(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170001
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】トレーのオプション装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/30 20060101AFI20221102BHJP
【FI】
B65G47/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021075804
(22)【出願日】2021-04-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1 自社ウェブサイトでの公開 https://www.fuji-seiki.co.jp/news/date/2020/09?post_type=news 公開日 令和2年9月25日 2 持ち込み実演 (1)株式会社デリカフレンズ筑後工場(福岡県筑後市大字久富1343-5築後工場) 実演日 令和2年10月20日 (2)株式会社武蔵野埼玉工場(埼玉県朝霞市泉水3丁目11-46埼玉工場) 実演日 令和3年1月18日 3 顧客向説明会 (1)フジフーズ株式会社(千葉県千葉市美浜区中瀬2丁目6-1WBGマリブウエスト20F) 実演日 令和2年7月22日 (2)トオカツフーズ株式会社(神奈川県横浜市港北区日吉7丁目15-14) 実演日 令和2年8月18日 (3)株式会社武蔵野(埼玉県朝霞市西原1丁目1-1武蔵野ビル) 実演日 令和3年3月29日 (4)わらべや日洋株式会社(東京都新宿区富久町13-19) 実演日 令和3年4月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000236746
【氏名又は名称】不二精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114731
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 重男
(72)【発明者】
【氏名】青木 太志
【テーマコード(参考)】
3F081
【Fターム(参考)】
3F081AA20
3F081AA47
3F081BC01
3F081BD17
3F081BE04
3F081BE08
3F081BE09
3F081CA05
3F081CC08
3F081CE02
3F081CE10
3F081CE14
(57)【要約】
【課題】 弁当箱(トレー)を、ユーザ側の工場のレイアウト等に応じて90度又は180度回転させることが可能なトレーのオプション装置を提供する。
【解決手段】 上流から流れてくる長方形状の弁当箱50(トレー)を下流側に流すベルトコンベア6,33と、ベルトコンベア6,33に到来した弁当箱50を検知する光センサ47と、光センサ47で検知した後に弁当箱50を両側から挟持する弁当挟持板25a,25bと、弁当挟持板25a,25bで挟持した弁当箱50を、90度又は180度回転させる筐体26及びモータM3とを備え、弁当挟持板25a,25bは、弁当箱50を90度又は180度回転した後、弁当箱50から離間され、回転された弁当箱50がベルトコンベア6,33にて下流側に搬送されるように構成した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流から流れてくるトレーを下流側に流すコンベア手段と、
上記コンベア手段に到来した上記トレーをセンサにて検知する前検知手段と、
上記前検知手段で検知した後に上記トレーを両側から挟持するトレー挟持手段と、
上記トレー挟持手段で挟持した上記トレーを90度又は180度回転させる回転手段とを備え、
上記トレー挟持手段は、上記回転手段で上記トレーを90度又は180度回転した後、上記トレーから離間され、上記トレーが上記コンベア手段にて下流側に搬送されるものであるトレーのオプション装置。
【請求項2】
上記トレー挟持手段は挟持手段上下方向移動機構が設けられ、
上記回転手段が上記トレーを90度回転した場合は、上記挟持手段上下方向移動機構を以って上記トレー挟持手段が、上記トレーの搬送を妨げない上方に移動されるものである請求項1記載のトレーのオプション装置。
【請求項3】
上流から流れてくる方形のトレーを下流側に流すコンベア手段と、
上記コンベア手段の上記トレーの2列並列手段が設けられており、
上記2列並列手段は、平行移動手段と、上記平行移動手段を上記トレーの進行方向に対して左方向又は右方向に移動させる移動板駆動手段と、上流から流れてくる上記トレーをセンサにて検知する後検知手段が設けられており、
上記移動板駆動手段は、上記後検知手段が上記トレーを検知すると、上記平行移動手段を上流から流れてくる上記トレーの側面に当接して左方向又は右方向に交互に移動され、これにより上記トレーを2列に並列していくものであり、
2列に並列された上記トレーが上記コンベア手段にて下流側に搬送されるものであるトレーのオプション装置。
【請求項4】
上記2列並列手段は、並列手段上下方向移動機構が設けられ、
上記2列並列手段は、上記並列手段上下方向移動機構を以って上記平行移動手段が上記トレーの搬送を妨げない上方に位置されているものであり、
上記トレーを左方向又は右方向に移動する際には、上記並列手段上下方向移動機構により上記平行移動手段が上記トレーの側面に当接可能な下方に下降するものである請求項3記載のトレーのオプション装置。
【請求項5】
請求項1記載の上記トレーのオプション装置を上流側に設置し、請求項3記載の上記トレーのオプション装置を下流側に設置し、
上記トレー挟持手段にて90度又は180度回転した後の上記トレーを、上記平行移動手段にて左方向又は右方向に交互に移動することにより、回転後の上記トレーを2列に並列していくものであるトレーのオプション装置。
【請求項6】
請求項2記載の上記トレーのオプション装置を上流側に設置し、請求項4記載の上記トレーのオプション装置を下流側に設置し、
上記トレー挟持手段にて90度又は180度回転した後の上記トレーを、上記平行移動手段にて左方向又は右方向に交互に移動することにより、回転後の上記トレーを2列に並列していくものであるトレーのオプション装置。
【請求項7】
