(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170097
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】通知システム、通知方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20221102BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20221102BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
G06F3/0484
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021075989
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】大熊 浩一
(72)【発明者】
【氏名】大西 久美子
【テーマコード(参考)】
5E555
5L049
【Fターム(参考)】
5E555AA26
5E555AA64
5E555BA02
5E555BA04
5E555BB04
5E555BC04
5E555CA45
5E555DC13
5E555DD06
5E555DD08
5E555EA00
5E555EA27
5E555FA00
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】事業者の位置情報を通知することなく、利用者が事業者の到着時間を予想することが可能な通知システム、通知方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】利用者の位置情報を取得する利用者位置情報取得部と、前記利用者を訪問する事業者の位置情報を取得する事業者位置情報取得部と、前記取得された利用者の位置情報と前記取得された事業者の位置情報とに基づき、前記事業者の位置と前記利用者の位置との距離を算出する距離算出部と、前記利用者の位置からの距離に応じた複数のエリアのうち前記事業者がいるエリアを、前記算出された距離に基づき前記利用者に通知する通知部と、を有する通知システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の位置情報を取得する利用者位置情報取得部と、
前記利用者を訪問する事業者の位置情報を取得する事業者位置情報取得部と、
前記取得された利用者の位置情報と前記取得された事業者の位置情報とに基づき、前記事業者の位置と前記利用者の位置との距離を算出する距離算出部と、
前記利用者の位置からの距離に応じた複数のエリアのうち前記事業者がいるエリアを、前記算出された距離に基づき前記利用者に通知する通知部と、
を有する通知システム。
【請求項2】
前記事業者の状態を取得する状態取得部を有し、
前記通知部は、前記事業者がいるエリアとともに、前記取得された状態に応じたメッセージを前記利用者に通知する、
請求項1に記載の通知システム。
【請求項3】
前記状態取得部は、前記事業者の位置情報の変化に基づいて前記事業者の状態を推測する、
請求項2に記載の通知システム。
【請求項4】
交通情報を取得する交通情報取得部を有し、
前記通知部は、前記取得された交通情報に基づき、前記事業者がいるエリアとともに、前記事業者の位置から前記利用者の位置までの交通状態に応じたメッセージを前記利用者に通知する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の通知システム。
【請求項5】
前記通知部は、予め設定された前記事業者の到着日にのみ通知する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の通知システム。
【請求項6】
利用者位置情報取得部が、利用者の位置情報を取得する利用者位置情報取得過程と、
事業者位置情報取得部が、前記利用者を訪問する事業者の位置情報を取得する事業者位置情報取得過程と、
距離算出部が、前記取得された利用者の位置情報と前記取得された事業者の位置情報とに基づき、前記事業者の位置と前記利用者の位置との距離を算出する距離算出過程と、
通知部が、前記利用者の位置からの距離に応じた複数のエリアのうち前記事業者がいるエリアを、前記算出された距離に基づき前記利用者に通知する通知過程と、
を含む通知方法。
【請求項7】
コンピュータに、
利用者の位置情報を取得する利用者位置情報取得ステップと、
前記利用者を訪問する事業者の位置情報を取得する事業者位置情報取得ステップと、
前記取得された利用者の位置情報と前記取得された事業者の位置情報とに基づき、前記事業者の位置と前記利用者の位置との距離を算出する距離算出ステップと、
前記利用者の位置からの距離に応じた複数のエリアのうち前記事業者がいるエリアを、前記算出された距離に基づき前記利用者に通知する通知ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知システム、通知方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
