(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170024
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】基板作業装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20221102BHJP
H05K 13/08 20060101ALI20221102BHJP
F24F 11/49 20180101ALI20221102BHJP
【FI】
H05K13/04 Z
H05K13/08 B
F24F11/49
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021075865
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 秀太郎
【テーマコード(参考)】
3L260
5E353
【Fターム(参考)】
3L260BA32
3L260CA13
3L260CB64
3L260GA17
5E353CC04
5E353CC21
5E353CC26
5E353EE02
5E353EE12
5E353EE53
5E353EE88
5E353GG01
5E353HH30
5E353JJ21
5E353JJ44
5E353JJ48
5E353KK02
5E353KK03
5E353LL03
5E353LL04
5E353LL06
5E353QQ11
(57)【要約】
【課題】制御基板の結露に起因する故障を防止することが可能な基板作業装置を提供する。
【解決手段】この基板作業装置100は、基板作業部3(4、5)と、基板作業部3(4、5)を制御する制御基板32b(42b、53b)を含む駆動部32(42、53)と、結露を検出する結露センサ13とを備えている。制御基板32b(42b、53b)は、結露センサ13により結露が検出されたことに基づいて、結露の発生を作業者Uに報知する制御を行う制御部132b(91、142b、153b)を含んでいる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品が配置されることにより製造される製造用基板に対して所定の作業を行うための基板作業部と、
前記基板作業部を制御する制御基板を含む駆動部と、
結露を検出する結露センサとを備え、
前記制御基板は、前記結露センサにより前記結露が検出されたことに基づいて、前記結露の発生を作業者に報知する制御を行う制御部を含む、基板作業装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記結露センサの検出値がしきい値以上であることに基づいて、前記結露の発生を作業者に報知する制御を行うように構成されている、請求項1に記載の基板作業装置。
【請求項3】
表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記結露センサにより前記結露が検出されたことに基づいて、前記表示部に前記結露の発生を通知することにより作業者に報知する制御を行うように構成されている、請求項1または2に記載の基板作業装置。
【請求項4】
前記結露センサの検出値を含む結露情報の履歴を記録した記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記記憶部から前記結露情報の履歴を取得するとともに、前記表示部に前記結露情報の履歴を表示させる制御を行うように構成されている、請求項3に記載の基板作業装置。
【請求項5】
前記駆動部は、モータをさらに含み、
前記制御基板は、前記モータを制御するモータ駆動用基板を有し、
前記モータ駆動用基板付近の空気の温度を上昇させるヒータと、
前記モータ駆動用基板付近を冷却する冷却ファンとをさらに備え、
前記制御部は、前記結露センサにより前記結露が検出されたことに基づいて、前記モータの電源が入らないようにするとともに、前記ヒータによる前記モータ駆動用基板付近の空気の加熱および前記冷却ファンによる前記モータ駆動用基板付近への給気の少なくともいずれかを行うように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の基板作業装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記駆動部を制御する駆動側制御部と、
外部の空調装置と通信可能な本体側制御部とを有し、
前記本体側制御部は、前記結露センサの検出値を含む結露情報に基づいて、前記外部の空調装置を調整する制御を行うように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の基板作業装置。
【請求項7】
前記結露センサは、
水滴の付着を検出可能な水滴検出用パットと、
前記水滴検出用パットにおける水滴の付着の有無を検出する静電容量式のタッチセンサとを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の基板作業装置。
【請求項8】
前記水滴検出用パットおよび前記タッチセンサの両方は、前記制御基板上に取り付けられている、請求項7に記載の基板作業装置。
【請求項9】
前記タッチセンサは、前記制御基板上に取り付けられており、
前記水滴検出用パットは、変形可能なフレキシブル基板に設けられるとともに、前記制御基板上に配置されるヒートシンクおよび前記制御基板を覆う筐体の少なくともいずれかに取り付けられている、請求項7に記載の基板作業装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板作業装置に関し、特に、制御基板を含む駆動部を備える基板作業装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板作業装置の駆動部における制御基板として適用可能な回路基板が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、基板作業装置の駆動部における制御基板として適用可能な回路基板が開示されている。この回路基板は、基板と、防湿材とを備えている。また、基板には、電子部品が実装される。防湿材は、基板上に電子部品が実装された後に塗布されることにより、回路基板の耐湿性を確保するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の回路基板(制御基板)では、防湿材を塗布領域に塗布する際に防湿材と基板との間に隙間が形成されてしまうと、防湿材を塗布領域に塗布したにも関わらず、隙間内の空気中に含まれる水分に起因して結露が生じる場合が考えられる。この場合、上記特許文献1の回路基板(制御基板)では、基板に電力が供給されるので、基板(制御基板)の結露に起因する故障を防止することができない場合があるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、制御基板の結露に起因する故障を防止することが可能な基板作業装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における基板作業装置は、部品が配置されることにより製造される製造用基板に対して所定の作業を行うための基板作業部と、基板作業部を制御する制御基板を含む駆動部と、結露を検出する結露センサとを備え、制御基板は、結露センサにより結露が検出されたことに基づいて、結露の発生を作業者に報知する制御を行う制御部を含む。
