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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169910
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】車両用操作ペダル装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 26/02 20060101AFI20221102BHJP
   G05G 1/30 20080401ALI20221102BHJP
   G05G 1/38 20080401ALI20221102BHJP
   G05G 1/50 20080401ALI20221102BHJP
   B60T 7/06 20060101ALI20221102BHJP
   F02D 11/02 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
B60K26/02
G05G1/30 E
G05G1/38
G05G1/50
B60T7/06 B
F02D11/02 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021075623
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000241496
【氏名又は名称】豊田鉄工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松保 英紀
【テーマコード(参考)】
3D037
3D124
3G065
3J070
【Fターム(参考)】
3D037EA01
3D037EA05
3D037EB02
3D037EB04
3D037EB25
3D124AA35
3D124CC14
3D124CC20
3D124DD21
3D124DD29
3D124DD42
3G065CA32
3G065JA04
3G065JA06
3J070AA32
3J070BA05
3J070BA17
3J070BA41
3J070BA51
3J070BA77
3J070BA81
3J070CB02
3J070CC02
3J070CC71
3J070DA01
3J070EA01
(57)【要約】
【課題】ストッパが折損しても、ストッパの折損前と同様な踏込操作が可能な車両用操作ペダル装置を提供すること。
【解決手段】ブレーキペダル装置10は、踏込操作の解除時に踏部42を初期位置に停止させるストッパ60と、ストッパ60の折損時に踏部42を初期位置の近傍に停止させるためのリンク機構74とを備える。リンク機構74は、第1リンクプレート76と第2リンクプレート78とを有する。踏部42が初期位置に停止する際に、第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78の動作が第1連結部90及び第3連結部94等で規制されることによって、第1リンクプレート76の第1係止部88とペダルアーム40の第1被係止部66との間において、クリアランスCが形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両構成部材に固定されるサポート部材と、
前記サポート部材に回動可能支持される下端部と、踏部が設けられる上端部とを有し、踏込操作が開始されることによって、前記踏部が初期位置から車両前方側へ踏み込まれるペダルアームと、
前記ペダルアームと前記サポート部材との間に渡し設けられ、前記ペダルアームを車両後方側へ付勢する反力機構と、
前記ペダルアームに突設され、前記踏込操作の解除時に前記ペダルアームが前記反力機構で車両後方側へ回転するに伴って、前記サポート部材に係止することによって、前記踏部を前記初期位置に停止させるストッパと、
第1リンクプレートと第2リンクプレートとを有するリンク機構と、
前記第1リンクプレートの両端部のうち、車両後方側の第1後端部を前記ペダルアームに車両前方側から連結する第1連結部と、
前記第2リンクプレートの両端部のうち、車両前方側の第2前端部を前記サポート部材に連結する第2連結部と、
前記第1リンクプレートの前記第1後端部とは反対側にある前記第1リンクプレートの第1前端部と、前記第2リンクプレートの前記第2前端部とは反対側にある前記第2リンクプレートの第2後端部とを連結する第3連結部と、
前記踏部が前記初期位置に停止する際に、前記第1リンクプレート及び前記第2リンクプレートの動作が前記第1連結部、前記第2連結部、及び前記第3連結部で規制されることによって、前記第1リンクプレートと前記ペダルアームとの間又は前記第2リンクプレートと前記サポート部材との間に形成されるクリアランスと、を備え、
前記ストッパの折損時に、前記ペダルアームが前記反力機構で車両後方側へ回転して、前記踏部が前記初期位置から車両後方側へ移動すると、前記クリアランスが消滅すると共に、前記第1リンクプレートが前記ペダルアームに係止し、又は前記第2リンクプレートが前記サポート部材に係止することによって、前記踏部が前記初期位置の近傍に停止することを特徴とする車両用操作ペダル装置。
【請求項2】
前記第1連結部は、前記ペダルアームの前記上端部と前記下端部との間において、前記第1リンクプレートの前記第1後端部を前記ペダルアームに連結することを特徴とする請求項1に記載の車両用操作ペダル装置。
【請求項3】
前記サポート部材に設けられると共に前記第2リンクプレートの前記第2前端部が内在するスリットを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用操作ペダル装置。
【請求項4】
