(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169815
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】撮像システム及び撮像カテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 8/12 20060101AFI20221102BHJP
【FI】
A61B8/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019179245
(22)【出願日】2019-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】518110280
【氏名又は名称】株式会社ロッケン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(72)【発明者】
【氏名】坂本 泰一
(72)【発明者】
【氏名】清水 克彦
(72)【発明者】
【氏名】石原 弘之
(72)【発明者】
【氏名】ヌワン ヘラト ムディヤンセラゲ
(72)【発明者】
【氏名】トマ エン
(72)【発明者】
【氏名】クレモン ジャケ
(72)【発明者】
【氏名】イセリン エリックセン
(72)【発明者】
【氏名】佐賀 亮介
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601BB03
4C601BB14
4C601BB24
4C601DD01
4C601DD15
4C601EE09
4C601EE11
4C601FE03
4C601FE04
4C601FF03
4C601GA19
4C601GA25
4C601GB14
4C601KK02
4C601KK31
(57)【要約】
【課題】生体組織の複数の断層画像における各点の三次元空間上での座標を正確に取得可能な撮像システム及び撮像カテーテルを提供する。
【解決手段】本開示に係る撮像システムは、撮像カテーテルと、少なくとも2つの計測機器と、制御装置と、を備える。前記撮像カテーテルは、外シースと、撮像プローブを含む撮像センサと、シャフトと、3つの位置センサと、を備える。前記制御装置は、前記撮像センサから取得される生体構造情報に基づき生成される前記生体組織の複数の断層画像における各点の三次元座標を、前記少なくとも2つの計測機器が計測する前記3つの位置センサの位置情報に基づいて特定可能な座標特定部を備える。前記3つの位置センサは、前記シャフトの中心軸方向で互いに異なる位置に配置されている2つの位置センサと、前記2つの位置センサのいずれか一方の位置センサと前記シャフトの周方向で異なる位置に配置されている1つの位置センサと、からなる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像カテーテルと、少なくとも2つの計測機器と、制御装置と、を備える撮像システムであって、
前記撮像カテーテルは、
長尺な外シースと、
前記外シース内に配置され、生体内から生体組織を撮像する撮像プローブを含む撮像センサと、
遠位部に前記撮像センサが固定されており、前記外シース内を前記外シースの長手方向に沿って移動可能なシャフトと、
前記シャフトの前記遠位部で前記撮像センサの近傍に配置されている3つの位置センサと、を備え、
前記少なくとも2つの計測機器は、前記3つの位置センサの位置情報を計測可能であり、
前記制御装置は、前記撮像センサから取得される生体構造情報に基づき生成される前記生体組織の複数の断層画像における各点の三次元座標を、前記3つの位置センサの前記位置情報に基づいて特定可能な座標特定部を備え、
前記撮像カテーテルの前記3つの位置センサは、
前記シャフトの前記遠位部において、前記シャフトの中心軸方向で互いに異なる位置に配置されている2つの位置センサと、
前記シャフトの前記遠位部において、前記2つの位置センサのいずれか一方の位置センサと前記シャフトの周方向で異なる位置に配置されている1つの位置センサと、からなる、撮像システム。
【請求項2】
前記シャフトは、
前記外シース内で前記長手方向に沿って延在する内シースと、
遠位部に前記撮像センサが固定されており、前記内シース内に延在すると共に前記内シース内で回転可能なシャフト本体と、を備え、
前記3つの位置センサは、前記内シースに保持されており、
前記撮像センサは、前記撮像プローブを1つのみ含み、
前記撮像カテーテルは、前記シャフト本体と共に前記撮像センサが回転することにより、前記生体構造情報を取得するように構成されている、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記2つの位置センサのうち前記一方の位置センサと、前記1つの位置センサと、は前記シャフトの前記周方向において対向する位置に配置されている、請求項1又は2に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記2つの位置センサは、前記シャフトの前記中心軸方向に対向する位置に配置されている、請求項1から3のいずれか1つに記載の撮像システム。
【請求項5】
前記撮像プローブは超音波振動子であり、
前記制御装置は、
前記超音波振動子から得られた前記生体構造情報及び前記座標特定部により特定された生体組織の複数の断層画像における各点の三次元座標に基づいて、前記生体組織の三次元画像を構築する三次元構築部と、
前記座標特定部により特定された生体組織の複数の断層画像における各点の三次元座標に基づいて、前記生体組織の内壁面に垂直な方向における前記生体組織の厚みを算出する厚み算出部と、を備える、請求項1から4のいずれか1つに記載の撮像システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記厚み算出部で算出した前記生体組織の厚み情報に基づいて、前記三次元画像上における前記生体組織の前記内壁面を、前記生体組織の厚みに応じて識別可能に表示するための処理を実行する識別処理部を備える、請求項5に記載の撮像システム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記厚み算出部で算出した前記生体組織の厚み情報に基づいて、前記生体組織の前記内壁面の所定箇所に与える熱量を算出する熱量算出部を備える、請求項5又は6に記載の撮像システム。
【請求項8】
前記制御装置は、前記熱量算出部で算出された熱量を、前記三次元画像上における前記生体組織の前記内壁面の前記所定箇所上に表示する表示部を備える、請求項7に記載の撮像システム。
【請求項9】
長尺な外シースと、
前記外シース内に配置され、生体管腔内から生体組織を撮像する撮像プローブを含む撮像センサと、
遠位部に前記撮像センサが固定されており、前記外シース内を前記外シースの長手方向に沿って移動可能なシャフトと、
前記シャフトの前記遠位部で前記撮像センサの近傍に配置されている3つの位置センサと、を備え、
前記3つの位置センサは、
前記シャフトの前記遠位部において、前記シャフトの中心軸方向で互いに異なる位置に配置されている2つの位置センサと、
前記シャフトの前記遠位部において、前記2つの位置センサのいずれか一方の位置センサと前記シャフトの周方向で異なる位置に配置されている1つの位置センサと、からなる、撮像カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は撮像システム及び撮像カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、超音波センサと位置センサとを組み合わせることで、生体組織を3Dマッピングする方法が知られている。特許文献1~4には、この種の方法が記載されている。また、特許文献1~4に記載の方法では、超音波センサを含むカテーテルを生体内に挿入し、生体組織の複数の断層画像を取得することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7517318号明細書
