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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170130
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】半導体装置及びエッチング方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20221102BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076046
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】平田 瑛子
(72)【発明者】
【氏名】深沢 正永
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA09
5F004BA09
5F004BB13
5F004BB18
5F004CA06
5F004DA01
5F004DA22
5F004DA23
5F004DA25
5F004DB03
5F004DB07
5F004EA13
5F004EA14
5F004EA28
5F004EB01
(57)【要約】
【課題】半導体装置のコンタクトホール加工時のエッチングによる不具合を改善することができるエッチング方法を提供する。
【解決手段】エッチング方法は、第1ガスのプラズマにより、シリコンを含む半導体層上に設けられた絶縁膜の上面を酸化して酸化膜を形成し、第2ガスのプラズマにより、酸化膜の上面に第1重合膜を吸着させ、第3ガスのプラズマにより、第1重合膜と、酸化膜、及び絶縁膜の少なくとも一部を除去することを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンを含む半導体層と、
前記半導体層上に設けられ、前記半導体層の上面の一部を露出する開口部を有する第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜の前記開口部に埋め込まれ、前記半導体層に下端が接する導電層と、
前記第1絶縁膜と前記導電層との間に設けられ、酸素を含み、前記第1絶縁膜の水素含有率と同等以下の水素含有率である変質層と、
を備える、半導体装置。
【請求項2】
前記変質層は、前記半導体層に近いほど前記第1絶縁膜と前記導電層に挟まれた厚さが薄くなる、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記変質層の前記第1絶縁膜と接する側面が階段形状を有する、
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記階段形状の段差及び露出した前記半導体層のリセスが2nm以下である、
請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記変質層の下部の前記階段形状の段差が、前記半導体層の上部の前記階段形状の段差よりも小さい、
請求項3に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記変質層の比誘電率は、前記第1絶縁膜の比誘電率よりも低い、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1絶縁膜は、窒化珪素からなる、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記変質層は、酸化珪素又は酸窒化珪素を含む、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記半導体層と前記第1絶縁膜との間に設けられた第2絶縁膜を更に備える、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第2絶縁膜は、酸化珪素からなる、
請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1絶縁膜上に設けられた第3絶縁膜を更に備える、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第3絶縁膜は、酸化珪素からなる、
請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
第1ガスのプラズマにより、シリコンを含む半導体層上に設けられた絶縁膜の上面を酸化して酸化膜を形成し、
第2ガスのプラズマにより、前記酸化膜の上面に第1重合膜を吸着させ、
第3ガスのプラズマにより、前記第1重合膜、前記酸化膜、及び前記絶縁膜の少なくとも一部を除去する、
ことを含む、エッチング方法。
【請求項14】
前記第1ガスは、炭素を含有する、
請求項13に記載のエッチング方法。
【請求項15】
前記第2ガスは、炭素及びフッ素を含有する、
請求項13に記載のエッチング方法。
【請求項16】
前記第3ガスは、希ガスを含有する、
請求項13に記載のエッチング方法。
【請求項17】
前記絶縁膜を除去して前記半導体層の上面を露出した後に、
前記第1ガスのプラズマにより、露出した前記半導体層の上面に第2重合膜を堆積し、
前記第2ガスのプラズマにより、前記第2重合膜上に第3重合膜を堆積し、
前記第2重合膜及び前記第3重合膜を除去する
ことを更に含む、
請求項13に記載のエッチング方法。
【請求項18】
前記第1ガスのプラズマにより前記酸化膜を形成し、前記第2ガスのプラズマにより前記第1重合膜を吸着させ、前記第3ガスのプラズマにより前記第1重合膜、前記酸化膜、及び前記絶縁膜の一部を除去することを含むサイクルを複数回繰り返す、
請求項13に記載のエッチング方法。
【請求項19】
前記複数回の各サイクルにおける前記第3ガスのプラズマエネルギーを同一とする、
請求項18に記載のエッチング方法。
【請求項20】
前記複数回の前半の前記サイクルにおける前記第3ガスのプラズマエネルギーよりも、前記複数回の後半の前記サイクルにおける前記第3ガスのプラズマエネルギーを小さくする、
請求項18に記載のエッチング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示に係る技術(本技術)は、半導体装置及びエッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置のエッチング方法として種々の方法が検討されている。例えば、特許文献1は、シリコン酸化膜(SiO膜)を被エッチング膜として、フルオロカーボン系ガスのプラズマを生成する手順と、アルゴン(Ar)ガスのプラズマを生成する手順を繰り返すことにより、原子層毎に除去するエッチング方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-183688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、半導体装置のコンタクトホール加工時等に、シリコン窒化膜(SiN膜)をエッチングストッパとして使用する場合がある。しかしながら、SiN膜のオーバーエッチングにより、SiN膜下の半導体層に凹部(リセス)が形成されると共に、その凹部の底部に残留欠陥が発生し、暗電流が増大する場合がある。
【0005】
本技術は、半導体装置のコンタクトホール加工時のエッチングによる不具合を改善することができる半導体装置及びエッチング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の一態様に係る半導体装置は、シリコンを含む半導体層と、半導体層上に設けられ、半導体層の上面の一部を露出する開口部を有する第1絶縁膜と、第1絶縁膜の開口部に埋め込まれ、半導体層に下端が接する導電層と、第1絶縁膜と導電層との間に設けられ、酸素を含み、第1絶縁膜の水素含有率と同等以下の水素含有率である変質層とを備えることを要旨とする。
