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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170103
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/29 20060101AFI20221102BHJP
   H01F 17/04 20060101ALI20221102BHJP
   H01F 27/30 20060101ALI20221102BHJP
   H01F 30/10 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
H01F27/29 125
H01F27/29 N
H01F17/04 A
H01F27/30 160
H01F30/10 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021075996
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000107804
【氏名又は名称】スミダコーポレーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】藤巻 孝成
【テーマコード(参考)】
5E043
5E070
【Fターム(参考)】
5E043AA01
5E043FA05
5E043FA06
5E043FA07
5E070AA11
5E070AB01
5E070BA08
5E070CA12
5E070EA02
5E070EB02
(57)【要約】
【課題】より確実に、端子部材の形状及びコイル部品100の性能を維持することが可能な構造のコイル部品を提供する。
【解決手段】コイル部品100は、ボビン部30と端子保持部50とを有する樹脂製のベース部材20と、ボビン部30に巻回されているコイル70と、端子保持部50に一部分が埋設されることにより端子保持部50に保持されているとともに、それぞれコイル70が電気的に接続されている金属製の複数の端子部材60と、を備え、端子部材60において、端子保持部50から突出している部分は、実装端子部65と、底面視において実装端子部65とは異なる位置に配置されているとともに、当該コイル部品100の下面側に露出しているスタンドオフ部67と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボビン部と端子保持部とを有する樹脂製のベース部材と、
前記ボビン部に巻回されているコイルと、
前記端子保持部に一部分が埋設されることにより前記端子保持部に保持されているとともに、それぞれ前記コイルが電気的に接続されている金属製の複数の端子部材と、
を備えるコイル部品であって、
前記端子部材において、前記端子保持部から突出している部分は、
実装端子部と、
底面視において前記実装端子部とは異なる位置に配置されているとともに、当該コイル部品の下面側に露出しているスタンドオフ部と、
を含むコイル部品。
【請求項2】
前記スタンドオフ部の下面は、前記実装端子部の下面よりも高い位置に配置されている請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記スタンドオフ部の下面は、水平に配置されている請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記スタンドオフ部の下面は、水平方向における一方向に長尺に形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記端子部材は、
実装面に対して起立している起立板部を含み、
前記起立板部において、底面視において前記実装端子部とは異なる位置に配置されている部分の少なくとも一部分が、前記スタンドオフ部を構成しており、
前記起立板部の下端面の少なくとも一部分が、前記スタンドオフ部の下面を構成している請求項4に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記端子部材は、
前記起立板部から下方に延出している下方延出部と、前記下方延出部の下端部から略水平に延出している水平延出部と、を含むL字状の部位を有し、
前記水平延出部が前記実装端子部を構成している請求項5に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記端子部材において、前記端子保持部から突出している部分は、前記コイルの端部が絡げられるとともに電気的に接続されている絡げ端子部を含み、
前記絡げ端子部と前記実装端子部とは、平面視において互いに異なる位置に配置されている請求項1から6のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記コイルは、樹脂被覆を有する被覆線により構成されており、
前記コイルは、前記ボビン部に巻回されている複数の巻回部を有し、
前記複数の巻回部どうしが前記樹脂被覆を介して相互に融着されている請求項1から7のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記コイルは、樹脂被覆を有する被覆線により構成されており、
前記コイルは、前記ボビン部に巻回されている複数の巻回部を有し、
前記複数の巻回部と前記ボビン部とが前記樹脂被覆を介して相互に融着されている請求項1から8のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項10】
平面視において、前記スタンドオフ部は、前記実装端子部と比べて、当該コイル部品の角部から遠くに配置されている請求項1から9のいずれか一項に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
コイル部品としては、例えば、特許文献1に記載のものがある。
特許文献1のコイル部品は、ボビン部(同文献にはボビンと記載)と、ボビン部に巻回されているコイルと、ボビン部に挿通されている磁性コア(同文献にはコア部材と記載)と、コイルが電気的に接続されている金属製の複数の端子部材(同文献には端子ピンと記載)と、を備えて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-188595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者の検討によれば、特許文献1のコイル部品は、端子部材の形状やコイル部品の性能を維持する観点で、なお改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、より確実に、端子部材の形状やコイル部品の性能を維持することが可能な構造のコイル部品を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、ボビン部と端子保持部とを有する樹脂製のベース部材と、
前記ボビン部に巻回されているコイルと、
前記端子保持部に一部分が埋設されることにより前記端子保持部に保持されているとともに、それぞれ前記コイルが電気的に接続されている金属製の複数の端子部材と、
を備えるコイル部品であって、
前記端子部材において、前記端子保持部から突出している部分は、
実装端子部と、
底面視において前記実装端子部とは異なる位置に配置されているとともに、当該コイル部品の下面側に露出しているスタンドオフ部と、
を含むコイル部品が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より確実に、端子部材の形状やコイル部品の性能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係るコイル部品の斜視図である。
図2】実施形態に係るコイル部品の分解斜視図である。
図3】実施形態に係るコイル部品の正面図である。
