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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170094
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】物理量測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/00 20060101AFI20221102BHJP
   G01L 19/14 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
G01L19/00 Z
G01L19/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021075984
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000150707
【氏名又は名称】長野計器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】有賀 大貴
(72)【発明者】
【氏名】▲柳▼澤 良介
(72)【発明者】
【氏名】久保 亮介
(72)【発明者】
【氏名】吉田 勇磨
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA40
2F055BB06
2F055CC60
2F055DD20
2F055EE40
2F055FF45
2F055GG25
2F055GG49
(57)【要約】
【課題】電気的な接続を確実にできる物理量測定装置を提供すること。
【解決手段】物理量測定装置1は、被測定流体の物理量を検出する検出部と、検出部が取り付けられるセンサ基板51と、センサ基板51に設けられる接続ピン55とを有するセンサモジュールと、接続ピン55が挿通される挿通孔721が設けられ、センサモジュールを覆うカバー部材7と、接続ピン55と接続する内部端子部414を有し、センサ基板51と電気的に接続される中継基板41と、を備え、カバー部材7には、内部端子部414を接続ピン55に案内するガイド溝部72が形成される。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定流体の物理量を検出する検出部と、前記検出部が取り付けられる第1基板と、前記第1基板に設けられる接続ピンとを有するセンサモジュールと、
前記接続ピンが挿通される挿通孔が設けられ、前記センサモジュールを覆うカバー部材と、
前記接続ピンと接続する端子部を有し、前記第1基板と電気的に接続される第2基板と、を備え、
前記カバー部材には、前記端子部を前記接続ピンに案内するガイド溝部が形成される
ことを特徴とする物理量測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の物理量測定装置において、
前記カバー部材と前記センサモジュールとの間に介挿される封止部材を備え、
前記カバー部材には、前記封止部材に対応する位置に切欠き部が形成される
ことを特徴とする物理量測定装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の物理量測定装置において、
前記センサモジュール、前記カバー部材、および、前記第2基板を収納するケースを備え、
前記カバー部材は、前記センサモジュールを覆うカバー部材本体部と、前記カバー部材本体部から延出され前記カバー部材本体部に対して直交する方向に向かって突出する複数の爪部とを有し、
前記ケースの内周面には、複数の前記爪部のそれぞれと係合する複数の係合溝部が形成される
ことを特徴とする物理量測定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の物理量測定装置において、
前記カバー部材本体部は、平面視で矩形状とされ、
前記爪部は、第1爪部と、前記第1爪部とは前記カバー部材本体部を挟んで反対側に配置される第2爪部とを有する
ことを特徴とする物理量測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理量測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、センサモジュールが開口端部の外側から取り付けられるように構成され、電気回路部が内部に収納されたケース本体を有する物理量測定装置が知られている。