【0007】
本技術の一態様に係るエッチング方法は、第1ガスのプラズマにより、シリコンを含む半導体層上に設けられた絶縁膜の上面を酸化して酸化膜を形成し、第2ガスのプラズマにより、酸化膜の上面に第1重合膜を吸着させ、第3ガスのプラズマにより、第1重合膜と、酸化膜、及び絶縁膜の少なくとも一部を除去することを含むことを要旨とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る半導体装置の断面図である。
図2】第1実施形態に係るプラズマ処理装置の概略図である。
図3】第1実施形態に係るエッチング方法のフローチャートである。
図4】第1実施形態に係るエッチング方法の工程断面図である。
図5】第1実施形態に係るエッチング方法の図4に引き続く工程断面図である。
図6A】第1実施形態に係るエッチング方法の図5に引き続く工程断面図である。
図6B図6Aの領域Aの部分拡大図である。
図6C図6Aの領域Bの部分拡大図である。
図7A】第1実施形態に係るエッチング方法の図6Aに引き続く工程断面図である。
図7B図7Aの領域Aの部分拡大図である。
図7C図7Aの領域Bの部分拡大図である。
図8A】第1実施形態に係るエッチング方法の図7Aに引き続く工程断面図である。
図8B図8Aの領域Aの部分拡大図である。
図8C図8Aの領域Bの部分拡大図である。
図9】第1実施形態に係るエッチング方法の図8Aに引き続く工程断面図である。
図10A】第1実施形態に係るエッチング方法の図9に引き続く工程断面図である。
図10B図10Aの領域Aの部分拡大図である。
図10C図10Aの領域Bの部分拡大図である。
図11A】第1実施形態に係るエッチング方法の図10Aに引き続く工程断面図である。
図11B図11Aの領域Aの部分拡大図である。
図11C図11Aの領域Bの部分拡大図である。
図12】第1実施形態に係るエッチング方法の図11Aに引き続く工程断面図である。
図13】第1実施形態に係るエッチング方法の図12に引き続く工程断面図である。
図14】Arイオン侵入シミュレーション結果を示すグラフである。
図15】第1比較例に係るエッチング方法の工程断面図である。
図16】第1比較例に係るエッチング方法の図15に引き続く工程断面図である。
図17】第2比較例に係るエッチング方法の工程断面図である。
図18】第2比較例に係るエッチング方法の図17に引き続く工程断面図である。
図19】第2実施形態に係る半導体装置の断面図である。
図20】第3実施形態に係る半導体装置の断面図である。
図21】第4~6実施形態に係るエッチング方法の工程断面図である。
図22】第4実施形態に係る半導体装置の断面図である。
図23】第5実施形態に係る半導体装置の断面図である。
図24】第6実施形態に係る半導体装置の断面図である。
図25】第7実施形態に係る固体撮像装置のブロック図である。
図26】第7実施形態に係る画素の等価回路図である。
図27】第7実施形態に係る電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下において、図面を参照して本技術の第1~第7実施形態を説明する。以下の説明で参照する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚さや寸法は以下の説明を参酌して判断すべき。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0010】
本明細書において、「上」「下」等の方向の定義は、単に説明の便宜上の定義であって、本技術の技術的思想を限定するものではない。例えば、対象を90°回転して観察すれば「上」「下」は「左」「右」に変換して読まれ、180°回転して観察すれば「上」「下」は反転して読まれることは勿論である。
【0011】
<半導体装置の構造>
第1実施形態に係る半導体装置は、図1に示すように、シリコン(Si)を含む半導体層11と、半導体層11上に設けられた絶縁膜(下層絶縁膜)12と、下層絶縁膜12上に設けられた絶縁膜(中間絶縁膜)13と、中間絶縁膜13上に設けられた絶縁膜(上層絶縁膜)14とを備える。
【0012】
半導体層11は、例えばシリコン(Si)からなる。半導体層11は、Si基板で構成されていてもよく、Si基板上にエピタキシャル成長したエピタキシャル成長層で構成されていてもよい。半導体層11は、炭化ケイ素(SiC)、シリコンゲルマニウム(SiGe)等の化合物半導体で構成されていてもよい。半導体層11には、MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)のソース領域及びドレイン領域等の拡散層が形成されていてもよい。
【0013】
下層絶縁膜12は、例えばシリコン酸化膜(SiO膜)からなる自然酸化膜で構成されている。下層絶縁膜12の厚さは例えば1nm程度であるが、これに限定されない。なお、下層絶縁膜12が無く、半導体層11と中間絶縁膜13とが直接接していてもよい。
【0014】
中間絶縁膜13は、例えばシリコン窒化膜(Si膜)で構成されている。中間絶縁膜13の厚さは例えば30~300nm程度であるが、これに限定されない。中間絶縁膜13は、例えば上層絶縁膜14のエッチングストッパとして機能するが、これに限定されない。上層絶縁膜14は、例えばシリコン酸化膜(SiO膜)で構成されている。上層絶縁膜14の厚さは例えば30~300nm程度であるが、これに限定されない。なお、上層絶縁膜14が無くてもよい。
【0015】
下層絶縁膜12、中間絶縁膜13及び上層絶縁膜14には、半導体層11の上面の一部を露出する開口部(コンタクトホール)が開口されている。下層絶縁膜12、中間絶縁膜13及び上層絶縁膜14の開口部の直径は例えば30~100nm程度であるが、これに限定されない。
【0016】
下層絶縁膜12、中間絶縁膜13及び上層絶縁膜14の開口部には、導電層18が埋め込まれている。導電層18は、例えば銅(Cu)やアルミニウム(Al)、タングステン(W)等の金属材料からなる。図示を省略するが、導電層18の上端には、配線等が接続されている。導電層18は、半導体層11を配線等に電気的に接続するコンタクト又はビア等として機能する。導電層18の平面パターンは、例えば矩形であるが、円形でもよく、溝状でもよい。導電層18の下端は半導体層11の上面に接している。導電層18の下端が接する半導体層11には、例えば2nm以下の凹部(リセス)が形成されていてもよい。
【0017】
中間絶縁膜13と導電層18との間には、導電層18の側面を囲むように変質層(「改質層」又は「残留欠陥層」ともいう。)13xが形成されている。変質層13xの内側の側面(内周面)は導電層18の側面に接している。変質層13xの中間絶縁膜13と導電層18とに挟まれた周方向(図1の左右方向)の厚さt1は、半導体層11に近いほど薄くなる。変質層13xの中間絶縁膜13に接する外側の側面(外周面)は階段形状を有する。図1では、階段形状の段差t2が略均等の場合を例示している。例えば、階段形状の段差t2は2nm以下である。また、図1では、変質層13xの階段形状の段数が6段の場合を例示するが、段数は特に限定されず、1段~5段のいずれかでもよく、7段以上でもよい。
【0018】
変質層13xは、下層絶縁膜12、中間絶縁膜13及び上層絶縁膜14を貫通する開口部を開口するためのエッチング工程において、中間絶縁膜13に残留した欠陥が酸化して変質(改質)した酸化層で構成されている(エッチング工程の詳細は後述する)。変質層13xは酸素を含む層であり、例えば一酸化珪素(SiO)、二酸化珪素(SiO)等の酸化珪素(SiO)又は酸窒化珪素(SiON)からなる。例えば、変質層13xの導電層18に接する側面側がSiOからなり、変質層13xの中間絶縁膜13に接する側面側がSiONからなるように、変質層13xに含まれる酸素濃度が内側(導電層18側)から外側(中間絶縁膜13側)にかけて減少するように傾斜していてもよい。