図4】実施形態に係るコイル部品の側面図である。
図5】実施形態に係るコイル部品の平面図である。
図6図6(a)は図5のA―A線に沿った断面図であり、図6(b)は図6(a)に示すA部の部分拡大図である。
図7図7(a)、図7(b)、図7(c)及び図7(d)は実施形態における端子部材(第1端子部材)を示しており、このうち図7(a)は斜視図、図7(b)は正面図、図7(c)は平面図、図7(d)は底面図である。
図8】実施形態における端子部材とその周辺構造を示す正面図であり、スタンドオフ部にコンタクトプローブを突き当てた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図1から図8を用いて説明する。
なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0010】
図1から図7(d)のいずれかに示すように、本実施形態に係るコイル部品100は、ボビン部30と端子保持部50とを有する樹脂製のベース部材20と、ボビン部30に巻回されているコイル70と、端子保持部50に一部分が埋設されることにより端子保持部50に保持されているとともに、それぞれコイル70が電気的に接続されている金属製の複数の端子部材60と、を備える。
図7(d)に示すように、端子部材60において、端子保持部50から突出している部分は、実装端子部65と、底面視において実装端子部65とは異なる位置に配置されているとともに、当該コイル部品100の下面側に露出しているスタンドオフ部67と、を含む。
【0011】
コイル部品100の電気的特性の検査の際は、この検査において、図8に示すように、一例として、コンタクトプローブ310の先端を端子部材60に突き当てることにより、端子部材60を介してコイル部品100に電流を印加する。
【0012】
本実施形態によれば、端子部材60は、実装端子部65と、底面視において実装端子部65とは異なる位置に配置されているとともに、当該コイル部品100の下面側に露出しているスタンドオフ部67と、を含む。
これにより、電気的特性の検査を行う際に、スタンドオフ部67に対してコンタクトプローブ310を接触させることにより、コイル部品100に電流を印加することができる。よって、コンタクトプローブ310が実装端子部65に対して強く押圧されることにより実装端子部65が変形してしまうことなどを抑制できる。
更には、実装端子部65の外表面には、例えば、錫などによるメッキ層(不図示)が形成されているが、実装端子部65にコンタクトプローブ310を接触させずにコイル部品100に電流を印加することができるので、当該メッキ層を良好に維持することができる。よって、実装端子部65において、露銅などによる腐食や緑青が生じることを抑制できるので、コイル部品100の性能を良好に維持することができる。
このように、本実施形態によれば、より確実に、実装端子部65ひいては端子部材60の形状や、コイル部品の性能を良好に維持することができる。
【0013】
以下の説明では、上下方向をZ方向と称する。下(下方)は、実装端子部65(図1等)が配置されている側、すなわちコイル部品100が実装される実装面側である。ただし、コイル部品100の製造時や使用時における各部の位置関係(特に上下の位置関係)は、本明細書で説明する位置関係に限らない。
挿通孔36の軸方向は、Z方向に対して直交する方向に延在している。挿通孔36の軸方向をY方向と称し、Y方向における一方を前(前方)と称し、他方を後(後方)と称する。
また、Y方向とZ方向との双方に対して直交する方向をX方向と称し、X方向における一方を右(右方)と称し、他方を左(左方)と称する。
これらの方向については、各図に示している。
更に、Y方向において、コイル70の軸方向における中心位置がある側を内方(内側)と称し、内方とは反対側を外方(外側)と称する。同様に、X方向において、コイル70の左右方向における中心位置がある側を内方(内側)と称し、内方とは反対側を外方(外側)と称する。
また、Z方向に対して直交する向き(方向)を水平(水平方向)と称し、Z方向に沿う向き(方向)を鉛直(鉛直方向)と称する。
【0014】
コイル部品100は、例えば、ボビン部30に挿通されている磁性コア10を備えている。
本実施形態の場合、磁性コア10は、例えば、前後一対のコア部材、すなわち前側に配置されている第1磁性コア11aと、後側に配置されている第2磁性コア11bと、を備えている。
より詳細には、第1磁性コア11a及び第2磁性コア11bの各々は、例えば、いわゆるEコアであり、平面形状がE字状に形成されている(図2参照)。
第1磁性コア11aは、左右方向に延在している基部12と、基部12の両端部からそれぞれ後方に突出している一対の外脚部13と、基部12の中間部から後方に突出している挿入部15と、を備えている。なお、基部12からの外脚部13及び挿入部15の突出方向は、コイル70の軸方向と同方向となっている。
基部12は、例えば、左右に長尺であるとともに、軸方向に対して直交する横断面形状が矩形状の角柱状に形成されている。基部12において、軸回りに配置されている4面のうち2面は、それぞれ水平な上面及び下面であり、残りの2面のうち一方(以下、内面)はボビン部30側を向いており、他方(以下、外面)はボビン部30の反対側を向いている。本実施形態の場合、基部12の内面が第1磁性コア11aの内側面を構成しており、基部12の外側面12dが第1磁性コア11aの外側面を構成している。
各外脚部13及び挿入部15は、例えば、前後に長尺であるとともに、軸方向に対して直交する横断面形状が矩形状の角柱状に形成されている。基部12において、軸回りに配置されている4面のうち2面は、それぞれ水平な上面及び下面であり、残りの2面のうち一方は右方を向いており、他方は左方を向いている。
基部12、各外脚部13及び挿入部15は、例えば、互いに同一の上下寸法に設定されている。第1磁性コア11aにおいて、基部12の上面と、外脚部13の上面及び挿入部15の上面と、は互いに面一に配置されている。すなわち、第1磁性コア11aにおける全体の上面は、平坦に形成されており、且つ、水平に配置されている。同様に、第1磁性コア11aにおいて、基部12の下面と、外脚部13の下面及び挿入部15の下面と、は互いに面一に配置されている。すなわち、第1磁性コア11aにおける全体の下面は、平坦に形成されており、且つ、水平に配置されている。
【0015】
本実施形態の場合、図2に示すように、第2磁性コア11bは、例えば、第1磁性コア11aと同一の形状に形成されている。すなわち、第2磁性コア11bは、基部12と、一対の外脚部13と、挿入部15と、を備えている。基部12は、上面と、下面と、内面及び外面と、を有する。
第2磁性コア11bは、第1磁性コア11aとは前後対称に配置されている。
【0016】
第1磁性コア11a及び第2磁性コア11bの各々の各外脚部13の突出方向における先端面は、平坦に形成されており、且つコイル70の軸方向に対して直交する鉛直面となっている。
同様に、第1磁性コア11a及び第2磁性コア11bの各々の挿入部15の突出方向における先端面は、平坦に形成されており、且つコイル70の軸方向に対して直交する鉛直面となっている。
基部12の内面並びに外面も、平坦に形成されており、且つコイル70の軸方向に対して直交する鉛直面となっている。第1磁性コア11aの内面と第2磁性コア11bの内側面とは互いに対向しており、第1磁性コア11aの外側面と第2磁性コア11bの外側面とは互いに反対方向を向いている。
【0017】
図2に示すように、ボビン部30は、例えば、筒部31と、筒部31の軸方向における両端部にそれぞれ設けられている一対の鍔部40と、を備えている。
筒部31には、軸方向に貫通する挿通孔36を有する角筒形状に形成されている。
筒部31は、例えば、図2に示すように、それぞれ水平に配置されている上壁部及び下壁部と、それぞれ鉛直に配置されている右側壁部及び左側壁部と、を備えて構成されている。