上記コンベア手段は、上記トレー挟持手段と上記回転手段が設けられた幅狭の第1コンベア手段と、上記2列並列手段が設けられた幅広の第2コンベア手段とから構成されたものである請求項5又は6に記載のトレーのオプション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば飯の供給された弁当箱(トレー)を、設置された工場のレイアウト、惣菜の入れ方等に応じて、90度或いは180度回転させることが可能であり、さらに弁当箱(トレー)を2列に並列することが可能なトレーのオプション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、弁当箱(トレー)に飯及び惣菜を自動的に供給する装置が提案されている(特許文献1)。この装置は、弁当箱をベルトコンベア上に載置し、最初に弁当箱に飯を供給した後、弁当箱が上記ベルトコンベアにより惣菜供給エリアに移行し、上記惣菜供給エリアにおいて、各種の惣菜を弁当箱の所定箇所(例えば2箇所)に自動的に供給するものであった。
【0003】
或いは、弁当箱への飯の供給は飯供給装置により自動的に行うが、工場によっては、惣菜は、コンベアに沿って作業員が並び、各作業員が手で、弁当箱に惣菜を入れる作業を行う場合、或いは、作業ロボットが惣菜を弁当箱に入れる場合もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の装置によると、弁当箱は、直線的なベルトコンベア上を移動しながら、惣菜投入装置により自動的に飯と惣菜の供給がなされるので、特に問題はない。
【0006】
しかしながら、弁当箱に飯供給装置にて飯を投入した後、弁当箱は通常、ベルトコンベアによって下流側に搬送されるが、例えば、ユーザの工場において、複数の作業員が上記ベルトコンベアに沿って並んでこれらの作業員が手で、弁当箱に惣菜を入れる作業を行う場合は、作業員がベルトコンベアの左側に並ぶか、右側に並ぶかによって、弁当箱の惣菜の投入エリアとの位置関係により、作業効率が悪い場合がある。
【0007】
或いは、ユーザの工場において、複数の作業員がベルトコンベアの両側に並んで惣菜を弁当箱に投入する場合、或いは、惣菜投入機の位置、作業ロボットの位置等、工場によってレイアウトは区々であり、弁当箱の惣菜投入エリアとの関係上、作業効率が悪い場合がある。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、例えば飯の供給されたトレー(弁当箱)を、設置された工場のレイアウト、惣菜投入機、作業員の配置、作業ロボットの配置等に応じて、90度或いは180度回転させることが可能なトレーのオプション装置を提供するものである。
【0009】
また、トレー(弁当箱)を2列にすることのできるトレーのオプション装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1に、上記の目的を達成するため本発明は、上流から流れてくるトレーを下流側に流すコンベア手段と、上記コンベア手段に到来した上記トレーをセンサにて検知する前検知手段と、上記前検知手段で検知した後に上記トレーを両側から挟持するトレー挟持手段と、上記トレー挟持手段で挟持した上記トレーを90度又は180度回転させる回転手段とを備え、上記トレー挟持手段は、上記回転手段で上記トレーを90度又は180度回転した後、上記トレーから離間され、上記トレーが上記コンベア手段にて下流側に搬送されるものであるトレーのオプション装置により構成される。
【0011】
上記トレーは例えば蓋なしの弁当箱であり、方形(例えば長方形)の弁当箱(50)が考えられる。上記コンベア手段は例えばベルトコンベア(6)とベルトコンベア(33)により構成することができる。上記前検知手段は例えば光センサ(47)により構成することができる。上記トレー挟持手段は、例えば弁当挟持板(25a,25b)、その駆動用のモータ(M2)、及び、上記弁当挟持板を近接、離間方向に駆動する駆動機構(水平板(18)、アーム(23a,23b),シャフト(19)等)により構成することができる。上記回転手段は、上記トレー挟持手段で挟持したトレー(例えば弁当箱)を90度又は180度に回転するモータ(M3)、回転フレーム(15)、筐体(26)等により構成することができる。上記トレー挟持手段が回転後、トレー(弁当箱)から離間することは、単にトレー(弁当箱)の側面から平行に離間することのみならず、上方に離間することも含む。このように構成すると、トレー挟持手段が上流から流れてくるトレー(弁当箱)90度又は180度回転することができ、その後、コンベア手段にて回転後のトレー(弁当箱)を下流側に流すことができるので、下流側において、例えば、作業員の配置、作業ロボットの配置、或いは、惣菜投入部のレイアウト等に応じて、トレー(弁当箱)を90度回転するか、180度回転するかを選択することができ、ユーザ側にとってメリットが大きいものである。
【0012】
第2に、上記トレー挟持手段は挟持手段上下方向移動機構が設けられ、上記回転手段が上記トレーを90度回転した場合は、上記挟持手段上下方向移動機構を以って上記トレー挟持手段が、上記トレーの搬送を妨げない上方に移動されるものである上記第1記載のトレーのオプション装置により構成される。
【0013】
上記挟持手段上下方向移動機構は、例えば上記トレー挟持手段を上下方向に駆動する機構、例えば、上記トレー挟持手段を支持するスライド板(9)、スライド板(9)が上下方向にスライドするシャフト(8)、上記スライド板(9)を上下に駆動する円形クランク板(27)、上記円形クランク板(27)を駆動するモータ(M4)により構成することができる。上記トレー挟持手段は例えば、トレー(弁当箱)の長手方向が進行方向に平行となるように上流から下流側に流れており、上記トレー挟持手段は上記トレー(弁当箱)の長手方向を両側から挟持するものであり、トレー(弁当箱)を挟持した状態で90度回転すると、トレー挟持手段が弁当箱の進行を阻害してしまうので、この場合は、挟持手段上下方向移動機構によりトレー挟持手段を上方に移動することにしたのである。このように構成すると、ユーザは、トレー(弁当箱)を90度回転する場合と180度に回転する場合を何ら支障なく選択することができるものである。
【0014】
第3に、上流から流れてくる方形のトレーを下流側に流すコンベア手段と、上記コンベア手段の上記トレーの2列並列手段が設けられており、上記2列並列手段は、平行移動手段と、上記平行移動手段を上記トレーの進行方向に対して左方向又は右方向に移動させる移動板駆動手段と、上流から流れてくる上記トレーをセンサにて検知する後検知手段が設けられており、上記移動板駆動手段は、上記後検知手段が上記トレーを検知すると、上記平行移動手段を上流から流れてくる上記トレーの側面に当接して左方向又は右方向に交互に移動され、これにより上記トレーを2列に並列していくものであり、2列に並列された上記トレーが上記コンベア手段にて下流側に搬送されるものであるトレーのオプション装置により構成される。
【0015】