【0019】
変質層13xの水素含有率は、中間絶縁膜13の水素含有率と同等以下である。これは、下層絶縁膜12、中間絶縁膜13及び上層絶縁膜14を貫通する開口部を開口するためのエッチング工程において、水素を含有するガスを使用しないためである。また、エッチング工程により中間絶縁膜13中の水素が除去された場合には、変質層13xの水素含有率は、中間絶縁膜13の水素含有率よりも低くなり得る。例えば、中間絶縁膜13の水素含有率が2.6原子パーセントである場合、変質層13xの水素含有率は、2.6原子パーセント以下である。中間絶縁膜13の水素含有率及び変質層13xの水素含有率は、例えば二次イオン質量分析法(SIMS)により測定可能である。
【0020】
ここで、Siのパッシベーション性はSiONのパッシベーション性よりも高く、SiONのパッシベーション性はSiOのパッシベーション性よりも高い。このため、Siからなる中間絶縁膜13のパッシベーション性は、SiON又はSiOからなる変質層13xのパッシベーション性よりも高い。
【0021】
また、Siの比誘電率(7.0)は、SiON又はSiOの比誘電率(4.2)よりも高い。このため、Siからなる中間絶縁膜13の比誘電率は、SiON又はSiOからなる変質層13xの比誘電率よりも高い。
【0022】
また、SiOの耐圧性はSiONの耐圧性よりも高く、SiONの耐圧性はSiの耐圧性よりも高い。このため、SiON又はSiOからなる変質層13xの耐圧性は、Siからなる中間絶縁膜13の耐圧性よりも高い。
【0023】
第1実施形態に係る半導体装置によれば、中間絶縁膜13と導電層18との間に変質層13xが設けられていることにより、変質層13xが無い場合と比較して、低誘電率化を図ることができる。よって、容量を低減することができ、デバイスを高速化することができる。更に、変質層13xの耐圧性が中間絶縁膜13の耐圧性よりも高いため、変質層13xが無い場合と比較して、耐圧を向上させ、リーク電流を低減することができる。
【0024】
更に、変質層13xの周方向の厚さt1が、半導体層11に近いほど薄くなるため、半導体層11の近傍で水分やガスに対するパッシベーション性を向上させることができ、デバイス特性の劣化を防止することができる。また、コンタクトホールに露出した部分の半導体層11の酸化を抑制することができ、コンタクト抵抗の増大を抑制することができる。
【0025】
<エッチング装置>
次に、後述する第1実施形態に係るエッチング方法を実施するための、第1実施形態に係るエッチング装置(プラズマ処理装置)の概略構成を説明する。第1実施形態に係るプラズマ処理装置は、図2に示すように、被処理体100を収容する処理容器21を備える。
【0026】
処理容器21内には、被処理体100が載置される下部電極23、及び下部電極23に対向して配置された上部電極22が配置されている。下部電極23及び上部電極22には、高周波電源27,28がそれぞれ接続されている。高周波電源27は、被処理体100にイオンを引き込むための高周波電力(高周波電圧)を発生する。高周波電源28は、プラズマ生成用の高周波電力を発生する。
【0027】
処理容器21にはガス供給部24及び排気部26が接続されている。ガス供給部24は、処理ガス等の種々のガスを選択的に、流量を調整しながら処理容器21内に供給する。排気部26は、例えばターボ分子ポンプ等の真空ポンプで構成されており、処理容器21内を減圧する。
【0028】
ガス供給部24、排気部26及び高周波電源27,28には制御部25が電気的に接続されている。制御部25は、ガス供給部24のガスの選択及び流量、排気部26の排気量、高周波電源27,28からの電力供給量等を制御する。なお、図2は示した第1実施形態に係るプラズマ処理装置は模式的であり、実際には図示を省略した種々の部品を更に備えていてよい。
【0029】
<エッチング方法>
次に、図3のフローチャート及び図4図13の半導体ウェハの工程断面図を参照して、第1実施形態に係るエッチング方法を説明する。
【0030】
図3のステップS1において、第1実施形態に係るエッチング方法の加工対象となる被処理体(半導体ウェハ)を用意する。図4に示すように、半導体ウェハは、半導体層11と、半導体層11上に設けられた下層絶縁膜12と、下層絶縁膜12上に設けられた中間絶縁膜(被エッチング膜)13と、中間絶縁膜13上に設けられた上層絶縁膜14を備える。半導体層11はSi等、下層絶縁膜12は自然酸化膜、下層絶縁膜12はSi膜、上層絶縁膜14はSiO膜でそれぞれ構成されている。なお、下層絶縁膜12は形成されていなくてもよい。そして、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、上層絶縁膜14の一部が選択的に除去され、中間絶縁膜13の上面の一部を露出する開口部14aが形成されている。
【0031】
次に、図3のステップS2において、図4に示した半導体ウェハを、図2に示すように、被処理体100として、処理容器21の下部電極23上に載置する。そして、上層絶縁膜14をエッチングマスクとして用いて、反応性イオンエッチング(RIE)等の通常のドライエッチングにより、中間絶縁膜13の上部の一部を選択的に除去する。この結果、図5に示すように、中間絶縁膜13の上部に所定の深さの凹部13aが形成される。
【0032】
次に、図3のステップS3において、図2に示したガス供給部24により処理容器21内に第1ガスを供給し、第1ガスのプラズマを生成して表面処理を行う。第1ガスは、炭素(C)を含有する。第1ガスとして、具体的には、一酸化炭素(CO)ガス又はメタン(CH)ガスが挙げられる。第1ガスの他にも、アルゴン(Ar)等の希ガスや窒素(N)からなる不活性ガスを処理容器21内に供給して適宜希釈してもよい。
【0033】
ステップS3の第1ガスのプラズマ生成時のプロセス条件として、例えば処理容器21内の圧力が10~30mTorr程度、上部電極22のパワーが300~600W程度、高周波電圧が0V、第1ガスの流量が10~100sccm程度、処理時間が数秒程度に設定される。
【0034】
図6Aは、第1ガスのプラズマによる表面処理工程における半導体ウェハの断面図であり、図6Bは、図6Aの破線で囲んだ領域Aの拡大図であり、図6Cは、図6Aの破線で囲んだ領域Bの拡大図である。図6A及び図6Bに示す、中間絶縁膜13の凹部13aの側面及び底面における第1ガスのプラズマよる反応式は下記式(1)で表される。
CO+SiN→SiO+CN↑…(1)
【0035】
図6A及び図6Bに示すように、中間絶縁膜13の凹部13aの側面及び底面において、第1ガスのプラズマに含まれる炭素(C)と中間絶縁膜13に含まれる窒素(N)とが結合して炭素(C)が除去される。また、第1ガスのプラズマに含まれる酸素(O)と中間絶縁膜13に含まれるシリコン(Si)が結合して、中間絶縁膜13の表面にシリコン酸化膜(SiO膜)16が形成される。
【0036】
一方、図6A及び図6Cに示す、上層絶縁膜14の上面及び開口部14aの側面における第1ガスのプラズマによる反応式は下記式(2)で表される。
CO+SiO→SiO+CO↑ …(2)
【0037】
図6A及び図6Cに示すように、上層絶縁膜14の上面及び開口部14aの側面では、第1ガスのプラズマに含まれる炭素(C)と上層絶縁膜14に含まれる酸素(O)とが結合して炭素(C)が除去される。
【0038】
次に、図3のステップS4において、図2に示した排気部26により、処理容器21内をパージすることにより、処理容器21内の第1ガス等を排気する。例えば、処理容器21内を真空引きしてもよく、処理容器21内にArガス等のパージガスを供給してもよい。
【0039】
