IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ホーチキ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-防災システム 図1
  • 特開-防災システム 図2
  • 特開-防災システム 図3
  • 特開-防災システム 図4
  • 特開-防災システム 図5
  • 特開-防災システム 図6
  • 特開-防災システム 図7
  • 特開-防災システム 図8
  • 特開-防災システム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169799
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】防災システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20221101BHJP
   G08B 29/06 20060101ALI20221101BHJP
   G08B 23/00 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
G08B17/00 L
G08B17/00 D
G08B29/06
G08B23/00 510D
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139891
(22)【出願日】2022-09-02
(62)【分割の表示】P 2020133284の分割
【原出願日】2016-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
(74)【代理人】
【識別番号】100228669
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 愛規
(72)【発明者】
【氏名】羽鳥 みのり
(72)【発明者】
【氏名】杉山 泰周
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健太
(57)【要約】      (修正有)
【課題】防災監視エリアで発生した異常以外の電流値異常、回線障害等の信号回線の状態の情報を含めて簡単且つ容易に把握可能とする防災システムを提供する。
【解決手段】少なくとも防災監視エリアで発生する異常を監視すると共に信号回線に生じた異常する制御部を備える防災システムであって、防災受信盤10は、筐体60に、測定された電流値の測定結果を表示する表示部であるサブモニタ装置46と、防災監視エリアで発生した異常及び前記信号回線に生じた異常に関する所定の情報を表示する第2表示部であるメインモニタ装置44と、が設けられる。サブモニタ装置46とメインモニタ装置44は、両者が同時には視認されない場合が存在する相互の位置関係となるように配置されるか又はメインモニタ装置44が視認されない位置からもサブモニタ装置46が視認可能となる場合が存在する位置に配置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも防災監視エリアに対応して配置された端末機器から信号回線を介して送信される所定の信号に基づいて前記防災監視エリアで発生する異常を監視すると共に前記信号回線に流れる電流値に基づいて前記信号回線に生じた異常を監視する制御部を備えた防災システムに於いて、
前記制御部によって制御されて前記信号回線の状態を監視するために測定された電流値の測定結果を表示する表示部と、前記表示部と共通の筐体に設けられ、前記制御部によって制御されて前記防災監視エリアで発生した異常及び前記信号回線に生じた異常に関する所定の情報を表示する第2表示部と、を有し、
前記表示部と前記第2表示部とは、両者が同時には視認されない場合が存在する相互の位置関係となるように配置されたことを特徴とする防災システム。
【請求項2】
少なくとも防災監視エリアに対応して配置された端末機器から信号回線を介して送信される所定の信号に基づいて前記防災監視エリアで発生する異常を監視すると共に前記信号回線に流れる電流値に基づいて前記信号回線に生じた異常を監視する制御部を備えた防災システムに於いて、
前記制御部によって制御されて前記信号回線の状態を監視するために測定された電流値の測定結果を表示する表示部と、前記表示部と共通の筐体に設けられ、前記制御部によって制御されて前記防災監視エリアで発生した異常及び前記信号回線に生じた異常に関する所定の情報を表示する第2表示部と、を有し、
前記表示部は、前記第2表示部が視認されない位置からも視認可能となる場合が存在する位置に配置されたことを特徴とする防災システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の防災システムであって、
前記表示部及び前記第2表示部を備える筐体に、当該筐体の前方回りに回動することにより開閉可能な扉を設け、
前記第2表示部は、前記扉の閉鎖時に前記筐体の前方から視認される位置に配置され、
前記表示部は、前記扉の閉鎖時において前記扉の裏面側である前記筐体内部の、前記扉の開放時に前記第2表示部が視認されない位置から視認される場合が存在する位置に配置されたことを特徴とする防災システム。
【請求項4】
請求項1乃至3何れに記載の防災システムであって、
