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特開2022-170053無端ベルトの搬送切替装置を備えた画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170053
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】無端ベルトの搬送切替装置を備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20221102BHJP
【FI】
G03G15/20 515
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021075927
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】511076424
【氏名又は名称】ヒューレット-パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】堀江 貴之
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 皓一
【テーマコード(参考)】
2H033
【Fターム(参考)】
2H033AA13
2H033BA10
2H033BA11
2H033BA12
2H033BA25
2H033BA27
2H033BB18
2H033BB33
2H033BB34
2H033BE00
2H033CA35
(57)【要約】      (修正有)
【課題】定着装置とは別に光沢処理装置を備えなくても、光沢処理を施した画像及び光沢処理を施さない画像を選択的に形成することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、定着装置5を備える。定着装置5は、印刷媒体である用紙Mを搬送する無端ベルト51と、前記無端ベルト51を加熱する加熱ローラ52と、前記無端ベルト51を前記加熱ローラ52に押圧することによりニップ領域NRを形成する加圧ローラ53と、前記無端ベルト51を、前記用紙Mが前記ニップ領域NRを出たときに前記用紙Mを前記無端ベルト51から離間させる第一位置と、前記用紙Mが前記ニップ領域NRを出たときに前記用紙Mを前記無端ベルト51に接触したまま搬送する第二位置と、の間で移動させる搬送切替装置56と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
定着装置を備え、
前記定着装置は、
印刷媒体を搬送する無端ベルトと、
前記無端ベルトを加熱する加熱ローラと、
前記無端ベルトを前記加熱ローラに押圧することによりニップ領域を形成する加圧ローラと、
前記無端ベルトを、前記印刷媒体が前記ニップ領域を出たときに前記印刷媒体を前記無端ベルトから離間させる第一位置と、前記印刷媒体が前記ニップ領域を出たときに前記印刷媒体を前記無端ベルトに接触したまま搬送する第二位置と、の間で移動させる搬送切替装置と、を有する、
画像形成装置。
【請求項2】
前記定着装置は、懸架ローラを有し、
前記無端ベルトは、前記加熱ローラ又は前記加圧ローラに対応する第一ベルトローラと、前記懸架ローラに対応する第二ベルトローラと、に巻き掛けられており、
前記無端ベルトは、前記第一ベルトローラから前記第二ベルトローラに向かう前記無端ベルトの搬送方向において、前記ニップ領域の下流側に隣接するニップ出口部を有し、
前記搬送切替装置は、基準面に対する前記ニップ出口部の角度を変化させるように構成されている、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記無端ベルトに隣接して配置され、前記ニップ出口部と前記懸架ローラとの間で前記無端ベルトを冷却する冷却装置を備える、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記搬送切替装置は、前記無端ベルトの前記ニップ出口部の前記角度を変更するために、前記第一ベルトローラに対して移動可能な前記懸架ローラを有する、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記搬送切替装置は、前記第一ベルトローラと前記懸架ローラとの間の前記無端ベルトの内側に位置するベルト押圧装置を有し、
前記ベルト押圧装置は、前記無端ベルトに向かって移動するときに、前記ニップ出口部に隣接する前記無端ベルトに凸形状を形成し、前記無端ベルトから離れるときに、前記ニップ出口部に隣接する前記無端ベルトの直線形状を復元するように、前記無端ベルトに対して接離移動可能である、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記無端ベルトの前記第一位置において、前記無端ベルトの前記ニップ出口部は、前記基準面に対して第一角度をなし、
