(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169795
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】スマートコントラクトベースの投資家のグローバルレジストリを参照するスマートコントラクトベースのコンプライアンス規則を実施する自己執行型証券トークン
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/04 20120101AFI20221101BHJP
【FI】
G06Q40/04
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022139652
(22)【出願日】2022-09-02
(62)【分割の表示】P 2021506681の分割
【原出願日】2019-08-09
(31)【優先権主張番号】62/717,575
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/871,543
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/881,121
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
2.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】521151175
【氏名又は名称】ティーゼロ・アイピー,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】オーバーホルザー,スコット
(72)【発明者】
【氏名】クリステンセン,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】サンダース,ニコル
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン,ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルマソイ,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】レスター,チェイス
(72)【発明者】
【氏名】スミス,マイケル・ウィリアム・スチュアート
(57)【要約】 (修正有)
【課題】少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのメモリと、少なくとも1つのネットワークインターフェースとを含むネットワークノード及び自己執行型証券トークンを移動するためのコンピュータ化された方法を提供する。
【解決手段】自己執行型証券トークンを移動する方法は、少なくとも1つのプロセッサが、遠隔に位置するコンピューティングデバイスから、発行された証券トークンを移動する要求を受信し、証券トークンに関連する複数のコンプライアンス規則を実行する。コンプライアンス規則のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのスマートコントラクトを使用して実施され、少なくとも1つのスマートコントラクトは、グローバルレジストリを参照する。方法はまた、コンプライアンス規則の実行に基づいて証券トークンを移動し、分散型台帳に、証券トークンのトランザクションを記録する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークノードであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合された少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合する少なくとも1つのネットワークインターフェースとを備え、
前記ネットワークノードは、分散型台帳を実施するネットワークノードのピアツーピアネットワークにおいて通信可能に結合された複数のネットワークノード内にあるように構成され、
前記ネットワークノードは、前記少なくとも1つのネットワークインターフェースを介して、少なくとも1つの遠隔に位置するコンピューティングデバイスに通信可能に結合され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
遠隔に位置するコンピューティングデバイスから、証券トークンを移動する要求を受信するステップと、
前記証券トークンに関連付けられた複数のコンプライアンス規則を実行するステップであって、
前記コンプライアンス規則のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのスマートコントラクトを使用して実施され、
前記少なくとも1つのスマートコントラクトは、グローバルレジストリを参照する、実行するステップと、
前記コンプライアンス規則の実行に基づいて前記証券トークンを移動するステップとを行うように構成される、ネットワークノード。
【請求項2】
前記証券トークンは、外部の取引可能な資産を表す暗号トークンである、請求項1に記載のネットワークノード。
【請求項3】
前記グローバルレジストリは、要求された移動に含まれる少なくとも1人の投資家のおのおのについて、少なくとも1つの個人識別可能情報(PII)ハッシュを含み、前記PIIハッシュは、分散型台帳にコミットされ、複数の投資家のそれぞれのPIIが変化した場合、各PIIハッシュが更新される、請求項1に記載のネットワークノード。
【請求項4】
前記グローバルレジストリは、以下の属性、すなわち、
前記少なくとも1人の投資家のうちの少なくとも1人が、証券取引委員会(SEC)規制Aの下で適格であるか否かの表示と、
前記少なくとも1人の投資家のうちの少なくとも1人が、SEC規制Dの下で適格であるか否かの表示と、
前記少なくとも1人の投資家のうちの少なくとも1人が、SEC規制Sの下で適格であるか否かの表示とのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のネットワークノード。
【請求項5】
前記グローバルレジストリはさらに、以下の属性、すなわち、
前記証券トークントランザクションに関連付けられた少なくとも1人の投資家に対して、マネーロンダリング防止および顧客確認(AML/KYC)チェックが実行されたか否かの表示のうちの少なくとも1つを備える、請求項4に記載のネットワークノード。
【請求項6】
前記グローバルレジストリはさらに、以下の属性、すなわち、
前記少なくとも1人の投資家のうちのいずれかにフリーズが設定されたか否かの表示と、
証券トークンにフリーズが設定されたか否かの表示と、
前記証券トークントランザクションに関連付けられた保管人にフリーズが設定されたか否かの表示と、
前記証券トークントランザクションに関連付けられた任意のブローカディーラにフリーズが設定されたか否かの表示と、のうちの少なくとも1つを備える、請求項5に記載のネットワークノード。
【請求項7】
前記グローバルレジストリにおける投資家要素における属性を修正することによって、前記少なくとも1人の投資家のうちのいずれかに対するフリーズが設定または解除され、
前記グローバルレジストリにおける証券トークン要素における属性を修正することによって、前記証券トークンに対するフリーズが設定または解除され、
前記グローバルレジストリにおける保管人要素における属性を修正することによって、前記保管人に対するフリーズが設定または解除され、
前記グローバルレジストリにおけるブローカディーラ要素における属性を修正することによって、前記証券トークントランザクションに関連付けられた任意のブローカディーラに対するフリーズが設定または解除される、請求項6に記載のネットワークノード。
【請求項8】
前記グローバルレジストリは、前記グローバルレジストリにおける前記属性の1つまたは複数を格納するデータストレージスマートコントラクトを備える、請求項6に記載のネットワークノード。
【請求項9】
前記証券トークンは、特定の証券トークンが投資家によって所有されている時間の長さを示すテーブルを格納する、請求項1に記載のネットワークノード。
【請求項10】
前記証券トークンは、発信元スマートコントラクトを使用して実施される、請求項1に記載のネットワークノード。
【請求項11】
前記証券トークンの発行の記録は、前記分散型台帳に記録される、請求項1に記載のネットワークノード。
【請求項12】
前記移動の記録は、前記分散型台帳にコミットされる、請求項1に記載のネットワークノード。
【請求項13】
自己執行型証券トークンを移動するためのコンピュータ化された方法であって、前記コンピュータ化された方法は、分散型台帳を実施するネットワークノードのピアツーピアネットワークにおける複数のネットワークノード内に含まれるように構成されたネットワークノードによって実行され、前記ネットワークノードは、前記ピアツーピアネットワークにおける他のネットワークノードに通信可能に結合されるように構成され、前記コンピュータ化された方法は、
遠隔に位置するコンピューティングデバイスから、証券トークンを移動する要求を受信するステップと、
前記証券トークンに関連付けられた複数のコンプライアンス規則を実行するステップであって、
前記コンプライアンス規則のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのスマートコントラクトを使用して実施され、
前記少なくとも1つのスマートコントラクトは、グローバルレジストリを参照する、
実行するステップと、
前記コンプライアンス規則の前記実行に基づいて証券トークンを移動するステップを備える、方法。
【請求項14】
前記証券トークンは、外部の取引可能な資産を表す暗号トークンである、請求項13に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項15】
前記グローバルレジストリは、前記要求された移動に含まれる少なくとも1人の投資家のおのおのについて少なくとも1つの個人識別可能情報(PII)ハッシュを含み、前記PIIハッシュは、分散型台帳にコミットされ、各PIIハッシュは、前記複数の投資家のそれぞれのPIIが変更した場合、更新される、請求項13に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項16】
前記グローバルレジストリは、以下の属性、すなわち、
前記少なくとも1人の投資家のうちの少なくとも1人が、証券取引委員会(SEC)規制Aの下で適格であるか否かの表示と、
前記少なくとも1人の投資家のうちの少なくとも1人が、SEC規制Dの下で適格であるか否かの表示と、
前記少なくとも1人の投資家のうちの少なくとも1人が、SEC規制Sの下で適格であるか否かとの表示とのうちの少なくとも1つを備える、請求項13に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項17】
前記グローバルレジストリはさらに、以下の属性、すなわち、
前記証券トークントランザクションに関連付けられた少なくとも1人の投資家に対して、マネーロンダリング防止および顧客確認(AML/KYC)チェックが実行されたか否かの表示と、
特定の証券トークンが前記投資家によって所有されている時間の長さの表示とのうちの少なくとも1つを備える、請求項16に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項18】
前記グローバルレジストリはさらに、以下の属性、すなわち、
前記少なくとも1人の投資家のうちのいずれかにフリーズが設定されたか否かの表示と、
証券トークンにフリーズが設定されたか否かの表示と、
前記証券トークントランザクションに関連付けられた保管人にフリーズが設定されたか否かの表示と、
前記証券トークントランザクションに関連付けられた任意のブローカディーラにフリーズが設定されたか否かの表示と、のうちの少なくとも1つを備える、請求項17に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項19】
前記グローバルレジストリにおける投資家要素における属性を修正することによって、前記少なくとも1人の投資家のうちのいずれかに対するフリーズが設定または解除され、
前記グローバルレジストリにおける証券トークン要素における属性を修正することによって、前記証券トークンに対するフリーズが設定または解除され、
前記グローバルレジストリにおける保管人要素における属性を修正することによって、前記保管人に対するフリーズが設定または解除され、
前記グローバルレジストリにおけるブローカディーラ要素における属性を修正することによって、前記証券トークントランザクションに関連付けられた任意のブローカディーラに対するフリーズが設定または解除される、請求項18に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項20】
前記グローバルレジストリは、前記グローバルレジストリに1つまたは複数の属性を格納するデータストレージスマートコントラクトを備える、請求項18に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項21】
前記証券トークンは、特定の証券トークンが投資家によって所有されている時間の長さを示すテーブルを格納する、請求項13に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項22】
前記証券トークンは、発信元スマートコントラクトを使用して実施される、請求項13に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項23】
前記証券トークンの発行の記録は、前記分散型台帳に記録される、請求項13に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項24】
前記移動の記録は、前記分散型台帳にコミットされる、請求項13に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項25】
システムであって、
分散型台帳を実施するネットワークノードのピアツーピアネットワークにおいて通信可能に結合された複数のネットワークノードを備え、各ネットワークノードは、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合された少なくとも1つのメモリとを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
遠隔に位置するコンピューティングデバイスから、スマートコントラクトベースの証券トークンを移動する要求を受信し、
前記証券トークンに関連付けられた複数のスマートコントラクトベースのコンプライアンス規則を実行し、
前記コンプライアンス規則の実行に基づいて前記証券トークンを移動するように構成され、前記移動は、前記証券トークンにおける残高表を更新することを備え、
前記証券トークンは、前記分散型台帳に格納され、
前記証券トークンは、外部の取引可能な資産を表す暗号トークンであり、
前記証券トークンは、前記証券トークンに関連付けられた前記複数のスマートコントラクトベースのコンプライアンス規則を参照し、
前記スマートコントラクトベースのコンプライアンス規則のうちの少なくとも1つは、スマートコントラクトベースのグローバルレジストリを参照し、
前記スマートコントラクトベースのグローバルレジストリは、
少なくとも1人の投資家のおのおののための少なくとも1つの個人識別可能情報(PII)ハッシュと、
前記少なくとも1人の投資家のうちの少なくとも1人が、証券取引委員会(SEC)の規制A、規制S、および規制Dの下で適格であるか否かの表示と、
マネーロンダリング防止および顧客確認(AML/KYC)チェックが、前記証券トークントランザクションに関連付けられたブローカディーラによって実行されたか否かの表示とを備える、システム。
【請求項26】
前記グローバルレジストリはさらに、以下の属性、すなわち、
前記少なくとも1人の投資家のうちのいずれかに、フリーズが設定されたか否かの表示と、
証券トークンにフリーズが設定されたか否かの表示と、
前記証券トークントランザクションに関連付けられた保管人にフリーズが設定されたか否かの表示と、
前記証券トークントランザクションに関連付けられた任意のブローカディーラに、フリーズが設定されたか否かの表示と、のうちの少なくとも1つを備える、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記グローバルレジストリにおける投資家要素における属性を修正することによって、前記少なくとも1人の投資家のうちのいずれかに対するフリーズが設定または解除され、
前記グローバルレジストリにおける証券トークン要素における属性を修正することによって、前記証券トークンに対するフリーズが設定または解除され、
前記グローバルレジストリにおける保管人要素における属性を修正することによって、前記保管人に対するフリーズが設定または解除され、
前記グローバルレジストリにおけるブローカディーラ要素における属性を修正することによって、前記証券トークントランザクションに関連付けられた任意のブローカディーラに対するフリーズが設定または解除される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記証券トークンは、特定の証券トークンが特定の投資家によって所有されている時間の長さを示すテーブルを格納する、請求項25に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]この出願は、2018年8月10日に出願され「SELF-ENFORCING
SECURITY TOKEN IMPLEMENTING SMART-CONTRACT-BASED COMPLIANCE RULES CONSULTING SMART-CONTRACT-BASED GLOBAL REGISTRY OF INVESTORS(スマートコントラクトベースの投資家のグローバルレジストリをコンサルティングするスマートコントラクトベースのコンプライアンス規則を実施する自己執行型証券トークン)」と題された米国仮特許出願第62/717,575号(代理人整理番号270.023USPR)、2019年7月8日に出願され「SPLITTABLE SECURITY TOKEN(分割可能な証券トークン)」と題された米国仮特許出願第62/871,543号(代理人整理番号270.032USPR)、および2019年7月31日に出願され「UPGRADABLE SECURITY TOKEN(アップグレード可能な証券トークン)」と題された米国仮特許出願第62/881,121号(代理人整理番号270.033USPR)の利益を主張し、これらはすべて、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]この出願は、参照により本明細書に組み込まれる、以下の同時係属中の米国特許出願に関連する。
[0003]参照により本明細書に組み込まれる、「SPLITTABLE SECURITY TOKEN(分割可能な証券トークン)」と題された、同日付で出願された米国特許出願第______________号(代理人整理番号270.032US01)。
【0003】
[0004]参照により本明細書に組み込まれる、「UPGRADABLE SECURITY TOKEN(アップグレード可能な証券トークン)」と題された、同日付で出願された米国特許出願第______________号(代理人整理番号270.033US01)。
【背景技術】
【0004】
