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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170147
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】簡易プロジェクター
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20221102BHJP
【FI】
G03B21/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076066
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】古澤 和夫
【テーマコード(参考)】
2K203
【Fターム(参考)】
2K203FA30
2K203FA32
2K203FB08
2K203GC03
2K203HA67
2K203KA07
2K203KA74
2K203KA76
2K203KA78
2K203MA21
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スマートフォンなどの携帯情報端末を装着して、そのディスプレイに表示された画像を、手軽に拡大して投影できる簡易プロジェクターを提供すること。
【解決手段】プロジェクターは、筐体と光学系から構成され、筐体は平面のブランク100を組み立てて、当初は6面体に形成され、一部を開封、展開することによって、簡易プロジェクターとすることができるものであって、筐体を開封、展開してプロジェクターとする際には、折りたたまれた内層を、底面3から連続する面を、左側面5及び右側面6から連続する面とともに、後方に引き出して展開し、ディスプレイが前記凸レンズに対向するように固定可能な支持部16,17を備えていることを特徴とする簡易プロジェクター。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートフォンなどの携帯情報端末を装着して、そのディスプレイに表示された画像を、拡大投影することのできる簡易プロジェクターであって、
プロジェクターは、筐体と光学系から構成され、
筐体は平面のブランクを組み立てて、当初は6面体に形成され、一部を開封、展開することによって、簡易プロジェクターとすることができるものであって、
6面体は、前面、天面、底面、左側面、右側面、後ろ面、の6面から構成され、
前面は、開口部を形成可能で、この開口部に光学系として凸レンズとその保持機構を取り付けることが可能であり、
後ろ面は、開封、展開可能に折りたたまれた内層と、外層とが重なって形成されており、
折りたたまれた内層は、底面及び左側面及び右側面から連続する面が、底面から連続する面を介して左右にも連続した3面から形成され、
折りたたまれた内層は、左側面及び右側面から連続する面を、斜めに設けられた折り罫線で三角形に折りたたむと同時に、底面から連続する面を上方に折込んで重ねてあり、
外層は、天面から連続しており、天面の後ろの辺で下方に折込まれて、折りたたまれた内層を覆って後ろ面の最外層を形成しており、
筐体の後ろ面の幅は、スマートフォンなどの携帯情報端末を装着する際の、水平方向の辺の長さより短くなっており、
筐体を開封、展開してプロジェクターとする際には、
6面体の筐体の、天面から連続する後ろ面の外層を、筐体の後方に跳ね上げて開封し、後ろ面の折りたたまれた内層を露出させ、
折りたたまれた内層を、底面から連続する面を、左側面及び右側面から連続する面とともに、後方に引き出して展開し、
引き出されて展開された、左側面から連続する面と右側面から連続する面との間隔は、筐体の後ろ面の幅より、広げることが可能であり、
この後ろ面の折りたたまれた内層を展開した部分は、スマートフォンなどの携帯情報端末を装着可能であって、ディスプレイが前記凸レンズに対向するように固定可能な支持部を備えていることを特徴とする、簡易プロジェクター。
【請求項2】
前記凸レンズは、筒体に保持されて、筒体はその断面と同形状の、筐体の前面の開口部に挿入されて装着されていることを特徴とする、請求項1に記載の簡易プロジェクター。
【請求項3】
前記筒体は、多角柱であることを特徴とする、請求項2に記載の簡易プロジェクター。
【請求項4】
前記筒体は、平面のブランクから組み立てられるものであることを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の簡易プロジェクター。
【請求項5】
前記凸レンズは、筒体に設けられた複数の差し込み孔に凸レンズの外縁を差し込んで保持されていることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれかに記載の簡易プロジェクター。