前記表示部及び前記第2表示部を備える筐体は、前記制御部が設けられたことを特徴とする防災システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災監視エリアに設置した通報装置や検知器等の端末機器を防災受信盤に接続して防災監視エリアの異常を監視する防災システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車専用道路等のトンネルには、トンネル内で発生する火災事故から人身及び車両を守るため、非常用施設が設置されている。
【0003】
このような非常用施設としては、火災の監視と通報のため火災検知器、手動通報装置、非常電話が設けられ、また火災の消火や延焼防止のために消火栓装置が設けられ、更にトンネル躯体やダクト内を火災から防護するために水噴霧ヘッドから消火用水を散水させる水噴霧などが設置され、これらの非常用施設の端末機器を監視制御する防災受信盤を設けることで、トンネル防災システムを構築している。
【0004】
防災受信盤と端末機器で構成するトンネル防災システムは、R型伝送方式とP型直送方式に大別される。R型伝送方式は、伝送回線にアドレスを設定した火災検知器等の端末機器を接続し、伝送制御により端末機器単位に検知と制御を行う個別管理を可能とする。P型直送方式は、端末機器の種別に応じて所定の区画単位に分け、区画単位に引き出した信号回線に同一区画に属する複数の端末機器を接続し、信号回線単位に検知と制御を行う。
【0005】
ところで、P型直送方式のトンネル防災システムにあっては、手動通報装置、消火栓起動装置、ダクト温度検知器等の端末機器は、操作又は検知による信号出力部を無電圧a接点スイッチとして構成し、防災受信盤から引き出された信号回線に無電圧a接点スイッチ接続している。無電圧a接点スイッチは通常監視状態でオフしており、操作や検知動作によりオンして無電圧接点信号を出力する。
【0006】
具体的には、防災受信盤側から信号回線の一方にプルアップ抵抗を介して電源電圧を印加しており、無電圧a接点スイッチがオフした定常監視状態では、信号回線に消費電流は殆ど流れず、防災受信盤から見た信号回線間の電源電圧は略電源電圧に保たれている。無電圧a接点スイッチがオンすると信号回線に電流が流れ、防災受信盤から見た信号回線間の電圧は略零ボルトに低下し、防災受信盤は信号回線の消費電流の増加又は信号回線間の電圧低下を検出して端末機器の操作又は検知を示す受信信号を制御部に出力する。
【0007】
例えば手動通報装置からの火災通報信号であれば、防災受信盤は、火災表示、端末側の応答ランプの点灯制御、手動通報区画表示、消火ポンプ起動信号の出力といった制御動作を行うと共に、遠方監視制御設備、テレビ監視設備、可変式道路情報板設備、トンネル換気設備、照明設備等の外部設備に火災通報信号を送信して所定の対処制御を行わせるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002-246962号公報
【特許文献2】特開平11-128381号公報
【特許文献3】特開2006-106835号公報
【特許文献4】特開2014-157435号公報
【特許文献5】特開2001-143179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような従来のP型直送方式のトンネル防災システムにあっては、端末機器を接続している信号回線(外線ケーブル)の経年劣化等により絶縁低下が進み、端末機器を接続している信号回線に通常監視状態で想定される以上の電流が流れ、防災受信盤は端末機器の操作又は検知動作による信号受信と判断して警報動作を行うと共に、遠方監視制御設備、テレビ監視設備、可変式道路情報板設備、トンネル換気設備、照明設備等の他設備を連動し、トンネルを通行止めにすることが度々生じている。
【0010】
ところで、防災受信盤で火災信号を受信して火災警報が出力された場合や、信号回線の障害が検出されて障害警報が出力された場合には、その後の調査作業の段階で、火災信号が受信された火災回線や障害が検出された障害回線について、電流監視装置で測定された測定履歴を表示させ、火災回線や障害回線がどのような状態にあったかを調べる場合がある。
【0011】
電流検出装置は例えば1日1回というように信号回線の電流を定期的に測定して測定履歴として記憶しているが、測定した電流値が所定の閾値範囲を外れた電流値異常が判定される以外に、防災受信盤の監視制御により信号回線の断線等の回線障害や定期点検等による端末機器の動作試験が行われており、測定履歴の中に回線障害や回線試験中といった情報を含めて記憶することが、履歴情報を読み出して火災回線や障害回線がどのような状態にあったかを調べることが有効である。
【0012】
しかしながら、測定履歴に回線障害や回線試験中といった付帯情報を含めた場合、定周期測定された膨大なデータ量となる測定履歴を画面表示して見分けるには手間と時間がかかる。
【0013】
また、従来は防災受信盤に対し電流監視装置を別の筐体に設けているため、防災受信盤から火災情報や障害情報等を電流測定装置に送って測定履歴と共に記憶させる伝送機能と処理機能が必要となり、設備構成と処理が複雑になる問題もある。
【0014】
本発明は、防災監視エリアで発生した異常以外の電流値異常、回線障害等の信号回線の状態の情報を含めて簡単且つ容易に把握可能とする防災システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(防災システム1)
本発明は、少なくとも防災監視エリアに対応して配置された端末機器から信号回線を介して送信される所定の信号に基づいて防災監視エリアで発生する異常を監視すると共に信号回線に流れる電流値に基づいて信号回線に生じた異常を監視する制御部を備えた防災システムに於いて、