次に、図3のステップS5において、図2に示したガス供給部24により処理容器21内に第2ガスを供給し、第2ガスのプラズマを生成する。第2ガスは、水素(H)を含有しないガスであり、例えば炭素及びフッ素を含有するフルオロカーボン(C)系ガスで構成される。第2ガスとしては、具体的には、四フッ化炭素(CF)ガス、パーフルオロシクロブタン(C)ガス、ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン(C)ガス、オクタフルオロシクロペンテン(C)ガス等が挙げられる。第2ガスの他にも、アルゴン(Ar)等の希ガスや窒素(N)からなる不活性ガスを処理容器21内に供給して適宜希釈してもよい。
【0040】
ステップS5の第2ガスのプラズマ生成時のプロセス条件として、例えば処理容器21内の圧力が10~30mTorr程度、上部電極22のパワーが300~600W程度、高周波電圧が0V、第2ガスであるCF系ガスの流量が5~20sccm程度、Arガスの流量が400~600sccm程度、処理時間が数秒程度に設定される。
【0041】
図7Aは、第2ガスのプラズマによる重合膜の吸着工程における半導体ウェハの断面図であり、図7Bは、図7Aの破線で囲んだ領域Aの拡大図であり、図7Cは、図7Aの破線で囲んだ領域Bの拡大図である。図7Aに示すように、第2ガスのプラズマにより、上層絶縁膜14の上面及び開口部14aの側面と、中間絶縁膜13の凹部13aの側面及び底面に、重合膜17が吸着する。重合膜17は、炭素(C)とフッ素(F)を含有するCF系のポリマーからなる。上層絶縁膜14の上面における重合膜17の厚さは、中間絶縁膜13の凹部13aの底面における重合膜17の厚さよりも厚い。上層絶縁膜14の開口部14aの側面及び中間絶縁膜13の凹部13aの側面における重合膜17の厚さは、中間絶縁膜13の凹部13aの底面における重合膜17の厚さよりも厚い。
【0042】
図7A及び図7Bに示すように、中間絶縁膜13の凹部13aの側面及び底面では、シリコン酸化膜16の表面に重合膜17が吸着する。図7Bに破線で示すように、中間絶縁膜13の上部が重合膜17と反応した反応層13bとなる。
【0043】
一方、図7A及び図7Cに示すように、上層絶縁膜14の上面及び開口部14aの側面では、上層絶縁膜14の表面に重合膜17が吸着する。図7Cに破線で示すように、上層絶縁膜14の上部が重合膜17と反応した反応層14bとなる。
【0044】
次に、図3のステップS6において、図2に示した排気部26により、処理容器21内をパージすることにより、処理容器21内の第2ガス等を排気する。例えば、処理容器21内を真空引きしてもよく、処理容器21内にArガス等のパージガスを供給してもよい。
【0045】
次に、図3のステップS7において、図2に示したガス供給部24により処理容器21内に第3ガスを供給し、第3ガスのプラズマを生成する。第3ガスは希ガスを含有するガスである。第3ガスとしては、具体的には、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)等が挙げられる。
【0046】
ステップS7の第3ガスのプラズマ生成時のプロセス条件として、例えば処理容器21内の圧力が20~30mTorr程度、上部電極22のパワーが300~400W程度、高周波電圧が50~100V程度、第3ガスであるArガスの流量が10~100sccm程度、処理時間が数十秒程度に設定される。
【0047】
図8Aは、第3ガスのプラズマによる希ガスによる脱離工程における半導体ウェハの断面図であり、図8Bは、図8Aの破線で囲んだ領域Aの拡大図であり、図8Cは、図8Aの破線で囲んだ領域Bの拡大図である。図8A及び図8Bに示すように、第3ガスのプラズマにより、中間絶縁膜13の凹部13aの側面及び底面では、重合膜17、シリコン酸化膜16、及び中間絶縁膜13の重合膜17との反応層13bが脱離して除去される。図8A及び図8Bでは、除去された反応層13bを破線で模式的に示している。この際、中間絶縁膜13の凹部13aの底面及び側面にはAr等の残留欠陥が発生し、残留欠陥が大気暴露により酸化して変質した変質層13xが形成される。
【0048】
図3のステップS3,S5,S7の工程で使用する第1~第3ガスが水素を含有しないガスであるため、変質層13xの水素含有率は、中間絶縁膜13の水素含有率と同等以下となる。変質層13xの厚さt3は、中間絶縁膜13の凹部13aの側面及び底面において同程度である。変質層13xの厚さt3は、例えば2nm以下程度であり、第3ガスのプラズマエネルギー(高周波電力)を調整することにより適宜設定可能である。第3ガスのプラズマエネルギーを高くするほど、変質層13xの厚さt3は厚くなる。
【0049】
一方、図8A及び図8Cに示すように、上層絶縁膜14の上面及び開口部14aの側面では、重合膜17及び上層絶縁膜14の重合膜17との反応層14bが脱離して除去される。図8A及び図8Cでは、除去された反応層14bを破線で模式的に示している。更に、上層絶縁膜14の上面には残留欠陥が発生し、残留欠陥層14xが形成される。
【0050】
次に、図3のステップS8において、図2に示した排気部26により、処理容器21内をパージすることにより、処理容器21内の第3ガス等を排気する。例えば、処理容器21内を真空引きしてもよく、処理容器21内にArガス等のパージガスを供給してもよい。
【0051】
図3のステップS9で、ステップS3~S8の手順を1サイクルとして、このサイクルを所定の回数だけ繰り返したか否かを制御部25により判断する。所定の回数は、例えば、所定のエッチング量を達成する回数として予め設定可能である。なお、所定の回数が1回であり、ステップS3~S8の手順を繰り返さなくてもよい。所定の回数だけ繰り返していない場合、ステップS3の手順に戻り、ステップS3~S8のサイクルを繰り返す。各サイクルでは、互いに同一のプロセス条件に設定してもよく、互いに異なるプロセス条件としてもよい。
【0052】
図3のステップS3~S8のサイクルを複数回繰り返すことにより、図8Aに示した中間絶縁膜13の凹部13aの深さが深くなっていく。また、各サイクルにおけるステップS7の第3ガスのプラズマ生成毎に、中間絶縁膜13の凹部13aの側面の残留欠陥が深く侵入していき、変質層13xの厚さが厚くなる。このため、1サイクル毎に変質層13xの段差が1段ずつ形成されていく。
【0053】
この結果、図9に示すように、中間絶縁膜13及び下層絶縁膜12に開口部(コンタクトホール)が形成されて、半導体層11の上面の一部が露出する。変質層13xの周方向の厚さt1は、半導体層11に近いほど薄くなり、変質層13xの外周面が階段形状となる。例えば、図3のステップS3~S8の各サイクルで、ステップS7の第3ガスのプラズマエネルギーを同一とすることにより、変質層13xの外周面の階段形状の段差t2を略均等に形成することができる。
【0054】
ここで、図9に示した半導体層11が露出するまでのメインエッチングの後に、更に図3のステップS3~S8のサイクルを繰り返してオーバーエッチングを行う場合を説明する。図3のステップS3において、図2に示したガス供給部24により処理容器21内に第1ガスを供給し、第1ガスのプラズマを生成して表面処理を行う。
【0055】
図10Aは、第1ガスのプラズマによる表面処理工程における半導体ウェハの断面図であり、図10Bは、図10Aの破線で囲んだ領域Aの拡大図であり、図10Cは、図10Aの破線で囲んだ領域Bの拡大図である。図10A及び図10Bに示す、半導体層11の露出した上面における第1ガスのプラズマによる反応式は下記式(3)で表される。
CO+Si→SiO+C↓ …(3)
【0056】
図10A及び図10Bに示すように、第1ガスのプラズマ含まれる酸素(O)と半導体層11に含まれるシリコン(Si)が結合して半導体層11の上面にシリコン酸化膜(SiO膜)11xが形成される。更に、第1ガスのプラズマ含まれる炭素(C)がシリコン酸化膜11xの上面に堆積し、Cポリマーからなる重合膜19が選択的に吸着する。