【0008】
この発明の一の局面による基板作業装置では、上記のように、制御基板において生じた結露を検出する結露センサを設ける。また、制御基板は、結露センサにより結露が検出されたことに基づいて、結露の発生を作業者に報知する制御を行う制御部を含む。これにより、制御基板に結露が生じたことに基づいて制御基板による制御を停止させることができるので、制御基板の結露に起因する故障を防止することができる。また、結露の発生を作業者に報知することにより、作業者により、制御が停止した状態の制御基板を結露のない状態に復帰させることができるので、作業の停滞の長期化を抑制することができる。
【0009】
上記一の局面による基板作業装置では、上記のように、制御部は、結露センサの検出値がしきい値以上であることに基づいて、結露の発生を作業者に報知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、制御基板において故障が発生する可能性が高い結露の発生状況に絞って作業者に報知することができるので、結露発生の報知により作業者が結露のない状態への復帰作業などを行う回数の増加を抑制することができる。その結果、作業者の負担の増加を抑制することができる。
【0010】
上記一の局面による基板作業装置において、好ましくは、表示部をさらに備え、制御部は、結露センサにより結露が検出されたことに基づいて、表示部に結露の発生を通知することにより作業者に報知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、作業者は結露の発生を表示部により視認することができるので、作業者が結露の発生をより容易に把握することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、結露センサの検出値を含む結露情報の履歴を記録した記憶部をさらに備え、制御部は、記憶部から結露情報の履歴を取得するとともに、表示部に結露情報の履歴を表示させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、作業者が表示部に表示された結露情報の履歴から制御基板上での結露の経時的な状態を判別することができるので、制御基板上での結露の発生を予見することができる。
【0012】
上記一の局面による基板作業装置において、好ましくは、駆動部は、モータをさらに含み、制御基板は、モータを制御するモータ駆動用基板を有し、モータ駆動用基板付近の空気の温度を上昇させるヒータと、モータ駆動用基板付近を冷却する冷却ファンとをさらに備え、制御部は、結露センサにより結露が検出されたことに基づいて、モータの電源が入らないようにするとともに、ヒータによるモータ駆動用基板付近の空気の加熱および冷却ファンによるモータ駆動用基板付近への給気の少なくともいずれかを行うように構成されている。このように構成すれば、結露センサにより結露が検出されたことに基づいて、モータの電源が入らないようにすることにより、モータの電源を入れたことに起因するショートを防止することができるので、結露に起因する駆動部の故障を防止することができる。また、ヒータの加熱および冷却ファンを利用した送風によりモータ駆動用基板付近の乾燥を行うことができるので、モータ駆動用基板において結露を発生しにくくすることができ、モータ駆動用基板において結露の発生が促進されないようにすることができ、かつ、モータ駆動用基板において結露が発生した場合でも早期に結露を無くすことができる。
【0013】
上記一の局面による基板作業装置において、好ましくは、制御部は、駆動部を制御する駆動側制御部と、外部の空調装置と通信可能な本体側制御部とを有し、本体側制御部は、結露センサの検出値を含む結露情報に基づいて、外部の空調装置を調整する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、結露情報に基づいて施設内の温度および湿度を外部の空調装置により調整することができるので、制御基板に結露を発生しにくくすることができる。また、結露情報に基づいて施設内の温度および湿度を外部の空調装置により調整することができるので、制御基板において結露の発生が促進されないようにすることができる。また、結露情報に基づいて施設内の温度および湿度を外部の空調装置により調整することができるので、制御基板において結露が発生した場合でも早期に結露を無くすことができる。
【0014】
上記一の局面による基板作業装置において、好ましくは、結露センサは、水滴の付着を検出可能な水滴検出用パットと、水滴検出用パットにおける水滴の付着の有無を検出する静電容量式のタッチセンサとを含む。このように構成すれば、水滴検出用パットにより結露を直接検出することができるので、制御基板に結露が発生したことを正確に検出することができる。
【0015】
この場合、好ましくは、水滴検出用パットおよびタッチセンサの両方は、制御基板上に取り付けられている。このように構成すれば、制御基板上に生じた結露を検出することができるので、制御基板の故障をより確実に防止することができる。
【0016】
上記水滴検出用パットとタッチセンサとを用いた結露センサを備える基板作業装置において、好ましくは、タッチセンサは、制御基板上に取り付けられており、水滴検出用パットは、変形可能なフレキシブル基板に設けられるとともに、制御基板上に配置されるヒートシンクおよび制御基板を覆う筐体の少なくともいずれかに取り付けられている。このように構成すれば、熱伝達率および熱容量が比較的大きいヒートシンクでは冷却した後暖まりにくいので、ヒートシンクが暖まらず温度が低いことに起因して結露が発生することが考えられる。したがって、上記ヒートシンクに水滴検出用パットを取り付けることにより、より確実に結露を検出することができる。また、制御基板を収納する大きさを有することにより熱容量が比較的大きい筐体では冷却した後暖まりにくいので、筐体が暖まらず温度が低いことに起因して結露が発生することが考えられる。したがって、上記筐体に水滴検出用パットを取り付けることにより、より確実に結露を検出することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、制御基板の結露に起因する故障を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施形態による部品実装装置を設置した施設を模式的に示した図である。