制御部によって制御されて信号回線の状態を監視するために測定された電流値の測定結果を表示する表示部と、表示部と共通の筐体に設けられ、制御部によって制御されて防災監視エリアで発生した異常及び信号回線に生じた異常に関する所定の情報を表示する第2表示部と、を有し、
表示部と第2表示部とは、両者が同時には視認されない場合が存在する相互の位置関係となるように配置されたことを特徴とする。
【0016】
(防災システム2)
本発明は、少なくとも防災監視エリアに対応して配置された端末機器から信号回線を介して送信される所定の信号に基づいて防災監視エリアで発生する異常を監視すると共に信号回線に流れる電流値に基づいて信号回線に生じた異常を監視する制御部を備えた防災システムに於いて、
制御部によって制御されて信号回線の状態を監視するために測定された電流値の測定結果を表示する表示部と、表示部と共通の筐体に設けられ、制御部によって制御されて防災監視エリアで発生した異常及び信号回線に生じた異常に関する所定の情報を表示する第2表示部と、を有し、
表示部は、第2表示部が視認されない位置からも視認可能となる場合が存在する位置に配置されたことを特徴とする。
【0017】
(表示部及び第2表示部の配置)
また、表示部及び第2表示部を備える筐体に、当該筐体の前方回りに回動することにより開閉可能な扉を設け、
第2表示部は、扉の閉鎖時に筐体の前方から視認されるように配置され、
表示部は、扉の閉鎖時において扉の裏面側である筐体内部に、扉の開放時に第2表示部が視認されない位置から視認されるように配置される。
【0018】
(防災受信盤の筐体)
表示部及び第2表示部を備える筐体は、制御部が設けられる。
【発明の効果】
【0019】
(基本的な効果)
本発明は、少なくとも防災監視エリアに対応して配置された端末機器から信号回線を介して送信される所定の信号に基づいて防災監視エリアで発生する異常を監視すると共に信号回線に流れる電流値に基づいて信号回線に生じた異常を監視する制御部を備えた防災システムに於いて、制御部によって制御されて信号回線の状態を監視するために測定された電流値の測定結果を表示する表示部と、表示部と共通の筐体に設けられ、制御部によって制御されて防災監視エリアで発生した異常及び信号回線に生じた異常に関する所定の情報を表示する第2表示部と、を有し、表示部は、第2表示部と同時に視認されない位置に配置されるか、第2表示部が視認されない位置からも視認可能に配置され、より具体的には、表示部及び第2表示部を備える、例えば防災受信盤の筐体に、当該筐体の前方回りに回動することにより開閉可能な扉を設け、第2表示部は、扉の閉鎖時に筐体の前方から視認されるように配置され、表示部は、扉の閉鎖時において扉の裏面側である筐体内部に、扉の開放時に第2表示部が視認されない位置から視認されるように配置されるため、必要とする情報に合わせて見る表示部を選択して必要な対処を可能とする。また、表示部は第2表示部と同時に視認されない位置に配置されるか、第2表示部が視認されない位置からも視認可能に配置されるため、一つの表示部だけを確認できる位置が存在することで、確認したい表示部の表示のみを確認することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】トンネル防災システムの概要を示した説明図
図2】防災受信盤の外観を示した説明図
図3】防災受信盤のパネル扉を開いてサブモニタ装置を見える状態を示した説明図
図4】トンネル防災システムの機能構成の概略を示したブロック図
図5】自動測定に使用されるサブモニタ装置の自動測定画面とメインモニタ装置の自動測定画面を示した説明図
図6】手動測定に使用されるサブモニタ装置の手動測定画面とメインモニタ装置の手動測定画面を示した説明図
図7】サブモニタ装置に表示された測定記録画面とメインモニタ装置に表示された測定記録画面を示した説明図
図8】サブモニタ装置に2ページ目が表示された測定記録画面とメインモニタ装置に2ページ目が表示された測定記録画面を示した説明図
図9】サブモニタ装置に表示された異常履歴画面とメインモニタ装置に表示された異常履歴画面を示した説明図
【発明を実施するための形態】
【0021】
[トンネル防災システムの概要]
図1はトンネル防災システムの概要を示した説明図である。図1に示すように、自動車専用道路のトンネルとして、上り線トンネル1aと下り線トンネル1bが構築され、上り線トンネル1aと下り線トンネル1bは避難連絡坑2でつながっている。
【0022】
上り線トンネル1aと下り線トンネル1bの内部には、トンネル長手方向の監視員通路の壁面に沿って例えば50メートル間隔で消火栓装置18が設置されている。
【0023】
消火栓装置18は消火栓扉内にノズル付きホースを収納しており、火災時には消火栓扉を開いてノズル付きホースを引き出し、消火栓弁開閉レバーを開操作すると消火用水が放水され、また、消火栓弁開閉検出スイッチ14がオンして消火ポンプを起動させる。
【0024】
また、消火栓装置18には通報装置扉を設けており、通報装置扉には手動通報装置(発信機)16が設けられている。このように消火栓装置18には、消火栓弁開閉検出スイッチ14、及び手動通報装置16が端末機器として設けられており、それぞれ接点手段として機能する無電圧a接点スイッチのオンにより、消火栓検出信号又はポンプ起動信号及び火災通報信号が出力される。
【0025】
なお、消火栓装置18には消防隊が使用するポンプ起動スイッチが設けられているが、消火栓弁開閉検出スイッチ14と同じポンプ起動信号を出力するシステム的には同一のスイッチであることから、以下、消火栓弁開閉検出スイッチ(ポンプ起動スイッチを含む)14として説明する。また、手動通報装置16は、消火栓装置18以外に、非常電話ボックス内にも設置しているが、以下の説明では、消火栓装置18に設けた手動通報装置を代表として説明する。