例えば、挿通孔36の内部空間は角柱形状となっている。挿通孔36の内周面の底面(内周底面)及び天面はそれぞれ水平面となっており、挿通孔36の内周面における左側面及び右側面はそれぞれ鉛直面となっている。
【0018】
図2図3及び図4に示すように、ボビン部30は、例えば、前後一対の鍔部40、すなわち前側に配置されている第1鍔部41と、後側に配置されている第2鍔部42と、を有する。
第1鍔部41及び第2鍔部42の各々は、例えば、筒部31の両端部から筒部31の左方及び右方に向けて張り出している。
より詳細には、第1鍔部41及び第2鍔部42の各々は、例えば、筒部31の軸方向に対して直交する平板状に形成されている。
第1鍔部41の前後寸法(厚み寸法)は、第2鍔部42の前後寸法(厚み寸法)と同等である。第1鍔部41の左右寸法は、第2鍔部42の左右寸法と同等であり、第1鍔部41の上下寸法は、第2鍔部42の上下寸法と同等である。
また、第1鍔部41の右端面と第2鍔部42の右端面とは互いに面一に配置されており、第1鍔部41の左端面と第2鍔部42の左端面とは互いに面一に配置されている。
【0019】
図2に示すように、更に、ボビン部30は、第1鍔部41の上縁から前方及び左右方向に張り出している第1張出部46を有する。
第1張出部46は、例えば、左右一対の角状部46aと、角状部46aどうしを連結している連結部46bと、を含む。
左右一対の角状部46aの各々は、略直方体形状に形成されている。図5に示すように、右側の角状部46aは、第1鍔部41の右端面よりも右方に張り出しており、左側の角状部46aは、第1鍔部41よりも左端面よりも左方に張り出している。
左右一対の角状部46aの各々の前面は、第1鍔部41の前面よりも前方に配置されている。左右一対の角状部46aの各々の後面は、第1鍔部41の後面と面一に配置されている。
連結部46bは、例えば、左右方向に長尺な略直方体形状に形成されている。連結部46bの右側端は、右側の角状部46aと接続されており、連結部46bの左側端は、左側の角状部46aと接続されている。
連結部46bの前面は、第1鍔部41の前面よりも前方、且つ、左右一対の角状部46aの前面よりも後方に配置されている。連結部46bの後面は、第1鍔部41の後面と面一に配置されている。
連結部46bの上面は、左右一対の角状部46aの各々上面よりも僅かに下方に配置されている。
【0020】
同様に、図2及び図5に示すように、ボビン部30は、第2鍔部42の上縁から前方及び左右方向に張り出している。第2張出部47を有する。
第2張出部47は、例えば、第1張出部46と同様に、左右一対の角状部46aと、角状部46aどうしを連結している連結部46bと、を含む。
ただし、図5に示すように、左右方向において、第2張出部47の連結部46bの寸法は、第1張出部46の連結部46bの寸法よりも大きい寸法に設定されている。また、左右方向において、第2張出部47の各角状部46aの寸法は、第1張出部46の各角状部46aの寸法よりも小さい寸法に設定されている。また、第2張出部47の各角状部46aの上面は、第2張出部47の連結部46bの上面と面一に配置されている。
第2張出部47の右側の角状部46aの右端面は、第1張出部46の右側の角状部46aの右端面と面一に配置されている。同様に、第2張出部47の左側の角状部46aの左端面は、第1張出部46の左側の角状部46aの左端面と面一に配置されている。
【0021】
図2図3及び図4に示すように、ベース部材20は、端子保持部50として、前側に配置されている第1端子保持部52と、後側に配置されている第2端子保持部55と、を備えている。
第1端子保持部52及び第2端子保持部55の各々は、例えば、左右に長尺で、且つ、上下寸法よりも前後寸法が小さい扁平形状の略角柱状に形成されている。
第1端子保持部52は、第1鍔部41の下縁から前方及び左右方向に張り出している。第2端子保持部55は、第2鍔部42の下縁から後方及び左右方向に張り出している。
第1端子保持部52及び第2端子保持部55の各々の上面には、下方に向けて窪んでいる凹部57が形成されている。第1端子保持部52の凹部57は、前方に向けて開放しており、第2端子保持部55の凹部57は、後方に向けて開放している。
本実施形態の場合、第1端子保持部52の前後寸法は、第2端子保持部55の前後寸法と同等である。第1端子保持部52の上下寸法は、第2端子保持部55と同等である。第1端子保持部52の左右寸法は、第2端子保持部55の左右寸法と同等である。
ただし、第1端子保持部52と第2端子保持部55との互いの寸法関係は、特に限定されず、第1端子保持部52と第2端子保持部55とは互いに異なる寸法であってもよい。
【0022】
更に、本実施形態の場合、端子保持部50は、左右方向における第1端子保持部52の中央部から下方に向けて延出している第1延出部53と、左右方向における第2端子保持部55の中央部から下方に向けて延出している第2延出部56と、を有する。
より詳細には、左右方向における第1端子保持部52の中央部には、下方及び前後方向に向けて開放している切欠形状部54が形成されている。第1延出部53は、第1端子保持部52における切欠形状部54の形成領域に形成されている。
同様に、左右方向における第2端子保持部55の中央部には、下方及び前後方向に向けて開放している切欠形状部54が形成されている。第2延出部56は、第2端子保持部55における切欠形状部54の形成領域に形成されている。
第1延出部53及び第2延出部56の各々の下面は、平坦に形成されているとともに、水平に配置されている。
第1延出部53及び第2延出部56の各々の下面は、上下方向において、互いに同等の高さ位置に配置されている。
第1延出部53及び第2延出部56の各々の下面は、第1端子保持部52及び第2端子保持部55の各々の下面よりも下方に配置されている。より詳細には、本実施形態の場合、端子保持部50の下面は、第1延出部53及び第2延出部56の各々の下面によって構成されている。
【0023】
上述のように、コイル部品100は、コイル70に対して電気的に接続されている金属製の複数(例えば、4つ)の端子部材60を備えている。
各端子部材60は、例えば、板状の金属部材を折り曲げ形成することにより構成されている。各端子部材60は、例えば、互いに同一の形状に形成されている。
より詳細には、端子部材60は、例えば、実装面に対して起立している起立板部68を含む。
本実施形態の場合、起立板部68において、底面視において実装端子部65とは異なる位置に配置されている部分の少なくとも一部分が、スタンドオフ部67を構成している。起立板部68の下端面の少なくとも一部分が、スタンドオフ部67の下面67aを構成している。
このため、コイル70に電流を印加する際に、実装端子部65とスタンドオフ部67とのうちスタンドオフ部67に対して選択的にコンタクトプローブ310を接触させることができる。よって、実装端子部65の形状やコイル部品100の性能を良好に保つことができる。
【0024】
更に、端子部材60は、例えば、起立板部68から下方に延出している下方延出部68aと、下方延出部68aの下端部から略水平に延出している水平延出部68bと、を含むL字状の部位を有し、水平延出部68bが実装端子部65を構成している。
これにより、コイル70に電流を印加する際に、より確実に、実装端子部65とスタンドオフ部67とのうちスタンドオフ部67に対して選択的にコンタクトプローブ310を接触させることができる。
【0025】
ここで、スタンドオフ部67の下面67aは、実装端子部65の下面65aよりも高い位置に配置されていることが好ましい。
このようにすることにより、コイル70に電流を印加する際に、更に確実に、実装端子部65とスタンドオフ部67とのうちスタンドオフ部67に対して選択的にコンタクトプローブ310を接触させることができる。
【0026】
また、スタンドオフ部67の下面67aは、水平に配置されていることが好ましい。