【
図2】第1実施形態による部品実装装置を示した平面図である。
【
図3】第1実施形態による部品実装装置の基板搬送部を駆動させる構成を示したブロック図である。
【
図4】第1実施形態による部品実装装置の支持部を駆動させる構成を示したブロック図である。
【
図5】第1実施形態による部品実装装置のレール部を駆動させる構成を示したブロック図である。
【
図6】第1実施形態による部品実装装置のモータ駆動用基板を示した斜視図である。
【
図7】第1実施形態による部品実装装置において結露を検出した状態を示した図である。
【
図8】第1実施形態による部品実装装置の表示部に表示される結露センサの検出量および警告メッセージを画面に表示した図である。
【
図9】第1実施形態による部品実装装置により空調装置を調整する状態を示した図である。
【
図10】第1実施形態による部品実装装置における結露検出処理を示したフローチャートである。
【
図11】第1実施形態による部品実装装置における空調調整処理を示したフローチャートである。
【
図12】第2実施形態による部品実装装置のモータ駆動用基板を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
[第1実施形態]
図1~
図9を参照して、第1実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。なお、部品実装装置100は、特許請求の範囲の「基板作業装置」の一例である。
【0021】
(部品実装装置が設置される施設)
図1に示すように、本発明の実施形態による部品実装装置100は工場などの施設1000に設置されている。施設1000には、部品実装装置100、空調装置101、および噴霧器102などが設置されている。なお、空調装置101は、特許請求の範囲の「外部の空調装置」の一例である。
【0022】
部品実装装置100は、電子部品Eが配置されることにより製造される製造用基板Suに部品を実装する装置である。部品実装装置100の詳細な構成については、後に説明する。空調装置101は、施設1000内の温度および湿度を調整可能なエアーコンディショナである。空調装置101は、作業者Uにより手動で温度および湿度を調整可能に構成されている。また、空調装置101は、部品実装装置100と通信可能に構成されている。これにより、空調装置101は、部品実装装置100により自動で温度および湿度を調整可能に構成されている。噴霧器102は、施設1000内の湿度を調整可能に構成されている。噴霧器102は、冬季などにおいて施設1000内を加湿することにより、製造用基板Suにおける静電気の発生を抑制するように構成されている。なお、電子部品Eは、特許請求の範囲の「部品」の一例である。
【0023】
(部品実装装置)
図2~
図9を参照して、本発明の第1実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。
【0024】
図2に示すように、部品実装装置100は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの電子部品Eを基板作業位置に配置されたプリント基板などの製造用基板Suに実装するように構成されている。
【0025】
ここで、部品実装装置100において、製造用基板Suを搬送する搬送方向をX1方向とし、製造用基板Suを搬送する搬送方向の逆方向をX2方向とし、X1方向およびX2方向を合わせた方向をX方向とする。また、水平方向のうちのX方向に直交する方向をY方向とし、Y方向の一方をY1方向とし、Y方向の他方をY2方向とする。また、X方向およびY方向に直交する上下方向をZ方向(上下方向)とし、Z方向の一方をZ1方向(上方向)とし、Z方向の他方をZ2方向(下方向)とする。
【0026】
部品実装装置100は、基台1と、フィーダ配置部2と、基板搬送部3と、支持部4と、一対のレール部5と、ヘッドユニット6と、部品認識カメラ7と、基板認識カメラ8と、制御装置9と、表示部10と、冷却ファン11と、ヒータ12とを備えている。なお、基板搬送部3、支持部4および一対のレール部5の各々は、特許請求の範囲の「基板作業部」の一例である。
【0027】
(基台)
基台1は、部品実装装置100において各構成要素を配置する基礎となる台である。基台1上には、構成要素として、基板搬送部3、レール部5、および、部品認識カメラ7が設けられている。また、基台1内には、制御装置9が設けられている。また、基台1には、Y方向の両側(Y1方向側およびY2方向側)に、複数のテープフィーダ2aを配置可能なフィーダ配置部2が設けられている。
【0028】
(テープフィーダ)
テープフィーダ2aは、製造用基板Suに実装される電子部品Eを供給する部品供給装置である。テープフィーダ2aは、複数の電子部品Eを所定の間隔を隔てて保持した部品供給テープを巻き回したリール(図示せず)を保持している。
【0029】
(基板搬送部)
図2および
図3に示すように、基板搬送部3は、部品実装装置100の外部から製造用基板Suを搬入し、製造用基板Suを搬送方向(X1方向)に搬送するように構成されている。ここで、基板搬送部3において、製造用基板Suを搬送方向に搬送することが、製造用基板Suに対して行う所定の作業である。
【0030】
基板搬送部3は、一対のコンベア31と、駆動部32とを含んでいる。一対のコンベア31の各々は、プーリ(図示せず)と、プーリに掛け回された輪状の搬送ベルトとを有している。
【0031】
図3に示すように、駆動部32は、基板搬送部3を駆動させるための構成である。駆動部32は、モータ32aと、モータ駆動用基板32bと、記憶部32cとを有している。モータ32aは、一対のコンベア31を回転駆動させる。モータ駆動用基板32bは、基板搬送部3を制御するように構成されている。具体的には、モータ駆動用基板32bは、モータ32aを制御するためのモータドライバである。モータ駆動用基板32bは、駆動側制御部132bを有している。駆動側制御部132bは、CPU(Central Processing Unit)である。記憶部32cは、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリを有する記憶装置である。なお、モータ駆動用基板32bは、特許請求の範囲の「制御基板」の一例である。また、駆動側制御部132bは、特許請求の範囲の「制御部」の一例である。