【特許文献2】米国特許第5876345号明細書
【特許文献3】米国特許第6716166号明細書
【特許文献4】米国特許第6773402号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1~4に記載される超音波センサを含むカテーテルでは、カテーテルの蛇行や曲がりがある場合に、組織構造情報としての生体組織の複数の断層画像に積層して三次元画像を生成しても、正確な三次元画像にならない。そのため、二次元画像である複数の断層画像における各点の三次元空間上での座標を正確に取得することが望まれている。
【0005】
本開示は、生体組織の複数の断層画像における各点の三次元空間上での座標を正確に取得可能な撮像システム及び撮像カテーテルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る撮像システムは、撮像カテーテルと、少なくとも2つの計測機器と、制御装置と、を備える撮像システムであって、前記撮像カテーテルは、長尺な外シースと、前記外シース内に配置され、生体内から生体組織を撮像する撮像プローブを含む撮像センサと、遠位部に前記撮像センサが固定されており、前記外シース内を前記外シースの長手方向に沿って移動可能なシャフトと、前記シャフトの前記遠位部で前記撮像センサの近傍に配置されている3つの位置センサと、を備え、前記少なくとも2つの計測機器は、前記3つの位置センサの位置情報を計測可能であり、前記制御装置は、前記撮像センサから取得される生体構造情報に基づき生成される前記生体組織の複数の断層画像における各点の三次元座標を、前記3つの位置センサの前記位置情報に基づいて特定可能な座標特定部を備え、前記撮像カテーテルの前記3つの位置センサは、前記シャフトの前記遠位部において、前記シャフトの中心軸方向で互いに異なる位置に配置されている2つの位置センサと、前記シャフトの前記遠位部において、前記2つの位置センサのいずれか一方の位置センサと前記シャフトの周方向で異なる位置に配置されている1つの位置センサと、からなる。
【0007】
本開示の1つの実施形態として、前記シャフトは、前記外シース内で前記長手方向に沿って延在する内シースと、遠位部に前記撮像センサが固定されており、前記内シース内に延在すると共に前記内シース内で回転可能なシャフト本体と、を備え、前記3つの位置センサは、前記内シースに保持されており、前記撮像センサは、前記撮像プローブを1つのみ含み、前記撮像カテーテルは、前記シャフト本体と共に前記撮像センサが回転することにより、前記生体構造情報を取得するように構成されている。
【0008】
本開示の1つの実施形態として、前記2つの位置センサのうち前記一方の位置センサと、前記1つの位置センサと、は前記シャフトの前記周方向において対向する位置に配置されている。
【0009】
本開示の1つの実施形態として、前記2つの位置センサは、前記シャフトの前記中心軸方向に対向する位置に配置されている。
【0010】
本開示の1つの実施形態として、前記撮像プローブは超音波振動子であり、前記制御装置は、前記超音波振動子から得られた前記生体構造情報及び前記座標特定部により特定された生体組織の複数の断層画像における各点の三次元座標に基づいて、前記生体組織の三次元画像を構築する三次元構築部と、前記座標特定部により特定された生体組織の複数の断層画像における各点の三次元座標に基づいて、前記生体組織の内壁面に垂直な方向における前記生体組織の厚みを算出する厚み算出部と、を備える。
【0011】
本開示の1つの実施形態として、前記制御装置は、前記厚み算出部で算出した前記生体組織の厚み情報に基づいて、前記三次元画像上における前記生体組織の前記内壁面を、前記生体組織の厚みに応じて識別可能に表示するための処理を実行する識別処理部を備える。
【0012】
本開示の1つの実施形態として、前記制御装置は、前記厚み算出部で算出した前記生体組織の厚み情報に基づいて、前記生体組織の前記内壁面の所定箇所に与える熱量を算出する熱量算出部を備える。
【0013】
本開示の1つの実施形態として、前記制御装置は、前記熱量算出部で算出された熱量を、前記三次元画像上における前記生体組織の前記内壁面の前記所定箇所上に表示する表示部を備える。
【0014】
本開示に係る撮像カテーテルは、長尺な外シースと、前記外シース内に配置され、生体管腔内から生体組織を撮像する撮像プローブを含む撮像センサと、遠位部に前記撮像センサが固定されており、前記外シース内を前記外シースの長手方向に沿って移動可能なシャフトと、前記シャフトの前記遠位部で前記撮像センサの近傍に配置されている3つの位置センサと、を備え、前記3つの位置センサは、前記シャフトの前記遠位部において、前記シャフトの中心軸方向で互いに異なる位置に配置されている2つの位置センサと、前記シャフトの前記遠位部において、前記2つの位置センサのいずれか一方の位置センサと前記シャフトの周方向で異なる位置に配置されている1つの位置センサと、からなる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、生体組織の複数の断層画像における各点の三次元空間上での座標を正確に取得可能な撮像システム及び撮像カテーテルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の一実施形態としての撮像システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3に示す撮像カテーテルの遠位部及びその近傍を示す断面図である。
【
図5】
図3に示す撮像カテーテルの近位部及びその近傍を示す断面図である。
【
図6】
図3に示す撮像カテーテルであって、
図4に示す状態よりもシャフトを近位側に移動させた状態での、
図4と同じ位置での断面図である。
【
図7】
図3に示す撮像カテーテルであって、
図5に示す状態よりもシャフトを近位側に移動させた状態での、
図5と同じ位置での断面図である。
【
図8】
図8(a)は、シャフトの内シース単体の先端視を示す図である。
図8(b)は、シャフトの内シース単体の遠位部の一側面視を示す図である。
【
図9】
図3に示す撮像カテーテルを用いて行う手技の一例を示す図である。
【
図10】
図1に示す撮像システムにおいて実行される三次元画像の生成方法の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図3示す撮像カテーテルの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示に係る撮像システム及び撮像カテーテルの実施形態について図面を参照して例示説明する。各図において共通する部材・部位には同一の符号を付している。本明細書では、本開示に係る撮像カテーテルにおいて臓器、血管等の生体内に挿入される一端側を「遠位側」又は「先端側」と記載する。また、本開示に係る撮像カテーテルにおいて医療従事者により操作される他端側である手元側を「近位側」又は「基端側」と記載する。更に、本開示に係る撮像カテーテルの外シースの長手方向を単に「長手方向L」と記載する。本開示に係る撮像カテーテルの外シースの周方向を単に「周方向M」と記載する。本開示に係る撮像カテーテルの外シースの径方向を単に「径方向N」と記載する。
【0018】
