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  • 特開-切断装置および切断方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170096
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】切断装置および切断方法
(51)【国際特許分類】
   B26D 3/16 20060101AFI20221102BHJP
   B23D 21/00 20060101ALI20221102BHJP
   B26D 7/02 20060101ALI20221102BHJP
   B26D 1/02 20060101ALI20221102BHJP
   B26D 1/14 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
B26D3/16 A
B23D21/00 520Z
B23D21/00 520B
B26D7/02 E
B26D1/02 C
B26D1/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021075988
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】509306971
【氏名又は名称】岩井 靖憲
(71)【出願人】
【識別番号】520072763
【氏名又は名称】岩井 裕一
(74)【代理人】
【識別番号】100174816
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 貴久
(72)【発明者】
【氏名】岩井 靖憲
(72)【発明者】
【氏名】岩井 裕一
【テーマコード(参考)】
3C021
3C027
【Fターム(参考)】
3C021CC02
3C027MM03
3C027MM07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】径が大きい樹脂管や鋳鉄管等であっても、短時間で容易に切断可能な切断装置を提供する。
【解決手段】管を切断するための切断装置100であって、管を載置させた状態で回転することにより当該管を回転させるローラー部材110と、ローラー部材110を回転させるモーター120と、管に接触する方向へ移動可能な回転刃130と、回転刃130が管に接触する箇所の当該管の同一円周上のいずれかの箇所を切削可能な切削刃140と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管を切断するための切断装置であって、
前記管を載置させた状態で回転することにより当該管を回転させるローラー部材と、
前記ローラー部材を回転させるモーターと、
前記管に接触する方向へ移動可能な回転刃と、
前記回転刃が前記管に接触する箇所の当該管の同一円周上のいずれかの箇所を切削可能な切削刃と、を備えることを特徴とする切断装置。
【請求項2】
前記管の内側を押圧する押圧部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
前記ローラー部材は、表面にローレット加工が施されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の切断装置。
【請求項4】
前記回転刃は、前記管に対して略垂直に配置される円盤形状であることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の切断装置。
【請求項5】
前記回転刃は、貫通孔を有していることを特徴とする請求項4に記載の切断装置。
【請求項6】
前記ローラー部材は、1対のベアリング間に軸支されている支持部材に固定されており、当該支持部材は少なくとも2本設けられていることを特徴とする請求項5に記載の切断装置。
【請求項7】
前記支持部材は、2軸のギア間を通るチェーン部材で連結されていることを特徴とする請求項6に記載の切断装置。
【請求項8】
前記管を上方から押さえる上押圧部材を備えることを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載の切断装置。
【請求項9】
管を切断する切断装置が実行する切断方法であって、
前記管を回転させるローラー部材に当該管を載置する載置工程と、
前記ローラー部材を回転させることによって当該ローラー部材に載置した管を回転させる回転工程と、
前記回転する管に回転刃を接触させて切れ込みを入れる回転刃制御工程と、