【0032】
基板搬送部3は、制御装置9と電気的に接続されている。これにより、モータ駆動用基板32bは、制御装置9からの制御信号に基づいて、モータ32aを制御することにより、一対のコンベア31上に載置された製造用基板Suの搬送速度を制御するように構成されている。
【0033】
(支持部)
図2および
図4に示すように、支持部4は、製造用基板Suに電子部品Eを実装するために移動するヘッドユニット6をX方向に移動可能に支持するように構成されている。ここで、支持部4において、ヘッドユニット6をX方向に移動させることが、製造用基板Suに対して行う所定の作業である。
【0034】
支持部4は、ボールねじ軸41と、駆動部42とを含んでいる。ボールねじ軸41は、X方向に延びている。
【0035】
図4に示すように、駆動部42は、支持部4を駆動させるための構成である。駆動部42は、モータ42aと、モータ駆動用基板42bと、記憶部42cとを有している。モータ42aは、ボールねじ軸41を回転駆動させる。モータ駆動用基板42bは、支持部4を制御するように構成されている。具体的には、モータ駆動用基板42bは、モータ42aを制御するためのモータドライバである。モータ駆動用基板42bは、駆動側制御部142bを有している。駆動側制御部142bは、CPUである。記憶部42cは、ROMおよびRAMなどのメモリを有する記憶装置である。なお、モータ駆動用基板42bは、特許請求の範囲の「制御基板」の一例である。また、駆動側制御部142bは、特許請求の範囲の「制御部」の一例である。
【0036】
支持部4は、制御装置9と電気的に接続されている。これにより、モータ駆動用基板42bは、制御装置9からの制御信号に基づいて、モータ42aを制御することにより、ボールねじ軸41と係合するボールナットに取り付けられたヘッドユニット6をX方向に移動させる制御を行うように構成されている。
【0037】
(レール部)
一対のレール部5は、支持部4をY方向に移動可能に支持するように構成されている。ここで、支持部4において、支持部4をY方向に移動させることによりヘッドユニット6をY方向に移動させることが、製造用基板Suに対して行う所定の作業である。
【0038】
レール部5は、ボールねじ軸51と、ガイドレール52と、駆動部53とを含んでいる。ボールねじ軸51は、Y方向に延びている。ガイドレール52は、Y方向に延びている。
【0039】
図5に示すように、駆動部53は、レール部5を駆動させるための構成である。駆動部53は、モータ53aと、モータ駆動用基板53bと、記憶部53cとを有している。モータ53aは、ボールねじ軸51を回転駆動させる。モータ駆動用基板53bは、レール部5を制御するように構成されている。具体的には、モータ駆動用基板53bは、モータ53aを制御するためのモータドライバである。モータ駆動用基板53bは、駆動側制御部153bを有している。駆動側制御部153bは、CPUである。記憶部53cは、ROMおよびRAMなどのメモリを有する記憶装置である。なお、モータ駆動用基板53bは、特許請求の範囲の「制御基板」の一例である。また、駆動側制御部153bは、特許請求の範囲の「制御部」の一例である。
【0040】
レール部5は、制御装置9と電気的に接続されている。これにより、モータ駆動用基板53bは、制御装置9からの制御信号に基づいて、モータ53aを制御することにより、ボールねじ軸51と係合するボールナットに取り付けられた支持部4をY方向に移動させる制御を行うように構成されている。
【0041】
このような構成により、ヘッドユニット6は、基台1上を水平面内で(X方向およびY方向に)移動可能に構成されている。
【0042】
(ヘッドユニット)
図2に示すように、ヘッドユニット6は、部品実装用のヘッドユニットであり、製造用基板SuのZ1方向(上方)を移動するとともに製造用基板Suに対して所定の作業(実装作業)を行うように構成されている。つまり、ヘッドユニット6は、作業位置において固定された製造用基板Suに電子部品Eを実装するように構成されている。
【0043】
具体的には、ヘッドユニット6は、実装ヘッド61と、Z軸モータ(図示せず)と、R軸モータ(図示せず)とを含んでいる。実装ヘッド61は、電子部品Eを保持するとともに、基板B上の目標搭載位置(図示せず)に電子部品Eを搭載するように構成されている。実装ヘッド61は、X方向に一列に複数(5個)並んで配置されている。
【0044】
複数の実装ヘッド61の各々は、圧力発生装置(図示せず)に接続されており、圧力発生装置により生じる負圧によって、先端に取り付けられた(装着された)ノズルに電子部品Eを保持(吸着)可能に構成されている。また、複数の実装ヘッド61の各々は、圧力発生装置による負圧を正圧に切り換えることによって、電子部品Eを基板Bに実装(搭載)可能に構成されている。
【0045】
複数の実装ヘッド61の各々は、Z軸モータによりZ方向(上下方向)に移動可能に構成されている。また、複数の実装ヘッド61の各々は、R軸モータにより回転軸回りに回転可能に構成されている。
【0046】
(部品認識カメラ)
部品認識カメラ7は、製造用基板Suへの電子部品Eの実装に先立ってノズルに保持(吸着)された電子部品Eを撮像する部品撮像用のカメラである。部品認識カメラ7は、基台1上に固定されており、電子部品Eの下方(Z2方向)から、ノズルに保持(吸着)された電子部品Eを撮像するように構成されている。
【0047】
(基板認識カメラ)
基板認識カメラ8は、ヘッドユニット6に取り付けられ、製造用基板Suへの電子部品Eの実装に先立って、製造用基板Suの上面に付されたFIマーク(Fiducial Mark(フィデューシャルマーク):図示せず)を撮像するマーク撮像用のカメラである。FIマークは、製造用基板Suの位置を確認するためのマークである。
【0048】
(制御装置)
図2~
図5に示すように、制御装置9は、ノズルによりテープフィーダ2aから電子部品Eを吸着して製造用基板Suに実装する制御を行うように構成されている。具体的には、制御装置9は、CPUとしての本体側制御部91および記憶部92などを含み、部品実装装置100の動作を制御する。制御装置9は、テープフィーダ2a、基板搬送部3、支持部4、レール部5、ヘッドユニット6、部品認識カメラ7および基板認識カメラ8に電気的に接続されている。なお、本体側制御部91は、特許請求の範囲の「制御部」の一例である。
【0049】
記憶部92は、ROMおよびRAMなどのメモリを有する記憶装置である。記憶部92には、部品実装プログラムが記憶されている。部品実装プログラムは、製造用基板Su上に実装される電子部品Eの実装処理を行うためのプログラムである。