より詳細には、図8に示すように、コンタクトプローブ310は鉛直に延在している。このため、このような構成によれば、コイル70に電流を印加する際に、コンタクトプローブ310の先端部を、スタンドオフ部67の下面67aに対して均等に接触させることができる。よって、コンタクトプローブ310の先端部を、スタンドオフ部67の下面67aに対して強く押し当てたとしても、スタンドオフ部67の形状を良好に維持することができる。このため、例えば、電気的特性の検査を再現性良く繰り返し行うことができる。
【0027】
更に、スタンドオフ部67の下面67aは、水平方向における一方向に長尺に形成されている。
このようにすることにより、水平方向におけるスタンドオフ部67の下面67aの寸法を十分に確保できるので、コンタクトプローブ310の先端部を、スタンドオフ部67の下面67aに対して良好に接触させることができる。
更には、より先端部の外径が大きいコンタクトプローブ310を用いることができるので、より大きな電流を長時間に亘ってコイル部品100に印加することができる。これにより、カレントトランスでの実動作試験、エージング試験及びドロップ電圧を測定することでの端子部材60の接合不良の検出などを行うことができる。
【0028】
図4に示すように、端子部材60において、端子保持部50から突出している部分は、コイル70の端部が絡げられるとともに電気的に接続されている絡げ端子部66を含む。
絡げ端子部66と実装端子部65とは、平面視において互いに異なる位置に配置されている。
これにより、コイル70の端部を絡げ端子部66に対して固定する際に、半田処理に使用するフラックスやレーザー溶接により生じるスス等が実装端子部65に付着してしまうことを抑制できる。よって、より確実に、コイル部品100の性能を良好に保つことができる。
図1図4及び図5等に示すように、端子部材60は、例えば、起立板部68から上方に延出している上方延出部と、上方延出部の上端部から略水平に延出している第2水平延出部と、を含むL字状の部位を有し、第2水平延出部が絡げ端子部66を構成している。
本実施形態の場合、図4及び図5に示すように、絡げ端子部66の突出方向と実装端子部65の突出方向とは、互いに同方向である。また、図7(b)に示すように、絡げ端子部66及び実装端子部65の突出方向における先端側から視て、絡げ端子部66と実装端子部65とは、水平方向において互いにオフセットされた位置に配置されている。
【0029】
より詳細には、図7(b)及び図7(c)に示すように、起立板部68は、例えば、略矩形状の平板状に形成されている。起立板部68は、例えば、鉛直に配置されている。起立板部68の上端面及び下端面の各々は、例えば、水平に配置されている。起立板部68の板面は、例えば、前後方向を向いている。
下方延出部68aは、例えば、左右方向における起立板部68の下端面の一端部に形成されている。実装端子部65(水平延出部68b)は、例えば、起立板部68の板面に対して直交する方向における一方に突出している。実装端子部65の下面65aは、起立板部68の下端面よりも下方に配置されている。
ただし、下方延出部68aは、例えば、左右方向における起立板部68の下端面の中央部に形成されていてもよい。
上方延出部は、例えば、起立板部68の上端面において、左右方向における下方延出部68aが形成されている側とは反対側の端部に形成されている。絡げ端子部66(第2水平延出部)は、例えば、絡げ端子部66は、実装端子部65の突出方向と同方向に突出している。絡げ端子部66の上面は、起立板部68の上端面よりも上方に配置されている。
図7(c)及び図7(d)に示すように、実装端子部65の先端面(突出方向における先端)と、絡げ端子部66の先端面(突出方向における先端)とは、例えば、互いに面一に配置されている。
【0030】
また、各端子部材60は、例えば、端子保持部50に埋設されている部分と、埋設されていない部分と、を含み、埋設されている部分は、起立板部68の上部と、起立板部68から上方に延出している上方延出部と、絡げ端子部66の基端部(突出方向とは反対側の端部)とである。各端子部材60の起立板部68の下部は、端子保持部50の下面から下方に露出している。
本実施形態の場合、スタンドオフ部67は、例えば、起立板部68における端子保持部50から下方に露出している部分(下部)である。また、スタンドオフ部67の下面(下端面)67aは、例えば、起立板部68の下端面における下方延出部68aの非形成領域である。このように、起立板部68が端子保持部50に埋設されており、起立板部68の一部分がスタンドオフ部67となっているので、スタンドオフ部67は下方からの力による変形が抑制された構造である。したがって、スタンドオフ部67の下面67aにコンタクトプローブ310を強く押し当てたとしても、スタンドオフ部67の形状を良好に維持することができる。
【0031】
図7(c)に示すように、実装端子部65の長さ寸法(突出方向における寸法)は、例えば、絡げ端子部66の長さ寸法(突出方向における寸法)と略同等の寸法に設定されている。また、実装端子部65の幅寸法(左右方向における寸法)は、例えば、絡げ端子部66の幅寸法(左右方向における寸法)よりも大きい寸法に設定されている。
また、図7(b)、図7(c)及び図7(d)に示すように、左右方向における起立板部68の寸法は、例えば、実装端子部65の幅寸法(左右方向における寸法)よりも大きい寸法に設定されている。
これにより、起立板部68の構造的強度を十分に確保できるので、コンタクトプローブ310をスタンドオフ部67に強く突き当てたとしても、スタンドオフ部67の形状を良好に維持することができる。また、コイル部品100に対して衝撃や振動が加わったとしても、スタンドオフ部67と実装端子部65との境界部(下方延出部68a)に応力が集中してしまうことを抑制できる。よって、より確実に端子部材60の形状を維持することができる。
更に、スタンドオフ部67の下面67aと実装端子部65の下面65aとの高低差は、例えば、実装端子部65の突出長よりも短い。
これにより、実装端子部65によって、コイル部品100における実装端子部65よりも上側の部分を安定的に支持することができるので、振動に対するコイル部品100の耐久性を向上させることができる。
【0032】
一例として、4つの端子部材60のうち、2つの端子部材60(以下、一対の第1端子部材61)が第1端子保持部52によって保持されており、残りの2つの端子部材60(以下、一対の第2端子部材62)が第2端子保持部55によって保持されている。
より詳細には、コイル部品100は、一対の第1端子部材61として、コイル70の軸心を基準として、右側に配置されている第1端子部材61と、左側に配置されている第1端子部材61と、を有する。同様に、コイル部品100は、一対の第2端子部材62として、コイル70の軸心を基準として、右側に配置されている第2端子部材62と、左側に配置されている第2端子部材62と、を有する。
【0033】
ここで、図5に示すように、平面視において、スタンドオフ部67は、実装端子部65と比べて、コイル部品100の角部80aから遠くに配置されていることが好ましい。
このようにすることにより、実装端子部65がスタンドオフ部67よりも外側に配置された構成となるので、実装端子部65によって、コイル部品100における実装端子部65よりも上側の部分を安定的に支持することができる。
より詳細には、本実施形態、各端子部材60は、左右方向において、スタンドオフ部67の少なくとも一部分が、実装端子部65よりもコイル70の軸心側に位置した状態で、端子保持部50(第1端子保持部52及び第2端子保持部55)によって保持されている。