上記2列並列手段は、例えば2列並列装置(3)により構成することができる。上記平行移動手段は例えば平行移動板(42)により構成することができる。上記移動板駆動手段は例えばコンベア手段上の水平筐体(38)内に設けられた雄螺子(39)と、上記雄螺子(39)に螺合したスライダ(40)と、上記スライダ(40)に設けられた上記平行移動板(42)と、上記雄螺子(39)を駆動するモータ(M6)により構成することができる。上記後検知手段は例えば光センサ(51)により構成することができる。このように構成すると、トレー(弁当箱)が流れてくると、移動板駆動手段が上記トレー(弁当箱)を当初は左方向に移動し、次に流れてくるトレー(弁当箱)は右方向に移動することで、コンベア手段上においてトレー(弁当箱)を2列に並列することができる。よって、その後、コンベア手段にて2列に並列したトレー(弁当箱)を下流側に流すことができるので、下流側において、作業員の配置、作業ロボットの配置、或いは、惣菜投入部のレイアウトに応じて、トレー(弁当箱)を2列に流すことができ、ユーザ側にとってメリットが大きいものである。
【0016】
第4に、上記2列並列手段は、並列手段上下方向移動機構が設けられ、上記2列並列手段は、上記並列手段上下方向移動機構を以って上記平行移動手段が上記トレーの搬送を妨げない上方に位置されているものであり、上記トレーを左方向又は右方向に移動する際には、上記並列手段上下方向移動機構により上記平行移動手段が上記トレーの側面に当接可能な下方に下降するものである上記第3記載のトレーのオプション装置により構成される。
【0017】
上記並列手段上下方向移動機構は、例えば平行移動手段を上下方向に駆動する機構、例えば、上記平行移動手段を支持するスライド板(36)、スライド板(36)が上下方向にスライドするシャフト(35)、上記スライド板(36)を上下に駆動する円形クランク板(44)、上記円形クランク板(44)を駆動するモータ(M7)等により構成することができる。このように構成すると、通常は平行移動手段がトレー(弁当箱)の搬送を妨げない上方に位置しているので、例えば2列並列手段を用いることなく、90度又は180度回転したトレー(弁当箱)をそのまま下流側に流すことができる。
【0018】
第5に、上記第1記載の上記トレーのオプション装置を上流側に設置し、上記第3記載の上記トレーのオプション装置を下流側に設置し、上記トレー挟持手段にて90度又は180度回転した後の上記トレーを、上記平行移動手段にて左方向又は右方向に交互に移動することにより、回転後の上記トレーを2列に並列していくものであるトレーのオプション装置により構成される。
【0019】
このように構成すると、トレー(弁当箱)を90度又は180度回転した後、トレー(弁当箱)を2列に並列していくことができ、ユーザ側の工場の配置等に合わせることができ、ユーザ側にとってメリットが大きいものとなる。
【0020】
第6に、上記第2記載の上記トレーのオプション装置を上流側に設置し、上記第4記載の上記トレーのオプション装置を下流側に設置し、上記トレー挟持手段にて90度又は180度回転した後の上記トレーを、上記平行移動手段にて左方向又は右方向に交互に移動することにより、回転後の上記トレーを2列に並列していくものであるトレーのオプション装置により構成される。
【0021】
このように構成すると、トレー(弁当箱)を90度又は180度回転した後、トレー(弁当箱)を2列に並列していくことができ、ユーザ側の工場の配置等に合わせることができ、ユーザ側にとってメリットが大きいものとなる。
【0022】
第7に、上記コンベア手段は、上記トレー挟持手段と上記回転手段が設けられた幅狭の第1コンベア手段と、上記2列並列手段が設けられた幅広の第2コンベア手段とから構成されたものである上記第5又は6に記載のトレーのオプション装置により構成される。
【0023】
上記第1コンベア手段はベルトコンベア(6)、上記第2コンベア手段はベルトコンベア(33)により構成することができる。このように構成すると、弁当箱を2列に並列する第2コンベア手段を除き、第1コンベア手段は幅狭のコンベアにより構成することができるので、全体的にスペース効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は上述のように、トレー挟持手段が上流から流れてくるトレー(例えば弁当箱)を90度又は180度回転することができ、その後、コンベア手段にて回転後のトレー(弁当箱)を下流側に流すことができるので、下流側において、例えば、作業員の配置、作業ロボットの配置、或いは、惣菜投入部のレイアウト等に応じて、トレー(弁当箱)を90度回転するか、180度回転するかを選択することができ、ユーザ側にとってメリットが大きいものである。
【0025】
また、トレー(弁当箱)を挟持した状態で例えば90度回転すると、トレー挟持手段がトレー(弁当箱)の進行を阻害してしまうので、この場合は、挟持手段上下方向移動機構によりトレー挟持手段を上方に移動することにしたのである。このようにユーザは、トレー(弁当箱)を90度回転する場合と180度に回転する場合を何ら支障なく選択することができるものである。
【0026】
また、トレー(弁当箱)が流れてくると、コンベア手段上においてトレー(弁当箱)を2列に並列することができ、その後、コンベア手段にて2列に並列したトレー(弁当箱)を下流側に流すことができるので、下流側において、例えば、作業員の配置、作業ロボットの配置、或いは、惣菜投入部のレイアウト等に応じて、トレーを2列に流すことができ、ユーザ側にとってメリットが大きいものである。
【0027】
また、通常は平行移動手段がトレー(弁当箱)の搬送を妨げない上方に位置しているので、例えば2列並列手段を用いることなく、90度又は180度回転したトレー(弁当箱)をそのまま下流側に流すことができる。
【0028】
また、回転装置を使用せずに、上流側から流れてきたトレー(弁当箱)をそのまま下流側に流し、2列並列装置にてトレー(弁当箱)を2列に並列していくことも可能である。このように構成すると、ユーザ側の事情により、オプション装置として、ユーザ側にとってメリットが大きいものである。
【0029】
また、トレー(弁当箱)を90度又は180度回転した後、トレー(弁当箱)を2列に並列していくことができ、ユーザ側の工場の配置等に合わせることができ、ユーザ側にとってメリットが大きいものとなる。
【0030】
また、トレー(弁当箱)を2列に並列する第2コンベア手段を除き、第1コンベア手段は幅狭のコンベアにより構成することができるので、全体的にスペース効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明に係るトレーのオプション装置の斜視図である。