【請求項6】
前記筐体の後ろ面の外層は、天面から連続して、下方に折込まれて後ろ面の最外層を形成しており、
さらに連続して前方に折り込まれ、筐体の底面を覆って、底面の最外層を形成していることを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれかに記載の簡易プロジェクター。
【請求項7】
前記スマートフォンなどの携帯情報端末を固定可能な支持部は、後方に引き出して展開、開放した左側面及び右側面から連続する面に配置されており、
支持部は、縦方向の全切りのスリットと、その上端及び下端で接続する横方向の全切りの短スリットが設けてあり、
縦方向の全切りのスリットの両側に平行に、上下の短スリットを結ぶ、全切りと半切りが交互に形成されたリード、もしくは折り罫線を、ヒンジとして設けて構成され、
スマートフォンなどの携帯情報端末を、この支持部に挟み込んで装着して固定可能であることを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれかに記載の簡易プロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンなどの携帯情報端末に表示された画像を、光学系の手段を用いて映し出すことのできる、プロジェクターに関するものである。特に板紙などの材料を用いた平面のブランクから構成することのできる、簡易プロジェクターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどの携帯情報端末は、広く普及が進んでおり、現代の生活においては必需品といっても過言ではない。使い方は、個人的にディスプレイに表示された画像や情報を直接見ることが多い。しかし、時には表示される画像や情報を、壁面などに投影して複数人で見たい、あるいは大きく拡大して見たいという場合もあって、投影装置が考案されている。
【0003】
従来から、スマートフォンなどの携帯情報端末をパソコンやプロジェクターに接続して、投影することは可能であり、行われてきた方法である。しかしこの方法では、スマートフォンなどの携帯情報端末の画像を投影できる場所が、パソコンやプロジェクターを設置できる場所に限られ、そのための装置が必要となるなど、手軽さ、簡便さに欠けたものであった。
【0004】
これに対応して特許文献1には、簡易投影装置の提案がなされており、前面に凸レンズを保持する筐体と、筐体内には携帯情報端末のディスプレイを凸レンズに相対するよう固定する支持部材を備えた簡易投影装置の提案がなされている。
【0005】
しかしながら、ここで提案されているプロジェクターは、携帯情報端末の固定が別パーツになるなど、パーツ数が多く、また固定も台座のみで一辺を支えるものであって、不安定なものであった。したがって正確にピントを合わせることも困難であり、不完全なものであった。
【0006】
また、この簡易プロジェクターの筐体を、内容物を収納可能なパッケージとして考える場合には、従来からパッケージの大きさは、凸レンズと携帯情報端末の光学系の距離によって固定的に決められることが一般的であり、内容物の大きさに対して、過不足が生じ運用に困難をきたす場合があった。
【0007】
したがって簡易プロジェクターに対して、光学系の距離に左右されることなく、筐体が内容物のサイズに対してフレキシブルな対応が可能であれば、より利便性が高いものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3202570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであって、スマートフォンなどの携帯情報端末を装着して、そのディスプレイに表示された画像を手軽に拡大して投影でき、かつ大小幅広いサイズの内容物に対応可能なパッケージでもある簡易プロジェクターを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
スマートフォンなどの携帯情報端末を装着して、そのディスプレイに表示された画像を、拡大投影することのできる簡易プロジェクターであって、
プロジェクターは、筐体と光学系から構成され、
筐体は平面のブランクを組み立てて、当初は6面体に形成され、一部を開封、展開することによって、簡易プロジェクターとすることができるものであって、
6面体は、前面、天面、底面、左側面、右側面、後ろ面、の6面から構成され、
前面は、開口部を形成可能で、この開口部に光学系として凸レンズとその保持機構を取り付けることが可能であり、
後ろ面は、開封、展開可能に折りたたまれた内層と、外層とが重なって形成されており、
折りたたまれた内層は、底面及び左側面及び右側面から連続する面が、底面から連続する面を介して左右にも連続した3面から形成され、