また、図5に示すように、本実施形態の場合、コイル部品100は、右前、左前、右後及び左後に配置されている4つの角部80aを備えている。そして、各スタンドオフ部67は、対応する実装端子部65と比べて、4つの角部80aうち最も近傍に配置されている角部80aから遠くに配置されている。すなわち、右側の第1端子部材61のスタンドオフ部67は、対応する実装端子部65と比べて、右前の角部80aから遠くに配置されている。同様に、左側の第1端子部材61のスタンドオフ部67は、対応する実装端子部65と比べて、左前の角部80aから遠くに配置されており、右側の第2端子部材62のスタンドオフ部67は、対応する実装端子部65と比べて、右後の角部80aから遠くに配置されており、左側の第2端子部材62のスタンドオフ部67は、対応する実装端子部65と比べて、左後の角部80aから遠くに配置されている。
【0034】
図5に示すように、右側の第1端子部材61の実装端子部65及び絡げ端子部66は、例えば、それぞれ前方に向けて突出している。また、起立板部68の下端面における右側端部に下方延出部68aが形成されている。したがって、実装端子部65は、起立板部68の右側に配置されている。起立板部68の上端面における左側端部に上方延出部が形成されている。したがって、絡げ端子部66は、起立板部68の左側に配置されている。
【0035】
図7(a)及び図7(b)等に示すように、左側の第1端子部材61は、右側の第1端子部材61と左右対称の位置に配置されている。よって、左側の第1端子部材61の実装端子部65は、起立板部68の左側に配置されており、絡げ端子部66は、起立板部68の右側に配置されている。
【0036】
例えば、一対の第2端子部材62は、一対の第1端子部材61と前後対称の位置に配置されている。よって、各第2端子部材62の実装端子部65及び絡げ端子部66は、例えば、それぞれ後方に向けて突出している。
【0037】
また、上下方向において、端子保持部50からの起立板部68(スタンドオフ部67)の突出長(図3に示す寸法L1)は、特に限定されないが、0.3mm以上0.9mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.6mm以上0.8mm以下であることが好ましい。このようにすることにより、振動に対するコイル部品100の耐久性を向上させることができる。
また、上下方向において、起立板部68における、端子保持部50に埋設されている部分の寸法(図3に示す寸法L2)は、特に限定されないが、例えば、0.5mm以上1.1mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.6mm以上0.8mm以下であることが好ましい。このようにすることにより、起立板部68にひいてはスタンドオフ部67を端子保持部50によって安定的に保持できる。よって、スタンドオフ部67の変形を抑制できるので、例えば、電気的特性の検査を、再現性良く繰り返し行うことができる。
【0038】
図3図6(a)及び図6(b)に示すように、本実施形態の場合、コイル70は、例えば、樹脂被覆72を有する被覆線71により構成されており、コイル70は、ボビン部30に巻回されている複数の巻回部75を有する。
本実施形態の場合、第1鍔部41及び第1張出部46の後面によって、巻回部75の前端の位置が規定されており、第2鍔部42及び第2張出部47の前面によって、巻回部75の後端が規定されている。
より詳細には、本実施形態の場合、コイル部品100は、例えば、コイル70として、第1コイルと、第2コイルと、を有する。
第1コイル及び第2コイルは、それぞれ被覆線71によって構成されている。コイル70の被覆線71は、ボビン部30の筒部31の周囲に巻回されている。筒部31の周囲に巻回された被覆線71によって、複数の巻回部75(図2参照)が構成されている。図3に示すように、各被覆線71の両端部において、金属線材73が樹脂被覆72から外部に露出している。そして、各被覆線71の両端部の金属線材73が、それぞれ巻回部75から引き出され対応する絡げ端子部66に対して絡げられることで、当該端子部材60に対して電気的に接続されている。本実施形態の場合、各被覆線71の両端部は、半田66aによって実装端子部65に対して固定されている。
なお、例えば、被覆線71において、巻回部75から絡げ端子部66に向けて引き出されている部分の樹脂被覆72がベース部材20に対して融着していてもよい。これにより、振動に対するコイル部品100の強度を向上させることができる。
図6(b)に示すように、被覆線71は、例えば、金属線材73を含む。樹脂被覆72は、金属線材73の外表面に対してコーティングされている。
【0039】
ここで、図6(b)に示すように、本実施形態の場合、複数の巻回部75どうしが樹脂被覆72を介して相互に融着されている。
これにより、巻回部75の形状、すなわち被覆線71が巻回された状態を良好に維持することができる。
より詳細には、図6(b)に示すように、互いに隣接している巻回部75の樹脂被覆72どうしが融着されている。なお、各巻回部75において、金属線材73の全体が樹脂被覆72によって覆われていることが好ましい。換言すると、巻回部75において、金属線材73は樹脂被覆72の外部に露出していないことが好ましい。
【0040】
更に、図6(b)に示すように、本実施形態の場合、複数の巻回部75とボビン部30とが樹脂被覆72を介して相互に融着されている。
これにより、ボビン部30に対する各巻回部75の相対的な変位を規制することができる。
より詳細には、筒部31の外周面に沿って巻回されている巻回部75の樹脂被覆72が、当該外周面に対して融着されている。
【0041】
図1図2及び図6等に示すように、カバー部材80は、例えば、ボビン部30の上方を覆う天面部81を備えている。より詳細には、カバー部材80は、天面部81の周縁部からそれぞれ下方に延出している第1側壁部82a及び第2側壁部82bと、天面部81の周縁部から下方に延出している下方延出部84と、を有する。
天面部81は、例えば、平坦な平板状に形成されており、水平に配置されている。図5に示すように、天面部81の平面形状は、例えば、略矩形状となっている。天面部81における前左側の部分は、角部が一部切除された切欠形状部となっている。この切欠形状部によって、カバー部材80の向きを容易に判別することができる。
カバー部材80が天面部81を有することによって、コイル部品100を基板に実装する際に、マウンタによって天面部81を吸着することができ、コイル部品100を基板に実装する作業を容易に行うことができる。なお、天面部81は、例えば、平坦に形成されていなくてもよい。
第1側壁部82a及び第2側壁部82bの各々は、平坦な平板状に形成されており、鉛直に配置されている。
第1側壁部82aは、例えば、天面部81の右側端部の下面から下方に延出しており、第2側壁部82bは、例えば、天面部81の左側端部の下面から下方に延出している。図5に示すように、例えば、左右方向において、第1側壁部82aと第2側壁部82bとは互いに対向している。
第1側壁部82aの右側面は、天面部81の右側面と面一に配置されており、第2側壁部82bの左側面は、天面部81の左側面と面一に配置されている。
下方延出部84は、例えば、平坦な平板状に形成されており、鉛直に配置されている。下方延出部84は、例えば、前後方向おいて、天面部81の後端部の中央部から下方に延出している。下方延出部84の後面は、天面部81の後端面と面一に配置されている。
【0042】
第1磁性コア11a及び第2磁性コア11bの各々は、それらの全体が磁性材料によって一体成形されている。
ベース部材20(ボビン部30及び端子保持部50)は、例えば、その全体が樹脂等の絶縁材料により一体成形されている。
カバー部材80は、例えば、その全体が樹脂等の絶縁材料によって一体成形されている。
【0043】
本実施形態の場合、カバー部材80は、例えば、ボビン部30の上端部を覆うよう当該ボビン部30に対して装着されている。より詳細には、図2図3及び図6(a)等に示すように、天面部81は、ボビン部30の上方を覆っており、第1側壁部82aはボビン部30の上端部の右方を覆っており、第2側壁部82bはボビン部30の上端部の左方を覆っている。
【0044】