【
図5】同上装置の弁当挟持板近傍の駆動系を示す斜視図である。
【
図6】同上装置の弁当挟持板近傍の駆動系を示す断面図である(
図7のX-X線断面図)。
【
図7】同上装置の弁当挟持板近傍の駆動系を示す背面図である。
【
図8】同上装置の弁当挟持板近傍の駆動系を示す斜視図である。
【
図9】同上装置の弁当挟持板近傍の駆動系を示す一部断面図である。
【
図10】同上装置の弁当挟持板近傍の駆動系を示す一部断面図である(
図9のY―Y線断面図)。
【
図11】同上装置の制御部の電気的ブロック図である。
【
図12】同上装置の動作手順を示すフローチャートである。
【
図13】同上装置の動作手順を示すフローチャートである。
【
図14】同上装置の動作手順を示すフローチャートである。
【
図15】同上装置の弁当箱を90度回転する場合の説明図であり、(a)は回転前の状態、(b)は回転後の状態を示す。
【
図16】同上装置の弁当箱を90度回転する場合の説明図であり、(c)は弁当箱が2列並列装置に移動した状態、(d)は弁当箱が左側に移動した状態を示す。
【
図17】同上装置の弁当箱を90度回転する場合の説明図であり、(a)は回転前の状態、(b)は回転後の状態を示す。
【
図18】同上装置の弁当箱を90度回転する場合の説明図であり、(c)は弁当箱が2列並列装置に移動した状態、(d)は弁当箱が右側に移動した状態を示す。
【
図19】同上装置の弁当箱を180度回転する場合の説明図であり、(a)は回転前の状態、(b)は回転後の状態を示す。
【
図20】同上装置の弁当箱を180度回転する場合の説明図であり、(c)は弁当箱が2列並列装置に移動した状態、(d)は弁当箱が左側に移動した状態を示す。
【
図21】同上装置の弁当箱を180度逆方向に回転する場合の説明図であり、(a)は回転前の状態、(b)は回転後の状態を示す。
【
図22】同上装置の弁当箱を180度逆方向に回転する場合の説明図であり、(c)は弁当箱が2列並列装置に移動した状態、(d)は弁当箱が右側に移動した状態を示す。
【
図23】同上装置の平行移動板の上下駆動機構の一部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係るトレーのオプション装置について詳細に説明する。
【0033】
本発明に係るトレーのオプション装置1は、
図1~
図4に示すように、蓋なしの弁当箱(トレー)の回転装置2と、それに引き続いての弁当箱(トレー)を2列に並べる2列並列装置3とから構成されている。尚、
図1において、ベルトコンベア6の進行方向(矢印A方向)において、矢印A方向の上流側を「上流」又は「前方」、矢印A方向の下流側を「下流」又は「後方」といい、前方(上流)から後方(下流)を向いた場合の左右方向を左右と定義して説明する。
【0034】
上記弁当箱50は例えば
図15(a)のように蓋なしの凹状の長方形であり、長手方向を矢印A方向に平行な状態で、かつベルトコンベア6の中央部分(中心線P)を、上流側から流れてくるものである。上記弁当箱50には、例えば、
図15(a)のように前方側に仕切板により、飯投入エリア50aを有しており、後方側には仕切板により、左側に大きい惣菜投入エリア50b、仕切板により、右側に小さい惣菜投入エリア50cが設けられている。尚、弁当箱50は前段の飯供給機構(図示せず)により上記飯投入エリア50aにのみ飯が投入されているものとする。
【0035】
また、弁当箱50は一例であり、飯或いは惣菜等が投入される長方形状(方形)の上面開口の凹状のトレー(蓋なし)であれば、どのような形状のものであっても良い。以下の実施形態では長方形状の弁当箱50として説明するが、弁当箱50に限らず上記トレーであっても良い。尚、トレーにおいて、内部に上記仕切板がある場合と、上記仕切板がない場合の何れの場合であっても良い。以下、トレーの実施形態として長方形状の蓋なしの弁当箱50を例に説明する。
【0036】
また、本発明のトレーのオプション装置は、例えば上記弁当箱を重ねて載置しており、そこから1枚の弁当箱を取り出し、上記飯投入エリア50aに飯が投入され、ベルトコンベアで上記弁当箱が順次運ばれる装置において、ユーザ側のオプションとして使用されるものである。
【0037】
上記弁当箱の回転装置2は、機枠4の上面に筐体5が設けられており、上記筐体5に沿沿ってベルトコンベア6が水平に設けられている。上記ベルトコンベア6の前方側と後方側には駆動軸6a、従動軸6bが上記筐体5内において回転自在に軸支されており、上記各軸6a,6b間にはベルト6cが水平に掛け回されている。上記駆動軸6a側の上記筐体5内にはモータM1が設けられており(
図2参照)、上記モータM1を駆動することにより、上記ベルトコンベア6が矢印A方向に駆動し得るように構成されている。
【0038】
上記筐体5内において、
図5に示す門型フレーム7が筐体5に固定されており、上記門型フレーム7上に4本のシャフト8,8,8,8が長方形の四隅に垂直に立設されている。また、上記4本のシャフト8(以下、シャフトをまとめて符号「8」にて示す)には、水平板からなるスライド板9の四隅に上面側と下面側に設けられた管10,10,10,10が挿通されており(
図6参照)、上記スライド板9は上記4本のシャフト8に沿って上記管10(以下、管をまとめて符号「10」にて示す)が上下方向にスライド可能に構成されている。
【0039】
上記スライド板9の左側には一対のアーム11,11が上記ベルトコンベア6の上方に水平に設けられており、上記一対のアーム11,11の中央部には基板12が上記アーム11,11間に固定され、上記基板12上にモータM2と円筒形のモータM3が設けられている(
図5、
図6参照)。
【0040】
上記モータM2と上記モータM3の駆動軸は同心に設けられており(
図10参照)、上記モータM3の駆動軸13は外管14に接続され、上記外管14が下方に突出して、上記外管14の下端で外管14と直交する回転フレーム15に固定されている(
図8参照)。上記モータM2の駆動軸16は上記外管14の中を同心に設けられた駆動軸17に接続され(
図10参照)、上記駆動軸17の下端は、上記回転フレーム15の下側に位置しており、上記回転フレーム15の下側において水平板18に接続されている(
図8、
図9参照)。
【0041】
上記回転フレーム15は両端部に垂直板15a,15bが設けられており(
図8参照)、上記垂直板15a,15b間に一対のシャフト19,19が同一水準位置に設けられている(
図8~
図10参照)。そして、上記シャフト19,19には一対の直立スライダ板20a,20bがその各開口20を介して近接方向(矢印C,C’方向)、離間方向(矢印D,D’方向)にスライド可能に設けられており、