【0050】
(表示部、冷却ファンおよびヒータ)
図2に示すように、表示部10は、液晶ディスプレイなどから構成されている。表示部10は、制御装置9から送信された情報を画面に表示するように構成されている。冷却ファン11は、モータ駆動用基板32b、モータ駆動用基板42bおよびモータ駆動用基板53b付近に給気することにより冷却するように構成されている。ヒータ12は、加熱することにより、モータ駆動用基板32b、モータ駆動用基板42bおよびモータ駆動用基板53b付近の空気の温度を上昇させるように構成されている。これにより、モータ駆動用基板32b、モータ駆動用基板42bおよびモータ駆動用基板53b付近の空気が乾燥する。
【0051】
(結露センサを用いた故障防止)
図6に示すように、第1実施形態の部品実装装置100は、結露に起因するモータ駆動用基板32b、モータ駆動用基板42bおよびモータ駆動用基板53bの故障防止のために、結露センサ13を備えている。すなわち、部品実装装置100が稼働している際、部品実装装置100内は暖かいので結露が発生しにくいが、部品実装装置100をしばらく停止した後に再稼働させる際、部品実装装置100内の温度は施設1000内の環境温度まで低下している。これにより、モータ駆動用基板32b、モータ駆動用基板42bおよびモータ駆動用基板53b付近の空気中の水分が凝縮することに起因して結露が生じる場合がある。結露センサ13は、上記結露を検出するためのセンサである。
【0052】
結露センサ13は、モータ駆動用基板32b、モータ駆動用基板42bおよびモータ駆動用基板53bの各々に対して設置されている。以下では、モータ駆動用基板32bに設置した結露センサ13を一例として説明する。なお、モータ駆動用基板42bに設置した結露センサ13およびモータ駆動用基板53bに設置した結露センサ13も同じ構成なので、説明を省略する。
【0053】
結露センサ13は、モータ駆動用基板32bにおいて発生した結露を検出するように構成されている。ここで、モータ駆動用基板32bは、筐体15内に配置されている。結露センサ13は、水滴検出用パット13aと、タッチセンサ13bとを含んでいる。
【0054】
水滴検出用パット13aは、水滴の付着を検出可能に構成されている。水滴検出用パット13aは、水滴が付着することにより静電容量が変化するように構成されている。水滴検出用パット13aは、レジスト(図示せず)と、電極(図示せず)とを有している。レジストは、電極を覆う保護膜である。電極は、矩形形状の銅板である。水滴検出用パット13aは、複数(3つ)配置されている。
【0055】
タッチセンサ13bは、水滴検出用パット13aにおける水滴の付着の有無を検出するように構成されている。タッチセンサ13bは、水滴検出用パット13aにおいて水滴が付着することにより変化する静電容量を検出するように構成されている。タッチセンサ13bは、静電容量式のタッチセンサである。
【0056】
ここで、モータ駆動用基板32b上には、水滴検出用パット13aおよびタッチセンサ13bの両方が取り付けられている。また、モータ駆動用基板32b上には、ヒートシンク14が取り付けられている。このように、結露センサ13は、ヒートシンク14および筐体15ではなく、モータ駆動用基板32b上の結露を検出するように構成されている。
【0057】
図7および
図8に示すように、駆動側制御部132bは、結露センサ13により結露が検出されたことに基づいて、結露の発生を作業者Uに報知する制御を行うように構成されている。具体的には、駆動側制御部132bは、結露センサ13の検出値がしきい値Th以上であることに基づいて、結露の発生を作業者Uに報知する制御を行うように構成されている。このように、モータ32aを駆動させる制御を行う駆動側制御部132bを用いて、モータ駆動用基板32b上の結露が検出される。
【0058】
図7では、一例として、複数(3つ)の水滴検出用パット13aのうち一方側端部の水滴検出用パット13aに水滴が付着した状態を示している。
図7の複数(3つ)の水滴検出用パット13aでは、一方側から順にCH1(チャンネル1)、CH2(チャンネル2)およびCH3(チャンネル3)に対応する。また、
図8では、一例として、複数(3つ)の水滴検出用パット13aのうち一方側端部の水滴検出用パット13aによる結露の検出に基づいて、結露センサ13により結露が検出されたことが表示部10を介して報知されている。ここで、作業者Uには、結露センサ13により結露が検出されたことを表示部10を介して報知されるだけでなく、結露センサ13により結露が検出されたことを携帯端末103(
図1参照)を介しても報知される。なお、表示部10に表示される画面と、携帯端末103に表示される画面とは同じである。
【0059】
図7における結露の検出から
図8における表示部10による報知までの処理を以下に詳細に説明する。
【0060】
図7および
図8に示すように、駆動側制御部132bは、所定周期毎に、記憶部32cに結露情報を記録する制御を行うように構成されている。すなわち、駆動側制御部132bは、結露情報の履歴(ログ)を記憶部32cに記録する制御を行うように構成されている。駆動側制御部132bは、結露センサ13の検出値がしきい値Th以上であることに基づいて、結露発生を示すトリガ値を結露情報に記録する制御を行うように構成されている。このように、駆動側制御部132bは、結露センサ13の検出値がしきい値Th以上であることに基づいて、記憶部32cに結露情報を記録する制御を行うように構成されている。ここで、結露情報は、結露情報を記録する際の経過時間、結露情報を記録する際の温度、結露情報を記録する際の湿度、結露情報を記録する際の検出値、および、結露発生か否かを示すトリガ値を有する情報である。
【0061】
本体側制御部91は、所定周期毎に記憶部32cの結露情報を取得するように構成されている。本体側制御部91は、所定周期毎に取得した記憶部32cの結露情報を例えばグラフとして表示部10に表示する制御を行うように構成されている。このように、本体側制御部91は、記憶部32cから結露情報の履歴を取得するとともに、表示部10に結露情報の履歴を表示させる制御を行うように構成されている。
【0062】
本体側制御部91は、結露情報に記録されたトリガ値に基づいて、結露の発生を作業者Uに報知する制御を行うように構成されている。本体側制御部91は、結露センサ13により結露が検出されたことに基づいて、表示部10に結露の発生を通知することにより作業者Uに報知する制御を行うように構成されている。本体側制御部91は、結露センサ13により結露が検出されたことに基づいて、携帯端末103に結露の発生を通知することにより作業者Uに報知する制御を行うように構成されている。
