(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170247
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】業務支援システム、業務支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/20 20120101AFI20221102BHJP
G07D 11/26 20190101ALI20221102BHJP
G07D 11/32 20190101ALI20221102BHJP
【FI】
G06Q20/20
G07D11/26
G07D11/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076255
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】大橋 毅
(72)【発明者】
【氏名】大井 浩太郎
(72)【発明者】
【氏名】多胡 隆範
【テーマコード(参考)】
3E141
5L055
【Fターム(参考)】
3E141BA06
3E141CA07
3E141CB04
3E141FJ07
3E141FJ11
5L055AA42
(57)【要約】
【課題】作業者に作業内容を教示することができる業務支援システム等を提供する。
【解決手段】業務支援システム1は、作業者が携帯する作業者端末10と、作業者端末10と通信可能なサーバ30とを備え、サーバ30は、作業者が作業を行う機器に対する作業の内容および作業者端末10の識別情報を含む作業情報を受け付ける受付手段と、作業情報を作業者端末10に送信する送信手段と、を有し、作業者端末10は、作業情報を受信する受信手段と、受信手段が受信した作業情報に基づいて、機器に対する作業の内容を表示する表示手段と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者端末と、当該作業者端末と通信可能なサーバとを備え、
前記サーバは、機器に対する作業の内容および前記作業者端末の識別情報を含む作業情報を受け付ける受付手段と、当該作業情報を当該作業者端末に送信する送信手段と、を有し、
前記作業者端末は、前記作業情報を受信する受信手段と、当該受信手段が受信した当該作業情報に基づいて、前記機器に対する前記作業の内容を表示する表示手段と、を有する
業務支援システム。
【請求項2】
前記作業者端末は、前記受信手段が受信した前記作業情報に基づいて作業信号を出力する出力手段をさらに有し、
前記機器は、前記出力手段が出力した前記作業信号を読み取る読取手段を有し、当該読取手段が読み取った当該作業信号で特定される処理を実行する
請求項1に記載の業務支援システム。
【請求項3】
前記機器は、前記サーバから送信された、作業の内容を含む処理情報を取得する取得手段を有し、前記読取手段が読み取った前記作業信号で特定される作業の内容と、当該取得手段が取得した当該処理情報で特定される作業の内容とが一致する場合に当該処理情報に含まれる処理を実行する
請求項2に記載の業務支援システム。
【請求項4】
前記出力手段は、前記作業者端末を携帯する作業者を識別する作業者情報を含む前記作業信号を出力し、
前記機器は、前記読取手段が読み取った前記作業信号に含まれる前記作業者情報が適正である場合に前記処理を実行する
請求項2または3に記載の業務支援システム。
【請求項5】
前記機器は、前記サーバから送信された、作業の内容および前記作業者端末を携帯する作業者を識別する作業者情報を含む処理情報を取得する取得手段を有し、
前記機器は、前記取得手段が取得した前記作業者情報と、前記読取手段が読み取った前記作業信号に含まれる当該作業者情報とが一致する場合に前記処理を実行する
請求項4に記載の業務支援システム。
【請求項6】
前記機器は、前記処理の実行結果を前記サーバに送信する
請求項2から5のいずれか1項に記載の業務支援システム。
【請求項7】
前記受付手段は、複数の前記作業の内容の入力を受け付ける
請求項1から6のいずれか1項に記載の業務支援システム。
【請求項8】
前記受付手段は、前記複数の前記作業の内容を実行すべき順序の入力を受け付ける
請求項7に記載の業務支援システム。
【請求項9】
前記機器は複数あり、
前記受付手段は、前記複数の前記機器それぞれに対して行う前記作業の内容を受け付ける
請求項1から8のいずれか1項に記載の業務支援システム。
【請求項10】
機器に対する作業の内容および作業者端末の識別情報を受け付けるステップと、
前記作業の内容を含む作業情報を前記作業者端末に送信するステップと、
前記作業者端末が、受信した前記作業情報に基づいた、前記機器に対する前記作業の内容を表示するステップと、
を有する業務支援方法。
【請求項11】
前記作業者端末が、受信した前記作業情報に基づいて作業信号を出力するステップと、
前記機器が、前記作業信号を読み取るステップと、
前記機器が、前記作業信号に含まれる処理を実行するステップと、
を有する請求項10に記載の業務支援方法。
【請求項12】
前記機器が、処理の内容を含む処理情報を取得するステップと、
前記機器が、前記作業信号で特定される作業の内容と、前記処理情報で特定される作業の内容とが一致する場合に当該処理情報に含まれる処理を実行するステップと、
を有する請求項11に記載の業務支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援システム、および、業務支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の商業施設の店舗において、顧客が立ち入ることができるフロント領域には貨幣釣銭機およびPOSレジスタが設置されており、顧客の立ち入りが禁止されたバックヤード領域には、各貨幣釣銭機から回収された貨幣を入金する出納機等の貨幣入出金機が設置されている。顧客が精算処理を行う際に、店舗のレジ担当者がこれら貨幣釣銭機およびPOSレジスタを操作し、顧客から受け取った商品の代金としての貨幣を貨幣釣銭機に入金したり、釣銭としての貨幣を貨幣釣銭機から出金して顧客に返却したりするようになっている。バックヤード領域に設置されている貨幣入出金機は、貨幣釣銭機から回収された売上金としての貨幣の入金処理を行うことができるようになっている。また、貨幣釣銭機において釣銭としての貨幣が不足する場合には、貨幣入出金機から釣銭補充金としての貨幣を出金し、この貨幣入出金機から出金された釣銭補充金としての貨幣を貨幣釣銭機に補充することができるようになっている。
例えば商業施設の店舗等、現金を取り扱う場所においては、不正操作も起こり易く、管理者は監視や事後処理に多くの手間を費やさざるを得ない場合がある。
【0003】
他方、例えば特許文献2に記載されたシステムにおいては、保守作業の対象となる装置と作業担当者の間での認証プロセスを確実かつ効率的に実施し、かつ作業管理を確実に行なえるシステムを提供することを目的として、以下のように構成されている。すなわち、複写機は、この装置を特定する装置識別情報と認証コードとを保持する。複写機は、装置識別情報を画像コード化して表示する。携帯情報端末装置は、複写機に表示された画像を取得して復号化する。携帯情報端末装置は、復号化された装置識別情報と自己を特定する情報とを管理サーバ装置に送信する。管理サーバ装置は、この情報に応答して、記憶している複写機のための作業許可情報を読出し画像コード化して携帯情報端末装置に送信する。携帯情報端末装置は、画像コード化された作業許可情報を受信して表示する。複写機は、携帯情報端末装置に表示された情報を取得し、認証コードに対して所定の関係を充足しているか否かを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-180624号公報
【特許文献2】特開2005-332093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、現金や重要物管理業務においては、多種多様な機器に対する様々な操作を覚える必要があるため操作ミスが発生し易い。また、これらの業務が必要な、例えば商業施設の店舗において、作業者の入れ替わりや、作業者として外国人労働者の雇用が頻繁に行われると、作業者に操作を教えるための教育コストが大きな負担となってしまう。
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、作業者に作業内容を教示することができる業務支援システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的のもと完成させた本発明は、作業者端末と、当該作業者端末と通信可能なサーバとを備え、前記サーバは、機器に対する作業の内容および前記作業者端末の識別情報を含む作業情報を受け付ける受付手段と、当該作業情報を当該作業者端末に送信する送信手段と、を有し、前記作業者端末は、前記作業情報を受信する受信手段と、当該受信手段が受信した当該作業情報に基づいて、前記機器に対する前記作業の内容を表示する表示手段と、を有する業務支援システムである。
ここで、前記作業者端末は、前記受信手段が受信した前記作業情報に基づいて作業信号を出力する出力手段をさらに有し、前記機器は、前記出力手段が出力した前記作業信号を読み取る読取手段を有し、当該読取手段が読み取った当該作業信号で特定される処理を実行しても良い。
また、前記機器は、前記サーバから送信された、作業の内容を含む処理情報を取得する取得手段を有し、前記読取手段が読み取った前記作業信号で特定される作業の内容と、当該取得手段が取得した当該処理情報で特定される作業の内容とが一致する場合に当該処理情報に含まれる処理を実行しても良い。
また、前記出力手段は、前記作業者端末を携帯する作業者を識別する作業者情報を含む前記作業信号を出力し、前記機器は、前記読取手段が読み取った前記作業信号に含まれる前記作業者情報が適正である場合に前記処理を実行しても良い。
また、前記機器は、前記サーバから送信された、作業の内容および前記作業者端末を携帯する作業者を識別する作業者情報を含む処理情報を取得する取得手段を有し、前記機器は、前記取得手段が取得した前記作業者情報と、前記読取手段が読み取った前記作業信号に含まれる当該作業者情報とが一致する場合に前記処理を実行しても良い。
また、前記機器は、前記処理の実行結果を前記サーバに送信しても良い。
また、前記受付手段は、複数の前記作業の内容の入力を受け付けても良い。
また、前記受付手段は、前記複数の前記作業の内容を実行すべき順序の入力を受け付けても良い。
また、前記機器は複数あり、前記受付手段は、前記複数の前記機器それぞれに対して行う前記作業の内容を受け付けても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、作業者が作業を行う機器に対する作業の内容および当該作業者が携帯する作業者端末の識別情報を受け付けるステップと、前記作業の内容を含む作業情報を前記作業者端末に送信するステップと、前記作業者端末が、受信した前記作業情報に基づいた、前記機器に対する前記作業の内容を表示するステップと、を有する業務支援方法である。
ここで、前記作業者端末が、受信した前記作業情報に基づいて前記識別情報を含む作業信号を出力するステップと、前記機器が、前記作業信号を読み取るステップと、前記機器が、処理の内容を含む処理情報を取得するステップと、前記機器が、前記作業信号に含まれる前記識別情報と、前記処理情報に含まれる前記識別情報とが一致する場合に前記処理情報に含まれる処理を実行するステップと、を有しても良い。
また、前記機器が、処理の内容を含む処理情報を取得するステップと、前記機器が、前記作業信号で特定される作業の内容と、前記処理情報で特定される作業の内容とが一致する場合に当該処理情報に含まれる処理を実行するステップと、を有しても良い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、作業者に作業内容を教示することができる業務支援システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る業務支援システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】作業者端末、管理者端末、サーバの概略構成の一例を示す図である。
【
図3】記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。
【
図4】貨幣入出金機の概略構成の一例を示す図である。
【
図5】貨幣入出金機の概略構成の一例を示す図である。
【
図6】貨幣入出金機のブロック図の一例を示す図である。
【
図7】貨幣釣銭機およびPOSレジスタの概略構成の一例を示す図である。
【
図8】貨幣釣銭機のブロック図の一例を示す図である。
【
図9】システムにて行われる業務支援についてのシーケンス図の一例である。
【
図10】作業者端末の表示部に表示された内容の一例を示す図である。
【
図11】作業者端末の表示部に表示された内容の一例を示す図である。
【
図12】システムにて行われる非定例業務の業務支援についてのシーケンス図の一例である。
【
図13】第2実施形態に係る業務支援システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図14】第2実施形態に係るシステムにて行われる業務支援についてのシーケンス図の一例である。
【
図15】第2実施形態に係るシステムにて行われる業務支援についてのシーケンス図の一例である。
【
図16】記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。