前記第1リンクプレートの前記第1後端部から外方へ突出する第1係止部と、
前記ペダルアームに突設されると共に前記第1リンクプレートの前記第1係止部に係止する第1被係止部とを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の車両用操作ペダル装置。
【請求項5】
前記ペダルアーム及び前記第1被係止部は、樹脂で一体成形されたものであることを特徴とする請求項4に記載の車両用操作ペダル装置。
【請求項6】
前記第2リンクプレートの前記第2前端部から外方へ突出する第2係止部と、
前記サポート部材に設けられると共に前記第2リンクプレートの前記第2係止部に係止する第2被係止部とを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の車両用操作ペダル装置。
【請求項7】
前記サポート部材及び前記第2被係止部は、樹脂で一体成形されたものであることを特徴とする請求項6に記載の車両用操作ペダル装置。
【請求項8】
前記サポート部材に設けられると共に前記第2リンクプレートの側縁部に係止する第3被係止部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の車両用操作ペダル装置。
【請求項9】
前記サポート部材及び前記第3被係止部は、樹脂で一体成形されたものであることを特徴とする請求項8に記載の車両用操作ペダル装置。
【請求項10】
前記ペダルアームの前記踏込操作に関連する補助装置を備え、
前記補助装置は、前記サポート部材と前記第2リンクプレートの前記第2前端部との間に介装されることによって、前記第2連結部を兼用することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載の車両用操作ペダル装置。
【請求項11】
前記補助装置は、ストロークセンサであることを特徴とする請求項10に記載の車両用操作ペダル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、踏込操作の解除時に踏部を初期位置に復帰させるストッパを備える車両用操作ペダル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記車両用操作ペダル装置に関し、種々の技術が提案されている。例えば、下記特許文献1に記載の技術は、アクセルペダル装置であって、運転者がアクセルペダルを踏み込まない休止位置にあるとき、復帰バネの付勢力により、アクセルペダルは休止位置に停止している。この状態から、運転者がアクセルペダルを踏み込むと、復帰バネの付勢力に抗して回転し、ヒステリシス発生機構が発生する抵抗荷重(押返し荷重)を増しながら、最大踏込み位置(全開位置)まで回転して、所定のストッパに当接して停止する。一方、運転者が踏力を緩めると、踏込み時の抵抗荷重(ペダル荷重)よりも小さい抵抗荷重(ペダル荷重)を運転者に及ぼしながら、アクセルペダルは復帰バネの付勢力により休止位置に向けて移動し、所定のストッパに当接して停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-171526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ストッパが折損して、アクセルペダルの休止位置が車両後方側へ後退すると、異常な踏込み動作でアクセルペダルを操作する必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、ストッパが折損しても、ストッパの折損前と同様な踏込操作が可能な車両用操作ペダル装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するためになされた請求項1に係る発明は、車両用操作ペダル装置であって、車両構成部材に固定されるサポート部材と、サポート部材に回動可能支持される下端部と、踏部が設けられる上端部とを有し、踏込操作が開始されることによって、踏部が初期位置から車両前方側へ踏み込まれるペダルアームと、ペダルアームとサポート部材との間に渡し設けられ、ペダルアームを車両後方側へ付勢する反力機構と、ペダルアームに突設され、踏込操作の解除時にペダルアームが反力機構で車両後方側へ回転するに伴って、サポート部材に係止することによって、踏部を初期位置に停止させるストッパと、第1リンクプレートと第2リンクプレートとを有するリンク機構と、第1リンクプレートの両端部のうち、車両後方側の第1後端部をペダルアームに車両前方側から連結する第1連結部と、第2リンクプレートの両端部のうち、車両前方側の第2前端部をサポート部材に連結する第2連結部と、第1リンクプレートの第1後端部とは反対側にある第1リンクプレートの第1前端部と、第2リンクプレートの第2前端部とは反対側にある第2リンクプレートの第2後端部とを連結する第3連結部と、踏部が初期位置に停止する際に、第1リンクプレート及び第2リンクプレートの動作が第1連結部、第2連結部、及び第3連結部で規制されることによって、第1リンクプレートとペダルアームとの間又は第2リンクプレートとサポート部材との間に形成されるクリアランスと、を備え、ストッパの折損時に、ペダルアームが反力機構で車両後方側へ回転して、踏部が初期位置から車両後方側へ移動すると、クリアランスが消滅すると共に、第1リンクプレートがペダルアームに係止し、又は第2リンクプレートがサポート部材に係止することによって、踏部が初期位置の近傍に停止することを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両用操作ペダル装置であって、第1連結部は、ペダルアームの上端部と下端部との間において、第1リンクプレートの第1