(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170204
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】端子台および蓄電池ユニット
(51)【国際特許分類】
H01M 50/296 20210101AFI20221102BHJP
H01R 9/03 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
H01M50/296
H01R9/03 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076173
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100091524
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 充夫
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】猿渡 直人
(72)【発明者】
【氏名】田端 雄樹
(72)【発明者】
【氏名】井上 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】篠田 将太郎
【テーマコード(参考)】
5E077
5H040
【Fターム(参考)】
5E077BB18
5E077BB26
5H040AA03
5H040AA36
5H040AY06
5H040CC38
5H040DD08
5H040DD09
5H040DD13
5H040DD26
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】長期信頼性の高い端子台を提供すること。
【解決手段】端子台が、端子台ハウジングと、端子台ハウジングの内部に配置された板状のバスバーとを備える。バスバーが、サーキットブレーカに接続することが可能な第1接続部と、締結部材を介して電気接続部材を接続することが可能な第2接続部とを有する。端子台ハウジングが、第2接続部を収容する収容部を有し、第1接続部がサーキットブレーカに接続された状態において、第2接続部は端子台ハウジングに固定されず、第2接続部と収容部を構成する前記端子台ハウジングとの間に隙間が設けられる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子台ハウジングと、
前記端子台ハウジングの内部に配置された板状のバスバーと
を備え、
前記バスバーが、
前記バスバーが延びる方向の一端に設けられ、サーキットブレーカに接続することが可能な第1接続部と、
前記バスバーが延びる方向の他端に設けられ、締結部材を介して電気接続部材を接続することが可能な第2接続部と
を有し、
前記端子台ハウジングが、前記第2接続部を収容する収容部を有し、
前記第1接続部が前記サーキットブレーカに接続された状態において、前記第2接続部は前記端子台ハウジングに固定されず、前記第2接続部と前記収容部を構成する前記端子台ハウジングとの間に隙間が設けられる、端子台。
【請求項2】
前記バスバーが、
第1方向に沿って延びると共に、前記第1方向の一端部が前記サーキットブレーカに接続される前記第1接続部と、
前記第1接続部の前記第1方向の他端部に接続され、前記第1方向に交差する第2方向に延びる連結部と、
前記連結部の前記第2方向における前記第1接続部から遠い端部に接続され、前記第1方向に沿って延びると共に、前記第1方向における前記連結部から遠い端部に前記締結部材が固定される前記第2接続部と
を有し、
前記第1接続部は、前記サーキットブレーカにより前記第2方向において位置決め可能に構成されている、請求項1の端子台。
【請求項3】
前記端子台ハウジングが、
前記収容部の前記第1方向の両端にそれぞれ配置され、前記第2接続部の前記第1方向の位置を決める第1位置決め部を有する、請求項2の端子台。
【請求項4】
前記端子台ハウジングが、
前記収容部の前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向の両端にそれぞれ配置され、前記第2接続部の前記第3方向の位置を決める第2位置決め部を有する、請求項2または3の端子台。
【請求項5】
前記端子台ハウジングが、
前記連結部の前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向の両側にそれぞれ配置され、前記連結部の前記第3方向の位置を決める第3位置決め部を有する、請求項2から4のいずれか1つの端子台。
【請求項6】
前記端子台ハウジングが、