図6(a)に示すように、天面部81の内面(下面)と、第1張出部46の上端面及び第2張出部47の上端面の各々とは、例えば、互いに面接触している。ただし、天面部81の内面と、第1張出部46の上端面及び第2張出部47の上端面の各々とは、互いに近接した状態で対向していてもよい。
図3に示すように、第1側壁部82aの内面は、第1鍔部41の右側面及び第2鍔部42の右側面の各々に対して平行に対向して配置されていることが好ましい。第2側壁部82bの内面は、第1鍔部41の左側面及び第2鍔部42の左側面の各々に対して平行に対向して配置されていることが好ましい。
【0045】
第1磁性コア11aの挿入部15は、ボビン部30の挿通孔36の前側の開口を介して、当該挿通孔36に挿入されている(図6(a)参照)。同様に、第2磁性コア11bの挿入部15は、ボビン部30の挿通孔36の後側の開口を介して、当該挿通孔36に挿入されている。
第1磁性コア11aの挿入部15の先端面と第2磁性コア11bの挿入部15の先端面とは、挿通孔36の内部において互いに突き合わされている。すなわち、第1磁性コア11aの挿入部15の先端面と第2磁性コア11bの挿入部15の先端面とは、互いに面接触している。
第1磁性コア11aと第2磁性コア11bとによって、閉磁路が構成されている。
なお、図6に示すように、ボビン部30にはコイル70が巻回されており、ボビン部30に挿入部15が挿通されているため、コイル70は、磁性コア10の周囲に巻回されていることになる。
【0046】
図3及び図4に示すように、第1磁性コア11aの左右の外脚部13は、ボビン部30の外側に配置されている。右側の外脚部13の内面は、第1鍔部41の右側面及び第2鍔部42の右側面の各々と対向しており、左側の外脚部13の内面は、第1鍔部41の左側面及び第2鍔部42の左側面の各々と対向している。第1磁性コア11aの基部12は、ボビン部30の前側に配置されており、当該基部12の内面は、第1鍔部41の前面と対向している。
より詳細には、第2磁性コア11bの左右の外脚部13は、ボビン部30の外側に配置されている。右側の外脚部13の内面は、第1鍔部41の右側面及び第2鍔部42の右側面の各々と対向しており、左側の外脚部13の内面は、第1鍔部41の左側面及び第2鍔部42の左側面の各々と対向している。第2磁性コア11bの基部12は、ボビン部30の後側に配置されており、当該基部12の内面は、第2鍔部42の後面と対向している。
第1磁性コア11aの右側の外脚部13の先端面と、第2磁性コア11bの右側の外脚部13の先端面とは、互いに突き合わされている。すなわち、第1磁性コア11aの右側の外脚部13の先端面と、第2磁性コア11bの右側の外脚部13の先端面とは、互いに面接触している。同様に、第1磁性コア11aの左側の外脚部13の先端面と、第2磁性コア11bの左側の外脚部13の先端面とは、互いに突き合わされている。
挿入部15の下面は、挿通孔36の内周の底面に沿って配置されている。
【0047】
図6(a)に示すように、第1磁性コア11aと第2磁性コア11bの下面どうしは、互いに同一平面上に配置されている。
第1磁性コア11aの基部12は、第1端子保持部52の上側に配置されており、当該第1端子保持部52の上面に沿って配置されている。
第2磁性コア11bの基部12は、第2端子保持部55の上側に配置されており、当該第2端子保持部55の上面に沿って配置されている。第1磁性コア11a及び第2磁性コア11bの下面と、端子保持部50(第1端子保持部52及び第2端子保持部55)の上面とは、互いに面接触していてもよいし、互いに近接した状態で対向していてもよい。
【0048】
ここで、本実施形態の場合、カバー部材80は、天面部81の周縁部から下方に延出している第2下方延出部87を有し、第2下方延出部87は、係合爪88を有する。図7に示すように、係合爪88がボビン部30に対して係合している。
これにより、カバー部材80がボビン部30に対して装着されている状態を良好に維持することができる。
より詳細には、カバー部材80は、ボビン部30を基準として前側に配置されている左右一対の第2下方延出部87a(図2参照)と、ボビン部30を基準として後側に配置されている左右一対の第2下方延出部87b(図2参照)と、を有する。
図6(a)に示すように、前側の一対の第2下方延出部87aは、天面部81の下面における前縁部から下方に向けて延出している。前側の一対の第2下方延出部87aは、例えば、ボビン部30の第1張出部46に対して係合している。
後側の一対の第2下方延出部87bは、天面部81の下面における後縁部から下方に向けて延出している。後側の一対の第2下方延出部87aは、例えば、ボビン部30の第2張出部47に対して係合している。
このような構成によれば、前側の第2下方延出部87aと後側の第2下方延出部87bとの双方が、係合構造によってボビン部30に対して係合しているため、前後方向において、ボビン部30に対するカバー部材80の相対的な変位を規制することができる。
更に、2つの第2下方延出部87(第2下方延出部87a及び第2下方延出部87b)が、左右方向において、互いに並んで形成されていることによって、ボビン部30に対するカバー部材80のZ軸周りにおける相対的な変位を規制することができる。
【0049】
一対の第2下方延出部87aの各々は、例えば、平板状に形成されている平板部を有し、当該平板部の板面は前後方向を向いている。一対の第2下方延出部87aの各々の平板部の前端面は、例えば、天面部81の前端面と面一に配置されている。
図5及び図6(a)に示すように、一対の第2下方延出部87aの各々の係合爪88は、例えば、平板部の後端面からボビン部30側(後方)に突出している。係合爪88の上面は、平坦に形成されており、水平に配置されている。一方、係合爪88の下端部の一部分は、面取形状となっている。また、係合爪88の先端面88a(突出方向における先端)は、平坦に形成されており、鉛直に配置されている。
また、図5に示すように、天面部81には、当該天面部81を上下方向に貫通している第1スリット部89aが形成されている。第1スリット部89aは、左右方向において略直線状に延在している。第1スリット部89aは、前後方向において一対の第2下方延出部87aの平板部と隣接しており、当該平板部よりも前側に配置されている。
【0050】
図1及び図2等に示すように、左右一対の第2下方延出部87bの各々は、例えば、左右一対の第2下方延出部87aと前後対称の形状に形成されている。すなわち、一対の第2下方延出部87bの各々は、平板部と、平板部の前端面から前方に突出している係合爪88と、を有する。一対の第2下方延出部87bの各々の平板部の後端面は、天面部81の後端面と面一に配置されている。
ただし、図2に示すように、後側の第2下方延出部87bは、例えば、左右方向において、下方延出部84を間に挟むようにして、天面部81の前縁部の右側と左側とのそれぞれに形成されている。換言すると、下方延出部84は、右側の第2下方延出部87bと左側の第2下方延出部87bとの間に配置されている。
また、図1図2及び図5に示すように、天面部81には、当該天面部81を上下方向に貫通している左右一対の第2スリット部89bが形成されている。一対の第2スリット部89bは、それぞれ左右方向において略直線状に延在している。右側の第2スリット部89bは、前後方向において右側の第2下方延出部87bの平板部と隣接しており、当該平板部よりも後側に配置されている。同様に、左側の第2スリット部89bは、前後方向において左側の第2下方延出部87bの平板部と隣接しており、当該平板部よりも後側に配置されている。
【0051】
ここで、図2図5図6(a)に示すように、第1張出部46の連結部46bには、前側の一対の第2下方延出部87aがそれぞれ係合している左右一対の被係合部48が形成されている。
右側の被係合部48は、連結部46bの前面における右側端部に形成されており、左側の被係合部48は、連結部46bの前面における左側端部に形成されている。