[0005]現在、暗号トークンは、ブロックチェーンの様々な態様に関連して使用される。例では、イーサリアムブロックチェーンにおいて実施されるスマートコントラクトにより、複雑な動作が付加されたトークンの作成と発行が可能になる。Ethereum Request for Comments 20(ERC20)は、トークンを実施する(イーサリアムブロックチェーンにおいて)スマートコントラクトのために使用される技術規格である。ERC20規格は、その全体が参照により組み込まれる。それに加えて、一般会社法に関連するデラウェア州法の第8編を満たすために、他の方法も実施され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0006]少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのメモリ、および少なくとも1つのネットワークインターフェースを含むネットワークノードが開示される。ネットワークノードは、分散型台帳を実施するネットワークノードのピアツーピアネットワークにおいて通信可能に結合された複数のネットワークノード内にあるように構成される。ネットワークノードは、少なくとも1つのネットワークインターフェースを介して、少なくとも1つの遠隔に位置するコンピューティングデバイスに通信可能に結合されるように構成される。少なくとも1つのプロセッサは、証券トークンを移動する要求を、遠隔に位置するコンピューティングデバイスから受信するように構成される。少なくとも1つのプロセッサ
はまた、証券トークンに関連付けられた複数のコンプライアンス規則を実行するように構成される。コンプライアンス規則のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのスマートコントラクトを使用して実施される。少なくとも1つのスマートコントラクトは、グローバルレジストリを参照する。少なくとも1つのプロセッサはまた、コンプライアンス規則の実行に基づいて、証券トークンを移動するように構成される。
【0006】
[0007]図面は典型的な実施形態のみを描写し、したがって、範囲を限定すると見なされるべきではないことを理解して、典型的な実施形態は、添付の図面を使用することにより、追加の特異性および詳細とともに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】[0008]投資家のグローバルレジストリを参照するスマートコントラクトベースのコンプライアンス規則を実施する証券トークンを使用する例示的なシステムのブロック図である。
【
図2A】[0009]
図1に示されるシステムにおいて使用されるデータ構造を示すブロック図である。
【
図2B】[0010]
図1に示されるシステムにおけるエンティティの階層を示すブロック図である。
【
図3】[0011]自己執行型証券トークンを移動するための方法を示すフロー図である。
【
図4】[0012]少なくとも1つのコンプライアンス規則を実行するための方法を示すフロー図である。
【
図5】[0013]本開示の実施形態が利用され得る例示的なコンピュータシステムを示すブロック図である。
【
図6】[0014]本開示の実施形態が利用され得る別の例示的なコンピューティングデバイスを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0015]一般的な慣行にしたがって、説明された様々な特徴は、一定の縮尺で描かれていないが、典型的な実施形態に関連する特定の特徴を強調するように描かれている。
[0016]以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、例示として特定の例示的な実施形態が示されている添付の図面が参照される。しかしながら、他の実施形態が利用され得、論理的、機械的、および電気的変更がなされ得ることを理解されたい。さらに、図面および明細書で表されている方法は、個々のステップが実行され得る順序を限定するものとして解釈されるべきではない。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0009】
[0017]証券取引委員会(SEC)によって公布された規制の下で、特定の個人は、トークンを購入する資格を有し得る。例では、これは、SEC規制D、規制S、および/または規制Aの下で規制される資産に適用できる。これらの規制の下では、特定の個人は、規制に対する様々な免除下で適格である場合、異なる時間においてトランザクトすることが適格である。米国連邦証券法では、証券を提供または販売する会社は、証券をSECに登録するか、または登録要件の免除を見つける必要がある。規制Dの規則506などの一部の免除の場合、会社は、規制Dの規則501で定義される認定投資家と呼ばれる個人に、証券を販売できる。規制D、規制S、規制Aなどの他の部分にも例外がある。本明細書で使用されるように、規制Aは、(連邦規則17巻§230.251~230.263に見い出される)規制Aの規則251~263のいずれかを指し、規制Dは、(連邦規則17巻§230.501~230.506に見い出される)規制Dの規則501~506のいずれかを指し、規制Sは、(連邦規則17巻§230.901~230.905に見い出される)規制Sの規則901~905のいずれかを指す。
【0010】
[0018]最近、SECは、暗号トークンが、個々の状況に基づいて証券と見なされ得ると判定した。多くのイニシャルコインオファリング(ICO:initial coin offering)は
、証券法の適用を回避するために、米国および厳格な証券規制のある他の地域外のユーザに限定される。しかしながら、この制限により、トークンを購入できる投資家および/またはユーザのプールを制限する。
【0011】
[0019]本明細書で説明される例では、証券トークンのスマートコントラクトは、適用可能な証券規制とのコンプライアンスを自己執行するために、少なくとも1つのコンプライアンス規則を参照する(または、含める)ことができる。例では、少なくとも1つのコンプライアンス規則は、SEC規制D、規制S、または規制Aへの準拠をチェックするコマンドを含む。いくつかの例では、少なくとも1つのコンプライアンス規則は、特定のユーザが、規制されたトークンの購入のための要件を満たしていることを検証する。例では、少なくとも1つのコンプライアンス規則は、買い手が、規制Dの規則501の下で認定された投資家として適格であるか否かを判定する。
【0012】
[0020]証券トークントランザクションの1つの潜在的な問題は、SEC規制に対する免除下で適格ではない投資家との間での証券トークンの移動である。SEC規制に違反すると、高額の罰金および/または刑事罰が科せられる場合がある。SEC規制に準拠していない証券トークントランザクションを阻止することが望ましい。罰金および/および刑事罰の可能性の他に、SEC規制に不注意に違反した場合、非準拠の購入後に証券トークンを販売できない可能性がある。
【0013】
[0021]本明細書で説明される例は、自己執行型証券トークンを実施する。具体的には、証券トークンは、投資家のグローバルレジストリを参照する少なくとも1つのコンプライアンス規則(または、コンプライアンス規則へのポインタ)を含み得る。レジストリは、投資家の属性を含み得るので、少なくとも1つのコンプライアンス規則は、証券トークントランザクションが、必要に応じて、SEC規制に準拠しているか否かを判定できる。
【0014】
[0022]本明細書で説明される例は、保管人が、投資家および/またはブローカディーラの代わりに証券トークンを保有する保管人モデルと互換性があり得る。しかしながら、本明細書におけるシステムは、非保管人モデルとも互換性があり、たとえば、投資家および/またはブローカディーラは、仲介者が少ないか、まったくない状態で、証券トークンを直接保持する。
【0015】
[0023]本明細書では、例として様々な方法名が使用され得る。方法名は目的を説明するものであり、限定するものではないことを認識されたい。それに加えて、任意選択のデバイスおよび方法ステップが、図に破線で示される。
【0016】
[0024]
図1は、投資家のグローバルレジストリ108を参照するスマートコントラクトベースのコンプライアンス規則106を実施する証券トークン102を使用する例示的なシステム100のブロック図である。システム100は、1つまたは複数の証券トークン102と、グローバルレジストリ108と、システム所有者112と、発行者114と、分散型台帳122を実施する少なくとも1つのネットワークノードとを含み得る。システム100はまた、以下に説明されるように、様々な任意選択のエンティティおよび/またはデバイスを含み得る。
【0017】
[0025]証券トークン102は、証券を表す暗号トークンである。証券は、ある種の金銭的価値を保持する代替可能で譲渡可能な金融商品であり得る。証券は、任意選択によって表されるように、所有権の立場、債権者関係、または所有権の権利を表し得る。証券の例
は、不動産、少なくとも1つの商品、個人資産、少なくとも1つの債券、少なくとも1つのデリバティブ、少なくとも1つの先物、少なくとも1つのファンド、少なくとも1つの通貨ファンド、少なくとも1つの上場投資信託、少なくとも1つの投資信託、少なくとも1つのインデクスファンド、少なくとも1つの債券ファンド、少なくとも1つの商品ファンド、および/または少なくとも1つの不動産ファンドを含むが、これらに限定されない。例では、各証券トークン102は、会社の単一の株式を表し得る。証券トークン102は、分散型台帳(たとえば、ブロックチェーン)における(たとえば、格納された)スマートコントラクトとして実施され得る。
【0018】
[0026]投資家120は、証券トークン102を以前に有している、または検討している、受信している、または移動している個人またはエンティティであり得る。例では、投資家120は、ブローカディーラ118(または、保管人116の直接)の顧客であり得、投資家120は、1つまたは複数の証券トークン102の購入および/販売に関する注文を、ブローカディーラ118に(または、保管人116に直接)送信し得る。あるいは、投資家120は、ブローカディーラ118または保管人116に接続する必要のない「外部投資家」であり得る。代わりに、外部投資家は、たとえば、以下に説明されるトークン102自体および/またはグローバルレジストリ108における方法のように、証券トークントランザクションを開始するために本明細書で説明される関連する方法を呼び出し得る。投資家120は、SEC規則(すなわち、規則A、規則D、および/または規則S)に対する1つまたは複数の免除下で資格を得ることができ、それにより、投資家120は、買い手および/または売り手として証券トークン102トランザクションに参加することができる。
【0019】
[0027]「証券トークントランザクション」または同様の用語は、証券トークン102の任意の移動を指し、証券トークン102の移動によって実行される発行、提供、贈与、購入、販売、および/または従業員補償を説明するために使用され得る。証券トークン102トランザクションは、(1人または複数の投資家120、ブローカディーラ118、および/または保管人116に属する)1つまたは複数の入力トランザクションアドレスから、(1人または複数の投資家120、ブローカディーラ118、および/または保管人116に属する)1つまたは複数の出力トランザクションアドレスに、大量のトークンを移動し得る。本明細書で使用される場合、「買い手」および「売り手」という用語は、それぞれ証券トークン102を移動および受信する投資家120を指す。
【0020】
[0028]例では、コンプライアンス規則106は、たとえば、証券トークン交換部124が、適用可能なSEC規制を執行し得るので、証券トークン102自体がトランザクションを反映するように更新されない、いくつかの(たとえば、オンエクスチェンジ(on-exchange)の)トランザクションに対して、自動的にトリガされない場合がある。任意選択
で、証券トークン交換部124は、独立してコンプライアンス規則106を呼び出し得る。対照的に、コンプライアンス規則106は、ピアツーピアまたは他のオフエクスチェンジ(off-exchange)トランザクションに対して自動的にトリガされ得る。言い換えれば、証券トークン102における移動機能109を呼び出す証券トークン102トランザクションは、コンプライアンス規則106を自動的にトリガし得る一方、証券トークン102における移動機能109を呼び出さないトランザクション(たとえば、オンエクスチェンジ)は、(コンプライアンス規則106は、証券トークン102における移動機能109以外の手段によって呼び出され得るが、)コンプライアンス規則106を自動的にトリガしない場合がある。台帳外トランザクションの場合、投資家120が、ブローカディーラ118に預金する場合、証券トークン102は、(SEC規制にしたがって)ホワイトリストに掲載された保管人116に預金されて保持される。その後、証券トークン交換部124は、台帳外取引を容易にするであろう。コンプライアンス問題は、従来方式で取り扱われ得る。投資家120ウォレットへの引出しはまた、1つまたは複数のコンプライアンス
規則106をトリガし得る。
【0021】
[0029]好ましくは、システム100は、証券トークン102の外部にある少なくとも1つのコンプライアンス規則106を含む。あるいは、少なくとも1つのコンプライアンス規則106は、証券トークン102に格納され得る。あるいは、いずれのコンプライアンス規則106も使用しない構成も可能であり、たとえば、デフォルトの動作は、コンプライアンス規則106に関係なく、すべてのトランザクションを承認することであり得る。任意選択で、システム100における1つまたは複数の証券トークン102は、1つまたは複数のコンプライアンス規則106を参照し得る一方、システム100における1つまたは複数の他の証券トークン102は、コンプライアンス規則106を参照しないことがある。
【0022】
[0030]それに加えて、証券トークン102トランザクションに含まれるエンティティの種別に応じて、異なるコンプライアンス規則106が参照され得る。たとえば、保管人116からブローカディーラ118へのトランザクション、ブローカディーラ118から保管人116へのトランザクション、保管人116から保管人116へのトランザクション、および/またはブローカディーラ118からブローカディーラ118へのトランザクション(すなわち、投資家120を含まない証券トークン102トランザクション)は、コンプライアンス規則106をほとんどまたはまったく参照しないことがある。対照的に、投資家120を含む証券トークン102トランザクションは、投資家120を含まない証券トークン102トランザクションより多くのコンプライアンス規則106を参照し得る。さらに、異なる証券トークン102は、重複する場合もしない場合もある異なるコンプライアンス規則106を参照することができ、たとえば、第1の証券トークン102は、SEC規制A、D、および/またはSに対する免除に関連する1つまたは複数の第1のコンプライアンス規則106を参照し得る一方、第2の証券トークン102は、AML/KYCに関連する1つまたは複数の第2のコンプライアンス規則106のみを参照し得る。
【0023】
[0031]ブローカディーラ118は、自身の口座のために、および/または、その顧客の代わりに、証券トークン102を購入または販売する個人またはエンティティであり得る。「オンボーディング」という用語およびその変形は、情報の収集を含む、新しい顧客の口座を作成するプロセスを指し、たとえば、ブローカディーラ118は、投資家120を新しい顧客としてオンボーディングし得る。ブローカディーラ118は、その顧客に対してマネーロンダリング防止および/または顧客確認(AML(anti-money laundering)/
KYC(know-your-customer))チェックを実行する責任を負い得る。具体的には、アイデンティティサービスプロバイダ126は、AML/KYCサービスを提供する1つまたは複数のコンピューティングデバイスであり得る。AMLサービスは、潜在的な(または現在の)顧客が、マネーロンダリングを駆除するために設計された関連法および規制に違反していないことを確認するための1つまたは複数のステップを含む場合があり、つまり、AMLサービスは、潜在的な(または現在の)顧客が、違法または非倫理的な活動から受け取った資金源を曖昧にするためのステップを講じていないことを確認しようとする。KYCサービスは、潜在的な(または現在の)顧客の身元および/または金融取引に関連する情報を収集、検討、および監視するための1つまたは複数のステップを含み得る。例として、KYCサービスは、基本的なアイデンティティデータ(たとえば、名前、連絡先情報など)の収集、顧客が本人であることの検証、および/または顧客が法執行機関の監視リストにないことの確認を含み得る。KYCサービスはまた、(たとえば、顧客の基本的なアイデンティティデータに基づく)ソフトクレジットチェックの実行、顧客のトランザクション動作の分析、および/または顧客のトランザクション動作に基づく不正動作についての顧客の口座の監視を含み得る。AML/KYCは、SEC規制を含む、様々な連邦、州、および/または地方の法律の下で要求される場合があり得る。
【0024】
[0032]発行者114は、証券トークン102を発行するように所有者112に指示する個人またはエンティティであり得、すなわち、所有者112は、証券トークン102を展開/発行する1つまたは複数の発信元スマートコントラクト113を所有し得る。システム100は、最大で、多くの発行者114を含み得る。例では、発行者114は、会社であり得、各証券トークン102は、会社のシェアを表す。
【0025】
[0033]ブローカディーラ118は、保管人116、すなわち、1人または複数のブローカディーラ118の証券トークン102の保管、所持、および/または所有権を保有する個人またはエンティティを有する口座を有し得る。保管人116は、多くのブローカディーラ118(ブローカディーラ118がその顧客として多くの投資家120を有する可能性がある)に代わって証券トークン102の保管、所持、および/または所有権を保有する個人またはエンティティであり得る。システム100は、多くの保管人116および/または多くのブローカディーラ118を含み得る。
【0026】
[0034]所有者112は、グローバルレジストリ108においてスマートコントラクト102、106、128~134を所有、展開、再展開、および/または移動する個人またはエンティティであり得る。例では、所有者112は、発信元スマートコントラクト113への(たとえば、仮想マシンによって実行される)方法呼出を使用して、証券トークン102を展開/発行し得る。所有者112は、システム100の管理者と呼ばれ得る。たとえば、所有者112は、保管人をフリーズする権限を有し得る。任意選択で、所有者112は、証券トークン102をフリーズ、ブローカディーラ118をフリーズ、および/または、投資家120をフリーズする権限を有し得る。以下に説明するように、異なるフリーズは、グローバルレジストリ108の設定を変更することによって実施され得る。それに加えて、またはその代わりに、保管人116および/またはブローカディーラ120は、1つまたは複数の種別のフリーズを行う権限を有し得る。システム100は、1人または複数の所有者112のみを有し得る。任意選択で、所有者112は、システム100において実行される証券トークン102トランザクションに基づいて、証券トークン102の「市場」を説明するデータサービス、たとえば、証券トークン102トランザクションの量、最新の証券トークン102トランザクションのトランザクション価格などを示すフィードを提供し得る。
【0027】