特許文献1では、想定する測定レンジに応じたセンサを取り付けたセンサモジュールを製造し、当該センサモジュールを電気回路部が内部に予め収納されたケース本体の開口端部に外側から取り付けるようにしている。これにより、ケース本体を完成させた状態でも、測定レンジに応じたセンサを取り付けたセンサモジュールを、ケース本体の開口端部の外側から取り付けることができる。そのため、それぞれ異なる測定レンジの物理量測定装置であっても、ケース本体を共通化することができ、製造コストを抑えることができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-121897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、ケース本体に設けられたガイド部材によって、センサモジュールの接続ピンを、端子基板の内部端子部に案内するようにしている。この場合、端子基板によってガイド部材が位置決めされているわけではないので、内部端子部とガイド部材との位置関係がずれてしまった場合、センサモジュールの接続ピンを端子基板の内部端子部に適切に案内できなくなってしまうといった可能性があった。
【0005】
本発明の目的は、電気的な接続を確実にできる物理量測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の物理量測定装置は、被測定流体の物理量を検出する検出部と、前記検出部が取り付けられる第1基板と、前記第1基板に設けられる接続ピンとを有するセンサモジュールと、前記接続ピンが挿通される挿通孔が設けられ、前記センサモジュールを覆うカバー部材と、前記接続ピンと接続する端子部を有し、前記第1基板と電気的に接続される第2基板と、を備え、前記カバー部材には、前記端子部を前記接続ピンに案内するガイド溝部が形成されることを特徴とする。
【0007】
本発明では、カバー部材は、挿通孔にセンサモジュールの第1基板に設けられる接続ピンが挿通される。すなわち、カバー部材は、接続ピンによって位置決めされる。そして、接続ピンによって位置決めされたカバー部材に、第2基板の端子部を接続ピンに案内するガイド溝部が形成される。これにより、第2基板の端子部は、カバー部材のガイド溝部を介して接続ピンによって位置決めされる。そのため、接続ピン、ガイド溝部、および、端子部の位置関係がずれることがないので、ガイド溝部によって端子部を確実に接続ピンに案内することができる。
【0008】
本発明の物理量測定装置において、前記カバー部材と前記センサモジュールとの間に介挿される封止部材を備え、前記カバー部材には、前記封止部材に対応する位置に切欠き部が形成されることが好ましい。
この構成では、カバー部材とセンサモジュールとの間には封止部材が介挿される。この際、カバー部材における封止部材に対応する位置に切欠き部が形成されるので、切欠き部にて封止部材の位置を確認することができる。そのため、封止部材の位置がずれてしまうことを抑制することができる。
【0009】
本発明の物理量測定装置において、前記センサモジュール、前記カバー部材、および、前記第2基板を収納するケースを備え、前記カバー部材は、前記センサモジュールを覆うカバー部材本体部と、前記カバー部材本体部から延出され前記カバー部材本体部に対して直交する方向に向かって突出する複数の爪部とを有し、前記ケースの内周面には、複数の前記爪部のそれぞれと係合する複数の係合溝部が形成されることが好ましい。
この構成では、カバー部材は、センサモジュールを覆うカバー部材本体部と、カバー部材本体部から延出されカバー部材本体部に対して直交する方向に向かって突出する複数の爪部とを有する。そして、センサモジュールおよびカバー部材を収納するケースには、複数の爪部のそれぞれと係合する複数の係合溝部が内周面に形成されている。これにより、ケースの内周面に形成された係合溝部に爪部を係合させることで、カバー部材を固定することができる。そのため、カバー部材を確実に固定することができる。
【0010】
本発明の物理量測定装置において、前記カバー部材本体部は、平面視で矩形状とされ、前記爪部は、第1爪部と、前記第1爪部とは前記カバー部材本体部を挟んで反対側に配置される第2爪部とを有することが好ましい。
この構成では、平面視で矩形状とされたカバー部材本体部を挟んで互いに反対側に第1爪部および第2爪部が設けられる。これにより、カバー部材は、カバー部材本体部の両側でケースに係合されて固定される。そのため、より確実にカバー部材を固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る物理量測定装置の概略を示す斜視図。
図2図1とは別の方向から見た物理量測定装置の概略を示す斜視図。
図3】前記実施形態の物理量測定装置の概略を示す分解斜視図。
図4図3とは別の方向から見た物理量測定装置の概略を示す分解斜視図。
図5】前記実施形態の物理量測定装置の概略を示す断面図。
図6】センサモジュールの概略を示す分解斜視図。
図7図6とは別の方向から見たセンサモジュールの概略を示す分解斜視図。
図8】センサモジュールおよびカバー部材の一部を切断した分解斜視図。
図9】センサモジュールおよびカバー部材の一部を拡大した断面斜視図。
図10】第1ケースおよびカバー部材の概略を示す平面図。
図11】第1ケース、カバー部材、および、センサモジュールを示す断面図。