前記連結部に対して前記第1方向における前記第1接続部の反対側に配置され、前記連結部の前記第1方向の位置を決める第4位置決め部を有する、請求項2から5のいずれか1つの端子台。
【請求項7】
内部に蓄電池が収容された蓄電池モジュールと、
前記蓄電池モジュールに接続された制御ユニットと
を備え、
前記制御ユニットが、
制御ユニットハウジングと、
前記制御ユニットハウジングの内部に配置され、前記蓄電池を制御する制御装置と、
前記制御ユニットハウジングの内部に配置され、前記制御装置に接続されたサーキットブレーカと、
前記制御ユニットハウジングの内部に配置され、前記サーキットブレーカおよび前記蓄電池モジュールに接続された板状のバスバーと
を有し、
前記バスバーが、
前記バスバーが延びる方向の一端に設けられ、前記サーキットブレーカに接続されている第1接続部と、
前記バスバーが延びる方向の他端に設けられ、締結部材を介して前記蓄電池モジュールの電気接続部材が接続されている第2接続部と
を有し、
前記制御ユニットハウジングが、前記第2接続部を収容する収容部を有し、
前記第2接続部は前記制御ユニットハウジングに固定されず、前記第2接続部と前記収容部を構成する前記制御ユニットハウジングとの間に隙間が設けられている、蓄電池ユニット。
【請求項8】
前記バスバーが、
第1方向に沿って延びると共に、前記第1方向の一端部が前記サーキットブレーカに接続されている前記第1接続部と、
前記第1接続部の前記第1方向の他端部に接続され、前記第1方向に交差する第2方向に延びる連結部と、
前記連結部の前記第2方向における前記第1接続部から遠い端部に接続され、前記第1方向に沿って延びると共に、前記第1方向における前記連結部から遠い端部に前記締結部材が固定されている前記第2接続部と
を有し、
前記第1接続部は、前記サーキットブレーカにより前記第2方向において位置決めされている、請求項7の蓄電池ユニット。
【請求項9】
前記制御ユニットハウジングが、
前記収容部の前記第1方向の両端にそれぞれ配置され、前記第2接続部の前記第1方向の位置を決める第1位置決め部を有する、請求項8の蓄電池ユニット。
【請求項10】
前記制御ユニットハウジングが、
前記収容部の前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向の両端にそれぞれ配置され、前記第2接続部の前記第3方向の位置を決める第2位置決め部を有する、請求項8または9の蓄電池ユニット。
【請求項11】
前記制御ユニットハウジングが、
前記連結部の前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向の両側にそれぞれ配置され、前記連結部の前記第3方向の位置を決める第3位置決め部を有する、請求項8から10のいずれか1つの蓄電池ユニット。
【請求項12】
前記制御ユニットハウジングが、
前記連結部の前記第1方向における前記第1接続部とは反対側に配置され、前記連結部の前記第1方向の位置を決める第4位置決め部を有する、請求項8から11のいずれか1つの蓄電池ユニット。
【請求項13】
前記制御ユニットハウジングの内部に配置されたヒューズまたは電磁継電器を備え、
前記サーキットブレーカおよび前記ヒューズの間に前記サーキットブレーカおよび前記ヒューズを接続するハーネスを配置可能な配置空間が設けられている、または、前記サーキットブレーカおよび前記電磁継電器の間に前記サーキットブレーカおよび前記電磁継電器を接続するハーネスを配置可能な配置空間が設けられている、請求項8から12のいずれか1つの蓄電池ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子台および蓄電池ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の単電池を有する蓄電池モジュールが複数収納される筐体を備えた蓄電池ユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記蓄電池ユニットでは、筐体の内部に電池モジュールを制御する制御装置が設けられ、蓄電池モジュールおよび制御装置がサーキットブレーカを介して接続される場合がある。この場合、端子台は、通常、ねじで固定されたバスバーを介してサーキットブレーカに接続されるため、端子台に負荷がかかり、端子台、ひいては蓄電池ユニットの長期信頼性が低下するおそれがある。
【0005】
本開示は、長期信頼性の高い端子台および蓄電池ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の端子台は、
端子台ハウジングと、
前記端子台ハウジングの内部に配置された板状のバスバーと
を備え、
前記バスバーが、