後端部をペダルアームに連結することを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両用操作ペダル装置であって、サポート部材に設けられると共に第2リンクプレートの第2前端部が内在するスリットを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の車両用操作ペダル装置であって、第1リンクプレートの第1後端部から外方へ突出する第1係止部と、ペダルアームに突設されると共に第1リンクプレートの第1係止部に係止する第1被係止部とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の車両用操作ペダル装置であって、ペダルアーム及び第1被係止部は、樹脂で一体成形されたものであることを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の車両用操作ペダル装置であって、第2リンクプレートの第2前端部から外方へ突出する第2係止部と、サポート部材に設けられると共に第2リンクプレートの第2係止部に係止する第2被係止部とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の車両用操作ペダル装置であって、サポート部材及び第2被係止部は、樹脂で一体成形されたものであることを特徴とする。
【0013】
請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の車両用操作ペダル装置であって、サポート部材に設けられると共に第2リンクプレートの側縁部に係止する第3被係止部を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項9に係る発明は、請求項8に記載の車両用操作ペダル装置であって、サポート部材及び第3被係止部は、樹脂で一体成形されたものであることを特徴とする。
【0015】
請求項10に係る発明は、請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載の車両用操作ペダル装置であって、ペダルアームの踏込操作に関連する補助装置を備え、補助装置は、サポート部材と第2リンクプレートの第2前端部との間に介装されることによって、第2連結部を兼用することを特徴とする。
【0016】
請求項11に係る発明は、請求項10に記載の車両用操作ペダル装置であって、補助装置は、ストロークセンサであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の車両用操作ペダル装置では、ストッパが折損しても、ストッパの折損前と同様な踏込操作が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態の車両用操作ペダル装置が表された斜視図である。
図2】同車両用操作ペダル装置が表された斜視図である。
図3】同車両用操作ペダル装置が表された平面図である。
図4】同車両用操作ペダル装置のペダルアームが表された斜視図である。
図5】同車両用操作ペダル装置を図6の線I-Iで切断した断面が表された図である。
図6】同車両用操作ペダル装置が表された側面図である。
図7】同車両用操作ペダル装置の第1変更例が表された斜視図である。
図8図7の部分IIが拡大された斜視図である。
図9】同第1変更例が表された側面図である。
図10】同車両用操作ペダル装置の第2変更例が表された斜視図である。
図11】同第2変更例が表された側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る車両用操作ペダル装置について、具体化した実施形態に基づき、図面を参照しつつ説明する。以下の説明に用いる各図面では、基本的構成の一部が省略されて描かれており、描かれた各部の寸法比等は必ずしも正確ではない。
【0020】
各図において、前後方向、上下方向、及び左右方向は、各図に記載された通りである。但し、図3では、図の紙面の奥側が下方であり、図の紙面の手前側が上方である。図5では、図の紙面の奥側が上方であり、図の紙面の手前側が下方である。図6図9、及び図11では、図の紙面の奥側が右方であり、図の紙面の手前側が左方である。
【0021】
本実施形態では、本発明に係る車両用操作ペダル装置が、ブレーキペダル装置として具体化されている。本実施形態のブレーキペダル装置は、そのペダルアームが、コントロールユニットを介して、ブレーキアクチュエーターと電線で接続されている。コントロールユニットは、ペダルアームの踏部に対する踏込操作に応じた電気信号に基づいて、ブレーキアクチュエーターを制御し、ブレーキキャリパーを作動させる。つまり、本実施形態のブレーキペダル装置は、バイワイヤシステムを採用した車両に搭載されるものである。尚、このような技術を実施するための構成については、公知技術であることから、詳細な説明を省略する。
【0022】
また、本実施形態のブレーキペダル装置は、オルガン式のものであるが、吊り下げ式のものであってもよい。
【0023】
尚、以下の説明では、本実施形態のブレーキペダル装置の前方、後方を、「車両前方」、「車両後方」と表記する場合がある。また、本実施形態のブレーキペダル装置の左右方向を、「車幅方向」と表記する場合がある。
【0024】
図1乃至図3に表されるように、本実施形態のブレーキペダル装置10は、ベース部材20、ペダルアーム40、及び反力機構50等を備えている。
【0025】
ベース部材20は、溶融樹脂を射出成形して製造された樹脂成形品であって、前側ベース部材22、後側ベース部材24、左側ベース部材26、及び右側ベース部材28等から構成されている。前側ベース部材22及び後側ベース部材24は、前後方向で互いに向かい合っている。これに対して、左側ベース部材26及び右側ベース部材28は、左右方向で互いに向かい合っている。