【0063】
また、
図7における結露の検出から
図8における表示部10による報知までの処理を行う際に以下に示す処理が並行して行われる。
【0064】
すなわち、駆動側制御部132bは、結露に起因するモータ駆動用基板32bの故障の防止のため、結露センサ13により結露が検出されたことに基づいて、モータ32aの電源が入らないようにする制御を行うように構成されている。これにより、駆動側制御部132bによるモータ32aの制御が緊急停止される。また、本体側制御部91は、基板搬送部3内を乾燥させるため、ヒータ12によるモータ駆動用基板32b付近の空気の加熱および冷却ファン11によるモータ駆動用基板32b付近への給気の両方を行うように構成されている。
【0065】
また、
図9に示すように、基板搬送部3内の乾燥のため、結露情報に基づいて施設1000の空調装置101の制御が行われている。すなわち、本体側制御部91は、結露センサ13の検出値を含む結露情報に基づいて、空調装置101を調整する制御を行うように構成されている。これにより、空調装置101から吹き出した空気が部品実装装置100内に送り込まれるとともに基板搬送部3内に送り込まれることによって、基板搬送部3内のさらなる乾燥が行われる。また、本体側制御部91は、結露センサ13の検出値を含む結露情報に基づいて、噴霧器102を調整するよう作業者Uに指示を出す制御を行うように構成されている。これにより、結露が発生しないように作業者Uにより噴霧器102が調整されるので、基板搬送部3内の結露の発生の防止に寄与することが可能である。
【0066】
(結露検出処理)
以下に、
図10を参照して、本体側制御部91による基板搬送部3における結露の検出を行う結露検出処理について説明する。なお、一例として、結露検出処理により基板搬送部3における結露の検出を示しているが、基板搬送部3以外の支持部4およびレール部5に関しても同様に結露の検出を行うことが可能である。
【0067】
ステップS1において、本体側制御部91では、部品実装装置100の電源がオンにされたことに基づいて、結露情報が基板搬送部3の記憶部32cから取得される。ステップS2において、本体側制御部91では、部品実装装置100を操作するためのアプリケーションが起動される。ステップS3において上記アプリケーションの起動が完了した後、ステップS4において、本体側制御部91では、結露情報に基づいて、結露が検出されたトリガ信号が記録されているか否かが判断される。トリガ信号が記録されていた場合はステップS7に進み結露情報を記憶部92に記録した後に結露検出処理を終了する。トリガ信号が記録されていない場合はステップS5に進む。
【0068】
ステップS5において、本体側制御部91では、製造用基板Suの生産が開始されたか否かが判断される。製造用基板Suの生産が開始された場合にはステップS7に進んだ後に結露検出処理を終了する。製造用基板Suの生産が開始されていない場合にはステップS6に進む。ステップS6において、本体側制御部91では、所定時間(たとえば約10分)が経過したか否かが判断される。所定時間が経過した場合にはステップS7に進んだ後に結露検出処理を終了する。所定時間が経過していない場合にはステップS4に戻る。
【0069】
(空調調整処理)
以下に、
図11を参照して、本体側制御部91による空調装置101を調整する空調調整処理について説明する。なお、一例として、基板搬送部3において結露が検出された場合を示しているが、基板搬送部3以外の支持部4およびレール部5に関しても同様の処理が行われる。
【0070】
ステップS101において、本体側制御部91では、部品実装装置100の電源がオンにされたことに基づいて取得された基板搬送部3の記憶部32cの結露情報に基づいて、結露が検出されたトリガ信号が記録されているか否かが判断される。トリガ信号が記録されている場合にはステップS103に進み、トリガ信号が記録されていない場合にはステップS102に進む。ステップS102において、本体側制御部91では、所定時間(約10分)経過した否かが判断される。所定時間経過した場合には、ステップS107において記憶部92に結露情報を保存した後に空調調整処理が終了される。所定時間経過していない場合にはステップS101に戻る。
【0071】
ステップS103において、本体側制御部91では、表示部10に警告が表示される。ステップS104において、本体側制御部91では、駆動側制御部132bにおけるモータ32aの制御が不可に設定される。すなわち、本体側制御部91では、駆動側制御部132bによるモータ32aの制御を行わせないために、電源が入らないように設定される。ステップS105において、本体側制御部19では、冷却ファン11およびヒータ12による乾燥が開始される。ステップS106において、本体側制御部19では、空調装置101の調整が行われた後、ステップS107を経て空調調整処理が終了される。
【0072】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0073】
第1実施形態では、上記のように、部品実装装置100は、結露を検出する結露センサ13を備えている。モータ駆動用基板32b(42b、53b)は、結露センサ13により結露が検出されたことに基づいて、結露の発生を作業者Uに報知する制御を行う駆動側制御部132b(142b、153b)を含んでいる。これにより、モータ駆動用基板32b(42b、53b)に結露が生じたことに基づいてモータ駆動用基板32b(42b、53b)による制御を停止させることができるので、モータ駆動用基板32b(42b、53b)の結露に起因する故障を防止することができる。また、結露の発生を作業者Uに報知することにより、作業者Uにより、制御が停止した状態のモータ駆動用基板32b(42b、53b)を結露のない状態に復帰させることができるので、作業の停滞の長期化を抑制することができる。
【0074】
また、第1実施形態では、上記のように、駆動側制御部132b(142b、153b)は、結露センサ13の検出値がしきい値Th以上であることに基づいて、結露の発生を作業者Uに報知する制御を行うように構成されている。これにより、モータ駆動用基板32b(42b、53b)において故障が発生する可能性が高い結露の発生状況に絞って作業者Uに報知することができるので、結露発生の報知により作業者Uが結露のない状態への復帰作業などを行う回数の増加を抑制することができる。この結果、作業者Uの負担の増加を抑制することができる。
【0075】
また、第1実施形態では、上記のように、部品実装装置100は、表示部10を備えている。駆動側制御部132b(142b、153b)は、結露センサ13により結露が検出されたことに基づいて、表示部10に結露の発生を通知することにより作業者Uに報知する制御を行うように構成されている。これにより、作業者Uは結露の発生を表示部10により視認することができるので、作業者Uが結露の発生をより容易に把握することができる。