前記バスバーが延びる方向の一端に設けられ、サーキットブレーカに接続することが可能な第1接続部と、
前記バスバーが延びる方向の他端に設けられ、締結部材を介して電気接続部材を接続することが可能な第2接続部と
を有し、
前記端子台ハウジングが、前記第2接続部を収容する収容部を有し、
前記第1接続部が前記サーキットブレーカに接続された状態において、前記第2接続部は前記端子台ハウジングに固定されず、前記第2接続部と前記収容部を構成する前記端子台ハウジングとの間に隙間が設けられる。
【0007】
本開示の一態様の蓄電池ユニットは、
内部に蓄電池が収容された蓄電池モジュールと、
前記蓄電池モジュールに接続された制御ユニットと
を備え、
前記制御ユニットが、
制御ユニットハウジングと、
前記制御ユニットハウジングの内部に配置され、前記蓄電池を制御する制御装置と、
前記制御ユニットハウジングの内部に配置され、前記制御装置に接続されたサーキットブレーカと、
前記制御ユニットハウジングの内部に配置され、前記サーキットブレーカおよび前記蓄電池モジュールに接続された板状のバスバーと
を有し、
前記バスバーが、
前記バスバーが延びる方向の一端に設けられ、前記サーキットブレーカに接続されている第1接続部と、
前記バスバーが延びる方向の他端に設けられ、締結部材を介して前記蓄電池モジュールの電気接続部材が接続されている第2接続部と
を有し、
前記制御ユニットハウジングが、前記第2接続部を収容する収容部を有し、
前記第2接続部は前記制御ユニットハウジングに固定されず、前記第2接続部と前記収容部を構成する前記制御ユニットハウジングとの間に隙間が設けられている。
【発明の効果】
【0008】
前記端子台によれば、長期信頼性の高い端子台を実現できる。
【0009】
前記蓄電池ユニットによれば、長期信頼性の高い蓄電池ユニットを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態の蓄電池ユニットを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の一例を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向あるいは位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した本開示の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本開示の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0012】
本開示の一実施形態の蓄電池ユニット1は、
図1に示すように、蓄電池モジュール2と、蓄電池モジュール2に接続された制御ユニット3とを備えている。本実施形態では、蓄電池ユニット1は、蓄電池モジュール2を設置場所に固定するためのベース4をさらに備えている。
【0013】
蓄電池モジュール2は、
図1に示すように、蓄電池10と、蓄電池10が収容された蓄電池モジュールハウジング20とを有している。本実施形態では、蓄電池10は、複数のセルで構成されている。蓄電池モジュールハウジング20は、略直方体形状を有し、その高さ方向(例えば、Z方向。以下、高さ方向Zという。)の一端に制御ユニット3が取り付けられ、その高さ方向Zの他端にベース4が取り付けられている。
【0014】
制御ユニット3は、
図1および
図2に示すように、制御ユニットハウジング30と、制御ユニットハウジング30の内部に配置された制御装置31、サーキットブレーカ32およびバスバー50とを有している。
【0015】
図2に示すように、本実施形態では、制御ユニット3は、制御ユニットハウジング30の内部に配置されたヒューズ33および電磁継電器34を有している。制御装置31は、制御基板等で構成され、蓄電池モジュール2の蓄電池10を制御する。サーキットブレーカ32は、バスバー50を介して蓄電池モジュール2に接続され、ヒューズ33および電磁継電器34を介して制御装置31に接続されている。
【0016】
制御ユニットハウジング30は、
図1および
図2に示すように、略直方体形状で、その内部に、第1収容部35、第2収容部36、支持部37および第3収容部38を有している。
【0017】
第1収容部35は、制御ユニットハウジング30の内部において、高さ方向Zにおける蓄電池モジュール2から遠い端に配置され、ヒューズ33を収容している。
【0018】
第2収容部36は、制御ユニットハウジング30の内部において、高さ方向Zにおける第1収容部35および蓄電池モジュール2の間に配置されている。第2収容部36は、蓄電池モジュールハウジング20の幅方向(例えば、X方向。以下、幅方向Xという。)において第1収容部35と略同じ位置に配置された凹部361と、凹部361の幅方向Xの一端から幅方向Xに沿って延びる仕切り部362とを有している。凹部361は、電磁継電器34を収容している。