折りたたまれた内層は、左側面及び右側面から連続する面を、斜めに設けられた折り罫線で三角形に折りたたむと同時に、底面から連続する面を上方に折込んで重ねてあり、
外層は、天面から連続しており、天面の後ろの辺で下方に折込まれて、折りたたまれた内層を覆って後ろ面の最外層を形成しており、
筐体の後ろ面の幅は、スマートフォンなどの携帯情報端末を装着する際の、水平方向の辺の長さより短くなっており、
筐体を開封、展開してプロジェクターとする際には、
6面体の筐体の、天面から連続する後ろ面の外層を、筐体の後方に跳ね上げて開封し、後ろ面の折りたたまれた内層を露出させ、
折りたたまれた内層を、底面から連続する面を、左側面及び右側面から連続する面とともに、後方に引き出して展開し、
引き出されて展開された、左側面から連続する面と右側面から連続する面との間隔は、筐体の後ろ面の幅より、広げることが可能であり、
この後ろ面の折りたたまれた内層を展開した部分は、スマートフォンなどの携帯情報端末を装着可能であって、ディスプレイが前記凸レンズに対向するように固定可能な支持部を備えていることを特徴とする、簡易プロジェクターである。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、
前記凸レンズは、筒体に保持されて、筒体はその断面と同形状の、筐体の前面の開口部に挿入されて装着されていることを特徴とする、請求項1に記載の簡易プロジェクターである。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、
前記筒体は、多角柱であることを特徴とする、請求項2に記載の簡易プロジェクターである。
【0013】
また請求項4に記載の発明は、
前記筒体は、平面のブランクから組み立てられるものであることを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の簡易プロジェクターである。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、
前記凸レンズは、筒体に設けられた複数の差し込み孔に凸レンズの外縁を差し込んで保持されていることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれかに記載の簡易プロジェクターである。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、
前記筐体の後ろ面の外層は、天面から連続して、下方に折込まれて後ろ面の最外層を形成しており、
さらに連続して前方に折り込まれ、筐体の底面を覆って、底面の最外層を形成していることを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれかに記載の簡易プロジェクターである。
【0016】
また、請求項7に記載の発明は、
前記スマートフォンなどの携帯情報端末を固定可能な支持部は、後方に引き出して展開、開放した左側面及び右側面から連続する面に配置されており、
支持部は、縦方向の全切りのスリットと、その上端及び下端で接続する横方向の全切りの短スリットが設けてあり、
縦方向の全切りのスリットの両側に平行に、上下の短スリットを結ぶ、全切りと半切りが交互に形成されたリード、もしくは折り罫線を、ヒンジとして設けて構成され、
スマートフォンなどの携帯情報端末を、この支持部に挟み込んで装着して固定可能であることを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれかに記載の簡易プロジェクターである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、スマートフォンなどの携帯情報端末を装着して、そのディスプレイに表示された画像を手軽に拡大して投影でき、かつ大小幅広いサイズの内容物に対応可能なパッケージでもある簡易プロジェクターを提供することが可能である。
【0018】
すなわち、この簡易プロジェクターの筐体を、単にプロジェクターの筐体とするだけでなく、内容物を収納可能なパッケージとして考える場合には、内層を引き出して組み立てる方式の本発明による簡易プロジェクターは、光学系の距離に左右されることなく、内容物のサイズに対してフレキシブルな対応が可能であって、この点においても利便性が高いものである。
【0019】
筐体は平面のブランクを組み立てて、当初は6面体に形成され、一部を開封、展開することによって、簡易プロジェクターとすることができるものであって、6面体は、前面、天面、底面、左側面、右側面、後ろ面、の6面から構成されていることによって、ブランク以外の部材を必要とせず、簡素な構造でプロジェクターを構成することが可能である。