【
図17】作業者端末の操作表示部に表示された内容の一例を示す図である。
【
図18】システムにて行われる非定例業務の業務支援についてのシーケンス図の一例である。
【
図19】サーバと作業対象機器とが通信を行うことができない場合における業務支援についてのシーケンス図の一例である。
【
図20】サーバと作業対象機器とが通信を行うことができない場合における業務支援についてのシーケンス図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る業務支援システム1(以下、単に「システム1」と称する場合がある。)の概略構成の一例を示す図である。
システム1は、作業者が携帯して使用する作業者端末10と、作業者を管理する管理者が使用する管理者端末20と、作業者の業務を支援する業務支援サーバ30(以下、単に「サーバ30」と称する場合がある。)とを備えている。
【0010】
本実施形態においては、システム1は、商業施設の店舗90で作業を行う作業者の業務を支援するシステムであり、顧客が立ち入ることができるフロント領域91に設置された複数の貨幣釣銭機200およびPOSレジスタ290と、顧客の立ち入りが禁止されたバックヤード領域92に設置された貨幣入出金機100とを備えている。本実施の形態において、フロント領域91には、様々な商品が陳列された商品棚が設置されているとともに、3台の貨幣釣銭機200およびPOSレジスタ290が設置されている。3台の貨幣釣銭機200は、第1貨幣釣銭機200A、第2貨幣釣銭機200B、第3貨幣釣銭機200Cから構成されている。
【0011】
作業者端末10は、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)、携帯情報端末(PDA)、タブレット端末、タブレットPC、ノートPC等の可搬型の端末であることを例示することができる。
管理者端末20は、ノートPC、デスクトップPC、タブレットPC、タブレット端末、携帯情報端末、多機能携帯電話、携帯電話等であることを例示することができる。
【0012】
作業者端末10、管理者端末20、貨幣入出金機100、および、貨幣釣銭機200と、サーバ30とは、ネットワーク40を介して互いに通信を行うことが可能となっている。ネットワーク40は、装置間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば特に限定されず、例えばインターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)であることを例示することができる。データ通信に用いられる通信回線は、有線か無線かを問わず、これらを併用しても良い。無線LANは、例えばWiFi(登録商標)であることを例示することができる。
【0013】
以上のように構成されたシステム1においては、管理者は、管理者端末20を介してサーバ30に作業者の作業の内容を登録することができるようになっている。サーバ30は、作業者に関連付けて登録された作業の内容を、当該作業者が携帯する作業者端末10に送信する。そして、作業者は、作業者端末10を見ることで作業の内容を把握することができるようになっている。また、サーバ30は、ネットワーク40を介して互いに通信可能に接続された機器であって作業者が作業を行う対象の機器、本実施の形態においては貨幣入出金機100や貨幣釣銭機200に対して、作業者に関連付けて登録された作業の内容に対応する処理の内容を当該作業者が携帯する作業者端末10の識別情報とともに送信する。そして、機器は、作業者端末10が表示するコード情報を読み取ったときに、当該作業者端末10の識別情報に関連付けて記憶している処理を実行する。
以下、作業者端末10、管理者端末20、サーバ30、貨幣入出金機100、貨幣釣銭機200およびPOSレジスタ290の構成や動作について詳述する。
【0014】
(作業者端末10)
図2は、作業者端末10、管理者端末20、サーバ30の概略構成の一例を示す図である。
作業者端末10は、装置全体を制御する制御部11と、データ等の記憶に用いられる記憶部12とを備えている。記憶部12は、半導体メモリ等の記憶装置であることを例示することができる。また、作業者端末10は、操作受付画面や画像の表示、および、作業者の入力操作を受け付け可能な操作表示部13と、サーバ30との通信に用いられる通信インターフェース等の通信部15とを備えている。操作表示部13は、静止画像や動画像等を表示するディスプレイ装置と位置入力装置とを組み合わせたタッチパネルであることを例示することができる。
【0015】
制御部11は、CPU(不図示)、ROM(不図示)、RAM(不図示)により構成される。ROMには、CPUにより実行される基本プログラム(オペレーションシステム)や各種の設定等が記憶されている。CPUは、RAMを作業エリアに使用し、ROMや記憶部12から読み出したアプリケーションプログラムを実行する。例えば、CPUは、ROMや記憶部12から読み出した業務を支援するアプリケーションプログラム(以下、「業務支援アプリ」と称する場合がある。)を実行する。
【0016】
制御部11は、サーバ30から送信されてきた情報を受信する受信部111と、サーバ30に対して情報を送信する送信部112と、受信部111が受信した情報を基に、コード情報を生成する生成部113と、操作表示部13を制御する表示制御部114とを備えている。なお、受信部111は、ネットワーク40を介してサーバ30と接続されている間、サーバ30から送信されてきた情報を受信可能であり、制御部11は、受信部111がサーバ30からの情報を受信したことを契機として業務支援アプリを起動可能である。コード情報は、QRコード(登録商標)やバーコードであることを例示することができる。
作業者端末10は、作業者に、例えば、当該作業者の当日の業務開始時に貸与され、業務終了後に返却されることを例示することができる。
【0017】
(管理者端末20)
管理者端末20は、装置全体を制御する制御部21と、データ等の記憶に用いられる記憶部22と、操作受付画面や画像の表示に使用される表示部23と、ユーザの入力操作を受け付ける操作部24と、サーバ30との通信に用いられる通信部25とを備えている。記憶部22、通信部25は、それぞれ、作業者端末10の記憶部12、通信部15と同様である。表示部23は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであることを例示することができる。操作部24は、ボタン、スイッチ、タッチパネル等の入力装置であることを例示することができる。表示部23および操作部24は、作業者端末10の操作表示部13と同様に一体的に構成されていても良い。
【0018】
制御部21は、CPU(不図示)、ROM(不図示)、RAM(不図示)により構成される。ROMには、CPUにより実行される基本プログラム(オペレーションシステム)や各種の設定等が記憶されている。CPUは、RAMを作業エリアに使用し、ROMや記憶部22から読み出したアプリケーションプログラムを実行する。例えば、CPUは、ROMや記憶部22から読み出した業務支援アプリを実行する。
【0019】
制御部21は、サーバ30から送信されてきた情報を受信する受信部211と、サーバ30に対して情報を送信する送信部212と、表示部23の表示を制御する表示制御部213と、作業者の作業の内容の入力を受け付ける受付部214とを備えている。
【0020】
受付部214は、管理者による各種情報の入力を受け付ける。例えば、受付部214は、管理者が表示部23に表示された所定の入力欄に入力された情報を作業の内容として受け付ける。その他、受付部214は、管理者による以下の情報の入力を受け付ける。例えば、管理者は、管理者端末20にインストールされた業務支援アプリを起動して、操作部24を操作することにより、各種情報を入力する。例えば、管理者は、作業者に貸与した作業者端末10の識別情報、および、作業者から返却された作業者端末10の識別情報を入力する。また、管理者は、作業者の作業の内容および当該作業を行う作業日を入力する。また、管理者は、作業日を入力する際に、作業者が作業を行う時刻を入力可能である。また、管理者は、機器毎のコマンドやコマンドグループ、または、複数の機器に対するコマンドグループを入力する。なお、コマンドグループは、作業者の業務フローに対応するように、作業対象機器と、当該機器に対するコマンドをまとめたものであることを例示することができる。また、管理者は、イベントと、当該イベントに対するコマンドや、当該イベントに対するコマンドをまとめたコマンドグループを入力する。
【0021】
なお、受信部211は、ネットワーク40を介してサーバ30と接続されている間、サーバ30から送信されてきた情報を受信可能であり、制御部21は、受信部211がサーバ30からの情報を受信したことを契機として業務支援アプリを起動可能である。
【0022】
(サーバ30)
サーバ30は、装置全体を制御する制御部31と、データ等の記憶に用いられる記憶部32と、操作受付画面や画像の表示に使用される表示部33と、ユーザの入力操作を受け付ける操作部34と、作業者端末10や管理者端末20との通信に用いられる通信部35とを備えている。記憶部32は、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等であることを例示することができる。表示部33、操作部34、通信部35は、それぞれ、管理者端末20の表示部23、操作部24、通信部25と同様である。
【0023】
制御部31は、CPU(不図示)、ROM(不図示)、RAM(不図示)により構成される。制御部31は、作業者端末10、管理者端末20および機器(例えば貨幣入出金機100)から送信されてきた情報を受信する受信部311と、作業者端末10、管理者端末20および機器に対して情報を送信する送信部312とを有している。
【0024】
記憶部32は、管理者の氏名、ID、認証情報、および、権限区分を関連付けて記憶する。また、記憶部32は、作業者の氏名、ID、および、認証情報を関連付けて記憶する。認証情報は、暗証番号、生体情報であることを例示することができる。生体情報は、顔、指紋であること例示することができる。また、記憶部32は、作業者端末10の識別情報を記憶する。識別情報は、MACアドレスであることを例示することができる。また、記憶部32は、機器の情報、および、機器が行う処理の内容を関連付けて記憶する。
【0025】
図3は、記憶部32に記憶された情報の一例を示す図である。
記憶部32は、
図3に示すように、作業者の氏名、ID、認証情報、作業日、当該作業者が携帯する作業者端末10の識別情報と、作業の内容とを関連付けて記憶する。
図3に示す情報は、管理者が管理者端末20を操作して業務支援アプリを起動し、表示部23に表示された所定の入力欄に入力された情報が受付部214により受け付けられ、送信部212により送信された情報である。言い換えれば、管理者が管理者端末20を用いて登録した情報である。
図3に示す、第1貨幣釣銭機200Aでの回収作業および貨幣入出金機100での入金作業に対応する、第1貨幣釣銭機200Aに対する「回収処理を行う」、および、貨幣入出金機100に対する「入金処理を行う」が、上述したコマンドグループであることを例示することができる。記憶部32は、管理者により登録されたコマンドグループも記憶する。
【0026】
(貨幣入出金機100)
図4、
図5は、貨幣入出金機100の概略構成の一例を示す図である。
図6は、貨幣入出金機100のブロック図の一例を示す図である。
貨幣入出金機100は、特許文献1に記載された、貨幣入出金機100と同様であるので、同じ機能を有する部位については同じ名称および符号を付し、その詳細な説明は省略する。
貨幣入出金機100は、
図4に示すように、略直方体形状の筐体101の内部に、紙幣の入金処理および出金処理を行う紙幣処理ユニット110と、硬貨の入金処理および出金処理を行う硬貨処理ユニット150と、包装硬貨を収納する包装硬貨収納ユニット180とを備えている。
図4に示すように、紙幣処理ユニット110および硬貨処理ユニット150は貨幣入出金機100を手前側から見て左右に並ぶよう配置されている。また、貨幣入出金機100は、コード情報を読み取る読取器195を有している。
【0027】
紙幣処理ユニット110は、紙幣受入部120と、紙幣払出部122と、搬送部130と、複数の紙幣収納部134、136とを備えている。また、紙幣処理ユニット110は、後述する収納カセット300を着脱自在に装着可能なカセット装着部126を備えている。
搬送部130は、周回搬送部130aと、複数の接続搬送部130bとを有している。周回搬送部130aには、周回搬送部130aにより搬送される紙幣の金種、真偽、正損、表裏、新旧、搬送状態等の識別を行う識別部132が設けられている。
【0028】
筐体101の前面には、紙幣受入口120aと、紙幣取出口122aとが設けられている。また、カセット装着部126の前面側には扉126aが設けられており、この扉126aを開くことにより収納カセット300をカセット装着部126に装着させたりこのカセット装着部126から収納カセット300を取り出したりすることができるようになっている。カセット装着部126には、当該カセット装着部126に収納カセット300が装着されたときにこのことを検知する光センサ等のカセット装着検知部127が設けられている。
【0029】
筐体101の内部における下部領域には回収カセット140が収容されており、警備会社により回収されるべき紙幣が回収カセット140に収納されるようになっている。また、回収カセット140の前面側には扉140aが設けられており、この扉140aを開くことにより回収カセット140を筐体101の内部に収容させたり筐体101の内部から回収カセット140を取り出したりすることができるようになっている。