【0026】
更に、左側ベース部材26及び右側ベース部材28には、それらの前後の両端において、前側ベース部材22及び後側ベース部材24が連なっている。これにより、ベース部材20の中央には、前側ベース部材22、後側ベース部材24、左側ベース部材26、及び右側ベース部材28に囲まれた、開口部30が形成されている。そのため、ベース部材20は、平面視で枠状をなしている。
【0027】
後側ベース部材24には、その左右の両端部において、一対の取付穴25,25が形成されている。左側ベース部材26には、その前側ベース部材22寄りにおいて、取付穴27が形成されている。右側ベース部材28には、その前側ベース部材22寄りにおいて、取付穴29が形成されている。各取付穴25,25,27,29には、インサート成形によって、金属製のカラー(不図示)が嵌め込まれている。各取付穴25,25,27,29のカラーには、ベース部材20が車両フロア11に当接された状態において、金属製の固定ボルト(不図示)が挿入される。これにより、ベース部材20は、車両フロア11に固定される。
【0028】
前側ベース部材22には、上方へ突出する一対の対向ブラケット部32,32が設けられている。一対の対向ブラケット部32,32は、ベース部材20の左右方向の中心を示す中心線を挟んで、互いに向き合っている。尚、左側ベース部材26及び右側ベース部材28においては、それらの後側ベース部材24寄りが、上方へ張り出している。
【0029】
ペダルアーム40は、ベース部材20と同様な樹脂成形品であって、溶融樹脂を射出成形して製造されるものである。ペダルアーム40の上端部41には、踏部42が設けられている。ペダルアーム40の前方側には、ペダルアーム40の下端部43寄りにおいて、後方へ窪んだ凹部44が形成されている。
【0030】
ペダルアーム40は、その下端部43が、左側、右側ベース部材26,28の間において、後側ベース部材24寄りで介在した状態にあり、回動ボルトB及びナットNによって回動可能に支持されている。回動ボルトB及びナットNは、金属製である。そのため、ペダルアーム40の下端部43と、左側、右側ベース部材26,28の後側ベース部材24寄りとには、回動ボルトBを通すための金属製のカラー(不図示)が、インサート成形によって設けられている。左側ベース部材26では、回動ボルトBの頭部が当接されている。これに対して、右側ベース部材28では、回動ボルトBの先端部が右方へ突き出しており、その突き出し部分にナットNがねじ込まれている。
【0031】
反力機構50は、前側ベース部材22とペダルアーム40との間に取り付けられることによって、ベース部材20の開口部30上に配設されている。反力機構50は、前側ホルダー52、後側ホルダー54、及び圧縮コイルバネ56等を備えている。
【0032】
圧縮コイルバネ56は、円筒形の金属製品である。圧縮コイルバネ56は、前側ホルダー52と後側ホルダー54とに挟まれた状態で支持されている。尚、圧縮コイルバネ56は、外側圧縮コイルバネと内側圧縮コイルバネとで構成されている。内側圧縮コイルバネは、前側ホルダー52と後側ホルダー54との間において、外側圧縮コイルバネの内部に配設されている。そのため、内側圧縮コイルバネの外径は、外側圧縮コイルバネの内径よりも小さい。また、内側圧縮コイルバネの自由長は、外側圧縮コイルバネの自由長よりも短い。
【0033】
前側ホルダー52及び後側ホルダー54は、ベース部材20と同様な樹脂成形品であって、溶融樹脂を射出成形して製造されるものである。前側ホルダー52には、その前方側において、差込ブラケット部53が突設されている。前側ホルダー52は、その差込ブラケット部53を挟み込んだ前側ベース部材22の一対の対向ブラケット部32,32において、回動ピンP1及びEリングE3で回動可能に支持されている。これに対して、後側ホルダー54は、その後方側において、差込ブラケット部55が突設されている。後側ホルダー54は、その差込ブラケット部55を入れ込んだ凹部44が形成されたペダルアーム40の下端部43寄りにおいて、回動ピンP2及びEリングE4で回動可能に支持されている。回動ピンP2は、回動ピンP1よりも高い位置に設けられている。そのため、反力機構50は、前方へ向かうに連れて下方へ向かう傾斜姿勢である。尚、各回動ピンP1,P2及び各EリングE3,E4は、金属製である。
【0034】
そのような構成によって、反力機構50は、圧縮コイルバネ56の撓み量(つまり、長尺、短尺圧縮コイルバネの各撓み量)に応じて、ペダルアーム40を車両後方側へ付勢する。
【0035】
ペダルアーム40の下端部43には、その先端から下方へ突き出すようにして、一対のストッパ60,60が設けられている。一方、左側、右側ベース部材26,28の後側ベース部材24寄りには、左右方向で互いに向かい合う位置において、一対の突起部62,62が、左側、右側ベース部材26,28からベース部材20の開口部30の内方へ突き出すようにして設けられている。各ストッパ60,60は、ペダルアーム40が反力機構50の付勢力によって回動ボルトBを中心にして車両後方側へ回転すると、各突起部62,62に係止する。これにより、各ストッパ60,60は、ペダルアーム40の踏部42を、図1乃至図3に表された状態を保ち続ける。以下、図1乃至図3に表された状態にあるペダルアーム40の踏部42の位置を、初期位置という。
【0036】