図9に示すように、上記直立スライド板20aの上部中央部の回転軸21aと上記水平板18の一端の回転軸22aとの間にアーム23aが設けられており、上記直立スライド20bの上部中央部の回転軸21bと上記水平板18の他端の回転軸22bとの間にアーム23bが設けられている。
【0042】
上記直立スライド板20aの前後の側面には固定板24a,24aが設けられており、上記固定板24a,24a間には下方向けて弁当挟持板25aが下方向けて設けられている。さらに、上記直立スライド板20bの前後の側面には固定板24b,24bが設けられており、上記固定板24b,24b間には下方向けて弁当挟持板25bが上記弁当挟持板25aに対向して設けられている(
図9、
図10参照)。
【0043】
従って、上記モータM2を正転駆動することにより、駆動軸17を回転し、上記水平板18を矢印B方向(
図8参照)に回転することで上記弁当挟持板25a,25bを近接させ(矢印C,C’方向)、上記モータM2を逆転駆動することにより、駆動軸17を逆転し、上記水平板18を矢印B’方向に回転することで(
図8参照)上記弁当挟持板25a,25bを離間(矢印D,D’方向)させるように構成されている。尚、上記弁当挟持板25a,25b前方から送られてくる弁当箱50を近接方向に移動することにより挟むと共に、回転後、離間方向に移動することにより弁当箱50から離間するものである(
図15(a)、
図16(d)参照)。
【0044】
尚、前方から弁当箱50が到来したことは、光センサ47(
図1~
図3参照)により検知され(弁当箱50で反射した反射波がセンサの受光部にて受光される)、検知信号が制御部48(
図11参照)に送信される。
【0045】
上記モータM3を正転駆動することにより、上記外管14を回転し、上記回転フレーム15を矢印E方向に回転させ(
図8参照)、上記モータM3を逆転駆動することにより、上記外管14を回転し、上記回転フレーム15を矢印E’方向に回転させることができるように構成されている。回転角度は、前方から流れてくる弁当箱50(長手方向が矢印A方向に平行の状態)を90度回転させる場合(
図15~
図18参照)と、180度回転させる場合(
図19~
図22参照)があり、モータM3の駆動軸にロータリエンコーダ49が設けられ(
図10参照)、ロータリエンコーダ49からの信号が制御部48に送られ、該制御部48は上記回転角度を把握している。
【0046】
上記回転フレーム15は垂直板15a,15b毎回転するので、上記弁当挟持板25a,25bも同様に、90度又は180度回転することになる。
【0047】
尚、
図8に示す回転フレーム15及び垂直板15a,15b等は、
図1、
図5に示す筐体26により覆われており(下方は開口している)、筐体26の下方から上記弁当挟持板25a,25bが突出している状態となっている。上記弁当挟板25a,25bは上記ベルトコンベア5の上面の両側縁部に平行に位置している(
図1、
図3参照)。上記弁当挟持板25a,25bは底板15cを跨ぐように構成されている(
図8参照)。
【0048】
また、上記モータM2による弁当挟持板25a,25bの近接、離間動作と、上記モータM3による回転フレーム15の回転動作は、同時並行的に行われるものである。
【0049】
上記弁当挟持板25a,25bが90度回転する場合は、弁当箱を後方に流すために上記回転フレーム15(上記筐体26)が上方に移動(弁当箱から離間)する必要がある。このため、
図6に示すように、上記スライド板9の下面のジョイント29(ジョイント29を中心としてクランク軸30の角度が変わってもよい)と、上記門型フレーム7の上面7aに固定されているモータM4の駆動軸には、傘歯車を介して円形クランク板27の中心部が接続されており、上記円形クランク板27の偏心位置に設けられた回転軸28と上記ジョイント29との間にクランク軸30が設けられている。尚、上記クランク軸30は上記門型フレーム7の上面7aの開口7b(
図5参照)に挿通されて、上記上面7aの下方において上記円形クランク板27に回転軸28を以って接続されている。
【0050】
また、上記円形クランク板27にはその中心軸にロータリエンコーダ52が設けられており(
図7参照)、上記制御部48は上記中心軸の回転角度を把握している。
【0051】
従って、上記モータM4を駆動することにより、円形クランク板27が180度回転し、上記回転軸28が上方に位置することにより、上記スライド板9が上記管10を以って上記シャフト8を上昇し、その結果、上記モータM2、筐体26、弁当挟持板25a,25bが上昇し、弁当箱50の下流側への移動を妨げない位置まで上層し、その後、弁当箱50のみがベルトコンベア6上を後方(下流)に向けて移動するように構成されている。また、上記モータM4を駆動することにより、円形クランク板27がさらに180度回転することにより、上記回転軸28が下方に位置することにより、上記スライド板9が上記管10を以って上記シャフト8を下降し、その結果、弁当挟持板25a,25bが上記ベルトコンベア6の上面近傍位置まで下方するように構成されている。
【0052】
次に上記2列並列装置3を説明する。
上記機枠4と同一の高さの機枠31が設けられており(
図1参照)、該機枠31の上部の右側後方に筐体32が設けられている(
図3参照)。上記筐体32から、上記ベルトコンベア6と同一高さの水準位置であって、上記ベルトコンベア6の横幅(幅狭)に対して約2倍の横幅(幅広)のベルトコンベア33が設けられている。尚、上記ベルトコンベア6の中心線Pと上記ベルトコンベア33の中心線Pは一致しているので、上記ベルトコンベア33は上記ベルトコンベア6の左右方向に均等に広がっている(
図1、
図3参照)。
【0053】
具体的には上記筐体32から駆動軸33aと従動軸33bが設けられ、駆動軸33aと従動軸33bとの間にフレーム33cが設けられ、上記駆動軸33aと従動軸33b間にベルト33dが掛け回されることで上記ベルトコンベア33が構成されている(
図3参照)。上記駆動軸33aにはモータM5が設けられており、上記モータM5を駆動することにより、上記ベルトコンベア33は矢印A方向に駆動される(
図1参照)。
【0054】
また上記ベルトコンベア33には前段のベルトコンベア6から弁当箱50が移送されてくるが、上記ベルトコンベア33に弁当箱50が到来したことは、光センサ51(
図3参照)が検知し、検知信号が制御部48に送信されるようになっている(弁当箱50で反射した反射波がセンサの受光部にて受光される)。
【0055】
また、上記ベルトコンベア33の右側の上記機枠31には門型フレーム34が固定されており(