【0030】
硬貨処理ユニット150は、硬貨受入部152と、硬貨払出部166と、筐体101の内部で硬貨を収納するとともに収納されている硬貨を繰出可能な複数の収納繰出部(不図示)とを備えている。
筐体101の内部における下部領域には回収カセット170が収容されており、警備会社により回収されるべき硬貨が回収カセット170に収納されるようになっている。また、回収カセット170の前面側には扉170aが設けられており、この扉170aを開くことにより回収カセット170を筐体101の内部に収容させたり筐体101の内部から回収カセット170を取り出したりすることができるようになっている。
【0031】
貨幣入出金機100は、筐体101の内部に、紙幣処理ユニット110、硬貨処理ユニット150等を制御する制御部102を有している。制御部102は、CPU(不図示)、ROM(不図示)、RAM(不図示)により構成される。制御部102には、カセット装着検知部127が接続されており、カセット装着検知部127による収納カセット300の検知情報が制御部102に送られる。
【0032】
また、制御部102には、操作表示部104、通信部105、記憶部106、認証手段107、読取器195がそれぞれ接続されている。
操作表示部104は筐体101の上部に設けられたタッチパネル等からなり、操作者が操作するための操作画面や、貨幣の在高に係る情報が操作表示部104に表示されるようになっている。また、このような操作表示部104において操作者は操作画面における操作ボタンに指を触れることによって制御部102に様々な指令を入力することができるようになっている。
【0033】
認証手段107は、貨幣入出金機100を操作する作業者の作業者情報(例えばID)や権限等を認証するようになっている。具体的には、例えば操作表示部104により作業者が自分の作業者情報および暗証番号を入力するような形式となっている場合には、認証手段107は、操作表示部104により入力された作業者の作業者情報および暗証番号に基づいて当該作業者の作業者情報や権限等を認証する。また、認証手段107として、作業者が所持するIDカード等の読み取りを行うカードリーダが貨幣入出金機100に設けられていても良い。この場合には、認証手段107は、カードリーダによりIDカード等から読み取られた情報に基づいて作業者の作業者情報や権限等を認証する。
【0034】
読取器195は、コード情報の一例としてのQRコードやバーコードを読み取る周知のバーコードリーダであることを例示することができる。読取器195は、例えば、作業者端末10の操作表示部13に表示されたコード情報を読み取る。制御部102は、読取器195が読み取ったコード情報から、当該コード情報に含まれる、作業者端末10の識別情報等の情報を取得する。
なお、
図4には、操作表示部104と読取器195とが別体である構成を示しているが、操作表示部104と読取器195とは一体で構成されていても良い。例えば、操作表示部104が、コード情報を読み取る機能を有していても良い。
【0035】
(貨幣釣銭機200およびPOSレジスタ290)
図7は、貨幣釣銭機200およびPOSレジスタ290の概略構成の一例を示す図である。
図8は、貨幣釣銭機200のブロック図の一例を示す図である。
貨幣釣銭機200およびPOSレジスタ290は、それぞれ、特許文献1に記載された、貨幣釣銭機200およびPOSレジスタ290と同様であるので、同じ機能を有する部位については同じ名称および符号を付し、その詳細な説明は省略する。
貨幣釣銭機200は、紙幣処理ユニット210と、硬貨処理ユニット250と、包装硬貨収納ユニット280とを備えている。また、貨幣釣銭機200は、硬貨処理ユニット250の上面手前側に、タッチパネル等の操作表示部270を備えている。操作表示部270は、操作者が操作するための操作画面や、紙幣処理ユニット210、硬貨処理ユニット250および包装硬貨収納ユニット280の各々に収納されている貨幣の在高に係る情報が表示されるようになっている。また、このような操作表示部270において操作者は操作画面における操作ボタンに指を触れることによって制御部202に様々な指令を入力することができるようになっている。また、貨幣釣銭機200は、コード情報を読み取る読取器295を有している。
【0036】
紙幣処理ユニット210は、紙幣受入部220と、紙幣払出部222と、搬送部(不図示)と、複数の紙幣収納部(不図示)とを備えている。また、紙幣処理ユニット210は、後述する収納カセット300を着脱自在に装着可能なカセット装着部226を備えている。
搬送部は、周回搬送部(不図示)と、複数の接続搬送部(不図示)とを有している。周回搬送部には、周回搬送部により搬送される紙幣の金種、真偽、正損、表裏、新旧、搬送状態等の識別を行う識別部(不図示)が設けられている。
【0037】
筐体201の前面には、紙幣受入口220aと、紙幣取出口222aとが設けられている。また、カセット装着部226の前面側には扉226aが設けられており、この扉226aを開くことにより収納カセット300をカセット装着部226に装着させたりこのカセット装着部226から収納カセット300を取り出したりすることができるようになっている。カセット装着部226には、当該カセット装着部226に収納カセット300が装着されたときにこのことを検知する光センサ等のカセット装着検知部227が設けられている。
硬貨処理ユニット250は、硬貨受入部252と、硬貨払出部266と、筐体201の内部で硬貨を収納するとともに収納されている硬貨を繰出可能な複数の収納繰出部(不図示)とを備えている。
【0038】
貨幣釣銭機200は、筐体201の内部に、紙幣処理ユニット210、硬貨処理ユニット250等を制御する制御部202を有している。制御部202は、CPU(不図示)、ROM(不図示)、RAM(不図示)により構成される。制御部202には、カセット装着検知部227が接続されており、カセット装着検知部227による収納カセット300の検知情報が制御部202に送られる。
【0039】
また、制御部202には、操作表示部270、通信部205、記憶部206、認証手段207、読取器295がそれぞれ接続されている。
認証手段207は、貨幣釣銭機200およびPOSレジスタ290を操作する作業者の作業者情報(例えばID)や権限等を認証するようになっている。具体的には、例えば操作表示部270により作業者が自分の作業者情報および暗証番号を入力するような形式となっている場合には、認証手段207は、操作表示部270により入力された作業者の作業者情報および暗証番号に基づいて当該作業者の作業者情報や権限等を認証する。また、認証手段207として、作業者が所持するIDカード等の読み取りを行うカードリーダが貨幣釣銭機200やPOSレジスタ290に設けられていても良い。この場合には、認証手段207は、カードリーダによりIDカード等から読み取られた情報に基づいて作業者の作業者情報や権限等を認証する。
【0040】
読取器295は、コード情報の一例としてのQRコードやバーコードを読み取る周知のバーコードリーダであることを例示することができる。読取器295は、例えば、作業者端末10の操作表示部13に表示されたコード情報を読み取る。制御部202は、読取器295が読み取ったコード情報から、当該コード情報に含まれる、作業者端末10の識別情報等の情報を取得する。
なお、
図7には、操作表示部270と読取器295とが別体である構成を示しているが、操作表示部270と読取器295とは一体で構成されていても良い。例えば、操作表示部270が、コード情報を読み取る機能を有していても良い。
【0041】
POSレジスタ290は、紙幣処理ユニット210や硬貨処理ユニット250の上方に載せられ、貨幣釣銭機200の管理を行う管理装置として用いられる。なお、POSレジスタ290は、タブレット型の端末であっても良い。
【0042】
(収納カセット300、収納ケース400)
収納カセット300(
図1参照)は、略直方体形状のケーシング301を有しており、当該ケーシング301の内部に紙幣が積層状態で収納されるようになっている。また、上述したように、収納カセット300は貨幣入出金機100のカセット装着部126および貨幣釣銭機200のカセット装着部226にそれぞれ着脱自在に装着されるようになっている。また、収納カセット300のケーシング301の側面には開口302が形成されている。収納カセット300が貨幣入出金機100のカセット装着部126や貨幣釣銭機200のカセット装着部226に装着されているときに、貨幣入出金機100の紙幣処理ユニット110に設けられた搬送部130や貨幣釣銭機200の紙幣処理ユニット210に設けられた搬送部から当該開口302を介して紙幣が収納カセット300の内部に送られる。また、収納カセット300に収納されている紙幣が開口302を介して貨幣入出金機100の紙幣処理ユニット110の搬送部130や貨幣釣銭機200の紙幣処理ユニット210の搬送部に繰り出されたりするようになっている。
【0043】
また、本実施の形態のシステム1では、収納カセット300とは別に、貨幣入出金機100と各貨幣釣銭機200との間で硬貨の受け渡しを行うために収納ケース400(
図1参照)が用いられるようになっている。例えば、貨幣釣銭機200から貨幣を回収する際には、作業者は、紙幣が収納されている収納カセット300および硬貨が収納されている収納ケース400をフロント領域91からバックヤード領域92に運搬する。
【0044】
より具体的には、フロント領域91に設置されている貨幣釣銭機200から貨幣を回収し、回収した貨幣をバックヤード領域92に設置されている貨幣入出金機100に入金する際、作業者は、空の収納カセット300を紙幣処理ユニット210のカセット装着部226に装着することにより、紙幣処理ユニット210の内部に収納されている紙幣を収納カセット300に収納させる。また、紙幣処理ユニット210においてカセット装着部226に装着されている収納カセット300に紙幣が収納されると、制御部202は、収納された紙幣に係る情報である、金種毎の枚数等をサーバ30に送信する。また、作業者は、硬貨処理ユニット250から硬貨を出金させ、この出金された硬貨を収納ケース400に手で収納する。硬貨処理ユニット250から硬貨を出金すると、制御部202は、出金された硬貨に係る情報である、金種毎の枚数等をサーバ30に送信する。
【0045】
その後、貨幣釣銭機200から貨幣を回収した作業者は、収納カセット300および収納ケース400をまとめてフロント領域91からバックヤード領域92に運搬し、貨幣を貨幣入出金機100に入金する。具体的には、作業者は収納カセット300を貨幣入出金機100の紙幣処理ユニット110におけるカセット装着部126に装着することにより、収納カセット300に収納されている紙幣を紙幣処理ユニット110に収納させる。制御部102は、紙幣処理ユニット110に紙幣を収納すると、収納カセット300に収納されていた紙幣の情報である、紙幣の金種毎の枚数等をサーバ30に送信する。また、作業者は、収納ケース400から硬貨を取り出し、この取り出した硬貨を貨幣入出金機100の硬貨処理ユニット150における硬貨受入部152に投入することにより、硬貨を貨幣入出金機100に入金する。制御部102は、硬貨処理ユニット150に硬貨を収納すると、収納ケース400に収納されていた硬貨の情報である、硬貨の金種毎の枚数等をサーバ30に送信する。
【0046】
以下に、システム1にて行われる業務支援の一例について、シーケンス図を用いて説明する。
図9は、システム1にて行われる業務支援についてのシーケンス図の一例である。
図9は、作業者Aが、貨幣釣銭機200の貨幣を全て回収した後、回収した貨幣を全て貨幣入出金機100に入金する場合のシーケンス図である。
先ず、管理者は、管理者端末20にて、業務支援アプリを起動するためにログイン(S901)後、作業者の作業の内容および作業者端末10の識別情報等を含む作業情報を入力する(S902)。
【0047】
管理者が入力を完了すると、作業情報が管理者端末20からサーバ30へ送信され、サーバ30の記憶部32に記憶される(S903)。
図3には、S902において、管理者が、作業者Aの2021年3月1日の作業の内容が、貨幣釣銭機200で回収を実施後に、回収した貨幣を貨幣入出金機100に入金を行うことであり、作業者Aが、台番号1の作業者端末10を携帯することを入力した場合に記憶部32に記憶される作業情報を例示している。
【0048】
その後、サーバ30は、記憶部32に記憶している対象機器に対して、当該機器と関連付けて記憶されている作業の内容に対応する当該機器が行うべき処理の内容および当該作業の内容と関連付けて記憶されている作業者端末10の識別情報を含む処理情報を、送信する(S904)。これは、送信部312が行う処理である。例えば、記憶部32が
図3に示す作業の内容を記憶している場合、サーバ30の送信部312は、台番号1の作業者端末10を携帯する作業者Aが貨幣釣銭機200から貨幣を回収する作業を行うため、回収処理および台番号1の作業者端末10の識別情報を含む処理情報を貨幣釣銭機200に送信する。貨幣釣銭機200においては、制御部202が、通信部205を介して処理情報を受信し、記憶部206に記憶する(S905)。また、サーバ30の送信部312は、台番号1の作業者端末10を携帯する作業者Aが貨幣入出金機100に対して貨幣を入金する作業を行うため、入金処理および台番号1の作業者端末10の識別情報を含む処理情報を貨幣入出金機100に送信する。貨幣入出金機100においては、制御部102が、通信部105を介して処理情報を受信し、記憶部106に記憶する(S906)。