ブレーキペダル装置10では、踏込操作が開始されると、ペダルアーム40の踏部42が初期位置から車両前方側へ踏み込まれる。これにより、ペダルアーム40は、反力機構50の付勢力に抗しながら、回動ボルトBを中心にして車両前方側へ回転する。その後、踏込操作が解除されると、ペダルアーム40は、反力機構50の付勢力によって、回動ボルトBを中心にして車両後方側へ回転する。これに伴って、ペダルアーム40の各ストッパ60,60は、ベース部材20の各突起部62,62に係止する。これにより、ペダルアーム40の踏部42は、初期位置に復帰する。
【0037】
図4にも表されるように、ペダルアーム40には、上端部41と下端部43との間において、突出部64及び第1被係止部66が、ペダルアーム40から左方へ突き出すようにして設けられている。突出部64は、略円柱状であって、その母線が左右方向と平行である。第1被係止部66は、略直方体状であって、その側面の稜線が左右方向と平行である。突出部64の側面上部と第1被係止部66の側面下部とは、左右方向に沿って連なっている。
【0038】
第1被係止部66の左方側平面は、突出部64の左方側平面よりも左方側に配置されている。また、突出部64の左方側平面には、金属製の連結ピン68の先端部分が左方へ突き出すようにして設けられている。突出部64及び第1被係止部66は、ペダルアーム40が溶融樹脂を射出成形して製造される際に、ペダルアーム40と一体成形されるものである。更に、連結ピン68は、その先端部分を除く部分が、インサート成形によって、突出部64に埋め込まれている。
【0039】
尚、図4が表すペダルアーム40において、符号45が示す穴は、回動ボルトBを通すためのボス穴である。符号46が示す穴は、回動ピンP2を通すためのピン穴である。
【0040】
図1乃至図3に表されるように、左側ベース部材26の前側ベース部材22寄りには、その外方側において、取付ブラケット部70が設けられている。取付ブラケット部70は、ベース部材20が溶融樹脂を射出成形して製造される際に、ベース部材20と一体成形されるものである。取付ブラケット部70には、ストロークセンサ72が取り付けられている。ストロークセンサ72は、ペダルアーム40の踏込量を計測し、その計測結果に応じた電気信号を上記コントロールユニットに送信するものある。
【0041】
ストロークセンサ72とペダルアーム40との間には、リンク機構74が取り付けられている。リンク機構74は、第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78を有している。第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78は、金属製である。第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78は、板状であって、それらの板厚方向が左右方向と一致するように配設されている。第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78は、それらの長手方向で逆V字状をなしており、その先端角度がペダルアーム40の踏込量に応じて変化する。
【0042】
第1リンクプレート76は、第1前端部80及び第1後端部82を有している。第1前端部80及び第1後端部82は、第1リンクプレート76の前後方向の両端部を構成している。従って、第1リンクプレート76において、第1前端部80は、車両前方側にあり、第1後端部82は、車両前方側とは反対側の車両後方側にある。同様にして、第2リンクプレート78は、第2前端部84及び第2後端部86を有している。第2前端部84及び第2後端部86は、第2リンクプレート78の前後方向の両端部を構成している。従って、第2リンクプレート78において、第2前端部84は、車両前方側にあり、第2後端部86は、車両前方側とは反対側の車両後方側にある。
【0043】
第1リンクプレート76の第1後端部82には、第1係止部88が上方へ突き出すようにして延出している。第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78には、第1連結部90、第2連結部92、及び第3連結部94が設けられている。
【0044】
図5にも表されるように、第1連結部90では、ペダルアーム40の連結ピン68の先端部分が、第1リンクプレート76の第1後端部82を貫通することによって、第1リンクプレート76の第1後端部82から左方へ突き出しており、その突き出し部分にEリングE1が装着されている。これにより、第1連結部90では、第1リンクプレート76の第1後端部82が、ペダルアーム40の上端部41と下端部43との間において、ペダルアーム40の突出部64に車両前方側から連結されている。
【0045】
第2連結部92では、左右方向に沿って延びるストロークセンサ72の検知軸96が、第2リンクプレート78の第2前端部84に圧入等によって嵌め合わされた状態で、第2リンクプレート78の第2前端部84から右方へ突き出している。これにより、第2連結部92では、第2リンクプレート78の第2前端部84が、ストロークセンサ72の検知軸96及び取付ブラケット部70を介して、ベース部材20に連結されている。このようにして、ストロークセンサ72(の検知軸96)は、ベース部材20の取付ブラケット部70と第2リンクプレート78の第2前端部84との間に介装されることによって、第2連結部92を兼用している。
【0046】
第3連結部94では、左右方向において、第1リンクプレート76の第1前端部80及び第2リンクプレート78の第2後端部86が重ね合わされた状態にある。更に、連結ピン98が、左右方向に沿って、第1リンクプレート76の第1前端部80及び第2リンクプレート78の第2後端部86に貫き通されている。第1リンクプレート76の第1前端部80では、連結ピン98の頭部が当接されている。これに対して、第2リンクプレート78の第2後端部86では、連結ピン98の先端部が左方へ突き出しており、その突き出し部分にEリングE2が装着されている。これにより、第3連結部94では、第1リンクプレート76の第1前端部80と第2リンクプレート78の第2後端部86とが連結されている。