荷物を配送する配送事業者は、荷物の受取主又は送り主が配達日と配達時間帯とを予め指定できるサービスを提供している。受取主は、例えば電子メール、配送事業者が提供するSNS(Social Networking Service)やアプリケーションからの通知等によって、当該サービスにおいて指定された情報(例えば配達予定日時や受取場所等を示す情報)を受け取ることができる。受取主は受け取った情報を確認し、都合が悪い場合は日時や受取場所を事前に変更することができる。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、荷物の現在の位置情報や到着予定時刻をリアルタイムで受取主へ提供するサービスに関する技術が開示されている。当該技術では、受取主の端末に表示した地図上に荷物の位置を示すマークと予測される配達時刻を示す情報が表示される。荷物の位置は、即ち配送車の位置であり、配達員の位置でもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、配達時間帯を指定するサービスでは、指定できるのは例えば2時間程度の枠であり、それより細かい時間指定をすることはできない。そのため、受取主は、荷物の具体的な到着時間を知ることができず、指定された時間帯において荷物が到着するまで待機していなければならない。具体的な到着時間が分からない場合、受取主が一寸手を離せない用事をしている間に荷物が到着してしまい、受取主が在宅にも関わらず再配達になってしまうケースがある。受取主が荷物の到着時間をある程度予想することができれば、受取主は予想した時間に合わせて行動することができ、再配達になるケースを減らすことができる。受取主が荷物の到着時間を予想できるようにするため、上述した特許文献1の技術のように配達員の位置情報を示すことが考えられるが、配達員が多くの荷物を運んでいる場合には、配達員や他の荷物に対するセキュリティやプライバシーの観点から、配達員の位置情報を提供するのは適切ではないことがある。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、事業者の位置情報を通知することなく、利用者が事業者の到着時間を予想することが可能な通知システム、通知方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る通知システムは、利用者の位置情報を取得する利用者位置情報取得部と、前記利用者を訪問する事業者の位置情報を取得する事業者位置情報取得部と、前記取得された利用者の位置情報と前記取得された事業者の位置情報とに基づき、前記事業者の位置と前記利用者の位置との距離を算出する距離算出部と、前記利用者の位置からの距離に応じた複数のエリアのうち前記事業者がいるエリアを、前記算出された距離に基づき前記利用者に通知する通知部と、を有する。
【0008】
本発明の一態様に係る通知方法は、利用者位置情報取得部が、利用者の位置情報を取得する利用者位置情報取得過程と、事業者位置情報取得部が、前記利用者を訪問する事業者の位置情報を取得する事業者位置情報取得過程と、距離算出部が、前記取得された利用者の位置情報と前記取得された事業者の位置情報とに基づき、前記事業者の位置と前記利用者の位置との距離を算出する距離算出過程と、通知部が、前記利用者の位置からの距離に応じた複数のエリアのうち前記事業者がいるエリアを、前記算出された距離に基づき前記利用者に通知する通知過程と、を含む。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、利用者の位置情報を取得する利用者位置情報取得ステップと、前記利用者を訪問する事業者の位置情報を取得する事業者位置情報取得ステップと、前記取得された利用者の位置情報と前記取得された事業者の位置情報とに基づき、前記事業者の位置と前記利用者の位置との距離を算出する距離算出ステップと、前記利用者の位置からの距離に応じた複数のエリアのうち前記事業者がいるエリアを、前記算出された距離に基づき前記利用者に通知する通知ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、事業者の位置情報を通知することなく、利用者が事業者の到着時間を予想することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る通知システムの概略構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るエリアの一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る通知の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るメッセージテーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るメッセージテーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るメッセージテーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る通知アプリのインストール処理の動作を示すシーケンス図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る事業者端末にインストールされる通知アプリの一例を示すイメージ図である。
【
図9】本発明の実施形態に係るURL取得処理の動作を示すシーケンス図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る利用者端末に通知されるURLの一例を示すイメージ図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る配送状況通知処理の動作を示すシーケンス図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る配送状況通知処理の動作を示すシーケンス図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る利用者端末に表示される通知画面の一例を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0013】
<1.通知システムの構成>
図1を参照して、本実施形態に係る通知システムの構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る通知システム1の概略構成を示す図である。
通知システム1は、事業者の訪問を受ける利用者に対し、到着日当日の事業者のおおよその距離を通知するシステムである。本実施形態では、事業者の一例として、利用者に荷物を配送する配送事業者を例に説明する。
図1に示すように、通知システム1は、サーバ装置10と、事業者端末20と、利用者端末30とを含んで構成される。