[0035]上記で説明されるように、所有者112、発行者114、保管人116、ブローカディーラ118、および投資家120という用語は、システム100において様々な役割を果たす個人またはエンティティを指し得る。あるいは、これらの用語は、それぞれ、所有者112、発行者114、保管人116、ブローカディーラ118、および投資家120によって使用されるコンピューティングデバイスを指し得る。コンピューティングデバイスを指す場合、所有者112、発行者114、保管人116、ブローカディーラ118、および投資家120のおのおのは、それぞれのコンピューティングデバイス上のメモリ内の命令を実行する1つまたは複数のプロセッサで実施され得る。各それぞれのコンピューティングデバイスは、セル電話またはタブレットなどのモバイルデバイス、パーソナルコンピュータ、または命令および/または他のデータを他のコンピューティングデバイスと、たとえば、インターネットのようなネットワーク138を介して送受信するように構成されたサーバであり得る。
【0028】
[0036]証券トークン交換部124は、証券トークン102、商品、デリバティブ、および/または他の金融商品が取引きされる市場、または市場を運営する事業体(または、証券トークン交換部124によって運営される1つまたは複数のコンピューティングデバイス)であり得る。例では、証券トークン交換部124は、分散型台帳122に、正常に実行されたトランザクションを記録し得る。証券トークン交換部124は、保管するところ、すなわち、保管人116が、ブローカディーラ118および/または投資家120に代
わって証券トークン102を保有およびトランザクトするところである。
【0029】
[0037]ネットワークノード140は、本明細書で説明される機能を実施するためにメモリに格納された命令を実行する1つまたは複数のプロセッサを使用して実施されるコンピューティングデバイスであり得る。例では、ネットワークノード140は、本明細書で説明されるスマートコントラクトのいずれかを実行する仮想マシン(たとえば、イーサリアム仮想マシン)を実行し得る。
【0030】
[0038]「分散型台帳」という用語は、複数の相互接続されたネットワークノード140(すなわち、メモリに格納された命令を実行するコンピューティングデバイス)に分散され、ここでは、ネットワークノード140のうちの2つ以上が、分散型台帳122のコピーを格納する。例では、ピアツーピアネットワーク内の1つまたは複数のネットワークノード140は、分散型台帳122を実施し得る。
【0031】
[0039]分散型台帳122は、分散型台帳122内に格納されたデータを検証するために、1つまたは複数のブロックチェーンを実施し得る。ブロックチェーンは、そのブロックを検証する各ブロックに、プルーフオブワークシール(proof-of-work seal)(ハッシュなど)が貼付された、一度に1つのブロックで構築される検証可能な永久的な台帳である。ブロックチェーンでは、以前のブロックのハッシュが現在のブロックに含まれているため、再帰によって、現在のハッシュは以前のすべてのブロックを検証して、元の起源のブロックに戻す。ブロックチェーンへのハッシュの挿入は、そのハッシュを永久に記録し、そのブロックがチェーンに追加された時点でのハッシュデータのタイムスタンプ付きの存在証明を検証する公証として機能する。将来のブロックは、チェーンに格納されたデータの操作、またはチェーンの再編成からの保護の層を追加するため、チェーンの早期のブロックに変更を加えることができないという追加的な確証を提供する。ブロックチェーンは、分散型台帳122の実施であり、公開されている(たとえば、誰でも見ることができる)か、またはプライベート(たとえば、許可されたユーザまたはエンティティのみが見ることができる)であり得る。例示的なブロックチェーンは、ビットコインブロックチェーン、イーサリアムブロックチェーン、BigchainDB、Billon、Chain、Corda、Credits、Elements、Monax、Fabric、HydraChain、Hyperledger、Multichain、Openchain、Quorum、Ravencoin、Sawtooth、およびStellarを含むが、これらに限定されない。好ましくは、分散型台帳122は、公開されたイーサリアムブロックチェーンであるが、しかしながら、他の実施も可能である。プライベートブロックチェーンが使用されている場合、公開されたブロックチェーンのハッシュは、定期的にパブリックブロックチェーン、たとえば、イーサリアムブロックチェーンまたはビットコインブロックチェーンなどにコミット(つまり、記録)され得る。
【0032】
[0040]それに加えて、またはその代わりに、分散型台帳122は、システム100のネットワークノード140間で情報を共有するためにゴシッププロトコル(gossip protocol)を使用する有向非巡回グラフ(DAG)、たとえば、IOTAまたはHashgrap
hを実施し得る。さらに、プルーフオブワークなしで、分散型台帳122において、コンセンサスに達することができ、代わりにプルーフオブステークを使用できる。さらに、暗号ハッシュを使用して異なるデータのセットを接続する任意のマークルツリー(またはハッシュツリー)は、分散型台帳122によって実施され得る。
【0033】
[0041]「ウォレット」という用語は、証券トークン102などのデジタル資産を格納および/または管理するために使用されるソフトウェアプログラム、デジタルファイル、および/またはメモリを指す。本明細書では、本システムおよび方法は、証券トークン102を使用して説明されるが、任意の種別のデジタル資産とも互換性がある。例では、ウォ
レットは、1つまたは複数の秘密鍵、1つまたは複数の秘密鍵から派生した1つまたは複数の公開鍵、および/または、1つまたは複数の秘密鍵および/または1つまたは複数の公開鍵から派生した1つまたは複数のトランザクションアドレスによって定義され得る。例では、ウォレットは、1つまたは複数の秘密口座鍵(および、任意選択の、対応する公開口座鍵)によって定義され得、各鍵は、1つまたは複数の子トランザクション鍵および/または孫トランザクション鍵を有し得る。「口座」という用語は、分散型台帳122におけるアドレス、たとえば、階層決定論的(HD)ウォレットにおけるイーサリアムアドレスを指すために使用され得る。
【0034】
[0042]証券トークン102は、たとえば、SEC規制に対する関連する免除下で適格となる投資家のダークプールへのプレ新規株式公開(プレIPO)の一部として、個人的に発行され得る。あるいは、証券トークン102は、SEC規制の下での新規株式公開(IPO)の一部として発行され得る。所有者112は、1つまたは複数の証券トークン102を、たとえば、証券トークンオファリング(STO)とともに展開/発行し得る。任意選択で、発行者114は、たとえば、証券トークンオファリング(STO)を用いて、1つまたは複数の証券トークン102を展開/発行するように所有者112に指示し得る。STOは、証券トークン102によって証券が表される証券の展開/発行または販売を含み得る。任意選択で、STOは、たとえば、所有者112または発行者114に属する1つまたは複数のウォレットにそれらを割り当てることを含み得る。例では、展開されたすべての証券トークン102は、個々の投資家120に割り当てられる前に、最初に所有者112または発行者114に属するウォレットに割り当てられ得る。あるいは、展開された証券トークン102は、個人投資家120によって所有されるウォレットに直接割り当てられ得る。STOは、1つまたは複数の証券トークン102を発行する1つまたは複数の発信元スマートコントラクト113を含み得る。
【0035】
[0043]初期展開および割当後、証券トークン102を使用して、証券トークン102が表す資産を、たとえば、証券トークン交換部(STX)において、または(証券トークン102によって許可されるのであれば)ピアツーピア(P2P)トランザクションで、ある当事者から別の当事者に移動することができる。証券トークン102の発行および/または後続のトランザクションの記録は、証券トークン102自体および/または分散型台帳122にコミット(すなわち、記録)され得る。
【0036】
[0044]システム100は、様々な異なるタイプの証券トークン102を展開、割当、および/またはその後転送するために使用され得る。例では、会社Aは、おのおのが会社Aのシェアを表し、シンボルAAAXを有するX証券トークン102を展開し得、会社Bは、おのおのが会社Bのシェアを表し、シンボルBBBXを有するY証券トークン102を展開し得、会社Cは、おのおのが会社Cのシェアを表し、シンボルCCCXを有するZ証券トークン102を展開し得る。さらに、証券トークン102AAAX、BBBX、およびCCCXはすべて、同じシステム100において展開、割当、および/または取引可能であり得る。
【0037】
[0045]Ethereum Request for Comments 20(ERC20)は、一連の方法を定義する規格である。ERC20に準拠するために、暗号トークン(たとえば、ユーティリティ、暗号通貨、または証券)は、これらの方法を実施しなければならないが、トークンの所有者は、独自の手法でこの方法を実施できる。ERC20の利点の1つは、各アプリケーション、ウォレット、交換部、またはインターフェースを、おのおの特定のトークンに合わせて調整する必要がないことである。むしろ、プロジェクトが、ERC20規格をサポートする場合、プロジェクトは、多くの異なるERC20トークンをサポートし得る。
【0038】
[0046]ERC20に準拠するために、証券トークン102は、totalSupply()、balanceOf()、transfer()、transferFrom()、approve()、およびallowance()を含む6つの必須の方法を実施するトークンロジックおよび/またはパラメータ104を含み得る。これらの必須の方法は、トークンを移動できる方法と、トークン関連のデータにアクセスできる方法とを説明する。トークンロジック/パラメータ104はまた、ERC20に準拠するための様々なイベント、たとえば、Transfer()およびApproval()を実施し得る。これらのイベントは、移動と承認のためのフォーマットガイドラインを説明する。たとえば、証券トークン102トランザクションが要求されたときに(トークンロジック/パラメータ104内で、または、トークンロジック/パラメータ104外で)Transfer()方法/機能109A~109Bを呼び出すことができ、Transfer()機能109はさらに、たとえば、アドレス(たとえば、イーサリアムアドレス)が、システム100において投資家120、保管人116、またはブローカディーラ118に関連付けられているか否かをチェック/検証するために、グローバルレジストリ108における1つまたは複数のスマートコントラクト130~134、および/またはコンプライアンス規則106において、方法を呼び出し得る。トークンロジック/パラメータ104はまた、name()、symbol()、および/またはdecimals()など、ERC20に準拠するための1つまたは複数の任意選択の方法を実施し得る。これらの任意選択の方法を使用して、それぞれ証券トークン102に名前およびシンボルを割り当て、ならびに証券トークン102が使用するいくつかの小数を定義できる。これらの方法およびイベントは、ネットワークノード140上の仮想マシン(たとえば、イーサリアム仮想マシン)によって実行され得、ERC20規格においてさらに説明される。
【0039】
[0047]トークンロジックおよび/またはパラメータ104はまた、証券トークン102の名前、同じ種別の証券トークン102がいくつ展開または発行されたか、および/または証券トークン102のシンボルを示すデータを含み得る。例では、証券トークン102のシンボルは、株式ティッカシンボルと同様、証券トークン102の複数文字(たとえば、4つまたは5つ)の識別子であり得る。証券トークン102のシンボルは、金融取引業規制機構(FINRA)に登録され得る。会社によって発行された証券トークン102シンボルは、好ましくは、たとえば、特定の文字(たとえば、Q、X、またはZ)が、会社のティッカシンボルの末尾に連結された、会社のティッカシンボルの拡張バージョンであり得る。
【0040】
[0048]証券トークン102はまた、残高表105を含み得る。残高表105は、特定の種別の証券トークン102のすべての保有者の残高を示し得、たとえば、残高表105は、どのアドレス(たとえば、イーサリアムアドレス)が、どれだけの量の証券トークン102を保有しているのかを示し得る。投資家120(または保管人116またはブローカディーラ118)のアドレスによるインデクス付けの代わりに、残高表105は、他の手法、たとえば、投資家の名前のハッシュなどでインデクス付けされ得る。証券トークン102の残高表105は、公開、準公開、または非公開であり得、特定の投資家120、保管人116、またはブローカディーラ118によって保有された証券トークン102の残高が、公共利用可能な情報から純粋に導出され得ないように匿名であり得る。
【0041】
[0049]残高表105は、展開または発行されたすべての証券トークン102を説明できる。証券トークン102の移動が発生すると(すなわち、残高に変更があると)、残高表105が更新され、異なるネットワークノード140において格納された証券トークン102の各コピーに配布され得る。任意選択で、残高表105はまた、たとえば、特定の証券トークン102の以前のトランザクションデータに基づいて、特定の証券トークン102が現在の保有者(すなわち、投資家120または保管人116)によって所有されていた時間の長さを含み得る。例では、証券トークン102の移動は、証券トークン102に
おける残高表105を更新することを含み得る。表1は、各投資家アドレスの鍵/値のペアを含む残高表105の例である。
【0042】
【0043】
[0050]しかしながら、(他の種別のトークンとは異なり)証券トークン102は、米国において証券取引委員会(SEC)によって規制され得る。したがって、多くの上場企業がデラウェア州に設立されているために重要である、一般会社法に関連するデラウェア州法の第8編を満たすことが望ましい場合がある。第8編を満たす追加の方法は、本明細書では第8編方法と呼ばれ、たとえば、Ethereum Request for Comments 884(ERC884)の有無に関わらず、様々な手法で実施され得る。具体的には、第8編方法では、各トークンが、デラウェア州法人によって発行された単一の株式を表すトークンの作成が可能であり、つまり、そのようなトークンは、秘密か公開かに関わらず、デラウェア州法人によって発行されたエクイティを表すように設計され得る。
【0044】
[0051]したがって、トークンロジックおよび/またはパラメータ104は、addVerified()、removeVerified()、updateVerified()、cancelAndReissue()、isVerified()、isHolder()、holderCount()、holderAt()、hasHash()、isSuperseded()、および/またはgetCurrentFor()を含む、(ERC20によって必要とされる6つを超える)1つまたは複数の第8編方法を実施し得る。トークンロジック/パラメータ104はまた、たとえば、verifiedAddressAdded()、VerifiedAddressRemoved()、VerifiedAddressUpdate()、および/またはVerifiedAddressSuperseded()のように、(ERC20互換性のために必要とされる6つを超える)1つまたは複数のイベントを実施し得る。これらの第8編方法およびイベントは、ネットワークノード140上の仮想マシンによって実行され得る。
【0045】
[0052]しかしながら、SEC規制は、ERC20および/または第8編方法によって要求または執行されない証券トークン102に追加の要件を課す。言い換えれば、ERC20および第8編は、個別におよび組み合わされて、証券トークン102が、SEC規則への準拠を自動的に自己執行させない。
【0046】
[0053]SEC規制への準拠を自己執行するために、システム100は、第8編方法を超える機能を実施し得る。具体的には、証券トークン102は、少なくとも1つのコンプライアンス規則ポインタ107を含み得、各コンプライアンス規則ポインタ107は、(1つまたは複数のスマートコントラクトを使用して実施される)少なくとも1つのコンプライアンス規則106のアドレスを示す。少なくとも1つのコンプライアンス規則ポインタ107は、必要に応じて、更新されたコンプライアンス規則106を指すように更新され
得る。
【0047】
[0054]コンプライアンス規則106のうちの少なくとも1つは、(証券トークン102の外部にある)グローバルレジストリ108を参照し、すなわち、コンプライアンス規則106のうちの少なくとも1つは、データストレージスマートコントラクト128に格納された情報にアクセスする。コンプライアンス規則106を、証券トークン102の外部に格納することにより、たとえば、SEC規制に変更があり、少なくとも1つのコンプライアンス規則106を更新する必要がある場合、証券トークン102自体を修正することなく、少なくとも1つのコンプライアンス規則106が更新され得る。あるいは、少なくとも1つのコンプライアンス規則106が、証券トークン102自体に含められ得る。その場合、少なくとも1つのコンプライアンス規則106を修正する(たとえば、破棄および再展開する)には、証券トークン102を修正する必要がある。任意選択で、いずれのコンプライアンス規則106をも使用しない証券トークン102トランザクションも可能であり、たとえば、デフォルト動作は、あらゆるコンプライアンス規則106に関係なく、すべてのトランザクションを承認することであり得る。
【0048】
[0055]「スマートコントラクト」という用語は、ソフトウェアにおいて実施され得る条件付きロジックのセット、たとえば、1つまたは複数の関連する条件が満たされることに応じて実行される1つまたは複数の順次のステップを指す。スマートコントラクトは、分散型台帳122のアドレスにおいて格納され得る。例では、スマートコントラクトは、Solidityプログラミング言語でプログラムされ得る。スマートコントラクトは、たとえば、イーサリアム仮想マシン(EVM)などの仮想マシンを実行しているネットワークノード140におけるプロセッサによって実行され得る。(たとえば、異なる会社によって発行された)複数の種別の証券トークン102は、同じスマートコントラクトベースのコンプライアンス規則106にアクセスできるが、より好ましくは、各種別の証券トークン102は、1つまたは複数の固有のスマートコントラクトベースのコンプライアンス規則106を使用するであろう。
【0049】
[0056]コンプライアンス規則106は、証券トークン102を含む任意のトランザクションが、関連するSEC規制に準拠することを保証し得る。例では、コンプライアンス規則106は、(1)証券トークン102の買い手および/または売り手が、SEC規制A、D、およびSのうちの少なくとも1つの規制の下で適格であることの検証、(2)買い手および/または売り手に対してAMLおよび/またはKYCサービスが実行されたことの検証、(3)証券トークン102の移動を阻止するフリーズ(以下で説明する)が設定されていないことの検証、および/または(4)特定の証券トークン102がブラックアウト期間、すなわち、売り手が、証券トークン102を取得した後、一定期間(たとえば、1年)、証券トークン102を販売することを阻止する制限にないことの検証を行い得る。証券トークン102がブラックアウト期間にあるか否かを検証することは、売り手が、証券トークン102を取得した取得日を見つけるために、分散型台帳122における以前の証券トークン102トランザクションを辿ることと、(たとえば、サーバの日付にアクセスすることにより)取得日を、現在の日付と比較して、売り手が証券トークン102を保有していた時間の長さを決定することとを含み得る。(売り手が、証券トークン102を保有していた)時間の長さが、該当するブラックアウト期間以上である場合、証券トークン102はブラックアウト期間にはない。