【0057】
一方、図10A及び図10Cに示すように、上層絶縁膜14上の残留欠陥層14xの上面では、第1ガスのプラズマに含まれる炭素(C)と残留欠陥層14xに含まれる酸素(O)とが結合して炭素(C)が除去される。また、上層絶縁膜14の開口部14aの側面では、第1ガスのプラズマに含まれる炭素(C)と上層絶縁膜14に含まれる酸素(O)とが結合して炭素(C)が除去される。その後、図3のステップS4において、図2に示した排気部26により、処理容器21内をパージする。
【0058】
次に、図3のステップS5において、図2に示したガス供給部24により処理容器21内に第2ガスを供給し、第2ガスのプラズマを生成する。図11Aは、第2ガスのプラズマを生成したときの半導体ウェハの断面図であり、図11Bは、図11Aの破線で囲んだ領域Aの拡大図であり、図11Cは、図11Aの破線で囲んだ領域Bの拡大図である。図11A及び図11Bに示すように、C-Cは結合し易いため、Cポリマーからなる重合膜19の表面にCFポリマーからなる重合膜20が選択的に厚く吸着する。
【0059】
一方、図11A及び図11Cに示すように、上層絶縁膜14上の残留欠陥層14xの上面には、Cポリマーからなる重合膜19が、半導体層11の上面における重合膜19の厚さよりも薄く吸着する。また、上層絶縁膜14の開口部14aの側面には、Cポリマーからなる重合膜19が、残留欠陥層14xの上面における重合膜19の厚さよりも薄く吸着する。その後、図3のステップS6において、図2に示した排気部26により、処理容器21内をパージする。
【0060】
次に、図3のステップS7において、図2に示したガス供給部24により処理容器21内に第3ガスを供給し、第3ガスのプラズマを生成する。図12に示すように、半導体層11の上面には重合膜19及び重合膜20が堆積しているため、半導体層11の上面は除去されず、加工が抑制される。その後、図3のステップS8において、図2に示した排気部26により、処理容器21内をパージする。このように、オーバーエッチングを行った場合には、半導体層11の加工を抑制することができ、半導体層11の上部の残留欠陥の発生も抑制することができる。
【0061】
図3のステップS3~S8のサイクルを所定の回数だけ繰り返した後、ステップS10において、希フッ酸(DHF)等を用いて、シリコン酸化膜11x、重合膜19及び重合膜20を除去する。この結果、図13に示すように、中間絶縁膜13及び下層絶縁膜12に開口部(コンタクトホール)が形成されて、半導体層11の上面の一部が露出する。
【0062】
その後、化学気相成長(CVD)法等を用いて、下層絶縁膜12、中間絶縁膜13及び上層絶縁膜14の開口部(コンタクトホール)に導電層18を埋め込むことにより、図1に示した半導体装置となる。なお、上層絶縁膜14を除去した後に、下層絶縁膜12及び中間絶縁膜13の開口部(コンタクトホール)に導電層18を埋め込んでもよい。
【0063】
第1実施形態に係るエッチング方法によれば、Siからなる中間絶縁膜13を被エッチング対象として、ステップS3~S8の手順の3回のプラズマ生成及びパージを繰り返す原子層エッチング(ALE)により、中間絶縁膜13を原子層毎に除去することができる。また、ステップS3において第1プラズマによる表面処理を行うことにより、Siからなる中間絶縁膜13及びSiO膜からなる上層絶縁膜14と、半導体層11との高選択比加工が可能となり、低ダメージ加工が可能となる。よって、MOSFETのドレイン電流の低下やコンタクト抵抗の増加等のデバイス特定の劣化を抑制することができる。
【0064】
図10のグラフは、第1実施形態に係るエッチング方法のALEにおいて、上部電極22のパワーを140Wとした場合の、アルゴン(Ar)イオンのSiへの侵入シミュレーションの結果を示す。図10から、ArイオンのSiへの侵入深さは2nm以下であり、半導体層11のリセスや変質層13xの階段形状の段差t2が2nm以下になることが分かる。
【0065】
<第1比較例>
次に、第1比較例に係るエッチング方法を説明する。第1比較例に係るエッチング方法では、第1実施形態に係るエッチング方法と同様に、図4に示すように、半導体層11と、半導体層11上に設けられた下層絶縁膜12と、下層絶縁膜12上に設けられた中間絶縁膜13と、中間絶縁膜13上に設けられた上層絶縁膜14を備える半導体ウェハを準備する。フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、上層絶縁膜14の一部が選択的に除去され、開口部14aが形成されている。
【0066】
次に、図15に示すように、上層絶縁膜14をエッチングマスクとして用いて、通常の反応性イオンエッチング(RIE)により、中間絶縁膜13及び下層絶縁膜12を除去して、半導体層11を露出する点が、第1実施形態に係るエッチング方法と異なる。このとき、オーバーエッチングにより、半導体層11の上部が酸化し、酸化層11aが形成される。
【0067】
次に、DHF処理を行うことにより、図16に示すように、半導体層11の上部の酸化層11aが除去されて凹部(リセス)11bが形成され、更にはリセス11bの底部にSiの残留欠陥11cが発生する。このリセス11bの形成及び残留欠陥11cの発生により、暗電流が増大する。また、下層絶縁膜12に横方向のスリット12aが入るため、歩留まり悪化やメタル埋め込み不良の懸念がある。
【0068】
これに対して、第1実施形態に係るエッチング方法によれば、オーバーエッチングによる半導体層11のリセスの形成を抑制することができ、或いはリセスが形成されるとしても、半導体層11のリセスの深さを第1比較例のリセス11bよりも浅く(例えば2nm以下程度)することができる。残留欠陥11cも浅く(例えば2nm以下程度)することができる。更に、半導体層11のリセスの底部の残留欠陥も抑制又は低減することができるため、暗電流を低減することができる。更に、下層絶縁膜12の横方向のスリットの形成を抑制することができるので、歩留まりを向上させると共に、メタルの埋め込み不良を抑制することができる。
【0069】
<第2比較例>
次に、第2比較例に係るエッチング方法を説明する。第2比較例に係るエッチング方法では、第1比較例と同様に、図4に示すように、半導体層11と、半導体層11上に設けられた下層絶縁膜12と、下層絶縁膜12上に設けられた中間絶縁膜13と、中間絶縁膜13上に設けられた上層絶縁膜14を備える半導体ウェハを準備する。フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、上層絶縁膜14の一部が選択的に除去され、開口部14aが形成されている。次に、図5に示すように、通常の反応性イオンエッチング(RIE)により、中間絶縁膜13に所定の深さの凹部13aを形成する。ここまでは、第1実施形態に係るエッチング方法と共通する。
【0070】
次に、図17に示すように、CH系の水素を含むガスのプラズマを生成してハイドロフルオロカーボン(HFC)等の重合膜15を吸着させる。次に、図18に示すように、Arガスのプラズマを生成して中間絶縁膜13を脱離して除去する。この際、中間絶縁膜13の凹部13aの底面及び側面に残留欠陥層13yが形成される。図17に示した手順で水素を含むガスを使用するため、残留欠陥層13yの水素含有率は中間絶縁膜13の水素含有率よりも高くなる。例えば、中間絶縁膜13の水素含有率が2.6原子パーセントの場合、残留欠陥層13yの水素含有率は10原子パーセント以上である。第2比較例に係るエッチング方法は、図17及び図18に示す手順を1サイクルとして繰り返す点が、第1実施形態に係るエッチング方法と異なる。
【0071】
第2比較例に係るエッチング方法では、図17に示した重合膜15の吸着工程で水素を含むガスを使用するため、図18に示したArによる脱離工程において、重合膜15に含まれる水素(H)がノックオンにより半導体層11に深く侵入する。この結果、半導体層11のリセス及び残留欠陥が増大するため、暗電流が悪化する。