サーバ装置10は、通知システム1を制御する通知装置である。
事業者端末20は、利用者を訪問する事業者の使用する端末装置である。本実施形態における事業者は、配送事業者の配達員である。
利用者端末30は、利用者の使用する端末装置である。
事業者端末20及び利用者端末30は、スマートフォンやタブレット端末やパーソナルコンピュータ等の電子機器である。
サーバ装置10と事業者端末20との間、サーバ装置10と利用者端末30との間、及び事業者端末20と利用者端末30との間は、それぞれネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0014】
図1に示すように、サーバ装置10は、制御部11と、通信部12と、記憶部13とを備えている。
【0015】
制御部11は、サーバ装置10の動作全般を制御する機能を有する。制御部11は、例えば、サーバ装置10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
【0016】
図1に示すように、制御部11は、アプリケーション制御部111と、有効判定部112と、利用者位置情報取得部113と、事業者位置情報取得部114と、距離算出部115と、状態取得部116と、交通情報取得部117と、通知部118とを備えている。
【0017】
アプリケーション制御部111は、事業者端末20又は利用者端末30にインストールするアプリケーション(以下、「通知アプリ」とする。)を制御する。例えば、アプリケーション制御部111は、事業者端末20にインストールされた通知アプリからの要求に応じて、利用者に到着日当日の配送状況を通知するためのURL(Uniform Resource Locator)を生成し、生成したURLを事業者端末20に送信する。配送状況は、例えば、事業者がいるエリアを示す情報や当該エリアに応じたメッセージ等を含む情報によって示される。当該URLは、例えば、予め設定された到着日にのみ有効となるよう生成される。
【0018】
有効判定部112は、利用者端末30によってアクセスされたURLが有効であるか否かを判定する。例えば、有効判定部112は、利用者端末30によってURLがアクセスされた際の現在の日付が到着日である場合に、当該URLが有効であると判定する。
【0019】
利用者位置情報取得部113は、利用者端末30から利用者の位置情報を取得する。例えば、利用者位置情報取得部113は、通信部12を介して、利用者端末30においてGPS(Global Positioning System)等により取得された位置情報を取得する。
【0020】
事業者位置情報取得部114は、事業者端末20から事業者の位置情報を取得する。例えば、事業者位置情報取得部114は、通信部12を介して、事業者端末20においてGPS等により取得された位置情報を取得する。
【0021】
距離算出部115は、利用者の位置情報及び事業者の位置情報に基づいて、事業者の位置と利用者の位置との距離を算出する。例えば、距離算出部115は、利用者位置情報取得部113によって取得された利用者の位置情報と事業者位置情報取得部114によって取得された事業者の位置情報から当該距離を算出する。
【0022】
状態取得部116は、事業者の状態を取得する。例えば、状態取得部116は、事業者端末20から事業者の状態を取得する。或いは、状態取得部116は、事業者の位置情報の変化に基づいて事業者の状態を推測する。
【0023】
交通情報取得部117は、例えば、インターネットを介して交通情報を提供するサービス等から、交通情報を取得する。
【0024】
通知部118は、利用者端末30がアクセスしたURLが有効である場合に、利用者の位置からの距離に応じた複数のエリアのうち事業者がいるエリアを、距離算出部115によって算出された距離に基づき利用者に通知する。通知部118は、距離算出部115によって算出された距離から事業者がどのエリアにいるかを判定し、判定結果に応じた通知を行う。
また、通知部118は、事業者がいるエリアとともに、事業者の状態に応じたメッセージを利用者に通知する。また、通知部118は、事業者がいるエリアとともに、事業者の位置から利用者の位置までの交通状態に応じたメッセージを利用者に通知する。
【0025】
ここで、
図2を参照して、利用者の位置からの距離に応じて設定されるエリアについて説明する。
図2は、本発明の実施形態に係るエリアの一例を示す図である。
本実施形態では、利用者USからの距離に応じたエリア区分が予め設定される。エリア区分は、例えば、もうすぐエリア、もうすぐかもエリア、エリア外の3種類の区分である。エリア区分が「もうすぐエリア」であるエリアは、例えば利用者USから500m(メートル)以内の範囲である。当該500m以内の範囲は、具体的には利用者USを中心とする半径500mの円の内側である。エリア区分が「もうすぐかもエリア」であるエリアは、例えば利用者USから500m以外かつ1km(キロメートル)以内の範囲である。当該500m以外かつ1km以内の範囲は、具体的には利用者USを中心とする半径500mの円の外側かつ半径1kmの円の内側である。エリア区分が「エリア外」であるエリアは、例えば利用者USから1km以外の範囲である。当該1km以外の範囲は、具体的には利用者USを中心とする半径1kmの円の外側である。
図2に示す例では、円40の内側がもうすぐエリア(利用者USから500m以内)、円40の外側かつ円50の内側がもうすぐかもエリア(利用者USから500m以外かつ1km以内)、円50の外側がエリア外(利用者USから1km以外)として設定されている。
一例として、
図2に示す例では、事業者DRが円40の内側にいる。即ち、事業者DRは、もうすぐエリアにいることになる。
図2に示す例では、通知部118は、距離算出部115によって算出された距離が500m以内の距離であることから、事業者DRがもうすぐエリアにいると判定する。