前記回転刃によって設けられた切れ込みの箇所に切削刃を接触させて前記管を切削する切削刃制御工程と、を含むことを特徴とする切断方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂管や鋳鉄管等の管を切断する切断装置および切断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、樹脂管や鋳鉄管等は、水道管、下水道における種々の管、ガス管、および灌漑用水管など幅広い分野に使用されている。
【0003】
一方で、このような樹脂管や鋳鉄管等は、施工時および廃棄時等において、加工や切断に時間がかかるという問題が指摘されている。
【0004】
そこで、グラインダーの刃で樹脂製の管等を切断するパイプ切断用治具が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3105365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のパイプ切断用治具は、肉厚が薄い樹脂管を切断するものであるため、径が大きい(肉厚が厚い)樹脂管や鋳鉄管等に使用した場合、切断するのが困難であった。具体的には、径が大きい樹脂管の場合、グラインダーの刃が途中までしか喰い込まないため切断できない。また、鋳鉄管等の場合、表面を削って溝のようなものができる程度で切断することができなかった。
【0007】
それ故に、本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的の1つは、径が大きい樹脂管や鋳鉄管等であっても、短時間で容易に切断可能な切断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも以下のような構成を備え、もしくは手順を実行する。なお、以下の説明において、本発明の理解を容易にするために図面に示されている符号等を付記する場合があるが、本発明の各構成要素は、図面に示されているものに限定されるものではなく、当業者が技術的に理解しうる範囲にまで広く解釈されるべきものである。
【0009】
本発明の一局面に係る切断装置は、管を切断するための切断装置であって、前記管を載置させた状態で回転することにより当該管を回転させるローラー部材と、前記ローラー部材を回転させるモーターと、前記管に接触する方向へ移動可能な回転刃と、前記回転刃が前記管に接触する箇所の当該管の同一円周上のいずれかの箇所を切削可能な切削刃と、を備えることを特徴とする。
かかる構成により、径が大きい樹脂管や鋳鉄管等であっても、短時間で容易に切断することができる。これは、回転刃と切削刃の両方を使用するためである。具体的には、回転刃が管の表面に溝のような切り目を入れる。そして、切削刃によって溝のように切り目の部分を削っていくことにより、短時間で容易に切断することができる。なお、回転刃は、切り目を入れるだけではなく、切り目の箇所を通るので、一種のガイドレールとしての役目も果たしている。
【0010】
また、好ましくは、前記管が回転する際、当該管の内側を押圧する押圧部材を備えていることを特徴とする。
かかる構成により、管を安定して回転させることができる。
【0011】
また、好ましくは、前記ローラー部材は、表面にローレット加工が施されていることを特徴とする。
かかる構成により、より確実に管を回転させることができる。これは、管が回転する際にローラー部材の上で管が滑るのを防止することができるためである。
【0012】
また、好ましくは、前記回転刃は、前記管に対して略垂直に配置される円盤形状であることを特徴とする。
かかる構成により、管が左右にズレたりすることなく一定の箇所をスムーズに回転するため、短時間で容易に切断することができる。
【0013】
また、好ましくは、前記回転刃は、貫通孔を有していることを特徴とする。
かかる構成により、摩擦熱等により発生した回転刃の温度上昇を抑えることができる。
【0014】
また、好ましくは、前記ローラー部材は、1対のベアリング間に軸支されている支持部材に固定されており、当該支持部材は少なくとも2本設けられていることを特徴とする。
かかる構成により、安定して管を載置することができるため、安定して管を回転させることができる。
【0015】
また、好ましくは、前記支持部材は、2軸のギア間を通るチェーン部材で連結されていることを特徴とする。
かかる構成により、よりスムーズに管を切断することができる。これは、2軸のギアを設けることによって、各ローラー部材の速度を調節することで管をスムーズに回転させることができるためである。また、モーターが一つであっても全てのローラー部材を回転させることができるため構造をよりシンプルにすることができる。
【0016】
また、本発明の一局面に係る切断方法は、管を切断する切断装置が実行する切断方法であって、前記管を回転させるローラー部材に当該管を載置する載置工程と、前記ローラー部材を回転させることによって当該ローラー部材に載置した管を回転させる回転工程と、前記回転する管に回転刃を接触させて切れ込みを入れる回転刃制御工程と、前記回転刃によって設けられた切れ込みの箇所に切削刃を接触させて前記管を切削する切削刃制御工程と、を含むことを特徴とする。