なお、S901~S906の処理は、作業者Aの当日の業務開始時間前までに行われることを例示することができる。
【0049】
作業者は、作業者端末10にて、業務支援アプリを起動するためにログイン(S907)後、サーバ30に対して、作業の内容を問い合わせる(S908)。
サーバ30は、作業者端末10から送信された、作業者のID、作業者端末10の識別情報を受信する(S909)。その後、サーバ30は、受信した作業者のIDおよび作業者端末10の識別情報と、記憶部32に記憶された作業者のIDおよび作業者端末10の識別情報とが一致している場合に、記憶部32に記憶されている当該作業者の作業の内容を読み出す(S910)。そして、サーバ30は、当該作業者の1番目の作業の内容についての情報を、作業者端末10に送信する(S911)。例えば、サーバ30は、作業者Aが携帯する作業者端末10に対して、作業者Aの1番目の作業の内容が、第1貨幣釣銭機200Aから貨幣の回収を実施することである旨の情報を送信する。なお、サーバ30は、記憶部32に記憶された、作業者Aの全ての処理と各処理のステータス(例えば、処理済み、未処理等)を表示する情報を送信しても良い。
【0050】
作業者端末10は、サーバ30から送信された1番目の作業の内容についての情報を受信(S912)後に、当該作業の内容を操作表示部13に表示するとともに、当該作業を行う対象機器に読み取らせるためのコード情報(例えばQRコード(登録商標))を操作表示部13に表示する(S913)。作業の内容および対象機器に読み取らせるためのコード情報は、表示制御部114が操作表示部13に表示させる。また、コード情報は、生成部113により生成される。
【0051】
図10は、作業者端末10の操作表示部13に表示された内容の一例を示す図である。
例えば、本シーケンスにおいては、表示制御部114は、操作表示部13に、作業の内容である、第1貨幣釣銭機200Aから貨幣の回収を実施することを促すために、「第1貨幣釣銭機から貨幣の回収を行ってください」という文言71を表示させる。また、表示制御部114は、操作表示部13に、貨幣釣銭機200の読取器295に読み取らせるためのコード情報72(
図10においてはQRコード)を操作表示部13に表示させるとともに、操作表示部13に表示させられたコード情報72を第1貨幣釣銭機200Aの読取器295に読み取らせることを促すために、「第1貨幣釣銭機にQRコードを読み取らせてください」という文言73を表示させる。
【0052】
作業者は、作業者端末10の操作表示部13に表示された指示に従い行動する。本シーケンスにおいては、作業者Aは、第1貨幣釣銭機200Aが設置されている場所に赴き、操作表示部13に表示されたコード情報72を第1貨幣釣銭機200Aの読取器295に読み取らせる。そして、貨幣釣銭機200の読取器295が、作業者Aの作業者端末10の操作表示部13に表示されたコード情報72を読み取る(S914)。
【0053】
その後、貨幣釣銭機200は、読み取ったコード情報72に含まれる情報が、予め記憶している情報と一致しているか否かを判定する(S915)。例えば、作業者端末10の識別情報と関連付けて記憶されている作業があるか否かを判定する(S915)。ある場合には(S915でYES)、貨幣釣銭機200は、作業者端末10の識別情報と関連付けて記憶している回収処理を実行する(S916)。本シーケンスにおいては、貨幣釣銭機200は、紙幣処理ユニット210のカセット装着部226に装着されている収納カセット300に、内部に収納されている全ての紙幣を収納させるとともに、硬貨処理ユニット250から全ての硬貨を出金させる。なお、S915の判定には、必ずしも作業者端末10の識別情報は必須ではなく、作業を特定できるものであれば良い。例えば、貨幣釣銭機200は、取引通番を記憶しておき、読み取ったコード情報72に含まれる取引通番が予め記憶している取引通番と一致しているか否かを判定し、一致している場合に当該取引通番と関連付けて記憶されている作業を実行するようにしても良い。
貨幣釣銭機200は、作業が完了したら、完了通知をサーバ30に対して送信する(S917)。これにより、サーバ30は、貨幣釣銭機200での回収処理が完了した旨の通知を受信する(S918)。
【0054】
なお、貨幣釣銭機200は、紙幣処理ユニット210のカセット装着部226に収納カセット300が装着されていない場合には、操作表示部270に、カセット装着部226への収納カセット300の装着を促す表示をしても良い。
また、貨幣釣銭機200は、硬貨処理ユニット250から硬貨を出金させた後に、操作表示部270に、出金された硬貨を硬貨払出部266から手で回収し、収納ケース400に収納することを促す表示をしても良い。
また、作業者端末10は、S913において、操作表示部13に作業の内容を表示する際に、具体的な操作を説明する文言を表示しても良い。例えば、本シーケンスにおいては、紙幣処理ユニット210のカセット装着部226に収納カセット300の装着を促す文言や、硬貨払出部266に出金された硬貨を手で回収し、収納ケース400に収納することを促す文言を、操作表示部13に表示しても良い。
【0055】
他方、S915の処理にて、作業者端末10の識別情報と関連付けて記憶されている作業がない場合には(S915でNO)、貨幣釣銭機200は、操作表示部270に、取り扱いをすることができない旨の表示を行う(S919)。あるいは、貨幣釣銭機200は、作業者端末10に、サーバ30を介して、取り扱いをすることができない旨の通知を行っても良い。
【0056】
サーバ30は、貨幣釣銭機200から完了した旨の通知を受信した(S918)後、当該作業者の2番目の作業の内容についての情報を、作業者端末10に送信する(S920)。例えば、サーバ30は、作業者Aが携帯する作業者端末10に対して、作業者Aの2番目の作業の内容が、第1貨幣釣銭機200Aから回収した貨幣を貨幣入出金機100に入金することである旨の情報を送信する。なお、1番目の作業が完了した旨の通知を受信した後に2番目の作業の内容についての情報を送信するというように、作業完了の都度次の作業内容を送信するのではなく、最初に全ての作業の内容についての情報を送信しておき、機器がコード情報を読み取った際に前の作業が完了していなければ処理を実行しないようにしても良い。
【0057】
作業者端末10は、サーバ30から送信された2番目の作業の内容についての情報を受信(S921)後に、当該作業の内容を操作表示部13に表示するとともに、当該作業を行う対象機器に読み取らせるためのコード情報82(
図11参照)を操作表示部13に表示する(S922)。
【0058】
図11は、作業者端末10の操作表示部13に表示された内容の一例を示す図である。
例えば、本シーケンスにおいては、表示制御部114は、操作表示部13に、貨幣入出金機100への入金を促すために、「貨幣入出金機へ貨幣を入金してください」という文言81を表示させる。また、表示制御部114は、操作表示部13に、貨幣入出金機100の読取器195に読み取らせるためのコード情報82(
図11においてはQRコード)を操作表示部13に表示させるとともに、操作表示部13に表示させられたコード情報82を貨幣入出金機100の読取器195に読み取らせることを促すために、「貨幣入出金機にQRコードを読み取らせてください」という文言83を表示させる。
【0059】
作業者は、作業者端末10の操作表示部13に表示された指示に従い行動する。本シーケンスにおいては、作業者Aは、貨幣入出金機100が設置されている場所に赴き、操作表示部13に表示されたコード情報82を貨幣入出金機100の読取器195に読み取らせる。そして、貨幣入出金機100の読取器195が、作業者Aの作業者端末10の操作表示部13に表示されたコード情報82を読み取る(S923)。
【0060】
その後、貨幣入出金機100は、読み取ったコード情報82に含まれる情報が、予め記憶している情報と一致しているか否かを判定する(S924)。具体的には、作業者端末10の識別情報と関連付けて記憶されている作業があるか否かを判定する(S924)。ある場合には(S924でYES)、貨幣入出金機100は、作業者端末10の識別情報と関連付けて予め記憶している処理を実行する(S925)。本シーケンスにおいては、貨幣入出金機100は、紙幣処理ユニット110のカセット装着部126に装着されている収納カセット300に収納されている紙幣を紙幣処理ユニット110に収納するとともに、硬貨受入部152に投入された硬貨を硬貨処理ユニット150に収納する。
貨幣入出金機100は、処理が完了したら、完了通知をサーバ30に対して送信する(S926)。これにより、サーバ30は、貨幣入出金機100での入金作業が完了した旨の通知を受信する(S927)。
【0061】
なお、貨幣入出金機100は、紙幣処理ユニット110のカセット装着部126に収納カセット300が装着されていない場合には、操作表示部104に、カセット装着部126への収納カセット300の装着を促す表示をしても良い。
また、貨幣入出金機100は、硬貨受入部152に硬貨が投入されていない場合には、操作表示部104に、硬貨受入部152への硬貨の投入を促す表示をしても良い。
また、作業者端末10は、S922において、操作表示部13に作業の内容を表示する際に、具体的な操作を説明する文言を表示しても良い。例えば、本シーケンスにおいては、紙幣処理ユニット110のカセット装着部126に収納カセット300の装着を促す文言や、硬貨受入部152に硬貨を投入することを促す文言を、操作表示部13に表示しても良い。
【0062】
他方、S924の処理にて、作業者端末10の識別情報と関連付けて記憶されている作業がない場合には(S924でNO)、貨幣入出金機100は、操作表示部104に、取り扱いをすることができない旨の表示を行う(S928)。あるいは、貨幣入出金機100は、作業者端末10に、サーバ30を介して、取り扱いをすることができない旨の通知を行っても良い。
サーバ30は、貨幣入出金機100から完了した旨の通知を受信した(S927)後、作業が完了した旨を作業者端末10に送信する(S929)。作業者端末10は、作業が完了した旨を受信したら、作業が完了した旨を操作表示部13に表示する(S930)。
【0063】
なお、上述した実施形態において、貨幣入出金機100および貨幣釣銭機200がカセット装着部(例えばカセット装着部126)を有し、収納カセット300を介して紙幣の回収や入金を行っているが、特にかかる態様に限定されない。例えば、作業者が、手作業で、紙幣の回収や入金を行っても良い。
また、
図9を用いて説明したシーケンスにおいては、貨幣の回収として、硬貨と貨幣の全金種を全て回収する全回収を例示しているが、特に全回収に限定されない。例えば、硬貨の全金種を全て回収する硬貨のみ全回収、紙幣の全金種を全て回収する紙幣のみ全回収、指定金種のみ回収する個別回収、設定した枚数分回収する途中回収、設定した枚数/金額分、貨幣釣銭機200内に残るように回収する残置回収等であっても良い。また、入金も同様であり、回収した貨幣を全て入金する態様でも良いし、硬貨または紙幣の金種を指定して入金する態様や、設定した枚数/金額分を残して入金する態様等であっても良い。
【0064】
図9を用いて説明したシーケンスは、日常的に行う必要がある定例業務を作業者に行わせる例である。その他、システム1を用いて、例えば機器にエラーが生じたことに起因して行うことが必要になる業務等の非定例業務を作業者に示すことも可能である。
以下に、システム1を用いて作業者に非定例業務を行わせる場合のシーケンスについて説明する。
図12は、システム1にて行われる非定例業務の業務支援についてのシーケンス図の一例である。
機器において、予め定められた所定事象が生じた場合、当該事象が生じた旨をサーバ30に通知する。所定事象は機器毎に登録されており、例えば、機器が貨幣釣銭機200である場合には、所定事象はニアエンプティ状態やニアフル状態であることを例示することができる。
図12には、貨幣釣銭機200にニアエンプティ状態が生じた場合のシーケンス図である。
【0065】
貨幣釣銭機200がニアエンプティ状態であることを検知した場合、貨幣釣銭機200はニアエンプティ状態であることをサーバ30に通知する(S1201)。その際、貨幣釣銭機200はどの金種の紙幣または硬貨がニアエンプティ状態であるかも通知する。
サーバ30は、貨幣釣銭機200からニアエンプティ状態であることを受信(S1202)後、貨幣釣銭機200がニアエンプティ状態である旨の情報を、管理者端末20に対してプッシュ通知を行う(S1203)。
【0066】
管理者端末20は、サーバ30からの通知を受信(S1204)後、業務支援アプリを起動するとともに、受信した情報を表示部23に表示する(S1205)。そして、管理者端末20は、管理者により、表示部23に表示した情報が選択されると、必要な操作を表示する(S1206)。管理者は、作業者の作業の内容や作業者端末10の識別情報を含む作業情報を入力する(S1207)。これは、S902の処理と同様である。本シーケンスにおいては、管理者が、例えば作業者Aの作業の内容が貨幣釣銭機200に貨幣の補充を行うことであり、作業者Aが、台番号1の作業者端末10を携帯することを含む作業情報を入力する。
【0067】
管理者が作業情報の入力を完了すると、その入力情報が管理者端末20からサーバ30へ送信され、サーバ30の記憶部32に記憶される(S1208)。これは、S903の処理と同様である。