【0072】
これに対して、第1実施形態に係るエッチング方法によれば、図3のステップS3,S5,S7で使用する第1~第3ガスが水素(H)を含有しないため、水素(H)のノックオンによる深いダメージを抑制することができる。よって、半導体層11のリセス及び残留欠陥を低減することができるので、暗電流の悪化を抑制することができる。
【0073】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る半導体装置は、図19に示すように、変質層13xの外周面が略曲面(テーパ形状)であることが、図1に示した第1実施形態に係る半導体装置と異なる。図1に示した第1実施形態に係る半導体装置と比較して、変質層13xの外周面の階段形状の段差が浅く微小に形成されているため、段差が連続的に繋がり、略曲面と見なすことができる。変質層13xの周方向の厚さt1は、半導体層11に近いほど薄くなっている。第2実施形態に係る半導体装置の他の構成は、図1に示した第1実施形態に係る半導体装置と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0074】
第2実施形態に係るエッチング方法としては、第1実施形態に係るエッチング方法と同様であり、図3に示したステップS7の第3ガスのプラズマの生成時に、第3ガスのプラズマエネルギーを低減すればよい。
【0075】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る半導体装置は、図20に示すように、変質層13xの形状が、図1に示した第1実施形態に係る半導体装置と異なる。変質層13xの上部131の外周面は略垂直であり、変質層13xの上部131の周方向の厚さt1は略一定である。変質層13xの下部132の外周面は階段形状であり、変質層13xの下部132の周方向の厚さt1は、半導体層11に近いほど薄くなっている。第3実施形態に係る半導体装置の他の構成は、図1に示した第1実施形態に係る半導体装置と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0076】
第3実施形態に係るエッチング方法としては、第1実施形態に係るエッチング方法において、RIE等のドライエッチングにより、図5に示した中間絶縁膜13の凹部13aよりも更に深い凹部を形成した後、図3に示したステップS3~S8の手順を繰り返す。この結果、図20に示すように、RIE等のドライエッチングにより中間絶縁膜13が除去された位置に対応する、変質層13xの上部131の外周面は略垂直となる。一方、図3に示したステップS3~S8の手順を繰り返すことにより中間絶縁膜13が除去された位置に対応する、変質層13xの下部132の外周面は階段形状となる。
【0077】
第3実施形態に係るエッチング方法によれば、中間絶縁膜13のエッチング工程の前半は通常のドライエッチングを用いることで、ステップS3~S8の手順の繰り返し回数を低減することができる。一方、中間絶縁膜13のエッチング工程の後半はステップS3~S8の手順を繰り返すことにより、半導体層11のリセスの形成を抑制又はリセスの深さを低減することができる。
【0078】
(第4実施形態)
以下の第4~第6実施形態においては、第1実施形態に係るエッチング方法と比較して、図3に示したステップS7の第3ガスのプラズマの生成時に、第3ガスのプラズマエネルギーを相対的に大きくする場合を例示する。例えば、図3に示したステップS7の第3ガスのプラズマエネルギーを大きくすると、図8Aに示した変質層13xの周方向の厚さt3と比較して、図21に示すように、変質層13xの周方向の厚さt4が厚くなる。
【0079】
第4実施形態に係る半導体装置は、図22に示すように、変質層13xの外周面は階段形状であり、変質層13xの周方向の厚さt1は、半導体層11に近いほど薄くなっている点は、図1に示した第1実施形態に係る半導体装置と共通する。しかし、第4実施形態に係る半導体装置は、変質層13xの外周面の階段形状の段差t5が、図1に示した第1実施形態に係る半導体装置の段差t2よりも大きい。第4実施形態に係る半導体装置の他の構成は、図1に示した第1実施形態に係る半導体装置と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0080】
第4実施形態に係るエッチング方法としては、第1実施形態に係るエッチング方法において、図3に示したステップS3~S8の手順を繰り返すときに、ステップS7において、図21に示すように、第3ガスのプラズマエネルギーを大きくすればよい。
【0081】
第4実施形態に係るエッチング方法によれば、図3に示したステップS3~S8の手順の1サイクルでのエッチング量を大きくすることができ、図3に示したステップS3~S8の手順の繰り返し回数を低減することができる。
【0082】
(第5実施形態)
第5実施形態に係る半導体装置は、図23に示すように、変質層13xの上部131の形状が、図1に示した第1実施形態に係る半導体装置と異なる。変質層13xの上部131の外周面は階段形状であり、階段形状の段差の厚さt5は略一定である。一方、変質層13xの下部132の外周面も階段形状であるが、階段形状の段差の厚さt2は、変質層13xの上部131の段差の厚さt5よりも薄い。第5実施形態に係る半導体装置の他の構成は、図1に示した第1実施形態に係る半導体装置と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0083】
第5実施形態に係るエッチング方法としては、第1実施形態に係るエッチング方法において、第1実施形態に係るエッチング方法において、図3に示したステップS3~S8の手順の複数回のサイクルのうちの前半のサイクルでは、ステップS7の第3ガスのプラズマエネルギーを相対的に大きくする。その後、図3に示したステップS3~S8の手順の複数回のサイクルのうちの後半のサイクルでは、ステップS7の第3ガスのプラズマエネルギーを相対的に小さくする。
【0084】
第5実施形態に係るエッチング方法によれば、複数回のサイクルのうちの前半のサイクルでは、1サイクルでのエッチング量を大きくすることができサイクルの繰り返し回数を低減することができる。一方、複数回のサイクルのうちの後半のサイクルでは、1サイクルでのエッチング量を小さくしてエッチング精度を高めて、半導体層11のリセスの形成を抑制又はリセスの深さを低減することができる。
【0085】
(第6実施形態)
第6実施形態に係る半導体装置は、図24に示すように、変質層13xの上部131及び下部132の形状が、図1に示した第1実施形態に係る半導体装置と異なる。変質層13xの上部131の外周面は略垂直であり、変質層13xの上部131の周方向の厚さt1は略一定である。変質層13xの下部132の外周面は階段形状である。なお、図24では、変質層13xの下部132の階段形状の段差は1段であるが、複数段であってよい。第6実施形態に係る半導体装置の他の構成は、図1に示した第1実施形態に係る半導体装置と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0086】
第6実施形態に係るエッチング方法としては、第1実施形態に係るエッチング方法において、RIE等のドライエッチングにより、図5に示した中間絶縁膜13に凹部13aよりも深い凹部を形成した後、図3に示したステップS3~S8の手順を繰り返すが、ステップS7の第3ガスのプラズマエネルギーを、第1実施形態に係るエッチング方法よりも大きくする。この結果、図24に示すように、RIE等のドライエッチングにより中間絶縁膜13が除去された位置に対応する、変質層13xの上部131の外周面は略垂直となる。一方、図3に示したステップS3~S8の手順を繰り返すことにより中間絶縁膜13が除去された位置に対応する、変質層13xの下部132の外周面は階段形状となる。