【0050】
[0057]コンプライアンス規則106のうちの少なくとも1つは、たとえば、ネットワーク138を介して、外部のグローバルレジストリ108を参照し得る。グローバルレジストリ108は、スマートコントラクト128~134の集合であり得る。スマートコントラクト128~134は、データを格納するデータストレージスマートコントラクト128を含む。データストレージスマートコントラクト128に格納されたデータは、(投資
家120が、SEC規制の免除下で適格であるか否かの表示など)SEC規制への準拠、投資家120の個人識別可能情報(PII)、投資家120に対してAML/KYCが実行されたか否かを示す表示、および/または、フリーズが、証券トークン102、保管人116、ブローカディーラ118、および/または投資家120に設定されたか否かに関連し得る。
【0051】
[0058]データストレージスマートコントラクト128は、グローバルレジストリ108における保管人スマートコントラクト130、ブローカディーラスマートコントラクト132、および/または投資家スマートコントラクト134とインターフェースし得る。複数のスマートコントラクト128~134を使用してグローバルレジストリ108を実施することの1つの利点は、トランザクションコストの観点から、すべてのスマートコントラクト128~134に含まれるコードを置き換える代わりに、コードの一部(ブローカディーラスマートコントラクト132など)を置き換える方が、安価である可能性があること、つまり、コードにおけるバグを修正するコストが削減され得ることである。グローバルレジストリ108を複数のスマートコントラクト128~134に分割することはまた、グローバルレジストリが、特定の分散型台帳122、たとえばイーサリアムにおいて課され得るサイズ制限に準拠することを可能にし得る。
【0052】
[0059]グローバルレジストリ108におけるスマートコントラクト128~134は、公開分散型台帳122に格納され得る。あるいは、グローバルレジストリ108は、たとえば単一のコンピューティングデバイスに格納された、システム100における証券トークン102、保管人116、ブローカディーラ118、および/または投資家120の属性を格納する従来型のデータベースであり得る。あるいは、グローバルレジストリ108は、スマートコントラクト128~134を利用せずに、証券トークン102、保管人116、ブローカディーラ118、および/または投資家120の属性を、分散型台帳122に格納するデータベースであり得る。
【0053】
[0060]任意選択で、インターフェーススマートコントラクト(図示せず)は、保管人スマートコントラクト130、ブローカディーラスマートコントラクト132、および/または投資家スマートコントラクト134にアクセスするために使用できる少なくとも1つの方法を実施し得る。言い換えれば、任意選択のインターフェーススマートコントラクトは、システム100における他のデバイスへのインターフェースとして機能し得る。保管人スマートコントラクト130によって実施される方法は、所有者112によって呼び出され得る。ブローカディーラスマートコントラクト132は、グローバルレジストリ108における1つまたは複数のデータ構造110において、投資家要素を追加、削除、および/または更新するための少なくとも1つの方法を実施し得る。例では、ブローカディーラスマートコントラクト132によって実施される方法は、保管人116によって呼び出され得る。投資家スマートコントラクト134によって実施される方法は、ブローカディーラ118によって呼び出され得る。
【0054】
[0061]したがって、好ましい(しかし、それだけではない)構成では、所有者112のみが、保管人スマートコントラクト130によって実施される方法を呼び出し得、保管人116のみが、ブローカディーラスマートコントラクト132によって実施される方法を呼び出し得、ブローカディーラ118のみが、投資家スマートコントラクト134によって実施される方法を呼び出し得る。任意選択で、所有者112、保管人116、およびブローカディーラ118よりも多くが、それぞれ保管人スマートコントラクト130、ブローカディーラスマートコントラクト132、および投資家スマートコントラクト134において実施される方法を呼び出し得る。たとえば、証券トークン102における(たとえば、トークンロジック/パラメータ104における)Transfer()機能109または他のスマートコントラクトは、保管人スマートコントラクト130、ブローカディー
ラスマートコントラクト132、および/または投資家スマートコントラクト134における1つまたは複数の方法を呼び出し得る。
【0055】
[0062]保管人スマートコントラクト130、ブローカディーラスマートコントラクト132、および投資家スマートコントラクト134のおのおのは、データストレージスマートコントラクト128におけるデータを(正しいデータ許可と仮定して)読み取りまたは書き込みできる。具体的には、1つまたは複数の投資家要素、保管人要素、および/またはブローカディーラ要素は、データストレージスマートコントラクト128における1つまたは複数のデータ構造110から作成、修正、および/または削除され得る。
【0056】
[0063]さらに、グローバルレジストリ108は、複数の保管人スマートコントラクト130、ブローカディーラスマートコントラクト132、および/または投資家スマートコントラクト134を含み得る。たとえば、グローバルレジストリ108は、第1の資産種別(たとえば、エクイティ株式)に関連する証券トークン102の第1の保管人スマートコントラクト130、ブローカディーラスマートコントラクト132、および/または投資家スマートコントラクト134と、第2の資産種別(たとえば、債券)に関連する証券トークン102の第2の保管人スマートコントラクト130、ブローカディーラスマートコントラクト132、および/または投資家スマートコントラクト134とを含み得る。
【0057】
[0064]例では、保管人スマートコントラクト130、ブローカディーラスマートコントラクト132、および/または投資家スマートコントラクト134のうちの1つまたは複数は、機能を実施する他のスマートコントラクト(図示せず)へのポインタであり得る。そのような構成は、グローバルレジストリ108におけるスマートコントラクト130~134に対する部分的な(したがって、より安価な)更新を可能にし、すなわち、保管人スマートコントラクト130、ブローカディーラスマートコントラクト132、および/または投資家スマートコントラクト134におけるポインタが一定のままである可能性があるため、スマートコントラクト130~134のいずれかが更新されるたびに、発呼証券トークン102またはエンティティ112~120を更新する必要はない。言い換えれば、1つまたは複数のスマートコントラクト130~134はおのおの、グローバルレジストリ108における1つまたは複数の動的(すなわち、更新可能な)スマートコントラクト(図示せず)を指すことができ、たとえば、動的スマートコントラクトがシステム100における他のスマートコントラクトまたはエンティティによって呼び出される特定のスマートコントラクト130~134を変更せずに、破壊され、および/または再展開される。
【0058】
[0065]データ構造110は、おのおのが特定の投資家に関する個人識別情報(PII)を有する、少なくとも1つの投資家要素を格納し得る。それに加えて、各投資家要素は、認定日(すなわち、投資家120がSEC規則に対する1つまたは複数の免除下で適格であると判定された日付)、認定の満了日、投資家120にフリーズが設定されたか否かの表示、投資家のブローカディーラ118のアドレス(たとえば、イーサリアムアドレス)、および/または投資家120の出身国を含み得る。任意選択で、各投資家要素は、たとえば、(1)投資家120がSEC規制Aの下で適格であるか否か、(2)投資家120がSEC規制Dの下で適格であるか否か、(3)投資家120がSEC規制Sの下で適格であるか否か、(4)AML/KYCがブローカディーラ118によって実行されたか否か、および/または(6)特定の証券トークン102が投資家120によって所有されている時間の長さ、および証券トークン102の移動を管理するSEC規制の遵守に関連する任意の情報のような、他のパラメータを含み得る。投資家要素における属性(たとえば、投資家要素におけるスロットの値)は、たとえば、
図2Aに示されるように、コンマ区切り値、ハッシュテーブル、マッピング、辞書、および/または鍵/値のペアなどとして格納され得る。
【0059】
[0066]例では、データストレージスマートコントラクト128は、各投資家120のために少なくとも1つの投資家要素を格納し得る。データストレージスマートコントラクト128は、投資家120が複数の異なるブローカディーラ118の顧客である場合、特定の投資家120のために複数の投資家要素を格納し得、すなわち、データストレージスマートコントラクト128は、第1のオンボーディング中に第1のブローカディーラ118によって収集された情報にしたがう投資家120のための第1の投資家要素、第2のオンボーディング中に第2のブローカディーラ118によって収集された情報にしたがう投資家120のための第2の投資家要素などを格納し得る。例では、すなわち、ブローカディーラ118によって収集された(SEC規制準拠に関連する)データと、他のブローカディーラ118が干渉することを阻止するために、投資家要素(またはその代理人)に関連付けられたブローカディーラ118のみが、その投資家要素の情報を更新し得る。(異なるブローカディーラ118における)同じ投資家120のための異なる投資家要素は、同じデータ構造110に格納され得る。(投資家120が口座を有する)ブローカディーラ118ごとに、投資家120の各インスタンスのための投資家要素を格納することにより、各ブローカディーラ118は、他のブローカディーラ118によって収集された情報に依存する必要なく、自身のコンプライアンスプロセスに責任を持つことができ得る。
【0060】
[0067]データストレージスマートコントラクト128は、本明細書では、投資家120が口座を有するブローカディーラ118ごとに、投資家120のインスタンスのために別個の投資家要素を格納するものとして説明されているが、データストレージスマートコントラクト128が、(複数のブローカディーラ118との口座を有する投資家120のための)単一の投資家要素を格納する他の構成も可能であることに留意されたい。
【0061】
[0068]投資家要素における属性の1つまたは複数は、たとえば、顧客名と、納税者番号(たとえば、社会保障番号)と、住所と、電話番号と、生年月日と、運転免許証、パスポート情報、または他の政府発行の身分証明書からの情報と、雇用状況および職業と、顧客が仲介企業に雇用されているか否かと、年収と、純資産と、および/または口座投資目的とのように、オンボーディング中にブローカディーラ118によって収集された(たとえば、SEC規則17a-3(17)に基づく)投資家120に関する情報から導出され得る。それに加えて、またはその代わりに、個人特定情報(PII)の1つまたは複数の部分が、投資家要素において属性として格納され得る。PIIは、たとえば、名前、住所、電子メールアドレス、納税者番号など、個人の身元を区別するために使用できる任意のデータを含み得る。PIIは、オンボーディング中に(たとえば、SEC規則17a-3(17)データ収集の一部として)または他の方法で、各ブローカディーラ118によって投資家120から収集されたデータに含まれ得る。例では、PII(または、フィラーデータが埋め込まれたPII)は、投資家要素に投資家属性110として格納されるPIIハッシュに暗号化され得る。あるいは、たとえば、投資家120が、ブローカディーラ118または保管人116を介して接続しない外部投資家である場合、投資家120は、PII(またはフィラーデータで埋め込まれたPII)を、投資家要素において投資家属性110として格納されるPIIハッシュに暗号化し得る。
【0062】
[0069](SEC規制に対する免除下での)投資家120の適格ステータスは、時間とともに変化する可能性があるので、データストレージスマートコントラクト128は更新され得る。例では、個々のエントリの更新には、必要に応じて、投資家要素の追加、削除、または修正が含まれ得る。例では、ブローカディーラ118が投資家120をオンボードするとき、新しい投資家要素が作成され、たとえば、データストレージスマートコントラクト128に格納され得る。例では、投資家120が、認定ステータス(または、たとえば、収入、純資産などのように、認定ステータスの由来元の情報)または個人識別可能情報(PII)を変更すると、投資家120の投資家要素におけるPIIハッシュ(および
ブローカディーラ118)が更新され得る。例では、投資家120が、ブローカディーラ118との口座を閉鎖するとき、対応する投資家要素は、データストレージスマートコントラクト128から削除され得る。
【0063】
[0070]上記のように、データストレージスマートコントラクト128は、投資家120が口座を有するブローカディーラ118ごとに、投資家120の各インスタンスの投資家要素を含み得る。すなわち、データストレージスマートコントラクト128は、複数のブローカディーラ118に口座を有する投資家120のための複数の投資家要素を格納し得る。例では、投資家120の投資家要素は、投資家120が関連付けられているブローカディーラ118によってのみ作成、更新、および/または削除され得るが、他の構成が可能である。したがって、各ブローカディーラ118は、好ましくは、それぞれのブローカディーラ118の顧客である投資家120に関連付けられた投資家要素を作成、修正、または削除し得る。投資家要素の作成、修正、および/または削除は、投資家スマートコントラクト134によって実行され得る。ブローカディーラ118は、投資家スマートコントラクト134によって実施された方法を直接呼び出し得る。あるいは、ブローカディーラ118は、任意選択のインターフェーススマートコントラクトによって実施される方法を呼び出し得、任意選択のインターフェーススマートコントラクトは、投資家のスマートコントラクトによって実施される方法を呼び出し得る。あるいは、またはそれに加えて、外部投資家は、投資家スマートコントラクト134によって実施される方法を直接呼び出すことによって、または、任意選択のインターフェーススマートコントラクトによって、投資家要素を作成、修正、および/または、削除し得る。
【0064】
[0071]任意選択で、1つまたは複数の他の種別の要素は、システム100内の様々なアクタに関する属性を含むデータストレージスマートコントラクト128に格納され得る。例では、他の要素(すなわち、投資家要素以外)は、少なくとも1つの保管人要素、少なくとも1つのブローカディーラ要素、および/または、少なくとも1つの証券トークン要素を含み得る。例では、ブローカディーラ118のブローカディーラ要素は、(たとえば、ブローカディーラスマートコントラクト132を呼び出すことによって)ブローカディーラ118が関連付けられる保管人116によってのみ作成、更新、および/または削除され得るが、他の構成が可能である。例では、保管人116のための保管人要素は、(たとえば、保管人スマートコントラクト130を呼び出すことによって)所有者112によってのみ作成、更新、および/または削除され得るが、他の構成も可能である。任意選択で、発行者要素および/または証券トークン交換要素は、システム内のすべての発行者114および/または証券トークン交換部124のために格納され得る。他の要素のうちの1つの要素における属性(たとえば、要素におけるスロットの値)は、コンマ区切り値、ハッシュテーブル、マッピング、辞書、および/または、鍵/値のペアなどとして格納され得る。
【0065】
[0072]以下で説明されるように、システム100は、証券トークン102に関連する様々なフリーズを可能にし得る。例では、システム100は、証券トークン102フリーズ、保管人116フリーズ、および/または投資家120フリーズを可能にし得る。任意選択で、システム100は、ブローカディーラ118フリーズ、証券トークン交換部124フリーズ、および/または発行者114フリーズを可能にし得る。フリーズは、フリーズの種別に応じて、1つまたは複数の投資家要素および/または1つまたは複数の他の種別の要素における属性を、使用および/または修正し得る。例では、(ブローカディーラ118フリーズ、証券トークン交換部124フリーズ、および/または発行者114フリーズではなく、)投資家120フリーズ、保管人116フリーズ、および証券トークン102フリーズのみが可能である。
【0066】
[0073]
図2Aは、
図1に示されるシステム100において使用されるデータ構造110
を示すブロック図である。1つまたは複数のデータ構造110は、データストレージスマートコントラクト128に格納され得る。各データ構造110は、1つまたは複数の要素223A~223Mを含み得、各要素223は、特定の保管人116、ブローカディーラ118、または投資家120に対応する(すなわち、それらに関する情報を含む)。任意選択で、証券トークン要素223はまた、1つまたは複数のデータ構造110に格納され得る。
【0067】
[0074]いくつかの構成では、特定のデータ構造110内のすべての要素223は、同じ種別のエンティティに対応し、たとえば、すべての要素223は、システム100における投資家120に対応する。この構成では、データストレージスマートコントラクト128は、システム100におけるすべての投資家120のための第1のデータ構造110、すべての保管人116のための第2のデータ構造110、すべてのブローカディーラ118のための第3のデータ構造110、および/またはすべての証券トークン102のための第4のデータ構造110を含み得る。あるいは、特定のデータ構造110は、異なる種別のエンティティに対応する要素223を含み得、すなわち、投資家要素223、保管人要素223、およびブローカディーラ要素223は、単一のデータ構造に含まれ得る。
【0068】
[0075]各要素223は、2つのストレージスロット215A~215Nを含み得、ここで、各ストレージスロットは、固定されたバイト数である。たとえば、ストレージスロットは、32バイト長(または任意の適切な長さ)であり得、たとえば、各ストレージスロット215は、Solidityプログラミング言語のスロットであり得る。各要素223は、2つのストレージスロット215(すなわち、N=2M)を含むものとして
図2Aに示されているが、要素223は、単一のストレージスロット215(すなわち、N=M)のみ、または3つ以上のストレージスロット215(すなわち、N>2M)を含み得る。
【0069】
[0076]各ストレージスロット215は、鍵219A~219Nおよび値221A~221N、すなわち、鍵/値のペアを含み得る。各鍵219は、要素223が対応するエンティティの種別を示す第1のレベル(たとえば、保管人116、ブローカディーラ118、投資家120など)と、特定のエンティティによって所有されるアドレス(たとえば、イーサリアムアドレス)を示す第2のレベルとを有するネスト構造であり得る。このようにして、鍵215は(エンティティの種別で)符号化され得る。アドレスによるインデクス付けの代わりに、鍵219の第2のレベルは、他の手法、たとえば、エンティティ/投資家/証券トークン名のハッシュなどでインデクス付けされ得る。任意選択で、鍵219は、3つ以上のレベルを含み得る。要素223が、2つのスロット215を含む場合、要素223の第1のストレージスロット215における鍵219は、要素223の第2のスロット215における鍵219と同じであり得るか、または異なり得る。