【0026】
トンネル非常設備として、消火栓装置18以外に、火災検知器、自動弁装置、ダクト内温度検知器等が設けられているが、図示を省略している。
【0027】
火災検知器はトンネル長手方向の壁面に沿って例えば25メートル又は50メートル間隔で設置され、左右25メートル又は50メートルとなる両側に監視エリアを設定し、火災による炎を検出して火災発報する。
【0028】
自動弁装置は水噴霧設備を構成しており、作動用電動弁の遠隔開制御により主弁を開駆動し、トンネル壁面の上部の長手方向に設置した複数の水噴霧ヘッドから消火用水を放水してトンネル躯体を火災から防護する。
【0029】
ダクト内温度検知器は、トンネル長手方向の監視員通路の内部の配管やケーブルを敷設したダクトに配置されており、ケーブル火災等によるダクト内の温度上昇を検出し、接点手段として機能する無電圧a接点スイッチのオンにより温度検知信号を出力する。
【0030】
上り線トンネル1a及び下り線トンネル1bの監視センター等には防災受信盤10が設置されている。防災受信盤10には、上り線トンネル1a及び下り線トンネル1bの防災監視機能に加え、端末機器を接続したP型の信号回線の電流を監視する電流監視機能が設けられている。
【0031】
防災受信盤10からは上り線トンネル1aと下り線トンネル1bの内に、トンネル長手方向に分割した所定の区画毎にP型の信号回線12-1~12-nが引き出され、区画単位に設けられた複数の消火栓弁開閉検出スイッチ14及び手動通報装置16が接続されている。
【0032】
なお、ダクト内に設置されたダクト内温度検出器に対しても、同様にP型の信号回線が区画単位に引き出され、区画単位に設けられた複数のダクト内温度検知器が接続されているが、図示を省略している。また、信号回線12-1~12-nは、区別する必要がない場合は、信号回線12という場合がある。
【0033】
P型の信号回線12は信号線とコモン線で構成され、消火栓装置18の消火栓弁開閉検出スイッチ14、手動通報装置16及びダクト内温度検知器の各々に設けた無電圧a接点スイッチを接続した場合は、それぞれの操作又は検知動作により無電圧a接点スイッチをオンして回線電流を流すことで、ポンプ起動信号、火災通報信号、温度検知信号を防災受信盤10に送るようにしている。
【0034】
またトンネルの非常用施設としては、消火栓装置18、火災検知器及び自動弁装置以外に、消火ポンプ設備20、ダクト用の冷却ポンプ設備22、IG子局設備24、換気設備28、警報表示板設備30、ラジオ再放送設備32、テレビ監視設備34及び照明設備36等が設けられており、IG子局設備24をデータ伝送回線で接続する点を除き、それ以外の設備はP型信号回線により防災受信盤10に個別に接続されている。ここで、IG子局設備24は、防災受信盤10と外部に設けた上位設備である遠方監視制御設備26とをネットワーク25を経由して結ぶ通信設備である。
【0035】
換気設備28は、トンネル内の天井側に設置しているジェットファンの運転による高い吹き出し風速によってトンネル内の空気にエネルギーを与えて、トンネル長手方向に空気の流れを起こす設備である。
【0036】
また、警報表示板設備30は、トンネル内の利用者に対して、トンネル内の異常を、電光表示板に表示して知らせる設備である。ラジオ再放送設備32は、トンネル内で運転者等が道路管理者からの情報を受信できるようにするための設備である。テレビ監視設備34は、火災の規模や位置を確認したり、水噴霧設備の作動、避難誘導を行う場合のトンネル内の状況を把握するための設備である。照明設備36はトンネル内の照明機器を駆動して管理する設備である。
【0037】
[防災受信盤のモニタ装置]
図2は防災受信盤の外観を示した説明図であり、図2(A)に正面を示し、図2(B)に側面を示す。図3は防災受信盤のパネル扉を開いてサブモニタ装置を見える状態を示した説明図である。
【0038】
図2に示すように、防災受信盤10は、前後に開放された箱形の筐体60の前面に、ハンドル操作により開閉自在なパネル扉62が設けられ、また、筐体60の裏面にも、バンドル操作により開閉自在な裏扉63が設けられている。
【0039】
パネル扉62の表側にはタッチパネル付きの液晶ディスプレイを用いたメインモニタ装置44が設置され、その下に、操作表示部64が配置されている。メインモニタ装置44の画面には、トンネル防災監視に関する所定の情報が表示される。
【0040】
図3に示すように、防災受信盤10のパネル扉62を開くと、筐体60内に支持枠68に配置されているサブモニタ装置46が現れ、サブモニタ装置46の画面に信号回線の電流値測定結果や判定結果を表示させることができる。
【0041】
[防災受信盤の構成]
図4はトンネル防災システムの機能構成の概略を示したブロック図である。図4に示すように、防災受信盤10は制御部40を備え、制御部40は例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、AD変換ポートを含む各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0042】
制御部40に対しては、トンネル内に設置した各種の端末機器をP型の信号回線12により接続したP型伝送部42が設けられ、また、制御部40に対しメインモニタ装置44、サブモニタ装置46、スピーカ、ブザー、警報表示灯等を備えた警報部48、各種表示灯を備えた表示部50、各種スイッチを備えた操作部52を設け、更に、IG子局設備24、換気設備28、警報表示板設備30、ラジオ再放送設備32、テレビ監視設備34、照明設備36、消火ポンプ設備20及び冷却ポンプ設備22をP型の信号回線により個別に接続したP型伝送部54が設けられている。