【0020】
また、6面体に形成された状態で、商品のパッケージとしての利用も可能であり、プロジェクター機能は、商品のパッケージの付加機能として利用価値が高い。
【0021】
また平面のブランクである状態においては、嵩張らず積み重ねが容易であって、利便性が高い。特に材料として板紙などを用いる場合には、価格面において安価なものとすることが可能である。
【0022】
前面は、開口部を形成可能で、この開口部に光学系として凸レンズとその保持機構を取り付けることが可能であることによって、筐体と光学系を別の構成要素として組み立てることができ、また簡易プロジェクターとして使用する際にも、ピント合わせなどが可能な構造とすることができる。このような簡素な構成であることによって、プロジェクターとしての取り扱いも容易なものとすることができる。
【0023】
後ろ面は、開封、展開可能に折りたたまれた内層と、外層とが重なって形成されており、折りたたまれた内層は、底面及び左側面及び右側面から連続する面が、底面から連続する面を介して左右にも連続した3面から形成され、折りたたまれた内層は、左側面及び右側面から連続する面を、斜めに設けられた折り罫線で三角形に折りたたむと同時に、底面から連続する面を上方に折込んで重ねてあり、外層は、天面から連続しており、天面の後ろの辺で下方に折込まれて、折りたたまれた内層を覆って後ろ面の最外層を形成していることによって、別部材を必要とすることもなくブランクスを一旦6面体に組み立てることができ、この状態であれば比較的嵩張らず、例えば筐体の内部に凸レンズやその保持機構を収納することも可能であって利便性に優れる。
【0024】
筐体を開封、展開してプロジェクターとする際には、6面体の筐体の、天面から連続する後ろ面の外層を、筐体の後方に跳ね上げて開封し、後ろ面の折りたたまれた内層を露出させ、折りたたまれた内層を、底面から連続する面を、左側面及び右側面から連続する面とともに、後方に引き出して展開し、引き出されて展開された、左側面から連続する面と右側面から連続する面との間隔は、筐体の後ろ面の幅より、広げることが可能であり、
この後ろ面の折りたたまれた内層を展開した部分は、スマートフォンなどの携帯情報端末を装着可能であって、ディスプレイが前記凸レンズに対向するように固定可能な支持部を備えていることによって、例えば手指を用いるなどして容易に簡易プロジェクターを形成することが可能である。
【0025】
また従来は、携帯情報端末を、凸レンズを用いた光学系で投影しようとする場合には、一定の距離を必要としたために、筐体を内容物を収納可能なパッケージとして考える場合には、内容物の大きさは筐体のサイズに合わせて固定的にしか運用できなかった。
【0026】
しかし、本発明によって折りたたまれた内層を展開して、プロジェクターとする場合には、このプロジェクターの筐体を内容物を収納可能なパッケージとして考えれば、大小幅広い内容物に対してフレキシブルに対応可能となる。
【0027】
特に請求項2に記載の発明によれば、凸レンズは、筒体に保持されて、筒体はその断面と同形状の、筐体の前面の開口部に挿入されて装着されていることによって、光学系は独りしたユニットとして取り扱うことができ、プロジェクターの構造が、簡素化されて利便性が高い。
【0028】
また特に請求項3に記載の発明によれば、筒体は、多角柱であることによって、意匠的にも好ましいものとすることが可能である。
【0029】
また特に請求項4に記載の発明によれば、筒体は、平面のブランクから組み立てられるものであることによって、平面のブランクである状態においては、嵩張らず積み重ねが容易であって、利便性が高い。特に材料として板紙などを用いる場合には、価格面において安価なものとすることが可能である。
【0030】
また特に請求項5に記載の発明によれば、凸レンズは、筒体に設けられた複数の差し込み孔に凸レンズの外縁を差し込んで保持されていることによって、特段の取り付け部材を必要とせず、簡素な構造のプロジェクターとすることが可能である。
【0031】
また特に請求項6に記載の発明によれば、筐体の後ろ面の外層は、天面から連続して、下方に折込まれて後ろ面の最外層を形成しており、さらに連続して前方に折り込まれ、筐体の底面を覆って、底面の最外層を形成していることによって、筐体を開封、展開してプロジェクターとしたときに、プロジェクターの後方部分まで覆って、外光さえぎることが可能になり、光学系への影響を少なくすることができる。
【0032】
スマートフォンなどの携帯情報端末を固定可能な支持部は、後方に引き出して展開、開放した左側面及び右側面から連続する面に配置されており、支持部は、縦方向の全切りのスリットと、その上端及び下端で接続する横方向の全切りの短スリットが設けてあり、縦