図1は、本開示に係る撮像システムの一実施形態としての撮像システム100の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、撮像システム100は、本開示に係る撮像カテーテルの一実施形態としての撮像カテーテル1と、2つの計測機器2と、画像処理装置3と、を備える。画像処理装置3は、制御装置60を備える。
図2は、撮像システム100の概略図である。
図3は、撮像カテーテル1を示す図である。
図4は、撮像カテーテル1の遠位部及びその近傍を示す断面図である。
図5は、撮像カテーテル1の近位部及びその近傍を示す断面図である。
図6は、
図4に示す状態よりもシャフト22を近位側に移動(
図6の太線矢印参照)させた状態での、
図4と同じ位置での断面図である。
図7は、
図5に示す状態よりもシャフト22を近位側に移動(
図7の太線矢印参照)させた状態での、
図5と同じ位置での断面図である。
図8(a)は、シャフト22の内シース27単体の先端視を示す図である。
図8(b)は、シャフト22の内シース27単体の遠位部の一側面視(
図4に示す内シース27の上面側を見た側面視)を示す図である。
【0019】
撮像システム100によれば、臓器、血管等の生体内の複数の断層画像を生成することができる。また、本実施形態の撮像システム100によれば、生成された複数の断層画像に基づき、臓器、血管等の三次元画像を生成することができる。医療従事者は、例えば手技中に、撮像システム100により生成される複数の断層画像及び三次元画像を確認することで、手技を円滑に進めることができる。
【0020】
図1~
図8に示すように、撮像カテーテル1は、撮像センサ21と、シャフト22と、長尺な外シース23と、3つの位置センサ24と、を備える。
【0021】
撮像センサ21は、外シース23内に配置されている。また、撮像センサ21は、生体内から生体組織を撮像する撮像プローブ21aを含む。
【0022】
シャフト22は、外シース23内を外シース23の長手方向Lに沿って移動可能である。シャフト22の遠位部には、撮像センサ21が固定されている。詳細は後述するが、本実施形態のシャフト22は、内シース27と、シャフト本体28と、を備える。但し、シャフト22は、本実施形態の内シース27及びシャフト本体28を備える構成に限られない。
【0023】
3つの位置センサ24は、シャフト22の遠位部で撮像センサ21の近傍に配置されている。3つの位置センサ24は、後述する2つの計測機器2により三次元空間上での位置情報を特定可能に、構成されている。詳細は後述するが、本実施形態の3つの位置センサ24は、シャフト22の内シース27に保持されている。但し、3つの位置センサ24の保持位置は、シャフト22の具体的な構成に応じて適宜変更することができ、本実施形態の保持位置に限られない。
【0024】
図3に示すように、3つの位置センサ24は、シャフト22の遠位部において、シャフト22の中心軸方向Dで互いに異なる位置に配置されている2つの位置センサ24b及び24cを備える。
【0025】
また、
図3に示すように、3つの位置センサ24は、シャフト22の遠位部において、上述の2つの位置センサ24b及び24cの少なくともいずれか一方の位置センサとシャフト22の周方向Eで異なる位置に配置されている1つの位置センサ24aを備える。「シャフト22の周方向E」とは、シャフト22の中心軸O1の周りの周方向を意味する。
【0026】
以下、説明の便宜上、本実施形態の位置センサ24aを「第1位置センサ24a」と記載し、本実施形態の位置センサ24bを「第2位置センサ24b」と記載し、本実施形態の位置センサ24cを「第3位置センサ24c」と記載する。また、第1位置センサ24a、第2位置センサ24b及び第3位置センサ24cを特に区別することなく呼ぶ場合は、単に「位置センサ24」と記載する。
【0027】
撮像カテーテル1は、上記位置関係にある3つの位置センサ24を含む構成であればよく、更に別の位置センサを含んでもよい。つまり、撮像カテーテル1は、上記位置関係にある少なくとも3つの位置センサ24を備える構成であれば、位置センサ24の総数は限定されず、4つ以上の位置センサ24を備えてもよい。
【0028】
詳細は後述するが、本実施形態の第2位置センサ24b及び第3位置センサ24cは、シャフト22の中心軸方向Dにおいて互いに対向する位置に配置されている(
図8(b)参照)。また、詳細は後述するが、本実施形態では、第1位置センサ24aと、第2位置センサ24bと、がシャフト22の周方向Eにおいて互いに対向する位置に配置されている(
図8(a)参照)。
【0029】
本実施形態の撮像システム100は、2つの計測機器2を備えるが、少なくとも2つの計測機器2を備えればよく、3つ以上の計測機器2を備えてもよい。2つの計測機器2は、3つの位置センサ24の位置情報を計測可能である。
【0030】
画像処理装置3は、上述したように制御装置60を備える。制御装置60は、撮像カテーテル1の撮像センサ21から生体構造情報を取得する。制御装置60は、生体構造情報に基づき生体組織の複数の断層画像を生成することができる。また、制御装置60は座標特定部62を備える。具体的な特定手法の例は後述するが、制御装置60の座標特定部62は、生成された生体組織の複数の断層画像における各点の三次元座標を、上述の位置関係にある3つの位置センサ24の位置情報に基づいて特定することができる。
【0031】
そのため、撮像システム100によれば、撮像カテーテル1により撮像される複数の断層画像の各点の三次元空間における三次元座標を特定することができる。そのため、撮像カテーテル1が生体内で生体組織に沿うことなく蛇行又は曲がっている場合であっても、撮像システム100の制御装置60は、生体組織の正確な三次元画像を生成することができる。
【0032】
また、複数の断層画像における各点の三次元空間上での座標が特定されれば、3Dマッピングで用いられている既存の装置においても座標データを共有することができ、既存の装置を利用して容易に三次元画像を表示するができ、医療従事者にとっての利便性を高めることができる。
【0033】
なお、上述した本実施形態の撮像システム100は、制御装置60を含む画像処理装置3を備えるが、制御装置60を備える構成であればよく、画像処理装置3を含む構成に限定されない。
【0034】
以下、本実施形態の撮像システム100の詳細について説明する。
【0035】
<撮像カテーテル1>
本実施形態の撮像カテーテル1は、主として心腔または血管内に挿入されて心臓や血管の生体構造情報を取得する。具体的に、本実施形態の撮像カテーテル1は、シャフト22の後述するシャフト本体28と共に撮像センサ21が回転することにより、生体構造情報を取得するように構成されている。
図3~
図8に示すように、本実施形態の撮像カテーテル1は、上述した撮像センサ21、シャフト22、外シース23及び位置センサ24に加えて、第1ハウジング25と、第2ハウジング26と、信号線34と、ジョイント42と、を備える。
【0036】
本実施形態の撮像センサ21は超音波センサである。本実施形態では、撮像センサ21としての超音波センサが、撮像プローブ21aとしての超音波振動子を1つのみ備える。超音波振動子は、例えば圧電素子を含む。本実施形態の撮像プローブ21aとしての超音波振動子は、シャフト22の周方向Eの一部で、シャフト22の径方向外側に向かって超音波を送信する。したがって、本実施形態の撮像プローブ21aは、シャフト22の径方向外側に位置する生体組織に向けて超音波を送信する。また、本実施形態の撮像プローブ21aは、生体組織に反射された超音波を受信する。本実施形態の撮像センサ21は、撮像プローブ21aと、この撮像プローブ21aを保持すると共にシャフト22に固定される保持体21bと、を備える。シャフト22の中心軸方向Dと直交する断面における撮像センサ21の最大外径は、シャフト22の遠位部の最大外径よりも大きい。撮像センサ21の最大外径は、シャフト22の後述する内シース27の最大外径と同程度であるが、これに限定されない。