【0019】
支持部37は、制御ユニットハウジング30の内部において、高さ方向Zにおける第1収容部35および蓄電池モジュール2の間に配置され、第2収容部36の仕切り部362に対して幅方向Xに隣接して配置されている。支持部37は、サーキットブレーカ32を支持している。
【0020】
図2に示すように、サーキットブレーカ32およびヒューズ33の間には、サーキットブレーカ32およびヒューズ33を接続するハーネス71を配置可能な第1の配置空間81が設けられている。サーキットブレーカ32および電磁継電器34の間には、サーキットブレーカ32および電磁継電器34を接続するハーネス72を配置可能な第2の配置空間82が設けられている。本実施形態では、第1の配置空間81の一部が第2の配置空間82の一部を構成し、第2の配置空間82の一部が第1の配置空間81の一部を構成している。
【0021】
第3収容部38は、制御ユニットハウジング30の内部において、高さ方向Zにおける蓄電池モジュール2に近い端に配置され、幅方向Xにおける支持部37と略同じ位置に配置されている。第3収容部38は、後述するバスバー50の第2接続部52を収容している。
【0022】
本実施形態では、制御ユニットハウジング30は、端子台ハウジング41と、端子台ハウジング41の内部に配置された板状のバスバー50とを有する端子台40を備えている。つまり、端子台40は、制御ユニットハウジング30の一部を構成している。端子台40は、2つのバスバー50を有し、端子台ハウジング41は、2つの第3収容部38を有している。
【0023】
端子台ハウジング41は、
図3に示すように、制御ユニットハウジング30に固定される略直方体形状の第1部分42と、第1部分42から高さ方向Zに延びる第2部分43とを有している。
【0024】
第1部分42は、蓄電池モジュールハウジング20の厚さ方向(例えば、Y方向。以下、厚さ方向Yという。)の中間に設けられ、幅方向Xに沿って延びる壁部44と、壁部44の厚さ方向Yの両側にそれぞれ設けられた凹部45(
図4参照)とを有している。
【0025】
壁部44は、
図4に示すように、第1部分42の幅方向Xにおける電磁継電器34に近い端部から、第1部分42の幅方向Xの中央まで延びている。各凹部45は、高さ方向Zにおいてサーキットブレーカ32に対向する開口部451を有し、第3収容部38を構成している。開口部451は、幅方向Xおよび厚さ方向Yを含む平面における第2接続部52の外形に沿った形状を有し、厚さ方向Yから第2接続部52を収容可能に構成されている。
【0026】
図4に示すように、後述するバスバー50の第1接続部51がサーキットブレーカ32に接続された状態において、第2接続部52は端子台ハウジング41に固定されていない。第2接続部52の板厚方向における第2接続部52と第3収容部38を構成する端子台ハウジング41との間(言い換えると、高さ方向Zにおける第2接続部52と凹部45の底面452との間)に隙間80が設けられる。
【0027】
各凹部45の底面452には、第1部分42を高さ方向Zに貫通する複数の貫通孔453が設けられている。各貫通孔453は、後述する第2接続部52に固定された複数の締結部材60に対向する位置にそれぞれ配置されている。本実施形態では、各締結部材60の一部が、対応する貫通孔453の内部に位置している。
【0028】
第2部分43は、
図3に示すように、第1部分42の幅方向Xにおける電磁継電器34から遠い端部に設けられている。本実施形態では、第2部分43は、凹部45の厚さ方向Yの両側にそれぞれ設けられた第1壁部431と、2つの第1壁部431の幅方向Xにおける電磁継電器34から遠い端を接続する第2壁部432とで構成されている。第2部分43の内部には、後述するバスバー50の連結部53が配置されている。第2部分43は、
図4に示すように、連結部53の一端から他端までを厚さ方向Yにおいて覆っている。第2部分43の内部は、凹部45の内部に接続されている。
【0029】
バスバー50は、
図3に示すように、バスバー50が延びる方向の一端に設けられた第1接続部51と、バスバー50が延びる方向の他端に設けられた第2接続部52とを有している。第1接続部51は、
図2に示すように、サーキットブレーカ32に接続可能に構成されている。第2接続部52は、
図2に示すように、締結部材60を介して、接続端子、電線の導体部等の電気接続部材70を接続可能に構成されている。
【0030】