【0047】
このようにして、第1連結部90、第2連結部92、及び第3連結部94は、ペダルアーム40とベース部材20との間において、第1リンクプレート76と第2リンクプレート78とに設けられることによって、第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78の動作を規制している。
【0048】
第2リンクプレート78の第2前端部84には、第2係止部100が下方へ突き出すようにして延出している。一方、ベース部材20の取付ブラケット部70には、ストロークセンサ72の検知軸96よりも下方側において、スリット102が設けられている。スリット102の開口部は、その長手方向が前後方向に沿うように形成されている。また、スリット102の開口部は、その左右方向の幅が第2リンクプレート78の板厚よりも大きい。更に、スリット102の開口部には、その前後方向の中央において、第2リンクプレート78の第2前端部84の一部が入り込んでいる。これにより、第2リンクプレート78の第2前端部84の一部及び第2係止部100は、ベース部材20のスリット102の開口部から下方へ通し連なるスリット102の空洞部内に配されている。
【0049】
ブレーキペダル装置10では、ペダルアーム40の踏部42が初期位置にある状態では、ストロークセンサ72とペダルアーム40との間に取り付けられているリンク機構74の第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78の動作が、第1連結部90、第2連結部92、及び第3連結部94で規制されることによって、クリアランスC(図1参照)が、ペダルアーム40の第1被係止部66とリンク機構74の第1リンクプレート76の第1係止部88との間に形成される。
【0050】
その後、踏込操作が開始され、ペダルアーム40の踏部42が初期位置から車両前方側へ踏み込まれると、ペダルアーム40が、反力機構50の付勢力に抗しながら、回動ボルトBを中心にして車両前方側へ回転する。これに伴い、リンク機構74の第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78が動作することによって、ストロークセンサ72の検知軸96が、その軸周りをペダルアーム40の踏込量に応じた回転角となるまで回転する。
【0051】
その後、踏込操作が解除されると、ペダルアーム40は、反力機構50の付勢力によって、回動ボルトBを中心にして車両後方側へ回転する。これに伴い、上述したようにして、ペダルアーム40の踏部42が初期位置に復帰する。その際、リンク機構74の第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78が、踏込操作時の動作とは逆の動作を行う。これにより、クリアランスC(図1参照)が、ペダルアーム40の第1被係止部66とリンク機構74の第1リンクプレート76の第1係止部88との間に再び形成される。
【0052】
但し、ペダルアーム40の各ストッパ60,60が折損している場合、各ストッパ60,60は、ベース部材20の各突起部62,62に係止できない。従って、踏込操作が解除されて、ペダルアーム40の踏部42が初期位置に到達しても、ペダルアーム40は、反力機構50の付勢力で車両後方側へ回転し続ける。そのため、ペダルアーム40の踏部42は、初期位置を通過して車両後方側へ移動する。しかしながら、これに伴い、リンク機構74の第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78が動作することによって、クリアランスC(図1参照)が狭くなり、更に、クリアランスC(図1参照)がなくなると、図6に表されるように、リンク機構74の第1リンクプレート76の第1係止部88が、ペダルアーム40の第1被係止部66に係止する。そのため、第1リンクプレート76は、その第1係止部88とペダルアーム40の第1被係止部66とが係止状態のままで、連結ピン68を中心として、図6の側面視で反時計回りに回転することが阻止される。これにより、ペダルアーム40の回転が停止すると共に、第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78の動作が停止することによって、ペダルアーム40の踏部42は、初期位置から車両後方側の近傍で停止する。
【0053】
尚、ペダルアーム40が車両前方側又は車両後方側へ回転する際、リンク機構74では、その第2リンクプレート78の第2前端部84の一部及び第2係止部100が、ベース部材20の取付ブラケット部70のスリット102内を揺動する。
【0054】
以上詳細に説明したように、本実施形態のブレーキペダル装置10は、各ストッパ60,60とリンク機構74とを備えている。各ストッパ60,60は、ペダルアーム40の下端部43に突設されており、踏込操作の解除時にペダルアーム40が反力機構50で車両後方側へ回転するに伴い、ベース部材20の各突起部62,62に係止することによって、踏部42を初期位置に停止させる。
【0055】
一方、リンク機構74は、第1リンクプレート76と第2リンクプレート78とを有している。第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78の動作は、第1連結部90、第2連結部92、及び第3連結部94で規制されている。これにより、ペダルアーム40の踏部42が初期位置にある状態では、クリアランスCが、リンク機構74の第1リンクプレート76の第1係止部88とペダルアーム40の第1被係止部66との間に形成される。