【0076】
また、第1実施形態では、上記のように、部品実装装置100は、結露センサ13の検出値を含む結露情報の履歴を記録した記憶部32c(42c、53c)を備えている。本体側制御部91は、記憶部32c(42c、53c)から結露情報の履歴を取得するとともに、表示部10に結露情報の履歴を表示させる制御を行うように構成されている。これにより、作業者Uが表示部10に表示された結露情報の履歴からモータ駆動用基板32b(42b、53b)上での結露の経時的な状態を判別することができるので、モータ駆動用基板32b(42b、53b)上での結露の発生を予見することができる。
【0077】
また、第1実施形態では、上記のように、駆動部32(42、53)は、モータ32a(42a、53a)を含んでいる。部品実装装置100は、モータ駆動用基板32b(42b、53b)付近の空気の温度を上昇させるヒータ12と、モータ駆動用基板32b(42b、53b)付近を冷却する冷却ファン11とを備えている。駆動側制御部132b(142b、153b)は、結露センサ13により結露が検出されたことに基づいて、モータ32a(42a、53a)の電源が入らないようにするとともに、ヒータ12によるモータ駆動用基板32b(42b、53b)付近の空気の加熱および冷却ファン11によるモータ駆動用基板32b(42b、53b)付近への給気の少なくともいずれかを行うように構成されている。これにより、結露センサ13により結露が検出されたことに基づいて、モータ32a(42a、53a)の電源が入らないようにすることにより、モータ32a(42a、53a)の電源を入れたことに起因するショートを防止することができるので、結露に起因する駆動部32(42、53)の故障を防止することができる。また、ヒータ12の加熱および冷却ファン11を利用した送風によりモータ駆動用基板32b(42b、53b)付近の乾燥を行うことができるので、モータ駆動用基板32b(42b、53b)において結露を発生しにくくすることができ、モータ駆動用基板32b(42b、53b)において結露の発生が促進されないようにすることができ、かつ、モータ駆動用基板32b(42b、53b)において結露が発生した場合でも早期に結露を無くすことができる。
【0078】
また、第1実施形態では、上記のように、本体側制御部91は、結露センサ13の検出値を含む結露情報に基づいて、空調装置101を調整する制御を行うように構成されている。これにより、結露情報に基づいて施設1000内の温度および湿度を空調装置101により調整することができるので、モータ駆動用基板32b(42b、53b)に結露を発生しにくくすることができる。また、結露情報に基づいて施設1000内の温度および湿度を空調装置101により調整することができるので、モータ駆動用基板32b(42b、53b)において結露の発生が促進されないようにすることができる。また、結露情報に基づいて施設1000内の温度および湿度を空調装置101により調整することができるので、モータ駆動用基板32b(42b、53b)において結露が発生した場合でも早期に結露を無くすことができる。
【0079】
また、第1実施形態では、上記のように、結露センサ13は、水滴の付着を検出可能な水滴検出用パット13aと、水滴検出用パット13aにおける水滴の付着の有無を検出する静電容量式のタッチセンサ13bとを含んでいる。これにより、水滴検出用パット13aにより結露を直接検出することができるので、モータ駆動用基板32b(42b、53b)に結露が発生したことを正確に検出することができる。また、専用の結露検出計よりも水滴検出用パット13aとタッチセンサ13bとを用いた結露センサ13は小型であるので、専用の結露検出計をモータ駆動用基板32b(42b、53b)に取り付ける場合と比較して、モータ駆動用基板32b(42b、53b)の大型化を抑制することができる。
【0080】
また、第1実施形態では、上記のように、水滴検出用パット13aおよびタッチセンサ13bの両方は、モータ駆動用基板32b(42b、53b)上に取り付けられている。これにより、モータ駆動用基板32b(42b、53b)上に生じた結露を検出することができるので、モータ駆動用基板32b(42b、53b)の故障をより確実に防止することができる。
【0081】
[第2実施形態]
次に、
図12を参照して、第2実施形態の部品実装装置200について説明する。詳細には、水滴検出用パット13aがモータ駆動用基板32b上に取り付けられている上記第1実施形態の部品実装装置100とは異なり、第2実施形態の部品実装装置100では、水滴検出用パット213aがヒートシンク14に取り付けられている。なお、第2実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0082】
第2実施形態の部品実装装置200は、基台1と、フィーダ配置部2と、基板搬送部3と、支持部4と、一対のレール部5と、ヘッドユニット6と、部品認識カメラ7と、基板認識カメラ8と、制御装置9と、表示部10と、冷却ファン11と、ヒータ12と、結露センサ213とを備えている。なお、基板搬送部3、支持部4および一対のレール部5は、特許請求の範囲の「基板作業部」の一例である。
【0083】
(結露センサ)
結露センサ213は、モータ駆動用基板32b、モータ駆動用基板42bおよびモータ駆動用基板53bの各々に対して設置されている。以下では、モータ駆動用基板32bに設置した結露センサ213を一例として説明する。なお、モータ駆動用基板42bに設置した結露センサ213およびモータ駆動用基板53bに設置した結露センサ13も同じ構成なので、説明を省略する。
【0084】
結露センサ213は、モータ駆動用基板32bにおいて発生した結露を検出するように構成されている。ここで、モータ駆動用基板32bは、筐体15内に配置されている。結露センサ213は、水滴検出用パット213aと、タッチセンサ13bとを含んでいる。
【0085】
水滴検出用パット213aは、変形可能なフレキシブル基板に設けられている。水滴検出用パット213aは、モータ駆動用基板32b上に配置されるヒートシンク14に取り付けられている。タッチセンサ13bは、モータ駆動用基板32b上に取り付けられている。なお、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態の構成と同様であるので、説明を省略する。
【0086】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態の効果について説明する。