その後、サーバ30は、記憶部32に記憶している対象機器に対して、当該機器と関連付けて記憶されている作業の内容に対応する当該機器が行うべき処理の内容および当該作業の内容と関連付けて記憶されている作業者端末10の識別情報を含む処理情報を、当該機器に送信する(S1209)。これは、S904の処理と同様である。本シーケンスにおいては、サーバ30の送信部312は、台番号1の作業者端末10を携帯する作業者Aが貨幣釣銭機200に貨幣を補充する作業を行うため、補充処理および台番号1の作業者端末10の識別情報を含む処理情報を貨幣釣銭機200に送信する。貨幣釣銭機200においては、制御部202が、通信部205を介して処理情報を受信し、記憶部206に記憶する(S1210)。
【0068】
また、サーバ30は、S1207にて登録された作業者が携帯する作業者端末10に対して、当該作業者の作業の内容についての情報をプッシュ通知する(S1211)。
作業者端末10は、サーバ30から通知を受信(S1212)後、業務支援アプリを起動するとともに、受信した情報を操作表示部13に表示する(S1213)。この処理は、例えばS922の処理と同様である。ただし、操作表示部13に表示される具体的な内容は、
図11に例示した表示と異なり、文言81の代わりに「貨幣釣銭機へ貨幣を補充してください」という文言が表示され、コード情報82の代わりに、貨幣釣銭機200への貨幣の補充に対応するコード情報が表示される。
【0069】
作業者は、作業者端末10の操作表示部13に表示された指示に従い行動する。本シーケンスにおいては、作業者Aは、貨幣釣銭機200が設置されている場所に赴き、操作表示部13に表示されたコード情報を貨幣釣銭機200の読取器295に読み取らせるとともに、ニアエンプティ状態を解消するのに必要な作業を行う。例えば、作業者Aは、紙幣受入口220aに紙幣を投入、または、硬貨受入部252に硬貨を投入する。そして、貨幣釣銭機200の読取器295が、作業者Aの作業者端末10の操作表示部13に表示されたコード情報を読み取る(S1214)。これは、S923の処理と同様である。
【0070】
その後、貨幣釣銭機200は、読み取ったコード情報に含まれる情報が、予め記憶している情報と一致しているか否かを判定する(S1215)。具体的には、作業者端末10の識別情報と関連付けて記憶されている作業があるか否かを判定する(S1215)。これは、S924の処理と同様である。そして、ある場合には(S1215でYES)、貨幣釣銭機200は、作業者端末10の識別情報と関連付けて予め記憶している処理を実行する(S1216)。本シーケンスにおいては、貨幣釣銭機200は、紙幣受入口220aに投入された紙幣、または、硬貨受入部252に投入された硬貨を収納する補充処理を実行する(S1216)。
貨幣釣銭機200は、処理が完了したら、完了通知をサーバ30に対して送信する(S1217)。これにより、サーバ30は、貨幣釣銭機200での作業が完了した旨の通知を受信する(S1218)。これらS1217、S1218の処理は、それぞれ、S926、S927の処理と同様である。
【0071】
他方、S1215の処理にて、作業者端末10の識別情報と関連付けて記憶されている作業がない場合には(S1215でNO)、貨幣釣銭機200は、操作表示部104に、取り扱いをすることができない旨の表示を行う(S1219)。あるいは、貨幣釣銭機200は、作業者端末10に、サーバ30を介して、取り扱いをすることができない旨の通知を行っても良い。S1219の処理は、S928の処理と同様である。
サーバ30は、貨幣釣銭機200から完了した旨の通知を受信した(S1218)後、作業が完了した旨を作業者端末10に送信する(S1220)。作業者端末10は、作業が完了した旨を受信し、作業が完了した旨を操作表示部13に表示する(S1221)。これらS1220、S1221の処理は、それぞれ、S929、S930の処理と同様である。
【0072】
なお、上述したように機器にエラーが生じた場合にプッシュ通知を行うが、作業時点でエラーが解消している場合、例えば貨幣釣銭機200にニアエンプティ状態が生じていたが、顧客による貨幣の投入によってニアエンプティ状態が解消された場合等には、当該機器に対する作業リストから自動的に削除しても良い。
【0073】
以上説明したように、システム1は、作業者が携帯する作業者端末10と、作業者端末10と通信可能なサーバ30とを備える。そして、サーバ30は、作業者が作業を行う機器(例えば貨幣釣銭機200)に対する作業の内容および作業者端末10の識別情報を含む作業情報を受け付ける受付手段の一例としての受信部311と、当該作業情報を作業者端末10に送信する送信手段の一例としての送信部312と、を有している。作業者端末10は、作業情報を受信する受信手段の一例としての受信部111と、受信部111が受信した当該作業情報に基づいて、前記機器に対する作業の内容を表示する表示手段の一例としての操作表示部13と、を有している。
【0074】
システム1によれば、作業者が携帯する作業者端末10の操作表示部13に作業の内容が表示されるので、作業者に作業の内容を教示することができる。作業者は、作業者端末10の操作表示部13に表示された作業の内容を見ることで作業を行うことができるので、多種多様な機器に対する様々な操作を覚える必要がない。また、当日に複数の作業を行うことが予想される場合に、作業者端末10の操作表示部13に表示されたことを契機として、表示された作業を行えばいいので、複数の作業の順序を覚える必要がない。その結果、操作ミスが発生することが抑制される。また、管理者は、例えば作業者が頻繁に入れ替わったり急激に増えたりしても、多種多様な機器に対する様々な操作を全て教える必要がないので、システム1を用いることで教育コストを抑制することができる。
【0075】
ここで、サーバ30の受信部311は、予め登録された管理者端末20から送信されてきた情報を受信する。言い換えれば、受信部311は、予め定められた管理者からの入力を受け付ける。より具体的には、管理者が、管理者端末20にインストールされた業務支援アプリを起動して入力した、作業者の作業内容や作業者端末10の情報を、サーバ30の受信部311が受信することで、入力を受け付ける。これにより、システム1によれば、管理者が設定する作業を作業者に行わせることができるので、作業者の教育等の管理者の負担を小さくすることが可能となる。なお、管理者は、予め定められた管理者端末20を用いて入力することに限定されない。業務支援アプリがインストールされているのであれば、どの端末から入力しても良い。
【0076】
また、作業者端末10は、受信部111が受信した作業情報に基づいて識別情報を含む作業信号を出力する出力手段(例えば操作表示部13)をさらに有する。機器(例えば貨幣釣銭機200)は、出力手段(例えば操作表示部13)が出力した作業信号を読み取る読取手段(例えば読取器295)と、サーバ30から送信された、識別情報および処理の内容を含む処理情報を取得する取得手段(例えば制御部202)とを有する。そして、機器(例えば貨幣釣銭機200)は、読取手段(例えば読取器295)が読み取った作業信号に含まれる作業者端末10の識別情報と、取得手段(例えば制御部202)が取得した処理情報に含まれる識別情報とが一致する場合に処理情報に含まれる処理(例えば出金処理)を実行する。これにより、機器(例えば貨幣釣銭機200)は、管理者が予め登録した作業者端末10から出力された作業信号を読み取った場合にのみ、当該作業者端末10と関連付けて登録された処理(例えば出金処理)を実行する。その結果、作業者に、予め定められた作業を確度高く実施させることができる。なお、作業信号は、QRコード(例えばQRコード72)やバーコードであることを例示することができる。また、作業信号は、RFIDであっても良い。
【0077】
また、機器(例えば貨幣釣銭機200)は、処理の実行結果をサーバ30に送信する。これにより、システム1によれば、管理者は、サーバ30に記憶された作業履歴を見ることで、逐次作業履歴を確認できる。その結果、管理者は、作業の進捗状況を把握でき、遠隔でも作業者の作業を監視したり作業忘れを防止したりすることが可能となる。また、管理者は、作業の実行を終了すべき、例えば終了時刻を設定でき、終了時刻を過ぎても未だ作業が終了していない場合には、サーバ30は、作業者や管理者に終了時刻を過ぎた旨を通知するようにしても良い。なお、機器が処理の実行結果を送信するサーバと、管理者からの入力を受け付けるサーバとは、異なるサーバであっても良い。
【0078】
サーバ30の受信部311は、複数の作業の内容の入力を受け付ける。例えば、
図9を用いて説明したシーケンスでは、貨幣釣銭機200から貨幣を回収する作業と、回収した貨幣を貨幣入出金機100に入金する作業とを受け付けている。なお、複数の作業は、1つの機器に対する作業であっても良い。例えば、複数の作業が、貨幣入出金機100に貨幣を入金する作業と、貨幣入出金機100のカセット装着検知部127を清掃する作業であっても良い。
【0079】
また、サーバ30の受信部311は、複数の作業の内容を実行すべき順序の入力を受け付ける。例えば、
図9を用いて説明したシーケンスでは、貨幣釣銭機200から貨幣を回収する作業を1番目の作業として、回収した貨幣を貨幣入出金機100に入金する作業を2番目の作業として受け付けている。これにより、作業者は、複数の作業の順序を覚える必要がない。その結果、操作ミスが発生することが抑制される。
【0080】
また、以上説明したように、システム1を用いて行う業務支援方法は、作業者が作業を行う機器(例えば貨幣釣銭機200)に対する作業の内容および当該作業者が携帯する作業者端末10の識別情報を受け付けるステップの一例としてのS903を有する。また、業務支援方法は、作業の内容を含む作業情報を作業者端末10に送信するステップの一例としてのS911と、作業者端末10が、受信した作業情報に基づいた、機器に対する作業の内容を表示するステップの一例としてのS913と、を有する。
また、業務支援方法は、作業者端末10が、受信した作業情報に基づいて識別情報を含む作業信号(例えばQRコード72)を出力するステップの一例としてのS913と、機器(例えば貨幣釣銭機200)が、作業信号を読み取るステップの一例としてのS914と、を有する。また、業務支援方法は、機器が、処理の内容を含む処理情報を取得するステップの一例としてのS905と、機器が、作業信号に含まれる識別情報と、処理情報に含まれる識別情報とが一致する場合に処理情報に含まれる処理を実行するステップの一例としてのS916と、を有する。
【0081】
なお、上述した実施の形態に係るシステム1において、店舗90内に、貨幣入出金機100や貨幣釣銭機200が備えられ、作業者がこれら貨幣入出金機100や貨幣釣銭機200に対して作業を行う場合を例示しているが、特にかかる態様に限定されない。例えば、店舗90内のフロント領域91とバックヤード領域92との間の境界に、電磁ロック機構とコード情報を読み取る読取器とを有する扉を備え、作業者端末10がサーバ30から情報を受信することで当該扉を開くためのコード情報を表示できるとともに、当該扉は読取器にて所定のコード情報を読み取った場合に電磁ロック機構のロック解除を行うようにしても良い。さらに、当該扉は、ロック解除した時刻やコード情報を表示した作業者端末10の識別情報をサーバ30に送信する機能を有しても良い。
【0082】
例えば、
図9のシーケンス図を用いて説明した作業者Aの業務において、サーバ30は、貨幣釣銭機200から完了した旨の通知を受信した(S918)後、作業者Aの2番目の作業の内容についての情報を作業者端末10に送信する(S920)前に、扉を開くためのコード情報を表示するための情報を作業者端末10に送信しても良い。このようにして、サーバ30からの情報を受信した作業者端末10を携帯する作業者、ひいては管理者から許可を受けた作業者のみを、フロント領域91からバックヤード領域92へ移動可能にするとともに、扉を開閉した履歴をサーバ30が取得可能にすると良い。これにより、セキュリティを高めることが可能となる。
【0083】
また、同様に、バックヤード領域92にロッカーや金庫を備え、作業者端末10がサーバ30から情報を受信することで表示したコード情報を読み取らせることで、当該ロッカーや金庫のロックを解除可能にするとともに、解除した履歴をサーバ30が取得可能にしても良い。
また、同様に、バックヤード領域92にコード情報を読み取る読取器を有する鍵管理機を備え、作業者端末10がサーバ30から情報を受信することで表示したコード情報を読み取らせることで、鍵管理機から鍵を抜取ることができる権限も付与可能にするとともに、解除した履歴をサーバ30が取得可能にしても良い。例えば、店長等の管理者が不在のときに管理者鍵を使用できるように、従業員に、例えば9時~15時と、時間を限定して管理者鍵の抜き取り権限を設定しても良い。また、貨幣釣銭機200から貨幣を回収する際に収納カセット300等のカセットの鍵が必要である場合には、回収作業の業務フローに対応するコマンドグループとして、「貨幣釣銭機からの回収」と、「カセットの鍵の鍵管理機からの抜き取り」とを登録すると良い。
また、店舗90内のフロント領域91に、発券機やチャージ機を備え、サーバ30から指示される作業が、これら発券機やチャージ機から貨幣を回収することができるようにしても良い。
【0084】
また、上述したシステム1においては、サーバ30が、機器と関連付けて記憶されている作業の内容に対応する処理情報を、当該機器に送信する(S904)が、特にかかる態様に限定されない。例えば、機器が作業者端末10の操作表示部13に表示されたコード情報を読み取った際に、機器が、サーバ30に、当該作業者端末10と関連付けて記憶されている作業の内容に対応する処理を問い合わせても良い。