かかる構成により、径が大きい樹脂管や鋳鉄管等であっても、短時間で容易に切断することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、径が大きい樹脂管や鋳鉄管等であっても、短時間で容易に切断可能な切断装置および切断方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る切断装置100を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る切断装置100に樹脂管10を配置した状態を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る切断装置100の押圧部材150が樹脂管10を押圧している様子を示す図である。
図4】樹脂管10を載置するための台座170を示す図である。
図5】樹脂管10を載置するための台座170の配置を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る切断装置100によって樹脂管10を切断する様子を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る切断装置100のチェーン部材の配置を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る切断装置100の回転刃の形状を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る切断装置100が実行する切断方法S200の処理の流れを示すフローチャートである。
図10】樹脂管10を上方から押さえる上押圧部材180を取り付けた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、あくまで、本発明を実施するための具体的な一例を挙げるものであって、本発明を限定的に解釈させるものではない。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る切断装置100を示す斜視図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る切断装置100に樹脂管10を配置した状態を示す斜視図である。図1および図2において、切断装置100は、ローラー部材110と、モーター120と、回転刃130と、切削刃140とを備えており、押圧部材150によって樹脂管10を保持している。なお、ローラー部材110は、一対のベアリング160の間に軸支されている支持部材161に固定されており、当該支持部材161は、2軸のギア162の間を通るチェーン部材163で連結されている。
【0021】
ローラー部材110は、円筒型の形状をしており4本設けられている。ローラー部材110が4本であると、より安定して樹脂管10を載置することができる。なお、ローラー部材110は、2本でも樹脂管10を載置することができるため2本でも構わない。
【0022】
ローラー部材110の表面には、ローレット加工が施されているため、樹脂管10が滑りにくい構造となっている。これにより、ローラー部材110が回転した際、樹脂管10が空回りするのを防止している。なお、ローレット加工とは、表面部分に細かい凹凸の加工を施すことである。
【0023】
モーター120は、ローラー部材110を回転させるものである。具体的には、モーター120が一対のベアリング160の間に軸支されている支持部材161を回転させることにより、支持部材161に固定されているローラー部材110が回転する仕組みとなっている。モーター120は市販品であり、1分間に約70回転するものである。モーター120に直接繋がっている支持部材161は、1分間に約70回転するが、もう片方の支持部材161は1分間に63回転する。モーター120と直接繋がっていない支持部材161は、2軸のギア162の間を通るチェーン部材163により回転数を下げて回転するためである。このように、片方の支持部材161の回転速度を調節(遅く)することにより、樹脂管10をより確実に回転させている。
【0024】
回転刃130は、回転刃保持具131に保持されており、第1締付具132によって角度を変更することができる。具体的には、第1締付具132に設けられた取手部分を回転させることで回転刃保持具131を動かすことができる構造となっている。これによって、回転刃130を樹脂管10に接触する方向に移動することが可能となっており、回転刃130で樹脂管10に切れ込みを入れることができる。また、回転刃保持具131は、第1支柱133に支持されており、高さを自由に設定することができる。
【0025】