前記無端ベルトの前記第二位置において、前記無端ベルトの前記ニップ出口部は、前記基準面に対して第二角度をなし、
前記第一角度と前記第二角度との差は、10°以上である、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ニップ領域は、前記ニップ領域への前記印刷媒体の入口を形成する第一端から前記ニップ領域からの前記印刷媒体の出口を形成する第二端まで延び、
前記基準面は、前記ニップ領域の前記第一端及び前記第二端を含む、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記無端ベルトの前記第一位置において、前記無端ベルトの前記ニップ出口部は、前記基準面に対して第一角度をなし、
前記無端ベルトの前記第二位置において、前記無端ベルトの前記ニップ出口部は、前記基準面に対して第二角度をなし、
前記基準面に対する前記無端ベルトの外周側をプラスとした場合、前記第一角度は、10°以上であり、前記第二角度は、前記第一角度よりも小さい、
請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第二角度は、0°未満である、
請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記無端ベルトは、前記ニップ領域の下流側に隣接するニップ出口部を有し、
前記定着装置は、基準面に対する前記ニップ出口部の角度を調整するように前記搬送切替装置を動作させる制御部を備える、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
印刷媒体を搬送する無端ベルトと、
前記無端ベルトに係合してトナー像を前記印刷媒体に定着させる加熱加圧装置と、
前記無端ベルトの内側に配置されて、前記加熱加圧装置との間に位置する前記無端ベルトの光沢形成経路に沿って前記印刷媒体を搬送する懸架ローラと、
前記印刷媒体の搬送方向を、前記無端ベルトの前記光沢形成経路から離れる第一搬送方向と、前記無端ベルトの前記光沢形成経路に沿う第二搬送方向と、に切り替える搬送切替装置と、を備える、
定着装置。
【請求項12】
前記加熱加圧装置は、前記無端ベルトの内側に配置されて前記無端ベルトを加熱する加熱ローラと、前記無端ベルトを前記加熱ローラに押圧することによりニップ領域を形成する加圧ローラと、を有し、
前記第一搬送方向は、前記ニップ領域の出口から前記無端ベルトから離れる方向である、
請求項11に記載の定着装置。
【請求項13】
前記無端ベルトの前記光沢形成経路に隣接して配置され、前記無端ベルトの前記光沢形成経路を冷却する冷却装置を備える、
請求項11に記載の定着装置。
【請求項14】
前記搬送切替装置は、前記懸架ローラを有し、
前記懸架ローラは、前記光沢形成経路の角度を変化させるように、前記加熱加圧装置に対して移動可能である、
請求項11に記載の定着装置。
【請求項15】
前記搬送切替装置は、前記無端ベルトの内側に位置するベルト押圧装置を有し、
前記ベルト押圧装置は、前記光沢形成経路の角度を変化させるように、前記無端ベルトに対して接離移動可能である、
請求項11に記載の定着装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
画像形成装置は、トナー像が転写された用紙を加熱及び加圧して用紙にトナー像を定着する定着装置を備える。画像形成装置には、トナー像に光沢処理を施す光沢処理装置を備えるものがある。光沢処理装置は、加熱ローラと、加圧ローラと、懸架ローラと、加熱ローラと懸架ローラとに懸架される無端ベルトと、加熱ローラと懸架ローラとの間の無端ベルトを冷却する冷却装置と、を備える。光沢処理装置では、トナー像が転写された用紙は、加熱ローラ及び加圧ローラによる加熱及び加圧に続いて、トナー像が転写されている面が無端ベルトに接触した状態で懸架ローラまで搬送される。
【図面の簡単な説明】
【0002】
図1図1は、本明細書に開示された種々の例を実施するために使用することができる例の画像形成装置の模式図である。
図2図2は、図1に示す定着装置を示す模式図である。
図3図3は、図1に示す定着装置を示す模式図である。
図4図4は、基準面に対する搬送ベルトの角度を説明するための模式図である。
図5図5は、例の搬送切替装置を備えた定着装置を示す模式図である。
図6図6は、例の搬送切替装置を備えた定着装置を示す模式図である。
図7図7は、他の例の搬送切替装置を備えた定着装置を示す模式図である。
図8図8は、他の例の搬送切替装置を備えた定着装置を示す模式図である。