【0037】
本実施形態の撮像センサ21は超音波センサであるが、これに限定されない。画像処理装置3として、例えば光干渉断層診断装置(OCT: Optical Coherence Tomography)を用いる場合には、撮像センサ21は、この光干渉断層診断装置に適用可能な光を利用したセンサとすることができる。また、画像処理装置3として、例えば光学周波数領域画像化診断装置(OFDI: Optical Frequency Domain Imaging)を用いる場合には、撮像センサ21は、この光学周波数領域画像化診断装置に適用可能な光を利用したセンサとすることができる。この種の光を利用するセンサでは、心臓や血管の内壁面に向けて光を出射し、その反射光を検出する撮像プローブ21aが用いられる。
【0038】
本実施形態のシャフト22は、内シース27と、シャフト本体28と、を備える。
【0039】
内シース27は、外シース23の後述する外シース本体35に遠位側の一部が挿入される筒体である。内シース27は、外シース23内で、外シース23の中心軸に沿って延在している。より具体的に、内シース27は、外シース23の外シース本体35内で、外シース本体35の中心軸に沿って延在している。内シース27は、外シース23の外シース本体35の内部で、外シース本体35の中心軸に沿って移動可能である。内シース27は、シャフト本体28と共に回転しない。内シース27の近位部は、外シース本体35および第1ハウジング25から近位側に導出されて、第2ハウジング26に固定されている。
【0040】
より具体的に、本実施形態の内シース27は、内シース本体29と、内シース補強体30と、を備える。
【0041】
内シース本体29は、シャフト本体28を回転可能に収容している。内シース本体29の遠位部は、撮像センサ21の近位側に、撮像センサ21に近接して位置している。内シース補強体30は、内シース本体29の近位部の外周面を補強する環状体である。内シース補強体30により、内シース本体29の近位部の曲げ剛性が高められる。そのため、内シース27は、第1ハウジング25よりも近位側に露出した状態であっても曲がり難い。これにより、内シース27は、外シース23に対して、外シース23の中心軸に沿って安定して往復移動することができる。本実施形態の内シース補強体30は、内シース本体29の径方向外側を覆う環状体であるが、この構成に限られない。内シース補強体30は、例えば、内シース本体29に埋設される線材であってもよい。
【0042】
シャフト本体28は、遠位部に撮像センサ21が固定されている。シャフト本体28は、内シース27内を延在している。また、シャフト本体28は、内シース27内で回転可能である。撮像カテーテル1では、シャフト本体28と共に撮像センサ21が回転することにより、周方向Mの全域において、径方向Nの外側に位置する生体組織の生体構造情報を取得することができる。また、シャフト本体28は、内シース27と共に、外シース本体35内を長手方向Lに沿って移動可能である。そのため、撮像カテーテル1では、シャフト本体28と共に撮像センサ21が長手方向Lに沿って移動することにより、長手方向Lの所定範囲に亘って、径方向Nの外側に位置する生体組織の生体構造情報を取得することができる。
【0043】
シャフト本体28は、画像処理装置3の駆動部50(
図1、
図2参照)から作用する回転駆動力を撮像センサ21に伝達する。シャフト本体28は、内シース27を貫通する柔軟な駆動シャフト部31と、この駆動シャフト部31の近位部に固定される接続パイプ部32と、を備える。駆動シャフト部31の遠位端は、保持体21bに固定されている。駆動シャフト部31は、例えば、軸まわりの巻き方向が異なる多層のコイルによって構成される。接続パイプ部32は、例えば金属製の環状体である。接続パイプ部32の近位部は、第2ハウジング26の内部で回転するロータ33に固定されている。駆動シャフト部31及び接続パイプ部32の内部には、信号線34が通されている。
【0044】
シャフト22が上述の内シース27を備えることで、外シース本体35の内径に比べて細いシャフト本体28を用いても、シャフト本体28の長手方向Lの移動安定性及び周方向Mの回転安定性を維持することができる。例えば、撮像カテーテル1による生体組織の撮像が、心腔のような広い空間で行われる場合、撮像センサ21から生体組織までの距離が長くなる。このような場合には、撮像センサ21を大型化することで、生体組織を正確に撮像することができる。しかしながら、撮像センサ21が大型化すると、それに応じて、外シース本体35の内径が大きくなる。それに合わせて、シャフト本体28の外径を大きくすることは、シャフト本体28の近位部の負担、必要な回転駆動力が増加することなどから、望ましくない。しかしながら、シャフト本体28の外径が、撮像センサ21よりも小さ過ぎると、外シース本体35の内周面とシャフト本体28の外周面の間に、広い空間が生じる。この広い空間は、シャフト本体28の上述の移動安定性及び回転安定性を低下させる。内シース27は、この広い空間に配置されるため、シャフト本体28の上述の移動安定性及び回転安定性を高めることができる。
【0045】
外シース23は、生体管腔内に挿入される長尺な管体である。外シース23は、外シース本体35と、遠位チューブ36と、連結チューブ37と、を備えている。
【0046】
遠位チューブ36には、ガイドワイヤルーメン36aを区画する筒体である。ガイドワイヤルーメン36aには、ガイドワイヤ200が挿通される。撮像カテーテル1は、遠位部にのみガイドワイヤルーメン36aが設けられる所謂“ラピッドエクスチェンジ型”のカテーテルである。そのため、本実施形態のように、外シース本体35内の遠位端が閉鎖された構成を実現できる。
【0047】
外シース本体35は、撮像センサ21、内シース27およびシャフト本体28を収容している。外シース本体35内の撮像センサ21、内シース27およびシャフト本体28は、外シース本体35の中心軸に沿って移動可能である。さらに、外シース本体35内の撮像センサ21およびシャフト本体28は、外シース本体35内で回転可能である。外シース本体35は、近位端が開口し、遠位端が開口せずに閉鎖された筒体である。外シース本体35の近位部は、第1ハウジング25に固定されている。
【0048】
連結チューブ37は、遠位チューブ36を外シース本体35に対して連結する筒体である。連結チューブ37の遠位部は、遠位チューブ36の径方向外側を囲んでいる。連結チューブ37の近位部は、外シース本体35の遠位部の径方向外側を囲んでいる。本実施形態において、遠位チューブ36の中心軸と外シース本体35の中心軸とは、一致していないが、略平行に延在している。
【0049】
第1ハウジング25は、
図3、
図5、
図7に示すように、外シース23の近位部が液密に固定されている。第1ハウジング25は、貫通する第1中空部25aを区画している。第1ハウジング25は、第1中空部25aの一端が外シース本体35の中空部と液密に連通するように、外シース23に固定されている。第1中空部25aには、外シース本体35から近位側へ導出されている内シース27およびシャフト本体28が挿通されている。内シース27およびシャフト本体28は、第1中空部25aの他端から突出している。第1中空部25aの他端側には、第1中空部25aを区画する内面と、第1中空部25aに挿通されている内シース27の外周面と、の間に介在する第1封止部38が配置されている。第1封止部38は、内シース27の外周面と、内シース27の中心軸に沿って摺動可能に接触している。第1封止部38は、例えば、Oリング等により構成可能である。また、第1ハウジング25は、筒状の第1ポート39を備える。第1ポート39が区画する中空部は、第1中空部25aに連通している。本実施形態の第1ポート39には、生理食塩液等の流体を排出する、後述する流体供給部59の回収管59b(