各被係合部48は、例えば、連結部46bの前面から前方に向けて突出している。より詳細には、各被係合部48の上部は、連結部46bの前面からの突出量が下方に向けてテーパー状に増大しており、各被係合部48の下部は、連結部46bの前面からの突出量が一定となっている。
各被係合部48の下部の下面は、例えば、平坦に形成されており、水平に配置されている。
【0052】
図3に示すように、各被係合部48に対して、1つずつの第2下方延出部87aの係合爪88が係合している。カバー部材80がボビン部30に対して外挿される際に、一対の第2下方延出部87aは、対応する被係合部48の上部に沿って当該被係合部48の下部に向けて案内される。
被係合部48の下部の突出長(前後寸法)は、例えば、係合爪88の突出長(前後寸法)よりも僅かに小さい寸法に設定されている。上下方向において、被係合部48の下部の下面の高さ位置は、係合爪88の上面の高さ位置と略同等の高さ位置に設定されている。また、前後方向において、被係合部48の下部の前端面は、第2下方延出部87aの平板部の後端面の一部分と対向している。
また、図5に示すように、左右方向において、右側の角状部46aの左側面と、右側の第2下方延出部87aの右側面とは、互いに対向している。これにより、左右方向において、右側の第2下方延出部87aが対応する角状部46aよりも右側に移動してしまうことを規制できる。同様に、左右方向において、左側の角状部46aの右側面と、左側の第2下方延出部87aの左側面とは、互いに対向している。これにより、左右方向において、左側の第2下方延出部87aが対応する角状部46aよりも左側に移動してしまうことを規制できる。すなわち、被係合部48に対する係合爪88の係合を良好に維持することができる。
【0053】
同様に、図2図5図6及び図7に示すように、第2張出部47の連結部46bの前面には、左右一対の第2下方延出部87bがそれぞれ係合している左右一対の被係合部48が形成されている。
第2張出部47側の各被係合部48は、例えば、第1張出部46側の各被係合部48と略前後対称形状に形成されている。したがって、第2張出部47側の各被係合部48は、第2張出部47の連結部46bの後面から後方に向けて突出している。
各被係合部48に対して、1つずつの第2下方延出部87bの係合爪88が係合している。カバー部材80がボビン部30に対して外挿される際に、一対の第2下方延出部87bは、対応する被係合部48の上部に沿って当該被係合部48の下部に向けて案内される。被係合部48の下部の下面は、係合爪88の上面に対して面接触している。係合爪88の先端面88aは、第2側面42aに対して面接触している。
また、図4に示すように、左右方向において、右側の角状部46aの左側面と、右側の第2下方延出部87bの右側面とは、互いに対向している。これにより、左右方向において、右側の第2下方延出部87bが対応する角状部46aよりも右側に移動してしまうことを規制できる。同様に、左右方向において、左側の角状部46aの右側面と、左側の第2下方延出部87bの左側面とは、互いに対向している。これにより、左右方向において、左側の第2下方延出部87bが対応する角状部46aよりも左側に移動してしまうことを規制できる。すなわち、被係合部48に対する係合爪88の係合状態を良好に維持することができる。
【0054】
ここで、本実施形態の場合、コイル部品100は、磁性コア10の周囲に巻き付けられている第1固定テープ94(図1及び図5参照)を備えている。第1固定テープ94によって、第1磁性コア11a及び第2磁性コア11bの各々の挿入部15がボビン部30の挿通孔36に挿入されている状態が良好に維持されている。なお、図2図3図4においては、第1固定テープ94の図示を省略している。
より詳細には、図4に示すように、第1固定テープ94は、例えば、第2磁性コア11bの基部12の外側面、第2磁性コア11bの前側の外脚部13の外面、第1磁性コア11aの前側の外脚部13の外面、第1磁性コア11aの基部12の外側面、第1磁性コア11aの後側の外脚部13の外面、第2磁性コア11bの後側の外脚部13の外面、及び、再び第2磁性コア11bの基部12の外側面に沿って巻き付けられている。
本実施形態の場合、第1固定テープ94は、一方向に長尺な帯状に形成されている。第1固定テープ94は、例えば、予め粘着層が形成されている粘着テープであってもよいし、コイル部品100を組み立てる際に接着剤を用いて接着される帯状部材であってもよい。
【0055】
更に、本実施形態の場合、コイル部品100は、磁性コア10及びカバー部材80の各々の巻き付けられている第2固定テープ92(図1及び図5参照)を備えている。第2固定テープ92によって、磁性コア10はボビン部30及びカバー部材80の各々に対して良好に固定されている。なお、図2図3図4においては、第2固定テープ92の図示を省略している。
より詳細には、図4及び図6に示すように、第2固定テープ92は、例えば、第1固定テープ94の外面の全周、及び第1張出部46の外面、第2張出部47の外面、第1側壁部82aの外面、第2側壁部82bの外面に沿って巻き付けられている。
本実施形態の場合、第2固定テープ92は、一方向に長尺な帯状に形成されている。第2固定テープ92は、例えば、予め粘着層が形成されている粘着テープであってもよいし、コイル部品100を組み立てる際に接着剤を用いて接着される帯状部材であってもよい。図6に示すように、第2固定テープ92の下部が、第1固定テープ94の周囲に巻き付けられている。
【0056】
第1固定テープ94の上下寸法は、例えば、磁性コア10の上下寸法と略同等に設定されている。第2固定テープ92の上下寸法は、例えば、磁性コア10の上下寸法より大きく、カバー部材80の上下寸法より小さい。
【0057】
本実施形態に係るコイル部品100は、以上のように構成されている。このようなコイル部品100は、一例として、高耐圧のパルストランスとして用いることができる。ただし、コイル部品100の用途はこの例に限らない。
【0058】
コイル部品100の組み立ては、例えば、以下のようにして行うことができる。
先ず、ボビン部30の筒部31の周囲にコイル70(第1コイル及び第2コイル)の被覆線71を巻回する。被覆線71の端部の各々は、対応する端子部材60の絡げ端子部66に絡げ、溶接固定又は半田による固定を行う。
次に、第1磁性コア11aの挿入部15を挿通孔36の前側の開口から当該挿通孔36に挿入する一方で、第2磁性コア11bの挿入部15を挿通孔36の後側の開口から当該挿通孔36に挿入する。
次に、カバー部材80をボビン部30に対して上方から被せる。この際に、例えば、各第2下方延出部87の係合爪88は、先ず、対応する被係合部48の上部に沿って配置される。そして、各第2下方延出部87の係合爪88が対応する被係合部48と係合している状態となるまで、カバー部材80をベース部材20に対して下方に押し込む。この際に、第2下方延出部87の係合爪88は、対応する被係合部48の上部の傾斜面に沿って下方に向けて摺動し、当該被係合部48の下部の下面に到達する。
このようにして、カバー部材80はボビン部30に対して外挿される。
次に、第1固定テープ94を、磁性コア10の周囲に、少なくとも1周以上巻き付ける。これにより、磁性コア10をボビン部30に対して固定することができる。更に、第2固定テープ92を、第1固定テープ94の周囲及びカバー部材80の周囲の各々に対して、少なくとも1周以上巻き付ける。これにより、磁性コア10をカバー部材80及びボビン部30に対してより確実に固定することができる。
次に、コイル部品100に電流を流すことにより、コイル70を発熱させる。これにより、コイル70からの熱によって被覆線71の樹脂被覆72が融解し、互いに隣接している巻回部75の樹脂被覆72どうしを融着させることができる。更には、筒部31の外周面に沿って巻回されている巻回部75の樹脂被覆72を、当該外周面に対して融着させることができる。すなわち、コイル70とボビン部30とを互いに融着させることができる。