方向の全切りのスリットの両側に平行に、上下の短スリットを結ぶ、全切りと半切りが交互に形成されたリード、もしくは折り罫線を、ヒンジとして設けて構成され、スマートフォンなどの携帯情報端末を、この支持部に挟み込んで装着して固定可能であることによって、支持部として、支持部を容易な工程で設けることが可能である。また、別部材を必要とせず、スマートフォンなどの携帯情報端末の固定を、容易でかつ強固なものとすることができる。
【0033】
また従来は、筐体を内容物を収納可能なパッケージとして考える場合には、内容物の大きさは、筐体を凸レンズと携帯情報端末の光学的な距離に合わせる必要があるために、固定的にしか運用できなかった。
【0034】
しかし、本発明によって折りたたまれた内層を展開して、プロジェクターとする場合には、このプロジェクターの筐体を内容物を収納可能なパッケージとして考えれば、大小幅広い内容物に対してフレキシブルに対応可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、本発明に係る簡易プロジェクターの一実施態様を説明するための、筐体のブランクの平面模式図である。
図2図2は、本発明に係る簡易プロジェクターの一実施態様において、凸レンズの保持機構としての筒体の一例を説明するための、ブランクの平面模式図である。
図3図3は、本発明に係る簡易プロジェクターの一実施態様において、ブランクを組み立てて形成した6面体の筐体の斜視(一部透視)模式図である。
図4図4は、本発明に係る簡易プロジェクターの一実施態様において、凸レンズとその保持機構としての筒体を6面体の筐体に取り付ける様子を説明するための、斜視(一部透視)模式図である。
図5図5は、本発明に係る簡易プロジェクターの一実施態様において、筐体の後ろ面を開封、展開する様子を説明するための斜視模式図である。
図6図6は、本発明に係る簡易プロジェクターの一実施態様において、筐体の後ろ面を開封、展開してスマートフォンなどの携帯情報端末を取り付け可能にした状態を説明するための斜視模式図である。
図7図7は、本発明に係る簡易プロジェクターの一実施態様において、筐体の後ろ面を開封、展開した部分に、スマートフォンなどの携帯情報端末を取り付けた状態を説明するための斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明を図1図7を参照しながら、更に詳しい説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例によってのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって特定されるものである。
【0037】
図1は、本発明に係る簡易プロジェクターの一実施態様を説明するための、筐体のブランクの平面模式図である。
【0038】
本発明は、スマートフォンなどの携帯情報端末を装着して、そのディスプレイに表示された画像を、拡大投影することのできる簡易プロジェクターである。
【0039】
本発明による、簡易プロジェクターは、スマートフォンなどの携帯情報端末を装着可能であって、筐体と光学系から構成される。筐体は平面のブランクを組み立てて、当初は6面体に構成される。6面体に形成された状態で、商品のパッケージとしての利用も可能であり、プロジェクター機能は、商品のパッケージの付加機能としても利用価値が高い。
【0040】
図1に示す筐体のブランクは、筐体の内側になる面から見たものであって、6面体は、前面(1)、天面(2)、底面(3)、左側面(5)、右側面(4)、後ろ面(6)の6面で6面体が形成される。なお、図1をはじめとして、天面(2)にはハッチングを入れて識別を容易にしてある。
【0041】
6面体の筐体を組み立てることができる平面のブランク(100)は、その材質に特段の制約を加えるものではなく、必要な機械的強度や剛性を有し、折り罫線加工などの加工適性を考慮すれば、例えば板紙などを用いて構成することができ、この場合には容易に組み立てが可能で、別部材を用いる必要もなく、かつ安価な簡易プロジェクターとすることが可能である。また板紙であれば、廃棄も容易でリサイクルも可能であり、環境適合型の簡易プロジェクターとすることが可能である。
【0042】
また、平面のブランクの状態であれば、嵩張ることもなく、その取扱いや保管においても利便性が高い。加えて、加工も複雑な装置を用いての加工などはなく、簡易でコスト面でも廉価なものとすることができる。
【0043】
前面(1)は、開口部(8)を形成可能で、この開口部(8)に光学系として凸レンズ及びその保持機構を取り付けることが可能である。凸レンズ及び保持機構の取り付けについては、図2及び図4の説明において後述する。
【0044】
また開口部(8)は、ブランクの状態であらかじめ切り抜いて開口部(8)としておくのでもよく、あるいはミシン目などで必要な時に切り取って、開口部(8)を可能にしておくのでもよい。図1に示す例においては、開口部(8)は、正六角形に形成されている。