【0043】
制御部40にはプログラムの実行により実現される機能として、監視制御部56と電流監視部58の機能が設けられている。
【0044】
(監視制御部)
監視制御部56はトンネル内に設置した消火栓装置18に設けられた消火栓弁開閉検出スイッチ14と手動通報装置16、火災検知器、ダクト内温度検知器、及び自動弁装置等の端末機器からの検知信号や操作信号に基づき、所定の監視制御を行う。
【0045】
また、監視制御部56は、例えば消火栓装置18に設けた手動通報装置16の操作による火災通報信号(火災信号)を受信した場合、警報部48により主音響鳴動を行うと共に表示部50に火災代表表示を行い、更に、メインモニタ装置44の画面に火災表示と手動通報区画表示を行い、また消火栓装置18に応答信号を送信して応答ランプを点灯する。
【0046】
また、監視制御部56は、消火栓装置18に設けられた消火栓弁開閉レバーの開操作により消火栓弁開閉検出スイッチ14のオンで出力された消火栓起動信号を受信した場合、消火ポンプ設備20にポンプ起動信号を送信して起動させる制御を行う。
【0047】
更に、監視制御部56は他設備に対する制御として、IG子局設備24を介して遠方監視制御設備26に火災通報信号を送信して警報させる制御、テレビ監視設備34により手動通報区画を表示する制御、警報表示板設備30により手動通報区画の火災通報を表示する制御、換気設備28により手動通報区画を換気する制御、照明設備36により手動通報区画を照明する制御等を行う。
【0048】
また、監視制御部56は、ダクト内温度が上昇してダクト内温度検知器から温度検知信号を受信した場合、冷却ポンプ設備22にポンプ起動信号を出力し、ダクト内に設置したヘッドから散水してダクト内を冷却する制御を行う。
【0049】
また、監視制御部56は、信号回線12の断線障害を監視しており、断線障害を検出すると、警報部48により障害音響鳴動を行うと共に表示部50に障害代表表示を行い、メインモニタ装置44の画面に障害表示と障害地区表示を行い、更に、障害内容と回線番号を含む回線障害情報を電流監視部58に通知する制御を行う。
【0050】
監視制御部56による信号回線12の断線障害の監視は、信号回線12の終端に終端抵抗を接続して断線監視電流を流しており、断線監視電流が断たれた場合に断線障害を検出する。
【0051】
また、監視制御部56は、定期点検等により、信号回線12に接続された端末機器の動作試験を行った場合、動作試験の結果をメインモニタ装置44に画面表示すると共に、試験中を示す情報と回線番号を含む回線試験中情報を電流監視部58に通知する制御を行う。
【0052】
(電流監視部)
電流監視部58は、消火栓弁開閉検出スイッチ14及び手動通報装置16を含む無電圧a接点スイッチを備えた端末機器を接続した信号回線12の電流値を測定し、測定した電流値が所定の上限値と下限値で決まる閾値範囲を外れた場合に電流値異常を判定し、測定結果を測定履歴として着脱自在なメモリカードを用いたメモリに記憶する制御を行う。電流監視部58による信号回線12の電流値の測定は、例えば、信号回線12に挿入した電流検出抵抗の検出電圧をAD変換して読み込み、ノイズの影響を除去するため、所定時間測定した電流値の平均値を求める。
【0053】
ここで、電流監視部58による電流値測定には、定周期測定、自動測定、手動測定がある。
【0054】
電流監視部58の定周期測定は、所定周期毎、例えば1日1回の周期で全ての信号回線12の電流値を順次測定し、測定した電流値が所定の閾値範囲を外れた場合に電流値異常を判定し、更に、監視制御部56から通知された回線障害情報及び回線試験中情報を含めた測定履歴を生成してメモリに記憶させる制御を行う。
【0055】
また、電流監視部58は、サブモニタ装置46に測定履歴を表示する場合に、各信号回線の測定履歴を、電流異常値、回線障害情報又は回線試験中情報に対応した色分けにより表示し、更に、メインモニタ装置44に測定履歴を表示する場合にも、サブモニタ装置46と同じ色分けにより履歴情報を表示させる制御を行う。
【0056】
電流監視部58による電流値の自動測定は、サブモニタ装置46による自動測定操作を検出した場合に、測定対象に選択したトンネルに設置された端末機器の信号回線に流れる電流値を順次測定し、測定された信号回線毎の測定電流値、測定電流値が所定の閾値範囲を外れた場合の電流値異常を含む測定結果を、電流異常値、回線障害情報又は回線試験中回情報に対応して色分けしてサブモニタ装置46に表示し、メインモニタ装置44に自動測定結果を表示する場合にも、サブモニタ装置46と同じに色分けした測定結果をメインモニタ装置44に表示させる制御を行う。
【0057】
電流監視部58による電流値の手動測定は、サブモニタ装置46による信号回線の選択を含む手動測定操作を検出した場合に、選択された信号回線に流れる電流値を測定し、測定した電流値が所定の閾値範囲を外れた場合に電流値異常を判定し、この手動測定による測定結果を、電流異常値、回線障害情報又は回線試験中情報に対応して色分けしてサブモニタ装置46に表示し、メインモニタ装置に手動測定結果を表示する場合にも、サブモニタ装置46と同じに色分けをしてメインモニタ装置44に表示させる制御を行う。
【0058】