【0070】
[0077]値221に含まれる情報は、要素223が対応するエンティティの種別に応じて変化し得る。データ構造110における各値221は、要素223が対応するエンティティの種別を示す第1のレベル(たとえば、保管人116、ブローカディーラ118、投資家120など)と、追加情報を示す1つまたは複数の追加のレベルとを有するネスト構造であり得る。このようにして、値221は、(エンティティの種別で)符号化され得、その結果、コンピューティングデバイス(たとえば、ネットワークノード140)は、値221におけるデータを解釈する方法を知る。言い換えれば、コンピューティングデバイス(たとえば、ネットワークノード140)は、符号化、すなわち、値221に示される種別に基づいて、値221におけるデータを異なる方式で解釈する。複数のパラメータをビットシフト(および/または連結)して、同じ値221に収まるようにできる。
【0071】
[0078]たとえば、特定の投資家要素223における第1のストレージスロット215に
おける値221は、第1のレベルにおける「投資家」を示す1つまたは複数のビットと、第2のレベルにおける投資家120のためのPIIハッシュとを含み得る。さらに、投資家要素223における第2のストレージスロット215における値221は、(1)第1のレベルにおける「投資家」を示す1つまたは複数のビット、(2)第2のレベルにおける認定日(および/または認定の満了日)、すなわち、投資家120がSEC規則に対する1つまたは複数の免除下で適格であると判定された日を示す1つまたは複数のビット、(3)たとえば単一のビット(たとえば、isFrozenフラグ)のように、第3のレベルにおける投資家120にフリーズが設定されたか否かを示す1つまたは複数のビット、(4)第4のレベルにおける投資家のブローカディーラ118のアドレス(たとえば、イーサリアムアドレス)、および/または(5)第5のレベルにおける投資家120出身国を含み得る。任意選択で、特定の投資家要素223における第2の値221は、たとえば、(1)投資家120がSEC規制Aの下で適格であるか否か、(2)投資家120がSEC規制Dの下で適格であるか否か、(3)投資家120がSEC規制Sの下で適格であるか否か、(4)AML/KYCがブローカディーラ118によって実行されたか否か、および/または(6)特定の証券トークン102が投資家120によって所有されている時間の長さのような他のパラメータを含み得る。
【0072】
[0079]他のデータ構造110の例は、保管人要素223、ブローカディーラ要素223、および/または任意選択の証券トークン要素223を含む。各保管人要素223は、特定の保管人116に関する属性を含み得る。特定の保管人要素223における値221は、第1のレベルにおける「保管人」を示す1つまたは複数のビットと、第2のレベルにおける保管人116にフリーズが設定されたか否かを示す1つまたは複数のビット、たとえば単一のビット(たとえば、isFrozenフラグ)とを含み得る。任意選択で、保管人要素223は、保管人要素223が関連付けられる1人または複数の投資家要素223、ブローカディーラ要素223、および/または証券トークン要素223のアドレス(たとえば、イーサリアムアドレス)を参照し得る。たとえば、保管人要素223は、保管人116が関連付けられる1人または複数のブローカディーラ118のアドレス(たとえば、イーサリアムアドレス)を含み得る。
【0073】
[0080]各ブローカディーラ要素223は、特定のブローカディーラ118に関する属性を含み得る。特定のブローカディーラ要素223における値221は、第1のレベルにおける「ブローカディーラ」を示す1つまたは複数のビットと、第2のレベルにおけるブローカディーラ118に設定されたか否かを示す1つまたは複数のビット、たとえば単一のビットであるフリーズ(たとえば、Frozenフラグ)とを含み得る。任意選択で、ブローカディーラ要素223は、ブローカディーラ要素223が関連付けられる1人または複数の投資家要素223、保管人要素223、および/または証券トークン要素223のアドレス(たとえば、イーサリアムアドレス)を参照し得る。たとえば、ブローカディーラ要素223は、ブローカディーラ118が関連付けられる1人または複数の保管人116のアドレス(たとえば、イーサリアムアドレス)を含み得る。
【0074】
[0081]各証券トークン要素223は、特定の証券トークン102に関する属性を含み得る。任意選択の証券トークン要素223における値221は、第1のレベルにおける「証券トークン」を示す1つまたは複数のビットと、第2のレベルにおける証券トークン102に設定されたか否か示す1つまたは複数のビット、たとえば単一のビットであるフリーズ(たとえば、Frozenフラグ)とを含み得る。証券トークン102に関する様々な他の種別の情報は、証券トークン要素223の値に含まれ得る。
【0075】
[0082]各任意選択の発行者要素223は、特定の発行者114に関する属性を含み得る。特定の任意選択の発行者要素223における値221は、第1のレベルにおける「発行者」を示す1つまたは複数のビットと、第2のレベルにおける発行者114に設定された
か否かを示す1つまたは複数のビット、たとえば単一のビットであるフリーズ(たとえば、Frozenフラグ)とを含み得る。任意選択で、発行者要素223は、発行者114が関連付けられる1人または複数の投資家120、保管人116、ブローカディーラ118、および/または証券トークン102のアドレス(たとえば、イーサリアムアドレス)を参照し得る。
【0076】
[0083]
図2Bは、
図1に示されるシステム100におけるエンティティの階層を示すブロック図である。具体的には、
図2Bは、システム100の1人または複数の投資家120、任意選択の1人または複数のブローカディーラ118、任意選択の1人または複数の保管人116、および/または1人または複数の所有者112の間の関係を示す。
【0077】
[0084]例では、
図2Bにおける階層は、システム100におけるデータ許可を定義し得る。階層は、任意の適切な形式で格納され得るか、および/または様々な要素223に格納されるデータにおいて暗黙的であり得る。
【0078】
[0085]証券トークン102トランザクションが要求されると、証券トークン102におけるコンプライアンス規則ポインタ107は、証券トークン102の買い手および/または売り手に関連付けられた投資家要素223を参照する少なくとも1つのコンプライアンス規則106(たとえば、スマートコントラクト)を指し得る。任意選択で、これは、アドレス(たとえば、投資家要素223を識別するイーサリアムアドレス)をグローバルレジストリ108に渡す、少なくとも1つのコンプライアンス規則106を含み得る。例では、少なくとも1つのコンプライアンス規則106は、以下の動作、すなわち、(1)買い手および/または売り手が、少なくともSEC規制A、D、またはSの下で適格であることを保証すること、(2)証券トークン102トランザクションにおいて買い手および/または売り手に対してAML/KYCが実行されていることを保証すること、(3)(たとえば、特定の証券トークン102が売り手によって所有されている時間の長さに基づいて)特定の証券トークン102がブラックアウト期間にないことを保証すること、および/または(4)買い手または売り手にフリーズが設定されていないことを保証することのうちの1つまたは複数を実行し得る。
【0079】
[0086]投資家120に関連付けられた特定の投資家要素223におけるデータ(たとえば、値221の一部)を変更することによって、投資家120に対するフリーズが設定(または、解除)され得る。投資家120に対するフリーズを設定または解除することは、
図2Bにおける階層に基づく許可を必要とし得る。保管人116はまた、投資家120にフリーズを設定し得る。つまり、保管人116Aは、階層において投資家120A~120Dに関連付けられているので、例では、保管人116Aは、投資家120A~120Dの投資家要素223におけるデータ(たとえば、値221の一部)を変更することによって、(証券トークン102を保有する)投資家120A~120Dにフリーズを設定する許可を有し得る。対照的に、投資家120A~120Dに関連付けられていない保管人116Bは、階層において投資家120A~120Dに関連付けられていないため、投資家120A~120Dにフリーズを設定する許可を有していないことが好ましい場合がある。任意選択で、ブローカディーラ118Aは、その顧客投資家120A~120Bにフリーズを設定する許可を有し得るが、ブローカディーラ118は投資家120Aに関連付けられていないので、投資家120Aにフリーズを設定する許可を有していないことが好ましい。
【0080】
[0087]任意選択で、システム100の所有者112は、たとえば、不正行為が疑われる場合、裁判所命令に応じて、
図2Bにおける階層に関係なく、投資家120にフリーズを設定する許可を有し得る。いくつかの例では、投資家120Iが、任意のブローカディーラ118または保管人116の顧客ではない外部投資家である場合、所有者112(また
は、発行者114)のみが、投資家120Iにフリーズを設定する許可を有し得る。
【0081】
[0088]あるいは、少なくとも1つのコンプライアンス規則106が、データストレージスマートコントラクト128における投資家要素223を参照する代わりに、少なくとも1つのコンプライアンス規則106は、SEC規制コンプライアンスに関連する1つまたは複数の属性を直接格納し得る。例では、投資家120がSEC規制A、D、またはSの下で適格であるか否か、AML/KYCが実行されたか否か、特定の証券トークン102がブラックアウト期間にあるか否か、および/または投資家120にフリーズが設定されたか否かを直接示す別個のコンプライアンス規則106が、すべての投資家120のためにあり得る。この構成では、コンプライアンス規則106は、(投資家要素223を変更する代わりに、またはそれに加えて)SEC規則に関連する情報が変更されたときに更新され得る。
【0082】
[0089]1つの構成では、投資家120にフリーズが設定された場合、投資家120は、どの証券トークン102トランザクションにも、買い手または売り手として参加しない場合があり、すなわち、投資家120によって(または、その代わりに)保有される証券トークン102がフリーズ(一時的に移動不可と)され得る。別の構成では、投資家120におけるフリーズは単に、投資家120が、フリーズを設定した特定のブローカディーラ118および/または保管人116を含む証券トークン102トランザクションに参加することを阻止し得る。すなわち、投資家120の代わりに、フリーズを設定する保管人116またはブローカディーラ118によって保有された証券トークン102が、フリーズ(一時的に移動不可と)され得る。例では、特定の投資家120が、第2の保管人116またはブローカディーラ118によってではなく、第1の保管人116またはブローカディーラ118によって、フリーズが設定されている場合、投資家120は、第2の保管人116またはブローカディーラ118ではなく、第1の保管人116またはブローカディーラ118を介したトランザクションに参加することを阻止され得る。その場合、第1の保管人116またはブローカディーラ118は、第2の保管人116またはブローカディーラ118の規制上の決定(またはその欠如)に対して責任を負わず、逆もまた同様である。それに加えて、これは、第1のブローカディーラ118が、第2のブローカディーラ118によって作成および維持される投資家要素223を用いた改ざんを阻止し、逆もまた同様である。
【0083】
[0090]データ構造110は、複数のブローカディーラ118に口座を有する投資家120のために、複数の投資家要素223を格納し得る。例では、第1の投資家要素223Aは、たとえば、第1のブローカディーラ118Aによって実行されるオンボーディング中に、第1のブローカディーラ118Aによって収集されたデータにしたがって、特定の投資家120を説明し得る。同様に、異なる投資家要素223Bは、たとえば、異なるブローカディーラ118Bによって実行されるオンボーディング中に、異なるブローカディーラ118Bによって収集されたデータにしたがって、同じ特定の投資家120を説明し得る。それに加えて、またはその代わりに、投資家要素120Iは、ブローカディーラ118または保管人116の顧客ではない外部投資家のために格納され得る。
【0084】
[0091]証券トークン102トランザクションが要求されると、買い手および/または売り手に関連付けられた投資家要素223を参照することに加えて、少なくとも1つのコンプライアンス規則106(たとえば、スマートコントラクト)は、証券トークン102の買い手および/または売り手に関連付けられた、1つまたは複数の保管人要素223、および/または1つまたは複数のブローカディーラ要素223(および任意選択で、証券トークン102に関連付けられた証券トークン要素223)を参照し得る。任意選択で、これは、(保管人要素223、ブローカディーラ要素223、および/または証券トークン要素223を識別する)アドレスを、グローバルレジストリ108に渡す少なくとも1つ
のコンプライアンス規則106を含み得る。例では、投資家要素223に基づく様々なチェックに加えて、少なくとも1つのコンプライアンス規則106は、証券トークン102トランザクションに関連付けられた保管人116、ブローカディーラ118、および/または証券トークン102に、フリーズが設定されていないことを保証し得る。
【0085】
[0092]保管人116またはブローカディーラ118にそれぞれ関連付けられた特定の保管人要素223またはブローカディーラ要素223におけるデータ(たとえば、値221の一部)を変更することによって、保管人116またはブローカディーラ118に対するフリーズが設定(または解除)され得る。保管人116またはブローカディーラ118に対するフリーズを設定または解除するには、
図2Bにおける階層に基づく許可が必要となり得る。例では、ブローカディーラ118に関連付けられた保管人116は、ブローカディーラ118にフリーズを設定する許可を有し得る。対照的に、ブローカディーラ118に関連付けられていない保管人116は、好ましくは、ブローカディーラ118にフリーズを設定する許可を有していない可能性がある。任意選択で、所有者112は、たとえば、不正行為が疑われる場合、裁判所命令に応じて、
図2Bにおける階層に関係なく、保管人116またはブローカディーラ118にフリーズを設定する許可を有し得る。
【0086】
[0093]保管人116にフリーズが設定されると、保管人116によって保有されている証券トークン102は、フリーズ(一時的に移動不可と)され得る。同様に、ブローカディーラ118にフリーズが設定されると、ブローカディーラ118によって(または、その代わりに)保有されている証券トークン102は、フリーズ(一時的に移動不可と)され得る。
【0087】
[0094]特定の証券トークン要素223におけるデータ(たとえば、値221の一部)を変更することによって、証券トークン102に対するフリーズが設定(または、解除)され得る。例では、証券トークンに対するフリーズの設定または解除は、たとえば、不正行為が疑われる場合、または証券トークン102がテロの支援を疑われる場合、システム100の所有者112のみによって実行され得る。限定することなく、所有者112は、裁判所命令に応じて、証券トークン102に対するフリーズを設定または解除し得る。証券トークン102にフリーズが設定されると、(そのトークン種別の)すべての未処理の証券トークン102が、フリーズ(一時的に移動不可と)され得る。
【0088】
[0095]任意選択で、特定の発行者要素223または証券トークン交換要素223におけるデータ(たとえば、値221の一部)をそれぞれ変更することによって、発行者114または証券トークン交換部124に、フリーズが設定され得る。例では、発行者114または証券トークン交換部124に対するフリーズの設定または解除は、たとえば、不正行為が疑われる場合、または、発行者114もしくは証券トークン交換部124がテロの支援を疑われる場合、システム100の所有者112のみによって実行され得る。限定することなく、所有者112は、裁判所命令に応じて、証券トークン102に対するフリーズを設定または解除し得る。発行者114にフリーズが設定されると、(発行者114によって、または発行者114の代わりに発行/展開された)すべての未処理の証券トークン102が、フリーズ(一時的に移動不可と)され得る。証券トークン交換部124にフリーズが設定されると、どの証券トークン102トランザクションも、証券トークン交換部124において実行されない場合がある。
【0089】
[0096]あるいは、少なくとも1つのコンプライアンス規則106は、データストレージスマートコントラクト128における保管人要素223、ブローカディーラ要素223、および/または証券トークン要素223を参照する代わりに、少なくとも1つのコンプライアンス規則106は、属性の一部を直接格納し得る。例では、すべての保管人116、ブローカディーラ118、および証券トークン102のために、保管人116、ブローカ
ディーラ118、または証券トークン102それぞれに、フリーズが設定されたか否かを直接示す別個のコンプライアンス規則106が存在し得る。この構成では、コンプライアンス規則106は、(データストレージスマートコントラクト128における保管人要素223、ブローカディーラ要素223、および証券トークン要素223を変更する代わりに、またはそれに加えて、)保管人116、ブローカディーラ118、または証券トークン102にフリーズが設定された場合に更新され得る。
【0090】
[0097]グローバルレジストリ108を実施するスマートコントラクト128~134は、ネットワークノード140上で実行する仮想マシン(たとえば、イーサリアム仮想マシン)によって実行され得る。システム100における各エンティティは、データストレージスマートコントラクト128に対して(フリーズ表示以外の)異なるデータ許可を有し得る。例では、所有者112は、グローバルレジストリ108および/または少なくとも1つのコンプライアンス規則106における少なくとも1つのスマートコントラクト128~134を所有し得る。所有者112は、以下の方法、すなわち、コンプライアンス規則106のアドレス(たとえば、イーサリアムアドレス)を設定する、すなわち、コンプライアンス規則ポインタ107を設定するsetComplianceAddress()、たとえば、スマートコントラクト、たとえば、グローバルレジストリ108を実施するスマートコントラクト128~134のうちの1つのアドレスをリンクするsetRegistryAddress()、システム100における証券トークン102の所有者112(または発行者114)のアドレス(たとえば、イーサリアムアドレス)を設定するsetIssuer()、新しい保管人116のアドレス(たとえば、イーサリアムアドレス)をデータストレージスマートコントラクト128に追加するaddCustodian()、およびデータストレージスマートコントラクト128から既存の保管人116のアドレス(たとえば、イーサリアムアドレス)を解除するremoveCustodian()、のうちの1つまたは複数を(たとえば、保管人スマートコントラクト130において)呼び出し、データストレージスマートコントラクト128を修正でき得る。
【0091】