本実施形態では、バスバー50は、全体として略C字形状で、第1接続部51および第2接続部52を連結する連結部53を有している。第1接続部51は、幅方向X(第1方向の一例)に延びて、幅方向Xの一端がサーキットブレーカ32に接続される。連結部53は、第1接続部51の幅方向Xの他端部に接続され、高さ方向Z(第2方向の一例)に延びている。第2接続部52は、連結部53の高さ方向Zにおける第1接続部51から遠い端部に接続され、高さ方向Zに沿って延びている。第2接続部52の幅方向Xにおける連結部53から遠い端部に、締結部材60が固定される。
【0031】
第1接続部51は、サーキットブレーカ32により高さ方向Zにおいて位置決め可能に構成されている。第1接続部51が高さ方向Zにおいて位置決めされることで、バスバー50全体が高さ方向Zにおいて位置決めされる。
【0032】
第2接続部52は、凹部45を構成する第1部分42の内面により、幅方向Xおよび厚さ方向Y(第3方向の一例)において位置決めされる。言い換えると、端子台ハウジング41は、
図5に示すように、第2接続部52の幅方向Xの位置を決める第1位置決め部411と、第2接続部52の厚さ方向Yの位置を決める第2位置決め部412とを有している。第1位置決め部411は、第3収容部38を構成する凹部45の幅方向Xの両端にそれぞれ配置されている。本実施形態では、連結部53の近くに配置されている第1位置決め部411は、複数の突起415で構成されている。第2位置決め部412は、第3収容部38を構成する凹部45の厚さ方向Yの両端にそれぞれ配置されている。
【0033】
連結部53は、第2部分43の第1壁部431の内面により、厚さ方向Yにおいて位置決めされ、第2部分43の第2壁部432の内面により、幅方向Xにおいて位置決めされる。言い換えると、端子台ハウジング41は、
図5に示すように、連結部53の厚さ方向Yの位置を決める第3位置決め部413と、連結部53の幅方向Xの位置を決める第4位置決め部414とを有している。第3位置決め部413は、第2部分43の第1壁部431の対向する一対の内面にそれぞれ配置されている。第4位置決め部414は、連結部53に対して幅方向Xにおける第1接続部51の反対側に位置する第2壁部432の内面に配置されている。
【0034】
図5に示すように、本実施形態では、第2接続部52と第1位置決め部411および第2位置決め部412との間に僅かな隙間が形成され、連結部53と第3位置決め部413および第4位置決め部414との間に僅かな隙間が形成されている。
【0035】
端子台40によれば、次のような効果を発揮できる。
【0036】
端子台40が、端子台ハウジング41と、端子台ハウジング41の内部に配置された板状のバスバーとを備える。バスバー50が、バスバー50が延びる方向の一端に設けられサーキットブレーカ32に接続することが可能な第1接続部51と、バスバー50が延びる方向の他端に設けられ締結部材60を介して電気接続部材70を接続することが可能な第2接続部52とを有する。端子台ハウジング41が、第2接続部52を収容する第3収容部38を有する。第1接続部51がサーキットブレーカ32に接続された状態において、第2接続部52は端子台ハウジング41に固定されず、第2接続部52の板厚方向における第2接続部52と第3収容部38を構成する端子台ハウジング41との間に隙間80が設けられる。このような構成により、バスバー50が締結部材60により端子台ハウジング41に固定されることがないので、長期信頼性の高い端子台40を実現できる。
【0037】
バスバー50が、第1接続部51、第2接続部52および連結部53を有する。第1接続部51は、幅方向Xに沿って延びると共に幅方向Xの一端部がサーキットブレーカ32に接続される。連結部53は、第1接続部51の幅方向Xの他端部に接続され、高さ方向Zに延びている。第2接続部52は、連結部53の高さ方向Zにおける第1接続部51から遠い端部に接続され、幅方向Xに沿って延びると共に、幅方向Xにおける連結部53から遠い端部に締結部材60が固定される。第1接続部51は、サーキットブレーカ32により高さ方向Zにおいて位置決め可能に構成されている。このような構成により、簡単な構成で、長期信頼性の高い端子台40を実現できる。
【0038】
端子台ハウジング41が、第1位置決め部411、第2位置決め部412、第3位置決め部413および第4位置決め部414のいずれか1つ若しくは複数、または、第1位置決め部411、第2位置決め部412、第3位置決め部413および第4位置決め部414の全てを有している。第1位置決め部411は、第3収容部38の幅方向Xの両端にそれぞれ配置され、第2接続部52の幅方向Xの位置を決める。第2位置決め部412は、第3収容部38の厚さ方向Yの両端にそれぞれ配置され、第2接続部52の厚さ方向Yの位置を決める。第3位置決め部413は、連結部53の厚さ方向Yの両側にそれぞれ配置され、連結部53の厚さ方向Yの位置を決める。第4位置決め部414は、連結部53に対して幅方向Xにおける第1接続部51の反対側に配置され、連結部53の幅方向Xの位置を決める。このような構成により、バスバー50の端子台ハウジング41に対する位置を正確に決めることができるので、長期信頼性の高い端子台40をより確実に実現できる。