図12】センサモジュールおよびカバー部材の一部を拡大した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態]
本発明の一実施形態に係る物理量測定装置1を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の物理量測定装置1の概略を示す斜視図であり、図2は、図1とは別の方向から見た物理量測定装置1の概略を示す斜視図であり、図3は、物理量測定装置1の概略を示す分解斜視図であり、図4は、図3とは別の方向から見た物理量測定装置1の分解斜視図であり、図5は、物理量測定装置1の概略を示す断面図である。なお、本実施形態の物理量測定装置1は、差圧センサ、より具体的には、小型デジタル微差圧センサとして構成される。
図1図5に示すように、物理量測定装置1は、第1ケース2と、第2ケース3と、回路基板4と、センサモジュール5と、ベース部材61と、ポート62と、カバー部材7とを備えている。
【0013】
[第1ケース2]
第1ケース2は、四角筒状に形成され、センサモジュール5等を収納する部材である。なお、第1ケース2は、本発明のケースの一例である。
本実施形態では、第1ケース2は、第1ケース本体21と、嵌合部22とを有する。
第1ケース本体21は、内部にセンサモジュール5等を収納可能に構成されている。本実施形態では、第1ケース本体21には、第1支持部211および当接部212が設けられている。
【0014】
第1支持部211は、第1ケース本体21の四隅において、第2ケース3に向かって突出する円柱状に形成されている。すなわち、本実施形態では、第1支持部211は、第1ケース本体21と一体に4つ設けられている。
当接部212は、第1支持部211の内側の位置において、第1ケース本体21の対角位置に設けられている。すなわち、本実施形態では、当接部212は、第1ケース本体21において、2箇所設けられている。そして、それぞれの当接部212には、後述する弾性支持部材415が当接されている。
【0015】
本実施形態では、第1ケース本体21には、後述する中継基板41に設けられた外部端子部413に対応する位置に、開口部214が形成されている。これにより、当該外部端子部413が第1ケース2の外部から露出するように構成されている。
また、本実施形態では、第1ケース本体21の内周側には、後述する中継基板41と当接して支持する支持構造215が設けられている。
さらに、本実施形態では、第1ケース本体21の内周面には、係合溝部216が形成されている(図11参照)。
【0016】
嵌合部22は、第1ケース本体21の先端側において薄肉とされた箇所である。そして、嵌合部22は、後述する第2ケース3の第2ケース本体31の内周側に挿入されて嵌合するように構成されている。
【0017】
[第2ケース3]
第2ケース3は、前述した第1ケース2と同様に四角筒状に形成され、後述する回路基板4の表示基板42等を収納する部材である。
本実施形態では、第2ケース3は、第2ケース本体31と、パネルシート32とを有し、前述した第1ケース2に嵌合される。すなわち、本実施形態では、第2ケース3は、第1ケース2に取り付けられる。
第2ケース本体31は、内部に後述する表示基板42等を収納可能に構成されている。本実施形態では、第2ケース本体31には、第2支持部311と、内壁部312と、突起部313とが設けられている。また、第2ケース本体31は、第1ケース2に取り付けられた際に、第1ケース本体21と面一になるように形成されている。さらに、第2ケース本体31の底部の外面側、すなわち、第2ケース本体31の正面には、パネルシート32が貼付されている。なお、パネルシート32には、図示は省略するが、物理量測定装置1の型番や仕様等が表示されていてもよい。
【0018】
第2支持部311は、第2ケース本体31の四隅の近傍において、第1ケース2に向かって突出する円柱状に形成されている。すなわち、本実施形態では、第2支持部311は、第2ケース本体31と一体に4つ設けられている。また、本実施形態では、第2支持部311は、前述した第1ケース2の第1支持部211よりも内側に配置されるように形成されている。
【0019】
内壁部312は、第2ケース本体31の内面側において厚肉とされた部分であり、第1ケース2と第2ケース3とが嵌合された際に、第1ケース2の嵌合部22と対向する。
突起部313は、第2ケース本体31の底部から円柱状に突出して設けられており、後述する表示基板42と当接するように構成されている。
【0020】
[回路基板4]
回路基板4は、互いに対向して配置される中継基板41および表示基板42を有する。
中継基板41は、前述したように、第1ケース本体21に収納される基板である。そして、本実施形態では、中継基板41には、前述した第1ケース本体21の第1支持部211に対応する位置、つまり、四隅の位置に第1切欠き部411が形成されている。すなわち、中継基板41には、4箇所に第1切欠き部411が形成されている。そして、第1ケース本体21に中継基板41が収納された際に、第1支持部211は第1切欠き部411に挿通される。これにより、中継基板41は、第1ケース2の第1支持部211によって位置決めされる。