切削刃140は、切削刃固定具141に固定されており、回転刃130と対向する位置に配置されている。切削刃固定具141は、第2締付具142によって角度を変更することができる。具体的には、第2締付具142を回転させることで切削刃固定具141の角度を調節することができる。これによって、切削刃140を樹脂管10に喰い込ませるように動かすことが可能となっている。また、切削刃140は、回転刃130が切れ込みを入れた箇所を切削する刃であるため、回転刃130と樹脂管10とが接触する箇所の同一円周上のいずれかの箇所に移動可能なように配置する必要がある。回転刃130と切削刃140とを樹脂管10の同一円周上に移動可能なように配置することで両方の刃(回転刃130と切削刃140)で切断することができるため、径が大きい樹脂管10や鋳鉄管等であっても、短時間で容易に切断することができる。
【0026】
切削刃140は、彫刻刀の平刀のような形状をしており、超硬合金で形成されている。超硬合金で形成されているため、樹脂管10だけではなく、鋳鉄管等でも削ることができる。
【0027】
押圧部材150は、円筒型の形状をしており、樹脂管10の内部を押圧している。押圧部材150は円筒形の形状をしているため、樹脂管10が回転するのと連動して回転する構造となっている。これにより、樹脂管10が回転した際でも樹脂管10が左右にブレないように保持している。
【0028】
押圧部材150の押圧する力は、第3締付具151によって調節することができる。具体的には、第3締付具151を回転させることによって押圧する力を調節することができる。
【0029】
図3は、本発明の一実施形態に係る切断装置100の押圧部材150が樹脂管10を押圧している様子を示す図である。図3のように押圧部材150が樹脂管10を押圧し保持している。なお、図3において示す樹脂管10は、切断された後の樹脂管10を記載している。また、図3において各部材が回転する方向について矢印を記載して示している。
【0030】
図4は、樹脂管10を載置するための台座170を示す図であり、図5は、台座170の配置位置の一例を示す図である。台座170を使用することにより、樹脂管10が長い場合であっても樹脂管10の両端を支えることができる。これにより、切断装置100が傾いたり、倒れたりするのをより確実に防ぐことができる。なお、台座170は高さを調節することができるため、使用する際、適時高さを調節すれば良い。
【0031】
図6は、本発明の一実施形態に係る切断装置100によって樹脂管10を切断する様子を示す図である。回転刃130および切削刃140を樹脂管10の中心軸Oの方向に動かすことによって、回転刃130および切削刃140を樹脂管10に喰い込ませることができる。回転刃130および切削刃140が樹脂管10に喰い込むとその箇所に溝ができる。回転刃130はその溝の箇所に嵌り込み、ガイドレールの役目も果たす。その状態で切削刃140をさらに中心軸Oの方向に動かすことによって溝の箇所を削りとっていくことによって樹脂管10を切断することができる。なお、樹脂管10の中心軸Oとは、樹脂管10の長手方向に対して垂直な断面における中心となる軸のことを示している。
【0032】
図7は、本発明の一実施形態に係る切断装置100のチェーン部材163の配置を示す図である。チェーン部材163は、2本の支持部材161を連結しており、片方の支持部材161が回転するともう片方の支持部材161を回転させるものである。なお、チェーン部材163は、2軸のギア162の間を通っていることにより、支持部材161の回転速度を調節している。これにより、各ローラー部材110の速度を調節することができる結果、より確実に樹脂管10を回転させることができる。
【0033】
次に、図8によって回転刃130の構造を詳細に説明する。図8は、本発明の一実施形態に係る切断装置100の回転刃130の形状を示す図である。回転刃130は、円盤形状をしている。回転刃130は、樹脂管10に対して略垂直に配置され、当該樹脂管10の外周面の表面に喰い込んでいく刃部分の角度は10度程度である。なお、回転刃130の刃部分の角度としては、10度~20度が好ましい。回転刃130の刃部分の肉厚が薄いと破損し易くなるが、樹脂管10の外周面の表面に喰い込んでいく際の抵抗が小さくなり、樹脂管10の切断時間を短縮することができる。回転刃130の刃部分の角度は、切断対象となる管の厚さおよび素材による強度等に応じて、適切なものを選択すればよい。また、回転刃130に焼き入れを施すことによって強度を増しておけば、刃部分の角度が10度の肉厚が薄い刃でも破損する可能性を軽減することができる。
【0034】
なお、回転刃130は貫通孔134を有しても良い。回転刃130が樹脂管10に喰い込んでいくと摩擦により回転刃130の温度が上昇する。それによって回転刃130が痛む要因となるため、貫通孔134を設けて熱を逃がす構造としても構わない。
【0035】