図4参照)、この門型フレーム34の上面34aには4本のシャフト35,35、35、35が垂直に立設され、これらのシャフト35(以下、シャフトをまとめて符号「35」で示す)に挿通して上下方向にスライドするスライド板36が設けられ、上記スライド板36には四隅に管37,37,37,37が設けられ、上記管37(以下、管をまとめて符号「37」で示す)が上記シャフト35に挿通されることで、上記シャフト35に対して上記スライド板36が上下方向にスライド可能に構成されている。
【0056】
上記スライド板36には上記ベルトコンベア33の上面に平行に、ベルトコンベア33の方向に水平筐体38が設けられており(
図1、
図2参照)、この水平筐体38内には雄螺子39が上記水平筐体38に平行に回転自在に軸支されており(
図2参照)、この雄螺子39の右端部にはプーリが並設され、タイミングベルトを介してモータM6の駆動軸が接続されている(
図3参照)。尚、上記モータM6は上記スライド板36に固定されている。
【0057】
一方、上記雄螺子39には雌螺子が螺合されており、該雌螺子を有するスライダ40が設けられており(所謂ボール螺子機構)、上記スライダ40にはアーム41を介して弁当箱50の進行方向に平行な平行移動板42が設けられている。従って、上記モータM6を正逆駆動することにより、上記雄螺子39を正逆方向に駆動することで、上記平行移動板42を中央部(上記中心線Pと平行)より、右側に移動させることにより、弁当箱50をベルトコンベア33上において右側に移動し(
図18(d)参照)、上記平行移動板42を中央部より、左側に移動させることにより、次の弁当箱50をベルトコンベア33上において左側に移動し(
図16(d)参照)、結果として、流れてくる弁当箱50を2列に並べることが可能となる。
【0058】
上記スライド板36の上下移動は、上記回転フレーム15の上下移動の機構と同様である。即ち、上記スライド板36の下側にジョイント43が設けられ(
図4参照)、
図23に示すように、上記円形クランク板44の中心部にモータM7の駆動軸が傘歯車(図示せず)を介して接続されており、上記円形クランク板44の偏心位置に設けられた回転軸45と上記ジョイント43との間にクランク軸46が設けられ、上記モータM7を駆動することにより、回転軸45を180度回転して円形クランク板44の下方に位置したとき、上記スライド板36が上記シャフト35に沿って下降し、上記平行移動板42の下縁42aが上記ベルトコンベア33の上面に近接し、上記回転軸45がさらに180度回転したとき上記回転軸45が円形クランク板44の上方に位置して、上記スライド板36が上記シャフト35に沿って上昇し、その場合は、上記平行移動板42が上方に移動して(
図4の位置)、弁当箱50の移動を妨げないように構成されている。
【0059】
上記円形クランク板44の中心軸には同様にロータリエンコーダ53が設けられており、上記制御部48は上記中心軸の回転角度を把握している。
【0060】
図11に示すものは本発明の制御部48の電気的ブロック図であり、上記制御部48には回転装置2に関連して、ベルトコンベア6用のモータM1、弁当挟持板25a,25b用のモータM2、筐体26を回転するモータM3、弁当挟持板25a,25bの上下移動のモータM4、光センサ47、ロータリエンコーダ49,52が設けられており、2列並列装置3に関連して、ベルトコンベア33のモータM5、平行移動板42用のモータM6、平行移動板42を上下動するモータM7、光センサ51、ロータリエンコーダ53が設けられている。
【0061】
上記制御部48はCPUを有しており、
図12~
図14に示すフローチャートの動作手順が予めプログラムされており、上記フローチャートに沿って動作を行うものである。
【0062】
以下、本発明の動作を説明する。
また、弁当箱50は、
図15(a)に示す弁当箱50であり、例えば、
図15(a)に示す向き(飯供給エリア50aと惣菜供給エリア(大)50bと惣菜供給エリア(小)50cが設けられており、上記飯供給エリア50aが上流側の向きとなっているものとする)、即ち、弁当箱50の長手方向が矢印A方向に平行な方向にて、上流側のベルトコンベアから弁当箱50(飯供給エリア50aに飯のみが供給されている)が、一定間隔置きに下流側に流れてくるものとする。
【0063】
まず1回目は、弁当箱50を左回り(
図15(b)の矢印E方向=左回り)に90度回転する場合を説明する。
【0064】
制御部48(回転装置2)は、モータM1を駆動することでベルトコンベア6を矢印A方向に駆動しており(
図12P1参照)(尚、上記制御部48はモータM5を駆動することでベルトコンベア33も矢印A方向に同一速度で駆動している(
図13P1参照))、弁当挟持板25a,25bは下降しており(
図12P2参照)、上記ベルトコンベア6の両側端部に位置しているものとする。
【0065】
その後、上流側のベルトコンベアから弁当箱50が
図15(a)の向きで流れてくると、光センサ47の検知信号が制御部48に送信され、制御部48は弁当箱50が到来したことを検知し(
図12P3参照)、制御部48は直ちにモータM2を駆動して上記弁当挟持板25a,25bを近接方向(矢印C,C’方向)に駆動して弁当箱50を挟持する(
図12P4、
図15(a)参照)。
【0066】
その後、制御部48はモータM3を駆動して回転フレーム15、従って筐体26を、上記弁当挟持板25a,25b共々、矢印E方向(左回り=時計回り)に90度回転する(
図12P5、
図15(b)参照)。従って、上記弁当箱50も左方向に90度回転して、弁当箱50の長手方向が矢印A方向に直交した状態となる(
図15(b)参照)。
【0067】
その後、制御部48は、モータM4を駆動して円形クランク板27を180度回転させ、上記スライド板9をシャフト8に沿って上昇(弁当箱から離間)させ、結果として上記弁当挟持板25a,25bを、弁当箱50の走行を妨げない位置まで上昇させる(
図12P6参照)。すると、弁当箱50は90度回転した状態で、ベルトコンベア6を矢印A方向に移動し、隣接するベルトコンベア33に乗り移る(
図12P7、
図16(c)参照)。
【0068】
その後、制御部48は、モータM3を駆動してE’方向(逆方向)に90度回転し(
図16(c)参照)、その後制御部48は、モータM2を駆動して弁当挟持板25a,25bを離間方向(矢印D,D’方向)に駆動して、元の位置に戻る(
図16(d)、
図12P8参照)。
【0069】
上記制御部48(回転装置2)は、終了でなければ(
図12P9参照)、
図12のステップP1に戻って以降同様の動作を繰り返す。
【0070】
一方、制御部48(2列並列装置3)は、モータM5を駆動することによりベルトコンベア33を矢印A方向に駆動しており(