また、作業者端末10の操作表示部13に表示するコード情報は、サーバ30から送信されてきた情報を基に作業者端末10の生成部113が生成しているが、特にかかる態様に限定されない。サーバ30の制御部31がコード情報を生成し、生成したコード情報を作業者端末10に送信しても良い。
【0085】
また、1つの機器に対する作業が複数である場合、当該機器に読み取らせるための作業者端末10の操作表示部13に表示するコード情報は、複数の作業の内容の情報を含んでいても良い。当該コード情報を読み取った機器は、操作表示部(例えば操作表示部104)に複数の作業のガイダンスを表示し、作業者が当該ガイダンスに沿って複数の作業を続けて実行できるようにしても良い。あるいは、サーバ30が、作業者端末10に対して、複数の作業の内容についての情報を1度に送信し、作業者端末10が、複数の作業の内容を操作表示部13に表示するようにしても良い。ただし、1つの機器に対する作業が複数である場合であっても、
図9を用いて説明したように、サーバ30は、当該機器に対する1番目の作業の内容についての情報を作業者端末10に送信し、その後、1番目の作業が完了した旨の通知を受信した後に、当該機器に対する2番目の作業の内容についての情報を作業者端末10に送信するようにしても良い。
【0086】
また、機器は、自身が有する認証手段(例えば認証手段107や認証手段207)にて作業者を認証した後に、読取器(例えば読取器195や読取器295)にてコード情報を読み取るようにしても良い。これにより、セキュリティを高めることが可能となる。さらに、機器は、認証手段(例えば認証手段107や認証手段207)にて認証した作業者と、読取器(例えば読取器195や読取器295)にてコード情報を読み取ることで特定した作業者とが一致した場合に、処理を実行するようにしても良い。これにより、さらに、セキュリティを高めることが可能となる。
【0087】
例えば、出力手段(例えば操作表示部13)は、作業者を識別する作業者情報の一例としてのIDを含む作業信号を出力し、取得手段(例えば制御部202)は、処理情報の一部に、作業者情報の一例としてのIDを予め取得しておく。そして、機器(例えば貨幣釣銭機200)は、取得手段(例えば制御部202)が取得した作業者情報と、読取手段(例えば読取器295)が読み取った作業信号に含まれる作業者情報とが一致する場合に処理を実行する。これにより、予め定められた作業者に所定の作業を実施させることが可能となる。言い換えれば、意図しない者が機器(例えば貨幣釣銭機200)に対して作業を行うことを抑制することが可能となる。これにより、セキュリティを向上させることができる。
【0088】
また、機器は、作業者端末10の操作表示部13に表示された1つのコード情報で行う処理の回数を制限しても良い。制限する回数は、1回、2回、3回であることを例示することができる。制限する回数を1回に制限した場合には、例えば、
図9のシーケンス図において、貨幣釣銭機200は、S914にて読取器295が作業者端末10の操作表示部13に表示されたコード情報を最初に読み取った後に回収処理を行うが、その後、再度、読取器295が同じコード情報を読み取ったとしても回収処理を行わないようにする。これにより、機器が、作業の内容を登録した管理者が意図しない処理を行うことを抑制することができる。
【0089】
また、サーバ30が作業の内容についての情報を作業者端末10に送信する(例えばS911)際に、当該情報の中に作業の対象機器の設置場所の情報を含め、作業者端末10が操作表示部13に作業の内容を表示する(S913)際に、対象機器の設置場所が分かるように例えばフロアマップも表示すると良い。また、フロアマップを表示する際には、対象機器に目的地を示すアイコンを付したり、現在地から対象機器までのルートを付したりしても良い。これにより、例えばフロント領域91に設置された複数の貨幣釣銭機200のように、同じ機器が複数設置されていたとしても、対象機器を分かり易くすることができる。また、機器がランプやスピーカ等の報知手段を有し、例えば、所定のタイミング(例えば所定時刻になったときや所定事象が発生したとき)に所定の作業を行うことが登録されている場合には、機器が所定のタイミングになったときに、ランプの点灯または点滅や、スピーカからの音の発生を行うことで、作業者を誘導しても良い。
【0090】
また、作業者が、作業者端末10の操作表示部13に表示されたコード情報を、誤って異なる機器の読取器に読み取らせた場合には、当該機器は、作業を行うべき機器ではない旨を例えば操作表示部に表示すると良い。例えば、
図9のシーケンス図を用いて説明した作業者Aの業務において、作業者Aが作業者端末10の操作表示部13に表示されたコード情報を、第1貨幣釣銭機200Aとは異なる貨幣釣銭機200である、例えば第2貨幣釣銭機200Bの読取器295に読み取らせた場合には、第2貨幣釣銭機200Bは、例えば操作表示部270に機器が異なる旨を表示すると良い。さらに、第2貨幣釣銭機200Bは、真の対象機器名(第1貨幣釣銭機200A)や、当該対象機器が設置されている場所を操作表示部270に表示すると良い。
【0091】
また、コード情報は、作業者端末10にではなく、機器の操作表示部(例えば操作表示部104や操作表示部270)に表示しても良い。かかる場合には、機器がコード情報を生成しても良いし、サーバ30が生成したコード情報を機器に送信しても良い。かかる構成である場合には、機器は、コード情報を読み取る読取器(例えば読取器195や読取器295)を備えていなくても良い。また、コード情報が機器の操作表示部に表示される場合には、作業者は、コード情報が表示されている機器が作業対象機器であることを容易に把握することができる。例えば、所定時刻に所定の作業を行うことが作業者に登録されている場合には、作業対象機器が所定時刻になったらコード情報を表示することで、当該作業者は、作業待ちの対象機器であることを容易に把握することができる。
コード情報が機器の操作表示部に表示される場合には、作業者が作業者端末10にてコード情報を読み取ったとの情報がサーバ30に送信され、サーバ30が当該機器に対して、コード情報を読み取った端末が登録された作業者端末10であるため処理を行っても良い旨を通知すると良い。また、作業者端末10にて機器に表示されたコード情報を読み取ったとの情報がサーバ30に送信された後に、サーバ30は、作業者の認証を求めても良い。例えば、サーバ30は、暗証番号の入力を促す通知を作業者端末10に対して行っても良い。これにより、セキュリティを向上させることができる。
【0092】
また、上述したシステム1においては、作業者端末10からSIMカードを取り外し、店舗90の内部での利用に制限しても良い。これにより、作業者が勤務中に業務外の通話を行うことを抑制し、業務に集中させることができる。
また、作業者端末10のGPS機能を有効にすると良い。これにより、例えば作業者が作業者端末10を紛失したとしても容易に発見することが可能となる。また、作業者が、例えば、店舗90の外へ出たとしても、作業者の居場所を追跡することが可能となる。
【0093】
また、上述したシステム1は、商業施設の店舗90で作業を行う作業者の業務を支援するシステムであるが、特にかかる態様に限定されない。例えば、警備会社による売上金の回収業務や釣銭準備金配送業務を行う作業者の業務を支援するシステムであっても良い。また、金融機関での入出金業務を行う作業者の業務を支援するシステムであっても良い。また、高齢者や障がい者向け現金引き出し代行業務を行う作業者の業務を支援するシステムであっても良い。
【0094】
以下に、警備会社による売上金の回収業務を支援するシステムについて詳述する。
<第2実施形態>
図13は、第2実施形態に係る業務支援システム2(以下、単に「システム2」と称する場合がある。)の概略構成の一例を示す図である。
第2実施形態に係るシステム2は、作業者である警備会社の隊員が、例えば商業施設の店舗90等に設置された貨幣入出金機100から売上金を回収する業務を支援するシステムである。以下、第2実施形態に係るシステム2について、第1実施形態に係るシステム1と異なる点について説明する。第1実施形態と第2実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
【0095】
システム2は、作業者である警備会社の隊員が携帯して使用する作業者端末10と、作業者を管理する管理者が使用する管理者端末20と、作業者の業務を支援するサーバ30とを備えている。また、システム2は、商業施設の店舗90に設置された貨幣入出金機100を備えている。
図13には、X店舗90Xに設置された2台の貨幣入出金機100である、第1貨幣入出金機100Aおよび第2貨幣入出金機100B、Y店舗90Yに設置された唯一の貨幣入出金機100である貨幣入出金機100Cを例示している。
【0096】
以下に、システム2にて行われる業務支援の一例について、シーケンス図を用いて説明する。
図14および
図15は、第2実施形態に係るシステム2にて行われる業務支援についてのシーケンス図の一例である。
図16は、記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。
図14および
図15は、作業者Bが、X店舗90Xの第1貨幣入出金機100Aの貨幣を回収した後、X店舗90Xの第2貨幣入出金機100Bの貨幣を回収し、その後、Y店舗90Yの貨幣入出金機100Cの貨幣を回収する場合のシーケンス図である。
【0097】
先ず、管理者は、管理者端末20にて、業務支援アプリを起動するためにログイン(S1401)後、作業者の作業の内容および作業者端末10の識別情報等を含む作業情報を入力する(S1402)。管理者は、例えば、警備会社の本部センターに置かれた管理者端末20を用いて入力することを例示することができる。
【0098】
管理者が入力を完了すると、作業情報が管理者端末20からサーバ30へ送信され、サーバ30の記憶部32に記憶される(S1403)。
図16には、S1402において、管理者が、作業者Bの2021年5月1日の作業の内容が、X店舗90Xに設置された第1貨幣入出金機100Aから売上金を回収した後に、第2貨幣入出金機100Bから売上金を回収し、その後、Y店舗90Yに設置された貨幣入出金機100Cから売上金を回収することであり、作業者Bが、台番号2の作業者端末10を携帯することを入力した場合に記憶部32に記憶される作業情報を例示している。
【0099】
サーバ30は、記憶部32に記憶している対象機器に対して、当該機器と関連付けて記憶されている作業の内容に対応する当該機器が行うべき処理の内容および当該作業の内容と関連付けて記憶されている作業者端末10の識別情報を含む処理情報を、送信する(S1404)。これは、送信部312が行う処理である。例えば、記憶部32が
図16に示す作業の内容を記憶している場合、サーバ30の送信部312は、台番号2の作業者端末10を携帯する作業者BがX店舗90Xの第1貨幣入出金機100Aから貨幣を回収する作業を行うため、回収処理および台番号2の作業者端末10の識別情報を含む処理情報を第1貨幣入出金機100Aに送信する。第1貨幣入出金機100Aにおいては、制御部102が、通信部105を介して処理情報を受信し、記憶部106に記憶する(S1405)。また、サーバ30の送信部312は、台番号2の作業者端末10を携帯する作業者BがX店舗90Xの第2貨幣入出金機100Bに対して貨幣を回収する作業を行うため、回収処理および台番号2の作業者端末10の識別情報を含む処理情報を第2貨幣入出金機100Bに送信する。第2貨幣入出金機100Bにおいては、制御部102が、通信部105を介して処理情報を受信し、記憶部106に記憶する(S1406)。また、サーバ30の送信部312は、台番号2の作業者端末10を携帯する作業者BがY店舗90Yの貨幣入出金機100Cに対して貨幣を回収する作業を行うため、回収処理および台番号2の作業者端末10の識別情報を含む処理情報を貨幣入出金機100Cに送信する。貨幣入出金機100Cにおいては、制御部102が、通信部105を介して処理情報を受信し、記憶部106に記憶する(S1407)。
なお、S1401~S1407の処理は、作業者Bの当日の業務開始時間前までに行われることを例示することができる。
【0100】
作業者は、作業者端末10にて、業務支援アプリを起動するためにログイン(S1408)後、サーバ30に対して、作業の内容を問い合わせる(S1409)。
サーバ30は、作業者端末10から送信された、作業者のID、作業者端末10の識別情報を受信する(S1410)。その後、サーバ30は、受信した作業者のIDおよび作業者端末10の識別情報と、記憶部32に記憶された作業者のIDおよび作業者端末10の識別情報とが一致している場合に、記憶部32に記憶されている当該作業者の作業の内容を読み出す(S1411)。そして、サーバ30は、当該作業者の1番目の作業の内容についての情報を、作業者端末10に送信する(S1412)。例えば、サーバ30は、作業者Bが携帯する作業者端末10に対して、作業者Bの1番目の作業の内容が、X店舗90Xの第1貨幣入出金機100Aから貨幣の回収を実施することである旨の情報を送信する。なお、サーバ30は、記憶部32に記憶された、作業者Bの全ての処理と各処理のステータス(例えば、処理済み、未処理等)を表示する情報を送信しても良い。
【0101】
作業者端末10は、サーバ30から送信された1番目の作業の内容についての情報を受信(S1413)後に、当該作業の内容を操作表示部13に表示するとともに、当該作業を行う対象機器に読み取らせるためのコード情報(例えばQRコード(登録商標))を操作表示部13に表示する(S1414)。作業の内容および対象機器に読み取らせるためのコード情報は、表示制御部114が操作表示部13に表示させる。また、コード情報は、生成部113により生成される。