【0021】
さらに、本実施形態では、中継基板41は、後述する表示基板42の第2切欠き部421に挿通された第2支持部311と、第1ケース2の支持構造215とによって挟持される。このように、本実施形態では、中継基板41は、第1ケース2および第2ケース3によって挟持されるとともに、第1ケース2によって位置決めされて支持される。そのため、中継基板41を確実に支持することができる。
また、本実施形態では、中継基板41には、コネクタ受部412と、外部端子部413と、内部端子部414と、弾性支持部材415とが設けられている。
【0022】
コネクタ受部412は、中継基板41において表示基板42と対向する側の面に配置されている。そして、コネクタ受部412は、後述する表示基板42のコネクタ部422と接続可能に構成されている。これにより、コネクタ受部412とコネクタ部422とが接続することにより、中継基板41と表示基板42とが電気的に接続される。
【0023】
外部端子部413は、前述したように、第1ケース本体21の開口部214に対応する位置に配置され、開口部214を介して第1ケース本体21の外部に露出している。これにより、外部端子部413は、外部出力用の配線や電源用の配線等が接続可能とされている。すなわち、外部端子部413は、外部出力用端子部および電源用端子部を備えて構成されている。
【0024】
内部端子部414は、後述するセンサモジュール5の接続ピン55に対応する位置に配置され、当該接続ピン55と接続可能に構成されている。これにより、接続ピン55が内部端子部414に接続されることにより、中継基板41とセンサモジュール5とが電気的に接続される。すなわち、本実施形態では、中継基板41および表示基板42は、センサモジュール5と電気的に接続される。なお、内部端子部414は、本発明の端子部の一例である。
【0025】
弾性支持部材415は、金属製であり、断面視でZ字状とされたバネ部材である。本実施形態では、弾性支持部材415は、第1ケース本体21の対角位置において、第1ケース本体21の当接部212と、後述する回路基板4の中継基板41との間に介挿されている。
【0026】
表示基板42は、前述したように、第2ケース本体31に収納される基板である。そして、本実施形態では、表示基板42には、前述した第2ケース本体31の第2支持部311に対応する位置、つまり、四隅の近傍の位置に第2切欠き部421が形成されている。すなわち、表示基板42には、4箇所に第2切欠き部421が形成されている。そして、第2ケース本体31に表示基板42が収納された際に、第2支持部311は第2切欠き部421に挿通される。これにより、表示基板42は、第2ケース3の第2支持部311によって位置決めされる。
【0027】
さらに、本実施形態では、表示基板42は、中継基板41の第1切欠き部411に挿通された第1支持部211と、第2ケース3の突起部313とによって挟持される。このように、本実施形態では、表示基板42は、第1ケース2および第2ケース3によって挟持されるとともに、第2ケース3によって位置決めされて支持される。そのため、表示基板42を確実に支持することができる。
【0028】
また、本実施形態では、表示基板42には、コネクタ部422が設けられている。
コネクタ部422は、前述したように、中継基板41のコネクタ受部412に対応する位置に配置され、当該コネクタ受部412と接続可能とされている。
【0029】
[センサモジュール5]
図6は、センサモジュール5の概略を示す分解斜視図であり、図7は、図6とは別の方向から見たセンサモジュール5の概略を示す分解斜視図である。
図6図7に示すように、センサモジュール5は、センサ基板51と、第1ガスケット52と、電子部品53と、検出部54と、接続ピン55と、第2ガスケット56とを備えて構成されている。
センサ基板51は、電子部品53や検出部54等の部品が取り付けられる基板である。本実施形態では、センサ基板51は、前述した中継基板41と対向して配置されている。そして、センサ基板51の中継基板41側の面は、カバー部材7によって覆われている。なお、センサ基板51は、本発明の第1基板の一例である。
【0030】
第1ガスケット52は、ゴムや樹脂部材により四角環状に形成され、第1ケース本体21とセンサ基板51との間に介挿される。そして、第1ガスケット52は、検出部54を囲うように配置される。これにより、センサモジュール5における検出部54が配置される空間が封止される。
電子部品53は、センサ基板51において中継基板41と対向する面に配置され、カバー部材7によって覆われている。本実施形態では、電子部品53は、検出部54から出力された信号を変換・調整する信号変換器等を備えて構成されている。