【0087】
第2実施形態では、上記のように、部品実装装置200は、結露を検出する結露センサ213を備えている。モータ駆動用基板32b(42b、53b)は、結露センサ213により結露が検出されたことに基づいて、結露の発生を作業者Uに報知する制御を行う駆動側制御部132b(142b、153b)を含んでいる。これにより、モータ駆動用基板32b(42b、53b)の結露に起因する故障を防止することができる。
【0088】
また、第2実施形態では、上記のように、タッチセンサ13bは、モータ駆動用基板32b(42b、53b)上に取り付けられている。水滴検出用パット213aは、変形可能なフレキシブル基板に設けられるとともに、モータ駆動用基板32b(42b、53b)上に配置されるヒートシンク14に取り付けられている。これにより、熱伝達率および熱容量が比較的大きいヒートシンク14では冷却した後暖まりにくいので、ヒートシンク14が暖まらず温度が低いことに起因して結露が発生することが考えられる。したがって、上記ヒートシンク14に水滴検出用パット213aを取り付けることにより、より確実に結露を検出することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0089】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0090】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、特許請求の範囲の基板作業装置は、部品実装装置100(200)である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、基板作業装置は、ローダ、印刷機と、印刷検査機と、ディスペンサ装置、外観検査装置、リフロー装置、または、アンローダなどであってもよい。
【0091】
また、上記第1および第2実施形態では、水滴検出用パット13a(213a)は、矩形形状の銅板である電極(図示せず)を有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、水滴検出用パットは、櫛歯形状の電極を有していてもよい。
【0092】
また、上記第1および第2実施形態では、水滴検出用パット13a(213a)は、レジスト(図示せず)を有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、水滴検出用パットは、レジストを有していなくてもよい。
【0093】
また、上記第1および第2実施形態では、表示部10に表示される画面と、携帯端末103に表示される画面とは同じである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示部に表示される画面と、携帯端末に表示される画面とは、異なっていてもよい。
【0094】
また、上記第1および第2実施形態では、本体側制御部91は、基板搬送部3内を乾燥させるため、ヒータ12によるモータ駆動用基板32b付近の空気の加熱および冷却ファン11によるモータ駆動用基板32b付近への給気の両方を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、本体側制御部91は、ヒータ12および冷却ファン11の少なくともいずれかにより乾燥が行われるように構成されていればよい。
【0095】
また、上記第1および第2実施形態では、水滴検出用パット213aは、モータ駆動用基板32b上に配置されるヒートシンク14に取り付けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。水滴検出用パットは、筐体の天井などに取り付けられていてもよい。これにより、モータ駆動用基板を収納する大きさを有することにより熱容量が比較的大きい筐体では冷却した後暖まりにくいので、筐体が暖まらず温度が低いことに起因して結露が発生することが考えられる。したがって、上記筐体に水滴検出用パットを取り付けることにより、より確実に結露を検出することができる。
【0096】
また、上記第1および第2実施形態では、駆動側制御部132b(142b、153b)は、結露センサ13により結露が検出されたことに基づいて、結露の発生を作業者Uに常時報知する制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。ここで、制御装置の記憶部には、結露センサにより結露を検出させるアプリケーションが記憶されていていてもよい。すなわち、本体側制御部は、アプリケーションの処理結果に基づいて、表示部に結露検出機能をオン/オフするためのチェックボックスを表示する制御を行うように構成されている。表示部に表示されたチェックボックスは、作業者による操作を受け付け可能に構成されている。本発明では、駆動側制御部は、作業者によるチェックボックスの操作結果に基づいて、結露センサ13による結露検出機能を停止/開始する制御を行ってもよい。
【0097】
また、上記第1および第2実施形態では、結露センサ13(213)は、モータ駆動用基板32b、モータ駆動用基板42bおよびモータ駆動用基板53b(制御基板)において発生した結露を検出するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、結露センサは、制御基板ではなく、制御基板を収容する筐体の外表面、ボールねじ軸、ガイドレール、および、シャフトなどに取り付けられることにより、制御基板を収容する筐体の外表面、ボールねじ軸、ガイドレール、および、シャフトなどにおいて発生した結露を検出するように構成されていてもよい。
【0098】
また、上記第1および第2実施形態では、説明の便宜上、本体側制御部91(制御部)の制御処理を、処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の制御処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0099】
3 基板搬送部(基板作業部)
4 支持部(基板作業部)
5 レール部(基板作業部)
10 表示部
11 冷却ファン
12 ヒータ
13、213 結露センサ
13a、213a 水滴検出用パット
13b タッチセンサ
14 ヒートシンク
15 筐体
32、42、53 駆動部
32a、42a、53a モータ
32b、42b、53b モータ駆動用基板(制御基板)
32c、42c、43c 記憶部
91 本体側制御部(制御部)
100、200 部品実装装置(基板作業装置)
101 空調装置(外部の空調装置)
132b、142b、153b 駆動側制御部(制御部)
E 電子部品(部品)
Su 製造用基板
Th しきい値
U 作業者