図9図9は、基準面に対するニップ出口部の角度と無端ベルトに対する用紙の剥離角度との関係を説明するための模式図である。
図10図10は、用紙の斤量と無端ベルトに対する用紙の剥離角度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0003】
例の画像形成装置は、定着装置を備える。定着装置は、印刷媒体を搬送する無端ベルトと、無端ベルトを加熱する加熱ローラと、無端ベルトを加熱ローラに押圧することによりニップ領域を形成する加圧ローラと、無端ベルトを、印刷媒体がニップ領域を出たときに印刷媒体を無端ベルトから離間させる第一位置と、印刷媒体がニップ領域を出たときに印刷媒体を無端ベルトに接触したまま搬送する第二位置と、の間で移動させる搬送切替装置と、を有する。
【0004】
他の例の定着装置は、印刷媒体を搬送する無端ベルトと、無端ベルトに係合してトナー像を印刷媒体に定着させる加熱加圧装置と、無端ベルトの内側に配置されて、加熱加圧装置との間に位置する無端ベルトの光沢形成経路に沿って印刷媒体を搬送する懸架ローラと、印刷媒体の搬送方向を、無端ベルトの光沢形成経路から離れる第一搬送方向と、無端ベルトの光沢形成経路に沿う第二搬送方向と、に切り替える搬送切替装置と、を備える。
【0005】
これにより、ニップ領域通過後の印刷媒体の流れを変えることができるため、定着装置とは別に光沢処理装置を備えなくても、光沢処理を施した画像及び光沢処理を施さない画像を選択的に形成することができる。
【0006】
以下、図面を参照して、例の画像形成装置について説明する。なお、図面に基づいて説明するにあたり、同一の要素又は同一の機能を有する類似する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0007】
図1は、例の画像形成装置1の概略図である。図1に示す画像形成装置1は、マゼンタ、イエロー、シアン、及びブラックの4色のカラートナーと、光沢を付与するためのクリアトナーと、を用いてカラー画像を形成する装置である。クリアトナーは、透明トナーであってもよく、半透明トナーであってもよく、有色トナーであってもよい。画像形成装置1は、搬送装置10と、複数の像担持体20と、複数の現像装置30と、転写装置40と、定着装置50と、排出装置60と、制御部70と、を備える。
【0008】
搬送装置10は、画像が形成される記録媒体としての用紙Mを搬送経路11上で搬送する。用紙Mは、カセット12に積層されて収容され、給紙ローラによりピックアップされて搬送される。
【0009】
複数の像担持体20のそれぞれは、表面(周面)に静電潜像が形成される。画像形成装置1は、複数の像担持体20として、像担持体20Clr,20M,20Y,20C,20Kを備える。像担持体20Clrは、クリアトナー像を形成するための静電潜像を形成する。像担持体20Mは、マゼンタのトナー像を形成するための静電潜像を形成する。像担持体20Yは、イエローのトナー像を形成するための静電潜像を形成する。像担持体20Cは、シアンのトナー像を形成するための静電潜像を形成する。像担持体20Kは、ブラックのトナー像を形成するための静電潜像を形成する。像担持体20Clr,20M,20Y,20C,20Kは、基本的に同じ構成をしているため、特に分けて説明する場合を除き、像担持体20として纏めて説明する。像担持体20は、静電潜像担持体、感光体ドラム等とも呼ばれる。
【0010】
複数の現像装置30のそれぞれは、像担持体20Clr,20M,20Y,20C,20Kのそれぞれの表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する。画像形成装置1は、複数の現像装置30として、現像装置30Clr,30M,30Y,30C,30Kを備える。現像装置30Clrは、像担持体20Clrの周上に配置されて、像担持体20Clrに形成された静電潜像を現像する。現像装置30Mは、像担持体20Mの周上に配置されて、像担持体20Mに形成された静電潜像を現像する。現像装置30Yは、像担持体20Yの周上に配置されて、像担持体20Yに形成された静電潜像を現像する。現像装置30Cは、像担持体20Cの周上に配置されて、像担持体20Cに形成された静電潜像を現像する。現像装置30Kは、像担持体20Kの周上に配置されて、像担持体20Kに形成された静電潜像を現像する。現像装置30Clr,30M,30Y,30C,30Kは、基本的に同じ構成をしているため、特に分けて説明する場合を除き、現像装置30として纏めて説明する。
【0011】