【0056】
このような構成のリンク機構74では、ペダルアーム40の各ストッパ60,60の折損時に、ペダルアーム40が反力機構50の付勢力で車両後方側へ回転すると、この回転に伴い、第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78が動作することによって、クリアランスCが消滅し、第1リンクプレート76の第1係止部88が、ペダルアーム40の第1被係止部66に係止する。これにより、ペダルアーム40の回転が停止すると共に、第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78の動作が停止することによって、ペダルアーム40の踏部42は、初期位置から車両後方側の近傍で停止する。
【0057】
そのため、本実施形態のブレーキペダル装置10では、各ストッパ60,60が折損しても、踏込操作の解除時にリンク機構74がペダルアーム40の踏部42を初期位置から車両後方側の近傍で停止させるので、各ストッパ60,60の折損前と同様な踏込操作が可能である。
【0058】
また、本実施形態では、第1連結部90が、ペダルアーム40の上端部41と下端部43との間において、第1リンクプレート76の第1後端部82を、ペダルアーム40の突出部64の連結ピン68に連結している。これにより、本実施形態のブレーキペダル装置10は、リンク機構74を構成するリンクプレートの数を最小の2つにしている。尚、例えば、第1リンクプレート76の第1後端部82がペダルアーム40の下端部43の回動ボルトBに連結される場合、リンク機構74は、第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78に加えて、少なくとももう1つのプレートが必要となる。
【0059】
また、本実施形態において、ベース部材20の取付ブラケット部70に設けられたスリット102には、第2リンクプレート78の第2前端部84の一部及び第2係止部100が内在している。これにより、本実施形態のブレーキペダル装置10は、車幅方向における第2リンクプレート78のガタつきを抑制している。
【0060】
また、本実施形態において、突出部64、連結ピン68、及び第1被係止部66は、ペダルアーム40と樹脂で一体成形されたものである。これにより、本実施形態のブレーキペダル装置10は、その部品数及び組付工数を低減させている。
【0061】
また、本実施形態において、ストロークセンサ72の検知軸96は、ベース部材20と第2リンクプレート78の第2前端部84との間に介装されることによって、第2連結部92を兼用している。これにより、本実施形態のブレーキペダル装置10は、第2リンクプレート78を、ストロークセンサ72及びリンク機構74で共用している。
【0062】
また、本実施形態では、各ストッパ60,60が折損した場合に、ペダルアーム40の踏部42が初期位置を通過して車両後方側へ移動しても、上述したようにして、第1リンクプレート76の第1係止部88がペダルアーム40の第1被係止部66に係止することで、ペダルアーム40の回転が停止すると共に、第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78の動作が停止する。これにより、本実施形態のブレーキペダル装置10は、ストロークセンサ72の検知軸96が許容範囲を超えて自転することを防止している。
【0063】
ちなみに、本実施形態において、ブレーキペダル装置10は、「車両用操作ペダル装置」の一例である。車両フロア11は、「車両構成部材」の一例である。ベース部材20は、「サポート部材」の一例である。ストロークセンサ72は、「補助装置」の一例である。第1リンクプレート76の第1前端部80及び第1後端部82は、「第1リンクプレートの両端部」の一例である。第2リンクプレート78の第2前端部84及び第2後端部86は、「第2リンクプレートの両端部」の一例である。
【0064】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施形態では、ストロークセンサ72に代えて、減衰装置が設けられてもよい。この場合、減衰装置は、「補助装置」の一例である。
【0065】
また、本実施形態のブレーキペダル装置10では、第1被係止部66に代えて、図7乃至図9に表されるように、第2被係止部104が設けられてもよい。以下、このような第1変更例について説明するが、その説明では、上記実施形態と実質的に共通する部分には同一の符号を付すことにより、詳しい説明を省略する。
【0066】
図7乃至図9に表されるように、ベース部材20の取付ブラケット部70のスリット102では、ストロークセンサ72の検知軸96よりも車両前方側において、第2被係止部104が内設されている。第2被係止部104は、取付ブラケット部70と同様にして、ベース部材20が溶融樹脂を射出成形して製造される際に、ベース部材20と一体成形されるものである。
【0067】
ペダルアーム40の踏部42が初期位置にある状態(つまり、踏込操作が解除された状態)のスリット102内では、ストロークセンサ72とペダルアーム40との間に取り付けられているリンク機構74の第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78の動作が、第1連結部90、第2連結部92、及び第3連結部94で規制されることによって、不図示のクリアランスが、ベース部材20の第2被係止部104とリンク機構74の第2リンクプレート78の第2係止部100との間に形成される。
【0068】