【0045】
後ろ面(6)は、6面体を形成した後に開封、展開可能であって、折りたたまれた内層(10)と外層(20)とを重ねて形成される。
【0046】
折りたたまれた内層(10)は、底面から連続する面(11)、左側面から連続する面(13)及び右側面から連続する面(12)の、3面から形成されている。これらの3面は、底面から連続する面(11)を挟んで、幅方向左右に連続している。
【0047】
折りたたまれた内層(10)は、その折りたたみは、左側面から連続する面(13)及び右側面から連続する面(12)を、斜めに設けられた折り罫線(15)、及び折り罫線(14)を山折にして三角形に折りたたむと同時に、底面から連続する面(11)を上方、すなわち図1において、手前側に折込んでこれらを重ねて形成される。
【0048】
本発明による簡易プロジェクターには、スマートフォンなどの携帯情報端末を装着して固定することのできる支持部を備えるが、図1に示す例においては、左側面から連続する面(13)及び右側面から連続する面(12)に、それぞれ支持部(17)、支持部(16)が設けてあり、これらはスマートフォンなどの携帯情報端末を、この支持部に挟み込んで装着して固定することができる。この、スマートフォンなどの携帯情報端末の装着、固定の詳細については後述する。
【0049】
後ろ面(6)の外層(20)は、天面(2)から連続しており、6面体の組み立てにおいて天面(2)を形成した後、下方に折込まれて、折りたたまれた内層(10)を覆って、後ろ面(6)の最外層を形成する。
【0050】
また、図1に示す例においては、外層(20)に連続して、底面の最外層(21)が設けられており、この場合には、底面(3)を覆って底面の最外層を形成することが可能で
ある。
【0051】
図2は、本発明に係る簡易プロジェクターの一実施態様において、凸レンズの保持機構としての筒体の一例を説明するための、ブランクの平面模式図である。
【0052】
簡易プロジェクターの光学系は、スマートフォンなどの携帯情報端末のディスプレイに表示された画像を、凸レンズを介して、拡大投影することのできるものである。
【0053】
光学系は、凸レンズとその保持機構から構成することができる。例えば、凸レンズは、筒体(90)に保持されて、筒体(90)はその断面と同形状の、筐体の前面(1)の開口部(8)に挿入して取り付けることができる。
【0054】
筒体(90)は、多角柱であってもよく、図2に示す例は、正六角柱の筒体(90)の例である。この場合には、図1に示すように、筐体の前面(1)の開口部(8)は正六角形の開口部(8)であり、大きさも同じであり、筐体の前面(1)に挿入して、隙間なく取り付けることができる。したがってこの部分から外光が筐体(90)の内部に侵入して、プロジェクターの投影に影響を与えることを回避することができる。。
【0055】
図2に示す例の筒体のブランク(101)は、筒体(90)の内側になる面から見たものである。また、組み立てのための、のりしろ(93)、タブ(94)の部分を含めて、7本の折り罫線(91)加工が施されており、タブ(94)をスリット(95)に挿入して固定し、六角柱の筒体(90)を形成することができる。したがって折り罫線(91)はすべて谷折りである。
【0056】
また図2に示す例においては、正六角柱を形成する面には、凸レンズを固定、保持することができる差し込み孔(92)が6箇所設けられており、凸レンズを、筒体(90)に設けられたこれらの差し込み孔(92)に、凸レンズの外縁を差し込んで、固定、保持することが可能である。
【0057】
このような固定、保持の方式をとる場合には、固定、保持のための別部材を必要とせず、軽量化に効果的でありまた、組み立ても容易であって、コスト面でも有利なものとすることができる。
【0058】
筒体(90)を組み立てることができる平面のブランク(101)は、その材質に特段の制約を加えるものではなく、必要な機械的強度や剛性を有し、差し込み孔(92)の打ち抜き加工や折り罫線(91)加工などの加工適性を考慮すれば、例えば板紙などを用いて構成することができ、この場合には、筒体(90)の組み立ても容易であり、筐体(90)とともに、安価な簡易プロジェクターとすることが可能である。
【0059】
このように筒体(90)は、多角柱とすることが可能であって、図2に示す例は正六角柱の筒体(90)の例である。多角柱の場合には、意匠性にも優れ、また平面のブランクから組み立てることも可能であって、ブランクの状態においては嵩張らず、組み立ても容易であり、利便性が高い。
【0060】
図3は、本発明に係る簡易プロジェクターの一実施態様において、ブランクを組み立てて形成した6面体の筐体の斜視(一部透視)模式図である。