図2等参照)が連結可能である。
【0050】
第2ハウジング26は、第1ハウジング25の近位側に配置される。第2ハウジング26は、第1ハウジング25から近位側へ導出される内シース27の近位部が、液密に固定されている。第2ハウジング26は、第1ハウジング25に対して、内シース27の中心軸に沿って近接又は離間するように移動可能である。
【0051】
第2ハウジング26は、貫通する第2中空部26aを区画している。第2ハウジング26は、第2中空部26aの一端が内シース27の中空部と液密に連通するように、内シース27に固定されている。第2中空部26aには、内シース27から近位側へ導出されているシャフト本体28が挿通されている。第2中空部26aの他端側には、第2中空部26aを区画する内面と、第2中空部26aに挿通されているシャフト本体28の外周面と、の間に介在する第2封止部40が配置されている。第2封止部40は、シャフト本体28の接続パイプ部32の外周面と、シャフト本体28の中心軸に沿って摺動可能に接触している。第2封止部40は、例えば、Oリング等により構成可能である。また、第2ハウジング26は、筒状の第2ポート41を備える。第2ポート41が区画する中空部は、第2中空部26aに連通している。本実施形態の第2ポート41には、生理食塩液等の流体を注入する、後述する流体供給部59の供給管59a(
図2等参照)が連結可能である。
【0052】
ジョイント42は、第2ハウジング26の近位側に固定されている。ジョイント42の内部には、コネクタ43およびロータ33が配置される。コネクタ43は、画像処理装置3の駆動部50(
図1、
図2参照)と連結可能である。コネクタ43は、駆動部50と機械的および電気的に連結される。コネクタ43には、接続パイプ部32の内部を通る信号線34が接続されている。したがって、コネクタ43は、信号線34を介して、撮像センサ21に接続されている。
【0053】
ロータ33には、接続パイプ部32が固着されている。ロータ33は、ジョイント42の内部で、コネクタ43と一体的に回転する。ロータ33が回転することで、ロータ33に固定されているシャフト本体28が回転する。
【0054】
信号線34は、シャフト本体28の内部を貫通して延在している。信号線34は、ロータ33から伝わる信号を、撮像センサ21に伝達する。また、信号線34は、撮像センサ21で検出された信号を、ロータ33を介して、画像処理装置3に伝達する。本実施形態の撮像センサ21及び画像処理装置3は信号線34により電気的に有線接続されているがこの構成に限られず、無線接続される構成であってもよい。また、本実施形態の信号線34は、電気信号を伝達する構成であるが、この構成に限られない。撮像センサ21が光を利用したセンサの場合、信号線34は、例えば、光信号を伝達する光ファイバにより構成とされる。
【0055】
外シース本体35、遠位チューブ36、連結チューブ37および内シース本体29の構成材料は、可撓性を有し、ある程度の強度を有すれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミド等が好適に使用できる。
【0056】
内シース補強体30の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン等が好適に使用できる。
【0057】
第1ハウジング25および第2ハウジング26の構成材料は、ある程度の強度を有すれば特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート-ブチレン-スチレン共重合体等が好適に使用できる。
【0058】
位置センサ24は、例えば磁気センサにより構成可能であるが、その構成は特に限定されない。本実施形態の3つの位置センサ24は、内シース27に固定されている。より具体的に、本実施形態の3つの位置センサ24は、内シース27の内シース本体29の遠位部に固定されている。
【0059】
図8(b)に示すように、本実施形態の第2位置センサ24b及び第3位置センサ24cは、シャフト22の中心軸方向Dにおいて互いに対向する位置に配置されている。本実施形態のシャフト22の中心軸とは内シース27の中心軸O1を意味する。また、本実施形態のシャフト22の中心軸方向Dとは、内シース27の中心軸O1に平行な方向を意味する。換言すれば、本実施形態の第2位置センサ24b及び第3位置センサ24cは、中心軸方向Dに一列に並んで配置されている。ここで「中心軸方向Dにおいて互いに対向する位置」とは、第2位置センサ24b及び第3位置センサ24cを中心軸方向Dに投影した場合に、投影される第2位置センサ24b及び第3位置センサ24cの影の少なくとも一部が重なる状態を意味する。
【0060】
また、
図8(a)に示すように、本実施形態では、上述した第1位置センサ24aと第2位置センサ24bと、がシャフト22の周方向Eにおいて互いに対向する位置に配置されている。本実施形態のシャフト22の周方向Eとは、内シース27の中心軸O1周りの周方向を意味する。換言すれば、本実施形態の第1位置センサ24a及び第2位置センサ24bは、周方向Eに一列に並んで配置されている。ここで「周方向Eにおいて互いに対向する位置」とは、第1位置センサ24a及び第2位置センサ24bの両方を通る、中心軸方向Dに直交する仮想平面が少なくとも1つ存在することを意味する。
【0061】
本実施形態のように配置される第1位置センサ24a、第2位置センサ24b及び第3位置センサ24cを備えることで、複数の断層画像における各点の三次元座標を容易に特定することができる。この詳細は後述する。
【0062】
<計測機器2>
計測機器2は、位置センサ24の三次元空間における位置情報を特定できればその構成は限定されない。計測機器2は、例えば、位置センサ24から発信される電磁波を受信可能なレシーバにより構成可能である。計測機器2は、計測した位置センサ24の位置情報を、画像処理装置3に送信する。
【0063】
<画像処理装置3>
図1、
図2に示すように、画像処理装置3は、駆動部50と、台座58と、流体供給部59と、制御装置60と、を備える。
【0064】
駆動部50は、モータを内蔵し、撮像カテーテル1のジョイント42のコネクタ43に連結される。駆動部50の回転駆動力は、コネクタ43及びロータ33を介して、シャフト本体28及び撮像センサ21に伝達される。これにより、撮像センサ21は、外シース23の外シース本体35内で、周方向Mに回転することができる。
【0065】
また、
図2に示すように、駆動部50は、台座58にスライド移動可能に取り付けられている。撮像カテーテル1は、台座58に取り付けられている駆動部50に接続されている。駆動部50は、台座58に対して長手方向Lに沿って移動可能である。よって、シャフト22は、駆動部50と共に、長手方向Lに沿って移動する。これにより、シャフト22の遠位側に取り付けられている撮像センサ21についても、シャフト22に追従して、外シース23の外シース本体35内を、長手方向Lに沿って移動する。
【0066】
流体供給部59は、例えばポンプ装置により構成可能である。流体供給部59は、流体を循環させることができる。流体供給部59は、流体を供給する供給管59aと、流体を回収する回収管59bとを備えている。供給管59aは、第2ハウジング26の第2ポート41に接続される。回収管59bは、第1ハウジング25の第1ポート39に接続される。流体供給部59のポンプ機構は、特に限定されないが、例えば、蠕動ポンプ、遠心ポンプ、ダイアフラムポンプ等である。
【0067】