[0098]所有者112(または任意選択で発行者114)は、(たとえば、証券トークン102または発信元スマートコントラクト113において)以下の方法、すなわち、証券トークン102を発行するissue()、喪失した証券トークン102を置き換えるcancelAndReissue()、およびピアツーピア機能を切り替えるallowPeerToPeer()、のうちの1つまたは複数を呼び出すことができ得る。任意選択で、発行者114(または所有者112)は、保管人要素223にisFrozenフラグを設定する方法(たとえば、freezeCustodian())を呼び出し得る。任意選択で、所有者112は、投資家要素223にisFrozenフラグを設定する方法(たとえば、freezeInvestor())を呼び出し得る。
【0092】
[0099]保管人116は、任意選択のインターフェーススマートコントラクトを介して、データストレージスマートコントラクト128を修正するために、(たとえば、ブローカディーラスマートコントラクト132において)以下の方法、すなわち、ブローカディーラ118によって管理されるアドレス(たとえば、イーサリアムアドレス)を追加するaddBrokerDealer()、ブローカディーラ118によって管理されるアドレス(たとえば、イーサリアムアドレス)を削除するremoveBrokerDealer()、ブローカディーラ118のアドレス(たとえば、イーサリアムアドレス)と、保管人116によってブローカディーラ118に割り当てられた口座番号(たとえば、アドレスのリスト)を追加するsetBroerDealerAccounts()、のうちの1つまたは複数を直接的または間接的に呼び出すことができ得る。任意選択で、保管人116は、保管人が関連付けられたブローカディーラ要素223にisFrozenフラグを設定する方法(たとえば、freezeBrokerDealer())を呼び出し得る。任意選択で、保管人116は、保管人116が関連付けられた投資家要素223に
isFrozenフラグを設定する方法(たとえば、freezeInvestor())を呼び出し得る。
【0093】
[0100]ブローカディーラ118は、任意選択のインターフェーススマートコントラクトを介して、データストレージスマートコントラクト128を修正するために、(たとえば、投資家スマートコントラクト134における)以下の方法、すなわち、データストレージスマートコントラクト128に投資家要素223を追加するaddVerified()、データストレージスマートコントラクト128から投資家要素223を削除するremoveVerified()、データストレージスマートコントラクト128における投資家要素223におけるPIIハッシュを更新するupdateVerified()、のうちの1つまたは複数を直接的または間接的に呼び出すことができ得る。任意選択で、ブローカディーラ118は、ブローカディーラ118が関連付けられた投資家要素223に、isFrozenフラグを設定する方法(たとえば、freezeInvestor())を呼び出し得る。
【0094】
[0101]投資家120は、(たとえば、証券トークン102または発信元スマートコントラクト113において、)以下の方法、すなわち、2つのアドレス間の資金および/または証券トークン102を、(ピアツーピア証券トークン102トランザクションが証券トークン102において有効になっている場合でも)保管人116に保有されている投資家120のブローカディーラ118アドレスへ移動するtransfer()機能109を呼び出すことができ得る。
【0095】
[0102]それに加えて、移動機能109は、証券トークン102トランザクションに含まれるエンティティの種別に応じて、異なるコンプライアンス規則106を参照し得る。たとえば、投資家120を含まない証券トークン102トランザクションの場合、移動機能109は、コンプライアンス規則106をほとんどまたはまったく参照しない場合がある。対照的に、投資家120を含む証券トークン102トランザクションの場合、移動機能109は、投資家120を含まない証券トークン102トランザクションよりも多くのコンプライアンス規則106を参照し得る。さらに、異なる証券トークン102のトランザクションの場合、移動機能109は、重複する場合もしない場合もある異なるコンプライアンス規則106を参照し得る。たとえば、移動機能109は、第1の証券トークン102のトランザクションのために、SEC規制A、D、および/またはSに対する免除に関連する1つまたは複数の第1のコンプライアンス規則106を参照し得るが、第2の証券トークン102のトランザクションのためには、AML/KYCに関連する1つまたは複数の第2のコンプライアンス規則106しか参照しない。
【0096】
[0103]
図3は、自己執行型証券トークン102を移動するための方法300を示すフロー図である。証券トークン102は、SEC規制、たとえば、SEC規制A、D、および/またはSに対する1つまたは複数の免除に自動的に準拠するため、自己執行型である。方法300は、ネットワークノード140を含むがこれに限定されないシステム100内のデバイスによって実行され得る。
【0097】
[0104]任意選択で、証券トークン102は、たとえば、多くの(たとえば、数百、数千、または数百万の)証券トークン102を展開する証券トークンオファリング(STO)において発行され得る(302)。STOは、所有者112(または発行者114)が、分散型台帳122のコピーを格納するネットワークノード140上で実行する仮想マシン(たとえば、イーサリアム仮想マシン(EVM))によって実行される(たとえば、発信元スマートコントラクト113における)方法を呼び出すことに応じて実行され得る。STO中に展開された証券トークン102は、個々の投資家120ウォレットに割り当てられる前に、(たとえば、発行者114または所有者112に属する)単一のウォレットに
割り当てられ得る。あるいは、STO中に展開された証券トークン102は、個々の投資家120ウォレットに直接割り当てられ得る。STOは、特定の種別の証券トークン102に関連付けられた発信元スマートコントラクト113にしたがって実行され得る。発信元スマートコントラクト113は、所有者112によって所有され得る。
【0098】
[0105]証券トークン102の発行の記録は、任意選択で、分散型台帳122にコミットされ得る。この記録は、1つまたは複数の入力トランザクションアドレス、1つまたは複数の出力トランザクションアドレス、および/または発行されている証券トークン102の量を含み得る。
【0099】
[0106]ネットワークノード140における少なくとも1つのプロセッサは、証券トークン102トランザクション、すなわち、証券トークン102を移動するためのトランザクションを実行するための要求を受信するように構成され得る(304)。この要求は、投資家120、投資家120に代わってブローカディーラ118、またはブローカディーラ118に代わって保管人116から(たとえば、ネットワークノード140において)受信され得る。いずれの場合でも、この要求は、ネットワークノード140から遠隔に位置するコンピューティングデバイスから受信され得る。
【0100】
[0107]ネットワークノード140における少なくとも1つのプロセッサはまた、証券トークン102に関連付けられた複数のコンプライアンス規則106を実行するように構成され得る(306)。コンプライアンス規則106のうちの少なくとも1つは、グローバルレジストリ108を参照する1つまたは複数のスマートコントラクトで実施され得る。コンプライアンス規則106は、証券トークン102に格納されたコンプライアンス規則ポインタ107によって参照され得る。あるいは、コンプライアンス規則106は、証券トークン102に格納され得る。コンプライアンス規則106の実行は、
図4に説明される。
【0101】
[0108]ネットワークノード140における少なくとも1つのプロセッサはまた、コンプライアンス規則106の実行に基づいて、証券トークン102を移動するように構成され得る(308)。例では、証券トークン102は、(1)証券トークン102の買い手および/または売り手が、SEC規制A、D、およびSのうちの少なくとも1つの規制の下で適格である場合、(2)買い手および/または売り手に対してAMLおよび/またはKYCサービスが実行されている場合、(3)証券トークン102の移動を阻止するフリーズが設定されていない場合(以下で説明する)、および/または(4)証券トークン102がブラックアウト期間にない場合、にのみ移動され得る。そうではない場合、証券トークン102は移動され得ず、任意選択で、要求元の投資家120に通知され得る。例では、この移動は、証券トークン102における残高表105を更新することを含み得る。
【0102】
[0109]任意選択で、ネットワークノード140における少なくとも1つのプロセッサはまた、分散型台帳122に、証券トークン102のトランザクションを記録する(310)ように構成され得、たとえば、証券トークン102トランザクションは、分散型台帳122にコミットされ得る。分散型台帳122にコミットされるとき、売り手に属する1つまたは複数の入力トランザクションアドレス、買い手に属する1つまたは複数の出力トランザクションアドレス、および/または、移動される証券トークン102の量は、分散型台帳122にコミットされ得る。
【0103】
[0110]
図4は、少なくとも1つのコンプライアンス規則106を実行するための方法400を示すフロー図である。少なくとも1つのコンプライアンス規則106は、証券トークン102における少なくとも1つのスマートコントラクトを使用して実施され得る(または、コンプライアンス規則ポインタ107によって参照される)。少なくとも1つのコ
ンプライアンス規則106は、仮想マシンを実行する少なくとも1つのプロセッサ、たとえば、ネットワークノード140における少なくとも1つのプロセッサによって実行され得る。
【0104】
[0111]少なくとも1つのコンプライアンス規則106は、データストレージスマートコントラクト128を参照し得、たとえば、少なくとも1つのコンプライアンス規則106は、証券トークン102の買い手および/または売り手に関連付けられた投資家要素223を参照し得る。任意選択で、少なくとも1つのコンプライアンス規則はまた、証券トークン102トランザクションに関連する保管人要素223、ブローカディーラ要素223、および/または証券トークン要素223を参照し得る。
【0105】
[0112]ネットワークノード140における少なくとも1つのプロセッサは、買い手および/または売り手が少なくともSEC規制A、D、またはSの下で適格であることを保証し得る(402)。これは、投資家要素223における以下の属性、すなわち、顧客名と、納税者番号(たとえば、社会保障番号)と、住所と、電話番号と、生年月日と、運転免許証、パスポート情報、または他の政府発行の身分証明書からの情報と、雇用状況および職業と、顧客が仲介企業に雇用されているか否かと、年収と、純資産と、および/または口座投資目的とのうちの1つまたは複数に基づいて(SEC規則に対する免除下での)適格性を得ることを含み得る。各ブローカディーラ118は、その顧客投資家120に関連付けられた投資家要素223における属性を更新する責任を負い(および、許可を有し)得る。それに加えて、またはその代わりに、投資家120は、たとえば、投資家120が外部投資家である場合、自身に関連付けられた投資家要素223における属性を作成、更新、および/または削除する責任を負い得る。
【0106】
[0113]ネットワークノード140における少なくとも1つのプロセッサはまた、たとえば、AMLのみ、KYCのみ、またはAMLおよびKYCのように、AMLおよび/またはKYCが証券トークン102トランザクションの買い手および/または売り手に対して実行されたことを保証し得る(404)。AMLおよび/またはKYC判定は、たとえば、オンボーディング中に収集されたPIIを含む、ブローカディーラ118において受信された情報に基づいて、アイデンティティサービスプロバイダ126によって行われ得る。AMLおよび/またはKYC判定が、アイデンティティサービスプロバイダ126によって行われ、ブローカディーラ118に送信されると、ブローカディーラ118は、AMLおよび/またはKYC判定の表示を、たとえば、データストレージスマートコントラクト128に格納されたデータ構造110における投資家要素223における属性として、グローバルレジストリ108に格納し得る。あるいは、データ構造110における投資家要素223の単なる存在は、投資家120が、証券トークン102トランザクションに参加することを阻止するフラグなしで、AMLおよび/またはKYCが首尾よく実行されたことを示し得る。すなわち、投資家要素223は、投資家120が証券トークン102のトランザクションへの参加を阻止するフラグなしで、AMLおよび/またはKYCが正常に実行されたことに応じて、データ構造110においてのみ作成され得る。
【0107】
[0114]ネットワークノード140における少なくとも1つのプロセッサはまた、(たとえば、特定の証券トークン102が売り手によって所有されている時間の長さに基づいて)特定の証券トークン102がブラックアウト期間にないことを保証し得る(406)。これは、グローバルレジストリ108に含まれていない証券トークン102トランザクションに関連する情報を参照することを含み得る。例では、少なくとも1つのコンプライアンス規則106は、分散型台帳122における以前の証券トークン102トランザクションを辿って、現在の証券トークン102トランザクションに含まれる証券トークン102の最新のトランザクションを見つけ得る。次に、最新のトランザクションの日付は、その後、(たとえば、サーバの日付にアクセスすることによって)現在の日付と比較して、売
り手が証券トークン102を保有していた時間の長さを判定し得る。時間の長さは、証券トークン102がブラックアウト期間にあるか否かを判定するために使用され得る。例では、時間の長さが、ブラックアウト期間の長さよりも長い場合、証券トークン102はブラックアウト期間になく、証券トークン102トランザクションが実行され得る。しかしながら、時間の長さがブラックアウト期間の長さ以下である場合、証券トークン102はブラックアウト期間にあり、証券トークン102トランザクションは、好ましくは実行されない可能性がある。
【0108】
[0115]任意選択で、ネットワークノード140における少なくとも1つのプロセッサはまた、購入または販売する投資家120にフリーズが設定されていないことを保証し得る(408)。投資家120に関連付けられた特定の投資家要素223におけるデータ(たとえば、値221の一部)を変更することによって、投資家120に対するフリーズが設定(または、解除)され得る。投資家120にフリーズが設定された場合、投資家120によって(または、その代わりに)保有されている証券トークン102は、フリーズ(一時的に移動不可と)され得る。別の構成では、(投資家120の代わりに)フリーズを設定する保管人116またはブローカディーラ118によって保有された証券トークン102のみがフリーズ(一時的に移動不可と)され得る。投資家120が口座を有するブローカディーラ118、または投資家のブローカディーラ118が口座を有する保管人116によって投資家120にフリーズが設定され得る。所有者112はまた、投資家120にフリーズを設定し得る。フリーズは、たとえば、不正行為が疑われる場合、裁判所命令に応じて、投資家120に設定され得る。
【0109】
[0116]任意選択で、ネットワークノード140における少なくとも1つのプロセッサはまた、証券トークン102トランザクションに関連付けられた保管人116、ブローカディーラ118、および/または証券トークン102にフリーズが設定されていないことを保証し得る(410)。特定の証券トークン要素223におけるデータ(たとえば、値221の一部)を変更することによって、証券トークン102に対するフリーズが設定(または、解除)され得る。例では、証券トークン102におけるフリーズの設定または解除は、たとえば、不正行為が疑われる場合、または証券トークン102がテロを支援している疑いがある場合、システム100の所有者112のみによって実行され得る。所有者112は、裁判所命令に応じて、証券トークン102に対するフリーズを設定または解除し得る。フリーズが設定されると、(フリーズされた特定の種別の)未処理の証券トークン102が、フリーズ(一時的に移動不可と)され得る。
【0110】
[0117]フリーズが保管人116に設定された場合、保管人116によって保有された証券トークン102はフリーズ(一時的に移動不可と)され得る。同様に、ブローカディーラ118にフリーズが設定された場合、ブローカディーラ118によって(または、その代わりに)保有されている証券トークン102は、フリーズ(一時的に移動不可と)され得る。
コンピュータシステムの概要
[0118]本開示の実施形態は、上記で説明される様々なステップおよび動作を含む。これらの様々なステップおよび動作は、ハードウェア構成要素によって実行される場合もあれば、マシン実行可能命令で具体化される場合もあり、これらの命令を使用してこれらの命令でプログラムされた汎用または専用プロセッサにステップを実行させることができる。あるいは、ステップは、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの組合せによって実行され得る。したがって、
図5は、本開示の実施形態が利用され得る例示的なコンピュータシステム500を示すブロック図である。本例によれば、コンピュータシステム500は、相互接続502、少なくとも1つのプロセッサ504、少なくとも1つの通信ポート506、少なくとも1つのメインメモリ508、少なくとも1つのリムーバブルストレージ媒体510、少なくとも1つの読取専用メモリ512、および少なく
とも1つの大容量ストレージデバイス514を含む。
【0111】
[0119]少なくとも1つのプロセッサ504は、任意の既知のプロセッサとすることができる。少なくとも1つの通信ポート506は、たとえば、モデムベースのダイヤルアップ接続で使用するためのRS-232ポート、10/100イーサネットポート、または銅線またはファイバを使用するギガビットポートのいずれかとすることができるか、またはこれらを含むことができる。少なくとも1つの通信ポート506の性質は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、またはコンピュータシステム500が接続する任意のネットワークなどのネットワークに応じて選択され得る。少なくとも1つのメインメモリ508は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または当技術分野で一般に知られている他の任意の動的ストレージデバイスとすることができる。少なくとも1つの読取専用メモリ512は、少なくとも1つのプロセッサ504の命令などの静的情報を格納するためのプログラマブル読取専用メモリ(PROM)チップなどの任意の静的ストレージデバイスとすることができる。
【0112】
[0120]少なくとも1つの大容量ストレージデバイス514を使用して、情報および命令を記憶できる。例では、ハードディスク(シリアル/パラレルATAまたはSCSIインターフェースを使用する磁気ディスクドライブ、または、ソリッドステートドライブなど)、光ディスク、レイド(RAID)などのディスクアレイ、または他の任意の大容量ストレージデバイスが使用され得る。相互接続502は、1つまたは複数のバス、ブリッジ、コントローラ、アダプタ、および/またはポイントツーポイント接続とすることができるか、またはこれらを含むことができる。相互接続502は、少なくとも1つのプロセッサ504を、他のメモリ、ストレージ、および通信ブロックと、通信可能に結合する。相互接続502は、使用されるストレージデバイスに応じて、PCI/PCI-XまたはSCSIベースのシステムバスとすることができる。少なくとも1つのリムーバブルストレージ媒体510は、任意の種類の外付ハードドライブ、フロッピードライブ、コンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、コンパクトディスク再書込可能(CD-RW)、デジタルビデオディスク読取専用メモリ(DVD-ROM)、ブルーレイディスク読取専用メモリ(BD-ROM)、ブルーレイディスク記録可能(BD-R)、ブルーレイディスク記録可能消去可能(BD-RE)とすることができる。