なお、事業者DRが円40と円50の間にいる場合、事業者DRはもうすぐかもエリアにいることになる。この場合、通知部118は、距離算出部115によって算出された距離が500m以外かつ1km以内の距離であることから、事業者DRがもうすぐかもエリアにいると判定する。また、事業者DRが円50の外側にいる場合、事業者DRはエリア外にいることになる。この場合、通知部118は、距離算出部115によって算出された距離が1km以外(0mから1km以外)の距離であることから、事業者DRがエリア外にいると判定する。
なお、エリア区分の種類の数は、かかる例に限定されない。また、エリア区分の設定に用いる利用者USからの距離と、当該距離に対応するエリア区分の種類は、かかる例に限定されない。
【0026】
サーバ装置10は、利用者端末30からの要求を受けると、利用者USの位置情報と事業者DRの位置情報とを取得し、利用者USと事業者DRとの距離から事業者DRのいるエリア区分を判定する。また、サーバ装置10は、事業者DRの状態を事業者端末20から取得する。また、サーバ装置10は、交通情報を取得し、事業者DRのいる位置から利用者USのいる位置までの道路における交通状態を判定する。そして、サーバ装置10は、判定したエリア区分及びメッセージを利用者端末30に通知する。当該メッセージは、エリア区分、事業者DRの状態、及び交通状態に応じたメッセージである。
【0027】
ここで、
図3を参照して、利用者端末30に対する通知について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る通知の一例を示す図である。
利用者端末30の表示画面には、通知内容を示す画面(以下、「通知画面」とも称される)が表示される。
図3は、事業者DRが「もうすぐエリア」におり、事業者DRの状態が「基本」であり、交通状態が「渋滞」でない場合の通知画面の一例を示している。
図3に示すように、利用者端末30の表示画面には、事業者DRのいるエリアを示すエリア表示AR1として、「あなたの荷物は「もうすぐエリア」にいます。」と表示されている。また、「もうすぐエリア」に関する基本の場合のメッセージMS1として、「配達員がかなり近くにいます。もうすぐお届けします。」と表示されている。これにより、利用者USは、荷物がもうすぐ届くことを知ることができる。
【0028】
通信部12は、事業者端末20又は利用者端末30と通信する。例えば、通信部12は、事業者端末20との通信において、URLを示す情報を送信し、事業者端末20において通知アプリに入力された情報や事業者の位置情報や事業者の状態を示す情報等を受信する。また、通信部12は、利用者端末30との通信において、各種画面(例えば通知画面、選択画面、住所入力画面、エラー画面等)を送信し、利用者端末30において通知アプリに入力された情報や利用者の位置情報等を受信する。
【0029】
記憶部13は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部13は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
記憶部13は、例えば、判定したエリアに応じて通知部118が通知するメッセージを示すメッセージテーブルを記憶する。
【0030】
ここで、
図4から
図6を参照して、メッセージテーブルのデータ構成について説明する。
図4から
図6は、本発明の実施形態に係るメッセージテーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【0031】
図4から
図6に示すように、メッセージテーブルには、各エリア区分と、事業者の状態又は交通状態とに対応するメッセージが記憶されている。事業者の状態は、例えば、「休憩中」や「作業中」等の配送に遅延が生じる事由である。事由がない事業者の状態は、「基本」である。事業者は、例えば配送中等に、事業者端末20にインストールされている通知アプリに自身の状態(例えば、「休憩中」や「作業中」等)とその状態が継続する予定時間(例えば、「60分」等)とを登録することができる。通知アプリは、登録された事業者の状態とその予定時間とを記憶し、予定時間を経過すると事業者の状態を「基本」に戻す。交通状態は、事業者のいる位置から利用者のいる位置までの道路の交通状態(例えば、「渋滞」等)である。
【0032】
図4から
図6に示す例では、エリア区分は、もうすぐエリアと、もうすぐかもエリアと、エリア外とがある。
図4に示す例におけるもうすぐエリアは、事業者がすぐに来るかもしれないエリアである。
図4に示すように、もうすぐエリアは、例えば利用者からの距離が500m以内の範囲である。
図5に示す例におけるもうすぐかもエリアは、10分は来ないと予想されるエリアである。
図5に示すように、もうすぐかもエリアは、例えば、利用者からの距離が500m以外かつ1km以内の範囲である。
図6に示す例におけるエリア外は、20分は来ないと予想されるエリアである。
図6に示すように、エリア外は、例えば利用者からの距離が1km以外の範囲である。
【0033】
なお、本図に示す各エリア区分の距離は一例であり、これに限られない。例えば、マンション、住宅地、郊外等、配送先の状況に応じて各エリア区分の距離を設定変更してもよい。例えば、住宅が密集しており配送に時間がかかる場所の場合には、エリア区分の距離を短くし、逆に住宅が密集していない場所の場合には、エリア区分の距離を長くすることが考えられる。
【0034】
図4に示すもうすぐエリアに関するメッセージについて具体的に説明する。
もうすぐエリアの基本のメッセージは、「配達員がかなり近くにいます。もうすぐお届けします。」である。
もうすぐエリアであって、事業者の状態が「休憩中」である場合のメッセージは、「配達員がかなり近くにいますが、しばらく時間がかかりそうです。」である。ただし、このとき、事業者の休憩時間が残り10分以下である場合のメッセージは、基本のメッセージと同様「配達員がかなり近くにいます。もうすぐお届けします。」である。
また、もうすぐエリアであって、自宅(利用者)までの道路が渋滞している場合のメッセージは、「配達員がかなり近くにいますが、混雑により時間がかかる可能性があります。」である。