【0087】
第6実施形態に係るエッチング方法によれば、中間絶縁膜13のエッチング工程の前半は通常のドライエッチングを用いることで、ステップS3~S8の手順の繰り返し回数を低減することができる。一方、中間絶縁膜13のエッチング工程の後半はステップS3~S8の手順を繰り返すことにより、半導体層11のリセスの形成を抑制又はリセスの深さを低減することができる。
【0088】
(第7実施形態)
第7実施形態では、第1~第6実施形態の半導体装置を適用可能な固体撮像装置及び電子機器について例示する。
【0089】
<電子機器>
第7実施形態に係る固体撮像装置として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを一例として説明する。第7実施形態に係る固体撮像装置は、図25に示すように、画素2が行列状に配列された画素領域(撮像領域)3と、画素領域3から出力された画素信号を処理する周辺回路部(4,5,6,7,8)とを備える。
【0090】
画素2は、一般的には、入射光を光電変換するフォトダイオードで構成された光電変換領域と、光電変換領域の光電変換により発生した信号電荷を読み出すための複数の画素トランジスタとを有する。複数の画素トランジスタは、例えば転送トランジスタ、リセットトランジスタ及び増幅トランジスタの3つのトランジスタで構成することができる。複数の画素トランジスタは、更に選択トランジスタを加えて、4つのトランジスタで構成することもできる。
【0091】
周辺回路部(4,5,6,7,8)は、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、水平駆動回路6、出力回路7及び制御回路8を有する。制御回路8は、入力クロックと、動作モード等を指令するデータを受け取り、固体撮像装置の内部情報等のデータを出力する。例えば、制御回路8は、垂直同期信号、水平同期信号及びマスタクロックに基いて、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5及び水平駆動回路6等の動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。制御回路8は、生成したクロック信号や制御信号を、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5及び水平駆動回路6等に出力する。
【0092】
垂直駆動回路4は、例えばシフトレジスタによって構成されている。垂直駆動回路4は、画素駆動配線を選択し、選択された画素駆動配線に画素2を駆動するためのパルスを供給し、行単位で画素2を駆動する。例えば、垂直駆動回路4は、画素領域3の各画素2を行単位で順次垂直方向に選択走査し、垂直信号線9を通して各画素2の光電変換領域となる例えばフォトダイオードにおいて受光量に応じて生成した信号電荷に基く画素信号をカラム信号処理回路5に供給する。
【0093】
カラム信号処理回路5は、画素2の例えば列毎に配置されている。カラム信号処理回路5は、1行分の画素2から出力される信号を画素列毎にノイズ除去等の信号処理を行う。例えば、カラム信号処理回路5は、画素2固有の固定パターンノイズを除去するためのCDSや、信号増幅、AD変換等の信号処理を行う。カラム信号処理回路5の出力段には水平選択スイッチ(図示せず)が水平信号線10との間に接続されて設けられる。
【0094】
水平駆動回路6は、例えばシフトレジスタによって構成されている。水平駆動回路6は、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム信号処理回路5の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路5の各々から画素信号を水平信号線10に出力させる。
【0095】
出力回路7は、カラム信号処理回路5の各々から水平信号線10を通して順次に供給される信号に対し、信号処理を行って出力する。例えば、出力回路7は、バファリングだけ行ってもよく、黒レベル調整、列ばらつき補正、各種デジタル信号処理等を行ってもよい。入出力端子31は、外部と信号のやりとりをする。
【0096】
図25では、第7実施形態に係る固体撮像装置の画素領域3及び周辺回路部(4,5,6,7,8)が、1枚の基板1に形成されているが、複数の基板を貼り合わせた積層構造で形成してもよい。例えば、第7実施形態に係る固体撮像装置を第1及び第2基板で構成し、第1基板に、光電変換領域と画素トランジスタを設け、第2基板に周辺回路(3,4,5,6,7)等を設けてもよい。或いは、第1基板に光電変換領域と画素トランジスタの一部を設けると共に、第2基板に画素トランジスタの残余の一部と周辺回路(3,4,5,6,7)等を設ける構成でもよい。
【0097】
図26は、第7実施形態に係る固体撮像装置の画素2の等価回路の一例を示す。画素2の光電変換領域であるフォトダイオードPDのアノードが接地され、フォトダイオードPDのカソードに、能動素子である転送トランジスタT1のソースが接続されている。転送トランジスタT1のドレインには、浮遊拡散領域(フローティング・ディフュージョン領域)FDが接続されている。浮遊拡散領域FDは、能動素子であるリセットトランジスタT2のソースと、能動素子である増幅トランジスタT3のゲートに接続されている。増幅トランジスタT3のソースは、能動素子である選択トランジスタT4のドレインに接続され、増幅トランジスタT3のドレインは電源Vddに接続されている。選択トランジスタT4のソースは垂直信号線VSLに接続されている。リセットトランジスタT2のドレインは電源Vddに接続されている。
【0098】
第7実施形態に係る固体撮像装置の動作時には、転送トランジスタT1に制御電位TRGが印加されて、フォトダイオードPDで生成された信号電荷が、浮遊拡散領域FDへ転送される。浮遊拡散領域FDに転送された信号電荷が読み出されて、増幅トランジスタT3のゲートに印加される。選択トランジスタT4のゲートには水平ラインの選択信号SELが垂直シフトレジスタから与えられる。選択信号SELをハイ(H)レベルにすることにより、選択トランジスタT4が導通し、増幅トランジスタT3で増幅された浮遊拡散領域FDの電位に対応する電流が垂直信号線VSLに流れる。また、リセットトランジスタT2のゲートに印加するリセット信号RSTをハイ(H)レベルにすることにより、リセットトランジスタT2が導通し、浮遊拡散領域FDに蓄積された信号電荷をリセットする。
【0099】
例えば、第1~第6実施形態に係る半導体装置は、図26に示したフォトダイオードPD、転送トランジスタT1、リセットトランジスタT2、増幅トランジスタT3、選択トランジスタT4等の、コンタクトホールに埋め込まれた導電層(コンタクト)に接続されるソース領域やドレイン領域等の半導体層(拡散層)を有する半導体装置であってもよい。
【0100】
<電子機器>
図27は、本開示を適用した電子機器としての撮像装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。図27の撮像装置1000は、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等である。撮像装置1000は、レンズ群1001、固体撮像素子1002、DSP回路1003、フレームメモリ1004、表示部1005、記録部1006、操作部1007、および電源部1008からなる。DSP回路1003、フレームメモリ1004、表示部1005、記録部1006、操作部1007、および電源部1008は、バスライン1009を介して相互に接続されている。
【0101】