【0039】
蓄電池ユニット1によれば、次のような効果を発揮できる。
【0040】
蓄電池ユニット1が、内部に蓄電池10が収容された蓄電池モジュール2と、蓄電池モジュール2に接続された制御ユニット3とを備える。制御ユニット3が、制御ユニットハウジング30と、蓄電池10を制御する制御装置31と、制御装置31に接続されたサーキットブレーカ32と、サーキットブレーカ32および蓄電池モジュール2に接続された板状のバスバー50とを有する。バスバー50が、バスバー50が延びる方向の一端に設けられサーキットブレーカ32に接続されている第1接続部51と、バスバー50が延びる方向の他端に設けられ締結部材60を介して蓄電池モジュール2の電気接続部材70が接続されている第2接続部52とを有する。制御ユニットハウジング30が、第2接続部52を収容する第3収容部38を有する。第2接続部52が制御ユニットハウジング30に固定されず、第2接続部52と第3収容部38を構成する制御ユニットハウジング30との間に隙間80が設けられている。このような構成により、バスバー50が締結部材60により制御ユニットハウジング30に固定されることがないので、長期信頼性の高い蓄電池ユニット1を実現できる。
【0041】
バスバー50が、第1接続部51、第2接続部52および連結部53を有する。第1接続部51は、幅方向Xに沿って延びると共に幅方向Xの一端部がサーキットブレーカ32に接続される。連結部53は、第1接続部51の幅方向Xの他端部に接続され、高さ方向Zに延びている。第2接続部52は、連結部53の高さ方向Zにおける第1接続部51から遠い端部に接続され、幅方向Xに沿って延びると共に、幅方向Xにおける連結部53から遠い端部に締結部材60が固定される。第1接続部51は、サーキットブレーカ32により高さ方向Zにおいて位置決め可能に構成されている。このような構成により、簡単な構成で、長期信頼性の高い蓄電池ユニット1を実現できる。
【0042】
制御ユニットハウジング30が、第1位置決め部411、第2位置決め部412、第3位置決め部413および第4位置決め部414のいずれか1つ若しくは複数、または、第1位置決め部411、第2位置決め部412、第3位置決め部413および第4位置決め部414の全てを有している。第1位置決め部411は、第3収容部38の幅方向Xの両端にそれぞれ配置され、第2接続部52の幅方向Xの位置を決める。第2位置決め部412は、第3収容部38の厚さ方向Yの両端にそれぞれ配置され、第2接続部52の厚さ方向Yの位置を決める。第3位置決め部413は、連結部53の厚さ方向Yの両側にそれぞれ配置され、連結部53の厚さ方向Yの位置を決める。第4位置決め部414は、連結部53に対して幅方向Xにおける第1接続部51の反対側に配置され、連結部53の幅方向Xの位置を決める。このような構成により、バスバー50の制御ユニットハウジング30に対する位置を正確に決めることができるので、長期信頼性の高い蓄電池ユニット1をより確実に実現できる。
【0043】
蓄電池ユニット1が、制御ユニットハウジング30の内部に配置されたヒューズ33または電磁継電器34を備える。サーキットブレーカ32およびヒューズ33の間にサーキットブレーカ32およびヒューズ33を接続するハーネス71を配置可能な配置空間81が設けられ、サーキットブレーカ32および電磁継電器34の間にサーキットブレーカ32および電磁継電器34を接続するハーネス72を配置可能な配置空間82が設けられている。このような構成により、サーキットブレーカ32およびヒューズ33をバスバーで接続する場合、または、サーキットブレーカ32および電磁継電器34をバスバーで接続する場合と比較して、長期信頼性の高い蓄電池ユニット1を実現できる。
【0044】
端子台40および蓄電池ユニット1は、次のように構成することもできる。
【0045】
ヒューズ33および電磁継電器34のいずれか一方または両方は、省略することができる。ヒューズ33を省略した場合、ハーネス71を配置可能な配置空間81を省略でき、電磁継電器34を省略した場合、ハーネス72を配置可能な配置空間82を省略できる。
【0046】
端子台40は、制御ユニットハウジング30を構成する他の部材と一体に設けてもよいし、制御ユニットハウジング30を構成する他の部材と別体に設けてもよい。
【0047】