【0061】
前述のように、本発明による簡易プロジェクターは、スマートフォンなどの携帯情報端末を装着可能であって、筐体(80)と光学系から構成され、筐体(80)は平面のブランク(100)を組み立てて立体に構成される。
【0062】
組み立てられた初期状態において、筐体(80)は、前面(1)、天面(2)、底面(3)、左側面(5)、右側面(4)、後ろ面(6)、の6面からなる6面体に組み立てることができる。
【0063】
この状態においては、筐体(80)は6面体であって、突起物などはなく、比較的嵩張らない状態であり、積み重ねや取り扱いも容易である上、6面体の内部に簡易プロジェクターとしての光学系や付属品などを収納することも可能である。
【0064】
ブランク(100)から組み立てられた、6面体の筐体(80)は、前面(1)に開口部(8)を有しており、図3に示す例においては正六角形の開口部(8)を配置した例である。この開口部(8)の形成は、あらかじめ前面(1)から切り取って開口部(8)としたものでもよく、ミシン目などを設けて、必要な時点で切り取り可能にしたものでもよい。
【0065】
筐体(80)の本体は、平面のブランク(100)から組み立てられた6面体であるが、この6面体の一部を開封、展開するとともに、光学系を取り付けて、本発明による簡易プロジェクターとすることができる。
【0066】
なお図3に示す例おいて、6面体の後ろ面(6)は不可視であるが、最外層は外層(20)となっている。また底面(3)は不可視であるが、外層(20)に連続する、最外層の底面(21)で覆われている。
【0067】
また、後ろ面(6)の折りたたまれた内層(10)は、筐体の内側に露出して、図3において、右側面から連続する面(12)は、折り罫線(14)を山折にして三角形になっており、左側面から連続する面(13)もまた、折り罫線(15)を山折にして三角形になっており、筐体(80)の後ろ面(6)の内側に透視されて示されている。これらの左右の三角形に挟まれて、底面から連続する面(11)が、筐体(80)の内側に露出していることも、図3から見て取れる。
【0068】
図4は、本発明に係る簡易プロジェクターの一実施態様において、凸レンズとその保持機構としての筒体を6面体の筐体に取り付ける様子を説明するための、斜視(一部透視)模式図である。
【0069】
簡易プロジェクターは、筐体(80)と光学系から構成される。筐体(80)は平面のブランク(100)を組み立てて、当初は6面体に形成され、一部を開封、展開することによって、簡易プロジェクターとすることができるものであって、6面体は、前面(1)、天面(2)、底面(3)、左側面(5)、右側面(4)、後ろ面(6)、の6面から構成され、前面(1)には、開口部(8)を形成可能で、この開口部(8)に光学系として凸レンズ(70)とその保持機構を取り付けることができる。
【0070】
凸レンズ(70)は、筒体(90)に保持されて、筒体(90)はその断面と同形状の、筐体(80)の前面(1)の開口部(8)に挿入して取り付けることができる。筒体(90)は、多角柱であってもよい。また、筒体(90)は、平面のブランクから組み立てられるものであってもよい。
【0071】
凸レンズ(70)は、筒体(90)に設けられた複数の差し込み孔(92)に凸レンズ(70)の外縁を差し込んで保持されているのでもよい。
【0072】
凸レンズ(70)について、このような固定、保持の方式をとる場合には、固定、保持
のための別部材を必要とせず、軽量化に効果的でありまた、組み立ても容易であって、コスト面でも有利なものとすることができる。
【0073】
また、凸レンズ(70)の材質については、特段の制約を設けるものではない。簡易プロジェクターとしての光学特性を満たす限りにおいて、例えばガラスを材料とするのでもよく、プラスチックを材料とするものでも構わない。特にプラスチック材料を用いる場合には、軽量化、コスト削減にも効果的である。
【0074】
図4に示す例において、筒体(90)は正六角柱であって、正六角柱を構成する各面に設けた6箇所の差し込み孔(92)に、凸レンズ(70)の外縁を差し込んで保持している例である。
【0075】
図5は、本発明に係る簡易プロジェクターの一実施態様において、筐体の後ろ面を開封、展開する様子を説明するための斜視模式図である。
【0076】
すなわち、図5は当初の6面体の筐体(80)を、簡易プロジェクターとするために開封、展開する様子を示すものであって、筐体(80)を後ろ面(6)側から見た斜視模式図である。
【0077】
まず、6面体の筐体(80)の、天面(2)から連続する、後ろ面(6)の外層(20)を、筐体(80)の後方の矢印(40)の方向に跳ね上げて開封し、後ろ面(6)の折りたたまれた内層(10)を露出させる。
【0078】