転写装置40は、現像装置30Clr,30M,30Y,30C,30Kのそれぞれにより現像されたトナー像を搬送して用紙Mに転写する。転写装置40は、転写ベルト41と、一次転写ローラ42Clr,42M,42Y,42C,42Kと、二次転写ローラ43,44と、を備える。一次転写ローラ42Clr,42M,42Y,42C,42Kは、像担持体20Clr,20M,20Y,20C,20Kのそれぞれから転写ベルト41にトナー像を一次転写する。二次転写ローラ43,44は、転写ベルト41から用紙Mに各トナー像を二次転写する。
【0012】
定着装置50は、転写ベルト41からトナー像が転写された用紙Mを加熱及び加圧することで、用紙M上のトナー像を用紙Mに定着させる。定着装置50の詳細は後述する。
【0013】
排出装置60は、定着装置50によりトナー像が定着された用紙Mを装置外部へ排出する。
【0014】
制御部70は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有する電子制御ユニットである。制御部70では、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、各種の制御を実行する。制御部70は、複数の電子制御ユニットにより構成されていてもよく、単一の電子制御ユニットにより構成されていてもよい。制御部70は、画像形成装置1における様々な制御を行う。
【0015】
図2及び図3に示すように、例の定着装置50は、無端ベルト51と、加熱ローラ52と、加圧ローラ53と、懸架ローラ54と、冷却装置55と、搬送切替装置56と、第一搬送路57と、第二搬送路58と、を備える。なお、図2,3では、搬送切替装置56をブロックとして図示している。
【0016】
無端ベルト51は、加熱ローラ52及び懸架ローラ54に巻き掛けられている。加熱ローラ52及び懸架ローラ54は、無端ベルト51の内側に配置されている。加熱ローラ52は、無端ベルト51を懸架する第一ベルトローラに対応し、懸架ローラ54は、無端ベルト51を懸架する第二ベルトローラに対応する。無端ベルト51は、加熱ローラ52及び懸架ローラ54の回転により回転駆動され、無端ベルト51の外周側に搬送された用紙Mを加熱ローラ52から懸架ローラ54に向かう搬送方向Dに搬送する。無端ベルト51は、平滑な外周面51aを有している。無端ベルト51は、平滑性付与ベルトとも呼ばれ、外周面51aに用紙Mのトナー像側の面を接触させてトナー像のトナーを溶融及び冷却することで、用紙M上のトナー像に平滑性を付与することが可能となっている。
【0017】
加熱ローラ52、加圧ローラ53、及び懸架ローラ54は、軸線周りに回転可能である。加熱ローラ52は、軸線周りに回転駆動される駆動ローラであり、加圧ローラ53及び懸架ローラ54は、加熱ローラ52の回転により従動回転する従動ローラである。
【0018】
加熱ローラ52は、用紙Mを加熱する。加熱ローラ52は、用紙Mを加熱するための加熱装置52aを備えている。加熱装置52aは、例えば、加熱ローラ52の内部に配置されている。
【0019】
加圧ローラ53は、無端ベルト51及び用紙Mを加熱ローラ52に押圧する。加圧ローラ53は、加熱ローラ52と対向するように無端ベルト51の外側に配置されている。加圧ローラ53は、支持部材(不図示)により、加熱ローラ52を押圧するように支持されている。加圧ローラ53は、弾性変形可能な外周部を有している。加圧ローラ53は、無端ベルト51を加熱ローラ52に押圧することで、加圧ローラ53と加熱ローラ52との間に、用紙M上のトナー像を用紙Mに定着するためのニップ領域NRを形成する。
【0020】
ニップ領域NRは、無端ベルト51の搬送方向Dに延びる、加圧ローラ53と加熱ローラ52とに挟まれる領域である。ニップ領域NRは、ニップ領域NRへの用紙Mの入口を形成する第一端NR1から、ニップ領域NRからの用紙Mの出口を形成する第二端NR2まで延びている。第一端NR1は、無端ベルト51の搬送方向Dにおけるニップ領域NRの上流端である。第二端NR2は、無端ベルト51の搬送方向Dにおけるニップ領域NRの下流端である。用紙Mは、用紙M上のトナー像が無端ベルト51の外周面51aに当接するように、ニップ領域NRに供給される。ニップ領域NRでは、加熱ローラ52と加圧ローラ53とにより無端ベルト51及び用紙Mが加熱及び加圧され、用紙M上のトナー像が用紙Mに定着される。
【0021】
加熱ローラ52及び加圧ローラ53は、無端ベルト51に係合してトナー像を用紙Mに定着させる加熱加圧装置でもある。加圧ローラ53及び加圧ローラ53を支持する支持部材は、無端ベルト51の外側に配置されて無端ベルト51のニップ領域NRに沿って無端ベルト51を加熱ローラ52に押圧する加圧装置でもある。
【0022】