ペダルアーム40の各ストッパ60,60が折損している場合に、踏込操作が解除されると、本実施形態と同様にして、各ストッパ60,60がベース部材20の各突起部62,62に係止できないため、ペダルアーム40の踏部42が初期位置に到達しても、ペダルアーム40が反力機構50の付勢力で車両後方側へ回転し続ける。そのため、ペダルアーム40の踏部42は、初期位置を通過して車両後方側へ移動する。しかしながら、これに伴い、リンク機構74の第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78が動作することによって、クリアランス(不図示)が狭くなり、更に、クリアランス(不図示)がなくなると、図9に表されるように、リンク機構74の第2リンクプレート78の第2被係止部104が、ベース部材20の第2被係止部104に係止する。これにより、ペダルアーム40の回転が停止すると共に、第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78の動作が停止することによって、ペダルアーム40の踏部42は、初期位置から車両後方側の近傍で停止する。
【0069】
そのため、第1変更例のブレーキペダル装置10では、各ストッパ60,60が折損しても、踏込操作の解除時にリンク機構74がペダルアーム40の踏部42を初期位置から車両後方側の近傍で停止させるので、各ストッパ60,60の折損前と同様な踏込操作が可能である。
【0070】
また、第1変更例において、第2被係止部104は、ベース部材20と樹脂で一体成形されたものである。これにより、第1変更例のブレーキペダル装置10は、その部品数及び組付工数を低減させている。
【0071】
また、本実施形態のブレーキペダル装置10では、第1被係止部66に代えて、図10及び図11に表されるように、第3被係止部106が設けられてもよい。以下、このような第2変更例について説明するが、その説明では、上記実施形態と実質的に共通する部分には同一の符号を付すことにより、詳しい説明を省略する。
【0072】
図10に表されるように、ベース部材20の取付ブラケット部70では、スリット102よりも車両後方側において、第3被係止部106が、取付ブラケット部70から上方へ向けて突き出している。第3被係止部106は、取付ブラケット部70と同様にして、ベース部材20が溶融樹脂を射出成形して製造される際に、ベース部材20と一体成形されるものである。
【0073】
ペダルアーム40の踏部42が初期位置にある状態(つまり、踏込操作が解除された状態では、ストロークセンサ72とペダルアーム40との間に取り付けられているリンク機構74の第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78の動作が、第1連結部90、第2連結部92、及び第3連結部94で規制されることによって、クリアランスCが、ベース部材20の第3被係止部106とリンク機構74の第2リンクプレート78の下方側縁部108との間に形成される。
【0074】
ペダルアーム40の各ストッパ60,60が折損している場合(図11の場合)に、踏込操作が解除されると、本実施形態と同様にして、各ストッパ60,60がベース部材20の各突起部62,62に係止できないため、ペダルアーム40の踏部42が初期位置に到達しても、ペダルアーム40が反力機構50の付勢力で車両後方側へ回転し続ける。そのため、ペダルアーム40の踏部42は、初期位置を通過して車両後方側へ移動する。しかしながら、これに伴い、リンク機構74の第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78が動作することによって、クリアランスCが狭くなり、更に、クリアランスCがなくなると、図11に表されるように、リンク機構74の第2リンクプレート78の下方側縁部108が、ベース部材20の第3被係止部106に係止する。これにより、ペダルアーム40の回転が停止すると共に、第1リンクプレート76及び第2リンクプレート78の動作が停止することによって、ペダルアーム40の踏部42は、初期位置から車両後方側の近傍で停止する。
【0075】
そのため、第2変更例のブレーキペダル装置10では、各ストッパ60,60が折損しても、踏込操作の解除時にリンク機構74がペダルアーム40の踏部42を初期位置から車両後方側の近傍で停止させるので、各ストッパ60,60の折損前と同様な踏込操作が可能である。
尚、第2変更例において、下方側縁部108は、「第2リンクプレートの側縁部」の一例である。
【0076】
また、第2変更例において、第3被係止部106は、ベース部材20と樹脂で一体成形されたものである。これにより、第2変更例のブレーキペダル装置10は、その部品数及び組付工数を低減させている。
【0077】
また、上記実施形態では、本発明の車両用操作ペダル装置がブレーキペダル装置10として具体化されているが、車両で使用されるアクセルペダル装置又はクラッチペダル装置等として本発明の車両用操作ペダル装置が具体化されてもよい。
【符号の説明】
【0078】
10 ブレーキペダル装置
11 車両フロア
20 ベース部材
40 ペダルアーム
41 上端部
42 踏部
43 下端部
50 反力機構
60 ストッパ
66 第1被係止部
72 ストロークセンサ
74 リンク機構
76 第1リンクプレート
78 第2リンクプレート
80 第1前端部
82 第1後端部
84 第2前端部
86 第2後端部
88 第1係止部
90 第1連結部
92 第2連結部
94 第3連結部
100 第2係止部
102 スリット
104 第2被係止部
106 第3被係止部
108 下方側縁部
C クリアランス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11