次に、折りたたまれた内層(10)を、底面から連続する面(11)を、左側面から連続する面(13)及び右側面から連続する面(12)とともに、後方の矢印(41)の方向に引き出して展開する。
【0079】
なお、図5に示す例においては、外層(20)に連続した底面の最外層(21)も、後方に跳ね上げられている状態である。なお、底面の最外層(21)は、簡易プロジェクターの組み立て後には、後方の上面を覆うことができる。
【0080】
このようにして、スマートフォンなどの携帯情報端末を装着して、そのディスプレイに表示された画像を手軽に拡大して投影でき、かつ大小幅広いサイズの内容物に対応可能なパッケージでもある簡易プロジェクターを提供することが可能である。
【0081】
図6は、本発明に係る簡易プロジェクターの一実施態様において、筐体の後ろ面を開封、展開してスマートフォンなどの携帯情報端末を取り付け可能にした状態を説明するための斜視模式図である。
【0082】
本発明において、筐体(80)の後ろ面(6)の幅は、スマートフォンなどの携帯情報端末を装着する際の、水平方向の辺の長さより短くなっている。引き出されて展開された、左側面から連続する面(13)と右側面から連続する面(12)との間隔は、筐体の後ろ面(6)の幅より広げるために、図中矢印(42)方向に引くことが可能である。
【0083】
この部分にスマートフォンなどの携帯情報端末を装着可能であって、左側面から連続する面(13)、及び右側面から連続する面(12)は、ディスプレイが凸レンズ(70)に対向するように固定可能な、支持部(17)、及び支持部(16)を備えている。
【0084】
なお、図6下方に支持部(17)、及び支持部(16)の詳細を説明するための拡大図を示してある。
【0085】
支持部(17)、及び支持部(16)は、縦方向の全切りのスリット(30)と、その上端及び下端で接続する横方向の全切りの短スリット(31)が設けてある。
【0086】
この縦方向の全切りのスリット(30)の両側に平行に、上下の短スリット(31)を結ぶ、全切り(33)と半切り(35)が交互に形成されたリード(36)、もしくは折り罫線を、ヒンジとして設けて構成されている。
【0087】
図6に示す例においてはリード(36)で構成されている例である。スマートフォンなどの携帯情報端末は、この支持部に挟み込んで固定可能である。図6に示す例は、ヒンジとして、リード(36)を形成した例である。
【0088】
このリード(36)、もしくは折り罫線のヒンジ構造によって、厚さを有するスマートフォンなどの携帯情報端末などを挟み込んで固定することができる。
【0089】
図7は、本発明に係る簡易プロジェクターの一実施態様において、筐体の後ろ面を開封、展開した部分に、スマートフォンなどの携帯情報端末を取り付けた状態を説明するための斜視模式図である。
【0090】
図7に示すように、筐体(80)の後ろ面(6)から展開した部分には、スマートフォンなどの携帯情報端末(50)を装着可能であって、ディスプレイが、前面(1)に取り付けた凸レンズ(70)に対向するように固定して、簡易プロジェクター(200)は使用可能となる。
【0091】
また、いったん後方に跳ね上げた、外層(20)及び外層(20)に連続した底面の最外層(21)は、スマートフォンなどの携帯情報端末(50)を取り付けた状態において、矢印(43)の方向に引いて、後方の上面を覆うことができる。これにより外光の簡易プロジェクター(200)内部への侵入を防止し、投影に影響を与えることを回避することが可能である。
【0092】
このようにして、本発明によれば、スマートフォンなどの携帯情報端末を装着して、そのディスプレイに表示された画像を手軽に拡大して投影でき、かつその筐体が大小幅広いサイズの内容物に対応可能なパッケージでもある簡易プロジェクターを提供することが可能である。
【符号の説明】
【0093】
1・・・前面
2・・・天面
3・・・底面
4・・・右側面
5・・・左側面
6・・・後ろ面
8・・・開口部
10・・・折りたたまれた内層
11・・・底面から連続する面
12・・・右側面から連続する面
13・・・左側面から連続する面
14・・・折り罫線
15・・・折り罫線
16・・・支持部
17・・・支持部
20・・・外層
21・・・底面の最外層
30・・・全切りのスリット
31・・・短スリット
33・・・全切り
35・・・半切り
36・・・リード
40・・・矢印
41・・・矢印
42・・・矢印
43・・・矢印
50・・・携帯情報端末
70・・・凸レンズ
80・・・筐体
90・・・筒体
91・・・折り罫線
92・・・差し込み孔
93・・・のりしろ
94・・・タブ
95・・・スリット
100・・・ブランク
101・・・筒体のブランク
200・・・簡易プロジェクター
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7