懸架ローラ54は、加熱ローラ52とともに無端ベルト51を懸架する。懸架ローラ54は、無端ベルト51の搬送方向Dにおけるニップ領域NRの下流側に配置されている。加熱ローラ52から懸架ローラ54に向かう無端ベルト51の搬送方向Dにおいて、ニップ領域NRの下流側に隣接する無端ベルト51の部分を、ニップ出口部51bという。つまり、無端ベルト51のニップ出口部51bは、搬送方向Dにおけるニップ領域NRの出口部分であり、搬送方向Dにおいて第二端NR2から下流側に延びている。ニップ出口部51bは、無端ベルト51の物理的な位置ではなく、ニップ領域NPに対する相対的な位置である。このため、ニップ出口部51bを形成する無端ベルト51の物理的な位置は、無端ベルト51が回転駆動されることにより変化する。
【0023】
冷却装置55は、無端ベルト51に隣接して配置されて、搬送方向Dにおける加熱ローラ52と懸架ローラ54との間で無端ベルト51を冷却する。無端ベルト51のうち、用紙M上のトナー像に光沢を付与するために冷却装置55により冷却する部分を、光沢形成経路51cという。懸架ローラ54は、無端ベルト51の光沢形成経路51cに沿って用紙Mを搬送する。冷却装置55は、無端ベルト51の光沢形成経路51cに隣接して配置されて、無端ベルト51の光沢形成経路51cを冷却する。冷却装置55は、例えば、無端ベルト51の内側から無端ベルト51に冷風を吹き付ける冷風ファン等で構成される。用紙Mがニップ領域NRから排出された直後は、用紙M上のトナー像は十分に硬化していない。このため、用紙M上のトナー像が無端ベルト51の外周面51aに接触した状態で用紙Mが無端ベルト51の光沢形成経路51cに搬送されることで、用紙M及び用紙M上のトナー像が冷却されて、用紙M上のトナー像が平滑化される。これにより、用紙M上のトナー像に光沢が付与される。このように、用紙M上のトナー像が無端ベルト51の外周面51aに接触した状態で用紙Mを無端ベルト51の光沢形成経路51cに搬送し、用紙M上のトナー像を平滑化することを、光沢処理という。
【0024】
搬送切替装置56は、ニップ領域NRから排出された用紙Mの搬送経路を切り替える。搬送切替装置56は、無端ベルト51を、第一位置P1と第二位置P2との間で移動させる。図2に示すように、第一位置P1は、用紙Mがニップ領域NRを出たときに用紙Mを無端ベルト51から離間(剥離)させる位置である。図3に示すように、第二位置P2は、用紙Mがニップ領域NRを出たときに用紙Mを無端ベルト51に接触したまま搬送する位置である。換言すると、搬送切替装置56は、用紙Mの搬送方向を、第一搬送方向D1と第二搬送方向D2とに切り替える。図2に示すように、第一搬送方向D1は、無端ベルト51の光沢形成経路51cから離れる方向である。図3に示すように、第二搬送方向D2は、無端ベルト51の光沢形成経路51cに沿う方向である。第二搬送方向D2は、無端ベルト51の搬送方向Dである。つまり、搬送切替装置56は、無端ベルト51のうちの少なくともニップ出口部51bを、第一位置P1と第二位置P2との間で移動させることで、用紙Mの搬送方向を、第一搬送方向D1と第二搬送方向D2とに切り替える。
【0025】
搬送切替装置56は、無端ベルト51を第一位置P1と第二位置P2との間で移動させるために、少なくとも無端ベルト51のニップ出口部51bにおいて、基準面R(図4参照)に対するニップ出口部51bの角度θ(図4参照)を変化させるように構成されている。図4に示すように、基準面Rは、ニップ領域NRの第一端NR1と第二端NR2とを含む(通る)面である。基準面Rに対するニップ出口部51bの角度θは、基準面Rに対する無端ベルト51の外周側(基準面Rに対する加圧ローラ53側)をプラスとし、基準面Rに対する無端ベルト51の内周側(基準面Rに対する加熱ローラ52側)をマイナスとする。また、無端ベルト51の第一位置P1における、基準面Rに対する無端ベルト51のニップ出口部51bの角度θを、第一角度とし、無端ベルト51の第二位置P2における、基準面Rに対する無端ベルト51のニップ出口部51bの角度θを、第二角度とする。つまり、無端ベルト51の第一位置P1において、無端ベルト51のニップ出口部51bは、基準面Rに対して第一角度をなし、無端ベルト51の第二位置P2において、無端ベルト51のニップ出口部51bは、基準面Rに対して第二角度をなす。
【0026】
ここで、ニップ領域NRでは用紙Mが加熱及び加圧されるため、用紙Mは、用紙M上のトナー像が無端ベルト51の外周面51aに接触した状態でニップ領域NRから排出される。しかしながら、ニップ領域NRの第二端NR2において、角度θがプラスとなる側に無端ベルト51を曲げると、無端ベルト51から用紙Mが剥離しやすくなる。また、ニップ領域NRの第二端NR2において、角度θがプラスとなる側への無端ベルト51の曲げ角度が大きくなるほど、つまり、基準面Rに対するニップ出口部51bの角度θが大きくなるほど、無端ベルト51から用紙Mが剥離しやすくなる。このため、搬送切替装置56が、基準面Rに対するニップ出口部51bの角度θを変化させることで、用紙Mがニップ領域NRを出たときに無端ベルト51から離間するか、用紙Mがニップ領域NRを出たときに無端ベルト51に接触したままとなるか、を切り替えることができる。換言すると、搬送切替装置56が、基準面Rに対するニップ出口部51bの角度θを変化させることで、無端ベルト51の光沢形成経路51cから離れる方向に用紙Mを搬送するのか、無端ベルト51の光沢形成経路51cに沿う方向に用紙Mを搬送するのか、を切り替えることができる。