【0031】
検出部54は、ポート62を通じて導入される被測定流体の圧力を検出して、当該圧力に応じた信号を電子部品53に出力可能に構成されている。
接続ピン55は、前述したように、中継基板41の内部端子部414に対応する位置に配置され、当該内部端子部414に接続可能に構成されている。
第2ガスケット56は、ゴムや樹脂部材により四角環状に形成され、カバー部材7とセンサ基板51との間に介挿される。そして、第2ガスケット56は、電子部品53を囲うように配置される。これにより、センサモジュール5における電子部品53が配置される空間が封止される。
【0032】
[ベース部材61およびポート62]
図2図5に戻って、ベース部材61は、板状に形成された部材であり、第1ケース本体21背面に取り付けられている。本実施形態では、ベース部材61には、ポート62が2つ取り付けられており、当該ポート62が取り付けられた位置には図示略の孔部が形成されている。さらに、ベース部材61の裏側、すなわち第1ケース本体21側には、図示略のフィルタが挿入されている。
ポート62は、筒状に形成され、被測定流体が導入される。これにより、当該ポート62および前述のフィルタを介して、被測定流体が第1ケース本体21の内部において検出部54が配置された空間に導入される。また、本実施形態では、前述したように、ポート62はベース部材61に2つ取り付けられている。すなわち、本実施形態では、物理量測定装置1は、2つのポート62に導入される被測定流体の差圧を検出する差圧センサとして構成されている。
なお、上記構成に限られることはなく、例えば、ベース部材61の裏側にフィルタが挿入されていなくてもよい。
【0033】
[カバー部材7]
図8は、センサモジュール5およびカバー部材7の一部を切断した分解斜視図であり、図9は、センサモジュール5およびカバー部材7の一部を拡大した斜視図である。また、図10は、第1ケース2およびカバー部材7の概略を示す平面図であり、図11は、第1ケース2、カバー部材7、および、センサモジュール5を示す断面図であり、図12は、センサモジュール5およびカバー部材7の一部を拡大した斜視図である。
図6図12に示すように、カバー部材7は、センサモジュール5を覆う部材であり、樹脂部材や金属により形成されている。具体的には、カバー部材7は、センサ基板51における電子部品53が配置される面を覆っている。
本実施形態では、カバー部材7は、カバー部材本体部71と、ガイド溝部72と、第1爪部73と、第2爪部74と、第1当接部75と、第2当接部76とを有する。
【0034】
カバー部材本体部71は、センサ基板51における電子部品53が配置される面を覆う部分である。本実施形態では、カバー部材本体部71は、平面視で矩形状とされている。
ガイド溝部72は、接続ピン55に対応する位置に形成されている。そして、ガイド溝部72は、内部端子部414を接続ピン55に案内するガイド溝として機能するように構成されている。また、本実施形態では、ガイド溝部72には、直線上に配列されている複数の接続ピン55のうちの端部に配列された2つの端部接続ピン551が挿通される挿通孔721が2つ形成されている。これにより、端部接続ピン551が挿通孔721に挿通されることで、カバー部材7はセンサモジュール5によって位置決めされる。
【0035】
さらに、本実施形態では、ガイド溝部72には、前述した第2ガスケット56に対応する位置に切欠き部722が形成されている。これにより、第2ガスケット56の位置を、切欠き部722を介して視認することができる(図12参照)。そのため、センサ基板51とカバー部材7との間に第2ガスケット56を介装させる際に、第2ガスケット56の位置がずれてしまうことを抑制することができる。なお、第2ガスケット56は、本発明の封止部材の一例である。
【0036】
第1爪部73は、カバー部材本体部71から延出されカバー部材本体部71に対して直交する方向に向かって突出している。そして、第1爪部73は、断面視で先端部がL字状に折れ曲がっている。
第2爪部74は、前述した第1爪部73と同様に、カバー部材本体部71から延出されカバー部材本体部71に対して直交する方向に向かって突出している。より具体的には、第2爪部74は、第1爪部73とはカバー部材本体部71を挟んで反対側に配置されている。そして、第2爪部74は、断面視で先端部がL字状に折れ曲がっている。
そして、カバー部材本体部71には、第1爪部73および第2爪部74を挟むように溝部723が形成されている。
【0037】
第1当接部75は、前述した第1爪部73と同様に、カバー部材本体部71から延出されカバー部材本体部71に対して直交する方向に向かって突出している。本実施形態では、第1当接部75は、第1爪部73の近傍に配置され、第1ケース2の内周面と当接可能に構成されている。
第2当接部76は、前述した第1爪部73と同様に、カバー部材本体部71から延出されカバー部材本体部71に対して直交する方向に向かって突出している。本実施形態では、第2当接部76は、第2爪部74の近傍に配置され、第1ケース2の内周面と当接可能に構成されている。