また、もうすぐエリアであって、事業者の状態が「作業中」である場合のメッセージは、「配達員がかない近くにいますが、しばらく時間がかかりそうです。」である。ただし、このとき、事業者の作業時間が残り10分以下である場合のメッセージは、基本のメッセージと同様「配達員がかなり近くにいます。もうすぐお届けします。」である。
また、事業者の作業予定時間が経過しても事業者の位置情報が変化しない場合のメッセージは、「配達員がかなり近くにいますが、混雑により時間がかかる可能性があります。」である。
【0035】
図5に示すもうすぐかもエリアに関するメッセージについて具体的に説明する。
もうすぐかもエリアの基本のメッセージは、「配達員がだいぶ近づいています。もうすぐお届けにくるかもしれません。」である。
もうすぐかもエリアであって、事業者の状態が「休憩中」である場合のメッセージは、「配達員がだいぶ近づいています。すこし時間がかかりそうです。」である。ただし、このとき、事業者の休憩時間が残り10分以下である場合のメッセージは、基本のメッセージと同様「配達員がだいぶ近づいています。もうすぐお届けにくるかもしれません。」である。
また、もうすぐかもエリアであって、自宅(利用者)までの道路が渋滞している場合のメッセージは、「配達員がだいぶ近づいていますが、混雑により時間がかかる可能性があります。」である。
また、もうすぐかもエリアであって、事業者の状態が「作業中」である場合のメッセージは、「配達員がだいぶ近づいています。すこし時間がかかりそうです。」である。ただし、このとき、事業者の作業時間が残り10分以下である場合のメッセージは、基本のメッセージと同様「配達員がだいぶ近づいています。もうすぐお届けにくるかもしれません。」である。
また、事業者の作業予定時間が経過しても事業者の位置情報が変化しない場合のメッセージは、「配達員がだいぶ近づいていますが、混雑により時間がかかる可能性があります。」である。
【0036】
図6に示すエリア外に関するメッセージについて具体的に説明する。
エリア外のメッセージは、全て「配達員はまだ遠いところにいます。しばらくお届けまでに時間がかかります。」である。
【0037】
<2.動作>
続いて、
図7から
図13を参照して、本実施形態に係る動作について説明する。
【0038】
(1)通知アプリのインストール処理の動作
まず、
図7及び
図8を参照して、通知アプリのインストール処理の動作について説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る通知アプリのインストール処理の動作を示すシーケンス図である。
【0039】
図7に示すように、事業者端末20は、事業者による通知アプリのダウンロードを指示する入力を受け付けると、その旨をサーバ装置10に通知する(ステップS101)。
サーバ装置10のアプリケーション制御部111は、当該通知を受け取ると、通知アプリを事業者端末20にダウンロードさせる処理を実行する(ステップS102)。当該処理により、事業者端末20は、通知アプリをダウンロードする。
事業者端末20は、ダウンロードした通知アプリをインストールするインストール処理を実行する(ステップS103)。
サーバ装置10のアプリケーション制御部111は、事業者端末20におけるインストール処理において、事業者を一意に識別するための配送事業者IDを採番し、事業者端末20にインストールする通知アプリに、採番した配送事業者IDを設定する(ステップS104)。
事業者端末20は、通知アプリに配送事業者IDを設定してインストール処理を完了させる(ステップS105)。その後、処理を終了する。
【0040】
図8は、本発明の実施形態に係る事業者端末20にインストールされる通知アプリの一例を示すイメージ図である。
図7を参照して説明したインストール処理により、
図8に示すように配送事業者IDが設定された通知アプリAPが事業者端末20にインストールされる。インストールされた通知アプリAPは、事業者端末20のホーム画面やアプリケーション一覧画面等から起動することができる。
なお、利用者端末30にも同様の処理により通知アプリをインストールすることができる。利用者端末30に通知アプリをインストールする場合には、配送事業者IDは、利用者を一意に識別する利用者IDとなる。なお、通知アプリは、配送事業者用のものと利用者用のものとで別のアプリケーションであってもよい。
【0041】
(2)URL取得処理の動作
続いて、
図9及び
図10を参照して、URL取得処理の動作について説明する。
図9は、本発明の実施形態に係るURL取得処理の動作を示すシーケンス図である。
事業者は、荷物の配送日(到着日)が決定すると、通知アプリにおいて配送日を選択し、利用者に配送日当日の配送状況を通知するためのURLを取得する。
【0042】
図9に示すように、まず、事業者端末20は、通知アプリにおいて事業者による配送日の選択入力を受け付ける(ステップS201)。事業者端末20は、選択された配送日と通知アプリに設定された配送事業者IDとをサーバ装置10に通知する。
サーバ装置10のアプリケーション制御部111は、通知された配送日にのみ有効となるURLを生成する(ステップS202)。また、アプリケーション制御部111は、当該URLに、通知された配送事業者IDを設定する。
【0043】
サーバ装置10のアプリケーション制御部111は、生成したURLを示す情報を事業者端末20へ送信する(ステップS203)。サーバ装置10のアプリケーション制御部111は、事業者端末20の通知アプリに生成したURLを直接表示させてもよいし、生成したURL取得するためのURL取得結果画面を生成して事業者端末20の通知アプリに表示させてもよい。
事業者端末20は、サーバ装置10から受信するURLを示す情報からURLを取得する(ステップS204)。例えば、事業者端末20は、通知アプリにおいてURLを示す情報を表示し、事業者の操作によってURLを取得する。
【0044】
事業者端末20は、取得したURLを、電子メール、SMS(ショートメッセージサービス)、SNS等により利用者端末30に送信して、利用者に通知する(ステップS205)。