【0027】
図5及び図6は、例の搬送切替装置56Aを備えた定着装置5Aを示す図である。図5は、無端ベルト51が第一位置P1となるように、搬送切替装置56Aが無端ベルト51を移動させた状態を示しており、図6は、無端ベルト51が第二位置P2となるように、搬送切替装置56Aが無端ベルト51を移動させた状態を示している。なお、図5及び図6に示す定着装置5Aは、懸架ローラ54とは別の懸架ローラ59も備えており、無端ベルト51は、加熱ローラ52、懸架ローラ54、及び懸架ローラ59に巻き掛けられている。図5及び図6に示す搬送切替装置56Aは、無端ベルト51のニップ出口部51bの角度θを変更するために、加熱ローラ52又は加圧ローラ53に対して懸架ローラ54を移動可能とする。つまり、搬送切替装置56Aは、光沢形成経路51cの角度を変化させるように、加熱ローラ52及び加圧ローラ53に対して懸架ローラ54を移動可能とする。
【0028】
搬送切替装置56Aは、懸架ローラ54を変位させるカム101と、カム101を回転させるモータ102と、を備える。カム101は、回転可能な回転軸101aと、回転軸101aに対して偏心したカム部101bと、を有する偏心カムである。カム部101bは、懸架ローラ54に当接されている。モータ102は、制御部70により駆動制御されて、カム101の回転軸101aを回転駆動する。カム101は、モータ102により回転駆動されることで、カム部101bにより懸架ローラ54を移動させる。これにより、搬送切替装置56Aは、加熱ローラ52又は加圧ローラ53に対して懸架ローラ54を移動させて、基準面Rに対するニップ出口部51bの角度θを変化させる。
【0029】
図7及び図8は、他の例の搬送切替装置56Bを備えた定着装置5Bを示す図である。図7は、無端ベルト51が第一位置P1となるように、搬送切替装置56Bが無端ベルト51を移動させた状態を示しており、図8は、無端ベルト51が第二位置P2となるように、搬送切替装置56Bが無端ベルト51を移動させた状態を示している。なお、図7及び図8に示す定着装置5Bは、懸架ローラ54とは別の懸架ローラ59も備えており、無端ベルト51は、加熱ローラ52、懸架ローラ54、及び懸架ローラ59に巻き掛けられている。図7及び図8に示す搬送切替装置56Bは、無端ベルト51のニップ出口部51bの角度θを変更するために、加熱ローラ52と懸架ローラ54との間の無端ベルト51を無端ベルト51の内側から押圧可能とする。つまり、搬送切替装置56Bは、光沢形成経路51cの角度を変化させるように、無端ベルト51の内側から無端ベルト51を押圧可能とする。
【0030】
搬送切替装置56Bは、加熱ローラ52と懸架ローラ54との間の無端ベルト51の内側に位置するベルト押圧装置111と、ベルト押圧装置111を変位させるカム112と、カム112を回転させるモータ113と、を備える。ベルト押圧装置111は、無端ベルト51に対して接離移動可能である。カム112は、回転可能な回転軸112aと、回転軸112aに対して偏心したカム部112bと、を有する偏心カムである。カム部112bは、ベルト押圧装置111に当接されている。モータ113は、制御部70により駆動制御されて、カム112の回転軸112aを回転駆動する。カム112は、モータ113により回転駆動されることで、カム部112bによりベルト押圧装置111を無端ベルト51に対する接離方向に移動させる。ベルト押圧装置111は、無端ベルト51に向かって移動するときに、ニップ出口部51bに隣接する無端ベルト51に凸形状を形成する。つまり、ベルト押圧装置111は、無端ベルト51を無端ベルト51の内側から押すことで、加熱ローラ52と懸架ローラ54との間の無端ベルト51を凸形状に形成する。一方、ベルト押圧装置111は、無端ベルト51から離れるときに、ニップ出口部51bに隣接する無端ベルト51の直線形状を復元する。つまり、ベルト押圧装置111は、無端ベルト51から離れることで、加熱ローラ52と懸架ローラ54との間の無端ベルト51を元の状態に復元する。
【0031】