【0113】
[0121]上記で説明される構成要素は、いくつかの種別の可能性を例示することが意図される。前述の例は、単なる典型的な実施形態であるため、決して開示を限定するべきではない。
【0114】
[0122]
図6は、本開示の実施形態が利用され得る別の例示的なコンピューティングデバイス600を示すブロック図である。例示的なコンピューティングデバイス600は、グローバルレジストリ108、所有者112、発行者114、保管人116、ブローカディーラ118、投資家120、分散型台帳122のコピーを格納するネットワークノード140のうちの1つのネットワークノード、証券トークン交換部124、および/または本明細書で説明されるスマートコントラクトのいずれかを実行する仮想マシン(たとえば、イーサリアム仮想マシン)のうちのいずれかを実施するために使用され得る。コンピューティングデバイス600は、少なくとも1つのメモリ602、少なくとも1つのプロセッサ604、任意選択の少なくとも1つのネットワークインターフェース606、任意選択のディスプレイデバイス608、任意選択の入力デバイス610、および任意選択の電源612を含む。
【0115】
[0123]例では、少なくとも1つのメモリ602は、情報を格納するために使用される任意のデバイス、メカニズム、または入力されたデータ構造とすることができる。例では、少なくとも1つのメモリ602は、任意の種別の揮発性メモリ、不揮発性メモリ、および
/または動的メモリとすることができるか、またはそれらを含むことができる。例では、少なくとも1つのメモリ602は、ランダムアクセスメモリ、メモリストレージデバイス、光メモリデバイス、磁気媒体、フロッピーディスク、磁気テープ、ハードドライブ、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)、光学媒体(コンパクトディスク、DVD、ブルーレイディスクなど)などとすることができる。
【0116】
[0124]いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのメモリ602は、1つまたは複数のディスクドライブ、フラッシュドライブ、1つまたは複数のデータベース、1つまたは複数のテーブル、1つまたは複数のファイル、ローカルキャッシュメモリ、プロセッサキャッシュメモリ、リレーショナルデータベース、フラットデータベースなどを含み得る。それに加えて、当業者は、少なくとも1つのメモリ602として使用することができる、情報を記憶するための多くの追加のデバイスおよび技法を認識する。少なくとも1つのメモリ602は、少なくとも1つのプロセッサ604において1つまたは複数のアプリケーションまたはモジュールを実行するための命令を格納するために使用され得る。例では、少なくとも1つのメモリ602を、1つまたは複数の例において使用して、たとえば
図3~
図4において、本明細書で説明する機能を実行するために必要な命令のすべてまたは一部を収容できる。
【0117】
[0125]少なくとも1つのプロセッサ604は、汎用プロセッサ(GPP)または特殊目的(フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)または他の集積回路または回路構成など)、または任意のプログラマブルロジックデバイスのような任意の既知のプロセッサとすることができる。例では、(たとえば、
図3~
図4において)本明細書で開示される機能のいずれかは、少なくとも1つのプロセッサ604および少なくとも1つのメモリ602によって実施され得る。
【0118】
[0126]例では、少なくとも1つの任意選択のネットワークインターフェース606は、ネットワーク(システム100の少なくとも1つのネットワーク112のうちの1つなど)と通信するための少なくとも1つの任意選択のアンテナを含むか、またはそれに結合される。例では、少なくとも1つの任意選択のネットワークインターフェース606は、イーサネットインターフェース、セルラ無線アクセス技術(RAT)無線、Wi-Fi無線、ブルートゥース無線、または近距離通信(NFC)無線のうちの少なくとも1つを含む。例では、少なくとも1つの任意選択のネットワークインターフェース606は、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を用いて、遠隔サーバと、十分な速度のセルラデータ接続(モバイルインターネット)を確立するために構成されるセルラ無線アクセス技術無線を含む。例では、セルラ無線アクセス技術は、パーソナル通信サービス(PCS)、特殊移動無線(SMR)サービス、拡張特殊移動無線(ESMR)サービス、高度ワイヤレスサービス(AWS)、符号分割多元接続(CDMA)、グローバル移動体通信システム(GSM)サービス、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)、ワールドワイド相互運用性フォーマイクロ波アクセス(WiMAX)、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ロングタームエボリューション(LTE)、高速パケットアクセス(HSPA)、第3世代(3G)、第4世代(4G)、第5世代(5G)など、または他の適切な通信サービスまたはそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む。例では、少なくとも1つの任意選択のネットワークインターフェース606は、広域ネットワークではなく、遠隔サーバと通信するワイヤレスローカルエリアネットワークと通信するように構成されたWi-Fi(IEEE802.11)無線を含む。例では、少なくとも1つの任意選択のネットワークインターフェース606は、パッシブ近距離通信(NFC)タグ、アクティブ近距離通信(NFC)タグ、パッシブ無線周波数識別(RFID)タグ、アクティブ無線周波数識別(RFID)タグ、近接カード、または他のパーソナルエ
リアネットワークデバイスなどの近接通信に限定される近距離無線通信デバイスを含む。
【0119】
[0127]例では、任意選択の少なくとも1つのディスプレイデバイス608は、発光ダイオード(LED)、液晶ディスプレイ(LDC)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、e-inkディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、表面伝導電子エミッタディスプレイ(SED)、またはプラズマディスプレイのうちの少なくとも1つを含む。例では、任意選択の少なくとも1つの入力デバイス610は、タッチスクリーン(容量性および抵抗性タッチスクリーンを含む)、タッチパッド、容量性ボタン、機械式ボタン、スイッチ、ダイヤル、キーボード、マウス、カメラ、バイオメトリックセンサ/スキャナ、マイクロフォンなどのうちの少なくとも1つを含む。例では、任意選択の少なくとも1つのディスプレイデバイス608は、コンピューティングデバイス600とのユーザ相互作用のために、任意選択の少なくとも1つの入力デバイス610と、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)に組み合わされる。例では、少なくとも1つの任意選択の電源612が、コンピューティングデバイス600の様々な構成要素に電力を供給するために使用される。
用語
[0128]本出願全体で使用される用語、略語、および句の簡単な定義を以下に示す。
【0120】
[0129]「判定すること」という用語は、計算すること、算出すること、生成すること、処理すること、導出すること、調査すること、検索すること(たとえば、テーブル、データベース、または別のデータ構造において検索すること)、確認することなどを含み得る。また、「判定すること」はまた、受信すること(たとえば、情報を受信すること)、アクセスすること(たとえば、メモリ内のデータへアクセスすること)などを含み得る。また、「判定すること」は、解決すること、選択すること、選ぶこと、確立することなどを含み得る。
【0121】
[0130]「~に基づく」という句は、特に明記しない限り、「~のみに基づく」を意味しない。言い換えれば、「~に基づく」という句は、「~のみに基づく」と「少なくとも~に基づく」との両方を説明する。それに加えて、「~に基づく」という句は、中間ステップを排除せず、たとえば、AはCに基づくは、BはCに基づき、AはBに基づくことを意味し得る。それに加えて、「および/または」という用語は、「および」または「または」を意味する。例では、「Aおよび/またはB」は、「A」、「B」、または「AおよびB」を意味することができる。それに加えて、「A、B、および/またはC」は、「Aのみ」、「Bのみ」、「Cのみ」、「AおよびB」、「AおよびC」、「BおよびC」、または「A、B、およびC」を意味することができる。
【0122】
[0131]「接続された」、「結合された」、および「通信的に結合された」という用語および関連する用語は、動作上の意味で使用され、必ずしも直接の物理的接続または結合に限定されない。したがって、例では、2つのデバイスは、直接、または1つまたは複数の中間媒体またはデバイスを介して結合され得る。別の例として、デバイスは、相互に物理的接続を共有せずに、情報がそれらの間で受け渡されることができるように結合され得る。本明細書で提供される開示に基づいて、当業者は、前述の定義にしたがって接続または結合が存在する様々な手法を認識するであろう。
【0123】
[0132]「典型的な実施形態において」、「例示的な実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、「いくつかの実施形態による」、「示された実施形態において」、「他の実施形態において」、「実施形態」、「例において」、「例」、「いくつかの例において」、「いくつかの例」などの句は、一般に、句に続く特定の特徴、構造、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味し、本開示の1つよりも多くの実施形態に含まれ得ることを意味する。さらに、そのような句は、必ずしも同じ実
施形態または異なる実施形態を指すとは限らない。
【0124】
[0133]明細書が、構成要素または特徴が、「含まれ得る」、「含まれる可能性がある」、「含まれる可能性があった」、または「含まれるかもしれない」、または特性を「有し得る」、「有する可能性がある」、「有する可能性があった」、または「有するかもしれない」と述べている場合、その特定の構成要素または特徴は、含まれる必要がないか、または特徴を有する必要はない。
【0125】
[0134]「応答して」という用語は、完全にまたは部分的に応答することを含む。
[0135]「モジュール」という用語は、ソフトウェア、ハードウェア、またはファームウェア(またはそれらの任意の組合せ)構成要素を広く指す。モジュールは通常、指定された入力を使用して有用なデータまたは他の出力を生成できる機能構成要素である。モジュールは、自己完結型である場合と、そうでない場合とがある。アプリケーションプログラム(「アプリケーション」とも呼ばれる)は、1つまたは複数のモジュールを含み得るか、またはモジュールは、1つまたは複数のアプリケーションプログラムを含むことができる。
【0126】
[0136]「ネットワーク」という用語は、一般に、情報を交換できる相互接続されたデバイスのグループを指す。ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)における数台のパーソナルコンピュータから、インターネット、コンピュータの世界的なネットワークまでの大きさの場合がある。本明細書で使用される場合、「ネットワーク」は、あるエンティティから別のエンティティに情報を送信できる任意のネットワークを包含することが意図される。場合によっては、ネットワークは、複数のネットワークによって、さらには、1つまたは複数の境界ネットワーク、音声ネットワーク、ブロードバンドネットワーク、金融ネットワーク、サービスプロバイダネットワーク、インターネットサービスプロバイダ(ISP)ネットワーク、および/または、公衆交換電話網(PSTN)のような、様々なネットワーク間の通信を容易にするように動作可能なゲートウェイを介して相互接続された複数の異種ネットワークによってでさえも構成され得る。
【0127】
[0137]また、例示のために、本開示の様々な実施形態は、コンピュータプログラム、物理的構成要素、および現代のコンピュータネットワーク内の論理的相互作用の文脈で本明細書で説明される。重要なことに、これらの実施形態は、最新のコンピュータネットワークおよびプログラムに関連して本開示の様々な実施形態を説明するが、本明細書で説明される方法および装置は、当業者が理解するように、他のシステム、デバイス、およびネットワークに等しく適用可能である。したがって、本開示の実施形態の例示された用途は、限定を意味するものではなく、例である。本開示の実施形態が適用可能である他のシステム、デバイス、およびネットワークは、例では、他の種別の通信およびコンピュータデバイスおよびシステムを含む。より具体的には、実施形態は、通信システム、サービス、およびセル電話ネットワークおよび互換性のあるデバイスなどのデバイスに適用可能である。それに加えて、実施形態は、パーソナルコンピュータから、大規模ネットワークのメインフレームおよびサーバまでのすべてのレベルのコンピューティングに適用可能である。
【0128】
[0138]結論として、本開示は、スマートコントラクトに基づいて投資家のグローバルレジストリを参照するスマートコントラクトベースのコンプライアンス規則を実施する証券トークンを使用するための新規のシステム、方法、および構成を提供する。本開示の1つまたは複数の実施形態の詳細な説明が上述されているが、様々な代替、修正、および均等物が、本開示の精神から変化することなく、当業者に明らかであろう。例では、上記で説明される実施形態は特定の特徴を参照するが、本開示の範囲は、特徴の異なる組合せを有する実施形態、および説明された特徴のすべてを含む訳ではない実施形態も含む。したがって、本開示の範囲は、特許請求の範囲内にあるようなすべてのそのような代替、修正、
および変形を、それらのすべての均等物とともに包含すると意図される。したがって、上記の説明は限定として見なされるべきではない。
実施形態の例
[0139]例1は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合された少なくとも1つのメモリと、少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合する少なくとも1つのネットワークインターフェースとを備えるネットワークノードを含み、ネットワークノードは、分散型台帳を実施するネットワークノードのピアツーピアネットワークにおいて通信可能に結合された複数のネットワークノード内にあるように構成され、ネットワークノードは、少なくとも1つのネットワークインターフェースを介して、少なくとも1つの遠隔に位置するコンピューティングデバイスに通信可能に結合され、少なくとも1つのプロセッサは、遠隔に位置するコンピューティングデバイスから、証券トークンを移動する要求を受信することと、証券トークンに関連付けられた複数のコンプライアンス規則を実行することであって、コンプライアンス規則のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのスマートコントラクトを使用して実施され、少なくとも1つのスマートコントラクトは、グローバルレジストリを参照する、実行することと、コンプライアンス規則の実行に基づいて証券トークンを移動することとを行うように構成される。
【0129】
[0140]例2は、例1のネットワークノードを含み、証券トークンは、外部の取引可能な資産を表す暗号トークンである。
[0141]例3は、例1~例2のいずれかのネットワークノードを含み、グローバルレジストリは、要求された移動に含まれる少なくとも1人の投資家のおのおのについて、少なくとも1つの個人識別可能情報(PII)ハッシュを含み、PIIハッシュは、分散型台帳にコミットされ、複数の投資家のそれぞれのPIIが変化した場合、各PIIハッシュが更新される。
【0130】
[0142]例4は、例1~例3のいずれかのネットワークノードを含み、グローバルレジストリは、以下の属性、すなわち、少なくとも1人の投資家のうちの少なくとも1人が、証券取引委員会(SEC)規制Aの下で適格であるか否かの表示と、少なくとも1人の投資家のうちの少なくとも1人が、SEC規制Dの下で適格であるか否かの表示と、少なくとも1人の投資家のうちの少なくとも1人が、SEC規制Sの下で適格であるか否かの表示とのうちの少なくとも1つを備える。
【0131】
[0143]例5は、例4のネットワークノードを含み、グローバルレジストリはさらに、以下の属性、すなわち、証券トークントランザクションに関連付けられた少なくとも1人の投資家に対して、マネーロンダリング防止および顧客確認(AML/KYC)チェックが実行されたか否かの表示のうちの少なくとも1つを備える。
【0132】
[0144]例6は、例5のネットワークノードを含み、グローバルレジストリはさらに、以下の属性、すなわち、少なくとも1人の投資家のうちのいずれかにフリーズが設定されたか否かの表示と、証券トークンにフリーズが設定されたか否かの表示と、証券トークントランザクションに関連付けられた保管人にフリーズが設定されたか否かの表示と、証券トークントランザクションに関連付けられた任意のブローカディーラにフリーズが設定されたか否かの表示とのうちの少なくとも1つを備える。
【0133】
[0145]例7は、例6のネットワークノードを含み、グローバルレジストリにおける投資家要素における属性を修正することによって、少なくとも1人の投資家のうちのいずれかに対するフリーズが設定または解除され、グローバルレジストリにおける証券トークン要素における属性を修正することによって、証券トークンに対するフリーズが設定または解除され、グローバルレジストリにおける保管人要素における属性を修正することによって、保管人に対するフリーズが設定または解除され、グローバルレジストリにおけるブロー
カディーラ要素における属性を修正することによって、証券トークントランザクションに関連付けられた任意のブローカディーラに対するフリーズが設定または解除される。
【0134】
[0146]例8は、例6~例7のいずれかのネットワークノードシステムを含み、グローバルレジストリは、グローバルレジストリにおける属性の1つまたは複数を格納するデータストレージスマートコントラクトを備える。
【0135】
[0147]例9は、例1~例8のいずれかのネットワークノードを含み、証券トークンは、特定の証券トークンが投資家によって所有されている時間の長さを示すテーブルを格納する。
【0136】
[0148]例10は、例1~例9のいずれかのネットワークノードを含み、証券トークンは、発信元スマートコントラクトを使用して実施される。
[0149]例11は、例1~例10のいずれかのネットワークノードを含み、証券トークンの発行の記録は、分散型台帳に記録される。
【0137】
[0150]例12は、例1~例11のいずれかのネットワークノードを含み、移動の記録は、分散型台帳にコミットされる。