利用者端末30は、事業者端末20からURLを受信する(ステップS206)。これにより、利用者がURLを受領する。その後、処理を終了する。
【0045】
図10は、本発明の実施形態に係る利用者端末30に通知されるURLの一例を示すイメージ図である。
図10には、配送日当日の配送状況を示すURLが、メッセンジャーアプリケーションを用いて事業者端末20から利用者端末30に送信された場合の例が示されている。利用者端末30が受信したメッセージNTには、荷物の配送日当日の配送状況を示すURLが記載されている。利用者は、当該URLにアクセスすることで、荷物の配送日当日の配送状況を知ることができる。
【0046】
(3)配送状況通知処理の動作
続いて、
図11から
図13を参照して、配送状況通知処理の動作について説明する。
図11及び
図12は、本発明の実施形態に係る配送状況通知処理の動作を示すシーケンス図である。
利用者は、配送日の当日に、通知されたURLにアクセスすることで、当日の配送状況を知ることができる。
【0047】
図11に示すように、利用者端末30は、まず、事業者端末20から通知されたURLへのクリック入力を受け付けると、当該URLへアクセスする(ステップS301)。
【0048】
サーバ装置10の有効判定部112は、URLへのアクセスを受け付けると、URLの有効性を判定する(ステップS302)。
具体的には、現在の日付がURLに設定されている配送日と一致し、かつ、URLに設定されている配送事業者IDが有効なもの(上述したインストール処理で採番したもの)である場合、有効判定部112は、URLが有効であると判定する。URLが有効であると判定した場合(ステップS302/有効)、有効判定部112は、処理をステップS304へ進める。
一方、現在の日付がURLに設定されている配送日と一致しない、又は、URLに設定されている配送事業者IDが有効なものでない場合、有効判定部112は、URLが無効であると判定する。URLが無効であると判定した場合(ステップS302/無効)、有効判定部112は、処理をステップS303へ進める。
【0049】
処理をステップS303へ進める場合(ステップS302/無効)、サーバ装置10の有効判定部112は、エラー画面を生成し、利用者端末30に送信する。利用者端末30は、受信したエラー画面を表示する(ステップS303)。
エラー画面には、無効となった理由に応じたメッセージが表示される。例えば、現在の日付が配送日と一致しない場合には、エラー画面には、荷物は配送日に配送されること、及び、配送日当日にのみ配送状況を確認できることが表示される。その後、処理を終了する。
【0050】
一方、処理をステップS304へ進める場合(ステップS302/有効)、サーバ装置10の有効判定部112は、配送状況を通知アプリで表示するかブラウザで表示するかを選択する選択画面を生成し、利用者端末30に送信する(ステップS304)。
【0051】
利用者端末30は、受信した選択画面を表示し、通知アプリかブラウザかの選択入力を受け付け、選択結果をサーバ装置10に送信する(ステップS305)。ブラウザが選択された場合(ステップS305/ブラウザ)、利用者端末30は、処理をステップS306へ進める。一方、通知アプリが選択された場合(ステップS305/アプリ)、利用者端末30は、
図11に示す結合子Aから
図12に示す結合子Aへ処理を進める。なお、通知アプリが選択された場合の処理は、後述する。
【0052】
サーバ装置10の利用者位置情報取得部113は、受信した選択結果がブラウザである場合(ステップS305/ブラウザ)、利用者の位置情報を利用者端末30に要求する(ステップS306)。
【0053】
利用者端末30は、利用者の位置情報の要求を受信すると、GPS(Global Positioning System)等により利用者の位置情報を取得可能であるか否かを判定する(ステップS307)。利用者の位置情報を取得可能である場合(ステップS307/可能)、利用者端末30は、処理をステップS308へ進める。一方、利用者の位置情報を取得不可である場合(ステップS307/不可)、利用者端末30は、処理をステップS309へ進める。
【0054】
利用者の位置情報が取得可能である場合(ステップS307/可能)、利用者端末30は、利用者の位置情報を取得し、取得した利用者の位置情報をサーバ装置10に送信する(ステップS308)。
一方、利用者端末30が利用者の位置情報を取得不可である場合(ステップS307/不可)、サーバ装置10の利用者位置情報取得部113は、利用者が住所を入力するための住所入力画面を生成し、生成した住所入力画面を利用者端末30に送信する(ステップS309)。
利用者端末30は、受信した住所入力画面を表示し、利用者による住所の入力を受け付ける(ステップS310)。そして、利用者端末30は、住所入力画面に入力された住所を、利用者の位置情報としてサーバ装置10に送信する。
【0055】
サーバ装置10の事業者位置情報取得部114は、利用者端末30から利用者の位置情報を取得すると、事業者の位置情報を事業者端末20に要求する。また、状態取得部116は、事業者の状態を事業者端末20に要求する(ステップS311)。
事業者端末20は、事業者の位置情報の要求を受信すると、GPS等により事業者の位置情報を取得し、取得した事業者の位置情報をサーバ装置10に送信する。また、事業者端末20は、事業者の状態の要求を受信すると、通知アプリに登録されている事業者の状態及びその予定時間(或いはその残り時間)をサーバ装置10に通知する(ステップS312)。
【0056】
サーバ装置10の距離算出部115は、事業者端末20から事業者の位置情報を受信すると、利用者の位置情報と事業者の位置情報とに基づいて、利用者と事業者との距離を算出する(ステップS313)。
サーバ装置10の交通情報取得部117は、交通情報を取得する(ステップS314)。
【0057】