第1位置決め部411、第2位置決め部412、第3位置決め部413および第4位置決め部414は、省略することができる。
【0048】
第1収容部35、第2収容部36、支持部37および第3収容部38の構成および配置は、端子台40または蓄電池ユニット1の設計等に応じて変更できる。
【0049】
バスバー50は、第1接続部51および第2接続部52を有する任意の構成を採用できる。
【0050】
ハーネス71、72に代えてバスバーを用いることができる。
【0051】
隙間80は、第2接続部52の全面と端子台ハウジング41との間に設けてもよいし、第2接続部52の一部と端子台ハウジング41との間に設けてもよい。
【0052】
第1位置決め部411および第2位置決め部412のいずれか一方または両方は、第2接続部52に接触して、その間に隙間が形成されないように構成してもよい。第3位置決め部413および第4位置決め部414のいずれか一方または両方は、連結部53に接触して、その間に隙間が形成されないように構成してもよい。
【0053】
以上、図面を参照して本開示における種々の実施形態を詳細に説明したが、最後に、本開示の種々の態様について説明する。なお、以下の説明では、一例として、参照符号も添えて記載する。
【0054】
本開示の第1態様の端子台40は、
端子台ハウジング41と、
前記端子台ハウジング41の内部に配置された板状のバスバー50と
を備え、
前記バスバー50が、
前記バスバー50が延びる方向の一端に設けられ、サーキットブレーカ32に接続することが可能な第1接続部51と、
前記バスバー50が延びる方向の他端に設けられ、締結部材60を介して電気接続部材70を接続することが可能な第2接続部52と
を有し、
前記端子台ハウジング41が、前記第2接続部52を収容する収容部を有し、
前記第1接続部51が前記サーキットブレーカ32に接続された状態において、前記第2接続部52は前記端子台ハウジング41に固定されず、前記第2接続部52と前記収容部を構成する前記端子台ハウジング41との間に隙間80が設けられる。
【0055】
本開示の第2態様の端子台40は、
前記バスバー50が、
第1方向に沿って延びると共に、前記第1方向の一端部が前記サーキットブレーカ32に接続される前記第1接続部51と、
前記第1接続部51の前記第1方向の他端部に接続され、前記第1方向に交差する第2方向に延びる連結部53と、
前記連結部53の前記第2方向における前記第1接続部51から遠い端部に接続され、前記第1方向に沿って延びると共に、前記第1方向における前記連結部53から遠い端部に前記締結部材60が固定される前記第2接続部52と
を有し、
前記第1接続部51は、前記サーキットブレーカ32により前記第2方向において位置決め可能に構成されている。
【0056】
本開示の第3態様の端子台40は、
前記端子台ハウジング41が、
前記収容部の前記第1方向の両端にそれぞれ配置され、前記第2接続部52の前記第1方向の位置を決める第1位置決め部411を有する。
【0057】
本開示の第4態様の端子台40は、
前記端子台ハウジング41が、
前記収容部の前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向の両端にそれぞれ配置され、前記第2接続部52の前記第3方向の位置を決める第2位置決め部412を有する。
【0058】
本開示の第5態様の端子台40は、
前記端子台ハウジング41が、
前記連結部53の前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向の両側にそれぞれ配置され、前記連結部53の前記第3方向の位置を決める第3位置決め部413を有する。
【0059】
本開示の第6態様の蓄電池ユニット1は、
前記端子台ハウジング41が、
前記連結部53に対して前記第1方向における前記第1接続部51の反対側に配置され、前記連結部53の前記第1方向の位置を決める第4位置決め部414を有する。
【0060】
本開示の第7態様の蓄電池ユニット1は、
内部に蓄電池10が収容された蓄電池モジュール2と、
前記蓄電池モジュール2に接続された制御ユニット3と
を備え、
前記制御ユニット3が、
制御ユニットハウジング30と、
前記制御ユニットハウジング30の内部に配置され、前記蓄電池10を制御する制御装置31と、
前記制御ユニットハウジング30の内部に配置され、前記制御装置31に接続されたサーキットブレーカ32と、
前記制御ユニットハウジング30の内部に配置され、前記サーキットブレーカ32および前記蓄電池モジュール2に接続された板状のバスバー50と
を有し、
前記バスバー50が、
前記バスバー50が延びる方向の一端に設けられ、前記サーキットブレーカ32に接続されている第1接続部51と、