図9は、本発明の一実施形態に係る切断装置100が実行する切断方法S200の流れを示すフローチャートである。図9において、切断装置100が実行する切断方法S200は、載置工程S210と、回転工程S220と、回転刃制御工程S230と、切削刃制御工程S240と、を含む。これらの工程によって、樹脂管10を切断する。なお、回転刃130および切削刃140は、樹脂管10が切断されるまで中心軸Oの方向に動くよう制御し続ける。
【0036】
載置工程S210では、ローラー部材110に樹脂管10を載置する。また同時に、押圧部材150を樹脂管10の内部に配置する。なお、押圧部材150の圧力は、第3締付具151によって調整できるため、適切な圧力がかかるように調節を行う。また、樹脂管10が長い場合、必要に応じて台座170を使用する。
【0037】
回転工程S220では、モーター120によってローラー部材110を回転させ、当該ローラー部材110に載置した樹脂管10を回転させる。
【0038】
回転刃制御工程S230では、回転する樹脂管10の中心軸Oの方向に回転刃130を動かすよう制御し、樹脂管10に切れ込みを入れる。具体的には、第1締付具132のハンドル部分を回転させ回転刃保持具131を動かすことによって回転刃130を樹脂管10の中心軸Oの方向に動かして樹脂管10に接触させて切れ込みを入れる。さらに回転刃130を樹脂管10の中心軸Oの方向に動かすことによって回転刃130を樹脂管10により喰い込ませていくことができる。なお、樹脂管10の径が小さい場合(直径が100mm以下)であれば、回転刃130だけで切断することができる。なお、直径が200mm以上の樹脂管10であると回転刃130だけでは切断することができず切削刃140も用いて切断する。直径が200mm以上の樹脂管10であると回転刃130だけでは切断することができないが、回転刃130が一定程度喰い込むため、回転刃130は樹脂管10の同一円周上を通り続けることになる。換言すれば、回転刃130がガイドレールの役目を果たす。
【0039】
切削刃制御工程S240では、回転刃130によって設けられた切れ込みの箇所に切削刃140を接触させて樹脂管10を切削するように切削刃140を制御している。具体的には、第2締付具142を動かすことによって切削刃140を樹脂管10の中心軸Oの方向に動かすことによって、回転刃130によって設けられた切れ込みの箇所に切削刃140を動かしている。これによって切削刃140により、樹脂管10を切削することができる。切削刃140によって、溝を形成するように樹脂管10を切削することによって樹脂管10を切断することができる。また、樹脂管10が回転している際、回転刃130が一種のガイドレールの役目を果たしているため、同じ箇所を切削することができる。
【0040】
図10は、樹脂管10を上方から押さえる上押圧部材180を取り付けた状態を示す図である。上押圧部材180を設けることでローラー部材110に載置した樹脂管10をより確実に保持することができる。なお、上押圧部材180は、第2支柱181に取り付けられている。
【0041】
本実施形態では、切断する対象を樹脂管10としたが、切断する対象の管はこれに限定されるものではなく、例えば、鋳鉄管、鋼鉄管などであっても構わない。本発明の一実施形態に係る切断装置100および切断方法S200は、水道管、下水道における種々の管、ガス管、および灌漑用水管など幅広い分野に利用することができることは言うまでもない。
【0042】
なお、本実施形態では、管の切断装置100として説明してきたが、管同士を溶接する際に使用しても構わない。具体的には、2つの管を載置し、継ぎ目を溶接する。管を回転させると溶接しやすいためである。
【0043】
以上、本発明の各実施形態についての具体的な説明を行った。上記説明は、あくまで一実施形態としての説明であって、本発明の範囲はこの一実施形態に留まらず、当業者が把握可能な範囲にまで広く解釈されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、水道管、下水道における種々の管、ガス管、および灌漑用水管の切断等に有用である。
【符号の説明】
【0045】
10 樹脂管
100 切断装置
110 ローラー部材
120 モーター
130 回転刃
131 回転刃保持具
132 第1締付具
133 第1支柱
134 貫通孔
140 切削刃
141 切削刃固定具
142 第2締付具
150 押圧部材
151 第3締付具
160 ベアリング
161 支持部材
162 2軸のギア
163 チェーン部材
170 台座
180 上押圧部材
181 第2支柱
S200 切断方法
S210 載置工程
S220 回転工程
S230 回転刃制御工程
S240 切削刃制御工程
O 中心軸

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10