載の細長の医療装置。
(項目9)
前記第1のルーメンは、前記複数の第2のルーメンの間に配置されている、項目1に記載の細長の医療装置。
(項目10)
前記ルーメン・ライナは、外層をさらに備える、項目1に記載の細長の医療装置。
(項目11)
前記外層は、リフロー可能な材料である、項目10に記載の細長の医療装置。
(項目12)
ルーメン・ライナを成形する方法であって、
1つ又は複数のマンドレルをチューブ内に挿入するステップと、
前記チューブをモールド・アセンブリ内に並べるステップであって、前記モールド・アセンブリは、ルーメン・ライナの断面に対応するモールド断面を備える、並べるステップと、
前記チューブと前記1つ又は複数のマンドレルとの周囲の前記モールド・アセンブリを圧縮するステップと、
前記モールド・アセンブリを第1の期間だけ加熱するステップと、
前記モールド・アセンブリを第2の期間だけ冷却するステップと、
前記モールド・アセンブリの圧縮を解除するステップと、
前記ルーメン・ライナを前記モールド・アセンブリから取り外すステップと、
前記マンドレルを前記ルーメン・ライナから除去するステップと、を備える、方法。
(項目13)
前記モールド断面は、ピーナッツ形状である、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記ピーナッツ形状は、対称である、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記ピーナッツ形状は、非対称である、項目13に記載の方法。
(項目16)
前記ルーメン・ライナは、第1の材料であり、
前記細長の医療装置は、第2の材料を備え、
前記第1の材料は、前記第2の材料とは異なる、項目12に記載の方法。
(項目17)
前記第1の材料は、熱固定ポリマであり、
前記第2の材料は、リフロー可能ポリマである、項目16に記載の方法。
(項目18)
外層を前記ルーメン・ライナ上に付加するステップをさらに備える、項目12に記載の方法。
(項目19)
前記外層は、リフロー可能な材料である、項目13に記載の方法。
【外国語明細書】