図13P1参照)、平行移動板42は中央部に位置し(
図15(a)参照)、かつ、平行移動板42は上昇位置にある(
図13P2参照)。そして、制御部48はモータM6を駆動して、平行移動板42を、1回目は右に移動し、90度回転した上記弁当箱50の短手方向の位置よりさらに右側に移動する(
図13P3、
図15(b)参照)。
【0071】
その後、制御部48はモータM7を駆動して円形クランク板44を180度回転し、回転軸45を下方に位置させることにより、上記スライド板36を下降し、結果として、平行移動板42の下縁42aがベルトコンベア33の上面に近接する位置まで下降する(
図13P4参照)。
【0072】
その後、90度回転した上記弁当箱50がベルトコンベア33に移動して来るので(
図13「1」参照)、制御部48は光センサ51の検知信号を検知して弁当箱50がベルトコンベア33上に移動してきたことを検知し(
図13P5、
図16(c)参照)、制御部48はモータM6を駆動して平行移動板43を左側に移動する(
図13P6、
図16(d)参照)。
【0073】
これにより、弁当箱50はベルトコンベア33上において左側(左の列)に移動し、その後、弁当箱50は矢印A方向に移動する(
図13P7、
図16(d)参照)。その後、制御部48はモータM7を駆動してスライド板36を上昇することで、上記平行移動板42を上昇する(
図13P8、
図16(d)参照)。その後、終了でなければ(
図13P9参照)、
図13のステップP1に戻って、同様の動作を繰り返す。
【0074】
制御部48(回転装置2)は、2回目は、
図12のステップP5において、弁当挟持板25a ,25bで弁当箱50を挟んで矢印E方向(左回り=時計回り)に90度回転すること(
図17(b)参照)、制御部48(2列並列装置3)は、
図13のステップP3において、2回目は、平行移動板42を左に移動し(
図17(b)参照)、
図13のステップP6において、制御部48は、平行移動板42を右方向に移動することで、弁当箱50を右側(右の列)に移動し(
図13P6、
図18(d)参照)、その後、弁当箱50は矢印A方向に移動する(
図18(d)参照)。
【0075】
以降は、ベルトコンベア6上において、順次上流側から流れてくる弁当箱50を、3回目(1回目)の弁当箱50を90度、左回り=時計回り(
図15(b)参照)、ベルトコンベア33上において、上記弁当箱50を左の列に移動(
図16(d)参照)、4回目(2回目)の弁当箱50を90度、左回り=時計回り(
図17(b)参照)、ベルトコンベア33上において、弁当箱50を右の列に移動(
図18(d)参照)の動作が繰り返し行われる。よって、弁当箱50は、5回目は、90度左に回転し、左の列に移動され、6回目は、90度右に回転し、右の列に移動され、結果として、順次流れてくる弁当箱50はベルトコンベア33上において2列に並列される。
【0076】
勿論、弁当箱50は、上記ベルトコンベア33に引き続いて設置されたベルトコンベアに2列となって移動され、例えば上記ベルトコンベアの両側に複数の作業員が立っており、上記作業員が弁当箱50の惣菜エリア50b,50cに惣菜を投入することができる。この場合、ベルトコンベアに2列になって弁当箱50が流れてくるので、ベルトコンベアの両側にいる作業員、或いは、惣菜投入装置等に効率的に作業を行うことができる。
【0077】
次に、弁当箱50を左回り(
図19(b)の矢印E方向)に180度回転する場合を説明する。
【0078】
制御部48(回転装置2)は、モータM1を駆動することでベルトコンベア6を矢印A方向に駆動しており(
図14P1参照)(尚、上記制御部48はモータM5を駆動することでベルトコンベア33も矢印A方向に同一速度で駆動している(
図13P1参照))、弁当挟持板25a,25bは下降しており(
図14P2参照)、上記ベルトコンベア6の両側端部に位置しているものとする。
【0079】
その後、上流側のベルトコンベアから弁当箱50が
図19(a)の向きで流れてくると、光センサ47の検知信号が制御部48に送信され、制御部48は弁当箱50が到来したことを検知し(
図14P3参照)、制御部48は直ちにモータM2を駆動して上記弁当挟持板25a,25bを近接方向(矢印C,C’方向)に駆動して弁当箱50を挟持する(
図14P4、
図19(a)参照)。
【0080】
その後、制御部48はモータM3を駆動して回転フレーム15、従って筐体26を、上記弁当挟持板25a,25b共々、矢印E方向(左回り=時計回り)に180度回転する(
図14P5、
図19(b)参照)。従って、上記弁当箱50も左方向(時計回り)に180度回転して、弁当箱50の長手方向が矢印A方向に平行な状態となる(
図19(b)参照)。
【0081】
その後、制御部48は、モータM2を駆動して上記弁当挟持板25a,25bを離間方向(矢印D,D’方向)に駆動して弁当箱50から離間する(
図14P6、
図20(c)参照)。
【0082】
すると、弁当箱50は180度回転した状態で、ベルトコンベア6を矢印A方向に移動し、隣接するベルトコンベア33に乗り移る(
図14P7、
図20(c)参照)。
【0083】
上記制御部48(回転装置2)は、終了でなければ(
図14P8参照)、
図14のステップP1に戻って以降同様の動作を繰り返す。
【0084】
一方、制御部48(2列並列装置3)は、モータM5を駆動することによりベルトコンベア33を矢印A方向に駆動しており(
図13P1参照)、平行移動板42は中央部に位置し(
図19(a)参照)、かつ、平行移動板42は上昇位置にある(
図13P2参照)。そして、上記回転装置2の筐体26の回転方向は矢印E方向(左回り、時計回り)なので、制御部48はモータM6を駆動して、平行移動板42を、1回目は右に移動し、180度回転した上記弁当箱50の右の長手方向の位置よりさらに右側に移動する(
図13P3、
図19(b)参照)。
【0085】
その後、制御部48はモータM7を駆動して円形クランク板44を180度回転し、回転軸45を下方に位置させることにより、上記スライド板36を下降し、結果として、平行移動板42の下縁42aがベルトコンベア33の上面に近接する位置まで下降する(
図13P4参照)。
【0086】
その後、180度回転した弁当箱50がベルトコンベア33に移動して来るので(
図13「1」参照)、制御部48は光センサ51の検知信号を検知して弁当箱50がベルトコンベア33上に移動してきたことを検知し(
図13P5、
図20(c)参照)、制御部48はモータM6を駆動して平行移動板42を左側に移動する(
図13P6、
図20(d)参照)。
【0087】
これにより、弁当箱50はベルトコンベア33上において左側(左の列)に移動し、その後、弁当箱50は矢印A方向に移動する(