また、電流監視部58は、サブモニタ装置46による異常履歴表示操作を検出した場合、メモリに記憶されている電流値の測定履歴から電流値異常が判定されている測定履歴を抽出し、電流異常値、回線障害情報又は回線試験中情報に対応して色分けした異常履歴をサブモニタ装置46に表示し、更に、メインモニタ装置44に異常履歴を表示する場合にも、サブモニタ装置46と同じに色分けをした異常履歴をメインモニタ装置44に表示させる制御を行う。
【0059】
[電流値の定周期測定]
図5は自動測定に使用されるサブモニタ装置の自動測定画面とメインモニタ装置の自動測定画面を示した説明図である。図5(A)に示すサブモニタ画面70は、画面下側に画面展開ボタンとして、自動測定ボタン74、手動測定ボタン76、測定記録ボタン78及び異常履歴ボタン80が配置されており、ハッチングで示すように自動測定ボタン74を操作すると、自動測定画面82に切り替わる。
【0060】
サブモニタ画面70の右上部には、定周期測定として入ボタン92と切ボタン94が配置されており、初期設定として入ボタン92がオン状態に設定されており、これによる電流監視部58は、所定周期毎、例えば1日1回の周期で全ての信号回線12の電流値を順次測定し、測定した電流値が所定の閾値範囲を外れた場合に電流値異常を判定し、測定結果を測定履歴としてメモリに記憶させる定周期測定を行っている。
【0061】
図5(A)の自動測定画面82に切り替えられたサブモニタ画面70を使用して電流値の自動測定を行う場合には、まず、右上の定周期測定に配置された切ボタン94を操作して定周期測定を解除させる。続いて、種別選択部84の中の例えば「上り線手動通報」を試験対象に選択し、自動測定に配置されている開始ボタン96を操作する。なお、画面上で操作されたボタンをハッチングで示している。
【0062】
このサブモニタ画面70を使用した電流値の自動測定操作は電流監視部58で検出され、選択された上り線トンネルに配置された手動通報装置に対する全信号回線の電流値が順次測定され、自動測定詳細情報90に、測定値が表示される。また、信号回線の自動測定毎に、右下の測定値枠100に測定値が表示され、また、測定時間枠102に測定時間が表示される。また、自動測定中には、画面左上の測定中表示86の背景色が変化し、自動測定が行われていることを知らせる。
【0063】
自動測定画面82の画面中央には自動測定詳細情報90として、回線番号、日時、上限値/下限値、測定値及び判定の各項目に分けて、信号回線毎に情報が一覧表示される。
【0064】
ここで、回線番号004にあっては、測定値が1.25mAであり、上限値1.00mAを超えていることから電流値異常と判定され、回線番号004の行は、電流値異常の判定に対応して網目で示すように、その背景色が例えば黄色に表示される。併せて、電流値異常発生表示88の枠内も網目で示すように黄色の背景色に設定される。
【0065】
また、図5(A)の自動測定が行われた場合、回線番号007について、監視制御部56から回線試験中情報が通知されていたとすると、回線番号007の行は、砂地で示すように、その背景色が例えば緑色に表示される。
【0066】
更に、図5(A)の自動測定が行われた場合、回線番号008について、監視制御部56から回線障害情報が通知されていたとすると、回線番号008の行は、平行ハッチングで示すように、その背景色が例えば橙色に表示される。
【0067】
このような自動測定詳細情報90に対する色分け表示により、測定結果の内容をみることなく、黄色の電流異常値が判定された測定結果か、緑色の試験中の回線の測定結果か、あるいは、橙色の回線障害を起こした回線の測定結果かが一目でわかる。
【0068】
電流値の自動測定は、停止ボタン98を操作することで終了させることができる。なお、自動測定の終了に伴い自動測定の測定結果を履歴情報としてメモリに記憶させるようにしても良い。
【0069】
更に、電流値の自動測定が終了した場合には、定周期測定の入ボタン92を操作することで、電流値の定周期測定に復帰させることができる。
【0070】
図5(B)は電流値の自動測定の結果を表示させたメインモニタ画面72であり、必要に応じて、サブモニタ画面70に加え、メインモニタ画面72にも自動測定画面82を表示させることができる。
【0071】
図5(B)に示すメインモニタ画面72の自動測定画面82は、画面操作を必要としないことから、図5(A)に示したサブモニタ画面70の自動測定画面82から操作ボタンを除いた表示としており、例えば、選択された「上り手動通報」を示した種別選択部84、測定中表示86、電流値異常発生表示88及び自動測定詳細情報90が表示される。
【0072】
また、自動測定詳細情報90については、図5(A)のサブモニタ画面70と同様、回線番号004の行は、電流値異常の判定に対応して網目で示すように、その背景色が黄色に表示され、電流値異常発生表示88の枠内も網目で示すように黄色の背景色に表示される。また、回線番号007は回線試験中情報の通知に基づき、その背景色が例えば緑色に表示され、更に、回線番号008は回線障害情報に基づき、その背景色が例えば橙色に表示されている。
【0073】
このためメインモニタ画面72の自動測定画面82も電流値異常、回線試験中、回線障害に対応して色分け表示され、信号回線の自動測定結果が、黄色の電流異常値が判定された測定結果か、緑色の試験中の回線の測定結果か、あるいは、橙色の回線障害を起こした回線の測定結果かが一目でわかる。
【0074】
[電流値の手動測定]
図6は手動測定に使用されるサブモニタ装置の手動測定画面とメインモニタ装置の手動測定画面を示した説明図である。
【0075】
図6(A)に示すように、サブモニタ画面70の下側に配置された手動測定ボタン76を操作すると、図示の手動測定画面104に切り替えられる。
【0076】