図2及び図3に示すように、第一搬送路57は、ニップ領域NRの第二端NR2の近傍に配置されている。第一搬送路57では、搬送切替装置56が無端ベルト51を第一位置P1にした場合に無端ベルト51から剥離された用紙Mが搬送される。第二搬送路58は、懸架ローラ54の近傍に配置されている。第二搬送路58では、搬送切替装置56が無端ベルト51を第二位置P2にした場合に無端ベルト51から剥離された用紙Mが搬送される。
【0032】
制御部70は、ニップ出口部51bの基準面Rに対する角度θを調整するように搬送切替装置56を動作させる。つまり、制御部70は、光沢処理を行わない印刷指示が成された場合、無端ベルト51が第一位置P1となるように搬送切替装置56を動作させる。これにより、用紙Mがニップ領域NRを出たときに無端ベルト51から離間するため、用紙M上のトナー像に光沢処理が施されない。一方、制御部70は、光沢処理を行う印刷指示が成された場合、無端ベルト51が第二位置P2となるように搬送切替装置56を動作させる。これにより、用紙Mがニップ領域NRを出たときに無端ベルト51に接触したままとなるため、用紙M上のトナー像に光沢処理が施される。
【0033】
ところで、用紙Mがニップ領域NRを出たときに無端ベルト51から離間させるために必要な、基準面Rに対するニップ出口部51bの角度θは、用紙Mの斤量、トナー像を形成するトナーの組成等により変化する。このため、制御部70は、第一位置P1及び第二位置P2における基準面Rに対するニップ出口部51bの角度θを、用紙Mの斤量、トナー像を形成するトナーの組成等により変えてもよい。
【0034】
図9に示すように、基準面Rに対するニップ出口部51bの角度θと、用紙Mがニップ領域NRを出たときの無端ベルト51に対する用紙Mの剥離角度αと、を計測した。この計測では、斤量が75gsm(Grams per Square Meter)の用紙、斤量が160gsmの用紙、及び斤量が250gsmの用紙、の3種類の用紙Mを用いた。計測結果を図10に示す。図10では、基準面Rに対するニップ出口部51bの角度θを10°とした場合の計測結果を丸印で示し、基準面Rに対するニップ出口部51bの角度θを15°とした場合の計測結果を三角印で示した。
【0035】
図10に示す結果から、基準面Rに対するニップ出口部51bの角度θを少なくとも10°以上とすることで、斤量が約300gsmの用紙でも、用紙Mがニップ領域NRを出たときに無端ベルト51から剥離可能であることが推測される。このため、無端ベルト51の第一位置P1における、基準面Rに対する無端ベルト51のニップ出口部51bの第一角度は、10°以上、12°以上、又は14°以上であってもよい。また、制御部70は、基準面Rに対するニップ出口部51bの角度θが10°以上、12°以上、又は14°以上となる位置を、第一位置P1としてもよい。
【0036】
一方、用紙Mのトナー像とは反対側への無端ベルト51の屈曲角度が小さくなるほど、つまり、基準面Rに対するニップ出口部51bの角度θが小さくなるほど、無端ベルト51から用紙Mが剥離しにくくなる。このため、無端ベルト51の第二位置P2における、基準面Rに対する無端ベルト51のニップ出口部51bの第二角度は、10°未満、5°未満、又は0°未満であってもよい。また、制御部70は、基準面Rに対するニップ出口部51bの角度θが10°未満、5°未満、又は0°未満となる位置を、第二位置P2としてもよい。なお、基準面Rに対するニップ出口部51bの角度θが0°以上の場合、用紙Mがニップ領域NRを出たときに無端ベルト51から剥離しなくても、用紙Mには無端ベルト51から剥離しようとする力が作用する。このため、光沢処理の品質向上の観点から、第二角度は、0°未満としてもよい。
【0037】
基準面Rに対するニップ出口部51bの角度θが同じであっても、気温、湿度等の様々な要因によっては、用紙Mがニップ領域NRを出たときに無端ベルト51から離間したり離間しなかったりする。このため、第一角度と第二角度との差を大きくしてもよい。例えば、第一角度と第二角度との差は、10°以上、12°以上、又は14°以上であってもよい。つまり、制御部70は、基準面Rに対するニップ出口部51bの角度θの差が10°以上、12°以上、又は14°以上となる位置を、第一位置P1及び第二位置P2としてもよい。
【0038】
ところで、ニップ領域NRにおける加熱及び加圧により用紙Mにトナー像が定着されると、用紙Mは、用紙Mのトナー像側、つまり、用紙Mの無端ベルト51側にカールしやすい。特に、光沢処理を行う場合は、クリアトナーを用いたクリアトナー像が用紙Mの全面及び一部に形成されることが多いため、光沢処理を行わない場合に比べて、用紙Mのカールが大きくなりやすい。このため、制御部70は、光沢処理を行う印刷指示が成された場合、ニップ出口部51bが、ニップ領域NRの第二端NR2における加熱ローラ52の接線T(図9参照)よりも無端ベルト51の外周側(加圧ローラ53側)となる位置を、第二位置P2としてもよい。この場合、制御部70は、光沢処理を行う印刷指示が成された場合、ニップ領域NRの第二端NR2における加熱ローラ52の接線Tに対するニップ出口部51bの角度が0°以上、5°以上、又は10°以上となる位置を、第二位置P2としてもよい。つまり、第二位置P2において、ニップ領域NRの第二端NR2における加熱ローラ52の接線Tに対して0°以上、5°以上、又は10°以上の第二角度をなしてもよい。これにより、用紙Mは、ニップ領域NRの第二端NR2で、カール方向と逆方向に曲げられることでデカールされる。