【0102】
図17は、作業者端末10の操作表示部13に表示された内容の一例を示す図である。
例えば、本シーケンスにおいては、表示制御部114は、操作表示部13に、作業の内容である、X店舗90Xの第1貨幣入出金機100Aから貨幣の回収を実施することを促すために、「X店舗の第1貨幣入出金機から貨幣の回収を行ってください」という文言86を表示させる。また、表示制御部114は、操作表示部13に、第1貨幣入出金機100Aの読取器195に読み取らせるためのコード情報87(
図17においてはQRコード)を操作表示部13に表示させるとともに、操作表示部13に表示させられたコード情報87を第1貨幣入出金機100Aの読取器195に読み取らせることを促すために、「第1貨幣入出金機にQRコードを読み取らせてください」という文言88を表示させる。
【0103】
作業者は、作業者端末10の操作表示部13に表示された指示に従い行動する。本シーケンスにおいては、作業者Bは、第1貨幣入出金機100Aが設置されている場所に赴き、操作表示部13に表示されたコード情報87を第1貨幣入出金機100Aの読取器195に読み取らせる。そして、第1貨幣入出金機100Aの読取器195が、作業者Bの作業者端末10の操作表示部13に表示されたコード情報87を読み取る(S1415)。
【0104】
その後、第1貨幣入出金機100Aは、読み取ったコード情報87に含まれる情報が、予め記憶している情報と一致しているか否かを判定する(S1416)。例えば、作業者端末10の識別情報と関連付けて記憶されている作業があるか否かを判定する(S1416)。ある場合には(S1416でYES)、第1貨幣入出金機100Aは、作業者端末10の識別情報と関連付けて記憶している回収処理を実行する(S1417)。本シーケンスにおいては、第1貨幣入出金機100Aは、紙幣処理ユニット110に装着されている回収カセット140に、内部に収納されている全ての紙幣を収納させるとともに扉140aのロック解除を行う。また、第1貨幣入出金機100Aは、回収カセット170に、内部に収納されている全ての硬貨を収納させるとともに扉170aのロック解除を行う。なお、S1416の判定には、必ずしも作業者端末10の識別情報は必須ではなく、作業を特定できるものであれば良い。例えば、第1貨幣入出金機100Aは、取引通番を記憶しておき、読み取ったコード情報87に含まれる取引通番が予め記憶している取引通番と一致しているか否かを判定し、一致している場合に当該取引通番と関連付けて記憶されている作業を実行するようにしても良い。
【0105】
第1貨幣入出金機100Aは、作業が完了したら、完了通知をサーバ30に対して送信する(S1418)。これにより、サーバ30は、第1貨幣入出金機100Aでの回収処理が完了した旨の通知を受信する(S1419)。なお、作業者Bは、第1貨幣入出金機100Aの扉140aを開けて回収カセット140を取り出すとともに扉170aを開けて回収カセット170を取り出し、取り出した回収カセット140および回収カセット170を、例えば車に積載する。このようにして、作業者Bは、1番目の作業である、第1貨幣入出金機100Aからの回収作業を終える。
【0106】
他方、S1416の処理にて、作業者端末10の識別情報と関連付けて記憶されている作業がない場合には(S1416でNO)、第1貨幣入出金機100Aは、操作表示部104に、取り扱いをすることができない旨の表示を行う(S1420)。あるいは、第1貨幣入出金機100Aは、作業者端末10に、サーバ30を介して、取り扱いをすることができない旨の通知を行っても良い。なお、S1416の処理において、第1貨幣入出金機100Aは、第1貨幣入出金機100Aでの締め処理(店舗の作業)が行われていない場合には、コード情報87を読み取ることができない、または、読み取りを行っても回収できない旨の表示を行っても良い。
【0107】
サーバ30は、第1貨幣入出金機100Aから完了した旨の通知を受信した(S1419)後、当該作業者の2番目の作業の内容についての情報を、作業者端末10に送信する(S1421)。例えば、サーバ30は、作業者Bが携帯する作業者端末10に対して、作業者Bの2番目の作業の内容が、X店舗90Xの第2貨幣入出金機100Bから貨幣の回収を実施することである旨の情報を送信する。
【0108】
作業者端末10は、サーバ30から送信された2番目の作業の内容についての情報を受信(S1422)後に、当該作業の内容を操作表示部13に表示するとともに、当該作業を行う対象機器に読み取らせるためのコード情報を操作表示部13に表示する(S1423)。
【0109】
作業者は、作業者端末10の操作表示部13に表示された指示に従い行動する。本シーケンスにおいては、作業者Bは、第2貨幣入出金機100Bが設置されている場所に赴き、操作表示部13に表示されたコード情報を第2貨幣入出金機100Bの読取器195に読み取らせる。そして、第2貨幣入出金機100Bの読取器195が、作業者Bの作業者端末10の操作表示部13に表示されたコード情報を読み取る(S1424)。
【0110】
その後、第2貨幣入出金機100Bは、読み取ったコード情報に含まれる情報が、予め記憶している情報と一致しているか否かを判定する(S1425)。具体的には、作業者端末10の識別情報と関連付けて記憶されている作業があるか否かを判定する(S1425)。ある場合には(S1425でYES)、第2貨幣入出金機100Bは、作業者端末10の識別情報と関連付けて予め記憶している処理を実行する(S1426)。本シーケンスにおいては、第2貨幣入出金機100Bは、上述した第1貨幣入出金機100AがS1417にて行う回収処理と同様の回収処理を行う。なお、S1425の処理において、第2貨幣入出金機100Bは、第2貨幣入出金機100Bでの締め処理(店舗の作業)が行われていない場合には、コード情報を読み取ることができない、または、読み取りを行っても回収できない旨の表示を行っても良い。
【0111】
第2貨幣入出金機100Bは、処理が完了したら、完了通知をサーバ30に対して送信する(S1427)。これにより、サーバ30は、第2貨幣入出金機100Bでの回収作業が完了した旨の通知を受信する(S1428)。なお、作業者Bは、第2貨幣入出金機100Bの扉140aを開けて回収カセット140を取り出すとともに扉170aを開けて回収カセット170を取り出し、取り出した回収カセット140および回収カセット170を、例えば車に積載する。このようにして、作業者Bは、2番目の作業である、第2貨幣入出金機100Bからの回収作業を終える。
【0112】
他方、S1425の処理にて、作業者端末10の識別情報と関連付けて記憶されている作業がない場合には(S1425でNO)、第2貨幣入出金機100Bは、操作表示部104に、取り扱いをすることができない旨の表示を行う(S1429)。あるいは、第2貨幣入出金機100Bは、作業者端末10に、サーバ30を介して、取り扱いをすることができない旨の通知を行っても良い。
【0113】
サーバ30は、第2貨幣入出金機100Bから完了した旨の通知を受信した(S1428)後、当該作業者の3番目の作業の内容についての情報を、作業者端末10に送信する(S1430)。例えば、サーバ30は、作業者Bが携帯する作業者端末10に対して、作業者Bの3番目の作業の内容が、Y店舗90Yの貨幣入出金機100Cから貨幣の回収を実施することである旨の情報を送信する。
【0114】
作業者端末10は、サーバ30から送信された3番目の作業の内容についての情報を受信(S1431)後に、当該作業の内容を操作表示部13に表示するとともに、当該作業を行う対象機器に読み取らせるためのコード情報を操作表示部13に表示する(S1432)。
【0115】
作業者は、作業者端末10の操作表示部13に表示された指示に従い行動する。本シーケンスにおいては、作業者Bは、貨幣入出金機100Cが設置されている場所に赴き、操作表示部13に表示されたコード情報を貨幣入出金機100Cの読取器195に読み取らせる。そして、貨幣入出金機100Cの読取器195が、作業者Bの作業者端末10の操作表示部13に表示されたコード情報を読み取る(S1433)。
【0116】
その後、貨幣入出金機100Cは、読み取ったコード情報に含まれる情報が、予め記憶している情報と一致しているか否かを判定する(S1434)。具体的には、作業者端末10の識別情報と関連付けて記憶されている作業があるか否かを判定する(S1434)。ある場合には(S1434でYES)、貨幣入出金機100Cは、作業者端末10の識別情報と関連付けて予め記憶している処理を実行する(S1435)。本シーケンスにおいては、貨幣入出金機100Cは、上述した第1貨幣入出金機100AがS1417にて行う回収処理と同様の回収処理を行う。なお、S1434の処理において、貨幣入出金機100Cは、貨幣入出金機100Cでの締め処理(店舗の作業)が行われていない場合には、コード情報を読み取ることができない、または、読み取りを行っても回収できない旨の表示を行っても良い。
【0117】
貨幣入出金機100Cは、処理が完了したら、完了通知をサーバ30に対して送信する(S1436)。これにより、サーバ30は、貨幣入出金機100Cでの回収作業が完了した旨の通知を受信する(S1437)。なお、作業者Bは、貨幣入出金機100Cの扉140aを開けて回収カセット140を取り出すとともに扉170aを開けて回収カセット170を取り出し、取り出した回収カセット140および回収カセット170を、例えば車に積載する。このようにして、作業者Bは、3番目の作業である回収作業を終える。
【0118】
他方、S1434の処理にて、作業者端末10の識別情報と関連付けて記憶されている作業がない場合には(S1434でNO)、貨幣入出金機100Cは、操作表示部104に、取り扱いをすることができない旨の表示を行う(S1438)。あるいは、貨幣入出金機100Cは、作業者端末10に、サーバ30を介して、取り扱いをすることができない旨の通知を行っても良い。
【0119】
サーバ30は、貨幣入出金機100Cから完了した旨の通知を受信した(S1437)後、作業が完了した旨を作業者端末10に送信する(S1439)。作業者端末10は、作業が完了した旨を受信したら、作業が完了した旨を操作表示部13に表示する(S1440)。
【0120】
以上説明したシステム2によれば、作業者は、携帯する作業者端末10の操作表示部13に表示されたコード情報を対象機器に読み取らせることで、当該対象機器に回収処理を行わせることができるので、例えば当該対象機器で回収処理を行うための鍵等を持ち歩く必要がない。これにより、鍵等を持ち歩くことの煩雑さをなくすことができるとともに、セキュリティを高めることができる。また、1日に複数の貨幣入出金機100から売上金を回収する場合に、作業者は、複数の貨幣入出金機100それぞれに対応する複数の鍵等の中から、これから回収作業を行う貨幣入出金機100に対応する鍵等を探す必要がない。それゆえ、システム2によれば、鍵等を回収ルート別、店舗別、号機別等に仕分けることを不要にすることができるとともに、鍵等の保管や授受等の管理業務を廃止することができる。
【0121】
また、システム2によれば、作業者が携帯する作業者端末10の操作表示部13に作業の内容、例えばX店舗90Xの第1貨幣入出金機100Aから貨幣の回収を実施すること、が表示されるので、作業者に作業の内容を教示することができる。作業者は、作業者端末10の操作表示部13に表示された作業の内容を見ることで作業を行うことができるので、売上金を回収する対象機器の順序を覚える必要がない。なお、作業者端末10の操作表示部13に、作業の内容に加えて、作業を行う対象機器が設置されている店舗90までのルートを表示するようにしても良い。これにより、作業者は、ルートを覚える必要がない。また、管理者は、例えば作業者が頻繁に入れ替わったり急激に増えたりしても、ルートを教える必要がないので、システム2を用いることで教育コストを抑制することができる。
【0122】
また、貨幣入出金機100は、回収処理の実行結果をサーバ30に送信する。これにより、システム2によれば、管理者は、サーバ30に記憶された作業履歴を見ることで、逐次作業履歴を確認できる。その結果、管理者は、作業の進捗状況を把握できる。また、管理者は、作業の実行を終了すべき、例えば終了時刻を設定でき、終了時刻を過ぎても未だ作業が終了していない場合には、サーバ30は、作業者や管理者に終了時刻を過ぎた旨を通知するようにしても良い。
【0123】
図14および
図15を用いて説明したシーケンスは、日常的に行う定例業務を作業者に行わせる例である。その他、システム2を用いて、例えば交通障害等により他の作業者が回収できないエラーが生じたことに起因して行うことが必要になる非定例業務を作業者に行わせることも可能である。
以下に、システム2を用いて作業者に非定例業務を行わせる場合のシーケンスについて説明する。
図18は、システム2にて行われる非定例業務の業務支援についてのシーケンス図の一例である。
【0124】
警備会社の作業者は、与えられた業務を期限内に行うことができない場合には、その旨を本部センターに連絡する。例えば、作業者Bとは異なる作業者Cが、Z店舗(不図示)に設置された貨幣入出金機100Dから売上金を回収する業務を与えられている場合であって、交通事故等の交通障害により、作業者Cが期限内にZ店舗に赴くことができず回収作業を行うことができない場合には、作業者Cは、貨幣入出金機100Dからの売上金の回収作業を行えない旨を本部センターに連絡する。連絡手段は、電話、メール等であることを例示することができる。
【0125】