図13P7、
図20(d)参照)。その後、制御部48はモータM7を駆動してスライド板36を上昇することで、上記平行移動板42を上昇する(
図13P8、
図20(d)参照)。その後、終了でなければ(
図13P9参照)、
図13のステップP1に戻って、同様の動作を繰り返す。
【0088】
制御部48(回転装置2)は、2回目は、
図14のステップP5において、弁当挟持板25a ,25bで弁当箱50を挟んで矢印E’方向(右回り、反時計回り)に180度回転すること(
図21(b)参照)、制御部48(2列並列装置3)は、
図13のステップP3において、2回目は、平行移動板42を左に移動すること(
図21(b)、
図13P3参照)、
図13のステップP6において、制御部48は、平行移動板42を右方向に移動することで、弁当箱50を右側(右の列)に移動し(
図13P6、
図22(d)参照)、その後、弁当箱50は矢印A方向に移動する(
図22(d)参照)。
【0089】
以降は、ベルトコンベア6上において、順次上流側から流れてくる弁当箱50を、3回目(1回目)の弁当箱50を180度、左回り=時計回り(
図19(b)参照)、ベルトコンベア33上において、上記弁当箱50を左の列に移動(
図20(d)参照)、4回目(2回目)の弁当箱50を180度、右回り=反時計回り(
図21(b)参照)、ベルトコンベア33上において、弁当箱50を右の列に移動(
図22(d)参照)の動作が繰り返し行われる。よって、弁当箱50は、5回目は、180度左に回転した場合は、左の列に移動され、6回目は、180度右に回転した場合は、右の列に移動され、結果として、順次流れてくる弁当箱50はベルトコンベア33上において2列に並列される。
【0090】
勿論、弁当箱50は、上記ベルトコンベア33に引き続いて設置されたベルトコンベアに2列となって移動され、例えば上記ベルトコンベアの両側に作業員が立っており、上記作業員が弁当箱50の惣菜エリアに惣菜を投入することができる。
【0091】
【0092】
上記回転装置2にて、弁当箱50を90度又は180度回転した後、2列並列装置3を使用せず、1列の状態で弁当箱50をベルトコンベア33上に移行させても良い。この場合、平行移動板42は上方に位置しており、弁当箱50の走行を妨げない位置にある。
【0093】
逆に、回転装置2を使用せず、弁当箱50は、回転装置2はそのままの状態で通過し、2列並列装置3において、弁当箱50を2列に並べるように構成しても良い。
【0094】
また、回転装置2単独で使用することも、2列並列装置3単独で使用することも可能である。
【0095】
本発明は以上のように、トレー挟持手段(例えば弁当挟持板25a,25b)が上流から流れてくる弁当箱50(トレー)を90度又は180度回転することができ、その後、コンベア手段にて回転後の弁当箱50(トレー)を下流側に流すことができるので、下流側において、例えば、作業員の配置、作業ロボットの配置、或いは、惣菜投入部のレイアウト等に応じて、弁当箱50(トレー)を90度回転するか、180度回転するかを選択することができ、オプション装置として、ユーザ側にとってメリットが大きいものである。
【0096】
また、弁当箱50(トレー)を挟持した状態で例えば90度回転すると、トレー挟持手段(例えば弁当挟持板25a,25b)が弁当箱50(トレー)の進行を阻害してしまうので、この場合は、挟持手段上下方向移動機構によりトレー挟持手段(例えば弁当挟持板25a,25b)を上方に移動することにしたのである。このようにユーザは、弁当箱50(トレー)を90度回転する場合と180度に回転する場合を何ら支障なく選択することができるものである。
【0097】
また、弁当箱50(トレー)が流れてくると、コンベア手段上において弁当箱50(トレー)を2列に並列することができ、その後、コンベア手段にて2列に並列した弁当箱50(トレー)を下流側に流すことができるので、下流側において、例えば、作業員の配置、作業ロボットの配置、或いは、惣菜投入部のレイアウト等に応じて、回転後の弁当箱を2列に流すことができ、オプション装置として、ユーザ側にとってメリットが大きいものである。
【0098】
また、通常は平行移動手段(例えば平行移動板42)が弁当箱50(トレー)の搬送を妨げない上方に位置しているので、例えば2列並列手段を用いることなく、90度又は180度回転した弁当箱(トレー)をそのまま下流側に流すことができる。
【0099】
また、回転装置2を使用せずに、上流側から流れてきた弁当箱50(トレー)をそのまま下流側に流し、2列並列装置3にて弁当箱50(トレー)を2列に並列していくことも可能である。このように構成すると、ユーザ側の事情により、オプション装置として、ユーザ側にとってメリットが大きいものである。
【0100】
また、弁当箱50(トレー)を90度又は180度回転した後、弁当箱50(トレー)を2列に並列していくことができ、ユーザ側の工場の配置等に合わせることができ、ユーザ側にとってメリットが大きいものとなる。
【0101】
また、弁当箱50(トレー)を2列に並列する第2コンベア手段を除き、第1コンベア手段は幅狭のコンベアにより構成することができるので、全体的にスペース効率を向上させることができる。
【0102】
尚、図において、54は回転装置2の上板、55は2列並列装置3の上板である。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明に係るトレーのオプション装置によれば、トレー(弁当箱)を90度又は180度回転することができ、或いは、トレー(弁当箱)を2列に並列することができ、その後の作業員の配置、惣菜投入部の配置等に応じて弁当箱を回転することができるので、ユーザにとってメリットの大きいものである。
【符号の説明】
【0104】
1 トレーのオプション装置
2 回転装置
3 2列並列装置
6 ベルトコンベア(第1コンベア手段)
8 シャフト
9 スライド板
15 回転フレーム
25a,25b 弁当挟持板
26 筐体
27 円形クランク板
30 クランク軸
33 ベルトコンベア(第2コンベア手段)
35 シャフト
36 スライド板
38 水平筐体
42 平行移動板(平行移動手段)
44 円形クランク板
46 クランク軸
47 光センサ(前検知手段)
50 弁当箱(トレー)
51 光センサ(後検知手段)
M1 モータ(ベルトコンベア6駆動用)
M2 モータ(弁当挟持板25a,25b駆動用)
M3 モータ(回転フレーム15駆動用)
M4 モータ(弁当挟持板25a,25b上下駆動用)
M5 モータ(ベルトコンベア33駆動用)
M6 モータ(平行移動板42駆動用)
M7 モータ(平行移動板42上下駆動用)