【0038】
[接続ピン55と内部端子部414との接続について]
次に、接続ピン55と内部端子部414との接続について説明する。
図8に示すように、カバー部材7は、センサモジュール5を覆うように配置された際に、前述したようにガイド溝部72の挿通孔721に端部接続ピン551が挿通されるので、センサモジュール5の接続ピン55によって位置決めされている。
この状態で、図9に示すように、中継基板41の内部端子部414は、カバー部材7のガイド溝部72に案内されて、接続ピン55に対応する位置に配置される。これにより、内部端子部414は、接続ピン55に接続可能な位置に確実に案内される。このように、本実施形態では、カバー部材7のガイド溝部72は接続ピン55によって位置決めされ、中継基板41の内部端子部414はガイド溝部72によって位置決めされるので、接続ピン55、ガイド溝部72、および、内部端子部414の位置関係がずれることがない。そのため、ガイド溝部72によって内部端子部414を確実に接続ピン55に案内することができる。
【0039】
[カバー部材7の固定構造について]
次に、カバー部材7の固定構造について説明する。
図10図11に示すように、カバー部材7は、センサモジュール5を覆うように配置された際に、第1爪部73および第2爪部74は、第1ケース本体21の内周面に形成された係合溝部216に係合する。これにより、カバー部材7は、第1ケース2に固定される。この際、平面視で矩形状とされたカバー部材本体部71を挟んで互いに反対側に第1爪部73および第2爪部74が設けられるので、カバー部材7は、カバー部材本体部71の両側で第1ケース2に係合されて固定される。そのため、より確実にカバー部材7を固定することができる。
さらに、本実施形態では、カバー部材7を第1ケース本体21に取り付ける際に、第1爪部73および第2爪部74は、支持構造215および溝部723によって案内されて、係合溝部216に導かれる。そのため、カバー部材7の取り付け作業を容易にすることができる。
【0040】
さらに、本実施形態では、カバー部材7が第1ケース2に固定された際に、第1当接部75および第2当接部76が、第1ケース本体21におけるセンサモジュール5を収納する壁面の外側に当接する。すなわち、本実施形態では、カバー部材7は、第1爪部73、第2爪部74、第1当接部75、および、第2当接部76にて位置決めされる。そのため、例えば、衝撃等によってカバー部材7の位置がずれてしまうことを抑制できる。
【0041】
[実施形態の効果]
以上のような本実施形態では、次の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、カバー部材7は、挿通孔721にセンサモジュール5のセンサ基板51に設けられる端部接続ピン551が挿通される。すなわち、カバー部材7は、接続ピン55によって位置決めされる。そして、接続ピン55によって位置決めされたカバー部材7に、中継基板41の内部端子部414を接続ピン55に案内するガイド溝部72が形成される。これにより、中継基板41の内部端子部414は、カバー部材7のガイド溝部72を介して接続ピン55によって位置決めされる。そのため、接続ピン55、ガイド溝部72、および、内部端子部414の位置関係がずれることがないので、ガイド溝部72によって内部端子部414を確実に接続ピン55に案内することができる。
【0042】
(2)本実施形態では、カバー部材7とセンサモジュール5との間には第2ガスケット56が介挿される。この際、カバー部材7における第2ガスケット56に対応する位置に切欠き部722が形成されるので、切欠き部722にて第2ガスケット56の位置を確認することができる。そのため、第2ガスケット56の位置がずれてしまうことを抑制することができる。
【0043】
(3)本実施形態では、カバー部材7は、センサモジュール5を覆うカバー部材本体部71と、カバー部材本体部71から延出されカバー部材本体部71に対して直交する方向に向かって突出する第1爪部73および第2爪部74を有する。そして、センサモジュール5およびカバー部材7を収納する第1ケース2には、第1爪部73および第2爪部74のそれぞれと係合する係合溝部216が内周面に形成されている。これにより、第1ケース2の内周面に形成された係合溝部216に第1爪部73および第2爪部74を係合させることで、カバー部材7を固定することができる。そのため、カバー部材7を確実に固定することができる。
【0044】
(4)本実施形態では、平面視で矩形状とされたカバー部材本体部71を挟んで互いに反対側に第1爪部73および第2爪部74が設けられる。これにより、カバー部材7は、カバー部材本体部71の両側で第1ケース2に係合されて固定される。そのため、より確実にカバー部材7を固定することができる。
【0045】