本部センターにおいては、管理者が、業務を行うことができない作業者の代わりに、期限内に当該業務を行うことができる作業者を選択し、選択した作業者に、当該業務を行うように指示する。代わりの作業者としては、与えられた業務を既に終えている作業者、作業を行う対象の機器が設置されている場所に近い場所に赴く予定がある作業者であって、期限内に当該業務を行うことができる作業者であることを例示することができる。例えば、管理者は、作業者Cから期限内にZ店舗の貨幣入出金機100Dからの売上金の回収作業を行えない旨の連絡を受けた場合であって、作業者Bが与えられた業務(
図14および
図15を用いて説明した回収作業)を既に終えている場合には、作業者Cの代わりの作業者として作業者Bを選択し、作業者Bに、Z店舗の貨幣入出金機100Dからの売上金の回収作業を指示する。
なお、作業者は、与えられた業務を期限内に行うことができない場合には、自ら他の作業者を選択し、選択した作業者に、期限内に自ら行うことができない業務を行うように指示できるようにしても良い。例えば、作業者Cが、直接作業者Bを選択して自らの作業を作業者Bの作業者端末10に転送できるようにしても良い。
【0126】
以下に、システム2を用いて作業者に非定例業務を行わせる場合のシーケンスについて説明する。
図18は、システム2にて行われる非定例業務の業務支援についてのシーケンス図の一例である。
図14および
図15を用いて説明した処理と同じ処理については同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
図18は、作業者Cから、期限内にZ店舗の貨幣入出金機100Dからの売上金の回収作業を行えない旨の連絡を受けた場合に、管理者が、作業者Cの代わりとして、Z店舗に近い場所にあるY店舗に赴く予定がある作業者Bを選択した場合を例示している。
【0127】
管理者は、管理者端末20にて、業務支援アプリを起動するためにログイン(S1851)後、作業者Bの、Z店舗の貨幣入出金機100Dからの売上金の回収作業についての作業情報を入力する(S1852)。管理者が入力を完了すると、作業情報が管理者端末20からサーバ30へ送信され、サーバ30の記憶部32に記憶される(S1853)。その後、サーバ30は、記憶部32に記憶している対象機器に対して、当該機器と関連付けて記憶されている作業の内容に対応する当該機器が行うべき処理の内容および当該作業の内容と関連付けて記憶されている作業者端末10の識別情報を含む処理情報を、送信する(S1854)。サーバ30の送信部312は、台番号2の作業者端末10を携帯する作業者BがZ店舗の貨幣入出金機100Dに対して貨幣を回収する作業を行うため、回収処理および台番号2の作業者端末10の識別情報を含む処理情報を貨幣入出金機100Dに送信する。貨幣入出金機100Dにおいては、制御部102が、通信部105を介して処理情報を受信し、記憶部106に記憶する(S1855)。
【0128】
サーバ30は、貨幣入出金機100Cから完了した旨の通知を受信した(S1437)後、作業者Bの応援作業の内容についての情報を、作業者端末10に送信する(S1856)。例えば、サーバ30は、作業者Bが携帯する作業者端末10に対して、作業者Bの応援作業の内容が、Z店舗の貨幣入出金機100Dから貨幣の回収を実施することである旨の情報を送信する。
作業者端末10は、サーバ30から送信された応援作業の内容についての情報を受信(S1857)後に、当該作業の内容を操作表示部13に表示するとともに、当該作業を行う対象機器に読み取らせるためのコード情報を操作表示部13に表示する(S1858)。
【0129】
作業者Bは、作業者端末10の操作表示部13に表示された指示に従い行動する。本シーケンスにおいては、作業者Bは、Z店舗に赴き、操作表示部13に表示されたコード情報を貨幣入出金機100Dの読取器195に読み取らせる。そして、貨幣入出金機100Dの読取器195が、作業者Bの作業者端末10の操作表示部13に表示されたコード情報を読み取る(S1859)。
【0130】
その後、Z店舗の貨幣入出金機100Dは、読み取ったコード情報に含まれる情報が、予め記憶している情報と一致しているか否かを判定する(S1860)。具体的には、作業者端末10の識別情報と関連付けて記憶されている作業があるか否かを判定する(S1860)。ある場合には(S1860でYES)、Z店舗の貨幣入出金機100Dは、作業者端末10の識別情報と関連付けて予め記憶している処理を実行する(S1861)。本シーケンスにおいては、Z店舗の貨幣入出金機100Dは、上述した第1貨幣入出金機100AがS1417にて行う回収処理と同様の回収処理を行う。
【0131】
Z店舗の貨幣入出金機100Dは、処理が完了したら、完了通知をサーバ30に対して送信する(S1862)。これにより、サーバ30は、Z店舗の貨幣入出金機100Dでの回収作業が完了した旨の通知を受信する(S1863)。なお、作業者Bは、貨幣入出金機100Dの扉140aを開けて回収カセット140を取り出すとともに扉170aを開けて回収カセット170を取り出し、取り出した回収カセット140および回収カセット170を、例えば車に積載する。このようにして、作業者Bは、応援作業である回収作業を終える。
【0132】
他方、S1860の処理にて、作業者端末10の識別情報と関連付けて記憶されている作業がない場合には(S1860でNO)、貨幣入出金機100Dは、操作表示部104に、取り扱いをすることができない旨の表示を行う(S1864)。あるいは、貨幣入出金機100Dは、作業者端末10に、サーバ30を介して、取り扱いをすることができない旨の通知を行っても良い。
【0133】
サーバ30は、貨幣入出金機100Dから完了した旨の通知を受信した(S1863)後、作業が完了した旨を作業者端末10に送信する(S1439)。作業者端末10は、作業が完了した旨を受信したら、作業が完了した旨を操作表示部13に表示する(S1440)。
【0134】
以上説明したシステム2によれば、作業者が、例えば当該対象機器で回収処理を行うための鍵等を持ち歩く必要がないので、例えば交通障害等により回収作業を行うことができない作業者の代わりに、他の作業者に回収作業を行わせることが可能となる。
【0135】
上述した例では、サーバ30と作業対象機器(例えば貨幣入出金機100)とがネットワーク40を介して互いに通信を行うことが可能となっているために、処理情報を、例えば回収作業の当日に、サーバ30が作業対象機器に送信している(例えばS1404)。これに対して、サーバ30と作業対象機器(例えば貨幣入出金機100)とがネットワーク40を介して互いに通信を行うことができない場合には、予め、作業対象機器が処理を行うことを許可するため、言い換えれば、作業対象機器に処理を行わせるための認証情報を定めておき、サーバ30は、その認証情報を作業者端末10に送信すれば良い。例えば、作業対象機器である貨幣入出金機100が回収処理を行うための認証情報として、予め、所定の回収コードを定めておき、貨幣入出金機100の読取器195が読み取った、作業者端末10の操作表示部13に表示されたコード情報の中に回収コードが含まれている場合には、回収処理を行うと良い。例えば、第1貨幣入出金機100Aの回収コードは「1234」、第2貨幣入出金機100Bの回収コードは「5555」、貨幣入出金機100Cの回収コードは「8823」であることを例示することができる。なお、回収コードは、作業者端末10の操作表示部13に表示されたコード情報の中に含ませるのに限定されない。作業者による、貨幣入出金機100の操作表示部104への入力であっても良い。
【0136】
図19および
図20は、サーバ30と作業対象機器とが通信を行うことができない場合における業務支援についてのシーケンス図の一例である。
図14および
図15を用いて説明した処理と同じ処理については同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
サーバ30は、管理者が入力した情報を記憶部32に記憶した(S1403)後、記憶部32に記憶している作業対象機器に対して、処理情報を送信しない。そして、サーバ30は、作業者が作業の内容を問い合わせた(S1409)場合に、作業の内容についての情報を作業者端末10に送信する(S1412)。作業者端末10は、サーバ30から送信された1番目の作業の内容についての情報を受信(S1413)後に、当該作業の内容を操作表示部13に表示するとともに、当該作業を行う対象機器に読み取らせるためのコード情報(例えばQRコード(登録商標))を操作表示部13に表示する(S1414)。S1414において操作表示部13に表示されたコード情報に、第1貨幣入出金機100Aが回収処理を行うことを許可するため、言い換えれば、第1貨幣入出金機100Aに回収処理を行わせるための、上記回収コード(例えば「1234」)が含まれている。
【0137】
図19のシーケンス図においては、第1貨幣入出金機100Aの読取器195が、作業者Bの作業者端末10の操作表示部13に表示されたコード情報を読み取る(S1415)と、第1貨幣入出金機100Aは、回収処理を実行する(S1417)。第1貨幣入出金機100Aは、作業が完了したら、操作表示部104に、作業が完了した旨の情報(回収金額等の詳細情報を含んでも良い)を、コード情報(例えばQRコード)等で表示する(S1901)。そして、作業者端末10が、操作表示部104に表示されたコード情報等を読み取ることで作業が完了した旨を把握し(S1902)、当該コード情報に含まれる作業が完了した旨の通知をサーバ30に対して送信する(S1903)。サーバ30は、作業者端末10から、第1貨幣入出金機100Aでの回収処理が完了した旨の通知を受信する(S1419)。なお、第1貨幣入出金機100Aは、作業が完了した旨の情報を作業者端末10に対して近距離無線通信等で送信しても良い。
【0138】
サーバ30は、第1貨幣入出金機100Aから完了した旨の通知を受信した(S1419)後、当該作業者の2番目の作業の内容についての情報を、作業者端末10に送信する(S1421)。作業者端末10は、サーバ30から送信された2番目の作業の内容についての情報を受信(S1422)後に、当該作業の内容を操作表示部13に表示するとともに、当該作業を行う対象機器に読み取らせるためのコード情報を操作表示部13に表示する(S1423)。S1423において表示されたコード情報には、第2貨幣入出金機100Bに回収処理を行わせるための、上記回収コード(例えば「5555」)が含まれている。
【0139】
そして、第2貨幣入出金機100Bの読取器195が、作業者Bの作業者端末10の操作表示部13に表示されたコード情報を読み取る(S1424)と、第2貨幣入出金機100Bは、回収処理を実行する(S1426)。第2貨幣入出金機100Bは、作業が完了したら、操作表示部104に、作業が完了した旨の情報(回収金額等の詳細情報を含んでも良い)を、コード情報(例えばQRコード)等で表示する(S1904)。そして、作業者端末10が、操作表示部104に表示されたコード情報等を読み取ることで作業が完了した旨を把握し(S1905)、当該コード情報に含まれる作業が完了した旨の通知をサーバ30に対して送信する(S1906)。サーバ30は、作業者端末10から、第2貨幣入出金機100Bでの回収処理が完了した旨の通知を受信する(S1428)。
【0140】
サーバ30は、第2貨幣入出金機100Bから完了した旨の通知を受信した(S1428)後、当該作業者の3番目の作業の内容についての情報を、作業者端末10に送信する(S1430)。作業者端末10は、サーバ30から送信された3番目の作業の内容についての情報を受信(S1431)後に、当該作業の内容を操作表示部13に表示するとともに、当該作業を行う対象機器に読み取らせるためのコード情報を操作表示部13に表示する(S1432)。S1432において表示されたコード情報には、貨幣入出金機100Cに回収処理を行わせるための、上記回収コード(例えば「8823」)が含まれている。
【0141】
そして、貨幣入出金機100Cの読取器195が、作業者Bの作業者端末10の操作表示部13に表示されたコード情報を読み取る(S1433)と、貨幣入出金機100Cは、回収処理を実行する(S1435)。貨幣入出金機100Cは、作業が完了したら、操作表示部104に、作業が完了した旨の情報(回収金額等の詳細情報を含んでも良い)を、コード情報(例えばQRコード)等で表示する(S1907)。そして、作業者端末10が、操作表示部104に表示されたコード情報等を読み取ることで作業が完了した旨を把握し(S1908)、当該コード情報に含まれる作業が完了した旨の通知をサーバ30に対して送信する(S1909)。サーバ30は、作業者端末10から、貨幣入出金機100Cでの回収処理が完了した旨の通知を受信する(S1437)。
【0142】
このように制御することで、サーバ30と作業対象機器とが通信を行うことができない場合であっても、作業者が、携帯する作業者端末10の操作表示部13に表示されたコード情報を対象機器に読み取らせることで、当該対象機器に回収処理を行わせることができる。それゆえ、サーバ30と作業対象機器とを通信可能にするための設備投資を抑制することが可能となる。また、上記制御によれば、例えば交通障害等により回収作業を行うことができない作業者の代わりに、他の作業者に回収作業を行わせることも可能となる。
【符号の説明】
【0143】
1,2…業務支援システム、10…作業者端末、11,21,31,102,202…制御部、13…操作表示部、20…管理者端末、30…業務支援サーバ、40…ネットワーク、100…貨幣入出金機、111,211,311…受信部、112,212,312…送信部、195,295…読取器、200…貨幣釣銭機