このようにすることで、外シース本体35内の遠位端が閉鎖されていても、容易にプライミングを行うことができる(
図4~
図7における一点鎖線矢印を参照)。具体的に、流体供給部59から供給管59aを通じて、生理食塩液等の流体を第2ポート41に供給する。流体は、内シース27とシャフト本体28との間を通じて、外シース本体35の遠位部まで移動する。次いで、流体は、内シース27と外シース23との間を通じて、近位側へと折り返し移動する。その後、流体は、第1ポート39及び回収管59bを通じて、流体供給部59へと回収される。
【0068】
本実施形態の制御装置60は、表示部51と、操作部52と、記憶部53と、制御部54と、情報入力部55と、を備える。
【0069】
表示部51は、制御部54により生成された表示情報を表示出力する。表示部51は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示デバイスを含む。
【0070】
操作部52は、操作者による情報又は指示の入力を受け付ける。操作部52で受け付けた入力情報又は入力指示は、情報入力部55に入力される。操作部52は、例えばキーボード、マウス、又はタッチパネルなどの入力デバイスを含む。操作部52がタッチパネルを含む場合、タッチパネルは表示部51と一体に設けられていてもよい。
【0071】
記憶部53は、制御部54に特定の機能を実行させるための種々の情報及びプログラムを記憶する。また、記憶部53は、制御部54により生成された被検者の臓器等の断層画像を記憶する。また、記憶部53は、制御部54により生成された被検者の臓器等の三次元画像を記憶してもよい。記憶部53は、例えばRAM又はROMなどのメモリを含む。
【0072】
情報入力部55は、撮像センサ21が取得する臓器等の生体構造情報の入力を受け付ける。具体的に、情報入力部55は、シャフト本体28内に延在する信号線34を介して撮像センサ21と電気的に接続されており、撮像センサ21が取得する生体構造情報に関する電気信号を取得し、当該信号を制御部54に送信する。制御部54は、取得した生体構造情報に基づいて、臓器等の生体組織の複数の断層画像を生成する。
【0073】
また、情報入力部55は、2つの計測機器2が計測する3つの位置センサ24の位置情報の入力を受け付ける。具体的に、情報入力部55は、2つの計測機器2と電気的に接続されており、計測機器2が取得する位置センサ24の位置情報に関する電気信号を取得し、当該信号を制御部54に送信する。制御部54は、取得した位置情報と、上述の生体構造情報とに基づき、生体組織の複数の断層画像の各点における三次元座標を特定する。
【0074】
また、上述したように、情報入力部55には、操作部52で受け付けた情報又は指示が入力される。受け付けた情報又は指示は、制御部54に送信される。
【0075】
制御部54は、画像処理装置3を構成する各構成部の動作を制御する。制御部54は、特定のプログラムを読み込むことにより特定の機能を実行する。制御部54は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)等のプロセッサから構成される。制御部54は、上述した記憶部53に加えて又は代わりに、RAM又はROMなどの記憶部を含んでもよい。
【0076】
本実施形態の制御部54は、断層画像生成部61と、座標特定部62と、三次元構築部63と、厚み算出部64と、識別処理部65と、熱量算出部66と、を備える。
【0077】
断層画像生成部61は、撮像センサ21から取得される生体構造情報に基づき、臓器等の生体組織の複数の断層画像を生成する。
【0078】
座標特定部62は、撮像センサ21から取得される生体構造情報に基づき生成された生体組織の複数の断層画像における各点の三次元座標を、3つの位置センサ24の位置情報に基づいて特定する。具体的に、本実施形態の座標特定部62は、断層画像生成部61により生成された複数の断層画像における各点の三次元座標を、3つの位置センサ24の位置情報から得られる基準ベクトルを利用して特定することができる。以下、3つの位置センサ24の位置情報から得られる基準ベクトルを用いて複数の断層画像における各点の三次元座標を特定する一例について例示説明する。
【0079】
上述したように、本実施形態の3つの位置センサ24は、第1位置センサ24a、第2位置センサ24b及び第3位置センサ24cからなる。本実施形態において、第2位置センサ24b及び第3位置センサ24cは、シャフト22の中心軸方向Dに対向して配置されている。また、本実施形態において、第1位置センサ24a及び第2位置センサ24bは、シャフト22の周方向Eに対向して配置されている。更に、本実施形態において、第1位置センサ24a及び第2位置センサ24bは、周方向Eに中心角180°ずれた位置に配置されている。換言すれば、第1位置センサ24a及び第2位置センサ24bは、シャフト22の中心軸を挟んで径方向で対向する位置に配置されている。2つの計測機器2により計測される第1位置センサ24aの位置情報を「A」、第2位置センサ24bの位置情報を「B」、及び、第3位置センサ24cの位置情報を「C」とし、以下の[数1]のように表す。
【0080】
【0081】
これにより以下の[数2]のような2つの基準ベクトルを設定することができる。ベクトルBAは、シャフト22の遠位部の中心軸方向Dに直交する基準ベクトルである。ベクトルCBは、シャフト22の遠位部の中心軸方向Dに平行な基準ベクトルである。
【0082】
【0083】
次に、撮像カテーテル1の先端をローカル座標の原点Olとした場合に、このローカル座標における単位ベクトルは以下の[数3]のように表すことができる。ベクトルilは、第2位置センサ24bの位置から第1位置センサ24aの位置に向かう方向の単位ベクトルであり、ベクトルBAから求められる。ベクトルklは、第3位置センサ24cの位置から第2位置センサ24bの位置に向かう方向の単位ベクトルであり、ベクトルCBから求められる。ベクトルjlは、上述の2つのベクトルil及びklに垂直な単位ベクトルである。
【0084】
【0085】
上述の情報を用いて以下の[数4]に示す回転行列を得ることができる。
【0086】
【0087】
これを用いて撮像カテーテル1の先端を原点Olとしたローカル座標の任意の点Plは以下の[数5]のように表すことができる。
【0088】
【0089】
また、原点Oのグローバル座標において点Pは以下の[数6]のように表すことができる。
【0090】
【0091】
したがって、グローバル座標の点Pは、ローカル座標の点Plを用いて、以下の[数7]のように表すことができる。つまり、回転行列Mを用いることでローカル座標の点Plをグローバル座標の向きに変換することができる。また、グローバル座標の原点Oからのローカル座標の原点Olまでのベクトルを足し合わせる。このようにすることで、第1位置センサ24a、第2位置センサ24b及び第3位置センサ24cの位置情報に基づき、ローカル座標の任意点のグローバル座標、すなわち三次元座標を特定することができる。
【0092】
【0093】
なお、本実施形態において、第2位置センサ24b及び第3位置センサ24cは、シャフト22の中心軸方向Dに対向して配置されているが、第2位置センサ24b及び第3位置センサ24cは、中心軸方向Dにおいて異なる位置に配置されていればよく、中心軸方向Dに対向する位置に配置されていなくてよい。第2位置センサ24b及び第3位置センサ24cが中心軸方向Dに対向しない場合、第2位置センサ24b及び第3位置センサ24cの相対的な位置関係から予め中心軸方向Dに平行な基準ベクトルを取得しておけばよい。但し、本実施形態のように、第2位置センサ24b及び第3位置センサ24cが、シャフト22の中心軸方向Dに対向して配置されている構成とすれば、予め中心軸方向Dと平行な基準ベクトルを取得しなくてよく、三次元座標の特定が容易になる。