ここで、上述のように、本実施形態の場合、コイル部品100は、底面視において実装端子部65とは異なる位置に配置されているとともに、当該コイル部品100の下面側に露出しているスタンドオフ部67を備えている。このため、図8に示すように、コンタクトプローブ310の先端を、対応するスタンドオフ部67の下面67aに対して接触させることにより、コイル部品100に電流を印加することができる。
これにより、実装端子部65を介してコイル部品100に電流を印加する場合と比較して、実装端子部65の形状やコイル部品100の性能を損なう虞がないので、より長時間に亘ってコイル部品100に電流を印加することができる。また、より大きい電流をコイル部品100に印加することができる。よって、コイル70を十分に発熱させることができるので、より確実に、コイル70とボビン部30とを互いに融着させることができる。
なお、コイル70を発熱させるタイミングは、特に限定されず、少なくともボビン部30に被覆線71を巻回した後であればよい。また、電気的特性の検査の際に、コイル70を発熱させ、樹脂被覆72を融解させてもよい。
こうして、コイル部品100が得られる。
【0059】
以上、図面を参照して各実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0060】
例えば、上記においては、磁性コア10が2つのEコアを備えて構成されている例を説明したが、本発明はこの例に限らず、磁性コア10はEコアとIコアとを備えて構成されていてもよい。
更に、磁性コア10は、2つのTコアを備えて構成されていたり、TコアとIコアとを備えて構成されていてもよい。この場合、平面視において、磁性コア10の全体形状がH字状となっている。
【0061】
また、上記においては、磁性コア10が2つの部材(第1磁性コア11aと第2磁性コア11b)を備える例を説明したが、磁性コア10は全体が一体のものであってもよいし、3つ以上の部材を備えて構成されていてもよい。
【0062】
ところで、上記においては、コイル部品100がスタンドオフ部67を備えている例を説明した。ただし、本発明はこの例に限らず、コイル部品100が、スタンドオフ部67を有していなくてもよい。この場合においても、複数の巻回部75どうしが樹脂被覆72を介して相互に融着されているので、巻回部75の形状、すなわち被覆線71が巻回された状態を良好に維持することができる。
すなわち、本発明は、ボビン部30と端子保持部50とを有する樹脂製のベース部材20と、ボビン部30に巻回されているコイル70と、端子保持部50に一部分が埋設されることにより端子保持部50に保持されているとともに、それぞれコイル70が電気的に接続されている金属製の複数の端子部材60と、を備えるコイル部品であって、端子部材60において、端子保持部50から突出している部分は、実装端子部65を含み、コイル70は、樹脂被覆72を有する被覆線71により構成されており、コイル70は、ボビン部30に巻回されている複数の巻回部75を有し、複数の巻回部75どうしが樹脂被覆72を介して相互に融着されているコイル部品であってもよい。
また、この場合も、コイル部品100は、複数の巻回部75とボビン部30とが樹脂被覆72を介して相互に融着されていてもよい。
【0063】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)ボビン部と端子保持部とを有する樹脂製のベース部材と、
前記ボビン部に巻回されているコイルと、
前記端子保持部に一部分が埋設されることにより前記端子保持部に保持されているとともに、それぞれ前記コイルが電気的に接続されている金属製の複数の端子部材と、
を備えるコイル部品であって、
前記端子部材において、前記端子保持部から突出している部分は、
実装端子部と、
底面視において前記実装端子部とは異なる位置に配置されているとともに、当該コイル部品の下面側に露出しているスタンドオフ部と、
を含むコイル部品。
(2)前記スタンドオフ部の下面は、前記実装端子部の下面よりも高い位置に配置されている(1)に記載のコイル部品。
(3)前記スタンドオフ部の下面は、水平に配置されている(1)又は(2)に記載のコイル部品。
(4)前記スタンドオフ部の下面は、水平方向における一方向に長尺に形成されている(1)から(3)のいずれか一項に記載のコイル部品。
(5)前記端子部材は、
実装面に対して起立している起立板部を含み、
前記起立板部において、底面視において前記実装端子部とは異なる位置に配置されている部分の少なくとも一部分が、前記スタンドオフ部を構成しており、
前記起立板部の下端面の少なくとも一部分が、前記スタンドオフ部の下面を構成している(4)に記載のコイル部品。
(6)前記端子部材は、
前記起立板部から下方に延出している下方延出部と、前記下方延出部の下端部から略水平に延出している水平延出部と、を含むL字状の部位を有し、
前記水平延出部が前記実装端子部を構成している(5)に記載のコイル部品。
(7)前記端子部材において、前記端子保持部から突出している部分は、前記コイルの端部が絡げられるとともに電気的に接続されている絡げ端子部を含み、
前記絡げ端子部と前記実装端子部とは、平面視において互いに異なる位置に配置されている(1)から(6)のいずれか一項に記載のコイル部品。
(8)前記コイルは、樹脂被覆を有する被覆線により構成されており、
前記コイルは、前記ボビン部に巻回されている複数の巻回部を有し、
前記複数の巻回部どうしが前記樹脂被覆を介して相互に融着されている(1)から(7)のいずれか一項に記載のコイル部品。
(9)前記コイルは、樹脂被覆を有する被覆線により構成されており、
前記コイルは、前記ボビン部に巻回されている複数の巻回部を有し、
前記複数の巻回部と前記ボビン部とが前記樹脂被覆を介して相互に融着されている(1)から(8)のいずれか一項に記載のコイル部品。
(10)平面視において、前記スタンドオフ部は、前記実装端子部と比べて、当該コイル部品の角部から遠くに配置されている(1)から(9)のいずれか一項に記載のコイル部品。
(11)ボビン部と端子保持部とを有する樹脂製のベース部材と、
前記ボビン部に巻回されているコイルと、
前記端子保持部に一部分が埋設されることにより前記端子保持部に保持されているとともに、それぞれ前記コイルが電気的に接続されている金属製の複数の端子部材と、
を備えるコイル部品であって、
前記端子部材において、前記端子保持部から突出している部分は、実装端子部を含み、
前記コイルは、樹脂被覆を有する被覆線により構成されており、
前記コイルは、前記ボビン部に巻回されている複数の巻回部を有し、
前記複数の巻回部どうしが前記樹脂被覆を介して相互に融着されているコイル部品。
(12)前記複数の巻回部と前記ボビン部とが前記樹脂被覆を介して相互に融着されている(11)に記載のコイル部品。
【符号の説明】
【0064】
10 磁性コア
11a 第1磁性コア
11b 第2磁性コア
12 基部
13 外脚部
15 挿入部
20 ベース部材
30 ボビン部
31 筒部
36 挿通孔
40 鍔部
41 第1鍔部
41a 第1側面
42 第2鍔部
42a 第1側面
46 第1張出部
46a 角状部
46b 連結部
47 第2張出部
48 被係合部
50 端子保持部
52 第1端子保持部
53 第1延出部
54 切欠形状部
55 第2端子保持部
56 第2延出部
57 凹部
60 端子部
61 第1端子部
62 第2端子部
65 実装端子部
66 絡げ端子部
66a 半田部
67 スタンドオフ部
68 起立板部
68a 下方延出部
68b 水平延出部
70 コイル
71 被覆線
72 樹脂被覆
73 金属線材
75 巻回部
80 カバー部材
81 天面部
82a 第1側壁部
82b 第2側壁部
84 下方延出部
87 第2下方延出部
88 係合爪
89a 第1スリット部
89b 第2スリット部
92 第2固定テープ
94 第1固定テープ
100 コイル部品
310 コンタクトプローブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8