前記バスバー50が延びる方向の他端に設けられ、締結部材60を介して前記蓄電池モジュール2の電気接続部材70が接続されている第2接続部52と
を有し、
前記制御ユニットハウジング30が、前記第2接続部52を収容する収容部を有し、
前記第2接続部52は前記制御ユニットハウジング30に固定されず、前記第2接続部52と前記収容部を構成する前記制御ユニットハウジング30との間に隙間80が設けられている。
【0061】
本開示の第8態様の蓄電池ユニット1は、
前記バスバー50が、
第1方向に沿って延びると共に、前記第1方向の一端部が前記サーキットブレーカ32に接続されている前記第1接続部51と、
前記第1接続部51の前記第1方向の他端部に接続され、前記第1方向に交差する第2方向に延びる連結部53と、
前記連結部53の前記第2方向における前記第1接続部51から遠い端部に接続され、前記第1方向に沿って延びると共に、前記第1方向における前記連結部53から遠い端部に前記締結部材60が固定されている前記第2接続部52と
を有し、
前記第1接続部51は、前記サーキットブレーカ32により前記第2方向において位置決めされている。
【0062】
本開示の第9態様の蓄電池ユニット1は、
前記制御ユニットハウジング30が、
前記収容部の前記第1方向の両端にそれぞれ配置され、前記第2接続部52の前記第1方向の位置を決める第1位置決め部411を有する。
【0063】
本開示の第10態様の蓄電池ユニット1は、
前記制御ユニットハウジング30が、
前記収容部の前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向の両端にそれぞれ配置され、前記第2接続部52の前記第3方向の位置を決める第2位置決め部412を有する。
【0064】
本開示の第11態様の蓄電池ユニット1は、
前記制御ユニットハウジング30が、
前記連結部53の前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向の両側にそれぞれ配置され、前記連結部53の前記第3方向の位置を決める第3位置決め部413を有する。
【0065】
本開示の第12態様の蓄電池ユニット1は、
前記制御ユニットハウジング30が、
前記連結部53の前記第1方向における前記第1接続部51とは反対側に配置され、前記連結部53の前記第1方向の位置を決める第4位置決め部414を有する。
【0066】
本開示の第13態様の蓄電池ユニット1は、
前記制御ユニットハウジング30の内部に配置されたヒューズ33または電磁継電器34を備え、
前記サーキットブレーカ32および前記ヒューズ33の間に前記サーキットブレーカ32および前記ヒューズ33を接続するハーネス71を配置可能な配置空間81が設けられている、または、前記サーキットブレーカ32および前記電磁継電器34の間に前記サーキットブレーカ32および前記電磁継電器34を接続するハーネス72を配置可能な配置空間82が設けられている。
【0067】
前記様々な実施形態または変形例のうちの任意の実施形態または変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせまたは実施例同士の組み合わせまたは実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態または実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
【0068】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本開示の端子台は、例えば、蓄電池ユニットに適用できる。
【0070】
本開示の蓄電池ユニットは、例えば、太陽光発電を用いた蓄電システムに適用できる。
【符号の説明】
【0071】
1 蓄電池ユニット
2 蓄電池モジュール
3 制御ユニット
4 ベース
10 蓄電池
20 蓄電池モジュールハウジング
30 制御ユニットハウジング
31 制御装置
32 サーキットブレーカ
33 ヒューズ
34 電磁継電器
35 第1収容部
36 第2収容部
361 凹部
362 仕切り部
37 支持部
38 第3収容部
40 端子台
41 端子台ハウジング
411 第1位置決め部
412 第2位置決め部
413 第3位置決め部
414 第4位置決め部
415 突起
42 第1部分
43 第2部分
431 第1壁部
432 第2壁部
44 壁部
45 凹部
451 開口部
452 底面
453 貫通孔
50 バスバー
51 第1接続部
52 第2接続部
53 連結部
60 締結部材
70 電気接続部材
71、72 ハーネス
80 隙間
81 第1の配置空間
82 第2の配置空間