手動測定画面104に切り替えられたサブモニタ画面70を使用して電流値の手動測定を行う場合には、まず、右上の定周期測定に配置された切ボタン94を操作して定周期測定を解除させる。続いて、種別選択部84の中の例えば「上り線手動通報」を試験対象に選択し、更に、手動測定に配置されている選択ボタン108,110の操作により測定対象とする信号回線を選択する。
【0077】
ここで、信号回線の選択は、手動測定詳細情報106の回線番号の背景色を例えば青色することで現在の選択回線を示しており、選択ボタン108,110を操作すると回線番号の背景色青が上又は下に移動し、任意の回線番号が選択できる。回線番号が選択できたら、手動測定に配置されている開始ボタン112を操作する。
【0078】
このようなサブモニタ画面70を使用した電流値の手動測定操作は電流監視部58で検出され、上り線トンネルに配置された手動通報装置に対する回線番号004の信号回線の電流値が測定され、手動測定詳細情報106に、測定値が表示される。また、手動測定が開始されると、測定中表示86が変化し、手動測定が行われていることを知らせる。
【0079】
ここで、手動測定を行った回線番号004の測定値が1.25mAであり、上限値1.00mAを超えていることから電流値異常と判定され、回線番号004の行は電流値異常の判定に対応して網目で示すように、その背景色が例えば黄色に表示される。併せて、電流値異常発生表示88の枠内も網目で示すように黄色の背景色に表示される。
【0080】
なお、回線番号007は手動測定に選択されていないが、監視制御部56からの回線試験中情報の通知に基づき、砂地で示すように、その背景色が例えば緑色に表示され、また、回線番号008は手動測定に選択されていないが、監視制御部56からの回線障害情報の通知に基づき、平行ハッチングで示すように、その背景色が例えば橙色に表示されている。このため、例えば、回線番号008が回線障害を起こしていることが一目でわかり、回線番号008を選択して手動測定を行って状況を調べるといった対応が可能となる。
【0081】
電流値の手動測定を終了したい場合には、手動測定の停止ボタン114を操作し、続いて定周期測定の入ボタン92を操作することで、電流値の定周期測定に復帰させることができる。なお、手動測定の終了に伴い手動測定の測定結果を履歴情報としてメモリに記憶させるようにしても良い。
【0082】
図6(B)のメインモニタ画面72にも、必要に応じて手動測定画面104を表示させることができる。メインモニタ画面72の手動測定画面104は、画面操作を必要としないことから、図6(A)に示したサブモニタ画面70の手動測定画面104から操作ボタンを除いた表示としており、例えば、選択された「上り手動通報」を示した種別選択部84、測定中表示86、電流値異常発生表示88及び手動測定詳細情報106が表示される。
【0083】
また、手動測定詳細情報106については、図6(A)のサブモニタ画面70と同様、手動測定の対象として選択した回線番号004の行は、電流値異常の判定に対応して網目で示すように、その背景色が黄色に表示され、電流値異常発生表示88の枠内も網目で示すように黄色の背景色に表示される。また、回線番号007は回線試験中情報の通知に基づき、その背景色が例えば緑色に表示され、更に、回線番号008は回線障害情報に基づき、その背景色が例えば橙色に表示されている。
【0084】
このためメインモニタ画面72の手動測定画面104も電流値異常、回線試験中、回線障害に対応して色分け表示され、信号回線の手動測定結果が、電流異常値が判定された測定結果か、試験中の回線の測定結果か、あるいは、回線障害を起こした回線の測定結果かが一目でわかる。
【0085】
[測定履歴表示]
図7は電流値の測定履歴を表示したサブモニタ装置の測定記録画面とメインモニタ装置の測定記録画面を示した説明図である。
【0086】
図7(A)に示すように、サブモニタ画面70の下側に配置された測定記録ボタン78を操作すると、図示の測定記録画面114に切り替えられ、測定履歴詳細情報116にメモリから読み出された測定履歴が表示される。
【0087】
測定記録画面114の右側には、ページ表示118、ページ切替ボタン120,122、ファイル保存ボタン124及びメモリ取出ボタン126が配置される。ページ切替ボタン120,122を操作することで測定履歴詳細情報116のページ切替えが可能であり、ここでは1ページ目を表示している。ファイル保存ボタン124は測定結果のメモリ格納を指示する。メモリ取出ボタン126は防災受信盤10から電流値測定情報を記憶したメモリを取り出す場合に操作する。
【0088】
測定記録画面114の画面中央に表示された測定履歴詳細情報116としては、Noで示す回線番号、日時、項目、上限値/下限値、測定値及び判定の各項目に分けて、信号回線毎に情報が一覧表示される。
【0089】
ここで、回線番号004にあっては、測定値が1.25mAであり、上限値1.00mAを超えていることから「NG」の表示により電流値異常と判定されている。それ以外の回線番号の測定値は上限値と下限値の範囲に収まっていることから「OK」の表示により正常と判定されている。また、回線番号004の行は、電流値異常の判定に対応して網目で示すように、その背景色が黄色に表示されている。
【0090】
図7(B)のメインモニタ画面72にも、必要に応じて測定記録画面114を表示させることができる。メインモニタ画面72の測定記録画面114は、画面操作を必要としないことから、図7(A)に示したサブモニタ画面70の測定記録画面114から操作ボタンを除いた表示としており、例えば、測定履歴詳細情報116、ページ表示118、ページ切替ボタン120,122が配置される。