【0094】
また、本実施形態において、第1位置センサ24a及び第2位置センサ24bは、シャフト22の周方向Eに対向して配置されているが、第1位置センサ24a及び第2位置センサ24bは、周方向Eにおいて異なる位置に配置されていればよく、周方向Eに対向する位置に配置されていなくてよい。第1位置センサ24a及び第2位置センサ24bが周方向Eに対向しない場合、第1位置センサ24a及び第2位置センサ24bの相対的な位置関係から予め中心軸方向Dと直交する基準ベクトルを取得しておけばよい。但し、本実施形態のように、第1位置センサ24a及び第2位置センサ24bが、シャフト22の周方向Eに対向して配置されている構成とすれば、予め中心軸方向Dと直交する基準ベクトルを取得しなくてよく、三次元座標の特定が容易になる。また、本実施形態において、第1位置センサ24a及び第2位置センサ24bは、周方向Eに中心角180°ずれた位置に配置されているが、周方向Eの異なる位置であればよく、周方向Eにおける相対的な位置関係は特に限定されない。
【0095】
このように、シャフト22の遠位部の中心軸方向Dに平行な基準ベクトルと、シャフト22の遠位部の中心軸方向Dに直交する基準ベクトルと、を用いることで、ローカル座標の任意点のグローバル座標、すなわち三次元座標を特定することができる。
【0096】
より具体的に、シャフト22の遠位部の中心軸方向Dに平行な基準ベクトルと、シャフト22の遠位部の中心軸方向Dに直交する基準ベクトルと、を用いることで、三次元座標系における撮像センサ21が向いている向き、すなわち超音波あるいは光を送信している向きを特定できる。そして、この特定された撮像センサ21が向いている向きと、撮像センサ21からの距離によって、生体組織の複数の断層画像における各点の三次元座標を特定できる。
【0097】
以上のように、本実施形態の座標特定部62は、生体組織の複数の断層画像における各点の三次元座標を、3つの位置センサ24の位置情報に基づいて特定することができる。複数の断層画像の各点における三次元座標は、例えば、その三次元座標の位置における生体構造情報と共に記憶部53に記憶される。
【0098】
三次元構築部63は、撮像プローブ21aとしての超音波振動子から得られた生体構造情報、及び、座標特定部62により特定された生体組織の複数の断層画像における各点の三次元座標、に基づいて、生体組織の三次元画像を構築する。より具体的に、本実施形態の三次元構築部63は、座標特定部62により特定された複数の断層画像の各点における三次元座標と、その三次元座標の位置における生体構造情報と、に基づき、三次元画像を構築する。制御部54は、三次元構築部63により生成された三次元画像を、表示部51に表示させることができる。
【0099】
厚み算出部64は、撮像プローブ21aとしての超音波振動子から得られた生体構造情報に基づいて、生体組織の内壁面に垂直な方向における生体組織の厚みを算出する。具体的に、本実施形態の厚み算出部64は、座標特定部62により特定された生体組織の複数の断層画像における各点の三次元座標に基づいて、生体組織の内壁面に垂直な方向における生体組織の厚みを算出する。厚み算出部64は、例えば、座標特定部62により特定された生体組織の複数の断層画像における各点の三次元座標に基づき三次元構築部63により構築される三次元画像に基づいて、生体組織の内壁面に垂直な方向における生体組織の厚みを算出することができる。本実施形態では、座標特定部62が生体組織の複数の断層画像における各点の三次元座標を特定するため、正確な三次元画像を生成できる。そのため、生体組織の内壁面に垂直な方向における生体組織の厚みについても、生成された三次元画像を利用することで、正確に算出することができる。
【0100】
識別処理部65は、厚み算出部64で算出した生体組織の厚み情報に基づいて、三次元画像上における生体組織の内壁面を、生体組織の厚みに応じて識別可能に表示するための処理を実行する。生体組織の厚みに応じて識別可能に表示するための処理とは、例えば、生体組織の厚みに応じて三次元画像内を色分けして表示部51に表示出力するための処理が挙げられる。但し、生体組織の厚みに応じて識別可能に表示するための処理であれば特に限定されず、生体組織の厚みに応じて表示情報を異ならせる処理であればよい。制御部54は、識別処理部65が処理した識別情報を、表示部51に表示させることができる。
【0101】
熱量算出部66は、厚み算出部64で算出した生体組織の厚み情報に基づいて、生体組織の内壁面の所定箇所に与える熱量を算出する。撮像カテーテル1は、例えば、生体組織を焼灼する手技において利用される。生体組織の内壁面の所定箇所を焼灼する際に、その所定箇所の生体組織の厚みに応じて、焼灼の際に与える熱量を異ならせる。本実施形態の熱量算出部66は、このような手技において、生体組織の内壁面の所定箇所に与える熱量を、生体組織の厚み情報に基づいて算出することができる。また、制御部54は、算出された熱量を、表示部51に表示させることができる。これにより、医療従事者は、生体組織の厚みに応じた適切な供給熱量を把握することができる。
【0102】
なお、制御装置60の表示部51は、熱量算出部66で算出された熱量を、三次元構築部63により構築された三次元画像上における生体組織の内壁面の所定箇所上に表示することができる。換言すれば、制御装置60の制御部54は、熱量算出部66で算出された熱量を、三次元構築部63により構築された三次元画像上に表示させるように、表示部51を制御することができる。これにより、医療従事者は、生体組織の厚み及びその位置に応じた適切な供給熱量を把握することができる。
【0103】
本実施形態の制御部54は、上述した断層画像生成部61、座標特定部62、三次元構築部63、厚み算出部64、識別処理部65及び熱量算出部66を備えるが、制御部54はこの構成に限定されない。他の処理を実行する別の部位を有してもよい。また、制御部54は、例えば熱量算出部66など、一部の部位を備えない構成であってもよい。
【0104】
最後に、
図9、
図10を参照して、本実施形態の撮像システム100により実行される三次元画像の生成方法について説明する。
図9は、本実施形態の撮像カテーテル1を用いて行う手技の一例を示す図である。
図10は、
図9に示す手技中により行われる、撮像システム100により実行される三次元画像の生成方法の一例を示すフローチャートである。
【0105】
図10に示す三次元画像の生成方法は、撮像カテーテル1のシャフト22を長手方向Lに移動させる工程S1と、画像処理装置3が信号を受信する工程S2と、画像処理装置3が複数の断層画像を生成する工程S3と、複数の断層画像の各点の三次元座標を特定する工程S4と、三次元画像上の対応する座標に情報を反映する工程S5と、を含む。この工程S1~S5を、撮像カテーテル1のシャフト22を長手方向Lに移動している間、繰り返し実行する。これにより、長手方向Lの各位置での断層画像における各点の三次元座標を特定できる。そして、撮像カテーテル1のシャフト22の長手方向Lの移動が停止した場合に、三次元画像は完成する。なお、詳細は後述するが、
図9に示す手技では、撮像カテーテル1のシャフト22を長手方向Lに往復させることで、長手方向Lの各位置での断層画像を更新し続ける。かかる場合においては、
図10に示すフローチャートは、長手方向Lの一方向の移動における三次元画像の生成方法を意味している。
【0106】
図9では、心臓の右心房RA内に挿通されている撮像カテーテル1を示している。