レンズ群1001は、被写体からの入射光(像光)を取り込んで固体撮像素子1002の撮像面上に結像する。固体撮像素子1002は、上述したCMOSイメージセンサの第7実施形態に係る固体撮像装置に対応する。固体撮像素子1002は、レンズ群1001によって撮像面上に結像された入射光の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号としてDSP回路1003に供給する。
【0102】
DSP回路1003は、固体撮像素子1002から供給される画素信号に対して所定の画像処理を行い、画像処理後の画像信号をフレーム単位でフレームメモリ1004に供給し、一時的に記憶させる。
【0103】
表示部1005は、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等のパネル型表示装置からなり、フレームメモリ1004に一時的に記憶されたフレーム単位の画素信号に基づいて、画像を表示する。
【0104】
記録部1006は、DVD(Digital Versatile Disk)、フラッシュメモリ等からなり、フレームメモリ1004に一時的に記憶されたフレーム単位の画素信号を読み出し、記録する。
【0105】
操作部1007は、ユーザによる操作の下に、撮像装置1000が持つ様々な機能について操作指令を発する。電源部1008は、電源を、DSP回路1003、フレームメモリ1004、表示部1005、記録部1006、および操作部1007に対して適宜供給する。
【0106】
本技術を適用する電子機器は、画像取込部(光電変換部)にCMOSイメージセンサを用いる装置であればよく、撮像装置1000のほか、撮像機能を有する携帯端末装置、画像読取部にCMOSイメージセンサを用いる複写機等がある。
【0107】
(その他の実施形態)
上記のように、本技術は第1~第7実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本技術を限定するものであると理解すべきではない。上記の実施形態が開示する技術内容の趣旨を理解すれば、当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が本技術に含まれ得ることが明らかとなろう。また、第1~第7実施形態がそれぞれ開示する構成を、矛盾の生じない範囲で適宜組み合わせることができる。
【0108】
また、本開示の適用例としては、赤外線受光素子、それを用いた撮像装置、電子機器等があり、用途としては、通常のカメラやスマートフォンに以外にも、監視カメラ、工場検査等の産業機器向けカメラ、車載カメラ、測距センサ(ToFセンサ)、赤外線センサ等、イメージングやセンシングの多岐にわたる応用が考えられる。以下にその一例を説明する。
【0109】
なお、本技術は、以下のような構成を取ることができる。
(1)
シリコンを含む半導体層と、
前記半導体層上に設けられ、前記半導体層の上面の一部を露出する開口部を有する第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜の前記開口部に埋め込まれ、前記半導体層に下端が接する導電層と、
前記第1絶縁膜と前記導電層との間に設けられ、酸素を含み、前記第1絶縁膜の水素含有率と同等以下の水素含有率である変質層と、
を備える、半導体装置。
(2)
前記変質層は、前記半導体層に近いほど前記第1絶縁膜と前記導電層に挟まれた厚さが薄くなる、
前記(1)に記載の半導体装置。
(3)
前記変質層の前記第1絶縁膜と接する側面が階段形状を有する、
前記(2)に記載の半導体装置。
(4)
前記階段形状の段差及び露出した前記半導体層のリセスが2nm以下である、
前記(3)に記載の半導体装置。
(5)
前記変質層の下部の前記階段形状の段差が、前記半導体層の上部の前記階段形状の段差よりも小さい、
前記(3)又は(4)に記載の半導体装置。
(6)
前記変質層の比誘電率は、前記第1絶縁膜の比誘電率よりも低い、
前記(1)~(5)のいずれかに記載の半導体装置。
(7)
前記第1絶縁膜は、窒化珪素からなる、
前記(1)~(6)のいずれかに記載の半導体装置。
(8)
前記変質層は、酸化珪素又は酸窒化珪素を含む、
前記(1)~(7)のいずれかに記載の半導体装置。
(9)
前記半導体層と前記第1絶縁膜との間に設けられた第2絶縁膜を更に備える、
前記(1)~(8)のいずれかに記載の半導体装置。
(10)
前記第2絶縁膜は、酸化珪素からなる、
前記(10)に記載の半導体装置。
(11)
前記第1絶縁膜上に設けられた第3絶縁膜を更に備える、
前記(1)~(10)のいずれかに記載の半導体装置。
(12)
前記第3絶縁膜は、酸化珪素からなる、
前記(11)に記載の半導体装置。
(13)
第1ガスのプラズマにより、シリコンを含む半導体層上に設けられた絶縁膜の上面を酸化して酸化膜を形成し、
第2ガスのプラズマにより、前記酸化膜の上面に第1重合膜を吸着させ、
第3ガスのプラズマにより、前記第1重合膜、前記酸化膜、及び前記絶縁膜の少なくとも一部を除去する、
ことを含む、エッチング方法。
(14)
前記第1ガスは、炭素を含有する、
前記(13)に記載のエッチング方法。
(15)
前記第2ガスは、炭素及びフッ素を含有する、
前記(13)又は(14)に記載のエッチング方法。
(16)
前記第3ガスは、希ガスを含有する、
前記(13)~(15)のいずれかに記載のエッチング方法。
(17)
前記絶縁膜を除去して前記半導体層の上面を露出した後に、
前記第1ガスのプラズマにより、露出した前記半導体層の上面に第2重合膜を堆積し、
前記第2ガスのプラズマにより、前記第2重合膜上に第3重合膜を堆積し、
前記第2重合膜及び前記第3重合膜を除去する
ことを更に含む、
前記(13)~(16)のいずれかに記載のエッチング方法。
(18)
前記第1ガスのプラズマにより前記酸化膜を形成し、前記第2ガスのプラズマにより前記第1重合膜を吸着させ、前記第3ガスのプラズマにより前記第1重合膜、前記酸化膜、及び前記絶縁膜の一部を除去することを含むサイクルを複数回繰り返す、
前記(13)~(17)のいずれかに記載のエッチング方法。
(19)
前記複数回の各サイクルにおける前記第3ガスのプラズマエネルギーを同一とする、
前記(18)に記載のエッチング方法。
(20)
前記複数回の前半の前記サイクルにおける前記第3ガスのプラズマエネルギーよりも、前記複数回の後半の前記サイクルにおける前記第3ガスのプラズマエネルギーを小さくする、
前記(18)に記載のエッチング方法。
【符号の説明】
【0110】
1…基板、2…画素、3…画素領域(撮像領域)、4…垂直駆動回路、5…カラム信号処理回路、6…水平駆動回路、7…出力回路、8…制御回路、9…垂直信号線、10…水平信号線、11…半導体層、11a…酸化層、11b…凹部(リセス)、11c…残留欠陥、11x…酸化膜、12…絶縁膜(下層絶縁膜)、12a…スリット、13…絶縁膜(中間絶縁膜)、13…中間絶縁膜、13a…凹部、13b…反応層、13x…変質層(残留欠陥層)、13y…残留欠陥層、14…絶縁膜(上層絶縁膜)、14a…開口部、14b…反応層、14x…残留欠陥層、15…重合膜、16…シリコン酸化膜、17…重合膜、18…導電層、19…重合膜、20…重合膜、21…処理容器、22…上部電極、23…下部電極、24…ガス供給部、25…制御部、26…排気部、27…高周波電源、27,28…高周波電源、31…入出力端子、100…被処理体、131…上部、132…下部、1000…撮像装置、1001…レンズ群、1002…固体撮像素子、1003…DSP回路、1004…フレームメモリ、1005…表示部、1006…記録部、1007…操作部、1008…電源部、1009…バスライン、FD…浮遊拡散領域(フローティング・ディフュージョン領域)、PD…フォトダイオード、T1…転送トランジスタ、T2…リセットトランジスタ、T3…増幅トランジスタ、T4…選択トランジスタ、VSL…垂直信号線、Vdd…電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27