[0151]例13は、自己執行型証券トークンを移動するためのコンピュータ化された方法を含み、コンピュータ化された方法は、分散型台帳を実施するネットワークノードのピアツーピアネットワークにおける複数のネットワークノード内に含まれるように構成されたネットワークノードによって実行され、ネットワークノードは、ピアツーピアネットワークにおける他のネットワークノードに通信可能に結合されるように構成され、コンピュータ化された方法は、遠隔に位置するコンピューティングデバイスから、証券トークンを移動する要求を受信することと、証券トークンに関連付けられた複数のコンプライアンス規則を実行することであって、コンプライアンス規則のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのスマートコントラクトを使用して実施され、少なくとも1つのスマートコントラクトは、グローバルレジストリを参照する、実行することと、コンプライアンス規則の実行に基づいて証券トークンを移動することとを備える。
【0138】
[0152]例14は、例13のコンピュータ化された方法を含み、証券トークンは、外部の取引可能な資産を表す暗号トークンである。
[0153]例15は、例13~例14のいずれかのコンピュータ化された方法を含み、グローバルレジストリは、要求された移動に含まれる少なくとも1人の投資家のおのおのについて少なくとも1つの個人識別可能情報(PII)ハッシュを含み、PIIハッシュは、分散型台帳にコミットされ、各PIIハッシュは、複数の投資家のそれぞれのPIIが変化した場合、更新される。
【0139】
[0154]例16は、例13~例15のいずれかのコンピュータ化された方法を含み、グローバルレジストリは、以下の属性、すなわち、少なくとも1人の投資家のうちの少なくとも1人が、証券取引委員会(SEC)規制Aの下で適格であるか否かの表示と、少なくとも1人の投資家のうちの少なくとも1人が、SEC規制Dの下で適格であるか否かの表示と、少なくとも1人の投資家のうちの少なくとも1人が、SEC規制Sの下で適格であるか否かとの表示とのうちの少なくとも1つを備える。
【0140】
[0155]例17は、例16のコンピュータ化された方法を含み、グローバルレジストリはさらに、以下の属性、すなわち、証券トークントランザクションに関連付けられた少なくとも1人の投資家に対して、マネーロンダリング防止および顧客確認(AML/KYC)チェックが実行されたか否かの表示と、特定の証券トークンが投資家によって所有されている時間の長さの表示とのうちの少なくとも1つを備える。
【0141】
[0156]例18は、例17のコンピュータ化された方法を含み、グローバルレジストリはさらに、以下の属性、すなわち、少なくとも1人の投資家のうちのいずれかにフリーズが設定されたか否かの表示と、証券トークンにフリーズが設定されたか否かの表示と、証券トークントランザクションに関連付けられた保管人にフリーズが設定されたか否かの表示と、証券トークントランザクションに関連付けられた任意のブローカディーラにフリーズが設定されたか否かの表示とのうちの少なくとも1つを備える。
【0142】
[0157]例19は、例18のコンピュータ化された方法を含み、グローバルレジストリにおける投資家要素における属性を修正することによって、少なくとも1人の投資家のうちのいずれかに対するフリーズが設定または解除され、グローバルレジストリにおける証券トークン要素における属性を修正することによって、証券トークンに対するフリーズが設定または解除され、グローバルレジストリにおける保管人要素における属性を修正することによって、保管人に対するフリーズが設定または解除され、グローバルレジストリにおけるブローカディーラ要素における属性を修正することによって、証券トークントランザクションに関連付けられた任意のブローカディーラに対するフリーズが設定または解除される。
【0143】
[0158]例20は、例18~例19のいずれかのコンピュータ化された方法を含み、グローバルレジストリは、グローバルレジストリに1つまたは複数の属性を格納するデータストレージスマートコントラクトを備える。
【0144】
[0159]例21は、例13~例20のいずれかのコンピュータ化された方法を含み、証券トークンは、特定の証券トークンが投資家によって所有されている時間の長さを示すテーブルを格納する。
【0145】
[0160]例22は、例13~例21のいずれかのコンピュータ化された方法を含み、証券トークンは、発信元スマートコントラクトを使用して実施される。
[0161]例23は、例13~例22のいずれかのコンピュータ化された方法を含み、証券トークンの発行の記録が、分散型台帳に記録される。
【0146】
[0162]例24は、例13~例23のいずれかのコンピュータ化された方法を含み、移動の記録は、分散型台帳にコミットされる。
[0163]例25は、分散型台帳を実施するネットワークノードのピアツーピアネットワークにおいて通信可能に結合された複数のネットワークノードを備えるシステムを含み、各ネットワークノードは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合された少なくとも1つのメモリとを備え、少なくとも1つのプロセッサは、遠隔に位置するコンピューティングデバイスから、スマートコントラクトベースの証券トークンを移動する要求を受信し、証券トークンに関連付けられた複数のスマートコントラクトベースのコンプライアンス規則を実行し、コンプライアンス規則の実行に基づいて証券トークンを移動するように構成され、移動は、証券トークンにおける残高表を更新することを備え、証券トークンは、分散型台帳に格納され、証券トークンは、外部の取引可能な資産を表す暗号トークンであり、証券トークンは、証券トークンに関連付けられた複数のスマートコントラクトベースのコンプライアンス規則を参照し、スマートコントラクトベースのコンプライアンス規則のうちの少なくとも1つは、スマートコントラクトベースのグローバルレジストリを参照し、スマートコントラクトベースのグローバルレジストリは、少なくとも1人の投資家のおのおののための少なくとも1つの個人識別可能情報(PII)ハッシュと、少なくとも1人の投資家のうちの少なくとも1人が、証券取引委員会(SEC)の規制A、規制S、および規制Dの下で適格であるか否かの表示と、マネーロンダリング防止および顧客確認(AML/KYC)チェックが、証券トークントランザ
クションに関連付けられたブローカディーラによって実行されたか否かの表示とを備える。
【0147】
[0164]例26は、例25のシステムを含み、グローバルレジストリはさらに、以下の属性、すなわち、少なくとも1人の投資家のうちのいずれかに、フリーズが設定されたか否かの表示と、証券トークンにフリーズが設定されたか否かの表示と、証券トークントランザクションに関連付けられた保管人にフリーズが設定されたか否かの表示と、証券トークントランザクションに関連付けられた任意のブローカディーラに、フリーズが設定されたか否かの表示とのうちの少なくとも1つを備える。
【0148】
[0165]例27は、例26のシステムを含み、グローバルレジストリにおける投資家要素における属性を修正することによって、少なくとも1人の投資家のうちのいずれかに対するフリーズが設定または解除され、グローバルレジストリにおける証券トークン要素における属性を修正することによって、証券トークンに対するフリーズが設定または解除され、グローバルレジストリにおける保管人要素における属性を修正することによって、保管人に対するフリーズが設定または解除され、グローバルレジストリにおけるブローカディーラ要素における属性を修正することによって、証券トークントランザクションに関連付けられた任意のブローカディーラに対するフリーズが設定または解除される。
【0149】
[0166]例21は、例25~例27のいずれかのシステムを含み、証券トークンは、特定の証券トークンが特定の投資家によって所有されている時間の長さを示すテーブルを格納する。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークノードであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合された少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合する少なくとも1つのネットワークインターフェースとを備え、
前記ネットワークノードは、分散型台帳を実施するネットワークノードのピアツーピアネットワークにおいて通信可能に結合された複数のネットワークノード内にあるように構成され、
前記ネットワークノードは、前記少なくとも1つのネットワークインターフェースを介して、少なくとも1つの遠隔に位置するコンピューティングデバイスに通信可能に結合されるよう構成され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
遠隔に位置するコンピューティングデバイスから、証券トークンを移動する要求を受信するステップと、
前記証券トークンに関連付けられた複数のコンプライアンス規則を実行するステップであって、前記複数のコンプライアンス規則のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのスマートコントラクトを使用して実施され、前記少なくとも1つのスマートコントラクトは、グローバルレジストリを参照する、実行するステップと、
前記複数のコンプライアンス規則の実行に基づいて前記証券トークンを移動するステップとを実行するように構成され、
前記グローバルレジストリに対するデータ許可は、投資家、ブローカディーラ、および保管人の階層により定義され、
前記投資家の上の前記階層にあるブローカディーラ又は保管人によってのみ投資家にフリーズを設定することができる、ネットワークノード。
【請求項2】
前記証券トークンは、外部の取引可能な資産を表す暗号トークンである、請求項1に記載のネットワークノード。
【請求項3】
前記グローバルレジストリは、前記証券トークンの移動に関連付けられた前記少なくとも1人の投資家のおのおのについて、少なくとも1つの個人識別可能情報(PII)ハッシュを含み、前記少なくとも1人の投資家の各々についての前記少なくとも1つのPIIハッシュは、前記分散型台帳にコミットされ、前記少なくとも1人の投資家の各々についての前記少なくとも1つの各PIIハッシュは、前記少なくとも1人の投資家のそれぞれのPIIが変化した場合、更新される、請求項1または2に記載のネットワークノード。
【請求項4】
前記グローバルレジストリは、規制の遵守についての情報をさらに示す、請求項1から3のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項5】
前記グローバルレジストリは、
前記証券トークンの移動に関連付けられた前記少なくとも1人の投資家に対して、マネーロンダリング防止および顧客確認(AML/KYC))チェックが実行されたか否か
の少なくとも1つの表示を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項6】
前記グローバルレジストリは、
前記少なくとも1人の投資家のうちのいずれかにフリーズが設定されたか否かと、
前記証券トークンにフリーズが設定されたか否かと、
前記証券トークンの移動に関連付けられた保管人にフリーズが設定されたか否かと、
前記証券トークンの移動に関連付けられた任意のブローカディーラにフリーズが設定されたか否かと、の少なくとも1つの表示を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項7】
前記グローバルレジストリにおける投資家要素における属性を修正することによって、前記少なくとも1人の投資家のうちのいずれかに対するフリーズが設定または解除され、
前記グローバルレジストリにおける証券トークン要素における属性を修正することによって、前記証券トークンに対するフリーズが設定または解除され、
前記グローバルレジストリにおける保管人要素における属性を修正することによって、前記保管人に対するフリーズが設定または解除され、
前記グローバルレジストリにおけるブローカディーラ要素における属性を修正することによって、前記証券トークンの移動に関連付けられた任意のブローカディーラに対するフリーズが設定または解除される、請求項6に記載のネットワークノード。
【請求項8】
前記グローバルレジストリは、前記グローバルレジストリに、前記少なくとも1つの表示を格納するデータストレージスマートコントラクトを備える、請求項4から7のいずれか1項に記載のネットワークノード。
【請求項9】
前記証券トークンは、特定の証券トークンが特定の投資家によって所有されている時間の長さを示すテーブルを格納する、請求項1から8のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項10】
前記証券トークンの移動は、発信元スマートコントラクトを使用して実施される、請求項1から9のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項11】
前記証券トークンの発行の記録は、前記分散型台帳に記録される、請求項1から10のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項12】
前記証券トークンの移動の記録は、前記分散型台帳にコミットされる、請求項1から11のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項13】
前記グローバルレジストリは、
前記証券トークンの提供が証券取引委員会(SEC)規則Aの下で適格であるか否かと、
前記証券トークンの移動に関連づけられた少なくとも1人の投資家がSEC規則Dの下で適格であるか否かと、
前記証券トークンの提供がSEC規則Sの下で適格であるか否か
のうち少なくとも1つの表示を含む、請求項1に記載のネットワークノード。
【請求項14】
自己執行型証券トークンを移動するためのコンピュータ化された方法であって、前記コンピュータ化された方法は、分散型台帳を実施するネットワークノードのピアツーピアネットワークにおける複数のネットワークノード内に含まれるように構成されたネットワークノードによって実行され、前記ネットワークノードは、前記ピアツーピアネットワークにおける他のネットワークノードに通信可能に結合されるように構成され、前記コンピュータ化された方法は、
遠隔に位置するコンピューティングデバイスから、証券トークンを移動する要求を受信するステップと、
前記証券トークンに関連付けられた複数のコンプライアンス規則を実行するステップであって、前記複数のコンプライアンス規則のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのスマートコントラクトを使用して実施され、少なくとも1つのスマートコントラクトは、グローバルレジストリを参照する、実行するステップと、
前記複数のコンプライアンス規則の実行に基づいて前記証券トークンを移動するステップとを備え、
前記グローバルレジストリに対するデータ許可は、投資家、ブローカディーラ、および保管人の階層により定義され、
前記投資家の上の前記階層にあるブローカディーラ又は保管人によってのみ投資家にフリーズを設定することができる、
コンピュータ化された方法。
【請求項15】
前記証券トークンは、外部の取引可能な資産を表す暗号トークンである、請求項14に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項16】
前記グローバルレジストリは、前記証券トークンの移動に関連付けられた前記少なくとも1人の投資家のおのおのについて、少なくとも1つの個人識別可能情報(PII)ハッシュを含み、前記少なくとも1人の投資家の各々についての前記少なくとも1つのPIIハッシュは、前記分散型台帳にコミットされ、前記少なくとも1人の投資家の各々についての前記少なくとも1つの各PIIハッシュは、前記少なくとも1人の投資家のそれぞれのPIIが変化した場合、更新される、請求項14または15に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項17】
前記グローバルレジストリは、規制の遵守についての情報をさらに示す、請求項14から16のいずれか一項に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項18】
前記グローバルレジストリは、
前記証券トークンの移動に関連付けられた少なくとも1人の投資家に対して、マネーロンダリング防止および顧客確認(AML/KYC))チェックが実行されたか否か
の少なくとも1つの表示をさらに含む、請求項14から17のいずれか一項に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項19】
前記グローバルレジストリは、
前記少なくとも1人の投資家のうちのいずれかにフリーズが設定されたか否かと、
前記証券トークンにフリーズが設定されたか否かと、
前記証券トークンの移動に関連付けられた保管人にフリーズが設定されたか否かと、
前記証券トークンの移動に関連付けられた任意のブローカディーラにフリーズが設定されたか否かと、の少なくとも1つの表示を備える、請求項14から18のいずれか一項に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項20】
前記グローバルレジストリにおける投資家要素における属性を修正することによって、前記少なくとも1人の投資家のうちのいずれかに対するフリーズが設定または解除され、
前記グローバルレジストリにおける証券トークン要素における属性を修正することによって、前記証券トークンに対するフリーズが設定または解除され、
前記グローバルレジストリにおける保管人要素における属性を修正することによって、前記保管人に対するフリーズが設定または解除され、
前記グローバルレジストリにおけるブローカディーラ要素における属性を修正することによって、前記証券トークンの移動に関連付けられた任意のブローカディーラに対するフリーズが設定または解除される、請求項19に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項21】
前記グローバルレジストリは、前記グローバルレジストリに、前記少なくとも1つの表示を格納するデータストレージスマートコントラクトを備える、請求項17から20のいずれか1項に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項22】
前記証券トークンは、特定の証券トークンが特定の投資家によって所有されている時間の長さを示すテーブルを格納する、請求項14から21のいずれか一項に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項23】
前記証券トークンの移動は、発信元スマートコントラクトを使用して実施される、請求項14から22のいずれか一項に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項24】
前記証券トークンの発行の記録は、前記分散型台帳に記録される、請求項14から23のいずれか一項に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項25】
前記証券トークンの移動の記録は、前記分散型台帳にコミットされる、請求項14から24のいずれか一項に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項26】
前記グローバルレジストリは、
前記証券トークンの提供が証券取引委員会(SEC)規則Aの下で適格であるか否かと、
前記証券トークンの移動に関連づけられた少なくとも1人の投資家がSEC規則Dの下で適格であるか否かと、
前記証券トークンの提供がSEC規則Sの下で適格であるか否か
のうち少なくとも1つの表示を含む、請求項14に記載のコンピュータ化された方法。
【外国語明細書】