【0039】
また、用紙Mのカールの程度は、用紙Mの斤量、トナー像を形成するトナーの量(特にクリアトナーの量)、トナー像の面積(特にクリアトナーのトナー像の面積)等により変化する。このため、制御部70は、用紙Mをデカールするために、第二位置P2における接線Tに対するニップ出口部51bの角度を、用紙Mの斤量、トナー像を形成するトナーの量(特にクリアトナーの量)、トナー像の面積(特にクリアトナーのトナー像の面積)等により変えてもよい。
【0040】
次に、定着装置50の動作について説明する。
【0041】
光沢処理を行わない印刷指示が成された場合、図2に示すように、制御部70は、搬送切替装置56を駆動制御して、無端ベルト51を第一位置P1にする。すると、トナー像が転写された用紙Mは、無端ベルト51と一緒にニップ領域NRの第一端NR1から第二端NR2に搬送されるとともに、加熱ローラ52及び加圧ローラ53により加熱及び加圧される。その後、用紙Mは、ニップ領域NRの第二端NR2から排出された直後に無端ベルト51から剥離されて、ニップ領域NRの第二端NR2の近傍に配置された第一搬送路57に搬送され、最終的に排出装置60から画像形成装置1外に排出される。
【0042】
光沢処理を行う印刷指示が成された場合、図3に示すように、制御部70は、搬送切替装置56を駆動制御して、無端ベルト51を第二位置P2にする。すると、トナー像が転写された用紙Mは、無端ベルト51と一緒にニップ領域NRの第一端NR1から第二端NR2に搬送されるとともに、加熱ローラ52及び加圧ローラ53により加熱及び加圧される。その後、用紙Mは、トナー像が無端ベルト51の外周面51aに接触した状態で無端ベルト51の光沢形成経路51cに搬送されて、冷却装置55により冷却される。これにより、用紙M上のトナー像が平滑化されて、トナー像に光沢が付与される。その後、用紙Mは、懸架ローラ54に対向する位置で無端ベルト51から剥離されて、懸架ローラ54の近傍に配置された第二搬送路58に搬送され、最終的に排出装置60から画像形成装置1外に排出される。
【0043】
このように、画像形成装置1では、搬送切替装置56が無端ベルト51を第一位置P1と第二位置P2との間で移動させることで、ニップ領域NRから排出された用紙Mの搬送経路を切り替えることができる。つまり、無端ベルト51を第一位置P1にすることで、用紙Mがニップ領域NRを出たときに用紙Mを無端ベルト51から離間させることができ、無端ベルト51を第二位置P2にすることで、用紙Mがニップ領域NRを出たときに用紙Mを無端ベルト51に接触したまま搬送させることができる。このため、無端ベルト51を第一位置P1にすることで、用紙M上のトナー像に光沢処理が施されないようにすることができ、無端ベルト51を第二位置P2にすることで、用紙M上のトナー像に光沢処理を施すことができる。これにより、定着装置5とは別に光沢処理装置を備えなくても、光沢処理を施した画像及び光沢処理を施さない画像を選択的に形成することができる。
【0044】
また、搬送切替装置56が、基準面Rに対するニップ出口部51bの角度θを変化させることで、無端ベルト51を第一位置P1と第二位置P2との間で容易に移動させることができる。
【0045】
本明細書に記載の全ての側面、利点及び特徴が、必ずしも、いずれかひとつの特定の例及び実施形態により達成される又は含まれるわけではないことは理解されたい。実際、本明細書において様々な例を記載し示したが、他の例もその配置及び詳細について修正することができることは明らかであるべきだ。ここに請求される保護主題の精神及び範囲に包含される全ての修正及び変形を請求する。
【0046】
例えば、無端ベルト51を懸架する第一ベルトローラは、加圧ローラであってもよい。この場合、無端ベルトは、加圧ローラ及び懸架ローラに巻き掛けられ、加圧ローラ及び懸架ローラが無端ベルトの内側に配置され、加熱ローラが無端ベルトの外側に配置されていてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
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図10