(5)本実施形態では、カバー部材7は、カバー部材本体部71から延出されカバー部材本体部71に対して直交する方向に向かって突出する第1当接部75および第2当接部76を有する。これにより、カバー部材7は、第1爪部73、第2爪部74、第1当接部75、および、第2当接部76にて位置決めされる。そのため、例えば、衝撃等によってカバー部材7の位置がずれてしまうことを抑制できる。
【0046】
[変形例]
なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0047】
前記実施形態では、第1ケース2の当接部212に当接される弾性支持部材415は、断面視でZ字状とされバネ部材として構成されていたが、これに限定されない。例えば、弾性支持部材は、コイルバネ部材として構成されていてもよく、第1基板を第2ケース側に付勢可能に構成されていればよい。さらに、弾性支持部材が設けられない態様も、本発明に含まれる。
【0048】
前記実施形態では、中継基板41は、第1ケース2に収納されていたが、これに限定されない。例えば、中継基板は、第2ケースに収納されていてもよい。
同様に、前記実施形態では、表示基板42は、第2ケース3に収納されていたが、これに限定されない。例えば、表示基板は、第1ケースに収納されていてもよい。
【0049】
前記実施形態では、第1支持部211および第2支持部311は、円柱状に形成されていたが、これに限定されない。例えば、第1支持部および第2支持部は角柱状とされていてもよく、あるいは、内部が中空とされた筒状に形成されていてもよい。
【0050】
前記実施形態では、第1支持部211および第2支持部311は、それぞれ4つ設けられていたが、これに限定されない。例えば、第1支持部および第2支持部は、5つ以上設けられていてもよく、あるいは3つ以下設けられていてもよく、それぞれ複数設けられていればよい。
【0051】
前記実施形態では、物理量測定装置1は、2つのポート62に導入される被測定流体の差圧を検出する差圧センサとして構成されていたが、これに限定されない。例えば、物理量測定装置は、1つのポートを備え、当該ポートに導入される被測定流体の圧力を検出する圧力センサとして構成されていてもよく、あるいは、被測定流体の温度を検出する温度センサとして構成されていてもよく、被測定流体の物理量を検出可能に構成されていればよい。
【0052】
前記実施形態では、中継基板41には、四隅に第1切欠き部411が形成されていたが、これに限定されない。例えば、第1基板には、中央部の近傍に複数の第1切欠き部が形成され、当該第1切欠き部に、第1ケースの第1支持部が挿通されるように構成されていてもよく、第1基板における第1切欠き部の位置や数は任意とすることができる。
同様に、前記実施形態では、表示基板42には、四隅の近傍に第2切欠き部421が形成されていたが、これに限定されない。例えば、第2基板には、中央部の近傍に複数の第2切欠き部が形成され、当該第2切欠き部に、第2ケースの第2支持部が挿通されるように構成されていてもよく、第2基板における第2切欠き部の位置や数は任意とすることができる。
【0053】
前記実施形態では、切欠き部722は、ガイド溝部72に形成されていたが、これに限定されない。例えば、切欠き部は、カバー部材本体部に形成されていてもよく、第2ガスケットに対応する位置に設けられていればよい。また、カバー部材に切欠き部が設けられない場合も、本発明に含まれる。
【0054】
前記実施形態では、カバー部材7は、第1爪部73および第2爪部74が第1ケース本体21の係合溝部216に係合することで、第1ケース2に固定されていたが、これに限定されない。例えば、カバー部材は、ボルト等の締結具によって第1ケースに固定されていてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…物理量測定装置、2…第1ケース、3…第2ケース、4…回路基板、5…センサモジュール、7…カバー部材、21…第1ケース本体、22…嵌合部、31…第2ケース本体、32…パネルシート、41…中継基板(第2基板)、42…表示基板、51…センサ基板(第1基板)、52…第1ガスケット、53…電子部品、54…検出部、55…接続ピン、56…第2ガスケット(封止部材)、61…ベース部材、62…ポート、71…カバー部材本体部、72…ガイド溝部、73…第1爪部、74…第2爪部、75…第1当接部、76…第2当接部、211…第1支持部、212…当接部、214…開口部、215…支持構造、216…係合溝部、311…第2支持部、312…内壁部、313…突起部、411…第1切欠き部、412…コネクタ受部、413…外部端子部、414…内部端子部(端子部)、415…弾性支持部材、421…第2切欠き部、422…コネクタ部、551…端部接続ピン、721…挿通孔、722…切欠き部、723…溝部。
図1
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図9
図10
図11
図12