サーバ装置10の通知部118は、距離算出部115が算出した距離に基づいて事業者がいるエリア区分を判定する。また、通知部118は、交通情報に基づいて、事業者の位置から利用者の位置までの道路の交通状態を判定する。続いて、通知部118は、判定したエリア区分と、事業者の状態と、交通状態とに対応するメッセージをメッセージテーブルから読み出す。そして、通知部118は、判定したエリア区分と、読み出したメッセージとを含む通知画面を生成し、生成した通知画面を利用者端末30に送信する(ステップS315)。
【0058】
利用者端末30は、受信した通知画面を表示して、利用者に配送状況を通知する(ステップS316)。その後、処理を終了する。
なお、通知部118は、当該通知画面において、利用者が配送状況を次に確認する推奨タイミング(通知画面を更新する推奨タイミング)を案内するようにしてもよい。
【0059】
ここで、
図12を参照して、
図11のステップS305にて通知アプリが選択された場合の処理について説明する。
図11のステップS305にて通知アプリが選択されると、処理は、
図11に示す結合子Aから
図12に示す結合子Aへ進む。そして、ステップS401の処理が実行される。
【0060】
図12に示すように、サーバ装置10の利用者位置情報取得部113は、利用者の位置情報を利用者端末30に要求する(ステップS401)。
【0061】
利用者端末30は、利用者の位置情報の要求を受信すると、GPS等により利用者の位置情報を取得可能であるか否かを判定する(ステップS402)。利用者の位置情報を取得可能である場合(ステップS402/可能)、利用者端末30は、処理をステップS403へ進める。一方、利用者の位置情報を取得不可である場合(ステップS402/不可)、利用者端末30は、処理をステップS404へ進める。
【0062】
利用者の位置情報が取得可能である場合(ステップS402/可能)、利用者端末30は、利用者の位置情報を取得し、取得した利用者の位置情報をサーバ装置10に送信する(ステップS403)。
一方、利用者端末30が利用者の位置情報を取得不可である場合(ステップS402/不可)、サーバ装置10の利用者位置情報取得部113は、利用者が住所を入力するための住所入力画面を生成し、生成した住所入力画面を利用者端末30に送信する(ステップS404)。
利用者端末30は、受信した住所入力画面を表示し、利用者による住所の入力を受け付ける(ステップS405)。そして、利用者端末30は、住所入力画面に入力された住所を、利用者の位置情報としてサーバ装置10に送信する。
【0063】
サーバ装置10の事業者位置情報取得部114は、利用者端末30から利用者の位置情報を取得すると、事業者の位置情報を事業者端末20に要求する。また、状態取得部116は、事業者の状態を事業者端末20に要求する(ステップS406)。
事業者端末20は、事業者の位置情報の要求を受信すると、GPS等により事業者の位置情報を取得し、取得した事業者の位置情報をサーバ装置10に送信する。また、事業者端末20は、事業者の状態の要求を受信すると、通知アプリに登録されている事業者の状態及びその予定時間(或いはその残り時間)をサーバ装置10に通知する(ステップS407)。
【0064】
サーバ装置10の距離算出部115は、事業者端末20から事業者の位置情報を受信すると、利用者の位置情報と事業者の位置情報とに基づいて、利用者と事業者との距離を算出する(ステップS408)。
サーバ装置10の交通情報取得部117は、交通情報を取得する(ステップS409)。
【0065】
サーバ装置10の状態取得部116は、事業者の移動状況に基づいて事業者の状態を推測する(ステップS410)。例えば、状態取得部116は、事業者が所定時間以上移動していない場合には、事業者の状態が休憩中や作業中等であると推測する。また、状態取得部116は、事業者の状態が「作業中」になってからその予定時間が経過しても、事業者の位置情報が変化しない場合には、作業が長引いていると判定し、事業者の状態を「作業中」の「作業予定時間経過で位置情報が変化しない」とする。状態取得部116が事業者の状態を推定する処理は、AI(Artificial Intelligence)等により実行されてもよい。なお、事業者の状態を推定する処理は、事業者端末20にインストールされている通知アプリが実行し、サーバ装置10に通知するようにしてもよい。
【0066】
サーバ装置10の通知部118は、距離算出部115が算出した距離に基づいて事業者がいるエリア区分を判定する(ステップS411)。また、通知部118は、交通情報に基づいて、配送事業者の位置から利用者の位置までの道路の交通状態を判定する。続いて、通知部118は、判定したエリア区分と、事業者の状態と、交通状態とに対応するメッセージをメッセージテーブルから読み出す。そして、通知部118は、判定したエリア区分と、読み出したメッセージとを含む通知画面を生成し、生成した通知画面を利用者端末30に送信する。
【0067】
利用者端末30は、受信した通知画面を表示して、利用者に配送状況を通知する(ステップS412)。その後、ステップS406の処理に戻る。
なお、利用者端末30の通知アプリでは、事業者の位置情報の取得を定期的に繰り返して、配送状況(エリア区分、事業者の状態、又は交通状態)が変化した場合に、プッシュ通知するようにしてもよい。
【0068】
ここで、
図13を参照して、
図11のステップS316や
図12のステップS412にて利用者端末30に表示される通知画面の一例について説明する。
図13は、本発明の実施形態に係る利用者端末30に表示される通知画面の一例を示すイメージ図である。
図13は、事業者が「もうすぐエリア」におり、事業者のいる位置から利用者のいる位置までの道路が渋滞している場合の表示例を示している。
図13に示すように、利用者端末30の表示画面には、事業者のいるエリアを示すエリア表示AR2として、「あなたの荷物は「もうすぐエリア」にいます。」と表示されている。また、「もうすぐエリア」に関する自宅までの道路が渋滞している場合のメッセージMS2として、「配達員がかなり近くにいますが、混雑により時間がかかる可能性があります。」と表示されている。
このように、通知画面に事業者がいるエリアを表示することで、利用者は事業者があとどれくらいで到着するのかを見立てることができる。