図9に示すように、医療従事者等の操作者は、撮像カテーテル1を、被検者の右心房RAよりも径の小さい第1の血管としての下大静脈IVCを経て右心房RA内に挿入する。このとき、操作者は、右心房RA内に位置する医療器具としてのブロッケンブロー針80を、下大静脈IVCを経て右心房RA内に、ガイディングカテーテル84を通じて挿入する。ブロッケンブロー針80は、右心房RAと左心房LAとを隔離する卵円窩Hを貫通して右心房RAから左心房LAを開通させるために用いられる。
【0107】
図9に示すように、操作者は、撮像カテーテル1の遠位部を、右心房RAから連通する右心房RAよりも径の小さい第2の血管としての上大静脈SVCに挿入する。具体的には、まず、ガイドワイヤ200を上大静脈SVCに挿入し、次にガイドワイヤ200に沿って撮像カテーテル1の遠位部を上大静脈SVCに挿入することができる。これにより、撮像カテーテル1の遠位部の振動が抑制される。更に、撮像カテーテル1の近位側は、右心房RAよりも径の小さい下大静脈IVCに入っているため、撮像カテーテル1は、右心房RAよりも径の小さい上大静脈SVCと下大静脈IVCとに亘って延在することとなり、撮像カテーテル1の右心房RA内に位置する部分の振動及び移動が抑制される。
【0108】
撮像センサ21は、外シース23の外シース本体35内で、周方向Mに回転しながら長手方向Lに移動する(
図10の工程S1に該当)。その間、本実施形態の撮像センサ21としての超音波センサは、長手方向Lに直交する径方向N(
図4等参照)外側に向かって超音波を送信すると共に、右心房RAの内壁面等に反射した超音波を受信する。これにより、撮像センサ21は、右心房RAの生体組織の生体構造情報を、長手方向Lの所定範囲内の各位置で、周方向Mの全域に亘って取得することができる。更に、撮像センサ21は、右心房RAの生体組織の生体構造情報に加えて、右心房RA内に位置する医療器具としてのブロッケンブロー針80の位置情報を取得できる。そして、撮像センサ21が取得した生体構造情報及び医療器具としてのブロッケンブロー針80の位置情報は、信号線34(
図4等参照)を介して、画像処理装置3の情報入力部55(
図1等参照)に入力される(
図10の工程S2に該当)。制御部54(
図1参照)の断層画像生成部61(
図1参照)は、情報入力部55に入力された撮像センサ21からの情報に基づき、長手方向Lの所定範囲内の各位置での断層画像を生成する(
図10の工程S3に該当)。また、断層画像生成部61は、例えば複数の断層画像の画像処理を行うことで、複数の断層画像における生体組織及びブロッケンブロー針80等の医療器具を識別可能に抽出する。なお、複数の断層画像を生成する際に、被検者の心臓の拍動周期、及び、被検者の呼吸周期、を考慮して複数の断層画像を生成することが好ましい。このようにすることで、より精度の高い複数の断層画像を生成することができる。
【0109】
また、生体外に配置されている2つの計測機器2は、シャフト22の内シース27に固定されている3つの位置センサ24の三次元空間での位置情報を計測する。計測機器2が計測した位置情報は、画像処理装置3の情報入力部55に入力される(
図10の工程S2に該当)。制御部54の座標特定部62(
図1参照)は、情報入力部55に入力された撮像センサ21からの情報と、計測機器2から情報入力部55に入力された位置センサ24の位置情報と、に基づき、長手方向Lの所定範囲内の各位置での断層画像における各点についての三次元座標を特定する(
図10の工程S4に該当)。
【0110】
次に、制御部54の三次元構築部63(
図1参照)は、これから生成する又は既に生成されている三次元画像上の、座標特定部62により特定された三次元座標の位置に、撮像センサ21から取得された、生体組織の生体構造情報又は医療器具の位置情報、を反映する(
図10の工程S5に該当)。
【0111】
撮像カテーテル1のシャフト22を長手方向Lの一方向に移動させている間、上記工程S1~S5を繰り返す。このように複数の断層画像の各点の三次元座標を特定することで、
図9に示すように撮像カテーテル1の右心房RA内に位置する部分が湾曲していたとしても、右心房RAの正確な三次元画像を取得することができる。
【0112】
また、
図9では、臓器等の内腔の一例として心臓の右心房RAを示したが、本開示に係る撮像カテーテル1が挿入される臓器等の内腔は、特に限定されず、例えば、心臓の左心房であってもよく、心臓以外の臓器の内腔であってもよい。
【0113】
本開示に係る撮像システム及び撮像カテーテルは、上述した実施形態で示す具体的な構成及び方法に限られず、特許請求の範囲の記載を逸脱しない限り、種々の変形・変更が可能である。
図11は、上述した撮像カテーテル1の変形例としての撮像カテーテル301を示す図である。より具体的に、
図11は、撮像カテーテル301の遠位部の断面図である。
図11に示す撮像カテーテル301は、上述した撮像カテーテル1と比較して、主にシャフトの構成が相違している。
図11に示す撮像カテーテル301のシャフト322は、管状のシャフト本体322aのみから構成されている。撮像センサ21は、シャフト本体322aの周壁に固定されている。撮像センサ21は、シャフト本体322aの周方向に沿って複数配置されている。また、複数の撮像センサ21は、シャフト本体322aの周方向に所定間隔を隔てて、周方向全域に亘って配置されている。そのため、
図11に示す撮像カテーテル301では、周方向M全域の生体構造情報を取得するために、シャフト322を構成するシャフト本体322aを回転させなくてよい。つまり、
図11に示すシャフト322及び複数の撮像センサ21を用いれば、生体構造情報を取得するためにシャフト322を回転させなくてよい。そのため、このような撮像カテーテル301においては、3つの位置センサ24を、シャフト本体322aに配置することができる。なお、
図11に示す管状のシャフト本体322aの内部には、信号線34が挿通されている。なお、
図11に示す撮像カテーテル301の外シース323の遠位部の構成は、上述した撮像カテーテル1の外シース23の遠位部の構成と比較して、ガイドワイヤルーメン336aの中心軸線の位置が、外シース本体335の中心軸線の位置と、略一致している点で相違する。しかしながら、外シース323の構成は、上述した外シース23と同様であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本開示は撮像システム及び撮像カテーテルに関する。
【符号の説明】
【0115】
1、301:撮像カテーテル
2:計測機器
3:画像処理装置
21:撮像センサ
21a:撮像プローブ
21b:保持体
22、322:シャフト
23、323:外シース
24:位置センサ
24a:第1位置センサ
24b:第2位置センサ
24c:第3位置センサ
25:第1ハウジング
25a:第1中空部
26:第2ハウジング
26a:第2中空部
27:内シース
28:シャフト本体
29:内シース本体
30:内シース補強体
31:駆動シャフト部
32:接続パイプ部
33:ロータ
34:信号線
35、335:外シース本体
36:遠位チューブ
36a、336a:ガイドワイヤルーメン
37:連結チューブ
38:第1封止部
39:第1ポート
40:第2封止部
41:第2ポート
42:ジョイント
43:コネクタ
50:駆動部
51:表示部
52:操作部
53:記憶部
54:制御部
55:情報入力部
58:台座
59:流体供給部
59a:供給管
59b:回収管
60:制御装置
61:断層画像生成部
62:座標特定部
63:三次元構築部
64:厚み算出部
65:識別処理部
66:熱量算出部
80:ブロッケンブロー針
84:ガイディングカテーテル
100:撮像システム
200:ガイドワイヤ
322a:シャフト本体
L:長手方向
M:周方向
N:径方向
D:シャフトの中心軸方向
E:シャフトの周方向
H:卵円窩
O1:シャフトの中心軸
LA:左心房
RA:右心房
IVC:下大静脈
SVC:上大静脈