【0091】
また、測定履歴詳細情報116については、図7(A)のサブモニタ画面70と同様、回線番号004の行は、電流値異常の判定に対応して網目で示すように、その背景色が黄色に表示される。このためメインモニタ画面72の測定記録画面114も電流値異常に対応して黄色に色分け表示され、電流値異常が起きた信号回線であることが一目でわかる。
【0092】
図8はサブモニタ装置に2ページ目が表示された測定記録画面とメインモニタ装置に2ページ目が表示された測定記録画面を示した説明図である。
【0093】
図8(A)のサブモニタ画面70はページ切替ボタン122の操作で測定履歴詳細情報116に2ページ目が表示されている。
【0094】
測定履歴詳細情報116の中の、回線番号007は回線試験中情報の通知に基づき、その背景色が例えば緑色に設定され、更に、回線番号008は回線障害情報に基づき、その背景色が例えば橙色に設定されている。
【0095】
図8(B)に示すメインモニタ画面72の測定履歴詳細情報116については、図8(A)のサブモニタ画面70と同様、回線番号007は回線試験中情報の通知に基づき、背景色が例えば緑色に設定され、更に、回線番号008は回線障害情報に基づき、背景色が例えば橙色に設定されている。
【0096】
このためメインモニタ画面72の測定記録画面114も回線試験中に対応して緑色に表示され、回線障害に対応して橙色に色分け表示され、試験中の信号回線や回線障害を起こした信号回線であることが一目でわかる。
【0097】
[異常履歴表示]
図9はサブモニタ装置の異常履歴画面とメインモニタ装置の異常履歴画面を示した説明図である。図9(A)に示すように、サブモニタ画面70の下側に配置されている異常履歴ボタン80を操作すると、図示の異常履歴画面130に切り替えられる。
【0098】
電流監視部58は、異常履歴画面130への切替操作を検出すると、メモリに記憶されている電流値測定履歴の中から電流値異常が判定されている信号回線の測定履歴を抽出し、異常履歴詳細情報132を表示させる。
【0099】
異常履歴詳細情報132は、Noで示す回線番号、日時、項目、上限値、下限値、測定値、及び判定に分けて一覧形式で表示しており、例えば、回線番号004の行には、トンネル名と端末機器の種別として「上り線 手動通報」が表示され、上限値を超えた異常を示す「NG」が表示されている。また、回線番号008の行には、トンネル名と端末機器の種別として「上り線 手動通報」が表示され、下限値を下回った異常を示す「NG」が表示されている。
【0100】
ここで、回線番号004の行は、電流値異常の判定に対応して網目で示すように、背景色が黄色に表示される。また、回線番号008の行は回線障害情報に対応して平行ハッチングで示すように、背景色が例えば橙色に表示されている。
【0101】
図9(B)に示すメインモニタ画面72の異常履歴詳細情報132については、図9(A)のサブモニタ画面70と同様、回線番号004の行は、電流値異常の判定に対応して背景色が黄色に設定され、また、回線番号008の行は回線障害情報に対応して背景色が例えば橙色に設定されている。
【0102】
[本発明の変形例]
(色分け表示)
上記の実施形態は、測定履歴又は測定結果につき、電流値異常、回線障害、回線試験中に対応して色分け表示しているが、これに限定されず、更に、火災回線を加えた色分け表示としても良い。
【0103】
また、同じ信号回線について、電流値異常、回線障害、回線試験中の内の複数が発生した場合には、所定の優先順位に従った色分け表示、色分けの切り替え表示を行うようにする。
【0104】
また、上記の実施形態は、メインモニタ装置に測定結果を表示する場合に、サブモニタ装置と同じに色分けして表示させているが、これに限定されず、サブモニタ装置に使用している色と識別可能である近い色相の色によりメインモニタ装置に測定結果を表示させても良い。
【0105】
(メインモニタ装置)
上記の実施形態は、サブモニタ装置の表示画面に電流値測定及び履歴表示に必要な操作ボタンを設け、メインモニタ装置の表示画面には表示に必要な操作ボタンしか設けていないが、メインモニタ装置の表示画面にもサブモニタ装置の表示画面と同じ操作ボタンを設け、回線電流の定周期測定、自動測定、手動測定、測定記録、異常履歴等の操作をメインモニタ装置から行えるようにし,サブモニタ装置の表示画面をメインモニタ装置の表示画面に反映もしくはフィードバックするようにしても良い。
【0106】
(その他)
また、本発明は、その目的と利点を損なわない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0107】
1a:上り線トンネル
1b:下り線トンネル
10:防災受信盤
12,12-1~12-n:信号回線
14:消火栓弁開閉検出スイッチ
16:手動通報装置
18:消火栓装置
20:消火ポンプ設備
22:冷却ポンプ設備
24:IG子局設備
26:遠方監視制御設備
28:換気設備
30:警報表示板設備
32:ラジオ再放送設備
34:テレビ監視設備
36:照明設備
40:制御部
42,54:P型伝送部
44:メインモニタ装置
46:サブモニタ装置
48:警報部
50:表示部
52:操作部
56:監視制御部
58:電流監視部
60:筐体
62:パネル扉
70:サブモニタ画面
72:メインモニタ画面
82:自動測定画面
104:手動測定画面
114:測定記録画面
130:異常履歴画面













図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9