また、道路が渋滞している場合には、混雑により時間がかかることを伝えるメッセージを通知画面に表示することにより、「事業者が近くまで来ているのに荷物がまだ届かない」ことに対する利用者の苛立ちやクレームを抑制することができる。また、「休憩中」や「作業中」等の配送に遅延が生じる事由が事業者に発生した場合にも、時間がかかることを伝えるメッセージを通知画面に表示することで、同様の効果を得られる。
【0069】
なお、上述した配送状況通知処理では、サーバ装置10は、事業者の位置情報を取得する際に、事業者の状態を取得しているが、事業者の状態を取得するタイミングはこれに限られない。例えば、サーバ装置10は、事業者端末20の通知アプリに事業者の状態が登録されたときに、登録された情報を取得してもよい。このとき、サーバ装置10は、登録された情報を配送事業者IDに対応付けて記憶する。この場合、事業者端末20の通知アプリは、事業者の状態とその予定時間とが登録されると、登録された情報をサーバ装置10に送信する。
【0070】
このように、本実施形態によれば、通知システム1のサーバ装置10は、利用者位置情報取得部113と、事業者位置情報取得部114と、距離算出部115と、通知部118とを有する。利用者位置情報取得部113は、利用者の位置情報を取得する。事業者位置情報取得部114は、利用者を訪問する事業者の位置情報を取得する。距離算出部115は、取得された利用者の位置情報と取得された事業者の位置情報とに基づき、事業者の位置と利用者の位置との距離を算出する。通知部118は、利用者の位置からの距離に応じた複数のエリアのうち事業者がいるエリアを、算出された距離に基づき利用者に通知する。
【0071】
このような構成により、通知システム1では、利用者の位置からの距離に応じた複数のエリアのうち、事業者がいるエリアを利用者に通知するため、利用者は事業者がいるおおよその距離を知ることができる。よって、通知システム1では、事業者の位置情報を通知することなく、利用者が事業者の到着時間を予想することができる。これにより、利用者は「少なくともあと○分は来ない」ことが見立てられるようになり、指定した時間帯(例えば、2時間)にずっと待っている必要がなくなる。また、事業者にとっても、利用者が到着予定時刻に合わせて行動することで、荷物を受け取れる確率が高まり、再配達を減らすことができる。また、荷物の情報や配送先の住所等の利用者の個人情報を通知システム1上で保持することが必須要件ではないため、セキュリティを高め、利用者のプライバシーを守ることができる。また、配送する荷物に関する情報を通知システム1に連携する必要がないため、配送事業者側とシステム接続しないことから運用上の制約事項も減り、安価にシステム構築が可能となり、通知システム1は様々な事業者で共通システムとして利用することも可能である。
【0072】
また、通知システム1のサーバ装置10は、事業者の状態を取得する状態取得部116を有する。通知部118は、事業者がいるエリアとともに、状態に応じたメッセージを利用者に通知する。このような構成により、事業者による配送に遅延が生じる事由(例えば、「休憩中」や「作業中」等)があるときに、配送まで時間がかかるメッセージ等を利用者に通知することができる。このようなメッセージを通知することで、「事業者が近くまで来ているのに荷物がまだ届かない」ことに対する利用者の苛立ちやクレームを抑制することができる。
【0073】
また、状態取得部116は、事業者の位置情報の変化に基づいて事業者の状態を推測する。これにより、事業者が通知アプリに状態を登録せずとも、配送に遅延が生じる事由が生じた場合には、自動的に事業者が「作業中」や「休憩中」であると推測し、配送まで時間がかかるメッセージ等を利用者に通知することができる。
【0074】
また、通知システム1のサーバ装置10は、交通情報を取得する交通情報取得部117を有する。通知部118は、取得された交通情報に基づき、事業者がいるエリアとともに、事業者の位置から利用者の位置までの交通状態に応じたメッセージを利用者に通知する。このような構成により、道路に渋滞が発生して配送に遅延が生じる場合等に、混雑により配送まで時間がかかるメッセージ等を利用者に通知することができる。このようなメッセージを通知することで、「事業者が近くまで来ているのに荷物がまだ届かない」ことに対する利用者の苛立ちやクレームを抑制することができる。
【0075】
また、通知部118は、予め設定された事業者の到着日にのみ通知する。例えば、配送状況を通知するためのURLを到着日当日のみ有効とする制御をする。これにより、通知システム1におけるセキュリティを高めることができる。また、利用者が到着日当日以外にURLにアクセスしても利用者に対して配送状況が通知されないため、事業者及び利用者のプライバシーを守ることもできる。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、上述した実施形態における通知システム1の全部又は一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0077】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0078】
例えば、上述した実施形態では、事業者が配送事業者の配達員である場合を例に説明したが、かかる例に限定されない。例えば、事業者は、訪問工事を行う修理業者等、利用者を訪問する事業者であればよい。訪問工事を行う修理業者が通知システム1を利用することにより、利用者は事業者の到着時間に合わせて行動できるようになり、また、業者にとっては電話で行っていた時間調整や連絡業務を少なくすることができる。
【符号の説明】
【0079】
1…通知システム、10…サーバ装置、11…制御部、111…アプリケーション制御部、112…有効判定部、113…利用者位置情報取得部、114…事業者位置情報取得部、115…距離算出部、116…状態取得部、117…交通情報取得部、118…通知部、12…通信部、13…記憶部、20…事業者端末、30…利用者端末